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Grachan Grachan62 MMA MMAPLANET o 小川道的 林RICE陽太

【Grachan62】試合タイムは13秒!! 林RICE陽太が、跳びヒザ蹴りで小川道的をKO

【写真】(C)SHOJIRO KAMEIKE

<ライト級/5分2R>
林 RICE 陽太(日本)
Def.1R0分13秒by KO
小川道的(日本)

右ローを蹴った小川。林も右ローを返し、一旦距離を取ると右の跳びヒザ蹴り。この一発が小川の顔面に打ち抜く。小川は腰から崩れ落ち、林が鉄槌を落とし一瞬にして勝敗が決した。

「今日までしっかりと練習してきて、小川選手が前に出てきてくれたので最後に良い試合ができました。僕をメインに選んでくれてありがとうございます。練習仲間の皆さん。ホンマにありがとうございます。202年の林RICE陽太は強いです。どんどん試合がしたいので10月の記念大会、今日応援に来てくれる皆が来てくれると思うのでぜひ出してください」と林は話した。


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Grachan Grachan62 MMA MMAPLANET o 村田俊 鍵山雄介

【Grachan62】ケージ際の攻防。スイープ狙いで引き込む鍵山に一票。上を取った村田だがドローに

【写真】ドローに両者は御覧の表情を浮かべた(C)SHOJIRO KAMEIKE

<68キロ契約/5分2R>
鍵山雄介(日本)
Draw.1-0
村田俊(日本)

左右に回る鍵山の左ミドルに村田が右を合わせようとする。ローの鍵山、村田のステップインに中を取る。ワンツーフックで前に出た鍵山に対し、村田は右ストレート、左フック、そして右ミドルを繰り出す。右を振るって組んだ鍵山は、ケージに村田を押し込むも体を入れ替えられて小外を狙う。村田が許さず押し込み返し、鍵山は小外で姿勢を崩したがケージを利して耐え──試合は打撃の間合いに。

右クロス、そしてオーバーハンドを振るう鍵山は左ロー、村田はワンツーをかわされ左ミドルを食らう。村田のステップインを下がってかわした鍵山は、組まれてケージに押し込まれる。残り30秒、ボディロックから互いにテイクダウンを狙うが倒せず、最後の10秒もパンチを見せてクリンチという互角の展開で初回は終わった。

2R、開始直後にケージに押し込んだ村田がレベルチェンジ、ダブルレッグへ。引き込むように下になった鍵山はケージを背負って座った状態からギロチンでリバーサル。そのままスクランブルとなり、村田が再び鍵山をケージに押し込んだ。鍵山はダブルレッグをハーフネルソンで耐えるが、スイープ狙いで尻をつける。それでも下にされないよう立ち上がった鍵山に、執拗にダブルレッグを仕掛ける村田は結果、ネルソンからスイープ狙いの鍵山からトップを奪取しそうに。

鍵山はネルソンを軸に頭を跨いでバック狙いも、村田が右足をコントロールして前方に落とす。残り1分、ケージを使って立ち上がった鍵山の引き込みからスイープ狙いは、ここも村田が許さず同体で立ち上がり時間に。

結果、瞬時でも上を取った村田が競り勝ったかと思われたが、ジャッジ1人が左ミドルの鍵山を支持、他の2人はドローで痛み分けとなった。


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Grachan Grachan62 MMA MMAPLANET o 弘田颯志 田中智也

【Grachan62】田中智也、弘田颯志の最短路線を挫く──三角絞め&64秒勝利

【写真】(C)SHOJIRO KAMEIKE

<フライ級/5分2R>
田中智也(日本)
1分04秒by 三角絞め
弘田颯志(日本)

サウスポーの弘田に即組んだ田中は、蹴り足をキャッチしてテイクダウンを奪うと、リバーサル狙いの弘田に三角絞めをセットする。

一度上になり、再び下になりつつ田中は、逆腕を極めつつ組み直して絞める。腰を上げ、立ち上がった弘田はパンチを見せた直後にタップ──田中が力の差と経験の差を見せつけた。


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【Grachan62】田中智也戦へ弘田颯志 & 釜谷真─02─「『できるなかで一番強い相手を』と」(釜谷真)

