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45 Black Combat Black Combat Rise02 MMA MMAPLANET o パク・ジョンホン ブラック 大原樹理

【Black Combat Rise02】ドロドロの大熱闘、延長戦を制した大原樹理「タイトルマッチ、見たいですよね」

<ライト級/5分3R>
大原樹理(日本)
Def.ExR 3-0:10-9.10-9.10-9
パク・ジョンホン(韓国)

ジャブで詰める大原に対し、パク・ジョンホンが右に回る。パク・ジョンホンのローが急所に当たり、間を置いた大原は右カーフを蹴られて距離を外す。カーフに右を合わせた大原が左ハイ、ガードしたパク・ジョンホンの前進にワンツーを打つ。パク・ジョンホンは左インロー、大原は右ストレートを返す。

前足を蹴るパク・ジョンホンの右フックから空振りとなるが、大原の左ハイに右を伸ばしワンツーからラッシュをかける。ケージを背負ってパンチを受けた大原は、回って中央を取り右ハイを繰り出す。ハイを続ける大原が前蹴り、パク・ジョンホンも前蹴りから左ハイを返し、右オーバーハンドをヒットさせる。ボディも殴ったパク・ジョンホンは、首相撲からの小外刈りへ。大原は倒れなかったが、直後のパク・ジョンホンのヒザが急所を直撃する。

残り56秒で時計が止まり、再開。インロー、アウトローと前足を蹴り続けるパク・ジョンホンだが、大原が右を2度入れる。さらにジャブ、最後の大原のワンツーは空を切った。

2R、左右のハイを交互に、そして連続で繰り出す大原。とパク・ジョンホンがダブルレッグからボディロックでテイクダウン。ロールした大原はバックを取られないように正対しにいく。動きが止まり、即ブレイク──試合がスタンドに戻ると、大原が右ストレートに続き左を打ち込む。前に出るがパンチはクリーンヒットしないパク・ジョンホンに、ハイからエルボーを狙った大原がボディへのコンビを決める。このボディが低かったか、続く蹴りは急所に当たった風でもないが、パク・ジョンホンがブレイクを要求する。足を伸ばして座るパク・ジョンホンが、再開に応じると大原は右ハイから左を伸ばす。

するとパク・ジョンホンがヒザを上げてから、つま先を伸ばす左の蹴り。これが急所に入り、大原がしゃがみこむ。両ヒザをついて苦し気な大原、黒いシートに覆われドクターがチェックする。大原は起き上ることができずに、時間が過ぎる。

5分以上が過ぎ、なんとか大原が立ち上がる。パク・ジョンホンはイエローカードを受け、大原は再び蹴り中心のファイトへ。しかし、左ミドルを受けると、響くのか動きが止まる。ここからテイクダウン狙いに出たパク・ジョンホンがケージにつめて、ダブルレッグでテイクダウンを決める。半身の大原は両足フックされるが、前方に落としつつ腕を取られないように防ぎ時間となった。

最終回、ボディを入れた大原。パク・ジョンホンの左の蹴りに、右を伸ばす。さらにガードの上から右ハイを蹴り、左ボディ、軸足払いのような右ローと大原の手数が圧倒的にパク・ジョンホンを上回る。パク・ジョンホンはローを続け、前に出てもパンチをそれほど打たない。逆に大原は右ボディ、左を入れる。残り3分、パク・ジョンホンはダブルレッグでテイクダウン、スクランブルでバックにつく。

残り半分、胸を合わせた大原のエルボーは空振りに。パク・ジョンホンが右カーフを蹴るも、大原は脳天に縦ヒジを落とし、ワンツーを伸ばす。右ボディストレート、右ハイの大原。パク・ジョンホンは徹底して右カーフだ。奥足にまで右インローを蹴るパク・ジョンホンが、左ボディ。大原は構えを変えるが、両足を蹴られるとダブルレッグからスイッチしたダブルでケージに押し込まれると、最後の最後にボディロックテイクダウンで倒されタイムアップを迎えた。

