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お蔵入り厳禁【Special】月刊、大沢ケンジのこの一番:5月:ストーリー✖MVP「一芸と穴」

【写真】MMAほど多角的に試合を見ることがデキるコンバットスポーツは存在しない。本当に愉しい (C)BELLATOR

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。3人の論客から、大沢ケンジ氏が選んだ2022 年5月の一番。お蔵入り厳禁──5月14日に行われたUFC ESPN36で行われたヴィヴィアニ・アロージョ✖アンドレア・リー戦からのカイラット・アクメトフ✖和田竜光戦経由、5月13日のBellator281からBellator暫定世界ウェルター級王座決定戦=ローガン・ストーリー✖マイケル・ペイジ戦を引き続き語らおう。

<月刊、大沢ケンジのこの一番:5月:ヴィヴィアニ・アロージョ✖アンドレア・リー戦はコチラから>


──ONEルールであっても、結果的にチャンピオンは全ての局面で対応できて、また一つの武器も強いという選手になってきていますね。

「上に来ている選手は和田竜光選手に勝ったカイラット・アクメトフとかにしても、スタミナが切れないし手数の多さと気持ちも強いです。

精度で一つ一つとなると竜光も当てているんです。でもアクメトフは手数が多い。どんどん自分から打って、失敗してもまた自分から動く。あれは凄いです」

──左を当ててテイクダウンに成功すると、もうその左の使い等が大きく広がるように見えました。

(C)ONE

「見せるだけで、リアクションがあるので次に繋げていますよね。逆にテイクダウンを見せて、左とかパンチにも移りやすくなって。

それに色々なテイクダウンを持っています。シングル、ダブル、ボディロックだけでなく、サンボ的な動きも見られますし」

──グレコからコンバットサンボというなかで、なんでもこなせるようになったのですかね。いやぁ、引き出しが多かったです。

「穴のなさと、引き出しの多さ……。いや、実はヴィヴィアニがなんでもできるということと比較対象に、同じベラトールでMVPには穴があるってしたかったのですが、見直してみるとテイクダウンディフェンスをちゃんとやっているんですよね(苦笑)」

──まさかのオチが無くなったということですか(笑)。

「アハハハハ。それだけローガン・ストーリーのテイクダウンが特別なんですよ」

──それはサンフォードMMAのチームメイトである佐藤天選手も言われていますよね。

「それでもMVPは簡単に背中をつけることは、ないんですよね。頑張っているなぁと思っていたら、いや相手はストーリーなんだから、頑張っているどころじゃなかったんですよね。

ストーリーに対し、MVPはジャブを打つ。だから距離が遠くなって入れない。ストーリーはMVPに対してパンチに自信がないから。パンチを顔に当てる距離に入ることができないです」

──そのストーリーが、ネイマン・グレイシーと戦った時はテイクダウンをしても、ネイマンの得意のグラウンドに持ち込まれるので、全く倒しにいかないという選択をしていました。そしてジャブを当て続けると。

「そういう選択をストーリーはできるんです。見ていると面白くないのですが、それで勝てる。逆にネイマンはグラウンドでの一芸だから、そういう風に封じ込まれることがMMAにはあるということなんですよね。

でもMVPをジャブで制することができないから、強引に見えるような飛び込みと組みつき方をする。彼が本来できる、一発で良いところで組めるという展開ではなかったです。そこを創るまで時間が掛かっていて。当然、テイクダウンするまで時間も掛かっています。しかも立たれる。ここでMVPを相手にストーリーがジャブを当てることができれば、本当に怖いファイターになります」

──それこそUFC世界ウェルター級チャンピオンのカマル・ウスマンではないでしょうか。

「そうなんですよ。ウスマンは誰が相手でもジャブを絶対に当てに行きます。遠い距離からテイクダウンを狙いません。ジャブをしっかりと当ててから入る。逆にジャブが当たらないと組まないぐらいでいるんじゃないかと思います」

──相手によって戦い方を変える強さと、変えない強さがあるということですね。

「そうなるとMVPですよ。変えられない強さではなくて、変わらない弱さがある。基本的に変わっていない。組みが強い相手にはジャブまでで入って行けない。ずっとカウンター狙いで。

遠い距離でミドルとか、ちょっと派手な蹴りを見せているだけ。相手が来たところしか狙えない。

だからストーリーもジャブを出さなかったというのはあると思います。ストーリーは組んでしまえば、逃げられることはあっても、反撃される怖さがないですからね。下からの仕掛けがある選手を相手にした時、ストーリーはどうなったのか」

──ネイマン・グレイシー戦ですね。

「そこです。MVPに寝技があれば、ストーリーは強引に組みに行けなかった。そしてMVPにはジャブは打てない。MVPに寝技の圧力が少しでもあれば、試合展開は変わったかもしれないです」

──それこそMMAの妙ですね。

「同時にストーリーの手堅さ、そこで勝てるけどフィニッシュの怖さがない。ジャブとテイクダウンとコントロ―ルで。UFCのトップどころは試合を終わらせる怖さがある。それは勝負にいけるからですよね。

ストーリーと戦うと漬けこまれるかもしれないけど、フィニッシュされる怖さはないというか……。ストーリーもBellatorの暫定世界王者になりましたけど、そこがUFCのトップとの違いかとは思います。そうやって考えた時に、ストーリーはMVPやネイマンのような一芸系の選手に勝って来たんだなって。

それがUFCとBellatorの違いで、Bellatorの面白さではあるんです。ただし、ウクライナ情勢があるので統一戦はすぐにできないかもしれないですけど、ヤーソラフ・アモソフが試合ができるようになったらどうなるのか。そこは興味深いですね」

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DEEP F1 MMA o ONE ONE Championship ONE158   アレックス・シウバ カイラット・アクメトフ キック クォン・ウォンイル シェ・ウェイ ジェネリン・オルシム ジュリー・メザバルバ ボクシング マーカス・アルメイダ ヨッカイカー・フェアテックス リース・マクラーレン 和田竜光

『ONE 158: Tawanchai vs. Larsen』試合結果/ハイライト動画


第13試合 メインイベント ムエタイ フェザー級 3分3R
○タワンチャイ・PKセンチャイ(5位)
×ニコラス・ラーセン
2R 1’42” KO (左ストレート)
※タワンチャイがムエタイフェザー級・ペットモラコット・ペッティンディーアカデミーへの挑戦権獲得

第12試合 MMA バンタム級 5分3R
×クォン・ウォンイル(2位)
○ファブリシオ・アンドラージ(4位)
1R 1’02” KO (左三日月蹴り)

