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【Grachan66】伊藤空也と対戦、田中智也─02─「相手が立ち上がらないかぎり三角絞めは極まる」

【写真】職人の佇まい(C)SHOJIRO KAMEIKE

17日(日)、東京都江東区のTFTホール500で開催されるGRACHAN66で、伊藤空也と対戦する田中智也のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

田中は北海道MMAを代表する存在でありながら、怪我に悩まされ続けた。さらに減量失敗もあり――もう自分に後がないことは自覚している。そんななかでのバンタム級に転向する田中が、次の伊藤戦で真価を見せつけることはできるか。


――2016年5月にDEEP東京大会で島袋チカラ選手と対戦した時も、ローを蹴った時に足を負傷しTKO負け。そのあと1年もの間、試合から遠ざかっています。これまで試合ができないほどの怪我は、何回経験しているのでしょうか。

「手術は5回ほどしていると思います。吉野戦のあとも、ずっとヒジに水が溜まっていて。その時も靭帯再建手術をしました。これまで試合間隔が空いている時は、だいたい怪我が原因です。そうなると脊椎損傷の時以外は、どの怪我も捻挫と同じような(笑)」

――いやいや、凄い精神力です。

「あとは2020年に再度、アマチュア修斗に出ました。北日本選手権で優勝したことで、修斗もプロライセンスを取得しています。その後2022年の修斗札幌大会に出ていますが、おそらく推薦でライセンスを得ることはできなかったと思うので良かったです」

――これまでの1年に1回試合に出場し、1Rでフィニッシュしているからこそ「隠れた北海道の実力者」というイメージはあったかと思います。しかし、これから……という時に怪我やコロナ禍に阻まれている。そんななかで田中選手ご自身としては、今の立ち位置に関してどう感じていますか。

「今回の試合で、現在の立ち位置を確認したいです。今まで試合をしてきた相手の方々には失礼かもしれませんが、僕はまだ日本トップレベルの選手に勝ったことがありません。次の伊藤空也戦が、自分にとって本当の勝負だと思っています」

――なるほど。ちなみに今回、一つひとつ丁寧に答えてくださっている姿が、弘田颯志戦後のマイクアピールとギャップがありすぎて驚いています。

「あれはもう……MMAPLANETさんのインタビューを読んで『あぁ、自分のことを踏み台にしようとしているんだなぁ』と(笑)」

――アハハハ。やはりプロデビュー2戦目の選手と試合で、「舐めるなよ」という気持ちはあったわけですか。

「もちろん弘田選手も空手時代の実績から、自信を持っていたと思います。しかも福田龍彌選手など強いファイターたちとも練習している。でもこれはMMAなので――違うんだぞ、という気持ちはありましたね。たとえアウェイでも、とにかく僕は試合がしたくて。相手が2戦目だろうと何だろうと、自分はギュッと仕留めて北海道に帰ることしか考えていませんでした」

――結果、ご自身としては会心の出来だったのでしょうか。

「自分の仕事はできたんじゃないかと思います」

――まさに職人の雰囲気ですね。弘田戦はフライ級での試合でしたが、今回から正式にバンタム級へ転向するのですか。

「はい。今まで何度かフライ級での計量失敗がありました。怪我がある状態で体重を落としていくので、どうしても失敗する時があり……。今はマルスジムの平大門さんや、相談できる方がいます。しかし当初は我流で減量していました。そのために試合が無くなったり、あるいは計量オーバーでも試合を受けてくださったりと、対戦相手の方々にご迷惑をおかけしてしまいました。計量オーバーした試合で僕が勝ったとしても、誰にとっても何のためにもならない。対戦相手の方も、ただダメージを負うだけで――」

――……。

「さすがにまた減量に失敗すれば、このMMA業界に僕の居場所はありません。これまでもバンタム級で戦うこともあって、自分にとっては一番動ける階級だと思っています。減量も楽になり、今回は過去最高のコンディションですね」

――バンタム級に転向するうえで、ノンタイトル戦で現王者の手塚基伸選手がTSUNE選手に敗れたことはどう思いますか。

「ノンタイトル戦でチャンピオンが負けたので、次はベルトを賭けた再戦があると思います。僕は、その再戦で勝ったほうと対戦したいです」

――そのベルト挑戦のために落とせない一戦になります。対戦相手の伊藤選手の印象を教えてください。

「やはり打撃とレスリングがしっかりしている選手ですよね。前回、高須将大選手をKOした試合も、倒されずにコツコツとダメージを与えていました。僕はあの展開に持ち込ませず、テイクダウンしたいと思います」

――田中選手は体格のバランスも良く、リーチとコンパスも長いです。しかし打撃でやり合う気はないですか。

「その気持ちは全くないです。僕はずっと寝技をやってきたので」

――対してそのリーチとコンパスだと、三角絞めは取りやすいでしょうか。

「……はい(笑)」

――満面の笑みを浮かべましたね。

「アハハハ。まずバンタム級でも骨格は大きいほうだと思います。三角絞めは、相手が完全に立ち上がらないかぎり――頭を起こしている程度なら、それでも極めることができますね」

――最後に、今後の目標を教えていただけますか。

「もう10年もMMAをやっていて、そろそろベルトに絡む試合をしたいと考えています。まずはグラチャンのベルトを獲ること。そして海外での試合も見据えていきたいです」

■視聴方法(予定)
12月17日(日)
午後1時30分~Grachan放送局

■Grachn66対戦カード

<GRACHANライト級暫定王者決定戦/5分3R>
岸本篤史(日本)
林”RICE”陽太(日本)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
伊藤空也(日本)
田中智也(日本)

<無差別級/5分2R+Ex1R>
ハシモト・ブランドン(ペルー)
MAC(サモア)

<フェザー級/5分2R+Ex1R>
松田征也(日本)
伊藤類(日本)

<フェザー級/5分2R+Ex1R>
中村京一郎(日本)
村田俊(日本)

