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お蔵入り厳禁【Special】月刊、柏木信吾のこの一番:1月:バルゾラ✖コールドウェルからのミハイロフ

【写真】GPに入ってもおかしくない力をベラトール参戦後の2試合で見せているミハイロフ (C) BELLATOR

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。3人の論客から、柏木信吾氏が選んだ2022年1月の一番。29日に行われたBellator273より、エンリケ・バルゾラ✖ダリオン・コールドウェル戦に──続き、ニキータ・ミハイロフやバンタム級ワールドGPについて語らおう。


――実はファイト&ライフ誌で水垣偉弥さんにBellatorバンタム級ワールドGPの優勝者予想をしてもらったところ、コロナ禍で何が起こるか分からない。補欠戦に入れば、バルゾラ優勝もある、大穴だという話になりました。ジェイムス・ギャラガーより全然、強いのではないかと。

「でもギャラガーは本来、あのメンツに入る実力はないです。バルゾラの方が強い。ただし地域的、そして放送環境的に外せないんだろうなと。ギャラガーは普通に残れない。彼を残すなら、ベラトールが戦略的にトーナメント枠を組むしかないと思います。ただ誰と当てても勝てない……という感覚ではいます(笑)」

――力はそこそこあると思います。ただし、キャラ優先であることは間違いないですよね。

「ギャラガー1人いれば、アイルランド大会やUK大会は大成功です。そう考えると、凄い選手ではあるんです。ベラトールが大切にする理由は凄くよくわかります」

――とはいえ純粋にファイターの技量としては、AJ・マッキーと同時期に注目され始め明白に差がでました。

「実はずいぶんと昔からアントニオ・マッキーに『俺の息子は凄いんだ』と言われていたのに、スルーしていたんですよね(苦笑)。『お前の息子だろうッ!!』って」

――いやいや、失礼な。かの実力者アントニオ・マッキーを捕まえて。

「強いです。強いですけど、まぁまぁまぁ……試合が……(笑)」

――アハハハハ。

「でもあの時からマッキーは『息子は俺とは全然違う。蹴りだってフライングニーや、スピニングシットが好きなんだ』って言っていたんですよね。2012年、もう10年近く前でVTJの招聘をしていた時期ですけど、『俺の息子は世界チャンピオンになる』って言っていました」

――父親の印象が強すぎて、大魚を逃してしまいましたね。

「マッキーのところに、なぜかハワイアンがいて。カナ・ハヤットをVTJに呼んだころですね。成績は綺麗でなくても、面白い試合をする選手が多かったんです。あの時に父親の方がそういう風に言っていて、いやぁ懐かしいですね」

――これぞ秘話ですね。いずれにせよ、ギャラガーは難しいと。

「ハイ、連勝はしていたけど、明らかに勝たせるマッチメイクで。誰だコイツっていう相手が多くて。マイケル・ペイジも序盤はそうでしたよね」

――とはいえ、ギャラガーやMVPの価値を欧州であげた。それこそベラトールの面白い点かと思うんです。軸が北米にただ一つ存在するのではなくて、欧州は欧州で機能している。

「ハイ、結果がマイケル・ペイジのように強い人は強い、北米レベルにある人間を育てているわけですしね。ベラトールには米国とヨーロッパという2つの軸があり、そのうえでドミナンスMMAマネージメントから、××××フっていう名前のコーカサスの選手も増えてきている。アリ・アブデルアジスが連れてくる──そういう選手もいるので、しっかりとした選手が今のベラトールには揃っています」

──ついつい話が逸れてしまいますが、バルゾラにしてもニキータ・ミハイロフにしても、既にポスト・ワールドGPが動いているような。

「ミハイロフに関しては、ヒョードル軍団って重い選手ばかりだと思っていたら、あんなに良い軽量級の選手がいるのですね。普通に強い。倒せる打撃を持っているのに、どこでも戦える」

──打撃に関しては、ちょっと貰うことがあるかと。

「そうなると、組んで勝てる。ガチでいけば、ワールドGPにバルゾラとミハイロフが入っている方が自然だと思います。ただ彼らにはスコット・コーカーの好きな華が欠けています。今はチームで色々と修正も見られますが、スコットは本来そういう華の部分が好きですよね」

──それは決して男前とか、ルックスではないですよね?

