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【Special】J-MMA2023─2024、佐藤将光「ミュージックステーションにはアイドルも出れば、B’zも出る」

【写真】耳を傾ける者が、イメージで映像化できるようなクリアな言葉を佐藤将光はいつも発している(C)TAKUMI NAKAMURA

2023年が終わり、新たな1年が始まるなかMMAPLANETでは2023年に気になった選手をピックアップ──過ぎ去った1年を振り返り、始まったばかりの1年について話してもらった。
Text by Takumi Nakamura

J-MMA2023-2024、第十五弾はONEでの戦いにピリオドを打ち、新天地としてRIZINの舞台を選んだ佐藤将光に話を訊いた。

2023年は1月のONE Fight Night 6でキム・ジェウォンに勝利して、幸先のいいスタートを切った佐藤だったが、その後ONEから試合オファーが届くことはなく、自らリリースを希望してONEを離れる道を選んだ。様々な可能性があるなか、佐藤はRIZINに参戦して太田忍に勝利。2024年も継続してRIZINで戦うことを決め、3月のRIZIN神戸大会で井上直樹との一戦が発表されている。「RIZINは自分とは別世界の出来事」と思っていた佐藤がなぜRIZINでの戦いを選んだのか。

■2023年佐藤将光戦績

1月14日 ONE FN06
○3-0 キム・ジェウォン(韓国)

10月1日 RIZIN LANDMARK06
○2-1 太田忍(日本)


――佐藤選手にとって2023年はONEを離れ、RIZINに参戦するという大きな変化がある一年だったと思います。

「まさに戦う舞台が変わった一年でしたね。ONEを離れてから急きょRIZINに参戦して。2試合しかやっていないんですけど、どちらも勝つことが出来て。特に大事なRIZINのデビュー戦でしっかり勝って、期待外れにならなかったのはよかったなと思います」

――2023年の年始にはこんな1年になることは予想していなかったと思いますし、ONEを離れる選択は大きな決断だったと思います。

「僕はずっとONEで戦うつもりでしたからね。実際に1月の試合にも勝っていたので、次も試合があると思っていたら、なかなかオファーがなくて。ONE全体の流れとしてキックとムエタイが増えて、MMAの試合が少なくなる中で、そこで試合の枠をもらう評価はされていなかったんだなと思います。最終的にはしばらく試合はないということだったので、こちらからリリースをお願いして契約に区切りをつける形になりました」

――ONEを離れてRIZINで戦うことを選んだわけですが、契約がフリーになった時点で他のイベントも候補には上がっていたのですか。

「ONEからフリーになった時は、次もまた海外のイベントに出るにしても、国内で一試合やってからにしようと思っていたんです。それで色んな国内団体も考えていたなかで、大会直前でしたけどRIZINからオファーがきて、そういう出方も面白いなと思ってRIZIN参戦を決めました」

――そのRIZINデビュー戦では太田忍選手に判定勝利。試合後のインタビューではRIZINへの継続参戦とPFLを含む海外イベントへの参戦を示唆していました。最終的にRIZINへの継続参戦を選んだのはなぜですか。

「PFLはBellatorの買収もあって、バンタム級が今後どうなるかは分からない、と。Road to UFCは仮に開催されても自分が出られる保証がない。そういう状況で定期的に試合が組まれる可能性があって、ちゃんと団体側とコミュニケーションをとれるのがRIZINでした。しかも井上直樹選手という最高の相手を用意してくれたので、またRIZINで試合をしようと思いました。

あとは試合後にも話したことですが、実際に10月に試合をしてみてRIZINというイベントの魅力や良さを感じたんです。僕は実力派と言われるカードといわゆる数字を持っている選手のカードが一緒に行われることに抵抗がない。例えばミュージックステーションにはアイドルも出れば、B’zも出るわけじゃないですか。そうやってより多くの人に番組を見てもらうために出演アーティスト決めるわけだから、僕はそういうマッチメイクに否定的な意見はないです」

――僕も一記者としてRIZINを取材するようになり、ちゃんとMMAの試合を見る・楽しんでいるファンも多いことに驚きました。

「RIZINをちゃんと見ている“RIZINファン”がいますよね。その層でUFCまで追っている人もいるだろうけど、RIZINというイベントを好きなお客さんがいる。試合の前後でSNSのフォロワー数が激増して、反響の大きさも今までと違いました」

――実力派の選手と数字を持っている選手、どちらも受け入れられていますよね。

「どちらか一方ではイベントが成り立たないわけで、プロモーター目線で考えたらそういうイベント構成にするのは間違いじゃないと思いますね」

――まさに先ほどのRIZIN=Mステ理論ですね。

「ロックシンガーとアイドルのファンが共存することは難しいけど、アイドルファンがロックシンガーの曲を聞く機会にはなるわけじゃないですか。それきっかけでロックシンガーに興味を持ってくれる人も一部はいるだろうから、それでもいいと思います」

――そして2024年最初の試合が3月23日のRIZIN46神戸大会、対戦相手は井上直樹選手に決まりました。先ほど井上選手=最高の相手という言葉もありました。なぜそう思ったのでしょうか。

「彼はDEEPでデビューして、それからUFC→RIZINというキャリアだったので、僕とは全く接点がなかったんですよね。というよりも僕はONEでキャリアを終えるつもりだったから、井上選手に限らずRIZINに出る選手とは絡むことがないと思っていたんです。だから2021年にRIZINでバンタム級JAPANグランプリが行われていた時も自分とは別世界の出来事というか。その選手たちと交わる時が来るのかと思うと不思議ですよね。井上選手自体は小さい頃から空手をやっていて、10代でプロデビューして、UFCと契約して…というまさに格闘エリートですよね」

――対戦相手としての印象はいかがでしょうか。

「穴がないですね。もともとストライカーのイメージがありましたけど、試合映像を見るとRNCでフィニッシュしていることが多くて、バックを取ってからが上手いですよね。実は5年以上前に同じ柔術の大会に出ていたことがあって、彼が青帯で僕が紫帯だったのかな。『あっ、井上選手だ』と思って見ていたら、やっぱり明らかに動きが違いましたね」

――フィニッシュ力に打撃を上乗せしているタイプですね。

「ジャブもうっとおしいし、リーチも長い。ずっと映像を見て穴を探しているんですけど………穴がないんだよなぁ(苦笑)。これを攻略するのは難しいぞと思っています。それでも攻略法を見つけなきゃいけないんですけど、簡単な攻略方法はないです」

――それこそ井上選手は2021年のバンタム級GPではベスト4になっていますが、その通りの位置にいる選手だと思いますか。

「僕はRIZINのバンタム級で朝倉海、フアン・アルチュレタ、井上直樹、キム・スーチョル。この4人が抜けていると思っているから、本当に強敵ですよね。ただ今回は試合が決まって3カ月あるから、攻略とか対策を考える時間はあるんですよ。だから今まで以上にじっくり考えます」

