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【UFC ESPN54】ワイドマンがシウバをTKOで下すも、アイポーク頻発で後味が悪い3年7カ月ぶりの勝利

<ミドル級/5分3R>
クリス・ワイドマン(米国)
Def.3R2分18秒 by TKO
ブルーノ・シウバ(ブラジル)

左手を前に突き出したが距離を詰める。ワイドマンが右ミドルを繰り出すと、シウバがサウスポーにスイッチする。シウバは左ストレートをボディに伸ばした。ワイドマンが距離を詰めてダーティボクシングから、蹴りを散らしながらシウバにケージを背負わせた。ここで打ち合いとなり、ワイドマンの右を受けたシウバの動きが止まる。しかしワイドマンもシウバのパンチをもらい、いったん距離を置く。そして組みついたワイドマンが頭を下げたシウバの顔面に右ヒザを連打する。ボディロックに切り替えたワイドマンがリフトアップした。シウバも体を起こすがバックコントロールを許してしまう。ワイドマンは動かないシウバの足にヒザをコツコツと入れ続けた。

2R、ワイドマンがジワリジワリと距離を詰める。シウバはスイッチしながら、ワイドマンの蹴りをキャッチしながら右ストレートを合わせた。マットに手を着いたワイドマンもすぐに立ち上がる。サウスポーにスイッチしたワイドマンの左ローが当たり、シウバがスイッチを繰り返す。ワイドマンがオーソドックス、シウバがサウスポーに戻すと、ワイドマンの右三日月蹴りがシウバのボディに突き刺さる。シウバもワイドマンの蹴りにパンチを合わせるが届かない。打ち合いになるとワイドマンが下がる。ワイドマンが右ボディストレートでシウバを下がらせた。

ここでシウバがワンツーを繰り出したが、ワイドマンの左手がアイポークを引き起こした。シウバに休憩が与えられて再開後、ワイドマンが蹴りを散らしながら、出てきたシウバに右ストレートを合わせていく。シングルレッグはスプロールされたが、ワイドマンが左ジャブを突く。さらに左ジャブを打ち下すとシウバがグラついた。シウバのパンチもワイドマンのアゴを捉える。シウバも連打を繰り出すが、ワイドマンが右の打ち下ろしを当て、さらに右アッパー。左目下から出血が見られるワイドマンだが、ラウンド終了間際にパンチのラッシュでシウバを追い詰めた。

最終回、シウバが右ジャブを伸ばす。ここでまたもワイドマンのアイポークが発生したと、シウバがケージ中央でうずくまった。リピート映像が流れると、会場の観客はシウバにブーイングを浴びせる。シウバの指のほうがワイドマンの目を襲っているようにも見えるが……。再開後、シウバがパンチから右ミドルハイに繋げる。ワイドマンも右ハイを返した。ワイドマンのフェイントに対し、シウバが下がる。シウバが突っ込んで来るとワイドマンが左を合わせてダウンを奪った。ここでもアイポークを主張するシウバにワイドマンがパウンドの連打を浴びせると、シウバは亀になりレフェリーは試合をストップした。

ここでリプレイ映像が流されると、ワイドマンの左手、さらに右手が連続でアイポークになっていることが分かる。シウバは両手を広げて抗議し、涙を流しながらワイドマンと抱擁したが、ここは納得できないだろう。
1試合前でもデュマがアイポークをアピールしながら試合は続行され、ルジボエフのパウンドで決着した。アイポークはファイティング・アクシデントだ。レフェリーにも把握できないケースが多いかもしれない。しかし試合展開を変えてしまうケースが頻発するのであれば、ルール上で何かしらの対策は必要になる。特に手を広げて戦うことが多かった今回、ワイドマンのアイポークは目立っただけに、競技運営面での対応が求められる。


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45 AB BELLATOR MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN54 アントン・トゥルキャリ アンドレ・ペトロスキー イボ・アスラン エリン・ブランクフィールド エルベウチ・バーンズ カイル・ネルソン クリス・ワイドマン コナー・マシューズ ジェイコブ・マルクーン ジュリオ・アルセ ジョアキン・バックリー セドリクス・デュマ チディ・ンジョグアニ デニス・ブズーキア ヌルスルタン・ルジボエフ ネイト・ランドヴェール ビル・アレジオ ブルーノ・シウバ マノン・フィオホ メリッサ・ガト ルピタ・ゴディネス ヴィクトリア・ダダコワ ヴィセンチ・ルケ ヴィルナ・ジャンジローバ 食事

【UFC ESPN54】ウスベキスタンMMAのパイオニア=ヌルスルタン・ルジボエフ「何かを残す」

【写真】セレモニアル計量には、ウズベキスタン国旗とともに臨んだ(C)MMAPLANET

30日(土・現地時間)、ニュージャージー州アトランティックシティのボードウォーク・ホールで開催されるUFC on ESPN54「Blanchfield vs Firot」。同大会にカザフスタン、キルギスに続き、中央アジアから台頭しつつあるウズベキスタン人ファイターのヌルスルタン・ルジボエフが出場し、メインカードでセドリクス・デュマと対戦する。
Text by Manabu Takashima

大会開催地であるアトランティックシティ近隣の大都市は、実は州を跨いだフィラデルフィア。ウズベキスタンMMA界のルジボエフは、現在フィラデルフィア在住でご当地ファイターということになる。フィラデルフィアに存在するウズベキスタン・コミュニティに支えられ、ルジボエフを65カ月振りにインタビューした。


――ヌルスルタン、2018年11月にキルギスで取材をさせてもらって以来、5年5カ月振りにインタビューできて凄く嬉しいです。

「あぁ、WEFでマルコス・ソウザと戦った次の日にインタビューをしてもらったね。覚えているよ(笑)」

──あの時、ヌルスルタンはUFCかBellatorファイターになってウズベキスタンのMMAを盛り上げたいと言っていました。そして今、UFCファイターになっています。

