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【Grachan62】田中智也戦へ弘田颯志 & 釜谷真─02─「『できるなかで一番強い相手を』と」(釜谷真)

【写真】対戦相手の田中智也はキャリア14勝3敗。確かにこの大会で戦える一番強い相手だと断言できる (C)SHOJIRO KAMEIKE

23日(日)、大阪府豊中市の176BOXで開催されるGrachan62で田中智也と対戦する弘田颯志と、所属するSWAG GYM KYOTO釜谷真代表のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

師弟ではなく、練習仲間からスタートした2人。出会った時から才能を感じ取っていた釜屋が語る弘田の強さとは。そして弘田がUFCにたどり着くための「最短距離」とは――。

<釜谷真&弘田颯志対談Part.01はコチラから>


――釜谷代表としては京都に戻ってきてすぐ、弘田選手のような意識を持っている若い世代と出会った時の印象はいかがでしたか。

釜谷 「やっぱり俺は持っている男やな」って思いました(笑)。

――アハハハ。

釜谷 空手の世界ユースで優勝していて――まだ格闘技を始めていない20歳の僕が出会ったら、どうやっても勝てないレベルじゃないですか(笑)。僕が自分に対して『これぐらいやれるんちゃうかな』と想像しながら辿り着けなかった場所に、彼は行けると思っています。

――弘田選手と出会った時、すでにMMAを戦えるレベルにあったのでしょうか。

釜谷 いや、さすがに組みのレベルがMMAを戦うレベルにはなかったです。僕は組みを消化していないMMAファイターが好きではないんですよ。

弘田 組みについては小学校の頃に、柔術をやったことがありました。でも叔父が通っていたピュアブレッド京都へ連れていってもらい、遊ばせてもらっていたぐらいで。レスリングは全く経験がなかったです。やってみると難しいし、面白かったですね。最初は組まれると、ただ暴れて逃げるもんやと思っていました(笑)。理屈が分かってくると、いろんなことが繋がってきて面白いです」

――アマチュア時代にはグラチャン・チャレンジで、レスリング出身のミランダ亜廉選手にテイクダウンからパウンドアウトされています。敗れましたが、MMAを戦っていくうえで、あの経験は大きかったですか。

弘田 正直言うと、もっと落ち着いて戦えば倒せていた試合です。今でもあの試合の映像を何回も見ています。「ここでこうしておけば……」という後悔ばかりで。自分の中では絶対に勝てた試合だったと思っています。でも空手ではああいう負け方をしたことがなかったので、良い経験でした。

釜谷 勝った相手が注目を浴びるのは当然ですが、あの試合は関西アマチュアMMAの頂上決戦の一つやったと思います。当日は、ミランダ選手と颯志君の試合だけレベルが違っていました。彼はミランダ戦以外だと左ミドルでKO勝ちしていたり。

弘田 今は階級が違いますけど(ミランダはバンタム級でプロデビュー)、もしプロで再戦することになったら、今度はちゃんと準備して必ず勝ちます。

――弘田選手は今年5月のプロデビュー戦で、鈴木嵐士選手を2RでKOしています。プロデビュー戦の感想を教えてください。

弘田 まず100パーセント負けることはない相手だと思っていて。だから「できるだけ差を見せつけてやろう」と考えていたんですよ。最初に組んだ時、「これは組みだけで勝てる」と感じて、その通りに勝ちました。本当は胴廻し回転蹴りで倒したかったんですけど。

そうは言うても、マカコ会長も若い頃は──手段がそことギロチンに二択だったとしても──思い切り、勢いありまくりの真っ新なファイトをしていました

釜谷 ここがもう違いますよね。

僕のプロデビュー戦なんて、まず勝つことに必死でした。毎試合「会場にいる全員が俺の負けと思っても良い。ジャッジ2名だけが俺の勝ちだと言ってくれればいい」と思っていましたね(笑)。颯志君のプロデビュー戦は、「試合中に怪我でもしないかぎり負けることはない。どんな試合するんやろうな」と思っていたら、僕と3年間一緒にやってきたことを見せてくれて。