――準備期間があるのは井上選手も一緒なので、今回は戦略・作戦も含めた総力戦になりそうですね。

「はい。ただ井上選手は比較的相手に付き合いますよね。アルチュレタ相手に組みでいったり、金太郎選手と打撃でやり合ったり。僕は相手の弱いところを探して、そこを突いていく戦い方なんですけど、井上選手は相手の強いところで勝負して勝とうとしますよね。それで勝てちゃうからすごいんですけど」

――発想そのものがエリート的なのかもしれないですね。

「僕からすると不思議なので、試合が終わったらどういうメンタリティでやっているのか聞いてみたいです(笑)」

――大晦日は朝倉海選手がアルチュレタに勝ってRIZINバンタム級の新王者になりました。今後は朝倉選手のベルトを狙うことになると思いますが、あの試合を見た感想はいかがですか。

「強かったですよね。朝倉海はこの階級で攻撃力が頭二つ抜けていると思います。ただ朝倉海とアルチュレタに関しては、これからどういう路線で試合をしていくかにもよると思うので、今は井上選手に勝つことに集中したいです。井上選手に勝たないことには始まらないので。僕は今回も…というか今回勝って初めて実力を認められると思うし、井上選手に勝てば一気に(上に)出られるし、負けたらそこまでの選手だと見られると思うので」

――RIZINでも一戦一戦意味のある試合を戦っていきたいですか。

「そうですね。そういうヒリヒリしたものを求めて試合をしているし、年を取るにつれて勝ち負けにこだわることよりも、自分がやってきたことや実力を試合で出し切りたいって気持ちが強くなっていますね。昔は勝てばなんでもよかったというか。もちろん実力を出し切って勝てれば嬉しいですが、ラッキーパンチで秒殺しても、それはそれで良かったんですよ。でも今は自分がやってきたことをすべてリングに置いていきたい。その方が勝ち負けよりも大事になってきていますね。それをたくさんの人たちに見てもらえるのはうれしいことです。次の試合でも自分を出し切ったうえで勝ちにいきます」


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MMA MMAPLANET o ONE ONE FN06 ガントゥルム・バヤンドォーレン マイキー・ムスメシ

【ONE FN06】ある意味、ヒザ神バヤンドォーレン。捻りまくったマイキー・ムスメシが困惑の完勝防衛

<ONEサブミッショングラップリング世界フライ級(※61.2キロ)選手権試合/10分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
Def.3-0
ガントゥルム・バヤンドォーレン(モンゴル)

手を合わせる距離にも入らないバヤンドォーレンに対し、手を取って引き込んでマイキーがクローズドガードを取る。バヤンドォーレンはケージに押し込み、ボディロックで抑える。ここでブレイクが掛かり、試合は中央へ。すぐにケージ際に下がるバヤンドォーレンに対し、マイキーが再び引き込む。バヤンドォーレンが押し込んでくると、ハイガードからオモプラッタ、さらに足を取ってマイキーロックへ。

バヤンドォーレンは上体を起こし、手首を取りに行く。ヒザ十字に移行したマイキーは、RNグリップでヒザを捻っていく。完全にヒザが外を向いているにも関わらずバヤンドォーレンが足のクラッチを外しに掛かる。

マイキーはRNグリップを組み直し、カカトを捻るがバヤンドォーレンはタップをしない。見込み一本が欲しいような足の捻り方に、キャッチが掛かる。もう一度捻りを加えるマイキーが、ロールしながら極めを続ける。ヒザも緩まず、取られ続けるバヤンドォーレン。

マイキーは試合前に、一つのポジションに固執しないと言っていたが、RNグリップの内ヒールを続ける。人智を越えた耐久力を誇るバヤンドォーレンは、反転して足を抜こうとする。逃さないマイキーは内ヒールを続け、万力のように固定してカカトを捻り続ける。

バヤンドォーレンがマイキーの右足を抱え、上体を起こしていく。マイキーも再びキャッチの態勢に入るが、逆に表情を歪めるように……。残り90秒、ついに自ら足をリリースしたマイキーは、ギロチンへ。

頭を抜いたバヤンドォーレン、マイキーはKガードから逆の右足を取り、ヒザを畳んでバックに回る。タップしないなら落としに掛かったマイキーだが時間が足りず、バヤンドォーレンが胸を合わせにいったところでタイムアップを迎えた。

完全に左足が壊れたバヤンドォーレンに対し、マイキーは意味が分からない動揺した顔つきで勝ち名乗りを受け、いつものような笑顔を浮かべることない。ばかりか呆然とバヤンドォーレンを見つめて、困惑の表情でハグをした。

「20回はポップしていたのに、タップしなかった。ポップしているのにどうすれば良かったのか。もう少し早くバックに回るべきだったのかな」と話したマイキーは、タイ語でメッセージを送り大きな声援を受けた。


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MMA MMAPLANET o ONE ONE FN06 オンラ・ンサン ジルベウト・ガルバォン

【ONE FN06】観客の声援がオンラ・ンサンを強くする。89秒TKO勝ちで、「ミャンマーに平和を」

<215ポンド契約/5分3R>
オンラ・ンサン(ミャンマー)
Def.1R1分29秒by TKO
ジルベウト・ガルバォン(ブラジル)

会場の声援を一身に受けるンサンに対し、左右のフックで前に出るガルバォンだが右アッパーを受けて後方に倒れる。スタンドで待ち受けるンサンは、シングルレッグからダブルでケージに押し込まれる。ここでンサンは右ヒジを当て、フレームを創ってヒザをボディに入れる。引き込むように倒れたガルバォンに、左右のパウンドを連打したンサンが勝負を決めた。

「3カ月で2試合、少し落ちていた時期があったけど戻ってきた。いつだって戦うからチャトリ、言ってくれ。5月のデンバーも、だ。誰とだって戦う。レッツゴー」と言うンサンは、ボーナス獲得に笑顔を浮かべミャンマー語で同朋にエールを送ると、最後は「ミャンマーの皆のために祈っている。僕らの国が平和になるよう」と英語で締めた。


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MMA MMAPLANET o ONE ONE FN06 キック キム・ジェウン 佐藤将光

【ONE FN06】「打ち合いなさい」MMAへのリードに、佐藤将光が光るアジャスト。キム・ジェウンを下す

<68キロ契約/5分3R>
佐藤将光(日本)
Def.3-0
キム・ジェウン(韓国)

体格的な差は、見た目ではそれほど感じられない両者。距離、角度を考えて動く佐藤に対し、キム・ジェウンは中を取って戦う。佐藤が出るのを待っているキム・ジェウンが左ロー、佐藤も同時に右ローを蹴る。ボディから左フックを放った佐藤が右を当てるが、キム・ジェウンが右のカウンターを突き刺す。佐藤は右ストレート&カーフを蹴る。

