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【Grachan69】フェザー級王者の小島勝志が国際戦でバクトルを迎え撃つ。芳賀ビラル海は藤村健悟と対戦

【写真】小島の真価と進化が問われるバクトルとの国際戦(C)MMAPLANET

1日(月)、GRACHAN実行委員会より5月26日(日)東京都大田区の産業プラザPIOで開催されるGrachan69の対戦カードが発表された。同大会ではフェザー級王者の小島勝志が、フィリピンのロッキー・バクトルを迎え撃つ。
Text by Shojiro Kameike


小島は昨年5月のGrachan61で、フェザー級王座決定トーナメント決勝を高橋孝徳と争い判定勝ちを収めてベルトを巻いた。その小島が1年ぶりの試合で、ONE参戦経験を持つバクトルとノンタイトル戦で激突することとなった。

高橋戦では、ムエタイ技術を高めたグラップラーを相手に左ジャブと左ボディが冴え渡った。高橋のテイクダウンに苦しむ場面はあったものの、終盤には小島がバックを奪い、さらに左だけでなく右クロスと右テンカオを混ぜて3-0の判定勝ちで新王者に。

対するバクトルはMMA戦績が5勝3敗。昨年5月にはONE FN17でモンゴルのエンフオルギル・バートフルーと対戦している。実はMMAPLANETでは、昨年11月のフィリピン取材でバクトルの姿をキャッチしている。この時、GLADIATORタレントリレーションを務める長谷川賢氏はバクトルの馬力に対して評価をしていたという。ONEのエンフオルギル戦ではパワフルなテイクダウンと打撃に屈したものの、持ち味である馬力に打撃と組みの連動という部分でONE時代よりも成長が見られると、一筋縄ではいかないファイターとなるに違いない。

小島の持ち味は、どの距離からでも相手を削ることができるパンチを持っていること。左ジャブに対してバクトルが馬力を武器に距離を詰めてきても、左ボディと右アッパーで削り続けて仕留めたいところだ。

今大会には、3月のGrachan68×Brave Fight31でライト級2位の岸本篤史を下した芳賀ビラル海も連続参戦を果たし、藤村健悟と対戦する。藤村は昨年12月に中国WLF(武林風)でワン・ジンピンを下している。藤村のグラップリングに対して、ビラルも岸本戦ではダウンを奪ったうえバックコントロールなどキープ力の成長を伺わせた。

現在グラチャンのライト級は、Road to UFC以降の動向が注目される原口伸が正規王座に付いている。原口のRTU参戦を受けて設置された暫定のベルトは、林RICE陽太が巻いているものの、その林も4月13日に韓国ROAD FCでパク・シウォンと対戦する。もし原口がフェザー級に転向し、林RICEが正規王者となれば、ビラル×藤村の勝者の挑戦を受ける可能性もあるだけに注目だ。

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Grachan Grachan61 MMA MMAPLANET o RIZIN 小島勝志 高橋孝徳

【Grachan61】冴える左ジャブ、左ボディ。高橋を判定で下して王座獲得の小島がRIZINへのリベンジ宣言

【写真】試合後、新王者の小島はRIZIN再出場をアピールした(C)MMAPLANET

<フェザー級王座トーナメント決勝戦/5分3R>
小島勝志(日本)
Def.3-0
高橋孝徳(日本)

グローブタッチから小島が距離を詰めた。右ローで迎え撃つ高橋に、小島が左ジャブを伸ばす。高橋もジャブ&ローで前に出るも、小島に押され、左ボディーブローの直撃を受ける。高橋が左ミドルから距離を詰めるも、小島が左ジャブで止める。小島の左ボディ、高橋の右ローが交錯したあと、小島は距離を取ってジャブ&ローでけん制する。左インローから左ボディに繋げる小島が、さらに左ボディを突き刺す。

小島の左ジャブをもらって動きが止まる高橋。高橋は小島の左ジャブをキャッチするも、組みの展開に持ち込むことはできない。しかし小島の左ジャブに合わせてシングルレッグで組みついた高橋が、ハイクロッチで小島をケージに押し込む。ボディロックに切り替えた高橋は、足を刈って小島に背中を着かせた。クローズドガードで守る小島が足を上げていくも、高橋は相手の背中の裏でリストコントロールへ。腕を抜いた小島に、高橋がパウンドを連打していった。

