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【DEEP NAGOYA IMPACT2023】銀GSBジムと対戦、橘川尋貴─02─「どう戦うかは、もう決まっています」

16日(日)、刈谷市産業会館あいおいホールで開催されるDEEP NAGOYA IMPACT2023公武堂ファイトで、銀・グラップリングシュートボクサーズジムと対戦する橘川尋貴のインタビュー後編。
Text by Shojro Kamaike

約5年のブランクを経て、2022年にDEEPで復帰を果たした橘川。ZSTルールとDEEPルールの違い、そしてリングとケージの違いへの対応を見せるなか、彼の中に道場で受け継がれる一つの動きがあった。次の試合こそ、伝統のRNCを極められるか!?

<橘川尋貴インタビューPart.01はコチラから>


――昨年3月ぐらいに、試合ができる状態になったのですか。

「そうですね。体重も落ちて、感覚も取り戻してきた頃に遠藤(大翼イギーハンズ代表)さんから『半年後になるけど、9月に一度試合してみようよ』と言っていただきました」

――復帰戦は樋沼ヒロキ選手に2R KO勝ち。2017年9月の浜松ヤマト戦以来、ちょうど5年ぶりの勝利でした。

「復帰戦でKO勝ちできて、すごく嬉しかったです。久々の試合だったから、友達や先輩も見に来てくれて。MMAって特殊なスポーツじゃないですか。人前で殴り合って、それで拍手とか応援してもらって……。そういう感覚をまた味わうことができて嬉しかったですね」

――なるほど。2カ月後には東京で佐藤勇駿選手と対戦し、判定勝ちを収めました。これは自分にとってチャンスが来たと思いませんでしたか。

「いえ、逆に『自分は試されているな』って思いました。DEEPから『コイツは本当に強い選手なのかどうかを試されているんだ』と。だから結構、気合いが入りました。でも気合いが入りすぎたのか、試合内容としては空回りしてしまいましたね。『ここで一発、全てもっていこう』と考えちゃって。試合では勝ち急ぎすぎました」

――ZSTルールからDEEPルールへ、そしてリングからケージへと移行したところで難しい面などはあったのでしょうか。

「まずルールについては、僕が高3の時にZSTもパウンドありになっていたので、そこは問題なかったです」

――ZSTで戦ってきた選手は、ケージのMMAでも下になってしまうケースと、下になれるケースが存在しています。橘川選手も下のポジションを選択していたシーンがありました。

「あぁ、なるほど。ZSTはポジションよりも、一本に近い状態のほうが勝つルールだったと思うんです。でもDEEPルールは違うじゃないですか。だから遠藤さんにも言われて、上を取ってパウンドで削る練習に切り替えていました。

それでも下になっていたのは――復帰戦は樋沼選手が投げをよく使っていたので、コーチ陣からも『投げられて下になっていい。それよりも焦らずに戦うことが重要だ』と言われていたんですよ。投げられた時に、下手にマットに手を着いて怪我したり、あるいは変な状態でパウンドを打たれるほうが心配で。それなら投げられた時に抵抗せず、下になっていいという作戦でした」

――あの展開は作戦だったのですね。もう一つ、バックを奪いに行く展開が和術慧舟會らしさ、そして駿河道場らしさを感じさせました。橘川選手はこれまで7勝を収めているうち、3勝がRNCによるものです。

「そうなんですよ。僕も駿河道場に入った時、とにかくバックを奪う、そしてRNCを狙う練習をたくさんさせていただきました。極め方のコツも当時、佐々木憂流迦さんに教えていただいたりとか」

――道場に伝わる技術は、練習環境が変わっても引き継がれているのですね。とても良い話です。

「復帰してからは、まだ極められていませんね。復帰2戦目は狙いに行ったんですけど、まだ相手も元気な状態で。狙いすぎると、失敗したら自分が不利になってしまうこともありますし。そこはRNCにこだわらず、どちらかというとパウンドを打つほうを意識しました」

――一方、ケージ際の展開はいかがですか。ケージを経験したのは前回の試合が初めてかと思います。

「まず、ケージの中が広くてビックリしました。練習内容も次の試合がリングかケージかで変わってきますよね。でもずっと広い中で試合したいと思っていて、実際にやってみてケージのほうが動きやすいです。あと、ケージってカッコいいですよね」

――……カッコいい?