「そういうわけではないです(笑)。ただしバルゾラとミハイロフを入れて、彼らが勝ち進むとどうなるんだという風になるのも分かります。現在のGP出場のメンバー8人は、これまでベラトールのバンタム級を温めてきた選手たちですしね」

──逆に出ない方が、その後が楽しみなるという風な気もします。

「ホントにその通りで。GPが始まってもいないのに、他の選手が活躍して『この選手たちが見たい』という意見が挙がるぐらいですからね。

でもタイガー・マゴメドフとニキータ・ミハイロフが戦えば、どんな試合になるんだろうとか、凄くワクワクしてきますよね。でもマゴメドフの方が、上ですかね。あの打撃を潰していくか。ブレイン・シャットに入れた最初の右ストレートなんて強力でしたよ」

──その楽しみなベラトールのバンタム級ファイターとRIZINバンタム級ファイターが絡むことは?

「絡みたいです。当然、GPの補欠に関しては『RIZINにもバンタム級には良い選手が揃っている』という話をしています。日本から米国に行くのは可能で、何かをしたいということは常にスコットと話しています。

野望……希望として、絡みたいです。ぜひ絡みたい。日本人同士でしのぎを削ってきたなかで、次は海外に挑む、迎え撃つというのは選手のモチベーションも上がるし、良いコンセプトです。日本のMMA界が一つになれる機会でもあるので、GPの補欠、その他に日本の選手がチャレンジしていければと本当に思っています」

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【Special】月刊、柏木信吾のこの一番:1月:バルゾラ✖コールドウェル「逆転のラティーノ!! 自滅の…」

【写真】ポイントではリードしていたコールドウェルは、3Rにバックコントロールを許すと動かなくなった…… (C) BELLATOR

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。3人の論客から、柏木信吾氏が選んだ2022年1月の一番。29日に行われたBellator273より、エンリケ・バルゾラ✖ダリオン・コールドウェル戦について語らおう。


──柏木さんが選ぶ2022年1月の一番をお願いします。

「Bellator273のエンリケ・バルゾラ✖ダリオン・コールドウェルのバンタム級戦です。コールドウェル、確かな技術があるのに勿体ないですね。本当に勿体ないです、あのガス欠は……。

フェザー級の方が合っているということで階級を上げて、勝てず。バンタム級に戻してきて、この試合。メンタルが弱いのか、根性が足らないのか。精神力になってしまいますね(苦笑)。バルゾラに対し、あの序盤のテイクダウンとコントロール力、素晴らしいものがあると思うんです」

──ハイ。

「体力があるうちは、常にバルゾラを上回っていたのに。あの負け方は勿体ないです」

──2Rまで確実にリードしていた。なら3R、あと2分とかもう少し粘ろうという動きが見えて然りだと思うのですが、あそこまで動かなくなるのは……。柏木さんが言われたように精神面かと思ってしまいます。

「最終回、シングルレッグを切られてバックに回られた。そこからですね」

──MMAを伝えるという仕事をしていて、読者の皆さんに伝えたいのは、普通はできないこと。自分らでは、できないことを選手に投影する。それは動きだけでなくて、諦めない気持ちも大きいと考えています。日曜日の朝にベラトールを見ている人たちにとって、選手の頑張りが明日への活力になるような。

「ハイ。結果的に負けたとしても、頑張る姿勢を見たいということですよね。だって、本当にあと2分ですよ。もう少し頑張ればということを頑張り切れなかった。レフェリーのマイク・ベルトラントも最大限に『動け』、『動け』って促しているわけで。『守れ』とまで言っていて。そこで踏ん張り切れない。反撃に出ないばかりか、動かないで防御も甘いとなると、もう試合はストップしますよね。

コールドウェル自身がどう思っているのか分からないですけど、見ている人間からすると残念ですよ」

──堀口選手とMSGで戦った時、ケージに押し込んで動かなかった。それはやはりスタンドに戻りたくないという気持ちの表れだったんだと、この試合を見ると腑に落ちました。戦いに行かないで止まったのは。

「そうですね。とりあえず現状維持という試合でした。まぁジョー・ウォーレンと戦った時とかから見ていると……。あのウォーレンを投げ飛ばして、組み勝つ。バケモノが出てきたと思いましたよね。あの時のインパクトからすると、『どうしたんだ?』と言いたくなります」