1Rはジャッジ3者とも小島を優勢としている。

2R、小島が左ジャブを突き、さらに右アッパーを突き上げる。組みつく高橋を引き離した小島は、左ジャブからパンチの連打で高橋をケージまで追い詰める。さらに右ローで高橋の動きを止める小島は、左インローを打って離れた。右ローからサウスポーにスイッチする小島、オーソドックスに戻してた高橋のシングルレッグをスプロールした。

高橋もパンチからローと打撃戦を選択するが、小島の左右ボディアッパーが突き刺さる。小島がフェイントを見せると下がる高橋、シングルレッグを狙うも組みつくことができない。ローと左ジャブ、左ボディでペースを握る小島に、高橋がシングルレッグで組みつく。ケージまで押し込み、ボディロックから小島に尻もちを着かせた。小島の左足を抑えた高橋が、頭をおっつけて小島の動きを抑え、上下へのパンチで削っていった。

ここで1Rのオープンスコアが修正される。ジャッジ2名が小島、残り1名が高橋を優勢としているが、試合展開にも影響するこの誤りは選手にとって許容できるものではない……。

2Rはジャッジ3者とも小島の優勢とした。

最終回、ガードを固める高橋に小島が左アッパーを突き上げる。お互いにローを繰り出すが、小島の左ローに合わせて高橋が飛び込んだ。シングルレッグで組んだ高橋が小島をケージに押し込む。小島は左のオーバーフックで耐える。ここで高橋がボディロックからテイクダウンを狙ったが、それを潰した小島がサイドからバックへ。高橋もすぐに立ち上がる。

スタンドでは小島の左ボディがヒット。高橋も左縦ヒジを狙うも届かない。ここでバッティングが発生し、試合が中断される。すぐに再開後、小島が左ジャブと左ローを当てた。高橋の右の打ち終わりに左ジャブを突いた小島。高橋もローからシングルレッグで組みついたが、これは切られた。しかし高橋のローで小島の足も流れ始めている。

小島は左ジャブ、高橋も右スピニングバックフィストとシングルレッグを狙うも形勢逆転には至らない。高橋の左ジャブからの左ミドルをブロックした小島は、左でコントロールしながら右フックを当てる。ここで高橋の左耳から出血が見られ、ドクターチェックが入る。

残り1分10秒で試合が再開され、高橋が小島の左ジャブに右を合わせる。小島も右クロス、右テンカオをヒット。高橋の左耳からは再び大量の流血が……。左ボディ、左アッパーを織り交ぜた小島のコンビネーションが高橋を捕える。最後は小島が左ボディを突き刺してから、高橋をケージに追い詰めていった。

裁定はジャッジ3者とも小島の勝利を支持。第4代GRACHANフェザー級王座に就いた小島は、RIZINへのリベンジを宣言した。


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Grachan Grachan61 MMA MMAPLANET o 伊藤空也 安部路人

【Grachan61】右ローを効かせた伊藤がグラウンドコントロールで安部を完封も試合後に笑顔なし

【写真】グラウンドで削り続けた伊藤、フィニッシュには至らなかったが完勝だ(C)MMAPLANET

<バンタム級/5分2R>
伊藤空也(日本)
Def.3-0
安部路人(日本)

サウスポーの安部に対し、伊藤が右インローを連打。安部の右足が流れる。安部が距離をとると伊藤は右のロングフックを繰り出す。ケージ中央に戻ってきた安部に連続で右インローを叩きこむ伊藤は、安部が組んできたところに右フックを合わせた。しかし安部が右腕を差し上げて、伊藤をケージに押し込む。ケージを背にした伊藤が、右腕を差し入れて逆にケージへ押し込んでいく。

安部がボディロックからテイクダウンへ移行したところで、伊藤も内股で返そうと試みたが、そのまま安部に尻もちを着かされてしまった。立ち上がった伊藤が、再び投げを打ってきた安部を左のオーバーフックから潰し、トップを奪う。安部は下から足を上げていくも、伊藤に潰されてしまう。腰を上げてパウンドを落とす伊藤。さらに右ヒジで削る伊藤に対し、安部が足を上げると伊藤が立ち上がって一つ足を越え、さらにマウントへ。安部のブリッジに合わせて伊藤がバックマウントを奪い、初回を終えた。