<フライ級/5分2R+Ex1R>
金井一将(日本)
長野将大(日本)

<無差別級/5分2R+Ex1R>
ダンカン・ヒロ(台湾)
ステファン・スマッシュ(フランス)

<無差別級/5分2R+Ex1R>
ラデック・ヘルボーイ(チェコ)
瓜田幸造(日本)

<ライト級/5分2R+Ex1R>
草訳駿介(日本)
水杉泰誠(日本)

<フライ級/5分2R+Ex1R>
後藤浩希(日本)
平野紘希(日本)

<GRACHANchallenge 63㎏以下契約/3分2R>
西嶋珀(日本)
天坂匡孝(日本)

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【Grachan62】田中智也戦へ弘田颯志 & 釜谷真─02─「『できるなかで一番強い相手を』と」(釜谷真)

【写真】対戦相手の田中智也はキャリア14勝3敗。確かにこの大会で戦える一番強い相手だと断言できる (C)SHOJIRO KAMEIKE

23日(日)、大阪府豊中市の176BOXで開催されるGrachan62で田中智也と対戦する弘田颯志と、所属するSWAG GYM KYOTO釜谷真代表のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

師弟ではなく、練習仲間からスタートした2人。出会った時から才能を感じ取っていた釜屋が語る弘田の強さとは。そして弘田がUFCにたどり着くための「最短距離」とは――。

<釜谷真&弘田颯志対談Part.01はコチラから>


――釜谷代表としては京都に戻ってきてすぐ、弘田選手のような意識を持っている若い世代と出会った時の印象はいかがでしたか。

釜谷 「やっぱり俺は持っている男やな」って思いました(笑)。

――アハハハ。

釜谷 空手の世界ユースで優勝していて――まだ格闘技を始めていない20歳の僕が出会ったら、どうやっても勝てないレベルじゃないですか(笑)。僕が自分に対して『これぐらいやれるんちゃうかな』と想像しながら辿り着けなかった場所に、彼は行けると思っています。

――弘田選手と出会った時、すでにMMAを戦えるレベルにあったのでしょうか。

釜谷 いや、さすがに組みのレベルがMMAを戦うレベルにはなかったです。僕は組みを消化していないMMAファイターが好きではないんですよ。

弘田 組みについては小学校の頃に、柔術をやったことがありました。でも叔父が通っていたピュアブレッド京都へ連れていってもらい、遊ばせてもらっていたぐらいで。レスリングは全く経験がなかったです。やってみると難しいし、面白かったですね。最初は組まれると、ただ暴れて逃げるもんやと思っていました(笑)。理屈が分かってくると、いろんなことが繋がってきて面白いです」

――アマチュア時代にはグラチャン・チャレンジで、レスリング出身のミランダ亜廉選手にテイクダウンからパウンドアウトされています。敗れましたが、MMAを戦っていくうえで、あの経験は大きかったですか。

弘田 正直言うと、もっと落ち着いて戦えば倒せていた試合です。今でもあの試合の映像を何回も見ています。「ここでこうしておけば……」という後悔ばかりで。自分の中では絶対に勝てた試合だったと思っています。でも空手ではああいう負け方をしたことがなかったので、良い経験でした。

釜谷 勝った相手が注目を浴びるのは当然ですが、あの試合は関西アマチュアMMAの頂上決戦の一つやったと思います。当日は、ミランダ選手と颯志君の試合だけレベルが違っていました。彼はミランダ戦以外だと左ミドルでKO勝ちしていたり。

弘田 今は階級が違いますけど(ミランダはバンタム級でプロデビュー)、もしプロで再戦することになったら、今度はちゃんと準備して必ず勝ちます。

――弘田選手は今年5月のプロデビュー戦で、鈴木嵐士選手を2RでKOしています。プロデビュー戦の感想を教えてください。

弘田 まず100パーセント負けることはない相手だと思っていて。だから「できるだけ差を見せつけてやろう」と考えていたんですよ。最初に組んだ時、「これは組みだけで勝てる」と感じて、その通りに勝ちました。本当は胴廻し回転蹴りで倒したかったんですけど。

そうは言うても、マカコ会長も若い頃は──手段がそことギロチンに二択だったとしても──思い切り、勢いありまくりの真っ新なファイトをしていました

釜谷 ここがもう違いますよね。

僕のプロデビュー戦なんて、まず勝つことに必死でした。毎試合「会場にいる全員が俺の負けと思っても良い。ジャッジ2名だけが俺の勝ちだと言ってくれればいい」と思っていましたね(笑)。颯志君のプロデビュー戦は、「試合中に怪我でもしないかぎり負けることはない。どんな試合するんやろうな」と思っていたら、僕と3年間一緒にやってきたことを見せてくれて。

弘田 はい、そうですね。あの時は釜谷さんと一緒にやってきたことを100パーセント出すことができました。

釜谷 僕としては「空手らしさを見せるんかな」と考えていました。それがしっかりとMMAをやり、組んで勝った。単純に、ただただ嬉しかったです。

弘田 あれは僕がMMAの練習を始めてから、自分がやられてきたことでした。おかげで自分も試合中に考えんでも出るぐらいまで技術が染み込んでいて。

――それほど会心の勝利を飾ったデビュー戦に続き、次は田中智也選手と対戦します。田中選手はグラチャンの岩﨑ヒロユキ代表が「本来ならフライ級トーナメントに出場して良いレベル」と称するとおり、プロ2戦目の相手としては格上すぎるようにも思いますが……。

釜谷 はい。僕も選手によっては、プロ2戦目だと対戦させない相手かもしれないです。でも僕は颯志君のMMAへの想いを聞き、最短距離で頂上に行かせたい。デビュー戦が終わった直後、岩﨑さんに「次に試合ができるなかで一番強い相手をぶつけてください」とお願いしました。次は間違いなくデビュー戦よりタフな試合になるでしょう。でも颯志君がデビュー戦と同じような勝ち方ができる可能性も高い。なら、やるしかないですよ。