圧を掛け始めた佐藤だが、なぜかアクションの声が掛かる。再開後にすぐ組みを狙いつつ、打撃を放つ佐藤は、シングルレッグをかわされる。これを見せてから左フック、右カーフもキム・ジェウンの距離か。右で飛び込み佐藤がサイドキック、左ローの相打ち続き、キム・ジェウンが左ローを蹴る。自らの右ハイで姿勢を乱した佐藤は、すぐに立ち上がる。真っ直ぐ距離を取ろうとした佐藤は、懸命に攻撃を散らすがキム・ジェウンは、右に右を合わせていく。

左ジャブを当てた佐藤、直後にレフェリーがブレイクを命じる。何と、佐藤とキム・ジェウンの両者にイエローが提示される。もはや、足を止めて打ち合えとばかりの競技運営陣──すぐにタイムとなった。

2R開始前にアグレッシブに攻めるように両者に、言葉が掛けられる。佐藤は斜めへのステップから左ハイや、回転系の動きから右を当てる。イエローと攻めろという指示は、キム・ジェウンの方が悪影響を受けたか。さらに組んだ佐藤は、テイクダウンに拘ることなく離れる。ジャブをからワンツーの佐藤、キム・ジェウンが左ボディから右をヒットさせる。

右の打ち合い、パンチは強いが動きは落ちた感じはあるキム・ジェウンが左ローを蹴る。佐藤はダブルレッグ、切ったキム・ジェウンがヒザ蹴りから離れて右を打ち込む。明らかに近い距離でのパンチの交換という流れで、佐藤が右を伸ばす。キム・ジェウンにとってもリズムが早くなった試合展開、佐藤がカーフを入れテイクダウンを織り交ぜて、右を打ち込む。組みで揺さぶる佐藤は、左から右の返しを受けて一瞬動きが止まる。

それでも右を当てながら前に出た佐藤が、再び右をヒットさせる。蹴りのフェイク、右ローを蹴る。左ローも蹴るキム・ジェウンは、右にカーフを合わせられた。佐藤の右に右で迎え撃ったキム・ジェウン、手応えを感じたような佐藤だがジャッジの判断は分からない接近戦となった。

3R、内回し蹴りを見せた佐藤は右から左、そしてボディを被弾する。キム・ジェウンもこのリズムにアジャストしてきたか、左ミドルをいう攻撃を繰り出す。飛び込みながら右を当てた佐藤は、左ローにシングルを合わせたが倒しきれない。ジャブから右を当てたキム・ジェウン、佐藤も負けじと前に出ると再び右で迎え撃つ。

佐藤は頭からつっこみ、クリンチ。離れたところでもう1度組むが、キム・ジェウンが体を入れ替えワキを潜ってバックに回る。後方から殴って離れたキム・ジェウン。佐藤はワンツーで目に出て左を振るう。足を蹴られ組みついた佐藤、キム・ジェウンの左目尻から大量の流血が見られる。ここでドクターチェックが入り、するに試合が再開された。

残り90秒弱、右オーバーハンドの佐藤。キム・ジェウンがヒザで迎え撃ち、左フックには左を合わせようとする。佐藤は組みから離れて右を打ち、佐藤は左ボディから右を入れて「入れた」とポーズをとる。さらにスピニングバックフィストを見せたキム・ジェウンが、インパクトのある攻撃で佐藤をリードしたように映る試合ではあった……が、ジャッジは3者とも佐藤を支持──「2023年最初の試合、勝つことができました」と佐藤はカメラを通して日本のファンに言葉を送った。

佐藤は大きな勝利を手に入れ、2023年のスタートを切ることができた。その背景にはカウンター狙いで相手を倒してきたキム・ジェウンが『攻めさせる』競技運営に自らのリズムを崩したことも大きい。対して、かつてこの距離、この手数で戦ってきた佐藤がその後のMMAとしての詰将棋を磨いてきた部分を短時間で上手く、しかも気持ちで融合させて勝利を掴んだ。MMAの移り変わりを肌で知り、戦い続けてきた佐藤ならでは判定勝ちだった。


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【ONE FN06】計量終了 メクセンが失敗=ミックスファイトは消滅。スタンプはスーパーガールとキック戦

【写真】セレモニアル計量ではエカテリーナ・ヴァンダリエヴァも姿を見せ、両者の対戦はキャッチウェイトで行われるという風に実況も伝えていた。一方アニッサ・メクセンの姿は計量に姿はなく、「戦うことを許されない」とコールされていた(C)ONE

14日(土・現地時間)にバンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE Fight Night06の計量結果が、13日(金・同)に発表された。

そしてミックスファイトで、スタンプ・フェアテックスと戦う予定だったアニッサ・メクセンが、体重及びハイドレーションテストに参加せず試合出場不可となり、両者の一戦はキャンセルされた。

またジドゥオ・イブと対戦するロッタン・シットムアンノンはハイドレーションをパスするため、体重が136.5ポンドとなり、キャッチ戦で両者の対戦が実施されることに。


さらにポストリミでスーパーガール・ジャルーンサックムエタイとムエタイ・ストロー級で戦うはずだったエカテリーナ・ヴァンダリエヴァが、ハイドレーションをパスした状態で体重は0.5ポンド・オーバーとなった。リリースによると、スーパーガールがキャッチウェイト戦を拒否。

その結果、スタンプとスーパーガールがストロー級キックボクシングで対戦することとなったが、写真の説明にあるようにセレモニアル計量では両者はキャッチウェイト戦で戦うという風に説明されていた。それが計量結果のリリースでは、スーパーガールが拒否と書き記されている。

憶測でモノゴトを論じるのは良くないが、仮にスタンプの出場が欠かせず、ポストリミのカードがキャッチウェイトで組まれるよりも、ショーがより良い形で実施されるためにスーパーガールにスタンプ戦を要請したのなら、そのような発表で構わないと思われるのだが。セレモニアル計量と、計量結果の食い違いの方が要らぬ憶測を外野がすることになる。

なお日本から出場する佐藤将光、対戦相手のキム・ジェウンは2週間のショートノーティス出場ながら、150ポンド契約マッチでしっかりとハイドレーションもそれぞれが1.0074と1.0099という低い数値でクリアしている。

■放送予定
1月14日(土・日本時間)
午前10時00分~ ABEMA格闘チャンネル

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【ONE FN06】マイキー、世界戦と無差別級について語る。「今は階級に専念。いつかクレイジーな挑戦を」

【写真】微笑みの国バージョンのマイキー・ムスメシです(C)MMAPLANET

14日(土・現地時間)、バンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE Fight Night06で、ONEサブミッショングラップリング世界フライ級王者マキシー・ムスメシがガントゥルム・バヤンドォーレンの挑戦を受ける。

