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【Pancrase338】ライカ戦への自信。重田ホノカ─02─「普通にやれば負けない。パンチの前に必ず仕留める」

【写真】シェフチェンコとのスパー。まだプロデビュー前の経験だ(C)MMAPLANET

12日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるPancrase338で、ライカと対戦する重田ホノカのインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

重田はパラエストラ柏に入会したあとに憧れの浅倉カンナとの練習はもちろん、当時UFC世界王者だったヴァレンチーナ・シェフチェンコのファイトキャンプも経験した。1年で成長し続ける彼女は、ライカ戦への大きな自信を見せた。

<重田ホノカのインタビューPart.01はコチラから>


――MMAを始めてちょうど1年! それは驚きです。ただ、親御さんの反対はなくなったのでしょうか。

「MMAをやりたいと伝えた時には、両親から『格闘技だけで食っていくことが、どれだけ難しいか分かっているのか!? 現実はそんなに楽なもんじゃないんだ!』と言われて。だけど仕事をしながらだと、強くなるのは難しいと思ったんです。だからお母さんに『2年欲しい』とお願いしました。

まず1年でプロデビューして、その1年後は実家暮らしだけど自分の生活は何とかするぐらい稼げるようになるから。そう約束した3カ月後にアマチュアデビューし、さらに4カ月経ってプロデビューしています」

――お母さんとの約束を守っているわけですね。しかも前倒しで。そもそも入るジムとしては、やはり憧れの浅倉カンナ選手のいるパラエストラ柏しか考えていなかったのですか。

「もちろんです。憧れの選手を倒すために他のジムに入る人もいるとは思いますけど、私は常に憧れの選手の背中を追いかけたいタイプなんです。高校も、すごく強い憧れの先輩がいるところを選んだりとか。とにかく『カンナさんみたいな選手になりたい!』と思ってパラエストラ柏に入りました。でも私がジムに入った時は、カンナさんが試合後に休養していた頃で。初めてお会いしたのは、入会から1カ月ぐらい経った頃です」

――初めて会った時の浅倉選手の反応は……。

「……『えーっ!? ありがとう!』と言ってもらいましたけど、やっぱり最初は距離がありました(笑)。カンナさんにしてみれば『気づいたらいる……誰だろう?』という感じだったと思うんです。でも一緒に練習していくうちに、だんだん距離も近くなって。一番大きかったのはシェフチェンコとの練習でした。毎日カンナさんにくっついていて」

――今年1月から2月にかけて、ヴァレンチーナ・シェフチェンコがパラエストラ柏でファイトキャンプを行った時ですか。ということはMMAを始めて3カ月ほどでシェフチェンコと一緒に練習をしているのですね。

「とにかく倒されまくって、シェフチェンコにしがみつくのが精いっぱいでした。練習がキツすぎて死にかけましたね……。あとは防具を全て付けた状態で練習していたら、シェフチェンコが下からヒジ打ちを入れてきて、メッチャ鼻血が出ました(笑)」

――練習で下からヒジ打ちとは……、シェフチェンコは重田選手のキャリアを知っていたのでしょうか。

「いや、絶対にアマチュアでも試合をしたことがない人間だとは知らなかったはずです(苦笑)。組めば投げられるし、ガンガン殴られるし――でも毎日朝から晩までシェフチェンコと一緒に練習できて、得られるものは大きかったです」

――目指しているのは浅倉選手も出場しているRIZINなのですか。

「やっぱりRIZINには強い憧れがあります。憧れの選手が出ている舞台で――さいたまスーパーアリーナで試合がしたいんです。もしRIZINが女子ストロー級のベルトをつくってくれるなら、そのベルトを目指して頑張っていきたいですね。もしストロー級でベルトができなくても、スーパーアトム級までは落とせます」

――もしRIZINのベルトの前に浅倉選手が立ちはだかったら、どうしますか。以前から鶴屋浩代表は「パラエストラ千葉ネットワークは同門対決でも問題ない」と仰っています。

「えーっ!? うーん……、その時は全力で潰しに行きます。いつか憧れは越すしかないですから」

――なるほど。もともと入会してすぐ選手練習に参加していたのですか。

「そうですね。夜のプロ練はアマチュア選手も女子選手もいなくて、杉山廣平さん、鶴屋怜君や松井斗輝君とか男子のプロ選手だけ参加している時もありました。そのなかでまだ入会したばかりの私が、みんなにコテンパンにされて(笑)。でも私は強くなるためにパラエストラ柏へ入ったので、そういう練習に付いていくしかなかったです。柔道以外は何の経験もなかったので、初めてミットを打ったり、レスリングをイチから教えてもらったり……」

――重田選手に関しては、1戦目から2戦目の間の成長具合が速い印象があります。特にシングルレッグの入り方とスピードは、1戦目の高本千代戦と比べて2戦目のソン・ヘユン戦は、1年目とは思えないほど速かったです。

「ありがとうございます。でもレスリングを教わってから1カ月ぐらいで、あれぐらいの入り方はできていたと思います。柔道をやっていたおかげか、相手の懐に入ることには全く抵抗がなくて。ただ、1戦目から2戦目までの間に成長できているというのは、私自身もそう感じています。前の試合から今回のライカ戦まで3カ月ぐらいしか経っていないじゃないですか。その間に私は二回りぐらい、また成長しているので」

――プロ3戦目でライカ戦というのは、かなりのチャレンジだと思いました。しかしマッチメイクの裏には、それだけの自信があったのですか。……今、「チャレンジ? そんなことないよ」という表情になりましたね(笑)。

「ウフフフ。確かにキャリアを考えたら、周りからチャレンジマッチだと思われても仕方ないです。でも私にとっては別に――。今回はストロー級ではなくフライ級の試合だけど、そこも問題ないです。まずは与えられた試合を勝っていくことのほうが大事ですからね。

次も普通にやれば負けないかなと思っています。ライカ選手は元ボクシング世界王者ですけど、これはMMAなので。もちろんパンチの距離になったら危ないとは思っています。階級はひとつ上だし、パンチの距離からガッと詰められることは警戒しています。でも、その前に必ず仕留めますから」

■視聴方法(予定)
11月12日(日)
Pancrase338:
午前11時45分~U-NEXT、PANCRASE YouTubeチャンネル
Pancrase339:
午後17時15分~

■Pancrase338 対戦カード

<フェザー級/5分3R>
三宅輝砂(日本)
櫻井裕康(日本)

<フェザー級/5分3R>
名田英平(日本)
キム・サンウォン(韓国)

<女子フライ級/5分3R>
ライカ(日本)
重田ホノカ(日本)

<ストロー級/5分3R>
リトル(日本)
寺岡拓永(日本)

<バンタム級/5分3R>
高城光弘(日本)
平田丈二(日本)

<フライ級/5分3R>
萩原幸太郎(日本)
前田浩平(日本)

<ライト級/5分3R>
鈴木悠斗(日本)
上田智大(日本)

<フライ級/5分3R>
饒平名知靖(日本)
金澤臣人(日本)

■Pancrase339 対戦カード

<ライト級/5分3R>
松本光史(日本)
西尾真輔(日本)

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
矢澤諒(日本)

<ライト級/5分3R>
平信一(日本)
丸山数馬(日本)

<ミドル級/5分3R>
佐藤龍汰朗(日本)
荒井勇二(日本)

<フェザー級/5分3R>
糸川義人(日本)
岡田拓真(日本)

<フライ級/5分3R>
濱田巧(日本)
大塚智貴(日本)

<バンタム級/5分3R>
平岡将英(日本)
谷内晴柾(日本)

<ストロー級/5分3R>
米山唯人(日本)
織部修也(日本)

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MMA MMAPLANET o UFC UFN UFN227 アレクサ・グラッソ キック ボクシング ヴァレンチーナ・シェフチェンコ

【UFN227】王者グラッソが2Rにダウンを奪うもシェフチェンコが猛追。スプリットドローで王座防衛に

<UFC世界フライ級選手権試合/5分5R>
アレクサ・グラッソ(メキシコ)
Draw.1-1 48-47.47-47.47-48
ヴァレンチーナ・シェフチェンコ(キルギス)

サウスポーに構え、左ミドルを決めたシェフチェンコ。さらに左を伸ばす。ステップインから左を見せるシェフチェンコは、左ミドルを続ける。右リード、グラッソの反撃にもパンチを続けるシェフチェンコが左を当てる。グラッソは右を伸ばすが、シェフチェンコがワンツーを入れ、左エルボーで前に出る。グラッソはワンツーをかわし、テイクダウン狙いを切るがエルボーを被弾する。

