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【RIZIN46】井上雄策と対戦、ヌルマゴ精神注入のベイノア「押忍のMMAを楽しみにしてください!」

【写真】 ヌルマゴに教えられた強さの神髄を戦いのなかで魅せることができるか(C)TAKUMI NAKAMURA

29日(月・祝)、東京都江東区の有明アリーナで開催されるRIZIN46で、“ブラックパンサー”ベイノアが井上雄策と対戦する。
Text by Takmumi Nakamura

2022年大晦日の宇佐美正パトリック戦でKO負けを喫したベイノアは単身渡米し、約1年間AKAで武者修行を行った。AKAではカビブ・ヌルマゴメドフ、イスラム・マカチェフ、ウスマン・ヌルマゴメドフらとも練習を共にし、積極的に柔術の試合にもチャレンジした。RIZIN神戸大会でのカード発表時には、失笑に終わった「格闘技は押忍です」という言葉。そこには深い意味があることをこのインタビューを通して知っていただきたい。


――まずはベイノア選手、米国武者修行おつかれさまでした。今回のインタビューでは米国での練習について聞かせていただきたいと思います。改めてこのタイミングで長期的な米国武者修行を行った理由を聞かせてもらえますか。

「一昨年の大晦日に宇佐美(正パトリック)選手にKO負けして『このままやっていても変わらない』という感じがあって、一度しっかり自分のMMAを作りこみたいと思って、米国で練習しようと思いました。米国でも色々な選択肢もあったんですけど、同じ階級で一番強い選手たちがいるところに行こうと思ってAKAを選んで、どうせ行くなら1~2カ月とかじゃなくてどっぷり入り浸ってやろうと思いました」

――ここ数戦は外からベイノア選手の試合を見ていて、なかなか自分を作り込めないままリングに上がっていたように感じていました。試合をするうえで迷いもあったのですか。

「ありましたね。当時の発言を見てもそうなんですけど『寝技がいい感じになってきた』と言ったり『空手ばっかりやっています』と言ったり、自分自身がブレていました。結局僕のバックボーンは空手で、それが強みであることには変わりないですし、今の競技化されたMMAの中で生きていくためには、もっともっと知っておかなければいけないことがある。自分のMMAのスタイルを確立させるためにもAKAで武者修行しようと思いましたね」

――改めてMMAを一から学ばなければいけないということですか。

「そうですね。もちろん日本でもちゃんとMMAを指導してもらえるジムは沢山あると思いますが、僕の場合は練習だけに集中したくて。だったら日本を離れて米国までいっちゃえば、練習せざるをえないじゃないですか。そういう環境に自分の身を置きたいという考えもありました」

――AKAはレスリングベースの選手が多い印象ですが、あえてそういったジムを選んだのですか。

「あまりジムのスタイルは気にしていませんでしたが、やっぱりAKAの選手はレスリングや組みが強いですよね。で、レスリング上がりの選手でも打撃が強いんですよ。ケイン・ヴェラスケス、ダニエル・コーミエ、ダゲスタン勢もそうですけど…みんなレスリング上がりとは思えない打撃スキルを持っているし、全てにおいて(AKAが)いいなと思いました」

――現地での大まかなトレーニングスケジュールを教えてもらえますか。

「朝9時から11時までプロ練をやって、一度帰宅して、夕方から3~4時間練習して、1日2回ですね。プロ練は日によってメニューが違っていて、火がレスリング、水金が打撃、木がグラップリング、試合前の選手はケージがある場所に移動してスパーリングですね。夕方からの練習は選手それぞれ自由にやっていて、僕は一般会員もいるクラスに参加させてもらったりしていました。

道場あるあるだと思うんですけど、プロじゃないのにやたら組み技だけ強い一般のおじさんとかいるんですよ(笑)。そういう人と練習したり、コーチにミットを持ってもらったり、仲間と集まってドリルをやったり、試合前の選手がいたら息上げ系のメニューもやったりしていました」

――練習メニューについてはいかがでしょうか。

「やっぱりドリルが多いですね。日本ではスパー中心で勢いでやっちゃっていたところがあったのですが、ドリルで技術を教えてもらうと、こんなにMMAは幅広いものなんだなと思い知らされました。打撃の練習もMMAを意識したものなので純粋な打撃とは違いましたね」

――全てがMMAを意識したものになっているんですね。

「そうです。しかも色んな形のドリルをやるので『試合になったらこういうシチュエーションあるな』みたいなことがたくさんあるんです。AKAには10年近く在籍して、今でもMMAを学び続けている選手もいるので、MMAは永遠にやることがあるんだなと思います」

――AKAではどういうメンバーが中心で練習を行っていたのですか。

「ハビア・メンデスがいるときはハビアが中心で、ハビアの息子が柔術のコーチなんですよ。あとはケインがずっとジムにいて、たまにコーミエが来て…という感じですね」

――そうそうたる面々にMMAのイロハを教わったのですね。

「あとはトップ選手の練習姿勢ですよね。カビブ・ヌルマゴメドフ、イスラム・マカチェフ(UFC世界ライト級王者)、ウスマン・ヌルマゴメドフ(Bellator世界ライト級王者)…彼らと一緒に練習していると、練習への取り組み方が刺激になって勉強になりました」