第11試合 MMA フライ級 5分3R
○リース・マクラーレン(5位)
×シェ・ウェイ
1R 3’42” 裸絞め

第10試合 MMA フライ級 5分3R
○カイラット・アクメトフ(2位、元王者)
×和田竜光(フリー/元DEEPフライ級王者)
判定3-0

第9試合 キックボクシング ヘビー級 3分3R
×ラーデ・オパチッチ
○グート・イノセンテ
1R 2’33” KO (左ボディストレート)

第8試合 MMA ストロー級 5分3R
○アレックス・シウバ(元王者)
×エイドリアン・マティス
1R 3’34” ヒールフック

第7試合 MMA フライ級 5分3R
×ヨッカイカー・フェアテックス
○グルダーシャン・マンガット
判定1-2

第6試合 キックボクシング ライト級 3分3R
×マルワーン・トゥートゥー
○コンスタンティン・ルス
判定0-3

第5試合 MMA ヘビー級 5分3R
○マーカス・アルメイダ
×サイモン・カーソン
1R 2’24” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第4試合 MMA ヘビー級 5分3R
○オーディ・デラニー
×メフディー・バルギ
2R 2’22” アームロック

第3試合 MMA ヘビー級 5分3R
×デューク・ディディエ
○ジャスール・ミルザムハメドフ
判定1-2

第2試合 MMA アトム級 5分3R
○ジェネリン・オルシム
×ジュリー・メザバルバ
判定2-1

第1試合 MMA ライト級 5分3R
×キム・キョンロック
○エドソン・マルケス
判定0-3

 ONE Championshipが6月3日にシンガポール・インドアスタジアムで開催した『ONE 158: Tawanchai vs. Larsen』の試合結果。和田竜光がカイラット・アクメトフに判定負けしています。


 タワンチャイ・PKセンチャイ vs. ニコラス・ラーセン ハイライト動画。


 ファブリシオ・アンドラージ vs. クォン・ウォンイル ハイライト動画。


 リース・マクラーレン vs. シェ・ウェイ ハイライト動画。続きを読む・・・
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ABEMA F1 o ONE カイラット・アクメトフ 和田竜光

【ONE】和田竜光がカイラット・アクメトフに判定負け

94: 実況厳禁@名無しの格闘家 2022/06/03(金) 22:28:15.85 ID:q1W0EOK50
カイカラフランスに勝利した和田の試合始まったぞ


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MMA MMAPLANET o ONE ONE158 アドリアーノ・モライシュ カイラット・アクメトフ キック ボクシング 和田竜光

【ONE158】強い。カイラット・アクメトフ、勝利の方程式は崩れず。和田竜光に3-0の快勝

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
カイラット・アクメトフ(カザフスタン)
Def.3-0
和田竜光(日本)

「勝ってタイトル挑戦をアピールしたい」と試合前に言っていた和田だが、直前に8月27日にアドリアーノ・モライシュ✖DJ 02が発表されケージに足を踏み入れた。

サウスポーのアクメトフの右回り基調に、正面に立たないよう動く和田が右を伸ばす。アクメトフは左ハイ、右サイドキックを繰り出す。和田は踏み込んで右、シングルをまずは切る。右ボディを打った和田は、組んだアクメトフのヒザをボディに貰う。

離れたアクメトフがワンツー、頭で受ける和田は左を避けて左ローを蹴る。左を振るって前に出るアクメトフが左ローを返す。和田は右フックを当てると、続くアクメトフの左ローが急所に入り試合が中断される。再開後、右ローを続けるアクメトフは和田の左をかわす。ステップから右ハイを狙った和田は、ケージを背負った状態で右フックを振るう。ここにアクメトフがダブルレッグを合わせてテイクダウンに成功。立ち上がった和田をシングルレッグに捕えたアクメトフが、レッグリフトも和田は細かいパンチを入れる。

それでも尻もちをつかされた和田は、スクランブルでバックを許し後方にスラム気味のテイクダウンを取られ、パウンドを被弾。立ち上がったが、バックを許した状態が続き最後に再び前方に崩され時間となった。

2R、右ジャブを叩く和田が、右を伸ばす。右から左を入れると、アクメトフが右を返す。アクメトフは左を振るって組むが、和田は首相撲へ。取り切れず離れた和田が左をバックステップでかわす。右ボディから組んだ和田に対し、アクメトフがいなして崩すそうとする。アイポークがあったと和田がアピールするが、レフェリーがファイトを要求する。和田は右ボディを見せ、左ジャブを入れる。アクメトフも左フックを繰り出し、右を当てて組み合いへ。ヒザを突き上げたアクメトフが離れると、右ローを蹴る。ステップインに右を合わせていく和田、アクメトフも力で押し切ろうとする。

残り70秒、和田の強振をかわしたアクメトフが左ミドル、右ジャブを伸ばす。ハイから右ストレートの和田は鼻血を流しているが、右アッパーを当てる。続く右フックに組んだアクメトフがバックへ。サイドバックから細かいパンチ、エルボーを後頭部に落としてしまったアクメトフが終盤にリードを広げた。

最終回、「パンチで入って右ハイ」というアドバイスを受けた和田は、右ストレートを当てる。アクメトフが左フックを返し、オーバーハンドを振るう。左フックで前に出るアクメトフは、近距離の打撃戦で和田に組まれケージに押し込まれる。右を差しても頭をつけることができなかった和田は離れて打撃戦へ。

アクメトフがワンツーを放ち、ダブルレッグを決める。オモプラッタを防がれ、スクランブルでバックに回れた和田は、前方にアクメトフを落とす。すぐに立ち上がり、ダーティーボクシングのアクメトフは左フックから組んでヒザを2つ入れるとケージに押し込んでいく。首相撲を取ろうとした和田に、アクメトフはレベルチェンジからダブルレッグへ。右を差して耐えた和田が、離れようとする。組みを続けるアクメトフにダーティーボクシングでパンチを入れた和田は、首相撲にとるがヒザを逆にもらう。

和田はヒザでなくヒジを出し、アッパーへ。残り1分、アクメトフは明らかに疲れているが、蹴り足をキャッチされた和田はシングルをケンケンで耐えるも、ついには最後の20秒で倒される。しっかりと抑え、最後の10秒でパンチを振るって印象点稼ぎのアクメトフ。和田が話していた──これまでの勝ち方を通したアクメトフが、3-0の判定勝ちを手にした。

