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【RIZIN LANDMARK09】柴田MONKEY有哉、山本アーセン戦へ「アーセン君に勝ったら海外の強い選手と」

【写真】PRIDEへの憧れが、強い選手が海外からやっていること──という柴田(C)MMAPLANET

23日(土)、神戸市中央区の神戸ワールド記念ホールで開催されるRIZIN LANDMARK09で、柴田MONKEY有哉が山本アーセンと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

2019年、神龍誠とDEEPフライ級王座を争う試合前、柴田は「負けたら終わり」と発言していた。それは引退という意味ではなく、「今のやり方じゃダメなんやな」ということだったと過去のインタビューで発言している。そして環境の変化と怪我もありつつ、柴田は2022年12月に杉山廣平に勝利して以来の試合を、初出場となるRIZINで迎えることとなった。なぜ柴田はMMAを続けるのか。そこにMMAがあるから――だけではない。そこに、MMAを始めた頃から叶えたかった夢があるから。


――柴田選手にとっては1年3カ月振りの試合となります。コロナ禍もありましたが、ここ数年は試合のペースも以前と比べて落ちているのではないでしょうか。

「そうですね。今はそれほど試合をしたいわけでもなくて」

――というと?

「昔は自分が上に行くことしか考えていなかったから、怪我がない限りオファーは断らない。とにかく試合をして勝ち、できるだけ早く上に行きたいという感じでした。でも今は試合が終わったら1回オフに切り替えないと、気持ちの面が続かなくなってはきています。年齢的なこともあるでしょうし、ジムの運営もあるので、少し間隔を空けたほうが試合に対する気持ちをつくりやすいんですよ。

KIZUNAはJr.Borderの常連チームだ

だからそんなに試合を詰めなくても良い。

間隔を空けられるなら年2回でも良いかな、と思っていますね」

――結果、今回のRIZIN神戸大会出場は、柴田選手にとってはタイミングが良かったのですか。

「あくまで結果として、タイミングは良かったのかなと思います。というのも去年、子供が生まれたんですよ」

――おぉ、それはおめでとうございます。

「ありがとうございます。杉山選手との試合後、会場でプロモーターさんには『子供が生まれるので、しばらく試合はできないです』と伝えていました。嫁さんのサポートをしたかったので。その時点で休むのが1年か2年かは決まっていなかったけど、『そろそろ試合ができるかな……』と考えていた時にオファーが来たんです」

――それがRIZINからのオファーだったのですか。

「いえ、まずDEEPのオファーがありました。でも僕が気持ちをつくることができる相手ではなかったというか。いつも自分は『僕が負けると思われる相手と試合をさせてほしい』とお願いしているんですよ」

――しかし対戦オファーがあった相手は、そうではなかった。確かに柴田選手は2011年のプロデビューで、もう誰が相手でも戦うというキャリアやポジションでないとは思います。同時に普段DEEPで視ている選手であれば、どういった試合になるかも予想がつくかもしれません。勝ち負けはともかく。

「そうですね。普段から『自分と戦ったら、どんな試合展開になるか』と考えながら試合を視ているわけで。もちろん試合はやってみないと分からないです。自分も今まで、どれだけ勝つと意気込んでいても負けたことはありますし。

そんな時にRIZIN神戸大会があると聞いて、佐伯(繁DEEP代表)さんに『RIZINに出たい』という希望を伝えました。そうしたらタイミング良く、山本アーセン君との試合が決まって」

――柴田選手は対戦カード発表の記者会見で、PRIDEへの憧れを口にしていました。現在であれば柴田選手にとって、それだけRIZINで試合をすることの価値は高かったということですか。

「まず今年は意味のある試合をしたいと考えていました。RIZINに出ると注目度は一気に上がるじゃないですか。それとDEEPでは組まれないような相手とも試合ができる。そう考えた時に、RIZINに出ることは自分にとってはプラスしかない――と。周りの人も……簡単に言えば、RIZINに出ることが発表されてから、知り合いが増えました(笑)」

――知り合い、ですか。それは会ったことのない親戚が増えたのではなく(笑)。

「アハハハ。有名になると、よくあるやつですね。そこまでではないけど、『あれ? 誰やったかなぁ……』みたいなことは増えて」

――特に山本アーセン選手が相手となれば、より注目度は高まるでしょう。

「そうですね。オイシイ相手やなぁって思います。これは決して、相手のことをナメているわけじゃなくて。プロモーター側からすれば『柴田って、どれだけやれるんや』って測るために良いカードだったんでしょうね。別にアーセン君のほうが注目されているからって、それは気にしていないです。

僕はアーセン君のことを尊敬しているんですよ。レスリングで世界を獲っているじゃないですか。彼が世界カデット選手権で優勝した時のことをドキュメンタリーで視て、『凄いな!』と思いました。そのレスリングで世界を獲った選手と自分が戦ったら、どんな試合になるんやろう? 単純にワクワクしています。RIZINならではのカードで」

――ファイターとしても、ジム経営者としても認知度を高めていく必要はあると思います。柴田選手の中では、いつ現役生活を終わりにするのか決めているのですか。

「何年後かって決めているわけではないけど、もう長く続けられないとは思います。年齢や怪我のことだけじゃなく、ジムの若い選手をサポートしたい。ウチのジムで強くなりたいと言ってくれている若い選手のために、もっともっと良い環境をつくらなアカンと考えています」

――なるほど。ではMMAファイターとしてのアーセン選手の印象を教えてください。

「パンチが強くなっているのと、真っ直ぐな気持ちが試合に出るファイターですよね。RIZINファンの方や、世間の味方としてはアーセン君が勝つと思っているかもしれない。でも僕は、もちろん自分が勝つと思っています」

――ご自身のキャリアの中で、今回の試合はどのような位置づけになると思いますか。

「今の最終的な目標は、RIZINで強い外国人選手と戦うことです。僕の夢は、PRIDEに出ることでした。最初にPRIDEを視たのは、ヒョードル×ミノタウロの2戦目で。あの試合を視て『自分もコレをやりたい』と思ったんですよ」

――強い外国人選手というと……。

「海外のベルトを持っている選手や、元UFCファイターとかになりますね。特にUFCで勝っている選手なら、誰もが強いと思ってくれると思うので。以前、海外でUFCやONEに出ているファイターと練習したことがあるんですよ。僕としては、その選手たちが練習している環境があれば、UFCファイターとも戦えるなって感じました。今は自分自身で、そういう練習環境をつくっているつもりです」

――柴田選手がデビューした2011年には、すでにPRIDEは活動を休止していました。以降は日本の格闘技界も厳しい時代が続いていました。

「確かにファイターとして目指す場所は、なくなっていたかもしれないです。でもそれ以上に、PRIDEに出ていたファイターのように強くなりたいという気持ちが一番で。プロデビューして、勝って、ベルトを巻きたい――デビューした頃ならUFCが一番だったかもしれないですよ。でも何か違うな、って」

――UFCの何が違ったのでしょうか。

「もちろん一番の舞台やけど、別に海外で試合したいと思っていたわけじゃないんです。当時はUFCもフライ級がなかったですし。当時は何回か、PRIDEが復活するという噂もあったじゃないですか。自分の中では『PRIDEが復活して軽量級もやってくれるなら、出られるようにしておこう』と考えていました」

――柴田選手にとっては、かつてのPRIDEが今のRIZINということなのですか。

「正直、今のRIZINも当時のPRIDEと同じようには考えていないです。それが一昨年の大晦日にRIZINとベラトールの対抗戦があったじゃないですか。僕はPPVで視ていて、PRIDEのテーマが使われているし、対世界や団体対抗戦の雰囲気を感じました。自分の中に『ここでやりたい。ここで海外の強い選手と戦いたい』という気持ちが沸き上がってきて。

あの時は、PRIDEのテーマを聴いただけで鳥肌が立ちました。今回アーセン君に勝ったら、『海外から強い選手を呼んでください!』と言ってもエエんちゃうかな、と思っています。次の試合は自分の夢を叶えるために――僕が発言権を得るための戦いです」

■視聴方法(予定)
3月23日(土)
午後12時00分~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE

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【RIZIN46→LANDMARK9】神戸大会はケージ仕様に。ライト級王者サトシがK太郎とノンタイトルで激突

