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【Grachan67】松場貴志に挑戦、御代川敏志「組みの自信がついたから、思いっきり打撃で勝負できる」

【写真】移動で交通機関の遅れが生じるなか、カラオケ店に入りリモート取材に応じてくれました (C)SHOJIRO KAMEIKE

4日(日)、大阪府豊中市の176BOXで開催されるGrachan67で、御代川敏志が松場貴志の持つフライ級王座に挑戦する
Text by Shojiro Kameike

昨年8月、フライ級挑戦者決定トーナメント決勝で児玉勇也をKOした御代川が松場への挑戦権を獲得した。それは御代川にとって、2021年12月に敗れている児玉にリベンジを果たした瞬間でもあった。これまで御代川といえばグラップラーの印象が強かったが、トーナメント中にストライカーへと変貌を遂げている。その御代川に、スタイルの変化とタイトルマッチへの意気込みを訊いた。


――御代川選手といえば丸坊主のイメージが強かったのですが、今は金髪になっています。確かグラジエイターに出場した時はドレッドヘアでした。いろいろ髪型が変化しているのですね。

「確かに変わっていますね。丸坊主にしたのは、ドレッドヘアが絡まるようになり、試合しづらくなったからなんですよ(笑)。でも、せっかく髪を伸ばしていて勿体ないなぁと思って、丸坊主にした時に刈った髪は今も部屋にあります」

――部屋にドレッドヘアが飾られているのですか!

「最初は髪の毛を寄付しようと思ったんですよ。どなたかがヘアエクステンション用に使えってもらえるように。でもゴチャゴチャに絡まっちゃったので寄付もできず、オブジェとして部屋に飾っています」

――髪型と同じように、御代川選手の試合スタイルも変化してきたように感じます。まずは御代川選手のキャリアについてお聞かせください。

「MMAを始めたキッカケはUFCでした。UFCを見てMMAを好きになり――当時はGSPの全盛期でしたね。選手としてはニック・ディアスが好きでした。それで高校1年の夏ごろ、部活代わりにジムに通い始めたんです」

――それまで何かスポーツは経験していたのですか。

「何もやっていなかったです。あんまりスポーツが好きではなくて。でもMMAを始めたら楽しかったので、『MMAで生活していけたら良いなぁ』と思うようになりました」

――なるほど。現在、MMAと並行して士道館の空手大会にも出場されているので、空手がベースなのかと思っていました。

「空手はやっていなかったです。僕が今、ネクスト赤坂ベースというジムで働かせてもらっていて。その職場で空手を教わってみたら、本当に楽しいんですよ。蹴りやのバリエーションや、基本稽古、移動稽古、型とか楽しいですね。だからMMAとは別に空手も練習しているという感じなんですよ」

――御代川選手のファイトスタイルの変化として、グラップラーからストライカーへと大きく変わりました。前回の試合ではカーフを効かせてから綺麗な右ストレートで児玉選手をKOしました。その変化は空手によるところが大きいのでしょうか。

「空手の影響もありますけど、一番は赤坂ネクストでムエタイを教わったことが大きいです。トレーナーはヌンさんを筆頭に――」

――ヌンさん、とは?

「ヌンサヤームですね、元ラジャダムナン王者の……」

――ヌンサヤーム・ギャットウィチアンさんですか! 元ラジャ2階級制覇王者で、日本でもトレーナーとしての評価も高いです。

「はい。試合でKOできるようになったのは、ヌンさんに教わってからです。打撃のコンビネーションだけではなく、倒せるパンチの打ち方、蹴りの打ち方——あとはその打撃を当てるための戦略や考え方がハマりました。試合のコンセプト、どう戦うかっていう」

――これは失礼な言い方になるかもしれませんが、トーナメント決勝で児玉選手をKOした時、「このコンビネーションを出せる選手だったのか!」と驚きました。

トーナメント決勝、児玉戦では開始早々、カーフが当たり強い音が響いたほどだった(C)GRACHAN

「アハハハ、そうでしょうね。以前は組みの要素が強かったと思いますし。カーフで試合をつくれるようになったことも大きくて。カーフの効かせ方は空手で鍛えられたモノかもしれないです」

――結果、あのトーナメント決勝でご自身も手応えを感じましたか。

「それまで練習ではできていたことが、ようやく試合でも出せるようになりました。自分でも言うのも何なんですけど、器用なほうなので練習では結構できたりするんですよ。でもそれを試合で出せないという期間が長かったです」

――御代川選手は2017年にプロデビューし、2021年までは勝ちと負けを繰り返すキャリアでした。しかし2022年以降は5連勝し、トーナメントでも優勝しています。打撃以外で伸びた部分はありますか。

「やっぱりパラエストラ千葉ネットワークで、組みが伸びたからですね。組みの自信がついたから、思いっきり打撃で勝負できる。パラ千葉に入ったのも、ヌンさんに打撃を教わり始めたのも3年前——ちょうど連勝が始まった頃でした」

――そこでグラチャンのフライ級挑戦者決定トーナメント出場の機会を得るのも、不思議な縁ですね。そうなると必然というか、運命かもしれません。

「はい。練習はガッツリやっていましたが、目標が定まっていない時期でした。あのトーナメントも代役出場だったんですよ。もともと同じパラ千葉の松井斗輝が出る予定で。でも僕が出ることになり、勝ったらベルトに挑戦できる。そのチャンスをもらえたことで、ベルトという目標ができました」

――ではトーナメントに向けて新たに強化してきたものはありましたか。

「強化したものというか……、準決勝(宮内拓海にスプリット判定勝ち)は直前に抽選でカードを決めることになって。でも直前まで対戦相手が分からないと困るじゃないですか。だから岩﨑(ヒロユキGrachan代表)さんにも『困ります』と言ったんですよ」

――すると岩﨑代表は……。

「このほうが選手も成長するから、って(笑)」

――アハハハ。実際に成長できたのでしょうか。

「そうですね。誰と対戦するか分からない。予想できない。だから普段の練習が大切で――自分も成長できたと思います。自分の希望としては児玉選手にリベンジしたかったけど、それは決勝で達成して優勝できたので良かったです」

――では挑戦するチャンピオン、松場選手の印象をお願いします。

「組みでも打撃でも、自分が勝てると思います。もともと自分で勝手に、松場選手に対して強いイメージを持っていました。でも試合映像を視ていると、組みも打撃も自分のほうがレベルは高いと思うようになって。ただ、松場選手はMMAとしてのレベルが高い。試合のつくり方が巧いですよね。だから自分も戦術とか、そういう部分が大切になってきます」

――今回、ベルト挑戦ということでモチベーションも上がっていますか。

「気持ちは上がっています。でも、いつもどおり戦いたいです。グラチャンのベルトを獲ったら、海外で試合をしてみたいですね。以前ストロー級で試合をしていた時は、ONEを目標にしていました。でも勝てなくて、いろんなジムを転々としていて……。それが今はパラ千葉で若い子たちと練習させてもらって、トーナメントにも出させてもらい、自分も成長することができました。もちろん国内でもそうだし、海外の試合も含めて、どれだけ自分が成長したのかを確かめたいです」

■視聴方法(予定)
2月4日(日)
午後0時30分~ GRACHAN放送局

■ Grahan67対戦カード

<Grachanバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者]手塚基伸(日本)
[挑戦者]TSUNE(日本)

<Grachanフライ級選手権試合/5分3R>
[王者]松場貴志(日本)
[挑戦者]御代川敏志(日本)

<ライト級/5分2R+Ex1R>
林”RICE”陽太(日本)
大道翔貴(日本)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
徳弘拓馬(日本)
南友之輔(日本)

<フェザー級/5分2R+Ex1R>
八木匠(日本)
櫻庭泰裕(日本)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
今村豊(日本)
堀之内蒼斗(日本)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
有田一貴(日本)
秋田良隆(日本)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
村上晴紀(日本)
木下竜馬(日本)

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DEEP Grachan Grachan65 MMA MMAPLANET o Road to UFC TSUNE UFC   ロクク・ダリ 中村京一郎 伊藤空也 原口伸 大原樹理 大搗汰晟 天野哲宏 宮内拓海 小谷 小谷直之 山本琢也 岩﨑ヒロユキ 岸本篤史 手塚基伸 林RICE陽太 桜井隆多 金井一将 鈴木崇矢 阪本洋平 高須将大 黒井海成

