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【Special】月刊、青木真也のこの一番:7月─その参─ガムロ×パーク「あれは死者に鞭を打っている」

【写真】勝ったガムロが、負けたパークにマイクで謝らせる。そしてガムロ陣営が拍手し、パークのセコンドは何とも言えぬ表情を浮かべる。世界観が違う……(C)KSW


過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ7 月の一番、第3弾は11日に開催されたKSW53からマテウス・ガムロ✖ノーマン・パークの一戦を語らおう。


普通にやっても強い

──7月の青木真也が選ぶ、この一番。3試合目は?

「マテウス・ガムロ✖ノーマン・パーク戦です。ただし、パークは体重オーバーでミソをつけちゃいましたね」

──因縁の3連戦ながら2度目の体重オーバーです。

「イっていますよ。そう思いました。計量を何度もミスするって、何かが壊れているってことじゃないかと」

──その分、コンディションも良くなかったです。

「ガムロは1日50分サンドバックを叩いているとか、嘘くさいですよね。でもポーランドはショッピングモールで計量して、人が見に来るくらいだから練習していただろうし」

──英国のパークはそうでなかった可能性は高いです。

「いずれにしても、連敗ですし。ガムロのパンチが普通に強いってことですね」

──と同時にKSWで行われている試合としては、ガムロは以前の方が面白かった。

「ですよね。ATTに行ってから面白くなくなった。アウトに徹して……まぁ、良くあるパターンですよね。打撃もガンガン行って、寝技でクロスヒールを仕掛けていたのが、ATTにいって打撃が強くなり、テイクダウンを切ることができるようになった。そして、普通にやっても強いと。

ノーマン・パークはUFCで中堅の上ぐらい、そこにあの試合ができる。それは強いですよ」

──ノーマン・パークって、個人的にはジョニー・ケースに被ります。

「分かります。そこですよね、UFCでのポジションでは。にししても──ですよ、試合後に『家族に謝れ!』ってヤツ(笑)。面白いですよね」

──性格悪って(笑)。

「本気で嫌いなんでしょうね。アレは文化の違いですかね。家族を侮辱するって、トラッシュトークでも一線を越えるという部分が、国によって違うというか」

──戦い終わってノーサイド……にもならないと。

「いやぁ、でも謝らせる必要は全くないと思いますよ。あれは死者に鞭を打っている。美徳がない。斬ったまでは良いけど、塩を塗っちゃダメでしょって。アレは文化ですね、そうできるというは」

──私がパークのセコンドなら、あそこでまた殴りにいってしまいますね。傷口に塩を塗るような真似をしてきたら。

「勝ったんだから、良いじゃねぇかって。もうそれで良いだろうってことですからね」

──そうなると『青木、あの中指は?』と指摘されそうですが。

「僕はあの時、一切コメントしてないですから。負けた後にトラッシュトークを続けるようなことはしない。だって、試合が終わっているのにトラッシュトークしても仕事にならねぇよって(笑)。そこは、もう執念でやっている北岡さんっぽいなって思いました」

──そのガムロから、青木選手に対戦要求があったみたいですね。

「ハイ、試合後にKSWではあと1試合契約が残っているから、僕と戦いって言ったみたいです」

──凄い展開です。

「ポーランドのメディアから『どう思う?』って意見を求められたので、『ありがとうございます』って答えておきました」

──ONEと契約すればありえますよね。

「でも1試合契約が残っているからってことなので。もう、その先は決めているんでしょうね。だからこそ僕と戦っておきたいという発言でしょうし」

──あぁ、そういうMMA観も持っているのですね、ガムロは。面白です。

「でもガムロ云々ではなくて、1度ポーランドは行っておきたいですね。ロシアとポーランドは。高島さんは今、Brave CFとかUAEウォリアーズとか中東も来ているようだけど、彼らってUFCに行ってしまうじゃないですか。UFCのフィーダーショー的だから、あんまり面白みがなくて。僕は独自な世界……ACAも選手はUFCに行っているけど、KSWと合わせてその世界観に触れてみたいですね。KSWなんて完全に閉ざされた世界だし、ACAも絶対に理解不能なことやっていそうで」

