カテゴリー
MMA MMAPLANET o ONE ONE FN08 ハム・ソヒ 平田樹

【ONE FN08】ハム・ソヒが危なげなく3-0の勝利。平田はどれだけMMAが好きなのか―が、突きつけられる

【写真】何よりも、ケージのなかでは人間が出る(C)ONE

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
Def.3-0
平田樹(日本)

タッチグローブをして離れた両者。手を合わせてファイトに。サウスポーのハム・ソヒに対し、平田も一瞬右手を前にする。圧をかけるハム・ソヒ、右に回る平田はダブルを一瞬見せる。指を並行にしないよう注意を受けたハム・ソヒは、左ミドルから左を伸ばす。平田の右をかわし、左を当てるハム・ソヒは組ませない。さらにハム・ソヒは左ストレートを続け、平田のダブルレッグをかわしてサイドバックへ。

平田は立ち上がってクリンチに持ち込みたいが、ハム・ソヒが離れる。なかなか組めない平田は、打撃のヒットもない。ダブルを切られ、右を放った平田。ハム・ソヒはこれも反応する。平田は右を見せ、シングルへ。アンクルピックも胸で制したハム・ソヒがヒザを放つ。

右オーバーハンドにつながる動きをしたい平田だが、右回りで見せるのはダブルレッグだ。これも切ってヒザを突き上げたハム・ソヒに対し、平田は笑顔を見せた……。

2R、ハム・ソヒは右ジャブから左を狙う。反応した平田の攻撃はいきなりのダブルで、ハム・ソヒは見て左を当てる、打つ手がないから見せるテイクダウン狙いに、ヒザを放ったハム・ソヒは冷静にボディを入れる。離れて笑顔を見せる平田だが、その実――余裕も、引き出しもない。力のないダブルレッグから、引き込んだ平田がバタフライガードを取る。

ここで顔を剝がしにかかるハム・ソヒを横回転のスイープで返すことに成功する。続くスクランブルでケージに押し込む。平田は尻餅をつかせ、背中をつかせるかスクランブルでバックを制したい。残り時間は2分、足を束ねる平田に対し、足を抜いたハム・ソヒは背中を見せずに立ち上がった。

平田は自ら距離を取り、打撃の間合いに。ハム・ソヒが左を当て、ダブルレッグを切ってヒザをボディに入れる。続いて左を打ったハム・ソヒ。平田はがむしゃらでも構わないので組みたいが、下がって左ミドルを蹴られる。右を打った後に隙が出来て、左を打たれる平田――勝敗以上にケージの中で気持ちの強さを見せてほしいところだ。

最終回、ハム・ソヒが左ミドルを入れ、ジャブをついて左を狙う。下がる平田はイエローカードを受け、目を気にする仕草は見せる。ミドル&左のハム・ソヒは、危なげない安定したファイトを続ける。殴って、組みを切るハム・ソヒが、シングルを潰してケージ二押し込む。レッスルアップ、意地のリバーサルを決めた平田はダブルへ移行する。

頭を押して立ち上がろうとするハム・ソヒをコントロールする平田だが、時間は限られている。平田はアンクルを取るが頭を押された上を取り切れない。首を切ったハム・ソヒがバックを伺いつつ立ち上がる。再び尻餅をつかされても鉄槌から、腕を取るハム・ソヒが結局のところ押し込まれても殴るという展開に。それでも平田は、立ち上がり際にヒザを受けながら、後方へのテイクダウンを決めトップを取る。すぐに立ち上がったハム・ソヒ、危なげなく15分間を戦い余裕の表情を浮かべた。

結果は3-0でハム・ソヒに凱歌が挙がり、平田とハグ。最終回の攻めが初回のフレッシュな状態、リードしているという余裕を持たれる前に必要だった平田は、ここからリセットできるのか。MMAを修めること、どれだけMMAが好きなのかが突きつけられる。


The post 【ONE FN08】ハム・ソヒが危なげなく3-0の勝利。平田はどれだけMMAが好きなのか―が、突きつけられる first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
MMA MMAPLANET o ONE ONE FN08 アクバル・アブデュラエフ オ・ホテク

【ONE FN08】右アッパー一閃。アクバル・アブデュラエフ、衝撃のONE初陣&オ・ホテクをKO

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アクバル・アブデュラエフ(キルギス)
Def.1R0分44秒by TKO
オ・ホテク(韓国)

間合いを測る両者、オがワンツーから前蹴りを見せる。アブデュラエフは右ボディストレートを2つ入れ、オ・ホテクの踏み込みにはステップバック。直後に組みの姿勢に入ったところで、アブデュラエフが右アッパーを突き上げる。この一発で、ヒザをついたオ・ホテクのバックを取ったアブデュラエフが追撃を入れて衝撃のTKO勝ちを手にした。

「すぐにベルトを獲る。インシャラー。全ての武器を用意していたけど、右アッパーで決めたんだ。次? 今は何も考えられない」と勝者は話した。


The post 【ONE FN08】右アッパー一閃。アクバル・アブデュラエフ、衝撃のONE初陣&オ・ホテクをKO first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
MMA MMAPLANET o ONE ONE FN08 アレックス・シウバ 山北渓人

【ONE FN08】抜群のレスリング力。ポジション&打で山北渓人、シウバを下しONE初陣で熱勝!!