弘田 釜谷さんがそう考えてくださっているのが本当に嬉しいです。釜谷さんが交渉してくれているのを見て、自分が何のためにMMAをやるのかって改めて分かりました。僕としては次の試合が勝負やとは思っていません。いつも練習している釜谷さんや福田龍彌君のほうが強いし、僕が集中して臨むことができれば負けることはないです。

福田の王座戴冠も、一緒に体感した弘田

釜谷 ここ数年の中で一番、福田君と戦っているのが颯志君やと思いますよ。

同じフライ級で、福田君のセコンドにも就いていますしね。

――それは楽しみです。先ほど「最短距離」と仰いましたが、何試合目あるいは何年後にUFCへ辿り着きたいと考えていますか。

釜谷 それに関しては正直何とも言えないです。ただ、最初に会った時に「UFCに行きたい」と言われても、それは無理やと思いました。でも今はあと3試合ぐらいKO勝ちして、来年RTUが開催されれば、颯志君も選ばれるんじゃないかと考えています。それが今の僕たちにとっての最短距離ですね。次の対戦相手を倒す前提で喋っていて申し訳ないけど、3戦目は国内のチャンピオンクラスと対戦させたいです。

弘田 僕も毎試合そのつもりで準備しています。次はテイクダウンがしつこい選手ですが、最初だけ注意して自分の展開に持ち込みたいです。まだまだ足りひんところもあるけど、少しずつ目標に辿り着けるように頑張りますので、宜しくお願いします」

■Grachn62視聴方法(予定)
7月23日(日)
午後0時30分~Grachan放送局

■Grachn62対戦カード

<ライト級/5分2R>
林 RICE 陽太(日本)
小川道的(日本)

<無差別級/5分2R>
ハシモト・ブランドン(ブラジル)
岡本純一朗(日本)

<68㎏以下契約/5分2R>
鍵山雄介(日本)
村田俊(日本)
※当初、鍵山と対戦予定だった室井大勢が怪我のため欠場に。対戦相手が村田に変更となった

<フェザー級/5分2R>
大搗汰晟(日本)
櫻庭泰裕(日本)

<ウェルター級/5分2R>
青木忠秀(日本)
モリシマン(日本)

<フライ級/5分2R>
弘田颯志(日本)
田中智也(日本)

<ウェルター級/5分2R>
上田拳翔(日本)
遠塚浩希(日本)

<ストロー級/5分2R>
藪本龍作(日本)
大貴(日本)

<バンタム級/5分2R>
中嶋紳乃介(日本)
有田一貴(日本)

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【Grachan62&MMA甲子園】「いま僕が死んだら、グラチャンはなくなる。でもMMA甲子園は、僕が死んでも残るものでないといけない」岩﨑ヒロユキ-02-

【写真】素晴らしい覚悟のある言葉です (C)SHOJIRO KAMEIKE

23日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGrachan62を前に、岩﨑ヒロユキ代表がMMA甲子園の実行委員長に就任した。
Text by Shojiro Kameike

プロ興行のグラチャンと、グラチャンのもとで開催されるアマチュア大会グラチャン・チャレンジとの関係、大阪でのアマチュア展開など岩﨑代表の想いを訊いた。

<岩﨑ヒロユキ・インタビューPart.01はコチラから>


――MMA甲子園の話に戻りますが、階級と減量についてはどのようにお考えですか。現状、MMA甲子園で設定されている最も軽い階級はフライ級です。高校生の場合、ストロー級が最適な選手もいるかと思います。

「階級については悩みました。実行委員会の皆さんとも相談していて――たとえば身長×体重でレギュレーションを考えるとか。でもMMA甲子園はアマチュア大会で、当日計量ですし、何をどうやっても減量はするわけじゃないですか。となると選手に無理な減量をさせたら所属ジムにペナルティを課すなどの対応を検討しています」

――まだ体が出来上がっていない段階で大幅な減量をしてしまうと、その後の身体形成に関わってきますからね。

「それは実行委員会と所属ジムが二人三脚でやっていくしかないです。実行委員会としても常に目を配っておかないといけない問題で。減量については選手ではなく、所属ジムの問題として捉えます。何かあれば所属ジムにも問題意識を持ってもらうように、実行委員会としても指導していくしかないですね」

――高校生の大会を開催するためには、プロ興行も問題意識を持たなければいけないと思います。キッズから高校生までが目標としてくれるようなプロ興行を開催すること。アマチュア大会だから厳しい、プロ興行だから緩い……ということは、あってはいけないわけで。

「計量について言えば、人間だから誰でもミスすることはあります。ミスした時にどうするのか。グラチャンに関して言うと、計量オーバーしたら次は同じ階級でオファーしません。いつも計量をクリアできるかどうか危ない選手には、常に指導し続けています。誰かは名前を出せないけど(笑)。

MMA甲子園では、そういった規約を明確にしておいたほうが良いでしょうね。一度計量オーバーしたら、二度とその階級で出場することはできないとか。そのためにもプロ興行を正しく運営していかないといけない、という意見は分かります」

――では、プロ興行においてタトゥーをどうするのか。MMA甲子園ではタトゥーが入っている選手は試合に出場できない。でもプロ興行なら良いのか。近年はタトゥーを入れることも一般的にはなってきましたが、アマとプロの関係を考えると問題は残ります。

「MMA甲子園ではタトゥーが入っている場合、オフィシャルのラッシュガードを購入してもらいます。ということは、それだけお金が掛かってしまいますよね。高校生にとっては決して安くない金額です。余計なお金を掛けたくないなら最初からタトゥーを入れない、という考えを持ってもらいたいですね。

