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MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN52   アダム・ヒューギット ビリー・ゴフ ヘンリー・フーフト 佐藤天 木下憂朔

【UFC ESPN52】オクタゴン2戦目、初勝利へ。木下憂朔─01─「まずは自分が落ち着いて戦うこと」

【写真】先週末から、すでにシンガポール入りしている木下(C)SHOJIRO KAMEIKE

26日(土・現地時間)、シンガポールのインドアスタジアムで開催されるUFC225で、木下憂朔がビリー・ゴフと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

昨年8月にDWCSからUFCとの契約を勝ち取った木下は、活動拠点を米国フロリダのキルクリフFCへと移し、今年2月にオクタゴン初戦を迎えた。しかし結果はアダム・ヒューギットに1R TKO負け――。あれから6カ月、シンガポールの地で復帰戦に臨む木下に、前回の試合と半年間の成長について訊いた。


――今日はよろしくお願いいたします。すでにシンガポールに入っているのですね(※取材は18日に行われた)。

「はい、昨夜シンガポールに到着しています。時差があるので、ファイトウィークの前に入って体を慣らしておこうと思ったんです。前回のラスベガスもビザの問題があって一度日本に帰国したので、同じように体を慣らそうと少し前に入っていました」

――今回はフロリダからシンガポール入りしたかと思いますが、長旅ではなかったですか。

「メチャクチャ遠かったです(笑)。フロリダからサンフランシスコを経由して、サンフランシスコからシンガポールへ――24時間ぐらい掛かりました。これからボチボチと体が慣れてくると思います」

――なるほど。今年2月のアダム・ヒューギット戦から6カ月が経ちました。この半年間、何か新たに取り組んできたことはありますか。

「もともと自分にレスリングの部分で足りないところがあるのは分かっていました。この期間はレスリングについて詰めてきました。ただ、前回の負けは自分にとって技術云々ではなくて。僕の中で緊張感が無さすぎたというか」

――緊張感が無さすぎた……、どういうことでしょうか。

「なぜかは分からないけど、今までの試合の中で一番緊張していなかったと思います。『あぁUFCだ』みたいに楽しんじゃっていて……。相手もUFC初勝利を目指して必死なのに、それも忘れていました。結果、そういう雰囲気に飲まれて負けてしまったんです。だから今回は、練習の時から集中するように心がけてきましたね」

――緊張感が無いことに関して、試合前から自覚はなかったのですか。

「いつもより緊張せえへんなぁってぐらいにしか感じていませんでした。もともと試合前にメンタルをコントロールしようとはしていなかったので、『このまま緊張感が無いほうが自分には合っているのかな』と思っていたんですよ。でも負けてしまって、試合後にメンタルのコントロールや集中力について考えるようになりました」

――そのヒューギット戦から今回のビリー・ゴフ戦まで感覚が6カ月も空いた理由は何だったのでしょうか。

「ヒューギット戦の後にチームの中で『もっともっとトレーニングして、自分自身のレベルを上げてから夏ぐらいに試合ができれば良いかな』っていう話をしていたんですよ。そこで夏にシンガポールで戦うオファーが来て。ここを逃すと間隔が空きすぎて、練習していてもダラけてくると思ったのでちょうどタイミングが良かったです」

――KO負けを喫すると即、次の試合を望むファイターも多いです。木下選手の場合は、もっと間隔を空けようと考えたのですね。

「最初は、早く次の試合をしたかったです。僕の中でも『なんで負けたんや……』という気持ちが強くて。自分が持っているものを出せれば勝てる試合やったと思います。でも、そんなに急いでも仕方ないですからね。まだ年齢も若いし、別に明日ランキング戦をしなきゃいけないわけでもない。何年も先を見据えてトレーニングしていこうと考えました」

――キルクリフFCのチームメイトは、ヒューギット戦の内容について何と言っていましたか。

「セコンドに就いてくれたヘンリー・フーフトからは『相手を見なさすぎる』と。僕が『何の駆け引きもせず、自分のパンチが当たれば倒せる』と思っていて。とりあえず前に、前にと出て行ったらテイクダウンを取られてしまったんです。そこから疲れて、パンチを当てられて……。だからヘンリーからも『もっと駆け引きをしよう』と言われました」

――これまで国内で戦ってきた相手と、世界一の舞台であるUFCで戦う相手を比較して、そこに差は感じなかったでしょうか。

「それは感じなかったです。レベルの差っていうのは、トップ選手以外はそんなに変わらへんのかなと思っていますね。まずは自分が落ち着いて戦うこと。自分が考えることを実行できるように練習を繰り返してきたので……。考えたら普通のことなんですけどね。今まで、あんまりやってこなかったので(苦笑)。今回の試合は自信があります」

――それは楽しみです。ヒューギット戦の前と今回では、キルクリフFCでの練習期間が異なりますよね。

「ヒューギット戦の前は2カ月半ぐらいで、今回は半年間ですね」

――2カ月半と半年間では、練習内容も身に付いたものも違いますか。

「全然違います。……具体的に何が違うかは分かっていないんですけど(笑)。まず練習で繰り返すことって大事やなと思いましたね。それとこの半年間で、ジムの仲間とも打ち解けてきました」

――コミュニケーションも問題ない?

「いえ、英語は全く喋れないです(苦笑)」

――えっ……。どうやってチームメイトとコミュニケーションを取っているのですか。

「英語は喋れないけど、コミュニケーションは取れるんですよ。格闘技やから身振り手振りを交えて教えてくれますし、それで何となく理解できたことに対して、パッションで返すというか(笑)」

謎の声 アハハハ!

――横で爆笑しているのは、どなたですか(笑)。

「佐藤天さんがいます。今回はシンガポールにも一緒に来てくれていて、すごくお世話になっているんですよ」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
8月20日(日・日本時間)
午後6時~UFC FIGHT PASS
午後5時30分~U-NEXT

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MMA MMAPLANET o Road to UFC Road to UFC2023 UFC UFC ESPN50 アダム・ヒューギット ジョン・チャンソン ビリー・ゴフ ファーニー・ガルシア マックス・ホロウェイ 中村倫也 木下憂朔

【UFC ESPN50】木下憂朔のオクタゴン2戦目が、8/26シンガポール大会に決定。対戦相手は新顔ゴフ

【写真】ともに世界最高峰で、初勝ち名乗りを狙う木下✖ゴフ (C)Zuffa/UFC

8月26日(土・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるUFC on ESPN50「Holloway vs Tha Korean Zombie」に木下憂朔が出場し、ビリー・ゴフと対戦することが両陣営から確認が取れた。

木下は今年2月のオクタゴン初陣でアダム・ヒューギットに敗れて以来、半年ぶりのファイトとなる。

対するゴフは木下と同じ昨年のコンテンダーシリーズからUFCとの契約を勝ち取ったファイターで、今回がUFCデビュー戦となる8勝2敗のファイターだ。


木下にとって本格的にキルグリフFC所属なって初めてのファイトということもあり、この間の経験を生かし1人になったUFCウェルター級J-MMAファイターとして、UFC初白星を狙う。

同大会のメインはフェザー級5回戦=マックス・ホロウェイ✖コリアンゾンビことジョン・チャンソンのスーパーカードで、中村倫也のオクタゴン・デビュー戦=ファーニー・ガルシア戦も組まれている。現状、木下✖ゴフで8試合のラインナップが揃っており、通常のUFCの規模でいえば残りは4試合から5試合、さらなる日本人選手の投入があるのか気になるところだ。

また同大会の翌日には同所で5月スタートを切ったRoad to UFC2023の準決勝大会が実施される。MMAファンの夏休み最終週は、シンガポールに行くしかないっ!!