【写真】サトシと対戦する中村K太郎は通常営業のポーズ(C)MMAPLANET

31 日(水)、東京都内で、3月23日(土)に兵庫県の神戸市ワールド記念ホールで開催されるRIZIN46改めRIZIN LANDMARK9の追加カード発表記者会見が行われた。
Text by Shojiro Kameike

会見の冒頭で榊原信行CEOから、当初ナンバーシリーズとして発表されていた今大会がLANDMARK=ケージを使用する大会となることが発表された。会見で発表されたMMAルールの試合は、ライト級=ホベルト・サトシ・ソウザ×中村K太郎(ノンタイトル戦)、ウェルター級=イゴール・タナベ×ストラッサー起一、フライ級=山本アーセン×柴田MONKEY有哉、フェザー級=久保優太×高橋遼伍、バンタム級=金太郎×ダイキ・ライトイヤー、フライ級=中村優作×アルマン・アシモフ、ヘビー級=貴賢神×コーディー・ジェラベック、フェザー級=高木凌×西谷大成の8カードだ。


キックボクシングルールの試合も組まれ、70キロ契約=憂也×蛇鬼将矢、56.5キロ契約=赤平大治×吉岡雄希、57.5キロ契約=松山瞬×櫻井芯、53キロ契約=野田蒼×上村雄音の4カードが発表されている。また。2月24日(土)にSAGAアリーナで開催されるRIZIN LANDMARK8で矢地祐介と対戦予定であったキム・ギョンピョがヒザ靭帯の負傷により欠場となり、白川陸斗が矢地と対戦することとなった。

ここからは会見での挨拶と、MMAPLANETからの質問に対する回答を書き記したい。

ホベルト・サトシ・ソウザ
「最近は試合をしていないけど、今年も頑張ります。RIZINのライト級でもっと面白い試合を見せたいから、今年ももっと頑張ります。(K太郎が兄のマルキーニョスに勝っていることについて)絶対にその質問が来ると思っていた(笑)。でも私は全然気にしていない。兄も『良い試合になる。絶対に勝てる』と言っているから」

中村K太郎
「サトシ選手という強い相手とライト級で戦えるのは光栄です。頑張ります。(かつて兄のマルキーニョスに勝っていることについて)今、言われるまで僕も言えていなかったのですが、事あるごとに『マルキーニョス、俺に負けているぞ』と言ってやろうと思います。試合中もボソボソ『マルキーニョス、俺に負けているぞ』と言って、メンタルを乱してやります」

イゴール・タナベ
「今回の相手は日本から世界で活躍してきたストラッサー起一選手ですが、自分が世界一になるためには必ず越えなければいけない壁です。必ず1Rで一本を極めます」

ストラッサー起一
「自分は24歳の時にド素人で格闘技を始めました。当時は『UFCに行く』と言って、みんなにバカにされながら、それを糧にして頑張ってUFC、Bellator、RIZINで戦ってきました。42歳の今でもRIZINのチャンピオンを目指しています。『もうできひん』『もう引退しろ』という声もあります。その言葉を力変えて、しっかりイゴール・タナベ選手を倒し、30~50代の方に勇気とか感じてもらえたらと思います。熱い試合をします」

高橋遼伍
「自分は今まで海外で試合していたのですが、ずっとRIZINに出たかったので念願が叶いました。自分は実家が明石で、神戸は隣町なので、地元開催という一つで二つ美味しいことが起こりました。今このキャリアになっても新しいことにチャレンジできるのが、凄く嬉しいので、しっかりRIZINを盛り上げたいです」

久保優太
「対戦相手の高橋選手は、RIZINファンの方は聞きなれない名前の選手かもしれません。修斗のチャンピオンで、ONEでも活躍していて、トップクラスの選手だと思っています。その選手に挑戦できるのは、凄く嬉しいです。常々言っているとおり、僕はRIZINのチャンピオンになることが目標です。この勝利が目標達成のための第一歩になると思っています。自分の格闘技人生の集大成を見せたいです」

西谷大成
「去年の6月、北海道で大きな花火を打ったのですが、うまくいったかどうかは結果的によく分かりません。今年初めての試合ということで、気合い入れて練習してきました。今回も跳びヒザで勝てるように頑張ります」

高木凌
「前回は負けて、イチから全て見直してきました。西谷選手は自分との試合の前にブレイキングダウンに出るみたいで、そこはサクっと勝ってもらわないと困ります。跳びヒザで勝つと言っていますが、跳びヒザで来たら右でブッ倒すので楽しみにしておいてください」

山本アーセン
「自分は寝技の相手には良いところを見せて最後に負けたりだとか、良い結果を出せていないので。今回も黒帯だと聞いているので、自分の壁を超えて、しっかり1Rで終わらせられるように頑張って、また本戦に呼ばれるような選手になろうと思います」

柴田MONKEY有哉(コメント代読)
「まず初めにDEEP佐伯代表、DEEP関係者の皆さん、RIZIN関係者の皆さん、僕を起用してくださり、ありがとうございます。僕の夢はPRIDEです。そして、現在に蘇ったPRIDがRIZINだと思っています。そんなRIZINで、レスリングの世界を獲ったアーセン君と戦えることは、異種格闘技戦に近いPRIDEのような戦いができるんじゃないかとワクワクしています。RIZIN初参戦ですが皆さん、応援のほど宜しくお願いします」

ダイキ・ライトイヤー(コメント代読)
「前回に続きオファーを下さったRIZINの関係者の皆さん、ありがとうございます。3月23日は自分の地元・神戸でのRIZIN開催です。そして対戦相手が金太郎。試合が面白くならないはずがありません! 自分も大人しくしているつもりはないので、金太郎選手をしっかり倒して、会場も、神戸も、RIZINも盛り上げようと思っています。修斗で積み上げてきたものを全て出しきり、必ず勝ちます! 神戸の皆さん、ダイキ・ライトイヤーの応援よろしくお願いします!」

金太郎
「この1年、格闘技にしっかり向き合ってきました。次の試合で、その成果を見せます」

榊原CEO
「神戸は追加でキックの試合を1試合、2試合追加できるかなと思います。神戸と佐賀、LANDMARK2連戦で、この2024年シーズンを占うような、シーズンを引っ張ってくれるような選手が誕生してくれると嬉しいです。今年も10大会ぐらいを予定しています。そこに参戦していただく機会も増えるかと思います」


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【DEEP112】福田龍彌、宇田悠斗戦へ「人間関係も含めて断捨離して、MMAに没頭できる環境を」

【写真】福田は語ることができるファイターだ (C)SHOJIRO KAMEIKE

今週末11日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP112で、いよいよフライ級GP準決勝戦が実施される。1月13日には都内で抽選会が行われ、福田龍彌が宇田悠斗と対戦することが決定している。
Text by Shojiro Kameike

元修斗世界王者として、福田はGPの優勝候補の1人であっただろう。しかし1回戦の杉山廣平良戦、2回戦の安谷屋智弘戦では思わぬ苦戦を強いられる場面もあった。対して、修斗世界ランカーとして参戦した宇田は、ここまで2試合連続KO勝ちを収めている。経験の福田、勢いの宇田――そんな見方も決戦を前に、福田が2021年からの環境の変化と、対戦相手について語る。


――1月13日にDEEPフライ級GP準決勝の抽選会が行われ、対戦相手が宇田悠斗選手に決まりました。試合に関するお話の前に、フライ級GPの抽選会は毎回和気あいあいとしていますね。

「アハハハ、そうですね。あんまり殺伐とした空気ではないです。僕としてはGPで対戦相手は誰でもいいんですよ。ビュッフェのように、目の前にたくさんの料理が並んでいる。でも自分の前にどの料理が出されるか分からない、みたいな(笑)。勝っていけば次々と料理が出て来るっていうのが今の状態ですね。れよりも、準決勝の抽選会は病み上がりだったほうがキツくて」

――年末年始は体調を崩していたのですか。

「年明けから風邪をひいて、4日間ぐらい寝込んでいたんですよ。熱はないし練習は始めていましたけど、それほどハードに動くのはまだ無理で。だから、抽選会の時はグッタリしていただけというか(笑)」

――アハハハ、それが殺伐とした雰囲気がなかった要因の一つでもあったのですね。とはいえ、時期的に体調を崩した際は新型コロナウイルスかどうか心配になりませんでしたか。

「あぁ、そうですね。検査もあるので大丈夫ですし、何より僕はコロナって罹るもんやと思っているんですよ。罹ったら罹ったで仕方ない。こういう言い方をしたら、コロナに罹って苦しんでいる人に申し訳ないけど……」

