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【PFL Pacific】PFLが第4の地区リーグ──パシフィックを発足。2026年に4イベントを開催!!

【写真】マウイキッド、ジェイ・ジェイ・ウィルソンはPFLパシフィックを象徴するファイターだ(C)PFL

13日(火・現地時間)、PFLが欧州(Europa)、中東(MENA)、アフリカ(Africa)に続き第4の地区リーグとなるパシフィックを発足、2026年に4大会を行うことを発表している。
text by Manabu Takashima

Pacificと謳ってはいるが参加国&地域は豪州、ニュージーランドに太平洋の島々という表現がされているが、つまりは南太平洋の一部でオーストララシアという風に捉えて良いだろう。あくまでも環太平洋、アジア太平洋ではなく、日本など東アジアやハワイ、グアムなどは含まれない。

そんなPFLパシフィックのプロモーションビデオにはニュージーランド人PFLファイター=ジェイジェイ・ウィルソン、同じくキウイのレジェンドでPFL首脳のセイ・セフォーが登用され、ジェイジェイは「この地域の人間は、スポーツとともに成長する」と話し、セフォーは「格闘技が自分の夢を大きくしてくれた」と語っている。

現地時点では階級や特定の選手の名前などの発表はなく、最高のメンバーが集まるとリリースには明記されている。そしてWin & Advantageのスローガンの下、パシフィック・トーナメントは大金が掛けられて4イベントで構成されるとのこと。

さらにPFL パシフィックがスタートを切る際には、PFL Champion Seriesも開かれ、PFLが誇るグローバルなトップファイターとローカル・ファイターの競演も強調されている。

ライトヘビー級WTで初戦敗退のロブ・ウィルキンソン、ウェルター級にジョセフ・ルシアーノ、ライト級準決勝でガジ・ラバダノフと戦うウィルソン、同じくライト級でデビューを控えるアントニオ・カルーゾ、女子ではフェザー級のサラ・コリンズ、フライ級のチェルシー・ハケットが同地区から現在PFLに在籍しているが、JDMが世界ウェルター級王者となったUFCとの質・量とは比べるべくもない。

現状、豪州はUFCにとっても大きな市場の一つでEternal MMAやHEX FSからコンテンダーシリーズ経由でUFCファイターを輩出しており、今年からはRoad to UFCに豪州とニュージーランドの選手も参戦しており、そのこの地域の選手の実力の高さは絶対だ。と同時に選手層でいえば、それらトップ選手級がどれほど残っているのかは、未知数。そのようななかでPFLパシフィックにはどのようなファイターが集まり、如何に発展していくのか興味深い。


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【Pancrase Blood07】全試合KO勝ちでネオブラ制覇、敢流「カーフとローの蹴り方はサッカー似」

【写真】ふてふてぶしい感じの好青年。スポーツマン精神もサッカーの経験、サッカー時代の指導者によって培われてきたようだ(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(日)、大阪市の錦秀会住吉区民センター大ホールにて開催されるPancrase Blood07で、敢流が糸川義人と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

敢流は2023年4月にDEEP大阪大会でプロデビューし、ここまで6戦全勝。昨年はパンクラスで4試合を戦い、全てKO勝ちしている。ネオブラッドトーナメントでも全戦KOで制し、同年12月にはランカーの岡田拓真を倒した。強烈すぎるローとカーフを効かせ、スタンドでもグラウンドでも殴りまくるスタイルのルーツは、幼少期から続けていたサッカーにあった。


サッカーでボールを遠くに飛ばすための蹴り方。カーフもローも100パーセントで蹴っている

――MMAPLANETでは初インタビューとなる敢流選手です。よく聞かれると思いますが、敢流とは珍しい名前ですよね。「いさな」という読み方も含めて。

「アハハハ、よく言われます。誰も読めないですね」

――敢流と書いて「いさな」と読む、その由来は何なのでしょうか。

「自分でもよく分かっていないんですけど、僕は8月生まれで。8月の神様から名前を取ったらしいんです(※注)」

注)日本では古来よりクジラが漁業の神として信仰されており、8月には鯨にまつわる行事が各地で開催されている。「いさな」は鯨の古名で、ご両親に確認したところ、名前の由来も「8月生まれ→海の王様クジラ→イサナ」であるとのこと。

――それは凄い由来ですね。敢流選手は子供の頃から格闘技をやっていたのですか。

「いえ、僕は小さい頃からサッカーをやっていました。でも昔から格闘技が好きで、よく見ていたんです。最初はプロレスのWWEにハマッって、そのあと武尊選手や堀口恭司選手のファンになりましたね」

――サッカーは何歳から始めたのでしょうか。

「幼稚園の年中ぐらいから始めて、高校2年あたりまで続けていました」

――当時はJリーガーを目指していなかったのですか。

「小学生の頃は目指していました。でも中学生の頃になると、大阪ではソコソコやれるけど、プロになるのは無理やと思って。

中学校のサッカー部の先生が、僕にメチャクチャ情を注いでくれていたんです。その先生が高校を紹介してくれたので、『とにかく高校まではサッカーをやろう』と。ただ、高校を卒業したら絶対に格闘技をやろうと決めていました。中学の時、空手の道場に通っている友達がいて、たまにその道場で練習させてもらったりしていたんですよ。

だからもう高校の時は、サッカー部にいるけどチョコチョコ練習に行く感じで、格闘技のほうが練習していたと思います。その友達は空手がバックボーンでMMAもやっていて、空手の練習が終わったあと、少し遊びで僕もMMAの練習をやらせてもらっていました」

――MMAでも強烈なローとカーフキックを効かせていますが、その空手道場の練習で培ったものなのでしょうか。

「まずサッカーをやっていたので、稲垣組に入った時点で足腰の強さには自信がありました。あと自分の蹴り方は、サッカーの蹴り方と少し似ていますね。サッカーでボールを遠くに飛ばすための蹴り方で。だからMMAを始めてからも、蹴りはやりやすかったです。カーフもローも100パーセントで蹴っているので、『そりゃカットしやんかったら効くやろ』とは思います」

写真は昨年2月の山中大門戦。カーフとローを放つ時はフェイントを大事にしているという敢流。この時も相手はハイを警戒している。一方、岡田拓真は右ハイからパウンドアウトしており、蹴りの幅も広がっている(C)SHOJIRO KAMEIKE

――蹴る時に体勢が崩れないし、パンチも軽い牽制ではなく強い力で打っていますよね。

「体勢が崩れないことは常に意識しています。パンチは――ただ早く倒したくて。それは良くないところでもあるとは思うんですけど(苦笑)」

――アハハハ。高校を卒業してからMMAを始めるために、稲垣組を選んだ理由を教えてください。

「金太郎君のことがメチャクチャ好きで。北方大地さんのYouTubeも視ていたし、大阪でMMAをやるなら絶対にココやと決めていました」

――本格的にパンチの練習をし始めたのは、稲垣組に入門してからですか。

「いえ、その空手道場でも結構、本格的に練習させてもらいました。素人なのにプロ練習にも参加させてもらって。その時にパンチの当てる感覚は少し掴んでいたし、『自分もMMAの才能があるんかな』と感じていました。『ちゃんと毎日練習したら、上に行ける』って」

――それだけの自信を持って稲垣組に入門した当時は……。

「アマチュアを2年ぐらい経験して、そこからプロ練習に参加するようになりました。アマチュアやったら無双できるとは思っていたんですよ。それで初めてプロ練習に参加した時に、ボッコボコにされて――金太郎君に(笑)」

――アハハハ、憧れの選手にボコボコにされたわけですか。

「最初に分からせてやろうと思ったんでしょうね(笑)。でもボコボコにされて楽しかったです。プロでやっていくならキツい練習も当たり前やと思っていたし。でもプロ練に参加し始めて半年経ったぐらいから『自分もやれるかな』って自信が出てきました」

――寝技については?