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MMA MMAPLANET o UFC uFC289 アダム・ヒューギット マイク・マロット

【UFC289】地元カナダの大声援を受けたマロットが、ヒューギットを左右フックで倒しギロチンを極める

<ウェルター級/5分3R>
マイク・マロット(カナダ)
Def.2R1分06秒 by ギロチン
アダム・ヒューギット(米国)

サウスポーのヒューギットに対し、マロットがインローと右前蹴りで距離を測る。前手で押さえ合う両者、マロットの右ミドルを食らったヒューギットの動きが止まった。ヒューギットの左ミドルに右ストレートを合わせたマロットは、さらにパンチで追い立てる。地元ファンの大歓声を受けるマロットが、ヒューギットの左ハイをかわした。

ガードを固めて距離を詰めるヒューギットだが、マロットをケージに押し込んでもパンチを打ち返されてしまう。距離を取りながら右ハイを当てるマロット。バックステップの際に足を滑らせたが、すぐに立て直した。右ミドルを当てるマロットは、完全に右ストレートを狙う構えに。残り2分でヒューギットが組みつくも、差し返したマロットが逆にテイクダウンを奪った。

ヒューギットの頭をケージ中央に向け、ハーフガードのヒューギットの頭を抱えてパスを狙う。ここで立ち上がって足を捌こうとしたマロットを蹴り上げたヒューギットが立ち上がった。ヒューギットは左ハイから右スピニングバックフィスト。マロットも右ハイを繰り出す。残り30秒近くでヒューギットの左ハイをキャッチしたマロットが、そのまま背中を着かせた。ヒューギットはラバーガードから右ヒジを突き刺し、ラウンド終了を待った。

2R、ヒューギットが右ジャブから距離を詰める。マロットは蹴りを上下に散らすも、ヒューギットの前進を止めることができない。右前蹴りを放つマロットに対し、ヒューギットはスイッチしながら左右の蹴りを放つ。ここでマロットの右フックからの返しの左フックがクリーンヒットし、ヒューギットがダウン。ヒューギットがスクランブルに持ち込もうとしたところでマロットがギロチンに捕え、マウントハーフガードからマウントに移行してタップを奪った。


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MMA MMAPLANET o UFC uFC289 アイリーン・アルダナ アオリーチーラン アダム・ヒューギット アマンダ・ヌネス イリャ・トプリア エイマン・ザハビ エリク・アンダース カイル・ネルソン クリス・カーティス ジャスミン・ジュスダヴィチェス スティーブ・アーセグ ダン・イゲ ダヴィッド・ドヴォルザーク ナソーディン・イマボフ ネイト・ランドヴェール マイク・マロット マット・シュネル マテウス・ニコラウ マネル・ケイプ マフクアンドレ・バリユー マリア・オリヴェイラ ミランダ・マーヴェリック

【UFC289】豪州からの新顔アーセグと対戦、ダヴィッド・ドヴォルザーク「欧州でも準備はできる」

【写真】2連敗の経験を糧とできるか(C)MMAPLANET

10日(土・現地時間)、カナダはバンクーバーのロジャース・アリーナで開催されるUFC 289「Nunes vs Aldana」で、ダヴィッド・ドヴォルザークがスティーブ・アーセグと対戦する。

チェコ人ファイターのドヴォルザークはオクラゴン・デビュー以来3連勝を達成するも、その後はマテウス・ニコラウとマネル・ケイプに連敗を喫した。トップ5を伺う位置で足踏みを経験したドヴォルザークだが、「この敗北は成長するために必要だった」と断言した。


――ここ2戦、タフな試合でタフな試合結果となりました。

「確かにハードな時を過ごした。でも、でも試合内容は悪くなかったし多くを学ぶことができた。この2つの敗北は、僕の成長を促した。マテウス・ニコラフとマネル・ケイプ戦の敗北は、長い目で見て僕のキャリアに必要だったんだと思う。そう、僕が成長するために必要だったんだ」

――特に何を学ぶことができ、成長できたのでしょうか。

「一つは忍耐力だ。ニコラウとの試合は、僕にとっては未経験のおかしな試合だった。彼は足を使って動くばかりで、攻めてこなかった。ずっと僕がミスをするのを待っていたんだ。それが我慢できなくて、僕は追いかけ続けた。そして2Rの中盤に、パンチを被弾した。

マネル・ケイプは、僕にフライ級ファイターも力強くあるべきだと教えてくれた。ニコラウとの試合で、予期しない状態になった時に自分が如何に動くのかを考えないといけないことが分かった。マネル・ケイプ戦では、力強く打撃戦を戦う必要があることを知った。マネルは本当に色々なことを教えてくれたよ。

その学んだことをジムに持ち帰って、僕はあらゆる面で成長えきた。ストレングス&コンディショニング・トレーニング、リフティングに力を入れ、以前より速くなった。以来、スパーリングをしていても自分のやるべきことを貫くことができるようになったんだ。もう様子見もラッシュも必要なくなった。自分のペースで戦える」

――今回も試合の準備はベガスでやってきたのですか。

「ノー。ベガスには行ってないんだ。まずチェコで、色々なジムを訪れて練習し、そこからスペインのアリカンテにあるクリメント・ファイトクラブで2週間トレーニングしてきた。イリャ・トプリアが所属しているジムなんだけど、しっかりとサポートしてもらって彼には凄く感謝しているよ」

――ベガスに行かずともスペインで準備ができるということですか。

「そうだね、ヨーロッパにいても準備はできる。今回はもともと、僕より背の高い相手と戦う予定だったから、多くのバンタム級ファイターと練習をしてきた。凄く良い時間を過ごせたよ。彼らと練習していて、とても楽しかった」

――では、ラスベガスでなくてバンクーバーで戦うことでファイトウィークに何か変化はありますか。

「とにかく自然が豊かだ。ダウンタウンはドラッグディーラーやホームレスがたくさんいて米国と変わりない。でも郊外に30キロほど行くと、凄く自然が豊かになる。だから、午前中の練習を終えると僕は山に行って、自然の中を歩くようにしてきたんだ。とても大切な時間になっている。自然に囲まれていると、心の底からリラックスできるからね」

――ところでUFCフライ級は層も厚くなってきてトップ15に入っても、トップ5との間には一枚壁が存在しているように感じられます。そんななかで10位のダヴィッドはデビュー戦のニューカマーと今回戦います。この状況をどのように感じていますか。

「僕には他に選択肢がなかった。もともとマット・シュネルと対戦予定だったけど、ケガで欠場になった。彼に何が起こったのか正確には分かっていないけど、UFCからは日程を変更して戦うかという話があったんだ。でも、そんな考えは僕らにはなかった。ずっと、今週末に試合をするために準備をしてきたからね。

