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【WNO22】世界の頂=神童ミカ・ガルバォンに挑戦、岩本健汰─01─「じゃあ、どうするんだって(笑)」

【写真】B-Teamで練習中の岩本。世界に挑む、日本の格闘家(C)MMAPLANET

9日(金・現地時間)、カリフォルニア州コスタメサで開催されるWNO22「Rodriguez vs Hugo」に岩本健汰が出場し、ミカ・ガルバォンの持つWNOウェルター級王者に挑戦する。この一戦はある意味、タケルがスーパーレックと戦う、あるいは日本人がショーン・オマリーと戦うのに等しい──ただ単に世界と戦うということでなく、世界の頂点と戦う一戦となる。
Text by Manabu Takashima

神童ミカ・ガルバォンは2003年10月生まれの20歳。父マルキの指導の下、柔術とルタリーブリで黒帯を巻く。キッズ時代から輝かしい成績を残し、2019年のムンジアルではジュベニウで階級別と無差別を制覇し、アダルトへ。時代はコロナ禍を迎え柔術トーナメントが動きを止めるなか、ミカは配信大会で頭角をグングンと表し、一気に黒帯のトップ選手として認知されるようになった。

2022年のムンジアル制覇はドラッグテストで黒となり抹消され、その年のADCCでは77キロ級決勝でケイド・ルオトロにヒールフックで敗れるも、今や時代の寵児となったルオトロ兄弟よりも前評判は高かった。その後、BJJスターでイザッキ・バイエンセとフィリップ・アンドリューに敗れてはいるが、目下のところ24連勝中だ。

WNOは2021年の第9回大会から出場し、アンドリュー・タケット、オリヴィエ・タザに勝利すると、チャンピオンシップトーナメントでウィリアム・タケット、ジェイコブ・カウチを破り、決勝でタイ・ルオトロに敗れた。その後もダンテ・リオン、アラン・サンチェスに勝利し、昨年10月に王座決定トーナメントでジェイ・ロドリゲス、PJ・バーチを下し、ウェルター級のベルトを巻いた。

さらに12月にコディ・スチールをRNCで倒して王座初防衛に成功、今回は岩本と2度目の防衛戦を戦うことに。そのうえで1月の最終週にはヨーロピアンにミドル級出場したミカは、3試合連続で一本勝ちし決勝でアンディ・ムラサキと相対した。結果スイープを許し、パスのプレッシャーを受けるなか、左足でムラサキの左足を制し、右足で肩と頭をロックしつつ腕十字を極めるという神童の名にふさわしいフィニッシュで優勝を果たしている。

岩本にとって間違いなく過去最強の相手。ミカが持つベルトに挑む岩本──テキサス州オースチンのB-Teamで最後の仕上げを行うところでリモート取材を試みた。


──当初の予定ではニッキー・ライアンが挑戦するという話だったのですが、いつの間にか岩本選手が挑戦者になっていました。いつ頃、この試合が決まったのでしょうか。

「12月末ぐらいだったと思います。年末ですね、『どうか?』っていう連絡が来たのが。1度OKを出したのですが、それが無しになって。正月をゆっくりと過ごしていたら、またオファーがきてやることになったんです」

──それはニッキー・ライアンの出場がなくなったから、オファーがあったということですか。

「ハイ。最初の時はそうでした。ただ1度なくなった理由は分からないです(笑)。交渉の段階でなくなって、『やっぱりどうか?』という連絡があってからお金の話など、契約交渉の段階に入りました」

──とはいえADCCアジア&オセアニア予選で優勝した直後には、ADCC世界大会のトーナメント枠を良くするためにPJ・バーチなどと戦って結果を残すと言っていました。そしてミカへの挑戦、余りに言動が不一致です(笑)。

「アハハハハハ。最初はADCC世界大会でいきなりケイド・ルオトロやミカ・ガルバォンと当たらないためにもうちょい下の人を倒したいというプランでした。なので、まさかその本人が出てくるとは思わなかったです」

──ADCC世界大会に向けて、プランが変わる試合のオファーに躊躇はなかったですか。

「最初は『ミカか……』という感じはありました。2月の9日だと、準備期間も少ないですし。1月の15、16日に香港でセミナーがあり、その間はあまり練習ができない。ミカが相手なら、もうチョイ準備したいという気持ちがあったのですが、迷った末にやることにしました」

──目の前にミカというオファーがあれば、無視することはできない?