弘田 はい、そうですね。あの時は釜谷さんと一緒にやってきたことを100パーセント出すことができました。

釜谷 僕としては「空手らしさを見せるんかな」と考えていました。それがしっかりとMMAをやり、組んで勝った。単純に、ただただ嬉しかったです。

弘田 あれは僕がMMAの練習を始めてから、自分がやられてきたことでした。おかげで自分も試合中に考えんでも出るぐらいまで技術が染み込んでいて。

――それほど会心の勝利を飾ったデビュー戦に続き、次は田中智也選手と対戦します。田中選手はグラチャンの岩﨑ヒロユキ代表が「本来ならフライ級トーナメントに出場して良いレベル」と称するとおり、プロ2戦目の相手としては格上すぎるようにも思いますが……。

釜谷 はい。僕も選手によっては、プロ2戦目だと対戦させない相手かもしれないです。でも僕は颯志君のMMAへの想いを聞き、最短距離で頂上に行かせたい。デビュー戦が終わった直後、岩﨑さんに「次に試合ができるなかで一番強い相手をぶつけてください」とお願いしました。次は間違いなくデビュー戦よりタフな試合になるでしょう。でも颯志君がデビュー戦と同じような勝ち方ができる可能性も高い。なら、やるしかないですよ。

弘田 釜谷さんがそう考えてくださっているのが本当に嬉しいです。釜谷さんが交渉してくれているのを見て、自分が何のためにMMAをやるのかって改めて分かりました。僕としては次の試合が勝負やとは思っていません。いつも練習している釜谷さんや福田龍彌君のほうが強いし、僕が集中して臨むことができれば負けることはないです。

福田の王座戴冠も、一緒に体感した弘田

釜谷 ここ数年の中で一番、福田君と戦っているのが颯志君やと思いますよ。

同じフライ級で、福田君のセコンドにも就いていますしね。

――それは楽しみです。先ほど「最短距離」と仰いましたが、何試合目あるいは何年後にUFCへ辿り着きたいと考えていますか。

釜谷 それに関しては正直何とも言えないです。ただ、最初に会った時に「UFCに行きたい」と言われても、それは無理やと思いました。でも今はあと3試合ぐらいKO勝ちして、来年RTUが開催されれば、颯志君も選ばれるんじゃないかと考えています。それが今の僕たちにとっての最短距離ですね。次の対戦相手を倒す前提で喋っていて申し訳ないけど、3戦目は国内のチャンピオンクラスと対戦させたいです。

弘田 僕も毎試合そのつもりで準備しています。次はテイクダウンがしつこい選手ですが、最初だけ注意して自分の展開に持ち込みたいです。まだまだ足りひんところもあるけど、少しずつ目標に辿り着けるように頑張りますので、宜しくお願いします」

■Grachn62視聴方法(予定)
7月23日(日)
午後0時30分~Grachan放送局

■Grachn62対戦カード

<ライト級/5分2R>
林 RICE 陽太(日本)
小川道的(日本)

<無差別級/5分2R>
ハシモト・ブランドン(ブラジル)
岡本純一朗(日本)

<68㎏以下契約/5分2R>
鍵山雄介(日本)
村田俊(日本)
※当初、鍵山と対戦予定だった室井大勢が怪我のため欠場に。対戦相手が村田に変更となった

<フェザー級/5分2R>
大搗汰晟(日本)
櫻庭泰裕(日本)

<ウェルター級/5分2R>
青木忠秀(日本)
モリシマン(日本)

<フライ級/5分2R>
弘田颯志(日本)
田中智也(日本)

<ウェルター級/5分2R>
上田拳翔(日本)
遠塚浩希(日本)

<ストロー級/5分2R>
藪本龍作(日本)
大貴(日本)

<バンタム級/5分2R>
中嶋紳乃介(日本)
有田一貴(日本)

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【Grachan62&MMA甲子園】「いま僕が死んだら、グラチャンはなくなる。でもMMA甲子園は、僕が死んでも残るものでないといけない」岩﨑ヒロユキ-02-

【写真】素晴らしい覚悟のある言葉です (C)SHOJIRO KAMEIKE

23日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGrachan62を前に、岩﨑ヒロユキ代表がMMA甲子園の実行委員長に就任した。
Text by Shojiro Kameike