──それは絶対ですよね(笑)。と同時に中東の王族大会って、世が世だけに上を目指す選手が集まってくる可能性があると思うんです。

「あぁロシア系もそうだし、アフリカもいますよね。アラブからどんどん発掘が進むかもしれないですね。対してKSWはLFAとかTitan FCと違って──選手がUFCに行かないから、実力が測れない。その楽しさがあります。ユーロ圏ではない、外籠りの聖地も周囲にある。マーチン・ヘルドを生んだ国ですからね。整備されたリトアニアみたいで、ある意味……KSWは昔の日本のような自分たちの国で自己完結できる世界観があるというのは興味深いです」

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【KSW53】動きの悪いパークをガムロがボクシングで圧倒し、TKO勝利。勝者はマイクで謝罪を要求……

<71.8キロ契約/5分5R>
マテウス・ガムロ(ポーランド)
Def.3R3分02秒by TKO
ノーマン・パーク(英国)

パークの体重オーバーで、ライト級王座統一戦からノンタイトルの5分✖5R戦となった因縁の決着戦。タッチグローブ無しで右ストレートを見せたガムロ。サウスポーのパークは右ジャブを伸ばす。距離は近いが、慎重な立ち上がりの両者──5R戦を考えてのことか。ガムロが右アッパー、左ジャブを当て、さらに右を伸ばす。パークは左ロー、ガムロは右を繰り出す。右ジャブに続く左ストレートをブロックしたガムロは、逆に左ジャブから右を狙う。

右ジャブをダブルで当てたガムロ、さらにシングルレッグもパークが切る。それでもガムロはボディを決めるなど、攻勢のままラウンドも最終版に。手数、反応とともにパークの動きの悪さが気になる初回だった。

2R、ガムロが右を当て、パークが左アッパーを打ち返す。手数はガムロが変わらず多く、ショートアッパー、さらに右縦ヒジを滑らせる。右目じりをカットしたパークは、右から左を見せて前に出る。さらに右オーバーハンドから左フックを放つパークに、ガムロはエルボーを顔面に、ボディに右を入れる。

パンチの精度が以前よりずっと上がっているガムロは、ジャブからダーティボクシングでアッパーを連打する。ここでパークがアイポークがあったとアピール、ガムロは親指で目を突くという現状ではまるで必要のない反則を犯している。再開後、豪快な右フックを入れたガムロが、続いて右ストレートをヒットさせる。ペースを上げたガムロは、パークの左をバックステップでかわすと、再びアッパー、さらにヒザを突き上げる。ラウンド終了間際の左も空振りに終わったパークは、連続でラウドを落とした。

3R、ガムロは右ストレート、パークは左を空振りする。スイッチしたガムロのテイクダウン狙いを切ったパークは、オーソから右ストレートを被弾。右フックに続き左ストレートをヒットしたガムロが、右アッパーを決める。右目じりをカットし、左目が腫れあがるパークはパンチの距離が合わない。対してガムロはボディ、顔面にエルボー、そしてアッパーと余裕で攻撃を散らしていく。

ボディ、アッパーを続け、右ヒジからパンチを纏めると、レフェリーがドクターチェックを要請。試合はここで終わり、ガムロはパークの握手を拒否し何やらマイクで話すように要求する。

コロナ禍の影響かパークの動きが悪すぎたが、ガムロのボクシングの上達は明白で完勝といえる内容だった。勝者コール後にガムロは「チームと家族に謝れ」と言って、マイクをパークに渡す。「何て言えば良いか、言い訳はしない。ゲームプランが実行できなかった。100パーセント彼をリスペクトしている。他意はなかったけど、マテウスのチームと家族にこれまでのことを謝罪をする」と話したパーク。

敗者に鞭打つような言動ではあったが、パークと握手を交わしたガムロは、「毎日、50分間バックを殴っていた。簡単な試合だった。ヤツの顔を見れば分かるだろう。もう戦争は終わった。ケージ外では対戦相手を尊敬しているけど、家族のことを言われると別だ。喧嘩ファイトにならず申し訳なかった。2、3発しかパンチを貰わなかったからね。今後、レスリングで五輪に出るのが夢だ。少しでも早くケージからリタイアしたい」と話した。


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【KSW53】計量終了 ファンの前で公開計量も、パークが体重オーバーでガムロとの統一戦はノンタイトルに

