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MMA MMAPLANET o UFN215 ザルガス・ズマグロフ チャールズ・ジョンソン ボクシング

【UFN215】インローで右足を殺したズマグロフだが、スプリットでジョンソンに下り目を向く

<フライ級/5分3R>
チャールズ・ジョンソン(米国)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
ザルガス・ズマグロフ(カザフスタン)

左ローを蹴ったズマグロフ、ジョンソンは右ジャブを伸ばすが左インローを続けられる。左ミドルに右を合わせていったズマグロフが、再び右を放つ。ここで掌を出したジョンソンの指が目に入ったと試合が中断する。再開後、スイッチして左リードフックを繰り出す。右オーバーハンドから左ボディを決めたズマグロフが、序盤をリードした。左の蹴りにも腹を殴られ、右オーバハンドを被弾したジョンソンは離れたズマグロフにジャブを当てるが、ローに右を受けて姿勢を乱す。そのジョンソン構えを変えるが、真っすぐ下がるところでボディや顔面を殴られる。

右を当て、もう1度右をヒットさせたジョンソンの左ローが急所に入り、ズマグロフは目を向いてブレイクを要求する。1分40秒のインターバル後に試合はリスタートされ、ズマグロフが右オーバーハンドを決める。さらに左ボディから右を入れ、続いて右オーバーハンドを当ててダブルレッグでテイクダウンを奪う。すぐに立ち上がったジョンソンがボディロックに払い腰を仕掛ける。倒れずに離れた両者、直後にジョンソンが腹への蹴りを連続で決める。と左フックを空振りしたジョンソンが一瞬動きを止めたが、後ろ回し蹴りから圧を掛け、右ハイを入れて時間となった。

2R、ジャブにローを合わせるズマグロフの左に、ジョンソンが左フックを合わせる。ズマグロフが左インロー、ボディから左オーバーハンドを振るう。ダブル、トリプルの左ジャブ、左ミドルをさらに左ボディストレートを決めたジョンソンは、オーソに構えると右前蹴りを入れる。直後の攻防でアイポークだと非難するズマグロフだが、レフェリーが流す。即座に左右のパンチで前に出て、ダブルレッグを仕掛けたズマグロフのヒザ蹴りがジョンソンの急所にモロに当たる。

うめき声を挙げて崩れたジョンソンだが、50秒で試合に戻った。ズマグロフはボディから顔面というコンビを多用しする。そのズマグロフの前手を叩くジョンソンが、左ミドルを連続で蹴るがボディから顔面へのコンビを受ける。ジョンソンはローを多用するも、キャッチされテイクダウンを奪われ──背中を見せて立ち上がると、胸を合わせてヒザを腹に突きさす。太腿、ワキ腹にヒザを入れたジョンソンはズマグロフの払い腰を耐えて、ボディにヒザ蹴り、ダーティボクシングで腹から顔面を殴り、ラウンド終了間際に右ボディフックを決めた。

最終回、リードフックの打ち合いから、ジョンソンの右ローが急所に入ったとズマグロフがアピール。計4度目のインターバルに。触れた感があるだけだが、当たっていることは当たっているのでズマグロフのアピールは正当だ。ここも1分40秒以上のインターバルとなり、合計で1R分のインジュアリータイムが与えられたことになる。

再開後、右足を蹴られたジョンソンが右ヒザを確認するように触れ、構えを変える。痛めた合図をズマグロフに送ったようなものだが、ジョンソンは右足で足踏みを続け、気合を入れてパンチを伸ばす。オーソだけでなく、サウスポーでも構えるジョンソン──、ズマグロフは足に神経をやり過ぎたか左フックを打たれて下がる。左右に回り、動きが落ちたズマグロフはジョンソンの右を被弾し、さらにジャブを受けて距離を取る。それでもワンツーで前に出て、左ローを蹴ったズマグロフが左を伸ばす。

ジョンソンは右足で地面を踏みつける仕草を続け、ズマグロフの右に左を被せていく。残り90秒を過ぎ、動きが完全に落ちたズマグロフに対して手数が増えたジョンソンが、ダブルレッグを仕掛けて離れ際にパンチを打ち込む。続いて右前蹴りで突き放し、ダブルレッグを切るとジョンソンはシングルからバックを回りつつ、ボディへのヒザ、右フックを打ち込む。最後までラッシュを掛けようとしたジョンソンだが、残り数秒を残したところで殴るのを止めズマグロフとハグをした。

