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【Polaris20】足関節を狙い続けた高橋Subが、イィプのバック狙いも察知して3-0の快勝

<61キロ契約/10分1R>
高橋Submission雄己(日本)
Def.3-0
トミー・イィプ(英国)

今成柔術所属選手として出場した高橋、対戦相手のイィプは一見してリーチが長い。まずイィプが座ると、高橋はデラヒーバを捌き立ち上がったイィプの足を取りに行く。これを抜いたイィプが座り、高橋はシン・トゥ・シンに距離を取る。互いに座り、下になった高橋は足首を掴まれ一瞬のニースライスに対し、逆側の足へ50/50のセットアップへ。ヒザを押したイィプだが、高橋は前転してストレートフットロックを仕掛ける。50/50を外せないイィプだが、外ヒールに移行されると立ち上がり防ぐ。

高橋は再びストレートフットロックのグリップをになるが、イィプは手を掴みバックへ狙いに。左足を取ってきたイィプの動きに、高橋はヒールに移行しつつ足の組み替えて逆のも取れるようエントリーしていく。イィプのバック狙いのカウンターに高橋は立ち上がって防御する。

イィプがシッティングを取る。高橋の外掛けに、カカトをホールドされる前にロールし始めたイィプ、内ヒール狙いに場外まで転がる。ここで試合はマット中央、スタンドの状態で再開される。Zハーフから立ち上がったイィプがすぐに座る。高橋の足狙いに再び背中にイィプがダイブする。ここもスタンドに戻って防いだ高橋は座っているイィプに対し、飛びこんで足を抱えに行くがイィプがしっかりと対応して立ち上がる。

座って体側をつけたイィプのZハーフが解かれた直後に高橋が足に取りに行くが、届かず立ち上がる。イィプはシングルレッグへ。その足を取られた状態でカニバサニ的にフリップしていった高橋。すぐにスクランブルとなり、両者が立ち上がるとすぐにイィプが下になりここでもZハーフを取る。

残り1分、脛を越えられない高橋。インヴァーテッドからイィプが足を取りにいくと、スペースを創った高橋が足からダイブしてインサイド・サンカク&外ヒール、さらに足を組み替えてストレートフットロックへ。イィプも足を取ろうとしたところで、タイムアップ。ジャッジは高橋の足へのトライを支持し、3-0で判定勝ちを手にした。


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【Polaris20】Leg Lock Never Die。イィプ戦 へ高橋Submission雄己─02─「レッグロックは終わってない」

【写真】NAGAのベルトとともに。自己アピールをするのも、現代格闘家の仕事の一つ(C)HIDEYA WADA

25日(土)、英国ウェールズのニューポートにあるウェールズ国際会議場で開催されるPolaris20でトミー・イィプと対戦する、高橋Submission雄己のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

5月上旬にグラップリングの本場である米国へ渡り、NAGAニューオリンズ大会でノーギ・エキスパートクラスのフライ級とフェザー級で優勝したという高橋。彼はなぜ米国に向かい、現地で何を見てきたのか。貴重な米国グラップリング事情を語ってくれた。

<高橋サブミッション雄己インタビューPart.01はコチラから>


――レッグロック4.0とは何ですか。

「定義としては、まず1.0がサドルロックからの内ヒールですね。

そのサドルロックに対して、カウンターのベリンボロなどでバックを奪うことにより、内ヒールが極まらなくなる。これがレッグロック2.0です。

この2.0に対して出てきたのが、50/50からヒールを取りに行く形です。自分が50/50の体勢だと、相手はベリンボロのようなバックテイクができなくなります。相手の内太ももを抑えるので、サドルロックにあった問題点を解消することができる。これがレッグロック3.0であり、マイキー・ムスメシとかがKガードを作って50/50からヒールを極めていました。

次は50/50とサドルロックを併用してヒールを極める時代が来ると予想しています。それがレッグロック4.0です」

――なるほど。ダナハー後の足関節の流れがそうなっていると。

「米国に行った時、ヘンゾの道場でスパーをした時、サドルロックを仕掛けられたんです。何の変哲もないサドルロックだと思って、エスケープして何ならバックを奪えるかと考えました。すると僕が横に1回転した時に内ヒールを極められたんです。