さらに右でミドルセクションを蹴り、ジャブを伸ばすシェフチェンコが右をかわして組みつく。ボディロックテイクダウンを決めると、ハーフで抑える前王者が現チャンピオンを圧倒する。マウントからバックに回ったシェフチェンコは、下に落とされないよう自ら着地しケージにグラッソを押し込み、初回をリードした。

2R、ジャブを当てたグラッソが、組まれてもテイクダウンを許さず離れる。ワンツーを決めたシェフチェンコが距離を詰めると、グラッソが右に右を当ててダウンを奪う。立ち上がったシェフチェンコに対し、グラッソはクリンチで捕らえダーティーボクシングでショートのパンチを連打する。

動きが止まったシェフチェンコだが、グラッソが間合いを取り直すとダブルレッグでテイクダウンへ。グラッソはギロチンを合わせるが、下になり頭を抜かれる。クローズドガードから立ち上がったシェフチェンコはローを蹴り、カカト落としは空振りに。残り1分を切り、飛び込んだシェフチェンコをニーシールドで止めたグラッソが、ヘビーショットを受けずにクローズドの中に収め時間まで下で過ごした。

3R、ローを蹴り合う両者。互いに慎重に間を測る展開に。右リードフックを入れたシェフチェンコが回ってワンツー、エルボーを見せてダブルレッグへ。グラッソはここも簡単に下になりパスを許す。スクランブルに持ち込んだグラッソだが、シェフチェンコはギロチンから後方回転しマウントを取る。グラッソは何とか耐えるも先を読んだかのようなシェフチェンコに、動いてバックグラブを許す。

メヒコ・チャントを背に、ボディトライアングルから逃れようとした動いたグラッソ。シェフチェンコは、巧みに背中に張りつく。胸を合わせにいくグラッソが、ついに上を取る――もシェフチェンコは腕十字を仕掛けラウンド終了を迎えた。

4R、グラッソが右ストレートを伸ばす。シェフチェンコは左のスーパーマンパンチを放つも、グラッソが距離を取る。再び距離を詰め始めたグラッソはサウスポーにスイッチして右ジャブ、左ローを当ていく。シェフチェンコのワンツーから返しの右フックがヒット。続いてシングルレッグで飛び込むも、これをスプロールしたグラッソがガブりながらシェフチェンコの頭部にヒザ蹴りを連打する。シェフチェンコは右手をマットに着いたが、グラウンド状態とはみなされず。そのままケージに押し込まれ、ボディロックからグラウンドに引きずりこまれた。

すぐさま腕十字の体勢に入るグラッソだが、これはシェフチェンコが反転して腕を抜き、立ち上がった。離れてケージ中央に戻ったシェフチェンコに対し、グラッソがサウスポーから右ジャブを当てる。反対にシェフチェンコの左ストレートはかわされてしまう。シェフチェンコが右ジャブを当て、さらに離れながら右フックを当てた。右のほうが当たるシェフチェンコは、ここでボディロックからグラッソに背中を着かせた。立ち上がるグラッソのバックに回る。グラッソはビクトル投げからシェフチェンコの左足を取りヒザ十字、さらに外ヒールへと切り替えたものの、ラウンド終了のホーンが鳴った。

最終回、オーソドックスに構えたグラッソの右ストレートがシェフチェンコの顔面を捕える。グラッソはサウスポーにスイッチしてダーティボクシングへ。シェフチェンコが離れるとジャブ&ローに切り替えたが、シェフチェンコの右ジャブ&右フックもクリーンヒットしている。スタミナ切れかグラッソの手数が圧倒的に落ちている。シェフチェンコが距離を詰めると左ローを当てたが、自身も左ストレートを浴びてしまう。

シェフチェンコは右サイドキックからワンツーへ。グラッソのシングルレッグを切ると、中間距離から右ジャブを突く。さらに距離を取ってサークリングするシェフチェンコに、グラッソの右は届かず。ここで組んだシェフチェンコだが、投げをかわされてしまい、グラッソがバックマウントへ。パンチで削りながら、シェフチェンコが腰を上げたところでRNCを狙う。これは極まらずも、四の字フックで固めたグラッソが、そのままバックからパンチを打ち込み続け、最後はフェイスロック気味で絞り上げたところでタイムアップとなった。

裁定は割れ――ユナニマスドローに。直後に公開されたスコアカードでは、ジャッジ1人が4Rをグラッソに、そして1人が5Rをグラッソの10-8としている点がポイントか。特に最終回はジャッジ3者とも10-9であれば、シェフチェンコの王座奪取となっていた。ここで10-8をつける要因は分かりかねるが、戦ったファイターは清々しくケージを下りていった。


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DWCS K-1 MMA MMAPLANET o UFC UFN UFN227   アレクサ・グラッソ エドガー・チャイレス カイル・ネルソン クリストス・ギアゴス ケヴィン・ホランド ジャスミン・ジュスダヴィチェス ジャック・デラ・マダレナ ダナ・ホワイト ダニエル・ラセルダ チャーリー・キャンベル テレンス・ミッチェル フェルナンド マーニック・マン ライカ ラウル・ロサスJr ルピタ・ゴディネス ロマン・コピロフ ヴァレンチーナ・シェフチェンコ

【UFN227】Noche UFC計量終了 DWCSで契約を逃したキヌットソンが急転直下のオクタゴンデビューへ

【写真】やはりフィジカル的にはシェフチェンコが優位に立っているか。グラッソは正確なタイミング、高い精度が欠かせない (C) Zuffa/UFC

16日(土・現地時間)、ネヴァダ州のTモバイル・アリーナで開催されるNoche UFC(※UFCの夕べ)ことUFN227「 Grasso vs Shevchenco 2」の計量が15日(金・同)に行われている。
Text by Takashima Manabu

セレモニアル計量は現地、Tモバイル・アリーナ正面の東芝ブラザで強い日差しが照り付けるなか、マリアッチの演奏から始まった。


メインでアレクサ・グラッソの持つUFC世界女子フライ級王座に挑む元チャンピオン=ヴァレンチーナ・シェフチェンコはブーイングを送るファンに対して、「明日はハレの日。私の心、力、精神の全てを戦いに注ぎ込む。ありがとう、皆の──」と一呼吸をおいて「サポートを」と話した。

対してグラッソは大声援を受けて「素晴らしい週末を過ごしてもらって、全てを尽くしてベルトを再び皆に持って来るから」とコメントした。

メキシコのための大会といっても過言でない今大会だが、5人のメキシコ籍ファイターに加え、ラウル・ロサスJr、トレイシー・コーテズ、アレックス・レイエスなどメキシコ系米国人も多く出場している。

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そんななか第1試合でジョセフィン・キヌットソンが、マーニック・マンを相手にUFCデビューを行う。K1で活躍し、MMAに転向したキヌットソンは8月22日のコンテンダーシリーズ第3週でイシス・ファーバックとのストライカー対決を制しながら、「素晴らしい実績を残しているが、今日はその片鱗を伺わせなかった」という厳しい評価から、契約が見送られていた。

そのキヌットソンが急転直下、今大会でオクタゴン初陣を戦う。もちろん、キヌットソンにとってもこのような展開は予想だにしていなかっただろう。あのダナ・ホワイトの言葉、契約が流れたキヌットソンが、誰よりも早く今年のコンテンダーシリーズ出場選手のなかからUFCデビューを迎えることとなった。

K-1クイーンの本当の意味での旅立ち、非常に興味深い。

なお今大会ではUFCにとって初めて民族ベルトが創られ、お披露目されている。メキシコのミシュテカ及びサポテカ文化の色彩を採り入れ、熟練、勇気、力、規律などの意味合いを持つデザインが成された特別仕様のベルトはセレモニアル計量では確認できなかったが、明日のメインでグラッソの腰に巻かれた際にはメキシコ独立記念日のUFCの夕べをより彩ることになるだろう。

■視聴方法(予定)
9月17日(日・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS
午前7時30分~U-NEXT

■UFN227対戦カード

<UFC世界フライ級選手権試合/5分5R>
[王者]アレクサ・グラッソ: 124.5ポンド(56.47キロ)
[挑戦者]ヴァレンチーナ・シェフチェンコ: 124.5ポンド(56.47キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ケヴィン・ホランド: 170.5ポンド(77.34キロ)
ジャック・デラ・マダレナ: 171ポンド(77.56キロ)

<バンタム級/5分3R>
ラウル・ロサスJr: 135ポンド(61.24キロ)
テレンス・ミッチェル: 135.5ポンド(61.46キロ)

<ライト級/5分3R>
ダニエル・セジューベル: 156ポンド(70.76キロ)
クリストス・ギアゴス: 156ポンド(70.76キロ)