ボディ、ローを効かせたズマグロフが連敗を2でストップした──と思いきや、ジャッジはスプリットでジョンソンを支持した。この裁定にも目を向いて驚いたズマグロフ、コーナーのパウンピーニャも苦笑いを浮かべるしかなかった。


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MMA MMAPLANET o UFN215 マイルズ・ジョンズ ヴィンス・モラレス

【UFN215】我慢、我慢。一線を越えないファイトでジョンズが、モラレスから3-0の判定勝ち

<バンタム級/5分3R>
マイルズ・ジョンズ(米国)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28
ヴィンス・モラレス(米国)

間合いを測る両者、40秒を経過してジョンズが前に出てワンツー、届かず右ローを蹴る。モラレスの左ジャブに右を当てたジョンズは、ゆっくりとした流れのなかで右を被弾しそうになる。モラレスは右前蹴りが届かず、右オーバーハンドもジョンズが距離を取る。互いに隙を与えない我慢比べが続き、極端に手が少ない試合に。互いに左フックを振るうが、クリーンヒットはなく時間が進む。ジョンズが踏み込んで右オーバーハンド、かわしたモラエスは残り30秒のダブルレッグも切る。最後の10秒で左フック、右ボディフックをジョンズが入れ。最終局面でモラレスが左フックをヒットした。

2R、ジャブを伸ばす両者。初回よりもやや近めの距離に立つものの様子見の展開にそれほど変わりはない。ジョンズがシングルのフェイク、反応したモラレスが下がる。ジャブの差し合い、ローから左と互いに同じ手順で攻め手を増やす。と、そこでシングルレッグに出たジョンズだが、モラレスはケージに押し込まれて足を抜いて離れる。と、ジョンズにアイポークがあったと試合が中断する。

再開後、鼻血が見られるジョンズはジャブをもらい、圧を高めて右を振るう。モラレスは一瞬のクリンチから離れて左ジャブを見せる。右カーフを蹴ったジョンズに対し、モラレスは前蹴りもなかなかエンジンはかからないファイトが続く。ワンツーの右を当てたジョンズが、左を振るってこのペースのなかでペースを握っている。ラウンド終了真木愛和にシングルからダブルレッグでスラム、ジョンズがラウンドをまとめた。

最終回、ジャブから右を伸ばすモラレス。ケージを背負って回る中で、右を当てる。ジョンズはシングルレッグで反対側のケージまでドライブし尻もちをつかせる。すぐにモラレスが立ち上がり、離れたジョンズがジャブを当てる。ジョンズはカーフを蹴り、モラレスはパンチから蹴りのコンビでミドルを入れる。ジョンズのオーバーハンドは空振りとなり、モラレスがワンツーを届かせる。と、ジャブと同じリズムでシングルに入ったジョンズだが、モラレスは切って間合いを取る。残り2分、シングルでケージにモラレスを押し込んだジョンズだが、キムラから離れられる。

すぐにシングルに出たジョンズ、このまま時間を使って逃げきりをはかる。キムラでテイクダウンを耐えたモラレスは、最後に胸を合わせていったが、もう一度ジョンズが背中に回って時間に。制空権を守る戦い、相手の懐に踏み込むのはジョンズのテイクダウンのみという試合は、そのジョンズが3-0で勝利した。


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MMA MMAPLANET o UFN215 リッキー・トゥルシオス

【UFN215】ノンストップ。TD→スイッチ&リバーサルの攻防。トゥルシオスがナタヴィダットに競り勝つ

<バンタム級/5分3R>
リッキー・トゥルシオス(米国)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
ケヴィン・ナタヴィダッド(米国)

開始直後にトゥルシオスが後ろ回し蹴りを見せるが、当たらず。ナタヴィダッドがダブルレッグを決めテイクダウンを奪う。トゥルシオスの足関節狙いに鉄槌をナタヴィダッドが落とし、スクランブルでトゥルシオスは腰をコントロールしに掛かり立たせない。