と、最低はドローで延長ラウンドへ。

パク・ジョンホンのダブルレッグを切ってヒザをボディに入れた大原が、ラッシュをかける。蹴りから右を伸ばした大原、ヒザは空を切る。と、ここでローを蹴った大原がワンツーを入れる。パク・ジョンホンはダブルレッグ&小外刈りでテイクダウン。スクランブルで背中に回る。前方に崩された大原は、バックを取られ両足をフックされる。残り2分40秒、パク・ジョンホンがボディトライアングルを完成させる。

RNC狙いのパク・ジョンホン、腕を組みかえたパク・ジョンホンだが真後ろを取れておらず絞めきれない。胸を合わせた大原は、三角狙いに立ち上がって踏みつける。そして、立ち上がってきたパク・ジョンホンにパンチを纏め、ヒザ蹴りへ。右アッパーに下がったパク・ジョンホン、大原もスタミナが切れかかっており間をおく。ここから距離を詰め、ヒザ蹴り、パンチのコンビ&ヒジ打ちの大原は、パク・ジョンホンのダブルレッグに下になると即三角絞めへ。

絞めよりも、殴らせないよう下から固めた大原は試合終了後にしゃがみこみ、パク・ジョンホンはブラック代表の元に歩いて行った。バックを許したといえでも、終盤の猛攻で大原の負けはまずない──結果、判定勝ちを手にした大原に韓国のファンは立ち上がって拍手を送った。

「まず素直に嬉しい。頑張ってきた甲斐がありました。ハンター選手、普通に強いと思っていたのでこういう試合も予想していました。ハンター選手だからここまでの試合ができたし、偶発的に急所に当たり皆がブーイングをしていたけどわざじゃないし、試合前はあんなに言い合ったけど凄く強いし、凄い格好良いから皆、ハンター選手も凄く称えて欲しい。熱い応援、凄く力になりました。ありがとうございます。まず、もう俺以外いないでしょ。俺以外いないので、タイトルマッチ──ブラックさん、お願いします。俺のタイトルマッチ、ファンの皆さん、見たいですよね。俺がBlack Combatのチャンピオンになるところ見たいですよね。ブラックさん、そういうことでお願いします。KOしたかったけど、メインらしくない試合になってしまったけど……皆さん、応援お願いします」というマイクに、さらに大きな声援が起こった。


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45 Black Combat Black Combat Rise02 MMA MMAPLANET o   エンセン井上 ブラック ライカ 山本聖悟

【Black Combat Rise02】サッカー・フライングニー!!!  直後の右で、山本聖悟が6秒TKO勝ち!!!!!

<バンタム級/5分3R>
山本聖悟(日本)
Def.1R0分06秒 TKO
イ・ソンチョル(韓国)

試合開始直後、タッチグローブと見せて跳びヒザを見せた山本。右ヒザを受けて倒れたイ・ソンチョルが立ち上がると、尻もちをついた山本も即スタンドに戻り右ストレートを打ち抜く。前方に崩れたイ・ソンチョルにパウンドを続けるとレフェリーが試合を止めた。

山本はケージサイドのブラック会長とサムアップをしあい、スーパーご機嫌で「リングチェックの時に跳びヒザを練習していたので、当たり前です。俺のこと弱いって言っていたヤツ、ざまーみろ」とエンセン井上をオマージュしたように叫び、「このフライングニーが当たらなくても、ギャンブラー選手もストライカーなので面白い試合になったと思っていました。撮影の時もギャンブラー選手は面白くない、アンチもファンもいない記憶に残らないと言いましたが、俺に最短時間で負けたから、皆もギャンブラー選手のことを覚えたと思う(笑)」と言葉続けた。

そして、試合をしていない選手がランクにいることを非難し、またもおマ〇コ野郎発言をした直後に、ケージに呼び入れたお母さんが韓国語で話すと大きな拍手を受け──7月のプサン大会への出場をアピールした。


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45 Black Combat Black Combat Rise02 MMA MMAPLANET o イム・ジェユン イ・ミンヒョク