「MMAをやっていくには寝技のほうが大事やと思って、毎日練習しました。打撃はある程度、自分のセンスで賄えるけど、寝技は練習せな敵わへん。でも、もともと昔から寝技を見るのは好きだったんですよ。

それで稲垣組に入った当初は、ほぼ打撃の練習はしていませんでした。北方大地さんからも『打撃の練習はいらん。まず寝技とレスリングをやりこめ』と言われて。プロデビューするまではミット打ちも全然やっていなかったですね。打撃の練習を始めたのは、それこそプロデビューしてからです」

国内でKO勝ちできていないとUFCに行っても勝てない

――北方さんも『コイツは打撃ができる。寝技とレスリングをやり込めば勝てる』と感じたのでしょう。寝技を見るのは好きだったということですが、どのようなタイプの寝技が好きですか。

「ヌルマゴ(カビブ・ヌルマゴメドフ)やピョートル・ヤンですね。寝技で極めるのではなく、制圧してパウンドで削るスタイルが好きです。これまでの試合も寝技は、結構コントロール重視でした」

――なるほど。何よりスタンドでもグラウンドでも、動きに迷いがない。それが敢流選手の最大の強みではないかと思います。

「試合中に迷うことは、ほとんどないですね。もともとそういう性格やとは思うけど、やっぱりココで練習しているおかげで、自分の中に動きが染みついている部分は多いです。迷う前に体が勝手に動くというか」

――結果、プロデビュー以来ここまで6戦6勝、4試合連続KO勝ち。昨年は全試合KO勝利でネオブラを制していますが「なぜ自分が大会MVPではないのか」とは思わなかったですか。

「それは思いましたね(笑)。ネオブラは山口怜臣選手ひとりだけが、負傷で別の大会になって。その大会でMVPが選ばれていたので、それはその日の印象が……。中継で視ながら『えぇっ!?』と思いました。おかげで、次の試合は『ちゃんと俺の試合を見とけよ』ってモチベーションになりましたね。アハハハ。次の試合もトップランカーじゃなくランキングが近い選手で……結果で見せていくしかないです」

――昨年12月の岡田拓真戦からここまで、何か大きく変わったところはありますか。

「寝技とレスリングですね。荒東(怪獣キラー英貴)さんに紹介してもらって、3月にタイのバンタオへ行ってきました。何かのイベントでGSPが来ていて、2回ぐらいMMAレスリングを教わったんですよ。内容も『流石!!』という感じでしたね」

――GSPですか! その時の写真は持っていませんか。

「いや、それが……タイに着いてからスマホが水没してしまったんですよ(苦笑)」

――えぇっ!?

「でもスマホが使えなくなったことで、逆に開き直って練習に集中することができました。あとバンタオにはムハマド・モカエフも来ていて。バンタオに着いた日にコンビニへ行ったら、モカエフが歩いとってビックリしました。

タイでは学ぶことが多かったし、以前とは全然違う自分になっていると思います。今は打撃だけが注目されていると思うけど、レスリングもグラップリングも自信はあるので、全局面で圧倒したいです」

――対戦する糸川義人選手については、どのような印象を持っていますか。

「柔道出身やけど柔道を使わずに殴り合う、喧嘩が好きそうな選手ですよね。僕も喧嘩が好きな選手はメチャクチャ好きやし、そういう選手を殴り倒すほうが燃えます」

――次の試合もKO勝ちを期待されるかと思います。

「自分もKOする自信があります。国内の試合で勝たれへんかったらUFCには行けないし、国内でKO勝ちできていないとUFCに行っても勝てないと思うんです」

――目標はUFCですか。

「はい。一番はUFCに行きたいです。次の試合でKO勝ちして、その次はトップランカーに勝ったあと、年内にはベルトを獲りたいです。パンクラスのベルトを巻いてから、来年のRoad to UFCに出たいですね」

■視聴方法
5月18日(日)午後14時~
U-NEXT、PANCRASE YouTubeチャンネル メンバーシップ

■Pancrase Blood7 対戦カード
<フライ級/5分3R>
秋葉太樹(日本)
谷村泰嘉(日本)

<フェザー級/5分3R>
糸川義人(日本)
敢流(日本)

<フライ級/5分3R>
岸田宙大(日本)
織部修也(日本)

<フェザー級/5分3R>ラウンド
岩本達彦(日本)
上田智大(日本)

<フライ級ネオブラッドT二回戦/5分3R>
天坂匡孝(日本)
谷村泰和(日本)

<バンタム級/5分3R>
千種純平(日本)
宮城成歩滝(日本)

<バンタム級/5分3R>
増田怜央(日本)
松元奏太(日本)

<フライ級/5分3ラウンド>
松原聖也(日本)
降旗健太郎(日本)

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【Gladiator031】今井健斗とフライ級挑戦決定戦、久保健太がリリースでは異例といえる長文で想いを伝える

【写真】勝っても負けても、無傷で終わることはない久保健太、42歳(C)MMAPLANET

9日(金)、Gladiatorが6月8日(日)に大阪府豊中市176BOXで開催するGLADIATOR031でフライ級挑戦者決定戦今井健斗✕久保健太、バンタム級でルキヤ✕宮川日向が組まれることを発表している。
Text by Manabu Takashima

まず、ここで注目したいのはリリースに寄せられているコメントだ。

久保健太
「前大会に続き、オファーを頂き有り難うございます。この歳にしてはなかなかのペースで試合に出場させて頂いてますが、今ではGLADIATORを盛り上げて支える一人の選手としても糧になれているのかなと光栄に思います。前に自身でGLADIATORの顔の一人と言っていたのですが、そこから糧に変わりレベルアップしたのかなと。ここまできたら、自分の実力を最大限に試合で発揮し、今のこの年齢だからこそ最後までやり切りたい気持ちでいます。

ついにこんな日が本当に来てしまったのかと。次戦の対戦相手は今井健斗選手。知って分かっている人もいると思いますが、僕からしたら今井選手と呼ぶよりも、格闘技における関係ではもう、今井君なんですよね。それくらい格闘技の日々の練習で毎週当たり前のようにお互い切磋琢磨し練習している仲間なんです。それ以上に、今井君は僕が所属するGSB多治見ジムの代表である梶田先生にパーソナルを受けていたり、時にはAsura gymで一緒に練習したり、Asura gymの弟子達は今井君が所属するマーシャルアーツクラブ中津川ジムに出稽古で毎週のようにお世話になっていたり、僕も大変お世話になっいます。

今はそれらの関係性、環境がストップしている程に今回のこの試合の影響はとても大きいです。お互い知り尽くしている実力はもちろんのこと、深いこんな関係性であっても試合することに注目して頂けたらなと思います。

今井君とはこれまでに何度もGLADIATOR大会の前日計量時には一緒に合流し、一緒に食事リカバリーをしては試合当日も一緒に会場に向かいお互い励まし合ってきた仲間です。そんな内情と言うか事情と引き換えにまた、今回の王座挑戦者決定戦も相応なるチャンスであると思っています。

それくらいに僕も今井君も、このGLADIATORに懸けて来た思いや実績からのこのチャンスはお互いに譲れないものです。僕の中ではもう一つ勝利を挙げればもしかしたら今井君と闘う時が来るのではという気持ちはどこかにはありましたので、もしかしたらフライ級のトップ選手の怪我や選手の組み合わせ等で流れが変わってきたのかも知れません。又、僕と今井君のここ直近の戦績や実力から早くもこの王者挑戦者決定戦が決まったのだと思っています。

今回のオファーを頂きこのカードが決定したからには、これらの事情においてでも試合を受けて戦うことがGLADIATORに対しても自分自身に対しても思いと覚悟あるトップ戦線での定めだとそう受け止めています。勝利を掴み取るのはもちろんのこと、今大会この試合で格闘技において自身が関わる全てを良くしてみせます」


プレスリリースで紹介されるコメントとしては異例の長さで、今井戦に向けての心情が綴られている。久保自身は主催者に「長すぎるので、カットしてください」と話していたという。

今大会の3日後に43歳を迎える久保は2023年12月にチェ・ドンフンに敗れるも翌年3月にはGladiatorフライ級王座決定トーナメントに出場。ここでは初戦でオトゴンバートル・ホルドバートルのギロチンにタップアウト負け。さらに昨年10月にはBreakthrough Combat旗揚げ戦でチェ・ジュンゴンに下り、世界を目指すアジアの新鋭に3連敗を喫していた。

にも拘わらず久保は2カ月強の試合間隔で、グラジに戻り井口翔太との打撃戦を制すると、4月にはパク・チャンビンを相手に悲願の国際戦初勝利を手にしている。毎回、ハード過ぎる試合内容でこれだけの試合数をこなしてきた。

刻一刻とキャリアの終幕は迫っている。それ故にグラジのタイトルに対する想いは深く、練習仲間との対戦を深く受け止めている。タイトルはともかく、今井との試合に対しては若い対戦相手よりも、期するモノは多いようだ。

タイトル奪取失敗から2カ月後に、今井もまた再起戦で勝利している

対して今井もリリースに「4大会連続のオファーありがとうございます。

対戦相手の久保健太選手は毎週のように一緒に練習をする仲間です。タイトルマッチ以外では戦いたくない相手でしたが、次期挑戦者決定戦ということでオファーを受けました。お互いに評価の上がる試合をした上で、僕が最高の結果を出してタイトルマッチに進みます。タイトルまであと2つ、より一層気を引き締めて練習に励みますので、応援よろしくお願いします」と久保戦への複雑な心境と、覚悟のほどをコメントとして寄せている。