――SNSでカビブが若い選手たちに「プロで成功したかったら練習を休むな」と説教する動画が話題になりましたが、実際にそういう雰囲気なのですか。

「思いっきりそうですね。ある意味日本的というか、けっこう押忍系なんですよ」

――自由に練習するイメージの米国人とは違いますね。

「まさにタゲスタン勢はアメリカン・スタイルと押忍スタイルを融合していて、両方の良いところを取り入れている感じです。本当にカビブがいるとジムの空気が変わるんですよ。しかもハビブ自身、周りを煽りながら自分も動いて追い込むんですよ」

――カビブがそれだけやっていたら選手たちは休めないですよね。

「強さの神髄はエネルギッシュにどん欲に格闘技のことだけを考える。カビブも『練習に来るときは試合と同じように体調を整えてこい。練習以外の時間は寝て休んでコンディションを整えろ。それが出来ないなら練習に来るな』って言うんです。だから格闘技ってこういうこと、押忍だよなというのを思い出しました。RIZIN神戸大会と『格闘技は押忍です』と挨拶して、会場は『何言ってんだ?こいつ』みたいになっていましたが、そういうことなんですよ」

――なるほど。「格闘技は押忍です」の深い意味があることが分かりました。でも……ここまで説明しないと伝わらないですよ(笑)!

「失礼しました(笑)」

――現地では柔術の大会にも出場して優勝していましたよね。

「はい。試合経験が大事だと思って、自分で大会にエントリーして、一般の人と同じように参加費を払って出ました。ハビア・メンデスも言っていましたけど『UFCと契約するような選手は別だけど、そうじゃない選手はどんどん試合に出ろ』と。カビブもUFCに出る前は自分で調べて、サンボとか組み技の大会にも散々出ていたそうなんです。組み技の試合に出ることは練習の一環ですよね。だからニュースになった大会以外にも結構出ていました」

――そうした米国修行を経て戻ってきたベイノア選手が、どう変わったのか楽しみです。

「やっと僕のMMAを見せられるかなと思います。AKAでも僕の空手を活かすような指導をしてもらったので」

――「これがベイノアのMMAだ!」というスタイルが出来てきましたか。

「出来上がってきています。だからもう迷うことはないです。押忍のMMAを楽しみにしてください!」

■視聴方法(予定)
4月29日(月・祝)
午後4時30分~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE

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45 AB MMA o UFC   アレックス・ヴォルカノフスキー イスラム・マカチェフ ショーン・ストリックランド ダスティン・ポイエー パウロ・コスタ

6.1『UFC 302』でイスラム・マカチェフ vs. ダスティン・ポイエーのライト級タイトルマッチ、ショーン・ストリックランド vs. パウロ・コスタのミドル級マッチ

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 『UFC 300: Pereira vs. Hill』試合後会見でデイナ・ホワイトが6月1日にニュージャージー州ニューアークのプルデンシャル・センターで開催する『UFC 302』のメインイベントがイスラム・マカチェフ vs. ダスティン・ポイエーのライト級タイトルマッチ、セミファイナルがショーン・ストリックランド vs. パウロ・コスタのミドル級マッチになることを発表。

 マカチェフは10月の『UFC 294: Makhachev vs. Volkanovski 2』でアレックス・ヴォルカノフスキーに1R KO勝ちして以来の試合で今回が3度目の防衛戦。ポイエーは3月の『UFC 299: O'Malley vs. Vera 2』でベノワ・サンデニに2R KO勝ちして以来の試合。現在UFCライト級3位。

 ストリックランドは1月の『UFC 297: Strickland vs. du Plessis』で行われたミドル級王座初防衛戦でドリカス・デュ・プレシに判定負けして以来の試合。現在UFCミドル級ランキング1位。コスタは2月の『UFC 298: Volkanovski vs. Topuria』でロバート・ウィテカーに判定負けして以来の試合。現在UFCミドル級ランキング7位。続きを読む・・・
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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC300 アルマン・ツァルキャン イスラム・マカチェフ キック シャーウス・オリヴェイラ

【UFC300】極めとパウンドの攻め・防ぎ合い。アルマン・ツァルキャンがオリヴェイラに2-1勝利

<ライト級/5分3R>
アルマン・ツァルキャン(アルメニア)
Def.2-1:29-28.29-28.29-28
シャーウス・オリヴェイラ(ブラジル)

左ハイにオリヴェイラに軸端払いを合わされ、姿勢を乱したツァルキャンがシングルへ。切ったオリヴェイラはがぶりから、立ち上がったツァルキャンにジャンピングギロチン。懸命に腰を押すツァルキャンからマウントを奪うと、エルボーを落とす。もう一発エルボーを入れたオリヴェイラは肩ブリッジにもマウントをキープする。2度目の肩ブリッジでリバーサルし、胸を合わせたツァルキャンが細かいパウンドから左エルボーを2発決める。

スイープ狙いを防がれたオリヴェイラはクローズドガードを取る。ツァルキャンは強烈な勢いで右エルボー落とす。スイープ狙いで崩し、右足を掴んだ状態でツァルキャンの顔面を蹴ったオリヴェイラ。素晴しいバーリトゥード技術だが、ツァルキャンは左ヒザがキャンバスについており、明白に反則だ。ドクターチェックを受けたツァルキャンのトップポジションで試合は再開。オリヴェイラに減点はなかった。

ツァルキャンは狭いスペースでエルボーを入れ、オリヴェイラがスイープからスクランブルに持ち込む。エルボーを見せて離れたオリヴェイラに対し、ツァルキャンがスピニングバックキックを放ったところで時間となった。