【Grachan65】岸本篤史戦はKO勝利を宣言、ロクク・ダリ─02─「タイトルマッチにふさわしい選手になる」

【写真】前編の舌出しとは打って変わって素の表情に--ちなみにリモート画面の背景は何の関係もないそうです(C)SHOJIRO KAMEIKE

15日(日)、東京都江東区のTFTホール100で開催されるGRACHAN65「15TH Anniv」のメインイベントで、岸本篤史と対戦するロクク・ダリのインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

MMAキャリアのほとんどをグラチャンで戦ってきたダリ。一度はGRAND王者となるも、ベルトを失いウェルター級からライト級に転向した。その先に目指すタイトルマッチへの想いに、格闘技に対する姿勢は真摯な姿勢が見られた。

<ロクク・ダリ インタビューPart.01はコチラから>


――ダリ選手は派手な試合内容と言動が目立つこともありますが、そのファイター観というのは理解できます。

「ありがとうございます」

濱村 でも毎月試合をしたいという割には、たまに連絡がつかなくなったりするんですよ。

「アハハハ! いろいろあるの。いろいろと、ね(笑)」

――何か言えないようなことをしているのですか(笑)。

濱村 別に言えないようなことじゃないんですよ。たとえばスマホの画面がバッキバキに割れて電話できなくなり、『いま奥さんのスマホから連絡しているんだけど――』って。そんなことが何回もあるから、『なんでそんなにスマホの画面が割れんねん!』と(苦笑)。

「ゴメンナサイ。私のスマホで子供がゲームしていることもあったり、いろいろあるの」

濱村 それだけじゃなくて、書けないこともありますよ。

――アハハハ。楽しそうなお話ですが、本題に戻ります。ダリ選手は2014年にプロMMA3戦目からグラチャンに出場しています。対戦相手は上山龍紀選手でした。

濱村 3戦目で上山さんと対戦できるなんて、激アツじゃないですか! もともと僕がグラチャンに出たことがあったので、以前から岩﨑ヒロユキ代表と面識はあったんですよ。細かい経緯は覚えていなくて申し訳ないのですが、その関係で岩﨑さんからお話を頂いて。

「僕がグラチャンに出始めた頃は、格闘技を始めてそんなに時間が経っていなかったです。当時は留学生として日本に来ていて、吉田道場で練習させてもらっていた時にグラチャンのアマチュアに出ました。当時はグラチャンだけでなく、日本の格闘技団体のことはよく分からないまま『ダリ、この試合どう?』『Here We Go!』という感じで試合に出ていました」

――当時から「Here We Go!」の精神だったのですね。

「2015年にDEEPで米田さんと試合をしてから、『これからはグラチャンでやっていく』という話をしたんですよ。大阪のグラジエーターに出たこともあるけど、それはグラチャンの選手としてGRANDタイトルマッチに出場しました。あの時は岩﨑さんから『グラチャンの選手として絶対に勝ってほしい』という気持ちが伝わってきたんです。その気持ちが嬉しくて、岩﨑さんにも『僕が絶対にベルトを獲るから』と約束したし、実際にGRANDのベルトを巻くことができて良かったですね」

――そのGRANDタイトルマッチまで8連勝を収めていますが、2019年に入りウィル・チョープと桜井隆多選手を相手に2連敗を喫しました。

「桜井さんとの試合は本当にショックでした。1R、2Rの途中まで自分が勝っていて、最後に『これは行けるかな』と思ったら負けてしまった……。ベルトまで獲られてしまって。ただ、桜井さんは凄いですよ。あれからまだ頑張っているし、今回も出るからね」

――桜井戦でGRANDのベルトを失ったあとは、何を目標としていたのでしょうか。

「試合後は『もう一度ベルトを獲りたいね』と思っていました。でもコロナ禍で試合できなくなって……。その頃に岩﨑さんから『ライト級でやってみる?』と言われたんですよ。もともと僕はウェルター級で試合をする時、ほとんど減量をしていなくて――普段から77キロか78キロぐらいだったから。僕も70キロなら落とせると思って、ライト級でやることにしました」

濱村 ずっとウェルター級でやっていたのは、プロデビュー戦で大原樹理選手と対戦した時に減量を失敗したからなんですよ。

「……あの時は何も分かっていなかったね。でも今はいろいろ勉強してきて、ライト級まで落とせるようになりました。ライト級に落としたほうが体の調子は良いです。試合でもリラックスして体を動かすことができるようになりましたよ。いま考えると、ウェルター級の時は相手が大きかった(笑)。『この人、同じ体重!?』と思うぐらいで。ライト級で、ようやく他の選手と同じ体格になった気がしますよね」

――そこで次はライト級でグラチャンのベルトを獲ろうと考えていたのでしょうか。

「いつかタイトルマッチをやりたい、という話はありました。でもその前に、順番がある。僕も最近はグラチャンに出ていなかったし、ずっとライト級で戦っている選手もいるから。僕はベルトが欲しい。やっぱりベルトを持っていると――気持ち良いじゃないですか。ベルトを持っていたら、僕はベルトを一緒に寝ます。まるで子供と一緒に寝るみたいに(笑)。

でもファイターは、ベルトのことばっかり考えていたらダメですよ。もしライト級の実績がない時に岩﨑さんが『ダリ、次はタイトルマッチだよ』と言ってきても、それは僕にとって良くない。まずファイターなら、いつでも試合ができるように準備しておく。ひとつ一つ試合で勝って、タイトルマッチにふさわしい選手になっていかないといけないですね」

濱村 こういうことを言って、急に良い子ぶるところがあるんですよ(苦笑)

「いや、たまには真面目なことも言わせて(笑)」

濱村 いまダリが言ったことは、本心です。普段は真面目なことを言わずに、こういう時に本心で真面目なことを言うから……。先ほど言ったように、連絡が取れなくなってムカッとする時もあります。でも格闘技の話をすると『あぁ、格闘技との向き合い方は本当に真面目なんやな……』って誤魔化されます(笑)。

――では次の対戦相手、岸本選手の印象を教えてください。

「岸本さんとは前に一度、試合が決まっていました。でも相手の怪我か何かで、試合が流れたんですよ。それでもう一度、僕とやりたいと思うなんて――岸本さんは凄いと思います。絶対に僕が勝つのにね。必ずKOしますよ」

――ライト級王者の原口伸選手がRoad to UFCに出場であるため、ベルトの行方は原口選手の結果次第というところです。ただ、今大会のダリ×岸本、小谷×林のライト級2試合がタイトルマッチに繋がっていくのは間違いないでしょう。

「次の試合は絶対に勝ちますよ。それで僕がタイトルマッチにふさわしい選手になれるんじゃないかと思っています。だからグラチャンには次か次の試合で、ベルトを用意しておいてほしい。僕はノー・ドーピングで頑張りますよ」

■視聴方法(予定)
10月15日(日)
午後2時00分~ GRACHAN放送局

■ Grahan65対戦カード

<バンタム級/5分2R>
手塚基伸(日本)
TSUNE(日本)

<ライト級/5分2R>
ロクク・ダリ(コンゴ)
岸本篤史(日本)

<ライト級/5分2R>
小谷直之(日本)
林RICE陽太(日本)

<ウェルター級トーナメント1回戦/5分2R+Ex1R>
渡辺良知(日本)
青木忠秀(日本)

<ウェルター級トーナメント1回戦/5分2R+Ex1R>
桜井隆多(日本)
上田拳翔(日本)

<J-MMA Rookies CUPフライ級決勝戦/5分3R>
金井一将(日本)
鈴木崇矢(日本)

<J-MMA Rookies CUPフェザー級決勝戦/5分3R>
黒井海成(日本)
人見礼王(日本)

<バンタム級/5分2R>
伊藤空也(日本)
高須将大(日本)

<フェザー級/5分2R>
大搗汰晟(日本)
中村京一郎(日本)

<ウェルター級/5分2R>
能登崇(日本)
芳賀ビラル海(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
YO-HEI(日本)

<ストロー級/5分2R>
朝日向大貴(日本)
牧ケ谷篤(日本)

<フェザー級/5分2R>
松田征也(日本)
ディオゴ・ロボ・トクナガ(ブラジル)

<バンタム級/5分2R>
萩原一貴(日本)
佐々木歩夢(日本)

<フライ級/5分2R>
宮内拓海(日本)
天野哲宏(日本)

<引退エキシビジョンマッチ/5分1R>
阪本洋平(日本)
山本琢也(日本)

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【Grachan65】運命の手塚基伸戦へ、TSUNE―02―「自分のやれることを出して、必ずベルトに辿り着く」

【写真】諦めない。昨年12月の悔しさを糧にして――(C)MMAPLANET

10月15日(日)、東京都江東区のTFTホール100で開催されるGRACHAN65 「15th Anniv」で、手塚基伸と対戦するTSUNEのインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

ノンタイトル戦で現役王者の手塚を倒し、ベルトを賭けた再戦まで繋げたいTSUNE。そのTSUNEにとって手塚とは、一人の対戦相手というだけではなく、実は「先生」だった――。オファーが届いた時、格闘技を始めた頃の記憶が蘇った。そして、この対戦に運命を感じずにはいられない。10月15日、万感の思いを込めてホーンが鳴る!