今井としては1月に完敗を喫したオトゴンバートルへの挑戦権が掛かった試合であり、この試合に勝つことは当然として、オトコンバートル越えを果たすための強化を図ることも不可欠だ。

両者のターゲット=フライ級チャンピオンはRoad to UFC出場は戦績が1戦足りず、出場を逃した。伝わってくるところによるとオトゴンバートルの下には、シャンダスMMAのチームメイトであるエンフオギル・バートフーが活躍するONEからオファーがあった模様だ。草原のMMAの未来が、ルートが明確でないUFCでなくONE行きを決断する可能性もあって然り。

一方、対戦カードは発表されていないが、シャンダスMMAを率いるトンガーことジャダンバ・ナラントンガラグが運営委員に名を連ねるMGL-1FCが、6月14日(土・現地時間)にMGL-1FC22の開催を発表している。

Gladiatorの常連として八角形のケージを席巻してきたモンゴル勢の来日が、次回大会にはない。これは同大会の6日後に実施されるMGL-1FCへオトゴンバートルを始め、シンバートル・バットエルデネらトンガーの教え子が揃って出場する可能性の高さを示しているだろう。

オトコンバートルからすれば、久保と今井の想いに関係なく一度は倒した相手が戦う王座決定戦は、高見の見物──ばかりか、その視野にすら入っていないかも入れない。だからこそ、久保と今井の両者はオトゴンバートルに一矢報いることができる可能性を示す、そんな挑戦者決定戦にする必要がある。

また前回大会で16歳ながらメインを戦ったルキヤが、神田T800周一に敗れて2カ月でケージに戻ってくる。対戦相手も同じ日に判定負けを喫している宮川日向だ。神田戦では戦前以上の大健闘で、将来への期待が高まったルキヤ。宮川も再起戦で、超新星を当てられたことで絶対的に、意地を見せたいはず。その意地が、ルキヤを苦しめることになるのか。今後は一足飛びはなく、プロテクトでもない。その未来を切り開くにはグラジのマッチメイクのセンスが問われることになる。

なおルキヤ、宮川のコメントは以下の通りだ。

ルキヤ
「前回大会メインで負けてしまいましたが、再度チャンスをいただきありがとうございます。相手選手はストライカーですが、打撃で上回りたいです。今大会は、前回の反省も踏まえて赤尾セイジ先生にお願いして組技も強化しております。全局面、俺に期待してください!」

宮川日向
「今回久しぶりにストライカーと戦える事になって、やっと思う存分打撃ができると思うので、殴り合いできるのを楽しみにしておきます。試合会場を最高に盛り上げることを約束します」

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ACA CORO DEEP DREAM MMA o RIZIN RIZIN男祭り Road to UFC SASUKE UFC その他 アレクサンダー・ソルダトキン ソルト パンクラス ビクター・コレスニック マゲラム・ガサンザデ ヴガール・ケラモフ 万智 中原由貴 中島太一 修斗 堀江圭功 安藤達也 山本空良 岸本篤史 後藤丈治 新居すぐる 木村柊也 西川大和 遠藤来生 飯田健夫 高木凌 鹿志村仁之介

【RIZIN】6.14 札幌大会 SASUKE初参戦!コレスニックと対戦!

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RIZIN男祭りが終わったばかりですが、今月末には初の韓国大会。さらに6月14日には真駒内セキスイハイムアイスアリーナでRIZIN LANDMARK 11 in SAPPOROが開催されます。既にヴガール・ケラモフ×木村柊也、堀江圭功×西川大和の2試合が発表されていますが、今回新たな対戦カードが追加発表されました。


【RIZIN WORLD GP 2025 ヘビー級(120.0kg)トーナメント1回戦】
アレクサンダー・ソルダトキン(ドイツ、ロシア/SPITFIREGYM in Berlin)
プリンス・アウンナラー(フランス/Free Fight Academy)

【RIZINフェザー級(66.0kg)】
ビクター・コレスニック(ロシア/Tiger Muay Thai/Kuznya)
SASUKE(MASTER JAPAN TOKYO)

【RIZINバンタム級(61.0kg)】
マゲラム・ガサンザデ(アゼルバイジャン/Team Alpha Male)
安藤達也(フリー)

【RIZINバンタム級(61.0kg)】
中島太一(ロータス世田谷)
CORO(JAPAN TOP TEAM)

【RIZINバンタム級(61.0kg)】
後藤丈治(TRIBE TOKYO MMA)
鹿志村仁之介(BatlleBox)

【RIZINストロー級(52.50kg)】
ソルト(マルスジム)
万智(67ジム)

【出場予定選手】
山本空良(パワーオブドリームジム)
新居すぐる(HI ROLLERS ENTERTAINMENT)
遠藤来生(Power of Dream Sapporo)ほか


注目は修斗世界フェザー級チャンピオンSASUKEの参戦でしょう。修斗では無双状態。立っても寝ても試合を終わらせる事が出来るフィニッシャー。飯田健夫をバックエルボーでKOしたシーンは戦慄でした。ROAD TO UFCでは2年連続で敗退しましたが、修斗の外に出た時にどこまでやれるのか非常に興味深い。

でも、その対戦相手がコレスニックというのは何とも難敵。RIZINでは岸本篤史、高木凌、中原由貴に3連勝中。目立ってはいませんが、群雄割拠フェザー級戦線では間違いなく上位にランクしています。あの高木を打撃で圧倒したコレスニックを相手にSASUKEはスタンドの打撃で行くのか、寝技に持ち込むのか。緊張感が漂います。

その他にも表舞台に上がってきた安藤達也、パンクラス、DEEPで結果を残してきた後藤丈治×鹿志村仁之介など、過去から現在まで日本のMMAを下支えしてきた選手に光が当たるのは何とも感慨深い。RIZINで結果を残してさらにステップアップ出来るか。6月のRIZINも楽しみです。
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【TORAO35】野尻定由と対戦。デビュー以来5戦全KO勝ちの宮口龍鳳「殴られたらスイッチが入る」

【写真】少し武人の香りも漂う宮口(C)SHOJIRO KAMEIKE

11日(水)、福岡市中央区のアクロス福岡イベントホールで開催されるプロ修斗公式戦「TORAO35」で、宮口龍鳳が野尻定由と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

宮口はプロデビュー以来、5戦全KO勝ち。しかもここ3戦は全て1Rで相手を仕留めている。修斗で2024年度バンタム級新人王を獲得し、続いて環太平洋同級3位の野尻と対戦することとなった。空手ベースの打撃を武器に、快進撃を続ける宮口。試合で見せる豪快なKOからは想像もできない、まだ地元・佐賀のイントネーションが残る朴訥とした喋り――そこには、強さを追求し続ける九州男児の姿があった。


――2023年5月のプロデビュー以来、5戦全KO勝ちで新人王も獲得。その自分に対する期待は感じますか。

「えー、まぁ……期待というか、次の試合もKOするというのは頭にありますね。今までずっとKO勝ちできているので、自分の中でも倒せるという自信はあります。ただ、狙いすぎずに戦いたいです」

――格闘技のベースは空手ということですが、どの流派で空手を学んでいたのでしょうか。

「自分は佐賀県唐津市の出身で、地元でフルコン空手をやっていました。両派というか、金山流カラテという町道場に、小学2年生の時から7年間ぐらい通っていましたね」

――空手を始めたキッカケを教えてください。

「親が格闘技好きで、その影響です。僕もテレビで視ていて、子供の頃はK-1ヘビー級が好きでした。ジェロム・レバンナ、レイ・セフォー、レミー・ボンヤスキーとか。空手を始めてから、親も冗談で『将来はK-1ファイターになれよ』とか言っていて(笑)。

親は最初、柔道と空手どちらを習わせるか迷っていたらしいんですよ。当時は地方でMMAはもちろん、レスリングを始める環境もなかったですし。周りに空手道場がたくさんあったので、空手を始めることになりました。」

――空手以外のスポーツ経験はないのでしょうか。

「野球とサッカーもやっていました。野球が小4から小6、サッカーは中学生の時です。親も『勉強はせずにスポーツを頑張れ』というタイプで」

――将来はプロ野球選手かJリーガー、あるいはK-1ファイターになれば将来は安泰だということで。

「アハハハ、そんな感じです。中学を卒業する前には、ほんの数カ月だけブラジリアン柔術も習っていました。地元の唐津市に――イワモト柔術アカデミーというんですけど、一つだけ柔術の道場があって。そのあとはウェイトにハマッていました。中学を卒業したあと就職して、仕事して遊んでウェイトやって……という感じでしたね」

――ウェイトトレーニングにハマりながら、格闘技は続けなかったのですか。

「その頃もまだ地元にキックやMMAのジムがなくて。友達と一緒に遊び感覚でミット打ちをやったりとか、その程度でした。でも『やっぱり格闘技をやりたい』と思って、大阪に出てきたんです。大阪に出て来たのは23歳の時で、新しくMMAを始めるには結構遅いですよね」

――う~ん、幼少期にレスリングを始めている選手と比べれば……ではありますが。ただ、中学卒業後から23歳までは地元でくすぶっていたのでしょうか。

「地元で格闘技をやる環境もなく、くすぶっていました。空手時代って先生が怖くて、毎日泣きながら道場に行っていたんですよ。でも、ふとした時に当時のことを思い出して、『あの頃の頑張りが勿体ないなぁ』とか感じて――そこで『もう1回、格闘技をやってみよう』と決めました」

――その間にMMAに挑戦するチャンスはなかったのですね。

「一度、地下格闘技に出ようかとも思ったんです。当時は福岡で地下格闘技の大会が多くて。一度試合も決まったけど流れてしまい、そこから地下格闘技の大会もどんどん少なくなっていって」

――MMAをやる場所として、東京ではなく大阪を選んだ理由は?