<フェザー級/5分3R>
フェルナンド・パディーリャ: 145.5ポンド(66.0キロ)
カイル・ネルソン: 146ポンド(66.22キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ルピタ・ゴディネス: 116ポンド(52.62キロ)
エリス・リード: 115.5ポンド(52.38キロ)

<ミドル級/5分3R>
ロマン・コピロフ: 185.5ポンド(84.14キロ)
ジョシュ・フレムド: 185.5ポンド(84.14キロ)

<フライ級/5分3R>
エドガー・チャイレス: 126ポンド(57.15キロ)
ダニエル・ラセルダ: 125.5ポンド(56.92キロ)

<女子フライ級/5分3R>
トレイシー・コーテズ: 126ポンド(57.15キロ)
ジャスミン・ジュスダヴィチェス: 125.5ポンド(56.92キロ)

<ライト級/5分3R>
チャーリー・キャンベル: 155ポンド(70.31キロ)
アレックス・レイエス: 155.5ポンド(70.53キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ジョセフィン・キヌットソン: 115.5ポンド(52.38キロ)
マーニック・マン: 115ポンド(52.16キロ)

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【UFN227】メキシコ独立記念日に、アレクサ・グラッソ✖シェフチェンコ再戦─展望。幸運ではなかった前戦

【写真】 まさに前回とは立ち位置が違う今回の再戦となる(C) Zuffa/UFC

16日(土・現地時間)、ネヴァダ州のTモバイルアリーナにて、UFC Fight Night: Grasso vs. Shevchenco 2が行われる。大会名が示すように、メインはフライ級新王者アレクサ・グラッソに、前回王者ヴァレンチーナ・シェフチェンコがリヴェンジを賭けて挑む再戦だ。
Text by Isamu Horiuchi

大会当日は213回目のメキシコ独立記念日で、Fight Nightに関わらず世界戦が組まれ、会場もTモバイル・アリーナとスペシャル感のあるイベントとなっている。出場選手も全11試合で5人がメキシコ人ファイター、まさにビバ・メヒコなファイトナイトとなった。


そんなUFN227のメインで、メキシコ人世界王者に挑戦する──キルギス出身のシェフチェンコは言わずと知れた女子フライ級の第一人者だ。2018年8月にヨアナ・イェンジェチックを倒して王座に就いて以来、実に7度連続防衛を記録。そのうち4試合をフィニッシュで決めており、この階級自他共に認める絶対女王として君臨していた。

そんな無敵の王者から3月のUFC 285にて一本勝ちを収めて世界を震撼させたのが、メキシコのアレクサ・グラッソだ。下馬評では圧倒的に不利と見られていた挑戦者は、実際2、3Rはテイクダウンを奪われリードを許していた。が、シェフチェンコが4R終盤に放ったスピニングバックキックの空振りに乗じてあっという間にバックを奪うと、そのままチョークを極めてみせた。

負けるはずのない絶対王者、不用意な攻撃が仇となっての大番狂わせ──そんな印象も強かったまさかの王座交代劇。実際シェフチェンコも試合直後に「これがMMA。私が全ラウンドを取って間違いなく勝っていたけど、馬鹿げた状況が試合の全てを変えてしまうことがあるのよ」と語っている。

が、グラッソはフィニッシュのチョークについて「この動きを毎日練習していたの。彼女はスピニング系の技を出してくると知っていたから」と話した。

さらに数日後、試合前のキャンプにてグラッソがパートナーが放つスピニングバックキックをかわしてチョークを極める練習をしている映像も投稿され、あの決着自体は偶然ではなく、グラッソが所属するメキシコのロボジムのヘッドコーチであり、叔父でもあるフランシスコ氏が王者の試合映像を繰り返し研究して生み出した作戦の一つだったことが判明した。

さらにそこに至る試合内容を見ても、(シェフチェンコの言葉とは異なり)決して王者が展開を一方的に支配していたわけではない。1Rの打撃戦で有効打を当てていたのはグラッソの方だ。やや待ちの姿勢になる王者に対し、得意の伸びるワンツー、そして返しのフックをクリーンヒットしてみせた。特にストレートはカウンターの名手である王者の左フックが当たる前に顔面を痛烈に捉えており、距離感、タイミング、スピードとどれも女子MMA界ベストボクサーという評価に相応しいものだった。

2Rと3Rは、戦い方を変えた王者にテイクダウンをされて上のポジションを取られる展開に。そこから必殺のマウンテッド・クルスフィックスの体勢に捕られられかけるも、高い危機意識で動き続けて脱出に成功したグラッソは致命傷を逃れている。

この場面でも、体格に劣る挑戦者がいかに王者の武器をよく研究し、万全の準備でこの試合に臨んだかが伺えた。そして4Rに潮目がまた変わる。グラッソはやや単調になった王者のテイクダウン狙いを2 度にわたって切り、再び試合を得意のスタンド戦に持ち込むことに成功したのだ。命運を分けたスピニングバックキックは、ジャブでプレッシャーをかけるグラッソに対し、ややケージ側に詰められかけた王者が放ったものだった。

多彩にして強力な武器を持つ卓越したキックボクサーの王者に、序盤得意のボクシングで見事に競り勝ったグラッソが、中盤作戦を変えてきたシェフチェンコの反撃を凌ぐと、後半再び攻防を自分の望む土俵に持ちこみプレスをかけた。

そう考えると、あのスピニングバックキックは王者の慢心故の不要な攻撃というより、堂々と渡り合いその牙城に肉薄したグラッソが出させたもの、偶然ではなく必然だったという見方もできる。

ならば今回の再戦のおける最大の注目は、前回の敗戦を踏まえてシェフチェンコがどのように戦いを変えてくるかだ。

「もう同じことは決して起こらない」と語る前絶対女王。得意のスピニングバックキックやバックフィストは使いにくくなったとは言え、打撃の武器の多彩さではグラッソを上回る。

「グラッソは最も爆発的で、最もパワフルで、最も危険なヴァージョンのヴァレンチーナを思い知ることとなる」と宣言しており、受けに回った結果、グラッソの踏み込みのスピードに対応できずパンチをもらってしまった前回の轍を踏むつもりはなさそうだ。

対するグラッソも「彼女がどう戦いを変えてくるか、私もすごく知りたい。今までは挑戦を受ける立場だった彼女が、今は攻めなくてはならない立場になる。そんな時にどうするのかしらね。試合が待ち切れない」と語っており、リベンジに燃え全力で攻めてくる王者を恐れている様子はまったくない。

打撃の交換においてお互い切るカードが変わるなら、当然テイクダウンの攻防も変わってくる。前戦では2、3Rにシェフチェンコがグラッソの飛び込みに見事なカウンターのテイクダウンを合わせ、逆に4Rはスタンドで圧をかけるグラッソがシェフチェンコのテイクダウンを切った。今回もしシェフチェンコが蹴りも駆使して打撃で前に出て来た場合、グラッソはそこに乗じてテイクダウンを仕掛けることはできるのか。

それともその圧に下がらされてしまうのか。また、たとえ綺麗なテイクダウンが取れなくても、前回とは違う形でバックに回るチャンスを作ることはできるのか。

そして試合がグラウンドに持ち込まれた場合、シェフチェンコは今回こそ体格差を活かし、必殺のマウンテッド・クルスフィックスでグラッソを抑え込むことができるのか。前戦の2Rでは、ガードワークに定評のあるグラッソの両足を素早く超えたシェフチェンコがすかさずクルスフィックスを狙うのに対し、グラッソが止まらず動き続け、ついにはケージを蹴って隙間を作って脱出に成功するという見応えのある攻防があった。

3R終盤にはテイクダウンからバックを取られたグラッソが、やはり休まず動いて体をずらし続け、最後には逆にギロチンの形まで作る場面も見られた。これらの攻防の「さらに先」が今回見られるとしたら、どう展開するのだろうか。

絶対女王だったシェフチェンコを倒したこと、そしてもう一人の絶対女王アマンダ・ヌネスが先日引退を発表したことで、なんと現在グラッソはUFC女子のパウンド・フォー・パウンド1位の座に就いている。

シェフチェンコはストロー級王者のジャン・ウェイリに次いで3位だ。女子MMA最高峰にいる両者の再戦が打撃、テイクダウン、グラップリングのどの局面でも、前回を上回る激闘になることに期待したい。

■視聴方法(予定)
9月17日(日・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS
午前7時30分~U-NEXT

■UFN227対戦カード

<UFC世界フライ級選手権試合/5分5R>
[王者]アレクサ・グラッソ(メキシコ)
[挑戦者]ヴァレンチーナ・シェフチェンコ(キルギス)