右足を両足で挟み、左足のアンクルを取るトゥルシオスだったが、足を抜いたナタヴィダッドが逆に組んでバックに回る。フックしようとした足を抱えてコブラでバックに回ろうとして潰されたトゥルシオスが足関節狙いから、股潜りでバックへ。さらに足関節を狙い、最終的にスイープからトップを取りに行く。ナタヴィダッドもシングルを仕掛けてレッスルアップ、エルボーを打ち込んでから離れると右ミドルを決める。直後にトゥルシオスがダブルレッグでテイクダウンを奪い、スクランブルでバックへ。

RNC狙いの瞬間に胸をナタヴィダッドが合わせる。ナタヴィダッドのシングルレッグに対し、トゥルシオスがスイッチから足を抱えてガードを取り、そのまま煽ってスイープを狙う。反応して立ち上がったナタヴィダッドはがぶって立ち上がり、トゥルシオスをケージにつめていく。離れると右ミドルを決めたナタヴィダッドは、シングルレッグから前方に崩されバックを譲る。背中を取られたまま立ったナタヴィダッドが離れ正対──時間となった。

2R、ジャブからローを蹴るトゥルシオスは右ミドルを蹴られた直後に、ダブルレッグへ。ナタヴィダッドのキムラに足を抱えて引き込んだトゥルシオスはハーフから右腕を差してスイープ狙い。両者が立ち上がって離れると、ナタヴィダッドがローを蹴りダブルレッグを決める。フックガードのトゥルシオスを殴るナタヴィダッドが、スクランブルで立ち上がり際にシングルレッグを仕掛ける。尻もちをついたトゥルシオスがハーフから、起き上ってシングルレッグでレッスルアップし離れる。直後に左フックを被弾したトゥルシオスが後方に崩れそうになる。

すかさず組みついてナタヴィダッドをケージに押し込むトゥルシオスは、離れると右フックを打たれる。ここからワンツーからスリーを入れたトゥルシオスは、ダブルレッグで倒されるとバックを譲りつつ、巻き込んで前転しながらトップを取る。ナタヴィダッドのシングルにバックに回ったトゥルシオス。ナタヴィダッドは引き込んでから、即シングルで起き上がり、ケージにトゥルシオスを押し込んでアンクルピックへ。ケージを背にして耐えたトゥルシオスはスイッチからバックに回る。残り10秒でナタヴィダッドが向き合い、距離を取って時間となった。

最終回、ナタヴィダッドが左フックをヒット。トゥルシオスもワンツーを返していく。力の入った打撃戦、ナタヴィダッドが右アッパーから左縦ヒジ、さらにシングルレッグからダブルに移行してテイクダウンを決める。トゥルシオスのレッスルアップにアナコンダから後方回転のナタヴィダッドだが、トゥルシオスもハーフを取って上体を起こすとシングルレッグから立ち上がる。

離れた両者、ナタヴィダッドが飛びヒザを見せてダウンを奪う。すぐに立ち上がって距離を詰めてくるトゥルシオスに跳びヒザ、そして前蹴りをナタヴィダッドが決める。ケージに押し込まれたナタヴィダッドは、シングルレッグでテイクダウンを奪う。トゥルシオスもスイッチ狙い、スペースを作って切ろうとしたナタヴィダッドは、シングルレッグからスクランブルを許す。

一度間合いを取りなおした両者、ケージでのクリンチを経て今一度離れると、ナタヴィダッドがダブルレッグでテイクダウンを決める。トゥルシオスはスイッチからリバーサル、バックを取って両足をフックする。バックグラブで殴られ、RNCをセットされたナタヴィダッドが、手首を掴んで何とか防ぎ。シングルアームで絞め続けるトゥルシオスだが、背中を取り切れておらず、ナタヴィダッドは反転して胸を合わせに行く。トゥルシオスは上体を起こしてマウント狙いから、背中を見せたナタヴィダッドが思い切りパウンドを落としてタイムアップとなった。

ナタヴィダッドは7つのテイクダウン、トゥルシオスは2つのリバーサルとバッググラブ&RNCとパウンド。ただし、ナタヴィダッドは左フックと跳びヒザのノックダウンもある──ジャッジ泣かせのノンストップアクションは、2-1でトゥルシオスに凱歌が挙がった。が、最終回は9-9つまり10-10で29-29で白黒つけず再戦が見たくなる好勝負だった。