プロ興行のグラチャンと、グラチャンのもとで開催されるアマチュア大会グラチャン・チャレンジとの関係、大阪でのアマチュア展開など岩﨑代表の想いを訊いた。

<岩﨑ヒロユキ・インタビューPart.01はコチラから>


――MMA甲子園の話に戻りますが、階級と減量についてはどのようにお考えですか。現状、MMA甲子園で設定されている最も軽い階級はフライ級です。高校生の場合、ストロー級が最適な選手もいるかと思います。

「階級については悩みました。実行委員会の皆さんとも相談していて――たとえば身長×体重でレギュレーションを考えるとか。でもMMA甲子園はアマチュア大会で、当日計量ですし、何をどうやっても減量はするわけじゃないですか。となると選手に無理な減量をさせたら所属ジムにペナルティを課すなどの対応を検討しています」

――まだ体が出来上がっていない段階で大幅な減量をしてしまうと、その後の身体形成に関わってきますからね。

「それは実行委員会と所属ジムが二人三脚でやっていくしかないです。実行委員会としても常に目を配っておかないといけない問題で。減量については選手ではなく、所属ジムの問題として捉えます。何かあれば所属ジムにも問題意識を持ってもらうように、実行委員会としても指導していくしかないですね」

――高校生の大会を開催するためには、プロ興行も問題意識を持たなければいけないと思います。キッズから高校生までが目標としてくれるようなプロ興行を開催すること。アマチュア大会だから厳しい、プロ興行だから緩い……ということは、あってはいけないわけで。

「計量について言えば、人間だから誰でもミスすることはあります。ミスした時にどうするのか。グラチャンに関して言うと、計量オーバーしたら次は同じ階級でオファーしません。いつも計量をクリアできるかどうか危ない選手には、常に指導し続けています。誰かは名前を出せないけど(笑)。

MMA甲子園では、そういった規約を明確にしておいたほうが良いでしょうね。一度計量オーバーしたら、二度とその階級で出場することはできないとか。そのためにもプロ興行を正しく運営していかないといけない、という意見は分かります」

――では、プロ興行においてタトゥーをどうするのか。MMA甲子園ではタトゥーが入っている選手は試合に出場できない。でもプロ興行なら良いのか。近年はタトゥーを入れることも一般的にはなってきましたが、アマとプロの関係を考えると問題は残ります。

「MMA甲子園ではタトゥーが入っている場合、オフィシャルのラッシュガードを購入してもらいます。ということは、それだけお金が掛かってしまいますよね。高校生にとっては決して安くない金額です。余計なお金を掛けたくないなら最初からタトゥーを入れない、という考えを持ってもらいたいですね。

一方で、プロは仕方ない面もあります。今はYouTubeでMMAを観ると、国内でも海外でもタトゥーが入った選手ばかりで。だからこそ、MMA甲子園なんですよ。『ラッシュガードを買わなきゃいけないなら、タトゥーを入れるのは止めようかな』と思ってくれる高校生が増えてくれたら――タトゥー問題に対して、MMA甲子園が少しでも抑止力になることができたら嬉しいです。もちろんタトゥーはファッションだし、高校を卒業して20歳を過ぎたら自分でどうするか考えれば良くて。もう大人ですからね。でもせめて……高校生の間は、その時の気分でタトゥーを入れるのは止めてほしい」

――タトゥーが入っている選手のみがラッシュガード着用で、相手がラッシュガードなしだとアンフェアになりませんか。

「そうですね。もともとラッシュガード着用については道徳面を優先して考えました。ただしフェアにならないというのは、そのとおりです。両方ともラッシュガード着用にするか、相手がラッシュガード着用でもOKした場合に試合を認めるか等、今後の検討課題ですね」

――MMA甲子園を開催することで、グラチャンは何か変わりますか。

「あくまで別組織なので、MMA甲子園に紐づいてグラチャンを何か変えないといけない、ということはないです。先ほど言ったとおり、計量については今のやり方を貫いていきます。たとえ選手にとっては厳しくても」

――分かりました。ではプロ興行のお話に移りますが、7月23日は前回の大阪大会と比べるとタイトルマッチもなく、関西の選手が中心となっています。

「大阪で大会を行うかぎり、大阪の選手が出ないと意味はないですからね。僕としては、いずれ大阪大会は関西の選手だけで試合を組みたいと考えています。これは書いてくれて良いけど、今回は手塚基伸と海外選手の試合を組む予定でした。でも海外選手が出場できなくなってしまって……」