――今もなお、これだけ新型コロナウイルスに感染している人が多い以上、その覚悟を持っている必要はあるかと思います。

「僕が住んでいるところってテレビも地デジ対応範囲外やから、コロナ禍に関する情報も少なくて」

――えっ!? 前回のインタビューで京都市の中心部から離れたところに引っ越したとはお聞きしましたが、まさか地デジが映らない場所とは……。

「だからニュースを見るのも、練習のあとサウナに寄った時ぐらいで。といっても、夕方やとだいたい大相撲が流れているので、そんなに見ていないんですけどね。家にWi-Fiは通していて、情報はSNSから得るっていうぐらいです」

――なぜ京都の街中から、そのような場所に引っ越したのでしょうか。

「ジムから車で50分くらい行った山奥に住んでいます。いつでもMMAができる環境を、当たり前のものにしたくなかったというか。ずっと会社に勤めながらMMAをやっていたんですよ。だからってMMAを片手間でやるものにしたくない。……コロナ禍になって、MMAだけじゃなく世の中全体について考えさせられました。みんなが日常の中で当たり前やと思っていることが、すべて必要なわけじゃないことが分かってきて」

――会社に出社することなくリモートワークが多くなったのも、コロナ禍による変化の一つでした。

「それで言うと、会社に出社しないから人付き合いも減ってきました。仕事があって、人付き合いもあったうえで、練習もせなアカン。でも京都市内に住んでいると、それが当たり前にできてしまうわけですよ。すると仕事の合間に練習する……MMAが片手間になりかねなくて。そのなかで、僕はジムに来ることを特別にしたかったんです。格闘技を生業として、ジムで練習することも仕事の一つにしたかった」

――そのために会社も辞め、地デジが映らない場所に移ったのですか。

「1日1日、ちゃんと目的を持って生きる。ジムに来るのも毎回しっかりと目的を持つ。で、仕事が終わったら家に帰って、のんびりする。それが仕事じゃないですか。ちょうど子供が生まれた頃でもあったんです。子供に都会から離れたところで、ノビノビと育ってほしいという気持ちもありました」

――ただし、地デジが映る場所でも、そういった生活はできるわけですよね。

「テレビもいらんと思うようになったんですよ。今は別にニュースが教科書ってわけじゃなく、『コレってどうなんやろう?』というようなニュースも多いじゃないですか。そういうのを見てると、試合前のメンタルにも響くことがある。なんて考えると、テレビもいらんなと思って。それやったら映画を見ているほうが良いし、映画やったらネットで見られるので。人間関係も含めて断捨離して、MMAに没頭できる環境を創ろうと思いました」

――それは福田選手にとって格闘技のルーツでもある、タイでの生活につながる部分もあるのでしょうか。

「あぁ、そうですね。もともと僕は京都の嵐山出身で、ひぐらしの声が聞こえるような場所やったんです。ゲーセンもないし。かといって家の中でゲームをするわけでもない。だからゲームを通じてとかじゃなく人と人とが直接関わり、その人に興味を持つことができる環境でした。逆に都会の高校へ行ったら、そんなに友達もできんくて(笑)。

そんななかで中1の時にタイへ行ったじゃないですか。言葉も分からん状態で、身振り手振りや表情で相手が言っていることを悟るしかない。その経験が一番良かったです。おかげで言葉を信用しないというか、言葉ではこう言っているけど相手の表情や雰囲気で本心を探ることができる。そういう相手の心に対して敏感になりました。

タイから日本に戻る時、みんな言葉も分からんのに、すごく悲しんでくれて……。人って本当に悲しい時は、こんな表情するんやなってことも分かったし。そういう経験があったからこそ、コロナ禍のなかで『都会の人間関係って薄っぺらいもんやな』と思っちゃったんです」

――……。

「それで生活環境を変えて、DEEPに出るようになったのが2021年のことです。僕にとっては、2021年ってすごく大きな年やったんですよ。さらに2022年は5試合して、すべて勝つことができて良かったです」

――そんななかで、昨年12月に柴田MONKEY有哉選手が杉山廣平選手を下したあと「DEEPのベルトが欲しい」と発言しています。当日、福田選手は来場していました現在フライ級GPが行われているなかで、GPに参戦していない柴田選手の発言をどのように思いますか。

「あぁ、それですか(苦笑)。もともと僕は『チャンピオンでいたい』と思っていないので、ベルトに興味はないです。でもベルトに興味がある人はあるんやろうと思っています。ただ、もし彼にベルトを獲りたいという強い気持ちがあったなら、GPに出るのが一番の近道やったんじゃないですか。すごく良い選手やし、本人のことも嫌いなわけじゃないですよ。試合(杉山戦)もエエ内容でした。でもTPOはわきまえないとアカンよね、って思います。

彼は彼で手術したためにGPに出られなかったという事情があったんでしょう。でも僕は骨折しても出たから(昨年5月のビョン・ジェウン戦で拳を骨折し、GP1回戦の杉山戦に臨んでいる)。杉山戦の前は握力を測ったら20キロもなくて、測った病院でメッチャ笑いましたよ」

――えっ、握力が20キロ以下とは……。

「でもGPに出ると決めたら、それぐらいの気持ちでやっていますよ。これを言ったらアカンかもしれんけど、極論として『GPだから何!?』とすら思います。自分も怪我や骨折、手術もしたりしました。その時に『MMAをやりたくても、できひん』という気持ちが分かったんですよね。とにかく戦いたい。それだけです。だから次の相手――宇田君って本当の良い相手じゃないですか」

<この項、続く

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【DEEP Osaka Impact2022#05】杉山廣平戦へ、柴田MONKEY有哉─02─「今の自分ができることを続ける」

【写真】相当にできることが増えているようなので、期待が高まる (C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(日)、大阪市福島区のコレガスタジオで開催される2022年のDEEP最終戦=DEEP Osaka Impact2022#05で杉山廣平と対戦する、柴田MONKEY有哉のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

今年4月に約3年ぶりのケージ復帰を果たしたものの、その試合で右ヒジを負傷して手術をするまでに至った。あれか8カ月――DEEPフライ級GP1回戦で福田龍彌に敗れたものの成長著しい杉山を相手に、柴田はどのような試合を見せるのか。その答えは、強い相手を倒すこと。ファイターとしてあるべき姿を、柴田が地元大阪で見せつける。

<柴田MONKEY有哉インタビューPart.01はコチラから>


――柴田選手から「一番強い相手」を希望したということですか。

「佐伯さんと『年内にもう1試合したい』という話をしていて、僕から『いま試合ができるなかで、佐伯さんの中で一番評価の高い選手は誰ですか』と聞いたんです。佐伯さんも検討してくれて、杉山選手ではどうかという連絡を頂きました」

――そこで一番強い相手を希望した理由は何だったのでしょうか。

「え、理由ですか……。う~ん……」

――……どうしましたか。

「ファイターやから、もう単純な理由ですよ。強い選手に勝たないと、次につながらないので」

――確かに単純すぎる理由ですし、ファイターとしてあるべき姿かもしれません。ただ、手術してからの復帰戦として、もっと実力差のある選手とのチューンナップファイトを選ぶこともできたかと思います。

「怪我からの復帰戦だから軽い相手を――なんてつもりは全くないです。別に怪我をしようとしていまいと、見ている先は変わらないので」

――まずこれだけの怪我と手術があり、復帰できるかどうかの不安はなかったのですか。

「僕より重い怪我をしても復帰して活躍している選手って、たくさんいますからね。僕は靭帯の損傷ですけど、格闘技以外でも前十字靭帯断裂したスポーツ選手のニュースを見たりしますし。堀口恭司選手も確か、前十字靭帯断裂から復帰していて。それに、これで復帰できなければ、僕もそこまでの選手やったということですよ。あとは僕自身がどうするか――結果、復帰して試合ができることに感謝しかないです」

――それでも昨年4月に復帰戦を行い、その後さらに負傷によって試合間隔が空いてしまいました。そこで自身のキャリアについて考え直すことはなかったですか。

「相手が誰であろうと、自分がインパクトある勝ち方をして、勝ち進んでいくことが大事ですからね。だから負傷があってもキャリアの積み方を変える必要がないし、より強い相手に勝つことのほうが大切です。

もちろん先のことも考えています。でも……DEEPフライ級GPについて『自分が上に行くために戦う必要のない選手と』っていう言い方をしましたけど、何よりファイターとして強い相手と対戦する。その気持ちのほうが強いですね」

