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【RIZIN LANDMARK09】サトシ戦へ。RIZINライト級の逆・黒船=中村K太郎「キャンって言わせてやります」

【写真】この後、DEEPライト級王者となる江藤公洋と国内ライト級トップ・ガチスパー(C)MMAPLANET

23日(土)、神戸市中央区の神戸ワールド記念ホールで開催されるRIZIN LANDMARK09で、ホベルト・サトシ・ソウザと戦う中村K太郎。
Text by Manabu Takashima

国内ウェルター級最強の男が、実に10年振りにライト級に階級を落としてくる。UFC参戦2度、修斗、DEEP、戦極とJ-MMAのトップに君臨したK太郎は、RIZINライト級勢にとって逆・黒船といえる。

いきなりのチャンピオンとのノンタイトル戦が、今後のRIZINライト級戦線にどのような影響を与えるのか。江藤公洋との激しすぎるMMAスパーの後で、K太郎に話を訊いた。


──ここにきてライト級に転向。会見では「自然と痩せてきた」ということを言われていましたが、真相の方は?

「本当に加齢なのか、そんなに食欲もなくて。普段通りに練習をしていたら、70キロ代に落ちることも普通にあって。そうなるとウェルター級でやることは難しい。それにライト級の方が層が厚いですし、RIZINで戦っていく上でも戦いたい相手、盛り上がる相手が多いので落としました」

──最後のライト級がいつだったのか、サッと思い出せないレベルです。

「いつだろう……アドリアン・マルチンス戦ですかね(2008年9月23日)。元々ウェルター級で最初にUFCと契約した時の3戦目でライト級に初めて落として(ロブ・エマーソン戦、2008年2月2日)。あぁ、でもマルチンス戦の後もライト級でやっていますね。それからもウェルター級の試合が多かったですけど、(携帯で戦績をチェックしながら)PXCでフランク・カマチョに判定負けした時(2014年2月28日)が、ライト級で戦った最後の試合です」

──いずれにせよ10年ぶり以上のライト級マッチということになります。カマチョ戦後にウェルター級一本になったのは?

「減量がきつ過ぎました。『これは、何試合も戦うのは難しい』という感じになりました」

──それが10年を経て、ライト級に。加齢が原因だと体重を落とすのは難しいかと思うのですが、代謝が落ちて。

「さっきも言いましたけど、食が細くなってきたので。そもそもウェルター級の最初の頃はナチュラルで戦っていました。減量がないぐらいだったので、頑張って増やして。それで最大92、93キロぐらいまで行って。でも試合が定期的だったわけでもなくて、食事もウェルター級の体格を維持しようという意識もなくて。そうなると段々と細くなってきました。食べるモノが変わったというのもあるかと思います。以前はカロリーの高いモノを摂っていて、それでも周囲のウェルター級の選手ほどは食べていなかったですけど」

──そこから年を重ね、食事の内容も変わったと。

「そうですね、単純に量が減り、脂っこいモノもたくさんは食べないです」

──細くなってストレングス、パワー、瞬発力系の動きは?

「多少落ちたと思います(笑)。まぁ、質力が落ちていることが心配されますけど、適正階級になりスピードが上がったり、柔軟性が増しました。動きやすくなっている面もあるので、そんなに心配はしていないです」

──何よりライト級転向初戦がホベルト・サトシ戦。ウェルター級とはチャンスの数が明白に違います。

「いきなり……評価されているのか、有難いです。ビックリしました」

──K太郎選手自身は、一発目は誰と考えていましたか。

「矢地(祐介)です(笑)」

──アハハハ、後輩だけに呼び捨てで。

「ハイ。武田(光司)選手とかもあるかと思っていたのですが、フェザー級に落としたので。でもサトシになって嬉しいです」

──チャンピオンとノンタイトル戦とはいえ、いきなりの大チャンス。今日は江藤公洋選手とのMMAスパーを拝見させていただいたのですが、打撃をしっかりと入れて際も遠慮がない。テイクダウンと組みの強い2人のガチスパーは、柔術家のサトシ選手と戦ううえでも生きる練習に感じました。

「その通りです。組みは全力で、打撃はそうじゃないというのが普通の練習なので。そのなかで週に一度、この練習があるのは大きいですね」

──ではグラップリングの練習は誰と?

「アキラ選手、村山(暁洋)さん、それと泉武司選手とやっています」

──サトシ戦が決まっても、柔術系とは練習をしていないのですか。

「そっちの人とはそんなに……。そもそも寝技の展開を創らせなければ怖くないので。MMAの選手とグラップリングをやっていると、上の取り合いになって。そこが強化されれば、良いので。際の打撃、その前とか自分からタイミングを創ることがキーポイントになると思います。

タイロン・ウッドリーとデミアン・マイア戦ですね。UFC史上、一番多くのテイクダウンをアタックしたマイアが全て返された。ただし、ああいう風に突き放すだけでなく打撃を入れます」

──引き込んで来られたら。

「そこは付き合わないで、立てば良い」

──う~ん、上手くハマれば万人受けするファイトにはならない(笑)。

「残念ながら(笑)」

──ADCC世界大会4位、グラップリングでも生けるのではないかと期待しているのですが。

「まぁ、そうですね(微笑)。サトシもグラップリングでは、道着ほど大きなタイトルを取っていないですしね。だから、そこも自信がないわけじゃないので。スタイル的にもクラシカルで。最近のレッグロックを混ぜたモノを使ってくるわけじゃないですし、対処はしやすいところでもあります。

でも深入りをしても、相手が安心できる時間が増えてしまうので。そういう時間は増やさない方が良いです」

──選手間ではK太郎選手だろうという声が、まま聞かれました。技術的な比較と同時に「やってくれ」という期待感も伝わってきました。

「それはもう色々なところで金原×クレベルに近い構図だと言われていますし(笑)。そういう古参のファンの期待に応えて、やっつけたいです。今年で40歳、ここでサトシと戦えることは光栄ですし、嬉しいです」

──リングでなく、ケージです。

「僕にとってアドバンテージになると思います」

──では最後に意気込みを一言お願いします。

「ハイ。なんかライト層なのか、下馬評ではサトシ有利という意見が目立っていたので──キャンって言わせてやります(笑)」

■視聴方法(予定)
3月23日(土)
午後12時00分~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE

■ RIZIN LANDMARK09対戦カード

<ライト級/5分3R>
ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル)
中村K太郎(日本)

<フェザー級/5分3R>
武田光司(日本)
萩原京平(日本)

<バンタム級/5分3R>
井上直樹(日本)
佐藤将光(日本)

<女子スーパーアトム級/5分3R>
RENA(日本)
シン・ユリ(韓国)

<ウェルター級/5分3R>
イゴール・タナベ(ブラジル)
ストラッサー起一(日本)

<フライ級/5分3R>
柴田“MONKEY”有哉(日本)
山本アーセン(日本)

<バンタム級/5分3R>
金太郎(日本)
ダイキ・ライトイヤー(日本)

<ヘビー級/5分3R>
貴賢神(日本)
コーディー・ジェラベック(米国)

<フェザー級/5分3R>
久保優太(日本)
高橋遼伍(日本)

<キック74キロ契約/3分3R>
ブアカーオ・バンチャメーク(タイ)
木村“フィリップ”ミノル(ブラジル)

<キック70キロ契約/3分3R>
憂也(日本)
蛇鬼将矢(日本)

<フライ級/3分3R>
中村優作(日本)
アルマン・アシモフ(カザフスタン)

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【UFC298】The Future !!! ジェフ・ニール戦へ、イアン・ギャリー「世界中の皆が、僕の運命を追い続ける」

【写真】ファイトウィークに技術論の言葉を重ねてれる。本当に感謝です(C)MMAPLANET

17日(土・現地時間)、カリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターで開催されるUFC 298「Volkanovski vs Topuria」でイアン・ギャリーがジェフ・ニールと対戦する。
Text by Manabu Takashima

英国#01フィーダーショー=Cage Warriorsで7連勝を遂げ、ウェルター級王者としてUFCへ。世界最高峰でも6連勝と負け知らずのギャリーは、昨年12月にキルクリフFCの盟友ヴィセンチ・ルケと戦う予定だった。