<TSUNEインタビューPart.01はコチラから>


――グラチャン初参戦で現バンタム級王者の手塚選手とのノンタイトル戦に臨みます。

「……手塚さん、僕のことを覚えていますかね?」

――手塚選手はインタビューで「TSUNE選手とはドリーマージムの食事会で話をしたことがある」と仰っていました。

「えっ!? 覚えてくれていたんですか。僕がドリーマージムに入った時、手塚さんはクラスの指導を担当していて、僕はいち会員でした。だから僕のことは覚えていないと思っていたんです。今回の試合が終わった後に、『僕のことを覚えていますか? 実はドリーマージムで……』なんて聞こうと考えていたぐらいで(笑)」

――TSUNE選手は藤田大和選手のご家族が運営していたドリーマージムで格闘技を始め、当時ドリーマージムのMMAクラスは総合格闘技道場コブラ会が指導を担当していました。コブラ会から手塚選手が指導で大阪から岡山へ派遣されていたのですよね。

「はい。だから手塚さんって、僕にとってはドリーマージムで最初に格闘技を教えてもらった先生なんですよ(笑)。年齢も近いし、話しやすい人で、いろいろ教えてもらいました」

――当時の手塚選手の印象はいかがですか。

「メチャクチャ強かったです。ニーインザベリーだけで抑え込まれて『プロ選手に抑え込まれると、こんなに動けないんだ!』と思いましたから」

――TSUNE選手も東京に移ってMMAでプロデビューし、バンタム級で戦っていくなかで手塚選手との対戦を意識したことはありましたか。

「対戦を考えたことはなかったです。僕がプロデビューしてからDEEPを中心に試合をしていた時、手塚さんはいろんな大会に出ていたじゃないですか。それで僕がパンクラスに参戦になってからは、手塚さんはパンクラスに出ていなくて。だから手塚さんと交わることはないのかな、と思っていました」

――大会会場で話をすることもなかったのですか。

「会場で見かけることはありましたけど、僕のことなんて覚えていないだろうと思っていたので……。その時は手塚さんも忙しそうでしたし、改めて挨拶する時間もなかったというか。今は東京と大阪で離れていますしね。手塚さんの言う食事会のことも覚えていますよ。もともと僕はプロ選手になりたいと言っていたから、大和のお父さんが手塚さんを呼んで食事会をセッティングしてくれたんです」

――今回の試合が決まった時、藤田大和選手は何と仰っていましたか。確か藤田選手もMMAクラスに参加していたはずですが……。

「手塚先生と試合するんですね、と言っていました」

――藤田選手は手塚選手のことを、完全に「先生」呼びなのですか。

「当時、大和は中学生でしたから。その時に組み技を教わっていた人だから、今でも『手塚先生』と呼んでいますよ。だから今回の試合は、セコンドを大和にお願いしたかったんですけど」

――完全にドリーマージム繋がりの試合になりますね。

「でも大和がUAEWに出ることが決まって。さらに大会が20日から17日に変更されたので、セコンドにはつくどころか試合の日は東京にもいないんですよね」

――なるほど。それは残念です……。

「でも僕が今回勝って、次のタイトルマッチに繋げますから。ベルトを賭けて再戦する時は、大和にセコンドについてもらいます」

――ドリーマージムは今年に入って惜しまれながら閉館となりました。その年に手塚選手とTSUNE選手が対戦するのは、何か運命的なものを感じずにはいられません。

「不思議な縁ですよ。おそらくプロモーターサイドも、オファーした時点ではこの繋がりを知らなかったと思います。大和のお父さんが始めたジムから、こうして皆が繋がって。一番はこの試合を、大和のお父さんに見せたかったですね。もうお父さんは亡くなっていて……、天国から僕と手塚さんの試合を見ていてほしいです。

格闘技ファンは『ドリーマー』と聞いたら、格闘DREAMERSを思い浮かべるかもしれません。でも僕たちにとっては、あのドリーマージムであり――今回の試合は、僕たちの『格闘技DREAMERS』なんです」

――それだけの想いがこもった試合ですね。では改めて、先生としてではなくファイターとしての手塚選手の印象を教えてください。

「印象は――タフな選手ですよね。年齢は僕より2歳下だけど、いろんな大会で戦ってきて、たくさんベルトも巻いてきている選手です。手塚選手って、やることが決まっているタイプだと思うんです。でも、それで勝つことができる選手は数も少なくて。強い、とにかく強い相手です」

――対して、TSUNE選手もやることが決まっている選手だと思います。あるいは、この試合で新しいものを見せることもあるのでしょうか。

「いろいろ準備はしていますけど、まずは自分のやれることを、試合で出す。それを出せるように、今はいろいろと練習で試しているところです。全てが終わったら――いつか大和も交えて手塚選手と酒でも飲みながら、ドリーマージムの話をしたいですね。その前に、必ず勝ってベルトまで辿り着きます」

■視聴方法(予定)
10月15日(日)
午後2時00分~ GRACHAN放送局

■ Grachan65対戦カード

<バンタム級/5分2R>
手塚基伸(日本)
TSUNE(日本)

<ライト級/5分2R>
ロクク・ダリ(コンゴ)
岸本篤史(日本)

<ライト級/5分2R>
小谷直之(日本)
林RICE陽太(日本)

<ウェルター級トーナメント1回戦/5分2R+Ex1R>
渡辺良知(日本)
青木忠秀(日本)

<ウェルター級トーナメント1回戦/5分2R+Ex1R>
桜井隆多(日本)
上田拳翔(日本)

<J-MMA Rookies CUPフライ級決勝戦/5分3R>
金井一将(日本)
鈴木崇矢(日本)

<J-MMA Rookies CUPフェザー級決勝戦/5分3R>
黒井海成(日本)
人見礼王(日本)

<バンタム級/5分2R>
伊藤空也(日本)
高須将大(日本)

<フェザー級/5分2R>
大搗汰晟(日本)
中村京一郎(日本)

<ウェルター級/5分2R>
能登崇(日本)
芳賀ビラル海(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
YO-HEI(日本)

<ストロー級/5分2R>
朝日向大貴(日本)
牧ケ谷篤(日本)

<フェザー級/5分2R>
松田征也(日本)
ディオゴ・ロボ・トクナガ(ブラジル)

<バンタム級/5分2R>
萩原一貴(日本)
佐々木歩夢(日本)

<フライ級/5分2R>
宮内拓海(日本)
天野哲宏(日本)

<引退エキシビジョンマッチ/5分1R>
阪本洋平(日本)
山本琢也(日本)

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【Grachan65】J-MMA Rookies CUPフライ級決勝=鈴木崇矢「格闘技をして、生き物として強くなりたい」

【写真】J-MMA Rookies CUPは、鈴木のような立ち位置にいる選手にとっては本当に良い機会になったことだろう(C)MMAPLANET

15日(日)、東京都江東区のTFTホール100で開催されるGRACHAN65「15th Anniv」のJ-MMA Rookies CUPフライ級決勝戦で鈴木崇矢が金井一将と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

格闘DREAMERS出身、POUNDSTORMでプロデビューし、J-MMA Rookies CUPを順調に勝ち進んできた鈴木。3月のトーナメント一回戦を終えて、MMAへの向き合い方が変わり、気持ちを新たにMMAに取り組んできたことという。UFCという明確な目標に向けて、MMAファイターとして進化を続ける鈴木に話を訊いた。


――GRACHAN65でJ-MMA Rookies CUPフライ級 決勝戦を控える鈴木崇矢選手です。試合が目前に迫っていますが、今の心境ですか(※取材は11日に行われた)。

「いつも通りの試合前だなって感じで、今はもう落ち着いています。いつも緊張よりも楽しみな気持ちの方が大きいので『やばい。試合だ…』ではなくて『よし! やってやるぞ!』って気持ちです」

