カテゴリー
45 DEEP DEEP Tokyo Impact DEEP Tokyo Impact2024#02 MMA MMAPLANET o 佐藤洋一郎 嶋田伊吹 鈴木慎吾

【DEEP Tokyo Impact2024#02】わずか52秒、嶋田をRNCで返り討ちにした佐藤がベルト挑戦をアピール

<ウェルター級/5分3R>
佐藤洋一郎(日本)
Def.1R0分52秒 by RNC
嶋田伊吹(日本)

嶋田が左ジャブを突くと、佐藤が左右のローを返した。嶋田は左ローをキャッチして背中を着かせる。スタンドの嶋田に対して、マットに背中を着いたままの佐藤に、レフェリーがブレイクをかけた。スタンドで再開後、佐藤の左ジャブを受けた嶋田の動きが止まる。さらに佐藤の左ジャブが嶋田のアゴを打ち抜いた。前のめりにダウンした嶋田のバックに回った佐藤は、バックマウントからRNCでタップを奪った。

まさかの1分以内の決着で嶋田を返り討ちにした佐藤は、DEEPウェルター級王者の鈴木慎吾に向けて「もう相手いないからね、チャンピオンやろうよ」とベルト挑戦をアピールした。


The post 【DEEP Tokyo Impact2024#02】わずか52秒、嶋田をRNCで返り討ちにした佐藤がベルト挑戦をアピール first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 DEEP DEEP Tokyo Impact DEEP Tokyo Impact2024#02 MMA MMAPLANET o ROAD FC Wardog YouTube チャンネル 住村竜市朗 佐藤洋一郎 島袋チカラ 嶋田伊吹 朝比奈龍希 海外 渋谷カズキ 鈴木琢仁 高野優樹 鬼山斑猫

【DEEP Tokyo Impact2024#02】韓国&グアムでタフファイトの佐藤洋一郎が、嶋田伊吹と再戦

【写真】1年半振りの再戦の行方は──(C)MMAPLANET

13日(土)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP Tokyo Impact2024#02のメインで、佐藤洋一郎と嶋田伊吹が対戦する。
Text by Shojiro Kameike

両者は2022年9月に一度対戦しており、佐藤が2ラウンド判定勝ちを収めている。今回は1年7カ月ぶり、3ラウンド制での再戦に臨むこととなった。

前戦は嶋田が左右のローとミドルを散らしながら前に出るも、佐藤がカウンターの左ジャブと右ストレートを当てて判定勝ちしている。しかし嶋田がボディロックからテイクダウンする場面もあった。試合終了間際に倒された佐藤はギロチンで凌いだものの、ポイントこそジャッジ3者とも20-18を付けたが内容としては僅差であった。

その後、佐藤はここまで海外で2試合を経験している。まず昨年4月には韓国のMMA大会『The Fighter』のメインイベントで、元Road FC社長で──韓国のMMAコメンテーターとして知られ、日本でもWardogウェルター級王座を獲得しているキム・デファンと対戦した。キム・デファンのテイクダウンに苦しめられる場面が多かったものの、アッパーを織り交ぜたパンチ連打で流血を誘い、スプリットで勝利している。

同年10月、今度はグアムに渡りJ,J.アンブローズとBRAWLウェルター級王座を賭けて対戦した。この時は元PXC王者にテイクダウンを奪われ続け、結果は2R時間切れドローに終わる。当初は今年2月に再戦が組まれていたものの、アンブローズの負傷で試合が流れていた。

一方の嶋田は初戦で佐藤に敗れてから2勝1敗で今回の再戦を迎える。1敗は昨年2月、当時のDEEP王者であった住村竜市朗と対戦して判定負けを喫したものだ。しかし敗れたとはいえ、初回には住村からRNCを取りかける場面もあった。続いて11月にはライト級から階級を上げてきた鈴木琢仁を判定で下す。これまで打撃の「巧さ」にも定評があった嶋田だが、鈴木戦ではしっかりと優勢を印象付ける打撃の「強さ」を示したといえる。

佐藤によっては嶋田との初戦以降、テイクダウンで苦しめられる試合が続いている。スクランブルに持ち込んだとしても、嶋田は得意のバックテイクを狙ってくるだろう。そんな攻防の中で佐藤がどれだけ耐えて、後半に持ち込むことができるか。今回は3R制であることも大きなポイントだ。佐藤はキム・デファン戦のように後半、盛り返すことができるか。あるいは嶋田が序盤から攻め立てるだけでなく、しっかりフルラウンドを想定したゲームメイクができるか。両者の試合運びに注目したい一戦だ。

■視聴方法(予定)
4月13日(土)
午後5時55分~DEEP YouTubeチャンネル


■DEEP Tokyo Impact2024#02対戦カード

<ウェルター級/5分3R>
佐藤洋一郎(日本)
嶋田伊吹(日本)

<フェザー級/5分2R>
高野優樹(日本)
鬼山斑猫(日本)

<フライ級/5分2R>
島袋チカラ(日本)
渋谷カズキ(日本)

<バンタム級/5分2R>
朝比奈龍希(日本)
八須拳太郎(日本)

<バンタム級/5分2R>
岩見凌(日本)
みやび(日本)

<ライト級/5分2R>
井上竜旗(日本)
秋山怜冬(日本)

<ライト級/5分2R>
BAGGIO(日本)
Street♡★Bob”洸助(日本)

<メガトン級/5分2R>
Guts(米国)
野畠大資(日本)

<フライ級/5分2R>
加藤瑠偉(日本)
亀田一鶴(日本)

<フライ級/5分2R>
松丸息吹(日本)
濱口麗地(日本)

The post 【DEEP Tokyo Impact2024#02】韓国&グアムでタフファイトの佐藤洋一郎が、嶋田伊吹と再戦 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 DEEP DEEP112 MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase336 Pancrase337 Pancrase340 Special YouTube   パンクラス 住村斉明里 住村竜市朗 嶋田伊吹 林源平 草MAX 藤田大

【Special】J-MMA2023─2024、住村竜市朗「娘から――調子エエやん。もうちょっと続けたら、って」

【写真】何だかんだで仲が良い竜市朗&斉明里の親子(C)MMAPLANET

2023年が終わり、新たな1年が始まるなかMMAPLANETでは2023年に気になった選手をピックアップ──過ぎ去った1年を振り返り、始まったばかりの1年について話してもらった。
Text by Shojiro Kameike

J-MMA2023-2024、第九弾は住村竜市朗に話を訊いた。2023年は2月の試合を最後に戦いの場をDEEPからパンクラスへと移し、クリスマスイブには林源平を下してベルトを腰に巻いている。年末年始に地元の淡路島へ帰省し、年明けにはキングジム神戸で練習を開始した住村を尋ねると、そこにはアマチュアファイターの娘・斉明里の姿もあった。日本MMA界随一のスベリ芸を見せる王者が、娘と2024年について語る。