しかし、ファイトウィークに体調を崩して欠場に。そんな幻となった同門対決と、今回のニール戦からの世界王座への道のりについてギャリーをインタビューした。26歳、これからピークを迎えるMMA界の未来──の言葉は自信に満ち満ちていた。


──週末にジェフ・ニールとの対戦を控えたイアンです。今の気持ちを教えてください。

「エキサイティング。僕がどれだけことができるのかを、ファンの皆に見てもらえることが楽しみでならない」

──昨年12月のヴィセンチ・ルケ戦はファイトウィークに病欠になってしまいましたが、それ以前にヴィセンチというキルクリフFCのチームメイトとの試合が決まったことに驚かされました。そして試合前はキルクリフFCでなく、ブラジルで調整をしていたとも聞いています。

「その通りだ。ヴィセンチは僕の友人で、家族と一緒にブラジルからフロリダに移り住んでいる。僕は身軽だし、その点が気になっていたからジムを出てブラジルで準備をすることにしたんだ。そうすれば、ヴィセンチは家族と離れる必要はないだろうと思って。

ただ、残念なことにファイトウィークに体調不良に陥ってしまって──でも、それも人間が生きていくうえで起こり得ることだからね」

──ではヴィセンチ戦が流れ、キルクリフFCに再合流をしたのでしょうか。

「今回の試合は、そのままブラジルに残って練習をして来た。シュートボクセで練習し、柔術はデミアン・マイアとやってきた」

──デミアン・マイアと!!

「そうなんだ。最高の技術に触れ合うことができた。成長するために、素晴らしい出会いになったよ。でもキルクリフFCを離れたわけじゃない。今も皆が友人だ。コンタクトも取り続けているし、またジムに戻る。でも今はブラジルで柔術を学ぶことが、自分にとって正しい道なんだ」

──チーム内にウェルター級のライバルがいることを考慮したということは?

「ノー(笑)。ヴィセンチ・ルケもシャクハト・ラクモノフ、リー・ジンリャン、ジルベウト・ドリーニョ、皆が僕の友人だ。彼らから色々なことを学ばせてもらった。色んな影響も受けてきたよ。僕にとって欠かせない存在だ。またキルクリフに戻って、皆とスパーリングを再開するよ。彼らと同じ場所を共有すること自体が、楽しくてならないからね」

──では、今回の試合のコーナーマンは?

「ディエゴ・リマ、シュートボクセのヘッドコーチだ。そして対戦経験のあるダニエル・ロドリゲスも僕を助けてくれる。今回、ジェフ・ニールとの対策練習でトレーニング・パートナーを務めてくれたんだ。凄く良いヤツなんだよ。この試合のために、凄く良い練習をディエゴやダニエルと積むことができた」

──シャクハト、ヴィセンチは既にジェフ・ニールと戦っており、キルクリフのコーチングスタッフはニールのことを凄く理解しているかと。

「そこは特に気にしていない。僕は自分の才能を信じている。自分がどれだけできるのかも、自信を持っている。いかに自分が特別なのかを知っているからね。誰も僕のようには戦えない」

──なるほどぉ!! ではジェフ・ニールの印象を話してもらえますか。

「良い選手だよ。タフで、パンチが重い。そして、思い切り打ちこんでくる。テイクダウン・ディフェンスにも長けている。でも背が低い。あのリーチでは、僕の距離を攻略することはできない。何より、俊敏さという面では一切僕に優るところはない。彼にとって僕のスピードは超絶なほどに厄介になるだろう。彼の拳は僕の顔を捕えることはできないよ。

それにジェフは僕のようなディフェンス能力も持ち合わせていない。彼は殴る能力はあるけど、守る力が欠けている。だからタフなファイトが必要になってくるんだ。僕は彼を近寄らせることなく、やりたいことを封じ込む。試合は僕がドミネイトするよ」

──ニール・マグニー戦ではイアンのカーフキックが凄く効果的でした。マグニーはオーソで、ニールはサウスポーなのでインサイドローがカーフキックのように有効活用できると考えていますか。

「カーフよりもインサイドローの方が、リスキーだ。右インローを蹴ると、ニールに左ストレートを打つ機会を与えることにもなる。だから正しいタイミングで、正しい場所に足を置く必要がある。いくら相手にダメージを与える攻撃でも、自分が傷ついては何もならない。もちろんインローを有効に使うことがえきれば、その効果は大きいよ。それは絶対だ。

どのような蹴りでも、彼の前足を削ることができれば試合を有利に運ぶことができるようになる。ニールのスピードは落ち、前に出てくる圧力も落ちるからね。そういう展開を望まないわけがない。でも、それには正しい場所かつ正確なタイミングで蹴ることが必要になる」

──押忍。UFCデビュー戦の頃からインタビューをさせてもらってきましたが、一つ一つの言葉に説得力が出てきました。UFCで無敗でいるということは、それだけの自信になったといえますか。

「自信は持っているよ。自分を信じることから、始まっているから。そして、その自信は自分がやるべきことをやり、結果を残すことでより大きく、絶対になってきた。ガキの頃から自信はあったけど、より真実味をもって特別な自信を持てるようになったんだ」

──素晴らしいです。ところでウェルター級という層の厚い階級で、タイトルショットを手にするために今回の試合では何を見せないといけないと感じていますか。

「計画では、世界王座挑戦は2025年だ。そのために今年は、如何に僕が優れたファイターかを世界のトップ戦線で証明し続ける。手始めに土曜日にはジェフ・ニールをぶっ飛ばす。そしてトップ5ファイターから2人を指名する。

現時点でトップ15人のうち、6人を破っている。来年、タイトル挑戦を実現させるには7位か6位、5位を倒してから、1位か2位のファイターに勝つ。そうなればイアン・ギャリーが最高のファイターだと世界も認識し始めるだろう。ワクワクするよ。

皆が熱狂するファイトと共に、ゴールに向かって世界を震撼させる。それが運命だ。世界中の皆が、そんな僕の運命を追い続けることになるんだよ(笑)」

──イアン、世界中の1人として楽しみにしています。では最後に日本のファンにメッセージをお願いできますか。

「もちろん!! 僕は柔道の黒帯だ。柔道を通して、日本の文化に実際に触れたいと思っている。日本で僕のルーツに立ち返りたい。対戦相手の重心を崩すことは、MMAでも本当に有効になってくるから。それを日本の柔道で学びたいんだ。絶対に日本に行くよ」

──講道館で稽古するイアンの姿、見てみたいですね。

「おぉ!! そうなれば最高だよ。講道館の刺繍が入った黒帯を巻きたい。友人の1人が日本で柔道の稽古をしてきて、本当にビューティフルな道着を持って帰ってきたんだ。日本の友の誰かが、講道館の黒帯を僕に届けてくれないかな(笑)」

■視聴方法(予定)
2月18日(日・日本時間)
午前8時30分~UFC FIGHT PASS
午後12時~PPV
午前7時30分~U-NEXT

■ UFC298対戦カード

<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] アレックス・ヴォルカノフスキー(豪州)
[挑戦者] イリャ・トプリア(ドイツ)

<ミドル級/5分5R>
ロバート・ウティカー(豪州)
パウロ・コスタ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ジェフ・ニール(米国)
イアン・ギャリー(アイルランド)

<バンタム級/5分3R>
マラブ・デヴァリシビリ(ジョージア)
ヘンリー・セフード(米国)

<ミドル級/5分3R>
アンソニー・ヘルナンデス(米国)
ロマン・コピロフ(ロシア)

<女子ストロー級/5分3R>
アマンダ・レモス(ブラジル)
マッケンジー・ダーン(米国)

<ヘビー級/5分3R>
マルコ・ホジェリオ・デリマ(ブラジル)
ジャスティン・タファ(豪州)

<バンタム級/5分3R>
中村倫也(日本)
カルロス・ヴェラ(コロンビア)

<ウェルター級/5分3R>
チャン・ミンヤン(中国)
ブレジソン・ヒベイロ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ジョシュ・クィンラン(米国)
ダニー・バーロウ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ヴァル・ウッドバーン(米国)
オーバン・エリオット(英国)

<女子フライ級/5分3R>
アンドレア・リー(カナダ)
ミランダ・マーヴェリック(米国)

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45 AB MMA MMAPLANET o ONE Special WNO22 YouTube デミアン・マイア ブラック マーシオ・クロマド レアンドロ・ロ 岩本健汰

【Special】岩本健汰が挑戦するミカ・ガルバォンを知ってもらうため、Fight&Lifeインタビューを再掲載

【写真】このところ話題性でルオトロ兄弟の遅れをとっているが、実力的には遜色ない──はず(C)SATOSHI NARITA

9日(金・現地時間)、カリフォルニア州コスタメサで開催されるWNO22「Rodriguez vs Hugo」で自らの持つウェルター級王座の防衛戦で岩本健汰と対戦するミカ・ガルバォン。
Text by Manabu Takashima

ここでは、ミカ・ガルバォンが何者かを知ってもらうために、2022年4月に発売されたFIGHT & LIFE#90から、彼が柔術を始めた時からムンジアル優勝→陽性で王座剥奪までの柔術家&グラップラー人生を振り返り、また彼の柔術&グラップリング観を話してもらったインタビューを再掲載する。

岩本が挑む世界最強のグラップラー=ミカ・ガルバォンとは?