<ウェルター級/5分3R>
ケヴィン・ホランド(米国)
ジャック・デラ・マダレナ(豪州)

<バンタム級/5分3R>
ラウル・ロサスJr(米国)
テレンス・ミッチェル(米国)

<ライト級/5分3R>
ダニエル・セジューベル(メキシコ)
クリストス・ギアゴス(米国)

<フェザー級/5分3R>
フェルナンド・パディーリャ(メキシコ)
カイル・ネルソン(カナダ)

<女子ストロー級/5分3R>
ルピタ・ゴディネス(メキシコ)
エリス・リード(米国)

<ミドル級/5分3R>
ロマン・コピロフ(ロシア)
ジョシュ・フレムド(米国)

<フライ級/5分3R>
エドガー・チャイレス(メキシコ)
ダニエル・ラセルダ(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
トレイシー・コーテズ(米国)
ジャスミン・ジュスダヴィチェス(カナダ)

<ライト級/5分3R>
チャーリー・キャンベル(米国)
アレックス・レイエス(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ジョセフィン・キヌットソン(スウェーデン)
マーニック・マン(米国)

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MMA MMAPLANET o RENA UFC uFC289 アイリーン・アルダナ アマンダ・ヌネス アレクサ・グラッソ キック ケイラ・ハリソン ケトレン・ヴィエイラ シャーウス・オリヴェイラ ジュリアナ・ペニャ ベニール・ダリューシュ ボクシング メイシー・シェエソン ヤナ・クニツカヤ ヴァレンチーナ・シェフチェンコ

【UFC289】UFC世界女子バンタム級選手権試合、聖域得た王者ヌネス✖「I’m Mexican」挑戦者アルダナ

【写真】そりゃあ下馬評は圧倒的にヌネス。ただし、シェフチェンコ✖グラッソ戦でもメキシコ女子は下馬評を覆した (C)Zuffa/UFC

10日(土・現地時間)カナダのブリティッシュコロンビア州バンクーバーにあるロジャース・アリーナにてUFC 289「Nunes vs Aldana」が開催される。
Text by Isamu Horiuchi

元UFC世界ライト級王者のシャーウス・オリヴェイラとベニール・ダリューシュの注目の一戦をコメインとする今大会のメインは、バンタム&フェザーの女子2二階級王座を同時に保持するアマンダ・ヌネスが、ランキング5位のアイリーン・アルダナを挑戦者に迎える女子バンタム級タイトルマッチだ。


ヌネスは、誰もが認める女子MMAにおけるGOAT(Greatest of all time)。2016年にバンタム級王座を、2018年にフェザー級王座を獲得して以降、3年に渡って2階級を行き来して両王座を防衛し続ける離れ業を見せていた。一昨年12月、ジュリアナ・ペニャにまさかの2R一本負けを喫してバンタム級王座を失ったものの、昨年7月の雪辱戦では5R全てを圧倒して勝利、健在を見せつけている。

今大会は当初ヌネスとペニャの第3戦が予定されていたが、ペニャが練習中に肋骨を負傷。代わりに挑戦者として抜擢されたのが、現在2連勝中のアイリーン・アルダナだ。ヌネスと同じ88年生まれのアルダナは、ヌネスが初戴冠をした2016年にUFCデビュー。ファイト・オブ・ザ・ナイトとパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを2度ずつ受賞する激闘を重ねながらランキングを上げてきた選手だ。

前戦では、体格上の(計量オーバーした)メイシー・シェエソンと対戦。仰向けの体勢からのアップキックをレバーに突き刺すという前代未聞のフィニッシュを決めており、試合後のインタビューでは「いつも練習しているグレイシー・クラシカル・テクニックよ!」という卓越したコメントを残している。

とまれ、実績&知名度ともに大きな差がある両者だけに、下馬評では王者が圧倒的に有利となっている。

ペニャとの初戦ではヒザの怪我も響いて不覚を取り「引退も考えた」と語るヌネス。「他の選手ならともかく、アイツにタイトルを渡したまま去るわけにはいかない」という個人的な思いも込めて臨んだ再戦では、サウスポー中心の戦いを初披露。ペニャが前に来るたびに右フックを合わせ、最初の2Rで実に5度もダウンを奪ってみせた。さらに後半はテイクダウンを何度も決めて上を取り、ペニャの下からの攻撃を遮断。全局面での強さを見せつけての復活劇だった。

DALLAS, TEXAS – JULY 30: in their women’s bantamweight title fight during UFC 277 at American Airlines Center on July 30, 2022 in Dallas, Texas. (Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC)

破壊的な威力の右オーバーハンドで世界を制圧した王者が、新たにサウスポーからの精度の高いカウンターを武器に加え、さらに強力なテイクダウンまで織り交ぜてくるのだから、対戦相手からすればこれほどの脅威はないだろう。世界の頂点に君臨しなお進化し続けるヌネスの戦いを通して、我々は今この瞬間における世界女子MMAの最高到達点を見ることができる。

この見事な復活劇の最大の要因は、練習環境を変えたことにあるという。長年拠点としてきたATTに、UFC女子フェザー級への転出が囁かれていたケイラ・ハリソンらが加入したことに「身の安全を脅かされる気がした」というほど気分を害していたというヌネス。

ペニャとの再戦に臨む際に、フロリダ州内に自らのプライベートジム「ライオネス・スタジオ」を設立し、移籍した。

「私と同階級の女子選手が、私の所属ジムに来て私のコーチと練習するような環境は好ましくなかった。このライオネス・スタジオに出入りできるのは私の親しい友人とコーチだけ。このジムで私が失っていたスピリットを取り戻すことができたし、サウスポーで戦うという発想も思いついたのよ」と語るヌネス。

「私の聖域」と呼ぶ専用スペースを手に入れ、私生活でもパートナーのニーナ・アンサロフ(※現在はヌネス姓)が二人目の子供をお腹に宿している。公私ともに充実した最強王者の牙城を崩すのはきわめて難しそうだ。

さて、大会前の記者会見。「あなたが偉大な王者にもたらすことのできる最大の脅威はどこにありますか?」との質問を受けた挑戦者アルダナは、微笑みながら一言だけ返した。

「I’m Mexican」。この言葉には、単に国の誇りといった精神的なものだけでなく、技術的な含意も込められていそうだ。実際、別の場でアルダナは「メキシカン・テクニックには特別なものがある。私はそんなメキシカンスタイルをオクタゴンに持ち込みたい」と語っている。

LAS VEGAS, NEVADA – JULY 10: in their women’s bantamweight bout during UFC 264 at T-Mobile Arena on July 10, 2021 in Las Vegas, Nevada. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC via Getty Images)

アルダナの言うメキシカンスタイルとは、主に彼女の最大の武器であるボクシングのことだろう。20歳を過ぎてから運動のためMMAをはじめたというアルダナだが、所属先のロボジムのヘッドコーチにして、元プロボクサーのフランシスコ・グラッソ氏に仕込まれたボクシング技術の洗練度は女子MMAファイターの中でトップクラスだ。

メキシカンボクシングの特徴と言われる、腰を柔らかく使った滑らかな動きや踏み込んでの伸びるジャブ、距離の長いストレートを見事に使いこなすアルダナ。さらに上下の打ち分けやアッパーを交えたコンビネーションも多彩で、ケトレン・ヴィエイラやヤナ・クニツカヤを一撃で倒した威力抜群のカウンターの左フックも持っている。

またヌネスがあまり使わないスムーズな左右へのフットワークにも長けており、常にガードを上げ固いブロッキングとヘッドムーブメントを駆使する等、パンチのディフェンスも優れている。多少の被弾はあれど常に致命打は回避し、抜群のコンディショニングと不屈の闘志をもって相手に打ち勝ってきたアルダナは、桁外れの破壊力を誇るヌネスの打撃をもってしても、簡単に倒せる相手ではない。女子MMA最高レベルの拳の応酬こそ、この試合最大の見所だ。

ただし王者ヌネスには、前戦でも猛威を奮った強力なテイクダウンという武器もある。打撃での制圧が困難と見るや、ヌネスがテイクダウンを仕掛けてくることは容易に想像できる。柔術黒帯を持つ王者のテイクダウン&トップコントロールをアルダナがいかに凌ぐかも、この試合の大きな鍵となりそうだ。

総合的な不利は否めないアルダナだが、所属先のロボジムは、今年の3月にアレクサ・グラッソがヴァレンチーナ・シェフチェンコから4RにRNCを極める大番狂わせを起こし、メキシコ人初のUFC女子王者を輩出したばかり。