──ならフェザー級GPで、柏木さんが大好きなアダム・ボリッチに負けておけよって(笑)。

「アハハハハ。本当ですよ。というのは冗談ですけど、あんな一方的な展開だと……。戦績を見ていると、このところ2勝5敗なのにボリッチに勝っている(苦笑)。それで、AJ・マッキーJrにコロッと負けてしまったり」

――たまらないですね(笑)。全体の盛り上がりを考える立場の人としては。

「プロモーター泣かせです。『もういいや』って投げるのは、彼の普段からの体調管理が試合に影響しているんだと思います。ファイターとして体を創るという作業よりも、体重を落とす作業をして試合に臨んでいるのでは、と以前から感じていました。

というのもRIZINで堀口選手と戦う前に、米国で彼の撮影に立ち会っていたんですけど、試合が決まっているのにこういうモノを食べているんだと思ったことがあったんです」

──おお、フライドチキンとか食べていたのですか。

「いや、さすがにそこまでは……。もちろん、選手それぞれ減量方法は違うので一概には言えませんけど、試合の何週間前という段階で、甘いものとかを食べていて。案の定、大晦日の試合でも減量で大苦戦して。タイトルマッチを組めなくなるんじゃないかっていうぐらい体重を落とすのが大変だったんです。なんとか体重を作って試合はしましたけど、あの時も最後のギロチンは諦めたんじゃないかなって感じでしたよね」

──確かに負けるべきして、負けたような。諦め感のあるタップでした。

「やっぱり天は二物を与えず、ということなのでしょうかね。身体的な能力、バネや体の強さを持って生まれながら、心が弱い。自分に負けるというか。

その逆がラテン系のバルゾラでした。ペルー人ですよ。ペルー、どれだけMMAファイターが強くなれる環境があるんだと。実際には分からないですけど、今ではAKAでやっていたとしても、そこまで辿り着くにはどういう生活を母国していたのか。そりゃあ、気合が入っていたに違いないですよね。

メキシカン、ラティーノって試合を組むという仕事をしているなかで、気持ちが強いという印象があります。逆転勝ちはラティーノに多いです。今回の試合もバルゾラが投げていたら、試合は2Rで終わっていました。でも諦めないですよ」

──2019年の10月にUFCのシンガポール大会をケージサイドで撮影していて、バルゾラがモフサル・エフロエフに判定負けを喫した試合を見たのですが、いやペルー人選手でこんなに強いのかと驚かされたことがありました。

「そうなんですよね。ペルーですよ。本来はフェザー級の選手がTUFラテンアメリカのシーズン2のライト級に参加して、そのチャンスを生かし決勝もアンダードッグだったのにTUFウィナーになった。そしてUFCで戦うチャンスを得た。

でもUFCではずっとプレリミです、戦ってきたのは。その選手がBellatorの元世界チャンピオンに勝った」

──ハイ。UFCでトップ戦線に行く前で6勝3敗1分でした。

「ベラトールとしてはキツイというか、現実を見た想いです。余りにもバケモノが多くて、UFCでは埋もれてしまう。とはいえ、2Rまではコールドウェルは完全に試合をリードしていましたからね。この試合はコールドウェルがコールドウェル自身に負けた試合だったかと思います」

<この項、続く>

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BELLATOR Bellator273 MMA MMAPLANET UFC   イスラム・マメドフ ベンソン・ヘンダーソン ライアン・ベイダー

『Bellator 273』ライアン・ベイダー vs. ヴァレンティン・モルダフスキー、ベンソン・ヘンダーソン vs. イスラム・マメドフのジャッジの採点/主要サイトの採点

 『Bellator 273: Bader vs. Moldavsky』ではメインイベントとセミファイナルが共に“疑惑の判定”だったので、ジャッジの採点と主要サイトの採点を紹介します。

Ryan Bader defeats Valentin Moldavsky(MMA Decisions)

 ライアン・ベイダー vs. ヴァレンティン・モルダフスキーのジャッジの採点。3者とも1,4,5Rベイダー、2,3Rモルダフスキーで48-47ベイダー勝利でした。

 主要サイトの採点は48-47ベイダー支持4人、48-47モルダフスキー支持7人でした。


 参考までに打撃数もテイクダウン数もモルダフスキーが圧倒しています。


Benson Henderson defeats Islam Mamedov(MMA Decisions)

 ベンソン・ヘンダーソン vs. イスラム・マメドフのジャッジの採点。Eric ColonとAnthony Manessが1,3Rヘンダーソン、2Rマメドフで29-28ヘンダーソン勝利。Ron McCarthyが1Rヘンダーソン、2,3Rマメドフで29-28マメドフ勝利でした。