「う~ん、僕から求めていたわけじゃないですけど、舞い降りてきたチャンスを逃すことはできなかったです。頑張ってきたらチャンスは巡ってくる──そう思って、受けることにしたんです。僕的には勝ちたい。でもミカって一番強いから、他の選手と比べると勝つのは難しい。でも『良い試合をしたな』っていうことで終わってしまうのが、一番嫌なんです」

──ONE165でのケイド・ルオトロへの挑戦も断った。でもミカとは戦いたいというのは?

「それは契約の縛りの話があったからです。ONEは縛りがあって、縛りがなければやっていました」

──しかし、どうすればミカ・ガルバォンに勝てる見込みがあるのか。それは正直なところ思うところではあります。

「確かにWNOのルールはサブミッションの仕掛けを重視しています。以前、ミカとダンテが試合をしたときにダンテが何回もテイクダウンを奪ったのに、最終的にミカが一度腕十字の態勢に入ったことで勝てたんですよね。サブミッションが凄く重視されるので、ミカをWNOのルールで倒すというのは──勝ち筋を見つけるは難しいところがあります。

かといって何も見えない相手ではないです。僕が勝てる部分があるので、そこを利用して勝ち筋を見出すしかないです」

──勝てる部分というのは、どこになると考えていますか。

「立ち技とかだったら、行けるかなと」

──とはいえサブオンリーなので、ミカは立ちで敵わないとみると引き込んでくるのではないでしょうか。

「引き込んでくる可能性はありますね。印象を悪くしないために」

──テイクダウンされるより、引き込みの方が自分の形で組手を創れるような気もしますし。そうなると、引き込んでも攻撃になる。

「ハイ。そこはADCCとは違いますよね。ADCCルールの方が今の僕には合っていることは合っています。でも……う~ん、そうっすね。まぁ、う~ん。ミカをパスできないですもんね。ヘヘヘヘヘヘヘ」

──いや、笑いごとではないかと。

「じゃあ、どうするんだっていう話になるんですけど(笑)」

──ハイ……。

「だから、まあ……そのう……だから、まぁ……なるべく遠い距離で立っても良い感じでやるのか。それだとネガティブになっちゃいますよね」

──逆に岩本選手が引き込むということは?

「それはチョットきついです。プランにはないです。冗談ではあるかもしれないですけど。ミカはパスが強いですからね(笑)。ウィリアム・タケットを結構パスしていたので。ハハハハ」

──笑っている場合ですか!!

<この項、続く>


■視聴方法(予定)
2月10日(土・日本時間)
午前11時00分~Flo Grappling

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ABEMA CJJW2023#01 MMA MMAPLANET o UFC アラン・サンチェス アンドリュー・タケット コンバット柔術 ブランドン・モレノ

Overlooked【CJJW2023#01】アンドリュー・タケット、EBIウェルター級王者サンチェスを下し世界王者に

【写真】エディ・ブラボー、VIPゲストで会場に姿を見せたUFC世界フライ級王者ブランドン・モレノらと、ベルトを巻いたアンドリュー・タケット(C)EBI

諸事情で見逃した試合を月末にレポートする──帳尻合わせ試合レポート。

ここでは26日(日・現地時間)、メキシコはキンタナ・ロー州プラヤ・デル・カルメンのポリフォルム・プラヤ・デル・カルメンで開催されたCombat Jiu-Jitsu World Welterweightから決勝戦=アンドリュー・タケット✖アラン・サンチェス戦をレポートする。