――5月の準決勝ではしゅんすけ選手のシングルレッグを潰してバック→マウントをとってからのパウンドアウトでした。あの試合の良かった点、悪かった点はどこですか。

「今まで以上にMMAとしての練習をがっつりやったうえでの試合で、何が来ても大丈夫と思えるぐらいチームと一緒に作り込むことができた試合だったので、それがああいう結果になったと思います。良かった点・悪かった点というより、MMAの練習をして試合に臨めたという部分で、一つの道が開けた・見えた試合ではありました」

――それまではそこまでMMAらしい練習をしていなかったということですか。

「僕は殴って勝つことが好きなので、そのための練習ばかりになっていたんですよ。でも3月の一回戦(小田魁斗に判定勝ち)が終わったあとに自分の戦い方を見つめなおして、ちゃんとMMAとして勝つためには何が必要なのかを髙谷(裕之)さんと岡見(勇信)さんに指導してもらって、それがちょっとずつ形になる中で臨んだ試合でした」

――ずばり「試合になったらぶっ飛ばせばいい」くらいの感覚だったのですか。

「はい。とにかくタックル切って殴る、みたいな。でもMMAをやる人間としてMMAをちゃんと理解して学ばないといけないと思いました。練習そのものはむちゃくちゃキツくて、僕は落ち込みやすい性格なんです。自分がイメージしている動きと実際の自分の動きにギャップがあると、それが段々と積み重なって、本当に落ち込んでました(苦笑)。でもそこで踏ん張って練習を続けたからこそ見えてきたものがあります」

――具体的にはドリル練習などを増やしたのですか。

「それまではスパーリングばっかりやって、それで練習した気になっていたんです。5月の試合前は自分が嫌な態勢から始めるシチュエーションスパーやドリルを延々とやって、完全に心が削れていましたね(苦笑)。今思えばそんな簡単にできるものじゃないんですけど、この時期に細かいけど自分の土台になる練習をやってもらいました」

――鈴木選手は空手出身で、MMAに必要なレスリング・グラップリングの練習を一から学ぶことは苦手分野でしたか。

「テイクダウン狙いを切ることには自信があるんですけど、MMAで勝つためにはそれだけではいけなくて。MMAはやればやるほど味が出るというか、いぶし銀の競技だと思うんですよ。そういう技術や歴史を髙谷さんや岡見さんから教わると『先輩たち、やばい!』みたいに思って。MMAに対する深みっていうんですかね。やっぱり3月の試合で『ちゃんとMMAをやらないと強くならない』って身体が感じたんです。

感覚、瞬発力、反応、僕の場合は若さ。今はそれに任せてバババババッ!と動けちゃうんですけど、それには限界がある。例えば今のUFCチャンピオンはほとんど30代で、一番若いショーン・オマリーでも28歳なんですよ。これって絶対何か理由があるよなって思った時に、僕はMMAをやりこんだ時間と量だと思ったんです。だったらやるしかねえじゃん──みたいな。MMAはやることが多いというのは頭では分かっていたけど、自分の身体で気づけたことはこの半年くらいの大きな収穫だったと思います」

――そういった意味ではプロ3戦目でJ-MMA Rookies CUPのような各団体を交えたトーナメントに出場することが決まったことは大きなステップアップですね。

「僕がプロで出た試合はPOUND STORMとEXFIGHTなので、ある意味、身内の大会だったと思うんです。だからJ-MMA Rookies CUPで初めて外の大会や試合に触れたのでデビュー戦のような気持ちでした。しかも各団体の選手たちと交わる貴重な機会だったし、本当にありがたいです」

――しかも出場選手のキャリアがほぼ同じという部分も刺激になると思います。

「オファーをもらった時からモチベーションは高いですね。修斗の新人王とかパンクラスのネオブラッドトーナメントとかDEEPのフューチャーキングトーナメントとか、若くてキャリアが浅い選手のためのトーナメントって各団体にあると思うんですけど、そういう戦いを団体関係なくできるっていうのがすごくワクワクするんですよ。何て表現したらいいか分からないけど…ワクワクしました(笑)!」

――決勝で対戦する金井一将選手にはどんな印象を持っていますか。

「シンプルにガンガン前に出てくるグラップラーですよね。僕が勝つパターンと苦戦するパターンがはっきりイメージできる相手かなと思います」

――MMAファイターとしての成長を感じる中、どんな試合をして勝ちたいと思いますか。

「今の僕はめちゃくちゃ強いんで、一方的に相手を殴って、気づいたら相手が倒れているんだろうなって感じです」

――レスリング・グラップリングの技術が上がったことで打撃の面でプラスになったこともありますか。

「ルーツである空手とMMAの打撃を上手くミックスできているので、今まで以上にスピードも威力もタイミングも精度も上がっていると思います。今の自分が試合をしたらどうなるんだろう?という自分への楽しみもありますね」

――トーナメント優勝も含めて、今後に向けてどのような目標を持って戦っていきたいと思いますか。

「ちゃんと優勝することが大前提として、UFCに出るためにはどうしたらいいかを考えたときに、今だったらRoad to UFCがアジア人にとってUFCへの明確な道だと思うんですよ。チャンスがあればいつでも出ていきたいし、国内でベルトを獲ることもRoad to UFCへの近道になると思うので、ベルトも狙っていきたいです」

――今日初めて鈴木選手を取材しましたが、明確な目標を立てて、そこから逆算して自分がやるべきことを考えられる選手だと感じました。UFC王者の年齢を自分と照らし合わせて考える選手は少ないと思います。

「ありがとうございます(笑)。僕は格闘技をやっていて生き物として強くなりたいという気持ちがあって、その基準で一番強いのはUFCチャンピオンだと思うんですよ。だから(MMAを)始める前からUFCチャンピオンなろうと思っていたし、UFCチャンピオンになるという目標・意思は本当に固いです」

――それでは最後にファンのみなさんに向けてメッセージをお願いします。

「いつも応援ありがとうございます。しっかり勝って優勝してくるので楽しみにしていてください!」

■視聴方法(予定)
10月15日(日)
午後2時00分~ GRACHAN放送局

■ Grahan65対戦カード

<バンタム級/5分2R>
手塚基伸(日本)
TSUNE(日本)

<ライト級/5分2R>
ルクク・ダリ(コンゴ)
岸本篤史(日本)

<ライト級/5分2R>
小谷直之(日本)
林RICE陽太(日本)

<ウェルター級トーナメント1回戦/5分2R+Ex1R>
渡辺良知(日本)
青木忠秀(日本)

<ウェルター級トーナメント1回戦/5分2R+Ex1R>
桜井隆多(日本)
上田拳翔(日本)

<J-MMA Rookies CUPフライ級決勝戦/5分3R>
金井一将(日本)
鈴木崇矢(日本)

<J-MMA Rookies CUPフェザー級決勝戦/5分3R>
黒井海成(日本)
人見礼王(日本)

<バンタム級/5分2R>
伊藤空也(日本)
高須将大(日本)

<フェザー級/5分2R>
大搗汰晟(日本)
中村京一郎(日本)

<ウェルター級/5分2R>
能登崇(日本)
芳賀ビラル海(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
YO-HEI(日本)

<ストロー級/5分2R>
朝日向大貴(日本)
牧ケ谷篤(日本)

<フェザー級/5分2R>
松田征也(日本)
ディオゴ・ロボ・トクナガ(ブラジル)

<バンタム級/5分2R>
萩原一貴(日本)
佐々木歩夢(日本)

<フライ級/5分2R>
宮内拓海(日本)
天野哲宏(日本)

<引退エキシビジョンマッチ/5分1R>
阪本洋平(日本)
山本琢也(日本)

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DEEP Grachan Grachan65 MMA MMAPLANET o RIZIN TSUNE UFC VTJ パンクラス ルクク・ダリ 中村京一郎 伊藤空也 修斗 国内MMA 堀友彦 大搗汰晟 天野哲宏 宮内拓海 小谷 小谷直之 山本琢也 手塚基伸 林RICE陽太 桜井隆多 藤田大 藤田大和 鈴木崇矢 阪本洋平 高須将大 黒井海成