【写真】対戦相手の田中智也はキャリア14勝3敗。確かにこの大会で戦える一番強い相手だと断言できる (C)SHOJIRO KAMEIKE

23日(日)、大阪府豊中市の176BOXで開催されるGrachan62で田中智也と対戦する弘田颯志と、所属するSWAG GYM KYOTO釜谷真代表のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

師弟ではなく、練習仲間からスタートした2人。出会った時から才能を感じ取っていた釜屋が語る弘田の強さとは。そして弘田がUFCにたどり着くための「最短距離」とは――。

<釜谷真&弘田颯志対談Part.01はコチラから>


――釜谷代表としては京都に戻ってきてすぐ、弘田選手のような意識を持っている若い世代と出会った時の印象はいかがでしたか。

釜谷 「やっぱり俺は持っている男やな」って思いました(笑)。

――アハハハ。

釜谷 空手の世界ユースで優勝していて――まだ格闘技を始めていない20歳の僕が出会ったら、どうやっても勝てないレベルじゃないですか(笑)。僕が自分に対して『これぐらいやれるんちゃうかな』と想像しながら辿り着けなかった場所に、彼は行けると思っています。

――弘田選手と出会った時、すでにMMAを戦えるレベルにあったのでしょうか。

釜谷 いや、さすがに組みのレベルがMMAを戦うレベルにはなかったです。僕は組みを消化していないMMAファイターが好きではないんですよ。

弘田 組みについては小学校の頃に、柔術をやったことがありました。でも叔父が通っていたピュアブレッド京都へ連れていってもらい、遊ばせてもらっていたぐらいで。レスリングは全く経験がなかったです。やってみると難しいし、面白かったですね。最初は組まれると、ただ暴れて逃げるもんやと思っていました(笑)。理屈が分かってくると、いろんなことが繋がってきて面白いです」

――アマチュア時代にはグラチャン・チャレンジで、レスリング出身のミランダ亜廉選手にテイクダウンからパウンドアウトされています。敗れましたが、MMAを戦っていくうえで、あの経験は大きかったですか。

弘田 正直言うと、もっと落ち着いて戦えば倒せていた試合です。今でもあの試合の映像を何回も見ています。「ここでこうしておけば……」という後悔ばかりで。自分の中では絶対に勝てた試合だったと思っています。でも空手ではああいう負け方をしたことがなかったので、良い経験でした。

釜谷 勝った相手が注目を浴びるのは当然ですが、あの試合は関西アマチュアMMAの頂上決戦の一つやったと思います。当日は、ミランダ選手と颯志君の試合だけレベルが違っていました。彼はミランダ戦以外だと左ミドルでKO勝ちしていたり。

弘田 今は階級が違いますけど(ミランダはバンタム級でプロデビュー)、もしプロで再戦することになったら、今度はちゃんと準備して必ず勝ちます。

――弘田選手は今年5月のプロデビュー戦で、鈴木嵐士選手を2RでKOしています。プロデビュー戦の感想を教えてください。

弘田 まず100パーセント負けることはない相手だと思っていて。だから「できるだけ差を見せつけてやろう」と考えていたんですよ。最初に組んだ時、「これは組みだけで勝てる」と感じて、その通りに勝ちました。本当は胴廻し回転蹴りで倒したかったんですけど。

そうは言うても、マカコ会長も若い頃は──手段がそことギロチンに二択だったとしても──思い切り、勢いありまくりの真っ新なファイトをしていました

釜谷 ここがもう違いますよね。

僕のプロデビュー戦なんて、まず勝つことに必死でした。毎試合「会場にいる全員が俺の負けと思っても良い。ジャッジ2名だけが俺の勝ちだと言ってくれればいい」と思っていましたね(笑)。颯志君のプロデビュー戦は、「試合中に怪我でもしないかぎり負けることはない。どんな試合するんやろうな」と思っていたら、僕と3年間一緒にやってきたことを見せてくれて。

弘田 はい、そうですね。あの時は釜谷さんと一緒にやってきたことを100パーセント出すことができました。

釜谷 僕としては「空手らしさを見せるんかな」と考えていました。それがしっかりとMMAをやり、組んで勝った。単純に、ただただ嬉しかったです。

弘田 あれは僕がMMAの練習を始めてから、自分がやられてきたことでした。おかげで自分も試合中に考えんでも出るぐらいまで技術が染み込んでいて。

――それほど会心の勝利を飾ったデビュー戦に続き、次は田中智也選手と対戦します。田中選手はグラチャンの岩﨑ヒロユキ代表が「本来ならフライ級トーナメントに出場して良いレベル」と称するとおり、プロ2戦目の相手としては格上すぎるようにも思いますが……。