「……東京は何だか、人間が冷たい感じがして」

――アハハハ!

「当時は、ですよ(苦笑)。何も知らなかったから、本当にそういうイメージだけで。やっぱり九州からは東京より大阪のほうが近いし、もともと大阪に行きたくて」

――子供の頃から空手、野球、サッカーとやっていて、それだけウェイトを続けていたわけですよね。大阪に出て来た時に周りと比べて、すでに体は出来ていたでしょう。

「はい。MMAをやったことがないのに、体幹が出来ていたから最初はやれたんですよ。プロの方からも『体が強い』と言ってもらえていました」

――大阪にあるMMAジムの中から、コブラ会を選んだポイントは何だったのですか。

「コブラ会はグラップリングが強いというイメージを持っていました。自分は空手もやっていたので、立ち技はある程度できるという自信があったんです。23歳はMMAを始める年齢としては遅いから、今までやったことがない寝技を鍛えて強くなりたいと思いました。あとコブラ会は夜に、アマチュアもプロ選手と一緒に練習できるんですよ。自分は時間もないので、最初からプロに揉んでもらいたいって考えました」

――フルコンタクト空手とMMAでは、当然のことながら距離感も何もかも違う。そこに慣れてきたのは、いつ頃なのでしょうか。

「いや、いまだに慣れているんですかね、という感じです(苦笑)。」

――そこがポイントだと思います。宮口選手は前回の新人王決勝を除けば、プロデビュー以降も不安定さは見える。しかし最後に相手を倒している要因は何なのか……。

「自分はスロースターターなんですよ。ちょっと危ない場面――殴られたらスイッチが入るみたいで(苦笑)。メッチャ緊張するタイプで、最初は堅くて雑になってしまっていました」

――何となく理解できます。新人王を獲るまでの宮口選手はグラップリングを避けるというよりも、「逃げる」という表現が適していたように思います。もちろん「逃げる」=サバイブですし、MMAでは必要なことです。ただ、そこからが強い。

「コブラ会に入った頃、最初はずっと『足を使え』と言われていて。だけどフルコンでは足を使って回ることがなくて、言われていることの意味が分からなかったです。でも最近になって、ようやく距離感というものが分かってきた気がします。

自分はストライカーなので、組みには付き合わない。コブラ会ではあれだけグラップリングが強い人たちを相手に、そう意識して練習しています」

――なるほど。次はランカーであり、やはり組みが強い野尻選手と対戦します。

「そうですね。5分3Rフルで戦えるスタミナがある選手、という印象です。僕もしっかり戦い抜きます」

――これまで3R目を経験していないことは不安ではないですか。

「練習ではずっと5分3Rを意識してやっています。もちろん試合と練習は違うし、試合で経験していないので少し不安はありますけど、自信もあります。新人王を獲って、次はランカーで。ここからどんどん上に行きたいですね」

――まず目指すのは修斗のベルトでしょうか。

「修斗に出ているからには、そうですね。それで来年にはRoad to UFCに出たいです。MMAをやるかぎり、ゴールはUFCだと思ので。自分もメジャーリーガーになりたいですね」

■視聴方法(予定)
5月11日(日)
午後14時45分~ ツイキャスPPV

■TORAO35 対戦カード

<バンタム級/5分3R>
野瀬翔平(日本)
加藤ケンジ(日本)

<バンタム級/5分3R>
野尻定由(日本)
宮口龍鳳(日本)

<ライト級/5分2R>
結城大樹(日本)
安海 健人(日本)

<フェザー級/5分2R>
磯城嶋一真(日本)
久保村ヨシTERU(日本)

<バンタム級/5分2R>
松岡琉之介(日本)
アサシン秋雄(日本)

<ストロー級/5分2R>
黒瀬恭平(日本)
大城正也(日本)

<フライ級/5分2R>
平賢二郎(日本)
古賀優平(日本)

<フェザー級/5分2R>
本松要(日本)
諸石一砂(日本)

<フライ級/5分2R>
高宮諒(日本)
小生隆弘(日本)

<バンタム級/5分2R>
山口カケル(日本)
河野慶樹(日本)

<ライト級/5分2R>
はやぶさ(日本)
大地(日本)

<ウェルター級/5分2R>
グラップラー脇(日本)
平尾大和(日本)

<2025年度ストロー級新人王決定T1回戦/5分2R>
緑真作(日本)
佐野光輝(日本)

<2025年度バンタム級新人王決定T1回戦/5分2R>
有松朋晃(日本)
井上滉人(日本)

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45 Bloom FC01 Bloom FC04 MMA MMAPLANET o RIZIN Road to UFC UFC YouTube ソドノムドルジ・プレブドルジ ブログ 柿原RR昇汰

【Bloom FC04】モンゴルのソドノムドルジを迎え撃つ柿原RR昇汰「陸上自衛隊で日本拳法&レンジャー教育」

【写真】2023年7月のBloom FC01で勝利した時の柿原。フェザー級でこの体格は大きな武器だ(C)MMAPLANET

26日(土)福岡県の福岡市立南体育館で開催されるBloom FC04にて、柿原RR昇汰がモンゴルのソドノムドルジ・プレブドルジと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

フェザー級で180センチというフレームから繰り出される左ジャブ、そしてケージに押し込まれながら切り返して仕留めるフィニッシュ力。そんな武器を持つ柿原が所属するレンジャーズジムのお膝元で開催されるBloom FCのメインに立つ。

プロデビューから4連勝を飾りながら今年2月、パンクラスでトミー矢野に敗れて2カ月後の復帰戦となる柿原と対戦するのは、モンゴルのソドノムドルジだ。ソドノムドルジは昨年7月に松嶋こよみにTKO負けを喫しているが、その左右フックが幾度となく松嶋の顔面を捉えていた。柿原にとってチャレンジの一戦となる試合に向け、柿原にこれまでのキャリアとソドノムドルジ戦について訊いた。


――MMAPLANETでは初インタビューとなります。本題の前に、リングネームに付いている「RR」には、どのような意味があるのでしょうか。

「RRは2つのレンジャー(Ranger)ですね。もともと自分は自衛隊にいて、その時にレンジャー訓練を受けていました。それが一つめのレンジャーで、もう一つは今所属しているMMAレンジャーズジムのレンジャーなんです」

――柿原選手のベースは日本拳法だと聞きしましたが、それは自衛隊の中で行われている日本拳法なのですね。

「はい、陸上自衛隊の中の日本拳法です」

――自衛隊の徒手格闘を経験しているファイターが増えています。

「えっ、そうなのですか。徒手格闘は素手×素手ではなく、素手×ナイフ、素手×銃といった格闘術で。日本拳法については『拳法訓練隊』というものがあり、部活のような感じで練習していました」

――日本拳法は陸自の中で必須項目ではないのですね。

「徒手格闘は必須で、拳法自体は選ばれた人しか入れないです。自分がいた頃は、拳法訓練隊に入るためには、体力テストみたいな感じの素養試験がありました。レンジャー教育に入るのも同じですね。そのテストに受かったら、レンジャー教育に参加することができて」

――なるほど。なぜ陸自で日本拳法を始めようと思ったのでしょうか。

「自衛隊内では日本拳法ともう一つ、銃剣道という競技があります。自分はどちらの素養もあるという話になっていたらしくて、最初は銃剣道のほうに引っ張られそうだったんですよ。でも自分としては、人間と素手でド突き合いをしたほうが面白いんじゃないかと思って日本拳法を選びました」

――自衛隊には何年いて、どれくらいの期間、日本拳法をやっていたのですか。

「自衛隊には4年いて、入って2年目ぐらいから日本拳法を始めました。たぶん2年ぐらいはやっていたと思いますけど、途中でレンジャー教育とかで抜けたりしていたので、実質的にやっていたのは1年ぐらいだと思います」

――そのあと自衛隊を離れてMMAへ?