 主要サイトの採点は29-28ヘンダーソン支持3人、29-28マメドフ支持5人でした。


 1Rと4Rはベイダー、2、3、最終回がモルドフスキーというのが妥当な見方だが、初回がビッグラウンドなら47-47ということはあり得るが、果たして。ジャッジの裁定は48-47でライアン・ベイダーに……。2R、3R、そして最終回、ベイダーが取った要因がどこにあったのか……ジャッジが場内の空気に流されていない限り、MMAに関係する全ての人間が、今後のためにも試合をもう1度見直す必要があるかと……。


「この試合はキャリアで一番大切な試合だった。ホームタウン、フェニックス、アリゾナ。サンキュー・ベリー・マッチ。ハイエルボーは普通のギロチンより絞めつけたけど、彼はしっかりディフェンスしたんだ。マッスルな馬力に対して、スムーズに戦った」とベンヘンは話し、当然地元の観客は大喜び。こういうファイトで勝利を手にするのが、ベンヘンの強さともいえるが、マメドフが気の毒でしかない裁定だ。


 地元の声援を受けて入場したベイダーだったが、判定の瞬間は歓声とブーイングが混在する状態に。

 奇しくも、コ・メインで行われたライト級での米露対決でも、元UFC世界王者のベンソン・ヘンダーソン(米国) が、ハビブ・ヌルマゴメドフ軍団のイスラム・マメドフ(ロシア)を相手に、スプリット判定で際どい勝利をモノにしており、アリゾナ州フェニックスのMMAラボ所属のヘンダーソンは、「キャリアで一番大切な試合だった。ホームタウン、のフェニックス、アリゾナのみんな、ありがとう。ハイエルボーギロチンで絞めたけど、彼のディフェンスは強かった。スムーズに戦った」と、地元の声援を背に接戦を勝利したことを語っている。

 ライアン・ベイダーもベンソン・ヘンダーソンも大会が開催されたフロリダ州在住ということでホームタウンディシジョンではないかという声が一部で上がっています。続きを読む・・・
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BELLATOR Bellator273 MMA ONE UFC YouTube

Bellator 273 Highlights: Ryan Bader vs. Valentin Moldavsky | ESPN MMA

Ryan Bader wins the main event of Bellator 273 by unanimous decision against Valentin Moldavsky to retain his heavyweight title.

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BELLATOR Bellator273 MMA MMAPLANET チーク・カンゴ ライアン・ベイダー ヴァレンティン・モルドフスキー

【Bellator273】3つのラウンドを取ったと思われたモルドフスキーだが、ベイダーが48-47でまとめ王座防衛

<Bellator世界ヘビー級王座統一戦/5分5R>
ライアン・ベイダー(米国)
Def.3-0:48-47.48-47.48-47
ヴァレンティン・モルドフスキー(ロシア)

前に出て左ジャブを放つモルドフスキー、同時にジャブを当てたベイダー。間合いを取りなおすと、左に右クロスを当てたベイダーは腰が落ちたモルドフスキーに右を連続で打ち込む。ダウン直前のモルドフスキーだが、組みついて息を整えるとボディロックテイクダウンを決める。ハーフで抑えるモルドフスキーは、スクランブルでバックにつき、前方にベイダーを崩す。

立ち上がっては倒され、背中を取られた状態が続くベイダーが、ケージを背負って立ち上がり胸を合わせる。右を差して、左で殴るモルドフスキーに対し、ベイダーがヒザを突き上げる。残り90秒、モルドフスキーの離れ際の左ヒジに右を合わせたベイダーは、離れてからのパンチの交換を経て、自分の形で組みつく。ケージにモルドフスキーを押し込み、合引き抜くようにテイクダウンを決めたベイダーが、半身でキムラのモルドフスキーのワキ腹を殴る、モルドフスキーはキムラを諦め、ガードを取り直したところでパウンドを受けて時間に。

2R、リードフック、ジャブで前に出るモルドフスキーだが、右を振ったベイダーがそのまま組みつき、ケージに押し込む。体を入れ替えられたべいだーの左ヒザがモルドフスキーの急所に当たり、試合が中断される。再開後、右オーバーハンドから左フックを振るうベイダーがシングルレッグへ。逆に押し込んだモルドフスキーは、四つ組の状態で譲らず両ワキを差す。