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
Def.3-0
アレックス・シウバ(ブラジル)

ジャブを伸ばし、左に回る山北。シウバも右ローを蹴り、ジャブを出す。右オーバーハンドを見せ、ダブルレッグで一気にテイクダウンを決めた山北はハーフから潜るシウバにパンチを落とす。スイープ狙いからハイガード、オモプラッタのシウバのスクランブルでバックを狙った山北だが、リバーサルを許して下になる。

ハーフガード、後方回転でスイープを決めた山北がガードの中に入る。シウバはクローズドから腰を切るが、ここからの狙いは分かりやすく山北は左の鉄槌からヒザを頭部に突き刺す。ハーフからスクランブル、レッスルアップのシウバがシングルレッグでリバーサル、さらにパスを決める。下から頭に足を絡めるが、ここは効果がなくシウバがサイドで抑えてヒザを入れ、ノースサウスチョークの機会を伺う。ヒザを入れ、サイドに戻ったシウバがマウント奪取。最後の山北のブリッジにシウバが腕を狙い、時間となった。

2R、右を当て、ヒザを当てた山北の右をクリーンヒット。動きが落ちたシウバに再び右を当て、組みから引き込み&スイープ狙いもシングルをコブラで切る。ヒザを頭部に入れ、背中をつけたシウバの腕十字狙いも察知した山北は、Kガードからシングルに来たシウバをがぶってヒザを入れる。シングルにバックに回ろうとした山北が、足をからめ十字狙いい。スクランブルでギロチンの山北に対し、シウバがアンクルピックでリバーサルを成功させる。

ハーフから肩固め狙いのシウバは、シングルでひっくり返した山北が右のパンチ、Zハーフにも殴っていく。続くスクランブルもシングルで制した山北が、バックへ。シウバの前転を制して、トップを取り切った山北はニーシールドにもパンチを打って攻勢を維持した。

最終回、右ハイでバランスを崩した山北だが、距離を詰めてきたシウバをテイクダウン。スクランブルでバックに回る。シウバは動きが落ちるが、山北の腹固め、クルスフィックスを利して、胸を合わせるとトップを奪取する。

ワキ差しパスガードの圧力をシウバが高め、足を抜いて一気にシートベルトから両足をフックする。手首を掴み、懸命に防御する山北はヒザをついて正座状態。ここから立ち上がって、前方に振り落とす。その刹那の腕十字に反応し、ディープハーフにも殴ってトップを取り切る。がぶられたシウバは、スタンドに戻る。

残り80秒、山北は左フックをヒット。シウバは左ミドルも、山北は右を振ってダブルレッグへ。ケージにシウバを押し込み、キムラを振り切った山北がバックに回る。ワンフック、胸を合わせにきたシウバにシングルレッグの山北は、スプロール&がぶりを許さずに押し込み、トップを取ってタイムアップを迎えた。

ポジション、スクランブルにダメージという要素を加えると、間違いなく山北のゲーム。ジャッジは3-0 で山北を支持、シウバも納得の表情を浮かべた。


The post 【ONE FN08】抜群のレスリング力。ポジション&打で山北渓人、シウバを下しONE初陣で熱勝!! first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
MMA MMAPLANET o ONE ONE FN08 タミー・ムスメシ ビアンカ・バシリオ

【ONE FN08】タミーがバシリオに判定勝ち――もレフェリーの過剰介入で、サブオンリーの醍醐味消滅

<サブミッショングラップリング女子ストロー級(※56.7キロ)/10分1R>
タミー・ムスメシ(米国)
Def.3-0
ビアンカ・バシリオ(ブラジル)

足に触りに行くバシリオ、タミーのシッティングは相手を触っておらずレフェリーが立たせる。一瞬、怪訝な表情を見せたタミーは、続いてバシリオの手首を両手で掴んでガードを取り、リバースデラから足関節を狙う。左足首を掴まれてバシリオが足を抜いて両者が座ると、ここもレフェリーが試合をスタンドに戻した。

タミーのシッティングに注意が入るなか、バシリオがケージにタミーを押し込む。ジャンピングガードのタミーをマットに置いたバシリオが離れる。足首をコントロールし、距離を詰めたバシリオが足関節狙い&パスのコンビで攻撃態勢に。

タミーの足狙い距離を取ったバシリオ。すぐにスタンドに戻るよう指示が与えられ、さらには引き込んでハーフガードを取ったタミーに対し、「引き込むな」と強烈な勢いで叫んだレフェリーが立たせる。ジャンピンガードから引き込みに距離を取るバシリオが側転ガードへ。タミーが足狙いから、ダブルガードに。ここでタミーが立ち上がる。その刹那、バシリオがアームドラッグでトップを取り返した。

そんな攻防があっても、せわしなくスタンドに戻すレフェリー。このレフェリーの介入は、サブオンリーとしての妙はなくなる。タミーはそれでもリバースデラヒーバから内回り、バシリオはバックも足も取らせないよう切って、離れる。この離れた行為にバシリオに注意が入る。ヒザをついたバシリオが、後方に倒れ込みながらヒールへ。タミーの反撃に足を抜いたバシリオ、タミーは――険しい顔で試合を終えた。

と、ウィナーコールを受けたタミーは驚きの表情を見せた。タミーは立たされたが、下からの仕掛けを評価された形か。ならばイチイチ、試合を止めるべきではないだろう。


The post 【ONE FN08】タミーがバシリオに判定勝ち――もレフェリーの過剰介入で、サブオンリーの醍醐味消滅 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA Brave CF IMMAF MMA MMAPLANET o ONE ONE FN08   アレックス・シウバ キック タミー・ムスメシ ダニエル・ウィリアムス チャンネル ハム・ソヒ ビアンカ・バシリオ ボクシング マイキー・ムスメシ ミレーナ・カオリ 山北渓人 平田樹

【ONE FN08】MMA初陣も間近?! タミー・ムスメシ戦、ビアンカ・バシリオ「上と下、どちらからでも」

【写真】英語はまだ苦手だが、明るくノリノリでインタビューに応じてくれたバシリオ(C)MMAPLANET

25日(土・現地時間)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Fight Night08でビアンカ・バシリオが、タミー・ムスメシとサブミッショングラップリング・マッチで対戦する。

2019年ADCC60キロ級優勝のバシリオは1年前の今頃、IMMAFの国別対抗戦=SUPER CUPのバーレーン代表として、アマMMAを戦っている。その時はタジキスタンのショホナ・ゴゾエワを63秒腕十字で下し、そのままバーレーンのKHK MMAに所属しBRAVE CFでMMAデビューを果たすと見られていた。が、バシリオはONEと契約、グラップリングマッチで2度目のサークルケージ登場となる。