一方で、プロは仕方ない面もあります。今はYouTubeでMMAを観ると、国内でも海外でもタトゥーが入った選手ばかりで。だからこそ、MMA甲子園なんですよ。『ラッシュガードを買わなきゃいけないなら、タトゥーを入れるのは止めようかな』と思ってくれる高校生が増えてくれたら――タトゥー問題に対して、MMA甲子園が少しでも抑止力になることができたら嬉しいです。もちろんタトゥーはファッションだし、高校を卒業して20歳を過ぎたら自分でどうするか考えれば良くて。もう大人ですからね。でもせめて……高校生の間は、その時の気分でタトゥーを入れるのは止めてほしい」

――タトゥーが入っている選手のみがラッシュガード着用で、相手がラッシュガードなしだとアンフェアになりませんか。

「そうですね。もともとラッシュガード着用については道徳面を優先して考えました。ただしフェアにならないというのは、そのとおりです。両方ともラッシュガード着用にするか、相手がラッシュガード着用でもOKした場合に試合を認めるか等、今後の検討課題ですね」

――MMA甲子園を開催することで、グラチャンは何か変わりますか。

「あくまで別組織なので、MMA甲子園に紐づいてグラチャンを何か変えないといけない、ということはないです。先ほど言ったとおり、計量については今のやり方を貫いていきます。たとえ選手にとっては厳しくても」

――分かりました。ではプロ興行のお話に移りますが、7月23日は前回の大阪大会と比べるとタイトルマッチもなく、関西の選手が中心となっています。

「大阪で大会を行うかぎり、大阪の選手が出ないと意味はないですからね。僕としては、いずれ大阪大会は関西の選手だけで試合を組みたいと考えています。これは書いてくれて良いけど、今回は手塚基伸と海外選手の試合を組む予定でした。でも海外選手が出場できなくなってしまって……」

――それは残念です。手塚選手と海外勢の試合は見たかったですね。

「今大会でいえば、第一試合に出る有田一貴選手はグラチャン・チャレンジ(以下、GC)を経ている選手です。来年は大阪大会でも、もっとGC出身選手がプロデビューすると思います。ようやく撒いてきた種が実を結びつつあるんですよね。

繰り返しになりますが、僕は選手にプロデビューしたことを後悔してほしくなくて。今まで、いろんな選手を見てきました。正直、グラチャンも初期は『プロかどうか』というレベルの選手も出ていたと思います。そういう選手が負けて、格闘技を辞めてしまう姿を見てきたんです。

彼らもアマチュアだったら格闘技を続けていたかもしれない。プロデビューするからには辞めてほしくないので、まずアマチュアで経験を積んでほしい。そう思っているからこそ僕もアマチュアにこだわっているのかな、って思います」

――MMA甲子園に出場した選手が芽を出すには、何年かかると思いますか。

「最低、3年はかかるんじゃないですか」

――MMAだけでなく、それこそ格闘技界だけでなく日本全体が経済的にも厳しい状況にあります。そのなかで高校生の大会を、いかにして3年以上続けていくか。

「だからこそ、各支部の力が必要なんです。僕ひとりだけでは絶対に無理ですよ。いま僕が死んだら、グラチャンはなくなるでしょう。でもMMA甲子園は、僕がいなくなっても残るものでないといけない。だから、しっかりと組織として固めていきたいです」

――グラチャン、GC、MMA甲子園以外にも今年開催された『J-MMAルーキーカップ』があります。

「ルーキーカップは10月8日が決勝で、来年も開催しますよ。これから各プロモーターの方々に相談します。今年は春に1回戦を行いましたが、来年は夏以降のスタートになるかもしれません。MMA甲子園の全国大会が来年に2月の開催予定ですからね。今後も楽しみにしていてください」

■Grachn62視聴方法(予定)
7月23日(日)
午後0時30分~Grachan放送局

■Grachn62対戦カード

<ライト級/5分2R>
林 RICE 陽太(日本)
小川道的(日本)

<無差別級/5分2R>
ハシモト・ブランドン(ブラジル)
岡本純一朗(日本)

<68㎏以下契約/5分2R>
鍵山雄介(日本)
村田俊(日本)
※当初、鍵山と対戦予定だった室井大勢が怪我のため欠場に。対戦相手が村田に変更となった

<フェザー級/5分2R>
大搗汰晟(日本)
櫻庭泰裕(日本)

<ウェルター級/5分2R>
青木忠秀(日本)
モリシマン(日本)

<フライ級/5分2R>
弘田颯志(日本)
田中智也(日本)

<ウェルター級/5分2R>
上田拳翔(日本)
遠塚浩希(日本)

<ストロー級/5分2R>
藪本龍作(日本)
大貴(日本)

<バンタム級/5分2R>
中嶋紳乃介(日本)
有田一貴(日本)

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Grachan Grachan60 MMA MMAPLANET o RIZIN キック ハシモト・ブランドン

【Grachan60】怪獣キラーがブランドンを右フックで沈め、グランチャン無差別級王者としてRIZIN出場宣言

【写真】ローで崩しパンチでKO—―体格で劣る荒東が理想的な勝ち方を見せた (C)SHOJIRO KAMEIKE

<無差別級トーナメント決勝/5分3R>
荒東‟怪獣キラー”英貴(日本)
Def.1R4分52秒 by KO
ハシモト・ブランドン(ブラジル)

オーソドックスの両者がローで探り合う。リーチで上回るブランドンが右ローを繰り出すと、荒東が左インローを返す。さらに左インローから右カーフキックを狙う荒東に対し、ブランドンは右ストレートで対抗する。やや距離が遠い荒東のパンチはブランドンの顔面に届かず。しかしブランドンの左ジャブを食らいながら、右ストレートなど後続打は全てブロッキングしている。

静かな展開は、1R後半に突然動いた。荒東のローを受けてブランドンの足が流れ始める。そして右ローを受けてバランスを崩したブランドンに対し、荒東が右フック一閃。この一撃でダウンしたブランドンはダウン、起き上がって組みつくも、荒東がスプロールから潰してパンチを浴びせたところでレフェリーが試合をストップした。