ハグから始まった2R、オリヴェイラが右ストレートをヒットさせる。ワンツーでつめ、ヒザをボディに突き上げるツァルキャンがジャブへ。続いてカカト落としを蹴ったツァルキャンが、シングルレッグでテイクダウン。後転してスクランブルに持ち込んだオリヴェイラはボディロックに左腕で頭を抱える。頭を突っ込みギロチンを防いだツァルキャンが、その頭を抜いてテイクダウンに成功する。オーバーフックでツァルキャンのパウンドを防ぐ──巧妙なガードワークを駆使するオリヴェイラだが、それでもエルボーは受ける。

残り2分、三角絞めを防いだツァルキャンだがパウンドは打てない。オリヴェイラは致命傷にならない位置のパンチは打たせ、顔面だけは守る。それでもツァルキャンは左ヒジを連続してカットを誘うと、ついに勢いのある右のパウンドが打てるように。終了間際に腕ひしぎ腕固めで右腕を伸ばしたオリヴェイラだが、時間となった。

最終回、オリヴェイラの跳びヒザは空を切り、ツァルキャンがワンツー。オリヴェイラもワンツーから、フックの応酬へ。詰めてクリンチのツァルキャンが右腕を差す。ヒザのオリヴェイラに対し、エルボーのツァルキャンが離れてダブルレッグ。切ったオリヴェイラはジャブを被弾する。それでも右ミドルを決めたオリヴェイラだが、ダブルレッグにギロチンを合わせるも倒されてサイドで抑えられる。

ヴァンフルーのツァルキャンが、クルスフィックスを狙う。と、反転したオリヴェイラの動きを利してバックに回る。オリヴェイラは足のフックを許さないよう動き、強引に乗ってきたところで前方に落とす。すかさずダースから、ノーアームギロチンをセットしたツァルキャン。一瞬、腹ばいで体が伸びるような仕草を見せたツァルキャンが時間まで耐え、激闘が終わった。

結果、スプリット判定勝ちを手にしたツァルキャンは「この階級で最高の人間であるオリヴェイラに感謝している。ただ、ジャッジ1人が彼につけたのは理解できない。とにかく僕は王座に挑戦したい。5年前、ショートノーティスで戦ったけどイスラム・マカチェフにとって一番タフな試合になった。彼が機会を与えてくれるなら、次に勝つのは僕だ」と話した。


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【UFC300】展望。ゲイジー×ホロウェイ、Baddest Motherfuckeを超越したBMFタイトル戦!!

【写真】両者とも156ポンドで計量を終えている。最高の駆け引きのあとで、最高の殴り合いに発展する可能性も?? (C)Zuffa/UFC

13日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催される。プレリミ含めて全試合がメインイベント級と呼べるスーパー・メガ・ヒストリカルショーで、UFC認定の非公式タイトル=BMF(Baddest Motherfucker=最高にヤバい奴)現王者であるジャスティン・ゲイジーにマックス・ホロウェイが挑む一戦もラインナップされている。
Text by Isamu Horiuchi

もともとこのBMFタイトルが創設されたのは、2019年11月のネイト・ディアズ×ホルヘ・マスヴィダル戦だ。その3カ月前のアンソニー・ペティス戦に勝利したネイトが「俺は真のBaddest Motherfuckerの座を賭けてマスヴィダルと戦いてぇんだ。ただ相手を抑え込んでルール上の勝利を狙うような連中じゃなくな」と発言。この言葉にダナ・ホワイト代表も大いに乗り気となり、BMFの文字が大きく刻まれたベルトを本当に作成、両者による決定戦を敢行したのだった。


試合は1Rに右ハイでネイトの右目上をカットしたマスヴィダルが終始優勢に試合を進め、3R終了時にTKO勝利。元WWEスーパースターのザ・ロックことドウェイン・ジョンソンにBMFベルトを巻かれたのだった。

その後4年近く封印されていたBMF戦だが、初代王者のマスヴィダルが引退を表明した3カ月後の昨年7月、ゲイジー×ダスティン・ポイエーにて復活。ここでゲイジーが右ハイでポイエーを沈め2代目王座に輝いた。この勝利でイスラム・マカチェフの持つライト級王座の挑戦権を得たと思われたゲイジーだが、その話がなかなか具体化しないまま、今回元フェザー級王者のホロウェイを相手に史上初のBMF王座防衛戦に臨むこととなった。

挑戦者のホロウェイは、現在アーノルド・アレン戦とコリアンゾンビことジョン・チャンソン戦と2連勝中。ライト級のゲイジー同様、こちらもフェザー級タイトル挑戦に最も近いところにいると思われる選手だが、新王者イリャ・トプリアの都合や前王者アレックス・ヴォルカノフスキーとのダイレクトリマッチが優先されているせいか、なかなかタイトル戦の話が挙がらない。

そこで今回──ある意味正式のタイトルよりも世間的な注目は高いかもしれない──BMFタイトル戦に出陣を決めた。

現BMF王ゲイジーはこれまで25勝のうち20KO、実に80パーセントのKO率を誇る。名だたる強豪たちと対戦経験を持つ前ライト級王者シャーウス・オリヴェイラをして「自分が対戦した中で最もパンチ力があったのは断然ゲイジー」と言わしめるライト級屈指のハードヒッターだ。対する挑戦者ホロウェイは、これまでUFCの試合中に誰よりも数多く有効打を当てているとされるボリュームストライカー。(有効打かどうかの判断に厳密さはないと思われるが)昨年のアレン戦のライブ中継の途中で合計3000発ヒットという記録を達成したと伝えられ、2位に1000発以上の差をつけていると説明された。