マイキーは昨年のサンボ世界選手権58キロ級優勝のサヤン・ヘルテックが挑戦予定だったが負傷欠場となり、バヤンドォーレンと戦うことになった。

コンバットサンボの世界王者が、マイキーに太刀打ちできるのか。そんな見方があったが、マイキーはこの挑戦者の変更を歓迎していた。よりタフ、よりコンペティティブになるという意味で。


──マイキー、いつもインタビューを受けてもらってありがとうございます。今の調子はいかがですか。

「最高だよ。今、トレーニングから戻ってきたばかりなんだ。僕の方こそ、インタビュー時間をずらしてもらって助かったよ。バンコクに就いて、すぐに練習したいと思っていたから空港から直接練習してきたんだ。だけど飛行機の予定自体が変わってしまっていたから、予定された時間にインタビューを受けることができなかったんだよ」

──ラスベガスから、今日バンコクに入ったということですか。

「違う、違う。シンガポールからバンコクに来たんだ。シンガポールに1週間いて、時差を調整していたから。シンガポールとバンコクの時差はたった1時間だからね」

──今回、ガントゥルム・バヤンドォーレンの挑戦を受けることになりました。もともとは、スポーツサンボの世界王者と戦う予定でしたが、負傷欠場になりコンバットサンボの世界王者がチャレンジャーになった形です。

「僕としては対戦相手が代わったことで、よりチャレンジングになったと思っている。彼は柔術をやっているから。茶帯の柔術家で、MMAのようなコンバットサンボを戦っている。より柔術ベースなんだ。サンビストとの試合は、彼らに柔術の経験がないことが大きな問題になっている。いくら世界チャンピオンで、サンボの技を使いこなせても柔術を知らない。

スポーツサンボの選手って、すぐに背中を見せる。だから、今回バヤンドォーレンと戦うことは、サンボ界から最高の相手が出てきたと思っているんだ」

──確かにトップ・サンビストがONEの組み技ルールで戦っても、柔術に対応できていないので柔術家が有利なことは明白になっています。実際、マイキーがサンボの世界王者と戦うことに関しても、もう柔術家のデモンストレーションのような試合には食傷気味でした。

「サンボと柔術は違うからね。でも今回の対戦相手は柔術の経験があって、ハイレベルなサンビストだから楽しみなんだよ」

──とはいえ世界のトップクラスのマイキーに対して、紫帯の柔術という見方もできます。

「茶帯だよ。茶帯(笑)」

──あっ、申し訳ありませんでした。

「柔術を分かっていることが大切なんだ。バックを取っても、チョークの防御方法を知っていることが。スポーツサンボだけの人はチョークがないからディフェンスできない。だから、いつもワンサイドの試合になってきた。今回の試合は、そういう過去の柔術家✖サンビストよりもコンペティティブになると期待しているんだ。サンボと柔術の技術が分かっている相手だから」

──加えて打撃有りで戦っている選手は、グラップリングマッチではナーバスにならず平常心で戦えているように見えることも多いです。技術レベルは別にしても、彼らのグラップリングに臨む時のメンタルをどのように考えていますか。

「パンチでダメージを受けたことがある選手は、そういう痛みのないグラップリングは戦いやすいだろうね。MMAファイターのメンタルは、幅広いという部分で強い。彼らはより肉体にダメージを受ける戦いを経験しているから。そういう意味でも、今回の試合はタフになるんじゃないかと思っているんだ。

そんな試合で僕がやるべきことは、完璧なポジショニングを取ってフィニッシュすること。今言ったようにMMAを経験して、タフなメンタルの持ち主をしっかりと仕留めたいんだ。僕は今でも一つのポジションにステイすることがある。どうしてもそこに拘ってしまうんだけど、そうでないもっと視野の広い試合をしたい。

今回のキャンプでは、オープンマインドで色々なポジションにスイッチすることを心掛けてきたんだ。そこからサブミッションを仕掛けていく。一つのことに固執しないよ。最初にとったポジションをずっと維持するんじゃなくて、もっと多角的に攻める」

──勝敗の行方に対し、どちらかに期待するなどということはメディアとして書けないですけど、マイキーにはファブリシオ・アンドレイやコール・アバテ、ベイビーシャークらと肌を合わせてほしいと思っています。

「う~ん、彼らは僕より階級が上なんだよね。彼らはバンタム級で、僕はフライ級だから。ただし、今名前が挙がった選手たちのようにどんどん手強いグラップラーが出現しているよ。そういう選手達の存在が、僕にもっと練習して成長しないといけないというモチベーションを与えてくれるんだ。彼らは僕より若くて、ポテンシャルがある。それだけ成長が早いということだからね。だから、僕もハードに練習できるんだ」

──ところでムエタイ、キック、MMA、ミックスルールとサブミッショングラップリングが見られるONEのケージで、これら打撃のあるスタイルでは提供できないファンが喜ぶ試合が、グラップリングでは可能だと思っています。

「……」

──それは無差別級です。2020年のヨーロピアン・オープン……。

「イエス、イエス。僕がモハメド・アリーと戦った時だね(笑)」

──ヘビー級のアリーに対して、マイキーが50/50からスイープを決めて、同点に追いついた(結果はP2-2、A1-2で敗れた)時の盛り上がり、小よく大を制す。この醍醐味が見られるのは、グラップリングだけです。そうADCC2005の……。

「マルセリーニョ・ガウッシアとリコ・ロドリゲスだ(笑)。将来的にいつか、そういう戦いもしてみたいよ。でも今は自分の階級で戦っていきたい。やっぱりオープンウェイトは体へのダメージが大きいから。アリーとの試合後も、1日ちゃんと歩けなかった(笑)。僕は心身ともに健康でいたいから。今はフライ級で戦っていたいけど、あのクレイジーさもやっぱり経験したいんだよね(笑)」

──チャトリCEOに無差別級で戦う時のファイトマネーの保障をしてもらえるよう皆で掛け合いましょう。ONEのセールスポイントになるはずです(笑)。

「アハハハ。興味深いよ、小さな選手が、大きな選手に勝つことは。それは柔術の素晴らしさを分かってもらえる一つの手段であることは間違いない。凄くビューティフルなことだよね。でも、危険がともなうことは覚えておいてほしい。それでも、いつかまたそういう試合にチャレンジしたい」

──楽しみに待っています。それでは、ぜひともムエタイ王国のファンにグラップリングでショックを与えてください(笑)。

「柔術を知らない人に、柔術の良さを分かってもらう。プレッシャーが掛かるけど、このプレッシャーがあるから強くなれる。それとバンコクのファンの前で戦うことも凄く楽しみだけど、僕としてはやっぱり日本で戦いたいんだ。チャトリにも『日本で戦わせて欲しい』と伝えているんだ。きっと今年中にONEは日本大会を開くから、絶対にそこで戦いたい。そしていつの日か、道着トーナメントを日本で戦ってみたいと思っているよ」

■放送予定
1月14日(土・日本時間)
午前10時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■ ONE FN06対戦カード