カナダにも早目に着て、そこは自分で費用を捻出している。僕は予定通りの相手でなくても、予定通りの日時に戦わなければいけなかった。結果、UFCからもらった代案は一つだけ。それがスティーブ・アーセグ戦だった。この試合を受けることもリスクではあったよ。でも、僕はファイターだ。試合をするためなら、どんな条件だって従う。今週末に勝つために、過ごしてきた。対戦相手が代わることよりも、試合がなくなる方が怖かったんだ」

――では、急遽戦うことになったアーセグの印象を教えてください。

「5日前に対戦が決まった相手だからね、それまで全く視界に入ってきたことがなかった。(※取材は7日に行われた)。ほんと、どういう選手か話せるほど分かっていないというのが正直なところだよ。レスリングが出来て、危険な打撃の持ち主でもあるようだね。彼にとっても最高のチャンスだろうから、しっかりと集中して戦うよ。どんな動きをするのかも、分かっていないからね」

――まさに試合前から、予期できない状況になっていたわけですね。

「イエス。その通りだよ。試合の1週間前に対戦相手が代わるなんて、誰も予期していなかった。でもUFC3戦目でファンカミロ・ロンデロスと戦った時と、同じ状況だから」

――先ほど忍耐をニコラウ戦で学んだといっていましたが……チェスではないですが、私は将棋など忍耐力の勝負のように感じることがあります。なので忍耐力はプロのチェスプレイヤーだったダヴィッドには、既に備わっていると思っていました。

「確かにチェスでは忍耐力、怠けるということではなくて相手のミスを待つことは経験済みったね。時には引いて、守る必要がある。そう指摘されて、それを思い出したよ」

――ではトップ5の壁の超えるためにの機会を得るために、今回の試合で何を見せないといけないと考えていますか。

「とにかく今回の試合に勝つこと。それはもう疑いようがないことだよね。しっかりと力を見せて勝ち、次はマット・シュネルと戦う。彼は8位で、僕は10位。マット・シュネルは僕が戦ってきた相手のなかで最上位のランカーになる。彼に勝てば、トップ5に近づくことができるだろう。そこからトップ5の誰と戦えるのか、そこは全く分からないけどね(笑)」

■視聴方法(予定)
6月10日(日・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS
午前11時~PPV
午前7時半~U-NEXT

■対戦カード

<UFC世界女子バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] アマンダ・ヌネス(ブラジル)
[挑戦者] アイリーン・アルダナ(メキシコ)

<ライト級/5分3R>
シャーウス・オリヴィエラ(ブラジル)
べニール・ダリューシュ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
マイク・マロット(カナダ)
アダム・ヒューギット(米国)

<フェザー級/5分5R>
ダン・イゲ(米国)
ネイト・ランドヴェール(米国)

<ミドル級/5分3R>
エリク・アンダース(米国)
マフクアンドレ・バリユー(カナダ)

<ミドル級/5分3R>
ナソーディン・イマボフ(フランス)
クリス・カーティス(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ジャスミン・ジュスダヴィチェス(カナダ)
ミランダ・マーヴェリック(米国)

<バンタム級/5分3R>
エイマン・ザハビ(カナダ)
アオリーチーラン(中国)

<フェザー級/5分3R>
ブレーク・ビルダー(米国)
カイル・ネルソン(カナダ)

<フライ級/5分3R>
ダヴィッド・ドヴォルザーク(チェコ)
スティーブ・アーセグ(豪州)

<女子ストロー級/5分3R>
ディアナ・ベルビシャ(ルーマニア)
マリア・オリヴェイラ(ブラジル)

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MMA MMAPLANET o UFC UFN218   アダム・ヒューギット キック 木下憂朔

【UFN218】木下憂朔、UFC初陣で初のTKO負け。草魂、月見草ヒューギットのエルボーに沈む

<ウェルター級/5分3R>
アダム・ヒューギット(米国)
Def.1R4分36秒by TKO
木下憂朔(日本)

サウスポー同士、一回り大きなヒューギットが右の蹴り繰り出す。ジャブからローを蹴った木下はワンツーで前に出て右を当てる。さらに蹴り足を掴み、払って殴りにいく木下だが、ヒューギットに右をヒットされる。右ハイを入れた木下、直後に蹴り足を掴まれテイクダウンを許すと、バックを取られる。ここでヒューギットがヒジを入れ、ダブルレッグからシングルへ。足を抜いた木下だが、再びバックを許すと後方からのヒザを顔面に打たれる。

前方にテイクダウンしたヒューギットは、サイドバックから殴る。残り2分、木下は胸を合わせて離れると左クロスを当てる。しかし、ヒューギットは左ローに左を合わせてダウンを奪うと立ち上がった木下にヒザを突き上げ、再びグラウンドに持ち込んでバックから殴っていく。鉄槌&パンチを受け、スナップダウンで上を向かされた木下は、すぐにシングルに出るが・ヒューギットはその先をいき、バックに回って両足をフック──背中を伸ばされ、左エルボーの連打で木下はTKO負けを喫した。

「何よりも自分の力を発揮できたことが嬉しい。取材でいったように、僕はやれるんだ。スネでハイキックされた? 脳みそが揺れたから分からない。そんなにひどくないことを願っている(笑)。バックを取ると頭が目の前にあった。サブミッションに行く必要はないし、エルボーを落とした」とヒューギットは話した。


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ABEMA Black Combat K-MMA KTT MMA MMAPLANET o RIZIN Road to UFC UFC UFN on ESPN+76 UFN218   アダム・ヒューギット アンシュル・ジュビリ イ・ジョンヨン イー・チャア キム・ジヨン ジェカ・サラギ セルゲイ・スピヴァク チェ・スングク チェ・ドゥホ チョン・ダウン デニス・チュルリン デリック・ルイス デヴィン・クラーク パク・ジュンヨン パク・ヒョンソン ブラゴイ・イワノフ マンディ・ブーム 中村倫也 平良達郎 木下憂朔 風間敏臣

【UFN218】韓国MMAを知る。パク・ジュンヨンが語る韓流MMA=「自分の限界を引き上げること」

【写真】ハ・ドンジン監督、チョン・ダウンと。このちょっととぼけた感が良い (C)MMAPLANET

昨年末、大晦日に開催されたBlack Combatを取材するために渡韓し、複数のジムで選手、指導者、プロモーターに会いK-MMA界の今を探ってきた。

ここでは4日(土・現地時間)のUFN218:UFN on ESPN+76「Lewis vs Spivak」でデニス・チュルリンと戦うパク・ジュンヨンの目線で、K-MMAとUFCの関係を探りたい。UFCミドル級で5勝2敗の戦績を残す、彼にとってKTTの練習が全てだった。


──今回、韓国のMMAがどうなっているのか。選手目線からパク・ジュンヨンから語ってもらいたいと思います。まず、韓国の若い選手達はどこをゴールに戦っている場合が多いのでしょうか。

「UFCで戦うことを目標にしているんじゃないかと思います。そのためにも一番大切なのはいつでも戦えるよう気持ちを創っていることです。そうしていればUFCでも戦えるようになります」

──日本では一般層にはUFCはそれほど認知されていなくて、RIZINの知名度が高くUFCを目標としない選手も多いです。UFCファイターとしてパク・ジュンヨン選手はそのような日本の事情をどのように思いますか。