そんな両者の「ヤバい奴決定戦」である以上、期待されているのがド派手な打撃戦であることは言うまでもない。実際にゲイジーはこの試合について「理想的には、KOして眠らせるよりも目をカットするとか、彼の腕が折れてしまうとか、何らかの形で歩けなくすることで試合が終わってくれる方がいいとは思う。でも実際に向こうはこっちをKOしようと向かってくるだろう。だからこっちも向こうがどうなろうが、完全に眠らせてしまおうがまったく良心の呵責は感じないよ」と彼流の静かな言い方で凄絶な展開を予告している。

対するホロウェイも「僕なりにBMFを一言で言い表すなら”violence(暴力)”だ。ゲイジーはバイオレントな男だ。この試合は暴力そのものとなる。最高だ。生きがいだ。考えるだけで満面の笑みが浮かんでしまうよ」と真っ向から打撃戦を挑む姿勢を見せている。

わざわざ階級上の超弩級のハードパンチャーとの殴り合いに嬉々として臨むホロウェイの精神性は、確かに常識を超越したBMFさ(ヤバさ)に溢れている。しかし、近年の両者の戦いぶりやMMAファイターとしての進化を考えた場合、この戦いで重要なのはBMFな要素のみではないと思われる。むしろBMFを超えたお互いの格闘家としての成熟度こそ、今回問われているのではないだろうか。

前回ポイエーを倒してBMF王座に就いたゲイジーだが、その勝因が本人の成熟ぶりにあったのは自他ともに認めるところだ。2018年4月にポイエーと対戦した際には、序盤から体を振って距離を詰めて殴りに行ったゲイジー。最後も強引に前に出たところにカウンターをもらってマットに沈んだ。以降この試合を教訓として忍耐強く戦う術を身に付け、5年を経た再戦となった前回のBMF戦ではまるで違う戦い方を見せた。

前に出てくるポイエーの打撃に柔らかく体を使って反応しては強烈なカウンターを何度も当て、最後もポイエーが近づいてきたところに右ストレートから右ハイ一閃。見事なコンビネーションをもってゲイジーは鮮烈なKO勝利を収めた。

2018年のポイエー戦と並んでゲイジーが「大きな教訓となった」と認めているのが2022年5月のシャーウス・オリヴェイラ戦だ。序盤からお互いに効かせ合う凄絶な展開となった1R。チャンスと見るや我を忘れて大振りの一発狙いを繰り出していったゲイジーは、逆にオリヴェイラの一撃を貰ってダウンし、チョークで仕留められてしまった。

その後ゲイジーは、次戦となる昨年3月のラファエル・フィジエフ戦でこの敗戦の学びを生かしてみせた。最終3R、やや動きの落ちたフィジエフに対してゲイジーは急くことなく強烈なジャブで出鼻をくじき続けてペースを握る。終了寸前、後のないフィジエフが勝負を掛けて振り回してきた左右のフックを見切ったゲイジーは、見事なカウンターのテイクダウンに成功。最後まで冷静さを保ち勝負どころを見極めての完勝だった。

昨年のフィジエフ戦とポイエーとの再戦でゲイジーが見せた冷静さと忍耐強さこそ、今回の対ホロウェイBMF戦の勝利に向けても、最重要視される。一発の威力より圧倒的な手数で勝負するホロウェイだが、相手が強引に前に出たところに放つカウンターには一撃必殺の威力が宿る。前戦にて手負いのコリアンゾンビが強引に詰めてきた時に巧みにバックステップして距離を作り、右オーバーハンドをスマッシュヒットして劇的なKO勝利を挙げたのは記憶に新しいところだ。

5年前、急遽のオファーを受けて短い準備期間で敢行したライト級戦(2019年4月、ポイエーとライト級暫定王者決定戦にて5R判定負け)の時とは違い、今回は十分に時間を掛けて筋肉量を増やしてきたというホロウェイ。減量苦からも解放され「スピードは落ちず、パワーは上がって体調は100パーセントさ」と語っており、過去最高に力強い姿が期待できそうだ。

仮にBMFを期待する雰囲気に流されて、ポイエー初戦やオリヴェイラ戦の向こう見ずなゲイジーが現われるようなことがあれば、ホロウェイが世間を驚かせる可能性も高まるだろう。

当然ゲイジー本人もそこは十分承知しているようで「確固たる技術を用いて、距離を支配し、角度を作って素早く反応して戦う」と予告している。おそらく今回のタイトル戦で我々が見るのは、闇雲に前に出て相手を殴りにゆくのではなく、冷静に相手を見て反応し、有効な打撃を繰り出してゆくゲイジーの姿だろう。

その上で勝負所を見極め凄まじい威力の打撃を爆発させる、前戦に続くゲイジー流進化版BMFを期待したい。

今回のBMF戦で進化が求められるのは、ホロウェイも同様だ。この試合でまず警戒すべきはゲイジーの強烈な右のカーフキックだろう。オーソドックスに構えて絶妙の間合いを保ちつつボクシングで勝負するホロウェイは、以前から相手の右ローを被弾する傾向が見られる。2019年末のヴォルカノフスキーとの初戦では序盤からカーフを何度も貰ってペースを握られ、2年後のジャイー・ロドリゲス戦の序盤でもローを効かされる場面が目立った。

そこで鍵となりそうなのが、昨年4月のアレン戦でホロウェイが見せた新しい戦い方だ。普段とは逆にサウスポー中心に構えたホロウェイは、スイッチや横への動きも随時に交えて多彩な角度を作り、強打を誇る新鋭アレンに動きを読ませずに判定勝利した。

