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【ONE166】パシオの挑戦を受けるジャレッド・ブルックス「フ〇ック、柔術。ファ〇ク、ムエタイ」

【写真】舌好調なジャレッド・ブルックスでした(C)MMAPLANET

3月1日(金・日本時間)にカタールはルサイルのルサイル・スポーツ・アリーナで開催されるONE166「Qatar」でONE世界ストロー級王者ジャレッド・ブルックスが、ジョシュア・パシオの挑戦を受ける。
Text by Manabu Takashima

2022年にそのパシオからベルトを奪ったブルックスだが、昨年はMMAの試合はなくマイキー・ムスメシの持つサブミッショングラップリング世界フライ級王座に挑んで敗れた。そのブルックスが、1年3カ月振りのMMAでの試合に向けて胸の内をダイレクトにぶつけた。

かつてのようなトラッシュ・トーカーではない。それでも、相手をこき下ろす言葉はリズムに乗ってスラスラと口をつく。それでいて、変わらない日本への想い。アスリート然としていない実力者、それがブルックスの魅力だと再確認できた。


──カタールでの試合になりますが、中東を過去に訪れたことは?

「ないよ。今回が初めてだ。でも、ホテルは本当に綺麗で食事も最高だ。こうやって旅をするのは大好きだけど、本当にカタールに来ることができてハッピーだよ」

──東南アジアと中東、どちらの方が移動は大変ですが?

「そこは特にどちらが良いっていうことはないかな。やはり試合前は少しでも早く現地入りをして、調整をしたいから。ただ試合の2日前にシンガポールに入った時も問題なかった。どんな状況でも開催地に行って、試合をする。それが僕の仕事だから。さっきも言ったように、どこへ行くのも最高だからね。ただし、これまでの人生で一番の訪問先は日本であることは譲りようがないよ」

──ありがとうございます。サービストークでない感じが伝わって来て、嬉しい限りです。

「だって2016年にWSOF-CG、そしてパンクラスで戦った時から、ずっとこうやって取材をしてくれるメディアもいて」

──そのMMAメディアとして、昨年のONEにはフラストレーションがたまりました。ムエタイやサブミッショングラップリングを盛り上げるために、MMAファイター……しかもチャンピオンが使われたような感じで。

「僕だってMMAをもっと戦いたかった。そして僕のスター性を重視し、米国大会でプッシュするべきだろうって思っていたよ。僕が防衛戦を行わないことで、ストロー級の動きも止まってしまう。選手たちもフラストレーションがたまる。でもプロとして、求められることをするのも僕の役割だ。MMAの試合が少ないことで不満が起こるのは、僕の責任ではなくてプロモーションの問題だから。僕自身は少しでも多くファイトをしたい。30歳、これからの5年間が僕にとってピークとなるだろうから。これからの5年は、可能か限りの試合数をこなしたい。

スーパースターになって皆を引っ張りたい。でも、米国人だ。アジアベースのプロモーションでその役割は求められていない。結果として自分のために戦うわけで、そこも気にしていないよ、もう。皆が僕を嫌っていても構わない。僕はリング、ケージに上がって戦うだけで。

ONEはムエタイと柔術をMMAのように大きなスポーツにしたいという考えがあるわけだし、MMAファイターがそこに交わるのは最上のアイデアなんだよ。だってMMAこそが、最も世界で知られたファイトなんだから。UFCがあり、日本にだってPRIDEがあってRIZINがある。ムエタイと柔術は、そこまでの大きな存在になっていない。まだ、スーパースタースポーツにはなり得ていない。だからね、そこに力を入れられて、MMAファイターがムエタイや柔術が知られるためのツールにされるなんて、実際はファッ〇〇フって気持ちだよ」

──アハハハハ。

「フ〇ック、柔術。ファ〇ク、ムエタイ。僕が最高のショーを見せてやるから」

──最高です。ところで今回の挑戦者はジョシュア・パシオになりました。タイトルを奪取したときに、初防衛の相手がジョシュアになると思っていましたか。

「僕はストロー級でやるべきことは、やり尽くした。ボカン・マスンヤネ、リト・アディワンをフィニッシュし、ヒロバ・ミノワも判定だったけどニア・フィニッシュまで追い込んでいる。ジョシュア・パシオをそうだ。他の試合よりは少し接戦だったけど、文句のない勝ち方だった。だから、なぜONEがまた彼と戦わせたいのか分からない。

とにかくジョシュア・パシオを再び倒し、僕はDJとの試合に向かう。今回、ストロー級最強だと証明し、DJを指名する。柔術なんてやっている暇はないぞってね。そして、もう2度とジョシュア・パシオと戦うことはない。ONEはジョシュア・パシオにチャンスを与え過ぎだ。今回の試合で皆を黙らせ、ジョシュア・パシオが二度と大口を叩けないようにする。フィリピン人のファンの皆がリアル・ファイター、本物のミックスマーシャルアーチストとはどういう人間なのか、正しい道に導いてやろうと思っている」

──押忍。ところでジョシュアとマンスール・マラチェフの試合は、どのように見ましたか。あそこでマラチェフが勝っていれば、今大会の挑戦者も違っていたかと。

「あの試合はライブで視聴していたんだけど、ジョシュア・パシオが勝ったと思ったよ。なぜか、僕はONEのルールを知り抜いているからだ。ギロチンのキャッチ、あれだけ勝った。ラウンド・バイ・ラウンドならマラチェフの楽勝だ。マラチェフはトップを取ってから、疲れてしまった。あの試合はマラチェフにとって、良いレッスンになったはずだ。ボディロックを懸命に続けていても、ONEでは勝てないってね」

──ギロチンのキャッチで勝てる……。ポジションを取ってサブミットできなくても、自分の優位が変わらない。そこが真のキャッチポイントで、逃げられると下になって不利な位置にいる仕掛けは掛け逃げに通じると思います。

「良い見方だと思う。ボトムになる仕掛けでも、腕十字ならキャッチがあっても良いかもしれない。ケガをさせる攻撃だからだ。でも、ギロチンに関してはキャッチの評価を下すのが凄く曖昧だ。と同時に、ONEでは下になることがユニファイドのようにマイナス要因にならない。ギロチンを防がれても、下からエルボーやパンチを入れると挽回できる。それがONEのMMAだ。ジョシュア・パシオはそこを頭に入れて戦っている。でもジャッジに関しては、何が有効な攻撃かはもう少し勉強してほしいところだ」

──ジョシュアもONEの裁定基準をよく理解して戦っていたと。そして挑戦権を手にできたわけですね。

「ただマラチェフとヨースケ・サルタとの試合を見て、今回のジョシュア・パシオ戦に向けてさらなる自信になったよ。この1年半で、僕が何を身ににつけたのか。しっかりと披露する良い機会になると思う。マイキー・ムスメシ戦のために、これまで以上に柔術に取り組んだ。そこで学んだものに、拳の利用方法を融合させてジョシュア・パシオと戦うことになる。

実はマラチェフはムスリムだし、カタールで挑戦者になるのはビジネスとして正しいと思っていた。でも、こっちに来てみて分かったよ。この国には凄い数のフィリピン人が住んでいる。

■2022年のワールドカップの際に話題になったが、カタールにおけるカタール人が占める人口は全体の1割程度で外国人労働者の人権問題が起こっていた。フィリピン人はカタールでインド人に次ぐ労働者数を誇る。

ジョシュア・パシオは人々を熱狂させることができるファイターじゃない。ただ単にフィリピンの同朋が、彼に思い入れを持っているだけなんだ。ジョシュア・パシオはグレートファイターだ……東南アジアではね。僕は合衆国からやって来て、与えられた試合を戦う。第1試合だろうが、誰が相手だろうが、戦う。ジョシュア・パシオはフィリピンの人達のサポートがあるから、この位置で戦うことができているに過ぎない。