そんなバシリオに今回と組み技戦とMMAにデビューについて尋ねた。


――1年前の今頃、アマMMAで秒殺勝利を挙げ、KHK MMAに所属しBRAVE CFでMMAデビューを飾るのかと思いきや、ADCC後にONEと契約。11月にサークルケージ初戦となったグラップリング戦でミレーナ・カオリをRNCで下しました。

「他のプロモーションからデビューの誘いがあったのは確かよ。柔術では生きていけるだけの対価なら手にすることはできるけど、他のスポーツのようなファイトマネーは手にできない。私の柔術はベスト、それでもプロとして試合をして生活ができない。だから打撃とトップゲームを駆使してMMAを戦おうと決めたの。

そして神に祈り、話し合ってONEで戦うことに決めたの。ONEで戦うことが私の道だと思った。ベストの選択をしたと思っている。ONEは選手の待遇も良いし、チャトリも最高の良い人だったから。それにONEだと、グラップリングとMMAの両方で戦っていけるから。最初はもうMMAだけを戦おうと思っていたけど、ONEのオファーによってMMAだけでなくグラップリングで戦うことも可能になったの。すぐにでもMMAを戦いたいけど、ONEでのグラップリングも2試合目、ここでしっかりと勝って次はMMAを戦うつもりよ。グラップリングとMMAを同時に戦うことこそ、私の生き方だから」

――打撃はアマMMAでは、ほぼ使っていなかったです。

「でも私は子供の頃からムエタイとボクシングの練習もしていたの。カポエイラもね。それから柔術に出会った。今では世界で最高の柔術家になれたし、打撃を使ったMMAも挑戦したくなったの」

――ではいつ、MMAで戦おうと思っていますか。

「すぐにでも。来月でも構わないわ(笑)。ずっと準備してきたし、すぐにでも戦いたい。2年前からプロフェッサー・ウジ・リマの下で、MMAで戦う準備をしてきたの。私はもう柔術に関しては、何も証明する必要はない。だから新しいキャリアをスタートさせたくて。

プロフェッサーはヒーローというニックネームがあって、MMAを40戦以上も戦ってきた人。IMMAFの試合前も彼とトレーニングをしていたけど、正直、あの時はそれほどMMAを戦える自信はなかった。でもチャレンジしたかった。それが人生でしょ?」

――MMA熱が相当に高まってきていますが、その前にタミー・ムスメシとグラップリング戦があります。

「彼女は本当に本当に、優れた選手よ。彼女が黒帯で優勝しているとき、私は紫帯や茶帯を巻いていた。彼女とは対戦相手も共通している場合が多くて、凄く興味深い試合になると思う。でも私は自分を信じているし、私のゲームを信じている。そうなれるよう、たくさん練習をしてきたから」

――MMAが頭にあると、トップゲームを心がけるようになるということは?

「まず彼女がまず引き込んでくるはず。マイキー・ムスメシのようにね。私は彼女の動きをしっかり頭に入れて戦う。パスガードをして、フィニッシュしたい。トップかガードかは重要じゃない。上と下、どちらからでも攻めて、フィニッシュを狙うから」

■放送予定
3月25日(土・日本時間)
午前8時00分~ABEMA格闘チャンネル

■対戦カード

<ONEキックボクシング世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
[挑戦者]ダニエル・ウィリアムス(豪州)

<ONE女子ムエタイ・アトム級選手権試合/3分5R>
[王者] アリシア・エレン・ホドリゲス(ブラジル)
[挑戦者] ジャネット・トッド(米国)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
平田樹(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
オ・ホテク(韓国)
アクバル・アブデュラエフ(キルギス)

<キックボクシング・ストロー級/3分3R>
ジャン・ペイメン(中国)
トレプチ・ドガク(ロシア)

<ムエタイ128ポンド契約/3分3R>
アスランバック・ジグレーブ(ロシア)
ルイ・ボテーリョ(ポルトガル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
アレックス・シウバ(ブラジル)
山北渓人(日本)

<ムエタイ・フェザー級/3分5R>
ニコラス・ラーセン(デンマーク)
エディ・アバソロ(米国)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
エカテリーナ・ヴァンダリーバ(ベラルーシ)
イマン・バーロウ(英国)

<サブミッショングラップリング女子ストロー級(※56.7キロ)/10分1R>
ビアンカ・バシリオ(ブラジル)
タミー・ムスメシ(米国)

The post 【ONE FN08】MMA初陣も間近?! タミー・ムスメシ戦、ビアンカ・バシリオ「上と下、どちらからでも」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE FN08 UFC   アレックス・シウバ キック タミー・ムスメシ ビアンカ・バシリオ ブログ

【ONE FN08】ノーギワールズ王者×ADCC王者。タミー・ムスメシ「タップせずに達成感? 理解不能」

【写真】マイキーよりクールで、厳しい一言も聞かれたタミー(C)MMAPLANET

25日(土・現地時間)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Fight Night08でマイキー・ムスメシの姉=タミー・ムスメシが、ビアンカ・バシリオとサブミッショングラップリング戦を戦う。

ノーギワールズ、4度優勝のタミーと2019年ADCC世界王者のビアンカのマッチアップ――2つの世界王者が、ONEで組みあう。初のケージでの試合を前にして、前回のマイキーとガンドゥルム・バヤンドォーレン戦を例に、グラップリングにおける見込み一本について話を訊いた。


──タミー、ビアと今週末に戦います(※取材は3月22日に行われた)。今の気持ちを教えてください。

「凄くワクワクしているわ。勝敗は別にして、自分のできる全てを出して戦うわ」

――マットでなく、ケージでグラップリングを戦う。この環境の違いをどのように捉えていますか。

「マットとケージは全く別物ね。でも、マイキーはしっかりとケージで戦えているし、ONEのグラップラーたちもそう。私もしっかりと戦えると思っている。ウォールレスリングを理解することで、よりダイナミックなグラップリングになるでしょうね」

