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Bu et Sports de combat Interview ブログ 剛毅會 大塚隆史 岡田遼 岩﨑達也 武術空手

【Bu et Sports de combat】MMAを武術的な観点で見る。岡田遼✖大塚隆史─02─「不自然から脱却する」 

【写真】5分✖5Rの長丁場、マネージメント力に優れた岡田の視線の先は? (C)MMAPLANET

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑氏とともに見てみたい。

武術的観点に立って見た──Shooto2021#02における修斗世界バンタム級選手権試合=岡田遼✖大塚隆史とは?! 格闘技を戦うことが本来は自然の摂理に逆らっているなかで、武術がマネージメント力に左右される5分✖5Rで役立つことはあるのか。

<武術的な観点で見る岡田遼✖大塚隆史Part.01はコチラから>


──年を重ねると若い選手に勝てる要素がなくなる。それは身も蓋もない意見ではないですか。

「生物としての根本的な話として、人間以外に格闘技をする動物は存在しないですよね」

──ハイ、その場限りの勝ち負けを争うというのは他の動物ではないかもしれないです。

「つまり生物学的に不自然なことをやっているということになるんです。若くてガンガン……それも生きていくうえで関係のない闘争をするという意味では、生物学上では必要以上にガンガンやっている若い相手と、年を重ねた人間が戦う。勝ち負けまでは保証できないですけど、ある程度まで試合を取り組むために良い状態を創るには、意識が外でなく内に向くことは非常に前向きなんです。ただ、勝てるとまでは言えないです。

原理原則でいえば、それがなければ若くて元気の良い人に勝てるわけがない。では、その無理難題に立ち向かうにはどうするのか。それは人間が動物として、一番自然なことを突き進むしかない。そこが武術に通じるんです。

ハッキリ言えばウェイトトレーニングも、息上げも生物学的には──してはいけない。生き抜くうえで反対のことをやっています。でも、それをやらないとスポーツ、格闘技では勝てない。そういう状態で選手が不自然から脱却するのが、超自然というヤツです。大塚は試合後、5Rを戦っても疲れなかったと言っています。彼が外でなく、自分を見る──試合に向けては無心の状態になったのは想定外でした」

──う~ん、ただ疲れても勝つのが格闘技の真理ですし。

「そこは技術的な話になってきます。自然体から不自然の極みである勝利にどのように持っていくのか。ここに関しては矛盾しているところなので、整合性を持たせるのは別問題になるんです。

要求した技術的な部分に関しては蹴り、突き、スクランブルにおいて、練習してきたことの3割も試合では出せなかったです。そういう部分でも岡田選手は5分✖5Rをマネージメントしてくることは予想できていたので、私も攻防云々よりも時計ばかり見ていましたね」

──試合をしている当人も、常に時間を気にしていたと思います。5分✖5Rは序盤から大前提として疲れない、そこから試合に入る必要があるので、何かの拍子で試合が動かないと5分✖3Rとは別物の試合になります。

「それですよね。高島さんもゴン格で『MMAでは5分✖5Rは無理、5分✖3Rに戻そう』ということを書かれていましたよね。それが極真時代の話で、国内でマネージメントで勝っていても国際戦では勝てないという所に通じてくるんです。国内で5分✖5Rが上手な選手は、UFCでは1Rで負ける。それが現実だと思います」

──国内MMA総フィーダーショーになった今、チャンピオンシップだから5分✖5Rというのはナンセンスだと感じているんです。UFCの世界選手権ですら、ペース計算で5分✖3Rの積み上げではなく、試合内容になっています。よしんばUFCで戦うことができたとしても、まず5分✖3Rでバケモノに勝たないといけない。だからこそ、国内でMMAだけで食っていけるなら、それ以上を目指す戦いは必要ないのですが、海外に行ってMMAだけで食べるようにしたいなら──海外の5分✖3Rで勝てるための日本での試合にならなくては……と。

「バンタム級でいえばコリー・サンドハーゲンや、ショーン・オマリー、エイドリアン・ヤネツのような選手と戦うには、どうすれば良いのかということを考えた戦いをするということですね。

現状はそうでない。そして、5分✖5Rはマネージメントいうことなので、配分になってしまいます。そうなると何をされると嫌なかのか、その対処をまず考えて嫌にならない試合をしないといけなくなります。それには良いイメージを創ること、そのためのペース配分です。

この感覚を岡田選手は身につけて、MMAを戦ってきたと思います。大塚がこうしてくれば、自分はこうしよう。次はこうなれば、今度はこうだ。2Rでは、3Rではと組み立ててマネージメントできている」

──マネージメントMMAは、岡田選手が「MMAは5教科7科目」と言ってきたことに通じているのですね。

「ハイ、受験勉強です。学問と受験勉強とは違います。5分✖5Rは間違いなく、受験勉強なんです。今、危惧しているのは日本の受験勉強をしていてハーバードやイェール大学に入学できるのか──ということなんですよね?」

──ハイ、その通りです。東大、早慶に入ってもMMAで食っていけないのが日本の実状なので。

「ちなみにイェール大学は入試にエッセー(作文)があります。そして入学試験の点数ではなく、重視されるのは高校での成績です。米国の名門大学が求めるのはセンター試験ではなく、『勉学に励む』ことで社会や国家、ひいては世界にどのように貢献できるのか。そのために『芸術に親しみ』感性を磨き、『スポーツに勤しみ』体力創りを欠かさない。そして『リーダーシップ』を発揮することだそうです。あと、推薦状も重視されているようです。

それはそうと、岡田選手は修斗で勝つための5分✖5Rをしっかりとマネージメントできていた」

──大切なことなんです。今の日本のMMAがそうあるので。なので岡田選手はやるべきことをやり抜き、大塚選手は負けた。

「だから私は北岡さんにセコンドをお願いしたいんです。北岡さんはマネージメントに優れています。北岡さんは強くなることと、試合に勝つことをしっかりと別々に考えることができる人です」

──そんな日本の現状があり、選手は国内でも5分✖5Rを戦う必要があるなかで武術は役立つのでしょうか。

「年齢がいけば超自然体……選手が年を重ねても戦える特性に武術は有効です。しかし、勝ち負けは別のところにある。ですので、武術の原理原則を知ったうえでMMAで勝つ術、時と場所によって求められている試合形式で、勝てる方法を身に着けていくよう努力するしかないです」

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Bu et MMA Interview ブログ 剛毅會 大塚隆史 岡田遼 岩﨑達也 武術空手

【Bu et Sports de combat】MMAを武術的な観点で見る。岡田遼✖大塚隆史「武術と格闘技を線引きすると」

【写真】今回は岩﨑氏が大塚陣営にいたということで、試合前から武術という視点に立ってMMAについて述べてもらった (C)MMAPLANET

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑氏とともに見てみたい。

武術的観点に立って見た──Shooto2021#02における修斗世界バンタム級選手権試合=岡田遼✖大塚隆史とは?!