「え、ケージってカッコよくないですか」

――我々の世代はUFCが始まった頃にケージを見て、当時のバーリトゥードに対して決闘のようなイメージを持っていました。もう古い感覚かもしれませんが……。

「決闘ですか。確かにUFCって最初は素手でやっていましたもんね。だけど今は、ケージで戦うのってカッコいいと思います。うまく言えないですけど……」

――いえ、そう思って若い世代の選手が増えるのは良いことだと思います。では次の試合について、対戦相手である銀・グラップリングシュートボクサーズ選手の印象はいかがですか。

「ストライカーですよね。結構動き回る選手でもあって、落ち着いて強い選手です。あれだけゴリゴリのストライカーと戦った経験はないんですよ。でもウチのジムには、キックボクシングのRISEでランキング3位になっている小野幹晃選手がいて、小野選手と毎日練習しています。だからゴリゴリのストライカーに対して怖さはないですし、そんな相手とどう戦うかは、もう決まっています」

――この試合を含めて、今後MMAを戦っていくうえでの目標を教えてください。

「まずはDEEPの上位に食い込んで、先日DEEPのベルトを巻いた神田コウヤ選手と絡んでいきたいです。もちろん、そのためにはまだ経験が必要だと思います。でもいずれ絡んでいける自信はありますね。まずは今回の試合——完全にアウェイな状況だと思いますけど、僕の一本かKOで、相手の応援をシーンとさせてやります!」

■ DEEP NAGOYA IMPACT2023#02対戦カード

<フェザー級/5分3R>
巽大祐(日本)
今村滉(日本)

<ウェルター級/5分2R>
ソーキ(日本)
エヴェルトン・イワナガ(日本)

<フライ級/5分2R>
久保健太(日本)
田中義基(日本)

<ライト級/5分2R>
河村嘉展(日本)
岡田充弘(日本)

<バンタム級/5分2R>
佐々木陽太(日本)
切嶋龍輝(日本)

<フライ級/5分2R>
広瀬裕斗(日本)
吉田悠太郎(日本)

<バンタム級/5分2R>
MASANARI(日本)
Ryoma(日本)

<フライ級/5分2R>
加藤聡志(日本)
平野紘希(日本)

<ストロー級/5分2R>
鶴斗(日本)
金光優真(日本)

<フェザー級/5分2R>
大岩翔哉(日本)
──(──)

■ DEEP NAGOYA IMPACT2023#01対戦カード

<フライ級/5分3R>
杉山廣平(日本)
原虎徹(日本)

<フェザー級/5分2R>
銀・グラップリングシュートボクサーズジム(日本)
橘川尋貴(日本)

<ライト級/5分2R>
コマネチゆうた(日本)
太田将吾(日本)

<バンタム級/5分2R>
高瀬一平(日本)
三ツ塚勇介(日本)

<バンタム級/5分2R>
下村哲幸(日本)
田口貴親(日本)

<フライ級/5分2R>
オサモ・リチャードソン(日本)
岩堀徹大(日本)

<バンタム級/5分2R>
野木崇政(日本)
三郎(日本)

<フェザー級/5分2R>
加藤優也(日本)
ケビン・ギノザ(日本)

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【DEEP NAGOYA IMPACT2023】エヴェルトンと対戦、ソーキ─02─「嫌なことから逃げない人間に」

【写真】昨年5月以来の試合だが、この11カ月というスパンはソーキにとっては短いことになる(C)TORAO

16日(日)、刈谷市産業会館あいおいホールで開催されるDEEP NAGOYA IMPACT2023公武堂ファイトで、エヴェルトン・イワナガと対戦するソーキのインタビュー後編。
Text by Shojro Kamaike