勝者は世界戦に向け、「アドリアーノ・モライシュとDJが戦うの構わない。でも僕は5連勝だ。どっちでも構わない。チャトリ、タイトルに挑戦させれくれ」とアピールした。


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ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE158 UFC   アラン・ナシメント アレックス・シウバ エジソン・マルケス カイラット・アクメトフ キック クォン・ウォンイル ケビン・ベリンゴン シェ・ウェイ ジェネリン・オルシム ジュリー・メザバルバ チェン・ルイ チャンネル デェダムロン・ソーアミュアイシルチョーク デミアン・マイア ファブリシオ・アンドラジ ブラジリアン柔術 ボクシング マーカス・ブシェシャ・アルメイダ ヨッカイカー・フェアテックス リー・カイウェン 今成正和 佐藤将光 和田竜光 松嶋こよみ

【ONE158】計量終了 見逃せない『腹えぐり』対決ウォンイル✖アンドラジとシウバの柔術MMA

【写真】腹攻め、ヒザ✖左レバー、サウスポー✖オーソドックス。どのような結末が待っているか、クォン・ウォンイル✖アンドラジ(C)ONE

本日3日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE158「Tawanchai vs Larsen」の計量及びハイドレーション結果が発表されている。

和田竜光✖カイラット・アクメトフ、リース・マクラーレン✖シェ・ウェイというフライ級、ヘビー級でブシェシャが出場するMMAファイト、バンタム級とストロー級でも楽しみな試合が組まれている。


コメインのバンタム級戦=ファブリシオ・アンドラジとクォン・ウォンイルの一戦はKO決着必至、しかも腹への攻撃がカギを握るマッチアップといる。

2020年7月、コロナ禍のタイ・ドメスティック大会でONEデビューを飾って以来、4連勝中で佐藤将光以外は全てフィニッシュ勝利のアンドラジ。対するクォン・ウォンイルは、その佐藤に加えて松嶋こよみ、そして今成正和と日本人選手には3タテを食らいながら、それ以外の6試合は全てKO勝ちを収めている。

クォン・ウォイルは現在3連勝中で直近の試合では昨年12月に元ONE世界バンタム級王者のケビン・ベリンゴンを左レバーショットでKO、ブルーノ・プッチとチェン・ルイを合わせた3者を左ボディ、もしくは左ボディを効かせて右ストレート問う流れで仕留めてきた。

対してアンドラジはテンカオだ。ハードパンチャーのリー・カイウェンには腹への左ヒザを効かせて、ハイキックから連打でレフェリーストップ、ジャレミー・ピカティウには右ストレートに左ヒザを合わせて一発KOを決めた。

両者ともエグイ腹攻めを見せているが、クォン・ウォンイルが3連続KOをしてきた選手は全てオーソドックで、今夜の相手のアンドラジはサウスポーで蹴り技を使うことを忘れてはならない。

テンカオだけでなく、左右の前蹴りを三日月気味に入れることができるアンドラジは、オーソの相手に対し左ボディも打ち込める。対して、クォン・ウォンイルはほぼ右ボディは見せていない。もちろん、それは相手がオーソドックスだったからでもあるが、やはり両者の相性を考えると蹴りを自在に使うアンドラジに分があるか。

そのうえでクォン・ウォイルの特徴として、フィニッシュは近距離のボクシングという共通点があるが、そこに至るまでの過程では、ダブルレッグからテイクダウンをしてグラウンドで削るケースや、蹴りを多く使う場合もあることが挙げられる。

つまり最終的にはボクシングの距離で戦うが、それまでには対戦相手に応じて臨機応変に組み立てることができるということだ。組みや寝技に関しては、彼よりも能力の劣る相手に使う限定バージョンであることは想像できるが、アンドラジを相手に蹴りを織り交ぜて、そのまま重心が変わることなくボディショットばかりか、顔面へのパンチを決めることができれば4連続KO勝ちも十分にあり得る──クォン・ウォンイルだ。

一方、タイトル挑戦が現実のモノとなっているアンドラジは、相手の得意とする打撃で勝ちに行くのか。あるいはムエタイ流のバックテイクから今やノヴァウニオンで学ぶグラップリングを披露するのか。その辺りも気になる試合といえる。

グラップリングという観点では、メインカード1試合目に出場するスロトー級のベテラン=アレックス・シウバが面白い。3月に2RKO負けを喫したアドリアン・マタイスとの再戦だが、デミアン・マイアが身を引いた今、MMAでブラジリアン柔術──いやガードワークの妙技を駆使するという点で、シウバはUFCフライ級のアラン・ナシメントと並んで双璧といえる。

かつては下からの腕十字こそ絶対的に強さを持っていたが、そこを凌がれるとじり貧になっていたシウバは、今や絶妙なリバーサルを駆使し、スクランンブルと柔術を合体させたうえで一本勝ちもコントロール勝ちもできるスタイルを構築してきた。

特にハーフガード&アンダーフックからのレッスルアップ&テイクダウン、ハーフバタフライ&ギロチンからのスイープは見事の一言だ。ここに腕十字という伝家の宝刀をシウバは融合させた。ストロー級最年長のチームメイト=デェダムロン・ソーアミュアイシルチョーク引退後、39歳の元世界チャンピオンの柔術MMAをしっかりと目に焼き付けておきたい。

■放送予定
6月3日(金・日本時間)
午後6時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後6時30分~ONE Supper App

■ONE158計量&ハイドレーション結果

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム:70.08キロ/ 1. 0091
ニクラス・ラーセン:69.85キロ/ 1. 0083

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ファブリシオ・アンドラジ:65.77キロ/ 1. 0248
クォン・ウォンイル:65.09キロ/ 1. 0044

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
リース・マクラーレン:60.78キロ/ 1. 0107
シェ・ウェイ:キロ60.89/ 1. 0040

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
カイラット・アクメトフ:61.0キロ/ 1. 0061
和田竜光:61.0キロ/ 1. 0053

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチッチ:111.92キロ/ 1. 0040
グト・イノセンチ:119.52キロ/ 1. 0057

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
アレックス・シウバ:56.7キロ/ 1. 0244
アドリアン・マタイス:56.47キロ/ 1. 0214

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ヨッカイカー・フェアテックス:61.0キロ/ 1. 0091
グルダージャン・マンガット:61.0キロ/ 1. 0229