最終回、ここも伊藤が右インローを放つ。安部もローで返してきたところにパンチを合わせた。伊藤の右をかわした安部がボディロックで組みつくも、すぐに差し返した伊藤が安部をケージに押し込みながら、そのままテイクダウンを奪う。ハーフガードで守る安部に対し、伊藤はニースライドパスへ。安部がブリッジすると反対側に回り、パンチを浴びせつつバックマウントへ。

ケージ際で安部の首に左腕を巻き付けていく伊藤、一度マウントに移行してから再びバックマウントへ。安部のブリッジに合わせてポジションを変えていく。ケージに背中を着けて、バックマウントからRNCを狙う伊藤が、もがく安部をコントロールする。反転してスクランブルに持ち込む安部だが、伊藤がシングルレッグをスプロールしながら安部の右腕を狙ったところで試合終了となった。

裁定は伊藤がユナニマスで勝利するも、勝者は笑顔なくケージを後にした。


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Grachan Grachan61 MMA MMAPLANET o 宮内拓海 御代川敏志

【Grachan61】組みを潰された御代川が打撃で逆転、宮内をスプリットで下して決勝進出

【写真】御代川が組み→打撃、そして組みで勝利(C)MMAPLANET

<フライ級トーナメント準決勝/5分2R延長1R>
御代川敏志(日本)
Def.2-1
宮内拓海(日本)

※詳細は後ほど・・・


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Grachan Grachan61 MMA MMAPLANET o 児玉勇也 天野哲宏

【Grachan61】天野をTD&コントロールで潰した児玉がユナニマス判定勝ち、トーナメント決勝へ

【写真】「負けが続いていたので勝ちに徹した」という勝者の児玉。トーナメント戦は勝利こそ全てともいえる(C)MMAPLANET

<フライ級トーナメント準決勝/5分2R延長1R>
児玉勇也(日本)
Def.3-0
天野哲宏(日本)

※詳細は後ほど・・・


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Grachan Grachan61 MMA MMAPLANET o ライカ 小島勝志 福島啓太 高橋孝徳

【Grachan61】小島勝志とフェザー王座決定T決勝戦=高橋孝徳─02─「ツマラナイ試合というのはその通り」

【写真】前回の試合で勝ち名乗りを受ける時の表情。この時に想ったことが、どう生かされているのか。または焼き直されて、その感情は関係ないぐらい強い意思を持って臨むのか。明日が楽しみ (C)MMAPLANET

14日(日)、東京都の大田区産業プラザPIOで開催されるGrachan61にて、小島勝志とのフェザー王座決定トーナメント決勝に臨む高橋孝徳のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

前編に続き『試合が面白くなかった』という意見に反論するかと思えば、話は思わぬ方向に……。打ち合うのか、極め合うのか。あるいは潰し合うのか――この高橋×小島のトーナメント決勝は、『MMAとは何か?』と考えられるキッカケになるかもしれない。

<高橋孝徳インタビューPart.01はコチラから>


――MMAで打ち合うことが必要な場合もあるでしょう。ただ、それは勝つために打ち合いへ持ち込む場合であり、高橋選手の仰るとおり勝つと負けるでは違ってきます。

「スタンドの打ち合いだけじゃなくて、組み技についても同じだと思うんですよ。じゃあ極まらないサブミッションを掛け合うほうが面白いのかって。ポジションを整えるより、そちらのほうがアクションと見なされてしまうじゃないですか。テイクダウンに来た相手の首に腕を回していても、ギロチンを狙っているフリだけかもしれない。ちゃんと組み技の攻防が分かる、分かるから自分の試合がツマラナイっていう意見は、受け入れないといけないと思います。打ち合いを楽しみにしている人や、極め合うだけのグラップリングを求めている人が、そういうことを分かってくれる時代が来るのか……」