相手が完全にサドルロックの形にはならず、サドルロックにも50/50にも入れるような形にしていて、僕の対応によってフレキシブルに変えていく。自分の中では、それが衝撃だったんです。でも相手に聞いてみたら、それは何となくやっている感じだったんですね。

そこで技術の変遷を整理してみると、さきほど言ったような流れを経て、僕にとっては先が見えたといいますか。MMAPLANETで岩本(健汰)選手のインタビューを読ませていただいたんですが、『いかにして足関節をいなしてトップから作っていくか』と言っていましたよね。そんなレッグロック時代のドン詰まり感があるなかで、僕にとっては先が見えてきたと思っています。……まだ足関節時代は終わってないぞって」

――米国内では理論化されていなくても経験則や感覚でやっている……つまり日常の中で行われているわけで、それは日本の選手からすれば不安にならないですか。

「そうなんです。いま当たり前だと思われている、最先端の技術をどれだけインプットしていても、その何歩か先を進んでいる人が確実に存在しているんですよね。

ただ、それをやっていたのはヘンゾの道場の黒帯でも、1人か2人ぐらいでした。10thPlanetの人も理解してやっているわけではないでしょう。人それぞれ得意な方向に最先端のものがあって、それが海外と日本の差であると一概には言えません。海外から技術を持ち帰りながら、日本は日本で最先端を見つけていく方法もあると思います」

――そういう意味では、いろんな可能性が存在していますよね。ではご自身の試合についてお聞きしたいのですが、ポラリスに関するお話の前に、今回ADCCオセアニア&アジア予選にはエントリーしなかったのには何か理由があるのでしょうか。

「もともとADCC予選に参加するつもりがなかったです。全く興味がなかったわけではないのですが、ポラリス出場の話が決まった時点で、オセアニア&アジア予選はいつ行われるのか――という感じだったんですよね。それまで大会が延期されたりしていて、ポラリスが決まってからADCCオセアニア&アジア予選が発表されました。だから、そのどちらかで悩むということはなかったです。それと僕は体格が小さくて、ADCCには適正階級がないんですよ」

――ADCCは最も軽い階級でも66キロ級、高橋選手は今回ポラリスでは61.2キロ以下で試合をします。

「はい。当日計量の61.2キロでも、少し体重が足りていないかな、というぐらいなので。自分よりガッチリ体の大きい相手と立ちレスをやらないといけないADCCよりは、61.2キロでサブオンリーの試合ができるポラリスのほうが適していると思います。ADCCとポラリスの二択になれば、迷いなくポラリスを選びます」

――高橋選手にとって、ポラリスという大会はどのような価値を持っていますか。

「大きなチャンスだと考えています。これは世羅(智茂)さんもインタビューで言っていたのですが、世界で勝つかどうかが評価の分かれ目になりますよね。僕が試合をする意味というのは、世界で勝つことによって、自分の技術に関する学説みたいなものを主張することです。最先端の技術を持つ人たちの中で勝つことにより、自分の意見を放り込んでいきたいです」

――では、そのポラリスで対戦するトミー・イィプの印象を教えてください。

「動画を探しても、あまり出てこないですよね……。ギの試合があっても紫帯時代の映像で、参考にならないと思います。最近のグラップリングの試合を見ると、バックテイクで勝っていました。動きを見るとバックテイクが得意な感じですよね。

実際に試合で触ってみないと分かりませんが、極められるんじゃないかなと、ボンヤリ思っています。まぁ、僕は目の前にあるものを触って、その関節を壊すだけなんですけど(笑)」

――それがグラップリング、サブオンリーの本質ですよね。

「バックテイクするということは、足関節に対してバックテイクで切り返してRNCを極める技術体系ですよね。そういう正当な柔術をやってくるとは思いますが、そうなると自分の言っていることと噛み合うのかなと思います」

――バックを奪われずに足関節を極める、まさにレッグロック4.0です。

「言葉だけで複雑な話をしてしまって、すみません(苦笑)。レッグロックはまだ終わっていない。僕の中では次が見えている。皆さんには試合で、その可能性を見せたいと思います」


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【Polaris20】ポラリスへ、高橋サブミッション─01─「ビジネス的な役回りをする人が、業界に必要」

【写真】先人のいないことをサブミッションはやろうとしています。そして、彼の言っていることはMMAも同じかと思われます(C)SHOJIRO KAMEIKE

25日(土)、英国ウェールズのニューポートにあるウェールズ国際会議場で開催されるPolaris20に高橋Submission雄己が出場し、トミー・イィプと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