ストロー級最強はジャレッド・ブルックスだ。誰も僕を倒すことはできない。ジョシュア・パシオが僕をKOしたり、サブミットすることは今回の試合も、これからも未来永劫に、絶対にない。どうすればアゴを砕くことができるのか、試合で見せてやる。そうすれば、ストロー級でもう誰も俺と戦いたいとは思わないようになるだろう。

ストロー級をドミネイトしているのは俺だ。徹底的にジョシュア・パシオを苦しめぬく。もうONEチャンピオンシップがどれだけジョシュア・パシオをプッシュしても、再浮上できないようにする。そして、フライ級に転向だ。ジョシュア・パシオは体だけは、俺よりデカい。バカみたいに減量している。本来はプロモーションが認めていないことをやって、ケージに上がってくる。通常体重で戦うという建前は、どこにいった?(笑)。ジョシュア・パシオが脱水をしていないわけがない。ワハハハハ。

試合の時は、きっと142ポンド(※64.86キロ。ストロー級リミットは56.7キロ)くらいはあるだろう。でも、そんな体の大きさは本物の前では問題ない。そして、俺はONEの米国大会で自分の今後を賭けた試合に挑む。米国はUFC、MMAにとって一番大きな市場だ。そこで俺が抜きん出ないと、どうなる? そうやって自分のキャリアを賭けた、ギャンブルに挑む。通じなければ、それで終わりだ」

山北渓人と。口が悪いが、良いヤツ(C)MMAPLANET

──さすがのブルックス節。

そして素晴らしい覚悟です。では、日本のファンに一言お願いします。

「アリガトーゴザイマース。2016年から僕のインスタ、フェイスブックをフォローしてくえる日本の皆、僕の君たちへの想い、愛は変わることはない。いつも、本当にありがとう」

■放送予定
3月1日(金・日本時間)
午後9時15分~U-NEXT

■ONE166対戦カード

<ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ライニア・デリダー(オランダ)
[挑戦者] アナトリー・マリキン(ロシア)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] タン・カイ(中国))
[挑戦者] タン・リー(米国

<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ジャレッド・ブルックス(米国)
[挑戦者] ジョシュア・パシオ(フィリピン)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アージャン・ブラー(カナダ)
アミール・アリアックバリ(イラン)

<ボクシング147ポンド契約/3分3R>
ズハイール・カハタニ(サウジアラビア)
メディ・ザトゥー(アルジェリア)

<サブミッショングラップリング・フライ級(※61.2キロ)/12分1R>
オサマ・アルマルワイ(イエメン)
クレベル・ソウザ(ブラジル)

<ムエタイ147.75ポンド契約/3分3R>
ザファー・シャイック(トルコ)
ウラジミール・クズミン(ロシア)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ザカリア・ジャマリ(モロッコ)
アリ・サルドエフ(ロシア)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
鈴木真治(日本)
ハン・ズーハオ(中国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
ジェレミー・ミアド(フィリピン)

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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE FN19 キック マンスール・マラチェフ 猿田洋祐

【ONE FN19】猿田、2Rにギロチンでチャンスを作るもマラチェフに判定負け。復帰戦を勝利で飾れず

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
マンスール・マラチェフ(ロシア)
Def.3-0
猿田洋祐(日本)

猿田がジャブをついて右カーフ、マラチェフが下がってジャブとワンツーを返す。猿田もワンツー、マラチェフのダブルレッグをがぶってヒザ蹴りを入れる。マラチェフは身体を起こし、猿田をロープまで押し込む。猿田はロープを背負ってヒザ蹴り。マラチェフは深く組んで引っこ抜くようにテイクダウンする。猿田は背中を見せて立ち、スクランブルになっても寝かされない。マラチェフはスタンドバックをキープし、猿田はクラッチを下げて外しつつ、続くスクランブルの中で正対し、立ち上がる。猿田は距離を作ってヒザ蹴りを突き上げる。

試合がスタンドに戻ると猿田が右のカーフ。マラチェフはジャブ、右ストレートから左フック、リーチを活かしたジャブを当てる。猿田も右を返しつつ、マラチェフのジャブにシングルに入るが、マラチェフは切ってがぶる。猿田が立ち上がると、マラチェフは再びジャブを当てる。猿田は右ローを返して左フック。マラチェフが右ストレートで来るところに左フックを合わせる。

それでも前に出るマラチェフが左フックを打ち抜くと、これで猿田が尻餅をつく。すぐ組みつく猿田だったが、マラチェフはダースチョークへ。ここは残り時間がなく、ラウンド終了となった。

2R、すぐに右ストレートで前に出る猿田。マラチェフも右ストレートから左フックを返す。マラチェフは離れた間合いでジャブを当て、猿田のワンツーに合わせて組んでバックへ。猿田は前転して逃げようとするが、マラチェフは足を4の字フックして殴る。猿田はマラチェフが足のフックを外したところで立つ。

マラチェフはやはり右ストレートから左フック。猿田も右ストレートを振って前に出るが当たらない。マラチェフはシングルレッグでテイクダウンし、インサイドガードでトップキープして殴る。ここで猿田はマラチェフの身体を蹴り離し、マラチェフが寝かせに来たところでギロチンへ。かなりタイトに極まり、猿田はそのままマウントポジションに移行する。

苦しそうな表情のマラチェフだったが反転して脱出。猿田はがぶってコントロールしようとするが、マラチェフはそのまま身体を起こしてボディロックで押し込む。猿田は態勢を入れ変え、細かくヒザ蹴りを入れる。ブレイク後、マラチェフがジャブとワンツーで前進。猿田もマラチェフの右ストレートに右ストレートを返す。

3R、マラチェフはジャブ、スピニングバックキック。猿田もジャブで追いかけて右ストレート、そのまま組んでロープに押し込む。離れたマラチェフは猿田の左に合わせて組んで押し込む。互いにヒザ蹴りを入れ、態勢を入れ替える。

ブレイク後、猿田は上と下のフェイントを入れてシングルレッグからスタンドバックへ。ここでマラチェフはスイッチしてバックに回り、スクランブルなるとマラチェフがバックコントロールする。残り30秒でブレイク、猿田がパンチで前に出るとマラチェフがシングルレッグで組みつき、猿田が一発逆転のギロチンにいくが極まらず。判定ではマラチェフに軍配が上がり、猿田は約1年10カ月ぶりの復帰戦を勝利で飾ることはできなかった。


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【ONE FN19】キック&ムエタイ王者ハガティー「MMAグローブでムエタイをやりたくてONEを選んだ」

【写真】キックとムエタイの2冠王でもあるハガティーは「プライオリティを置いているのはムエタイだ」と語った (C)ONE

17日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE FN19にて、ジョナサン・ハガティーがONEムエタイ世界バンタム級王者として、フィリッピ・ロボの挑戦を受ける。
Text by Takumi Nakamura

タイ人に匹敵する多彩なテクニックとKOする破壊力を併せ持ち、ONEでムエタイとキックボクシングの2冠王に君臨しているハガティー。フライ級時代は減量苦に悩まされたが、バンタム級に階級を上げたことでONEを代表する立ち技ファイターとしての地位を確立させた。MMAPLANET初登場となるインタビューを公開!