ソーキといえば、とにかくテイクダウンを狙い続ける試合スタイルだ。一方、インタビューでは営業マンとしての能力を発揮し、各エピソードにオチまでついてくるほど。しかし試合のこととなれば、やはり話の方向も変わってくる。「試合は常に怖い」というソーキ、そんな彼がMMAを諦めず、目指しているものとは。

<ソーキ・インタビューPart.01はコチラから>


――仕事と家庭があり、そしてMMAの試合に出るとなれば、難しいことが多いのも理解できます。

「それと僕は本当に怠惰な人間で……、放っておいたら体重が100キロを超えるんですよ」

――えっ!? ウェルター級のリミットから30キロ近く増えるのですか。

「実際、前回の試合は30キロ減量しました(苦笑)。頂いたオファーも下の階級とか、試合の1カ月前とかで――そうなると、体重を落とすのが無理だったんです。だから何か意図があって試合をしていなかったわけではないです。格闘技をやっているのは楽しいし、練習はしていましたから」

――プロになって満足し、新人王トーナメントで優勝してランキングに入って満足していたとなると、2019年に田村ヒビキ選手を下して環太平洋王座を獲得した時も満足してしまわなかったですか。

「はい。いつMMAを辞めてもいいと思っていましたね。ただ、やっぱり『まだ強くなれる』という気持ちが心の中にあったので、辞めるのは今じゃないと考えていました。そのままコロナ禍もあり、3年後に防衛戦をすることになって」

――防衛戦は2022年5月、田村ヒビキ選手とのダイレクトリマッチでした。

「あの試合は、勝っても負けても引退するつもりでした。減量前は体重が110キロあって、30キロ以上落としたんです。すると計量後に、ありえないぐらいリカバリーしてしまい、試合当日はメチャクチャ体調が悪くて……。試合では負けてベルトも失い、『もういいかな』とは思いました。でも、ベストを尽くすことはできていませんでした。それと、これは感動エピソードなんですけど――」

――「感動エピソード」と振っておいて、違うお話になりませんか。

「アハハハ。5歳の子供が初めて試合を見に来てくれて、僕は負けたじゃないですか。そうしたら子供が『パパ、なんで負けたの?』と、毎日聞いてくるんです。『パパが弱かったから負けたんや』と答えるしかなくて。やっぱり強い父親を子供に見せたいです。今MMAを辞めると、子供に負けた姿しか見せることができていないんですよ。まだ頑張れば、体は動く。なのにMMAを辞めると、応援してくれる子供や会社の人たちに負い目を感じながら生きていくことになりそうで。勝っても負けても、嫌なことから逃げない人間になりたい。だからMMAを続けようと思いました」

――まさかの本当に感動エピソードじゃないですか……。

「いやいや(苦笑)。あとは地元で試合をしたいという気持ちもあったんです。MMAを始めてDEEPに出始めた頃なんて、何人か友達が見に来てくれるぐらいでした。でも続けていたら会社の人たちも応援してくれるようになったし、1回みんなに自分が戦っているところを見てほしかった。そしてもう一度、修斗のベルトを獲りに行きたいです」

――今回はDEEPに出場することとなりましたが、それでも目標は修斗のベルトなのですか。

「そうです。今回、DEEPからオファーを頂いて、本当に感謝しています。地元に近い場所で試合をすることができるので。ただ、気持ちとしては失ったベルトをもう一度獲り返したいです」

――なるほど。では次の試合についてですが、エヴェルトン・イワナガ選手の印象はいかがですか。MMAのキャリアでいえば、ソーキ選手のほうが格上ではあります。

「僕は臆病なので、誰と試合をすることになっても怖いです。戦うのは相手ではなく自分だと思っているもんで、自分のほうが格上だなんて思えません。僕は誰と戦うことになっても、常にジョン・ジョーンズと試合をするんだと考えているぐらいで」

――……。

「今回の試合も、ずっと怖くて仕方がないです。対戦相手の映像って、試合直前まで視ないんですよ。みんなに驚かれるんですけど、映像を視ると相手のことが強く思えてくるんですね。『このパンチを食らったら……』とか」