5月上旬にグラップリングの本場である米国へ渡り、NAGAニューオリンズ大会でノーギ・エキスパートクラスのフライ級とフェザー級で優勝したという高橋。彼はなぜ米国に向かい、現地で何を見てきたのか。貴重な米国グラップリング事情を語ってくれた。


――5月14日に米国で開催されたNAGAに飛び入りで出場し、2階級で優勝されたとのことですが、この飛び入りというのはどんな経緯があったのでしょうか。

「もともとNAGAには出ようと思っていたんです。これは話が前後するのですが――まずポラリス出場が決まった時点で、それまで海外で試合をしたことがなかったんですね。そこでポラリスの前哨戦としてNAGAに出ようと考えていて。その折にONEでルオトロ兄弟やマイキーとかが試合をし始めていました。

僕は去年からIREのプロデューサーとなって、ABEMA TVさんと懇意にさせていただいているんですね。そこでABEMA TVの北野雄司さんから『ONEのグラップリングの動きは無視できないのでは?』と言われたんです。ルオトロ兄弟やマイキーがONEで試合をするタイミングで、シンガポールでこうしたグラップラーたちの映像を撮らないかと。ちょうど僕は米国へ行こうという計画があって。米国に行けばONEの契約選手なり、他のグラップラーがいるので、彼らを撮影するのはどうですか? という話になり、ABEMA TVのお仕事絡みで米国へ行くことになりました」

――そうだったのですか。

「そうなると優先順位としては、青木さんの試合の煽りVを撮らないといけないので、まずルオトロ兄弟を取材しないといけない。取材へ行ったときに練習することもできれば、米国で練習するという目的も合致するので良かったです。

ただ、ルオトロ兄弟のスケジュールが……海外の選手って、そういう取材スケジュールが前後することって、よくあるじゃないですか。まずはルオトロ兄弟のスケジュールを抑えないといけない。そのために僕の都合は後回しにしなければいけない。そういった事情から、ギリギリまでNAGAに出られるかどうか分からなかったんです。結果、撮るものは撮れたのでNAGAに出場することができた、という経緯がありました」

――かつて日本人選手がブラジルへ練習に行くと、日本人からすれば現地の選手たちが時間にルーズで、伝えられた時間に選手たちが集まってこないというお話は聞きました。

「僕はそれほどルーズな海外事情の煽りを受けたことがないのですが、伊藤健一さんがジョン・ダナハーのジムへ行ったら、ダナハーが自分のクラスなのに1時間半ぐらい遅刻してきて、会員さんがみんな怒っていたという話は聞きました(笑)」

――アハハハ、現地では何が起こるか分からないので大変ですよね。しかし撮影、練習、試合と希望していたプランは全て叶えられたということですか。

「はい。いわゆる映像の撮れ高や編集の出来については僕も分からないのですが、僕自身の希望としてはルオトロなり、ジオ・マルチネスなり、ダナハーのところにいるジョナサンと組むことができました。エディにクラスにも参加できたし、NAGAにも出られたしで、僕の希望は叶えられたと思います」

――そのような米国の情報を聞くと、日本のグラップリングにも同様のビジネスが持ち込めるかもしれないですね。

「持ち込めるというより、持ち込まないといけないと思っています。日本のグラップリング界には、各ステークホルダーをつなぐプラットフォームのようなことをしている人が全くいません。つまりビジネス的な役回りをする人が、業界に必要です。そこで僕自身が、そういう役回りをするのも有りだなと考えています。たとえばプライベートレッスンの予約ができるような、グラップリング版ホットペッパーを創るとか」

――それは面白そうですね! 他にも米国での取材、練習、試合を通じて見えてきたものはありますか。

「まず米国と日本で、グラップリング界の構造自体が全く違う、というわけではないと思ったんです。もともと僕の中にも、日本と米国のグラップリングは全く違う世界だという気持ちがありましたが、米国に倣って日本も伸ばしていけばいいと思うところはあります。ただ、人口も業界の規模も違い、それなりに成熟していっている米国には、技術を売り買いするプラットフォームがありますよね。たとえばBJJ FANATICSとか。これから日本のグラップリング界が整備していかないといけない点などが、自分の中でもクリアになりました」