──岡田遼✖大塚隆史、岩﨑さんは大塚選手陣営の1人でしたが、この試合を振り返ってもらえますか。

「ハイ、ところでこの試合どのように思いましたか?」

──実は試合終了直後に勝った岡田選手に感想を尋ねられ、「人間が必死に戦っている良い試合。あくまでも修斗の王座を賭けた試合で、LFAやコンテンダーシリーズで見られるUFCに行くための人間でなく獣になっている試合ではなかった」と正直に話させてもらいました。

「アハハハハ。それはUFCを目指していないという風にとったということですか」

──UFC云々ではなく、この試合に一生懸命に取り組んだ結果を否定するわけでもなく、ただ単にこの上を見ている試合ではないと感じました。

「まぁ平良達郎選手のような勢い、ここでまごついていられないという戦いではないということですね。それはこういうとアレですが、田中路教選手や松嶋こよみがああいう試合になったら想う印象であって、大塚と岡田選手の試合です。私は岡田選手のことを知らなかったのですが、『凡人が云々』ということを言っていましたね……凡人として天辺ということを口にするということは、バケモノの世界に行けるとは思っていない。彼は頭が良いので、そういう判断ができてしまうのでしょうね」

──そうなると国内で戦っていて、試合だけ食っていける状況を作るか、海外で食っていける選手が増やすのか。この2つのどちらかがないと、日本のMMAはどんどん落ちる一方だと思います。

「まぁ……この間の試合でいえば平良選手のような選手が、ボコボコと出てこないと活性化は難しいというのは私も分かります。フレッシュなんですよね。その勢いというのは、今しかないということで。ホント、強い選手と今、戦っていかないと。

なんというか、パラエストラ千葉ネットワークの選手はジムが一体化しているのか、試合のマネージメントが優れています。これはですね、私が所属していた支部はライバルだった支部にマネージメント力でしてやられていました。ただしそこの支部は、世界王者は出せなかった。国内のウェイト制の試合のマネージメントに優れていても質量な勝る海外の選手とやり合うことはできなかった。良い悪いでなく、競技として別のマネージメントが必要だったのだと思います」

──つまりは大塚選手の敗北は、試合のマネージメント力に負けたということですが。

「いえ、それはそういうこともありますが……。まぁ、試合前に色々と岡田選手の研究をしたのですが、なかなか特徴が見いだせなかったです。MMAを戦う上で厄介なことは理解できていたのですが、何が厄介でどうすれば良いのかという答えがなかった。

私は武術を通してMMAの分析はできますが、5分✖5Rのマネージメントやスコアリングというモノをもっと知らないといけないと痛感しました」

──強さと、試合の勝ち負けはまた違う軸が存在します。

「そういうなかで──準備段階で、大塚はマズいなと。ぶっちゃけていうと精神的にも肉体的にも5Rを戦い抜けるのか、その確信が持てていなかったです。そもそも大塚のなかでも11月に安藤選手に勝って、タイトルマッチまでもう1試合挟むことになるという想定だったんです。

いずれは戦うとしても、ここまで急に決まるとは思っていなかったです。私も過去5年間、大塚がどういう練習をしてきたのかも分かっていなかったですしね。30歳を超えると、頭ではそうしようと決めても心と体が戦いを求めてない──そういう経験する人も多いかと思います。心も体も求めていないけど、オファーがあるから試合をするという感じで。

そういう人に技だとか、試合の組み立てとか説明しても、頭では理解しても体が受け入れようとしていない。だから、現実問題として戦略も立てようがないという状態でした。もう岡田選手だとか、5分5R以前の問題で。正直、途方に暮れていました」

──……。

「実はここは武術の本質的な話になってきます。私も空手の選手の後半期に、その状態に陥っていました。当時は分かっていなかったですが。心も体も戦いを求めていないのに、頭では『俺はやるんだ』、『俺は勝つんだ』と思っていた時期がありました。そういう時は練習してきたことが試合で出なかったです。練習と試合での精神状態が余りにも、かけ離れ過ぎているんで。結果として練習しても、試合の準備になっていなかった。

私の場合は站椿に取り組むようになって──それまでになかったのですが、練習の精神状態のままで試合を戦うことができたことがありました。結果を残せたかといえば、残せなかったですけど、あの感覚が面白くて今に至っているとつくづく思うんです。

28歳の頃、当時は站椿でしたが、自己流では限界があるので型を習うようになりました。そうすることで、『勝つんだ』、『これをやるんだ』ではなくて、内向きになっていった。これはヨガなどで内観と言われているのですが、自分と向き合うようになった。

その内観が、大塚に始まったんです。勝ち負けだとか、負けたらどうしようだとか、相手をやっつけるという意識を超越した境地が存在します。相手を見ているのか、自分を見ているのか。それは練習でも分かります。自分のやるべきこと、動きを追求して、相手のことは関係なくなっている。そんな風に大塚が内観するようになってきた。

肉体では勝てない、そういう気持ちになることで内観が始まったのかもしれないです。結果として、戦える状態に急になりました」

──……。

「武術と格闘技を線引きすると、格闘技は自分を守る行為。体を守るということではないですよ、勝とうとすることで自分の存在を守る。自分のため、ですよね。武術とは家族や国家のために、自分の身を捨てる行為です。後ろに自分の子供がいて、その子供も守るという気持ちがあると距離から何から、全て変わってきます」

──ただし、MMAの試合で負けて自分の家族に危害が及ぶことはないです。

「その通りです。自分を守る行為と、自分を捨てる行為は違います。そして内観が始まるということは、自分を守る……自分への拘りを捨てたんだと思います。そういう面では敗れはしましたが、大塚にとってベストバウトなんです。これが武術でいう事理一致ということかと。心と体が一致している」

──ただ、試合ですから負けるとダメじゃないですか。いくら事理一致だとか、内観が始まっていても。

「そこなんですよ。年を取って体力的に落ち、気持ちも萎え始めると、本来は生物として勝てる要素はなくなるんです」

<この項、続く>

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Interview J-CAGE Shooto2021#02 ブログ 大塚隆史 岡田遼

【Shooto2021#02】プロ修斗世界バンタム級王座防衛、岡田遼「凡人が辿り着く、最高到達点付近には…」

【写真】取材中、あふれ出る感情を抑え懸命に笑顔を見せようとしてくれた岡田遼に──、そしてこれまでの岡田遼に多謝 (C)MMAPLANET

20日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されたShooto2021#02のメインで、岡田遼が大塚隆史を相手に修斗世界バンタム級王座防衛に成功した。

その25分間は、コツコツと岡田が積み上げてきたMMAを象徴していた。大きな勝負にはいかない、派手な技もない。ただし、気持ちが途切らすと負ける。まるで市井の人々の営みのような厳しい戦いを勝ちきった岡田は、現役生活をあと1年と区切る発言を試合後にした。


──率直に今の気持ちを教えてください。

「防衛は義務なので、僕の格闘家人生において絶対にやらないといけない責任でした……。それを果たせたかな……」

──ザ・ワンのインタビューを傍から眺めていたのですが、『あと1年で引退する』という発言をされていました。

「もう言っちゃいました……。しんどかったです……」

──UFCに行きたかった。でも、色よい返事はなかった。その現実と戦った10カ月だったかと思います。

「届かないですね……。凡人なりに遠くに行けるように頑張って来たんですけど……ハァ……。去年、色々と動いてもらったのですが、ダメで。そのうちに正規王者になったので、このベルトを獲るまで辞めないと決めていたので……。で、正規王者になって防衛できたらもう良いなかっていう気持ちになりました」

──あと1年というのは?