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(タイ)
エカテリーナ・ヴァンダリエヴァ(ベラルーシ)

<150ポンド契約/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
佐藤将光(日本)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者] チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)

<ONEキックボクシング世界フライ級王座決定戦/3分5R>
スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
ダニエル・プエルタス(スペイン)

<ONEサブミッショングラップリング世界フライ級(※61.2キロ)選手権試合/12分1R>
[王者] マイキー・ムスメシ(米国)
[挑戦者] ガントゥルム・バヤンドォーレン(モンゴル)

<フリースタイル女子アトム級(※52.2キロ)/3分4R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
アニッサ・メクセン(フランス)

<215ポンド契約/5分3R>
オンラ・ンサン(ミャンマー)
ジルベウト・ガルバォン(ブラジル)

<キック・フライ級/3分3R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
ジドゥオ・イブ(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
ジョニー・ヌネス(米国)

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【ONE FN06】マイキーに挑戦、草原の馬鹿正直者バヤンドォーレン「全く意味が分からなかったです」

【写真】バヤンドォーレンの受け答え、実は通訳さんが2度、3度と質問の仕方を変えてようやく得た返答です。インタビュー中はそよ風のようですが、ケージの中で爆弾低気圧となるか期待です (C)ONE

14日(土・現地時間)、バンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE Fight Night06でモンゴル人コンバットサンボ世界王者ガントゥルム・バヤンドォーレンが、マイキー・ムスメシの持つONEサブミッショングラップリング世界フライ級王座に挑戦する。

当初の予定では昨年のサンボ世界選手権58キロ級優勝のサヤン・ヘルテックが挑戦予定だったが負傷欠場となり、代役として白羽の矢が立ったのがバヤンドォーレンだった。打撃、そして頭突き有りのコンバットサンボで戦うバヤンドォーレンは、この一戦にどのような勝機を見出しているのか。バカ正直──草原のそよ風ばりに無口なチャレンジャーにインタビューした。


──マイキー・ムスメシの持つサブミッショングラップリング世界フライ級王座に挑戦します。今の心境を教えてください。

「グラップリングの世界王座に挑戦できて、とても嬉しいです。この機会を与えられたので、自分の力を試したいと思います」

──マイキーが他の選手との試合がキャンセルになり、バヤンドォーレン選手を指名した時はどのような気持ちでしたか。

「なぜ指名されたのか、全く意味が分からなかったです。最初はそういう話があったことも知らなかったので」

──それでも、オファーを受けたのは?

「偉大なチャンピオンだからです。彼のような偉大なファイターに指名され、戦うことができるのは光栄でしかないので」

──サンボ世界王者といっても、バヤンドォーレン選手はコンバットサンボの世界王者です。打撃なしで、どれだけマイキーとやり合える自身がありますか。

「僕は自分を100パーセント信じています。マイキーはチャンピオンです。でも、僕もチャンピオンです。負けないです。技術的にも、手の届かない相手ではないですから。僕もグラップリングには自信があります」

──その自信となるバヤンドォーレン選手のベースとなる格闘技は?

「柔道とサンボです。そして7年前から柔術をやってきました。MMAは4勝1敗で、その多くを米国の小さな大会で戦ってきました」

──サンボはスポーツサンボの練習もされてきたのでしょうか。

「柔道と同時にスポーツサンボをやっていました。そこからコンバットサンボを始め、モンゴル王者に3度なりました。5年前に世界選手権に初めて出て銅メダルを獲得しました。21歳の時です。サンボで結果を残しているのは、全てコンバットサンボです」

──この試合は世界にバヤンドォーレン選手の名前を広める最高の機会かと思われます。そんな試合で、どのような戦いをしたいと考えていますか。

「チャンピオンになって、僕が本当のチャンピオンだと証明します」

──さきほども言われたようにMMAも戦っています。この組み技世界戦を機に、ONEでMMAファイターとして活動していくという考えもありますか。

「いえ、今はMMAの試合をONEで戦いたいとは思っていないです。UFCが僕の目標なので」

──何と、そこを思っていてもここで発言するとは……思いもしなかったです(苦笑)。では最後に日本のファンに一言お願いできますか。

「米国人世界王者に対し、アジアの代表として挑戦します。日本の人たちにも、僕の応援をお願いしたいです」

■放送予定
1月14日(土・日本時間)
午前10時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■ ONE FN06対戦カード

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(タイ)
エカテリーナ・ヴァンダリエヴァ(ベラルーシ)

<150ポンド契約/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
佐藤将光(日本)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者] チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)

<ONEキックボクシング世界フライ級王座決定戦/3分5R>
スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
ダニエル・プエルタス(スペイン)

<ONEサブミッショングラップリング世界フライ級(※61.2キロ)選手権試合/12分1R>
[王者] マイキー・ムスメシ(米国)
[挑戦者] ガントゥルム・バヤンドォーレン(モンゴル)

<フリースタイル女子アトム級(※52.2キロ)/3分4R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
アニッサ・メクセン(フランス)

<215ポンド契約/5分3R>
オンラ・ンサン(ミャンマー)
ジルベウト・ガルバォン(ブラジル)

<キック・フライ級/3分3R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
ジドゥオ・イブ(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
ジョニー・ヌネス(米国)

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【ONE FN06】「丁寧だけど大胆に戦う」。キム・ジェウン戦へ、佐藤将光──スクランブル発進!!

【写真】常にクール、存在感を示すために落とせないスクランブル発進だ (C)MMAPLANET

14日(土・現地時間)、バンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE Fight Night06で佐藤将光がキム・ジェウンと150ポンド契約マッチで戦う。

昨年3月以来の実戦は、暮れも押し迫った12月30日のオファー、試合まで16日というものだった。それでも試合に飢えていた佐藤に『No』という選択がはなかった。全てを飲み込む強さ、そこはケージで絶対に諦めない戦いを続ける佐藤将光という人間の芯の強さに通じている。

即決の裏で、勝って次に繋げるという決意が存在する佐藤に、話を訊いた。


──1月3日に発表されたキム・ジェウン戦、オファーはいつ頃だったのですか。

「12月30日の朝でした。キム・ジェウンも同じタイミングだったはずです」

──なるほど。実は12月29日にキム・ジェウンが所属するエクストリーム・コンバットで彼を取材した時に、この試合の話題にならなかったので……かん口令が敷かれていたのかと思ったりもしたのですが、本当に2週間のショートノーティスだったのですね。佐藤選手は試合ができるコンディションにはあったのでしょうか。

「練習は変わらずずっとやっていたので。気持ちのスイッチとかは入るのですが、試合が決まっても練習のスケジュールはそれほど変わりないです。だから、オファーがあれば試合はできます」

──ただ、このタイミングでオファーがあるとは思いもしなかったのではないですか。

「思ってなかったです。1月、2月はない、3月だと考えていたので急なオファーに少し動揺しました(笑)。ただ、これで断るとまた試合ができなくなるから、5分ぐらい考えて受けることにしました」