――大切なのは、やり続けること。そして勝利を目指し続けることではないですか。

「先日からMe,Weの仲間になった福島啓太君が、すごく嬉しいことを言ってくれて。僕が試合後『クソみたいな試合してしまった……』と言ったら、福島君は『でもみんな、1年後には勝ったか負けたかの結果しか覚えていないですから』と。確かにそうなんです。だからファイターって、まずは勝ってナンボだなって思いました」

――では高橋選手ご自身が、タイルの軸は同じであったとしても、小島選手に勝つために今の自分にとって必要なものはありますか。

「作戦に関わるので詳しくは言えないですけど……、何かを大きく変えないといけないとは思っていません。まだ出していない引き出しが、たくさんあるので。そこに相手をハメていけば勝てるんじゃないかと。『これをやりきれば自分が勝てる』という道筋は見えていて。あとは、相手がそれをやらせてくれるかどうか、というのがポイントですね」

――相手がやらせてくれるかどうかとは、相手次第の部分が大きいということですか。

「はい。小島選手の強さが想定を上回っていたら、通じないところもあると思います。そこは実際に試合をしてみないと分からない部分、ということですよね。ただ、特に小島選手はストライカーだし、自分が待つような展開になると、ポイントは相手についてしまう。まずは自分から能動的に動いて、その展開に持っていかないといけないです」

――一方、小島選手はケージに押し込まれてから逃れて打撃を当てる展開も巧いです。

「どうなんでしょうね。そこはまだ測りかねているところです。ここ数戦で間違いなく、テイクダウンディフェンスは強くなっています。簡単には倒せないとは思いますけど、絶対に倒せないかといえば……そこは楽しみにしていてください」

――なるほど。どんな展開になろうとも、小島選手を組み伏せることができる自信があるわけですね。

「組みの部分だけでいえば、僕のほうが強いです。ずっと腰が重く、体重も重い選手たちと練習しているので。そこは自信を持っています。打撃についても――相手の打撃から逃げていると、逆に組みつきにくい。僕にとって良くない展開になりますから」

――山﨑さんも『村田戦のほうが相手に打撃のプレッシャーをかけることができていた』と評していましたね。高橋選手はアップライトに構え、どちらかというと打撃の重心で。

「もう終わった試合なので今さら言ってもアレなんですけど……。実は村田戦も崎山戦も、最初は打撃で行くプランだったんです(苦笑)」

――えっ!? 今までの話が少し変わってきませんか(笑)。

「アハハハ、完全に打撃でやるつもりでした。でも試合の流れで組んだ時、これは組んだほうが勝てるなと感じたんです。それで勝つための戦略に切り替えました」

――とはいえ『これは組んで勝てる』と思って組んで勝つスタイルは、実際に組み力の差がないと実現できないようにも思います。

とはいえ、押し込んでから先の倒すという攻防が見たいのも見る側の心理にある

「よく言えば、結果的に打撃を出さなくても組むだけで勝てるという状態なんです。

特に崎山戦は、意外と容易にケージへ押し込むことができて、押し込んでからテイクダウンを奪うつもりでした。ただ、テイクダウンとなると崎山選手も強くて。この攻防を続けていると、自分も疲労とかリスクがある。

反対に押し込み続けることはできる、削り続けていけば勝てると判断しました。その結果、ああいう信じられないぐらいツマラナイ試合になってしまったんですよ。だからツマラナイ試合っていうのは、そのとおりで。本当にスミマセン(笑)」

――アハハハ。

「村田選手の場合は、相手のほうから組んでくると思っていました。もともと組みが中心の選手でしたから。僕としてはドロドロの展開に持ち込まれる展開が嫌で。それが思いのほか打撃で来たので――蹴り足をキャッチしたら倒せたし、『これは組みで負けない』と感じたんですよ。2Rは打撃でやろうと思いましたが、結果的には組みで圧倒することになって。

僕にとっても想定と違うし、物足りない試合内容になってしまいました。1回戦も準決勝も、試合後に僕の表情は冴えていなかったと思うんです。もっと苦しい展開になると思っていたし、とりあえず一安心っていう感じでした。でも周りからは『手の内を見せずに勝てたね』と言われて。まぁ打撃を出さなかったのか、出せなかったのかは、見た人の主観ですよ(笑)」