――柔術の神の子ミカ・ガルバォンに初インタビュー。嬉しい限りです。

「こちらこそ、日本のマガジンでインタビューされる機会を貰えて感謝しているよ。マナウスと日本なんて、本当に別世界だと感じていたから。僕のことを注目してくれるなんて思いもしなかったんだ」

――パンデミック後、IBJJF軸の柔術界は動きを止め、代わってプロ・グラップリングとプロ柔術が台頭しました。茶帯から黒帯を巻くようになったミカはこの間、ノーギと道着で大活躍しています。

「コロナ・パンデミックが起ったとき、多くの柔術家がトレーニングをストップした。でも、僕は逆転の発想でこの期間にしっかりと練習して、差をつけようと思ったんだ。9人か10人、アカデミーから出ることなく、練習に集中し、外の世界と接触しないようにしていた。そうすることで、僕らは練習できる環境を維持し続けたんだ」

――強くなるためにそこまで貪欲だったのですね。

「気が狂ったように練習に集中していたよ(笑)」

――だからこそ、コンディションという面でもミカは他の選手をリードできたのですね。そんなミカは柔術とルタリーブリという2つのブラジル産格闘技の黒帯です。それにしても柔術とルタリーブリが犬猿の仲だった頃を知っている身とすれば、隔世の感があります。

「父は柔術三段の黒帯で、ルタリーブリでもブラックベルトを巻いている。僕からすると柔術とルタリーブリの抗争をしていた時代を知らないんだ。ただ、ここマナウスでの両者の関係はリオデジャネイロと比較にならないぐらい険悪だったと聞いている。何しろ、死人に出るほどだったんだ」

――あってはならないことですね。いくら自分たちのスタイルが大切でも柔術もルタリーブリも世間から認められない集団になってしまう。

「その通りだよ。でも僕が生まれる少し前、ルタリーブリはウゴ・デュアルチやエウジェニオ・タデウからアレッシャンドリ・ペケーニョやマーシオ・クロマド達に世代交代があり、彼らが柔術に歩み寄ったことで時代は変わったんだ。そしてマナウスでは2010年代に入り、柔術とルタリーブリは協力関係を組織として構築した。それ以来、柔術家がルタリーブリ、ルタリーブリの選手が柔術のトーナメントに出場するようになった。マーシャルアーツの根底にある尊敬、名誉、友情、情熱を浸透させるのに競技間のライバル心なんて全く必要ないからね」

――19歳のミカの言葉を当時の柔術家、ルタリーブリ選手に教えてあげたいですね。

「アハハハハ。アカデミーを襲って、路上で乱闘をする。それが何を生むんだって思うよ」

――ミカは柔術とルタリーブリ、どちらから練習を始めたのですか。

「柔術だよ。2歳の時に初めて道着の袖に腕を通した。ずっと柔術を戦っていて、10歳ぐらいの時からルタリーブリを始めたんだ。17歳でルタリーブリの黒帯になり、18歳で柔術でも黒帯になれた」

――ルタリーブリを練習した利点はどこにあると考えていますか。

「米国に比べると、ブラジルは今でもノーギ・グラップリングのトーナメントは少ない。米国では日常的になっているけど、やはりブラジルは道着へのこだわりは強い。そんな間に米国のグラップリングはどんどん進化している。ブラジルから米国に行くと、本当に驚かされた。でも、僕にはルタリーブリの経験があったから、今のサブオンリーの潮流に乗り遅れることがなかったんだ。なんせ僕はルタリーブリ・ファイターでもあるからね(笑)」

――その通りですね(笑)。

「柔術だけをやっていると、ほとんどトップを取ることがないという選手もいる。でもノーギでは上になることが大切だ。と同時にノーギを経験すると、道着での動きが本当に良くなるんだ。道着とノーギを経験することは、どちらの競技にも役立つよ。ノーギを経験すると、動きがシャープになるよ」

――柔術界ではノーギも柔術という意見が聞かれます。

「イエス」

――ではノーギ柔術とルタリーブリの違い何なのでしょうか。

「違いはないよ。今、柔術家のなかでもレッグロックは常識になった。でも、ルタリーブリには20年前から存在していた。今、グラップリングが盛んになっているけど、僕らはルタリーブリがずっとあったからね(笑)。そうだね、違いは――ルタリーブリは道着のズボンを履くこと。ノーギ柔術はショーツで戦う。それだけかな」

――セルフディフェンスが柔術の根幹だという意見もありますし、今も柔術のトップファイターは、MMAに転向する傾向はあります。

「スポーツとして見ても、いくつかストリートで有効な点は見られるよ。それにファイターだったら、それがスポーツであっても、自分の身は自分で守れないといけないと思っている。セルフディフェンスの基本ぐらいは知っておかないと。マーシャルアーチストとして、自分を守れないなんて恥ずべきことだから」

――そういう想いはあると。

「そうだね。使わないに限る。でも、その術は知っておくべきだよ。あとMMAに柔術を生かすなら、それ用の練習が必要だ。どういう状況で柔術の技術が有効なのか、しっかりと把握しなければならない。ただ柔術の練習をしていても、MMAには使えない。殴られるのがオチだ。デミアン・マイアが良い例だよ。しっかりとアジャストして、柔術をMMAに落とし込んでいた。逆にIBJJFのワールドのような最高のトーナメントで優勝を目指すなら、競技柔術に集中しないと。他のことをしながら勝てるほど甘くないよ」

――では競技柔術内でもオールドスクール柔術とモダン柔術が存在します。これだけ試合展開、技術が変化したスポーツは我々の年代も柔術とMMAだけではないでしょうか。

「ベーシックとファンダメンタル、この2つは柔術に欠かせない。だから柔術を始めた時には基礎、土台を習うんだ。腕十字、ベリンボロでなく道着を掴んだ時から、どういう風にプレッシャーを与え、どこが正しいポジションなのかを覚える必要がある。黒帯になって勝てない、上手くいかないという時に基本に立ち返ることができる。そのために基礎、土台を学ぶ必要があるんだ。僕自身、オールドスクールの柔術から学び始めた。どこのポジションにいても、シンプルかつ使いやすい動きを選択しているよ。それにどのスタイルだろうが、どんな考えを持っていようが、しっかりと練習をしないと技術は使いこなせない。とにかくトレーニングすることだよ」

──これまた至極、真っ当かつシンプルな真実ですね。

「以前、マイキー(ムスメシ)とも基本が大切、打ち込みをどれくらい練習しているのかという話題になったんだ。僕は1時間だと答えた。マイキーは『おお、良いね。僕はファイブだ』って言うんだ。つまり5時間だよ(笑)。4度の世界王者が、これだけ基本を大切にしている。多くの人が強い相手とのスパーリングをすれば良い練習だと思い込んでいるけど、決してそうじゃない」

──ミカは凄い頻度で試合に出ていますが、試合前と試合のないときでは練習内容は違ってきますか。

「確かに僕は試合数が多いよね(笑)。ただし試合前も自分が強くなることに重点を置いて、試合に勝つという練習はしていない。試合がない時の方がペースは緩やかになるけど、練習内容は変わらないかな」

──なるほど。ミカは道着柔術、サブオンリー、ノーギのポイント戦とあらゆるルールの試合に出ていますが、一番重視しているのはどのルールの試合になるのでしょうか。

「それが可能かどうか分からないけど、道着でもノーギでも世界の頂点に立ちたい。でも僕はルールを理解し、試合タイムも頭に入れて自分の動きができるにしている。そうだね──今年の目標はIBJJFのムンジアルでの優勝とADCC世界大会の優勝だよ。簡単じゃないことは分かっているけど、これまで通り道着もノーギも並行して2つの世界を狙いたい」