──昨年3月のONE X以来の試合となりますが、これまでオファーはなかったということですか。

「そうですね。試合がしたいとはONEサイドには伝えていましたけど。高橋(遼伍)さんのセコンドとか、11月大会の現地レポーターの仕事を貰った時にもマッチメイカーに直接話もして。で、『いつが良い?』と聞かれて『いつでも良い。早く試合がしたい』と答えて。『今、話せてよかった。1月、2月、3月でオファーが行くと思う』みたいな反応でした」

──なるほどぉ……。昨年3月の試合内容が評価されなかったとしても、それ以前の佐藤選手の試合は負けた試合を含めて、ジェネラルのファンが見てもエキサイティングな内容だったと思います。色々な事情があるのでしょうが、それでオファーがこれだけないというのは解せなかったです。

「そう言ってもらえると有難いですけど、やっぱり今はSNSとかで数字を持っている人が優先的にオファーがあるのかと思います。数字があって、かつ試合が面白い。それって今や格闘技に関わらず、そういうモノだと思います。

ABEMAさんも現地レポーターとして採用してくれたり、露出を考えてくれていたと思います。ただ現地にいて日本向けの大会で皆が試合をしているのに……自分は仕事を頂けて感謝していますけど、やっぱり試合がしたかったです。だから勝っていくしかないです。負けると、試合期間も空いてしまう。選手として勝ち続けないと、先は見えないので」

──その通りなのかもしれないですね。ところで12月30日のオファー。元旦や三が日の練習相手を確保するのも大変ではなかったですか。

「その日のうちに練習仲間に連絡しました。キム・ジェウンがもともとフェザー級だったし、自分より大きなオーソのストライカーの人に絞ってお願いをして。高橋さんとルイス選手が正月も付き合ってくれました」

──スクランブルでも佐藤選手はバンタム級のリミットに落とせそうな気もするのですが、オファーはもともとキャッチウェイトだったのですか。

「オファーが来た時に150ポンドのキャッチでした。僕はバンタムでやりたいとは伝えましたけど、もう150ポンドだったので──『あぁ、そうなんですね』って」

──150だとフィジカル的には不利になってしまうけど、まぁ承諾するしかないですよねぇ(苦笑)。

「とにかく試合がしたいので。細かいこと言って、これを蹴るといつオファーが来るのか分からないから」

──これはもう、絶対的に私の言葉だと明言して書かせていただきますけど、自分のようなフリーランスの下請けが経験する『遣り甲斐搾取』という言葉がチラついてしまいます(笑)。

「まぁ、しょうがないです(苦笑)。デメトリウス・ジョンソンとかトップの選手は、こういうオファーは来ないでしょうし。でも、僕はそういう役割を担う立ち位置なんです。だからこそ、ここで勝たないと。絶対に勝って、次に繋げます」

──ではキム・ジェウンの印象を教えてください。

「オファーを貰った段階で、ただ打ち合うというイメージの選手でしたけど、映像をチェックすると意外と細かいところが上手いと感じました。想像以上に厄介だと思います。でも、対策も含め短時間の割には創ることができました」

──対して、佐藤選手は何をしないといけないと考えていますか。

「それは試合前なので、あまり言いたくないです」

──了解しました。1点、気になっていることがあります。前回の試合で、イエローカードを連発されました。あの影響はありますか。

「メチャクチャ意識しています。アクション、アクションって言われ始めたら『うるせぇな』って思いながら、前に出ると思います。練習仲間は『行かなく良い。打ち合ったらダメだ』と言ってくれますけど、あそこは後悔が残っているところなので。スティーブン・ローマンとの試合はイエローカードだけでなく、勝負どころを創ることができませんでした。

ポイントゲームをし過ぎたと自分の中で思っていて。警戒し過ぎて行けなかったので、今回の試合はどんどん削って、フィニッシュまで持って行くつもりです」

──佐藤選手のキャリアの序盤、あの打ち合い上等なファイトが怖くてしょうがなかったです。

「韓国で試合後に飯を食っていて、『こんな試合をしていたら、体が壊れてしまう』と言ってもらえたこと覚えています」

──ただし、ここぞという時にアレがデキる強みが絶対にあると思います。

「特に今回は相手がめっちゃ打ち気なので、引いてしまうと強くなってくるタイプなので。要所要所でやり返さないと。で、キム・ジェウンの疲れた顔を見たいなって思っています。一発当たってしまったら終わりなので、なるべく貰わないように戦いますけど──やっぱり勝負する時は勝負しないと。丁寧だけど、大胆に戦う。そういう試合を心掛けます」

■放送予定
1月14日(土・日本時間)
午前10時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■ ONE FN06対戦カード

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(タイ)
エカテリーナ・ヴァンダリエヴァ(ベラルーシ)

<150ポンド契約/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
佐藤将光(日本)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者] チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)

<ONEキックボクシング世界フライ級王座決定戦/3分5R>
スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
ダニエル・プエルタス(スペイン)

<ONEサブミッショングラップリング世界フライ級(※61.2キロ)選手権試合/12分1R>
[王者] マイキー・ムスメシ(米国)
[挑戦者] ガントゥルム・バヤンドォーレン(モンゴル)

<フリースタイル女子アトム級(※52.2キロ)/3分4R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
アニッサ・メクセン(フランス)

<215ポンド契約/5分3R>
オンラ・ンサン(ミャンマー)
ジルベウト・ガルバォン(ブラジル)

<キック・フライ級/3分3R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
ジドゥオ・イブ(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
ジョニー・ヌネス(米国)

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【ONE FN06】韓国MMAを知る。佐藤将光と対戦、キム・ジェウン「高校生の時から試合を見てきました」

【写真】非常に物静かなキム・ジョウン。ボディショットに代表される、殴り合いの強さはまるで感じられることはない (C)MMAPLANET

昨年末、大晦日に開催されたBlack Combatを取材するために渡韓し、Gladiator1月22日大会出場選手の取材と同時に、複数のジムや選手、指導者、プロモーターに合いK-MMA界の今を探ってきた。

その中の1人、エクストリーム・コンバット所属のキム・ジェウンが14日(土・現地時間)にバンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE Fight Night06で佐藤将光と対戦する。

訪韓時、まだ佐藤戦は正式発表されておらず、現地では韓国におけるONEのポジション等について尋ねていた。今回、改めて佐藤戦に向けてバンコク入りしたキム・ジョウンにインタビューを行い──ソウル郊外コヤンで訊いた話とともにお届けしたい。

韓国において少数派のONEで戦うキム・ジェウンは、佐藤将光を心底尊敬していた。


UFCが頂点のMMAヒエラルキーが大勢を占めるK-MMAにあって、Road FCという国内メジャー=老舗を活躍の舞台とする選手とともに、ONEに戦いの場を求めるファイターも存在している。