「来年で僕自身のキャリアが10年になるので……う~ん、そうっすね。でも、体のこともあって本当に長くできないです。この先、修斗のベルトを防衛することで──このしんどい仕事を頑張って行けるのかって自問した時に、なかなか頑張れる気持ちになれないかと……」

──ぶっちゃけてしまうと、試合前のインタビューいや昨年末からそのような空気が岡田選手から出ていました。そうなった時に、この大塚隆史戦でどこまで死力を尽くすことができるのかいう危惧は正直ありました。

「そこは……俺は頑張り切れたし、5R、気持ちを切らさずにこれだけは守り切るんだと……。この仕事だけは最後までやり切って、俺の格闘家人生を胸の張れるモノにしたいという想いでいたので、それだけで頑張れました」

──大塚選手を相手にケージレスリングで優位に立った。それは岡田遼がここまで積んできたモノを見せることができたのではないでしょうか。

「それは凄くありました……。UFCはモンスターの集まりですけど、人間なりにATTに行って学んできて──日本でトップのケージレスリングの技量を持つ人に通用した。マジであの瞬間、試合中だけど『どうだっ!! 高島学、見たか!』って思ったんです。アハハハハ」

──光栄です(笑)。でも、それなら人間同士の会話として『なら、最後までやり切れ』って。反撃食らったじゃないかと(笑)。

「アハハハハハ。さすがに大塚選手でした」

──こういう一線から身を引くような気持ちになったなかで、鶴屋怜がデビューしたことなどは関係していますか。

「次世代の子たちが育ってきている。次に託せる子たちが出てきているので、自分は役割を終えて鶴屋道場の若い子たちにバトンタッチできるかなとは思っています。

本当にこの防衛戦をクリアできれば、それで終わっても良いと思って創ってきたんで……。5Rなので、やるべきことをやってチャンスがくれば仕留める。大きく揺さぶることはせずずに、一手一手で上回って摘んでいこうと……でも摘むことはできなかったですね(苦笑)。

5Rも最初の経験でしたし、大塚選手を相手に5Rほぼ何もさせない試合ができるヤツが、日本のバンタム級に何人いるだっていう気持ちはあります」

──それでも、UFCには届かない。その現実は岡田選手個人の問題でなく、日本のMMA界の問題です。

「…………。…………。しんどいです。でも、本当にサッカーと勉強をやっていた凡人が辿り着く、最高到達点付近には……来られたかなって……」

──オールラウンダー廻の最後に「就職して、結婚して、修斗でチャンピオンになる」っていう廻君の言葉があったじゃないですか。自分はあれが好きで。

「結婚は相手から……ですね」

──それは若干自業自得かと……(苦笑)。私はバケモノ同士が最高の戦いを見せるUFCが頂点にあるMMAを見続け、伝え続けていきたいです。そこを目指す選手たちを追っていきたい。同時に普通の人間……いえば「高校の時の自分より、喧嘩が弱そうな」人が恐怖に耐え、苦しい練習を乗り越えてケージで戦う勇気を見せてくれることに対し、心の底から尊敬心を持ち続けたいです。

「……。僕、絶対に高校の時だったら勝てなかったですよ(笑)」

──才能は枯渇しますが、努力はずっとできます。引退モードで申し訳ないですが、岡田遼はケージの外でもそれができると信じています。

「ありがとうございますっ、本当に……。パーソナルのジムでの基盤もあるし、色々とやっていこうと思います。宅建も取ろうかとか考えています。

何より3本も修斗のベルトを巻くことができて、本当にハッピーなMMAファイター人生です。修斗だから、今日の試合を良い試合だったと言ってもらえます。修斗で頑張ってきて良かったです」

※岡田遼✖大塚隆史、見逃し配信は↓から。

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J-CAGE Report Shooto2021#02 ブログ 大塚隆史 岡田遼

【Shooto2021#02】スイッチで自分の距離を作りスクランブルも制した岡田遼が、大塚隆史に判定勝ちで世界バンタム級初防衛に成功

<修斗世界バンタム級選手権試合/5分5R>
岡田遼(日本)
Def.3-0
大塚隆史(日本)

お互いにオーソドックス。ケージ中央で見合うなか、岡田が左手を伸ばすと、大塚が前蹴りで距離をはかる。岡田がスイッチ、サウスポーへスイッチし、右ジャブと左右のロー。岡田はスイッチしながら、サウスポーから左ストレートを伸ばす。左右のローを放ち、さらに左ストレートを当てて、大塚を近づけさせない。対する大塚も一瞬サウスポーへのスイッチを見せる。大塚が三日月蹴りと右ロー。岡田はオーソドックスからの右ローで、大塚をこかした。

すぐに立ち上がった大塚。岡田の蹴り足を取り、シングルでテイクダウンを狙ったが、岡田は切り返す。大塚が岡田の首を取るものの、岡田はそのままケージ際で大塚に尻もちを着かせた。ケージを背にして落ち着いている大塚。足を抱える岡田の顔面にパンチを放つ。ここでブレイクがかかり、スタンドで再開。岡田はサウスポーから左フックを振るう。残り10秒で大塚がダブルレッグ。岡田に尻もちを着かせてファーストラウンドを終えた。

2R、ともにオーソドックスでスタート。岡田が左ジャブを伸ばす。大塚はフェイントから左ミドル。岡田も左の前蹴りを放つ。大塚は左ジャブからサウスポーへスイッチ、岡田の三日月蹴りが大塚の下腹部をとらえ、試合は一時中断。再開後、大塚はスイッチしながら距離をつめる。蹴りを繰り出す岡田の顔面に、左フックを当てた大塚。岡田が距離を詰めていくが、大塚が前に出て左ストレートを当てていく。岡田は大塚のローに対し、ニータップを仕掛けようとするも、大塚がこれをカット。

頻繁にスイッチする大塚。岡田がパンチを大塚の顔面にヒットさせる。大塚も距離を詰めてフックを振るう。岡田はサウスポーへスイッチ。大塚も岡田の動きに合わせてスイッチする。岡田の左ローがクリーンヒット、打ち終わりに大塚は右を振るったが当たらず。大塚の右ストレートをバックステップでかわした岡田が距離を詰めようとするが、大塚が岡田の右ローをキャッチし、テイクダウンを狙う。スタンドの攻防が続くなか、岡田の右カーフが大塚の左足をとらえる。終了間際、岡田が左ミドルを当てていった。