――柴田選手もプロデビューから11年、ベテランらしい落ち着きぶりです。

「いやぁ、なんだかんだで僕も年くっちゃいました(笑)」

――アハハハ。グランプリに参加していなくても、杉山選手に勝てば次の相手もGP参戦選手になるかもしれません。そうしていくうちに、気づけばGPで優勝したのと同じようなことに……。

「アハハハ、それはそれでオモロイですね」

――柴田選手と他のフライ級ファイターの絡みは、とても楽しみです。先ほど柴田選手が言われた「キャリアの先に見ているもの」とは何なのでしょうか。

「DEEPのベルトと、RIZINのフライ級です。海外とかは考えていないですね。DEEPのベルトに挑戦するのが先なのか、RIZINで試合をするのが先なのかは分からないけど、まずその2つしか考えていません。だから対戦相手がどうこう、というのはないですね。

まだRIZINでフライ級の試合があるのかどうか、トーナメントをやったりするかどうかも分からないです。大阪で龍ちゃん(福田龍彌)とNavE選手が戦った大会はフライ級の試合も多かったし、今後もフライ級をやるのかなって少し期待したんですけど(苦笑)」

――……。

「ただ、今後どうなろうとも僕が弱い選手やったら、どこも呼んでくれないので。プロモーターからすれば、試合が面白くなくて、しかも弱い選手やったら呼ばないじゃないですか。もし急にオファーがあったとしても呼ばれるように、今の自分ができることをやり続ける。それしかないです」

――その通りですね。では対戦する杉山選手の印象を教えてください。

「気持ちが強い選手ですよね。最後まで気持ちが折れない。打撃でダウンを奪ったりもするし、気をつけないといけないことも多くて、絶対に油断できない相手です」

――前回の福田戦については、どのような感想をお持ちですか。

「龍ちゃんは、しっかり相手のことが見えていましたよね。杉山選手も良い場面をつくることができないながらも、最後までやりきることができるメンタルが凄かったです。これは凄くしぶとい選手なんやろうなって。あとは最近、打撃とテイクダウンも強くなって、どんどんトータルファイターになってきていると思います。自分も良い緊張感を持って、ここまで練習することができています」

――その杉山選手との試合は、どのような内容になると思いますか。

「どのラウンドになるかは分からないけど、フィニッシュしたいです」

――杉山選手はトータルファイターとして成長しているぶん、ディフェンスも固くなっています。それでもフィニッシュできる自信がありますか。

「それでもフィニッシュできると思います。ぜひ楽しみにしていてください」

■視聴方法(予定)
12月18日
午後4時00分~Twit Casting LIVE

■ 対戦カード

<フライ級/5分3R>
柴田“MONKEY”有哉(日本)
杉山廣平(日本)

<バンタム級/5分3R>
中本龍平(日本)
牧野滉風(日本)

<ライト級/5分2R>
田中壱季(日本)
大宮優(日本)

<ライト級/5分2R>
大野“虎眼”賢良(日本)
ディーシー”オーバーマン”クラー(カナダ)

<バンタム級/5分2R>
上荷大夢(日本)
関本龍翔(日本)

<ウェルター級/5分2R>
森井翼(日本)
角野晃平(日本)

<ストロー級/5分2R>
亮馬(日本)
石井涼馬(日本)

<フェザー級/5分2R>
フェルナンド(ブラジル)
松本レイ(日本)

■DEEP Osaka Impact2022#04 視聴方法(予定)
12月18日
午前11時30分~Twit Casting LIVE

■ DEEP Osaka Impact2022#04 対戦カード

<68キロ契約/5分3R>
中村大介(日本)
岩本達彦(日本)

<バンタム級/5分3R>
増田拓真(日本)
上田直毅(日本)

<バンタム級/5分2R>
谷岡祐樹(日本)
八尋大輝(日本)

<フェザー級/5分2R>
瀧口脩生(日本)
ムテカツ(日本)

<フライ級/5分2R>
藤田健吾(日本)
井上暉也(日本)

<フェザー級/5分2R>
堂園悠(日本)
桑本征希(日本)

<フェザー級/5分2R>
前薗渓(日本)
斎土泰斗(日本)

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【DEEP Osaka Impact2022#05】「いま出られる選手で、一番強い相手を」GP欠場 柴田MONKEY有哉─01─

【写真】 強い相手に勝つことが格闘家の自己証明だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(日)、大阪市福島区のコレガスタジオで開催される2022年のDEEP最終戦=DEEP Osaka Impact2022#05。まさに2022年のオオトリでケージに足を踏み入れる柴田MONKEY有哉が、杉山廣平と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

柴田は今年4月に地元の大阪で渋谷カズキを三角絞めで仕留めたが、試合中に右ヒジを負傷していた。そのためDEEPフライ級GPには参戦せず、手術を経て今回8カ月ぶりの復帰戦を迎えることに。インタビューで語ってくれた負傷を追いながらも戦った渋谷戦、そして杉山との復帰戦を選択したところに、ファイターとしての柴田MONKEY有哉が表れている。


――今年4月の渋谷戦以来、8カ月ぶりとなる試合を控えてのインタビューとなります。ここまで試合間隔が空いたのは、渋谷戦で負傷したことが要因とのことですが……。

「そうなんです。試合中に右ヒジの靭帯を切ってしまいまして(診断は右肘外側側副靭帯損傷)。そのあと手術もしました。DEEPフライ級GPもオファーは頂いたのですが、治療期間でもあったので辞退しました」

――まず驚くのは、渋谷戦でヒジの靭帯を切りながら勝利を収めたことです。試合後にマイクを持ち、右ヒジを痛めたことは明らかにしていましたが、試合中のどの時点で負傷していたのでしょうか。

このタイミングだったのか……

「1Rに足関節を仕掛けられた時、僕がマットに手を着いた時ですね。

その瞬間、右ヒジから音が鳴ったんです。僕自身は脱臼したのかなと思って確認したのですが、ヒジが外れていなかったので戦えると思いました」

――……試合中はアドレナリンもあって痛みは感じないかもしれませんが、2R以降も右腕を動かす際に痛みはなかったのでしょうか。

「ヒジから先は痺れている感覚がありました。右腕だけハッキリした感覚がないというか。2Rと3Rは、その状態で試合をしていましたね」

――当日はケージサイドで撮影していましたが、右腕がそのような状態になっていたとは気づかなかったです。

「僕以外は、誰も気づいていなかったと思います。渋谷選手も、セコンドも」

――えっ!? 右ヒジを痛めた時点でセコンドが気づかないのは仕方ないと思いますが、インターバルの際にセコンドへ、痛めたことを伝えなかったのですか。

「言ってないです。コーナーに戻った時も腕は動いていたし――自分がやるかやらないか、っていう話ですからね。試合後は右腕が大根みたいにパンパンに腫れていました。アハハハ」

――今は笑って振り返ることができるかもしれませんが、その時は決して笑えるような状況ではなかったのでは……。

「いえ、『しゃあないよな』っていう感じでした(笑)」

――凄まじい話です。2R以降も右のパンチやパウンドも放っていました。

「痛みはないけど、自分が拳を握っている、あるいはパンチが当たっているという感覚は薄かったです。1R序盤に痛めたので、そこからは様子を見ながら戦っていました」

――なるほど。柴田選手が1Rから仕留めに行かなかったのは、久しぶりの試合ですし、相手も足関節を中心とする独特のタイプだったからなのかと思っていました。

「あぁ、それもありましたよ。足関節の対策はやっていました。でも、そこは相手の強い部分やから、しっかり対処していかないとアカンなと思って」

――試合が終わって控室に戻ると、右ヒジが腫れていたのですか。

「1時間ぐらい経ったら皮が腫れ上がっていて、周りもビックリしていましたね。でもファイターやったら、腕が動くなら試合はやるやろうと思います。そのまま病院に直行しましたけど(苦笑)」

――そうだったのですね……。渋谷戦の時点では、DEEPフライ級GPのオファーはあったのでしょうか。

「なかったと思います。RIZINでフライ級GPをやるという噂は聞いていて、まだDEEPで開催するとは決まっていなかったんじゃないですかね。だから渋谷戦のあとにフライ級GPのことを言ったのは、RIZINでやるという推測からだったんです。でも右ヒジの負傷があって、また試合間隔が空くなぁと思いました」