――ビアと戦ううえで、自分のどこにアドバンテージがあると考えていますか。

「う~ん、どうなんだろう……。彼女はとても速いわ。ただ、計量後に彼女がどれだけ私と同じようにエネルギーを残せているのか。そこの部分は私にアドバンテージがあるんじゃないかしら」

――WNOでは115ポンドで戦っていましたが、今回は125ポンド。どちらが適正階級なのでしょうか。

「どっちの階級でも、しっかりと戦えるはず。125ポンドは、少し大きな状態で戦えるから、少し筋量を増やせることができて嬉しい。そうね、きっと125ポンドの方が良いと思う。私の体格は115ポンドでも、125ポンドで戦いたい」

――今回、ムエタイやMMAファンの前で戦うことについて、どのように考えていますか。ノーギや柔術のトーナメントのように柔術を理解しているファンではないです。

「UFCを観に行ったことがあるんだけど、グラウンドになるたびに会場の全観客が『立って戦え』って叫んでいるのが、おかしかった(笑)。スポーツバーでも同じ、『立てっ!!』って叫んでいるわ(笑)。あの野次はグラップラーにはプレッシャーになるわよね。ムエタイやキックのようにKOを見て楽しむものと、グラップリングのよう練習して楽しむという2つの楽しみ方がマーシャルアーツにはあるから。

ホント、見ている人が盛り上がるかどうかはもう顔合わせ次第。道着なんて、レベルが高くなれば高くなるほど、そういうファンが楽しめる試合にはならないし。でも、マッチアップ次第ということを考えるとビアンカと私の試合は、凄くエキサイティングになることは間違いない。私はストーリングするタイプじゃなくて、常にアタックするし。ビアンカも積極的な選手だから、楽しみな試合よ」

――ところで前回、マイキーがガンドゥルム・バヤンドォーレンと対戦した際、ヒールフックが完全に極まっているのに相手はタップをしませんでした。以前、タミーもミッシェル・ニコリニの腕関節にタップせずに負傷したことがありました。

「私の時と、あの試合は全然違うわ。私の場合はサブミッションを極められそうになっていることが分かっていなくて、気が付いた時にはどこか壊れた……ケガをしていたの。でも、あのモンゴル人選手は何度もタップする機会があったはず(笑)。私のケースは痛みはなくて、急に痛みを感じた。でも、あの選手はずっと痛かったはず。映像を見ていて、ゾッとしたわ(笑)。ホント、なんでタップしないのか意味不明だったし。

私って、マイキーの試合の時はいつも凄くナーバスになるのに、あの試合は相手選手のことを心配しちゃったぐらいよ(笑)」

――タップをしない精神力は凄まじいですが、あれはタップをしないと……選手寿命に影響しますね。

「精神力? あんな馬鹿げたことはないよ。レスリングのピンフォールと同じように、グラップリングはタップをして負けないと。優れた選手は練習でも試合でもタップをするもの。そうでないと、このスポーツは成立しないから。タップしないことでやり切ったと達成感を得て、それでハッピーなの? それなら、それで良いけど。私には理解できない」

――関節技に関して、レフェリーの見込み一本はあるべきでしょうか。

「レフェリーに判断を任せるのでなくて、自分で判断しないといけないと思う。ただ腕が伸びきってもタップをしないし、平気に見える人もいて……腕や足の柔軟性って、個人差があるから。KOや失神のように見た目で分かるモノじゃない。それにしてもあのモンゴル人は、つま先がありえない方角を向いていた……から、ああいう状況になるとレフェリーが試合を止めるのも有りだと思う。でも、止めなかったフェリーのミスじゃない。きっと、ルールにないことだろうし。

あの試合があったから、またああいう状況になったらレフェリーはもうストップしないとね。この問題は明白な判断基準がなくて、TKOやKOとは違ってグレーエリアだから」

――タミー、試合前に試合とは関係ない話にしっかりと答えていただきありがとうございました。では最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

「日本のファンに?」

――ハイ。マイキーはいつもここで『イッコー』、レッツゴーと日本語で言います(笑)。

「日本語ね……オハヨー。トモ、マコト、柔術コミュニティの友人がこう言っているの(笑)。私の試合を日本の皆が視てくれて嬉しいわ。土曜日の朝、皆のためにベストを尽くして戦うから」

■放送予定
3月25日(土・日本時間)
午前8時00分~ABEMA格闘チャンネル

■対戦カード

<ONEキックボクシング世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
[挑戦者]ダニエル・ウィリアムス(豪州)

<ONE女子ムエタイ・アトム級選手権試合/3分5R>
[王者] アリシア・エレン・ホドリゲス(ブラジル)
[挑戦者] ジャネット・トッド(米国)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
平田樹(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
オ・ホテク(韓国)
アクバル・アブデュラエフ(キルギス)

<キックボクシング・ストロー級/3分3R>
ジャン・ペイメン(中国)
トレプチ・ドガク(ロシア)

<ムエタイ128ポンド契約/3分3R>
アスランバック・ジグレーブ(ロシア)
ルイ・ボテーリョ(ポルトガル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
アレックス・シウバ(ブラジル)
山北渓人(日本)

<ムエタイ・フェザー級/3分5R>
ニコラス・ラーセン(デンマーク)
エディ・アバソロ(米国)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
エカテリーナ・ヴァンダリーバ(ベラルーシ)
イマン・バーロウ(英国)

<サブミッショングラップリング女子ストロー級(※56.7キロ)/10分1R>
ビアンカ・バシリオ(ブラジル)
タミー・ムスメシ(米国)