「サンキュー。あれから、僕も随分と場数を踏んできた。それと同じように、ウズベキスタンのMMAも成長してきた。あの頃、ウズベキスタンではMMAの大会も行われてもいなかったけど、今ではいくつかの団体があってイベントも定期的に開かれている。良い感じで成長しているよ」

──当時は国内に良い練習環境がなく、チェチェンで練習をしていると言っていました。その後、練習環境はどのようになっているのでしょうか。

「あれからウズベキスタンでもMMAの練習ができるようになっていたけど、3年前から米国にやってきてフィラデルフィアのマルコスMMAで、ジョアォン・マルコスの指導を受けているんだ」

──言葉、食事、習慣、随分とウズベキスタンと米国と違うと思いますが、困難なことはなかったですか。

「ペンシルヴァニアにはウズベキスタン料理のレストランもあるし、ウズベキスタンのコミュニティが、しっかりと存在しているので何も問題はない。今の練習環境を与えてくれたスポンサーにはとても感謝している」

──日本ではないですが、韓国のスウォンに中央アジアやコーカサスのファイターが集まって練習しているジムもありました。

「あぁアジスベク・ノロフのところだろう?」

──ハイ、そうです!!

「アジスベクはとても仲が良いんだ、普段から頻繁に連絡を取り合っている。彼もウズベキスタンを離れて頑張っている。ウズベキスタンでも練習環境は整いつつあるけど、僕と毎日練習したいと思う相手がいなかった。だから、米国で練習しようと思ったんだ(笑)。米国では1日に3部練をすることも可能だ。休んで、食べて、練習──その繰り返しの日々を送ることができる」

──そのような練習環境を経て、UFC2戦目を迎えます。今の気持ちは?

「全て順調に調整できている。3カ月かけて、しっかりと準備してきた。その全てを土曜日の夜に披露したいと思っている」

──では対戦相手の印象を教えてください。

「若いのに3度も、UFCで戦っている。良い選手だと思う」

──どのような試合をファンに見せたいと思っていますか。

「それは秘密だ。試合を見てほしい」

──どのような作戦かということでなく、どのような試合を見せたいのかを教えてもらっても良いですか。

「ケージのなかでは何が起こるか分からない。でも、何かを残したい。そして、ウズベキスタンに持っているフィットネスジムの皆に、この間の練習の成果を見せたい」

■視聴方法(予定)
3月31日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS
午前7時30分~U-NEXT

■UFC ESPN54対戦カード

<女子フライ級/5分5R>
エリン・ブランクフィールド(米国)
マノン・フィオホ(フランス)

<ウェルター級/5分3R>
ヴィセンチ・ルケ(ブラジル)
ジョアキン・バックリー(米国)

<ミドル級/5分3R>
ブルーノ・シウバ(ブラジル)
クリス・ワイドマン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ヌルスルタン・ルジボエフ(ウズベキスタン)
セドリクス・デュマ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ビル・アレジオ(米国)
カイル・ネルソン(カナダ)

<ウェルター級/5分3R>
チディ・ンジョグアニ(米国)
リース・マッキー(アイルランド)

<フェザー級/5分3R>
ネイト・ランドヴェール(米国)
ジャマル・エマース(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ヴィルナ・ジャンジローバ(ブラジル)
ルピタ・ゴディネス(メキシコ)

<フェザー級/5分3R>
ジュリオ・アルセ(米国)
エルベウチ・バーンズ(米国)

<フェザー級/5分3R>
コナー・マシューズ(米国)
デニス・ブズーキア(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
イボ・アスラン(トルコ)
アントン・トゥルキャリ(スウェーデン)

<女子フライ級/5分3R>
メリッサ・ガト(ブラジル)
ヴィクトリア・ダダコワ(ロシア)

<ミドル級/5分3R>
アンドレ・ペトロスキー(米国)
ジェイコブ・マルクーン(豪州)

<バンタム級/5分3R>
エンジェル・パチェコ(米国)
キャオラン・ローラン(アイルランド)

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45 Brave CF MMA MMAPLANET o TOMA UFC UFC ESPN54   アントン・トゥルキャリ アンドレ・ペトロスキー イボ・アスラン エリン・ブランクフィールド カイル・ネルソン キック クリス・ワイドマン コナー・マシューズ ジョアキン・バックリー チディ・ンジョグアニ デニス・ブズーキア ヌルスルタン・ルジボエフ ネイト・ランドヴェール ビル・アレジオ ブルーノ・シウバ ボクシング マノン・フィオホ メリッサ・ガト ルピタ・ゴディネス ヴィクトリア・ダダコワ ヴィセンチ・ルケ ヴィルナ・ジャンジローバ 宇野薫 本田良介

【UFC ESPN54】ウィーン在住・熱血トルコ人ファイター、イボ・アスラン「俺はホンダが大好きだ」

【写真】ニックネームのTHE LAST OTTOMANは最後のオスマン帝国トルコ人という意味 (C)MMAPLANET

30日(土・現地時間)、ニュージャージー州アトランティックシティのボードウォーク・ホールで開催されるUFC on ESPN54「Blanchfield vs Firot」。女子フライ級のエリン・ブランクフィールド×マノン・フィオホがメインの同大会で、興味深いUFCデビュー戦を迎えるファイターがいる。
Text by Shojiro Kameike

今から21年と1カ月前に宇野薫がBJ・ペンとライト級王座決定戦で引き分けたボードウォーク・ホールでオクタゴン初陣を迎えるイボ・アスランにとって、この一戦は2020年8月──コロナ禍の欧州でKSWに次ぎ、イベントを再開させたBRAVE CFのストックホルム大会でキャリア唯一の敗北を喫したアントン・トゥルキャリへのリベンジ戦となる。