これで無差別級トーナメントを制し、初代グラチャン無差別級王者となった荒東は、改めてRIZIN出撃を宣言した。

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Grachan Grachan60 MMA MMAPLANET o ONE RIZIN ハシモト・ブランドン 大宮優 岩崎正寛 海外 清水俊一 荒東英貴 藤沢彰博

【Grachan60】ハシモト・ブランドンと無差別級T決勝、荒東英貴─02─「『負けたらもっと悔やめ』って」

【写真】まずはトーナメント決勝。その後も気になる怪獣キラーだ (C)GRACHAN

26日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGRACHAN60で、ハシモト・ブランドンと無差別級トーナメント決勝を争う荒東‟怪獣キラー“英貴のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

タイから帰国してからはパラエストラ大阪を拠点に、チーム吉鷹やカルペディエム芦屋などでも練習を行っているという荒東。その大きな体に秘められたMMAへの熱い想いと、無差別級トーナメントから将来の目標を語ってくれた。

<荒東‟怪獣キラー“英貴インタビューPart.01はコチラから>


――ヨーキーMMAということは、ONEに出場している藤沢彰博選手とも一緒に練習していたのですか。

「そうです。先日タイに行ったのも、彼の試合を見に行ったんですよ。セコンドにも就かせてもらうことになって。その時にプーケットで練習してきました」

――おぉ、そうだったのですね。タイでMMAを始めて、そのままタイでやっていこうとは思っていなかったのでしょうか。

「当時はタイでやっていきたかったです。実はタイにいる時、フルメタル・ドージョーでウィル・チョープと試合が決まったんですよ」

――えっ、それはMMAですか? ウィル・チョープとは体重差がありすぎでは……。

「大会の新鋭とベテランをぶつけるっていうノリだったと思います。するとニックが『ウィル・チョープに勝ったら次はRIZINに出られるよ』と言い始めて。いま考えると、ニックにそんなツテがあるわけもないのに(笑)。その言葉を信じて、僕はタイで仕事も辞めました。すると試合が発表された直後に、コロナ禍になったんですよね。試合もないし、仕事を辞めたためにビザの関係で一時帰国して。その時、MMAをやるなら日本のほうが環境は良いんじゃないかと思いました」

――そこで清水俊一選手に相談して、パラエストラ大阪で練習し始めたわけですね。

「はい。最初は一時帰国だったので『3週間ぐらいしか日本にいないと思うんですけど……』と言って行き始めたのに、もう2年いますね(笑)。そこから格闘技専業でやらせてもらっています」

――コロナ禍のなかで帰国し、格闘技専業でやっていくことに不安はなかったのですか。

「タイにいて専業でやるよりは――と思いました。もともと現地ではビザの規定がコロコロ変わるし、ビザも無くなったので日本でやっていくほうが良かったです」

――なるほど。もう1点、ヘビー級の体でMMAをやっていくうえで、日本以外は選択肢になかったのでしょうか。日本国内では練習相手を探すのも難しいかと思います。

「その点は、なくはないです。でも結果が出ているから良いかなと思っています。大阪にも強い選手はたくさんいるし、僕が力を使って勝負するタイプではないですからね。僕は自分自身について、体が強いほうではないことが分かっています。だから体や力でぶつからないように戦っていることも、結果につながっているんじゃないですか。それに力の強さでいえば、岩崎さんほど力の強い人はいないですよ」

――カルペディエム芦屋の岩崎正寛代表ですか。

「あの人、バケモンですよ! 僕がヘビー級で戦っていくために、もっと筋力が必要だと言う人もいます。でも僕自身としては、必要なのは岩崎さんのようにフレームや骨格を使う攻撃やと思っています。それは吉鷹先生が教えていただいている、体重移動で打撃の力を生むのも同じですよね。確かにヘビー級やから、ヘビー級の人と練習しないといけないっていう考えも分かります。でも結果が出ているし、『これからも自分が勝つから見といて』っていう気持ちです。アハハハ。

僕が一番気にしているのは、身長差があるために自分のパンチが相手の顔面に届くかで。吉鷹先生は現役の時、身長差のある外国人選手にアッパーを突き上げていましたよね。結局はそういうことで――結局は自分が踏み込むかどうかの話じゃないですか。今のところ困ってはいないし、これからも自分のパンチは当たると思います。

岩崎さんも、そうなんですよね。柔術で海外の強い選手と対戦してきた経験があるから、僕の質問に対してバシッと的確な答えをくれる。僕は今、最高の環境で練習できています」

――同じグラチャンに出ている大宮優選手にインタビューした時、「ライト級では体格が小さいのでフェザー級やバンタム級に転向するつもりはないか」と聞きました。すると「その階級に自分より体格の大きな相手しかいないことが分かっていれば、そのほうがやりやすい」という答えが返ってきました。

「あぁ、その考えはすごく分かります。今回の無差別級トーナメントもそうですけど、自分より背が高い相手がいて、自分より背が低い相手もいたりするほうが困るんですよ(苦笑)。僕はデブのわりには動けるし、バテないほうやと思うので大丈夫です!」

――いわゆる「動けるデブ」というわけですね(笑)。一方、次の試合で対戦するハシモト・ブランドン選手は、身長もリーチもあるヘビー級体型の選手です。

「体格差については、向き合ってみないと分からないところも多いです。でも僕は、ここで足踏みしているわけにはいかないので、持っているものを全部――丁寧に出していきます。丁寧に試合をしながら、行けるところで行きます。いっぱい蹴って、削ったところで相手が組んで来たら潰して、上を取ってから殴ります。それが理想です。ちゃんとMMAをやりますよ。あの……コレは言っていいですかね?」