The post 【ONE FN08】ノーギワールズ王者×ADCC王者。タミー・ムスメシ「タップせずに達成感? 理解不能」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE FN08   アレックス・シウバ グスタボ・バラルト ジョシュア・パシオ チャンネル パンクラス 修斗 国内MMA 山北渓人 海外 猿田洋祐 箕輪ひろば

【ONE FN08】山北渓人と対戦、戦う賢人アレックス・シウバ「無敗を意識すると、がんじがらめになる」

【写真】勝負に拘りつつ、達観した意見を持つアレックス・シウバ(C)MMAPLANET

25日(土・現地時間)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Fight Night08で山北渓人と戦うアレックス・シウバ。40歳になった元世界チャンピオンが、日本の団体のストロー級チャンピオンと戦うのは、山北で4人目となる。

日本大好き、柔術命、下になってコントロールできるMMAファイターは、昨年10月のグスタボ・バラルト戦の敗北の原因は業しか感がられないと言い切り、キャリアと若さ、無敗というピースに関する問い掛けに対し、見事なまでに成熟した返答をしてくれた。


──アレックス、今週の土曜日に内藤のび太選手、猿田洋祐選手、箕輪ひろば選手という3人の修斗世界ストロー級王者に続き、パンクラスのストロー級チャンピオンである山北選手と戦います。

「とにかく、またケージの中に入って戦えることに感謝している。皆はいつまで戦うのかと尋ねてくるけど、それは神の決めること。どれだけ試合の準備が大変でも、試合に出場できることは最高にハッピーな瞬間だから。しかも、今回は若い日本のチャンピオンと戦うのだからなおさらのことだよ」

──それだけMMAを愛しているアレックスですが、前回のグスタボ・バラルト戦はグラウンドコントロールや極め狙いが評価されなかったです。それがONE裁定だといわれても、別にスタンドの打撃でダメージを受けていないだけに、なかなかグラップラーとしては納得しずらい判定負けだったかと。

「マイ・フレンド、本音を言わせてもらうと全く信じられない結末だったよ。原因があるとすれば、業としかいいようがない。しかも、初めてのことじゃないからね。僕はバラルトに絶対に勝っている。ルールをしっかりと確認し、裁定基準を理解しても……いや理解しているからこそ、僕の負けはない。でも結果はバラルトの勝利で、僕にはどうにもできない。

こういうことが起こると人々は『フィニッシュすれば問題ない』と言う。でも、そんな風にいつだってフィニッシュはできない。誰だってフィニッシュしたいし、判定勝ちしようと思っている選手はいないだろう。でも、判定にもつれ込むのはこのスポーツの一部だ。結果、僕は自分が勝っていた試合を落とすことになる。これが初めてじゃない。ジョシュア・パシオに挑戦した世界戦でもそうだった。世界戦なんて、ジャッジの裁定で人生が変わってしまうというのに。

もちろん僕が勝っていると思っていても、違う意見だってあるし、それが正しい時もあるだろう。でも、前回の試合で僕の負けはない」

──判定に勝負を委ねるなという意見もありますが、ジャッジがいる限り、ジャッジはその役割を全うすべきで。

「ホント、そういう裁定もこのスポーツの一部ではあるんだ。でも、もっとMMAを理解してほしい。ジャッジでない人は皆が僕が勝っていたと言ってくれるのに、ジャッジだけが僕を負けにした……。ホント、どうしようもないよ」

──そういう判定があると次からもこういう裁定があるかもと考え、試合の組み立てなどに影響はでないでしょうか。

「まぁ、混乱するよ。ただ戦えば良いとは簡単には言えない。勝敗結果で、その後のキャリアや人生が変わって来るんだから。パシオと戦った時、バラルトと戦った時、ちゃんとした裁定が下っていれば、僕はケイトと戦うことはなかったかもしれない。でも、今、僕はここにいてケイトと戦う。彼のことに集中して、今を未来につなげるしかないんだよね」

──押忍。では山北選手の印象を教えてください。

「彼はパンクラスのチャンピオンだ。素晴しいファイターに決まっている。さっき、ケイトと彼のチームと顔を合わせたんだ。僕は心の底から日本の皆のことが好きだし、日本人選手を尊敬している。そして、ケイトと彼のチームは僕のこの気持ちが間違っていないことを再確認させてくれた。彼らは礼儀正しく、フレンドリーに挨拶してくれたよ。確かに僕らは土曜日に全てを賭けて戦う。相当な覚悟を持って、ケイトとやりあうよ。でも、それだけだよ。

もし僕に権限があれば、日本人選手とは戦いたいくない。これが本音だよ(笑)。この試合に向けて、日本人の生徒が僕をサポートしてくれた。シンヤ(青木)もメッセージをくれた。ホント、僕は日本の皆のことが大好きでならないんだ」

──山北選手はONEのニューカマーとして、日本のファンの期待を集めています。無敗の国内MMA王者のONEへの挑戦は、同時に彼にとって初めての海外での試合、そして国際戦となります。経験という部分では、アレックスにアドバンテージがあるという見方も成り立ちます。

「彼は無敗で、日本のチャンピオン。でも国際戦は初めてで、僕の方が経験値が高い。これら全てのことが、ファイトには影響を及ぼす。だけども、何一つ絶対的な勝因にはならない。僕の方が経験がある。それは味方を変えると、彼の方が若くれフレッシュということになる。だから、そういう要素よりも如何に自分を信じて戦うことができるか。そこが大切になってくるんだ」

──同時に無敗のファイターには、彼ら特有の勢いがあるかと思います。

「そうだね。でも無敗に拘るとプレッシャーになる。誰もがいずれは負けるんだ。そこで終わりじゃない。戦い続けると、絶対に負ける日はやってくる。無敗であることを意識すると、ケイトもその言葉にがんじがらめにされてしまうよ」

──その言葉こそ、経験から生まれるものかと思います。アレックス、いつもインタビューを受けてくれて本当に感謝しています。では大好きな日本のファンに一言お願いします。