世界最高峰での第一歩を示すファイトは、ただ敗北を喫しただけでなく個人的に想うところがありまくるトゥルキャリを相手の因縁マッチに。心からトルコを愛し、本田良介の人柄にベタ惚れのイボ・アスランの激熱・初インタビューをお届けしたい。


――イボ、まずバックグラウンドを教えてもらえますか。コンテンダーシリーズ出場時にグラフィックではトルコ国旗が見られましたが、BRAVE CFに出場していた時にオーストリア在住という説明もありました。

「僕はトルコのニーデで生まれた。イスタンブールから800キロメートル離れている小さな村だよ。7歳の時にオーストリアのウィーンに移り住んだ。両親がより良い職を求め、より良い生活をするためにトルコを離れたんだ。パスポートはオーストリアだけど、いつだってトルコを代表して戦っている。オーストリアは住んでいる場所に過ぎない。それに今ではイスタンブールとウィーンに拠点があって、頻繁に行き来しているよ」

──格闘技を始めたのは、オーストリアだったのですか。

「そうだよ。サッカーをずっとやっていて、年齢的にもまだアマチュアリーグに在籍していたけどプロを目指していた。自分でいうのもなんだけど、凄く上手かったよ(笑)。ただし、チームの他のメンバーは僕のように真剣にやっていなかった。僕はサッカーでも絶対に負けることが嫌で、常に勝ち続けたいと思っていたのに。対してチームメイトはパーティーを楽しんだり、必死にサッカーに取り組んでいなかったんだ。

そしてオーストリアでも有名なフットボール・アカデミーから勧誘されたのに、そのチームは僕の保有権を持っていると主張して移籍を許してくれなかった。『あと1年、ここにいろ』ってね。その時『クソ野郎ども。俺はもうこんなチームを辞めて、ただ自分のためだけに汗をかく』って宣言をして、ボクシングを始めたんだ」

──なんと(笑)……状況が状況であったとしても、そういう発言をするということはチーム・スポーツには向いていない性格だったのでしょうね(笑)。

「皆が僕のように規律正しく、しっかりとやるべきことに向き合っているのであればチーム・スポーツも好きだよ。でも100パーセント全力で取り組まない連中と、一緒にやっていくことが嫌だったんだ。同じゴールを見ていないと。何かをやるなら、100パーセント力を注ぐ。そういう性格なんだ。ボクシングは合っていたよ。自分が頑張れば、結果は出る。凄く楽しかった」

──なるほど。ただし人気ナンバーワン・スポーツで才能があったのに、勿体ないとも感じてしまいます。

「まぁ、ファミリーに流れる血のなせる業だろうね。父親は空手の黒帯だった。叔父や兄もファイターだ。父から今も言われているんだけど、僕は子供の頃に絶対にエレベーターに乗らず、階段を走って昇っていたそうなんだ(笑)。いつも体を動かして、エネルギーは発散していたようだ。そのエネルギーを燃やす場がサッカーからボクシング、そしてMMAに移り変わっていった。でも、その全てに100パーセントの力を注いできたことは絶対だよ」

──ボクシングからMMAに転向したのは?

「ボクシングをやりながら、レスリングも始めた。そこでグラップリングを知って、この3つの練習をしているのだから、MMAこそ自分が究める戦いだと思ったんだ」

──オーストリアに関しても、トルコに関してもMMAの普及具合が分からないのですが、試合前はどちらで練習をしているのでしょうか。

「イスタンブールではレスリングとグラップリングの練習をしている。場所も一カ所でなく、いくつかのジムを回ってね。ウィーンでは、HERO GYMにボクシングとキックボクシングのトレーナーがいて、彼らと練習をしている。試合が決まればMMAのトレーニングをするためにラスベガスのエクストリーム・クートゥアーでキャンプを張るんだ。最高のMMAコーチ、トレーニングパートナーが揃っている。試合前のキャンプは、ベガスで仕上げをしている」

──今回も試合前はベガスで調整したということですね。

「ベガスに入る前に、プーケットのタイガームエタイで最初のキャンプを行った。タイガームエタイで5週間、ベガスは4週間のキャンプだったよ。タイガームエタイでは多くの日本人選手を見かけたよ。1人、本当にナイスガイで凄く親切にしてくれる日本人もいたよ。ホンダだ。アイツは最高のヤツだよ、いつもニコニコ笑っていて。さっきも言ったように僕は何でも全力を尽くす。どのクラスだって力の限り練習をしている。ホンダもそうなんだ。しかも、アイツはそれが幸せでたまらないようで笑顔を絶やさない」

──本田良介選手ですね。私も昨年11月にタイガームエタイで会ったのですが、MMAファイター生活を心の底からエンジョイしていました。

「そのうえ、本気で僕を助けてくれた。あんな気持ちの良いヤツに出会ったのは始めてだよ。ホンダに会えて、本当に良かった。朝6時のランニングですら、嬉しそうにしているんだよ。全く理解不能だ(笑)。どうやって朝の6時から楽しそうに走ることができるんだ!! 彼の精神性に触れることができて、本当にハッピーだ。

僕は常に、誰よりも練習をしている。でもジムに行くと、絶対にホンダもいる。『お前、俺より練習しているわけないよな』って伝えても、『僕は君より練習しているよ』って笑っているんだ。タイガームエタイは広いし、ストレッチとかフィジカルはMMAトレーニング場とは違う場所を使うこともある。凄くクラスも多いし。でも、アイツは先にいて、僕が体を動かしている際中に違う場所に移動して、違う練習を始めている……。俺はホンダが大好きだ。