「日本がそうなっていることは、初めて知りました」

ハ・ドンジン監督 日本ではUFCのTV中継がなくて、地上波でやっているRIZINの方が有名なんだ。

「そうなのですね。韓国ではUFCが一番なので……。自分は国内とか関係なく、UFCです」

──ではパク・ジュンヨン選手も街中を歩いていると、周囲の人に注目されるような感じなのでしょうか。

「自分はあまり街とか歩かないんです(苦笑)。特にコロナになって、マスクもしていますし。ただ毎週、サッカーをやっているのですが、そこでは名前と顔は知られているようです(笑)。色々な人に声を掛けられます」

──改めてUFCで戦い続けていて、UFCの良さはどこだと思っていますか。

「もちろんUFCの環境は最高です。何よりUFCで戦っていると、試合のたびに自分が成長していることが感じられるんです。そこが一番良いところですね」

──アジア人選手がミドル級で勝ち越すというのは、凄いことですね。これまでのUFCでの活躍をどのように捉えていますか。

「岡見選手がいるじゃないですか」

──もちろん、岡見選手の功績は絶対です。と同時に、岡見選手がUFCにデビューした当時はここまえ層が厚くなかったです。

「……(苦笑)。いや……そんなことはないと思います」

──そのUFCでここまで結果を残す自信はありましたか。

「UFCで戦うようになってから、相手の動きが良く見れるようになったりして。自信はUFCで戦うようになってから持てるようになりました」

──ハ監督が近くにいて答えづらいかもしれないですが、KTTで練習していて米国に練習に行く必要性を感じたことはないしょうか。

ハ・ドンジン 俺は向うに行くから、正直に話せよ(笑)。

「自分は韓国流でやっていきたいです。結局、どれだけ優れた指導者がいようが、そこについていけるかどうかは自分次第で。自分は今のKTTでの練習で強くなれたのでハ監督とジョン監督の下で十分な練習ができています」

──韓国流とはスパルタと考えて良いですか。

「簡単にいえば最後までやりきる。そして、やり続けることです。韓国のやり方は自分を限界まで追い込んで、その限界点を引き上げることにあります。設備や世界中から選手が集まるということはないですが、ファイターとして監督と一緒にいるだけでなく、人間として一緒にいさせてもらっています。健康な精神、健康な体が一番大切です」

──2023年は2月から試合が組まれていますが、どのようにステップアップを図りたいと考えていていますか。

「まず、2月に勝つことです。UFCで一番長く戦うことができた韓国人選手になりたいと思っています」

──開催地がソウルからラスベガスに移り、残念ではないですか。

「いえ、ベガスの何も周囲の雑音がないところで戦う方が好きです。もうラスベガスで6度試合をしていて、今ではラスベガスのほう好きです」

■視聴方法(予定)
2月5日(日・日本時間)
正午~ABEMA格闘Ch(プレリミのみ)
正午~UFC FIGHT PASS

■ UFN218計量結果

<ヘビー級/5分5R>
デリック・ルイス: 265 ポンド(120.2キロ)
セルゲイ・スピヴァク: 255.5ポンド(115.89キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
チョン・ダウン: 205ポンド(92.99キロ)
デヴィン・クラーク: 204.5ポンド(92.76キロ)

<ヘビー級/5分3R>
マルチン・ティブラ: 253.5ポンド(114.98キロ)
ブラゴイ・イワノフ: 256.5ポンド(116.34キロ)

<フェザー級/5分3R>
チェ・ドゥホ: 145.5ポンド(66.0キロ)
カイル・ネルソン: 145.5ポンド(66.0キロ)

<ウェルター級/5分3R>
木下憂朔: 170.5ポンド(77.34キロ)
アダム・ヒューギット: 170.5ポンド(77.34キロ)

<Road to UFCライト級決勝/5分3R>
ジェカ・サラギ: 155ポンド(70.31キロ)
アンシュル・ジュビリ: 155.5ポンド(70.53キロ)

<Road to UFCフェザー級決勝/5分3R>
イー・チャア: 145.5ポンド(66.0キロ)
イ・ジョンヨン: 145ポンド(65.77キロ)

<Road to UFCバンタム級決勝/5分3R>
中村倫也: 136ポンド(61.69キロ)
風間敏臣: 135ポンド(61.24キロ)

<Road to UFCフライ級決勝/5分3R>
パク・ヒョンソン: 124.5ポンド(56.47キロ)
チェ・スングク: 125.5ポンド(56.92キロ)

<女子フライ級/5分3R>
キム・ジヨン: 125.5ポンド(56.92キロ)
マンディ・ブーム: 125.5ポンド(56.92キロ)

<ミドル級/5分3R>
パク・ジュンヨン: 185.5ポンド(84.14キロ)
デニス・チュルリン: 186ポンド(84.37キロ)

<フライ級/5分3R>
平良達郎: 125.5ポンド(56.92キロ)
ヘスウ・サントス・アギラー: 125ポンド(56.7キロ)

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ABEMA Black Combat K-MMA KTT MMA MMAPLANET o Road to UFC UFC UFN on ESPN+76 UFN218 アダム・ヒューギット アンシュル・ジュビリ イ・ジョンヨン イー・チャア キム・ジヨン ジェカ・サラギ ジョン・チャンソン セルゲイ・スピヴァク チェ・スングク チェ・ドゥホ チョン・ダウン デリック・ルイス デヴィン・クラーク パク・ジュンヨン パク・ヒョンソン ブラゴイ・イワノフ マンディ・ブーム 中村倫也 佐藤天 平良達郎 木下憂朔 水垣偉弥 風間敏臣

【UFN218】韓国MMAを知る。UFC4勝1敗1分のLH戦士チョン・ダウン「他国から出稽古? 無理だと思います」

【写真】同じような背格好の練習仲間がいなくてもUFCで結果を残せているチョン・ダウン (C)MMAPLANET

昨年末、大晦日に開催されたBlack Combatを取材するために渡韓し、複数のジムで選手、指導者、プロモーターに会いK-MMA界の今を探ってきた。

そのなかに4日(土・現地時間)のUFN218:UFN on ESPN+76「Lewis vs Spivak」でデヴィン・クラークと戦うチョン・ダウンも含まれていた。UFCライトヘビー級戦線で4勝1敗1分けという戦績は、まさにMMA版漢江の奇跡。チョン・ダウンは自身がUFCで結果を残せているのは、所属するKTTでの練習にあると考えていた。


──かつて日本のHEATでライトヘビー級王者に君臨し、6連勝と強さを見せつけていたチョン・ダウン選手ですが、UFCにステップアップを果たした時、アジア人のライトヘビー級ファイターがオクタゴンでこれだけ活躍できるとは、本当に思っていなかったです。スミマセン。

「いえいえ……そんなことないです。まだまだです」

──日本人選手だとUFCで5連勝は水垣偉弥選手、そして岡見選手が4連勝。ダウン選手は引き分けを挟んで岡見選手と同じ結果をライトヘビー級で残しました。そしてジョン・チャンソン選手の3連勝を既に越えています。UFCと契約をした時に、ここまでやれるという自信はありましたか。

「実は連勝できるとは思っていなかったです。ただ1試合、1試合と勝とうと思ってやってきました。この連勝は運が良かったと思っています」

──謙虚ですね。ただUFCで勝利を重ねることで、自信がついたのではないですか。

「初めてUFCで戦った時は、もの凄く緊張しました。だけど2試合目、3試合目と経験を積んでいくと対戦相手も自分と同じ人間だと思えるようになり、自信はついてきました」