「日本の皆、本当に僕は日本のことが好きなんだ。日本の文化からは学ぶことばかりで、人間として日本の存在を僕からなくなることは決していない。今回、僕はまた日本人選手と戦うことになったけど、とにかく皆に喜んでもらえるよう良い試合にしたいを想っている」
 

■放送予定
3月25日(土・日本時間)
午前8時00分~ ABEMA格闘チャンネル

The post 【ONE FN08】山北渓人と対戦、戦う賢人アレックス・シウバ「無敗を意識すると、がんじがらめになる」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE FN08 ジアニ・グリッポ チャンネル ハム・ソヒ 平田樹

【ONE FN08】リモート共同会見、ハム・ソヒ戦前の平田樹「勝ってもアンチはもっと増える(笑)」

【写真】笑顔、そして強気の発言が続いた平田(C)ONE

25日(土・現地時間)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Fight Night08でハム・ソヒと対戦する平田樹が、23日(水・同)に現地で日本の記者向けの共同リモート会見を行った。

計量失敗から、再び組まれた試合。ハム・ソヒの厳しい言葉も聞かれたなか、試合を直前に控え平田はどのような心境でいるのか。ここではMMAPLANETの質問に対する平田の返答のみを切り取ってお届けしたい。


──お久しぶりです。

「お久しぶりです(笑)」

──質問を2つ。まず、どうですか? この「どうですか」の「どう」が何を指しているのかを考えて答えていただけますか。

「自分的に2個あって。『調子どう?』の『どう』と『試合、どういう感じ』の『どう』だと思うんですけど。いっこはやっぱ計量のことで凄く質問が多いんで。私、相手の選手の『やりたいです』みたいな動画を昨日、視て。結構モチベーションも上がったんで。そこは絶対にクリアできるんで。

あと試合内容的には結構、大差あるって言われているんですけど。自分的にはそんなにないと思っているんで。15分間どんな試合をするのか自分的にも楽しみです」

──で、どうなのということなのですが。

「えぇ……自分的にはグラップリングで仕留めたいです」

──そのグラップリングについて、一つ。ジアニ・グリッポと練習をすると、極めが凄く強くなるという話が伝わってきます。

「あの人のグラップリングは……直接、やっていないんですけど、まぁ凄かったです(笑)」

──手合わせはしていない?

「直接やっていないんですけど、見ていて──なんだろう、止まることなくずっとロールしているような。5分、6分。6分、7分。7分、8分ずっと、ひたすら動きながら次の技、次の技、次の技って。自分にはそれがなくて。それを見ていて凄いなぁというのは思っていました」

──スミマセン、2つと言いましたけど、もう1つ。日本のファンまで敵に回して戦っている自分をどのように眺めることができますか。

「(笑)。ええぇ、でも何だかんだといって皆が見たいのは自分だと思うんで。これだけハム・ソヒは強い、ハム・ソヒは凄いみたいに言われているけど、結局自分の方が視られている数は多いし。自分の方が話題になっちゃうし──っていうのは結構思っています」

──勝てば全てがひっくり返るという言い方もされていますが、この評判は勝つだけでは変わらないという気もします。その辺りは?

「そうッスね。多分、ここで勝ってもアンチはもっと増えると思うんで(笑)。自分的には別に『まぁ、いいじゃん』みたいな(笑)。何とも思っていないです」

──分かりました。ありがとうございます。頑張ってください。

「ありがとうございます」

■放送予定
3月25日(土・日本時間)
午前8時00分~ ABEMA格闘チャンネル

The post 【ONE FN08】リモート共同会見、ハム・ソヒ戦前の平田樹「勝ってもアンチはもっと増える(笑)」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA DEEP MMA MMAPLANET o ONE ONE FN08   アレックス・シウバ ジェレミー・ミアド ジャレッド・ブルックス ダニエル・ウィリアムス チャンネル パンクラス ボカン・マスンヤネ ボクシング 修斗 安芸柊斗 山北渓人 川原波輝 海外 猿田洋祐 箕輪ひろば 米倉大貴 藤田大 藤田大和 魅津希

【ONE FN08】ワクワクが止まらない。アレックス・シウバと対戦、山北渓人「ここからが本当の勝負」

【写真】来るべき日が楽しみでならない。そんな風な山北だった(※取材は3月10日に行われた)(C)MMAPLANET

25日(土・現地時間)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Fight Night08でONEデビュー戦=アレックス・シウバ戦を山北渓人が戦う。

無敗のままストロー級キング・オブ・パンクラスとなり、やや時間を置いたものの目標であったONEというワールドステージに立つこととなった山北をインタビュー。シウバ戦、それからの戦い、日本人対決──ストロー級という舞台では紛れもなく世界最高峰にあるONEでの戦いの日々に、胸を躍らせる山北の今の心境とは。


──昨年7月にパンクラス王座獲得、その前からONEへステップアップを公言していましたが、正式発表までなかなか時間を要しました。その間、不安はなかったですか。

「ちょっと期間は開いてしまいましたが、交渉は進めてくれていると思っていたので自分の中では100パーセント信じていました」

──この間、これだけ試合期間が開いたことで1試合、国内で挟みたいと思うことは?