釜谷 はい。僕も選手によっては、プロ2戦目だと対戦させない相手かもしれないです。でも僕は颯志君のMMAへの想いを聞き、最短距離で頂上に行かせたい。デビュー戦が終わった直後、岩﨑さんに「次に試合ができるなかで一番強い相手をぶつけてください」とお願いしました。次は間違いなくデビュー戦よりタフな試合になるでしょう。でも颯志君がデビュー戦と同じような勝ち方ができる可能性も高い。なら、やるしかないですよ。

弘田 釜谷さんがそう考えてくださっているのが本当に嬉しいです。釜谷さんが交渉してくれているのを見て、自分が何のためにMMAをやるのかって改めて分かりました。僕としては次の試合が勝負やとは思っていません。いつも練習している釜谷さんや福田龍彌君のほうが強いし、僕が集中して臨むことができれば負けることはないです。

福田の王座戴冠も、一緒に体感した弘田

釜谷 ここ数年の中で一番、福田君と戦っているのが颯志君やと思いますよ。

同じフライ級で、福田君のセコンドにも就いていますしね。

――それは楽しみです。先ほど「最短距離」と仰いましたが、何試合目あるいは何年後にUFCへ辿り着きたいと考えていますか。

釜谷 それに関しては正直何とも言えないです。ただ、最初に会った時に「UFCに行きたい」と言われても、それは無理やと思いました。でも今はあと3試合ぐらいKO勝ちして、来年RTUが開催されれば、颯志君も選ばれるんじゃないかと考えています。それが今の僕たちにとっての最短距離ですね。次の対戦相手を倒す前提で喋っていて申し訳ないけど、3戦目は国内のチャンピオンクラスと対戦させたいです。

弘田 僕も毎試合そのつもりで準備しています。次はテイクダウンがしつこい選手ですが、最初だけ注意して自分の展開に持ち込みたいです。まだまだ足りひんところもあるけど、少しずつ目標に辿り着けるように頑張りますので、宜しくお願いします」

■Grachn62視聴方法(予定)
7月23日(日)
午後0時30分~Grachan放送局

■Grachn62対戦カード

<ライト級/5分2R>
林 RICE 陽太(日本)
小川道的(日本)

<無差別級/5分2R>
ハシモト・ブランドン(ブラジル)
岡本純一朗(日本)

<68㎏以下契約/5分2R>
鍵山雄介(日本)
村田俊(日本)
※当初、鍵山と対戦予定だった室井大勢が怪我のため欠場に。対戦相手が村田に変更となった

<フェザー級/5分2R>
大搗汰晟(日本)
櫻庭泰裕(日本)

<ウェルター級/5分2R>
青木忠秀(日本)
モリシマン(日本)

<フライ級/5分2R>
弘田颯志(日本)
田中智也(日本)

<ウェルター級/5分2R>
上田拳翔(日本)
遠塚浩希(日本)

<ストロー級/5分2R>
藪本龍作(日本)
大貴(日本)

<バンタム級/5分2R>
中嶋紳乃介(日本)
有田一貴(日本)

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【Grachan62&MMA甲子園】「いま僕が死んだら、グラチャンはなくなる。でもMMA甲子園は、僕が死んでも残るものでないといけない」岩﨑ヒロユキ-02-

【写真】素晴らしい覚悟のある言葉です (C)SHOJIRO KAMEIKE

23日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGrachan62を前に、岩﨑ヒロユキ代表がMMA甲子園の実行委員長に就任した。
Text by Shojiro Kameike

プロ興行のグラチャンと、グラチャンのもとで開催されるアマチュア大会グラチャン・チャレンジとの関係、大阪でのアマチュア展開など岩﨑代表の想いを訊いた。

<岩﨑ヒロユキ・インタビューPart.01はコチラから>


――MMA甲子園の話に戻りますが、階級と減量についてはどのようにお考えですか。現状、MMA甲子園で設定されている最も軽い階級はフライ級です。高校生の場合、ストロー級が最適な選手もいるかと思います。