【Black Combat Rise02】イム・ジェユンがTD&バック奪取を続け、イ・ミンヒョクから3-0の判定勝ち

<フェザー級/5分3R>
イム・ジェユン(韓国)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
イ・ミンヒョク(韓国)

イム・ジェユンの初弾の左インローがイ・ミンヒョクの急所に入り、いきなり試合が中断される。再開後、パンチのイ・ミンヒョクに対し首相撲からイム・ジェユンが左ハイを蹴られる。直後にシングルレッグでテイクダウンし、スクランブルでバックに回ったイム・ジェユンが両足をフックする。RNC狙いを防ぐイ・ミンヒョクだが、胸を合わせる動きを見せることはできない。あくびをする仕草を見せたイ・ミンヒョクは、ブレイク待ちか。

残り90秒、アゴの上から右手を回すイム・ジェユン。リストコントールで防御するイ・ミンヒョクは声を挙げて後方に拳を当てるが、このまま時間となった。

2R、右カーフを蹴ったイ・ミンヒョクは、初回と全く同じ流れで背中を譲りスタンドでボディトライアングルに捕えられる。イム・ジェユンはアゴの上からRNCグリップも、ここも手首を取られ、そのまま前方に落とされそうになると自ら着地する。ボディを殴ったイ・ミンヒョクはシングルレッグを切るが、ケージに押し込まれる。アンクルピックのイム・ジェユンだが倒しきれず、正対したイ・ミンヒョクが逆にシングルを仕掛ける。

ボディにヒザを突き上げるイム・ジェユンに対し、頭を上げたイ・ミンヒョクは首相撲からヒザを受ける。離れた両者、左フックのイ・ミンヒョクはシングルで倒され、パスを許す。スクランブルでヒザを頭に受けたイ・ミンヒョクは、すぐさまシングルレッグで倒され、またも両足をフックされてしまう。残り10秒で胸を合わせたイ・ミンヒョクはパウンドで背中を見せたイム・ジェユンのバック&RNC狙いという状態でラウンド終了に。

最終回、イ・ミンヒョクが右カーフ、さらにハイとカーフを蹴る。続いて右オーバーハンドを入れると、左ミドルからワンツーのイ・ミンヒョクがボディを決める。イム・ジェユンはパンチを見せて、シングルレッグ。キムラで耐えようとしたイ・ミンヒョクはスクランブルに持ち込み、ケージにイム・ジェユンを押し込む。ボディロックテイクダウンのイ・ミンヒョクはリバーサルを許し、サイドを嫌がった背中を譲る。

後方からパンチを打つイム・ジェユンが、ルオトロチンを仕掛けるもグリップが続かない。尻をスライドさせ、胸を合わせたイ・ミンヒョク。イム・ジェユンも立ち上がり、即シングルレッグへ。ここからケージにイ・ミンヒョクを押し込むイム・ジェユンが、ダブルレッグで尻もちをつかせる。息をついたイ・ミンヒョクは、ここも背中を譲って両足をフックされる。絞めを耐えても勝ち目のないイ・ミンヒョクは、タイムアップと共に首を横に振った。

結果、フルマークの判定勝ちをイム・ジェユンが手にした。


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45 AB Black Combat Black Combat Rise02 DEEP K-MMA MMA MMAPLANET o ROAD FC YouTube イ・ソンハ イ・ファンソン イ・ミンヒョク キック パク・ジョンホン ファン・ドユン ブラック 大原樹理 山本聖悟 江藤公洋

【Black Combat Rise02】大原樹理と対戦、クソ真面目?!パク・ジョンホン「おかしな言動はできないです」

【写真】Black Combatというよりも、「漢とは!!」的なK-MMAファイターにあって珍しいタイプだったパク・ジョンホン(C)MMAPLANET

20日(土)、韓国はオサン市のブラック・アゴラで開催されるBlack Combat Rise02で、大原樹理と対戦するパク・ジョンホン。
Text by Manabu Takashima