「試合をしないとマズいとかはなかったです。パンクラスのタイトルマッチが決まった時からONEで戦うことをモチベーションにしていて。しっかりとタイトルを獲ったので、ONEで戦うことだけ見ていました」

──だからこそ、時間が掛かることに不安を感じるかと思うのですが。

「いえベルトも獲って、ONEからすると無敗でチャンピオンになったので契約しない理由がないと思っていました」

──……なんとも純粋な……。

「遅いなぁと思いつつも」

山﨑剛(Me,We代表) 僕が交渉していて、絶対に大丈夫だと話していました。遅いなぁとはありましたけどね(笑)。いや、ホントに信じていれば絶対に大丈夫だと自分も思っていましたよ」

──時間が掛かったということで、ONEに行くために必要な練習もできたかと思います。

「トップとも打ち合えるよう打撃と、ルールが変わるのでサブミッションの方も強化をしていました。打撃はずっとやってきた藤田大和さんだけでなく、弟の藤田健児さん(※プロボクサー)にボクシングを習っています。打撃って人によって色々とイメージが違うのでそのイメージを混ぜて、いいとこ取りのような形で自分でMMAにマッチさせて。最近、固まってきたような気がします。

魅津希さんともスパーリングをして、本当に速くて……。同じストロー級なので、自分もあれぐらいのスピードにならないといけないなと思います。そこの気持ちがあるから、良くなりつつあるけどまだまだだと感じます」

──これまで見せてきた組むための打撃と、やりあう打撃は違うかと思いますが。ONEでは後者の打撃も必要という考えでしょうか。

「プレッシャーが無いと組めるモノも組めなくなるので、打撃でちゃんと勝負できるようにならないと世界のチャンピオンレベルには勝てないと思います。そこは少しずつですけど、打撃は手に入れたいと思います」

──そうなると、スタンスも変って来ないですか。

「微調整ですね。これまで試合で打撃を出してこなかったので、今回は相手が柔術家ということもあるし、極めへのディフェンスも大事なんですけど……。自分が組みたい側だったのが、相手が組みたいというシチュエーションも出てくるかもしれないので、打撃をやる準備をしてきた形です」

──ぶっちゃけてアレックス・シウバは打撃と組みが、ハッキリしている印象があります。

「そうですね。組む時は振りまわす系の打撃をして、勢いで入る感じですね。でも、その方が自分としても見やすいですし、テイクダウンのディフェンスも自信があるので、組みたくても組まさない。相手が綺麗な打撃をやっている時も勝負して。組みたい時も打撃の雰囲気をみせて逆にテイクダウンを取りに行ったり、惑わせて戦います。相手のやりたいことをさせにように」

──そしてグラウンドになると、ONEの判定基準があるのでコントロールでない部分が必要になってきます。

「柔術、グラップリングだけだとアッチの方が経験があるので、パウンドが重要になってくると思います。あとはグラウンドのヒザが解禁されるので、そこはRoad to ONEの試合でもTKO(※2021年2月、安芸柊斗戦)しているように、一番の武器になると思います。グラウンドのヒザは積極的に使っていきたいと思います」

──純粋な柔術的なグラップリングだと、がぶられると引き込むことも十分に考えられます。そしてアレックス・シウバはMMAでも、積極的に引き込んで潜ることがあります。

「柔術っぽい寝技をしますよね。あそこまで寝技をする相手は、これまでにいませんでした。極めも強いです。ただ練習でも大和さん、米倉大貴選手とスパーリングをしていて。

──米倉選手ですか!!

「米倉君が軽量級では日本一だと僕は思っています。足関節、スイープ、パスという面では相手も狙ってくるでしょうけど、米倉君より強いとは考えられないので。ディフェンスにも自信があるし、MMAとしてトップキープが僕の強味で。相手の得意なところと、僕の得意なところでマッチしています」

──米倉選手はセコンドでの指示でも、どれだけ知識が豊富なのかと感心させられます。

「米倉君の一番強いところは、パスガードだと自分は思っていて。足関節もそうですけど、システムが固まっているような感じします。ちゃんとトップを取って、殴る。その自信はあります」

──元チャンピオンですが、今のアレックス・シウバを相手にどのような試合をしないといけないと考えていますか。

「落ちているとは考えていないですけど、ランカーではないのでしっかり勝って、ベルトに近づきたいです」

──この間、ジャレッド・ブルックスがストロー級の頂点に立ちました。

「そこは想定内でした。ブジャレッドとパシオは全然タイプが違うので、どっちがやりやすいかといえば僕はパシオでした。ジャレッドは結構、厳しい相手になってくると思います」

──そこに行き着くまで、誰と戦っていきたいと考えていますか。

「一番戦いたいのはボカン・マスンヤネです。次に箕輪ひろば選手との試合が決まっていますが、あの試合が挑戦者決定戦。負けた方と僕が戦うと勝手に思っています」

──グスタヴォ・バラルトという相手も気になります。

「ぶっちゃけ、バラルトはあまりやりたくない相手ですね(苦笑)。これまで150センチ台の相手、僕の方が背が高いというのはなかったです」

──ONEという舞台ですが、猿田洋祐選手、名前が挙がった箕輪選手、川原波輝選手と修斗とDEEPの王者もいます。

「できれば海外で日本人同士の試合はやりたくないという気持ちもあります。でもパンクラスのチャンピオンとして、修斗のチャンピオンとかはやってみたくて。前に猿田さんと北方(大地)さんがやっていて、猿田さんが勝っています。僕もパンクラスのベルトを巻いたからには、一番はパンクラスだということを証明したいので、当たったらちゃんと日本人を倒して、まずは日本人最強を名乗りたいです。そうなるのは必然です」

──おお、頼もしい言葉です。他にダニエル・ウィリアムスや、その彼に勝ったジェレミー・ミアドと怖いけど勝手ながら楽しみな相手も多いですね。

「綺麗な打撃を使う選とも、しっかりと打撃で戦ってテイクダウンに持ち込めるようにしたいです」

──ONEで戦うことに向けて、過去最高のワクワク感なのでは?