――はい、もう何でも仰ってください。

「最近、薄い試合をする選手が多くないですか」

――薄い!? どういうことでしょうか。

「僕のプロとしての考え方で、『もっと一つの勝利や一つの敗北に一喜一憂してくれよ』って思います。特に『負けたらもっと悔やめ』って。負けても良い勝負なんて絶対にない。試合に負けてペラペラ言い訳するぐらいやったら、最初から薄い試合するなって思います。

強いか弱いかは結果として、まず試合に対して頑張れよって言いたい。僕はそんな薄い試合はしません。まだそこまで強くないかもしれないけど、ファイターとしての気持ちは誰にも負けていないので。このトーナメントで優勝して、ゆくゆくはONEで試合したいです」

――昨年8月のグラチャン大阪大会で勝利したあと、RIZIN出場をアピールしていましたが、現在の目標はONEなのですか。

「RIZINに出たくない、というわけじゃないんですよ。これは完全に願望ですけど、アジアで日本人の強さを見せたいなと思っています。藤沢の試合で帯同して雰囲気も分かりましたし、何より自分にとって身近なタイやアジアで開催されている大会に出たいです。

やっぱりグラチャンの大阪大会で試合をすると、ずっと応援してくれている人たちが多く見に来てくれるんですよ。その人たちに僕の試合を見せられることが嬉しいです。同じように、ONEタイ大会でバケモノのような選手と戦っている姿を――タイで僕にMMAを始める機会を与えてくれた人たちに見せたいです」

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【Grachan60】無差別級T決勝へ、荒東‟怪獣キラー“英貴─01─「体の力じゃなく体重移動で打撃の力を生む」

【写真】首筋、輪郭がすっきりとした荒東。笑顔は変わらないが、以前よりも大人に感じる表情になっていた (C)SHOJIRO KAMEIKE

26日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGRACHAN60で、荒東‟怪獣キラー“英貴がハシモト・ブランドンと無差別級トーナメント決勝戦で激突する。
Text by Shojiro Kameike

タイでMMAを始めたという荒東は、2019年8月にタイでプロデビューし、ここまで8戦無敗のレコードを持つ。2021年からはグラチャンに参戦し、今回の無差別級トーナメント決勝にたどり着いた。まずは自身のことを「タイからの逆輸入MMAファイター」という、謎に包まれた荒東のMMAキャリアと吉鷹理論に基づく打撃について訊いた。


――無差別級トーナメント決勝を控えて、現在の練習とコンディションはいかがですか。

「もうバッチリです! 今回はタイのプーケットにあるバンタオ・ムエタイ&MMAというところで練習してきました。3日間しかいられなかったんですが、その時にKSWのミドル級ランカーとも手合わせしてきて。ちょっと名前を忘れてしまったんですけど……。そこで、僕が今までやってきたことが間違えていなかったなと思って日本に帰国しました」

――「今までやってきたこと」とは何でしょうか。

「僕はチビデブファイターなので、相手とのリーチ差をどう潰すかが試合のポイントになります。特に初めて手合わせする相手とのリーチ差ですね。普段一緒に練習している人は、もう相手が何をやってくるか知っていて、僕の中でも何をどうすれば良いか分かっているんですよ。

でも今回、初めて手合わせする人にもある程度は同じようにやることができました。だから今までやっていたことは間違いじゃないし、『ここからプラスアルファ、どうするかやな』と思いました。あとは大きな選手とケージレスリングをやっても負けなかったし、『チビでもやれるんやな』と思って。そういった経験が、すごく自信になりましたね」

――前回の桜井隆多戦では、通常ヘビー級ではない桜井選手のほうがリーチは長かったです。その体格を考えて、ヘビー級以外で戦うという選択肢はなかったのでしょうか。

「まずMMAを始めた時、選手層が薄いからヘビー級のほうが上に行きやすいと思ったんですよ。あとはライトヘビー級まで落とせるかどうか、自信がなかったです」

――ただ、以前よりも首周りがスッキリしていませんか。

「そうですね。試合に向けて体重を落とすためでもあるんですけど、実は今――めっちゃ筋トレやっています。フィジカルも良くなっているんですよ。体脂肪率を下げたほうが、反射神経そのものは変わらないけど、相手の攻撃が来てからのスピードが上がるので。

あとは肉がついていると、どうしても守るというか、受けても大丈夫っていう気持ちになっちゃうんですね。体重が軽いほうが『行かなアカン!』という気持ちになりやすいので、試合前は体重を落とすようにしています」

――桜井戦では左ジャブや右クロスを顔面に受けていました。あれは「守る」という気持ちが大きかったのか、それとも相手はミドル級の選手だからなのか……。

「『ヘビー級の選手を相手に同じことをやったらどうなんねん』ということですよね。正直、どちらでもなく『これは喧嘩やな』と思っていたんです」

――えっ、どういうことですか。

「もともと打ち合うプランじゃなかったんです。リズム取って、体重差を生かしてパンチを当てていこうと考えていました。でも試合が始まってすぐ、桜井選手が2回ぐらい出入りでパンチを当ててきて。『これキレイにやろうと思ったら間違いや。行ったろう!』と思ったんですよ。相手のパンチが効くか効かんか、というより『これは引いたら負けや。行くしかない!』という気持ちでした。

相手のパンチ自体は効いてはいなかったんですよ。ブロック&リターンも入れているし、よう見てもらうと、もらう時も後ろ重心でズラしたりしていました。皆さんが見ているよりは効いていなかったと思います」

――ブロック&リターンという部分で、荒東選手が師事している吉鷹弘さんの存在が見えますね。

「はい。僕のストライキングは、全て吉鷹先生のエッセンスです。吉鷹先生は今でも強くて。僕より強いですよ(笑)。その吉鷹先生と僕の考え方が似ていて、先生の仰ることがスッと僕の中に入ってきます。体の力じゃなくて、体重移動で打撃の力を生む。