昨年の来日時にこの試合について筆者が質問した際「MMAは常に進化するスポーツだから、自分も進化しないと置いていかれてしまうんだよ」と答えてくれたホロウェイだけに、今回も危険極まるゲイジーの蹴り、そして凄まじい破壊力の拳を捌くための新しい姿を期待したい。

ちなみにゲイジー陣営もこのアレン戦のホロウェイの新しい戦い方を警戒しているらしく、公式予告番組「UFC 300 Countdown」カウントダウンでも、ゲイジーがコーチたちとともにこの試合のホロウェイの立体的な動きを熱心に分析研究する姿が映し出されている。ホロウェイが見事なタイミングでアレンにワンツーを入れた場面を見たゲイジーは「もし俺がローを蹴ることで、彼のこの動きを誘い出すことができたなら、そこにカウンターを合わせることができるよな」とコーチに語っている。

やはり──この試合はただのBMF決定戦ではない。お互いが最も進化した状態の対戦相手を想定し、勝つための緻密な策を組み立て最高の状態に仕上げた上で、死力を尽くして戦うのだ。

すでに長きにわたって世界トップで戦いつつ、なおかつMMAファイターとしての進化を見せてくれるゲイジーとホロウェイ。この階級を超えたBMF戦は、彼らがそれぞれの階級で頂点に登ってゆくための道筋としても興味深い。

■視聴方法(予定)
4月14日(日・日本時間)
午前7時分~UFC FIGHT PASS
午後11時~PPV
午前6時30分~U-NEXT

■UFC300対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]アレックス・ポアタン・フェレイラ(ブラジル)
[挑戦者] ジャマール・ヒル(米国)

<UFC世界女子ストロー級選手権試合/5分5R>
[王者]ジャン・ウェイリ(中国)
[挑戦者] イェン・シャオナン(中国)

<BMFタイトルマッチ・ライト級/5分5R>
ジャスティン・ゲイジー(米国)
マックス・ホロウェイ(米国)

<ライト級/5分3R>
シャーウス・オリヴェイラ(ブラジル)
アルマン・ツァルキャン(アルメニア)

<ミドル級/5分3R>
ボー・ニコル(米国)
コディ・ブランデージ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
イリー・プロハースカ(チェコ)
アレクサンドル・ラキッチ(オーストリア)

<フェザー級/5分3R>
カルヴィン・ケイター(米国)
アルジャメイン・ステーリング(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
ホーリー・ホルム(米国)
ケイラ・ハリソン(米国)

<フェザー級/5分3R>
ソディック・ユースウ(米国)
ジエゴ・ロピス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ジェイリン・ターナー(米国)
ヘナト・モイカノ(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェシカ・アンドラーデ(ブラジル)
マリナ・ホドリゲス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ボビー・グリーン(米国)
ジム・ミラー(米国)

<バンタム級/5分3R>
デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)
コディ・ガーブラント(米国)

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【UFN238】バーレーン代表ダゲスタン人ファイター=シャミル・ガジエフ「8年間ファイトから離れていた」

【写真】キャリア12勝のなかでKO勝ちが8試合、一本勝ちが3試合。8勝が初回フィニッシュというガジエフ。自信に満ち溢れていた(C)MMAPLANET

2日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN238:UFN on ESPN+96「Rozenstruik vs Gaziev」が開催され、メインでジャイルジーニョ・ホーゼンストライク×シャミル・ガジエフというヘビー級の一戦が組まれている。
Text by Manabu Takashima

今となっては強烈なファイターが揃っていたRIZINヘビー級戦線で1度加わっていたホーゼンストライクは、既にUFCで12戦をこなし7勝5敗という戦績を残している。対してガジエフは昨年12月に初めてオクタゴンで戦ったばかり、UFCキャリア2戦目でヘッドライナーとなった。

そのガジエフ、34歳ながらプロデビューは3年前。この間に12勝を果たしたダゲスタン人ファイター、いやバーレーン代表ファイターに初インタビューを試みた。


──シャミル、週末にはホーゼンストライクとメインイベントで戦います。今の気持ちを教えてください(※取材は2月28日に行われた)。

「試合前はいつだって最高の気分になっている。ホーゼンストレイクのことは、全く意に介していない。自信を持ってやるべきことをやるだけだ」

──オクタゴン2戦目でメインイベンターになることが、想像できていましたか。

「UFCデビュー戦の時にポスターにサインをしていて、コーチに『いつ、俺の顔が大きくポスターに載るんだろう?』って話していたんだ。今回、それが実現した(笑)。これから自分がどうなるのかなんて、本当に誰にも分からない。でもハッピーだよ」

──シャミルはダゲスタン出身ですが、バーレーン国籍で試合に出ていますね。

「2009年に結婚をして、コンバットスポーツのトレーニングや試合に出ることを辞めた。あの頃、ファイトでは生活ができなかったから。結婚して、子供を育てるという責任を持つようになるとファイトを続けることはできなかった。

それから8年間、普通に仕事をして家庭を守ってきた。そして2017年になって、バーレーンでトレーニングキャンプに参加する機会を得ることができたんだ。KHKジムでローカルファイターのトレーンングキャンプをするから、手伝って欲しいと声が掛かった。その時にKHKジムの代表となって、バーレーンに残らないかと誘ってもらった。