――BJJ FANATICSは、有名選手がオンラインで技術動画を販売するプラットフォームですよね。米国では、そのような仕組みが普及しているのですか。

「そう思います。たとえば今回ニューヨークで、ヘンゾ・グレイシーの道場のヘッドインストラクターと『英語圏の人なら、英語の技術動画のプラットフォームを観られるから良いですよね』という話をしていた時、こんなエピソードを教えてくれたんです。

昔、ダナハーの大ファンでヨーロッパの片田舎に住んでいる方が、出稽古に来た時のことです。そんな片田舎では柔術の練習相手が誰もいない。でもダナハーが大好きだから、動画でダナハーのサドルシステムを学んで、友達を相手に打ち込みをし続けていたそうなんです。ダナハーの言っていることは、動画から全てインプットしている。でも練習相手がいないから、旅行がてらグラップリングの本場に来てみた、と。それでダナハーのアカデミーに行き、ゲイリー・トノンとスパーをしてみたら、トノンと互角の実力を持っていたそうです(笑)」

――えっ!? 動画を見てゲイリー・トノンと互角レベルにまで……。

「やはり現代のグラップリングは情報戦だな、と思いました。これは極端な例ですけど、すごく面白い話ですよね。勤勉な人が勤勉に学び、インプットとアウトプットを繰り返していたら、理論上はそこまで伸びるわけです。あくまで理論上ではありますけど。

たとえ、そこまでのお話ではなくても、一部の最先端を行っている人たちがどんどん先に行って、地方は取り残されているという状況が、日本は多いので。今でいうとBJJ Laboとか、BJJ FANATICSの日本版のようなものが立ち上がっていて、精力的にやってくれています。それはすごく良い動きだなと思っています。そういったプラットフォームの規模がもっと大きくなり、いろんな技術が末端の人まで広まれば、業界の底辺拡大にも繋がりますよね。もちろん動画を販売しているトップ選手にもお金が入るシステムですから、日本の柔術&グラップリング界にも良い影響を及ぼすと思います」

――なるほど。技術面についてはいかがですか。

「おそらくコレはまだ米国の人たちも言語化できていないのだろうな、と思ったものがあります。実は僕が最先端を行っているんじゃないか、と思うものなんですけど(笑)」

――ぜひお願いします。

「レッグロックが流行り始めたじゃないですか。エディ・カミングスとか、ダナハー一派のゲイリー・トノンたちがサドルロックなどを使い始めて、内ヒールをバンバン極める時代がありました。これは宣伝っぽくなって申し訳ないんですけど……僕は先日『レッグロック4.0』という教則DVDを出したんです。実はレッグロックもアップデートされ続けていて、今はバージョン4.0まで来ているという意味なんですよ」


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【Polaris20】高橋Submission雄己が、英国のサブオンリー大会=ポラリスへ参戦決定

【写真】金網がなく、MMAグローブがない試合は昨年7月のQuintet以来になる高橋だ(C)MMPLANET

17日(木)、英国のプロフェッショナル・グラップリング大会=Polarisに日本の高橋Submission雄己が出場することが明らかとなった。

高橋は大好きな跳び関節が高校柔道で禁止技となり、柔道からこの道に入ることを決意──浪人時代に今成柔術へ。柔術ではヒールが禁止されていることを知り、そこを生かすためにMMAへ進んだグラップラーだ。


プロ修斗と並行して、グラップリングシーンで現役グラップラーとして活動するだけでなく、今年の1月にはIREのプロデュサーに就任し、コンバット柔術の試合をABEMAでLIVE中継する原動力となった。

選手活動としては昨年11月の修斗で、DREAMERS山内渉との対戦で得意の形に持っていくもパウンドに阻まれ、肩を脱臼して敗れる。それ以来の再起戦がウェールズの地となった。

高橋が出場するPolaris20は6月25日(土・現地時間)にブリストルに程近いニューポートにあるICCW=ウェールズ国際会議場で開催される。

同会場は昨年11月にイゴール・タナベがトミー・ランガカーを破った日本のグラップリング界にとって縁起の良い会場だ。高橋の相手は未定だが、バンタム級のサブオンリー10分1R戦で戦うことは確定している。

現役グラップラーとしての枠を超え、組み技の普及を考える高橋がPolarisで何を見て、今後に生かし、また人脈を構築できるかにも期待したい。

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