■2023年住村竜市朗戦績

2月11日 DEEP112
○2-1 嶋田伊吹(日本)

7月9日 Pancrase336
○3-0 草MAX(日本)

9月24日 Pancrase337
○2R4分59秒 by TKO 藤田大(日本)

12月24日 Pancrase340
○5R2分09秒 by TKO 林源平(日本)


――年末年始は淡路島に帰省し、明石大橋を渡って神戸まで練習に来ているのですか。

「はい。車で40分ぐらいだから近いですよ」

――それは東京に練習拠点を移して以降、毎年同じスケジュールなのでしょうか。

「もともと東京に出る前からキングジムでお世話になっていて、DEEPのベルトを獲った時は週3~4ぐらいでマサさん(小西優樹キングジム神戸代表)と一緒に練習させてもらっていました。今は年末年始ぐらいですね。あと娘の所属もキングジムにお願いしていて」

――住村斉明里選手は淡路島から神戸のキングジムに通っているのですね。

「そうですね。本当はバスと電車で通う約束やったけど、車で送り迎えしないと練習に行かないようになり――それで中学3年間という、一番伸び盛りの時期を棒に振りました(苦笑)。高校に入ってから柔道を始め、キングジムでも練習しているという状態です」

――斉明里選手が初めてアマチュアMMAの試合に出たのは何歳の時ですか。

「小1から練習を始めて、MMAの試合に出たのは中2ぐらいからじゃないですかね」

――当初は本名で試合に出ていましたが、昨年11月のDEEP大阪大会では「セアリ」というリングネームで試合をしています。

「僕の娘だと思われたくなかったらしいですよ。(斉明里選手に向かって)なんでなん? 普通やったら住村斉明里で試合に出るやろ」

斉明里 (小西代表に)本名は嫌ですよね?

小西 いや、本名でエエと思うけど(笑)。

――アハハハ。住村選手から見て、斉明里選手の実力はいかがですか。

「まだまだ全然、っていうレベルですよ。打撃もできないし、レスリングもできない。寝技もフィジカルも弱くて」

――斉明里選手の試合を見る時の目は、父親のものなのか。あるいは一人のファイターとして見ているのでしょうか。

「最初の頃は父親として緊張していました。でも11月は僕もブチギレましたね。トップを奪うたびに同じ返され方をされていたので。マサさんも僕も怒っていました。だから今は自分もファイターとして、いちファイターとしての娘を見ているんだと思います」

――なるほど。一方で住村選手ご自身の2023年は、どのような1年だったでしょうか。

「良い1年だったと思います。2022年が悪かったですからね。もう引退かな――と考えていましたが、そこからまた頑張って良かったです」

――2023年は7月からパンクラスに参戦し、3戦目でベルトを巻きました。

「3戦目でタイトルマッチ、というのは想定内でした。何なら2戦目でタイトルマッチをやりたかったです。それでも3試合やらせていただいて、結果的に良かったと思います。藤田戦の内容から見えて来るものもありましたしね」

――藤田戦で見えてきたものとは?

「組みの部分ですね。組みで勝負していけると思いました」

――では改めて、パンクラスのベルトを獲得した感想をお願いします。

林戦もTD→塩漬けパターンかと思われたが……(C)MATSUNAO KOKUBO

「試合内容は完封だったと思います。相手の得意な部分——強打を封じ込めて戦うことができました。ベルトを巻くことができたのは、率直に嬉しいです。嬉しいけど、また次の挑戦を見据えていきたいですね」

――試合内容でいえば、住村選手はずっと「塩漬け上等」を掲げていました。しかし藤田戦から2試合連続でフィニッシュしています。まず藤田戦でパウンドアウトした時、トップキープしたまま試合を終えようとは思わなかったのですか。

パウンドアウトでKOPに。ポイントはヒジ打ちだった(C)MATSUNAO KOKUBO

「それは思わなかったです。藤田戦はたまたまグラウンドでヒジが効いて、藤田選手が一回落ちたんですよ。それでイケるんじゃないかと思って、パウンドをまとめました。あの試合でグラウンドのヒジの感触を得たのが、タイトルマッチでも生きましたね」

――もし塩漬けを優先するなら、ヒジ打ちもリスクではないですか。

「リスクではないです。言えば、掛け逃げみたいなものですから」

――というと?

「ヒジを打って逃げて、打って逃げて――だからリスクはないですよね。打つ時に胸を張っているわけでもなく、上体も起こしきってはいないので。そこで相手の気持ちが折れたのが分かり、ヒジとパウンドをまとめていきました」

――「塩漬け上等」と言いながらも、実は塩漬け上等ではなかったのでしょうか。

「安全パイ、ですね。リスクを抑えて、安全パイで試合をするということです。でも最近は塩漬けを期待する方が増えたので、その期待を裏切ってやろうと思いました(笑)。天邪鬼ですね。塩漬けも天邪鬼みたいな感じじゃないですか。みんなが打ち合いとかを期待するなかで、『俺はそういう試合はしないよ』って」

――ただ、2試合連続フィニッシュしているので、次の試合も期待されるかと思います。

「だから塩漬けに戻ります!」

――えぇっ!?

「結局、僕のやっていることは自己満足ですよ。試合を観に来てくれたお客さんに、夢や感動を与えたいとか思っていません。ただ自分を応援してくれている方たちが喜んでくれたら良くて。そういう選手が勝ってベルトを巻く――他の選手はムカつくかもしれないけど、どんどんムカついてほしい。僕は悪いヤツやから、むしろウェルカムですよ(笑)」

――そんな悪いお父さんの試合を観て、斉明里選手はどのように仰っているのでしょうか。

父娘が並んで汗を流す、素晴らしい年明け(C)SHOJIRO KAMEIKE

「娘は『早く引退してほしい』と言っています。もう怪我してほしくないっていう気持ちが強いんやと思いますよ。僕が倒れるところも見ていて――自分が格闘技を経験したからこそ分かるものもあるでしょうし。そういう娘の気持ちが、僕の塩漬けの試合にも繋がっているのかもしれないです」

――……。

「でも最近は『調子エエやん。もうちょっと続けたら』と言うんです」

――それはファイターとしても、父親としても嬉しい言葉ですね。

「僕は緊張しぃやから、試合前は娘とLINEでやり取りするんですよ。僕が『緊張してきた』 と送ったら、娘が『やることやってきたんやから、あとは体が勝手に動くやろ。今さら緊張しても仕方ないやん』と返してきました。その娘のメッセージに対して、僕は『押忍!』と。女の子のほうが肝っ玉は据わっていますね」