王者が不用意なスピンキックを放ったが故に起きた奇跡、と解釈されがちなフィニッシュだが、ロボジム側から言わせると決して偶然ではない。

シェフチェンコの試合映像を寝る暇も惜しまず研究したフランシスコ・グラッソ氏(※アレクサの叔父でもある)が、シェフチェンコがスピンキックを放つ癖があることに気づき、それを避けてバックを奪いチョークを極めるシークエンスをチームで練り上げ、無数の反復練習を重ねてきた成果だったとのこと。

わずか3ヶ月前に世界を揺るがせた名伯楽の目には、もう一人の女子絶対王者のいかなる死角が見えているのだろうか。

アルダナは以前から──ヌネスが名を挙げた(そして離れた)メガジムATTとは対照的に──祖国の小さなチームにて、結束の固い仲間たちと共にあることにこそ自分の優位点があると語っている。

自分の入門初日からの練習パートナーであり、苦楽を共にしてきた盟友アレクサに続いて、2人目のメキシコ人女子王者を目指す気持ちの強さは、全てを成し遂げた王者の防衛への意志に決して劣らないだろう。

「この試合はブラジリアン・ライオネスとメキシカン・ジャガーの戦いなのよ!」と話すアルダナ。そのしなやかな牙が百獣の王の首に食い込み、多くの予想を裏切る大死闘となることを期待したい。

■視聴方法(予定)
6月11日(日・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS
午前11時~PPV
午前7時30分~U-NEXT

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【RIZIN LANDMARK05】V.V Mei戦へ、浅倉カンナ─02─「この試合だけは絶対に勝つ」

【写真】何があっても練習だけをしてきた。逆に試合がない状態での練習により、技量が上がっているという見方は十分にできる(C)MMAPLANET

29日(土・祝)、東京都渋谷区の代々木第一体育館で開催されるRIZIN LANDMARK05で、V.V Meiと対戦する浅倉カンナ・インタビュー後編。

突き抜けられない現状との戦いに、自信を失う場面もあった浅倉だが、ヴァレンチーナ・シェフチェンコとの出会いと、V.V Meiという対戦相手を得たことで──再び戦いの場に戻る。

これがキャリアの剣が峰、乗り越えることで大きなステップとなる一戦へ、その覚悟と不安と自信の程とは。

<浅倉カンナ・インタビューPart.01はコチラから>


──それはかけがえのない経験となりましたね。

「プレイベートはジムのパーティで一緒したぐらいなんですけど、練習中の行い、雰囲気から本当に人として尊敬できて。全く偉ぶったことがないし」

──カンナ選手に関しては、RIZINで活躍をしてきたのですが、海外に行きたいという気持ちがないのかと疑問に感じていました。世界を目指す人がジムに多いですし。ヴァレンチーナと触れ合って、海外で戦うということを再考するきっかけにはならなかったですか。

「う~ん、本当の本当、正直に言って良いですか」

──もちろんです。

「こんなに強い人が世の中にいるのかって思いました。世界って広くて、厳しいと。練習を見てもらったので分かると思いますが、本当に何もできずぶっ飛ばされていたじゃないですか(苦笑)」

──まぁ2階級違いますし。

「それはそうなのですが……気持ち良いぐらい吹っ飛ばされたので、世界の厳しさを感じて……。目指そうっていうよりも、『こんなに強い人がいっぱいいるんだ』という感覚になって。同じ場所に行きたいという想いにはならなかったです。本当に今、自分は自信がなくて。試合までに自信をつけないといけないんです」

──RIZINにもパク・シウ、伊澤星花という選手がいます。強いです。

「強いですね。ただMei選手と試合をするということは、そこまでいくという覚悟をして決めたことなので。後のことは分からないですけど、この試合だけは絶対に勝つ。この試合の結果で、自分の今後が変わる気がします。周りもそうなんですけど、自分の気持ちがそうなると思います。

また『無理なのか』って思うことになるのと、勝って上を目指すことができるのでは大分違ってくると思うので。それぐらいの覚悟をして、臨みたいです」

──対戦相手としてMei選手のことを、どのように捉えていますか。

「Meiさんは打撃も寝技もできるし、経験が凄い。国内のトップファイターで、海外でもタイトル戦まで行った。なので簡単な相手ではないです」

──とはいえ2度に渡るアンジェラ・リー戦の頃と、ONEの終盤ではパフォーマンスは違う……下がったという印象は拭えないです。

「そうですかねぇ……MeiさんがMMAを余り戦えていないのが、関係しているのか。ただ、自分はアンジェラ・リー戦の印象が強いです。絶対に諦めないし、『Meiさん、凄い』って思っていました。自分より前に女子格闘技を盛り上げてくれていた選手と戦うことが、凄く嬉しいです。

もちろん、若くて力をつけてきた選手との戦いも自分にとって良い経験になるのですが、嬉しさでいうとMeiさんと戦える方が大きいです。実際、練習もしたことがあるし、やっぱりそういう過去とも関係してきます。戦わせてもらえるなら上の世代の選手とも戦っていきたいです」

──今日は対戦相手のMei選手と顔を合わせて、いかがでしたか。

「ちょっと気まずかったです(笑)。試合が決まってからは、当然練習をすることもないですし、連絡とかも取り合わないですけど。Meiさんを目の当たりにすると気まずさもありつつ、やっぱり気合いも入ります。もうやるしかないので、自分は会見があるとよりスイッチが入ります」

──自分のなかで、ここは譲りたくないという部分はありますか。

「試合が決まっていない時の練習って楽しいです。自由に色々と試すことができて。そういう期間が長かったので、何かその自分をケージのなかで出すことができれば、結構良い動きができるという気持ちでいます。そういう部分には自信があって──どうなんですかね、一本取れると思っています」

──これだけ自信がないと連呼して、結果的に自信はあると(笑)。カンナ選手、食えないですね(笑)。ところで今回は世代が上のトップ選手と戦いますが、今、DEEP JEWELSを見ていると過去2年ぐらいでデビューした選手が、キャリア10戦以上の選手を越えていく勢いを見せています。この現状はどのように見ていますか。

「刺激になります。凄く勢いがあります。そこに怖いモノしらずっていう部分もあるので。まだ何か怖くなる壁に当たっていない。だから本当に勢いがあります。万智ちゃんが柏に練習に来てくれていて、めちゃくちゃ強いです。万智ちゃんとスパーリングをしていると、負けたくないっていう想いになりますし、そこが良い刺激になっていますね。

何か昔の自分を思い出します。『こういう時、自分も凄く楽しかったな』って(笑)。そういう感覚で見つつも、自分はもうその場所にいない。違うところで、前に進んでいくしかないので」

──リングでなくケージです。ケージの方がカンナ選手は自分に粘りがあるし、相手の嫌なことも数多く仕掛けることができるように感じます。

「ハイ(笑)。あると思います。自分の中ではリングもケージも変わらないと思っているのですが、ケージで戦うとやりやすさは感じます。ケージ際の攻防は、リングと全然違うのでそこは強味になってきます」

──では、最後にファンにどのような自分を見て欲しいですか。

「負けて……この葛藤って人には伝わらない部分があると思います。悩みではないのですが、この感情が皆に伝わっていないだろうし、いい加減ファンの人たちには呆れられていると思っています。なので、ケージでしっかりと良い勝ち方をして──自分のなかで、今いる状況、立ち位置を全て変えていきたい。ケージの中で暴れている自分の試合を楽しんでほしいです」

■視聴方法(予定)
4月29日(土)
午後2時30分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,スカパー!