――そのどちらだったかは、次の試合で分かるということですね。

「自分で言うのも何ですけど、テイクダウンディフェンスからの打撃という小島選手のスタイルとは好対照じゃないですか。結構面白くなってきたと思いますよ。MMAだから、いろんなスタイルを見てほしい。そんなMMAの面白さを伝えるような試合をして、ベルトを巻きたいです」

■視聴方法(予定)
5月14日(日)
午後1時~Grachan放送局

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【Grachan61】フェザー級王座に王手、小島勝志─02─「どちらかというと、自分にはやりやすいタイプ」

【写真】力みがなく、非常に柔らかい印象の小島。特に打撃でジワッと圧を掛けることがデキ、相手にとっては嫌だろう (C)MMAPLANET

14日(日)、東京都の大田区産業プラザPIOで開催されるGrachan61にて、高橋孝徳とフェザー級王座決定トーナメント決勝を争う小島勝志のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

小島といえば、テイクダウンディフェンスからカーフキック、そして右ストレートを主体としたパンチで倒すというスタイルで、トーナメント決勝まで進んできた。そのスタイルはいかにして構築されてきたのか尋ねた。

<小島勝志インタビューPart.01はコチラから>


――なかなか勝てない時期……。2017年から2018年までパンクラスを主戦場としていましたが、戦績は2勝3敗でした。その期間は何を目標としてMMAを戦っていたのですか。

「目標ですか……。正直、当時はMMAをやっていて将来が見えることはなかったです。山梨には自分以外プロのMMA選手がいなかったと思いますし、僕は僕で昼間の仕事もしていて。そんななかでパンクラスから試合のオファーを頂いたのですが、地下格闘技から始まった僕がパンクラスに出るというのは想像していない世界でした。その変化に対して自分の気持ちが追いついていなかったかもしれません」

――2019年からグラチャンに参戦して以降も、2020年までは2勝1敗1分という戦績でした。それが2021年以降は現在まで5勝1敗、唯一の敗北がRIZIN TRIGGERの中川皓貴戦。この間に小島選手の中で技術面などの変化があったのでしょうか。

「初期は相手の寝技に付き合ったりすることが多かったけど、そういうことは一切やめました。今の戦い方になって、試合で倒せるようになってきたのかなって思います。特にテイクダウンディフェンスの練習をするようになったことは大きいです。それまでは昔の名残り――というわけではないけど、『下になっても極めれば良い』なんて中途半端な形で打撃を出していて。そのために、際の甘さが出ていたと思いますね」

――なるほど。最近の試合ではカーフキックも多用しています。あのカーフキックがあるからこそ、より打撃も当たりやすくなったのではないでしょうか。

「カーフを蹴ることでパンチも当たりやすくなるし、相手も組みづらくなってきますよね。いつも試合では、そういうプランでカーフを蹴っています。でも最初はカーフを蹴るつもりではなかったんです。最初は足払いのような形で蹴り始めて。その後にカーフキックの存在を知って、『これは自分も得意かもしれない』と練習し始めました」

――その足払いローキックもカーフキックも、誰かに教わったわけではないのですか。

「教わってはいないです。自分たちの練習の中で試しながら、『ココはもうちょっと変えたほうが良いなぁ』とかチームで話をして。誰か指導者がいるという環境でもなかったので。昔から一緒に練習してきた仲間たちや、新しく育ってきた子たちと練習しています」

――そのような環境の中で3連勝の後、2022年2月にRIZIN TRIGGERで中川選手に判定負けを喫しています。あの試合内容と結果については、いかがですか。

「うーん……正直言うと、僕としてはグラチャン王者になってからRIZINに出たいという気持ちがありました。でも岩﨑さんからお話を頂いて、地元に近い静岡大会でもあったので出ることにしました。モチベーションも高かったし、良い練習はできていたと思いますけど、うまくいかなかったですね」

――そのRIZINの後に、遂にグラチャン王者になるためのトーナメントが始まりました。

「トーナメントに出ることになってからは、1回戦からKO勝ちか一本勝ちすることを自分の中のテーマにしていました。気持ちとして焦っているわけじゃないけど、ここでしっかり倒して勝てないと、チャンピオンになって以降もどうなんだろう――と思っていて。今しっかり倒して勝てていることは自信というか、安心できます」

