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45 AB ABEMA K-MMA MMA MMAPLANET o ONE ONE FN18 ONE165 アドニス・セビジェーノ アルテム・ビュラク イリャ・フレイマノフ エンフオルギル・バートルフー オ・テホク オ・ホテク カン・ジウォン キック クォン・ウォンイル ゲイリー・トノン シャミル・ガサノフ ジャンロ・マーク・サンジャオ スーブラック・トー・プラン49 チェン・ルイ チャンネル ブラック ボクシング マーク・アベラルド ライカ ルンピニー ロッキー・バクトル 中原由貴 武尊 高橋遼伍

【ONE FN18】ONEに適合したウォンイルと、対照的なモンゴリアン2人。一発目のONE FNはバンタムに注目

【写真】KO決着必至、あるいはシネチャグタガが削られるか。注目のバンタム級戦(C)MMAPLANET

13日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムでONE Fight Night18が開催される。
Text by Manabu Takashima

前夜のONE Friday Fights47が2024年の戦い初めとなるONE。本来、スーパーレック・ギアットムーガーオがエリアス・マムーディを相手にONEキックボクシング世界フライ級王座防衛戦を行う予定だったが、既報の通り1月28日のONE165で武尊を挑戦者に迎えるタイトル戦にリブックされたため、今回のメインはシャミル・ガサノフとオ・ホテクのMMAフェザー級戦が昇格となった。


ガサノフといえばフェザー級戦線で次期挑戦者候補と目されていたが、昨年7月にゲイリー・トノンのヒザ十字で屈し仕切り直しを強いられる。対するオ・テホクはK-MMAから中東を経て、ONEに行き着いたファイターで高橋遼伍戦の微妙な判定勝ちが印象深い選手だ。ONEでは1勝1敗、テホクはウェルラウンダーでも打撃力が秀でているわけでもなく、組み技力でガサノフに分があるマッチアップといえる。

今大会ではバンタム級の2試合、クォン・ウォンイル✖シネチャグタガ・ゾルツェツェグ、アルテム・ビュラク✖エンフオルギル・バートルフーが興味深い。勝っても負けもフィニッシュ決着、蹴りでもパンチでも倒す力を持つウォンイルは、英語も駆使しONEで最もプッシュされている韓国人ファイターといっても過言でない。

昨年こそ自らのジムをオープンするなど試合数は1試合だけに留まったが、ウォンイルは2019年の3試合を筆頭にコロナ禍でも2020年から2022年まで3年連続2試合を戦っており、試合の機会が少なく厳しい時を過ごす日本人選手とは対照的に順調なキャリアを築いている。

前述したように試合内容、アピールとONEのニーズにしっかりと応えているウォンイル。今回の対戦相手であるシネチャグタガも、その良さを十分に発揮できるパンチャーだ。中原由貴とイリャ・フレイマノフに連敗を喫し、バンタム級に転向したシネチャグタガはチェン・ルイを相手にスプリット判定勝ちで、まずは結果を残した。

とはいっても最大の強味であるアグレッシブなパンチが、常に大振りとなりテイクダウン防御も甘く、フェザー級時代と比較して階級を落としたメリットよりも、デメリットが目立つファイトだった。バンタム級2戦目となるウォンイル戦で、如何にアジャストして挑むことができるか。

モンゴル人ストライカーらしい、圧と瞬発力を持った──良い時のシネチャグタガの動きを取り戻していれば、ウォンイルもプレッシャーを真正面から受け止めることはできない。しかし、修正できないでリングに上がるようだと──キックと拳の融合を含め、技術的に上回るウォンイルの打撃の的になってしまうだろう。

バンタム級注目の一番、2試合目もモンゴル人ファイター絡みだ。35歳の遅れてきたルーキー=エンフオルギルは2022年のRoad to ONE Mongoliaを制し昨年4月にONE FFでプロモーション・デビュー。アドニス・セビジェーノ、在バンコクのロッキー・バクトル、ラカイの御曹司ジャンロ・マーク・サンジャオとフィリピン勢に3連勝を果たしている。

打撃は決して上手くはない。打つために打たれる。ただし、そこから組んでテイクダウン、トップからの攻めに対しピノイ・ファイター達は太刀打ちできなかった。今回、ロシアのアルテム・ビュラクを相手にフィリピン勢と相対した時と同様のトップゲームを展開できるのであれば、ドロドロのファイトで粘ることができるエンフオルギルの価値はさらに上がるだろう。

乗れば強いシネチャグタガと、粘りのエンフオルギル。まるで性格の違うチンギス・ハンの末裔が、どのような戦いを見せるか楽しみなファイトナイトだ。断トツのキック&ムエタイの質と量、グラップリングのトップを揃えたONEにあって、最近のMMAはチャンピオンがキックやグラップリングに駆り出されるなど、興行の軸となっていない印象が強い。とはいえマーケットとしてキックよりも大きなMMAは、初進出を果たすカタールや9月と10月大会が発表された米国に定着するために欠かせない。2024年はランキング制に基づいたMMA各階級のストーリーラインが展開されるのか──注視したい。

■放送予定
1月13日(土・日本時間)
午前10時00分~ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN18対戦カード