3R、オーソドックススタンスで距離をつめる大塚。一瞬、自コーナーを向く。岡田がプレッシャーをかけて押し返し、サウスポーからの右ローを打つ。互いにジャブとローを突きあうが、岡田の三日月蹴りが大塚のボディにヒット。大塚も岡田のジャブに対しパンチを返す。岡田はスイッチしながら前に出て左ストレートを放ち、大塚が前に出てくるとオーソドックスから右ジャブで大塚を近づけさせない。

すると大塚は、低空のダブルで組み付き、岡田に尻もちを着かせたあとバックに回る。ケージ際へ動く岡田。大塚はバックに回ったまま岡田をケージに押し込むが、ここでレフェリーがブレイクをかけた。再開後、ケージ中央でパンチを出し合う両者。岡田が左ボディを当てる。大塚のローをカットしながら、自身の右ローがヒット。大塚が出てくると回って右ジャブで迎え撃つが、大塚の右も岡田の顔面を捉える。

残り1分で手数を増やした大塚。対する岡田もローを中心に押し返すが、大塚の左右パンチが当たり、残り10秒でテイクダウンを仕掛けていく。岡田は組んできた大塚に右クロス、大塚はバランスを崩しながらしつこく食らいつき、ラウンド終了のブザーを聞いた。

4R、縦にリズムをとる大塚。岡田はスイッチしながら、じっくりを機会を伺い、左ミドルを効かせる。ケージ中央で左ジャブを突き、岡田の三日月に合わせてシングルを仕掛けた大塚だったが、この三日月が大塚の下腹部をとらえており、試合は一時中断する。

再開後、オーソドックスから距離をうかがう両者。大塚は飛び込むも組み付けず。ミドルレンジで岡田が左ボディを当てる。大塚のテイクダウンをバックステップでかわす岡田。大塚は左右のロー。岡田も左ローを返す。岡田に背負わせてから、テイクダウンを狙った大塚が、脇を差してケージに押し込むが、岡田は回ってカット。反対にパンチを当てながら、大塚にケージを背負わせる。ローとパンチで距離を詰める大塚。互いのジャブが交錯、大塚の左フックが当たる。

残り1分、大塚が左ミドルを当てた。互いにスイッチからローを出し合う。残り30秒でプレッシャーを強めた大塚が、ケージ際で組み付く。岡田は切り返し、大塚が離れる。ラウンド終了間際、岡田が左飛びヒザを放っていった。

最終R、岡田が左ジャブ。大塚もスイッチしながら距離を詰める。岡田も自分の距離を保ちながらスイッチと、距離の取り合いが続く。大塚の左フックと右がヒット。対する岡田も左ジャブで中に入れさせない。岡田の左ジャブをキャッチした大塚が組み付こうとするも、岡田もすぐに離れる。ここで岡田が組み付きケージ際へ。ケージ際で差し合いが続くが、岡田がテイクダウン。立ち上がろうとする大塚のバックを狙う。

大塚は立ち上がるが、岡田は再び大塚に尻もちを着かせる。すると大塚が切り返し、反対にテイクダウン。さらに岡田のバックに回る。立ち上がる岡田。バックをキープする大塚。大塚は岡田の太ももにヒザを打ちながら、引き倒そうとするも、これをカットした岡田が反対に低空シングルへ。大塚はカットするも、ケージ際に押し込まれてしまう。しかし大塚がスイッチしてダブルからバックへ。最後はめまぐるしいスクランブルの展開を繰り広げ、試合を終えた。

裁定は、ジャッジ3者とも岡田の勝利を支持。岡田が世界王座の初防衛に成功した。
岡田は試合後、「修斗を愛している岡田遼にとって、盛り上がる相手は修斗を愛していない選手。今日の大塚選手は、DEEPでやったら五分五分だと思いますが、修斗でやったら絶対にオレが勝つ。なぜなら、オレが修斗を愛しているから」と、いつものセリフで激戦を締めた。

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Interview J-CAGE Shooto2021#02 ブログ 大塚隆史 岡田遼

【Shooto2021#02】岡田遼に挑戦、再生された大塚隆史「どんな形だろうが、勝つことが一番大切」

【写真】正常進化した、新しい大塚を見ることができるか (C)MMAPLANET

本日、20日(土)に東京都文京区の後楽園ホールでShooto2021#02が開催され、メインで大塚隆史が修斗世界バンタム級チャンピオン岡田遼に挑戦する。

日本を代表するバンタム級ファイターでありながら、ここ一番を落とすことも増えてきた大塚が、11月に修斗初参戦しギラギラとしていた頃を思い起こさせるようなファイトで安藤達也を破った。

そして、今回のタイトル挑戦──いや修斗王者を倒すための試合に向け、松嶋こよみ、岩﨑達也、大宮司岳彦とトロイカ体制で取り組んできた。

話す内容も雰囲気も少し変わった大塚を計量前日(※18日)にZoomでインタビューした。

──明日、計量ですが、体調の方は。

「良いですよね。疲労も抜けています。追い込みは先週の水曜日まで。でも金曜日も一応2部練をして……そこそこはやりました」

──修斗バンタム級王座に挑戦するわけですが、タイトルには興味がないという発言がありました。では、岡田選手と戦うことに興味があるということですか。

「岡田とやることよりも、修斗のチャンピオンが岡田だから岡田選手とやりたいということです。ベルトじゃなくて、修斗のチャンピオンを倒すことに価値があると思っています」

──では岡田選手の印象を教えてください。

「本当に全部できる選手です。パンチも組みもできる。相手がストライカーだったら組みでテイクダウンを取りに行ったり、グラウンドでも勝負できる。全部そつなくできる選手です」

──対して、大塚選手の強味は?