――メチャクチャ仲が良いじゃないですか。

「なのに本名は名乗らないんですよね(苦笑)」

――アハハハ。

「たぶん『住村竜市朗の娘』って書かれたくないんやと思いますよ。親の七光りで試合に出たくない。自分の力で出たい、と。でも僕からすれば、父親の名前だろうと何だろうと使えるもんは使えば良い。それで自分自身が有名になれば、僕の名前なんて消えていきますから」

――斉明里選手のために東京から淡路島に戻ってくることは考えなかったのですか。

「それは思わなかったです。自分には自分の夢があり、まだ青春していますから。一度東京へ行ったからには、すぐに淡路島に帰ろうとは考えていません。娘は娘で頑張る。自分は自分で、東京で頑張る。その気持ちは娘も理解してくれています」

――ではベルトを巻いて迎えた2024年は、どのようなキャリアを過ごしたいですか。

「地元で試合したいなっていう気持ちもありますけど……一番の心配は、僕ってチャンピオンになったら弱くなるんですよ。だから今後もチャレンジャーの気持ちで、どんどんチャレンジしていきたいと思っています」

――新しいチャレンジ、ですか。

「まだ具体的な試合の予定は決まっていませんが、MMA史上初のことを考えています。自分のMMAキャリアも、もうそんなに長くはない。でも2023年の試合で、いろんなものが繋がってきて、今の自分が一番強いです。ただ、チャンピオンになってしまうと自分の中に油断が生まれてしまう。そうならないよう、2024年もチャレンジャーの気持ちで戦います」


The post 【Special】J-MMA2023─2024、住村竜市朗「娘から――調子エエやん。もうちょっと続けたら、って」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
DEEP DEEP Tokyo Impact DEEP Tokyo Impact2023#06 MMA MMAPLANET o 嶋田伊吹 鈴木琢仁

【DEEP Tokyo Impact2023#06】1R劣勢の嶋田が打撃で挽回。判定で鈴木から勝利を収める

【写真】1Rこそグラウンドでポジションを奪われたが、2Rは嶋田が打撃で明確さをつけた(C)MATSUNAO KOKUBO

<ウェルター級/5分2R>
嶋田伊吹(日本)
Def.3-0:19-19(嶋田).19-19(嶋田).19-18.
鈴木琢仁(日本)

嶋田がジャブと右ローで前に出る。鈴木はインローとボディストレートを返す。鈴木がジャブを突いて組みになると、嶋田がケージまで押し込んでボディロックでテイクダウンする。バックに回る嶋田だったが、鈴木が回転してトップキープする。

鈴木は両足をまたぐようにしてパスガード、嶋田の膝上に乗るように両足をフックしてマウントを取る。嶋田は膝を抜いてガードに戻し、鈴木の身体を蹴り離して立ち上がる。

嶋田が右ストレートとヒザ蹴り。組みつく鈴木の顔を押して剥がす。試合がスタンドに戻ると、ここでも嶋田が右ストレートとヒザ蹴り。鈴木が四つ組みから投げてグラウンドで上になり、嶋田は下から三角絞めを狙う。

2R、鈴木がインロー。嶋田は右ストレートで前に出てヒザ蹴り。鈴木がジャブからシングルレッグに入り、嶋田がそれを切ってバックに回る。鈴木が足をフックさせずに正対して、ハーフガードでトップキープ。する。鈴木が身体を起こしてダブルレッグに入ると、鈴木がギロチンチョークに入る。

嶋田は頭を抜いてトップキープし、鈴木が立とうとする動きに合わせてバックへ。嶋田はパンチを入れながらバックについてRNCを狙うが、ここも足をフック出来ずに鈴木が上のポジションを取り返す。

ガードポジションの嶋田は鈴木の顔を押さえてヒジを入れ、鈴木の身体を蹴って立ち上がる。試合がスタンドに戻ると鈴木が右ストレートを打ち、嶋田が右ストレートと左フック。組みつく鈴木の身体を剥がして左右のパンチと飛びヒザ蹴りを狙う。

そこから鈴木をがぶってバックにつくが、ここも先ほどと同じ形で逃げられてしまう。判定はジャッジ2名がイーブンでの嶋田優勢、ジャッジ1名が19-18と採点し、嶋田が判定勝利を収めた。


The post 【DEEP Tokyo Impact2023#06】1R劣勢の嶋田が打撃で挽回。判定で鈴木から勝利を収める first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
DEEP DEEP JEWELS DEEP JEWELS43 DEEP Tokyo Impact DEEP Tokyo Impact2023#06 MMA MMAPLANET NARIAGARI o SAINT Te-a YouTube YUKI キック チャンネル ハリーKIMURA ブラック 万智 安永吏成 山崎桃子 山田崇太郎 島袋チカラ 嶋田伊吹 斎藤 斎藤百瑚 朝太 松田亜莉紗 栗山葵 水野竜也 赤沢幸典 酒井リョウ 鈴木琢仁 須田萌里

【DEEP Tokyo Impact2023#06】ハリーKIMURA戦へ、赤沢幸典─02─「試合に向けて何もやっていない」

【写真】107.2キロで計量をパスした。Nariagari対抗戦の時は105.9キロだったが、昨日の計量の方が仕上がっているボディに。昨年11月の酒井リョウ戦の時は122.2キロだった(C)MMAPLANET

23日(木・祝)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP Tokyo Impact2023#06で、ハリーKIMURAと対戦する赤沢幸典のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

山田崇太郎の下でトレーニングを開始した赤沢は、練習や試合の中で肉体の機能面でも大きな変化を感じていたという。2連敗からNARIAGARIとの対抗戦を経て、国際戦に挑む今大会――機能が向上したからこそ、やることはシンプルに。赤沢が包み隠さず次の試合について語ってくれた。

<赤沢幸典インタビューPart.01はコチラから>


――4月1日から肉体改造を始めて、23~24キロ落ちたのはいつ頃ですか。

「確か始めてから3カ月ぐらい経ったあたりですね」

――ということは、7月にDEEP×NARIAGARIの対抗戦で、朝太選手に勝利した時にはトレーニングの効果が出ていたのでしょうか。対戦相手との実力差もあり、過去の試合と比較するのは難しいかもしれませんが……。

「いえ、それが効果は出ていたんですよ。試合映像を視直していただければ分かるのですが、テイクダウンに行った時の初動がかなり速かったです。特に重量級ファイターの中では、かなり速いほうではないかと思います。しかも遠い距離からスパン!と入ることができて、山田さんトレーニングの効果を感じることができました」

――なるほど。試合当日だけでなく、試合に向けた練習の中でも効果は感じていましたか。

「はい。GENでの練習でいえば、重量級は通常のスパーリングでも一本やって一本休むか、頑張って二本やって一本休む――といった感じだと思うんですね。それがNARIAGARIとの対抗戦の前は、一本5分で7~8本連続でスパーしていました。しかも岡見さんや水野(竜也)さんといった日本重量級のトップファイターを相手に、全ラウンドでテイクダウンすることができて」

――ハッキリと効果が出ていますね。山田トレーナーの指導は、週何回のペースで受けているのでしょうか。

「週3~4ぐらいですね。だけど実質的には、週7でやっていると思ってください」

――週7でトレーニング!?