<キック・ライト級/3分3R>
マルワーン・トゥートゥー:77.11キロ/ 1. 0244
コンスタンティン・ルス:76.54キロ/ 1. 0103

<ヘビー級(※120.2キロ)/5分3R>
マーカス・ブシェシャ・アルメイダ:115.43キロ/ 1. 0099
サイモン・カーソン:105.46キロ/ 1. 0014

<ヘビー級(※120.2キロ)/5分3R>
オーディ・デラニー:117.82キロ/ 1. 0036
メフディー・バルギ:115.09キロ/ 1. 0244

<ヘビー級(※120.2キロ)/5分3R>
デューク・ディディエ:105.57キロ/ 1. 0036
ジャスール・ミルザムハメドフ:118.38キロ/ 1. 0152

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ジェネリン・オルシム:52.05キロ/ 1. 0140
ジュリー・メザバルバ:52.05キロ/ 1. 0009

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
キム・ギョンロ:76.99キロ/ 1. 0152
エジソン・マルケス:76.88キロ/ 1. 0120

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【ONE158】アクメトフ戦前の和田竜光―02―「コントロールの有効性と凄さをケイドの試合で認めた」

【写真】ONEのグラップリング路線強化に関して、MMAに好影響が出ることを文句のつけようがなく論じた和田 (C)MMAPLANET

3日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE158でカイラット・アクメトフと戦う和田竜光インタビュー後編。

MMAにおいて、明白に打撃に比重を置いているONEにあって今春からグラップリングに力が入れられるようになった。その現状を和田は、MMAに好影響が出るのではないかと期待していた。

アクメトフとの大一番を前に、ここでは和田の論客振りを実感してほしい。

<和田竜光インタビューPart.01はコチラから>


J-MMAファンの目が翌週のRoad to UFCに集中するなか、同じシンガポールで日本を代表するフライ級ファイターが28勝2敗、難攻不落のアクメトフと相対する。MMAならでは、その妙が幾重にも折り重なるような高度かつ心身ともにタフな一戦に向かう和田の心境とは。


──そんななかONE X以降、ONEはキック&ムエタイばかりかグラップリングへ相当に力が入っており、MMAはどうなっているんだ……という印象があります。

「今回もムエタイがメインですよね……」

──ケージでMMAは今やスタンダードで、目新しくない。特徴として立ち技や組み技があることでONEの存在感を強調しているのか……。そんななか今大会で和田選手の試合に加えて、ブシェシャやファブシリオ・アンドラジが出て、マクラーレンもいてアレックス・シウバやヨッカイカーも出場しています。MMA勢にインパクトを残して欲しいところです。

「グラップリングに力を入れることは、僕は『おっ、良いじゃん』ってなりました。そうするとグラップリングのことをしっかりと判断できる人間がONEに増えるということでしょうし、ファンも組み技が何かを理解できる環境が整う。

テイクダウンをする大変さが理解できるようになってくるんじゃないかと。そんなことはないかもしれないけど、勝手に期待しています(笑)。そういう風にプラスに思っています」

──おおっ、そういう捉え方をしましたか!!

「ONEはムエタイをメインにしておけば良いという考えの人が多いから、MMAでも打撃への比重が高い。グラップリングに力を入れるなら、グラップリングへの評価が高まるかなって安直な考えです(笑)。

テイクダウンって大変じゃん。コントロールするって、凄いなぁって。ケイド・ルオトロが青木さんから一本は取っていないけど『ポジションを取ったことを評価したよね?』って。それで評価したけど、MMAだと極めていないと評価しないですよね。テイクダウンしただけでダメージは与えてない。でも、それを評価したということは、その有効性を理解しているということになるんで。

だからグラップリングが盛んになることで、MMAの評価も変ってくれればと」

──和田竜光流ONEの風刺ですね。いや、本当にそこに一貫性があれば日本のファンからもキレーごとと捉えられることもなくなって、ONEへの理解が深まると思います。

「しっかりとコントロールすることで、極めに通じるわけですし」

──別に休んでいるわけじゃないのに、「Go to Finish」はないだろうと。

「ハイ、その有効性と凄さをケイド・ルオトロの試合で認めたじゃないかって。MMAもそう思いませんか?とは言いたいです。グラップリングに力を入れるということは、そういうことでしょって。

あれだけグラップリングの価値を同じ大会のなかで見出して、MMAになるとその攻防への評価がないって、それは変だって思わないですか?ってなりますよね。ムエタイやキックで評価するところをMMAで評価しているんだったら、グラップリングで評価するところをMMAで評価してくれないとおかしい。ケイド・ルオトロと青木選手の試合を視て思いました。それで変わるか変わらないかは分からないですけど、そうなってくれれば良いなと思います」

──理論武装として100点です。そうでないとONEはそれぞれの競技に順位付けをしていることになります。バックコントロール、バックグラブを続けるのって楽じゃないんだぞってことですよね。

「ハイ。そう思います。本当にそうッスよ。それこそ、おたつロックなんてやっていますけど、アレ、足が疲れるんですよ。疲れた様子なんて見せないようにしていますけど(笑)。逃げる相手をコントロールするって大変で。もちろん、逃げようとする相手も大変で。それをパンチを一発も当ててないから評価しないと言われるのは……それがONEだとは理解しているんですけどね。

以前、ルールミーティングで『開始直後に一発パンチを当てられた方が、ダウンもせず10秒の時点でテイクダウンをする。そのまま抑え込み続けた。一発もパウンドを当ててない。でも4分50秒間抑えていた。どっちが勝ちますか』と質問したことがあります。そうしたら『パンチを当てた方が勝つ』という返答でした。

『あっ、なるほどね。本当にそういう判断なんだ』と分かりました。ONEとはそういう大会ですねと思って……」

──違うやんという裁定も時々ある(笑)。

「アハハハ。そうなんです。でも4分50秒間抑え込んで、削っている選手を支持するジャッジも絶対に出てくる。俺はそう思っています。ダウンじゃないですからね。結局はジャッジの主観だから、統一はできない。それでも、ONEとは一発のパンチなんだという認識でいます。ただしグラップリングを同時に組んで、コントロールを攻めと評価するならMMAも変ってくれないかなと」

──同時にグラップリングも動き続けないとイエローという北米グラップリング大会にはないシステムもあるのがONE流ですね。格闘技のルール、質は見る目によって変わってくると思います。

「あぁ……」

──寝技は面白くないよ、殴り合えって言うファンが多いと……やはりそうなる。だから主催者はお客さんの目でレギュレーションを固めていくと思っています。

「プロモーターは、お客さんが凄いと思うところを欲しがるのは確かですね。だからこそ、グラップリングの導入でONEのファンの組み技を見る目が変わってくれれば……ということになりますね。