ベイダーの小手投げを耐え、トップを取ったモルドフスキーはバックからヒザを臀部に突き刺す。殴られながら立ち上がったベイダーをダブルで持ち上げたモルドフスキーが、バックを取る。すぐにスタンドに戻ったベイダーは、ここも前方に崩されバックを許し、足をフックされそうになる。体をかがめ、片ヒザをついて身を守るベイダーに対し、モルドフスキーが後方からパンチを入れてスクランブルでバックを取ったままラウンドが終わった。

3R、モルドフスキーが左ジャブを当て、ワンツーを振るう。パンチを見せて組みついたモルドフスキーが小手投げ狙いのベイダーのバックに回る。組みで劣勢になるベイダーは、胸を合わせることができない。このまま時間が過ぎ、正面に回ったモルドフスキーにスイッチをベイダーが仕掛ける。反応して胸を合わせたモルドフスキーのシングルに、ベイダーはキムラで引き込むが、滑って手が抜ける。背中の見せたベイダーに対し、モルドフスキーは後方から右のパンチを入れ、立ち上がられても崩してワキの下からアッパーを打っていく。2R終盤と同じように片ヒザをついて座ったベイダーは、この回を落とし逆転を許した。

4R、ジャブを差し合い、シングルからケージにモルドフスキーを詰めたベイダーだが、押し込むことができず離れられる。同時に右を打った両者、モルドフスキーがワンツーから前で組み、離れたベイダーは続くダブルレッグもスプロールしてがぶっていく。バックに回れずに離れたベイダーは、フックから組んだモルドフスキーにケージに押し込まれるも、体を入れ替えてダブルレッグ&小外掛けでクリーンテイクダウンを決める。

ハーフで右のパンチを打つベイダー、モルドフスキーはスクランブルに持ち込めず背中をつけてハーフを取る。右で殴り、バックを制したベイダーがバックに回る。モルドフスキーはケージを掴んで注意が与えられるが、残り1分で立ち上がることに成功する。ベイダーはここもダブルレッグ、そしてシングルにスイッチしてテイクダウンを決め直す。疲れて動けなくなったか。背中をべたっとマットにつけたモルドフスキーは、この回を失い試合はイーブンスコアで最終回を迎えることとなった。

5R、右を当てたモルドフスキー、ベイダーも左を返す。暫定王者が左ジャブ、リードフックを見せ正規王者のシングルを切ってクリンチの状態に。いなして離れたモルドフスキーがダブルレッグでケージにベイダーを押し込む。回って離れたベイダーが、右を被弾するがすぐに打ち返し、次の組み合いの離れ際にワンツーを放つ。モルドフスキーが右を当て組みつくと、ケージ中央でのクリンチの状態から打撃の攻防になり、ダブルを切られたベイダーが一瞬下になり、スクランブルでリバーサルを狙う。

切ったモルドフスキーがバックに回り、ベイダーはヒザをついて座る。立ち上がっても、前方に崩され亀の状態となったベイダー。ラウンドを失う流れで、立ち上がったベイダーが胸を合わせる。シングルのモルドフスキーにベイダーがエルボーを落として離れようとする。許さないモルドフスキーがケージに押し込み、キムラで耐えるベイダーは、ついに肩口に持ち上げられスラムを許す。残り10秒、バックで試合を終えたモルドフスキーはベイダーとグータッチをした。

1Rと4Rはベイダー、2、3、最終回がモルドフスキーというのが妥当な見方だが、初回がビッグラウンドなら47-47ということはあり得るが、果たして。ジャッジの裁定は48-47でライアン・ベイダーに……。2R、3R、そして最終回、ベイダーが取った要因がどこにあったのか……ジャッジが場内の空気に流されていない限り、MMAに関係する全ての人間が、今後のためにも試合をもう1度見直す必要があるかと……。

ともあれタフファイトを制したベイダーは、次期挑戦者のチーク・カンゴとサークルケージ中央で向き合った。


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BELLATOR Bellator273 MMA MMAPLANET イスラム・マメドフ ベンソン・ヘンダーソン

【Bellator273】極められなかったギロチンが評価の対象?? ベンヘンが2-1勝利もマメドフが気の毒

<ライト級/5分3R>
ベンソン・ヘンダーソン(米国)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
イスラム・マメドフ(ロシア)