──前回、敗北を経験しましたが、そこから学んだことは何でしょうか。

「負けたことによって、気持ちがスッキリしたというのはあります。負けたことで、学ぶべき点に気付けました」

──今、UFCで勝つには米国のジムに行くという風潮が世界中であります。日本でもウェルター級の佐藤天選手が、スパーリングパートナーを求めてフロリダに拠点を移しています。ライトヘビー級のダウン選手も韓国にいると同じ体格のスパーリングパートナーを見つけることも簡単でないと思いますし、米国で練習をしようという考えは持たないですか。

「それぞれの選手が、何を求めているのかだと思います。自分に関しては、ことが上手く行かなかったときに練習環境のせいにしたくないんです。それでもハ(ドンシン)館長から、米国で練習しないかと言われています。だから米国に行って練習し、そこで学んだモノをKTTに持ち帰ろうと思っています。

今はまだどこで練習するのか決めていないですが、ATTかキルクリフFCに行きたいと考えています。ただし、所属はKTTのままです。米国に行かなくても、KTTにはUFC選手でなくても強い選手がいますから」

──KTTは10年以上前から取材をさせてもらっていて、ハ監督とジョン(チャンヨル)監督の『私は殴ります』という言葉が今も鮮明に耳に残っています。そして、そのスパルタ指導の印象も強いままです。

「この厳しさこそが、自分の精神を強くしてくれました。自分はこのKTTの練習が合っています」

──KTTの練習に他の国から出稽古にくると、ついていけるでしょうか。

「多分、無理だと思います(苦笑)」

──その言葉を聞けば、米国でなくても日本人選手もKTTで練習するのも良いと考えてしまいます。

「選択できる権利を持っているのは、選手です。だから韓国でなく日本人選手が米国に行きたがるのは理解できます。自分自身、KTTの所属選手でここの練習が欠かせないですが、米国や日本に練習に行き、経験値を高めたいと思っています」

──なるほどぉ。では2023年、初戦は2月に決まっていますが、どのような1年にしたいと思っていますか。

「自分も30歳になりました(※韓国の年齢の数え方で、日本では昨年12月18日に29歳になったばかり)。年を重ねるほど、技術の上達にしても強くなることが難しくなっています。なので34歳になるまで、1年に4試合はしたいと思っています。試合に勝る経験はないので、どんどん戦っていきたいです」

──UFCで脚光を浴びるには英会話は欠かせないです。その点、どのように考えていますか。

「努力しています……。(※非常に小声で)英語の勉強をします」

■視聴方法(予定)
2月5日(日・日本時間)
正午~ABEMA格闘Ch(プレリミのみ)
正午~UFC FIGHT PASS

■ UFN218計量結果

<ヘビー級/5分5R>
デリック・ルイス: 265 ポンド(120.2キロ)
セルゲイ・スピヴァク: 255.5ポンド(115.89キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
チョン・ダウン: 205ポンド(92.99キロ)
デヴィン・クラーク: 204.5ポンド(92.76キロ)

<ヘビー級/5分3R>
マルチン・ティブラ: 253.5ポンド(114.98キロ)
ブラゴイ・イワノフ: 256.5ポンド(116.34キロ)

<フェザー級/5分3R>
チェ・ドゥホ: 145.5ポンド(66.0キロ)
カイル・ネルソン: 145.5ポンド(66.0キロ)

<ウェルター級/5分3R>
木下憂朔: 170.5ポンド(77.34キロ)
アダム・ヒューギット: 170.5ポンド(77.34キロ)

<Road to UFCライト級決勝/5分3R>
ジェカ・サラギ: 155ポンド(70.31キロ)
アンシュル・ジュビリ: 155.5ポンド(70.53キロ)

<Road to UFCフェザー級決勝/5分3R>
イー・チャア: 145.5ポンド(66.0キロ)
イ・ジョンヨン: 145ポンド(65.77キロ)

<Road to UFCバンタム級決勝/5分3R>
中村倫也: 136ポンド(61.69キロ)
風間敏臣: 135ポンド(61.24キロ)

<Road to UFCフライ級決勝/5分3R>
パク・ヒョンソン: 124.5ポンド(56.47キロ)
チェ・スングク: 125.5ポンド(56.92キロ)

<女子フライ級/5分3R>
キム・ジヨン: 125.5ポンド(56.92キロ)
マンディ・ブーム: 125.5ポンド(56.92キロ)

<ミドル級/5分3R>
パク・ジュンヨン: 185.5ポンド(84.14キロ)
デニス・チュルリン: 186ポンド(84.37キロ)

<フライ級/5分3R>
平良達郎: 125.5ポンド(56.92キロ)
ヘスウ・サントス・アギラー: 125ポンド(56.7キロ)

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ABEMA DEEP DEEP JEWELS MMA MMAPLANET o Road to UFC UFC UFN on ESPN+76 UFN218 アダム・ヒューギット アンシュル・ジュビリ イ・ジョンヨン イー・チャア キム・ジヨン ジェカ・サラギ セルゲイ・スピヴァク チェ・スングク チェ・ドゥホ チョン・ダウン デリック・ルイス パク・シウ パク・ジュンヨン パク・ヒョンソン ブラゴイ・イワノフ ボクシング マンディ・ブーム ライカ 中村倫也 平良達郎 木下憂朔 風間敏臣

【UFN218】削られるほど 砕けるほど強くなる、キム・ジヨン「絶対に勝ちたいという気持ちが私の支え」

【写真】プロボクサー時代から、日本でも逆境を味わって来た彼女は、どのような状況でも笑顔が絶えない逞しさを携えている(C)MMAPLANET

4日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN218:UFN on ESPN+76「Lewis vs Spivak」が開催され、キム・ジヨンがマンディ・ブームと対戦する。

ボクシングからMMAに転向し、その拳の圧で6勝0敗2分という記録を引っ提げてUFCと契約、序盤は3勝2敗と勝ち越していたキム・ジヨンだがその後は4連敗中で後がない状況へ。

その気持ちがウォークアウトソングに現れるなど、現状に諦めることなく上を向き続けてきたキム・ジヨン。3年4カ月振りの勝利を目指す彼女に話を訊いた。


──マンディ・ブーム戦を土曜日に控え、今の気分はいかがですか(※取材は現地時間の1月31日に行われた)。

「まだ最後の減量が残っていますが、最高の状態です。今すぐにでも戦いたい気分です」

──今回もベガスのシンジゲートMMAで調整をしてきたのですか。

「ハイ、シンジゲートとUFC PIで練習をしてきました。ラスベガスに住んでいるわけではないですが、試合が決まるとラスベガスにやってきて、2、3カ月の間はシンジゲートMMAとUFC PIで練習をするようにしています」

──韓国の男子選手は他の国のファイターと違い、国内のジムだけで練習する選手も少なくないです。国内でやっていける環境があるのか。ただジヨン選手はキャンプをベガスで行っていますね。

「男の選手は韓国にも、コーチとたくさんスパーリングパートナーがいるのでそれで大丈夫だと思います。でも女子に関しては、私はスパーリングパートナーを見つけることすら難しいです。男の選手と練習をしても良いのですが、どうしてもケガが絶えなかったです。だから私は多くの女子選手と練習できる環境を求めてベガスに来ました。ここでは凄く良い練習ができています。