「階級については悩みました。実行委員会の皆さんとも相談していて――たとえば身長×体重でレギュレーションを考えるとか。でもMMA甲子園はアマチュア大会で、当日計量ですし、何をどうやっても減量はするわけじゃないですか。となると選手に無理な減量をさせたら所属ジムにペナルティを課すなどの対応を検討しています」

――まだ体が出来上がっていない段階で大幅な減量をしてしまうと、その後の身体形成に関わってきますからね。

「それは実行委員会と所属ジムが二人三脚でやっていくしかないです。実行委員会としても常に目を配っておかないといけない問題で。減量については選手ではなく、所属ジムの問題として捉えます。何かあれば所属ジムにも問題意識を持ってもらうように、実行委員会としても指導していくしかないですね」

――高校生の大会を開催するためには、プロ興行も問題意識を持たなければいけないと思います。キッズから高校生までが目標としてくれるようなプロ興行を開催すること。アマチュア大会だから厳しい、プロ興行だから緩い……ということは、あってはいけないわけで。

「計量について言えば、人間だから誰でもミスすることはあります。ミスした時にどうするのか。グラチャンに関して言うと、計量オーバーしたら次は同じ階級でオファーしません。いつも計量をクリアできるかどうか危ない選手には、常に指導し続けています。誰かは名前を出せないけど(笑)。

MMA甲子園では、そういった規約を明確にしておいたほうが良いでしょうね。一度計量オーバーしたら、二度とその階級で出場することはできないとか。そのためにもプロ興行を正しく運営していかないといけない、という意見は分かります」

――では、プロ興行においてタトゥーをどうするのか。MMA甲子園ではタトゥーが入っている選手は試合に出場できない。でもプロ興行なら良いのか。近年はタトゥーを入れることも一般的にはなってきましたが、アマとプロの関係を考えると問題は残ります。

「MMA甲子園ではタトゥーが入っている場合、オフィシャルのラッシュガードを購入してもらいます。ということは、それだけお金が掛かってしまいますよね。高校生にとっては決して安くない金額です。余計なお金を掛けたくないなら最初からタトゥーを入れない、という考えを持ってもらいたいですね。

一方で、プロは仕方ない面もあります。今はYouTubeでMMAを観ると、国内でも海外でもタトゥーが入った選手ばかりで。だからこそ、MMA甲子園なんですよ。『ラッシュガードを買わなきゃいけないなら、タトゥーを入れるのは止めようかな』と思ってくれる高校生が増えてくれたら――タトゥー問題に対して、MMA甲子園が少しでも抑止力になることができたら嬉しいです。もちろんタトゥーはファッションだし、高校を卒業して20歳を過ぎたら自分でどうするか考えれば良くて。もう大人ですからね。でもせめて……高校生の間は、その時の気分でタトゥーを入れるのは止めてほしい」

――タトゥーが入っている選手のみがラッシュガード着用で、相手がラッシュガードなしだとアンフェアになりませんか。

「そうですね。もともとラッシュガード着用については道徳面を優先して考えました。ただしフェアにならないというのは、そのとおりです。両方ともラッシュガード着用にするか、相手がラッシュガード着用でもOKした場合に試合を認めるか等、今後の検討課題ですね」

――MMA甲子園を開催することで、グラチャンは何か変わりますか。

「あくまで別組織なので、MMA甲子園に紐づいてグラチャンを何か変えないといけない、ということはないです。先ほど言ったとおり、計量については今のやり方を貫いていきます。たとえ選手にとっては厳しくても」

――分かりました。ではプロ興行のお話に移りますが、7月23日は前回の大阪大会と比べるとタイトルマッチもなく、関西の選手が中心となっています。

「大阪で大会を行うかぎり、大阪の選手が出ないと意味はないですからね。僕としては、いずれ大阪大会は関西の選手だけで試合を組みたいと考えています。これは書いてくれて良いけど、今回は手塚基伸と海外選手の試合を組む予定でした。でも海外選手が出場できなくなってしまって……」

――それは残念です。手塚選手と海外勢の試合は見たかったですね。

「今大会でいえば、第一試合に出る有田一貴選手はグラチャン・チャレンジ(以下、GC)を経ている選手です。来年は大阪大会でも、もっとGC出身選手がプロデビューすると思います。ようやく撒いてきた種が実を結びつつあるんですよね。