――その恐怖を、どのように克服しているのでしょうか。

「練習仲間のおかげです。みんなが対戦相手の映像を視て、同じような動きをして練習相手になってくれます。その練習を経て気持ちも吹っ切れたところで、僕も対戦相手の映像を視始めるんですよ。……すみません、『相手をブッ殺す』とか言えれば良いんですけど」

――オフィスでインタビューを受けながら「相手をブッ殺します!」と言っていたら、周りの人がビックリしますよ。せっかく得た信用を失いかねないです(笑)。

「アハハハ! 確かにそうですね。営業マンとしてマズイです(笑)」

――強さの概念もまた、人それぞれだと思います。続けること、それも一つの強さだと思いますし、現にソーキ選手はMMAを続けてきました。ただ、ソーキ選手のファイトスタイルは、組んで組み続けてテイクダウンして、というものです。現在36歳、そのスタイルを続けると肉体も削られていくのではないですか。

「削られます。だから今、スタイルチェンジをしています。練習への取り組み段階の話になるのですが、今までは週3回ガチスパーをやって、あとは筋トレをしているような感じでした。すると常に最大出力でやっているような状態だったんですね。当然ダメージも溜まっていくので、まずはその点を直しています。まず練習も常に最大出力でやるのではなく、3Rあるいは5Rをフルで戦うことを意識して組み立てる。そしてファイトスタイルも少しずつ変えていて、大人になりました(笑)」

――アハハハ。今まではガムシャラな若者スタイルだったのですか。

「そうです。とにかくパンチを振って組みつけば良い、と思っていましたから(笑)。試合前なので細かいことは言えませんが、どれぐらい変わったかは試合を楽しみにしていてください」

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【DEEP NAGOYA IMPACT2023】9年5カ月振りのDEEP出場、ソーキ─01─「家に占い師の方が来て…」

【写真】人それぞれのFIGHT & LIFE(C)SHOJIRO KAMEIKE

16日(日)、刈谷市産業会館あいおいホールで開催されるDEEP NAGOYA IMPACT2023公武堂ファイトで、前修斗環太平洋ウェルター級王者のソーキがエヴェルトン・イワナガと対戦する。
Text by Shojro Kamaike

2013年にDEEPでプロデビュー後、アマチュア修斗を経て2015年にプロ修斗へ。2019年に田村ヒビキを下して環太平洋王座を獲得したソーキだったが、昨年5月、田村にリベンジを許しベルトも手放していた。そのソーキが地元に近い愛知で開催されるDEEP興行の第2部のセミに出場する。MMAPLANETでは初インタビューとなるソーキ、まずはキャリアについて訊いたところ、なかなか普通ではないエピソードが飛び出した。


――本日はZoomでインタビューを行わせていただいていますが、その背景と服装は、もしかして会社ですか!?

「はい、勤務中です。会社からは許可をもらっているので大丈夫です」

――勤務中にインタビューを受けて大丈夫とは、ご理解のある会社なのですね。

「警備会社の営業マンをやっています。おかげさまで自分も会社と格闘技、両方で頑張ってきて、今は会社からも応援してもらっています」

――今回はMMAPLANETで初めてのインタビューとなります。よろしくお願いします。

「ようやく念願が叶いました。修斗のベルトを獲った時も、防衛戦の前もインタビューがなくて……、僕が取り上げられることはないと思っていました(笑)。アハハハ、それは冗談ですけど。とにかく嬉しいです。もう一生の記念です!」

――そう言っていただけて光栄です。MMAを始めたのは、現在の会社に就職した後なのですか。

「就職した後ですね。小学2年生から大学まで柔道をやっていて、大学を卒業したあとサラリーマンになりました。柔道は大学で一区切りつけて、就職後は趣味で体を動かしたいと思っていたところ、先輩に今のジム(ナセル・ド・ソル)を紹介してもらったんです。柔道は趣味で続けたい――その柔道で強くなるために柔術を始めようかと考えて。ただ、初めて練習に行く日に、曜日を間違えてしまって、キックボクシングのクラスの日に行ってしまったんですよ。