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【RIZIN LANDMARK05】V.V Mei戦、覚悟を持った再出発。浅倉カンナ─01─「もうやるしかないんだから」

【写真】ここは上を目指す選手が、必ず通る道(C)MMAPLANET

29日(土・祝)、東京都渋谷区の代々木第一体育館で開催されるRIZIN LANDMARK05で、V.V Meiと対戦する浅倉カンナ。

昨年7月にパク・シウに敗れスーパーアトム級GP初戦敗退に終わった浅倉は3月3日に行われた会見で、この敗北を受けて自身のキャリアに対してネガティブになっていたという発言をした。

2014年のデビューから早くも8年の月日が過ぎ、RIZINで戦うようになってから6年半が経過した。積み重ねた試合数は26試合、そして感じるトップとの差。キャリア最長の試合間隔を経て、再び覚悟を持って戦う相手は日本の女子MMAを引っ張ってきたV.V Meiだ。最後に輝く舞台として、ONEからRIZINに戦場を移してきた先人との対戦、自らのキャリアの再構築に関して浅倉カンナは何を話したのか。そして世界最強女子MMAファイターの邂逅が彼女に何をもたらしたのか。


──会見で話していた「ネガティブになっていた」という部分、もう少し詳しく話してもらえますか(※取材は3月3日に行われた)。

「トーナメントのベルトは獲りましたけど、階級のベルトは獲れていなくて。RIZINに出させてもらってそこをずっと目指していたんですけど、あの1回戦で負けるということは相当に遠いし、もう無理。目指せないかなって負けた直後は思っていました。でも、少し休んでジムに練習に行くと、先輩や後輩が毎週のように試合があって。皆の姿を見ていると、格闘家としてもうちょい挑戦しようかなっていう想いになってきて。それから、大分時間は空いてしまったのですが、このオファーを貰って『もう1回やるかぁ』という感じですね」

──この先が見えていなくても、道場には足が向かうのですね。

「ハイ。毎日のように練習には行っていました。なんですかね……強くなろうとかっていう気持ちも負けた直後にはなくなっていました。でも、ジムで練習することは楽しいです。皆、頑張っているし」

──パラエストラ柏、今やカンナ選手より若い選手が増えていないですか。

「めちゃくちゃ増えました。後輩ばっかりで。自分が入った時とは、雰囲気が違いますね。『ここで生き残ると強くなっている』という空気がジムの中に凄くあって。結構、皆頑張って続いているんですよ。

自分の後の世代ってなかなかプロに行き着く人がいなかったのが、今の子たちは負けてもアマチュアの試合に出続けて、プロになっています。もちろん全員じゃないですけど、そこまで頑張る子が増えています。だからジムの雰囲気も凄く良いと思います」

──だからこそ、常に勝利だけでなく、敗北も周囲にあるということですね。

「(鶴屋)怜君は突っ走っていますけどね(笑)。頑張っていても、大切な試合で負ける選手もいます。それでも、辞めないで頑張っている。そこに関しては下の子たちよりも、上の先輩たちを見てそう思いました。やっぱり扇久保(博正)さん、岡田(遼)さん──」

──いやっ、岡田選手は違うはずです(笑)。ジムの選手の取材があると知れば練習に駆けつけて、第二の人生のために練習をしています。そこには扇久保選手のような純粋さはない(笑)。

「アハハハハハ。岡田さんのこと、めっちゃ否定しますよね(笑)」

──年を重ねると、笑顔の裏にある本当の顔が見えてくるんです(笑)。

「自分にとっては偉大な先輩なんで(笑)。ホントに(内藤)頌貴さんもそうだし、黒澤(亮平)君もそう。私はRIZINに昔から出させてもらって目立っては来ましたが、格闘家としては皆が大先輩なんです。そういう人たちをずっと見ていると、自分の経験なんて全然まだ足りていないっていう気になります。先輩と比べるわけじゃないけど、やっぱり想うことが多かったです」

──また強くなろうと思えるようになったのは?

「正直、オファーを貰っても『試合するのかな?』という感じで、『よし、やろう』とはならなかったです。『うわぁ、オファーが来たぁ。どうしようかな、Meiさんかぁ……強いなぁ』っていう感じで。同時に練習をしていても、『ちんたらやっていてもしょうがないな』という気持ちもあったので、3カ月あれば準備もデキると思って戦うことを決めました。

ただケージに上がる時よりも、この3カ月という期間が怖かったです。また、あれだけの練習をして、自信を持って戦うことができるのかなって。実は返事をするまで、3日ぐらい悩みました。

Meiさんは他の団体で戦ってきた人だから、『ここで負けたら、どうしよう』とも考えましたし。勝って嬉しいという気持ちよりも、負けたらどうしようっていう怖さが勝ってしまって。そういう風な情けない自分も嫌で……」

──そのような時は、誰かに相談に乗ってもらったりするのですか。

「いえ。自分は相談とかは余りしないです。戦うのは結局、自分なんで。よし、やるかって。また一から並び直すことになったけど、上を目指そうという覚悟ができて試合を受けました」

──カンナ選手の奥底にあったものは、続ける。戦うということだったと思います。あとはスイッチがいつ入るか。辞める人は、悩むことなくもう辞めています。そういうなかで人に相談するのは、自分の考えに納得するための理由が欲しいから。答はもう出ているんですよね。

「あぁ、確かに。絶対にやりたくないという感覚ではなくて、本当に負けるのが怖かった。試合まで自分を追い込んで、自信を持って立てるのかということだったので。だからやると決めれば、もうやるしかないんだからって気持ちはスパッと切り替わりました」

──そのなかで2月にヴァレンチーナ・シェフチェンコが3週間、パラエストラ柏に滞在したことは刺激になりましたか。

「そこはメチャクチャでかくて。巡り合わせじゃないですけど、このタイミングでヴァレンチーナが練習に来てくれて、あの練習をさせてもらった。気持ちが変わらないわけがないですよね。この時期に来てくれたことが、本当に有難くて感謝しています。同じ空間で一緒にいて、直接手を合わせていない時でも、目で追うことだけでも勉強になりました。

自分、英語が全く話せないので会話ができたわけじゃないんですけど、練習に対する姿勢、トレーニングメニューとかからでも勉強になることだらけでした。向き合って肌で感じられたことは、メチャクチャデカかったです。まるで敵わなかったけど、自信になりました」

──やられて自信というのは?

「彼女があそこまで強くなれたのは、練習をしてきたから。練習をすれば強くなれると本当に思えるようになりました。コーチも柏の選手の名前を覚えて、適切なアドバイスをくれるんです。スパーリングを一緒になってやっていても、その顔合わせによってやることが違うんですよね。ヴァレンチーナだけでなく、皆のためになる練習をしてくれました」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
4月29日(土)
午後2時30分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,スカパー!

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Bu et Sports de combat MMA MMAPLANET o UFC UFC285 アレクサ・グラッソ キック タイラ・サントス ボクシング ライカ ヴァレンチーナ・シェフチェンコ 剛毅會 岩﨑達也 武術空手

【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。グラッソ✖シェフチェンコ「居着く、2種」

【写真】ストライカーが、テイクダウンで攻めてはいけないのか……。MMAとは……。武術とは……。戦いとは…… (C)Zuffa/UFC

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑師範とともに見てみたい。

武術的観点に立って見たアレクサ・グラッソ✖ヴァレンチーナ・シェフチェンコとは。


──無敵のシェフチェンコが、まさかの一本負けでタイトルを失いました。

「居着いているとは何か。居着くという言葉自体は有名ですが、武術空手である剛毅會流では……車でいえばエンジンを切ってしまっている状態をいいます」

──相手の攻撃をまず考え、相手に合わせて自分の戦いができていない状態をではなく?

「その通りです。それで受けに回っている状態も居着くといいます。それとエンジンが切れた状態です。この試合でなくても質量が高いのに、居着いてしまって相手に中に入られるということはあります。この試合でも立って構えていると、質量が高いのはシェフチェンコです。でも中が止まってしまっている。グラッソは何から何まで、全部間違っているのに居着いていない。そういうことに関係なく、勢いがあって動いている。居着いて、中身が止まっているときに回転力のある攻撃をされると本当に危ないです」

──組みでも優勢ではあったのですが、打撃より組みが目立ったシェフチェンコでした。

「打撃は劣化します。同様にレスリングの強い選手が、MMAに転向するとレスリングだけの部分は劣化する。それはどうしようもないことです」

──去年の6月の防衛戦でタイラ・サントスの組みに苦戦し、打撃から組みに切り替えてスプリット判定勝ちという試合がありました。あそこで何か、シェフチェンコは変わったのか。

「そこなんです。そういう試合をしているのに、試合前に日本に来ていた。なぜ、なんだと思いませんでしたか」

──シェフチェンコはパラエストラ柏の練習で本当に強かったですよ。

「それは日本だからですよ。自分が最強の状態で練習していると、劣化してしまいます。ここがMMAの難しさですね。打撃でなく、組みで攻めると打撃は劣化しますぜって話です。ボクシングならボクシング、キックならキックでもこれしかできないというところが劣化する。そして、MMAはその劣化を防ぐ方法論が見当たらないです。

シェフチェンコの場合は素晴らしい打撃の使い手ですが、そうでない選手も組みがあるから打撃が上手にならない。なので打撃をやるMMAと、MMAをやるMMAはここからスパッと分かれていくような気がします。私は今、打撃の人間を指導していますが『MMAをやるな。打撃をやりなさい』としかいえなくて、そこをフィーチャーしたことをやっています。打撃が劣化して、組みにいってもどうなるのか──ということです」