キム・ジェウンはそんなコリアンONEファイターの1人だ。その彼は韓国におけるONEの現状を以下のように語っていた。

「UFCには歴史があって、韓国でもメディアによる露出が多いのも事実です。有名なのはUFCです。活躍している韓国人の数も違います。でもONEはハイドレーションもあって、選手を守ってくれています。計量に関しては、自分はONEが正しいと思っています。それにUFCが最強といっても、UFCチャンピオンがONEで負けることもありますし、自分はONEで頂点を目指したいです。ONEは選手が主人公になれる場を提供してくれます。韓国の若い選手がONEで戦いたいかどうか。そこにはONEなのか、UFCなのかという部分でジムがUFC志向のところもあります。

ONEはルールも計量方法は違うし、選手が戦いたい団体で戦うのが一番だと思います。これからONEで活躍する韓国人が増えれば知名度も変って来るでしょうし、とにかく自分に関しては、試合のオファーがあれば今日でも明日でも戦います。バンタム級でとにかく強い選手と戦いたい。最強になりたい」

そして今週末に迫った佐藤戦を控え、本日1月10日に行ったインタビューは以下の通りだ。

──韓国でお会いした時は、まだ佐藤選手との試合に関して話を伺うことができなかったですが、今回は150ポンドでの試合となります。

「試合まで2週間を切ってのオファーでした。準備期間もそれだけしかありません。でも、ジムでお会いした時に言ったようにオファーがあれば、自分はその日でも翌日でも戦うつもりでいました。常に試合がしたいとONEに伝えていましたし、『ショートノーティスだけど、戦えるかい?』という連絡に『戦う』と即答しました。

複数の対戦相手候補がいましたが、佐藤将光選手も戦う準備ができているということでした。素晴らしいチャンスですし、ぜひとも戦いたいと思いました」

──両者ともバンタム級の選手です。この試合がキャッチウェイトになったのは、体重を落とす期間がなかったという理解で良いでしょうか。

「準備期間が少なったオファーで、選択肢は2つありました。この間、戦うための練習をそれほどせずにバンタム級のリミットまで体重を落とすことに専念するのか。それとも良いコンディションで、より良いパフォーマンスを見せることができるキャッチウェイトで戦うのか。バンタム級の正規の体重で戦うことは重要です。しかし、良い状態で良い試合をすることの方が大切だと思いました。それは佐藤選手も同じだったはずです。

良いコンディションで、良いパフォーマンスを見せてファンに喜んでもらう。この判断は正しかったと思っています。だからこ、契約体重で戦うという決断をしたんです」

──揃ってアグレッシブなファイターで、好勝負が絶対視されています。佐藤選手に関して、どのような印象を持っていますか。

「彼は頭の良い選手です。そして、とても経験豊富です。佐藤選手の戦績を見てください。ONEでは誰も彼をフィニッシュできていません。彼は勝ち方を知っています。距離を取り方が上手く、全くもってイージーな試合にはならないです。そして、佐藤選手の勝負強さを知っているので、闇雲にフィニッシュを狙う試合は自分もしないです。

スマートに戦おうと思っています。コンディションは抜群なので、3R動き続けます。途中で疲れるようなことは決してないです。今回の試合は頭を使って戦います」

──MMAは個人戦ですが、チーム戦の側面もあるといえます。そしてエクストリーム・コンバットのチームメイトであるクォン・ウォンイル選手が既に佐藤選手と戦っています。佐藤選手が2週間のショートノーティスでそれほどキム・ジェウン選手のことを知る猶予がなかったのに対し、チームが彼を既に研究していた過去があることはアドバンテージにならないでしょうか。

「佐藤選手が自分のチームメイトと戦ったのは、1度だけじゃありません。自分がエクストリーム・コンバットに合流する前にも、先輩たちと戦っていました。当時、自分は高校生でアマチュアでした。以来、ずっと自分は佐藤選手の試合を見てきたんです。彼はずっとトップで戦ってきた選手です。

佐藤選手がRoad FCで戦った時から、自分はずっと彼を追っていました。もちろん、対戦相手として見ていたわけじゃないです。戦う日が来るなんて、当時は思っていなかったですから。でも、ずっと彼の試合を見てきました。

自分の周囲には、佐藤選手のことを安全パイだという人がいます。でも、自分は全くそんな風に考えていないです。確かに彼は自分よりも年を重ねています。それだけ経験があるということです。今も進化している。佐藤選手を軽視することはないです。前回の試合とは違う、何かを試合でやってくるはずです。そうなっても戦える準備を自分はしてきました」

──いやぁ、聞き入ってしまうほどの熱量ですね。確かに佐藤選手も今は成熟しましたが、いざとなると喧嘩上等のファイターです。そんな佐藤選手とどのような試合をしたいと思っていますか。さきほどはスマートに戦うと言っていましたが。

「佐藤選手は動き回って、テイクダウンから寝技に持ち込みたいはずです。自分の重いパンチを受けないために。でも、構いません。どの局面でも受けて立ちます。一つだけ言えるのは彼の戦いをさせないということです。自分のファイトを彼に強います。それがこの試合の作戦です」

──熱い試合になること間違いなさそうです。ではこの試合を視聴する日本のファンにメッセージをお願いします。

「あのう……自分は佐藤選手の対戦相手ですよ(苦笑)。自分が何か言って、日本のファンは自分のことを嫌わないでしょうか」

──アハハハハ。そんなことありません。そりゃあ佐藤選手を応援するでしょうが、キム・ジェウン選手のことをしっかりと尊敬してこの試合を日本のファンは視てくれます。

「分かりました。日本のファンの皆さん、この試合は自分にとって本当に特別なファイトになります。高校生の時から、佐藤選手の試合を見続けてきました。彼に近づいて、皆さんに喜んでもらえる爆発的な試合をします。ベストを尽くすと約束します。カムサハムニダ」

──コマスニダ。

「アリガトゴジャイマス」

■放送予定
1月14日(土・日本時間)
午前10時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■ ONE FN06対戦カード

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(タイ)
エカテリーナ・ヴァンダリエヴァ(ベラルーシ)

<150ポンド契約/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
佐藤将光(日本)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者] チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)

<ONEキックボクシング世界フライ級王座決定戦/3分5R>
スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
ダニエル・プエルタス(スペイン)

<ONEサブミッショングラップリング世界フライ級(※61.2キロ)選手権試合/12分1R>
[王者] マイキー・ムスメシ(米国)
[挑戦者] ガントゥルム・バヤンドォーレン(モンゴル)

<フリースタイル女子アトム級(※52.2キロ)/3分4R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
アニッサ・メクセン(フランス)

<215ポンド契約/5分3R>
オンラ・ンサン(ミャンマー)
ジルベウト・ガルバォン(ブラジル)

<キック・フライ級/3分3R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
ジドゥオ・イブ(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
ジョニー・ヌネス(米国)