それにPIがあるのでケガをした時や体調管理において、凄く手厚いサポートを受けることができます。セラピストや栄養士、減量指導のプロもいるので。練習相手と同様に、そういう面でも韓国とは環境が違います」

──ではUFCファイターでもなく、PIのような設備や環境もない日本でずっとトレーニングをしてきたパク・シウ選手のことをどう思いますか。

「パク・シウ選手の決意には、感銘を受けます。やはり彼女も韓国にいては、十分な練習相手がいなかったはずです。そしてアトム級だと、日本には多くの練習仲間がいるはずです。加えて日本はMMAの大会が多いですから、試合の機会も韓国に留まっているよりも多いはずです。そういう意味でも国を出て、チャンスを求め強くなることを選択した彼女は素晴らしいです」

──では、今回の対戦相手のブームについてどのような印象を持っていますか。

「フライ級のなかでも、腕が長くて背が高くてフィジカルが強い方だと思います。ただ、それほど自分と体格差はないはずです。2人ともストライカーだから、激しい打撃戦ができるはずです。私がPIにいる時に、彼女もPIに居て少し居心地が悪かったです(笑)。でも、凄く良い人で試合が終われば友達になれると一緒に話していたんです。でも、練習場所が一緒なのは困りました(苦笑)」

──今大会は当初ソウルで開催されるはずでした。諸事情でベガスに開催地が変更され、母国のファンの前で戦うことができなくなりました。

「正直、凄くガッカリしました。実は体調面も考えて、私は1年に2試合しか戦わないと決めているんです。3試合戦うと、どうしてもコンディションが落ちてしまうので。だけど、母国で戦えるから1年で3試合目になるのに今回の試合に合意したんです。

2019年12月のプサン大会に出る予定でしたけど、ヒジをケガして戦えなかったので今回は絶対に韓国で試合がしたかったです。それなのにラスベガスに変更されてしまって、本当に残念でした。でも、どのような状況だろうとベストを尽くして戦うだけです」

──過去3年、度重なる負傷とコロナで試合がキャンセル、そして対戦相手の変更等もあり、万全でないなか戦い勝ち星から遠ざかっています。この間、どのようにモチベーションを保っていたのでしょうか。諦めたくなる時はなかったですか。

「そんな風に私が置かれていた状況を理解してもらって、凄く有難いです。私の状況や試合のパフォーマンスも関係なく、多くの人は結果でしかモノゴトを判断してくれないです。ただし、どんな状況だろうが試合を受けて戦った結果です。なかでも私が勝っていた内容でも、判定で勝利を手にすることができなかった。そこは本当に悔しかったです。少し、諦めかけたことも正直ありました。でも自分の力で、試合に決着をつける。KO勝ちか一本勝ちできるように、練習して成長できました。

ボクシングも上達しましたし、試合を終らせることができます。色々とハードなことがあり、そこに引っ掛かるのも事実です。でも、もう済んだことだし、逆に絶対に勝ちたいという気持ちが私を支えてくれています」

──前回の試合で、ウォークアウトソングにトルトンイを使用していました。梨泰院クラスの挿入歌で、逆境に負けないという内容は日本でも知られており、あの曲を使用してジヨン選手がオクタゴンに向かって歩く姿を見て、凄くエモーショナルになりました。

「普段はForever Youngを使っているのですが、これまで3度ほど気持ちを入れ替えるためにウォークアウトソングを変えたことがあります。前回の試合は、トルトンイの歌詞が大好きであの曲を使いました。前回の試合の時の私の心境は、本当にトルトンイの歌詞どおりでした……。

■トルトンイ歌詞
──ただ決められたとおり従えと
それが賢く生きることだと
ひっそりと生きろと言う言葉
くだらない言葉 誰のための人生なのか
熱く焼いてみろ
絶対に身動きせず
俺は耐え抜くから
激しく叩いてみろ
お前の手が痛むだけだから

俺を見ろ
びくともしない
倒れて転がり落ちようとも
また立ち上がって登るだけだ
俺はな
はっきり見ろ
削られるほど 砕けるほど
もっと強く硬くなる石ころだ──

あの時、トルトンイを聞きながらケージに入り、既に感情的になってしまって……。でも、トルトンイを聞いただけで、そこまで分かってもらって……本当に嬉しいです。あの時の気持ちも踏まえて、また元の気持ちで試合に挑みたいと思ったから今回はまたForever Youngに戻します」

──それだけの気持ちを持って戦う、その姿勢はジヨン選手の戦いぶりにも表れていると日本のファンも思っているはずです。そんな日本のファンにメッセージをお願いできますか。

「私はDEEP JEWELSチャンピオンになった日本が大好きです。今も本当にたくさんの日本のファンの人達が、私のことを応援してくれています。インスタのDMでたくさんの言葉を送ってくれます。皆さんの期待に応えるために、私は常にハードな練習を課してきました。いつも応援してくれて、ありがとうございます」

■視聴方法(予定)
2月5日(日・日本時間)
正午~ABEMA格闘Ch(プレリミのみ)
正午~UFC FIGHT PASS

■ UFN218計量結果

<ヘビー級/5分5R>
デリック・ルイス: 265 ポンド(120.2キロ)
セルゲイ・スピヴァク: 255.5ポンド(115.89キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
チョン・ダウン: 205ポンド(92.99キロ)
デヴィン・クラーク: 204.5ポンド(92.76キロ)

<ヘビー級/5分3R>
マルチン・ティブラ: 253.5ポンド(114.98キロ)
ブラゴイ・イワノフ: 256.5ポンド(116.34キロ)

<フェザー級/5分3R>
チェ・ドゥホ: 145.5ポンド(66.0キロ)
カイル・ネルソン: 145.5ポンド(66.0キロ)

<ウェルター級/5分3R>
木下憂朔: 170.5ポンド(77.34キロ)
アダム・ヒューギット: 170.5ポンド(77.34キロ)

<Road to UFCライト級決勝/5分3R>
ジェカ・サラギ: 155ポンド(70.31キロ)
アンシュル・ジュビリ: 155.5ポンド(70.53キロ)

<Road to UFCフェザー級決勝/5分3R>
イー・チャア: 145.5ポンド(66.0キロ)
イ・ジョンヨン: 145ポンド(65.77キロ)

<Road to UFCバンタム級決勝/5分3R>
中村倫也: 136ポンド(61.69キロ)
風間敏臣: 135ポンド(61.24キロ)

<Road to UFCフライ級決勝/5分3R>
パク・ヒョンソン: 124.5ポンド(56.47キロ)
チェ・スングク: 125.5ポンド(56.92キロ)

<女子フライ級/5分3R>
キム・ジヨン: 125.5ポンド(56.92キロ)
マンディ・ブーム: 125.5ポンド(56.92キロ)

<ミドル級/5分3R>
パク・ジュンヨン: 185.5ポンド(84.14キロ)
デニス・チュルリン: 186ポンド(84.37キロ)

<フライ級/5分3R>
平良達郎: 125.5ポンド(56.92キロ)
ヘスウ・サントス・アギラー: 125ポンド(56.7キロ)

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【UFN218】計量終了 Road to UFC決勝大会は日本だけでなく、韓国、そしてアジアの未来が懸かった1日に