「これを言うと信じてもらえなかったり、あとは『赤沢は頭がおかしくなったのか?』と言われたりするんですけど(笑)。今、オフの日はないです。週末も有酸素運動というか、4時間ぐらい歩いていますね。

今回のファイトキャンプ期間って、土日は山田さんのトレーニングを休む代わりに4時間歩いていました。土曜日に4時間、日曜日に4時間――と。住んでいる幕張から千葉駅前のスタバでレギュラーコーヒーを買って、幕張まで帰るという(笑)。そんな嘘のような本当の話です」

――えぇっ!? 幕張駅から千葉駅まで約8キロありますから……それは岡見選手も、おだてる意味ではなく本当の気持ちとして「今の赤沢のトレーニングはこなせない」と仰ったのかもしれませんね。ではNARIAGARIとの対抗戦以降も、トレーニングの成果を感じ続けている状態なのですか。

「それは感じていますね。4月からNARIAGARIとの対抗戦まで、僕の人生で一番キツい期間だと思っていました――あの時は。でも、そんなことはなかったんんだなって(笑)」

――今はもっとキツくなっているということですね。

「土日、オフの日も無くなってしまいましたから。あとは山田さんから『練習もするけど、ケアもしろ』と言われたんですよ。今は練習と同じぐらいの時間をケアに充てています。結果、1日が練習とケアだけで終わるようになっていて」

――お話を聞いていると、今MMAをやっていて楽しいのではないですか。

「これは本当に、メチャクチャ楽しいです。これまでの間、何度も山田さんとも衝突しました。山田さんは僕を強くするために妥協がない。でも僕は山田さんに励ましてほしいとか、そういうものを求めていて……。すると、ある時に山田さんから説教を食らったんですよ。

『お前は慰めてくれる仲間が欲しいのか? 慰めてほしいなら慰めてやるけど、それが本当に欲しいものなのか。お前は厳しいことを言われて勝つのと、慰めてもらいながら負けるのは、どっちが良い?』と。僕の中でも『そうだ、違うよな』と思うようになって。そんな感じで、メンタルの面でも山田さんにお世話になっています」

――何歳になっても新しい発見がある。MMAというものは奥が深いですね。

「本当にそう思います。いろんな要素があっても実際にやるべきことは、すごくシンプルで。試合前にタネ明かしをしてしまいますけど、実は今回の試合に向けて何もやっていないんですよ」

――それは対策練習を行っていないという意味ですか。

「はい。シンプルに打撃をやって組み、テイクダウンしてパウンドを落とす。ただただソレだけをやっていて、だからこそ自信があるというか。肉体の機能が上がったことで、自分が思っていることを具現化できるようにもなりました」

――まさに電池が100パーセントに近づき、もともと存在していた機能を使えている状態になっているわけですね。

「そうです。あとは、あえて減らす作業といいますか――僕は器用であるがゆえに、『これを試してみよう。あれも試してみよう』と考えていたと思います。でも今は、あえて他のことには目を向けずに2、3個のことしかやらない。やることを減らす、使わないものを減らしていくという作業もやっています」

――それだけ大きな変化をもたらした要因として、ブラックコンバットの対抗戦もそうですし、昨年11月の酒井リョウ戦での敗北は大きかったのでしょうか。

「あの2連敗で『もう終わったな』と思いました。ベルトを巻くチャンスを逃して、次に自分からブラックコンバットとの対抗戦に出たいと言っておいて――せっかくメンバーに入れてもらって、しかも2勝2敗で迎えた最後の試合だったじゃないですか。最も自分が目立てる場面であったにも関わらず、一番やっちゃいけない負け方で」

――……。

「あの場面で、ガス欠で負けてしまった。ネットでアンチコメントも見ましたし、『もう引退しろ』という声も耳にしました。『指導者をしていたほうが良いんじゃない?』とも言われましたし、実際に自分でもそう思ったり……。でも、ふと考えたんですよね。『ここで辞めるなら、なぜカナダから日本に戻ってきたんだよ』と。そう考えている自分の前に、山田さんがいました」

――31歳で新たなトレーニングも始めて、今は生まれ変わったと言えるのでしょうか。

「う~ん……あんまり大きな発言をすると何か言われそうで、正直怖いです(苦笑)。自分は生まれ変わったかもしれません。でも、まだ100パーセントじゃない。完全体ではないけれど、順調に『やりたいことができる』肉体に変化していると思います」

――その変化を見せつける相手、ハリーKIMURA選手の印象を教えてください。

「嫌な相手ですよね。僕の中で『テイクダウンしたら勝てる』という自信が深まっているなかで、テイクダウンしてからのほうが危ない相手ですから。体もしっかり出来ていて、ただのヘビー級ではないし、いろんなところからキムラを狙ってくるのは怖いですね。

相手がどう考えているかは分からないけど、僕が組まずに距離を取って打撃で勝負すると思っているかもしれないです。でも、その戦い方を選択してしまったら、自分が自分ではないというか。『結局、相手に合わせているじゃん』と思われてしまう。だから今回は、あえて自分の強いところで勝負します。打撃からテイクダウン、そしてパウンド—―これだけですね」