1月の大原の敗戦、Road FCのFight100ルール、イ・ソンハが失ったDEEPライト級王座と尋ねるたびに、パク・ジョンホンは丁寧な返答を続けた。イケイケドンドンという雰囲気のあるBlack Combatにあって、異質でもあるパク・ジョンホン──怖い相手かもしれない。


――今週末、大原選手と戦うパク・ジョンホン選手です(※取材は17日に行われた)。まず大原選手が1月にファン・ドユンに喫したTKO負け、ストップが早いと我々も思った次第です。ジョンホン選手はどのように捉えていますか。

「早いかなという気もしますが、一般的にはあの時点でストップがかかっても仕方ないと思います。ただし、大原選手はこれまでにもパンチだけでなく、サッカーボールキックを食らってからも立ち上がって逆転KO勝ちをしているので──少し気の毒なストップでした。もう少し、審判も様子を見て良かったかと思います」

──ともあれ前回負けた大原選手と戦うことに関しては、どのように思っていますか。

「それは大原選手が勝った方が……あのような負け方をしない方が、自分にとっても良かったです。特に大原選手はDEEPでタフな試合をしていただけに」

──大原選手の価値は落ちていないという理解なのでしょうか。

「そうですね、大原選手が勝っていた方が、気持ち的に張りが出たと思います。戦い甲斐がるというか。同時に大原選手は自分にとって、戦う価値のあるファイターです」

──そんなパク・ジョンホン選手ですが、MMAを始めたきっかけを教えてもらえますか。

「高校の時に3年間キックをやっていました。MMAは20歳の時からなので、12年間続けてきたことになります。最初は護身術のつもりで軽い気持ちで習い始めたのですが、いつのまにかずっと続けています」

──MMA歴12年で、7勝3敗。試合数が決して多くなかったのは、何か理由がるのでしょうか。

「それはMMA以外の試合をしてきたからです。キックで16試合、プロ以外のセミプロのMMAを11戦、コンバットサンボも3試合やっています。トータルで考えると40戦になるので、大原選手ほどではないにしても試合経験は少なくはないかと思っています」

──なるほど、です。このところBlack Combatで4試合を戦っていますが、注目団体で戦うことで何か気持ちの変化はありましたか。

「自分はずっと格闘技の指導をして食べてきたので、Black Combatが盛り上がっているからといって、そこではしゃぐようなことはないです。なのでBlack Combatで戦っていても、それ以前と同じようにやっています」

──決して派手ではなくても、ずっとMMA、格闘技を続けていたパク・ジョンホン選手だからこそお伺いしたいのですが、今、Road FCというK-MMA界の老舗でFight100ルールを併用していることをどのように思いますか。

「これまで格闘技に興味のなかった人達の注意を引き、MMAを知ってもらうためには良いことかもしれないですが、あくまでも自分たちがやってきたものはスポーツです。ああいう刺激的なモノだけを求められるようになるのは、あまり良くない面もあると思います。スポーツとして一線を越えないことをやってほしい。そういう想いです」

──押忍。今回の試合は180センチ超同士のライト級戦、これまでと違った対策をしてきましたか。

「当然、自分より背が低くリーチの短い選手との方が戦いやすいです。ただし、今回の試合に向けて特別な準備をしています。彼が戦い難いというプランを立てているので、そこは試合で確認してください。この試合はメンタルの強さをいかに保てるか。お互いにとって、心が折れないで戦うことが一番重要になってきます。」

──では、この試合を経て目指すところは?

