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【UFC FPI03】噂のヒザ破壊神童シャウゴリは、メイソン・ファウラーの王道柔術&腕十字に一本負け

<アブソリュート級T準々決勝/8分1R>
メイソン・ファウラー(米国)
Def.4分58秒by 腕十字
パット・シャウゴリ(米国)

すぐに座ったシャウゴリが足を絡ませていく。警戒して立ち上がり、続いて正座状態を創るファウラーはもう一度スタンドに戻り一気にパスから上四方で抑える。シャウゴリの取らせない力がどこまであるか。ファウラーは腕を狙いつつ、しっかりと抑え「アクション」の声がレフェリーからかかる。

腰を押すシャウゴリが足を振り上げると、ファウラーはワキをすくってキムラを狙う。シャウゴリは防ぐが、足を戻せず得意の50/50を創る展開に持ち込めない。上四方からワキを取るファウラーが、一気にマウントを奪う。残り3分30秒、キーロック狙いのファウラーがステップオーバーして腕十字へ。立ち上がろうとしたシャウゴリの左腕をしっかりと取ったファウラーは、頭を跨いできた腕を引き寄せる。シャウゴリは、前転と同時に正対しようと試みたものの頭を刈られるとタップした。


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【UFC FPI03】無差別級Tにハイサム・リダ出場。本命はニッキー・ロッド。ヒザ破壊神童=シャウゴリに注目

【写真】果たしてハイサム✖ニッキー・ロッドの決勝は実現するのか。それとも怖い16歳が割って入るのか (C)SATOSHI NARITA

15日(木・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC Fight Pass Invitational 03。ゴードン・ライアン✖ヴィニー・マガリャエスが組まれた同大会では賞金2500ドル=約340万を賭けたアブソリュート・トーナメントが実施される。

その出場メンバーは以下の通り。

ハイサム・リダ(ガーナ)
パトリック・ガウジオ(ブラジル)
メイソン・ファウラー(米国)
パット・シャウゴリ(米国)
ニッキー・ロドリゲス(米国)
アンディ・ヴェレラ(米国)
リッチー・マルチネス(米国)
オリバー・タザ(カナダ)

MMAファイターの名前がない──ガチすぎ、まさに純粋グラップラーの祭典となっている。


このなかにハイサムの名前があることが、まず嬉しい限りだ。もとはQuintetのベガス大会出場により、米国で入国が可能になるビザが下りたことで、ハイサムは日本を離れて世界的に活躍する第一歩を踏み出した。その彼がUFC FPIで重要視されるだけの力と認知度を米国でつけたことになる。

道着、ノーギともにIBJJF系のトーナメントで結果を残すだけでなく、優勝の二文字は手にしていないがWNOやADCCというビッグトーナメントで記憶に残る活躍をハイサムはしてきた。9月のADCC世界大会も2回戦敗退ではあったが、初戦で2013年のADCC無差別級優勝及びノーギワールズ7度優勝(※先週末にウルトラヘビーを制し8つめのタイトル奪取)のホベルト・アブレウを僅か75秒腕十字で下している。

この一勝はいわば表彰台の2番目や3番目に負けない価値があり、ハイサムの名は北米グラップリング界で絶対なモノになったといえる。

既にトーナメント枠は発表されており、ハイサムが初戦で戦うのはブラジルのパトリック・ガウジオだ。ムンジアル優勝経験はないがミディアムヘビー級で2度準優勝になっているガウジオは、カーウソン・グレイシー系の黒帯柔術家ファビアノを父に持つ、生まれつき柔術家だ。とはいえノーギでは、今年のADCCで注目のエルダー・クルーズにレフ判定で敗れ、初戦敗退するなど、オープンガードの名手もハイサムにとっては、手堅くクリアしたい相手といえる。

トーナメント全体を見て、ハイサムの最大のライバルはニッキー・ロッドことニック・ロドリゲスになることは間違いないだろう。

ADCCではハイサムと同階級の99キロ超級に出場し、決勝でゴードン・ライアンのヒールに敗れたものの、フィリッピ・ペナを破るなど既に実力的には真のワールドトップクラスにある。D3レスラーだったニッキー・ロッドは、2018年の夏に柔術を始めると3カ月後にはダナハースクワットに合流、今やB-TEAMとなったため袂を別ったゴードン・ライアンらとのトレーニングにその才能が一気に開花した。

ADCC米国東海岸予選は3位に終わるが、西海岸予選を勝ち抜き世界大会へ。2019年のADCC世界大会99キロ超級でカイナン・デュアルチにファイナルで敗れたものの青帯で準優勝という金字塔を打ち立てている。その後もPolarisでルーク・ロックホールド、WNOでユーリ・シモエスらを下し、今大会に出場するメンバーではADCC2022でヴェレラに17-0で圧勝している。

レスリングと柔術を融合させ、トップゲームや下からのリバーサルにも絶対的な強さを持つニッキー・ロッドは初戦の相手がヴェレラで、準決勝も10thPlanetのベテラン=リッチー・ブギーマン・マルチネスと最軽量オリバー・タザ戦の勝者が相手となるために、ファイナル出場は固いと思われる。

だからといってハイサム✖ニッキー・ロッドの決勝戦が簡単に実現するかといえば、ここに要注目の選手が割って入る。それがパット・シャウゴリだ。EBI20=アブソリュートでは2回戦のOTで敗れたが、その敗戦後に紫帯を贈られた16歳。シャウゴリは10thPlanet内予選でチームの同朋を50/50 からヒールフックで破壊しまくり本戦出場を手にした。

あまりにえげつない内ヒールで、チームメイトを負傷に追い込むスタイルが論争を呼んだシャウゴリは、体系的には完全に太っちょ、あんこ型でサブオンリーどころか足関ゲームに適したパワーグラップラーという見方が成り立つ。とにかく50/50に取り、逆足を狙いつつ一瞬でも隙を見せるとカカトを捻り上げて、即・ヒザを破壊する。

当然相手の攻めを凌ぐディフェンス能力もアカデミー内予選では見せていたが、その防御力が今回の出場選手に通用するレベルかどうかは不明だ。ルール的に90秒膠着が続くと、コイントス→下を選ぶとバタフライガード&ダブルアンダーフックという形を取れることはシャウゴリに優位に働くという見方も成り立つが、果たして──。

16歳のヒザ破壊神童は超破壊力のある一発屋、ホームランか三振の可能性もあるだけに、その力を見極めるには1回戦で当たるSUG無差別級王者マイク・ファウラーは最適といえるだろう。

■視聴方法(予定)
12月16日(金・日本時間)
午前10時00分~UFC Fight Pass

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