■DEEP TOKYO IMPACTO2023#06視聴方法(予定)
11月23日(木・祝)
午後5時5分~DEEP チャンネル-YouTube

■DEEP TOKYO IMPACTO2023#06計量結果

<メガトン級/5分3R>
水野竜也:103.15キロ
SAINT:111.2キロ

<メガトン級/5分3R>
赤沢幸典:107.2キロ
ハリーKIMURA:──キロ

<メガトン級/5分2R>
稲田将:104.3キロ
トーマス:107.2キロ

<ウェルター級/5分2R>
嶋田伊吹:77.55キロ
鈴木琢仁:77.4キロ

<フライ級/5分2R>
島袋チカラ:56.75キロ
京之介:57.15キロ

<フライ級/5分2R>
安永吏成:57.05キロ
坂本岳:57.05キロ

<ウェルター級/5分2R>
前田啓伍:77.15キロ
山田聖真:77.15キロ

<バンタム級/5分2R>
岩見凌:61.45キロ
生田大雅:61.35キロ

<ライト級/5分2R>
BAGGIO:──キロ
宮本誠一:70.2キロ

<メガトン級/5分2R>
JUICY:74.05キロ
Peach:──キロ

<アマチュア・キック52キロ契約/1分30秒2R>
横江明日香:51.6キロ
島村優花:51.5キロ

<アマチュア・フェザー級/3分2R>
森下智紀:65,4キロ
島次亜瑠:65.55キロ


■DEEP JEWELS43視聴方法(予定)
11月23日(木・祝)
午後12時15分~DEEP チャンネル-YouTube、サムライTV、U-NEXT

■DEEP JEWELS43計量結果

<DEEP JEWELS暫定ストロー級王座決定戦/5分3R>
松田亜莉紗:51.95キロ
万智:52.1キロ

<49キロ以下契約/5分3R>
須田萌里:48.55キロ
彩綺:48.7キロ

<フライ級/5分2R>
栗山葵:56.5キロ
斎藤百瑚:56.95キロ

<バンタム級/5分2R>
熊谷麻理奈:61.2キロ
Te-a:60.1キロ

<ミクロ級/5分2R>
山崎桃子:44.05キロ
こゆき:43.95キロ

<フライ級/5分2R>
奥富夕夏:56.75キロ
谷山瞳:56.15キロ

<バンタム級/5分2R>
MANA:60.8キロ
細谷ちーこ:61.3キロ

<無差別級/5分2R>
超弁慶:──キロ
ぽちゃん Z:73.8キロ

<グラップリング54キロ契約/5分1R>
横瀬優愛:53.5キロ
あきぴ:52.2キロ

<ミクロ級/5分2R>
ジャカ季美香:44.2キロ
チャッキールビ:44.35キロ

<アマ・50キロ契約/3分2R>
サラ:49.45キロ
横瀬美愛:49.65キロ

The post 【DEEP Tokyo Impact2023#06】ハリーKIMURA戦へ、赤沢幸典─02─「試合に向けて何もやっていない」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
Black Combat DEEP DEEP Tokyo Impact DEEP Tokyo Impact2023#06 MMA MMAPLANET o ONE YouTube YUKI キック チャンネル ハリーKIMURA ブラック 安永吏成 山田崇太郎 島袋チカラ 嶋田伊吹 水野竜也 赤沢幸典 鈴木琢仁

【DEEP Tokyo Impact2023#06】ハリーKIMURA戦へ、肉体改造=赤沢幸典─01─「『電池がないと…』」

【写真】これで期待するな──というのが、無理。いよいよ、ポテンシャル前回となるか(C)MMAPLANET & YUKINORI AKAZAWA

23日(木・祝)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP Tokyo Impact2023#06で、赤沢幸典がハリーKIMURAと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

昨年11月のDEEP暫定メガトン級王座決定戦、そして今年2月のDEEP×Black Combat対抗戦と2連敗を喫した赤沢は現在、肉体改造に取り組んでいる。SNSにアップされるビルドアップされた肉体――赤沢の中でどのような変化があったのか。ハリー戦直前の赤沢に、その肉体改造について訊いた。


――赤沢選手といえば、ここ最近はSNSでビルドアップされた体とトレーニング風景をアップされています。体つきの変化が凄いですね。

「今年2月にブラックコンバットとDEEPの対抗戦で敗れて、4月1日から今のトレーニングをスタートしました。あの負けで『何かを変えないといけない』と思い、山田崇太郎さんに肉体改造について相談して、パーソナルトレーニングをお願いしました」

――MMAの中には様々な要素があります。その中で肉体改造を選んだ理由は何だったのでしょうか。

「僕は普段からいろんな選手のコーチをしています。他の人よりもMMAに関する知識を持っているから教えることができるし、その選手を勝たせることもできると思うんです。でも自分自身の試合に対しては、良いアンサーを出すことができていない。それは何故なんだろうと山田さんに相談しました。すると――たとえばiPhoneって高性能じゃないですか」

――……はい。

「でも電池が5%しかないと、カメラも使えない。山田さんにそう言われたんですよ。『確かにお前はGSPに習ったり、他から学んできたことを器用にこなすことができる。戦略も正しい。でも電池がないから、カメラすら使えない状態だよね』と」

――なるほど! せっかく持っているものを使いこなすための体力が備わっていないということですね。

「そう言われて、最初は『えっ!?』と思いました。『そんなことないでしょ』って。練習していても疲れることはないし。でもブラックコンバットの試合や、他の試合について思い返してみても、体力が足りないから思考できていない。苦しい時――たとえば息を止めてみると、30秒はいろいろ考えることができます。でも1分や1分30秒を過ぎると、考えることができなくなる。

ただ息をすることだけを考えるようになりますよね。でも体力があれば考えることができる時間を伸ばせるし、その分僕が持っている知識を生かすことができる。そのためには人よりも体力がないといけないって山田さんに言われて。『そんな自分を変えていただけるなら……』と、山田さんにパーソナルトレーニングをお願いしました」

――ということは体力面、まず内側を鍛えていたら外見もビルドアップされてきたのですね。

「正確には体重が23~24キロ落ちました」

――えっ!? それは凄いですね。

「体重のピーク時は124キロぐらいあったのですが、一番落ちた時は100キロを切りました。今はそこからまた少しずつ体重を増やしていて、107キロぐらいになっています」

――山田崇太郎トレーナーの指導はキツいと聞きますが、いかがですか。

「格闘技業界でも有名だと思いますけど、とにかくキツいです。みんな山田さんのところへ行っても、1回か2回で辞めてしまったりとか。僕もナメていたというか――『まぁカナダにも行っていたし、いろいろ知っているぜ~』と斜に構えていた部分もあったんですよ。でも山田さんのトレーニングの1回目でボコボコに追い詰められて……僕、泣いちゃいましたから(苦笑)」

――それほどまでにキツいトレーニングなのですか!

「自分も31歳になって、トレーニングで泣いてしまいました」

――それまでは体力面やフィジカルトレーニングに取り組むことは少なかったのですか。

「ちょうど僕がカナダへ行く頃、日本でもボディビルやフィジークの文化が広まってきて、見よう見まねで自分もやっていました。だけど食事の面については何も分かっておらず、脂肪もついて太っていくという状態で。あとはGSPがトレーナーさんを紹介してくれて、メニューをつくってもらうこともありました。ただ、自分自身でお金を払って僕にフォーカスしたトレーニングメニューを組んでもらうことはなかったです」

――4月から山田トレーナーの指導を受けて、いつ頃から効果を感じ始めましたか。

「5月のはじめには体重も5キロぐらい落ちていましたし、何より練習で疲れを感じることが減っていました。普段はGENスポーツアカデミーで練習させてもらっていて、あそこには日本MMAの重量級ファイターが集まっているじゃないですか。そんな人たちの中でも『相手は疲れているのに自分は疲れていない』と思うことが多くなってきて。まず体重が落ちたことは大きかったです。今までは『ヘビー級で体重が3キロや4キロ違ったからといって、何が変わるんだ?』と思っていました」