「大原選手がランク1位なので、彼に勝ってベルトに挑戦したいと思います」

──あっ、ということは大原選手は負けてもランクが下がらなかったのですね。スミマセン、そんなことも理解せずにインタビューをお願いしてしまって。

「いえ……。大原選手とファン・ドユン選手の戦績の差も考慮したのと、大原選手の怒りようがすさまじかったのでBlack Combatがその怒りを受け止めたのではないでしょうか」

──なるほど(苦笑)。ところでBlack Combatライト級王者のイ・ソンハ選手が、3月にDEEPで江藤公洋選手に敗れDEEPライト級のベルトは失いました。パク・ジョンホン選手にとって、DEEP王座とはどのようなモノなのでしょうか。

「まだ自分はベルトを1つも巻いていないです。今、DEEP王座のことを自分が触れるのは時期尚早だと思います。まずはBlack Combatのベルトを手にしてから、DEEPのことは考えさせてもらいます」

──トラッシュトーク、自己アピール上等のBlack Combatにあってパク・ジョンホン選手は凄く珍しいタイプの選手ですね。

「もっと何か言った方が良かったでしょうか(笑)」

──Black Combatでは日本人選手も、日本とは違うことをやっていることもあるので。凄く新鮮でした(笑)。

「自分が誠実な人間だとは言えないですが、支えてくれる人もいるのでおかしな言動はできないです。ただ、何か仕掛けてきた相手にはしっかりとケージのなかで返事をさせてもらいます」

──では最後に日本のファンに一言お願いします。

「大原選手は尊敬してきた選手です。尊敬している選手だからこそ、負けないようにできる限りの準備をしてきました。ベストを尽くしたいと思います」

■視聴方法(予定)
4月20日(土・日本時間)
午後5時~Black Combat YouTubeメンバーシップ


■Black Combat Rise02 対戦カード

<ライト級/5分3R>
大原樹理(日本)
パク・ジョンホン(韓国)

<ライト級/5分3R>
イ・ファンソン(韓国)
チョ・ユンジュン(韓国)

<フライ級/5分3R>
イ・ソンチョル(韓国)
山本聖悟(日本)

<フェザー級/5分3R>
イ・ミンヒョク(韓国)
イム・ジェユン(韓国)

<無差別契約/5分3R>
キム・ミョンファン(韓国)
稲田将(日本)

<フライ級/5分3R>
ソン・ナクジュン(韓国)
パク・テホ(韓国)

<63.5キロ契約/5分3R>
ジョン・スミン(韓国)
ぽちゃんZ(日

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45 Black Combat Black Combat Rise02 DEEP MMA MMAPLANET o YouTube イ・ソンハ イ・ファンソン イ・ミンヒョク チャンネル パク・ジョンホン ファン・ドユン ブラック 中村大介 大原樹理 山本聖悟 江藤公洋 須田萌里

【Black Combat Rise02】ハンターと仕切り直しの一戦、大原樹理「やっぱりアウェイ。KOで勝つ」

【写真】引き続きBlac Combatで戦う。すでに大原は気持ちを切り替えている(C)SHOJIRO KAMEIKE

20日(土)、韓国はオサン市のブラック・アゴラで開催されるBlack Combat Rise02で、大原樹理がハンターことパク・ジョンホンと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

今年1月、ファン・ドユンに敗れた大原樹理が韓国に乗り込む。前回の試合は「レフェリーストップが早すぎる」と物議を醸し、試合後は大原陣営も「二度とBlack Combatには出たくない」という意思を示していた。その大原がなぜ再び韓国で戦うことになったのか。気になるファン・ドユン戦のレフェリーストップに関する決着は? Black Combat独特のYouTube動画撮影の裏側も明かしてくれた。


――Black Combat(以下、BC)の公式YouTubeチャンネルで、試合に向けた一連の動画を拝見しました。何と言いますか……、大変そうですね。

「あの撮影のために1泊2日で韓国に行ってきたんですよ。羽田空港から朝8時の飛行機に乗って、ソウルに着いてから車で3時間ぐらい移動しました。遠かったです(苦笑)」

――動画の詳細については触れませんが、大原選手だけがストーリーラインに乗らずにド正論をかましていました。

「アハハハ! 我が道を往きました。トラッシュトークがあるから、前回の試合について触れられると思ったんですよ。『お前、前の試合で負けているじゃないか』みたいな。そう言われた時の答えを考えていると、ハンターが感情論ばかり言ってきて。そんな流れに乗っかるより、アイツを悪者にしてやろうと考えました(笑)」