──それを口にデキて、周囲も期待できる。まさに柔術の神の子です。ではムンジアルとアブダビのトーナメントで、それぞれ最大のライバルは誰になるでしょうか。

「誰か特定の選手の名前は思い当たらない。ムンジアルとADCCはタフな相手しかいないから(笑)。ADCCは特にトライアルの優勝者を中心に16人の選手しか出場できない。タフでない相手を見つけることが難しいよ」

──確かにその通りですね。それにしてもADCCブラジル予選では5試合連続で一本勝ちでした。

「ノーギの試合では過去最高のキャンプができて、人生で一番状態が良かったんだ(笑)。自分のなかでも、ちょっと違うミカ・ガルバォンがいたような感じだった(笑)」

──それでいて昨年のEUGの道着77キロ級Tでは2021年のムンジアル・ミドル級世界王者となるタイナン・ダルプラをまだ茶帯だったミカは破っています。去年から今年にかけてタイナンが喫した唯一の黒星です。両者の再戦があるのか。とても楽しみです。

「タイナンはノーギはやらないから、あるとすればムンジアルかな。僕らは右も左も攻めることができて、どちらが得意ということがない。だから凄くエキサイティングな試合になるんだよね」

──道着柔術では4月30日に予定さているBJJ STARSの8人制トーナメントではレジェンド=レアンドロ・ロとの対戦が実現することも期待されています。

「子供の頃、シセロ・コスタのところで一緒だったことがあるんだ。当時からロは僕にとって憧れの存在だった。8年、9年が過ぎて彼と戦うことができる場所から辿り着くことができた。トーナメントの山が別だから、僕ができることは一生懸命に練習して、まずはファイナルまで勝ち上がることだよ」

──ところでONEがトップグラップラーと契約し、ワンマッチ形式で得られる対価が上がってきています。その一方でトーナメントに彼らが出場し続けることはあるのか。現状、プロとしてプロモーションと契約することをどのように捉えていますか。

「たしか僕のマネージャーも彼らからの接触があったんだ。でも、僕はまだその時期じゃないと思っている。ONEのようなビッグプロモーションでMMAと一緒に試合が組まれるのはグラップリングが一段階ステップが上がった表れだと思う。ノーギは道着よりも一般の人に理解されやすいだろうし。そんな試合を視るのは僕も楽しみだよ。僕らの世代は幸運にも他の仕事をしなくても柔術で生活ができるようになった。練習と指導をして生きていける。だから、まだMMAイベントのなかで、ワンマッチで戦うよりも、あらゆるルールのトーナメントに出場して、強くなりたいと思っている」

──柔術の神の子が、柔術の神と呼ばれる日がやってくるのは、そう遠くなさそうです。最後に日本のファンに一言お願いします。

「とにかく日本の雑誌にインタビューしてもらい、僕の人生を日本の人とシェアすることがデキて感激しているよ。皆がこれから僕の試合を見てくれると嬉しいね」


■視聴方法(予定)
2月10日(土・日本時間)
午前11時00分~Flo Grappling

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MMA MMAPLANET o PFL PFL2023#08 ダニーロ・マルケス デミアン・マイア 石井慧

【PFL2023#08】石井慧、マルケスの前蹴り&首相撲を崩しきれず。MMA復帰戦は判定負け

<ヘビー級/5分3R>
ダニーロ・マルケス(ブラジル)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
石井慧(クロアチア)

サウスポーの石井。オーソドックのマルケスは左手を伸ばして右ミドル、インローを蹴る。石井は左のガードを上げ、左ボディストレートを打つ。前に出るマルケスは右の前蹴りを飛ばし、石井が距離を詰めようとしたところに右ストレートを狙う。石井はマルケスの蹴りに合わせて左ストレートを狙い、マルケスはすぐにバックステップで距離を取る。

インロー・前蹴りで自分の間合いを保つマルケス。石井が細かいパンチからボディロックで組みつくが、首相撲からヒザ蹴りを放って、ケージを背負わない。打撃の攻防に戻ると、マルケスは再びインロー・前蹴りで距離を取って、石井の前進に右ストレートをヒットさせた。

2R、マルケスはインロー。石井は左ボディストレートから顔面への右フックを返し、ボディロックで組もうとするが、マルケスは距離を取る。マルケスは二段の飛びヒザ蹴りを見せて、右の前蹴りで石井のボディを狙う。石井が組みつこうとすると、マルケスは首相撲からヒザ蹴りを放って組みつかせない。

マルケスは前蹴りと右ボディ、組もうとする石井を首相撲にとらえて離れる。この攻防が続くなか、石井も左ミドルを蹴り返し、シングルレッグも見せつつ、そのフェイントから顔面への左ロングフックを狙う。マルケスは前蹴りで距離をとって深追いしない。残り15秒、石井が左右のフックで突進。組ませないマルケスはやはり前蹴りで距離をとる。

3R、石井が左ストレートで前に出て、ダブルレッグで組みつく。そのままボディロックでマルケスをケージに押し込み、テイクダウンを狙う。一旦距離が離れると石井は左ストレートと左フック。シングルレッグ・ボディロックを見せながら左のパンチにつなげ、マルケスをケージまで押し込む。マルケスはそれに首相撲で対応し、初めてダブルレッグも見せるが、石井は組ませない。

ガードを上げて距離を詰める石井はマルケスの右脇を差してケージに押し込む。マルケスが首相撲にとらえると、石井はボディフックと顔面へのアッパーを打ち込見続ける。石井はガードを上げて細かいパンチで前進。マルケスも右ストレートを返すが石井が前に出続ける。1・2Rはマルケスがペースを掴み、3Rに石井が挽回するという試合は――ジャッジ3名とも29-28でマルケスに軍配が上がった。

前蹴りで距離を取り、首相撲でテイクダウンを阻止し続けたマルケス。試合後のマイクでは「練習通りに戦った。彼がテイクダウンを多く仕掛けてくると思って準備してきた。彼のコーナーマンは素晴らしい柔術家だし。僕はデミアン・マイア柔術出身だ」と試合を振り返り「サトシ、サンキュー、ブラザー。君のことを凄く尊敬している。良い試合だった。来年もここで戦っていたい」と締めた。


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o UFC ダニエル・ロドリゲス デミアン・マイア ロビー・ローラー 佐藤天

UFC286:第13試合・グンナー・ネルソン vs. ブライアン・バーバリーナ

ウェルター級。

マクレガーと同じSBGアイルランド所属のネルソン。伝統派空手柔術がバックボーンで、一本勝ち6回はUFCウェルター級史上最多タイ。が、デミアン・マイアとのグラップラー対決では一方的にポジションを奪われ完敗。2年半の長期ブランク明けとなった昨年3月では、直前に相手が欠場し、代役の佐藤天と対戦。タックルからテイクダウンして四の字バックでドミネイトする展開で完勝した。そこからまた1年ぶりの試合となるが、今回も1ヶ月前にダニエル・ロドリゲスが欠場となり、代役のバーバリーナとの対戦に変更。メインで防衛戦を行うエドワーズとは2019年に対戦し、微妙な1Rの後に2Rはダウンを奪われ、3Rは逃げ切り体勢に入ったエドワーズからマウントを奪って攻めるもスプリット判定負け。減量をあまりしないことでも知られている。34歳。

バーバリーナは激闘タイプのハードパンチャー。パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトは受賞経験がないが、ファイト・オブ・ザ・ナイトは5度受賞している(うち3回は負けた試合)。UFC9勝7敗の中堅ファイターだが、殴り合いで試合が盛り上がるため人気が高い。昨年7月、元王者ロビー・ローラーに2RKO勝ちしたが、12月に組まれた元ライト級王者ハファエル・ドス・アンジョス戦では、テイクダウンで組み技勝負を狙ったRDAに寝かされると一方的な展開となり、2Rチョークで一本負け。33歳。

ガードを下げて半身で構える伝統派空手っぽい構えのネルソン。飛び込んで組み付きケージに押し込む。ダブルアンダーフック。背中でクラッチ。外掛け。こらえたバーバリーナ。シングルレッグからテイクダウン成功。ハーフ。肘を落とす。バーバリーナの腕をアームロックに狙うが、バーバリーナ防いでいる。しかし残り20秒でマウント。腕十字。伸ばしてタップアウト。