ONEで組まれているグラップリングは相当にレベルが高いです。前回大会はMMAは少なかったけど、あの組み技の試合を視てグラップリングがONEで盛り上がることは、MMAにとっても良いことだと思いました」

──その影響はまだ出ないであろう今大会ですが、改めてカイラット・アクメトフ戦を戦ううえで、どのような意気込みでいるかをお願いします。

「シンプルに僕よりランクが上の選手ですし、僕が記録上は負けた選手に勝っている選手なのでやっぱり強いです。強いと思ったうえで挑むことができるので、ビックリすることはない。パンチを被弾し、テイクダウンを取られることもあるだろうけど、リカバリーして反撃に転じる場面を創って……向うにやり辛いと思わせる。その結果、ぐずぐずでも勝つ。それがプラン……ではなくて、イメージできています」

──強い相手を倒す、和田竜光。ひたすら期待しています。そのうえでJ-MMA界の目が、翌週に集中しているとは感じませんか。

「Road to UFCですね(笑)。UFCはUFCで素晴らしいです。ONEと契約しているけど、UFCが一番凄い大会で僕も出られるなら出たいです。ただし、やっていることは……ことフライ級に関していえば勝負できる選手はいると思っています。劣っているわけじゃない。

佑弥が行っても活躍できると思います。俺が行っても、それなりに活躍できる。アドリアーノが行ったら、チャンピオンになれるかもしれない。DJだって当然通用する。層でいうと違いはあっても、上の方の質でいえば同じで。やっていることは全然負けていない。

現にもう、古い話ですけど僕はカイ・カラフランスとやっていますし。世界チャンピオンになって、どんどん俺の株を上げろって思っています(笑)。だけど、僕と戦った時からカイ・カラフランスが爆発的に成長したわけじゃない。

ビックリするほど強くなっているとは思わないし、だからUFCに対する劣等感はなく、それ以上のことをやっているのでONEも楽しみに見て欲しいです」

■放送予定
6月3日(金・日本時間)
午後6時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後6時30分~ONE Supper App

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【ONE158】和田竜光と対戦、カイラット・アクメトフ「国土の奪い合いがカザフスタンの歴史」

【写真】淡々と丁寧にインタビューに答えてくれたアクメトフ (C)MMAPLANET

6月3日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE158で、カイラット・アクメトフが和田竜光と対戦する。

渋い実力者同士のタイトル戦線サバイバルマッチを前に、そのアクメトフに和田戦に向かう気持ちとタイトル戦線について尋ねた。


――金曜日に和田選手と戦います。今の調子はいかがですか。

「ハラショー。もう精神的にも肉体的にも完全に準備はできている。いつでも試合ができるよ」

──今回はどこでファイトキャンプを行ったのでしょうか。

「カザフスタンのアルマトイにある自分のジムだよ。打撃、レスリングを通常通りトレーニングをしてきた。何か特別な準備をしたわけではなく、いつも通りの調整をしてきただけだよ。いくつかタツミツ・ワダの特性を考えてね。彼のスキルを理解したうえで、しっかりと注意して戦いたい」

──ウクライナ問題で、中央アジアのカザフスタンにいる選手は何か影響を受けることはなかったですか。

「ないよ(笑)。カザフスタンはロシアの支配下にあるわけじゃない、独立国だからね。ロシアと中国、キルギス、ウズベキスタンとの国境があり、ロシアの問題は関係ない。もし中国で何かあったとしても関係ない。カザフの人間は自由に国を行き来出来る」

──それはそうですね。スミマセン。ところでここ2試合はコロナ・プロトコル下でシンガポールではバブル内で過ごす状況でした。ようやくホテルの外に自由に行き来できるようになったと聞いています。気分的に違いますか。

「まずロックダウンが行われている時でも、ONEはしっかりと選手に戦う機会を与えてくれた。ホテルで隔離されても、僕らは戦うことができた。ONEには心から感謝している。今回、隔離もバブルもなく自由に外に出ることができるけど、だからと言って前もホテルのなかでコーチと顔を合わせることはできたし、トレーニングもできたから問題はなかった。

今回、外の空気を吸える。でも、僕はシンガポールに観光に来たわけじゃない。戦いに来た。だから、大きな変化とは捉えていないよ」

──ところで昨年12月にダニー・キンガドを破った際、次のタイトルチャレンジャーは自分になるという気持ちはなかったですか。

「ワカマツは素晴らしいファイターだ。彼も12月に良い仕事をして、しっかりと勝利を収めた。ランク的にも彼が上だったし、ワカマツが王座に挑戦したことで何か思うということはなかった。

彼が世界王座に挑戦した時、ちょっと体調を崩していたけど、僕はワカマツの応援をしていたんだ。何度か顔を合わせたこともあるし、良い感じなんだよ。タイトル挑戦については、今は考えないようにしている。とにかく目の前の試合に集中したい。そのことを考えるのは、この試合を終えてからだ」

──この試合後にどう進むか、青写真は描けているようですね。

「もちろんだよ。ワダに勝ってタイトル挑戦権を手にしたい。それは絶対だ。でも、今言ったようにそこは考えないようにしている。ちゃんとこの試合に向き合いたいからね。そこをクリアしてから、次のことを話すようにするよ」

──では和田選手の印象を教えてください。

「打撃もレスリングもできるウェルラウンダーだ。経験豊かな選手だし、本当の意味でMMAファイターといえる。凄く尊敬しているよ。ただしケージに入って、ドアが閉まると何も関係ない。強い方が勝者になるだけだよ。

僕のファイトの基礎はレスリングだ。彼もレスリングがベースだと知っている(※和田のバックグラウンドは極真空手と柔道)。日本のレスリングとカザフスタンのレスリング、どちらが上か腕比べだ(笑)。最初は打撃戦になり、そこから徐々に組み合いの勝負になるんじゃいかと思っている」

──カイラット、今日はありがとうございました。最後に今、ONEに限らずUFCなど国際舞台でカザフスタンの選手が活躍をしています。そのカザフの選手として、海外で戦うようになったパイオニアの1人であるカイラットは、カザフ・ファイターの強さの要因はどこにあると考えていますか。

「カザフスタンではMMAはとても新しいスポーツで、その歴史は10年ほどしかない。君が言ってくれたように、僕はカザフスタンでMMAに興味を持った最初の世代だ。自分が頑張ることで、次の世代の選手がグローバルな大会で戦う機会を得られるよう戦ってきた。