【写真】日本勢4人も、しっかりとパス。韓国勢に減量疲れがないとの現地情報も(C)Zuffa/UFC

3日(金・現地時間)、4日(土・同)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN218:UFN on ESPN+76「Lewis vs Spivak」の計量が行われて全選手が滞りなくパスしている。

平良達郎と木下憂朔の揃い踏み、Road to UFCバンタム級決勝で中村倫也と風間敏臣の対戦と日本のMMA界にとって非常に大切なイベントとなる。とはいえ、それは韓国勢も同じだ。もとはソウルで開かれる予定だった今大会にはメインカードに2選手、プレリミに2選手、そしてRoad to UFC決勝戦にはフライ級の同朋対決、フェザー級の超本命イ・ジョンヨンと総勢7名の選手が韓国からは出場している。

従来APEXのファイトナイト大会は米国東部時間帯で午後4時スタート、メイン開始は7時というのが通例だが、今大会はイベントスタートが午後10時、メインスアートは午前1時と──これはもう日曜日昼に東アジアで視聴してもらうためのイベントスケジュールといっても言い過ぎでないだろう。


メインカード出場はチョン・ダウンと、チェ・ドゥホの2人。HEATで6勝0敗の戦績を残し、ライトヘビー級王者からUFC入りしたチョン・ダウンはオクタゴン戦績4勝1敗1分、アジアの重量級ファイターが世界最高峰でこの戦績を残すのはある意味、MMA版漢江の奇跡といえる。

そのチョン・ダウンも昨年7月にダスティン・ジャコビーのライトクロスで初黒星を喫し、再起戦となる。チェ・ドゥホに至っては、コロナ禍前の2019年12月のプサン大会以来、3年2カ月振りの出場で現在3連敗中、実に2016年7月以来6年以上も白星から遠ざかっている。

コリアン・スーパーボーイももう31歳、そのファイトスタイルから欧米勢に跳ね返され負傷も多いチェ・ドゥホが、正念場に挑む。連敗中といえば女子フライ級出場のキム・ジヨンも現在4連敗中だ。負傷、対戦相手の変更、惜敗と勝利が遠ざかっている彼女もチェ・ドゥホと同様に韓国と日本では無敵を誇るストライカーだった。

北米では正面勝負で勝てない状況に対し、彼女は試合前にラスベガスのシンジゲートMMAに長期滞在し解決しようと試みている。力のある女子選手と競り合うトレーニングで、活路を見出そうとするキム・ジヨンも3年4カ月振りの白星を目指す。

ミドル級のパク・ジュンヨンはUFCで5勝2敗、この階級ということを考えると岡見勇信に続き、アジア人として成功を収めているといえるだろう。デビュー戦とグレゴリー・ホドリゲス戦で敗れたとはいえ、アリク・アンダースに競り勝つなど、同門のチョン・ダウン同様に健闘以上の活躍をしている。

パク・ジュンヨン、チョン・ダウンが結果を残す裏には、KTT所属らしく徹底してレスリングを磨かれ、脱落者続出の心身ともに苦痛を伴う体力トレ、それらの厳しい練習から殴る勇気を植え付けらている点が大きい。アジアを打撃で制した選手、あるいはテイクダウンから寝技で勝ち上がった選手は、UFCではプレリミの段階でも自分の戦いを貫くことが難しい。

その点、レスリングと打撃と体力という三要素が揃ったKTTファイターは、総合力でサバイバルを可能にしている。とはいえ、ここからさらに上を目指すのではれば突出した武器も必要になってくる。パク・ジュンヨンがロシア人デニス・チュルリンを相手にそのようなファイトができるか、注目だ。

非アジア人ファイター同士のマッチアップは僅か2試合。結果、試合内容と同様に志の高さが求められるラスベガス発のUFCアジア大会だ。

■視聴方法(予定)
2月5日(日・日本時間)
正午~ABEMA格闘Ch(プレリミのみ)
正午~UFC FIGHT PASS

■UFN218計量結果

<ヘビー級/5分5R>
デリック・ルイス: 265 ポンド(120.2キロ)
セルゲイ・スピヴァク: 255.5ポンド(115.89キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
チョン・ダウン: 205ポンド(92.99キロ)
デヴィン・クラーク: 204.5ポンド(92.76キロ)

<ヘビー級/5分3R>
マルチン・ティブラ: 253.5ポンド(114.98キロ)
ブラゴイ・イワノフ: 256.5ポンド(116.34キロ)

<フェザー級/5分3R>
チェ・ドゥホ: 145.5ポンド(66.0キロ)
カイル・ネルソン: 145.5ポンド(66.0キロ)

<ウェルター級/5分3R>
木下憂朔: 170.5ポンド(77.34キロ)
アダム・ヒューギット: 170.5ポンド(77.34キロ)

<Road to UFCライト級決勝/5分3R>
ジェカ・サラギ: 155ポンド(70.31キロ)
アンシュル・ジュビリ: 155.5ポンド(70.53キロ)

<Road to UFCフェザー級決勝/5分3R>
イー・チャア: 145.5ポンド(66.0キロ)
イ・ジョンヨン: 145ポンド(65.77キロ)

<Road to UFCバンタム級決勝/5分3R>
中村倫也: 136ポンド(61.69キロ)
風間敏臣: 135ポンド(61.24キロ)

<Road to UFCフライ級決勝/5分3R>
パク・ヒョンソン: 124.5ポンド(56.47キロ)
チェ・スングク: 125.5ポンド(56.92キロ)

<女子フライ級/5分3R>
キム・ジヨン: 125.5ポンド(56.92キロ)
マンディ・ブーム: 125.5ポンド(56.92キロ)

<ミドル級/5分3R>
パク・ジュンヨン: 185.5ポンド(84.14キロ)
デニス・チュルリン: 186ポンド(84.37キロ)

<フライ級/5分3R>
平良達郎: 125.5ポンド(56.92キロ)
ヘスウ・サントス・アギラー: 125ポンド(56.7キロ)

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ABEMA LFA MMA MMAPLANET o Road to UFC UFC UFN on ESPN+76 UFN218 アダム・ヒューギット アブドゥル・ラザク イ・ジョンヨン イー・チャア キム・ジヨン ジェカ・サラギ セルゲイ・スピヴァク ダナ・ホワイト チェ・スングク チェ・ドゥホ チョン・ダウン デリック・ルイス パク・ヒョンソン ブラゴイ・イワノフ ボクシング マイケル・モラレス 中村倫也 平良達郎 木下憂朔 風間敏臣

【UFN218】木下憂朔と戦うアダム・ヒューギット「試合で、僕の言っていることの意味が分かるはず」

【写真】スターのオーラなんてない。それでもコツコツ、コツコツとやってきてUFCファイターの称号を得た(C)MMAPLANET

4日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN218:UFN on ESPN+76「Lewis vs Spivak」。プレリミでRoad to UFC決勝、そして平良達郎のオクタゴン3戦目が組まれた同大会のメインカードで、UFC初陣となる木下憂朔の相手をアダム・ヒューギットが務める。

22歳、ダナ・ホワイトがネクスト・サクラバ候補に挙げた木下とは対照的に、ヒューギットは33歳7カ月でUFCと契約を果たした雑草ファイターだ。オレゴンの無名ジムからローカル大会、LFAの秒殺KO後にショートノーティスで世界最高峰に辿り着いたヒューギットにとっても、UFCは人生を賭けた夢の舞台であり、その夢はトップ戦線で戦うという次なる夢に昇華した。

国籍、年齢、バックボーン、習慣が違ってもオクタゴンで戦う選手たちの想いは同じ。勝って、先に進むためにヒューギットも木下と相対する。


──木下選手と今週末に戦います。今の調子はいかがですか。

「最高だよ。過去一番のキャンプで培ったモノ、どれだけしっかりと準備してきたかをオクタゴンのなかで見せたいと思う」

──今大会の準備はどこで?