【写真】なんともシュールなファイト時の出で立ちのヤクビエツと、背広姿のグジェビグ(C)KSW

10日(金・現地時間)、ポーランドのワルシャワで無観客大会として開催されるKSW53「Reborn」の計量が行われた。

明日のイベントは無観客で行われるが、お国柄かKSW名物の生バンドの重低音BGMこそ省かれたもののパブリック計量&フェイスオフがショッピングセンターで行われた。

またファンはソーシャルディスタンスを取ることなく、マスクをしている人の数も非常に少ない様子がKSW TVの動画からも明らかになっている。

公開計量を通して、マスクをして登場したのはクロアチア人のフィリップ・ペジッチだけ──つまりポーランド人ファイターは全員がマスク未着用だった。

そんなパブリック計量の最後にメインでノーマン・パークとライト級王座統一戦を戦う──ライト級&フェザー級王者マテウス・ガムロが、2本のベルトを肩にかけメガネをつけたまま登壇。パークは本計量で体重オーバーになっており姿を見せないまま計量は終了し、両者の試合はノンタイトル戦の5分✖5Rで実施されることとなった。

因縁の決着戦もパークが体重を落とせなかったことで、いきなり水を差された形だ。


ファンの目の前で行われた公開計量では、ノーネクタイの背広姿で登壇したアンジェイ・グジェビグと、トマシュ・ヤクビエツのフェイスオフ──ヤクビエツの苦い顔が印象に残った。

この両者の1戦はグジュビクがFight Exclusive Nightミドル級&ウェルター級王者で、ヤクビエツがArmia Fight Nightウェルター級王者という顔合わせで、KSWウェルター級王者ロベルト・ソルディッチへの挑戦権が事実上掛けられている。

背広で公開計量に姿を見せたグジェビグはストライカーで、オーソながら特に左から右のワンツー後に繰り出される左ミドルや左ハイは非常に威力があり、ペースを掴む攻撃手段だけでなくフィニッシュにもなる。

対してヤクビエツはボクシング&柔術の選手で、基本はトップでパウンドで削り、スクランブルからバックを制す現代MMAなスタイルながら、ストレートフットロックを果敢に仕掛け、ヒールで対戦相手のヒザを破壊するなど、極めの強さも見せてきた。

明日の試合でも、下にったヤクビエツが果敢に極めを狙うことができるのか。あるいはグジェビグが打撃で突き放し、テイクダウンを切ってパンチで詰めていくのか──が、見所となる。

さらには、KSW活動再開イベントらしく実績のある選手が揃った今大会では、セミの階級を越えたチャンピオン対決=元KSWウェルター級王者ボリス・マンコフスキー✖元フェザー級マルチン・ロゼクも注目だ。

フェイスオフでロゼクがかめはめ波は見せる。これに対し、マンコフスキーはロゼクが被っていたキャップを取り上げ、ならばとロゼクが逆にマンコフスキーのサングラスを外す。ここから胸をついてあわや乱闘という状況ながら、両者は笑顔を浮かべたままで、じゃれあっている風でもあった。

■ KSW53計量結果

<ライト級/5分5R>
マテウス・ガムロ:70.3キロ
ノーマン・パーク:71.8キロ

<ライト級/5分3R>
ボリス・マンコフスキー:70.7キロ
マルチン・ロゼク:70.4キロ

<ミドル級/5分3R>
トマシュ・ドルヴァル:83.9キロ
ウーカシュ・ビエンコウスキ:84.0キロ

<ウェルター級/5分3R>
アンジェイ・グジェビグ:77.2キロ
トマシュ・ヤクビエツ:77.4キロ

<ライト級/5分3R>
ロマン・ジュマンスキ:70.7キロ
フィリップ・ペジッチ:70.5キロ

<ライト級/5分3R>
アルトゥル・ソウィンスキ:70.4キロ
グシェゴシュ・ジュラコウスキ:70.5キロ

<80キロ契約/5分3R>
カミル・スミゾウスキ:79.1キロ
ミハウ・ピエツァク:79.7キロ

<バンタム級/5分3R>
セバスチャン・シュブシュ:61.1キロ
ヤクブ・ヴィクワッチ:61.6キロ

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KSW53 other MMA Preview ノーマン・パーク ブログ マテウス・ガムロ