サウスポーのベンヘンが右ロー、マメドフがかわす。足へのパンチを見せたベンヘンに対し、マメドフが先にミドルを蹴っていく。マメドフが右ストレートを放ち、ベンヘンは左ローを蹴る。さらに右カーフを蹴ったベンヘンは、ワンツーに続く右ミドルを受ける。パンチの踏み込みで近づく両者、マメドフがクリンチでベンヘンをケージに押し込む。ヒザをボディから顔面に放ったマメドフは、体を入れ替えられ強引にテイクダウンを狙ったところでベンヘンが上を取った。

スクランブルでギロチンに入ったベンヘンは、倒されて下になっても左足を制して絞め続ける。残り20秒で頭を抜いたマメドフがバックを制し、左のパンチを打ちながらラウンド終了を迎えた。

2R、まず左ローを蹴ったベンヘンは、左ハイを狙う。かわしてハイを見せたマメドフが頭を振って前に出ると右ハイを繰り出す。自らのローで姿勢を乱したベンヘン、ここでマメドフの間となり右を見せて組みつく。そのままマメドフはバックに回って、ベンヘンを持ち上げる。ここで自ら側転するように上を狙ったベンヘンが、スクランブルでアームインギロチンを仕掛ける。パスから頭を抜いたマメドフがバックを制してRNCへ。アゴの上から絞められたベンヘンは、尻をずらして防ぐが、体を起こしたマメドフがバックを制して状態でスタンドへ。

フックを解いたマメドフ、ベンヘンはビクトル投げへ。ヒザを畳んだマメドフに外ヒールを仕掛けるベンヘンだが、鉄槌を落とし体を捻って足を抜いたマメドフはスクランブルを許さずトップからバックへ。ここで立ち上がったベンヘンは、ワンフックのままで後ろから殴られる。マメドフはRNCをセットする。完全に入ったように見えたが、ベンヘンは前方に頭からマメドフを落とすように前転し、絞めを解き──タイムアップに。

最終回、インターバル中に地元の観客を煽ったベンヘンは、その声援を背に戦うが、マメドフが右を当てる。ベンヘンは右ハイに左を合わせ、離れたところで右フックを打っていく。積極的な一方で、無暗な動きをしないベンヘンが右カーフを蹴る。詰めたマメドフはここでもテイクダウンを決める。極めよりも、頭を抱えて防ぐベンヘンだが、ホールドしきれず頭を抜いたマメドフがバックを伺う。ここでも立ち上がって前転したベンヘンは50/50に取るが、パンチを警戒して内ヒールに入ることはできない。

マメドフは左から右のパンチを落とすが、ここで足を効かせたベンヘンが尻もちをつかせる。それでもマメドフは足関節に入らせる隙を与えず、体を起こすと左のパンチを打ちながら試合終了となった。両手を挙げ、ケージに昇って観客に何かを訴えるベンヘンだが、初回のギロチンが評価された可能性もあるが、2Rと3Rは落としたことが濃厚なベンヘンは、コール前から家族をケージに招き入れる──。

とジャッジ2人がベンヘンを支持──マメドフは唖然とし言葉を失った。

「この試合はキャリアで一番大切な試合だった。ホームタウン、フェニックス、アリゾナ。サンキュー・ベリー・マッチ。ハイエルボーは普通のギロチンより絞めつけたけど、彼はしっかりディフェンスしたんだ。マッスルな馬力に対して、スムーズに戦った」とベンヘンは話し、当然地元の観客は大喜び。こういうファイトで勝利を手にするのが、ベンヘンの強さともいえるが、マメドフが気の毒でしかない裁定だ。


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BELLATOR Bellator273 MMA MMAPLANET エイデン・リー ヘンリー・コラレス

【Bellator273】劣勢のエイデン・リーがアイポークで続行不能に。コラレスがテクニカル判定勝ち

<フェザー級/5分3R>
ヘンリー・コラレス(米国)
Def.3R Technical Decision 3-0:30-27.30-27.29-28.
エイデン・リー(英国)

コラレスが右カーフ、姿勢を乱したリーはスイッチをするが前足を蹴られる。蹴り足を掴んで左フックを打ち込んだコラレスは、尻もちをついたリーをスタンドで待つ。前足に左右のカーフを続けるコラレスは蹴りを散らし、カーフに帰結される。左ボディフックを受けたリーが、ステップインから右ストレートを決める。ここでUSAチャントが起こり、地元のコラレスを後押しする。遠い距離からジャブを伸ばしたリーは、左右に回り右ローを見せる。コラレスもローは入るが、パンチを届かない距離で試合を続けた。