――詳しくは動画を視ていただくとして、収録では台本も一切無いのですね。

「台本が無いどころか、現地に着くまで何をするのかも知らされていなかったです。僕だけじゃなく、他の選手も同じでした。とりあえず韓国に呼ばれた、っていう」

――大変ですね……。ただ、仰ったとおり前回の試合については触れられませんでした。それはストーリーライン上、敗戦については無かったことになるのかと。

「どうなんでしょうね? 撮影時にも誰もイジってこないし、今でもライト級ランキングでは僕が1位で」

――大原選手が1位で、次に対戦するハンターが2位。つまりランキング上位同士が対戦し、その勝者が王者イ・ソンハに挑むという流れなのかもしれません。とはいえ、BCのストーリーラインでは触れられないとしても、MMAファイターとしての戦績には残ります。

「正直、前回のレフェリーストップについては――納得しているかどうかといえば、納得はしていないです。それで戦績にひとつ黒星がついたわけで。でもBC側から『また出てもらいたい』という話をもらった時に、僕からもいくつか条件を出したんですよ。その条件もある程度は呑んでくれました。そうなると自分もウダウダ言っているよりは、黒星をつけられた以上は白星を取り戻しに行くしかないって考えましたね」

――再度オファーがあり、条件もいくつかは呑んでくれた。ということは、BCサイドとしても大原選手に対する評価は高いのでしょう。

「はい、評価はしてくれているんだと思います。それは素直に嬉しいです」

――では改めて前回の試合について振り返っていただきたいと思います。何よりも「早すぎる」と言われたレフェリーストップについて率直な意見を聞かせてください。

「まず相手のパンチを食らってグラついたじゃないですか。あの時は僕が前に出て、相手がパンチを合わせて来るのが見えたんですよ。だから僕は頭を傾けて、カウンターをよけようとしたところに相手のパンチが頭をかすめて。それで脳が揺れてクラッっとしたので、ヤバいなと思って組みつこうとしたんですね。それだけ一連の流れはハッキリと意識がありました。直後に僕が倒れたのは、なぜか割って入ってきたレフェリーに押されたからです。それでレフェリーが『ストップ!』とか言っているから『いやいや、なぜ?』と」

――明らかに大原選手が一発食らった瞬間にレフェリーが走り始めていました。あの展開で大原選手が追撃をもらっている、あるいは背中から倒れて追撃を食らいそうなところでレフェリーが割って入るのは理解できます。しかし、そうではなかった。

「あれで止められるなら、中村大介さんの試合も完全にストップされているはずなんです。だから、正直言って試合後は勘ぐっちゃいましたよ。『俺、やられちゃったのかな?』って」

――個人的な印象を言えば、競技運営陣のミスだったと思います。2022年大晦日に初めて現地でBCを取材した際、YouTubeで展開されるストーリーラインとイベントの完成度の高さは感じました。若いファンを獲得したうえ、今年1月の大会では試合のレベルも格段に上がっている。須田萌里選手の試合メインの対応を見るかぎり、次の課題は競技運営面のレベルアップというところでしょう。

「僕がもう一度BCに出ようと思ったのは、条件を呑んでくれたこともあるけど、そのファンたちの声によるところも大きかったんですよ」

――というと?

「試合直後は本当に『もう二度と出るか!』と思いましたよ。あんなやり方をされたら誰も勝てないし。大会後にまずブラックさん、レフェリー陣、佐伯社長、そして須田さんや自分の陣営も交えて話をしました。さらにオファーとフォローがありましたしね。何より試合映像がアップされたら、ファンの方が『ストップが早すぎる!』『もう出ない、とか言わないでほしい』とコメントを書き込んでくれていたんです」

――おぉっ! 韓国のファンのハートをガッチリ掴んでいますね。

「日本にはファンがいないのに(笑)。僕のSNSにも、韓国のファンの方々がコメントをくれて。僕はこれまでずっと、求められれば試合に出ていた人間ですから。そうやってファンの声があるなら、またBCで戦いたいと思いました」