そうだこのインタビューを通して、彼に伝えてくれ。『ホンダ、マイ・フレンド!! すぐに会いたいよ』って」

──承知しました(笑)。ところでにこやかに本田選手について話してくれたイボですが、今週末にUFC初陣というとても重要な試合が控えています。改めて今の気持ちを教えてください。

「15年間のハードワークを経て、今ここにいることを神に感謝している。自分の能力を世界で一番の大会で、皆に見てもらいたい。凄くハッピーだ。家族、コーチ、練習仲間、そしてトルコの皆のために戦う。唯一のUFCトルコ人ファイターとして、9000万人の期待を背中に受け、我が国を代表してアントン・トゥルキャリを倒す」

──2020年8月にBRAVE CFで戦い、キャリア唯一の黒星を喫した相手へのリベンジマッチでもあります。

「2020年8月はコロナ禍でオーストリアではジムも閉められ、何もかも止まっている状態だった。外出も許されていなかったよ。練習環境は全く整っていなくて、簡単な状況ではなかった。どの大会もコロナでなくなり、バーのセキュリティで生計を立てていたけど、当然のようにバーやクラブも営業停止になっていた。

金がなかった。だから5日前のオファーを受けた。当時のマネージャーから連絡があり、僕が気になったのはファイトマネーの額と対戦相手だった。それを確認し、映像をチェックして戦うことを了承した。彼はアマチュアでも豊富な経験があることも調べた上で、動きを確認して戦うことにしたんだ。僕のレベルにないことは分かったから。

でも、そこからはドタバタ続きだった。オファーは100キロ契約で、僕は107キロ。5日間で100キロまでなら落とせるという判断をしたんだ。そうしたら向うから93キロにしてほしいという連絡があった」

──えっ……それは駆け引きですね。

「そうプレイが始まった。100キロと93キロは全く違う。でも、ファイトが必要だったから『99キロまでなら落とす』と返答すると、今度は『94キロだ』って言うんだよ(苦笑)。マネージャーを介して試合の直前まで、そんなやりとりが続いたんだ」

──確か98キロ契約で実施されたかと。

「発表は98キロだったけど、実際は97キロ契約だった。つまり5日間で10キロ落とした。あの試合はコンテンダーシリーズや米国で戦うためのオファーを待っていて、1年半振りの試合だった」

──よく、そこから3キロアンダーになって試合を受けましたね。

「金が必要だった。そんな状況でも序盤は、力強く動けたんだ。でもアゴ、鼻をケガし、カットもあった。結果、2Rに背中を見せてフィニッシュされた。『おめでとう。アントン』だよ。でも今回は全てが違う。本当の俺を見せてやる」

──言ってみると、最高の場所で自己証明できる機会を得たということですね。

「UFCがアントンと戦わせてくれて、本当に感謝している。4年間、アントンは俺から逃げ続けた。4年間だよ。『もう一度、戦おう』とポッドキャストや色々な手段を使ってアピールしたけど逃げ続けた。でも、もう彼は僕の前から逃げることはできない。土曜日の夜、ケージに入ると誰も彼を助けることはできない。誰も、ね。

ホーホホホホホ。土曜日は会場入りしてから、試合まで全てを楽しむつもりだ。UFCで戦うことは世界中のファイターにとって夢だ。UFCから配られたコスチュームに袖を通し、トルコ国旗を掲げてケージに向かう。アントンなんか気にしない。その瞬間を楽しみたい。最高のデビュー戦になるだろう。アイツのことなんて、どうでも良い。僕のトルコ人パワーの凄まじさを皆に見てもらう。皆が、目撃者になるんだ」

──イボ、本当に興味深い話をありがとうございました。最後に日本のMMAファンに一言お願いします。

「日本の皆の行動力が本当に好きなんだ。トルコを多くのジャパニーズガールズが訪れている。ただ、椅子に座って時間が過ぎるのは待っているんじゃなくて活動的だ。トルコにもオーストリアにも、日本人の友達がいる。その皆が本当に博学なんだ。MMAのことも知っているし、サッカープレイヤーのことも知っている。ゴルフにも詳しい。そして日本のファンは、凄く選手想いだと聞いている。そんなことは、オーストリアはありえない。日本のファンがUFCだけでなく、他の団体も含め全てのMMAをサポートしてくれていることに感謝している。いつか、日本を訪れて日本の皆と練習したい。ホンダ、一緒に行くぞ!!」

──(笑)。

「そうだ、僕の一番の夢が何か尋ねてくれなかったよね」

──ハ、ハイ。イボの一番の夢は何でしょうか。

「UFCイスタンブール大会を実現させることだ。もしUFCがイスタンブールで大会を開けば、スィナン・エルデヌ・スポル・サロフに2万人以上のファンが集まるはずだ。それが僕の一番大きな夢なんだ。1年半、時間が欲しい。僕がKO勝ちを続けることで、その時がやってくるだろう。インシャーアッラー」

■視聴方法(予定)
3月31日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS
午前7時30分~U-NEXT

■UFC ESPN54対戦カード

<女子フライ級/5分5R>
エリン・ブランクフィールド(米国)
マノン・フィオホ(フランス)

<ウェルター級/5分3R>
ヴィセンチ・ルケ(ブラジル)
ジョアキン・バックリー(米国)

<ミドル級/5分3R>
ブルーノ・シウバ(ブラジル)
クリス・ワイドマン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ヌルスルタン・ルジボエフ(ウズベキスタン)
セドリクス・デュマ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ビル・アレジオ(米国)
カイル・ネルソン(カナダ)

<ウェルター級/5分3R>
チディ・ンジョグアニ(米国)
リース・マッキー(アイルランド)

<フェザー級/5分3R>
ネイト・ランドヴェール(米国)
ジャマル・エマース(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ヴィルナ・ジャンジローバ(ブラジル)
ルピタ・ゴディネス(メキシコ)