――3キロ、4キロは誤差の範囲だと。

「はい(笑)。でもそれが誤差じゃなかったんですよ。『体重が3~4キロ違うだけで、こんなにも変わるものなのか』と実感できました」

――自分のベスト体重が何キロなのかは、自身ではなかなか分からないでしょう。

「筋量によって違いますからね。あと、筋力はあるけど筋量がないというパターンもあって。体つきはしっかりしているのに疲れやすい人というのは、持っている筋力を使いこなせる筋量がなかったり。

GSPのところにいた時、トレーナーのフィラス・ザハビは『筋力トレーニングをしたら体が重くなって選手としては終わりだ』と言っていました。でも今考えると、世界レベルのコーチでもフィジカルトレーニングに関しては、当時そこまで深堀りしていなかったのかもしれないです。もちろんトレーナーさん全員と関わっているわけではないので、一概には言えないですけど……」

――山田トレーナーの場合は格闘技選手+フィジカルトレーナーという強みはありますね。
「山田さんはGENでも一緒に練習していて、僕の動きを見てから当日のトレーニング内容を決めるそうなんですね。僕の動きを細かく分析して、修正していくことも大事ということで。だから成果が出るのが早いと思います。

あとは怪我をしていても、できないトレーニングはない。たとえば『肩を痛めていて動かない』と言ったら、『大丈夫。これなら、ここは動くから、この器具を使えばトレーニングできる』というアンサーがあって。しかも練習していて怪我をしなくなりました」

――それだけハードな練習をしていながら……。

「それだけトレーニングしていたら怪我するよ、って言われるぐらいトレーニングしていて逆に怪我をしなくなりました(笑)。岡見(勇信)さんにも『自分が若くて一番体を動かせていた時期でも、今の赤沢のトレーニングはこなせない』と言われて。もちろん自分をおだてるために言っているのでしょうけど、そう言われると自分でも安心できました」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
11月23日(木・祝)
午後12時15分~DEEP チャンネル-YouTube、サムライTV、U-NEXT

■ DEEP TOKYO IMPACT2023#06対戦カード

<メガトン級/5分3R>
水野竜也(日本)
SAINT(米国)

<メガトン級/5分3R>
赤沢幸典(日本)
ハリーKIMURA(豪州)

<メガトン級/5分2R>
稲田将(日本)
トーマス(米国)

<ウェルター級/5分2R>
嶋田伊吹(日本)
鈴木琢仁(日本)

<フライ級/5分2R>
島袋チカラ(日本)
京之介(日本)

<フライ級/5分2R>
安永吏成(日本)
坂本岳(日本)

<ウェルター級/5分2R>
前田啓伍(日本)
山田聖真(日本)

<バンタム級/5分2R>
岩見凌(日本)
生田大雅(日本)

<ライト級/5分2R>
BAGGIO(日本)
宮本誠一(日本)

<メガトン級/5分2R>
JUICY(日本)
Peach(日本)

<アマチュア・キック52キロ契約/1分30秒2R>
横江明日香(日本)
島村優花(日本)

<アマチュア・フェザー級/3分2R>
森下智紀(日本)
島次亜瑠(日本)

The post 【DEEP Tokyo Impact2023#06】ハリーKIMURA戦へ、肉体改造=赤沢幸典─01─「『電池がないと…』」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA DEEP MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase336 RIZIN UFC パンクラス 住村竜市朗 国内MMA 嶋田伊吹 木下憂朔 草MAX 鈴木慎吾

【Pancrase336】パンクラス東京大会初出場。住村竜市朗─01─「王座を狙って目の前の試合を勝っていく」

【写真】渋さが相当に増してきた住村。円熟味のあるMMAと思いきや、組み技根性ファイト上等となっている(C)SHOJIRO KAMEIKE

9日(日)、東京都港区のニューピアホールでパンクラスが昼夜興行を開催する。夜の部Pancrase336では、元DEEPウェルター級王者の住村竜市朗が元HEAT王者の草MAXと対戦することとなった。
Text by Shojiro Kameike

これまで住村はパンクラス大阪大会に出場したことはあったものの、東京大会は今回が初参戦となる。その対戦相手は2015年のパンクラス大阪大会で対戦し、RNCで下している草MAXだ。ここでパンクラス参戦の経緯と改めて訊いた。


――今回は引っ越し作業の合間を縫って、取材時間を設けていただき、ありがとうございます。試合直前に引っ越しをされるというのは、どのような理由だったのでしょうか。

「それほど遠い場所ではないのですが、試合に集中したくて静かな場所に引っ越しました。都内に拠点を移してから4年ぐらい住んでいた部屋で、いろいろ変えたくなったんです」

――なるほど。今回は部屋が新しくなっただけでなく、戦う場所もDEEPからパンクラスに移りました。まずはパンクラスで戦うことになった経緯を教えてください。

「DEEPさんには、すごくお世話になりました。ベルトも巻くことができましたし。でも僕、年齢も年齢じゃないですか(現在37歳)。それとDEEPでは対戦相手も1周して、2周して3周目に掛かろうかというところやったので、キャリアの最後は別のところで――パンクラスさんでベルトを獲りに行こうかと思いました」

――住村選手は2017年5月にDEEPウェルター級王座を獲得し、2022年5月にベルトを返上しました。その時点で、別の舞台で戦うことを考えていたのですか。

「はい。一番大きいのは、RIZINで木下憂朔選手に負けたことですね。他の団体のチャンピオンに負けた僕がベルトを持っているのはおかしいと思ったんです。その試合後からDEEPさんと王座返上の話はしていました」

――木下選手に負けた……。2021年11月のRIZIN Triggerで木下選手と対戦し、公式結果は住村選手の反則勝ちです。しかし住村選手にとっては「負け」なのですね。

「あれは、どう見ても僕の負けじゃないですか(苦笑)。最後は反則決着になりましたけど、木下選手がケージを掴んで踏みつけてくる前に、僕は完全に効いて倒れていたわけなので。今は木下選手もUFCと契約して、世界で戦ってくれています。だから僕も、木下選手と戦えたことは良かったと思っています」

――……もしかしてパンクラスを新たな主戦場に選んでいたのは、木下選手との再戦をにらんでの判断だったのでしょうか。

「あぁ、その気持ちもありましたね。パンクラスで戦おうと考えたのは、まだ木下選手がUFCと契約する前で。でも木下選手は若いし、世界を目指して当然の選手ですからね。UFCで頑張ってほしいです。応援していますよ」

――では今年2月にDEEPで嶋田伊吹選手と対戦した際は、「これが最後のDEEPだ」という気持ちで試合に臨んでいたのですか。

「そうです。その前に、鈴木慎吾選手に負けましたよね(※昨年8月にTKO負け)。本当は、あの試合で勝ってDEEPは最後にしようと思ったんです。でも負けてしまって――負けたままDEEPを去るのはカッコ悪いなと思ったので、今年2月に嶋田選手と試合させていただきました。何とか勝てて、もうDEEPでやり残したことはないという気持ちです」