「同期が自衛隊を辞めてからMMAをやっていて、自分が辞めるタイミングで『格闘技をやりたい』と連絡したんです。そこで紹介してもらったのがMMAレンジャーズジムでした。自衛隊を辞めた後は1年弱ぐらい格闘技をしていない期間もありました。でも『強くなりたい』という気持ちが大きくなって――」

――自衛隊でレンジャー教育を経験し、しかも体格が良いと……。

「リーチも結構ありますし。自分で言うのも何ですけど(笑)」

――アハハハ、その通りです。一般クラスでは他の会員さんと動きも違ったのではないですか。

「まずパワーが違いました。だから他の会員さんとの練習でも、何でもパワーで返しちゃったりしていて、最初の頃はテクニックが身につかなかったです。ジムに入って8カ月ぐらい経って、初めて試合に出たんですよ。そのあたりから技術的なことを考え始めました」

――陸自時代の日本拳法は、その時点でMMAにどれぐらい役立っていましたか。

「半分ぐらいは影響していると思います。やっぱり距離感、打撃は拳法チックなところがあると思います。そこにプラス、自分でもジャブの打ち方を研究してきました」

――さらにBloomではこれまで、ケージ際での返し技でフィニッシュしています。

Bloom FC01では盛坪チャッピー大樹にケージへ押し込まれるとキムラで切り返してトップを奪取。そのまま垂直ヒジをボディに落とすなどエグイ攻撃を見せた。続くBloom Fcでもドライブしてきた荒井銀二をニンジャチョークで仕留めている(C)MMAPLANET

「ああいうカウンターの技は得意ですね。まずは打撃で勝負したいけど――実は打撃の作戦を組んでいて、あまり組む予定じゃなかったんですよ(笑)。柔術の練習を始めたのは、昨年ROMANに出た頃からです。ゼロからの挑戦というか、新しいことをやってみようと思って」

――続くパンクラスのトミー矢野戦では初黒星を喫しました。

「トミー選手が強かったです。パンクラスでネオブラを取って、地方でも強い選手がいるぞというところを見せたかったんですけど、それができなくて悔しい結果になりました」

――トミー戦から2カ月で、復帰戦がモンゴル人選手との国際戦というのも、なかなかキツい道程ではあると思います。

「今後は海外選手と対戦することも増えるでしょうし、強い選手と試合するのが一番強くなるための近道だと思っています。今回は自分からハントさんに『5分3Rでやりたいです』と伝えたんですよ。そうしたら『海外選手でも良いか?』と聞かれて――もともと自分も強い選手とやりたかったですし、『大丈夫です』と答えました」

――レンジャーズジムのお膝元である福岡での試合は、気持ちも変わりますか。

「いや、そこまで意識は変わらないかもしれないですね」

――はい。自分で聞いておいて何ですが、あくまで目の前の敵に勝つ、相手を仕留めることに集中するタイプなのだろうと思います。

「アハハハ、そうですね。地元といえば僕は佐賀県出身で、RIZIN佐賀大会が開催された佐賀アリーナがある場所は、完全に地元なんです。佐賀アリーナの近くに出身の小学校も中学校もあります。高校時代に走ったり筋トレしていたのも、佐賀アリーナの近くでした(笑)。まだプロデビューしたばかりでしたけど、あの時は地元で試合をしたかったです」

――いずれまた地元で大会が開催されれば出たいですか。MMAを戦ううえで目標は?

「最終的には、世界最強になることですね。それまでに、まずは国内のベルトを獲ってから海外に挑みたいですね。先日Road to UFCのメンバーが発表されましたけど、いずれ自分も挑戦したいと思っています」

――なるほど。では次の試合で対戦するソドノムドルジの印象を教えてください。

「左右のフックを振り回す。何よりフィジカルが強い印象はありますね。松嶋選手も何発か食らっていたと思います」

――対して柿原選手が上回っているのは、どんな部分ですか。

「一番はスピードですね。スピードとリーチは絶対に自分のほうが上だと思います。次の試合もフィニッシュできるイメージは、バッチリできています。必ずフィニッシュして盛り上げますので、注目していてください!」

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45 AB Black Combat Brave CF DEEP Eterna GFC MMA MMAPLANET o ONE Progress RIZIN Road to UFC UFC YouTube イン・シュアイ イ・チャンホ エフェヴィガ雄志 キム・サンウク クイラン・サルキルド シン・カイ・シャン ジャック・ベッカー チュウ・カンチエ ドン・マーファン ナムスライ・バットバヤル パク・オジン パク・チャンス ピーター・ダナソー フン・シャオカン ボクシング ユン・チャンミン ヴァン・イ・ギエム 中村京一郎 井村塁 伊藤空也 吉田開威 山内渉 松田亜莉紗 神谷大智 長谷川賢 青井人 高橋遼伍

【Road to UFC S04】1回戦のカード決定。青井人✕チャンミン。山内はモンゴル。エフェが豪州と

【写真】いうとだ、高橋遼伍戦を機にさらに強くなった者対決(C)RIZIN

22日(火・現地時間)にUFCより5月22日(木・同)&23日(金・同)に中国は上海のUFC PI上海で開催されるRoad to UFCシーズン04の初戦の対戦カードが発表されている。
Text by Manabu Takashima

日本からフライ級=山内渉、吉田開威。バンタム級=伊藤空也、井村塁。フェザー級=青井人、中村京一郎。ライト級=エフェヴィガ雄志、神谷大智がトーナメント戦に出場する今年のRoad to UFCで、それぞれの相手が以下のように決まった。

山内✕ナムスライ・バットバヤル(モンゴル)
吉田✕イン・シュアイ(中国)
伊藤✕シン・カイ・シャン(シンガポール)
井村✕ヴァン・イ・ギエム(ベトナム)
中村✕パク・オジン(韓国)
青井✕ユン・チャンミン(韓国)
エフェ✕ドン・マーファン(豪州)
神谷✕キム・サンウク(韓国)


(C)ETERNAL MMA

過去のRTUでは日本のライバルは中国、韓国の二カ国だったが、今年から豪州&ニュージーランドに門戸が開放され、エフェがEternal MMAでキャリアを積むドン・マーファンと戦うことに。

マーファンは戦績6勝2敗で、そのエターナルでフェザー級王座決定戦に出場も、現UFCファイターのクイラン・サルキルドに敗北している。

またトーナメントに1枠を獲得したモンゴル勢=ナムスライ・バットバヤルとのマッチアップとなるのが、山内だ。ナムスライ・バットバヤルは現UFCファイターのニャムジャルガル・ドゥメンデムベレルとMGL-1FCフライ級王座決定戦を戦い、初回は優勢だったが逆転負けを喫したことがる。

モンゴル・ボクシング界の名匠ガンバートル・シャグダルの指導を受け、打撃と組みのバランスが取れたファイターだ。現地で彼を視察したProgress実行委員の長谷川賢は、ニャムに続きナムスライの招聘も頭にあったが、米国に移りUFCを目指すということで日本に呼ぶことを諦めた過去もある。

さらに伊藤はシンガポールのカイ・シャン、井村はベトナムのヴァン・イ・ギエムと、この両者も昨年までの三強対決とはならなかった。

(C)Zuffa/UFC

とはいえシン・カイ・シャンはRoad to UFCワンマッチでこそピーター・ダナソーを相手に跳びヒザでKO負けを喫しているが、BRAVE CF韓国大会で現UFCバンタム級のイ・チャンホにキャリア唯一の黒星をつけている。

一方、ヴァン・イ・ギエムは戦績5勝1敗でベトナムのローカル大会Lion Championshipでは一階級上のフェザー級王者ということだが、一切実力は未知数だ。

この他の4選手は、中国および韓国人ファイターとの顔合わせとなった。吉田と戦う中国のイン・シュアイは、昨年のRoad to UFCでは一回戦負けも、中国版UFCことJCKフライ級トーナメントで優勝している。そのイン・シュアイ、出場アナウンスとともにSNSで吉田を挑発したが、UFCから注意が入ったのか、すぐに削除されていた。

中村、青井のフェザー級勢、そしてライト級の神谷の相手は「ジャンケンでも日本には負けらない」韓国勢との対戦だ。

中村の対戦相手パク・オジンは9勝1敗1分で23歳という新鋭で、去年の9月にはBlack Combatで大ベテランのナム・ウィチョルにKO勝ちしているものの──既に43歳の大ベテランで、韓国では相手に恵まれているという見方がある。それでも長いリーチを生かした、テイクダウン&バック奪取という必殺コースを持っており、喧嘩ファイトも辞さないパク・オジンは決して侮れない相手といえよう。