【Grachan65】TSUNEと対戦――手塚基伸―01―「極めるのが浪漫」&「なんちゃって格闘技ではない試合」

【写真】前列左から2番目が若き日のTSUNE。後列中央が手塚、左端は藤田大和 in ドリーマージム時代(C)SHOJIRO KAMEIKE

15日(日)、東京都江東区のTFTホール100で開催されるGRACHAN65 「15th Anniv」で、TSUNEと対戦する手塚基伸のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

手塚が初めてグラチャンに出場したのは、2014年4月の中村謙作戦であった。あれから約9年が経った今の手塚にとってのグラチャンとは――。さらに今回対戦するTSUNEとの意外な関係についても語る。

<手塚基伸インタビューPart.01はコチラから>


――ここで手塚選手とグラチャンの歴史についてお聞きしきます。手塚選手のグラチャン初出場が2014年4月の中村謙作戦でした。当時、どのような経緯でグラチャンに参戦することになったのでしょうか。

「2012年からパンクラスを経てUFCに出たあと、VTJやROAD FGCを含めて4敗していました。その時にグラチャン代表の岩﨑(ヒロユキ)さんからオファーを頂いたんです。なぜあの時の自分に声が掛かったのか分からないんですけど(笑)。

グラチャンからのオファーを受けた理由は、一番はベルトが欲しかったからです。昔から沖縄の天下一ファイトや、パンクラスでもランキング上位には入るけどタイトルマッチが組まれなくて。だからベルトへの執着心もあったし、年齢的にも――当時は25歳ぐらいで、『ここらへんでベルトを獲っておきたい』と思っていました。その時期に来たグラチャンからのオファーはタイトルマッチやったんで、飛びつきました」

――当時のグラチャンの印象はいかがでしたか。

「今でこそグラチャンも大きくなったけど、当時は大会中ずっと音楽がガンガン鳴っていたり、他のMMA大会とは雰囲気が違っていたじゃないですか。そんなグラチャンに出ることが決まって、周りからはボロクソ言われましたよ。『手塚は堕ちた』って」

――国内MMAといえば修斗、DEEP、パンクラスなど「老舗」と呼ばれるプロモーションがあります。手塚選手がグラチャンに参戦した当時は、インディー系と呼ばれた他のプロモーションと老舗3プロモーションの序列が今とは違い明白でした。

「正直、自分もグラチャンを見たことがなくて。あと自分もまだUFCを捨てきれていなかったというか、またUFCに出られるんじゃないかという雰囲気もあったんです。まず国内でベルトを巻いて、もう一度UFCへ――という想いだったので、まさか自分のホームになるとは考えていなかったですね」

――ではグラチャンをホームだと考えるようになったのは、いつ頃でしょうか。

「俺がグラチャンを背負うと思ったのは、グラチャンンのベルトを巻いたあとにグラジエーターで大道翔貴選手に負けて(2016年7月に判定負け)、次にZSTで柏崎剛選手と対戦した頃(同年11月に判定勝ち)ですね。大道選手に負けて、現グラチャンン王者として申し訳ないという気持ちでベルトを返上しましたから。その頃からグラチャンへの愛が芽生えてきたのかな、と思います」

――2019年からは修斗に参戦しています。その時も、グラチャンの選手として修斗に出ているという気持ちは強かったのですか。

「グラチャンの10周年記念大会(2018年9月、GRACHAN36)で堀友彦選手に負けてベルトを獲れず、自分は一度引退したんです。当時は試合に出ながらアルバイト生活みたいな感じで。だけど子供が生まれたから……堀戦で負けたら引退して、ちゃんと仕事を始めようと思っていました。結果は負けて、とある会社の正社員になってMMAからは離れたんです。でも8~9カ月後ぐらいに復帰することになった際に、『自分はもうグラチャンには必要ない選手やな』と思って」

――というと?

「もうグラチャンのバンタム級では全員と対戦していましたから。それやったら新しい場所で、気持ちも新たにして戦おうと考えました」

――様々なベルトを獲得した手塚選手にとって、もう一度グラチャンのベルトを獲りに行ったことは、どういった意味を持っていたのでしょうか。

「子供にベルトを見せたかった――それが一番ですね。先ほども言ったとおり子供が生まれたばかりの時の試合で。そう考えると、僕のキャリアの節目には、常にグラチャンがあったような気がします。まずベルトが欲しいと思った時に最初のオファーがあって、子供が生まれた時にベルトを見せたい、負けたら引退しようというのが堀戦で」

――堀戦以降はグラチャンの試合を含めて7勝1敗の戦績で、グラチャンのベルトも取り戻しています。何再び上昇気流に乗っているような感覚はありますか。

「実は、ありますね(笑)。RIZINのヤマニハ戦は負けてしまいましたけど、その前には6連勝していますから。それも『格闘技と共存しよう』と思ってからですよね。格闘技も大事やし、家族もジムも大事。特に子供は――今5歳なんですけど、今この時間は戻らないものじゃないですか。だから、できるだけ子供と一緒にいる時間を増やしたいです。でも死ぬ時に後悔したくないから、MMAもしっかりやりたい。どれかが突出することなく、全てがうまく回り始めているのかなと思います。

昔は時間があったから、いろんなことをやろうとしすぎてパンクしかけていましたよね。でも今は『できないことは止めて、できることを伸ばそう』とかも考えることができる。たとえば以前は壁を使って立ち上がるとか……苦手なことを身につけようとして(苦笑)」

――苦手なことって、自分で言ってしまいましたね(笑)。

「アハハハ。それを練習しても、試合では使わなかったですしね。今は逆転の発想といいますか、引き込んで極めるという」

――特にグラチャンのベルトを取り戻した伊藤空也戦では、ケージを使ってテイクダウンするのではなくケージを使って極めるという、ある意味新しいスタイルを見せました。

「やっぱり僕にとっては極めることがMMAの浪漫で、僕に対してその需要があるかぎりMMAを続けていきたいです。最近は手の置き方、体の動かし方や重心移動とか、ようやく『力を使わずに極める』ということが分かってきました」

――そして迎える15周年記念大会でTSUNE選手と対戦します。TSUNE選手について、今まで対戦を意識したことはありましたか。

「対戦を意識したことはないけど、TSUNE選手が本名で戦っていた頃から試合は視ていました。年齢はTSUNE選手のほうが2歳上ですけど、やっぱり同じ時代を生きて来たファイターですからね。とにかくトップキープが強い選手で、お互いに『やることは決まっている』というタイプですよね」

――TSUNE選手の試合を視ていたのは、過去に繋がりがあったからですか。

「あぁ、岡山県のドリーマージムですよね」

――2008年ごろにTSUNE選手が格闘技を始めたのが岡山県倉敷市のドリーマージムで、手塚選手も当時ドリーマージムのMMAクラスで指導されていました。

「そのドリーマージムの食事会とかで、TSUNE選手と話をした記憶はあるんですよ(笑)。確かもともと野球をやっていて、ドリーマージムには一般会員さんとして入会していたと思います。それが食事会だったと思いますけど、いずれ東京でMMAをやりたいという話を聞きました。不思議なもんですよね。ここでその2人が試合をするとは……」

――本当に不思議な縁です。そのTSUNE選手との試合は、どのような内容になると思いますか。

「相手が何をしてこようと、何かしてきた時にパッと対処していきます。特に試合のプランがあるわけではなく、そこに足があれば足を極めるし、腕があれば腕を極めたい。僕って、直感型やと思うんです。何か考えながら動くよりも、パッパッと流れで動くことで、決められなくても次の流れに繋がっていくじゃないですか。自分も長いことMMAをやってきたので、その流れは身体に染みついています。

グラチャンの15周年記念大会で、パンクラスのベルトにも挑戦したことがあるTSUNE選手と対戦できるのは嬉しいです。お互い30代後半で、SNSで盛り上げるような『なんちゃって格闘技』ではない試合を見せることができると思います。ぜひ期待してください」

■視聴方法(予定)
10月15日(日)
午後2時00分~ GRACHAN放送局

■ Grachan65対戦カード

<バンタム級/5分2R>
手塚基伸(日本)
TSUNE(日本)

<ライト級/5分2R>
ルクク・ダリ(コンゴ)
岸本篤史(日本)

<ライト級/5分2R>
小谷直之(日本)
林RICE陽太(日本)

<ウェルター級トーナメント1回戦/5分2R+Ex1R>
渡辺良知(日本)
青木忠秀(日本)

<ウェルター級トーナメント1回戦/5分2R+Ex1R>
桜井隆多(日本)
上田拳翔(日本)

<J-MMA Rookies CUPフライ級決勝戦/5分3R>
金井一将(日本)
鈴木崇矢(日本)