──シェフチェンコに関しては組みで試合を優勢に進めていたと思います。

「でも結果的に負けているじゃないですか」

──それはあそこでスピニングバックキックを出して、バックを取られたからではないでしょうか。結果論ですが、組みだけでいけば後ろを見せることもなかったかと。

「だったら組みの練習をしっかりとやるべきです。そこにしても、居着いているので銅像と同じですよ。グラッソは手を出せば当たるのだから、そんな状態で組みに行ってもそれも居着いていると思いますよ」

──相手の攻撃有りきで組んでいたので。

「ハイ。居着いていないレスリングと、居着いてよっこいしょで動くレスリングは違いますし。だいたいガードワークが上手いグラッソにテイクダウンをすることが、戦術的にどうだかってことですよね。とはいっても、それはMMA的には間違っていない」

──その通りで3Rまでのスコアは29-28で取っている。なら間違いではないかと。

「打撃が上手く行かない。なら組みだというのは全然間違っていない。その一方で打撃がダメなことをどのように考えるのか。どの試合でも、MMAは離れた状態から始まります。胸を合わせてとか、相手が下なってという状況からは始まりません。

打撃がダメということは、先を取られていることが十分に考えられます。後手に回ったテイクダウン……でもMMAとしては間違っていない。いやぁ難しいですよ。もちろん、ストライカーも組みの練習は必要で、死ぬほどやらないといけないでしょう。でも、それを試合でわざわざ使う必要はない。

戦いとMMAは違うなぁと、改めて思います。右足前、左手で殴るのが一番の武器の選手が、それだけとシングルレッグに入られる。だから、左足前で戦った。テイクダウンされないよう戦うのも選択肢の一つです。ただし結局はテイクダウンされた。それは先が取れていないから。自分の得意な攻撃を優先すると、先を取れてテイクダウンされなかったかもしれない。勿論そうならない時もある。MMAでは前者を選択することも間違っていない」

──それでいて、MMAもルールがある戦いです。

「そう。だから難しい。いずれにしてもシェフチェンコは相手の選手がやられて嫌なことを考えないと。グラッソはパンチ、蹴りが嫌だった。それなのにシェフチェンコは構えたまま止まっていました。回転が掛かっていない。打撃で良い練習ができていなかったのでしょう。行かないと殺されると思えば、自分から行くはずです。

でも、自分より格下の選手との練習は受けて返すということができてしまう。この出来てしまっているという感覚が稽古に体に染みつくことは厄介です。やられて、どうすれば良いのか考える稽古の方が、良い稽古で」

──う~ん、稽古と練習の違いでしょうか。やられてばかりで、攻めるイメージができていないと試合には向かないとも考えられます。

「もちろん、そこも必要です。ただし、練習であっても最悪な状況を想定しないと。居着いた状態で受けて何かしようとすると、後手に回るので。受けて何をするのか、スポーツ……格闘競技は受け返しが成立するようになります。本来は相手を動かファイトのチェフチェンコが、組んで倒したとしてもグラッソに動かされていた試合になってしまいます。それが居着いているということです。

動かしているのと、動かされているのでは、同じ技を出しても違います。正直、立った状態では大した取り柄のない相手選手にシェフチェンコは動かされていた。普通に殴って、蹴ればグラッソは嫌だったはずなのに。ただし、グラッソには回転力とスピードがあった。そこと攻防する打撃の練習ができていなかったのではないかと思います。

と同時にね、どれだけ強い選手──シェフチェンコのような選手も、どこまで自分を律し続けることができるのか。チャレンジャーだった時と、今は違ってきて然りです。彼女が今より良くなりたいと思っているのか。そういう意味では、1階級上のバンタム級王座に挑みたいという気持ちがあるなら、その時はまた違ったシェフチェンコが見られるのではないかと思います。

私は正直、女子のMMAは余り見ていなかったのですが、シェフチェンコの試合はチェックしてきたんです。それだけ素晴らしい選手なのに、今回は銅像のように見えてしまいました」

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MMA MMAPLANET o UFC UFC285 アレクサ・グラッソ キック ヴァレンチーナ・シェフチェンコ

【UFC285】シェフチェンコ、スピニングバックキックに背中を取られ……グラッソがRNCで新王者に

<UFC世界女子フライ級選手権試合/5分5R>
アレクサ・グラッソ(メキシコ)
Def.4R4分34秒by RNC
ヴァレンチーナ・シェフチェンコ(キルギス)

右ローをまず蹴ったシェフチェンコが、前蹴りを見せる。グラッソは左ロー、右を伸ばす。そこに右を合わせて行ったシェフチェンコが、左ストレートからスピニングバックフィスト、直後に左ミドルを決める。後ろ回し蹴りを見せたシェフチェンコは、右ローを蹴り合うとグラッソの左をかわして、右ジャブを当てる。

グラッソもステップインから左をヒットさせたが、直後にシェフチェンコが左を打ち返す。右ジャブを当てたシェフチェンコが、グラッソの右フックにもジャブを入れる。グラッソは左からフォローの右を当てシェフチェンコが一瞬、動きを止める。さらにワンツーで前に出るグラッソは、シェフチェンコのワンツー、ハイキックに距離を取る。ワンツーに組んだシェフチェンコが左エルボーを狙う。

左オーバーハンド、前蹴りのシェフチェンコがスピニングバックフィストからミドルというコンビをもう一度見せる。直後にグラッソがダブルレッグでテイクダウンを奪い、スクランブルでパンチを重ねた。シェフチェンコは払い腰、グラッソが耐えて同体で腹ばいになった両者──時間となった。

2R、ジャブから左ストレートを伸ばしたグラッソ。続くジャブに、シェフチェンコがダブルレッグを合わせテイクダウン、背中をマットにつけさせる。クローズド&閂のグラッソは続いて頭を抱えに行くが、スクランブルには持ち込めない。シェフチェンコは足を一本抜き、即パスへ。ブリッジを潰してクルスフィックスのシェフチェンコが殴りに掛かる。グラッソは腕を抜き、ケージを蹴って正対するとレッスルアップからスタンドに戻る。

残り2分、シェフチェンコはワンツーをかわし、構えを変えるグラッソのローに右を合わせる。前に出るグラッソは後ろ回し蹴りから右を伸ばすが、距離が遠い。シェフチェンコはケージに詰まりそうにながらも、ダブルレッグでテイクダウンを決めてトップで時間を迎えた。

3R、距離を詰めていくグラッソに対し、シェフチェンコはハイをかわして右ジャブを入れる。グラッソも右を返しスイッチを返しつつ前へ。シェフチェンコは変わらずジャブからロー、ワンツーからスリーとパンチを纏める。テイクダウン狙いは反応したグラッソがロングの左を当てるも、直後に右ハイを受けそうになる。さらにチャンピオンは左ストレートを入れ、パーフェクトなタイミングでダブルレッグテイクダウンを決めた。

背中をつける時間が増えてきたグラッソは、下から細かいパンチを入れるがホールド気味のガードワークだ。頭をつけた状態から、時折り上体を上げて殴るシェフチェンコはブレイクを命じられた直後に殴ってしまう。

謝罪したシェフチェンコが、スタンドに戻るとすぐにダブルレッグを決める。ここでグラウンド状態にもかかわらず顔面を蹴りに行ったグラッソをレフェリーは流す。グラッソがギロチンも、すぐに時間となった。

4R、鋭い左を見せて前に出るグラッソ、シェフチェンコはここもダブルレッグへ。切ったグラッソは、スーパーマンジャンプに反応するが、なかなか手が出ない。シェフチェンコもグラッソの動きを見てのファイトとなり、静かな展開に。シェフチェンコは右ジャブを続け、グラッソがテイクダウン狙いからケージに押し込んでいく。ボディロックに取ったグラッソが倒せず、右で殴っていく。

残り80秒で離れた両者、シェフチェンコがジャブを当てスピニングバックキックへ。グラッソはここでバックに回り両足をフックして、一気にグラウンドに持ち込む。RNCに入ったグラッソ。仰向けにされたシェフチェンコは、アゴの上からの絞めヒジを押し上げて耐えようとしたが──観念、タップした。

まさかの一本負け、8度目の防衛に失敗したシェフチェンコは呆然とし、メキシコ人女子初のUFCチャンピオンになったグラッソは「長い間、この時が来るのを待ちわびていたの。この形の練習をしてきた毎日、毎日。こんなにハードに練習したことは、これまでなかった」と新世界女子フライ級王者は語った。

一方、「どれだけ試合を支配しても、一つのバカげたミスで全てがひっくり返る。これがMMA。アレクサ、おめでとう。私の方が強くても、スピニングキックで全てが変わった。皆がハードに練習してきて、やるべきことを試合でもやっているわ。こういうこともある。タイトルをすぐに取り戻したい」としっかりと話した。