――昨年11月のONE FN16ファブリシオ・アンドラジにKO勝利し、ムエタイに続いてキックボクシングルールでも世界王者になりました。あの試合を振り返っていただけますか。

「人間を超えた野獣のような2人の試合になって、そこでしっかり勝つことができた。これからはムエタイだけじゃなくてキックのベルトも防衛していきたい」

――ムエタイ→キックの順でベルトを獲ることになりましたが、どちらのルールを優先してやりたいという考えはあったのですか。

「やっぱり僕がプライオリティを置いているのはムエタイのベルトだ。僕はずっとムエタイをやってキャリアを積んできた。そしてノンオーという子供の頃から見ていた素晴らしいチャンピオンに勝って、ONEムエタイのベルトを巻くことが出来た。僕としてはムエタイのベルトをメインに防衛を続けていきたい」

――MMAPLANET初登場ということで、経歴的な部分も聞かせてください。ハガティー選手は何歳からムエタイを始めたのですか。

「僕の父がMMAファイターで6歳の時に始めて、最初はただ楽しむためにやっていた。13歳から真剣に取り組むようになって、今に至っている」

――ハガティー選手はONE公式サイトの所属の表記が「Keddles Gym/Knowlesy Academy/Team Underground」となっていますが、普段はどこで練習しているのですか。

「最初にKeddles Gymで練習を始めて、Knowlesy Academyに移って、今はTeam Underground MMAで練習している。このジムはMMAという名前がついているけど、ボクシング、キックボクシング、ムエタイとあらゆる格闘技を学ぶことが出来るジムなんだ」

――ハガティー選手は以前からテクニックに優れた選手でしたが、それはコーチの指導によるものなのですか。それとも自分でもテクニックを考えるのが好きなのですか。

「僕には父を含めて3人のコーチがいて、本当に素晴らしいコーチたちだ。それと同時に神様が僕に格闘技の才能というギフトもくれた。そのギフトを活かしてくれる最高のチームのおかげで今の僕があると思っている」

――ちなみにタイ人のコーチに教わったことはないのですか。

「普段はイギリスで練習をしているんだけど、試合前になるとタイのサムイにあるジムでトレーニングキャンプを行う。そこにはクジャックというタイ人コーチもいるけど、イギリスからトレーナーのクリスチャン・ノーズも一緒に来て、そのチームでトレーニングしている」

――イギリス人のトレーナーと練習して、一流のタイ人と渡り合うテクニックを身につけたのですね。それはすごく驚きです。

「そう言ってもらえてうれしいよ」

――ハガティー選手は色んな選択肢があったなかで、2019年にONEで対戦することを選びました。その理由を教えてもらえますか。

「ムエタイで最高峰の選手が揃っている舞台がONEだし、今もそれは変わらないと思う。それと何よりMMAグローブでのムエタイルールは、僕のファイトスタイルに最もフィットしているもので、ONEのムエタイルールで戦いたいと思って、ONEで試合することを選んだ。今こうしてONEで戦い、ベルトを巻けたことは本当にうれしいよ」

――また昨年フライ級からバンタム級に階級を上げましたが、かなり減量が厳しくなっていたのですか。

「その通り。フライ級時代は本当に減量が大変で、何度も試合前に病院に運ばれたことがある。その時にこれは階級を上げろというサインだと思ったし、チーム全員でバンタム級に上げることを決めたんだ」

――ハガティー選手はフライ級でロッタン・ジットムアンノンと2度対戦して、1度目は判定負け、2度目はTKO負けという結果でした。ずばりコンディションはかなり悪かったのですか。

「フライ級時代はどれだけいい状態に仕上げても70パーセントが最大だった。その状態でも最初のロッタン戦は負けていないと思っている。フライ級ではなんとか気持ちを奮い立たたせて戦っていたけど、やはりバンタム級の方がベストの自分で戦うことが出来る。だからぜひロッタンにはバンタム級に階級を上げてもらって、100パーセントの自分と戦ってほしい」

――今大会ではムエタイ王座をかけて、ランキング3位のフィリッピ・ロボと対戦します。ロボにはどんな印象を持っていますか。

「凄くハードワークでタイトルマッチまで上がってきた選手で、それはランキングにも表れていると思う。スタイルマッチアップでも、自分とはすごく合う相手だと思うけど、しっかり倒してベルトを防衛するよ。バチバチの打ち合いでファンが喜ぶエキサイティングな試合をしたい」

――先日、ONEの日本大会が開催されました。ハガティー選手も地元イギリスで試合をしたいという想いはありますか。

「もちろんイギリスに戻って戦いたいし、ONEもヨーロッパで大会を開催することを計画していると思う。イギリスのファンは最高だから、彼らの前で戦いたいね!」

――またONEがムエタイ・キックの試合を組むことで、多くのファイターが世界中で戦うことが出来るようになったと思います。その状況をどう思いますか。

「チャトリCEOとONEのおかげでムエタイがどれだけ素晴らしいスポーツを世界中に見せられていると思う。それはすごくうれしいし、彼らの取り組みには本当に感謝しているよ」

――日本ファンはキックルールでのハガティー選手と秋元皓貴選手の試合を望む声が多いです。彼との試合は意識していますか。

「僕とヒロキの試合は絶対に実現するだろう。ヒロキはすごくパワフルで強いファイターだけど、もし戦うことになったら勝つのは僕だよ」

――今では階級が変わったので簡単ではないことは百も承知なのですが……ハガティ、ロッタン、スーパーレック、武尊の4人が絡むところは見たかったです。一人の格闘技ファンとして。

「そう言ってくれてありがとう。どの選手も世界最高のファイターたちだから、僕も彼らとは戦いたい。ただ先ほど話したようにもう僕はフライ級まで体重を落とすことは難しいんだ。もし彼らがバンタム級に上げることになったら僕はいつでも戦うし、お互いに調整してキャッチウエイトでやることもありだと思う」

――ハガティー選手のようにテクニカルでKOを狙う選手は日本でもファンが多いです。最後に日本のファンにメッセージをいただけますか。

「日本からも応援してくれてありがとう。これからもファンのみんながドキドキ・ワクワクするような相手と戦って、エキサイティングな試合をするよ!」

■放送予定
2月17日(土・日本時間)
午前9時45分~U-NEXT

■ONE FN19 計量結果
※日本時間 2月15日 23時50分時点

<ONEムエタイ世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] ジョナサン・ハガティー:65.31キロ
[挑戦者] フィリッピ・ロボ:65.54キロ

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
セーマーペッチ・フェアテックス:65.77キロ
モハメド・ユネス・ラバー:未計量

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ダニエル・ウィリアムス:56.70キロ
リト・アディワン:56.59キロ

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
リアム・ノーラン:76.54キロ
ナウゼット・トルヒーリョ:76.66キロ

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
手塚裕之:82.78キロ
ヴァウミール・ダ・シウバ(ブラジル)➡アブラォン・アモリン:82.78キロ

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ルーク・リッシ:未計量
エディ・アバソロ:69.74キロ

<ミックスルール女子ストロー級(※56.7キロ)/3分3R>
ワンダーガール・ナット・ジャルンサック:56.70キロ
ダヤニ・カルドゾ:未計量

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
マンスール・マラチェフ:56.59キロ
猿田洋祐:56.59キロ

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
トンプーン・PKセンチャイ:56.70キロ
ティムール・チュイコフ:56.59キロ

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45 AB ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE FN19 RIZIN YUKI   アブラォン・アモリン クリスチャン・リー ジョナサン・ハガティー ジン・テホ ダニエル・ウィリアムス ダヤニ・カルドゾ チャンネル パク・デソン マンスール・マラチェフ リト・アディワン ルンピニー ヴァウミール・ダ・シウバ 中島太一 岡田遼 平良達郎 手塚裕之 海外 猿田洋祐 秋山成勲 鶴屋怜

【ONE FN19】手塚裕之、対戦相手がアモリンに変更も「自分の良いところを出せば相手の光は消える」

【写真】苦難は続く。それでも手塚はケージに入る。勝つために(C)SHOJIRO KAMEIKE

17日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE FN19にて、手塚裕之がブラジルのアブラォン・アモリンと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