――そして迎えるトーナメント決勝戦。目指していたベルトが目の前に来ていますが、現在の心境を教えてください。

「実は、そういう感覚がないんです。よく『タイトルマッチでも普段と何も変わらない』って言う選手がいるじゃないですか。今の僕も同じで。感情が揺さぶられていることもないし、これまでの試合と同じ感覚でいます」

――対戦相手である高橋選手の印象はいかがですか。和田戦、鍵山戦に続き、組みが強い選手との3連戦です。

「そういう試合が続くだろうなとは、出場選手が発表された時に思いました。『組みが強いタイプの選手がトーナメントで勝ち上がってくるだろうな』って。僕もグラップリングに付き合いたくないわけじゃないし、寝技なら寝技で仕留めてやろうという気持ちはあります。ただ、最初から試合の組み立てとして考えていないといいますか……。

でも組みのタイプも、それぞれ違いますよね。高橋選手は四つが強くて、首相撲とか四つからの崩しが多い選手で。どちらかというと、自分にはやりやすいタイプだと思います」

――小島選手の場合は、ケージに押し込まれたほうが得意ですか。

「はい。RIZINに出る前から、ケージに押し込まれてからの展開は練習していました。今はパラエストラ八王子のプロ練に行かせてもらっていて、練習でも四つからテイクダウンされることは少ないです」

――パラエストラ八王子には小島選手と同じタイプの選手が多いですね。そのパラエストラ八王子まで山梨から通っているのですか。

「でも高速を使って、車で1時間ぐらいですよ。多い時は週2回ぐらい行かせてもらっています。亀井晨佑選手とはパンクラスのネオブラで対戦していて(2018年5月に亀井が判定勝ち)、その試合があったから塩田GOZO代表も僕のことを知っていてくれたと思います。だから行きやすくて、亀井選手とも『おぉ、久しぶり~』みたいな感じでした(笑)。亀井晨佑選手、高木凌選手、梶本保希選手と同じ階級の良い選手が多くて。鈴木千裕選手も来ていますし、良い練習ができています」

――それは試合が楽しみです。では最後に、次の試合への意気込みをお願いします。

「いつも応援ありがとうございます。KOか一本勝ちでトーナメントを締めくくり、チャンピオンになります。そして、さらに皆さんが喜んでくれるような舞台へ連れていきたいと思います。まずは今回のトーナメント決勝戦、応援よろしくお願いします!」

■視聴方法(予定)
5月14日(日)
午後1時~Grachan放送局

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【Grachan61】高橋孝徳とフェザー級王座決定T決勝、小島勝志─01─「いわゆるギャングをやっていました」

【写真】ギャングをやっていました──と、サラっといえるのが何となく凄い (C)SHOJIRO KAMEIKE

14日(日)、東京都の大田区産業プラザPIOで開催されるGrachan61にて、小島勝志×高橋孝徳によるフェザー級王座決定トーナメント決勝戦が行われる。
Text by Shojiro Kameike

山本琢也が返上したフェザー級王座を賭けて、昨年8月よりスタートしたトーナメント。小島は1回戦で和田健太郎を、準決勝で鍵山雄介をそれぞれKOで下して決勝に進んだ。地下格闘技からプロMAファイターへ――山梨県在住のプロファイターとしてのキャリアについて訊くと、スタートは和術慧舟會のバックテイク& RNCだった。


――今回が初インタビューとなります。まずキャリアについてお聞きしたいのですが、MMAだけでなく格闘技を始めたのは、いつ頃なのでしょうか。

「23歳ですね」

――他の競技を経験したのちに23歳ごろからMMAを始める選手もいるかとは思いますが、かなり遅いスタートではないですか。

「アハハハ。特に昔から格闘技が好きだったわけでもなくて。成り行きというか、日常がつまらないと思って、23歳の時に初めて山梨にある和術慧舟會フォーランバス(現在は和術慧舟會ではない)というジムに入会したんです」

――23歳まで他のスポーツ経験はあったのでしょうか。

「小学校からサッカーを始めて、中学時代はクラブチームに入っていました」

――クラブチームということは、Jリーグを目指すようなサッカー選手だったわけですね。

「はい……。でもサッカーは中学まででした」

――そのまま高校に進学して、サッカーを続けようとは思わなかったのですか。

「それが――ちょっとグレてしまったんです(苦笑)。サッカーも中3ぐらいから、やる気を失っていました。高校も定時制には入ったけど、それもすぐに辞めて。16~18歳まで、いわゆるギャングをやっていたんですよね。でも20歳になった頃、もうケンカとかは辞めて仕事をし始めたのですが、日常には不満があって……。その頃に地下格闘技というものがあると知ってジムに入ろうと決めた、という経緯です」

――23歳から地下格闘技へ!