繰り返しになりますが、僕は選手にプロデビューしたことを後悔してほしくなくて。今まで、いろんな選手を見てきました。正直、グラチャンも初期は『プロかどうか』というレベルの選手も出ていたと思います。そういう選手が負けて、格闘技を辞めてしまう姿を見てきたんです。

彼らもアマチュアだったら格闘技を続けていたかもしれない。プロデビューするからには辞めてほしくないので、まずアマチュアで経験を積んでほしい。そう思っているからこそ僕もアマチュアにこだわっているのかな、って思います」

――MMA甲子園に出場した選手が芽を出すには、何年かかると思いますか。

「最低、3年はかかるんじゃないですか」

――MMAだけでなく、それこそ格闘技界だけでなく日本全体が経済的にも厳しい状況にあります。そのなかで高校生の大会を、いかにして3年以上続けていくか。

「だからこそ、各支部の力が必要なんです。僕ひとりだけでは絶対に無理ですよ。いま僕が死んだら、グラチャンはなくなるでしょう。でもMMA甲子園は、僕がいなくなっても残るものでないといけない。だから、しっかりと組織として固めていきたいです」

――グラチャン、GC、MMA甲子園以外にも今年開催された『J-MMAルーキーカップ』があります。

「ルーキーカップは10月8日が決勝で、来年も開催しますよ。これから各プロモーターの方々に相談します。今年は春に1回戦を行いましたが、来年は夏以降のスタートになるかもしれません。MMA甲子園の全国大会が来年に2月の開催予定ですからね。今後も楽しみにしていてください」

■Grachn62視聴方法(予定)
7月23日(日)
午後0時30分~Grachan放送局

■Grachn62対戦カード

<ライト級/5分2R>
林 RICE 陽太(日本)
小川道的(日本)

<無差別級/5分2R>
ハシモト・ブランドン(ブラジル)
岡本純一朗(日本)

<68㎏以下契約/5分2R>
鍵山雄介(日本)
村田俊(日本)
※当初、鍵山と対戦予定だった室井大勢が怪我のため欠場に。対戦相手が村田に変更となった

<フェザー級/5分2R>
大搗汰晟(日本)
櫻庭泰裕(日本)

<ウェルター級/5分2R>
青木忠秀(日本)
モリシマン(日本)

<フライ級/5分2R>
弘田颯志(日本)
田中智也(日本)

<ウェルター級/5分2R>
上田拳翔(日本)
遠塚浩希(日本)

<ストロー級/5分2R>
藪本龍作(日本)
大貴(日本)

<バンタム級/5分2R>
中嶋紳乃介(日本)
有田一貴(日本)

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【Grachan62】田中智也と対戦する弘田颯志 & 釜谷真─01─「極真空手の基本稽古や理屈、動きを考えたら」

【写真】関西でGrachanからというのも、注目です!! (C)SHOJIRO KAMEIKE

23日(日)、大阪府豊中市の176BOXで開催されるGrachan62で弘田颯志が田中智也と対戦する。

弘田は極真空手を経て今年5月にグラチャンでプロデビュー。鈴木嵐士を2R TKOで下し、今回のプロ2戦目に挑む。このルーキーが、いかにしてMMAに辿り着いたのか。所属するSWAG GYM KYOTOの釜谷真代表も同席してもらい、初インタビューに臨んだ。


――弘田選手はベースが極真空手だそうですね。

弘田 僕は極真館でした。極真会館と組み手は同じですが、違いといえば押しが有りなのが極真会館で、極真館は押しが無しでした。

――押しというのは、試合中に打撃ではなく手で押して相手を突き放す行為ですよね。まずは極真館で空手を始めた理由を教えてください。

弘田 4歳の時に僕は行儀が悪くて、お父さんに道場へ連れて行かれたんです(苦笑)。

――子供に行儀を教えてもらおう、と。どれくらい行儀が悪かったのですか。

弘田 買い物に行ったら、並んでいるペットボトルを全部倒したりとか……。当時は何も考えず、ただ楽しいなぁと思って。そういう癖が治らなかったんです。

――子供は何でも触りたがりますし、仕方ない面はありますね。お父さんは空手をやっていた経験があったのでしょうか。

弘田 いえ。お父さんはK-1が好きで、会場でも前のほうの席で観るぐらい好きでした。

釜谷 その時代に、子供に格闘技を習わせ始めた親御さんって多いですよね。お父さん、何歳やったっけ?