「まぁ、全部で上回りたいかな。総合格闘技という部分で、上回りたいです。全部を使って」

──修斗に出ることによって、強くなろうという想いを再び持つようになったということはありますか。

「そうですねぇ。去年の3月に元谷選手に負けて『もういいかぁ』という想いもあって、暫らく格闘技から離れました。そのなかで修斗で戦うことになり、また闘争心がわいてきて良いモチベーションになりましたね。若返ったじゃないけど……やってやろうと気持ちになりました。

安藤達也選手に勝ったあとで、さらにも燃えて、もっといきたいなと」

──そこからAACC所属時代の後輩、松嶋こよみ選手と剛毅會の岩﨑達也氏との稽古が復活し、大宮司岳彦さんとのムーブメントトレーニングを採り入れるようになりました。

「自分がレベルアップするには、自分より強い選手と練習する環境を創りたいと思いました。そのタイミングで岩﨑先生と食事する機会があって、こよみと練習したいと伝えたんです。それで先生と3人で一緒にやることになって」

──トレーニングではなく、稽古という表現を岩﨑さんはされていました。一つひとつ確認しながら、少し変わった練習風景でした。

「金曜日以外にも、こよみとは水曜日にパンクラスイズム横浜でも練習させてもらっていて。そこの練習では、岩﨑先生が立ち会っても、途中で動きを止めて指導が入るということではなく、バチバチ当てて試合を想定したMMAスパーリングをやっています。圧力が高い練習が水曜日です。

水曜日の反省とか、見えてきたことを金曜日に確認し、また水曜日に持って行く。そういう良い循環になっています。あとタケさんとも金曜日のムーブメント以外に週に2回、フィジカルのトレーニングをやってきました」

──かなり充実していたみたいですね。

「ホント、充実していましたね。皆が協力してくれて。こよみには『試合が決まったけど、こよみのためになる練習をしてね』って伝えていたけど、何だかんだと岡田選手の対策を岩﨑先生とこよみがしてくれましたね。そこにタケさんがいてくれて……こういう環境で練習したことは暫らくなかったです。

ジムは違えど、チームで動いてきた感じです。こよみは1階級上で圧力もあるし、レスリングで思い通りにできない。そうなると考えるようになりました。こよみという強い選手とスパーリングをして、この環境でやってきて……なんていうんだろうな……、疲れたから休むってわけにいかない。

北岡さんも見てくれているし、決められたことをこなすことで自分1人でやっている時より、追い込めました」

──イズムでは松嶋選手以外の選手ともスパーリングを?

「ハイ、5分✖5Rなのでこよみが3Rほどやり、他のラウンドを矢澤(諒)君や完全にグラップラーの大谷(啓元)君が相手をしてくれて。削られた間に、彼らとやることで総合的なスパーリングをすることができました。確実に、これまでの自分の環境ではできない練習になりました。

こよみも含め、友達という関係ではないですし、緊張感がありました。練習以外に会話はないし、練習が終わると解散って言う感じで」

──より追い込めたことで、大塚選手の試合もまた変わるという自信は?

「まぁ、試合なので出るかどうかは実際に戦ってみないと分からないですけど、追い込めたことでしんどいところでの動きにつながるのかなと……分からないけど(笑)。

試合は早く終われば、それに越したことはないですけど(笑)。どんな形だろうが、勝つことが一番大切です。ホント、ここまで追い込んだのは久しぶりどころか、こういう体制でできたのは初めてかもしれないし。

練習前にこよみと岩﨑先生とミーティングをして、メモをとってやってきました。だから、この充実した期間で得たものを出したいですね。勝つためにやってきたことを……」

──期待しています。

「期待してください」

■視聴方法(予定)
3月20日(土)
午後4時30分~ ABEMA格闘チャンネル


    
■Shooto 2021#02対戦カード
         
<修斗世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]岡田遼(日本)
[挑戦者]大塚隆史(日本)

<61.2キロ契約/5分3R>
平良達郎(日本)
前田吉朗(日本)

<65.8キロ契約/5分3R>
魚井フルスイング(日本)
後藤丈治(日本)

<77.1キロ契約/5分2R>
宮路智之(日本)
菅原和政(日本)

<77.1キロ契約/5分2R>
マックス・ザ・ボディ(カメルーン)
上原平(日本)

<インフィニティリーグ2020バンタム級(65.8キロ契約)/5分2R>
野尻定由(日本)
一條貴洋(日本)

<61.2キロ契約/5分2R>
輝龍(日本)
高橋SUBMISSION雄己(日本)

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Interview J-CAGE Shooto2021#02 ブログ 大塚隆史 岡田遼

【Shooto2021#02】大塚隆史の挑戦受ける岡田遼「ハッピーなMMAファイター人生を歩ませてもらって」

【写真】Zoomでバキバキボディを披露したチャンピオン (C)MMAPLANET

いよいよ本日、20日(土)に東京都文京区の後楽園ホールでShooto2021#02が開催され、メインで岡田遼が大塚隆史の挑戦を受け修斗世界バンタム級王座防衛戦を戦う。

昨年5月に倉本一真を破り暫定王座についた岡田は、佐藤将光の返上を経て正規王座に輝いた。一方、大塚は昨年3月にDEEPで元谷友貴に敗れたことで、一度は現役引退を考えたが──修斗参戦とともに新たなモチベーションを得て、11月に安藤達也を撃破。2戦目で「修斗のベルトがほしいわけじゃない」と豪語しながら、岡田の持つベルトを狙う。

そんな異色&最強の相手と戦う岡田を計量前日(※18日)にインタビューした。


──明日が計量で、そろそろ水抜きが始めるという状況でインタビューを受けていただきありがとうございました。

「いえ、この後から始めて……あと4キロですね」

──もう顔が憂鬱そうですね。

「水抜きは嫌ですねぇ。でも、練習はしっかりとやってきたので問題ないです。かなり良い仕上がりで来ています。技術的にも最高だと思います」

──修斗が大好きだということで、取ったベルトです。対して大塚選手は修斗のベルトが欲しいわけじゃないという姿勢でいます。

「僕の価値観とは違うので……否定はしないですけど、そんなことをいう奴にこのベルトを巻かせるわけにはいかないという責任を感じます。

ただ大塚選手が修斗のバンタム級に来てくれて良かったと思っています。他のランカーの奴らは『2戦目で挑戦かよ』って言うかもしれないですけど、でもどの他のランカーとタイトルマッチをやるより、大塚選手と戦うことでファンが喜んでくれる試合になります。

モチベーションが全然違います。チャンピオンシップを戦うのに目ぼしいランカーがいない。そこに実績も実力も十分な大塚選手が来てくれたことによって、修斗の世界戦の価値、重みが彼のおかげで上がっているのは感謝しています」

──王座があるから王者を決めるという流れに、今の日本のMMA界はなっているように思います。そのなかで、タイトル戦に相応しいタイトル戦が組まれた。

「ハイ。彼とだったら、もっと良いMMAの作品を残せる。そういう部分でモチベーションも全然違います。対戦相手によって試合がどうなるのかって変わってくるので、技量のある大塚選手が来てくれて良かった。

去年の5月の倉本一真選手、そして今回の大塚選手──その前が安藤達也と、強い相手とばかり戦えて来ているのでハッピーなMMAファイター人生を歩ませてもらっています」

──なんとなく、振り返り系になっているような言葉は気になりますが……。そんななか大塚選手の印象を改めて教えてください。

「そうですね、倉本選手と比較するとこれだっていう武器はないです。だから、こう来たらこう返すということはなく、一手一手の差し手で気が付けば摘んでいる。そういう風に作ってきました。特に警戒しているところはないですね」

──倉本戦を経て、テイクダウンは怖くなくなったということはありますか。

「レスラーといっても2人は違うタイプなので、倉本戦を経て自信をつけたということはなくて。これまでやってきたことで大丈夫だなと。ケージレスリングとスクランブルは大好きなので、むしろ大塚選手のアレを味わってみたいというのがあります」

──大塚選手の動き続けるスタイルというのは?