――嶋田戦はタフファイトになり、住村選手は試合後に「しょうもない試合」と仰っていました。ただ周囲の評価は上々でした。

「自分の中で、出し切れたという気持ちはありました。メンタル的にも吹っ切れていましたし。木下戦と鈴木戦——人生で初めて連敗したような状況だったので、逆に吹っ切れて試合することができましたね。嶋田選手は若くて勢いのある選手で、そこで競り勝てたことも大きいです。まだまだやれる、というところを見せられたんじゃないかと思います」

――繰り返しますが、決して「しょうもない試合」ではなく両者の気持ちが見える好ファイトでした。

「ありがとうございます。シーソーゲームになりましたよね」

――組みによるシーソーゲームが評価されづらいのが国内MMAの現状です。判定でもテイクダウン&コントロールより、ダメージを与えていなくても細かい打撃がより評価される傾向にあって。

「今、そっちのほうが評価されちゃいますよね。でも、僕が打撃主体の試合をすることはないです。今は自分のことを組みの選手だと思っているので。試合で打ち合いになったとしても、組めるタイミングがあれば組みに行きますよ。どんな判定基準であろうと」

――グラウンドでコントロールする場合は、相手の打撃をもらわず完全に制圧しないと判定で優位に立てないかもしれません。住村選手にとっては、今後も若手選手とのタフファイトが連続することになります。

「そういう試合が続きますよねぇ。若い選手は元気やから。もう海から上がったばかりの魚みたいにピョンピョンと撥ねて(笑)」

――アハハハ。それは元気すぎますね。

「自分も若い頃は、そうでした。元気で、『誰にも負けない。上の選手を食ってやろう』という気持ちでした。それも立場が変わって、これから若くて勢いのある選手が僕のことを食ってやろうという試合が続くと思います。前回の嶋田戦もそうでしたし。そんな若い選手を制圧できるぐらいのテイクダウンと、コントロール力を身につけないと勝てないですよね」

――パンクラスに参戦するうえで、ベルトを目指していくということでした。どれくらいの期間と試合を経て、ベルトに挑みたいと考えていますか。

「次の試合に勝って、すぐタイトルマッチをやらせてくれるなら嬉しいです。もちろん、そんな美味い話はないと思うので、もう1試合やれと言われたらやります。そこはパンクラスさんに任せますね。先日、新しいチャンピオンも決まって、そのベルトを狙って目の前の試合を勝っていくしかないです」

――草MAX選手は現在パンクラスのランカーではないので、この試合結果がランキングに影響を及ぼすかどうかは分かりません。住村選手としては初戦でランカーと対戦したかったのではないですか。

「いえ、まずは試合を組んでくれたことに感謝しています。それと草MAX選手はHEATの元チャンピオンで、キャリアもある。パンクラス初戦として良いカードだと思っています」

<この項、続く>

The post 【Pancrase336】パンクラス東京大会初出場。住村竜市朗─01─「王座を狙って目の前の試合を勝っていく」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
Column DEEP DEEP112 MMA MMAPLANET o   しなしさとこ 五明宏人 伊藤裕樹 住村竜市朗 修斗 力也 北岡悟 古林礼名 宇田悠斗 山本有人 嶋田伊吹 本田良介 渡部修斗 神田コウヤ 福田龍彌 鈴木慎吾 鈴木槙吾 阿部大治 高野優樹

【DEEP112】試合結果 フライ級GPは本田&福田が生き残り、鈴木と神田が新王者に。北岡が一本勝ち

【写真】激闘、熱闘続きだったDEEP112(C)MMAPLANET

11日(土)、東京都文京区の後楽園ホールでDEEP 112 Impactが開催された。今年最初のDEEPは本戦9試合のコンパクト興行ながら、3回戦が7試合でタイトル戦が2試合、トーナメント準決勝3試合と強度の高さが凝縮されたイベントとなった。

フライ級GP2試合は打撃戦とスクランブルで激闘となり本田良介と福田龍彌が生き残り、5月の決勝戦へ。2階級のタイトル戦は鈴木慎吾がウェルター級王者、神田コウヤが暫定フェザー級チャンピオンに輝いている。

北岡悟は3Rのねちっこいドミネイトの果てに、ノースサウスチョークで高野優樹を下し4年2カ月振りの白星を手にした。その北岡、手を挙げらえても笑顔はなく勝利者インタビューも拒否。大会終了後の囲み会見に出席することなく、会場を後にしている。

また住村竜市朗と、しなしさとこ──の元チャンピオン2人も再起の勝利を挙げている。

DEEP112 Impact
<フライ級GP準決勝/5分3R>
○本田良介(日本)3R
判定
詳細はコチラ
×伊藤裕樹(日本)

<フライ級GP準決勝/5分3R>
○福田龍彌(日本)3R
判定
詳細はコチラ
×宇田悠斗(日本)
<DEEPウェルター級選手権試合/5分3R>
○鈴木槙吾(日本)2R2分05秒
ギロチン
詳細はコチラ
×阿部大治(日本)
<DEEP暫定フェザー級王座決定戦/5分3R>
○神田コウヤ(日本)3R
判定
詳細はコチラ
×五明宏人(日本)
<ライト級/5分3R>
○北岡悟(日本)
3R3分27秒 by
ノースサウス・チョーク
詳細はコチラ
×高野優樹(日本)
<ウェルター級/5分3R>
○住村竜市朗(日本)3R
判定
詳細はコチラ
×嶋田伊吹(日本)
<女子ミクロ級/5分2R>
○しなしさとこ(日本)2R
判定
詳細はコチラ
×古林礼名(日本)
<バンタム級/5分3R>
○力也(日本)1R0分27秒
TKO
詳細はコチラ
×渡部修斗(日本)
<バンタム級/5分2R>
○KENTA(日本)2R
判定
×山本有人(日本)
<フライ級/5分2R>
○秋元強真(日本)1R3分16秒
KO
×高柳京之介(日本)


The post 【DEEP112】試合結果 フライ級GPは本田&福田が生き残り、鈴木と神田が新王者に。北岡が一本勝ち first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
DEEP DEEP112 DEEPフライ級GP o ONE   しなしさとこ パンクラス 五明宏人 伊藤裕樹 住村竜市朗 修斗 力也 北岡悟 古林礼名 宇田悠斗 山本有人 嶋田伊吹 本田良介 渡部修斗 神田コウヤ 福田龍彌 鈴木槙吾 阿部大治 高野優樹

『DEEP 112 IMPACT』試合結果


▼第9試合 宗明建設 Presents DEEPフライ級GP準決勝 5分3R
×伊藤裕樹(ネックスイチムエ)57.05kg
[判定0-5] ※28-29×5
〇本田良介(フリー)57.05kg
※本田が決勝進出