【KSW53】MMAとして成立するのか。本当に危険な3度目の顔合わせ、マテウス・ガムロ✖ノーマン・パーク

【写真】喧嘩ファイト、真っ向勝負、ルール無視、スコアリング、どのような戦いになるのか (C)KSW

11日(土・現地時間)、ポーランドのワルシャワで無観客大会としてKSW53「Reborn」が開催される。そして、メインで本当に危険な試合が組まれた。

それがKSWライト級選手権試合=王者マテウス・ガムロ✖挑戦者ノーマン・パークの3度目の顔合わせだ。


荒ぶるグラップラー、喧嘩ファイトも持さない王者ガムロとパークは過去2度対戦しており会見、計量、試合中、試合後ととにかくいざこざが絶えなかった。2017年5月の初対決の折には、試合中にグローブに不具合が生じたパークがレフェリーに中断を要請している間に、ガムロが仕掛けたのか怒りをあらわにして胸を突き飛ばす。

この試合はほぼ互角の展開ながらガムロが判定勝ちで王座防衛に成功も、5カ月後のアイルランド・ダブリンでの再戦でいよいよ両者は試合が成立しないほど、感情のもつれを吐露した。まずパークが体重オーバーでタイトル戦がノンタイトルに変更される。試合中にはガムロのローがパークの急所へ。さらに再会の合図とともに殴りかかるなど、ダーティーさを見せたガムロの2度に渡るアイポークでパークが試合続行不可能に陥り、NCになってしまう。

真っ向勝負の殴り合いの中で優勢だったパークは収まりがつかず、試合後も口論、一触即発の険悪な空気のなか、ついにパークのセコンドが切れ、ガムロに左フックを見舞う。こうなるとケージ内、そしてケージの外でポーランド人とアイリッシュ(※パークは北アイルランド在住の英国人)の大乱闘劇に発展するという事態に。

その両者が、今回のメインで相対する。KSWが同じ顔合わせを3度組むのは、ミハウ・マテラ✖ジェイ・シウバ以来、プロモーション史上2度目で、試合前からも両者は当然のように罵り合いを演じてきた。

「か弱いアイリッシュ・〇ッチ」と言い放つガムロに対し、試合内容は優勢だったパークは「アイツが自分が得意だと思うところが、実は俺が得意なところだ」と殴り負けない自信を見せている。

とはいえガムロは寝技も打撃も真っ向勝負だったパーク戦から、ATTで練習を始めたことで、そのスタイルは変わっている。相手の良さを消す戦い、倒すのでなく当てる打撃、テイクダウンを奪うよりも、テイクダウンされない組み技、そして下にならないという戦術を用い、クレベル・コイケに勝利している。これだけ互いが熱くなっている状況で、ガムロが冷静に北米流の遮断するMMAを駆使できれば、それはそれで一皮むけたという捉え方もできるが……。

とにかく本当に危険なのは、本気で嫌い合った人間がケージのなかで許されない行為を試合中に繰り返してきている点だ。ルールを守る、その最低条件が守られなければMMAという戦いは成り立たない──が、ガムロとパークの試合はその一線を越えてしまう可能性が十分にある。

■ KSW53対戦カード

<KSWライト級王座統一戦/5分5R>
[正規王者]マテウス・ガムロ(ポーランド)
[暫定王者]ノーマン・パーク(英国)

<ライト級/5分3R>
ボリス・マンコフスキー(ポーランド)
マルチン・ロゼク(ポーランド)

<ライト級/5分3R>
アルトゥル・ソウィンスキ(ポーランド)
グシェゴシュ・ジュラコウスキ(ポーランド)

<ミドル級/5分3R>
トマシュ・ドルヴァル(ポーランド)
ウーカシュ・ビエンコウスキ(ポーランド)

<ウェルター級/5分3R>
アンジェイ・グジェビグ(ポーランド)
トマス・ヤクビエツ(ポーランド)

<ライト級/5分3R>
ロマン・ジュマンスキ(ポーランド)
フィリップ・ペジッチ(クロアチア)

<バンタム級/5分3R>
セバスチャン・シュブシュ(ポーランド)
ヤクブ・ヴィクワッチ(ポーランド)

<ライト級/5分3R>
カミル・スミゾウスキ(ポーランド)
ミハウ・ピエツァク(ポーランド)

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【KSW53】対戦カード 東欧の雄=メガMMA大会=KSWも無観客&粒揃いのカード出揃う