「パンクラスのタイトルも大切でしたが、ONEに出ることがスタートだと思ってきました。やっと始まる。ここからが本当の勝負。ベルトを獲っても満足していなくて、そうなるにはONEのベルトを獲らないといけないです」

──そのためにデビュー戦は本当に大切になります。

「インパクトを残したいのもありますけど、どうしても負けられない。しっかりとフィニッシュすることに重点を置いているのがONEなので、フィニッシュすることが大切になります」

■放送予定
3月25日(土・日本時間)
午前8時00分~ ABEMA格闘チャンネル

The post 【ONE FN08】ワクワクが止まらない。アレックス・シウバと対戦、山北渓人「ここからが本当の勝負」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA DEEP MMA MMAPLANET o ONE ONE FN08 RIZIN UFC その他 ハム・ソヒ パク・シウ 伊澤星花 平田樹

【ONE FN08】ハム・ソヒ、平田樹にかける言葉─02─「試合が終わって、平田選手の友達になりたいです」

【写真】トラッシュトークではないので。そこは理解いただきたいです(C)TSUTOMU SHIIKI/TSP

25日(土・現地時間)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Fight Night08に平田樹と対戦するハム・ソヒ・インタビュー後編。

ABEMA格闘ChとMMAPLANETの共同取材で、ハム・ソヒは平田樹への想いを赤裸々に吐露した。字面だけ見れば、平田樹のことを忌み嫌っているように受け取られたかもしれない。そうではない。

ハム・ソヒはプロファイターとしてのけじめ、人としての常識を平田──このスポーツの先人として理解してほしい。その素直な感情を嘘偽りなく、言葉にしてくれただけだ。

<ハム・ソヒ・インタビューPart.01はコチラから>


──平田選手は日本のMMA界では過去に例のないキャリアの積み方をしている選手です。アマチュア時代からリアリティTVショーに出て、そのままONEと契約。常にカメラが周囲にあり、いつも誰かの目がある。結果、自分の見られ方を気にせざるを得ない。そのことで利益を享受することも当然多いですが、何か失っているモノもあるように感じます。

「それは悲しいことですね。同情してしまいます。模範となる選手、色々と教えてくれる先輩がいないのは本当に大変でしょう。それはよく分かります。でも同時に常識って、自分の生きていく中で身に付けていくもので。人はそういうものは自然と学んでいくものです。皆が皆、先輩や先生に導いてもらえるものじゃない。誰もがロールモデルがいるわけじゃないです。

底辺からスターになる人もいますよね。その人達って礼儀や常識を自然と身に付けているかと思います。誰も何も教えてくれなくても、それは自分が生きていくなかで自然に学んでいくものです。

計量に失敗して謝罪することは、常識です。人としてのマナー、人としてあの場で謝罪することは、成長するなかで身に付いていて然りだと思います。正直、彼女のことに関しては友人や知り合いの選手、ジム関係者から色々と話を聞いています。彼女は自分が世界の中心にいるかのように思っている、と。全ては自分のために動いている。そんな考え方をしているって。彼女はスターで、自分のことしか考えないと」

──う~ん、自分などは同じぐらいの娘がいるので「大変だなぁ」と思ってばかりです。それでも取材後など、ちらりと素を見せることもあって。インタビューでも『同じ世代の同性の友人がいることが大切で。彼氏はその時々で、創れるから』というような……自分の娘に話すような感じで、取材中に友人関係とか尋ねてしまうこともありました(笑)。

「フフフフ。最初に尋ねられた──なぜ私がキャッチウェイトを受けなかったのかという質問に対し、それは彼女のためにでもあると答えましたよね」

──ハイ。

「そのことで彼女に学んでほしいからです。もう2度、あんなことをしないように。それも私がキャッチウェイトを飲まなかった理由の一つです。それが彼女のためになると思ったんです。だから平田選手に伝えてください。この試合が終わって、友達が欲しいと思っているなら、私が彼女の友達になります」

──えっ?

「私は真剣ですよ。本気で言っています。私は平田選手の友達になりたいです。私は彼女より先にMMAをやってきました。だから、彼女の先輩になりたい。先輩として、彼女を導いてあげたい。そしてこの世界の常識、人として必要なものを彼女に知って欲しい。そのために本当の友達になりたいと思っています。

私は彼女の成功を願っています。だからこそ11月にあったことに関して、彼女は常識を身に付けるうえでしっかりと心に受け止めてほしいです」

──……今回の試合、まず計量を彼女がパスできるのか。そこがまずに気になるかと思います。本来は対戦相手の計量のことなど気にする必要はないのですが、試合以外に気になることがあるとファイトに集中できないということはないですか。

「平田選手は、既にこういうことを以前から経験してきました。人として、本当のアスリートとして今回は絶対に計量、ハイドレーションをパスしないといけない。それは絶対です。でも私がそこを気にすることはないです。体重もハイドレーションも彼女はパスするしかないんで。その他のオプションは何一つないです。彼女は計量をパスしないといけない。それだけです。

だから私は100パーセント、ファイトに集中できています。体重とハイドレーションは、全て平田選手の責任においてクリアしないといけない。人として、本物の選手として計量をパスするしかない。それ以外、何も選択肢はないですから」

──押忍。その通りですね。では最後にガラリと質問を変えさせてください。妹分のパク・シウ選手がコロナ禍の2年程を日本で過ごし、DEEPとRIZINで戦ってきました。そして大晦日の伊澤星花選手との試合は、論議を呼ぶ判定負けでした。その後、年齢のネックもあり彼女の望むUFCとの契約も上手く進まないという話も伺いました。今、パク・シウ選手にはどのようなアドバイスをしてあげることができますか。

「彼女は既に素晴らしい選手であり、人としても凄く立派です。絶対に明るい未来が待っています。あの判定は、凄く疑問が残るモノではありました。でも、プロのアスリートはどのような裁定にも従う、受け入れる必要があります。それがプロです。今、彼女はUFCで戦うことはできていませんが、何もこの世の終わりということではないので。

これまで通り、厳しい練習を続け、今のまま立派な姿勢を持ち続ければ──彼女はどこに行こうが、明るく、ポジティブな将来が待っています。絶対に──。だから私が彼女に言えることは……。そうですね、『このまま、前を向いて進もう。そんなに深く考えないで。自分らしく生きていけば良い。これ以上ないぐらい、ちゃんとやっているんだから』ということだけですね」

The post 【ONE FN08】ハム・ソヒ、平田樹にかける言葉─02─「試合が終わって、平田選手の友達になりたいです」 first appeared on MMAPLANET.