1回戦のハイライトは、DEEPフェザー級チャンピオン青井✕ユン・チャンミンといっても過言でないかもしれない。格闘技代理戦争で優勝し、ONEと契約。決して上位進出とまではいかなかったものの7勝2敗という結果を残した。昨年末に母国で初めてユニファイド階級で戦いDouble GFC二階級制覇のパク・チャンスと分けている。

神谷は一昨年のRod to UFC準決勝進出&ベスト4のキム・サンウクとのマッチアップとなった。マニア的にはEternalで流れたマーファン、あるいはジャック・ベッカー戦も見てみたかったが、この両者は揃って別山に。それであれば、見たくはないがエフェ✕神谷のファイナルを期待したいところだ。

ちなみにトーナメント枠が明らかとなり、日本人対決は決勝戦まではことも分かった。さらに昨年の女子ストロー級T出場が噂されていた松田亜莉紗が、フン・シャオカンとワンマッチでRoad to UFCデビューを飾ることもアナウンスされている。

またワンマッチではシーズン03フェザー級ファイナルの中国人対決=シェ・ビン✕チュウ・カンチエ戦がようやく実施される。昨年は決勝進出がゼロだったJ-MMA勢、如何に巻き返しを図るか。この国のMMAの真価が問われる。

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45 MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase353 RIZIN Road to UFC UFC YouTube キ・ウォンビン ライカ 久米鷹介 天弥 海外 雑賀ヤン坊達也

【Pancrase353】天弥を相手に、防衛戦。ライト級KOP雑賀ヤン坊達也「まぁ負けないですよ」

【写真】大きな舞台、再び海外へチャレンジするために力のある相手と戦う。この姿勢が特別になりつつある日本の格闘技界だ(C)TAKUMI NAKAMURA

27日(日)に東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPANCRASE 353で、ライト級KOPの雑賀ヤン坊達也が天弥を相手に防衛戦を行う。
Text by Takumi Nakamura

昨年9月のライト級KOP選手権試合では久米鷹介をKOして王座防衛に成功したヤン坊。Road to UFCでの敗戦からの再起戦=久米との防衛戦というタフなシチュエーションでの一戦だったが、この試合を乗り越えたことはヤン坊にとっても大きな成長につながった。

そして今大会では急成長を遂げている若手筆頭の天弥との防衛戦。久米戦とは異なるシビアな一戦となったが、こうした試合を勝ち続けることがチャンピオンとしての強さであり、新たなチャンスにつながっていくとヤン坊は語った。


久米はケージ際のコツコツもらっていたパンチが、実は効いていたと試合後に明かしていた

――昨年9月のライト級KOP選手権試合では久米鷹介選手から見事なKO勝利を収めました。
まずはあの試合から振り返っていただけますか。

「久米さんのフィジカルが半端なく強かったのと、それに対応できたというのがどちらもありますね。で、2Rのあの場面で倒せる打撃を出せたというのは、それまで辛い練習をやってきた成果が出たなと思いました」

――2R開始直後のフィニッシュでしたが、ああいった結末は想定していましたか。

「正直判定になると思っていました。自分としてはコツコツ打撃を当ててポイントをとって…という展開を想定していたんですけど、あのタイミングで左フックが当たりました」

――あの瞬間はここで試合を終わらせようと思って追撃したのですか。

「判定を想定しつつも、チャンスを待っていた感じなので、あの場面は『来た!』と思って、そこで一気に詰めた感じですね」

――まさに会心のKO勝利での王座防衛でしたが、ヤン坊選手としてはRoad to UFCでキ・ウォンビンにKO負けしてからの再起戦という試合でもありました。再起戦が王座防衛戦、しかも挑戦者が久米選手というのは、かなりタフなシチュエーションだったと思います。あの時はどんな心境で試合まで過ごしていたのですか。

「去年のRTUで結果を残すことができず、フィジカル面を見直さないといけないと思ったんです。それでトレーナーにも相談して、もう一度自分を作り直そうと思っていた時期に久米戦の話をもらって。正直なところ、RTUの負けから自分を作り変えているタイミングで、フィジカルモンスターみたいな久米選手と戦うことに迷いはありました。それで一日待ってくださいと返事をしたのですが、僕自身久米さんとやりたい気持ちもあったし、ここで断ったら男じゃないなと思って、やりますと応えましたね」

――逆に久米選手と戦うというスイッチを入れたからこそ、自分を成長させられることも出来ましたか。

「それはありますね。自分はスイッチを入れると、一気に集中できるタイプなので、そういうスイッチを入れることはすごく大事なことだと思っています。あのタイミングで久米選手に勝てたことは自信にもつながりました」

――今日間近でヤン坊選手を見て、かなり身体が大きくなっている印象があるのですが、実際に通常体重は増えていますか。

「今は80キロくらいなので、10キロほど減量しています。以前と比べると減量の幅は大きくなっているし、昔の試合を見ると俺ってガリガリだったんだなと思います(笑)。これ以上身体が大きくなって体重を落とすのが難しくなれば、もう一つ階級を上げることも視野に入れないといけないのかなとも思いますが、自分があと何年格闘技をできるか分からないですけど、今のところはまだ問題ないのでライト級でやっていこうと思います」

――そして今大会では天弥選手を挑戦者に迎えての防衛戦となります。天弥選手にはどんな印象を持っていますか。

「バリバリイケイケなストライカーで、そこに若さと勢いが入ってくる印象です。そこはちょっと怖いですが、まぁ負けないですよ」

――前回の久米戦とは異なるシチュエーションでシビアなマッチメイクが続きます。チャンピオンである以上、こういった試合を乗り越えなければいけないと思っていますか。

「チャンピオンって大変な立場ですよね(苦笑)。毎試合その時その時で一番強い選手が挑戦してくるので。でもそこで勝ち続けられるからこそチャンピオンなんだとも思います」

――言える範囲で構わないので、どういった部分を意識して試合を迎えようと思っていますか。

「一つ一つの反応や集中力を研ぎ澄ませて、僕の場合はスタミナもつける。相手は若いので、その部分で負けないようにしたいと思います。うちのジムにいる若い子を見ていても、ずっと動き続けている印象があるので、その動きについていかないといけない。今回はその部分も徹底的に仕上げていくところかなと思っています」

――今言葉に出た“集中力”は今回の試合で特に大事になってくる部分でしょうか。

「そうですね。どちらが先に自分の打撃を当てるか?という試合になると思っているので、あらゆる場面で気が抜けない感じですよね」

――ヤン坊選手もこれまでのキャリアのなかでKOするために必要な集中力に自信がついてきた部分はありますか。

「僕自身、当て勘に関しては人と違うものがあると思っているのですが、年齢とともに瞬発力は多少落ちてくると思うので、そこをどうカバーしていくか。それを今自分でも探している最中です」

――その一つがフィジカル的な向上にもつながってくるのでしょうか。

「フィジカルトレーニングは2年前から始めて、体の使い方も見てもらっているので、そこでどういう成果が出るのか楽しみです。自分でも体の変化は感じているので、今回の試合で(フィジカルの成果を)少しでも出せたらいいなと思います」

――今回の防衛戦を含めて、ここからどのようなキャリアを作っていきたいと思っていますか。

「この試合に勝って防衛することは絶対条件として、僕は年齢も年齢なので、目の前に来たチャンスを掴んで、自分が戦うステージを上げていきたいと思っています。もちろんその中に世界の舞台というのもありますし、日本でもまだRIZINでは一度も勝っていないので、そういう部分にもリベンジしたいと思っています。いずれにしても目の前に来たチャンスを掴まない限りは前に進めないので、一試合一試合を確実に勝ち続けていくつもりです」

――より良いチャンスを掴むためにも、ベルトを持ち続けることや勝ち続けることは重要になってきますね。

「ものすごく大事だと思います。そしてベルトを持っていたとしても、つまらない試合しかしないチャンピオンだったら、どこからも声がかからないと思うんです。だから自分は勝ち方にもこだわってバンバンKO勝ちして、見ている人たちに『ヤン坊、やべえな』とか『ヤン坊の打撃が日本一じゃない?』と思わせたい。自分をそこまで持っていきたいし、自分はそれが出来ると思っているので、試合でそれを証明していくつもりです」

■視聴方法(予定)
3月27日(日)
午後1時00分~U-NEXT

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【Pancrase353】ウルルと仕切り直しの防衛戦、透暉鷹「練習以外の時間をどう過ごすかが一番大事」