手塚にとっては、昨年10月にスクランブル出場でジン・テホを下して以来の試合だ。今年1月の日本大会には出場ならずも、その後すぐに今回の試合オファーが届いたという。ただ、当初はヴァウミール・ダ・シウバと対戦予定であったが、計量時点で相手がアブラォン・アモリンとなっている(計量終了後も公式リリースはない)。苦難の戦いが続く手塚だが、勝利に向けて気持ちは清々しいほど明るい。


――日本を発つ直前にも関わらず取材を受けていただき、ありがとうございます(※取材は2月12日に行われた)。

「いえいえ。明日、日本を出発して夕方にはタイに着く予定です」

――昨年10月のジン・テホ戦は9日前の試合オファーだったそうですが、今回は準備期間もあって。

「オファーを頂いたのは試合の1カ月前でした。日本大会に出たいと思っていたけど、結局は試合がなくて。直前まで何があるか分からないから、ギリギリのオファーでも試合ができるように練習して、スタンバイしていたんです。でも日本大会では試合がなく『マジかぁ……』と思った直後に、『次のバンコク大会はどうですか?』という話が来ました」

――手塚選手にとってベストだったのは、日本大会で秋山成勲選手と対戦することだったのですか。ジン・テホ戦直後に秋山戦をアピールしていました。

「日本大会に出場するなら――ですね。僕が日本で試合をするなら、一番盛り上がる相手じゃないですか。秋山選手は名前もあって、レコード上は日本人選手には無敗ですし。そんなカッコいいまま引退してほしくないな、って。日本大会なら秋山選手と対戦したい。それは本心でした」

――その日本大会出場は叶わず。しかしルンピニー大会に出場できるので良かった、ということでしょうか。

「う~ん……日本大会で家族やチームメイト、応援してくれている人たちに試合を見せたかったという気持ちはあります。でもファイターは試合をして勝ち上がっていくことが一番の目的だし、ファイトマネーも特別変わらないのであれば、どこで戦うのも同じだとは思っていますね」

――日本大会か今回のルンピニー大会か。どちらにしても前回の試合から3~4カ月後という試合間隔です。ジン・テホ戦は1年8月振りの試合でした。

「4カ月というのは理想的な試合間隔ですね。何よりも、いつ試合があるか分からない状態が長いよりは、しっかり試合が決まって練習できるようが良いです。試合が決まっていない時期の練習って、『自分は何のために練習しているだろう……』と思う時もあるんですよね。9日前にオファーが来ることもあるから、いつ誰と対戦しても良いように普段から準備はしています。でも、前々から対戦相手も日程も決まっていたほうが、しっかりと自分をつくり上げることができるのも当然で」

――そんななか、セコンドとして岡田遼選手がタイへ帯同するそうですね。所属ジムが異なる岡田選手がセコンドにつくのは、どのような縁があったのでしょうか。

「岡田さんとは一緒に練習しているわけではないのですが、同い年ということを知って、そこからお互いのジムを行き来して意気投合しました。彼は現役選手であると当時に経営者でもあり、かつセコンドとして平良達郎君や鶴屋怜君のセコンドとして海外を飛び回っているじゃないですか。

対して自分の地元というのは、ジムの会長であっても格闘技とは別の仕事を持っているのが普通で。だから急に海外で試合をすることになっても、仕事があるから休みも取れない。前回の試合は9日前だから誰も来てくれる人がいなくて……岡田さんにお願いしたら、快諾してくれたんです。しかもRIZINの中島太一戦が終わってから10日後ぐらいで疲れも残っていたと思うんですけど、快諾してくれて良かったです」

――手塚選手は以前、海外の試合でセコンドを帯同できないこともありました。

「そうなんです。シンガポールで試合をした時は、コロナで現地に連れていくことができなくて――イヴォルブの会員さんを紹介してもらいました。

でも、『戦うのは自分だから』と思っています。もちろん普段から一緒にいる人のほうが良いかもしれないけど、自分の場合は試合直前ってそれほど体も動かさないので。体を休めながら、イメージトレーニングして試合を迎えています」

――そんななかで、岡田選手がセコンドを務めくれた時は……。

「やっぱり同い年だから自分も気を遣わずに、いろんなことをお願いできるんですよ。何より彼は頭が良い人で、指示も的確なおかげで前回は勝つことができたと思います」

――手塚選手がONEで戦うなかで、これまでも様々な困難がありました。それでもONEで戦い続ける理由は何でしょうか。

「まずは海外で、強豪外国人選手と対戦できるという点ですよね。そこでメインストリームにいることができる――かどうかは、自分次第ですけどね。あとはやっぱりファイトマネーの部分は大きいです。プロのファイターである以上、自分のことを高く評価してくれるところで戦いたいので」

――試合間隔は空きながらも、現在は3試合連続フィニッシュしています。その結果、ご自身がONEウェルター級のメインストリームにいると思いますか。

「どうなんでしょうね……。ONEは今、ライト級以上の階級はランキングがないから分かりづらいところはありますね。どうしても軽量級に目が行きがちで。自分の中ではトップ戦線の中にいるとは思っていますけど」

――ライト級&ウェルター級2冠王者のクリスチャン・リーが1年以上試合をしていないのも、階級の現状を考えづらい要因になっているとは思います。もしクリスチャン・リーが復帰し、手塚選手が挑戦者に選ばれた場合――自信はいかがですか。

「クリスチャン・リーかぁ……。もちろん対戦が決まれば、『絶対に勝つ!』という気持ちで試合に臨みます。でも自信があるかどうかは、やってみないと分からないですよね。やっぱり強いチャンピオンだし――何なんでしょうね、あの強さは(苦笑)。でも『対戦したい。ベルトに挑戦したい』という気持ちは、今もずっと持って試合をしています。そのためにも次の試合もバッと倒して、自分が一皮むけたところを見せたいですね」

このインタビューはダ・シウバ戦を前提としたものだったが、15日(木・現地時間)の計量後に手塚の対戦相手がアブラォン・アモリンに変更されたことが正式に発表された。アモリンのMMA戦績は9勝4敗で、昨年からONEに出場し1勝1敗だ。初参戦となったパク・デソンには1R KO勝利を収めたものの、昨年11月にはパキスタンのアフメド・ウジダバに三角絞めを極められている。ここまでライト級(※77.1キロ)で戦ってきたが、今回はスクランブル出場で、ウェルター級(※83.9キロ)契約で手塚と戦う。対戦相手の変更後、手塚がMMAPLANETに送ってくれたメッセージは次のとおりだ。

「前回は9日前のオファーで、前々回が1週間前に対戦相手が代わり――そして今回も現地に着いてから相手が変更となりました。それが僕らしいといいますか(笑)。ハードな状況でも勝つことができる。それが自分の成長を証明する手段だと思っています。

アモリンは喧嘩ができて、柔術が巧い選手という印象です。特に、きちんとフィニッシュに対する嗅覚を備えて、ここぞという時に攻め込むのが巧いというファイターですね。

でも僕が自分の良いところを出せば相手の光は消えます。いつもどおり極めて、4試合連続フィニッシュを狙います!」

■放送予定
2月17日(土・日本時間)
午前9時45分~ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN19 計量結果
※日本時間 2月15日 23時50分時点

<ONEムエタイ世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] ジョナサン・ハガティー:65.31キロ
[挑戦者] フィリッピ・ロボ:65.54キロ

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
セーマーペッチ・フェアテックス:65.77キロ
モハメド・ユネス・ラバー:未計量

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ダニエル・ウィリアムス:56.70キロ
リト・アディワン:56.59キロ

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
リアム・ノーラン:76.54キロ
ナウゼット・トルヒーリョ:76.66キロ