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2020年7月11日(土・現地時間)
KSW53「Reborn」
ポーランド ワルシャワ

■視聴方法(予定)
7月12日(日・日本時間)
午前3時00分~FITE
午前3時00分~KSW.TV

■ 対戦カード

<KSWライト級王座統一戦/5分5R>
[正規王者]マテウス・ガムロ(ポーランド)
[暫定王者]ノーマン・パーク(英国)

<ライト級/5分3R>
ボリス・マンコフスキー(ポーランド)
マルチン・ロゼク(ポーランド)

<ライト級/5分3R>
アルトゥル・ソウィンスキ(ポーランド)
グシェゴシュ・ジュラコウスキ(ポーランド)

<ミドル級/5分3R>
トマシュ・ドルヴァル(ポーランド)
ウーカシュ・ビエンコウスキ(ポーランド)

<ウェルター級/5分3R>
アンジェイ・グジェビグ(ポーランド)
トマス・ヤクビエツ(ポーランド)

<ライト級/5分3R>
ロマン・ジュマンスキ(ポーランド)
フィリップ・ペジッチ(クロアチア)

<バンタム級/5分3R>
セバスチャン・シュブシュ(ポーランド)
ヤクブ・ヴィクワッチ(ポーランド)

<ライト級/5分3R>
カミル・スミゾウスキ(ポーランド)
ミハウ・ピエツァク(ポーランド)

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【KSW53】KSWの活動再開はライト級統一戦ガムロ✖パーク、チャンプ対決&他団体王者マッチから

【写真】ガムロが面白いのは、完全狂犬タイプのグラップラーであること。そしてパークともどもダーティーファイトも辞さない (C)KSW

「WE AER BACK」──2日(金・現地時間)、ポーランドのKSWが11日(土・同)にタイトル戦を含む無観客大会の開催を改めてプレスリリースで発表した。

新型コロナ感染拡大から活動再開期を迎えたMMAワールドだが、KSWでも今大会を5月末からSNSを通じて発信してきた。


ポーランドでは3月15日から感染脅威事態宣言がなされ国境が封鎖されていたが、6月にEUやEFTA(欧州貿易連合)に加盟している国のビジネス関係者の入国は認められている状況になっている一方で、感染者数は35000人、死者は1500を数えている。

そんななか、再生KSWでは首都ワルシャワのスタジオで無観客大会として、今大会= KSW53「Reborn」を実施する。メインはKSWライト級王座統一戦=正規王者でフェザー級との2冠王マテウス・ガムロが、暫定王者ノーマン・パークと対戦するグラッジマッチだ。

両者は2017年5月に5万8000人の観客を集めたスタジアムショーでライト級王座を賭けて戦い、疑問の声が集まった判定勝ちをガムロが収めている。その結果、5カ月後にはガムロにとっては敵地といえるアイルランド大会で再戦が実現した。そして両者の感情のしこりが悪い影響を及ぼし、パークのアイポークで試合はNCとなっている。

あれから2年9カ月──ガムロはクレベル・コイケを下してフェザー級王座を獲得して以来、1年8カ月ぶりのMMAファイトで、昨年9月にマルチン・ロゼクを破り暫定王者となったパークと因縁の決着戦を戦うことになった。5万8000人の観客の前だろうが、無観客大会だろうが、このマッチアップが熱くならないわけがない。

コ・メインではパークとの暫定王座戦に敗れた元フェザー級チャンピオンのロゼクが、元ウェルター級王者ボリス・マンコフスキーとライト級で戦うという試合が組まれた。階級を上げてライト級のロゼクと、下げてライト級のマンコフスキー、どちらが動けるコンディションにあるのかも鍵となろう。

さらに注目はアンジェイ・グジェビクのKSW初陣だ。グジェビグは規模の差はあるとはいえKSWの対抗組織Fight Exclusive Nightのミドル級&ウェルター級チャンピオン。同じくポーランドのMMAプロモーションArmia Fight Nightウェルター級王者で、今回がKSW初参戦となるトマス・ヤクビエツとの対戦は、事実上ウェルター級王者ロベルト・ソルディッチへの挑戦権が掛っているといって間違いない。

さすがは最強MMA独立国家=KSW、活動再開からマニア垂涎のラインナップを揃えてきたといえるだろう。