――今日もDEEPのTシャツを着てインタビューを受けてくれていますが、いずれBCのTシャツに変わるかもしれないと思っておきます。

「いやいや(苦笑)。僕はDEEPで育ってきたので、それはないです!」

――アハハハ。今年3月にイ・ソンハが江藤公洋選手に敗れてDEEPのベルトを失った試合は、どのように見ていましたか。

「どちらかといえば『どっちが勝つかな?』という興味のほうが大きくて。一般のお客さんと同じ目線に近かったです。複雑な心境もありましたよ。自分に勝った相手が負ける姿を見るのも、自分が取られたベルトを他の選手が巻いているのも……。かといってイ・スンハが勝って喜んでいる姿を見るのも悔しいじゃないですか。だから、ぶっちゃけ『どっちも負けちまえよ』という気持ちはありました」

――それがファイターとして当たり前で、素直な気持ちではないですか。

「そうなんですかね。お客さんに近い目線で観ていたとしても、やっぱり両選手に対して『俺のほうが上だからな』と思っていました。その気持ちは失いたくないので」

――江藤選手が巻いたDEEPのベルトを取り戻したいとは考えていないのでしょうか。

「まず今はBCで借りを返したいです。イ・スンハからBCのベルトを奪って、DEEPに帰ってくる。そして、まさかのDEEPとBCのダブルタイトルマッチをもう一度――しかも日本人同士で。佐伯社長、嫌がるかなぁ(笑)」

――それは……なかなかカオスな状況です。

「超面白いじゃないですか。BCもDEEPもグチャグチャにかき回したいですよ。そのほうが観ている人も面白いでしょうし」

――まずはBCで再スタートとなる試合の相手がハンターに決まりました。

「作戦にも関わっちゃうので、あまり深くは言えないけど――ハンターって打撃は打撃、寝技は寝技っていう選手ですよね。MMAとしての繋ぎとか、際の部分がない。だからMMAとしては自分のほうが有利なんじゃないかと思っています」

――大原選手がイ・ファンソンにKO勝ちを収めた大会で、ハンターはチョ・ユンジュン(ミスターサタン)にKO勝ちしています。終始ケージに押し込まれながら、身長差を生かして勝ったという印象です。

「そうなんですよ。だから、それほど身長が変わらない自分に対して同じ試合ができるのかな、って。実際、身長が高いイ・スンハにも負けていますしね(昨年4月、1Rに腕十字で一本負け)。イ・スンハとハンターでは明確な差があると思いますよ」

――なるほど。さらに言えば、大原選手の中でもBCがアウェイという気持ちは薄れているのではないでしょうか。

「それが……去年の11月の試合までは『敵地だから倒さないと勝てない』と思っていました。でもファンの反応もあったから、その気持ちが薄れたまま臨んだのが今年1月の試合で。韓国にも応援してくれる方はいるけど、やっぱりアウェイなんですよ。だから次のハンター戦は100パーセント、アウェイの気持ちで戦います。前回の分を取り返してくることができるよう、しっかりKOで勝ちます!」

■視聴方法(予定)
4月20日(土・日本時間)
午後5時~Black Combat YouTubeメンバーシップ

■Black Combat Rise02 対戦カード

<ライト級/5分3R>
大原樹理(日本)
パク・ジョンホン(韓国)

<ライト級/5分3R>
イ・ファンソン(韓国)
チョ・ユンジュン(韓国)

<フライ級/5分3R>
イ・ソンチョル(韓国)
山本聖悟(日本)

<フェザー級/5分3R>
イ・ミンヒョク(韓国)
イム・ジェユン(韓国)

<無差別契約/5分3R>
キム・ミョンファン(韓国)
稲田将(日本)

<フライ級/5分3R>
ソン・ナクジュン(韓国)
パク・テホ(韓国)

<63.5キロ契約/5分3R>
ジョン・スミン(韓国)
ぽちゃんZ(日本)

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