グラウンドに持ち込んで圧倒。バーバリーナ、相変わらずグラウンドは穴。

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o UFC ダニエル・ロドリゲス デミアン・マイア

UFC283:第13試合・ギルバート・バーンズ vs. ニール・マグニー

ウェルター級。バーンズ5位、マグニー12位。

バーンズは2021年に元同門のウスマンのタイトルに挑戦しKO負け。再起戦でスティーブン・トンプソンに勝利し、昨年4月の前戦は超新星のハムザト・チマエフと対戦。1Rにダウンを奪われたが、2Rにダウンを奪い返し、チマエフに初の苦戦を味わせたものの、僅差の判定負け。しかしウェルター級は王者ウスマンの牙城が崩れたため、5位でもまだタイトル挑戦圏内にある。

マグニーはUFCウェルター級史上最多勝(20勝)記録を持つ。判定勝ち13回もUFC記録だが、前戦ではダニエル・ロドリゲスにギロチンで一本勝ちし、6年ぶりにパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した。打撃・グラップリングともに強いが、デミアン・マイアやハファエル・ドス・アンジョスには寝技で一方的に攻められて敗れており、ブラジル人柔術家にはやや苦手意識があるかもしれない。オッズも大差でのアンダードッグとなっている。

蹴りを入れるマグニー。ジャブ。バーンズもミドルを当てる。マグニーが遠い距離をキープ。リーチ差があるバーンズの打撃は届かない間合い。バーンズ飛び込んでパンチを当てると即組み付いてボディロックからテイクダウン。ハーフ。足を超えてパス。サイド。マウント!肩固め。絞める!タップアウト!

やはりブラジル人柔術家は鬼門だったマグニー。けっしてグラウンドが出来ないわけではないのだが。

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LFA MMA MMAPLANET o UFC UFN217 アブドゥル・ラザク アラン・ナシメント ウマル・ヌルマゴメドフ カーロス・ヘルナンデス キック ケトレン・ヴィエイラ コンバット柔術 ゴードン・ライアン ショーン・ストリックランド ジミー・フリック ジャビッド・バシャラット ダニエル・アルゲータ ダン・イゲ デイヴィソン・フィゲイレド デミアン・マイア ナソーディン・イマボフ ハオーニ・バルセロス ブラジリアン柔術 プリシーラ・カショエイラ マテウス・メンドンサ マンド・グティエレス ライカ ロマン・コピロフ

【UFN217】燃え尽き症候群からの復活。組み技でエンタメするフリック「カビブ・マイア・ミックス!!」

【写真】1年以上体を動かさなかった影響はあるのか。それともエンタメ・グラップリングは健在か(C)MMAPLANET

14日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN217:UFN on ESPN+75「Stricklandr vs Imavov」でジミー・フリックスが、2年1カ月振りにカムバックする。

(C)LFA

2020年7月、コロナ禍から最スタートを切ったLFAで、見事な流れのなかで肩固めを極めてフライ級王者となったフリックは、9月のコンテンダーシリーズでも肩固めを極めてUFCとの契約を勝ち取った

そして、オクタゴン初陣となったコディー・ダーデン戦では左ハイをキャッチされ、そのまま跳びつき三角を極めた。グラップリングでエンタメできるフリックだが、なんと2戦目が決まっていながら、突然の引退を発表してMMAを去った。

あれから1年7カ月、ついに戦いの場に戻ってきたフリックをインタビュー。突然の引退と復帰の理由、そして独特のグラップリングについて尋ねた。


(C)Zuffa/UFC

──昨年4月、5月に試合が決まっていながら引退発言をしてUFCから去ったジミーが、今回カムバックしたことが非常に嬉しいです。

あのLFAフライ級のベルトを賭けて戦ったマンド・グティエレス戦、コンテンダーシリーズのネイト・スミス戦、そしてUFC初陣となったコディー・ダーデン戦の素晴らしい極めがまた見られるのかと思うと。そもそも、なぜジミーは引退を決意したのでしょうか。

「今も説明することは難しいんだけど、自分の人生を見つめ直すと戦う情熱を失ってしまったんだよ。ずっと以前に結婚して、10歳と5歳の子供もいる。フルタイムジョブに就きながらフルタイム・ファイターのように練習していた。ちょっと、その状況に疲れてしまって、このスポーツからフェイドアウトしたいと思うようになったんだ。

もうジムでのトレーニングもこりごり、練習もしたくなくなった。そして家族と同じ時間を過ごしたいと考えるようになったんだ。引退したことは全く後悔していないし、1年8カ月経ってまた戻ってきたということだよ」

──UFCファイターになろうとしている日本人選手たちは、UFCと契約するとファイトマネーとスポンサーマネーで生活ができるようになると思って懸命に練習しているので、それはショッキングな話です。

「例えばだよ、今週の土曜日の試合で負けたりしたら、税金や諸々を引かれて僕が手にできるのは6000ドルだ。たったそれだけなんだ。妻と子供がいて、数カ月に1度の試合でこれだけの収入ではとてもやっていけない。

UFCデビュー戦では5万ドルのボーナスも手にしたけど、それでもフルタイムジョブが必要だった。MMAに専念しようにも、家族がいるからそれは無理な話だよ。だから、このスポーツへのパッションを失ったんだ」

──この間、趣味としても練習をすることはなかったのですか。

「ノー、ランニングすらしなかったよ。全てを辞めたんだ。17歳から15年近くずっとやってきて、休むことが必要だと思っていた。18歳でMMAを始めて、アマチュアで7勝0敗。プロでは16勝5敗、キックとムエタイ、それにグラップリングも戦ってきた。やりたいことをやってきた結果だし、ずっと戦ってきたことも1度リタイアしたことも何も悔いはない」

──MMAは引退しても、柔術を続ける。そういう感じの選手は日本にも多いですが、全く格闘技を断ち切ってしまったのですね。

「いずれは柔術をやろうとか考えるようになったかもしれないけど、引退を決めた時は、何もやる気はなかったよ。柔術もしたくなかった」

──また戦いたいと思ったのは?

「去年の7月かな。ドラッグテストにパスして、UFCに戻って来ることにしたんだ。5週間前に仕事も辞めた。スポンサーマネーで生活が保障されるようになったから、フルタイム・ファイターとして今はやっていける。人生を変えることができたんだ。

凄くハッピーだし、今も僕がフライ級でベストの1人だと証明したい。パッションを取り戻したいし、UFCが戻ることに合意してくれて嬉しかったよ。今回の試合では、父がコーナーに就くんだ。5年振りだよ、父がコーナーにいるのは。色々なことが、また元通りになってきた。

フライ級は過去最高に盛り上がっている。このタイミングでカムバックできたのも幸運だ。僕の試合の1週間後には世界タイトル戦、デイヴィソン・フィゲイレドとブランド・モレノ04がある。この場で戦っていること、自分の力を皆に披露できることに胸が躍る気分だよ」

──今も寝技には厳しい目があるなかで、ジミーのレスリング&柔術=グラップリングはエンターテイメントファイトになるものでした。その再現は可能でしょうか。

「僕は自分のスタイルをカビブ&マイア・ミックスと呼んでいる。カビブのレスリングでグラウンドに持ち込み、デミアン・マイアの柔術で仕留める。それがジミー・ブリック・フリックスのグラップリングだ。土曜日の夜には、しっかりと僕の戦いを皆に見てもらうよ」

──ジミーは柔術とレスリング、どちらがベースだったのですか。

「3歳の時にレスリングを始めた。17歳までレスリング漬けだった。5度の州ランナーアップ、ナショナル、それにワールドでも戦ってきた。世界中でレッスルした。それからブラジリアン柔術を習い、2012年に黒帯になった。僕のようにレスリングと柔術を使いこなす選手は他にいないよ」

──グラップラーとして、ADCCワールズでライアン・ゴードン、ルオトロ兄弟が魅せるグラップリングで組み技競技の新しい見方を示しました。米国のファンのグラップリングに対する見方は変わって来ると思いますか。