2R、ジャブと左ハイを見せたリーが、構えを変えてサークリングを続ける。そこからステップインして左ハイも、コラレスのステップインには急ぎ距離を取り直す。互いの踏み込んだタイミングが合い、コラレスが左フックを打っていく。左に続く右フックを当てたコラレスが右カーフ、リーは左ミドルを2つ入れる。と、クリンチの攻防から離れたリーが右を見せてシングルレッグを仕掛ける。

コラレスはケージを背負って耐え、ダブルレッグにはゴゴチョークの要領でリーを持ち上げる。ワキの下に頭を押し込み耐えたリーだったが、押し込みをいなさると下になってガードを取る。ニーシールドを畳んだコラレスは自らスタンドに戻り、続いたリーに右フックを入れてラウンド終了となった。

最終回、リーがスピニングバックエルボー、ブロックしたコラレスが右カーフを入れる。ワンツーで前に出たリーは、アイポークがあったとアピールし試合が中断される。詳細は分からないが、見た目では戦いに戻る気配があまり感じられないリー。ファンのブーイングにも頭を下げて、タオルで左目を抑えた時間が長引く。左目が開けられない様子のリーは5分を過ぎて、レフェリーが試合終了を宣言。途端に不満を露わにしたリーだが、テクニカル裁定で勝ち目はなくコラレスに下った。


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BELLATOR Bellator273 MMA MMAPLANET サバウ・ホマシ ジャリール・ウィリス

【Bellator273】完璧な流れでサバウ・ホマシが、ウィリスを102秒──肩固めで仕留める

<ウェルター級/5分3R>
サバウ・ホマシ(米国)
Def.1R1分42秒by 肩固め
ジャリール・ウィリス(米国)

間合いを測る両者、ウィリスが右オーバーハンド、ホマシが右カーフを蹴っていく。カーフを続けるホマシに右を合わせようとしたウィリスは、右ミドルを受けた直後にバックに回られてテイクダウンを許す。ホマシは即両足をフックし、RNC狙いからトップに移行して肩固め──ウィリスがタップし、100点満点の一本勝ちを手にした。


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BELLATOR Bellator273 MMA MMAPLANET エンリケ・バルゾラ ダリオン・コールドウェル

【Bellator273】組み勝ったコールドウェルだが疲れて、バルゾラの組み&打撃に心が折れTKO負け

<バンタム級/5分3R>
エンリケ・バルゾラ(ペルー)
Def.3R3分01秒by TKO
ダリオン・コールドウェル(米国)

いきなり左ストレートを当てて組みついたコールドウェルがバックに回ろうとする。胸を合わせたバルゾラが逆にボディロックでテイクダウンを奪うと、背中につく。後方からヒザを太腿に入れたバルゾラは、前転したコールドウェルをすかしてケージに足をつけてバランスをキープ、トップを取る。Zハーフのコールドウェルが左腕を差し、シングルレッグへ。がぶろうとしたバルゾラだが、そのまま下にされる。バルゾラはここでバタフライガード、コールドウェルは腰を上げて首を刈りスクランブルを許さない。

そのままハーフで上を取ろうとしたコールドウェルが、バタフライフックをパスしてサイドで抑える。残り90秒、バルゾラが足を戻すと、コールドウェルはボディロックへ。背中を預けたバルゾラが立ち上がるが、コールドウェルが後方へバックスープレックスを繰り出す。すぐにヒザ立ちになったバルゾラはスイッチ狙いから胸を合わせてスタンドに戻りタイムとなった。

2R、コールドウェルは左ハイ2つからボディロック、そのまま体重をかけてテイクダウンを決める。攻めと受け、体力勝負の様相を呈してきたなかコールドウェルがスタンドでバックコントロールを続ける。シングルをがぶられたバルゾラは、ヒザからヒジを受ける。ここで離れたコールドウェルは前に出てきたバルゾラに、左アッパーを当てて組みつく。背中に回られたバルゾラは即、胸を合わせて離れるとパンチから蹴りを交えて前に出る。