<J-MMA Rookies CUPフェザー級決勝戦/5分3R>
黒井海成(日本)
人見礼王(日本)

<バンタム級/5分2R>
伊藤空也(日本)
高須将大(日本)

<フェザー級/5分2R>
大搗汰晟(日本)
中村京一郎(日本)

<ウェルター級/5分2R>
能登崇(日本)
芳賀ビラル海(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
YO-HEI(日本)

<ストロー級/5分2R>
朝日向大貴(日本)
牧ケ谷篤(日本)

<フェザー級/5分2R>
松田征也(日本)
ディオゴ・ロボ・トクナガ(ブラジル)

<バンタム級/5分2R>
萩原一貴(日本)
佐々木歩夢(日本)

<フライ級/5分2R>
宮内拓海(日本)
天野哲宏(日本)

<引退エキシビジョンマッチ/5分1R>
阪本洋平(日本)
山本琢也(日本)

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Grachan Grachan52 MMA MMAPLANET o RIZIN Road to UFC TSUNE UFC パンクラス 中村京一郎 伊藤空也 原口伸 大搗汰晟 天野哲宏 宮内拓海 小谷 小谷直之 山本琢也 弘田颯志 手塚基伸 林RICE陽太 桜井隆多 田中智也 鈴木崇矢 阪本洋平 高須将大 黒井海成

【Grachan65】15周年大会にバンタム級王者の手塚が出場。パンクラスランカーTSUNEを迎え撃つ

【写真】グラウンド勝負の前に、どう組むかがカギとなる両者の一戦だ(C)MMAPLANET

10月15日(日)、東京都江東区のTFTホール1000で開催されるGrachan65の全対戦カードが決定した。旗揚げ15周年記念大会として行われる今回の興行では、現バンタム級王者の手塚基伸が、パンクラスの王座挑戦経験を持つTSUNEと対戦する。

Text by Shojiro Kameike

GRACHANは2008年12月にディファ有明で旗揚げ。以降は15年間で70を超える大会を開催してきた。そのGRACHANについて「自分にとってホームやと思っている」と語る手塚は、2021年12月のGrachan52以来、1年9カ月ぶりのホーム参戦だ。前回は伊藤空也を秒殺し、かつて自身が返上したバンタム級王座を奪還。昨年はRIZINで2試合を経験している。

テイクダウンとトップコントロールが必要とされる現代MMAにおいて、手塚のスタイルは異色なものとなった。自ら下になり、相手の腕を殺しながら腕十字や三角絞めを狙う。昨年10月にはRIZINで、アゼルバイジャンのメイマン・マメドフを三角で捕えてからパンチ連打を浴びせ、TKO勝ちを収めた。

手塚に挑むのは、昨年12月のパンクラス暫定バンタム級王座決定戦で田嶋涼に敗れて以来の復帰戦となるTSUNEだ。田嶋戦はTSUNE有利という声も多かったなか、結果はTKO負け。来はテイクダウン&トップコントロールの選手であるTSUNEは、「序盤にパンチが当たったので、そのままパンチで攻めてしまった」と敗因を語っていた。

TSUNEとすれば、手塚の伸びるパンチを警戒して中途半端な距離から飛び込むことは避けたい。それこそ手塚にとって最も良い形--引き込んでからサブミッションに移行する展開の強さは健在で、それは伊藤戦とマメドフ戦でも証明済だ。互いにグラウンド勝負よりも、いかにしてスタンドで削り、自分の得意な形で組めるかどうかが鍵となる。

さらに今回は同じバンタム級で、伊藤空也×高須将大がマッチアップされた。主催者側からは、7月にフライ級で弘田颯志を下した田中智也を加え、バンタム級を活性化させたいという狙いも伝わってくる。

すでに発表されているライト級の2試合も同様だ。ライト級王者の原口伸はRoad to UFCに出場中で、UFCと契約に至れば王座は返上となるだろう。今回出場するダリ、岸本、小谷、そして林RICEがそのベルトを争うことになるのは間違いない。今後のライト級戦線を占うマッチメイクとなった。

なお今大会は、元GRACHANライト&フェザー級王者の阪本洋平が引退エキシビジョンマッチを行う。その相手を、同じく元2階級王者の山本琢也が務めることも発表された。

■Grachan65対戦カード

<引退エキシビジョンマッチ/5分1R>
阪本洋平(日本)
山本琢也(日本)

<バンタム級/5分2R>
手塚基伸(日本)
TSUNE(日本)

<バンタム級/5分2R>
伊藤空也(日本)
高須将大(日本)

<フェザー級/5分2R>
大搗汰晟(日本)
中村京一郎(日本)

<ライト級/5分2R>
ロクク・ダリ(コンゴ共和国)
岸本篤史(日本)

<ライト級/5分2R>
小谷直之(日本)
林RICE陽太(日本)

<ウェルター級トーナメント1回戦/5分2R+延長1R>
渡辺良知(日本)
青木忠秀(日本)

<ウェルター級トーナメント1回戦/5分2R+延長1R>
桜井隆多(日本)
上田拳翔(日本)

<J-MMA Rookies CUPフライ級決勝戦/5分3R>
金井一将(日本)
鈴木崇矢(日本)

<J-MMA Rookies CUPフェザー級決勝戦/5分3R>
黒井海成(日本)
人見礼王8日本)

<ウェルター級/5分2R>
能登崇(日本)
芳賀ビラル海(日本)

<バンタム級/5分2R>
YO-HEI(日本)
今村豊(日本)

<ストロー級/5分2R>
朝日向大貴(日本)
牧ケ谷篤(日本)

<フェザー級/5分2R>
松田征也(日本)
ディオゴ・ロボ・トクナガ(ブラジル)

<バンタム級/5分2R>
萩原一貴(日本)
佐々木歩夢(日本)

<フライ級/5分2R>
宮内拓海(日本)
天野哲宏(日本)

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Grachan Grachan61 MMA MMAPLANET o 宮内拓海 御代川敏志

【Grachan61】組みを潰された御代川が打撃で逆転、宮内をスプリットで下して決勝進出

【写真】御代川が組み→打撃、そして組みで勝利(C)MMAPLANET

<フライ級トーナメント準決勝/5分2R延長1R>
御代川敏志(日本)
Def.2-1
宮内拓海(日本)

※詳細は後ほど・・・


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Brave Fight27 Column Grachan Grachan59 MMA MMAPLANET o Road to UFC UFC   ブレンゾリグ・バットムンク 今市凌太 原口伸 古谷宗太郎 宮内拓海 小谷 小谷直之 山田哲也 崎山勲 御代川敏志 新垣健司 薩摩竜仁 藤村健悟 阿仁鬼 高橋孝徳 高須将大

【RACHAN59 X Brave Fight27】試合結果 予想を遥かに上回る強さを見せ原口伸が小谷直之を撲殺TKO

【写真】打ちつける時のインパクトが凄まじかった(C)MMAPLANET

12日(日)、東京都江東区のTFTホール500でGRACHAN59 X Brave Fight27が開催された。

メインのGrachanライト級選手権試合はチャンピオン原口伸が、小谷直之をテイクダウンからパウンドを圧倒。TKO勝ちで王座防衛に成功し、改めてフェザー級でRoad to UFC出場をアピールした。

またコメインでは山田哲也がブレンゾリグ・バットムンクを組み倒せず、パウンドアウトされ、仕切り直しのフェザー級T準決勝は高橋孝徳が崎山勲を判定で破っている。

GRACHAN59 X Brave Fight27
<Grachanライト級選手権試合/5分3R>
○原口伸(日本)1R3分57秒
TKO
詳細はコチラ
×小谷直之(日本)
<ウェルター級/5分2R>
○ブレンゾリグ・バットムンク(モンゴル)1R4分59秒
TKO
詳細はコチラ
×山田哲也(日本)
<フェザー級T準決勝/5分2R>
○高橋孝徳(日本)2R
判定
×崎山勲(日本)
<ライト級/5分2R>
○藤村健悟(日本)1R3分46秒
腕十字
×松田マン(日本)
<バンタム級/5分2R>
△高須将大(日本)2R
Draw
△ガルちゃん(日本)
<無差別級/5分2R>
○鈴木マシマシ(日本)2R
判定
×ダンカン(米国)
<フライ級次期挑戦者決定T1回戦/5分2R>
○御代川敏志(日本)2 R2分49秒
TKO
×薩摩竜仁(日本)
<フライ級次期挑戦者決定T1回戦/5分2R>
○天野哲宏(日本)1R1分47秒
KO
×原拓郎(日本)
<フライ級次期挑戦者決定T1回戦/5分2R>
○宮内拓海(日本)1R0分59秒
KO
×新垣健司(日本
<フェザー級/5分2R>
○櫻庭泰裕(日本)2R
判定
阿仁鬼(日本)
<バンタム級/5分2R>
○髙橋謙斗(日本)2R
判定
×松本大輔(日本)
<74キロ契約/5分2R>
○神谷大地(日本)1R1分27秒
判定
×今市凌太(日本)
<ライト級/5分2R>
○望月貴史(日本)1R1分27秒
判定
×古谷宗太郎(日本)
<フライ級/5分2R>
○山﨑聖哉(日本)1R1分27秒
判定
×二之宮徳昭(日本)