【写真】練習以外の過ごし方で、練習の質も上がる。試合2週間前の透暉鷹はリラックス&集中できていた(C)SHOJIRO KAMEIKE

27日(日)に東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPANCRASE 353で、バンタム級KOPの透暉鷹がカリベク・アルジクル・ウルルを相手に防衛戦を行う。
Text by Shojiro Kameike

両者は当初、昨年12月のニューピアホール大会で、ベルトを賭けて対戦する予定だった。しかし透暉鷹が右足首の靭帯損傷、ならびに骨にヒビが入っており全治1カ月と診断された。さらにウルルもレスリングの練習中に肩を痛めたことにより、タイトルマッチは延期されている。

昨年のRoad to UFCでは準決勝で敗れている透暉鷹。RTU再挑戦を目標に掲げていたが、その夢も叶わず。今年のRTU開催と出場メンバーを見て、彼は何を想うのか。その前に立ちはだかる強敵ウルルに対しては――4月12日、土曜日の朝に行われている寒天練に、透暉鷹を訪ねた。


――昨日は17時から東京でパンクラスの記者会見があり、当日に戻ってきたのですか。

「はい。東京ではどこにも寄らずに――出稽古とかは、試合前に怪我すると怖いので」

――今日の寒天練も出稽古ではないのでしょうか。

「ココは出稽古先という感じではないですね。出稽古って何カ月に一度行く場所、という感じじゃないですか。寒天練は普段から練習している場所で、いつも練習しているメンバーがいる。だから出稽古先ではないと思っています」

――これは寒天練の参加メンバーに聞いていることなのですが、もし一緒に練習している選手との対戦が決まったら、透暉鷹選手はどうしますか。パンクラスのバンタム級でいえば山口怜臣選手など、仲間でも勝ち上がってきてば対戦する可能性も出て来ます。

「あぁ、それは『当たらないでほしいな』と思っているだけですよ(笑)。当たったらその時に考えるし、今それを考える必要ないかなって思います」

――なるほど。まずは前回の試合が流れた経緯からお聞きしたいと思います。透暉鷹選手の負傷が発覚したのは、いつ頃のことだったのですか。

「試合の1週間前ぐらいです。練習していた時、テイクダウンの攻防で踏ん張ったら嫌な音が聞こえて、『やっちゃったかな……』と感じました。ただ、その日は痛みが凄かったけど、翌日には『試合したい。ケージの中に入りたい』という気持ちでいっぱいになっていて。だけど病院で診察してもらったら、『靭帯を損傷している』と。まぁ、かなり腫れていましたしね(苦笑)。パンクラスさんに相談したら『万全の状態で試合をしてほしいから延期で』と言ってくれました」

――対して、ウルルの負傷はいつ聞いたのでしょうか。

「僕が聞いているのは――パンクラスさんが僕の負傷をウルル側に伝える前に、相手からも負傷の連絡が来たそうです。『そんなこともあるのか』って驚きましたね。こういう言い方は変かもしれないけど、『僕の要因だけで試合がなくなるわけじゃない』というのは、気持ちとして救いでもありました。ウルルも海外から来ることを決めているのに、僕のせいで試合がなくなったら申し訳なくて」

――ただ、ウルル戦の延期はRTU出場という目標にも影響を及ぼしました。透暉鷹選手も年内に試合ができず、そのまま今年のRTU出場者が発表されています。

「うん、まぁ……『12月に試合をして勝っていたらRTUに出られたのかなぁ』とは考えますよ。でも別に『なるようになる』というか。もちろんUFCを目指していることは変わらないけど、最近は『別にそこまでUFCやRTUのことを考えなくてもいいかな』と思っています。一戦一戦やっていくために、日常的な部分からしっかりやっていくほうが重要で。先を見すぎても仕方ないですしね」

――ではウルル戦が延期になった時点で2025年については、どのように考えていましたか。まず初戦がウルルとの防衛戦になることは絶対として。

「もちろん怪我を治すこと。それと試合が流れて気持ちも落ちていたので、しっかりリセットすること。まず気持ちを切り替えるために、また1カ月ほど海外に行ってきました」

――今回はどこへ?

「またアリゾナのファイトレディです。もう恒例の出稽古先になりつつありますけど(笑)。1月末から1カ月ほど行ってきました」

――いや、負傷は……(笑)。

「まだ完全に治ってはいない状態で、テーピングして練習していました(苦笑)。といっても最初からスパーリングをバチバチやるというよりも、UFCに出ているようなメンバーと関わる時間が欲しかった、というところですね。気持ちをリセットするためにも。お医者さんからも『負傷から1カ月経ったら動かしても良い』と言われていて。それほど長引かず良くなってきていたし、練習の強度は徐々に上げていきました。

海外に行こうと思ったキッカケは、スポンサーさんだったんです。株式会社永賢組の永草社長という、デビューした頃から応援してくださっている方で。その方が『気持ちを切り替えるためにも行ったほうが良い。練習できなくても、リハビリも向こうでできると思うし』と言ってくれて」

――それは、ありがたいお話ですね。米国では徐々に練習の強度を上げていったということですが、どのような内容だったのでしょうか。

「ウルル対策というか、やっぱり日本人選手とは違う感覚を得ておきたいと思っていました。ヘンリー・セフードと組ませてもらったり、他の選手も――ベラトールやPFLに出ているような選手は、フェザー級でも体がヤバかったですね(苦笑)」

――一方、ウルルの状態について何か情報は入ってきていましたか。

「いえ、何も聞いていないです。試合ができるということは、向こうも万全の状態なんでしょうけど。この4カ月で、何かは変わってきているとは思います。年齢も若いし、成長してきてはいるんじゃないですかね」

――透暉鷹選手は前回のインタビュー時から4カ月が経ち、どのような変化がありましたか。

「いろいろ変わってきましたけど、前から言っていたとおり普段の生活から変えてきました。どんどん戦うための状況を整えてきて、良い影響が出ていると実感しています。やっぱり練習以外の時間をどう過ごすかが一番大事だと思っているので。

練習を頑張ったり、練習のことを考えたりするのは、もともと格闘技が好きだから楽しいんですよ。同時に、練習以外の時間もしっかり過ごすことができれば練習の質も高くなる。『動きが良くなっている。強くなっている』という実感も得て、楽しくなるから続けられるし、質も上がっていくんです。もちろん普段から食事制限をしたりとか、周りから見れば厳しい生活をしているかもしれないけど」

――試合2週間前で当然かもしれませんが、だいぶ身体もスッキリしているように感じられます。

「アハハハ、良かったです。今はバンタム級の体になってきて、すごく調子も良いです。試合がなくなった直後とか、怪我で練習できなかった時期は少しだけ体重も増えましたけど、練習を再開したらすぐ今の状態に戻ります。やっぱり試合と近い体重で練習しないと、試合の時にギャップがあったら難しいと思いますね」

――では仕切り直しの一戦に向けて、読者の方へメッセージをお願いします。

「ウルル選手は強敵なので。12月の試合が流れて4カ月ほど期間が空きました。その中でも自分も成長する部分がたくさんありました。楽しみにしてくれていた方には申し訳なかったですけど、その分今回、良い試合を見せたいです」

■Pancrase353視聴方法(予定)
午後13時00分~ U-NEXT

■Pancrase353対戦カード

<ウェルター級/5分3R>
内藤由良(日本)
ゴイチ・ヤマウチ(ブラジル)

<ライト級KOPC/5分5R>
[王者] 雑賀ヤン坊達也(日本)
[挑戦者] 天弥(日本)

<バンタム級KOPC/5分5R>
[王者] 透暉鷹(日本)
[挑戦者] カリベク・アルジクル ウルル(キルギス)

<ウェルター級KOP決定戦/5分5R>
押忍マン(日本)
佐藤生虎(日本)

<ライト級/5分3R>
松岡嵩志(日本)
オタベク・トキロフ(ウズベキスタン)

<ウェルター級/5分3R>
ガブリエル・レーベン(フランス)
武者孝大郎(日本)

<ストロー級/5分3R>
リトル(日本)
船田電池(日本)

<フライ級/5分3R>
大塚智貴(日本)
浜本キャット雄大(日本)

<フライ級/5分3R>
眞藤源太(日本)
ラファエル・リベイロ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
山口怜臣(日本)
平岡将英(日本)

<バンタム級/5分3R>
荒田大輝(日本)
ギレルメ・ナカガワ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
小原統哉(日本)
神部篤坊(日本)

<フライ級/5分3R>
赤﨑清志朗(日本)
中村大信(日本)

<フェザー級/5分3R>
松岡拓(日本)
関翔渚(日本)

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【Road to UFC 2025】プロ初黒星からの挑戦、吉田開威「フライ級では、僕は打撃でやりやすくなる」