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
手塚裕之:82.78キロ
ヴァウミール・ダ・シウバ(ブラジル)➡アブラォン・アモリン:82.78キロ

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ルーク・リッシ:未計量
エディ・アバソロ:69.74キロ

<ミックスルール女子ストロー級(※56.7キロ)/3分3R>
ワンダーガール・ナット・ジャルンサック:56.70キロ
ダヤニ・カルドゾ:未計量

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
マンスール・マラチェフ:56.59キロ
猿田洋祐:56.59キロ

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
トンプーン・PKセンチャイ:56.70キロ
ティムール・チュイコフ:56.59キロ

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【ONE FN19】猿田洋祐と対戦、マラチェフ「サルタがケガなく、リングが下りられることを願っている」

【写真】まるで装飾されていない言葉を続ける。そこが強く感じられたマラチェフだ(C)MMAPLANET

17日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE FN19「Haggaerty vs Lobo」でマンスール・マラチェフが猿田洋祐と対戦する。
Text by Manabu Takashima

約1年10カ月ぶりの復帰戦となる元世界チャンピオン猿田に対し、マラチェフはキャリア初黒星を喫したジョシュア・パシオ戦以来の再起戦となる。とはいえマラチェフは、パシオ戦は自らの敗北と認めていない。確かに首を傾げたくなる裁定だったことも確かだ。

その上でONE独自の裁定基準を学んだマラチェフは、これ以上ない強敵となって猿田の前に立ちはだかる。そんなオーラをリモート取材でも醸し出していた。


──1週間後に猿田選手と戦います。今の気持ちを教えてください(※取材は10日に行われた)。

「しっかりと準備ができた。今は減量の時期に入っていて、今朝もしぼれてきたと実感している。とにかく良い試合ができるよう頑張るよ」

──ところでバンコクは常夏ですが、今ダゲスタンはどのような気候なのでしょうか。

「今は摂氏1度だ。でも大して寒くないし、もちろん暖かくもない。ごくごく普通だよ。タイで戦うのは3度目だけど、現地入りもファイトの直前だから向うで調整する時間はない。それもストレスにならないし、これまでも問題はなかった」

──今回が初インタビューとなるのですが、生まれも育ちもダゲスタン、マンスールもレスリングからMMAに転じたのでしょうか。

「そうだね、他の多くのMMAファイターと同じようにフリースタイルレスリングがベースでMMAに転向した。レスリングはダゲスタンの国技だからね。正直、レスリングでは望んだ結果を手にできなかった。同時にレスリングをやっている間もMMAをフォローしていたし、練習もしたことがった。そして、2013年になって本格的にMMAを始めるようになったんだ。次のステップに進む必要があると感じていたから。自分のレスリング力を生かして、より大きな夢を持つようになった。今のゴールはONE世界ストロー級王座を獲得することだよ」

──そのMMAで目覚ましい結果を残し、8連勝目にEagle FCのバンタム級王者に。そして9連勝目に同プロモーションのフライ級王座を獲得しています。北米メジャーへの登竜門であるEagle FCで二階級を制しながらアジアが拠点のONEと契約をしたのは?

「Eagle FCのベルトを2つ取った時、当然のようにステップアップを考えた。ONEは世界中で知られるオーガニゼーションだ。世界のベストで、タフな相手が揃っている。より優れた相手と戦うために、ONEと契約した。アスリートとして、それが一番成長に繋がるからね。ONEの一員になれて、ハッピーだ」

──ONEのハイドレーションが含まれた計量に関しては、戸惑うことはなかったですか。

「ONEストロー級の56キロは、Eagle FCのフライ級と同じ体重だ。ハイドレーション・テストがあるので、計量へのプロセスは違ってくる。ただし、それも2度経験した。今回はさらに上手くいく。元々、この階級では大きい方じゃないし、懸命に体重を落とす必要もない。この計量方法も凄く合っているよ」

──ではONEの裁定方法については、どうでしょうか。特に10月のパシオ戦は不満が残ったのではないでしょうか。あれだけドミネイトして、ギロチンのキャッチで敗れたような気もしました。

「前回の試合は15分の間、10分間はグラウンドでコントロールしていた。対して、スタンドでは彼は私の足を蹴ってきた。それが彼のやった全てだ。負けたとは思っていない。でも、ジャッジの見方は違ったということだ。まぁ、次の試合はフィニッシュする。そうすればこんな問題も起きないだろう。

同時にあの試合から、学ぶべきことを学んだ。だから、今回の試合は全く抜かりはない。コントロール中にパウンドを効果的に使い、ジャッジがおかしな裁定をしないように戦う」

──猿田選手の印象は?

「サルタはオールラウンダーで、経験豊かな元世界王者だ。既にその実力を見せてきた。前回戦ったジョシュア・パシオも元チャンピオンだったけど、ストライカーだった。対してサルタはレスリングを得意としている。でも私のレスリング能力の方が高い。打撃のあとに組み勝つ。それができるかが、この試合の鍵を握ってくるだろう。

再び元世界チャンピオンと戦えるということは、ONEが最高の相手を用意してくれたということだ。まさに自分が願った通りのことをONEはしてくれている。元世界チャンピオンに対して、私が何をできるのか。それを証明する試合になる。ファンに退屈な想いはさせない。サルタがケガなく、リングが下りられることを願っている」

──ところで3月1日にはジャレッド・ブルックス✖ジョシュア・パシオの世界ストロー級選手権が行われます。勝利者予想をしてもらえないでしょうか。

「6-4でブルックスだ。そしてサルタをKOかサブミットし、私が次期挑戦者になる」

──では日本のファンに一言お願いします。

「日本のファンにも、この試合をしっかりと見て欲しい。そして私もサルタもケガをすることなく、試合を終えられることを願って欲しい」

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【ONE FN19】猿田洋祐、難敵マラチェフとの復帰戦へ「強い相手を避けて今勝てる相手を探すつもりはない」

17日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE FN19にて猿田洋祐が約1年10カ月ぶりに復帰し、マンスール・マラチェフと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

2022年4月にグスタボ・バラルトに敗れたあと、自らのジム「Fight Beat Workout」をオープンした猿田。2年弱のブランクを作ることになったが、この時期に「Fight Beat Workout」をオープンしたのはONEとの契約を考慮し、復帰を見越しての選択だった。

対戦相手のマラチェフはランキング5位という数字以上の強さを持つ強敵だが、猿田は「強い相手を避けて今勝てるような相手を探すつもりはないし、そういう選択は僕らしくない」と語った。

──約1年10カ月ぶりの試合が決まりました。改めて復帰を決めた理由は何だったんですか?