弘田 今、52歳です。

釜谷 それぐらいの年代ですよね。自分も当時、山本KID徳郁さんに憧れて自分自身がMMAを始めましたし。僕たちの世代もやっぱり魔裟斗さん、KIDさん、五味隆典さんですよ。

弘田 そこから空手を15歳までやっていて、極真館の世界ユース選手権で優勝しています。東京オリンピックで空手が正式種目化されることになるっていう話になった時、極真館は全日本フルコンタクト空手道連盟に加盟していて、「もしオリンピックに出られたら良いなぁ」って楽しみやったんですけど……。

空手ってアマチュア競技やから、試合をしてもお金は貰えないじゃないですか。「もしオリンピック競技になったら、自分が道場を開いた時に空手で生活していけるようになるんかな」とか考えていました。

――――結果、フルコン空手はオリンピック正式種目にはなれませんでした。ただ、その頃から空手で生活することを考えていたのですね。

弘田 いえ、もともと空手を続けようとは思っていなかったです。「他のことがやりたいなぁ」と思って高校ではサッカー部に入ったり、高校を卒業したあとは別の仕事をしていたんです。でも自分は体を動かしてお金を稼ぐほうが合っていると思って。自分にとって一番自信があるのは空手というか格闘技だし、格闘技で一番稼げるのはMMAじゃないですか。

ちょうどその頃、同じ年代の那須川天心選手がRIZINでMMAを戦った時の時の動きが印象的だったんです。極真空手をやっていた選手がMMAを戦ったら、こういう動きになるんやって。というより、極真空手の基本稽古や理屈、動きを考えたら「MMAではこうなるよな。自分にもMMAは戦える」と思いました。ちょうどその頃、ウチで飼っていた犬が死んでしまって……。家族の中で、その出来事がとても大きくて」

――えっ、犬? どういうことでしょう?

弘田 犬が死んで、家族も大きなショックを受けました。僕はまだ子供でしたけど、自分の家族が明るくなってもらうには、どうすればいいのか。そう考えた時に僕がMMAで活躍すると家族も喜んでくれるやろうし、お金も稼いで家族を養っていけると思いました。だから、明るい目的でMMAを始めたんじゃないんです。

──それが明るい目標ではない、とは思いませんが……。とはいえ、子供ながらに家族を養いたいと考えたことは驚きです。釜谷代表も驚いた表情をしていますね。

釜谷 いや、この話は初めて聞きました。そうやったんや……。

弘田 すみません。ちょっと言うのが恥ずかしいし、わざわざ言うもんじゃないなと思って――この機会に初めて言わせてもらいました。

釜谷 僕が颯志君と初めて会ったのは、彼が京都にあるウィザード・キックボクシングジムで練習していた時でした。ウィザードの田邊一鷹会長とは、時期は被っていないけど同じジムに所属していた縁もあって、僕が京都にMMAのジムを出したいというお話をさせてもらったんです。そうしたら田邊さんから「ウチにMMAをやりたいという子がおるんやけど、マコちゃんのジムが立ち上がるまで待たせるわ」と言ってくれて。それが颯志君やったんです。その後に僕が京都へ戻ってきて、彼と一緒に練習し始めました。

――ということは、弘田選手は釜谷選手の弟子ではなく、京都に戻ってきてからの練習相手としてスタートしたのですね。

釜谷 そうなんです。京都に戻ってきてから一番練習したのが、颯志君でした。もちろん颯志君も最初はMMAの動きを知りませんでした。だから一緒に練習したあとに僕から「この部分はどうやった?」と聞いて、分からなかったところを説明したりとか。でも最初から飲み込みが早く、僕にとっても良い練習になっていましたね。

弘田 空手時代に基本稽古をやっていたので、MMAでも「これはこうやったら、こうなる」という理屈を理解するのは早かったと思います。でも、それが実際に動きで出せるかは別で、できないところは一人で体に覚えるまで繰り返していました。

釜谷 さっき「家族を養うために」という話があったじゃないですか。僕は今日初めて聞きました。でも聞いてみて、颯志君と出会ってからの3年間が繋がったような気がします。確かにMMAへの取り組み方が最初から違いましたよね。僕のイメージやと、20代前半って何も考えていないもので。「とりあえず練習して強くなりたい。あとは遊びたい」という気持ちでした(笑)。でも颯志君と会って、「こういう子もいるんや」と思いました。