――右ヒジを手術したのは、試合から何日後のことだったのですか。

「10日ぐらい後ですね。試合直後に病院へ行って、何日か精密検査をして……専門の先生から『これは靭帯が3分の2ぐらい切れている。もう少しで完全に断裂していた』と言われたんです。ちょっと繋がっていて良かったなと思いました」

――不幸中の幸いといいますか、右ヒジを痛めたのが1R序盤で、そこから無理をしなかったからこそ断裂にまで至らなかったのかもしれないですね。無理をしないといっても、試合を続行しているわけですが……。

「アハハハ。自分も長く選手をやらせてもらっているので、自分の体の調子は分かります。怪我のない選手もいないでしょうし。そこから動かせるところから動かし始めて、ちゃんと通常の練習に戻るには3カ月ぐらいかかりました」

――ではRIZINではなくDEEPでフライ級GPが開催されることになり、そこにご自身が出場できなかったことについては、どのように考えていますか。

「それは気にしていないです。トーナメントって、自分が上に行くために戦う必要のない選手と試合をすることもあるじゃないですか。そういう点を考えると、GPにこだわる必要はない――今はそう考えています」

――こちらとしては今年4月に柴田選手が復帰し、ますますフライ級GPが面白くなると思っていました。

「いろんな方に言われますけど、そこは申し訳ないです(苦笑)。同じ階級の選手が出ているので、試合を見たり結果はチェックしていましたが、出られない焦りとかはなかったですね」

――結果、復帰戦の相手はGP1回戦で福田龍彌選手に敗れた杉山廣平選手となりました。

「そこは復帰戦をするにあたって、佐伯(繁DEEP代表)さんにお願いしました。『いま出られる選手で、一番強い相手を当ててほしい』と。そうしたら杉山選手に決まったので良かったです」

<この項、続く>

■DEEP Osaka Impact2022#05視聴方法(予定)
12月18日
午後4時00分~Twit Casting LIVE

■DEEP Osaka Impact2022#04視聴方法(予定)
12月18日
午前11時30分~Twit Casting LIVE

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MMA MMAPLANET o RIZIN Torao Torao28   パク・シウ 中村優作 佐々木信治 修斗 古賀愛蘭 宝珠山桃花 柴田MONKEY有哉 白木アマゾン大輔 神田T800周一

【TORAO28】フジメグ門下。宝珠山桃花と対戦、古賀愛蘭─02─「まずは国内のチャンピオンに」

【写真】組み技を伸ばすには最適の環境に身を置く古賀が、どのような成長の跡を見せることができるか(C)SHOJIRO KAMEIKE

12月4日(日)、山口県周南市の新南陽ふれあいセンターで開催されるTORAO28で、宝珠山桃花と対戦する古賀愛蘭のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

敗れたとはいえ、今年4月のパク・シウ戦でポテンシャルの高さを見せ、会場にいた関係者からも高評価を受けていた古賀。しかし、そのパク・シウ戦で組みと寝技の課題が明確になったのも事実だ。活動の拠点をBURSTに移して、彼女はどのように成長しているのだろうか。試合の1週間前、次の試合がMMA5戦目のルーキーが今後について語る。

<インタビューPart.01はコチラから>



――大阪でMMAを始めて以降は、どのような練習環境にあったのでしょうか。

「中村優作さんとの練習以外では、TEAM KIZUNA(柴田MONKEY有哉代表)や日本拳法の道場に行っていました」

――TEAM KIZUNAでは柔術の練習をしていたのですか。

「いえ、そこまではやっていないです……」

――そうだったのですね。古賀選手の寝技といえば、パク・シウ戦でマウントを取られてもブリッジで返していた印象が強いです。

「アハハハ、はい(苦笑)。レスリングやグラップリングは、ちょこちょこやっていたぐらいで。デビュー2試合目も、相手が組みついてきたところを自分が倒すことができただけで、組んだ時のレパートリーがないなぁと、自分でも思っていました。そのあとの2試合は自分の弱いところ――四つで組まれた時の対応や寝技で負けてしまって」

――一方、パク・シウ戦では3Rに左ボディを効かせていました。あのパク・シウの体が一瞬くの字になり、ケージに背中を預けるほどのパンチを見せています。

「試合中、セコンドの人たちもそう言ってくれていたんですけど、全然分かっていなくて。自分の中では、やられたなっていう印象しかなかったです」

――そのパク・シウ戦までは大阪で活動していた古賀選手ですが、現在は広島県福山市のBURST所属です。いつ、どのような経緯で福山市に移ったのでしょうか。

「パク・シウ選手とは今年3月に試合をするはずだったんですが、相手がコロナウイルスに感染して試合が4月の大阪大会へ延期になりました。その頃にBURSTへ出稽古に行ったんです。池本(誠知)さんや他の方から、『BURSTは女子も多いし寝技も強いから練習に行ってみるといいよ』と言われて。池本さんからBURSTへ練習していただき、出稽古に行ったのが最初です」

――その時、今お隣にいる藤井惠さんのことはご存じだったのですか。

「RIZINの映像で、いろんな女子選手がBURSTの練習で追い込まれているところが紹介されるじゃないですか。あぁ藤井惠さんの練習ってヤバいんだな、って(苦笑)。寝技でもメチャクチャ強いのが映像で写っていますし、初めて出稽古に行った時はドキドキでした」

――アハハハ、出稽古に行ってみて実際はどうでしたか。

「ボッコボコにされました(笑)。スパーリングで極められまくって。走り込みとか他の練習もキツかったです。こんなに追い込まれたのは、プロになってからは初めてでした。日本拳法部の合宿では追い込まれることもあるんですけど、今はそれが毎日で。でも楽しかったですね。これが私の好きなことなんだなと思って」

――その出稽古を経て、正式にBURSTへ入ったのはいつ頃なのでしょうか。

「今年の6月です。佐々木(信治)さんとメグさんには出稽古ですごくお世話になって、短期間ですごく成長させてもらいました。自分の中でも、ここに来れば強くなれるなと思ってBURSTに来ました。当時と比べたら、際の部分と寝技は成長していると思います。それとパワーもついてきたし、技術のレパートリーも増えています」

――そうした成長を経て、今回の宝珠山戦を迎えます。対戦相手の印象を教えてください。

「そこまで試合映像を見ることができていないんですが、打撃が強い印象です。今回は山口県で試合をするということもあって、地元(福岡県飯塚市)から友達や皆さんが応援に来てくださるので嬉しいです」

――今回は『藤井惠Produce』として行われる試合です。

「あ、そうだ! ウフフフ(と、隣にいる藤井惠さんを見る)」

――師匠の名前を冠した試合に対して、プレッシャーはないですか。

「プレッシャーはないです。試合でプレッシャーを感じることはないですね。常に楽しもうと思っています。でも、いつも最初はカチカチなんですけど」

――確かに、これまでの試合も後半にいくにしたがってエンジンが掛かっている印象が強いです。

「毎試合、みんなにそう言われます(苦笑)。そこは直したいですね。最初からガンガン行けたら、その後の展開も違うと思うので」

――古賀選手は現在21歳、プロMMAキャリアはまだ4戦です。MMAを戦っていくうえで、現在の目標は何ですか。

「まずは国内のチャンピオンになりたいです。今回は49キロ契約ですけど、これからは47.6キロ――アトム級で戦っていく予定です」

――現在、修斗では女子アトム級インフィニティリーグが行われ、優勝者は女子世界アトム級のベルトを獲得します(取材は後楽園ホール大会の前日、11月22日に行われた)。現時点で、その輪に加わって勝つ自信はありますか。

「え、それは……うーん」

佐々木信治 勝ちますよ。

「ちょっと、そういうことを言わないでください! リーグ戦は誰が勝つんだろうなとは思います。でも私はまだ、そこまでの実績がないので――もし試合できるなら、リーグ戦に参加した選手と戦って、準優勝者、優勝者と順番に試合していきたいです。まずは今回の試合に勝って、そういうことを言えるように頑張ります!!」

■視聴方法(予定)
12月4日(日)
午前11時30分~ Twit Casting LIVE

■Torao28対戦カード

<67キロ契約/5分2R>
毛利 昭彦(日本)
宮崎“師範代”清孝(日本)

<バンタム級/5分3R>
野尻 定由(日本)
神田T800周一(日本)

<49キロ契約/5分2R>
宝珠山 桃花(日本)
古賀 愛蘭(日本)