「ずっと試合はやりたかったし、それと同じように自分のジムもやりたかったんですね。それで前回のバラルト戦で負けた時点で契約(試合数)が結構残っていて、それを消化し終わってからジムをやるとなると、かなり時間がかかってしまうので、それだったら一度試合を休んでジムを始めて、それから試合に復帰しようという考えになりました。結果的に1年10カ月で戻ってこれてよかったなと思っています」

――契約の状況を知らなかったのでバラルトに負けてジムを出して、1年以上試合から遠ざかっているとなると現役生活に区切りをつけることも考えていたのではないかと思っていました。

「ずっと復帰のタイミングは自分の中で探っていて、ジムの方も少し安定して任せられる人も出てきたので、そろそろ(復帰する)タイミングかなという時期です、今は」

──ご自分のジムを持ったということで、選手としての練習や生活リズムも変わったと思いますが、今はどういうスケジュールで練習しているのですか。

「ジムをオープンする前の練習量と比べると、年齢的に同じような練習はできないというのがあるし、自分のジムを持っている責任もあるので、自分の練習量は少なくなっています。メニュー的には自分のジムでフィジカルや基礎練習をやって、今までと変わらずHEARTSでスパーリングをやっています」

──やはり練習の強度そのものは落としているのですか。

「3回目のジョシュア・パシオ戦やバルラト戦を振り返ると、やりすぎている感覚というか。オーバーワークぐらいのスパーリングの量だったし、それでも『もっとできるんじゃないのか?』というぐらい突き詰めていく段階だったんで、試合が終わった時に体の限界は感じていました」

──猿田選手は練習の虫というか、練習量を多くやりたいタイプですか。

「そうですね。いつでも練習できるように、HEARTSの真裏に住んでいましたから。でも子供が生まれたタイミングでジムをオープンして、今も自分のジムから徒歩1分ぐらいの所に引っ越して、今もいつでも練習できる環境です」

──自分のジムを持ったことで練習に対する意識はどう変わりましたか。

「もちろん練習の強度は違いますし、より頭を使ったり、必要な部分だけを自分で探りながらやったりしている感じですかね。昔からそうですが、今はより初心に戻るというか基礎の部分、打撃もレスリングも柔術もそうですけど、そこを意識した作動だったり、フォームチェックだったり。フィジカル面でも縄跳びを長い時間跳ぶとか、そういうことをやっているうちに感覚を取り戻しています。スパーリングだけやっていると、体の負担やダメージも大きいので、上手くダメージが蓄積しないような練習をする。それが年齢に合った練習っていうんですかね? それができてきたかなという感覚があります」

──いい意味で自分のペースで、無理をしすぎない練習ができているようですね。

「今の練習スタイルに切り替えてから、もう2部練とか3部練はできないだろうと思ったんですけど、結局試合前にトレーニングに集中していたら、1日2回~3回は練習していますね。強度は違っても」

──例えばHEARTSでの対人練習で変化を感じることはありますか。

「なんていうのかな。正直、試合をやってみなきゃ分からない部分はあります。実戦と練習は違うので。最初はプロ練に参加するだけで結構きつかったんですよ。でもしっかり基礎をやっておいたおかげで前に戻ってきたというか、以前と同じ強度の練習ができたりとか、今のHEARTSの風間敏臣、木下カラテ、新井丈と練習しても普通に戦えるなっていうぐらいまでは持ってこれています」

──復帰戦の相手がマンスール・マラチェフに決まりました。対戦相手としての印象はいかがですか。

「本当に未知の強豪というか、パシオに敗れるまで無敗で、そのパシオ戦を見てもユニファイドルールだったら勝ってる内容だったし、復帰戦で凄いのを引き当てたなっていう感じです。穴という穴が見つからないというか、レスリングもしっかりできて、打撃も器用なタイプじゃないですけどパンチはしっかり伸びてくる。首系のサブミッションも持っているし、バランスの良い強いファイターだなっていう印象です」

──純粋に攻略が難しいスタイルだと思います。どんな試合をイメージしていますか。

「いろんな戦略や戦術の部分もあるんですけど、基本的には全局面で勝負しようと思っています。レスリングもそうですし、イメージ的にはスクランブル合戦というか攻守が激しく入れ替わるような、そういう試合をしていこうと思っています」

──テイクダウン&トップキープが強いタイプですが、そこを避けて戦おうとは思っていないですか。

「どこかを捨ててどこかで勝負するという感じじゃないですね。トータル全てで勝負して、苦しい時間帯も出てくると思うんですけど、そこで盛り返すのが自分の強みでもあるんで、それが出せればなっていう感じですかね」

──間違いなく強敵ですが、これからのキャリアのなかで、こういった相手と一戦一戦勝負していきたいですか。

「世界の強い選手とやりたいという理由でONEに来たわけで、強い相手を避けて今勝てるような相手を探すつもりはないし、そういう選択は僕らしくない。ジムをやっているからとか、年齢を重ねたからとか、オファーを断る・辞める理由は探せば出てくると思うのですが、客観的に見ても猿田洋祐という選手はそうじゃないんです。修斗の頃もそうでしたが、僕は相手を選ばずにどんな相手でもオファーを受けてきたし、誰よりもキツい道を選んでやってきたつもりなので、これから先もそういうチャレンジを続けたい。そしてONEでキャリアを終えたいという気持ちが強いので、復帰戦でこういう相手を用意してくださってありがとうございますっていう感じですね」

──先日の日本大会でも猿田選手と同階級の箕輪ひろば選手と山北渓人選手が敗れて、日本のファイターがなかなか勝てない状況が続いています。そのうえで猿田選手はどんな試合をしたいですか。

「色々と考える時間は長かったのですが、僕はONEでタイトルマッチを3回やらせてもらって、復帰してすぐ(ベルトに)挑戦したいとか挑戦させてほしいというつもりはないです。僕も自分のジムを出して、今後指導者として選手育成をやっていくうえで、30歳を超えた選手や自分と同じぐらいの年齢になった選手に対して、どういう練習をすればいいのか。そういう指導ができる人は少ないと思うんですよね。やっぱり20代とは違うアプローチをしないといけないし、疲労を抜きながら練習しないといけない。そういうことを含めて、自分の身体を使って経験していくような感覚なんです。だからこそ、結果が欲しくて、こういう取り組み方をしたらこういう結果が出るんだよ、30代後半でも結果を出せるんだよという道を作っていきたいです」

──ジムを始めたからこそ、そういう考えになったのですか。 

「それもあると思います。あとは試合間隔が空いたことで、さっきも言った通り、いきなりトップ選手たちとの練習に戻ることができなくて、そこを指導してくれる人がほとんどいなかった。30代を過ぎてから盛り返す、トップ戦線に戻る。僕はまだ自分が行けると思っているので、色々な取り組み方をして、どういう結果が出るのかを自分の体を使ってやっていく。それが面白いなと思っています」

──もちろん猿田選手は現役ファイターなので結果を出して高みを目指してほしいです。それと同時に日本人が海外で勝っていく方法を示してほしいという気持ちもあります。

「もちろん勝負なので、勝つためにやるのですが、それだけじゃなくて今後の人生や今後の指導にもプラスになるようなことを意識しながら、自分でいろいろ試しながらやっている段階です」

──では今回の復帰戦、どんな試合をファンのみなさんに見せたいですか。

「自分はもともと器械体操をやっていて、体操は相手と戦う競技じゃなくて、自分との戦い。練習でやってきたことを試合で出せるかの勝負なので、ある意味自分との勝負なんです。その感覚で格闘技に入ったので、もしかしたら他の選手とは感覚が違うかもしれないです。そのうえで今僕が考えていることは今日のインタビューで話したようなことで、それを僕が試合で見せることができたら、自分と同じように30代半ば~後半の選手たちにととって何かのきっかけになると思うし、そういう選手たちにも目が向くきっかけになるのかなと思っています」

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【ONE FN19】猿田洋祐、1年10カ月振りの実戦で難敵マラチェフと。手塚はダ・シウバ撃破でタイトル接近?