「素晴らしい試合だった。オクタゴンに上がって、戦った。コンピューターの後ろで色々なことを言う連中がたくさんいるけど、勘弁してくれ。本当に素晴らしい試合だった。ここには徹底的にやり合うために来ている。すっからかんになるまで、ウォリアーズスピリッツを持って戦った。だから『君のためにやりきった。TVでこの試合を見ている君のためだ。夢に向かい、欲望を燃やせ。枠組みをぶっ壊せ、痛み乗り越えろ。君の心の奥底にある──本当の幸せを見つけ出すんだ』」と勝者は語った。


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【UFN215】フィアーリョと対戦、散打王ムスリム・サリコフ─02─「散打ファイターではダメなんだ」

【写真】非常にゆったりした感のあるサリコフ。殺気を全く纏わない強者 (C)Zuffa/UFC

19日(土・現地時間)はネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN215:UFN on ESPN+73「Lewis vs Spivak」が開催され、アンドレ・フィアーリョと対戦するムスリム・サリコフ・インタビュー後編。

リー・ジンリャン戦の敗北からの再起戦となるサリコフだが、そのジンリャン戦での準備不足の厳禁はロシア人ファイターあるあるというべきビザ取得に起因していた。ロシア・ダゲスタンの歴史に名を残す散打ファイターは、38歳になってなお純粋に強さを求めるウォリアーだった。

<ムスリム・サリコフ・インタビューPart.01はコチラから>


──ではムスリムはなぜMMAに転向したのでしょうか。ヴォルク・アターエフやザビット・マゴメドシャリポフと比べても、圧倒的に散打の世界で成功を収めており、その実績だけで散打界で大御所としてやっていけたのではないですか。

「ただ僕がウォリアーだからだよ。ベストファイターと戦いたい。僕はいつだって引退できる。でも毎日のようにスクールに行って、コーチと会って、皆と練習する日々を送りたい。まだハングリーなままなんだよ。だからMMAに転向したんだ。グセインはちょっと年を取ったけど、今もスクールに来てアドバイスをくれるよ。動きよりも、言葉で僕をサポートしてくれている。

もう僕も十分に経験を積んできたから、トレーニングに関しては自分のやり方が確立しているしね。そして試合前になるとATTに行って、ファイトキャンプを行っている。ATTはベストのMMAジムだよ」

──過去5年間負け無しだったのですが7月にリー・ジンリャンに敗れ、今回の試合は仕切り直しの一戦にになります。

「とても大切な試合になる。この試合で勝てば、UFCでの未来が広がる。ただし負けても……何も失うモノはない。UFCがチャンスをくれれば、また戦う。僕はウォリアーのままだから。ただし、今回の試合は前回とは違ってベストシェイプだ。リー・ジンリャン戦は、満足いく調整ができなかった。

ビザが取れず、試合の10日前になってようやく手にすることができたんだ。大切な調整の時期にビザを取るために色んなところに足を運びまくった。最終的にアルメニアまで行ってようやくビザを取得できたんだ」

──アルメニア……。それは大変でした。つまりATTでファイトキャンプを張ることもできなかったわけですね。

「今、ロシア人がビザを取るのはちょっと大変だからね。それでも最後のパンチを被弾するまで、僕の方が試合は優勢だった。あの状態で戦っても、最初の2Rを取ることができた。でも一発で逆転負けした。それがMMA。一発で勝負が決まる。アレがラッキーパンチとは言わない。彼が僕をKOしたんだ。そして今回はずっと体調が良い。もっと良い戦いができる」

──フィアーリョの印象を教えてください。

「フィアーリョは良い選手だ。若くて、常にフィニッシュを目指している。好きなタイプなファイターだよ。彼も僕もフィニッシュを狙うから、激しい試合になる。大歓迎だ」

──フィアーリョはリー・ジンリャンと同じキルクリフCFで練習している選手です。ムスリムのデータを共有しているのではないでしょうか。

「全く問題ない。あの体調の悪さで2Rまで僕が勝っていた相手から情報を得ていても、今回の僕の調子はまるで違うからね。フィアーリョがリー・ジンリャンのチームメイトということは全く気にならないよ。