▼第8試合 宗明建設 Presents DEEPフライ級GP準決勝 5分3R
〇福田龍彌(MIBURO)57.15kg
[判定5-0] ※30-27×2, 29-28×3
×宇田悠斗(総合格闘技道場HOPE)56.80kg
※福田が決勝進出

▼第7試合 DEEPウェルター級タイトルマッチ 5分3R
×阿部大治(フリー)王者 77.00kg
[2R 2分05秒 ギロチンチョーク]
〇鈴木槙吾(Mil gracias)挑戦者 76.95kg
※鈴木がウェルター級新王者に

▼第6試合 DEEPフェザー級暫定王者決定戦 5分3R
〇神田コウヤ(パラエストラ柏)65.70kg
[判定5-0] ※30-27×4, 30-26
×五明宏人(トラフォース赤坂)65.70kg
※神田がフェザー級暫定王者に

▼第5試合 DEEP ライト級 5分3R
〇北岡 悟(パンクラスイズム横浜)70.70kg
[3R 3分47秒 ノースサウスチョーク]
×高野優樹(フリー)69.50kg

▼第4試合 DEEPウェルター級 5分3R
〇住村竜市朗(TEAM ONE)77.55kg
[判定2-1] ※29-28×2, 28-28マスト嶋田
×嶋田伊吹(FIGHT HOLIC)77.40kg

▼第3試合 DEEP女子ミクロ級 5分2R
〇しなしさとこ(フリー)43.40kg
[判定3-0] ※20-18×2, 19-19マストしなし
×古林礼名(GSB 多治見)43.75kg

▼第2試合 DEEPバンタム級 5分3R
×渡部修斗(FIGHT LYNX)61.60kg
[1R 0分27秒 TKO] ※右フック→パウンド
〇力也(KING OF LIBLTY)61.50kg

▼第1試合 DEEPバンタム級 5分2R
×山本有人(リバーサルジム東京スタンドアウト)61.60kg
[判定1-2] ※18-20, 19-19マスト山本, 19-19マストKENTA
〇KENTA(K-Clann)61.60kg

【オープニングファイト】※開場中に実施
▼DEEPフライ級 5分2R
×高柳京之介(k-clann)57.05kg
[1R 3分16秒 TKO]
〇秋元強真(パラエストラ柏)57.20kg

 2月11日に後楽園ホールで開催された『DEEP 112 IMPACT』の試合結果。フライ級グランプリ準決勝は本田良介と福田龍彌が判定勝ちし決勝進出。ウェルター級タイトルマッチは鈴木槙吾が阿部大治に2Rギロチンチョークで勝利し新チャンピオンに。フェザー級暫定王者決定戦は神田コウヤが五明宏人に判定勝ちし暫定チャンピオンに。北岡悟が高野優樹に3Rノースサウスチョークで勝利し4年2ヶ月ぶりに勝利しています。続きを読む・・・
カテゴリー
DEEP DEEP112 MMA MMAPLANET o 住村竜市朗 嶋田伊吹

【DEEP112】住村が嶋田のRNCを凌ぎ、テイクダウン&グラウンドコントロールでスプリット判定を勝ち取る

【写真】 このテイクダウンからも「どうしても勝ちたかった」という住村の気持ちは伝わってくる(C)MMAPLANET

<ウェルター級/5分3R>
住村竜市朗(日本)
Def.2-1:29-28.29-28.28-28
嶋田伊吹(日本)
※28-28のマスト判定は嶋田

嶋田が前に出て左ミドルを見せる。住村は組みつくが、ここで島田の左ヒザが住村の下腹部に入り、試合が中断される。再開後、島田が前蹴りから、中に入ってくる住村に左ヒザを合わせた。パンチで打ち合う両者、住村の左フックと右ストレートが嶋田の顔面を捉える。そして前に出て来た嶋田から、ダブルレッグでテイクダウンを奪った。

下になった嶋田は三角へ。頭を抜いた住村はパスしてサイドに移行する。左腕を枕に抑え込む住村は、マウントを狙ったが嶋田がブリッジで防いだ。ハーフガードになった嶋田をパンチで削りながら、住村が再びパスに成功した。ところが住村がニーオンザベリーからマウントを奪おうとしたろころで、嶋田がブリッジで返し、そのままバックに回る。RNCを狙う嶋田、住村はこれを凌ぐも、嶋田はバックをキープしながら再びRNCを狙っていく。

住村は反転して体勢を入れ替え、ハーフガードの島田に対し左足を差し込んでニーオンザベリーへ。嶋田はすぐにハーフガードに戻す。それでもパスした住村が、バックに回って四の字で固める。残り10秒で左腕を嶋田の首に回すが、RNCは諦めてパンチで削っていった。

2R、嶋田の左ミドルの打ち終わりに、住村が右ストレートを当てる。直後、嶋田が距離を詰めたところでバッティングが発生し、住村の額から流血が見られる。中断後、試合が再開されると両者は打ち合いへ。住村が左右フックを見せてからニータップで組みつき、ケージ際へドライブしてから、四つで組み小外掛けでテイクダウンを奪った。

嶋田はハーフガードへ。右腕を枕に抑え込む住村は、左腕がケージ際にあるため、右腕を外して鉄槌とヒジを落とす。疲労が見られる嶋田のバックを奪った住村は、立ち上がった嶋田をリフトアップしてグラウンドに持ち込む。下になった嶋田はフルガードで守る。頭をつけてパウンドで削る住村、嶋田はべったりと背中をマットに着けている。再び亀になった嶋田のバックに回り、スタンドに戻ってもパンチで削りながらバックをキープする。ラウンド終了直前、嶋田が体勢を入れ替えて右を打ち込んだ。

最終回、嶋田が蹴りを散らしながら距離を詰める。住村の蹴りの打ち終わりに右ストレートを合わせた。住村はダブルレッグで組みつき、四つに切り替えてから小外掛けでグラウンドに持ち込む。両脇を差し上げてパスを仕掛ける住村に対し、嶋田は左腕で隙間をつくっ離れようとしたが、住村が背中を着かせる。パスを狙い続ける住村。嶋田は防戦一方に。

左腕を枕にプレスをかけていく住村、嶋田は住村の体が起きたところで蹴り上げから立ち上がる。すぐさま組みついた嶋田が、ケージ際で住村に尻もちを着かせる。一度バックを奪い、さらにパウンドを落としながらマウント、そして再びバックに回った嶋田だが、住村がトップを奪い返す。立ち上がった住村、嶋田も続いて立ち上がり、打撃戦で試合を終えた。

ジャッジ1人が28-28をつけたが(どのラウンドが10-8だったのか……)、ジャッジ2人が29-28をつけた住村が判定勝ちを収めた。「しょうもない試合でしたが、どうしても勝ちたかったです」と語っている。


The post 【DEEP112】住村が嶋田のRNCを凌ぎ、テイクダウン&グラウンドコントロールでスプリット判定を勝ち取る first appeared on MMAPLANET.