――それは残念です。手塚選手と海外勢の試合は見たかったですね。

「今大会でいえば、第一試合に出る有田一貴選手はグラチャン・チャレンジ(以下、GC)を経ている選手です。来年は大阪大会でも、もっとGC出身選手がプロデビューすると思います。ようやく撒いてきた種が実を結びつつあるんですよね。

繰り返しになりますが、僕は選手にプロデビューしたことを後悔してほしくなくて。今まで、いろんな選手を見てきました。正直、グラチャンも初期は『プロかどうか』というレベルの選手も出ていたと思います。そういう選手が負けて、格闘技を辞めてしまう姿を見てきたんです。

彼らもアマチュアだったら格闘技を続けていたかもしれない。プロデビューするからには辞めてほしくないので、まずアマチュアで経験を積んでほしい。そう思っているからこそ僕もアマチュアにこだわっているのかな、って思います」

――MMA甲子園に出場した選手が芽を出すには、何年かかると思いますか。

「最低、3年はかかるんじゃないですか」

――MMAだけでなく、それこそ格闘技界だけでなく日本全体が経済的にも厳しい状況にあります。そのなかで高校生の大会を、いかにして3年以上続けていくか。

「だからこそ、各支部の力が必要なんです。僕ひとりだけでは絶対に無理ですよ。いま僕が死んだら、グラチャンはなくなるでしょう。でもMMA甲子園は、僕がいなくなっても残るものでないといけない。だから、しっかりと組織として固めていきたいです」

――グラチャン、GC、MMA甲子園以外にも今年開催された『J-MMAルーキーカップ』があります。

「ルーキーカップは10月8日が決勝で、来年も開催しますよ。これから各プロモーターの方々に相談します。今年は春に1回戦を行いましたが、来年は夏以降のスタートになるかもしれません。MMA甲子園の全国大会が来年に2月の開催予定ですからね。今後も楽しみにしていてください」

■Grachn62視聴方法(予定)
7月23日(日)
午後0時30分~Grachan放送局

■Grachn62対戦カード

<ライト級/5分2R>
林 RICE 陽太(日本)
小川道的(日本)

<無差別級/5分2R>
ハシモト・ブランドン(ブラジル)
岡本純一朗(日本)

<68㎏以下契約/5分2R>
鍵山雄介(日本)
村田俊(日本)
※当初、鍵山と対戦予定だった室井大勢が怪我のため欠場に。対戦相手が村田に変更となった

<フェザー級/5分2R>
大搗汰晟(日本)
櫻庭泰裕(日本)

<ウェルター級/5分2R>
青木忠秀(日本)
モリシマン(日本)

<フライ級/5分2R>
弘田颯志(日本)
田中智也(日本)

<ウェルター級/5分2R>
上田拳翔(日本)
遠塚浩希(日本)

<ストロー級/5分2R>
藪本龍作(日本)
大貴(日本)

<バンタム級/5分2R>
中嶋紳乃介(日本)
有田一貴(日本)

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Grachan56 MMA MMAPLANET o 岡本純一朗

【Grachan56】無差別級T1回戦は怪獣キラー荒東が岡本の打撃に苦戦もグラウンドで仕留める

【写真】グラウンドで相手に何もさせなかった荒東が無差別級T準決勝へ進出(C)SHOJIRO KAMEIKE

<無差別級トーナメント1回戦/5分2R 延長1R>
荒東 怪獣キラー 英貴(日本)
Def.1R3分10秒 by TKO
岡本純一朗(日本)

岡本は2002年の着衣総合格闘技J-DO第1回に出場しているというキャリアの持ち主。もちろん柔道ベースだが、序盤から荒東を左右のロー、フックで攻め立てる。右クロスを決めた岡本はスイッチしながら相手を揺さぶっていく。

細かいローを打ちながら、ケージに詰められた荒東は組みついてテイクダウン。ハーフガードの岡本にパンチを落とし続けると、岡本の動きが止まりレフェリーストップとなった。

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