【写真】猿田、手塚、それぞれのONEへの想いがある(C)MMAPLANET

6日(火・現地時間)、ONE Championshipが17日(土・同)にタイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE FN19の全対戦カードを発表している。
Text by Manabu Takashima

これまでメインのONEムエタイ世界バンタム級選手権試合=王者ジョナサン・ハガティー✖挑戦者フィリッピ・ロボ、女子ストロー級でワンダーガール・ナット・ジャルンサック✖ダヤニ・カルドゾのミックスルール、ストロー級MMA戦のダニエル・ウィリアムス✖リト・アディワンなどが明らかとなっていたが、今回のアナウンスで全9試合が出揃い手塚裕之と猿田洋祐の参戦がオフィシャルなモノとなった。


昨年10月のONE FN15で10日前のオファーを受け、ジン・テホを腕十字で下したものの熱望していた日本大会の出場が叶わなかった手塚は、今後の進路を真剣に考えるようになっていた。しかし、バジェッドの関係で出場を逃したことで直後のFN大会への出場が決まり、心も晴れてヴァウミール・ダ・シウバ戦に臨むこととなった。

一方の猿田は2022年4月以来、1年10カ月振りの実戦復帰となる。グスタボ・バラルトに判定負けを喫した後、自らのジム「Fight Beat Workout」と開き現役生活に区切りをつけるという想いもあった。そんな猿田だが、ONEとの契約が残っていることで再び戦いの舞台に戻ってくることを決めており、今回マンスール・マラチェフを相手に再びグラブをつけることに。

(C)ONE

手塚と戦うダ・シウバはONEでは1勝2敗、通算9勝3敗のブラジル人ファイターだ。

元王者ゼバスチャン・カデスラムに86秒で敗れているダ・シウバを相手に4試合連続のフィッシュ勝利を挙げられれば、タイトル挑戦に繋がる舞台に進める──手塚にとって、終わらせることが大切になる試合だ。

(C)ONE

猿田と対戦するマラチェフは10月7日にジョシュア・パシオと対戦し判定負け、プロ12戦目で初黒星を喫している。

とはいえテイクダウン&コントロールで試合を支配しており、極め切れなかったギロチンのキャッチで星を落とした感はある。

MMAではパシオを上回っていたといっても間違いでないマラチェフに対して、猿田は組み勝つことを狙う選択をするのか。今やONEで判定勝ちを手にするには、MMAで総合的に支配するよりも、一発狙いの大砲で印象点を稼ぐ必要がある──と割り切ることも必要なほど、偏った裁定を考慮しなければならない。

とはいえ、ファイターは一発狙いの練習を日々課しているわけではない。そこには勝利を得るための組み立てが存在する。その組み立ての部分で、猿田が如何にマラチェフを攻略するのか。要注目のファイトとなる。

なお今週金曜日に開催されるONE Friday FightはU-NEXTでライブ中継されることが明らかとなっているが、このFight Night大会に関しては中継及び配信の発表はなされていない。果たして、どのアプリをクリックすればONE中継が視聴できるようになるのか、正式発表を待ちたい。

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45 AB MMA MMAPLANET o ONE ONE X ONE166 アンジェラ・リー イリャ・フレイマノフ ジャレッド・ブルックス ジョシュア・パシオ スタンプ・フェアテックス タイ・ルオトロ タン・カイ タン・リー デニス・ザンボアンガ ハム・ソヒ マイキー・ムスメシ マンスール・マラチェフ ライニア・デリダー

【ONE166】初のカタール大会、重要拠点構築へ豪華カード。スタンプ×ザンボアンガが追加、タイも投入

【写真】4つ目のMMAの世界タイトル戦 in カタールが決定した(C)ONE

16日(火・現地時間)、ONEが3月1日(金・同)にカタールの計画都市ルサイルのルサイル・スポーツ・アリーナで開催されるONE166「Quatar」でONE世界女子アトム級選手権試合=王者スタンプ・フェアテックス×挑戦者デニス・ザンボアンガ、サブミッショングラップリング世界ウェルター級選手権試合=王者タイ・ルオトロ×挑戦者アイザック・ミッチェルを組むことを発表した。
Text by Manabu Takashima

ONEにとって新たな投資筋というだけでなく、カタールは欧州標準時間帯と3時間しか変わらずヨーロッパという新たなマーケット開拓への足掛かりとなる大切なイベントだ。カタールを今後、拠点とできるのか。その重要度たるや、既に発表された試合からも十分に伝わってくる。


ONE世界ミドル級選手権試合王者ライニア・デリダーが、ライトヘビー級王座を失った相手=ヘビー級&ライトヘビー級2冠王アナトリー・マレキンにリベンジに挑む――誰がどのベルトを巻いているのか、謎解きのような――王座防衛戦。またデリダ―×マレキン1と同様に2022年12月4日のフィリピン大会と立場を変えて再戦となるのが、世界ストロー級選手権試合=王者ジャレッド・ブルックス×挑戦者ジョシュア・パシオの一戦だ。

パシオは10月にマンスール・マラチェフのTD&トップコントロールに苦戦を強いられたが、ギロチンの仕掛けを評価され、リベンジ戦にこぎ着けた。対してチャンピオンはベルトを巻いてからMMAの試合は1年以上なく、8月にマイキー・ムスメシのサブミッショングラップリング世界フライ級王座にチャレンジし、腕ひしぎ腕固めに敗れて以来の実戦となる。

さらに、これも2022年8月以来の再戦となるのが世界フェザー級王座統一戦=正規王者タン・カイ×暫定王者タン・リーのタンタン対決だ。前回は王者タン・リーが、挑戦者タン・カイのカーフで削られジェネラルシップを譲ってベルトを手放した。その後、7月にリマッチが組まれていたが、王者の負傷欠場によりタン・リーは、イリャ・フレイマノフと暫定王座決定戦を戦い、内ヒールで斬って落とした。

このように既報の世界タイトル3試合のテーマが再戦なのに対し、スタンプ×ザンボアンガは初顔合わせとなる。といっても彼女たちの間に因縁がないかといえば、そうではない。彼女たちはフェアテックスジムで共に汗を流した期間のあり、元チームメイト対決となる。

さらにいえばコ2020年2月28日にV.V.Meiを破ったザンボアンガは時のチャンピオン、アンジェラ・リーへの挑戦権を獲得したが、ロナ禍によりイベントスケジュールが大幅に狂い権利を行使できないまま挑戦権を賭けたアトム級GPが開催され、そこ参戦することとなった。

そのGPで優勝したスタンプは、アンジェラにONE Xで挑戦も逆転負けを喫し、アンジェラ引退により王座決定戦が組まれると、ザンボアンガと因縁少なからずのハム・ソヒをボディで沈めベルトを手にした。

ザンボアンガはGPでハム・ソヒを相手に大論争となった判定負けをし、再戦も接戦ながら返り討ちとなった。ハム・ソヒと接戦だったザンボアンガ、仕留めたスタンプ。現状の両者には、それだけの差は存在すると思われる。が、圧倒的なフィジカルを誇るスタンプに引けを取らないザンボアンガだけに、三段論法は当てはまらない可能性もある。

アブダビでなくカタールで行われるサブミッショングラップリングの世界戦。ルオトロ・ブラザースの兄=タイに挑むミッチェルは2022年の茶帯ノーギワールド優勝しており、昨年11月のADCCアジア&オセアニア予選88キロ級を制したばかりの豪州人組技師だ。

アジア&オセアニアを無双するミッチェルが、世界の最高峰に如何に挑むか。とはいえサークルケージやリングでタイが最近戦ってきた(つまりONEでの試合)相手はロシア系やMMAファイターのデリダ―で、いわゆるADCCを頂点とした組技ヒエラルキーのトップにある選手たちではなかった。

いってみるとタイは一昨年9月のADCC世界大会でニコラス・マレガリに敗れて以来、世界の潮流にある選手と戦ってこなかったになる。ミッシェルはダナハー門下であった当時に、米国に拠点を置きWNOの人材発掘リアリティショーなどで、しっかりと経験を積んでいる。ネームバリューとタイトル歴以上の強敵であり、タイにとってADCCイヤーの幕開けに相応しい、タフな挑戦者といえよう。

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MMA MMAPLANET o ONE ONE FN15 キック ジャレッド・ブルックス ジョシュア・パシオ マンスール・マラチェフ

【ONE FN15】パシオのギロチンがマラチェフのTD&トップキープより評価されて判定勝利

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ジョシュア・パシオ(フィリピン)
Def.3-0
マンスール・マラチェフ(ロシア)