今は世界中でそういう選手たちが試合をしているけど、僕らの頃はそうでもなかったから、今よりずっとチャレンジングだったと思う。

カザフスタンのファイターが強いのは、常に戦場だったという歴史が関係していると思う。国土の奪い合いがカザフスタンの歴史だ。恐怖を克服する精神力を国民が持っている。色々なスポーツが盛んに行われているけど、MMA人気は短期間で高まった。それも僕らの血のなせる業だろう。

国際戦でカザフスタン国旗の下で戦うことを、選手全員が光栄に思っている。それもあって、カザフスタンの選手は大きな舞台の国際戦で強いんだと思う」

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【ONE158】和田竜光―01―難攻不落のアクメトフ戦へ「俺にああいう勝ち方ができるなら、よっぽど強い」

【写真】日本を経つ前夜、28日にインタビューは行われた。和田のTシャツがイカしている (C)MMAPLANET

6月3日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE158で、和田竜光がカイラット・アクメトフと戦う。

J-MMAファンの目が翌週のRoad to UFCに集中するなか、同じシンガポールで日本を代表するフライ級ファイターが28勝2敗、難攻不落のアクメトフと相対する。MMAならでは、その妙が幾重にも折り重なるような高度かつ心身ともにタフな一戦に向かう和田の心境とは。


――カイラット・アクメトフ戦、オファーが来た時はどのような気持ちになりましたか。

「もう『よっしゃぁ。やったぁ』って感じでしたね。カイラットはもともとやりたい相手だと、長南さんとも話をしていて。実は4月に違う選手とのオファーがあって、僕はその選手とやるってことで了承したんですけど、まとまらなくて。

その相手との試合が流れて、次に来たのがカイラット君だったので。もっと良い相手が来たなって。ランキング上位だと佑弥は別にしてダニー・キンガドもリース・マクラーレンもやったし、DJとも戦っているので……あとはアドリアーノ・モライシュ以外だとやりたいのって、もうカイラット君ぐらいで。

カイラット君はキンちゃんやマクラーレンに普通に勝っていますしね」

――カイラットはONEの好むスタイルのファイターでないですが、判定を落とさない。そういう印象があります。

「テイクダウンをして上からしっかり抑え込んで、固い試合をすることが多いです」

――その試合を、概ねほぼ誰ともできているのが強さということになりますか。

「テイクダウンをされないレスリング力……組まれても切り方とか上手いです。バランスが良くて、自分がテイクダウンを取れますよね。基本的に切ってトップを取る。時間が少なくなってきたら、上からパウンドをガンガン落として攻めている印象をたっぷり与えてポイントを取っている。

スタンドでもパンチを思いきり振るいますし、体も強い。パンチも重いと思います。だから、それを警戒して見ているとテイクダウンを取られる」

――う~ん、難攻不落。やっかいなタイプですね。だからこそ、和田竜光なんだよというのが個人的な期待なのですが。

「ありがとうございます(笑)」

――籠城戦で城を落とすようなイメージで。

「本当にそうしないといけないです。これで他の奴らと同じ負け方をしたら……というか、自分に自信を持っているから言えるんですけど、俺にああいう勝ち方ができるならカイラットはよっぽど強いんだなって思います」

――アハハハハ。素晴らしい自信です。つまり、そうはさせないと。

「多分、ああいう風にはならないです。だから試してみたいという気持ちがあって、カイラットとやりたいと思っていたんでしょうね。もちろん、自分の価値が上がる相手だから戦いたいというのもあるのですが、ああいう風にいつも勝っているカイラットが『俺にも、その勝ち方できるの?』って。俺はそういう風にならない気がしているから、試してみたい」

――そこです。そうならない気がする――というのが、我々の期待でもあって。とはいえ和田選手が、そのような気がする根拠はどこにあるのでしょうか。

「う~ん、根拠……ぶっ倒すつもりでいますよ。さっきも言ったようにカイラットのパンチを当てられ、警戒をして後手に回るから、テイクダウンを皆は奪われてきた。ぶつかり合うことを拒否して、やられています。

足を取るのも上手だし、そういうテイクダウンばかりでもないのですが、これまで攻められたことが余りないですよね。だから少しビビらせたいというのはあります。

打ち合いをするつもりはないですけど、彼は打たれたことはあまりないです。そこで俺は負けるつもりはないです。最近はグラップラーと思われがちですけど、自分ではグラップラーだなんて思っていないです。

この前の中国のワン・シュオと試合をした時も、彼は打撃の選手だったけど、ストライキングで負けていない。何もされていない。そこの自信も自分のなかであります。カイラット君とそこでぶつかっても負ける気がしない。かといってストライカーだとも思っていないですけどね(笑)」

――MMAファイターなわけですね。

「だからカイラット君と打撃で勝負できますし、テイクダウン勝負でもビックリするようなことないと思っています。もっと組み技の強い人と組んでいるし。だから、ソレを食らってもビックリしない……知っているから。逆に向こうが思っているようにならないから、カイラット君がビックリするはずです。アレ、上手くいかないじゃん……抑え込めない。トップにいることができないじゃんって……なるよう、自分に期待しています(笑)」

――笑っているじゃないですか(笑)。ではカイラット戦以降のキャリアの積み方は、どのように描いているのでしょうか。

「目指しているのはベルトです。どんな形でも白星が欲しいとの同じで、どんな形でもベルトを獲ってチャンピオンになりたいです。だから今回勝って、タイトル戦にこぎ着けたい。

ただしカイラット君は2位だし、DJがその上にいます。それでもカイラット君に勝てばごぼう抜きで俺が2位になる。そしてDJはアドちゃんに負けているよねって。

なら俺とDJになるのかっていうと、俺ともやっているよ――と(笑)。もう良いでしょって。DJさ、この間ロッタンにミックスルールで勝っただけなんだし、ちょっと待ってくんない――と。そういう乗りでいこうかと(笑)」

――あぁ、ONEのストリーラインは和田選手に勝ったカイラットとDJと戦わせるというものなのか……そして、ミキーニョが上位ランカーで戦っていないのはマクラーレンだけ。さらにいえば同じ大会でマクラーレンは、レコードがきれいなシェ・ウェイと戦う。ONEがAmazon Primeで米国での中継が始まったときに、どうフライ級を動かしたいのかが見えたような気がします。そこを和田選手には潰してほしいです。「和田はキンカドとマクラーレンに負けている」とか、それでも言われそうですが……。