「定時制の高校を辞めてから建設業をやっていたんですよ。それで23歳の時に独立しまして。それで『一つ目標が達成した』という気持ちがありました。本当は、独立してからもっと頑張らないといけないですけどね(笑)。それで次の目標を見つけたい――という時に格闘技と出会いました」

――ただ、K-1やPRIDEを中心とした格闘技ブーム全盛期は知らなかったのですね。

「当時流行っていたとは思いますけど、全く知らなかったです。それよりはアウトサイダーや地下格闘技のほうを知って。でも、元々ファンだったわけではなかったです」

――そこで小島選手をMMAに向かわせた要因は何だったのでしょうか。

「ネットで検索して和術慧舟會フォーランバスに入門した初日に、寝技オタクみたいな人たちにやられて。絶対負けたくない、その気持ちが原動力になりました(笑)。そこから、どっぷりと格闘技に浸かっています」

――そこから地下格闘技は何試合、経験しているのですか。

「細かくは覚えていないですけど、50~60戦ぐらいはやったはずです。 2週連続で試合したり、1カ月に4回出場したこともありましたよ。戦績は……地下格闘技で負けたのは10回ぐらいで、ほとんど負けていなかったと思います」

――地下格闘技時代の試合映像も拝見すると、当時から今のスタイルに繋がる、しっかりと右のナックルを急所に当てる技術を持っていました。てっきり空手や他の打撃競技をやっていたのかと思っていたのですが……。

「ありがとうございます。もともとは打撃をやりたくて。近所にキックボクシングのジムがあったんですけど、なぜか入ることができませんでした。次に近いのが、車で45分ほど行ったところにある和術慧舟會フォーランバスで。そこに入ったものの、打撃はやらせてもらえませんでした(笑)」

――そこで和術慧舟會に入ったおかげか、地下格闘技時代からバックテイクは慧舟會スタイルでしたね。首に腕を回すと同時にスッとバックに回るという。

「そうなんです! 今までのキャリアの中でも、寝技のフィニッシュはRNCが一番多くて。あのやり方をジムの代表に教わっていました」

――なるほど、合点がいきました。一方、打撃面はどのように練習していたのですか。

「特に誰かに教わったというのはないです。友達とミットを持ち合っていたぐらいで、動画を見て研究するタイプでもなかったですし。なんとなく――ですね」

――その後、地下格闘技団体の王者になってから次の道は、どう考えていたのでしょうか。

「次はプロでやりたいと思って、池袋のブルードッグジムへ行かせてもらうようになり、プロを目指して練習していました。東京ではスカイライブRにも行かせてもらって」

――スカイライブRとは、魔裟斗さんのトレーナーを務めていた土居進さんのパーソナルトレーニングジムですよね。

「はい。スカイライブRにはコロナ禍になるまで、週1で山梨から通っていました。僕は集団のクラストレーニングに参加していて、とにかくキツかったです。おかげでスタミナ面では、5分2Rフルで戦える自信はつきました。それまで山梨では経験したことのなかったトレーニングで、衝撃を受けましたよね。K-1に出場されている選手もたくさん来ていて、『これぐらいトレーニングしないとプロでは勝てないのか』と実感しました。そういうところは、すごく大きな影響を受けています」

――その経験から東京に拠点を移そうとは考えなかったのですか。

「実は一時期、東京に住んでいました。でも当時、格闘技へのモチベーションが落ちてしまったんですよ。GRACHANで咲田ケイジ選手に負けた試合(2015年9月、ギロチンで一本負け)と、地下格闘技を含めて4連敗して山梨に戻りました。いま考えると、『もう格闘技は辞めてもいいかな』という気持ちだったと思います」