パシオが右フック、右ロー、右ミドル。マラチェフがダブルレッグで組み付くが、パシオはそれを切る。試合がスタンドに戻るとパシオが右ボディストレート、左ジャブから右ロー・カーフを蹴る。ここでマラチェフが足を負傷したか、ステップを踏むとバランスを崩す。レフェリーに問題ないとアピールするマラチェフだが明らかに動きがおかしい。

そこにパシオは右カーフキック。マラチェフはシングルレッグからテイクダウンし、インサイドガードでトップキープする。マラチェフはコツコツとパンチを落とし、パシオはギロチンチョークを狙った。

2R、パシオは右のカーフキック。マラチェフもジャブを伸ばしてダブルレッグに入るが、脇を差して立つ。マラチェフはスピニングバックキック。パシオがシングルレッグに入るが、マラチェフががぶってギロチンへ。

パシオはマラチェフのガードに入らず、すぐにパスしてサイドポジションで抑え込む。マラチェフが身体を起こし、パシオがバックを狙うと、最終的にマラチェフが上にポジションを取り返す。マラチェフはインサイドガードで頭をつけてトップキープ。細かく鉄槌を落としつつパスガードを狙う。

3R、パシオがワンツーから右カーフキック。マラチェフはその蹴り足を取ってテイクダウンするが、パシオがギロチンチョークを狙う。苦しそうな表情を浮かべるマラチェフだが、頭を抜いて脱出する。

ここで試合終了のゴングが鳴るアクシデントが起こるが試合は続行。マラチェフはインサイドガードでトップキープすると、レフェリーがブレイクを命じ、両者を立たせる。かなり早いタイミングでのブレイクで、マラチェフは納得のいかない表情を浮かべた。

パシオが右アッパーから左フック、マラチェフは離れた間合いからテイクダウンを狙うがパシオは深く組ませない。パシオがパンチから右ハイにつなげ、マラチェフがダブルレッグを切ってがぶる。マラチェフはがぶられたまま、身体を返してポジションを取り返そうとするが、パシオがそこに再びギロチンを狙う。絞めるパシオ、極まってないとアピールするパラチェフ。この態勢で試合終了となり、パシオが判定でマラチェフを下した。

試合後、パシオは「長くてタフな10カ月だった。ジーザス、会場に来てくれたファン、ライオンネイションMMAの皆に感謝している。最初のバックフィストは見えていなかったよね。判定は自信があったよ。ギロチンを仕掛けた時に、うめき声が聞こえたから。彼はガードのなかでそれほど動きはなかった。ジャレッド・ブルックスの重さと比較してもね」と振り返った。


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ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE FN15 イリャ・フレイマノフ エコ・ロニ・サプトラ キック ジャン・リーポン ジョシュア・パシオ ジン・テホ タン・カイ タン・リー ダニエル・ウィリアムス チャンネル ティモフィ・ナシューヒン フー・ヨン ボクシング マイキー・ムスメシ マンスール・マラチェフ マーチン・ウェン ルンピニー 手塚裕之 若松佑弥 青木真也

【ONE FN15】暫定フェザー級王座決定戦は、実はパンチのタン・リー✖足・ヒザ・拳の連動フレイマノフ

【写真】どちらがコーナーに詰まるのか。そんな見所もある(C) ONE

7日(土・現地時間)、ONE Fight Night15「Le vs Freymanov」がタイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催される。日本からMMAで手塚裕之、青木真也がグラップリング戦に出場する今大会は、10試合中MMAが5試合組まれている。
Text by Manabu Takashima

10日間のショートノーティス出場となる手塚はジン・テホと戦い、全ストロー級王者ジョシュア・パシオの再起戦=マンスール・マラチェフ戦。若松佑弥に敗れたフー・ヨンが、インドネシアのレスラー=エコ・ロニ・サプトラと戦う一戦など興味深いカードが続くMMAマッチ、とりはメインイベント=ONE暫定世界フェザー級王座決定戦=タン・リー✖イリャ・フレイマノフ戦だ。


7月15 日のバンコク大会で王者タン・カイに、前王者タン・リーが挑む──タン・タン対決第2弾は、チャンピオンのヒザの負傷で延期となり、すぐに回復とならなかったため暫定王座が認定されることとなった。

今回のタイトル戦、タン・リーにとっては昨年8月にベルトを失って以来の実戦となる。フレイマノフのこの間に元二階級王者のマーチン・ウェン、草原の豪腕シネチャグタガ・ゾルツェツェグをTKO、そしてRNCで破っている。

オーソ基調のスイッチヒッターのフレイマノフは、蹴り終わりで構えを変えてパンチに繋げる動きに長けている。同様の動きはパンチへの連係だけでない。スレイマノフは蹴りからヒザ蹴り、そしてウェンに決定的なダメージを与えたヒザ蹴りからストレートというバラエティに富んだ足、ヒザ、拳のコンビネーションを有している。

このスイッチはテイクダウンにも応用でき、対戦相手からすればフレイマノフの攻撃は非常に予期しづらい。その一方でテイクダウンディフェンスにも長けており、倒されてからはスクランブルよりも背中をつけて極めとスイープの連係プレーも得意な流れといえる。

そんな万能ファイターのフレイマノフだが、シネチャグタガ戦では下がったところを追いかけて左を被弾したシーンがあった。この動きを見る限り、誘って左ミドルから左の追い突き、右の返しのフックというタン・リーの鉄板パターンにハマるケースも十分にあり得るだろう。

とはいえ、下がる相手に対してフレイマノフは圧倒的な強さを発揮するファイターだけに、タン・リーとしてはより中に入る打撃戦を繰り広げたいところだ。そこから組み&柔術もタン・リーにとってオプションの一つではあるが、組みぎわにスピニングバックエルボーを合わせる達人系の技を持つのが、フレイマノフ。

一点、タン・リーもスイッチヒッターだが、前手のパンチは粗く、奥手は真っ直ぐ綺麗に相手を射抜くシーンをたびたび見せてきた。これは左右どちらにも関係なく、大きな振りで釣って、奥からのストレートを打ち抜くという計算に基づいた攻撃手段のように感じられる。

武器の多さでフレイマノフ有利と予想される一戦をひっくり返すことができるタン・リーの攻撃は、このスラッピーな右からシュアな左ストレートと、蹴り&追い突きから&返しのフックというコンビだ。

それでもフレイマノフは常に蹴りと拳が連動しており、乱打戦になるとパンチに頼りがちになるタン・リーと勝負どころで差が出ることが十分に感がられる。結果、やはりフレイマノフに分がある暫定王座決定戦といえよう。

■放送予定
10月7日(土・日本時間)
午前8時30分~ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN15対戦カード

<ONE暫定世界フェザー級(※70.3キロ)王座決定戦/5分5R>
タン・リー(米国)
イリャ・フレイマノフ(ロシア)

<ONEキックボクシング世界ストロー級選手権試合/3分5R>
[王者]ジョン・ディベラ(カナダ)
[挑戦者]ダニエル・ウィリアムス(豪州)

<キック・フェザー級/3分3R>
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)
ジョー・ナタワット(タイ)

<サブミッション・グラップリング無差別級/10分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
青木真也(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ジョシュア・パシオ(フィリピン)
マンスール・マラチェフ(ロシア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
フー・ヨン(中国)

<ムエタイ121ポンド契約/3分3R>
ペッディージャー・ルクジャオポーロントン(タイ)
セレステ・ハンセ(豪州)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
ジャン・リーポン(中国)

<ムエタイ174.5ポンド契約/3分3R>
バムパラ・クヤテ(フランス)
シャキル・アルテクレティ(イラク)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
手塚裕之(日本)
ジン・テホ(韓国)

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