「そこは好き勝手にやらせない。プレッシャーを掛けて、ある程度止めることができる自信があります。大塚選手のスタミナや運動量を怖がることはないです。自分を相手に、あの運動量は出せないので。

大塚選手は巧いんですけど、強さに欠ける時があると思います。あと、ムラがあるような気がします」

──では、この試合。岡田選手のMMAファイター人生において、どのような意味合いがありますか。

「大塚選手はDEEPから乗り込んできた外敵なので、修斗の王とは何たるかを見せつける試合をしなければいけないです。技術も気持ちも、覚悟も全て揃っての修斗のチャンピオンだと思っているので──トータル的に日本人のバンタム級に、こんなMMAファイターいるんだなって思ってもらえるよう……全部を見せたいです」

■視聴方法(予定)
3月20日(土)
午後4時30分~ ABEMA格闘チャンネル


    
■Shooto 2021#02対戦カード
         
<修斗世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]岡田遼(日本)
[挑戦者]大塚隆史(日本)

<61.2キロ契約/5分3R>
平良達郎(日本)
前田吉朗(日本)

<65.8キロ契約/5分3R>
魚井フルスイング(日本)
後藤丈治(日本)

<77.1キロ契約/5分2R>
宮路智之(日本)
菅原和政(日本)

<77.1キロ契約/5分2R>
マックス・ザ・ボディ(カメルーン)
上原平(日本)

<インフィニティリーグ2020バンタム級(65.8キロ契約)/5分2R>
野尻定由(日本)
一條貴洋(日本)

<61.2キロ契約/5分2R>
輝龍(日本)
高橋SUBMISSION雄己(日本)

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Bu et Sports de combat Fight&Life Interview  グラチアン・サジンスキ ブログ 剛毅會 大塚隆史 岩﨑達也 松嶋こよみ 武術空手

【Bu et Sports de combat】特別編。Fight & Life#83より、大塚隆史&松嶋こよみが行う稽古の事実とは?!

【写真】大塚と松嶋の練習、何が他のプロ練習との違いなのだろうか (C)MMAPLANET

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。

そんな剛毅會プロMMA稽古というべき練習の模様が、24日(水)発売のFight&Life#83に掲載されている。

武術空手、大宮司岳彦氏とのムーブメント・トレーニングに関して──大塚隆史と松嶋こよみが対談を行った同誌のレポート内の囲み記事で紹介されている──岩﨑氏の武術空手をいかす練習に関して、より詳しく紹介したい。

「Bu et Sports de combat」特別編、トレーニングと稽古に違いとは?!




──打撃のみ、テイクダウン有り、レスリングとサブミッションのスパーリング。前者二つは他の練習で見ることがない約束組手と自由組手の間のような打ち込みを思わせるスパーでした。

「打ち込みとはまた違うのですが、松嶋にしても大塚にしても、今、何が必要かということを考えてこの稽古をすることになりました。〇分〇Rを何本という風に決めるのはトレーニングで、稽古とはできるようになるまでやることです。できるまでやる時間が欲しいけど、アスリートはともすれば予定のメニューを消化する練習になりがちです。

ですから、やれることをやるのがトレーニング。やれないことをできるまでやることが稽古であり、『稽古する時間が欲しい』と松嶋がまず言ってきました。そして11月に修斗の試合を終えた大塚と一緒に食事をして、彼もそういう想いがありました。結果、5年振りに2人が稽古をするようになりました」

──その稽古で何をできるようしているのでしょうか。

「えぇと、できるようにするというか──できないことはあり、できるけどもっと良くできることもあります。試合で勝つためにできることでなく、できないことを試しにやっていようと。

練習とは現実を想定していますが、結局はフィクションなんです。ミット打ちだ、シュートボックスのスパーリングだと言ってもフィクションを如何に、実戦に起こることに近づけるのか。それは誰もが苦心していることです。パウンドで思い切り顔面を殴るという練習はできないですからね。

そこでミットやシュートボックスというのは、彼らもそれぞれの練習で十分にやってきています。その練習で感じたことをここでぶつけ合い、あの2人と私とで体を使って会話をしているような感じです。

ガチスパーではなく、打ち込みでもない。それでいて実戦を想定している稽古なんです。ガチをやるための頭と心の考え方、武術的な理を学ぶ稽古です。レスリングやグラップリングはガチスパーができます。打撃でそれをするなら大きなグローブを使う。そうなると、もう5オンスのMMAグローブとは感触も違ってきます。

と同時に、彼らはキャリアがあるので、思い切り殴ることなく想定することで稽古ができています。ある意味、ガチスパーリングができたとしても、やる必要もないと私は考えています。当てる前の動作に気を付けていれば、試合で出すのではなくて出る状態を創れます。もちろん試合に出たことがない、顔を叩いたことがないという人にはできない稽古ではあります。

いくら自分が質量があっても、相手がより強ければ質量は落ちます。そこを想定して稽古をする。ウェルラウンダーが相手ならどうなるのか。そういう相手がいるとした状況で、稽古する。そして、意外とあの稽古で体力も削られています。

シングルに入って、そこで何を考えているのか。倒せたら何をするのか。倒せなくて反応された場合どうするのか。そこまで考えて、シングルレッグに入っているのかっていうことなんです。そこを考えて、何かをやり切ろうとすると体力的にも厳しくなってきます。ガチスパーではなくても。

ただ手を出す、足を出すのではない。蹴りにしても、どこを蹴って、どう効かせるのか。それはたまたま私が極真自体に先生に教わってきたことが、今、こうやってMMAでも同じことになった。大塚や松嶋の言っていることを聞くと、私自身が本当に勉強になります」

──武術をMMAに生かすために、型の次段階という風にも感じました。

「それがね、次というか──型そのものなんです。次の段階と思われたのは、それは繋がっているからですね。あの稽古と型が。その動作も型をやっている2人だからこそ、共通認識がある。型、基本稽古とMMAが繋がっています。だから、『ここはどうなりますか?』と問われると、『そこはクーサンクーの時の動きで』とか、『パッサイのあれだよ』という会話が成り立つんです。

だからといって型で勝つとか、そんなアホな話は一切しませんが、型をやることで2人がやっているMMAのトレーニングに、彼らの内面がよく見られるようになりました。MMAはボクシングも、キックもあって色々と迷うことがあります。そして迷った時は、型に戻ることができます。

基本、移動稽古もそうですね。そこが実戦を想定した、問いかけのある稽古に通じています。時間が過ぎるから消化なのか。問いかけを解決することが消化なのか。そこを理解していないと、こういう稽古は苦痛なだけになると思います。そこで必要なのは、自分を信じてほしい。自分にはこういうモノがあると信じられると、強くなります。私や武術空手を信じてほしいということではないです。自分を信じることができるための稽古です。