ヒザ蹴り、ワンツーで迎え撃つコールドウェルは打撃戦のなかでシングルへ。バルゾラのスイッチ、そしてコブラを許さずケージに押し込んでいく。シングルを続けるコールドウェルの側頭部にエルボーを連打するバルゾラは、嫌がってスタンドに戻ったコールドウェルとの距離を詰め右フック、続くアッパーは空振りになり──ワンツーにシングルを合わされる。

足を抜かれたコールドウェルは疲れが見えるか、テイクダウン狙いにギロチンを仕掛け下になってしまう。足を払って後方回転させたバルゾラがバックへ。コールドウェルは払い腰で投げるが、抑えることはできずスタンドに戻りバルゾラがフックからヒザ、右ミドルを放って時間に。ポイントではコールドウェルがリードしているが、最終回に逆転の目を残したバルゾラだった。

3R、すぐにテイクダウンを狙ったコールドウェル。切ったバルゾラが粗いフックで前に出る。コールドウェルが左アッパー、スピニングバックフィストを入れるが、姿勢を乱してシングルへ。スプロールしながら背中にエルボーを落とすバルゾラが、バックに回る。ここからバルゾラは左のパンチを連打し、ボディロックでバックにつく。

手首を自由にしたバルゾラが、サイドバックからパンチ、エルボー、鉄槌を続ける。動けないコールドウェルは防御に徹し、ただ頭部と顔をガードするようになる。それでも余力をのしている感のあるコールドウェルだったが、バルゾラのエルボーの連打でレフェリーが試合を止めた。

不満そうな顔を浮かべたコールドウェルだが、動かないでストップされるのは致し方ない。レスリングで攻めたコールドウェルと、受けて反撃に出たバルゾラ。出し切らず敗れた前者に対し、後者は出し切る覚悟で殴り続けた。気持ちの違いが勝敗を分けたといえる。


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BELLATOR Bellator273 MMA MMAPLANET ニキータ・ミハイロフ

【Bellator273】倒せるパンチとスラミング&堅実なコントロール。ミハイロフがシャットをパウンドアウト

<バンタム級/5分3R>
ニキータ・ミハイロフ(ロシア)
Def.3R3分23秒by TKO
ブレイン・シャット(米国)

サウスポーのシャットに対し、いきなり右ストレートを効かせたミハイロフがダウンを奪う。即ダブルからシングルに来たシャットを切りつつ、ミハイロフはパンチを落とす。ボディロック&大内刈りで上を取り切ったミハイロフが、ガードのなかでパンチを落とす。シャットは頭を抱えるが、すぐにミハイロフが抜いて右ヒジを打ち下ろす。

2度目のギロチン狙いにも腰を上げたスラムしたミハイロフが、足を抜きに掛かる。シャットはバタフライスイープを狙い、潰したミハイロフはクローズドの中に収まる。ここから長いリーチを生かした右のパウンドを落とされたシャットはガードが開き、スクランブルへ。ミハイロフはバックを制して、再び寝技に持ち込むとヒザを臀部に入れる。スイッチ狙いはダブルレッグでトップを取ったミハイロフが初回を取った。

2R、ハイを蹴り合った両者。圧を掛けるミハイロフに対し、シャットが左ミドルを蹴る。続いてミドルハイを狙ったシャットが、踏み込んでワンツー。ミハイロフはダブルレッグを仕掛け、ギロチンにハマる。立ち上がってスラムしたミハイロフは、力で頭を抜き胸を合わせて細かいパンチを打っていく。さらに肩パンチを放ったミハイロフは、強烈な勢いの右エルボーと肩パンチで、観客のブーイングを封じ込める。

シャットのスイッチ狙いからスクランブルで試合がスタンドに戻るや、ミハイロフがボディロックでリフトし豪快なスラムを見せる。シャットはロールしリバーサル狙いも潰されてクローズドを強いられ、この回もミハイロフとなった。

最終回開始直後にダブルレッグでテイクダウンを決めたミハイロフに、フェニックスのファンがブーイングを送る。シャットはギロチンを抜かれ、バタフライガードを取る。シャットは攻めてがなく、ブレイクを要求するような視線をレフェリーに送る。

細かいテレフォンパンチを打つシャットは、カンヌキで膠着を狙う。ミハイロフは頭を抜いて、トップをキープすると残り2分半でレフェリーがブレイクを命じる。勢いこみ、前に出たシャットは左フックを被弾してダウン。バックを制したミハイロフが、強烈なエルボーから右のパウンドを打ち込みTKO勝ちを手にした。


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