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Brave Fight27 Grachan Grachan59 MMA MMAPLANET o PRIDE Road to UFC UFC UFN218 キム・サンウォン ブレンゾリグ・バットムンク 今市凌太 児玉勇也 原口伸 古谷宗太郎 宮内拓海 小谷直之 山田哲也 崎山勲 御代川敏志 新垣健司 海外 田中智也 薩摩竜仁 藤村健悟 阿仁鬼 高橋孝徳 高須将大

【GRACHAN59×BRAVE FIGHT27】原口伸─02─「小谷選手に勝てなければ、フェザーでも海外で勝てない」

【写真】ケージの中の躍動感、無慈悲なパウンドとは対照的に普段はホンワカな感じの原口伸(C)MMAPLANET

12日(日)、東京都江東区のTFTホールで開催されるGRACHAN59×BRAVE FIGHT27で、小谷直之を相手にGrachanライト級王座の初防衛戦を行う原口伸のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

フレームの問題でフェザー級転向を考える原口にとって、ライト級での試合は今回が最後になるだろう。もちろん契約の問題はあるかもしれないが、それでもプロモーターとの話し合いで今回からフェザー級で戦うことも可能だったはず。しかし原口は、国内ライト級の中でも大きな小谷と対戦する。その先に見据えるのは――UFCに出ることではない。オクタゴンで勝利を手にすることだ。

<原口伸インタビューPart.01はコチラから>


――今後はフェザー級で戦っていくと考えた時に、小谷選手はライト級の中でもフレームが違いすぎませんか。

「はい、メチャクチャ大きいです(苦笑)。僕としてもフレームの違いがネックになるとは思いますが、オファーがあった時点で覚悟は決まっています。もともとグアムの試合の前からオファーは頂いていて。その時は僕も通常体重が落ちていたので、『試合が終わってから身体をつくり直してから防衛戦をやりたい』と返答していました」

――小谷戦を4日後に控えた今、ライト級用の身体に戻ってきているのでしょうか。

「なんとか……。それでもまだ小谷選手とはフレームが違うでしょうけど、計量の時点では同じ70.3キロになるので、あまり深く考えないようにしようと思っています」

――小谷選手とはフレームだけでなく、キャリアの違いもありますね。原口選手にとっては過去最大のキャリアを持つ相手となります。

「PRIDEやUFCにも出たことのある相手ですからね。オファーを頂く前は名前を知っているぐらいでしたが、対戦が決まってからは試合映像をしっかり見ました。見たら『おぉ~っ!!』と思って」

――「おぉ~っ!!」とは(笑)。

「寝技が強くて、一発で試合展開をひっくり返すことができる選手だと思います。どれだけ僕が優勢に進めていても、どこかで取られたら一発で終わる。緊張感のある相手ですよね。ケージレスリングも強いじゃないですか。ケージ際での小外掛けも上手いので、そういったケージでの攻防も頭には入れています」

――特に四つで組んだ時は強いですよね。それでも――フレームの大きさに関わらず、組みでは負けない自信がありますか。

「そうですね。僕はレスリング時代から、力×力で勝負するタイプではないんですよ。相手が力で来たら、こちらはスピードで勝負するような。グラチャンのベルトを獲った植田戦でも、相手が組んできたところを切り返す場面もありました。むやみに力で勝負することはなく、そういった攻防も全て含めて、組みでは負けないと思っています」

――では他の要素についてもお聞きします。小谷選手の打撃については、どのように見ていますか。

「左ストレートは強いですよね。形が良いわけではないと思いますが、実際当たるし、当たったら危ないです。僕も小谷選手もサウスポースタンスなので、左をもらわないように動きたいです。自分もまだ打撃については未完成なので、荒々しい打ち合いになるのかなと思っています。そのなかでも自分はキム・サンウォン戦のように、スピードを生かしながらコンパクトに打っていきたいです」

――なるほど。先ほども少し触れられていましたが、サブミッションを比べるといかがですか。

「まず相手に取らせないことが一番です。一度掴まれたら、こちらが技術で対抗しようとしてもガッと持っていかれる力があると思うので」

――対して、ご自身のグラウンド技術は?

「今回はグラップリングに重点を置いて練習してきました。僕にとってグラウンドでの武器は、パウンドです。さらにパウンドを打ちながら、その流れでサブミッションを極められるような練習を積んでいます。最初から極めることを狙うよりも、一つひとつを積み重ねていって、その先にフィニッシュがあると思っています」

――ということは、やはり試合は削り合いが多くなりそうですか。

「そう思います。小谷選手を相手に、シンプルなグラップリングで一本を取れるような技量は、今の僕にはないかもしれないです」

――正直な意見ですね。原口選手に限らず国内で、シンプルなグラップリングで小谷選手を極められる選手も少ないとは思いますが……。

「アハハハ、それぐらい強い相手だと思います。でもライト級でフレームの大きい小谷選手に勝てなければ、フェザー級に落としても海外では勝てないですよね。僕が目指しているのはUFCです。UFCだけでなく海外の試合を見ていると、ここで負けているようでは中央アジア勢には勝てないと考えています」

――一方で、キム・サンウォン戦を削り合いで制しただけに、原口選手と中央アジア勢の試合もぜひ見てみたいです。

「ありがとうございます。先日のUFC(UFN218)を見ても、『日本人はUFCで勝てない』というのは先入観に過ぎなかったんだなと思いました。どの競技でもそうですけど日本人選手が勝つと、その勢いに続くことってあるじゃないですか。今はMMAでも、その現象が起きつつあるというか――少なくとも、僕の中の先入観がなくなった大会でした。『自分もUFCで戦える』そう思わせてくれました」

――小谷選手との防衛戦を控えた今の時点で、先のことを言うと鬼が笑うかもしれませんが、あとどれくらいでオクタゴンに到達したいと考えていますか。

「宮田先生からは『MMAが分かるようになるには3年かかる』と言われています。僕はMMAを始めて2年経っていないので、まだ分からずに考え込んでしまう部分もあります。だから今年が勝負の1年になると思います。もし今年もRoad to UFCアジアが開催されるなら、ぜひ出たいですね。

UFCに出るためには、小谷選手は絶対に超えないといけない壁です。結果はもちろん、試合内容も問われると思います。試合当日は準備してきたものを、出し惜しみせず全部出して、しっかり勝ちます」

■視聴方法(予定)
2月12日(日)
午後1時30分~ GRACHAN放送局

■ GRACHAN59×BRAVE FIGHT27対戦カード

<Grachanライト級選手権試合/5分3R>
[王者]原口伸(日本)
[挑戦者]小谷直之(日本)

<ウェルター級/5分2R>
山田哲也(日本)
ブレンゾリグ・バットムンク(モンゴル)

<フェザー級T準決勝/5分2R>
高橋孝徳(コンゴ)
崎山勲(日本)

<ライト級/5分2R>
藤村健悟(日本)
松田マン(日本)

<バンタム級/5分2R>
高須将大(日本)
ガルちゃん(日本)

<無差別級/5分2R>
ダンカン(日本)
鈴木マシマシ(韓国)

<フライ級次期挑戦者決定T1回戦/5分2R>
御代川敏志(日本)
薩摩竜仁(日本)

<フライ級次期挑戦者決定T1回戦/5分2R>
原拓郎(日本)
天野哲宏(日本)

<フライ級次期挑戦者決定T1回戦/5分2R>
宮内拓海(日本)
新垣健司(日本)

<フライ級次期挑戦者決定T1回戦/5分2R>
児玉勇也(日本)
田中智也(日本)