「そう願っているよ。でも、僕は日本で戦いたいと思っている。僕は寝技の選手だし、そういう試合をするうえで最高のファンは日本のファンだと知っているから。グラウンドの攻防を固唾を飲んで見守ってくれるのは、日本のファンだけだ。僕が試合をするのに、最も適しているのは日本だよ。

ただ米国のファンもプログラップリングのショーが増え、UFC FIGHT PASSで視聴できるようになったから変わってはきているよ。僕もオープンハンドのスラップリングが認められたグラップリングの試合に出てみたい」

──おおコンバット柔術ですか。

「そう、コンバット柔術だ。エディ・ブラボーは僕にとって最高の戦いの場を作ってくれたよ。絶対にコンバット柔術を戦うよ。できれば、自分より重い相手と戦って、自分の柔術を試してみたいんだ。サブオンリーだと、30ポンドや40ポンド重い相手でも構わない。さすがに200ポンドの相手戦うようなオールドスクールのやり方は難しいだろう。それでも、少しでも大きな相手をぶっ壊す。そんな戦いにチャレンジしたいんだ。

コンバット柔術なら、自分の階級で戦いたい。グラップリングならゴードン・ライアンでも構わない。自分の柔術がどれだけのモノが試すんだ。柔術が好きでたまらないから」

──もちろん、今はチャールス・ジョンソンに集中しないといけないです。

「コンテンダーシリーズ、UFCのデビュー戦で見せたような試合をチャールス・ジョンソンを相手に再現したい。と同時に打撃の上手い彼を相手に、僕の立ち技を見せたい。誰も僕の打撃を軽視させないようにするために。とにかく相手の心を折る。そういう戦いにするつもりだ」

──カビブ・マイア・ミックスを実行するなら、ジョンソンが得意にする首相撲やヒザ蹴りには要注意が必要ですね。

「経験豊かなストライカーだからね。でも考え過ぎずに、テイクダウンを狙う前に打撃で突破口を開こうかと考えている。そして打撃と組み技も混ぜて戦い、僕のMMAファイターとしての能力を皆に見てほしいと思っている」

──ジミー、今日はありがとうございました。最後に日本のファンに一言お願いします。

「まずインタビューをしてくれてありがとう。そして日本ファン、グラップリングを愛する皆、ジミー・ブリックス・フリックに注目してほしい。ブラジリアン柔術黒帯の僕は、16の勝利のうち一本勝ちは14回だ。アマ7戦は、全ての相手をサブミットしてきた。6試合が初回だった。フライング・トライアングル、腕十字、肩固め、全ての位置で柔術を使って戦うから、しっかりと僕の試合を見てほしい」

■視聴方法(予定)
1月15日(日・日本時間)
午前6 時00分~UFC FIGHT PASS

■UFN217対戦カード

<ミドル級/5分5R>
ショーン・ストリックランド(米国)
ナソーディン・イマボフ(フランス)

<フェザー級/5分3R>
ダン・イゲ(米国)
デイモン・ジャクソン(米国)

<ミドル級/5分3R>
プナヘラ・ソリアーノ(米国)
ロマン・コピロフ(ロシア)

<女子バンタム級/5分3R>
ケトレン・ヴィエイラ(ブラジル)
ラケル・ペニントン(米国)

<バンタム級/5分3R>
ウマル・ヌルマゴメドフ(ロシア)
ハオーニ・バルセロス(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
アブドゥル・ラザク(米国)
クラウジオ・ヒベイロ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
マテウス・レンベツキ(ポーランド)
ニック・フィオーリ(米国)

<バンタム級/5分3R>
マテウス・メンドンサ(ブラジル)
ジャビッド・バシャラット(英国)

<フライ級/5分3R>
アラン・ナシメント(ブラジル)
カーロス・ヘルナンデス(米国)

<フェザー級/5分3R>
ダニエル・アルゲータ(米国)
ニック・アギーレ(米国)

<フライ級/5分3R>
ジミー・フリック(米国)
チャールス・ジョンソン(米国)

<女子フライ級/5分3R>
プリシーラ・カショエイラ(ブラジル)
シジャラー・ユーバンクス(米国)

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Brave CF MMA MMAPLANET o Shooto UFC UFC ESPN42   アマンダ・ヒーバス アンジェラ・ヒル エミリー・ダコーテ エリク・アンダース カイル・ダウカウス クレイ・グイダ ケヴィン・ホランド シンシア・カルヴィーロ ジャック・ヘルマンソン ジョナサン・ピアース スティーブン・トンプソン タイ・ツイバサ ダレン・エルキンス デミアン・マイア ナタン・レヴィ ニコ・プライス ハファエル・ドスアンジョス フィリップ・ロウ ブライアン・バルベレナ ヘナロ・ヴァルデス ボクシング マイケル・ジョンソン マット・シュネル マテウス・ニコラウ レオナルド・サントス レオ・サントス

【UFC ESPN42】ノヴァの注目株、マテウス・ニコラウ「ジャパニーズネクタイを教えてくれたのは……」

【写真】Shooto BRからTUF BR→UFC、3勝1敗でフリーとなりBRAVE CF経由でUFCと再契約。その後は3連勝中のニコラウに初インタビューを試みた (C)MMAPLANET

3日(土・現地時間)、フロリダ州オーランドのアムウェイ・センターでUFC on ESPN42「Thompson vs Holland」が開催される。

スティーブン・トンプソン✖ケヴィン・ホランドがヘッドライナーの同大会のメインカードに、フライ級のマテウス・ニコラウ✖マット・シュネル戦が組まれている。名門ノヴァウニオン所属のニコラウは、オクタゴンで通算6勝1敗という戦績を残している。

そんなニコラウは日本的にはワールド──国際的にはジャパニーズネクタイを技のレパートリーに加えている。なぜジャパニーズネクタイなのか。その答えにノヴァウニオンの強さが表れていた。


――今週末、マット・シュネルと対戦します。今の調子はいかがですか。

「バッチリだよ。ファイトキャンプも先週末に終えて、フロリダにやってきた。僕らの言葉でいえばシャベ・ジ・オーロ(chave de ouro)、英語だとゴールデン・キー……黄金の鍵で、ドアを開けることができる──まぁ絶好調だってことだよ(笑)」

──今回の試合の準備は、どこで行ってきたのですか。

「基本的にリオデジャネイロのノヴァウニオンでキャンプを行い、時々サンパウロに行ってアレックス・カルドゥーゾとボクシングの練習をしてきた」

──ジャクソン・ウィンクMMAの所属だった時期があったかと思うのですが、もう米国では練習していないのですか。

「この試合は100パーセント、ブラジルだけで準備してきた。ジャクソン・ウィンクには2016年かな1年ほど練習していた時期がある。それからサンパウロのデミアン・マイアの下で1年トレーニングして、5年前にノヴァウニオンに戻ってきたんだ。僕はもともと18歳の時からノヴァウニオンで練習してきたんだよ」

──ブラジル人ファイターも米国のジムで練習をすることが多いですが、マテウスはなぜ1年で米国から戻ったのでしょうか。

「米国のジムでトレーニングをするのはビジネスとして、試合の機会を手にしやすくなるからだよ。UFCは米国の会社で、イベントのほとんどが米国で開催されている。だからブラジルにいるよりも、チャンスは多い。

でも、僕はUFCと契約しているから自分にとってベストの場所で練習する。それがブラジルであり、またノヴァウニオンに戻った理由だよ」

──ノヴァウニオンで練習をしていれば、北米で練習をする必要もないと。

「練習設備と練習仲間、どちらも強くなるためには欠かせない。でも、どちらが重要かといえば僕はトレーナー、コーチ、練習パートナーの方が設備より大切だ。デデ(アンドレ・ペデネイラス)は米国に負けない規模で、最高のトレーニングセンターを建てている。設備も整っている。それでいてノヴァウニオンは、どこにも負けないトレーニングパートナーがいてくれる。特に軽量級はスバ抜けているよ。どんなスタイルの相手と戦うことになっても、ノヴァウニオンのなかで特定の選手を選んで対策練習ができるからね」

──技術的な質問を1つさせてください。マテウスは過去に2度、ジャパニーズネクタイで一本勝ちをしています。MMAの決まり手として、ハーフガードで相手を固定するのでなく、スプロールするようにダースチョークを仕掛ける選手が圧倒的と多いと思うのですが、マテウスはなぜジャパニーズネクタイを選択しているのでしょうか。