それは攻撃でも防御でも使うことができる。結果、『攻防』が生まれるわけですよね。今は攻撃しか考えない選手が増えたと思うんですよ。攻撃だけで勝てるわけがない。ちゃんと技術を身につけて『攻防』をしないといけない――吉鷹先生からは、そう教わっています」

――チーム吉鷹で練習するようになったキッカケは、何だったのでしょうか。

「パラエストラ大阪のタクミさんから『チーム吉鷹に行ってきなよ』と言われたのがキッカケでした。タイから帰国した時、日本に格闘技界の知り合いがゼロで。そこでタイにいる時に知り合いだった清水俊一さんから今村豊さんを紹介していただいて、パラエストラ大阪で練習するようになりました」

――そうだったのですね。そもそもタイでMMAを始めた経緯を教えていただけますか。

「もともと柔道をやっていて、大学を卒業したあと飲食店に就職したんです。でもその飲食店がブラックで――1日18時間ぐらい働いていました(苦笑)。『何や、この生活……』と思っていた時に、帰り道にあった居酒屋の社長さんと仲良くなって。その社長さんがタイへ行きはってから『ヒデ、タイで働かんか?』と誘ってくださって。

その社長さんがタイで空手をやっていた繋がりで、まずフルメタル道場で僕も練習を始めたあと、ヨーキーMMAのトレーナーだったニック(ニコラス・リー)と知り合ったんです。人間としてはアレですけど(笑)、ニックは教えるのが上手くて。彼が教えてくれたレスリング&ボクシングは、僕のベースになっています。

そのヨーキーMMAからフルメタル道場主催の大会に出たのが、僕のMMAのスタートです。怪獣キラーというニックネームは、デビュー戦でテレビ実況の人が僕のことを怪獣キラーと呼んでいたので、そこから頂きました」

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【Grachan60】冬の大阪は無差別級T決勝=荒東✖ハシモトがメイン。ミランダ亜連は仕切り直しの初陣

【写真】大阪で始まり、大阪でトーナメント最終マッチを迎える荒東 (C)NOBU YASUMURA

23日(月)、2月26日(土)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGRACHAN60の対戦カードが発表された。

同月11日(土)に東京都江東区のTFTホール500で行われるGRACHAN58 X BRAVE FIGHT27から2週間後──。グラチャン大阪単独興行時代、冬の陣は無差別級トーナメント決勝戦=荒東”怪獣キラー”英貴✖ハシモト・ブランドンがメインに組まれた。


昨年12月の準決勝となった桜井隆多戦では、2R終盤の打撃戦のなかで放ったヒザ蹴りが急所を直撃。桜井が試合続行不可能となり、その時点までの裁定で判定勝ちを手にした荒東が、瓜田幸造を判定で破ったブランドン・ハシモトと地元でメインを張ることに。

ペルー系日本人のハシモトは、同トーナメントでプロデビューした新鋭で、瓜田戦では序盤の目視戦でカウンターの右でダウンを奪い、後半はジャブや前蹴りで突き放し接近戦でも打ち勝っている。JAWS West所属で初戦はマウントパンチでズールを破ったハシモトと、荒東の一戦は打撃戦から組み、寝技の攻防に発展するのか注意したい。

また同大会では昨年8月の大阪大会でプロデビューが決まっていたが、コロナ陽性で欠場となった注目ルーキー=ミランダ亜廉の仕切り直しの初陣、中嶋紳乃介戦も決まっている。

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【Grachan58】イ戦前の伊藤空也─02─も注目トーナメント「無差別級は桜井選手、フェザー級は小島選手」

【写真】伊藤空也がファン目線で当日行われる両トーナメントの見所を話してくれた (C)MMAPLANET

4日(日)、千葉市美浜区の幕張メッセ国際展示10ホールで開催されるGRACHAN58で、韓国のイ・ハンヒョンと対戦する伊藤空也のインタビュー後編。

昨年、手塚基伸に敗れバンタム級のベルトを手放した伊藤が、この1年の取り組みを語る。さらに現在行われている無差別級&フェザー級についても、GRACHANファン目線で紹介してくれた。

<伊藤空也インタビューPart.01はコチラから>


――以前は柔術の練習を、そこまで取り入れてはいなかったのですか。

「4年ぐらい前まで長野県にいて、当時は毎週やっていました。でも関東に来てからは、そんなに柔術に触れる機会もなくて。どちらかといえばレスリングとグラップリングが中心になっていたんですよね。BRAVEジムでトライフォース柔術アカデミーと連携した柔術クラスが始まったので、去年から参加するようにしました。そこで改めて柔術の奥深さ、寝技の基礎の大切さをイチから学んでいます。そうして迎えたのが魚井戦だったので、自分のやるべきことはやれたんじゃないかと思っています」

――柔術クラスで学んでいるのは、MMAの中の柔術ですか。それともベーシックなブラジリアン柔術をイチから学んでいるのでしょうか。

「純粋なブラジリアン柔術を教わっています。柔術をやることによって、組んでも落ち着いて対処できるようになりますよね。しっかりと際の展開で、一つひとつ組み立てていくことができる。相手が仕掛けてくることを、一つひとつ潰していける。そういう動きが身体に染みついてきました。あとはムエタイのウィラサクレックジムさんへ行って、首相撲の動きも取り入れています」

――柔術だけでなく、ムエタイも! すると、この1年で動きは大きく変わったのではないですか。

「そうですね。動きも変わったし、打撃に関しては去年の倍は研ぎ澄まされていると思います。得意なところは伸ばし、苦手なものは一つひとつ潰して――ということをやってきたので。技に深みが出て来たような感じがあります」

――なるほど。プロモーターサイドやファンからすれば、獅庵戦と金太郎戦を経て、これからも伊藤選手には同じような……むしろ、それ以上の激闘が求められるかもしれません。しかし現在、伊藤選手が取り組んでいることは、そうした激闘とは方向性が異なる部分もあります。そこに葛藤はないですか。