<フェザー級/5分3R>
ジュリオ・アルセ(米国)
エルベウチ・バーンズ(米国)

<フェザー級/5分3R>
コナー・マシューズ(米国)
デニス・ブズーキア(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
イボ・アスラン(トルコ)
アントン・トゥルキャリ(スウェーデン)

<女子フライ級/5分3R>
メリッサ・ガト(ブラジル)
ヴィクトリア・ダダコワ(ロシア)

<ミドル級/5分3R>
アンドレ・ペトロスキー(米国)
ジェイコブ・マルクーン(豪州)

<バンタム級/5分3R>
エンジェル・パチェコ(米国)
キャオラン・ローラン(アイルランド)

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『UFC on ESPN 54: Blanchfield vs. Fiorot』前日計量動画

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MAIN CARD (ESPN, 10 p.m. ET)

・Erin Blanchfield (125) vs. Manon Fiorot (125.25)
・Joaquin Buckley (170) vs. Vicente Luque (170)
・Bruno Silva (186) vs. Chris Weidman (186)
・Sedriques Dumas (185) vs. Nursulton Ruziboev (185)
・Bill Algeo (146) vs. Kyle Nelson (145)
・Rhys McKee (170.25) vs. Chidi Njokuani (170)

PRELIMINARY CARD (ESPN+, 7 p.m. ET)

・Nate Landwehr (145.25) vs. Jamall Emmers (145)
・Loopy Godinez (115) vs. Virna Jandiroba (115)
・Julio Arce (147)* vs. Herbert Burns (145)
・Dennis Buzukja (145.25) vs. Connor Matthews (145)
・Ibo Aslan (205) vs. Anton Turkalj (205)
・Viktoriia Dudakova (125) vs. Melissa Gatto (125)
・Jacob Malkoun (185) vs. Andre Petroski (186)
・Caolan Loughran (135) vs. Angel Pacheco (135)

 『UFC on ESPN 54: Blanchfield vs. Fiorot』前日計量結果。メインカードは全員パス。プレリミナリーカードでフリオ・アルセが147ポンドと1ポンドオーバー。出場給の20%を譲渡し試合は行われます。




 前日計量動画。


 MMAJunkieスタッフによるメインカード勝敗予想。

・エリン・ブランチフィールド vs. マノン・フィオロはブランチフィールド支持8人、フィオロ支持3人。

・ヴィセンテ・ルケ vs. ホアキン・バックリーはルケ支持9人、バックリー支持2人。

・クリス・ワイドマン vs. ブルーノ・シウバはワイドマン支持1人、シウバ支持10人。

・ヌルスルトン・ルジボエフ vs. セドリケス・デュマスはルジボエフ支持8人、デュマス支持3人。

・ビル・アルジェオ vs. カイル・ネルソンはアルジェオ支持9人、ネルソン支持2人。

・チディ・エンジョクアーニ vs. リース・マッキーは11人全員エンジョクアーニ支持。続きを読む・・・
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UFC on ESPN54:オッズ/予想と展望

エリン・ブランチフィールド 1.52
マノン・フィオロ 2.60
ビセンテ・ルーケ 1.89
ホアキン・バックリー 1.93
クリス・ワイドマン 3.30
ブルーノ・シウバ 1.35
ヌルスルトン・ルジボエフ 1.39
セドリケス・ドゥマス 3.10
ビル・アルジオ 1.44
カイル・ネルソン 2.85
チディ・エンジョクアニ 1.70
リース・マッキー 2.20
ネイト・ランドワー 2.80
ジャマル・エマース 1.46
ビルナ・ジャンジロバ 2.80
ルーピー・ゴディネス 1.46
フリオ・アルセ 1.25
ハーバート・バーンズ 4.10
デニス・ブズカ 1.80
コナー・マシューズ 2.05
イボ・アスラン 1.80
アントン・トゥルカリ 2.05
ビクトリア・ドゥダコバ 2.30
メリッサ・ガ1.65
アンドレ・ペトロスキー 2.70
ジェイコブ・マルクーン 1.49
エンジェル・パチェコ 3.80
ケイラン・ロフラン 1.28

メインで予定されていたウェルター級8位ショーン・ブラディ vs. 11位ビセンテ・ルーケ がブラディの欠場によりノーランカーのバックリーとの対戦に変更となったため、セミに格下げとなり、替わってセミで組まれていた女子フライ級戦がメインに昇格。

2位ブランチフィールドと3位フィオロはともにUFC6戦全勝。どちらかが次期挑戦者になることが確実と思われていたが、両者の直接対決が組まれることに。さすがにこの試合の勝者が次期挑戦者になることは確実ではないかと思われた矢先、王者グラッソと前王者シェフチェンコのTUFコーチ就任が発表されたため、実質次のタイトルマッチがTUF後の両者の3連戦目になることが確定した。ブランチフィールド、フィオロのどちらが勝っても、年内のタイトル挑戦はないと思われる。

地元ニュージャージー出身のブランチフィールドは7歳から始めた柔術、9歳から始めたキックがバックボーンで、12歳の時にすでにプロの選手となることを決めていた。UFCでの6勝のうち、一本勝ちが3回。前戦は、当時絶対王者だったシェフチェンコ相手にスプリット判定まで持ち込んだタイラ・サントス戦で、ひたすらタックルを仕掛け、テイクダウンは奪えなかったもののサントスのスタミナを削ったうえで打撃のヒットで上回っての判定勝ち。

フランスのフィオロは空手・ムエタイがバックボーンのストライカー。半身の体勢からのサイドキック・関節蹴りで距離を取った打撃を武器にしているが、組んでからのテイクダウンも強い。前戦は地元フランスで元ストロー級王者のローズ・ナマユナス相手に打撃で上回っての判定勝ち。