「僕のリーチはそれほど長くないというのが、理由の1つだよ。ダースよりジャパニーズネクタイの方がセットしやすいんだ。もちろん対戦相手の反応を見て、ダースチョークにに移行することもある。ハーフガードに対して、どういう風に動いて来るのか。それ次第だね。ジャパニーズネクタイはレオナルド・サントスから習ったんだ。さっきトレーニングパートナーの方が設備より大切だと言ったのは、そういうことなんだよ。

あの時、僕は練習は休みでノヴァウニオンで他の選手の練習を見学していたんだ。そうしたらレオ・サントスが、ジャパニーズネクタイを教え始めた。彼は僕に合っているからジャパニーズネクタイを教えてくれたわけではなくて、他の選手に指導しているのを僕がたまたま見て、次のトレーニングセッションからトライするようになった。あの技術を知っている練習仲間がいて、それを他のパートナーに教えていたから僕はジャパニーズネクタイをフィニッシュホールドに加えることができたんだ」

──なるほどぉ。ではマット・シュネル戦、どのような戦いをしたいと思っていますか。

「全ての領域で、自分の力を発揮して勝利を掴む。どんな状態でも相手がミスをしたら、そこをつく。マット・シュネルがスタンドでミスをすれば、そこにつけこむ。グラウンドでミスをすれば、寝技でつけこむ。そしてファンの皆には、僕が世界のトップ……もっともっと高く飛ぶことができることを示したい」

──では最後に日本のファンに一言お願いします。

「ノヴァウニオンの選手たちは、日本のMMAの歴史の一部になっている。デデ、ヴィトー・シャオリン、レオナルド・サントス、マルロン・サンドロ、ドゥドゥ・ダンタス、ジョズエ・フォーミガ、皆、日本で戦ってきた。 

日本の素晴らしいファンの前で戦うことは、僕にとって夢の1つなんだ。日本の豊かな文化に触れたい。ノヴァウニオンのレガシーを継承し、ノヴァウニオンの皆のように日本のMMAの歴史の一部に僕もなりたいと思っている」

■視聴方法(予定)
12月4日(日・日本時間)
午前9時00分~UFC FIGHT PASS

■ UFC ESPN42対戦カード

<ウェルター級/5分5R>
スティーブン・トンプソン(米国)
ケヴィン・ホランド(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ハファエル・ドスアンジョス(ブラジル)
ブライアン・バルベレナ(米国)

<フライ級/5分3R>
マテウス・ニコラウ(ブラジル)
マット・シュネル(米国)

<ヘビー級/5分3R>
タイ・ツイバサ(豪州)
セルゲイ・パブロヴィッチ(ロシア)

<ミドル級/5分3R>
ジャック・ヘルマンソン(スウェーデン)
ロマン・デリツ(ジョージア)

<ミドル級/5分3R>
エリク・アンダース(米国)
カイル・ダウカウス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ニコ・プライス(米国)
フィリップ・ロウ(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
アンジェラ・ヒル(米国)
エミリー・ダコーテ(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ニナ・ヌネス(米国)
シンシア・カルヴィーロ(米国)

<ライト級/5分3R>
クレイ・グイダ(米国)
スコット・ホルツマン(米国)

<ライト級/5分3R>
マイケル・ジョンソン(米国)
マーク・ディアキーシー(英国)

<フェザー級/5分3R>
ダレン・エルキンス(米国)
ジョナサン・ピアース(米国)

<女子フライ級/5分3R>
トレイシー・コーテズ(米国)
アマンダ・ヒーバス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ナタン・レヴィ(イスラエル)
ヘナロ・ヴァルデス(英国)

<フェザー級/5分3R>
フランシス・マーシャル(米国)
マルセロ・ロホ(アルゼンチン)

<女子ストロー級/5分3R>
ジャスミン・ハウレギ(メキシコ)
イステラ・ヌネス(ブラジル)

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ABEMA CFFC114 MMA MMAPLANET o UFC   アルジャメイン・ステーリング ケイトリン・チューケイギアン ジエゴ・パイヴァ ジム・ミラー デミアン・マイア 神龍誠

【CFFC114】神龍誠とフライ級王座を賭けて対戦、ジエゴ・パイヴァ「マタレオンじゃない。マイアレオン」

【写真】組み技の強さは絶対。ジエゴ・パイヴァ (C)MMAPLANET

10日(木・現地時間)、フロリダ州タンパのセミノール・ハードロックカジノで開催されるCage Fury FC114「Smith vs St.Louis」。同大会でCFFCフライ級王座を賭けて神龍誠と対戦するジエゴ・パイヴァ。

活動開始は2006年、ダン&ジム・ミラーを初めてアルジャメイン・ステーリング、ケイトリン・チューケイギアンらチャンピオンをUFCに送り出している老舗のフィーダーショー参戦は、神龍と同様にUFCにステップアップするため。

ブラジルから人生を賭けてやってきたデミアン・マイアの黒帯は、それでもラテン気質──計量後ということもあり随分とリラックスしていた。


──計量を終え明日、神龍誠選手とフライ級のベルトを賭けて戦います。今の気持ちを聞かせてください。

「凄く良い感じだよ。マコトとはホテルで顔を合わせた。彼のチームの皆は凄くフレンドリーだったよ。彼を除いてはね。口も開かないし、挨拶もなかった。凄く嫌な感じだったよ。握手を拒否してきたしね」

──う~ん、それは神龍選手が試合に集中している表れでもありますが……。彼は試合前にはインタビューも固辞することもある選手ですし。

「えっ、インタビューを断るの? なぜ? 僕は大歓迎だけどなぁ。理解できないなぁ。ブラジル人はそんなことはしない。僕らは他の人に嫌な思いをさせないし、色々な人と話をするのが大好きからね。こうやってインタビューをしてもらえて、とても嬉しいよ。

それに僕らは相手が憎くて戦うわけじゃない。プロとして、試合をするんだ。これは僕のビジネスだから。マコトは僕の敵じゃない。対戦相手なだけだよ。

でも、構わない。そういう態度を取られるのも、ファイトの一部だ。そして僕は彼との戦いに凄く自信を持っている。減量も上手くいった。この試合は僕の人生が懸かっている。ここからUFCにステップアップするんだ。これ以上、大切な試合はないからね」

──その大切に試合に向けて、どのような調整を行ってきましたか。

「サンパウロのデミアン・マイアMMAでしっかりとやってきた。デミアンは僕の師匠で、この試合に関して多くのアドバイスをしてくれて、作戦も授けてくれたよ。毎日、彼と練習してきたんだ」

──なるほどぉ! 8月のマルシリー・アウベス戦では打撃に苦しみながらも、一度のテイクダウンからバックを奪いRNC──マタレオンで仕留めました。あれがデミアン・マイア譲りの柔術なのですね。

「あれはマタレオンじゃない。マイアレオンだ(笑)」

──アハハハ。

「今はあの時よりも、ずっと打撃も成長している。でも、柔術こそ僕の戦いだ。マコトを仕留める。彼を極めるよ。チョークでも足関節でも。そういう試合になる。打撃でも戦えるし、絶対に試合は判定にはもつれ込まない。サブミットか、KOだ。

マコトはコンプリートな選手だよ。ただし、穴もたくさんある。彼のゲームは穴だらけだ。マコトの試合は十分に研究してきた。そして、対策を練って来た。デミアンのサポートもあり、しっかりと準備できているよ」

──神龍選手のスピードをどう思いますか。

「速いよ。でも、全く問題じゃない。彼のちょっとした動きを止めて、戦う。問題ないよ」

──この試合は日本でもUFC Fight PassだけでなくABEMAでも中継されます。日本のファンにメッセージをお願いします。

「日本の皆には僕の名前を覚えて欲しい。すぐに僕の試合をUFCで視ることができるようになるから。僕の話を聞いてくれてありがとう。柔術は僕の人生なんだ」

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BELLATOR Bellator285 MMA MMAPLANET o   イスラム・マメドフ キック ジョージ・カラキャニャン デミアン・マイア ピーター・クイリー フランキー・エドガー ベンソン・ヘンダーソン ペドロ・カルバーリョ マス・ブーネル ヨエル・ロメロ リア・マコート