<闘裸男寝試合73キロ契約/5分2R>
森戸 新士(日本)
白木アマゾン大輔(日本)

<フライ級/5分2R>
植木“令和”新(日本)
若宮 龍斗(日本)

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DEEP MMA MMAPLANET o 柴田MONKEY有哉 渋谷カズキ

【DEEP CAGE IMPACT OSAKA2022】新生・柴田MONKEY有哉、キムラ支点に三角で渋谷から一本勝ち

【写真】2R終盤の腕十字で試合が終わっていてもおかしくなかった(C)SHOJIRO KAMEIKE

<フライ級/5分3R>
柴田MONKEY有哉(日本)
Def.3R1分10秒by 三角絞め
渋谷カズキ(日本)

左ジャブをダブルで伸ばす柴田が右ロー、渋谷も右ローを返す。渋谷のローのタイミングで、詰めて上を取った柴田がハーフ&枕で固める。掌底をワキ腹に入れ、肩固め狙う柴田に対し、これを許さない渋谷だが背中を着けた状態が続く。足を抜きに掛かった柴田は、潜ってきた渋谷を殴る。

渋谷はここでKガードから右足を取って50/50から内ヒール狙いの渋谷は、回転されても足を絡め続ける。

ロールから足を抜いて立ち上がった柴田に対し、渋谷が寝技に来いと挑発する。抑えに行った柴田に対して、柴田が足関節からスイープし上を取る。直後に柴田がフックスイープを決めてトップで初回を終えた。

2R、左フックの柴田に渋谷がダブルレッグでテイクダウンを決める。柴田はバタフライガード、渋谷はスタンドに戻り立ち上がってきた柴田に右ハイを狙う。ブロックした柴田だだが、右をを当てられダブルレッグでケージに押し込まれる。内股で投げた柴田だが、渋谷もすぐにリバーサルでトップに。オモプラッタでスイープした柴田が、腕にプレッシャーを与えるも、渋谷も我慢して腕を抜いてクローズドガードを取る。

柴田はエルボーを落とし、ガードの中でギロチンを警戒して、一気に右足を抜くと肩固めへ。残り90秒、足を抜いたマウントを取ったところで、ブリッジでリバーサルの渋谷だが、スクランブルで柴田がバックを取って両足をフックする。マウントに移行し殴り、バッククラブに移行すると、腕十字へ。ワキに抱えられながら、完全に左腕を伸ばした柴田だが、渋谷は足を刈り直すところで上体を起こしてヒジを抜き、ピンチを乗り切った。

最終回、思い切り右を振るった渋谷だが、空振りに。続いてダブルレッグも、柴田はキムラクラッチを取り、そこを支点にバックを伺う。

背中を取り切れなかった柴田だが、ここから三角に捉えて腕を伸ばす。暴れる渋谷をしっかりと三角に捉えた柴田が、タップを奪った。初回に右ヒジを負傷したことをマイクで明かした柴田は、「フライ級のGP、大きいトーナメントがあるみたいなので。佐伯さん、僕を使ってもらったらエェ仕事をするので」とアピールした。


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DEEP MG眞介 MMA MMAPLANET o パク・シウ パンクラス 中本龍平 中村晃司 前田吉朗 北方大地 林RICE陽太 柴田MONKEY有哉 渋谷カズキ 潤鎮魂歌 藤原大地 雅駿介

【Yoshiro Maeda RetirementMemorial Event】藤原大地─02─「やりたいと思ったことは、やったらいい」

【写真】本日行われた計量で、藤原大地は61.0キロ。MG眞介も61.15キロでクリアしている (C)FREEKS

10日(日)、大阪市北区の梅田ステラホールで開催される『前田吉朗引退興行』で、MG眞介と対戦する藤原大地のインタビュー後編。

ラーメン店の開業から会社の経営者となり、成功を収めている藤原大地が、今年に入ってMMAに復帰した。そんななかで届いた、かつてパンクラス稲垣組で苦楽を共にした前田吉朗の引退興行参戦のオファー。ここでは藤原が語る前田吉朗への熱き想い、そしてMMAに限らず人生で迷っているかもしれない人たちへのメッセージをお届けする。

<藤原大地インタビューPart.01はコチラから>


――精神面に関するお話がありました。一方、技術面に関して今も戦えるという自信のようなものは……。

「無いですよ(笑)。でも――自分がどこまでできるのか、っていうチャレンジなので。テレビで観ていても、今のMMAの技術ってすごいじゃないですか。技術面に関して、自分は全く追いついていないなって思います。でも自分がやりたくて、やっているので」

――格闘技をやりたいからやる。至ってシンプルですね。

「自分が出ることで、若い選手のチャンスを潰してしまうんじゃないか。そう考えたこともあります。今回はたまたま、前田吉朗の引退試合ということでDEEPからオファーをもらったんですけど、そうじゃなかったら出ていないかもしれないです。ただ、若い選手ではなく僕にオファーにあったというのは、まだ僕に魅力を感じてくれているんだな、と思ったんですよ。だから若い選手のチャンスを潰すということよりも、まだ自分にチャンスがあるならやってみようと考えました」

――やはり前田吉朗選手の引退興行というものに対して、想うものは大きいですか。

「それは大きいです。前田吉朗の引退興行じゃなかったら、このタイミングで試合していないですね。もっと間を空けたかったです」

――……。

「前の試合が1月末――中2カ月で試合をするのは、10代や20代前半の試合スパンだと思うんですよ。前田吉朗の引退興行でなかったら、そのままWardogで細々と、コツコツ試合していたと思います」

――前田吉朗選手は、藤原選手にとってどのような存在なのでしょうか。

「偉大な存在です。人しても偉大やし、身近なカリスマっていう感じですね。もう結婚もしてはるし、今の私生活は知らないですよ。でも昔の私生活はブッ飛んでいたんで。一緒にパチンコを打っていて、僕に良い当たりが出ると横で叫び出したりとか(笑)」

――アハハハ、ブッ飛んでいますね。

「でも本当に漢気がある人で。真剣な時は絶対に間違ったことを言わない。仲間想いで、誰よりも稲垣組のことを考えてきはった人なんで。それが今回こうして、同じケージの中に立てるっていうのは嬉しいですね。ホンマに……お疲れさまでしたって伝えたいです。負けたらマイクを持つこともできないかもしれないですけど(苦笑)」

――現在も前田選手と交流はあるのでしょうか。

「この間、前田吉朗の新しいジム(ENCOUNTER大阪)へ挨拶に行ったんですよ。そこで『何とか復帰して、吉朗さんの引退試合に間に合いました』と言ったら、『逆に、オレがよく待ったとは思わんか?』って笑われました。……そう言ってもらえて、すごく感慨深いです」

――熱い話です。その前田吉朗引退興行で対戦する、MG眞介選手の印象を教えてください。

「ムチャクチャ好青年やな、と思います。好青年なんやけど、試合になったら気合いを入れて、覚悟を持って戦うタイプなんかなって。こういう選手と試合できるのは、すごく嬉しいですね」

――MG眞介選手は年齢も藤原選手とはひと回り以上離れており、KO勝利も多いファイターです。

「怖いですよ(笑)。あと、対戦するのが自分で良いんかなっていう感じです。向こうからすれば、オイシイ相手でもないし。かといって自分も踏み台になるつもりはないので、ただ淡々と試合をするだけですね。殴られるのは嫌やなぁと思いながら(笑)」

――藤原選手としてはMMAに復帰し、今年からコンスタントに試合を行っていきたいのでしょうか。

「今はまだ減量末期なので、2度と試合したくないと思っています(笑)。たぶん試合が終わったらまた考える、っていう感じですね。これからどこまでモチベーションが続くのか、それは自分がやりたいかどうかだけの話やと思うんで。試合したいと思ったら、もっと試合を組んでくれって言うやろうし、試合したくなかったら『声かけんでくれ』っていう雰囲気になると思います(苦笑)」

――なるほど。最後に、MMAPLANETの読者の皆さんへ、試合への意気込みやメッセージをお願いできますか。

「メッセージ……やりたいと思ったことは、やったらいいですよ。いろいろ周りから言われても、自分の人生なので、やりたかったらやらないと。本当にやりたいことがあるのに、いろいろ言い訳をしてやらないのは損だよ、って伝えたいですね」