ブランチフィールドは2回目、フィオロは初となるUFCでのメイン登場。5Rマッチになったことで、組みでスタミナを削るブランチフィールドが優勢に試合を進めることになりそう。

ブランチフィールド判定勝ち。

セミ前には元ミドル級王者ワイドマンが登場。21年のユライア・ホール戦で、カーフキックをカットされスネが真っ二つに折れる大怪我を負い、昨年8月に2年4ヶ月のブランクで復帰。元ランカーブラッド・タバレスからカーフキックで攻められ、左足を完全に殺された後、スイッチして前に出した右足もカーフで蹴られて完敗。試合後、ダナ・ホワイトが「頼むから引退してくれ」とコメントするほど、かつての王者の実力が見る影もない内容だった。

今回はほぼ地元でプロデビューから4戦を戦ったアトランティックシティでの試合。ラストマッチにはちょうどいい舞台ではあるが、契約はまだこの試合を含めて2試合残っているとのことで、ワイドマン自身はまだ現役を続ける意向の模様。相手はUFC4勝4敗で、直近5戦では1勝4敗(1勝の相手は前回ワイドマンに勝ったタバレス)。しかしブラジルキック王者で、23勝のうちKO勝ちが20あるストライカー。ワイドマンにとっては厳しい試合になることは避けられないか。

第1試合開始は31日朝8時から。速報します。

カテゴリー
o UFC アルメン・ペトロシアン クリス・ワイドマン

UFC on ESPN+94:第11試合・ブラッド・タバレス vs. グレゴリー・ホドリゲス

ミドル級。

タバレスはプロデビュー3年目・キャリア6戦目でTUFに出場し、UFCデビュー。以来14年、UFCの歴史の半分近くを戦い続けてきた。5連勝と4連勝があり、一時はランキングにも入っていたが、現在はランク外。組んでのケージ押し込みが得意で、UFCでの15勝のうち、判定勝ちが13(ミドル級最多)。2連敗で迎えた前戦はスネの骨折からの復帰戦となるクリス・ワイドマンに判定勝ちして連敗ストップ。が、ワイドマンが衰えすぎていただけという可能性もあり、タバレスの評価が上がる試合ではなかった。UFC15勝8敗の36歳。

ホドリゲスは柔術レスリングがバックボーンだが、強いパンチも持っており、UFCでの直近の4勝はすべてKO勝ち。前戦はUFC1勝2敗のデニス・トゥルーリンからサバ折りでテイクダウンを奪い、一気にマウントを奪ってバックマウントからの肘でKO勝ち。UFC5勝2敗で、敗れた相手はアルメン・ペトロシアンとブルンノ・フェレイラ。31歳。

 

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3.30『UFC Fight Night 239』でブルーノ・シウバとクリス・ワイドマンが対戦

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 UFCが3月30日にニュージャージー州アトランティックシティのボードウォーク・ホールで開催する『UFC Fight Night 239』でブルーノ・シウバ vs. クリス・ワイドマンのミドル級マッチが行われることをMMAJunkieが確認したとのこと。

 シウバは10月の『UFC 294: Makhachev vs. Volkanovski 2』でシャラ・マゴメドフに判定負けして以来の試合で2連敗中。

 ワイドマンは8月の『UFC 292: Sterling vs. O'Malley』で行われた2年4ヶ月ぶりの復帰戦でブラッド・タヴァレスに判定負けして以来の試合で2連敗中。この試合で再び脚を痛めたように見えましたが、今回は7ヶ月後の復帰です。

 共に最近5試合の戦績が1勝4敗同士でもあります。続きを読む・・・
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デイナ・ホワイト「ジョー・ローゾンにも引退して欲しい」/ローゾンが反論

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なんてこったい!『UFC on ESPN 37』ドナルド・セラーニ vs. ジョー・ローゾンが再び直前で中止/ローゾン「急に左膝がおかしくなった」(2022年06月19日)

 こちらの続報。


 『UFC 292: Sterling vs. O'Malley』の前日にジョー・ローゾンが同大会への出場を希望していたものの断られていたことを明かし以下のコメント。

「僕はトライした。だけど上手く行かなかった。何度も何度もテキストメッセージを送ったけど、僕のサービスは必要ないと言われた。誰とでも戦うつもりだったけど、できればチェイス・フーパーと戦いたかった。彼は同じ地元出身のニック・フィオーレに勝ったばかりだった。僕にとって本当に良いマッチアップになると確信している。もしかしたらこれが最後の試合になるかもしれないが、上手く行かなかった。本当に、本当に頑張ったけど、ダメだった」

Joe Lauzon(Sherdog)

 ジョー・ローゾンは現在39歳。マサチューセッツ州出身の「ご当地ファイター」です。2019年10月の『UFC on ESPN 6: Reyes vs. Weidman』でジョナサン・ピアースに1R TKO勝ちして以来4年近く試合をしていません。2022年5月の『UFC 274: Oliveira vs. Gaethje』でドナルド・セラーニと対戦予定でしたがセラーニの体調不良により同年6月の『UFC on ESPN 37: Kattar vs. Emmett』に延期、しかし今度はローゾンが膝を負傷し中止されていました。


 デイナ・ホワイトは以下のコメント。

「彼のサービスが必要なかったわけではない。彼から打診があった時点でカードは埋まっていたんだ。私はジョーにも引退して欲しい」

「クリス・ワイドマンのようなものだよ。ワイドマンは頂点を極めて史上最高の選手の一人にも勝っている。そして今はどうだ? また膝を負傷してクレイジーな手術をする必要があるかもしれない。彼は全てを成し遂げた。UFCで達成すべきことは達成した」