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【ONE FN06】立ち技無双メクセンとミックスファイト、スタンプ・フェアテックス「実戦で教えてあげる」

【写真】スタンプはインタビュー中、常に笑顔で明るい。それなのに戦術的なことをどんどん話してくれます(C)MMAPLANET

14日(土・現地時間)にバンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE Fight Night06でスタンプ・フェアテックスがアニッサ・メクセンとムエタイ&MMAのミックスファイト=フリースタイル戦で戦う。

混合ルールとはいえムエタイを戦うのは2020年8月以来となるスタンプは、立ち技通算戦績103勝5敗のメクセンが初回は優位であることを認めた上で、MMAのラウンドでフィニッシュすることを宣言した。


──「おお、ドラえもんが」とインタビューを始めさせてもらおうかと思ったのですが、髪の毛が凄く伸びていますね。スタンプがそれだけロングヘアーになったのは初めて拝見させていただきました。

「ハハハハ。ルックスも変ったでしょ?」

──ちょっと驚きました。髪の毛が長いと視界を奪って戦い辛いと思うのですが、なぜ伸ばしたのですか。

「ロングヘアーの方が、皆が親しみやすいかなって思って(笑)。ショートヘアーだと、筋肉が凄く目立ってしまうから、こっちの方が良いんじゃないかなって(笑)」

──なるほどぉ。では試合の時も、そのままで?

「サイドを少しカットしようかと思っているけど、それほど変わらないかな」

──ではスタンプのコーンロウが見られるかもしれないですね。

「そうね。そうなると思うわ」

──もちろん、ファイトは外見で雌雄を決するものではないですが、コーンロウはある種、女子選手にとって戦いへのイニシエーションのように感じます。今回のミックスファイトルールに関して、どのような印象を持っていますか。

「凄く楽しみで、ハッピー。ムエタイとMMAを交互に戦うなんて初めてのことだから、凄くチャレンジングで」

──ミックスファイトはONEの歴史でも2度目です。昨年3月にDJとロッタンが戦いましたが、ロッタンはMMAの経験がなく、DJはムエタイの試合をしたことがなかった。そしてスタンプと戦うメクセンはMMAを戦ったことがないです。スタンプだけがムエタイもMMAも試合をしている点はアドバンテージになると考えていますか。

「う~ん、1Rはアニッサにアドバンテージがあると思う。彼女は素早く、打撃のレンジも少し私より長い。でも私もムエタイを長い間戦って来たし、アニッサに遅れを取るとは考えていない。そして2Rになると、明白に私にアドバンテージがあるはず。アニッサは最初のムエタイのラウンドは、より積極的になるでしょうね」

──DJとロッタンの試合、DJはMMAファイターとして初回のムエタイをロッタン相手に見事に戦い抜きました。ただし、その目的はサバイブにあったと思います。ではムエタイの経験があるスタンプは、この1Rをどのように戦うつもりですか。

「ちゃんと打撃戦をアニッサとやるつもりよ。でも、2Rになるようサバイブも心掛ける。まずムエタイでもアドバンテージを握って、2Rに入ってサブミットするつもりよ。当然、MMAのラウンドの方が試合を終らせることができるチャンスも多いから」

──ムエタイのリズムのなかでムエタイを戦ってきたスタンプに対し、アニッサは欧米のトップファイターとキックボクシングも戦っているムエタイ選手なので、至近距離のパンチの交換は彼女の方が有利かと予想できます。

「確かにアニッサのキックボクシングの経験値が、私よりも高いのは確か。フットワークも優れているから、その距離を潰して接近して戦うわ。彼女のレンジを潰すためにも」

──つまり、より近づいてクリンチゲームに持って行くということですか。

「私のゲームプランはローキックを多用して、彼女のスピードをまず殺すこと。そして2Rになるとテイクダウンからサブミットすることね」

──実はアネッサにインタビューをした時、彼女は1年半米国でMMAのトレーニングをしたことで、MMAルールで戦うことにも思った以上に自信を持っていました。

「彼女のMMAトレーニングが、私のMMAへの取り組み方と比べてシリアスだとは思わない。私はもう5年、6年とMMAの練習をして来たから。打撃の試合と、MMAの試合に向けての練習は全く違うことを彼女は知らないといけない。アニッサが自信を持っているのは勝手だけど、如何にMMAがハードかを実戦で教えてあげるわ」

──この試合に向けてムエタイとMMA、どちらにウェイトを置いて練習してきましたか。

「ムエタイもMMAも同じだけ練習してきたわ。彼女は優れたキックボクサーだから、しっかりと研究する必要があったから。だからボクシング対策も、ちゃんとやってきた。テイクダウンの練習も力を入れていたし、あとは試合で練習の成果をだすだけね」

──この大会はバンコクで行われます。スタンプが2020年8月にバンコクで戦ったときは無観客イベントでした。今回は母国のファンの前で試合ができますね。

「両親や友達もアリーナにやってくるし、タイのサポーターの声援を耳にして戦えることはとてもハッピーよ」

──ところで以前からスタンプと戦いたいと言っていた平田樹選手が、前々回の試合を体重オーバーしキャッチ戦で勝利。そして11月に予定されていたハム・ソヒ戦も計量失敗し、今度はハム・ソヒが対戦を飲みませんでした。彼女の計量失敗について、思う所はありますか。

「イツキが体重を落とせてなくて、ハム・ソヒと戦えなかったことで私はアンジェラ・リーとの再戦に集中できるから、少しハッピーだったわ(笑)」

──!! そうなのですね……(苦笑)。

「イツキとハム・ソヒが戦わなくて、勝者も生まれなかった。だからアンジェラに挑戦するライバルとの試合が、オプションになったから(笑)。私とイツキが戦えば、良い試合になるとしてもね。彼女は打撃だけでなく柔術にも優れているから、凄くエキサイティングな試合になると思う。だからイツキとは、いつか戦いたいと思っているわ」

■放送予定
1月14日(土・日本時間)
午前10時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN06対戦カード

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(タイ)
エカテリーナ・ヴァンダリエヴァ(ベラルーシ)

<150ポンド契約/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
佐藤将光(日本)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者] チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)

<ONEキックボクシング世界フライ級王座決定戦/3分5R>
スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
ダニエル・プエルタス(スペイン)

<ONEサブミッショングラップリング世界フライ級(※61.2キロ)選手権試合/12分1R>
[王者] マイキー・ムスメシ(米国)
[挑戦者] ガントゥルム・バヤンドォーレン(モンゴル)

<フリースタイル女子アトム級(※52.2キロ)/3分4R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
アニッサ・メクセン(フランス)

<215ポンド契約/5分3R>
オンラ・ンサン(ミャンマー)
ジルベウト・ガルバォン(ブラジル)

<キック・フライ級/3分3R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
ジドゥオ・イブ(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
ジョニー・ヌネス(米国)

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