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シャミル・ガサノフ(ロシア)
オ・ホテク(韓国)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
スーブラック・トー・プラン49(タイ)
ステファン・コロディ(アイルランド)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
クォン・ウォンイル(韓国)
シネチャグタガ・ゾルツェツェグ(モンゴル)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
ルンラーウィー・シッソンピーノン(タイ)
シャーキル・タクレティ(イラク)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
アルテム・ビュラク(ロシア)
エンフオルギル・バートルフー(モンゴル)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
リアム・ノーラン(英国)
アリ・アリエフ(ロシア)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
ミカイル・ジャマル・アブドゥルラティフ(オランダ)

<キックボクシング・ライトヘビー級/3分3R>
ベイブラット・イスアエフ(ロシア)
ユーリ・ファーシス(ルーマニア)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
マーク・アベラルド(ニュージーランド)
イブラヒム・ダウエフ(ロシア)

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MMA MMAPLANET o ONE ONE FN02 オ・テホク 高橋遼伍

【ONE FN02】高橋、判定負け。ダメージ>積極性を覆すレフェリング。レフの介入をどこまで認めるのか

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
オ・テホク(韓国)
Def.2-1
高橋遼伍(日本)

上背で劣る高橋、ジャブから前に出るオ・テホクがワンツーを見せる。間合いを測る両者、ブーイングが起こり高橋がカーフを空振りする。オ・テホクにケージを背負わせた高橋が右カーフ。続いて、オ・テホクが前に出る。それでも距離を詰めた高橋が右カーフを蹴り、ワンツーで右を当てる。オ・テホクの右オーバーハンドをかわした高橋は、ダブルレッグを切る。オ・テホクは首相撲から離れると、カーフを受ける。

やや遠めの距離から右を当てたオ・テホク、一瞬腰が落ちた高橋に対し、スイッチして左ミドルを蹴る。さらに左を入れたオ・テホク、高橋が右を入れる。そして右カーフを2発入れた高橋は、右に回るオ・テホクにカーフを蹴る。オ・テホクは左ローからワンツー、かわした高橋は左ハイをブロックする。カーフは当たる高橋、右回り基調の動きをジャッジがどのように判断するか。

2R、前蹴りからハイを狙うオ・テホクは、カーフにパンチを合わせていくが高橋の左を被弾して姿勢を乱す。続くスクランブルで上を取った高橋は、試合がスタンドに戻ると前蹴りでケージ際に下がる。ここからのステップインに左を合わせようとする高橋は、長い距離のミドルにステップバックもオ・テホクが前蹴りを繰り出す。高橋はカーフのタイミングを計るファイトのなかで、オ・テホクが距離を詰め高橋に「攻めろ」と注意が入る。

カーフで姿勢を崩しながら、組んだオ・テホクが首相撲でヒザをボディに突き刺す。回って左のカウンター狙いの高橋は、ついにイエローカードを提示されてしまう。決して戦っていないわけではないが、下がっての攻撃をレフェリーが評価しないのであれば致し方ない──のか。アジャストが必要な高橋は、オ・テホクのテイクダウン狙いを切って逆に上を取る。

胸を合わせて離れたオ・テホクが前蹴り、続くテイクダウン狙いを切った高橋がケージに押し込む。胸を合わせ状態で脹脛を蹴っていった高橋は離れて、右カーフを入れる。カーフの蹴り合い、最後も回った高橋はイエロー分リードを許したか。

最終回、ここも前に出るオ・テホク。高橋はレフェリーに「赤コーナー、攻めろ」と叫ばれてしまう。右カーフを蹴って離れる高橋、オ・テホクが蹴りで前に出る。と、またも高橋にイエローカードが提示される。MMAは前に出るしかないのか──というレフェリーの試合の創りだ。

これでオ・テホクがリードするなら、ダメージよりアグレッシブネスが評価されたことになる。オ・テホクのダブルレッグを切った高橋だが、続く局面でバックに回られスタンドで背中を取られる。両足をフックしたオ・テホクが着地すると、高橋は胸を合わせてクリンチへ。残り2分半、離れるとローに右アッパーを合わせていった高橋は右カーフを空振りする。それでもカーフのダメージが蓄積し、ステップも不自然なオ・テホクは前に出ても姿勢を乱す。またもアクションと声を掛けるレフェリー。高橋はローに右アッパーを入れ、カーフでオ・テホクの動きが止まる。

ここでカーフを続けたい高橋は、ステップインにアッパーを合わせテイクダウン狙いのタイミングで左の蹴りを繰り出す。逃げの組みに徹してきたオ・テホクだが、それでも視覚的にも前に出続けタイムアップに。

結果、判定はスプリットでオ・テホクに軍配が挙がった。ジャッジとすれば、イエロー2つの提示に従うとこうなるのも致し方ない。と同時に、ONEの判定基準はニア・フィニッシュ>ダメージ>アグレッシブネスのはず。イエローが出た時点で高橋も前に出る必要性があることは確かだが、ファンがエキサイトする方向性のレフェリングのなかで、ダメージ重視の裁定基準が除外されるとサークルケージの戦いに矛盾が生じる。

下がって打つのは技術。前に出るのも技術。迎え撃つのも技術。現に高橋はステップインにパンチを合わせてダウンといっても良い攻撃も見せていた。それが下がって攻撃をかわし、タイミングを測ることでカーフで与えたダメージもろとも帳消しになるのであれば、ここでの戦いは下がることを認めないフェンシングになってしまう。

このレフェリングは、MMAをミスリードする。立ち会いから、真正面でぶつかるのがONEのMMAであればそれをルールブックに明記し、裁定基準を変更する必要があるだろう。


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