「ジョー・ローゾンはかつてファイト・オブ・ザ・ナイトの最多記録を保持していた。The Ultimate Fighterでも活躍した。このスポーツで多くのことを達成した。もういい歳なんだし、潮時だろう」


 これに対しローゾンは以下のコメント。

「デイナの主張は年齢のこととか、何もかも間違ってはいない。クリス・ワイドマンが膝を痛めたのを見て、僕も想定はしていた。デイナは間違っていない…僕たちはいつも素晴らしい関係を築いてきたし、トップに立つことがどれだけ難しいことなのかも知っている。

 僕は『いつでも、どこでも、誰とでも』戦うとは言っていない。この4年間、新型コロナウイルスやUFC APEX、その他全ての戦いについて、ブーイングを飛ばしたこともない。前回のボストンでの試合が最後の試合になるのなら、それはそれで仕方がない。だけど、僕はずっと、納得のいく機会があれば応じると言ってきた。『これは僕にとって絶対に意味のあるシナリオだ』と言ったが、どうやらUFCにとっては意味がなかったようだ。

 僕はメディアやファンを利用してゴリ押ししようとしたことはない。前日計量の日になって明らかに手遅れになるまで黙っていた。でも、UFCとの交渉は数ヶ月前から始まっていたんだ。

 もしも来週試合のオファーが来て、それが僕にとって意味のないものだったら断るつもりだ。ボストンでの試合はいい機会だったけど、今回は上手く行かなかった。UFCのことは今でも大好きだし、いつも良くしてくれている。だけど、この大会に出られなかったのは明らかに残念だった」
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【UFC292】約2年ぶり復帰のワイドマン、カーフキックを効かされてタヴァレスに判定負け

<ミドル級/5分3R>
ブラッド・タヴァレス(米国)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
クリス・ワイドマン(米国)

元UFCミドル級王者のワイドマンが2021年4月以来、約2年4カ月ぶりに復帰。プレッシャーをかけていくワイドマン。タヴァレスは距離を取りながらジャブを返す。ワイドマンはダブルレッグで組みつこうとするが距離が遠い。切ったタヴァレスがジャブからワンツーを突き刺す。

ワイドマンは細かくフェイントを入れて再びダブルレッグへ。1度目よりも深く入るが、タヴァレスが腕を一本入れて組みつかせない。スタンドの打撃ではタヴァレスが右ストレートと右ロー。ワイドマンの左ミドルに合わせた右ローがローブローとなり、試合が一時中断となる。

再開後、タヴァレスは距離を取って右のカーフキック。ワイドマンもワンツー、タヴァレスの左足のかかとを手でひっかけるように、テイクダウンを狙うが、タヴァレスのバランスは崩れない。タヴァレスが飛び込むような右アッパーから左フックを返す。

2R、タヴァレスはジャブから右ストレート・右カーフキック、左ハイキックにつなげる。この右カーフキックでワイドマンが顔をしかめ、たまらずサウスポーにスイッチする。タヴァレスは右ハイキック、ジャブ・ワンツーを見せ、ワイドマンがオーソドックスに戻るとすぐに右カーフキックを蹴る。

劣勢のワイドマンもサウスポーから左ハイキックを蹴って突進。ケージを背負うタヴァレスに右フックを打ち込む。サウスポーの時間が長くなるワイドマン。タヴァレスは左のカーフキックでワイドマンの前足を外から狙う。

ワイドマンの前蹴りがローブローとなり、試合が一時中断。再開後にワイドマンが左ミドル・左ロングフックからダブルレッグに入るが、深く組むことが出来ない。続けてワイドマンが左ハイから右フック、ボディロックでのテイクダウンを狙うが、これも不発に終わる。タヴァレスはワイドマンの突進とクリンチをディフェンスしつつ、ワイドマンの構えに合わせて左右のカーフキックを当てる。

3R、タヴァレスが右カーフキック。サウスポーのワイドマンに放ったインローがローブローとなってしまう。再開後、タヴァレスはオーソドックスのワイドマンに右カーフキック。右ストレートから左フック、そして右ローにつなげる。

ワイドマンは左ストレートからダブルレッグ。テイクダウンこそ奪えないもののしつこく組み続け、タヴァレスの右ミドルに左のオーバーハンドを合わせる。足にダメージが残るワイドマン。必死にパンチで前に出てテイクダウンを狙うが、タヴァレスはしっかり距離を取ってワンツー・右のカーフキック。危険な距離には入らず、自分の攻撃を当て続ける。

このまま試合終了となり、カーフキックでダメージを与え続けたタヴァレスが判定勝利。最後まで前に出る気持ちを見せたワイドマンだったが勝利には手が届かなった。


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Interview Special クリス・ワイドマン ブログ ユライア・ホール 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:4月─その参─ホール✖ワイドマン「カーフ」からの「パウンド」

【写真】なぜ、このような凄惨なシーンが生まれたのか…… (C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

引き続き2021年4月の一番、第三弾は24日に行われたUFC261からユライア・ホール✖クリス・ワイドマン戦について語らおう。


──青木真也が選ぶ2021年4月の一番、最後の試合をお願いします。

「ユライア・ホール×クリス・ワイドマンですね」

──目を背けてしまうフィニッシュになりました。

「まぁワイドマンですけど、あの蹴り方をよくするなって思います。あれってサッカーボールキックみたいに直線的に下から蹴り上げていて。やっぱり、あの蹴り方はまぁせんよねって。

日本でもする人がいますけど、摺り上げるように蹴るという……。あれは危ないです。危ない。基本を無視した蹴りです」

──チェックというか、カーフに対してホールも若干踏み込んだ。そこでスネとスネが当たり、蹴った方のワイドマンが骨折した。結果的にスネ受けをしたような形になりました。