曜日を間違えたと思って、帰ろうとしたらトレーナーの方に『ちょっとやってみない?』と言われて。打撃の練習をしたら『筋が良い!』と褒められたんですね。僕は柔道時代に『センスがある』とか言われたことがなく、その口車に乗せられて――『自分の居場所はここなんだ』と、キックボクシングクラスへ通うようになりました。あとで聞いたら、来る人みんなに言っていたみたいなんですけど(笑)」

――アハハハ、完全に乗せられましたね。小学2年生の時に柔道を始めたのは、どのような理由だったのでしょうか。

「これは普通の話なんですけど……、家に占い師の方が来て、まず兄を占ったんです。そして『この子には柔道か空手をやらせなさい』と親に言ったそうなんですね。そして『お兄ちゃんが柔道をやることになったから、お前も一緒にやりなさい』と言われて始めました。兄は半年ぐらいで辞めてしまったんですけどね」

――「普通の話」と振っておいて、全く普通ではないエピソードトークです! 話の運び方に、やり手営業マンの雰囲気が漂っています(笑)。

「ありがとうございます(笑)」

――お兄さんが半年で柔道を辞めたあと、なぜソーキ選手は大学まで柔道を続けたのでしょうか。

「小学生の柔道って、体格にモノをいわせて勝つ部分があるんですよ。僕はデブだったので強かったです(笑)。高校時代は県大会で優勝して、大学時代はインカレの団体戦に出場しました。絶対に試合に出ることのないレベルの補欠でしたけども。1回か2回出してもらって、重要な試合ではしっかりメンバーから外されていました(笑)」

――全エピソードにオチが……(笑)。大学卒業後も柔道の選手として生きていこうとは考えなかったのですか。

「結局、そのレベルまでは行けませんでした。だから就職して、趣味で格闘技を始めました。柔術をやろうと思っていたのに、キックボクシングばかりやっていましたが(笑)。まさかMMAまでやるとは思っていませんでした。ジムに入って半年か1年ぐらい経って、DEEPのアマチュア大会に出場することになりました。そこで勝ってDEEPのプロの試合に出るようになったんですけど、実はそのあと修斗のプロになるまで、MMAのスパーをしたことがなかったんです」

――えっ!? MMAスパーの経験なく試合をしていたのですか。

「そうなんです。当時はジムにMMAの練習相手がいなかったこともあって。とりあえず試合ではキックボクシングをやって、近づいたら柔道の投げ技をやって、寝かしたら寝技へ――それだけでした。プロデビュー以降は4連敗しましたけど、いま思うと、MMAスパーをやったことのないヤツが試合で勝てないですよね(苦笑)。

それが2013年のことで、正直、『ここで負けていたらファイターとして将来はない』と思いました。そんな時、同じジムの田丸匠君がアマチュア修斗に出ることになったので、僕も一緒に出場することにしました。アマチュアで勝てないなら、本当にそこまでだなと思って。そうしたら2014年に全日本アマ修斗で準優勝して、修斗のプロライセンスを得ることができたんです」

――なるほど。2015年からプロ修斗に出場し始めたものの、2016年に入ってから2019年6月の環太平洋タイトルマッチまで試合がありませんでした。

「試合のオファーは頂いていましたが……まずプロになったことで満足し、修斗の新人王トーナメントで優勝したことで満足していて。さらに、新人王になったことでランキング6位になったんですよね。それがものすごく嬉しくて、『自分は一生、修斗のランキングに入ったことを自慢できる』と満足しきってしまいました(笑)。

だから、ガンガン試合をしようというモチベーションはなかったです。仕事も家族もありましたから。でも考えてみると、自分が思い描く最高点に到達していなかったんです。まだ強くなれる――そう思い続けていました。何より、試合は毎回怖いです。本当に1万回ぐらい、MMAを辞めたいと考えました。だけど、辛いことから逃げたくない。そこで逃げていたら将来、親として子供に何も言えない……。だからMMAを戦う。それが僕のモチベーションです」

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