弘田 自分が集中できるもので勝負したら、誰にも負けへんっていう気持ちがありました。その集中できるものの一つが格闘技で。別に殴り合いが強いとか、そういうわけじゃないです。自分が打ち込めるもの――それが格闘技で。MMAで一番大きいところはUFCやということは子供の頃から知っていて、自分もUFCに行きたいと思っています。

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
7月23日(日)
午後0時30分~Grachan放送局

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【Grachan62&MMA甲子園】岩﨑ヒロユキ代表に訊く-01-「MMA甲子園出身者を契約で縛ることはない」

【写真】MMA甲子園でタッグを組む『レッドブルー』担当編集者、小学館の宮川拓人氏と岩﨑ヒロユキ氏(C)SHOJIRO KAMEIKE

23日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGrachan62を前に、12日(金)に新宿区のパセラリゾーツ新宿本店でMMA甲子園の設立発表記者会見が行われた。Grachanのプロモーターである岩﨑ヒロユキ氏は、MMA甲子園の実行委員長として会見に出席している。

Text by Shojiro Kameike

小学館の週刊少年サンデーに連載中の格闘技漫画『レッドブル―』とタイアップし、作品の中でも描かれている高校生MMAファイターのための大会が現実のものとなる。岩﨑氏が実行委員長を務めることで、MMA甲子園とグラチャンがどうリンクしていくのか。今回は会見の内容とともに、会見直後に行った岩﨑氏のインタビューをお届けしたい。


記者会見には岩﨑ヒロユキ実行委員長、『レッドブルー』担当編集者の宮川拓人氏をはじめ、各地区支部長(関東支部長は岩﨑氏が兼任。補佐に水口誠悟、北海道:平大門、中部:坪井淳浩、関西:中村優作、九州:田村ヒビキ)が出席した。MMA甲子園は高校生を対象としたMMA大会で、9月24日(日)の関東大会からスタート。来年2月に全国大会の開催が予定されているという。

左から水口(誠悟)、坪井、宮川、岩﨑、平、田村、山崎明競技部長

世界で戦う選手育成を目標として、試合ルールはパウンド有りに。アマチュア、しかも高校生の大会とあって安全面を考慮し、通常よりもアンコが厚いパウンドグローブを使用するとともに、レフェリーストップ等も他のアマチュア大会と比べて厳しくなるとのこと。

とはいえ、まだ身体的には成長過程にある高校生は、パウンドも含めて打撃によるダメージが溜まりやすいことは間違いない。その点について、岩﨑実行委員長は「全国大会を目指すための各地区トーナメントは実績と実力を考慮して出場者を判断する。一方で経験を積みたい選手のために、パウンドなしのワンマッチ開催も検討したい」としている。会見後には、レフェリー陣からもパウンドなしマッチのルール整備について提案がなされていた。

高校生の試合となれば、MMAはもちろん格闘競技の経験も大きく試合に影響してくるはず。特に地方では地下格闘技で何十戦も経験を積み、プロデビューしている例も多い。その点については実行委員会も、エントリーした選手に対して厳しい目を持つことを明言。会見後のミーティングでは、保護者の同意はもちろん、所属ジムの承諾を得ないとエントリーできないことが実行委員会内でも確認し合ったという。

宮川氏は『レッドブル―』ではMMA甲子園卒業者がプロになっていく過程も描かれていく予定であることを明らかにした。今回のMMA実行委員会でも、漫画と同様に可能な限りMMA甲子園出身者のフォローはしていくとのこと。まだまだ立ち上がったばかりのプロジェクトだけに、課題は山積みだ。会見直後にMMA甲子園、グラチャンのプロとアマチュア、そして7月23日の大阪大会について岩﨑代表に訊いた。

――まずMMA甲子園というプロジェクトを考え出したのは、「グラチャンで良い若手ファイターを確保しておきたい」という気持ちだったからなのでしょうか。

「いやぁ、全然そういう気持ちはないんですよね」

――MMA甲子園が成功すれば、グラチャンが有望な若手選手を独占できるチャンスです。

「入口はMMA甲子園であっても、人の気持ちは変わるものです。若い選手なら尚更、試合を経験しながら自立していきます。だからMMA甲子園を経験した選手が、どこの団体で試合をすることになっても、『それはどうでもいいかな』っていう気持ちですね。もし僕が日本のMMAを独占したかったら、もっと欲深くグラチャンを運営していますよ(笑)」

――欲深く、というのは?