――藤原選手は、その想いでラーメン店を開業し、成功して再びMMAを戦うわけですね。

「そういう人生を送ってきているので、僕は幸せですよ。好き勝手やればやるほどシンドイけど、そのぶんメッチャ楽しいっていう、振り子のようなものやと思います。苦労すれば苦労するほど、楽しいことが待っている。どうせ苦労するなら、好き勝手やって苦労したほうがいいじゃないですか。ホンマにやりたいことをやっていたら、シンドイこともメチャクチャあります。でも絶対、そのぶん楽しいから」

■DEEP CAGE IMPACT in OSAKA2022視聴方法(予定)
4月10日(日)
午後12時30分~Twit Casting LIVE

■「Yoshiro Maeda retirement」視聴方法(予定)
4月10日(日)
午後4時30分~Twit Casting LIVE

■ DEEP CAGE IMPACT in OSAKA2022 計量結果

<フライ級/5分3R>
柴田MONKEY有哉:56.8キロ
渋谷カズキ:57.15キロ

<49キロ契約/5分3R>
パク・シウ:48.9キロ
古賀愛蘭:48.5キロ

<バンタム級/5分3R>
中本龍平:61.8キロ→61.7キロ
雅駿介:61.65キロ

<バンタム級/5分2R>
谷岡祐樹:61.45キロ
上荷大夢:61.6キロ

<フェザー級/5分2R>
瀧口脩生:66.2キロ
チハヤフル・ズッキーニョス:66.2キロ

<バンタム級/5分2R>
井上暉也:61.45キロ
金森功祐:61.7キロ

<フライ級/5分2R>
亮馬:56.85キロ
中山陸斗:57.1キロ

■「Yoshiro Maeda retirement」計量結果

<Yoshiro Maeda retirement exhibition>
前田吉朗:──キロ
稲垣克臣:──キロ

<Yoshiro Maeda retirement exhibition>
前田吉朗:──キロ
北方大地:──キロ

<Yoshiro Maeda retirement exhibition>
前田吉朗:──キロ
砂辺光久:──キロ

<ストロー級/5分3R>
潤鎮魂歌:52.2キロ
木戸脇広樹:52.15キロ

<ライト級/5分2R>
木村俊也:70.15キロ
林RICE陽太:69.85キロ

<バンタム級/5分2R>
藤原大地:61.0キロ
MG眞介:61.15キロ

<フェザー級/3分3R>
中村晃司:65.85キロ
堂園悠65.75キロ

<バンタム級/3分3R>
山﨑鼓大:61.6キロ
上田祐起:61.15キロ

<バンタム級/3分3R>
延命そら:61.5キロ
フェルナンド:61.35キロ

<フライ級/5分2R>
亮我:56.5キロ
梅永海世:56.75キロ

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【Yoshiro Maeda RetirementMemorial Event】MG眞介と対戦藤原大地─01─「昔の自分はただの若造」

【写真】38歳になった藤原大地。ZOOMの背景にもしっかりと──会社名をアピール。関西二郎系の雄と呼ばれるラーメン店を店舗展開する藤原大地が、稲垣組の先輩の引退興行で戦う (C)SHOJIRO KAMEIKE

10日(日)、大阪市北区の梅田ステラホールで開催される『前田吉朗引退興行』で組まれたDEEP公式戦で藤原大地がMG眞介と対戦する。

藤原は2003年にパンクラス稲垣組からプロデビューし、2008年9月のパンチィー山内戦を最後にリングを離れ、大阪・東淀川区でラーメン店『歴史を刻め』を開業した。その後、2011年に一度、ライジングオンでMMA復帰を果たすも、2012年以降はグラップリングマッチの出場のみとなっていた。

一方で、『歴史を刻め』は人気ラーメン店となり、藤原は『株式会社元気ですか』を設立。現在は系列店を含め11店舗を展開する経営者と活躍中だ。そんななかで、今年1月30日にWardogでMMAに復帰し、さらに今大会へ参戦することになった経緯とは?

試合直前、藤原がこの10年間について語る。


――今回は計量前日に取材を受けていただき、ありがとうございます(インタビューは4月8日に行われた)。しかも水抜き直前という状態で……。

「大丈夫ですよ。こちらこそ、ありがとうございます」

――藤原選手は今年1月に、Wardogの舞台で11年ぶりにMMAを戦い、せーた選手を相手に1R0分49秒で一本勝ちしています。続いて今回の試合に至るわけですが、なぜ再びMMAを戦おうと思ったのでしょうか。

「シンプルに『格闘技をやりたい』という気持ちがあったからですね。もともとWardogの柿原勇気代表とは、古くからの付き合いなんですよ。2008年――パンクラスに出場している頃から、僕はラーメン屋をやりたいという夢があり、柿原代表は自分のジムを出すことと、自分の大会を開くという夢があって。お互いに夢を叶えて今に至り、そこで僕は柿原代表のジム(U.B.F)と大会でお世話になろうと思った次第です」

――ラーメン店『歴史を刻め』を開業した当初から、MMAは続けるつもりだったのでしょうか。

「いえ、もう格闘技はやらないつもりでした。それでもお店を始めてから、2011年にライジングオンでMMAに復帰しています。そのあとはグラップリングの試合に、チョコチョコ出るというぐらいでした。やっぱり格闘技が好きなんですよね。

ライジングオンの頃は現場、お店で仕事をしながら試合をしていたんですけど、ラーメン屋も店舗展開が始まって(系列店も含めて11店舗を展開)、今は会社の経営に専念している状態です。そこでもう一度、格闘技をやるタイミングはどこなんだろうかと考えていたんですけど……。コロナ禍の影響で一昨年から融資を受けやすくなって。

とにかく会社にキャッシュを置いておかないと、会社が回らなくなる可能性があるので、たくさんお金を借りたんです。すると今はキャッシュに余裕がある状態で、もう一度格闘技をやるなら、まだキャッシュがあるうちに……と思いました」

――それだけ、この10年間は再びMMAをやりたいという気持ちを抱えていたのですね。

「はい。もちろん、もう格闘技はやらないという選択肢もありました。でもRIZINとかを見ていると、何か気持ちが上がってきたんです(笑)。特に自分が戦っていたバンタム級が盛り上がっていて、刺激になりましたよ。やっぱり階級が同じやと、自分と重ねて見てしまいますね。今のパンチは僕なら食らっているな、とか。今のタイミングやったら、自分はこうするなとか」

――なるほど。

「その中で、昔の自分ではなく今の自分が試合に出たら、どうなるのか。体力的なことや技術的なことではなく、精神面に関して試してみたくなったんです。自分で商売をしてきて、すごくシンドイこともありました。それを乗り越えた今、だいぶ精神的に強くなったんじゃないかな、って思ったんですよ。

昔、格闘技をやっていた頃の自分はただの若造じゃないですか。やっぱり落ち着きもないし、自分を大きく見せようとするし、相手にかみつくし……(苦笑)。でも今の自分が試合に出ると、どんな動きができるのか、そして精神面はどうなんやろうなって」

――そんな昔の自分自身を、今見ると……。

「ビビってんのに、そんなに強がらんでいいやん、って(笑)。自分は人一倍怖がりだと思うし、怖がっていることを隠すために虚勢をはっていることが、すごく分かります。でも会社を経営していたら、どれだけ虚勢をはっても結果は結果ですからね」

――ラーメン店を経営しながらグラップリングマッチに出ていた当時の練習環境は、どのようなものでしょうか。

「試合の1カ月前から2、3回練習してグラップリングマッチに出たりとか……そんなレベルです(苦笑)。27歳の時にライジングオンで復帰した時は、下新庄のお店の2階を改造して、練習できるようにしていました。6畳一間の壁に畳を貼り、床はジョイントマットを敷いたところに、深夜2時から練習できる人を集めて」

――ラーメン店の現場の立ちながら、仕事と練習の両立はできていたのですか。

「いえ、できなかったです。でもその限られた環境で、どれだけできるのか。それは僕次第やと思っていたんで。その中で最大限のことはできたかなと思います」

――その頃から、練習環境や練習内容は変わってきているのですか。

「正直、当時のほうが練習できていたんじゃないかなと思いますね。抱えている従業員の数も、当時とは全く変わってきたので。今は従業員がパート、アルバイト含めて60人以上います。そこで少し問題が起こっても、僕が出ていかなアカンこともありますし。従業員の悩みを聞いたり、店舗回りもある。銀行に行ったり、業者さんとのやり取りもあります。