――そこまでモチベーションが落ちたにも関わらず、再びケージの中に戻ってきた要因は何だったのでしょうか。

「地元では昔からの練習仲間が、変わらず車で片道45分かけて練習していました。そんな彼らのために、近くに良い練習環境をつくりたくて、自分のジム(スタイルプラスジム)を立ち上げたんです。そして彼らと一緒に練習しているうちに、自分も続けようと思いました。

ただ、その後はパンクラスに出ていて、なかなか勝てませんでした。自分としてはジムを軌道に乗せないといけないし、建設業もやっていたので徐々に仕事のほう重きを置くようになって……。そんな時に、グラチャンの岩﨑(ヒロユキ代表)さんから、『最近試合していないけど、どうしたの?』と連絡を頂いたんです。

そして『グラチャンに出るならチャンピオンを目指して、しっかりやっていこう』と言われました。おかげで僕も気持ちを切り替えて、グラチャン王者を目指すことにしたんですよ」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
5月14日(日)
午後1時~Grachan放送局

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DEEP Grachan Grachan61 MMA MMAPLANET o RIZIN イ・ハンヒョン キック 伊藤空也 小島勝志 阿部路人

【Grachan61】5・14@大田区産業プラザPIO 阿部路人が決定、伊藤空也「打撃にも深みが出た感じがします」

【写真】あまりスポットが当たらない状況が続いているが、もっともっと目立って良いファイターだ (C)MMAPLANET

3日(月)に開催とカード第1弾が発表されているグラチャン5月14日(日)大会=Grachan61。

大田区産業プラザPIOで開催される同大会ではフェザー級王座決定トーナメント=小島勝志✖高橋徳の一戦やフライ級王座決定T準決勝、そしてJ-MMAルーキーカップ2階級の準決勝戦とともに伊藤空也が阿部路人とバンタム級2回戦で戦うことも明らかとなっている。


昨年12月のイ・ハンヒョン戦以来の実戦となる伊藤に、今回の試合に向けての意気込みをBRAVE GYM 三郷で訊いた。

──約半年ぶりの試合が決まりました。今の気持ちは?

「とにかくしっかりやるだけです。去年から、なかなか試合が決まらなくて。RIZINからも声はかけてもらったのですが、それも流れて……そういうなかで決まった試合だったので、とてもありがたいです。まぁ試合ができることに感謝したい。そういう気持ちですね」

──RIZINでの試合を所望しているなかで、グラチャンで戦うことが決まったという形でしょうか。

「いえ、RIZIN待ちということではないです。戦うことができるならプロモーション、大会は問わないです。どこでも戦います。試合ができるなら、どこでもやります」

──それだけ戦いに飢えているなかで決まった今回の阿部選手との試合が決まった。気合が入りますね。

「以前から知っている選手です。DEEPの常連で、それなりに強い選手とも戦ってきた。僕よりも全然キャリアも上の選手なので、胸を借りるつもりではないですけど、ここをしっかりと勝って次へ次へとステップアップしていきたいです。絶対に勝たなきゃなって思っています」

──ステップアップを目指す選手に関しては、この競技は常にリザルトだけでなくパフォーマンスも求められる部分があります。

「しっかりと仕留めること。圧倒的に勝つ。ねちっこいなかで打撃のデキる選手なので阿部選手のペースに巻き込まれないように、しっかりと自分のやるべきことをやる──って言う感じですかね」

──伊藤選手は打撃一辺倒の頃から、BRAVEにやって来てテイクダウン、組みの部分が強化されて久しいです。ウェルラウダ―になったことで、以前のように打撃で制するという部分は薄れたということでしょうか。

「総合的に戦えるようになると、打撃だけを見れば威力は落ちることはあるかもしれないです。僕は以前は言われたように打撃一辺倒でした。最近は組みとミックスすることで、打撃にも深みが出た感じがします。

ムエタイの練習も欠かしてはいないですが、そこに拘らないよう注意もしています。どうしてもキックボクサーになろうとしてしまうので。僕はMMAで勝つことができるので、ミックスされた上でしっかりと打撃を見せていきたいです」

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