ベストチームであるATTで、10週間も最高のチームメイトとしっかりと練習できた。何も恐れるものはない」

──ムスリムはパンチと蹴りが連動しており、抜群の距離とタイミングの取り方ができます。今回のフィアーリョ戦、キーポイントはどこになると考えていますか。

「全てだよ。これはMMAだからね。コンプリートファイターにならなければいけない。散打ファイターではダメなんだ。レスリングも柔術も理解して、戦う必要がある。コンプリートファイターになるためにレスリングと柔術に力を入れてきた。しかも、素晴らしいコーチに恵まれているから、メキメキと力をつけている。MMAで勝つには、コンプリートファイターでなければいけない」

──ムスリム、今日は試合前にもかかわらず、貴重な話を聞かせて頂きありがとうございました。

「日本のファンに散打とコーチの歴史、我々のスクールの話をすることができて良かった。グセインはソビエト共産党政府の目を逃れて空手の稽古をしていた。彼がソ連政府に目をつけられながら、諦めずに稽古を続けたからこそ、今のスクール、今の僕がある。それを皆に分かってもらいたい。僕も日本を尊敬している。グセインが侍、日本人、空手についていつも話をしてくれた。そんな日本のファンに僕の試合を楽しんでもらいたい」

■視聴方法(予定)
11月20日(日・日本時間)
午前3時00分~UFC FIGHT PASS

<ヘビー級/5分5R>
デリック・ルイス(米国)
セルゲイ・スピヴァク(モルドバ)

<ライトヘビー級/5分3R>
イオン・クテレバ(モルドバ)
ケネディ・ンゼチェクウ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
チェイス・シャーマン(米国)
ワルド・コルテスアコスタ(ドミニカ)

<ウェルター級/5分3R>
ムスリム・サリコフ(ロシア)
アンドレ・フィアーリョ(ポルトガル)

<ウェルター級/5分3R>
ジャック・デラ・マダレナ(豪州)
ダニー・ロバーツ(英国)

<フライ級/5分3R>
ザルガス・ズマグロフ(カザフスタン)
チャールズ・ジョンソン(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ジェニファー・マイア(ブラジル)
マリナ・モロズ(ウクライナ)

<バンタム級/5分3R>
マイルズ・ジョンズ(米国)
ヴィンス・モラレス(米国)

<バンタム級/5分3R>
リッキー・トゥルシオス(米国)
ケヴィン・ナタヴィダッド(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
マリア・オリヴェイラ(ブラジル)
ヴァネッサ・デモポウロス(米国)

<バンタム級/5分3R>
ファルニ・ガルシア(メキシコ)
ブレディ・ヒースタンド(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ナタリア・シウバ(ブラジル)
テレザ・ブレダー(チェコ)

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【UFN215】MMAふしぎ発見! フィアーリョと対戦、ムスリム・サリコフが語る─01─「散打の歴史 in ロシア」

【写真】初めて聞く話ばかり。試合前でなければ、もっと色々と教えて欲しかった (C)MMAPLANET

19日(土・現地時間)はネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN215:UFN on ESPN+73「Lewis vs Spivak」が開催され、メインカードのウェルター級でムスリム・サリコフがアンドレ・フィアーリョと対戦する。

リー・ジンリャンに敗れ再起戦となるサリコフは、キング・オブ・カンフーの異名を取る散打出身のストライカーだ。北京五輪と同時開会された北京武術(ウーシュウ)トーナメントの85キロ級金メダリストのサリコフは世界大会で5つの金メダルと1つの銀メダルを獲得しており、散打の歴史で非中国人として最も成功を収めたことで知られている。

そのサリコフにインタビューを試みると彼が指導を受けたマーシャルアーツスクールの存在から、ロシア及びダゲスタンにおける散打の発展理由が語られた。

なぜロシア人ファイターは散打をバックボーンにしているファイターが多いのか──そしてサリコフだけでなく、ヴォルク・アターエフやサビッド・マゴメドシャリポフのような散打ファイターがダゲスタンで生まれた秘密が明らかとなった。


──キング・オブ・カンフーのインタビューができてとても嬉しく思っています。

「ノープロブレム。僕も日本のファンと触れ合える機会がなかったので、インタビューをしてもらってとても嬉しく思っている。スパシーバ。日本という国は僕にとって、とても大切な国だからね」

──ダゲスタン生まれ散打で数々の栄光を手にして来たムスリムですが、日本が大切というのはどういうことでしょうか。そもそも散打がなぜロシアで盛んなのかの分かっていないのですが……。