この稽古のために場所を提供してくださっているT GRIPの小幡太郎代表に感謝しています」

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Interview J-CAGE News  Shooto2021#02 ブログ 一條貴洋 前田吉朗 大塚隆史 岡田遼 平良達郎 後藤丈治 野尻定由 魚井フルスイング

【Shooto2021#02】岡田遼✖大塚隆史、世界戦決定。「金網で見るMMA、岡田×大塚が1番面白い」(岡田)

【写真】今や伝統の環太平洋、漆黒の暫定王座ベルトではなく銀色に輝く正規王座のベルトを持つ岡田(C)MMAPLANET

13日(土)、サステインより3月20日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#02の対戦カードが発表された。

今回明らかとなったのは──メインは修斗世界バンタム級チャンピオン岡田遼に、大塚隆史が挑む一戦。セミではフライ級世界ランカー対決=平良達郎✖前田吉朗、魚井フルスイング✖後藤丈治のKO必至対戦やインフィティリーグ2020から野尻定由✖一條貴洋など5試合だ。


昨年5月に暫定世界王座決定戦で倉本一真を破り、佐藤将光の返上を経て正規王者となった岡田。世界の端っこで修斗愛を叫び続けてきた岡田に対し、大塚はDEEP、DREAM、RIZINと日本のフェザー級&バンタム級トップ戦線で戦い続けてきた。そして昨年11月にプロ修斗初陣で安藤達也をカーフで破り、僅か2戦目で頂点に挑む。

「強い相手と戦いたいだけで、修斗のベルトには興味がない」とまで言い切る大塚に対し、修斗の世界王者になることにわき目を振らず生き、さらに広い視野を持つようになった岡田は自身の存在証明となる初防衛戦だ。

また扇久保博正の返上により、福田龍彌が暫定から正規王者となったフライ級戦線で今や最注目の平良がベテラン前田と対戦する。前田は福田との昨年7月に暫定王座決定戦に敗れており、まさに平良に挑戦権を与えるための査定試合という趣のあるマッチアップだ。平良の充実&成長ぶりは目を見張るものがある一方で、古くは佐藤ルミナ✖宇野薫、マモル✖大石真丈、直近では石原夜叉坊✖祖根寿麻と、プロモーションサイドの肩入れとその後の流れが透けて見えるカードを組むと──思惑が外れるのも修斗の伝統だ。

この忌まわしいジンクスと前田を打ち破る力を平良が有しているのか、注目のマッチアップといえる。

なお今回の世界バンタム級王座防衛戦に関して、チャンピオン岡田にコメントを求めたところ──以下のような発言が訊かれた。

岡田遼
「大会開催日近隣で他にも格闘技大会が開催されるようですが、金網でみるMMA──岡田遼×大塚隆史のカードが1番面白いと思います。僕はテレビで取り上げられる有名なレストランのサイドオーダーになるより、味が分かる人が食べに来てくれる店のメインディッシュでいたい。MMAが分かる人の前で、最高の試合を見せます。

それと2月21日に鶴屋怜がDEEPでMMAデビュー戦を戦います。練習でプロをボコっている怜には、しっかりと勝ってもらって──『鶴屋家には僕より10倍強い、お兄ちゃんがいる』と言ってほしいです」

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Bu et Sports de combat Interview ブログ 剛毅會 大塚隆史 安藤達也 岩﨑達也 武術空手

【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。大塚隆史✖安藤達也「MMA、ムエタイ、空手」

【写真】かつての教え子の蹴りを解析(C)KEISUKE TAKAZAWA

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑氏とともに見てみたい。

武術的観点に立って見た──Shooto2020#07における大塚隆史✖安藤達也とは?!


──かつての教え子である大塚選手が、修斗初陣で安藤選手にTKO勝ちを収めました。最後はどういうことで安藤選手が負傷したのかは、傍で見ていると分からなかったですが、左右のローを幾度となく決めていました。

「私は以前、大塚を指導していたのですが、彼の打撃の質は空手ではなくムエタイだったんです。だから松嶋だとフルコン空手のミットを使って蹴りの練習をしていたのですが、大塚の場合はムエタイの皮のミットを使用していました。

ムエタイの場合は腰のキレでぶつけるような蹴りで、フルコンの蹴りはどちらかというとヒザでリードして突き刺す蹴りですね。私が想うにはMMAではフルコンのヒザでリードして突き刺す蹴りが向いている」

──それはなぜしょうか。

「最近のMMAの距離は、距離を取るフルコンの蹴りに似ています。そして、UFCでもフルコンをやっているということでなく、MMAの距離で蹴っているとフルコンの蹴りに近くなる選手が凄く増えています。

対してムエタイは、グローブが触れる位置を維持した距離での蹴りです。なので距離に関していえばフルコンは、キックやムエタイより豊富なんです。広くてロープがない場所で試合をしてきたので」

──それがMMAに近しい距離になっていると。

「ハイ。MMAは元々ノールールの時期に、ホイスやグレイシー一族がパンチの届かない距離を取り、打撃が認められた試合なのに殴り合わないことを前提に戦ったことがルーツです。その後、北米MMAの時代を迎える前にPRIDEの隆盛とともにシュートボクセが、殴り合いの距離の打撃を持ち込みました。彼らは柔術を習得したストライカーだったので、それが可能になったのです。

と同時に殴り合いが歓迎されるMMAにもなりました。その後、MMAの中心が北米に移り、寝技で下になると判定で勝てない、桁違いのレスリング力とケージ・レスリングの進化という状況下で、拳の届かない距離が持続します。そして、ボクシング&レスリングに蹴りが加わった。打撃も組技も、お互い貰うのを嫌い合う攻防となり、距離があるのが前提で──フルコンに近い蹴りになったのではないでしぃうか。

フルコンはいわゆる『男らしく蹴り合いなさい』という距離ばかりではないです。だからMMAにおいては打撃系の選手であれば、フルコン系の蹴りの選手が有利だと思います。だけど大塚はベースがレスリングなので、入って来られても問題ないですからムエタイの蹴りで大丈夫です。これもMMA全般にいえることですね。レスリングの強い選手は、ムエタイの蹴りで構わない。

つまり大塚もそうですが、多くのレスラーの打撃はテイクダウンに繋げるためです。私が指導している時は、大塚の打撃はあくまでもレスリングに生かすための打撃でした。だから空手の蹴りを蹴らすことはなかったです」

──大塚選手は随分とリラックスしていました。

「それは彼ももう長い間MMAを戦っていますし、立ち会った瞬間に安藤選手の質量が低いと感じ取っていたはずです。実際に大塚は試合になると固くなることが多かったです。ただし、概ね選手は皆そうです。そういう部分で、安藤選手と戦った時の彼は精神状態も良かった。結果、間は常に大塚でした。最初から最後まで。