「オレゴン州ユージーンにあるアート・オブ・ウォーMMAだよ。MMAの練習を始めてから、ずっとこのジムでやってきた」

──木下選手は日本のMMAファンの期待を一身に背負った22歳の新鋭です。対して34歳になったアダムのプロMMAデビューは7年前、26歳の時です。

「MMA自体、トレーニングは2012年、23歳の時に始めていたんだ。アマチュアで3年間戦い、それ以前もレスリングをやってきた。だからずっと長い間、トレーニングに明け暮れる日々を送ってきている。

確かに今はとても若い時期からMMAを始めることが多くなっている。とはいってもMMAはまだ新しいスポーツだ。他に仕事をしながら戦っていくという状況は今も続いている。でも、僕はこのスポーツを愛し、全てを捧げてきた。今は仕事も辞めて110パーセント、トレーニングに集中するようにしたんだ」

──34歳でUFCと契約というのは、ずっとUFCを目標にしてきた30歳以上の日本人選手にも希望を与えるものです。

「でも、それで満足しているわけじゃないよ。UFCと契約したことで、達成感を感じるのではなく、ここで勝ち上がって世界のトップファイターと戦う。そのために、これまでハードな練習をし続けてきたんだからね」

──とはいっても30歳を過ぎ、社会の厳しさを知った大人が夢を追い続けることは、若者たちが夢を語り、追いかけるのとは別次元の意志の強さが必要だと思います。アダムは昨年7月のマイケル・モラレス戦にショートノーティスで声が掛かり、試合には敗れはしましたがUFCと契約を果たすことができました。

「そうだね……うん、僕自身UFCからオファーを貰った時のことは忘れられないよ。あれは水曜日だった。水曜日はオフにしていて、家で愛犬と遊びランチを食べていたんだ。そしたら電話が鳴って、『おい、この試合を受けることができるか?』って言われてね。

『はっ? 何の話だ』って返答したよ。そうしたらUFCで戦えるのかと確認された。この日のために毎日、ハードな練習を続けていた。ただし、試合に向けて練習できるのは9日間っていうのは問題だったよ。でも、そういう機会が訪れることを一心に願って生きてきたんだ。『ノー』なんて選択肢はなかったよ」

──「とにかく契約するんだ。今回の試合は落としても、次からしっかりと準備期間を置いて結果を残す」。そんな気持ちにはならなかったですか。

「勘違いしちゃ困る。どの試合だって、僕にとって最大のチャレンジだった。どの対戦相手もキャリア最強の相手だと思ってチャレンジしてきた。だから、自分に厳しく生きることができた。UFCで戦うことは、長い間、人生を賭けた夢だったんだ。

さっき言ったことと矛盾しているけど、UFCで戦うことが目標だった。ずっと追いかけてきた夢だった。でも、今は違う。UFCと契約したのだから、UFCで戦うことを終着点にしていない。ここで勝ち上がって、上にいくんだ。それが今の僕の夢だよ。そして、全試合が僕にとって最大のチャレンジになる。

だから今の僕にとってはユーサク・キノシタが人生最大のファイトの相手で、全力で彼との戦いに取り組んできた。最高に集中しているよ」

──では木下選手の印象を教えてください。

「素晴らしい才能を持った選手だ。輝かしい将来が、この世界で待っているに違いない。ただし、まだ22歳だ。MMAの全ての局面においてハイレベルに戦えるだけの技量は、現時点では備わっていない。これからいくらでも成長するファイターだよ。現時点でも彼はそのボクシング力に絶対の自信を持って、僕の前に立ち塞がるはずだ。ほとんどの試合で相手をKOしているからね。ただし、僕は自分のペース、そしてスペースで戦う。キノシタにとって新しい経験になるだろう」

──アダムは常に積極的に攻める。過去の試合映像で、そういう風に感じました。

「ハイペースで戦い、対戦相手を消耗させる。そして嫌がることをする。少しぐらい自分が痛い目にあっても、相手にとって嫌がることを続けることで攻略の糸口が見つかる。見つかったら、そこに付け込むんだ。土曜日の試合で、僕の言っていることの意味が分かるはずだ」

──ハマれば、日本のファンにショックを与えることになりますね。

「そうなる自信はあるよ。キノシタは急激に注目度を高めた才能あるファイターだけど、僕は長い年月をかけて一歩一歩進んできた。そうだね、日本のファンにとって悪者になる準備はできているよ(笑)。

でもね、日本の皆にも分かって欲しいのは──キノシタとUFCで戦う僕が、こうやって存在している。なぜ、俺はUFCの目に留まらないんだって思ったことは何度でもあった。でも、ようやくこの機会を手にした。UFCファイターであること、今の状況を手放すわけにはいかない。前に進むため、努力し続けてきた。だからキノシタに負けることはできないんだよ。

できれば、この試合を終え再びUFCが日本でイベントを開くなら、日本で戦いたい。UFCで戦えるようになった次は、日本で戦うという夢を叶えたい。高校時代、レスリングをやっていて文化交流を目的とした交換留学生で日本に行けるというシステムがあった。当時はそうではなかったけど、今の僕なら文化交流の本当の意味が分かると思うんだ。ぜひとも、UFCと共に日本を訪れたい」

■視聴方法(予定)
2月5日(日・日本時間)
正午~ABEMA格闘Ch(プレリミのみ)
正午~UFC FIGHT PASS

■ UFN218対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
デリック・ルイス(米国)
セルゲイ・スピヴァク(モルドバ)

<ライトヘビー級/5分3R>
チョン・ダウン(米国)
デヴィン・クラーク(米国)

<ヘビー級/5分3R>
マルチン・ティブラ(ポーランド)
ブラゴイ・イワノフ(ブルガリア)

<フェザー級/5分3R>
チェ・ドゥホ(韓国)
カイル・ネルソン(カナダ)

<ウェルター級/5分3R>
木下憂朔(日本)
アダム・ヒューギット(米国)

<ミドル級/5分3R>
アブドゥル・ラザク(米国)
クラウジオ・ヒベイロ(ブラジル)

<Road to UFCライト級決勝/5分3R>
ジェカ・サラギ(インド)
ジェカ・サラギ(インドネシア)

<Road to UFCフェザー級決勝/5分3R>
イー・チャア(中国)
イ・ジョンヨン(韓国)

<Road to UFCバンタム級決勝/5分3R>
中村倫也(日本)
風間敏臣(日本)

<Road to UFCフライ級決勝/5分3R>
パク・ヒョンソン(韓国)
チェ・スングク(韓国)

<女子フライ級/5分3R>
キム・ジヨン(韓国)
マンディ・ブーム(ドイツ)

<フライ級/5分3R>
平良達郎(日本)
ヘスウ・サントス・アギラー(メキシコ)

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