「ロシアではなくて、ダゲスタンで盛んなんだ。散打はダゲスタンでもっと盛んなアマチュアスポーツの1つだよ。多くの人々が散打のトレーニングをしている。空手もそうだよ。ダゲスタンの人間はボクシング、レスリング、そしてマーシャルアーツが好きなんだ。今では柔術も人気があるよ」

──ムスリムと散打の出会いはいつ頃だったのですか。

「僕は7歳の時にダゲスタンの首都マカチハラから父の故郷であるブイナスクの近くにあるハリムベガウルという小さな村に引っ越したんだ。その時、近所の子供達がマーシャルアーツ・スクールに通っていているのを見た。それがピャーチ・スタロン・スィウェタ(ファイブ・ダイレクションス・オブ・ザ・ワールド)という世界一の規模を誇る武道学校だったんだ。先生のグセイン・マガマエフは若い頃から空手の稽古を積んでいた人物で(双子の兄弟と重量挙げの経験があり、叔父からコンバットサンボの指導を受けた時期もあった)」

──ソビエト連邦時代、空手の練習は禁じられていたと聞いたことがあります。

「その通りだ。彼は空手の稽古をしてチャンピオンにもなった。でも、共産党は空手のトレーニングを突如禁じ、誰もが表立っては空手ができなくなった。でも彼は地下に潜って空手の稽古を続けた。

と同時にグセインは中国に渡り、武術散打を学んだ。中国は知っての通り共産党の国だから空手は禁じられても、ソビエト連邦の共産党政府は中国の格闘技である散打を学ぶことは認めていたんだよ。共産党政府は取締りの目を光らせ、空手の稽古をしていないか監視した。だからグセインも表立っては散打の練習と指導はきなかった。そして監視役が立ち去ると、リアルマーシャルアーツ……ファイトのトレーニングをしていたんだ(笑)」

──なるほどぉ、共産党繋がりで散打はソ連で認められていたと。なのでソ連崩壊後もロシアのMMMAファイターには散打の経験者が多いということなのですね。いやぁ、全然知らなかったです。

「当時グセインはモスクワに居を構えていたけど、1982年にマーシャルアーツを禁じるという取り締まりを受けたのをきっかけに1984年にダゲスタンに戻り、ブイナスクに小さなスタジオで散打の指導を始めたんだよ。僕がブイナスクに住むようになったのが1991年でまさにソビエト社会主義共和国連邦が崩壊する年だった。

僕は父に『皆、何をしているの?』と尋ねた。すると父は『あの子たちはファイトしに行っているんだ。ブルース・リーみたいなマーシャルアーツだよ』と答えてね(笑)。僕はブルース・リーの大ファンで、映画を何本も視ていたから『僕も通いたい』って哀願してね。父は僕を連れてグセインのマーシャルアーツ・スクールに連れて行って話をしてくれた。回りは僕よりも年上の生徒が多かったけど、その日から散打を練習をするようになった。風邪をひいたり、体調が悪くなった日以外は毎日のようにスクールに通った。

僕の先生は散打を指導してくれたけど、彼のベースには空手がある。だから日本は僕にとって大切な国なんだ」

──グセインさんは政府や連盟などのサポートがあって、それだけの大きなマーシャルアーツ・スクールを運営できていたのでしょうか。

「もともと小さなスタジオから始まって、徐々にジムを拡張していった。彼は自分の力でスクールを今の規模まで大きくしたんだ。ただ建物に関しては政府が、提供しているはずだよ。そしてダゲスタン共和国の教育科学省の認可を受け、マーシャルアーツの寄宿学校にまで成長している」

──いやぁ、想像の範疇を越えていますね。

「今では散打だけでなくテコンドー、空手のクラスもある。ヴォルク・アターエフ、ザビッド・マゴメドシャリポフ、マゴメド・マゴメドフらもグセインの教え子だよ。今ではグセインの教え子が他の街にスクールを創っているので、ダゲスタン中にグセインのマーシャルアーツ・スクールが存在しているんだ。ダゲスタンがコンバット・スポーツで強いのは、グセインの教え子たちが全土で打撃を指導しているからだよ」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
11月6日(日・日本時間)
午前5時00分~UFC FIGHT PASS

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