【Bellator285】敵地でクイリーと対戦。ベンヘン「この惑星の誰にでもスタミナ勝負を挑むことができる」

【写真】 あのフランキー・エドガーと同じエネルギーを持って、同じペースで戦えるとベンヘンは断言した(C)MMAPLANET

23日(金・現地時間)、アイルランドはダブリンの3アリーナ・ダブリンで開催されるBellator285「Henderson vs Queally」。そのメインのライト級5回戦でベンソン・ヘンダーソンが、ピーター・クイリーと戦う。

38歳を迎えたスムーズだが、10年前と同じペースで戦うと断言した。そして、敵地ダブリンでクイリーを仕留めてタイトル挑戦への足掛かりにしようするベンヘンは、何よりもMMA、いやコンペティションで戦うことに対して枯渇することのない、強い意志と楽しむ心を持ち続けていた。


――ピーター・クイリーとの対戦が来週に迫ってきました(※インタビューは9月15日に行われた)。今の気持ちを教えてください。

「とても良い感じだよ。体重を落として、アイリッシュガイをぶっ飛ばしに行くよ」

──多くのMMAファイターが日本のファンは最高だと言ってくれますが、自分は最高のファンはホームタウンのファンだと思っています。過去2戦はフィニックスでの試合でしたが、今回はクイリーの母国アイルランドでの試合となります。

「確かにそうだね。でも、あの熱狂的なアイルランドのファンの前で戦うのは、きっと楽しいよ。ビールを飲んで、大声で叫びまくりだから凄い雰囲気のなかで戦うことになるだろう。次のタイトル・チャレンジャーになるには、そういうファンの中でクイリーをしっかりと倒さないといけない。問題ないよ。彼を母国のファンの前で倒すことが、タイトルショットに繋がるんだ」

──とはいえ入場時のゾンビの大合唱など、クイリーに特別なエネルギーを与えることにならないでしょうか。

「確かにそうなるだろうね。でも、僕はファイターだからね。ファンが熱狂は、僕にとっても凄くエネルギーになる。騒いで、野次って、猛プッシュする。そうなるとブーイングだろうが、拍手だろうが、僕もノリノリになるからね。あの雰囲気は本当にファイターを高揚させる。僕はアイルランドのような会場で戦うのはアウェイでも大好きさ」

──同時に、ベンソンがジャブを当ててもリアクションはなく。クイリーの攻撃は空振りでも大歓声が起こるかもしれない。そして、ジャッジがその声に影響されることも。

「ファイターにとっては、とても奇妙な現象なんだよ。だからこそ、クイリーをストップしないといけない。そうなればファンの声援も関係ない。絞め落とすよ」

──ベンソン・ヘンダーソンのストロングポイントは、ハイペースとガス。接戦になれば、なるほど、その強味を生かしてジャッジの裁定をもぎ取る。それゆえにダブリンのファンの声援がジャッジを惑わせないかと思った次第です。

「僕のやることは変わりないよ。38歳になっても、10年前と同じエネルギーで、28歳の時と同じペースで戦う。僕に勝つために作戦を立てるなら、僕が殴りたいときに殴り終えていること。サブミッションを仕掛けようとしたときには、僕をサブミットしようとすること。僕の動きを止める、そして落ちるように戦うんだ。レスリングでも柔術でも、スクランブルでも。僕の動きを落とさせる。あとね、打撃ならゆっくりと攻撃を繰り出して、ハイペースを狂わせることなんだ。

だからこそピーター・クイリーは手の合う相手になる。特に母国のファンの応援に背中を押されて、絶対にハイペースで戦うから。それは僕とっても都合が良いことだよ。だから会場のファは思い切りクイリーを応援して、彼がどんどん動くように後押ししてほしい」

──10年前と同じペースで戦うという言葉に鳥肌が立ってしまいました。2012年にさいたまスーパーアリーナでベンソン・ヘンダーソン×フランキー・エドガーを実際にその目で見たファンも、このインタビューを読んでいると思います。

「僕はちょっとラッキーなんだよね。ずっとヘルシーでいることができた。あの時と同じ戦いができて、しかもハイレベルな相手と戦い続けられている。スタミナも動きも落ちてない。とにかくMMA、柔術、グラップリング、レスリングとコンペティションで戦うことが大好きなままなんだ。心の底から楽しんでいるよ」

──Polarisではデミアン・マイアとグラップリングマッチを戦いました。

「ホント、夢みたいだったよ(笑)。オファーがあった時に『えっ? デミアン・マイアと戦えるのか? もちろん、やるよ』って即答だったよ。『彼は大きいけど?』なんて念を押されたけど、全く問題じゃなかった。デミアン・マイアは僕にとってレジェンド。ADCCチャンピオン、柔術世界チャンピオン、彼はこのスポーツの最高の親善大使だよ。彼と試合ができて、これ以上なく光栄だった」

──今も出場費を払って、ローカル・トーナメントに出ているのですか。

「最近は出ていないんだ。最後に出たのは1年半前から。でも、今でもタイミングがあえばジムの生徒たちと一緒に大会に出たいと思っている。そうすると『コーチと一緒の大会に出られるなんて最高だ』って800人の生徒たちも、トーナメントを楽しめると思うんだ」

──ベンソン、ちょっと待ってください。今、800人と言いましたか。

「約800人だよ。確か2日前で841人だったはずだ」

──OMG!! 凄いですね。では、また質問をクイリー戦に戻らせてください。技術的にはどのような選手だと思っていますか。

「ピーター・クイリーは距離の長い右ストレートが最大な武器かな。スピードもある。ジャブも良い。左フックもあるけど、やっぱり右だろうね。それと蹴りも多彩だ。蹴りの距離も長い」

──左ミドルと右のコンビネーションが印象深いです。

「スイッチしての蹴りも良いね。あれで距離を詰めるから、パンチとのコンビが有効になっている。でもね、それは彼がスイッチキックを見せた時にブロックして、その場に留まっているからだ。距離を詰めてきたら、こっちが距離を取らないと。立ち止まって戦うのは、ダメだよ」

──この試合に勝てば、先ほども言われていたようにタイトル挑戦権を得ることができると考えているわけですね。

「前回の試合でイスラム・マメドフという10年間負け知らずの相手に勝った。だから『次は誰に勝てばタイトルに挑戦できるんだ?』と尋ねた。そうしたら『ピーター・クイリーを倒せば』と言う返答だったんだ。ダブリンで戦うことも全く問題ない」

──では、どのような試合をしたいですか。

「レスリングで勝負したい。僕のスタミナ、ペース、5Rかけてピーターを削り、打撃も当てる。そして動きが落ちたところで仕留めたい」

──今やレスリングでハードな動きをして、スタミナをロスしないことが鉄則のようになっているなかで、さすがのベンソン・ヘンダーソンです。

「ファイトではスタミナこそ、王様なんだ。僕はこの惑星の誰にでも、スタミナ勝負を挑むことができるよ。そして、絶対に負けない」

■視聴方法(予定)
9月24日(土)
午前1時30分~ U-NEXT

■Bellator285対戦カード

<ライト級/5分5R>
ベンソン・ヘンダーソン(米国)
ピーター・クイリー(アイルランド)

<ライトヘビー級/5分3R>
ヨエル・ロメロ(キューバ)
メルヴィン・マヌーフ(オランダ)

<女子フェザー級/5分3R>
リア・マコート(英国)
ダイアナ・シウバ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
マス・ブーネル(デンマーク)
ペドロ・カルバーリョ(ポルトガル)

<フェザー級/5分3R>
キアラン・クラーク(アイルランド)
ハファエル・ウジソン(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
ブレット・ジョンズ(英国)
ジョーダン・ウィンスキー(米国)

<バンタム級/5分3R>
ブライアン・ムーア(アイルランド)
アリヴァウド・リマ・ダ・シウバ(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
カール・アルベクツソン(スウェーデン)
カール・ムーア(米国)

<ライト級/5分3R>
ジョージ・カラキャニャン(米国)
キーン・ムサ(英国)

<ライト級/5分3R>
デラー・ケリー(アイルランド)
カイ・スティーブンス(英国)

<フェザー級/5分3R>
アレックス・ボロナル(スロバキア)
ケニー・モホノアナ(アイルランド)

<フェザー級/5分3R>
ジョーダン・バートン(英国)
アザエ・アジョージ(フランス)

<ウェルター級/5分3R>
ダンテ・シーロ(米国)
ルカ・ポクリ(モルドバ)

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