準決勝まで3試合連続一本勝ちで圧倒的な強さを見せて勝ち上がったタケットと対する、アラン・サンチェスはEBI19=2022ウェルター級T決勝でオリヴィエ・タザを破り、ベルトを巻いている10thPlanetサンマテオ所属の選手だ。

そのサンチェスは初戦でイヴァン・リーヴァを57秒でRNCを極めて一蹴、準々決勝も32秒でアーロン・ハリスをギロチンで下すと、準決勝でデレック・ディアフィールドとの対戦に。ダブルレッグでテイクダウンを許したサンチェスは、サイドで抑えながらのダースは防がれ、マウントを取られながらレッスルアップからトップを奪取。オモプラッタをリバーサルし、足関節の攻防で互いに掌底を打ち合うという激しい攻防を見せる。ディアフィールドを叩いた刹那、一瞬で内ヒールを極めタケットの待つ、ファイナルの舞台に足を運んだ。


<ウェルター級T1回戦/10分1R>
アンドリュー・タケット(米国)
Def.2分28秒 by RNC
アラン・サンチェス(米国)

すぐにダブルレッグでテイクダウンを決めたタケットは、パス、ニーインベリーと序盤からサンチェスを圧倒する。足を捌きつつ掌底、下のサンチェスも張っていくという展開のなかでタケットは飛び込んでパスから、バックを伺う。背中をつけて回避したサンチェスは、マウントを取られて必死に3/4ガードに戻す。

体重をワキ腹にかけての抑えから、タケットはパスを決め上四方へ。下からダース狙いのサンチェスの狙いを簡単に潰すと、アームインギロチンに取りマウントへ。サンチェスはここも3/4ガードで堪えるが、パスを許してしまう。肩固めのタケットは、サンチェスのブリッジにマウントを選択する。

左右の掌底を被弾し、下を向いたサンチェスをボディトライアングルに捕えたタケットは、胸を合わせにきたところで仰向けにさせてマウントに。マウントに移行したタケットの肩固めも、腕を伸ばして耐えたサンチェスは、掌底を打たれたタイミングで足を戻して立ち上がる。

残り4分15秒、簡単に左腕を差してテイクダウンに成功したタケットが、ニースライスへ。防いだサンチェスだが、ラバーは創れない。タケットはダブルアンダーパスからマウントを狙う。バタフライフックで防いで、ガードを取りなおしたサンチェス。ここで両者がスタンドに戻る。立ちレスが続くが、残り2分15秒でサンチェスが引き込み、直後に簡単にパスを許した。

既にサンチェスはOTを考え、一本だけは取らせないタイムアップ狙いか。と、そのサンチェスがデラヒーバガードを取り、掌底を落として一瞬動きが止まったタケットに対し、Kガードから右足を取る。同時にタケットが右の掌底で顔面を叩き、足を抜いて立ち上がった。

足関の攻防を苦も無く凌ぎ、トップゲームを続けるタケットが掌底を入れて、ニースライスパスを決める。すぐに体を起こして、シングルから引き込んだサンチェスだが、ここからはしがみついて時間の経過を待つ状態に。サンチェスが残り10秒で足を戻して、ラバーガード&下から張っていくがタイムアップとなった。

OTでは3Rともシートベルト&ボディトライアングルでサンチェスのエスケープを2分に渡り許さなかったタケットは、勝負とばかりにRNCを絞めにきたサンチェスから3度ともエスケープに成功し、2023年コンバット柔術ワールド・ウェルター級王者に輝いた。

「本当にタフなトーナメントだった。2年前にサンチェスにはエメラルドシティで負けたので、素晴らしい選手の彼に勝てて良かった。会場のファンの皆の声援がエネルギーになった。本当に最高だったよ。サンチェスを極めることは難しい。そして彼はトリッキーな攻撃をするから、しっかりと距離を取って戦った。パスをしてから攻める。汗で滑って一本勝ちは逃したけど、動きには満足している。皆のために掌底で叩いたり、叩かれたりしてもスクランブルを続けた。僕の階級のファイターなら、誰とでも戦う」とタケットは話した。

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