【写真】持ち味である打撃を生かすために、改めて組み技にも取り組んだ結果、打撃の成長にも繋がっている(C)SHOJIRO KAMEIKE

5月22日(木)と23日(金・いずれも現地時間)の2日間にわたり、中国は上海のUFC PIでRoad to UFC 2025(Road to UFC第4シーズン)が開幕する。今年はフライ、バンタム、フェザーそしてライトの4階級でトーナメントが行われ、吉田開威がフライ級に出場することとなった。
Text by Shojiro Kameike

今年1月、吉田はGladiator暫定バンタム級王座決定戦でシンバートル・バットエルデネに敗れた。当初は南友之輔と対戦予定だったが、南の負傷欠場によりシンバートルと戦うことに。そのシンバートルが計量オーバーと様々な要素があったものの、黒星は黒星。その吉田のRTU出場は意外でもあった。何より、本人も驚いたという。

ただ、吉田にとっては以前より語っていた「フライ級でRoad to UFCを目指す」という目標を実現した形だ。しかもその目標は昨年からの話ではない。中学時代からプロを目指していた吉田が選んだ道、さらに敗戦を受けて取り組んでいる今の練習を追った。


――昨年10月、グラジで上田祐起戦直後のインタビューで、吉田選手は「Road to UFCを目指したい。海外で戦うならフライ級まで体重を落とせるかどうか」と語っていました。その発言を考えると、今回のRTUフライ級出場は想定の範囲内だったかと思います。

「はい、そうですね。プロ4戦目ぐらいからRTUとの交渉を始めて、その直後は中国での試合でした。そこでKO勝ちしたことはインパクトが大きかったのかな、とは思います。次の試合もKOで勝ちましたし。今RTUに出るためには、中国で試合をするのが近道なんですかね。中国でスタートするトーナメントだから……」

――今回の出場メンバーを見渡すと、中国だけでなく各国の出場団体にも、ある種の傾向は見られます。ただ今年の1月に、グラジでシンバートルに敗れた時点でRTU出場はあると考えていましたか。

「ない、と思いました。だからすぐ、フランスのAres FCとか海外の大会と話をし始めていて。そこに――まぁまぁ早くRTUの話が来たんですよ」

――まぁまぁ早く、というのは?

「試合が終わって2週間後ぐらいに。だから1月中ですよね」

――それは早いですね。しかも敗戦の2週間後に……。

「そうなんですよ。『今年のRTUはないなぁ……』と落ち込みながら練習していたら、2週間後に連絡が来ました」

――シンバートルに敗れたあとは、RTUを狙えるような海外の大会への出場を考えていたわけですね。フランスのAres FCについては、硬式空手の繋がりから現地のファイターやジムとの繋がりもあって。

「そこで思ったよりも早くRTU出場決定の話が来ましたね」

――シンバートル戦は、対戦相手の変更と、代役選手の計量オーバーがありました。その状況でモチベーションを保つことができましたか。

「う~ん、まぁ……納得いかないっちゃいかない部分はありましたよ。でも、その状況で試合を受けるしかない。受けないとRTUの話もなくなるというか、そこで勝てないとRTUもないと思っていました。あと、このタイミングで試合をしないと、また試合ができるタイミングもないですし。RTUを目指すなら受けざるを得ない、という状況でした。

シンバートル戦はシザースチョークで絞め落とされた。すでに敗戦の経験を生かし始めている(C)MMAPLANET

試合が終わったあとに他の人から『体重戻し制限の交渉をするべきだった』と言われて、僕も『あぁ、確かに』と思いました。相手の計量オーバーがあっても何の交渉もせず試合を受けてしまったこととか、いろいろと勉強になりましたね」

――試合内容については、いかがですか。

「寝かされて立ち上がるまでは練習していて、そのあとに明確なミスがありました。左ハイを出した時に足を滑らせてしまったんですけど、単純に滑っただけではなくて――試合後にALIVEの鈴木陽一社長から指摘されたんですよ。『体重が重い相手と組み終わって、立った時に全身の筋肉がこわばっていたのではないか。普段は力を抜いてハイを蹴っているのに、筋肉がこわばっている状態で蹴った時のギャップがあったのかもしれない』と。

それを聞いて自分も『なるほど』と思ったんです。僕としては、いつもと同じ感覚でハイを蹴ろうとした。でも体の状態がいつもと違っていた。ここはもう感覚の話になってしまうんですけど……。そこで足が滑り、『やっちまった』と思った瞬間にすぐ相手が極めに来た。そのスピードは凄かったです。

単純に経験不足だなって思いました。でもでも、いろんな経験が詰まった試合でしたね。エスケープして、ミスして、極められて――良い負け方だったと思います」

――その「良い負け方」を経て即、技術の見直しも始まったわけですか。

ガイオジムでは、みっちりとレスリングの打ち込みから壁レス、寝技まで。練習相手は試合直後のためダメージを考慮してスーパーセーフ着用の和田教良――しかし呼吸で面が真っ白に

「試合が終わってからガイオジムで和田教良さんと、今日見ていただいたようなレスリングの練習を始めました。この2カ月間は週2回、ひたすらレスリングをやって、夜は柔術の練習をしています。それで週末は寒天練でスパーをするというルーティンに変えおかげで、だいぶ動きは変わってきたと思いますね」

――レスリングのスパーでは、ボトム、サイド、バックなど全て自分が不利な状況からのスタートを指定していました。

「そこは絶対ですね。やはり自分の打撃を生かすために――もちろん寝技で攻めることもありますけど、練習で攻めることをメインにする必要はないですから。基本的にはガイオジムでも、寒天練でも、基本的には下から始めます。

寝技だけじゃなく打撃に関しても変わってきました。今までは当てて引く、当てて動くというものばかりだったんです。でも海外の選手みたいに、前に出ながら打っていくと――自分にとっては新しいことが身についてきました。

ガーダムとの打ち合いは、寒天練の中でもひときわ目立っていた

寒天練にトレント・ガーダムが参加していることも大きくて。寒天練に行くと、ほぼガーダムと殴り合っています(笑)。まずガーダムはガンガン出て来るから、それを捌く練習から始めると自分から前に出ることも、打ち合うこともできるようになってきましたね」

――組みの練習量を増やした効果なのか、筋量が増えていませんか。

「だいぶ増えてきました。でも減量は余裕を持ってやっているので大丈夫です。そこは、もともと僕は学校に通ってやってきたことで」

――スポーツトレーナーを養成する専門学校に通い、様々な資格も取得していますよね。

「中学生の時に初めてMMAの試合に出た頃から、格闘技のプロになることを考えていました。プロになった時に役立つことを学びたいと思って、将来は専門学校に行く。だから大学ではなく専門学校に進むための高校選びから始めていたんです」

――これまでフライ級の体重で体を動かしたことは?

「ないです。でも中国で試合をした時は水抜き無し、最後に少しだけ汗を抜くぐらいでバンタム級リミットまで落としたんですよ。RTUはフライ級で話をしていたし、初戦はまた中国で開催されるだろうから、同じ中国で水抜きなしで落としてみました。

フライ級で戦うのは、僕は打撃でやりやすくなるという点があります。UFCのフライ級は平均身長が167センチぐらいで、僕は174センチある。自分のファイトスタイルを考えると、リーチが長い選手と当たったらやりづらいんですよ。リーチが長く、中に入って行かないといけない相手はやりづらいです。でもフライ級だと、自分から中に入っていく必要がなくなるのは大きいですね。RTUだけでなく、海外で戦うならフライ級だと考えていました」

――中学の時から全ての選択がRoad to UFCだったわけですね。

「アハハハ、そういうことです」

――RTU初戦の対戦相手は、いろいろと噂は出ていますが、まだ公式からの正式発表はありません。そこでトーナメント全体の印象を教えてください。

「まだ全然視ていないですね。まだ発表されていないけど、次の対戦相手のことしか考えていません。まずは上海のUFC PIが使えることを楽しみにしています(笑)」

――アハハハ。これまではMMAと並行して硬式空手の大会にも出場していましたが、今年はどうなるのでしょうか。

「今年は出ないです。5月には硬式空手の大きな大会もありますけど、それにも出ません。そこで試合をして怪我とか、少しでも違和感が残るようなことは避けたいので。今は5月からのRTUだけに集中しています」

■Road to UFC 2025 フライ級トーナメント出場者
吉田開威(日本)
山内渉(日本)
アグラリ(中国)
イン・シュアイ(中国)
ムリドゥル・サイキア(インド)
ナムスライ・バットバヤル(モンゴル)
リオ・ティルト(インドネシア)
アーロン・タウ(ニュージーランド)

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