それと今の立場になってからなんですけど、経営者の会みたいなものに参加していて、そこの中の役割もあるので。だから、ホンマにその隙間の時間で練習するしかないんですよ」

<この項、続く>

■DEEP CAGE IMPACT in OSAKA2022視聴方法(予定)
4月10日(日)
午後12時30分~Twit Casting LIVE

■「Yoshiro Maeda retirement」視聴方法(予定)
4月10日(日)
午後4時30分~Twit Casting LIVE

■ DEEP CAGE IMPACT in OSAKA2022 計量結果

<フライ級/5分3R>
柴田MONKEY有哉:56.8キロ
渋谷カズキ:57.15キロ

<49キロ契約/5分3R>
パク・シウ:48.9キロ
古賀愛蘭:48.5キロ

<バンタム級/5分3R>
中本龍平:61.8キロ→61.7キロ
雅駿介:61.65キロ

<バンタム級/5分2R>
谷岡祐樹:61.45キロ
上荷大夢:61.6キロ

<フェザー級/5分2R>
瀧口脩生:66.2キロ
チハヤフル・ズッキーニョス:66.2キロ

<バンタム級/5分2R>
井上暉也:61.45キロ
金森功祐:61.7キロ

<フライ級/5分2R>
亮馬:56.85キロ
中山陸斗:57.1キロ

■「Yoshiro Maeda retirement」計量結果

<Yoshiro Maeda retirement exhibition>
前田吉朗:──キロ
稲垣克臣:──キロ

<Yoshiro Maeda retirement exhibition>
前田吉朗:──キロ
北方大地:──キロ

<Yoshiro Maeda retirement exhibition>
前田吉朗:──キロ
砂辺光久:──キロ

<ストロー級/5分3R>
潤鎮魂歌:52.2キロ
木戸脇広樹:52.15キロ

<ライト級/5分2R>
木村俊也:70.15キロ
林RICE陽太:69.85キロ

<バンタム級/5分2R>
藤原大地:61.0キロ
MG眞介:61.15キロ

<フェザー級/3分3R>
中村晃司:65.85キロ
堂園悠65.75キロ

<バンタム級/3分3R>
山﨑鼓大:61.6キロ
上田祐起:61.15キロ

<バンタム級/3分3R>
延命そら:61.5キロ
フェルナンド:61.35キロ

<フライ級/5分2R>
亮我:56.5キロ
梅永海世:56.75キロ

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DEEP CAGE IMPACT 2022 in OSAKA Interview J-CAGE ブログ 柴田MONKEY有哉 渋谷カズキ

【DEEP CAGE IMPACT in OSAKA 】渋谷カズキ戦へ、柴田MONKEY─02─「出て来るものは衝撃的ですよ」

【写真】道着をやることでグラップリングが強くなる。それが岩崎正寛の教えだ(C)YUYA MONKEY SHIBATA

10日(日)、大阪市北区の梅田ステラホールで開催されるDEEP CAGE IMPACT IN OSAKA 2022のメインイベントで、渋谷カズキと対戦する柴田MONKEY有哉のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

2年10カ月の間、自身の練習環境と生活環境を見直してきたという柴田。その中でたどりついた環境の一つが柔術であり、カルペディエム芦屋であった。岩崎正寛代表から黒帯を授与され、さらにMMAのための組み技を学んだ柴田が、どのような新しいMMAを見せるのか。さらに現在のDEEPフライ級をどう見ているのか――復帰戦を控えた柴田に訊いた。

<柴田MONKEY有哉インタビューPart.01はコチラから>


――カルペディエム芦屋といえば、関西のMMAファイターが数多く行っていますよね。

「関西の有名選手は結構行っていますね。MMAに必要な組み技の技術を知っている人たちがいて、組みに関する練習会が定期的に、継続して行われています。おかげで、日常のスケジュールとして柔術の練習が存在している。それが僕には無かった環境やと思うんです。そういう意味では、岩崎さんは関西MMAの組み技の底上げをやってくれている人なんです」

――なるほど。

「プロ選手が集まって練習するには、みんなに呼び掛けて、集まってもらって練習会を開催しなければいけないことが多かったんですよ。それと、そういう練習会やと、どうしてもスパーリングばっかりになってしまう。でも今は岩崎さんのところで、しっかりと技術的なことも教わっています。練習会のために人を集める手間もなくなって、ただ自分が強くなることを考えればいい。そうやって組みと柔術に強くなれる環境があるのは、すごく大きいです。

カルペディエム芦屋は体験レッスンのあと一般会員として入会し、週2回ほどレッスンを受けています。そのあと岩崎さんから声をかけていただいて、プロ選手練習会に参加するようになりました。

その間に、柔術で5つの大会に出ているんですよ。先月には試合結果を認められて岩崎さんから、カルペディエム芦屋第一号の黒帯を授与していただきました。今回の試合も岩﨑さんにはセコンドに就いていただきます」

■2020年以降 柴田MONKEY有哉の柔術戦績

2020年2月9日
FULLFORCE CUP JIU-JITSU OPEN 05
アダルト茶帯ライトフェザー級 オール一本優勝

2021年4月4日
ASJJF TOKYO SPRING INTERNATIONAL JIU JITSU CHAMPIONSHIP 2021
アダルト茶帯ライトフェザー級 3位

2021年11月13日
GroundImpact 2021 WEST(道着部門)
アダルト茶帯フェザー級 優勝

2021年11月13日
GroundImpact 2021 WEST(NO-GI部門)
アダルトエキスパートライトフェザー級 優勝

2021年12月13日
GroundImpact Gi-1 2021
アダルト茶帯ライトフェザー級 優勝

――次の試合では柴田選手の新しいMMAが楽しみです。一方、柴田選手がMMAの試合を休んでいる間、DEEPフライ級の層が厚くなってきました。

「面白くなってきましたよね。いろんなタイプの選手がいて、ちょっとずつ個性が出てきているので。その中で足りないのは自分みたいなタイプなのかな、と思っています。

龍ちゃん(福田龍彌)は京都で、僕は大阪なので回数は多くないけど、一緒に練習したことはあります。同じ階級やし、同い年なので昔から意識はしていました。今は少しずつ変わってきていて、良い試合しているなって思いますよ」

――暫定王者の藤田大和選手が台頭してきたのも、柴田選手不在の期間ですよね。

「そうなんですよね。最初はMMAにアジャストしきれていない印象がありました。でもやっぱりパンチに自信を持っているし、簡単に寝かされない、あるいは寝かされても強くなってきて。最近の試合を見ていて、自分に必要なことをやってきたんやな──と思いました」

――そして頂点にいる正規王者の神龍選手について、ご自身が対戦して以降はどのように見ていますか。

「あぁ、マコっちゃんは……」

――マコっちゃん? そう呼ぶぐらい、神龍選手とは交流があるのですか。

「アハハハ。彼とは試合をしたあと、インスタでメッセージをもらったんです。そのあとGroundImpact Gi-1 2021に彼が来ていたので、一緒に写真を撮影してもらいました」

――そうだったのですね。

「今のマコっちゃんって、自分と似ていると思うんですよ。自分でジムを出して、それまであった練習環境から抜けて、自分の練習環境を作っているところじゃないですか。龍ちゃんとの試合を見ていて、苦労しているんだろうなぁと思いました。『俺も分かるよ』みたいな」

――それだけ層が厚くなったフライ級の中で、ご自身はどれくらいのポジションにいると思いますか。

「どれくらいやろう……もちろんファイターやから、全員に勝つつもりでいます。ただ、試合はやってみないと分からないので、全員に勝つかもしれないし、全員に負けるかもしれない。でも『自分のベストは尽くしている』っていう状態ですね。その自分が今どれくらいのポジションにいるのか、次の試合でハッキリすると思うんです」

――では次の対戦相手、渋谷カズキ選手の印象を教えてください。

「ちょっと僕に似ているところがある気がするんですよ。下からも攻めて来るし。でも僕が今やっていることがハマれば、一瞬で終わる可能性もあるし、3R圧倒する可能性もあるかなって。かます気はないけど、かます試合になると思います」

――……そのココロは?

「アハハハ、今はそういう気持ちなんですよ。なんかね、もう気負っても仕方ないので(笑)。ただ勘違いされたくないのは、この期間はただ休んでいただけじゃない。格闘技で強くなるために考えて、練習面と生活面を見直してきました。その結果が自然に出ると思います。そこで出て来るものは結構――衝撃的ですよ」

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