「MMA甲子園に出場した選手を契約で縛って、プロはグラチャンでしか試合できないようにする――ということでしょう? グラチャンは、そういうことはしないです。MMA甲子園の勝者をグラチャンが独占するということは絶対になくて。だから、どちらもグラチャンとは別組織として発足し、他の皆さんにも協力していただきながら開催しています」

――グラチャンの組織内で開催されているアマチュアのグラチャン・チャレンジ(以下、GC)は、勝者に対して何か契約が発生するのですか。

「GCこそ、活躍した選手が他の大会へ行っちゃっていて(笑)。山北渓人選手はGCに出てくれたあと、パンクラスでチャンピオンになり、今はONEと契約していて本当に嬉しいです。だからって『山北選手はGC出身だから』ってアピールすることもないですし。それこそ大阪大会では僕が『まだプロデビューするレベルじゃないかな』と思っていた選手が、他の大会でデビューしていました。でも仕方ないですよね」

――選手やジムがどの大会に出るかを選択する前に、岩﨑さんから「グラチャンに出ないか」と声をかけることもあるのですよね。

「あります。でも、よほどの選手じゃないと声はかけないです。GCで見て『プロデビューのオファーしたいなぁ』と思うのは、年に3~4選手ぐらいで。GCに出たからって、グランチャンでプロデビューできるとは限りません。それこそGCやMMA甲子園に出ている選手を優先する、なんて気持ちもなくて。

僕はアマチュアって勝ち負けより、経験のほうが大事だと考えています。極端に言えば、アマチュアで何試合か良い勝ち方をしているとか関係ありません。それよりもプロデビューしたあと勝っていくために、どんどんアマチュアで試合経験を積んでほしいです。

たとえば、去年グラチャンのフェザー級トーナメントに出ていた和田健太郎は、ずっとアマチュアで勝てなかったんですよ。GCは判定なし、制限時間内に決着がつかないとドローなので、和田はずっとドローが続いていました。KO負けを喫したこともあります。それでもプロデビューさせました。彼はレスリングの基礎がしっかりしていたので、試合経験を積めばプロデビューできると考えたからですね」

――反対に、MMA甲子園でも「すぐにプロデビューしても良い」という高校生ファイターが出て来るかもしれなません。

「それだけの選手が関東大会に出てきても、まずは全国大会に進んでもらいますよ。そもそもMMA甲子園に出るということは、勝ち進めば全国大会まで出ると考えてほしいです。そこで全国大会の前にプロデビューさせるようなことは――僕はしません。

MMA甲子園で考えると、高校生だと1学年の差は大きいじゃないですか。対格差とか。その勝敗だけで、プロで勝てるかどうか分かるものではない。一方で、プロデビューしても勝てないと、すぐに辞めてしまう選手も多い。僕は、それがすごく勿体なくて嫌なんですよ。プロモーターというのは、選手をプロデビューさせた責任もあると思っていて。

最近はグラチャンに出てくれている選手が多いです。もし僕が声をかけてプロデビューした選手がいても、もしかしたら勝敗によって次の試合を組めないことがあるかもしれない。アマチュアだと、もっと試合経験が積める。プロデビューしたばっかりに試合数が少なるというのは、選手が可哀想ですよ。あとは選手とジムの意向次第で」

――7月23日の大阪大会に出場する弘田颯志選手は、空手の実績がありながらアマチュアではミランダ亜廉選手に敗れています。それでも岩﨑さんから見て、実力的にプロで勝てる実力があったのですね。

「そうです。あの時はお互いに初めてのGC出場ですからね。マッチメイクする時に2人の経歴を見て決めました。試合はミランダ君が勝ちましたが、弘田君もそれだけの実力を見せてくれたので、すぐプロデビューと考えたんです。

今回はSWAG GYM KYOTOの釜谷真君から『強い選手と対戦させてほしい』という要望があり、田中智也選手との対戦を決めました。田中選手は本来ならウチのフライ級トーナメントに出ていてもおかしくない実績がありますからね。このカードは楽しみです」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
7月23日(日)
午後0時30分~Grachan放送局

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