<フェザー級/5分2R>
阿仁鬼(日本)
櫻庭泰裕(日本)

<バンタム級/5分2R>
髙橋謙斗(日本)
松本大輔(日本)

<74キロ契約/5分2R>
神谷大地(日本)
今市凌太(日本)

<ライト級/5分2R>
望月貴史(日本)
古谷宗太郎(日本)

<フライ級/5分2R>
山﨑聖哉(日本)
二之宮徳昭(日本)

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Brave Fight27 Grachan Grachan58 Grachan59 MMA MMAPLANET o ONE RIZIN ブレンゾリグ・バットムンク 今市凌太 児玉勇也 原口伸 古谷宗太郎 宮内拓海 小谷直之 山田哲也 崎山勲 御代川敏志 新垣健司 植田豊 海外 田中智也 薩摩竜仁 藤村健悟 長野将大 阿仁鬼 高橋孝徳 高須将大

【GRACHAN59×BRAVE FIGHT27】岩の拳ブレンゾリグと対戦、山田哲也─02─「パウンドでフィニッシュ」

【写真】ONE時代に国内では経験しがたい圧は幾度となく経験してきた山田。その経験がブレンゾリグを相手に生きるか (C)ONE

12日(日)、東京都江東区のTFTホールで開催されるGRACHAN59×BRAVE FIGHT27で、ブレンゾリグ・バットムンクと対戦する山田哲也のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

元ZSTウェルター級王者の山田にとって、日本での試合は2016年12月にグラチャンで行われた石原裕基戦以来、6年2カ月ぶりとなる。長きにわたる海外での試合経験は、山田に何をもたらしたのだろうか。そして打撃系ファイターのバットムンクと、いかに戦うのか――そんな山田が、試合前にも関わらずフィニッシュ方法を宣言した。

<山田哲也インタビューPart.01はコチラから>


――グラチャンに参戦するうえで、目指すはGRANDウェルター級王者の川中選手への挑戦ということは、完全にウェルター級に移行するということですね。山田選手の階級変更で、国内ウェルター級が活性化しそうです。

「ありがとうございます。今後はウェルター級でやっていきたいです」

――山田選手にとって国内での試合は、2016年12月の石原戦以来、6年2カ月ぶりとなります。

「試合は試合なので、国内でも海外でも変わらないです。ケージに入ってしまえば、どこでも同じかと思っています。国内で試合をすると、いつも一緒に練習している仲間が応援に来てくれるので心強いですね」

――では6年以上もの間、ずっと海外で戦ってきたことで学んだものはありますか。

「直前のオファーを受けて試合をしたりとか、当日に試合順が変わったりする環境で試合をしてきました。そういう面では、メンタルが強くなったかなと思っています。いきなり試合順が変わったために、アップできずに試合をすることもありましたから(笑)」

――試合順が後になるならまだしも、いきなり繰り上がって予定より早く試合をするのはキツいですね。

「クンルン・ファイトに出た時(2017年7月、中国でウ・ハオチアンに判定勝ち)なんですけど、チャールズ・クレイジーホース・ベネットの都合で僕の試合順が繰り上がりました(笑)。それに限らず、海外の試合はトラブルも多いですよね。日本での試合のほうが安心感はあります」

――石原戦はグラチャンで行われた試合で、今回そのグラチャンで国内復帰という形になりました。そこに何か縁などは感じますか。

「そうですね。グラチャンについては――いつかまたグラチャンで試合したいと思っていました。国内で試合するにあたって、最初に声をかけていただいたのがグラチャンで嬉しかったです。12月4日(GRACHAN58)で出場の挨拶をさせてもらった時に、久しぶりに見ると大会も変化しているなと思いました。もう名前が分からない、新しい選手がたくさん出ていて。新鮮だったことに加えて、メインで川中選手の試合(ノンタイトル戦ながら渡辺良をヒザ十字で下している)も見ることができたので良かったです」

――ずっと海外で試合をしている間、他のプロモーションも含めて日本国内の動向はチェックしていたのでしょうか。

「細かくチェックしていたわけではないですが、今の国内で自分がどれだけやれるのか――その点はずっと頭の中にありました」

――どれだけやれるか……その結論は出ていますか。

「それは今回の試合次第だと思います」

――なるほど。次の対戦相手は韓国在住のモンゴル人ファイター、ブレンゾリグ・バットムンクです。山田選手のほうから「誰と対戦したい」「海外選手と試合したい」といった希望はあったのですか。

「いえ、特に希望はなかったです。もともと『もし日本人選手で相手がいなかったら、海外の選手でも良いですか?』というお話を頂いていたので、相手が外国人選手になっても驚きはなかったですね」

――では、そのバットムンクについて印象を教えてください。

「体の力が強くて、腰が重い選手ですね。復帰戦としては、なかなかの相手だと思います」

――腰が強いからこその打撃力が目立っていますね。

「はい。立っている時の安定感が優れています。勢いに乗ると、どんどんパンチを振ってきますよね。自分としては近い距離になったら組んで、倒してから大人しくさせたいです」

――やはりポイントはテイクダウンですね。近い距離になっても、打ち合う気はないですか。

「打ち合いは……(苦笑)。ただ、組むためには近い距離に入らないといけないので、少しは打撃戦に付き合わないといけないと思います。相手の打撃をかいくぐって、どう組みついてテイクダウンするかですね。それでも珍しいタイプというわけではないです。これまでも雑な打撃を振ってくる相手とは対戦してきているので」

――バットムンクのテイクダウンディフェンスに関してはいかがですか。

「過去の試合では、何度もテイクダウンされていますよね。でも、ああいうギリギリまで粘るタイプは、テイクダウンしたい側としては一番疲れる相手なんです(笑)。以前グラチャンに出た時(2019年1月、植田豊に判定負け)、テイクダウンの際にケージを掴んでいて。あれをやられるとキツいですよ。今回は2Rなので、最初からテイクダウンしてフィニッシュを狙っていきたいです。今回はパウンドでのフィニッシュを狙っています」

――えっ、試合前にフィニッシュ方法を宣言して大丈夫ですか。

「アハハハ、大丈夫です。パウンドでフィニッシュしますよ。相手は今までの試合で、サブミッションを返している場面もありました。ただ、そんなにブリッジが強い選手ではないので、まずはしっかりポジションを取ること。ポジションを取るためにパウンドを落としながら、そのまま殴り続けて仕留めたいです」

――これまで山田選手の試合ではパウンドアウトによるフィニッシュはなかったので、ニュー山田哲也を楽しみにしています。

「いずれはRIZINなどにも出たいと思っていますが、今は山中選手のことしか頭にないです。次はグラチャンとブレイブファイトの合同興行なので、きっとブレイブ所属の山中選手も会場に来ますよね? バットムンクを仕留めて、その場で山中選手に対戦を要求させていただきます」

■視聴方法(予定)
2月12日(日)
午後1時30分~ GRACHAN放送局

■ GRACHAN59×BRAVE FIGHT27対戦カード

<Grachanライト級選手権試合/5分3R>
[王者]原口伸(日本)
[挑戦者]小谷直之(日本)

<ウェルター級/5分2R>
山田哲也(日本)
ブレンゾリグ・バットムンク(モンゴル)

<フェザー級T準決勝/5分2R>
高橋孝徳(コンゴ)
崎山勲(日本)

<ライト級/5分2R>
藤村健悟(日本)
松田マン(日本)

<バンタム級/5分2R>
高須将大(日本)
ガルちゃん(日本)

<無差別級/5分2R>
ダンカン(日本)
鈴木マシマシ(韓国)

<フライ級次期挑戦者決定T1回戦/5分2R>
御代川敏志(日本)
薩摩竜仁(日本)

<フライ級次期挑戦者決定T1回戦/5分2R>
長野将大(日本)
天野哲宏(日本)

<フライ級次期挑戦者決定T1回戦/5分2R>
宮内拓海(日本)
新垣健司(日本)

<フライ級次期挑戦者決定T1回戦/5分2R>
児玉勇也(日本)
田中智也(日本)

<フェザー級/5分2R>
阿仁鬼(日本)
櫻庭泰裕(日本)

<バンタム級/5分2R>
髙橋謙斗(日本)
松本大輔(日本)

<74キロ契約/5分2R>
神谷大地(日本)
今市凌太(日本)

<ライト級/5分2R>
望月貴史(日本)
古谷宗太郎(日本)

<フライ級/5分2R>
山﨑聖哉(日本)
二之宮徳昭(日本)

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