「そうですね。キンちゃんとかマクラーレンはカイラットに負けているから、勝った瞬間に挑戦を盛大にアピールしたいと思います。俺はアイツらに負けたつもりはないし。だから、それはもう言ってもしょうがないじゃん、と。カイラットに勝ったんだから――という風にしたいですね」

<この項、続く>

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【ONE158】パシオ×ブルックス延期も。実力誇示へ好機到来!? 和田竜光×カイラット・アクメトフ戦決定

【写真】この試合、和田の強さが改めて確認できる試合となるか(C)MMAPLANET

25日(水・現地時間)、6月3日(金・同)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE158の全対戦カードが発表され、フライ級で和田竜光がカイラット・アクメトフと対戦することが発表された。

当初の予定ではONE世界ストロー級選手権試合=王者ジョシュア・パシオ×挑戦者ジャレッド・ブルックスという超注目タイトル戦が組まれていたが、今日の発表では両者の対戦はカードが消滅。

公式ツイッターではスケジュールの不意一致で延期となったという説明がなされているが、恐らくは──米国でAmazon プライムがスタートする7月大会以降にリスケされたモノと思われる。


とはいえ5月20日大会はキックやムエタイ、そしてグラップリングの陰に隠れた感のあるMMAが、今大会ではメインこそムエタイに譲っているが、バンタム級でファブシリオ・アンドラジがクォン・ウォンイルを戦う一戦、ヘビー級のブシェシャ×サイモン・カーソンらと共にフライ級でリース・マクラーレン×シェ・ウェイ、そしてアクメトフ×和田がメイン―ドで組まれた。

3月の王者アドリアーノ・モライシュが若松佑弥を破ったONEフライ級戦線で2位にランクされているアクメトフとのマッチアップは、和田がタイトル戦線に一気に浮上するチャンスだ。

ランク外の和田だが、実力的にはトップ5に入って然り。そして、勝った試合も負けた試合も──、強さを見せる戦い&ルールと判定基準を徹底的についた戦い、思い通りになった試合もそうでない試合も、やるべきことをやり通す。今や和田はMMAマスターの域に達しつつある。

対する元世界フライ級王者で27勝2敗という驚異的なレコードを残すアクメトフは、4年9カ月前にモライシュにベルトを手渡し、3年5カ月前に微妙な判定でジェヘ・ユースタキオを相手に暫定王座を取りそこなって以来、4連勝中でうち2試合は和田が判定で惜敗したダニー・キンガドとマクラーレンが含まれている。

ONEでの評価はアクメトフかもしれないが、日本人ファイターで和田をアンダードッグと見る者はまずいないだろう。

足にアタックできるグレコレスラーのアクメトフは、一言でいえば防御能力が高く、テイクダウンからコントロールで勝つファイターだ。そして、その防御能力はONEの打撃系ファイターに多い──大砲へ装備が際立っている。

その一方でマクラーレンのねちっこさにも競り勝っているが、そんな守備力の高いアクメット戦こそ、MMAマスターの力が多いに確認できる一戦となるに違いない。

和田の打撃は大砲ではない。ただし、狙いすませたライフルだ。加えてそのライフルを散らすことで、組みと融合させる術を有している。和田のMMAは打撃と組みのコンビネーション及び融合で、籠城戦を打破していく。そんな和田の強さを結果とパフォーマンスを伴ったうえで見せつける最大の好機到来といえるカイラット・アクメトフ戦だ。

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【UFN205】ガーブラント撃破→アスカロフ戦。カイ・カラフランス「僕だって彼をテイクダウンできる」

【写真】(C)MMAPLANET

26日(土・現地時間)、オハイオ州コロンバスのネイションワイド・アリーナで開催されるUFN205:UFN on ESPN+63「Blaydes vs Daukaus」で、カイ・カラフランスがダゲスタンの強豪アスカル・アルカロフと対戦する。

日本でもRIZINで和田竜光と対戦し、敗れているカラフランスはUFC戦績6勝2敗。昨年12月に元バンタム級世界王者コディー・ガーブラントをKOし一気に注目されるようになった。

14勝0敗1分のアスカロフとの試合は、カラフランスにとって世界最高峰の頂点に挑む機会を得られる絶好のチャンスだ。そんなかカラフランスをZOOMインタビューすると、非常に冷静に現状を判断し、現実に受け入れる──これまでの苦労がそうさせたのか非常に穏やか、かつ自信への信頼度の高さが絶対な人物像が見られた。


──昨年12月にはコディー・ガーブラントをKOして世界にショックを与え、一躍UFCフライ級戦線のトップに躍り出ました。改めてあの勝利を振り返ってもらえますか。

「僕のキャリアの中で最大の試合で、あんな勝ち方ができた。実際、試合前は怖かったけど、あの勝利で凄く自信をつけることができたよ。ラスベガスのビッグショーで、ガーブラントに勝ったことで今回のような世界のトップにいる強いファイターと戦う機会を得ることができるようになった。僕のキャリアを引き上げてくれた勝利だったよ」

──ガーブラント戦に代表されるようにカイはいつもエキサイティングな試合をファンに見せてきました。ところで9年前にマレーシアのクアランプールで、ニュージーランドとモンゴルという当時はMMAが今のように普及していなかった国からやってきた2人の若者が見せた闘士溢れるファイト、この世界でトップになるんだという強い意志が見られた激闘は、私の記者生活のなかで常にベストバウトの上位にくる──忘れられないファイトです。

「おお、LEGEND FCのバットゲレル・ダナー戦だね。あの時、試合を見ていたの?」

──ケージサイド、いえリングサイドで撮影をさせてもらっていました。

「そうなんだ。いやぁ、そう言ってもらえると本当に嬉しいよ。あの試合は……僕は負けてしまったけど、覚えていてくれて……そんな風にここで言われるなんて」

──しかも、その2人が揃って今、世界最高峰のUFCで戦い今週末は同じ会場で大切な試合を迎えるわけですしね。勝手ながら感無量です。

「あれ以来、僕とダナーはグッドフレンドなんだよ。確かに、あの試合はタフだった。アジアで誰が世界に進めるのか。そういう場で拳を交えたダナーと僕が、今一緒にUFCで戦っている。君の言ったように、同じカードに僕らの名前が並んでいる。凄くクールで……思えば遠くに来たもんだって振り返っちゃうよね(笑)。僕らは世界と戦うポテンシャルを見せて、今、ここに辿り着いた。それをあの日のファイトを撮影していた人に、そんな風に言ってもらえるなんて……本当に感謝しているよ。そうなんだ、あの日にリングサイドにいたんだっ!!! しかも、僕らの試合を覚えてくれていたなんて」