「あの蹴り方は、もう運任せで。ホールが少し踏み込んでいないと、脹脛を蹴ることができて、効かしていたということなんでしょうけど。そんな危ない蹴り方をよくするなって思います」

──あの試合の後も、蹴り下ろすのは当然として、青木選手のいうところのサッカーボールキックのようなカーフローを蹴る選手は続いています。

「続いていますか……。外側を叩き蹴るってことなんでしょうけど、下からふわっと蹴ってあの受け方をされると折れますよ。それと相手のスタンスを見て、蹴り方を考えないと。ホールのように立ち気味だったら、チェックもされますしね」

──蹴りが飛んでくる方にスネを向ければ良いわけですしね。

「ハイ。その通りです。僕もアップライトで構えますけど、チェックできるし。そういう選手にはあの蹴りは出せなくなるはずです」

──ここまでMMAが進化して、28年の歴史にあってなお蹴りは言ってみると基本的な技術が伝わっていなかったということでしょうか。

「まぁ米国は、ムエタイ文化がある国じゃないですしね」

──もうこれは1970、1980年代からキックも空手もロー、下段なしルールが多かった歴史もあります。

「だからコリー・サンドヘーゲンとかは、キックボクシング文化で育っているから、ああいう蹴りは使わないです。スネなんか蹴らない」

──コロラド州デンバーはムエタイとキックが他より盛んで、サバキチャレンジという大会がメジャーで、二宮城光氏の円心会館空手も根づいています。

「サンドヘーゲンもそうだし、カーロス・コンディットも蹴らなかった。もちろんケニー・フロリアンも蹴らなかったじゃいないですか」

──ケンフロはボストンにあるシットヨートン・ジムでムエタイを学んでいましたね。

「彼らのように蹴りを習ってない──蹴りの文化がなかったからこそ、ワイドマンのような蹴りを使うのでしょうね。ATTにしてもモハメド・オワリがいた時なら、カーフを蹴らせていなかったかもしれないです」

──なるほどぉ、そうですね。

「堀口選手も蹴っていましたけど、あれはもうカーフ以前にカーフを蹴ることができる要因がありますからね。立ち位置として外を取れているので、結果的にカーフなだけで。構え、立ち位置、距離、間……です。

堀口選手はディスタンスとアングルに長けているので、あそこまで外して蹴ることができる。別に殴ることだってできますからね。その状態で、足を蹴っただけで。効いたから続けた。堀口選手のカーフはそういうことだと思います」

──堀口選手は1月にインタビューをさせていただいた時に、彼自身がカーフを蹴られても、スネ受けすれば良いだけだと言っていました。

「その通りです。なんで、アレを貰うんだよって思います。アレは良くわからないです。K-1とかキックだと、構えが前足重心で、爪先もボクシング的に内側を向いているから皆が使っているけど」

──言ってみれば、脹脛を最初から晒しているわけですね。

「そうです。だから今のK-1やキックは、カーフを蹴っているけど、MMAは色々な構えがあるわけで。そういう基本的なことを知っておかないといけないです。

距離とアングル、基本的なことを考えないとダメです。基本を知って、技のメリット、デメリットを知る。食材の良さと悪さを知らないと、料理ができないのと一緒ですよ」

──そうですね、毒を持つ生物はいるわけですし。何でもかんでも見様見真似で、美味しいぞって焼いて食べるわけにはいかないです。

「パンチだってどこを当てるか、どこで打つのか。そうやって殴っているわけだし。朝倉海✖堀口恭司でいえば、朝倉選手がボクシングに傾倒して、そういう構えになっていましたしね。よくあるパターンです。

それにボクシングに傾倒すると、僕はパウンドも弱くなると思います」

──というのは?

「これは松嶋(こよみ)選手と話していたんですけど、ボクシングのパンチはパウンドに応用できないよねって。ボクシングは普通に考えて、体を使って、コンビネーションがあってのパンチなので」

──移動で出すパワーですね。対して、パウンドはその場で出る力です。

「ハイ、そうだと思っています。だからこそ、実はグラウンドのパンチは空手の突きなんじゃないかと。近い距離でインパクトがある。Fight&Lifeの対談で岩﨑達也さんが言われていた、置くという話に通じているんだと思います」

──エルボーをそうじゃないですか。ムエタイのヒジ打ちとは違います、グラウンドでのヒジは。

「ハイ。ムエタイのエルボーって、点で当ててスッと抜けていく。それをグラウンドのヒジでやると、回ってしまいそうで」

──頭より向うにヒジを持っていくことはできないし、バランスを崩すということですね。

「だからヒジも置く感じですよね。僕も勉強した結果、前腕のヒジよりの部分で当てるだけで良いって思うようになったんです。それって置くだけなんですよね。

パンチに関して言うと、グラウンドでのパンチはバックコントロールから殴る時以外は、ボクシング的な体の使い方はない──そう思います」

──振ったら、姿勢が乱れて返される恐れがでますし、頭を動かして殴るというのは、グレイシー柔術がマウントパンチを世に出した時には、なかった打ち方ですね。よく手打ちとか言われていましたが……。カーフ論から、パウンド論、ボクシングを接点に両者の非常に興味深い話を聞かせてもらえました。

「試し割りとか、寸勁とかそういうことかもしれないですね。力の伝え方で。その瞬間、ストンと置いている。その場で力を出す、そういうことなんじゃないかって松嶋選手と話していました」

──その場の力が出るということですね。青木選手の組み力と、空手の論理が融合すると──またMMAは進化しそうで楽しみです。

「そこは松嶋選手の方が進んでいますよ。彼に話を聞いてみてください。きっとそういうことだと思うんです。ただし……練習で本気で打つことができない……。試合だと実感がないから分からない──けど、多分そうだと思うという話を2人でしていたんです」

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