<175ポンド契約/5分

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ABEMA Cage Warriors MMA MMAPLANET o ONE PFL UFC UFC285   アマンダ・ヒーバス アレクサ・グラッソ イアン・ギャリー キャメロン・サーイマン シャクハト・ラクモノフ シリル・ガンヌ ジェイミー・ピケット ジェイリン・ターナー ジェシカ・ペネ ジュリアン・マルケス ジョン・ジョーンズ タバタ・ヒッチ ダン・フッカー デレック・ブルンゾン トレヴィン・ジョーンズ ドリキュス・デュプレッシー ファリド・バシャラット ブラック ベニール・ダリューシュ ボー・ニコル マテウス・ガムロ マナ・マルチネス マフクアンドレ・バリユー ヴァレンチーナ・シェフチェンコ ヴィヴィアニ・アロージョ 中村倫也 風間敏臣

【UFC285】計量終了 お腹ポッコリ、ジョン・ジョーンズが3年振りの実戦でヘビー級王座挑戦

【写真】この腹は驚き。これでも強い──と期待してしまうのが、JJの凄まじさだ (C)Zuffa/UFC

4日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催されるUFC 285「Jones vs Gane」の計量が3日(金・同)に行われている。

メインはフランシスコ・ガヌーの王座返上とUFC離脱を受けて行われるUFC世界ヘビー級王座決定戦、ジョン・ジョーンズが3年振りのファイトでヘビー級王座に初挑戦。元暫定王者のシリル・ガンヌと戦う。

JJはライトヘビー級時代には2メートル15センチというリーチの長さを打撃とレスリングで最大限に生かし続けてきた。今回の248ポンドと計量結果は明らかに過去最大だが、206センチのリーチを誇るシリル・ガンヌを相手にライトヘビー級時代の圧を掛けることができるのかが最大の見どころだ。

セレモニアル計量で大ブーイングを浴びたガンヌと、対照的に大声援を受けたJJは輪郭から体のフォルムとライトヘビー級時代とはまるで違う容姿でスケールへ。

フェイスオフでは下腹ポッコリ、0.5ポンド軽いガンヌの方がグッドシェイプに見えた。そのガンヌは「この試合はビッグボーナス。この機会を手にできてハッピーだ。明日、勝てばベルトが手に入る。そしてこの惑星で一番のバッドアスに勝てるという2つ目のボーナスもある。ここにいられて、とても幸せだ」と話した。

対してJJは、「ただただ素晴らしい想いだ。皆のこと、もの凄く愛している。ここに来てくれてありがとう。皆の前で戦えることを光栄に思う。この贈り物を手にすることができて、本当に恵まれているよ。今も変わらずいえる。明日も楽しもうってね」と笑顔を見せ続けた。


コメインはUFC世界女子フライ級王者ヴァレンチーナ・シェフチェンコが、8度目の防衛戦でアレクサ・グラッソを迎え撃つ。今回のキャンプをパラエストラ柏で行うという前代美音の行動に出たシェフチェンコは、千葉滞在中に練習に対する向き合い方と人間性で、練習仲間の全てを魅了し絶賛された。

「みんな、ありがとう。皆の前で素晴らしい試合をすることが待ち切れない。この試合はウォーになる」と話したグラッソに続き、「明日は強敵と戦う。でも、どれだけ彼女が強くても私の方がより強い。2倍強いから。明日はそういうアクションを皆に披露する夜になるわ」とシェフチェンコは断言した。

2階級の世界戦が組まれた今大会。メインカードであ注目のウェルター級でジェフ・ニールが 175ポンドと計量オーバー、16連勝中のシャクハト・ラクモノフとの一戦の前にミソをつけてしまったのは残念だ。

ダン・フッカーの代役ながら、昨年10月にベニール・ダリューシュ戦の敗北から再起を賭けるマテウス・ガムロがジェイリン・ターナーと戦う。

さらに噂のボー・ニコルのオクタゴン・デビュー戦=ジェイミー・ピケット戦が組まれたメインカードは当然として、プレリミから世界最高峰らしい凄まじいカードが並んでいる。

オープニングマッチでニコルと同様にUFC初陣を迎えるロイック・ラジャポフはPFL2021シーズンのライト級準優勝者だ。

第2試合もUFCデビュー戦となる選手=ファリド・バシャラットが登場。

デモン・ブラックシアー戦で、兄ジャビッドの1年遅れで世界最高峰に到達した。兄はキャリア14連勝、弟はここで勝てば10連勝と、兄弟無敗記録を24に伸ばせるか。

女子ではSEI☆ZA出身タバタ・ヒッチ、元ストロー級クィーン・オブ・パンクラシストのヴィヴィことヴィヴィアニ・アロージョという日本からの支持率が高い両者が出場する。

タバタは昨年10月に戦う予定だったジェシカ・ペネ戦が再度組まれた。

前回はペネの体調不良で流れた一戦、元タイトルこんだーを相手にタバタはオクタゴン3勝目を狙う。

ヴィヴィは世界王座に挑むグラッソに敗れてからの再起戦、対戦相手のアマンダ・ヒーバスと同様にタイトル戦線に留まるためのサバイバルマッチに臨む。

さらにウェルター級ではアイルランドからキャリア10連勝中、Cage Warriors時代のようにエンターテイメント性が高い試合でなく、しっかりと勝つ試合を続けているイアン・ギャリーが、中国のソン・ケナンとの一戦も組まれた。

既にオクタゴンで3連勝のギャリー、上と戦う権利を得るためのパフォーマンス&フィニッシュを期待されているといっても過言でない。

復活を賭して、背水の陣のコディ・ガーブラントとトレヴィン・ジョーンズとの対戦。

さらに1ポンド・オーバーだったマナ・マルチネスとキャメロン・サーイマンの一戦など、中村倫也&風間敏臣の対戦相手になるやもしれないバンタム級ファイターの顔合わせも日本のファンにとっては見逃せない。

他プロモーションならタイトル戦もしくはメインカード、UFNならヘッドライナーというカードが連続しているてんこ盛りのPPVイベント、UFCの底力が見える大会だ。

■視聴方法(予定)
3月5日(日・日本時間)
午前7時30分~UFC FIGHT PASS
正午~PPV
正午~WOWOWプライム

■UFC285計量結果

<UFC世界ヘビー級王座決定戦/5分5R>
ジョン・ジョーンズ: 248ポンド(112.49キロ)
シリル・ガンヌ: 247.5ポンド(112.26キロ)

<UFC世界女子フライ級選手権試合/5分5R>
[王者] ヴァレンチーナ・シェフチェンコ(キルギス)
[挑戦者]アレクサ・グラッソ(メキシコ)

<ウェルター級/5分3R>
ジェフ・ニール: 175ポンド(79.37キロ)
シャクハト・ラクモノフ: 171ポンド(77.56キロ)

<ライト級/5分3R>
マテウス・ガムロ: 156ポンド(70.76キロ)
ジェイリン・ターナー: 155.5ポンド(70.53キロ)

<ミドル級/5分3R>
ジェイミー・ピケット: 186ポンド(84.37キロ)
ボー・ニコル: 185.5ポンド(84.14キロ)

<バンタム級/5分3R>
コディ・ガーブラント: 136ポンド(61.69キロ)
トレヴィン・ジョーンズ: 135ポンド(61.24キロ)

<ミドル級/5分3R>
デレック・ブルンゾン: 185.5ポンド(84.14キロ)
ドリキュス・デュプレッシー: 185ポンド(83.91キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ヴィヴィアニ・アロージョ: 126ポンド(57.15キロ)
アマンダ・ヒーバス: 126ポンド(57.15キロ)

<ミドル級/5分3R>
ジュリアン・マルケス: 186ポンド(84.37キロ)
マフクアンドレ・バリユー: 185ポンド(83.91キロ)

<ウェルター級/5分3R>
イアン・ギャリー: 171ポンド(77.56キロ)
ソン・ケナン: 171ポンド(77.56キロ)

<バンタム級/5分3R>
マナ・マルチネス: 137ポンド(62.14キロ)
キャメロン・サーイマン: 135ポンド(61.24キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェシカ・ペネ: 116ポンド(52.62キロ)
タバサ・ヒッチ: 115.5ポンド(52.38キロ)

<バンタム級/5分3R>
ファリド・バシャラット: 136ポンド(61.69キロ)
デモン・ブラックシアー: 136ポンド(61.69キロ)

<ライト級/5分3R>
ロイック・ラジャポフ: 155.5ポンド(70.53キロ)
エステバン・リビヴィクス: 156ポンド(70.76キロ)

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