「MMAなので、その激闘とは違う見せ方がありますからね。ただ、僕自身も練習ではスマートな動きができるのですが、試合だと激しい展開になっちゃうんですよ(苦笑)。自分で意識しているわけではなく、試合中のテンションでそうなってしまいます。やっている動きは、練習してきたものなんです。だからテンションの問題か……。

でも魚井戦は、激闘にならなかったけど、相手の動きを潰して完封できました。試合のない期間は、ずっとスマートな動きを試合で出せるように練習してきたので、あとはしっかりと試合で見せるだけですね。自分でも未知数な部分はありますが、自信はあります」

――魚井戦はリングで行われました。リングで出せたことをケージで出せるか、あるいは同じことをやっていいのかどうかは一つの課題ではあります。

「はい。でも今はずっとケージを想定して練習しているので、次のイ・ハンヒョン戦では新しい自分を見せることができると思います。相手がキックボクサーになったのも、これまでムエタイをやってきた成果を見せるチャンスなのかな、って。結果的に良かったんじゃないですか。今はONEのオープンフィンガー・ムエタイを結構見ていて、それに近いものが見せられるんじゃないかと思います」

――それは次の試合がとても楽しみです。次に伊藤選手の試合以外のお話を伺いたいのですが、グラチャンで他の試合はチェックされていますか。

「はい。グラチャン放送局でチェックしています」

――グラチャンでは無差別級とフェザー級のトーナメントが開催されており、今回は同じ大会で準決勝戦が行われます。いちGRACHANファンとして、各トーナメントに対する印象をお願いします。

「無差別級は怪物みたいな選手が揃いましたよね。やっぱり僕たちは無差別級の試合に魅力を感じて、格闘技を始めた時代じゃないですか。だから今でも無差別級に求められているのは、そういう怪物性だと思うんです。そんな試合をグラチャンで実現してくれるのは、観ていてワクワクというか、ゾクゾクします。ファン目線で見ても楽しみですね」

――組み合わせは前日の計量時に決まるとのことですが、準決勝に勝ち上がった4選手の中で誰が勝ち上がると思いますか。

「僕が注目しているのは、桜井隆多選手です。もともとウェルター級で戦っていた選手が無差別級に出場していて。前回の試合も体格差があるのにパンチで仕留めて――まるでドラマを見ているようでした。僕自身も昔から見ていた選手なので、思い入れもあります。桜井選手ってカッコイイんですよね。

変わらない強さの中に、進化しているところもあって。そこでヘビー級に挑戦する生き様がカッコイイ、僕もすごく憧れている選手です。MMAの経験はダントツじゃないですか。トーナメントに出場している他の選手と比べても、一番ケージでの戦い方が分かっている試合内容だと思うんですよね。だから僕の考えではありますけど、桜井選手が優勝に一番近いんじゃないかと思っています」

――フェザー級トーナメントはいかがでしょうか。

「フェザー級は小島勝志選手に注目しています。僕は和田健太郎が決勝に行くのかな、と考えていたんですよ。でも小島選手が和田選手を相手に、あれだけパンチとボディブローで試合をつくっていって、最後はTKOで仕留めた。対レスラーの試合としては、理想的な勝ち方だったと思います。その和田戦を見ても、今までの試合と比べてさらに強くなっていましたから。これまでも打撃の強さは見せていましたが、さらにレスリング技術もプラスされて、際の部分でも綺麗に戦っていて。全局面で強さを感じました。

あと、小島選手は山梨県在住で、僕は長野県出身じゃないですか。同じ地方出身者として、ファン目線で応援してしまいます。しかも地元で自分のジムも出していて、自分の練習もしながらトーナメントで勝ち上がっていく。そこで優勝するストーリーに期待してしまいますね」

――最近では首都圏以外の選手が勝ち上がるケースが、どんどん増えています。

「桜井隆多選手もそうですよね。そういう意味では、僕は関東にいる立場ですけど、地方をナメんなよって気持ちがあります。で、それこそグラチャンがやってきたことじゃないですか。地方の選手が首都圏でチケットを売れるわけじゃない。でも大阪もそうだし、北海道でも大会を開催し、地方でも活躍した選手を首都圏の試合に呼んでいて。僕もファイトマネーをもらう限りは、そのぶん皆さんが見に来てくれるように頑張ります」

■視聴方法(予定)
12月4日(日)
午後4時30分~ GRACHAN放送局

■ Grachan58対戦カード

<ウェルター級/5分2R>
川中孝浩(日本)
渡辺良知(日本)

<バンタム級/5分2R>
伊藤空也(日本)
イ・ハンヒョン(韓国)

<ライト級/5分2R>
ルクク・ダリ(コンゴ)
林RICE陽太(日本)

<Grachan無差別級準決勝/5分2R>
桜井隆多(日本)
瓜田幸造(日本)
荒東 怪獣キラー 英貴(日本)
ハシモト・ブランドン(ペルー)

<Grachanフェザー級T準決勝/5分2R>
小島勝志(日本)
高橋孝徳(日本)
崎山勲(日本)
鍵山雄介(日本)

<ライト級/5分2R>
岸本篤史(日本)
渡辺和幸(日本)

<無差別級/5分2R>
上田幹雄(日本)
ソン・ムジェ(韓国)

<柔術/5分1R>
村田良蔵(日本)
田中義篤(日本)

<フェザー級/5分2R>
萩原一貴(日本)
黒井海成(日本)

<無差別級/5分2R>
石川廉(日本)
田馬場貴裕(日本)

<バンタム級/5分2R>
YO-HEI(日本)
ロバ・モー(日本)

<バンタム級/5分2R>
松本尚大日本)
佐々木歩夢(日本)

<バンタム級/5分2R>
松本大輔(日本)
安部路人(日本)

<フライ級/5分2R>
水谷健人(日本)
金井一将(日本)

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