自分は4人の子供が既にいたけど、経済的なサポートをするのでキャリアを再構築すべきだと。アマチュアからキャリアをリスタートさせ、バーレーン代表としてIMMAFアジア選手権、欧州オープン選手権、アフリカ・オープン選手権で優勝し、世界選手権はメダルを獲得している。アマMMAでしっかりと経験を詰めたことは、本当に自分のキャリアに役立っている。プロになる前に、とても貴重な経験ができたよ。

UFCと契約するまで10連勝をしたけど、全てはKHKジムとバーレーンのサポートがあったおかげだ。だから、ロシアでなくバーレーンを代表して戦っている。彼らと成し遂げた来たこと、全てに誇りを持っている」

──8年間キャリアをストップていたということは、以前からMMAの経験があったということですか。

「父親がバレーボール・プレイヤーだった影響もあり、学校に通っている時はずっとバレーボールをやっていた。生まれた育った村から、街に出てバレーボールの練習をしていた時にアブドゥルマナップ(ヌルマゴメドフ)に『見込みがある。明日、ジムに来てみないか』と誘われたんだ。

言われるがままに彼のジムに行った。当時はまだMMAではなく、コンバットサンボの指導を受けた。ハビブ・ヌルマゴメドフ、ルスタン・ハビロフ、イスラム・マカチェフ、皆が練習仲間だった。アブドゥルマナップの教え子として第三世代に当たるのかな、彼らとトーレニングをしていたんだ」

──格闘技から離れていた8年間ですが、トレーニングだけでも続けていたということは? それとも全く練習もしていなかったのですか。

「コンバットスポーツのトレーニングはしていない。ただ時々、楽しむためにボクシングのジムに行ったこともある。でも、ホビーだったよ」

──それでいて、いきなりKHKジムでMMAのキャンプに参加できるほど天賦の才に恵まれていたのですね。

「そういう才能があることには、いつも感謝している。ただ、あの8年間も何も家のソファに座ってTVをずっと視ているなんてことはなかった。ビーチで泳ぎ、バレーボール、フットボールをして、ジョギングも欠かしたことはない。格闘技の練習はできなくても、体を動かすことは続けていた。それに自分はもともと身長が高く、体格面でも恵まれいた。それこそ神様からの贈り物だと思っている」

──なるほどぉ、です。では今現在の練習環境はどのようになっているのですか。

「普段は家族と一緒にダゲスタンに住んでいて、練習もしている。プロで戦うようになって以来、試合が決まると2カ月間のキャンプを行って来た。最初の1カ月はダゲスタンの山間部でレスリング中心のキャンプをして、次の1カ月はバーレーンでコーチのエルダル・エルダノフの立てたゲームプランに戻づいて、技術的な対策練習をするんだ。ジムはどちらもKHKジム……KHKダゲスタンとKHKバーレーンだよ」

──対戦相手ホーゼンストライクの印象を教えてください。

「UFCヘビー級で12位にランクされている選手だから、強くないとは言えない。当然のように強い。タフな試合になるだろう。彼は打撃が優れているしね。その一方でグラップリングとレスリングはどうなんだろうね? 打撃は良いけど、どうなるか。試合になれば分かるよ」

──ダゲスタンの選手はレスリングが強いのは、もう知れ渡っています。その一方でシャミルは意外というと失礼ですが、堅実な打撃も実戦で披露してきました。

「ダゲスタン人はレスリングが強いことは世界中が知っている。でも、まだ30パーセントほどしか、自分の力を見せていない(笑)。どの試合でも、新しいシャミル・ガジエフを発見できるはずだ。次の試合も、そうなるから瞬きは厳禁だ。ヘビー級らしい、殴り合いを期待してほしい。とにかく、瞬きをして俺のKOシーンを見逃さないように」

■視聴方法(予定)
3月3日(日・日本時間)
午前3時30分~UFC FIGHT PASS
午前2時45分~U-NEXT

■ UFN238対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク(スリナム)
シャミル・ガジエフ(バーレーン)

<フライ級/5分3R>
アレックス・ペレス(米国)
ムハマド・モカエフ(英国)

<バンタム級/5分3R>
ウマル・ヌルマゴメドフ(ロシア)
ベクザット・アルマカーン(カザフスタン)

<フライ級/5分3R>
マット・シュネル(米国)
スティーブ・アーセグ(豪州)

<ライト級/5分3R>
マニュエル・トーレス(メキシコ)
クリス・ダンカン(英国)

<ミドル級/5分3R>
エリク・アンダース(米国)
ジェイミー・ピケット(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
ヴィニシウス・オリヴェイラ(ブラジル)
ベルナルド・ソパイ(スウェーデン)

<バンタム級/5分3R>
ジャヴィッド・バシャラット(アフガニスタン)
エイマン・ザハビ(カナダ)

<ミドル級/5分3R>
クリスチャン・レロイ・ダンカン(英国)
クラウジオ・ヒベイロ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ルドヴィット・クライン(スロバキア)
AJ・カニンガム(米国)

<ライト級/5分3R>
ロイック・ラジャポフ(タジキスタン)
アブドゥルカリーム・アルセルワディ(パレスチナ)

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45 AB MMA o UFC   アルマン・ツァルキャン イスラム・マカチェフ

4.13『UFC 300』でチャールズ・オリヴェイラ vs. アルマン・ツァルキャンの次期ライト級王座挑戦者決定戦

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 UFCが4月13日にネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催する『UFC 300』でチャールズ・オリヴェイラ vs. アルマン・ツァルキャンのライト級マッチを行うことをデイナ・ホワイトが発表。ナンバー1コンテンダー決定戦として行われ、勝者はイスラム・マカチェフのライト級王座に挑戦します。