──KLのチャイナタウンの外れの丘の上にあった体育館で、本当に少ないお客さんの前で今と変わらぬ激しい試合をしていました。忘れようがないです。

「9年前、クアラルンプール、LEGEND FC、凄くイカしている。ホントにありがとう」

──そんなカイにとって、土曜日はガーブラント戦に続きビッグファイト。そしてキャリア最強の相手と言っても過言でないアスカロフと対戦します。彼の印象を教えてください。

「間違いなくビッグ・チャレンジになる。待ち望んでいた試合だね。僕がジムで培ってきた技術、動きを見せてエキサイティングな試合をファンに見せたい。そのために集中してやってきた。あとは練習の成果を土曜日の夜に見せるだけさ。また世界にショックを与え、フライ級で明確に地位を確立するのさ。

前回の試合まで、誰も僕のことを知らなかった。特に米国ではね。でも、今は違う。皆の反応が変わってきた。この流れを持続させようと思う。今回の試合も米国で、しかもファンが会場にいる状況で行われるわけだしね。もちろん、ニュージーランドで僕の試合を視てくれるファンのためにも、母国を代表して戦うよ」

──良い試合をファンに見せたいという気持ち、それはアスカロフは持っていないかと。それが彼の徹底したテイクダウン、ホールドというコントロールの強さに通じているのではないかと思われます。

「確かにアルカロフの技術は卓越したモノがあるよ。だけど、そういう相手も一発で効かせる打撃戦がMMAには存在している。それにMMAは進化した。倒されても、僕は立ち上がることができる。スタンドに戻ると、彼は僕の標的に戻るんだ。アスカロフの弱点を引き出せば、僕だって彼をテイクダウンできる。そういうチャレンジをしたいんだよね。

もうずっとMMAをやってきた。この経験をもってすれば、僕はアスカロフとどの局面だろうが戦うことができる。何より、12月にガーブラントに無傷で勝つことができ、フレッシュなままこの試合の準備に取り掛かることが可能だった。調子が良いままなんだ。前回の試合前から、ずっとトレーニングを続けてきたからね。オクタゴンに入って、自分が何をすべきかも十分すぎるほど分かっているよ」

──ニュージーランド政府は非常に厳しいコロナ対策を施していましたが、今回はどこでそれだけ準備できたのでしょうか。

「ニュージーランドだよ。オークランドのシティ・キックボクシングで、フルキャンプを行った。世界イチのチームで、最高のコーチたちとね。ニュージーランドは1月の始めから、あの厳しいロックダウン政策から一転し、以前の姿を取り戻しているよ。海外渡航に関しても以前と同じ、隔離措置もなくなった。試合に辿り着くまでのプロセスが、本当に楽になった。

それもあった凄く良い、キャンプができたんだ。やっぱり自分の国、街で調整できるのは居心地の良さが違うね。しっかりと戦えるだけ後押ししてもらえるしね。タイトルまで長い道のりだと思って来たけど、道筋が見えてきた。だから、今はアスカロフだけに集中できているよ。ところで日本はどうなの? コロナの状況は」

──日本は法的な締め付けは殆どなくて。お願い、要請という形で飲食店などの営業時間など制限がありましたが、マクス着用、手洗い&うがいが徹底され、人々のモラルで感染予防をしてきた状態です。入国も緩やかに開放方向で1日7000人ほどが上限で、ビジネスでの入国がOKになっている形でしょうか。

「そうなんだ。もう少しだね。実は僕の兄が18年間、日本に住んでいるんだ。相模原でティーチャーをしている」

──そうなのですかっ!!

「もう少しすれば僕らも行き来できるようになり、再会できるはず。その日が来るのを楽しみにしているよ。何度か日本を訪れたことがあったけど、また日本へ行きたいと思っている」

──ぜひともセミナーを開いてください。そして相模原にもMMAのジムがあるので、訪れてほしいです。ところでタイトルへの道筋が見えてきたということですが、フィゲイレド×モレノの4度目の戦いが組まれるという話も聞かれます。この両者以外のファイターはタイトル戦が遠のくニュースです。アスカロフ戦を前にして、このような情報が聞かれてどのように感じましたか。

「まぁ、なるようになるよ。つまり、なるようにしかならない。僕がコントロールできないことを気にしてもしょうがないよね。僕は今回もそうだし、これからも1試合、1試合、その試合に集中してキャリアを積んでいく。フィゲイレドとモレノの試合は、3試合とも凄くエキサイティングだった。UFCとしても4度目を組みたくなるだろう。UFCがそういうオプションを行使した。そうなると、僕はどうなるのか──とか深くは考えない。当然、今集中すべきがアスカロフだからね」

──カイ、インタビューを受けてくれてありがとうございました。最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

「ハロー・ジャパン!! 応援ありがとう。僕のキャリアはアジアでスタートした。日本のファンにも、土曜日はハイペースでアクションの多い試合をすることを約束するよ」

■視聴方法(予定)
3月27日(日・日本時間)
午前5時00分~UFC FIGHT PASS

■UFN205対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
カーティス・ブレイズ(米国)
クリストファー・ダカウス(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ジョアン・ウッド(英国)
アレクサ・グラッソ(メキシコ)

<ウェルター級/5分3R>
マット・ブラウン(米国)
ブライアン・バルベレナ(米国)

<フライ級/5分3R>
アスカル・アルカロフ(ロシア)
カイ・カラフランス(ニュージーランド)

<ヘビー級/5分3R>
アレクセイ・オレイニク(ロシア)
イリル・ラティフィ(スウェーデン)

<ライト級/5分3R>
マーク・ディアキーシー(英国)
スラヴァ・ボルシェフ(ロシア)

<ウェルター級/5分3R>
ニール・マグニー(米国)
マックス・グリフィン(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
サラ・マクマン(米国)
カロル・ホザ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
バットゲレル・ダナー(モンゴル)
クリス・グティエレス(米国)

<ミドル級/5分3R>
アリアスカブ・カイジレフ(ロシア)
デニス・チュルリン(ロシア)

<女子フライ級/5分3R>
ジェニファー・マイア(ブラジル)
マノン・フィオホ(フランス)

<フライ級/5分3R>
ダヴィッド・ドヴォルザーク(チェコ)
マテウウス・ニコラウ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ルイス・サルダーニャ(米国)
ブルーノ・ソウザ(ブラジル)

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