それと安藤選手も腰の低い構えで、テイクダウンを狙っていると質量が上がったかと思いますが、打撃を続けてあの構えだと質量も大塚が上のままでした。そのなかで安藤選手が一発、良いカウンターを打っています。ただし、あの構えだと拳(けん)に力が伝わっていない。安藤選手は、本来はもっとパンチ力のある選手だと思います」

──そして序盤から大塚選手のローが当たっていました。

「大塚も『インローで足を破壊しました』って言うんだけど、アレはテイクダウンを受けた時に足首を捻っていましたよね、安藤選手が。ただし安藤選手は構えた時の足の向きが、良くなかったです。爪先が内側に入り過ぎている」

──サンチンでいうと、外からの力に弱くなる足の向きですね。

「ハイ、ヒザが内側に回り過ぎる。そうなると足首、ヒザが弱くなってしまう。そういう爪先の向きでした。なので、あのようにテイクダウンを狙われた時に、捻ってしまうのも無理からぬことです。と同時にて安藤選手が足首を捻った時に、大塚はローの追撃を入れています。足首を捻ったところにローを入れられた安藤選手が、観念したように見えました。だからローで大塚は勝ったと言っても良いと思います。

先ほどから言われていますように、試合開始直後から大塚はアウト、インのローを蹴っていました。サウスポーに対して、オーソの選手は右を蹴りたくなるのですが、それではカウンターを受ける可能性が高くなります」

──ただ左のアウトサイドの蹴りは、それこそカウンターを受けそうですが……。

「それはきちんと左のアウトサイド・ローを蹴っていないからです。他に出せないから蹴るような感じで。対して、大塚の左のアウトサイド・ローは良かったです。右のインサイドローも蹴っていましたし。安藤選手は右足を両方から蹴られていました。

だからカットやチェックということでなく、蹴られて足がもっていかれていたんです。つまりは安藤選手は足を捻っていましたが、大塚も良い蹴りを出していたということなんです」

──かつての教え子の勝利は特別なモノでしょうか。

「そうですね……彼は私が稽古をつけてきた教え子のなかで、一番練習熱心でした。打撃の選手ではなくて、レスラー。その彼が打撃を使うということで、私もMMAの勉強を彼の指導することでさせてもらったと思っています。

この間の試合では私が指導している時より、ずっと良い戦い方をしていました。自分で考えるようになったから、ずっと良くなっている。今回のような試合ができれば、修斗でまた活躍してくれるのではないかと思っています。

そうですね……もっと厳しい試合になった時に、安藤選手との試合で見せた動きが出るか。それができるようになるためには、常に稽古で相手は自分より上だ、脅威を与えられていると思って取り組むことです」

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Interview ONE SARAMI Shooto Special ブログ 大塚隆史 岡田遼 青木真也 黒部三奈

【Special】月刊、青木真也のこの一番:番外編─ONE、修斗、矛盾「自分で自分の首を絞めている」

【写真】キレキレ、切れる直前か (C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

ここでは番外編として、本題から外れ──最近のONEと修斗に見られる矛盾を話題に──MMAを愉しみたい。


──ONEではアンジェラ・リーの妊娠にともないベルト返上という手段を取らず、妊娠を女子選手のキャリアを脅かすモノとしませんでした。私は素晴らしいことだと思いましたが、男女間の違いはない。人種間での違いもない。なのでブラジル人同士の世界戦があっても然りではないでしょうか。

「国籍とか人種で差別がないという理屈は分かります。ただしマーケットの有利不利はどこにも存在しますよね」

──では、年齢はどうでしょうか。UFCに通じるのですが、年を重ねていても実績を残す選手がいます。例えば修斗で女子スーパーアトム級王座が創られ、黒部三奈選手が初代チャンピオンになりました。でも、彼女の契約はなっていません。

「そこに関しては年齢が増しても、勝てば上にいけるのは平等だと思います。黒部の話で語ると、『勝てば契約』の条件を修斗とONEが互いに握っていなかった。日本側のマネージメントの弱さも、ONEが年齢云々で契約するのかどうだかという以前に感じちゃいますね。

プロモーション側としては、年齢って客観的に見て上がり目があるかないか──だし。ビジネスでも実力的にも。それでいうと斎藤裕だったそうじゃないですか」

──斎藤選手の場合はONEとの取り決めがなって以降、防衛戦がなかったのでシステム的には契約しなくても構わない状況だったのでしょうが、パンクラスとの王者対決もなく、結果的にRIZINでブレイクをしたのでONEと修斗のパートナーシップって実情はどうなのかってなりますね。

「そうなるとパンクラスとのパートナーシップはどうなったのかって(笑)。もう、こうなると憲法○条の解釈みたいな話に近いですよね。それぞれがそれぞれの言い分があるって感じで、外から見てよくわからない」

──キレーごとをいうなら、臭いモノに蓋をすると矛盾が生じます。『僕、家族が大好きで』って言って他でネェちゃんと遊んでいたら矛盾だろうがって(笑)。

「アハハハ。そこで修斗の暫定王座ですよ。180日以内に正規王者と試合が組まれなければ、自動的に暫定王者が正規王者になるとかっていう規定があるって……岡田が言っていたけど。そんな規定作って、何を自分で自分の首を絞めているんだって思いますよ(笑)。自分たちでルールを決めて苦しくなるなら、作らなければ良いのに」

──王座というものは、興行の売りですからね。暫定王者があっても、暫定五輪とかないわけで。

「そうです、そうです。商売です。商売っていえば良いのに。俺たちはキレーだって言っていて商売をするのは、なんか嫌ですね。だって商売ですからね。

キレーごとがあるから大塚が戦いたいと言って、暫定チャンピオンの岡田がやるよっていえばおかしくなっちゃう。ルール上、岡田は正規チャンピオンの佐藤将光としか戦えないわけだから(※取材後、佐藤が修斗世界バンタム級王座を返上し、岡田が正規王者になった)。

で岡田は解説席で困った顔をしている(笑)。だいたい安藤と大塚を環太平洋王座を賭けずに組んだことで、ストーリーがメチャクチャになっていますよね」

──そこを実況の河内さんが、なんとなくまとめようとしたら青木選手が突っ込んで(笑)。

「でもアレっておかしいし、岡田が可哀そうじゃないですか」

──ただ実況中って何か意見の相違があっても、そこを突っ込むと会話がぎくしゃくするので、なんとなしに流すことが多いのが従来の流れで。

「いや、なんか僕──思ったんです。ランキング、ランキングって言っているけど、高野さん(SARAMI)が杉本さんに勝っても誰もいないじゃんって(笑)」

──解説って大会を盛り上げるもので、実況に水を差さないですよね(笑)。

「だって修斗のやっていること、おかしいし(笑)。困っている岡田を見ていると可哀そうになっちゃって。言われっぱなしだと損ですよ。自分たちでルールを決めて何やってるんだろうなって(笑)」

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