 オリヴェイラは6月の『UFC 289: Nunes vs. Aldana』でベニール・ダリウシュに1R KO勝ちして以来の試合。現在UFCライト級ランキング1位。

 ツァルキャンは12月の『UFC on ESPN 52: Dariush vs. Tsarukyan』でベニール・ダリウシュに1R KO勝ちして以来の試合で3連勝中。現在UFCライト級ランキング4位。続きを読む・・・
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AB DEEP DJ.taiki MMA MMAPLANET o RIZIN ROAD FC Special アレックス・ヴォルカノフスキー イスラム・マカチェフ パンクラス 井村塁 修斗 南友之輔 原口伸 原口央 木村柊也 海外 田嶋椋 藤井伸樹

【Special】J-MMA2023─2024、原口央─02─「いろんな若いのがいて世代交代されないように必死」

【写真】この痺れる舞台へ、再び (C)MMAPLANET

J-MMA 2023-2024、第一弾・原口伸、後編。
Text by Manabu Takashima

2024年もRoad FCのトーナメントが出ることが確定という原口だが、その前に国内でも1試合を挟みたいという。そこで挙げられた各プロモーションのバンタム級ファイターの名前は原口が如何に自分の現在の位置を理解し、さらなる高みを目指そうとしているのかがしっかりと伝わってくる選手たちだった。

<原口央インタビューPart.01はコチラから>


――ところで原口選手って、SNSでファンに何言われると反応していますよね。結構、挑発的に。

「ハハハハ。楽しんでいます。僕、普通に言っちゃうんです。思ったことが、すぐに出てしまって(笑)。相手にすればするほど、回りも反応するので面白くて。武田(光司)がインスタLIVEをやっていて、そこに僕が入って。武田が僕を弄ると色んな奴が反応してきて。そいつら一人一人に返信します。『うるせぇ』とか『直接、言いに来い』とか」

――アハハハ。そんなことしてもしょうがないじゃないですか。

「めっちゃ、楽しんでいます(笑)」

――凄く意外な気がします。

「アンチとかも全く気にならないので」

――SNSのやりとりも、打ち合いもほどほどにお願いします(笑)。ところでトーナメント決勝直後、その後のキャリアップに関してはどのように考えていましたか。

「Road FCのトーナメントは、2024年もジョン(ムンホン)代表から直接『また出てほしい』と言ってもらえたので。僕自身、また出たい――負けた直後から来年のトーナメントに出たいと思っていました。本当に色々と経験ができました。日本とは全く違うので。僕もそうですし、(原口)伸も対戦相手が急遽代わったり、そういうことが当たり前にある。そういうときの適応能力が、海外でやっていくには必要になってくる。

伸なんて準決勝は相手が代わって、決勝は大会自体がなくなりましたからね(苦笑)。世界のトップでやるには、そういうことにも対応できないと。本当はなるべく公平な状況で、ここまで練習してきたことをぶつけ合いたい。そう思っています。あのアレックス・ヴォルカノフスキーもイスラム・マカチェフとの2度の対戦は、全然動きが違っていました。準備って大切です。

でもショートノーティスで試合を受けることも凄いですし、そういうことを当然だと思えないといけない。僕も中原(由貴)選手との試合で経験しているので。1週間前のオファーを受けて戦ったことで、準備の大切さは身に染みて分かりました。それを経験したことで分かって。やはり経験して良かったです」

――そのような覚悟で挑むRoad FCのトーナメントですが、63キロをバンタム級として、王座決定トーナメントをライト級とともに初夏から開くという情報も入ってきます。

「フェザー級の選手が下げてくる……世界各国から、強い選手が集まってきそうです。その来年のトーナメントで頑張らないといけない」

――開幕まで半年ほど時間が空くと、考えられます。

「なので、その前に一戦を国内で挟んでも良いかなと」

――それはどの大会で?

「どこでもオファーをくれれば……どこでも良いです。RIZINが九州・佐賀でLANDMARKを開くので――地元の鹿児島に近いし、出たいですね。九州だし、盛り上がるだろうなと。でも強い選手と戦いたいです。LANDMARKならケージで、僕の土俵だと思っているので。

まぁRIZINもそうだし、DEEP、修斗、パンクラス――どこでも良いので、強い選手とやりたいです……。そうですね、これ書いてもらって良いですか」

――ハイ、なんでも。

「修斗なら藤井伸樹選手、僕も藤井選手もスタミナがドロドロの試合ができるので、ゾンビ系のファイトがしたいです。あとDEEPならDJ.taiki選手」

――人選が渋くて、またしっかりと実力者を指名していますね。

「DJ選手に勝てれば、上の選手と戦って良いということだと思うんです。それとパンクラスなら田嶋椋選手か井村塁選手、やっぱり強い選手がいるんで。僕、ZSTで河村(泰博)選手に負けているから……何も言えないですけど(苦笑)」

――今の原口選手なら、今名前を挙げた各プロモーションの選手なら誰でも戦える権利があると思います。ところでBRAVEでは空手の南友之輔選手、日本拳法の木村柊也選手という勢いのある新人がデビューしました。

「南が同じ階級で、木村はフェザー級ですけどプロ練習にもいつも来ますし、一緒に練習をしています。打撃に関しては凄いです。打撃だけならメチャクチャやられます、ボッコボコに。まだプロ2戦と1戦なんですけど、学ぶことしかないですね。それに南、木村、伸以外にも強いのが集まってきています。コンバットサンボ全日本王者の熊崎夏暉とか、いろんな若いのがいて世代交代されないように必死です(苦笑)」

――気が早いですね(笑)。そんな原口選手ですが、2024年の飛躍に向け意気込みの方をお願いします。

「2024年もRoad FCのトーナメントに出るので、今度はしっかりと優勝します」


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AB F1 MMA o ONE UFC   アレックス・ヴォルカノフスキー イスラム・マカチェフ ジョシュ・エメット

2.17『UFC 298』でアレックス・ヴォルカノフスキー vs. イリア・トプリアのフェザー級タイトルマッチ

EA SPORTS UFC 5- PS5


 デイナ・ホワイトが2月に開催予定(会場未定)の『UFC 298』でアレックス・ヴォルカノフスキー vs. イリア・トプリアのフェザー級タイトルマッチを行うことを発表。日付は未定ですが、2月17日と言われています。また、デイナは明言していませんがメインイベントになると思われます。

 ヴォルカノフスキーは10月の『UFC 294: Makhachev vs. Volkanovski 2』で負傷欠場したチャールズ・オリヴェイラの代打で再びイスラム・マカチェフのライト級王座に挑戦し1R KO負けして以来の試合。フェザー級王座は7月の『UFC 290: Volkanovski vs. Rodríguez』で暫定王者のヤイール・ロドリゲスと統一戦を行い3R TKO勝ちして以来の試合。

 トプリアは6月の『UFC on ABC 5: Emmett vs. Topuria』でジョシュ・エメットに判定勝ちして以来の試合でMMAデビュー以来14連勝中(UFC戦績6勝0敗)。現在UFCフェザー級ランキング5位。続きを読む・・・
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F1 o ONE UFC UFC294   イクラム・アリスケロフ イスラム・マカチェフ サイド・ヌルマゴメドフ ムハマド・モカエフ

『UFC 294: Makhachev vs. Volkanovski 2』パフォーマンスボーナス

競技者・指導者のためのウエイトトレーニング大全 パフォーマンスが劇的に向上! [ 片井 忠 ]


 UFCが『UFC 294: Makhachev vs. Volkanovski 2』のパフォーマンスボーナスを発表。

▼ファイト・オブ・ザ・ナイト
・該当試合なし

▼パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト
・イスラム・マカチェフ、イクラム・アリスケロフ、サイド・ヌルマゴメドフ、ムハマド・モカエフ


 4選手には各5万ドルのボーナス。続きを読む・・・
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o UFC   イスラム・マカチェフ カマル・ウスマン キック ブログ 観戦速報

【UFC】速報中!UFC 294: Makhachev vs. Volkanovski 2

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大会直前で主要カードに変更があったUFC 294: Makhachev vs. Volkanovski 2がアブダビのエティハド・アリーナで開催されました。注目はメインとセミの2カード。メインはイスラム・マカチェフの持つライト級王座にスクランブル発進のアレキサンダー・ボルカノフスキーが挑むタイトルマッチ。そしてこれまた緊急出場のカマル・ウスマンがハムザト・チマエフとミドル級で激突します。図らずも実現した夢のあるマッチメイクの結末はいかに。U-NEXTで観戦しつつ、電波と充電の続く限り速報します。乱筆乱文にはご容赦くださいませ。


【ライトヘビー級】
マゴメド・アンカラエフ
(1R ノーコンテスト)
ジョニー・ウォーカー
1R、ケージに際での差し合い。アンカラエフが押し込むとウォーカーは片膝をついて耐える。するとアンカラエフは反則となる顔面への膝蹴り。これで試合は中断。当たりは浅かったように見えたがドクターチェックの末にノーコンテスト裁定。まだやれると息巻くウォーカー。ケージ上でアンカラエフと小競り合いが起きてダナ・ホワイトも割って入る一幕も。何ともスッキリしない結末。


【ミドル級】
×カマル・ウスマン
(判定0-2)
◯ハムザト・チマエフ
1R、開始直後にチマエフが片足タックル。ウスマンを崩してバックに周る。ここからの固めがとにかく強い。バックをガッチリとキープ。ウスマンが立ち上がっても背中に張りていて離れない。おんぶの状態からチョークを狙うと、ウスマンはたまらず前方に叩きつけるがチマエフは離れない。結局極められないが最後までチマエフがバックをキープしてラウンドを終えた。
2Rは一転してスタンドの展開。互いに様子を見て大きな仕掛けがない中、ウスマンがカーフキックでリズムを作り、ジャブ、フックもヒットし始める。終了間際にチマエフがタックルでテイクダウンするがすぐにラウンド終了。
3R、序盤は終始スタンドの展開。チマエフのタックルを切ったウスマンが打撃でプレッシャーを掛ける。ジャブ、フックが的確にヒットしてチマエフが嫌がる場面も。攻略の糸口を見つけたかに見えたが、中盤にチマエフがタックルでテイクダウンに成功。ポジションをキープ。最後にウスマンが脱出して打ち合うが決め手なく試合終了。判定は圧倒的なテイクダウンとポジショニングで上回ったチマエフに軍配。代打出場のウスマンの健闘も光った。


【ライト級タイトルマッチ】
◯イスラム・マカチェフ 
(1R TKO)
×アレキサンダー・ボルカノフスキー
1R、打撃の交差から組んで来るマカチェフ。ボルカノフスキーもケージを背にして身体を入れ替えて脱出。身体が離れるとマカチェフのハイキック一閃。ボルカノフスキーはグラついてダウン。マカチェフはパウンドを集中させたところでレフェリーが試合を止めた!マカチェフが圧勝です。