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【DEEP118】雅駿介と対戦、福田龍彌─01─「達郎との練習で自分の武器を再確認できたなって」

【写真】色気、そして味がある両者の融合 (C)RYUYA FUKUDA

9日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP118にて、同フライ級暫定王者の福田龍彌で雅駿介と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

2021年7月4日、修斗フライ級のベルトを賭けて戦った両者

昨年12月のジアス・エレンガイポフ戦の前から階級変更を示唆していた福田にとって、本格的なバンタム級戦は今回が初となる。

この雅戦が正式発表された2024年1月、福田は沖縄で、かつて敗れた平良達郎との練習に臨んでいた。さらに同じタイミングで、平良と鶴屋怜をマネージメントするイリディウアム社との契約も発表――そんな気になる情報を福田に訊いた。


――次の試合や、沖縄で平良達郎選手と練習したというお話の前に、まずイリディアムと契約したことが驚きでした。

「そうなんですよ。なんか……契約する流れになりました」

――沖縄で平良選手と練習したことは、イリディアムとの関係もあったのでしょうか。

「いえ、それは関係ないです。去年の12月にNAIZA FCで試合をした時にお世話になった方が、松根良太さんに話をしてくださって――僕自身は、そういう話をしていることは知らなかったんですけど(苦笑)。するとイリディアムからも契約OKが出て。だから契約の内容は喋られへんというか、僕も流れをイマイチ分かっていないんですよ。アハハハ」

――なるほど(笑)。ただ、イリディアムと契約したということは、やはり今後は海外の試合を目指すということですか。

「そういうわけでもないですね。海外の試合は、あくまで選択肢の一つで。自分としては『残りの競技生活を悔いなくやり切りたい』って、ずっと考えています。ただ、引退して40歳や50歳になったとき『あの時、海外で試合をしていればなぁ……』と思うことがあるかもしれない。その逆も然りですけど」

――日本でこの選手と対戦しておけば良かったなぁ、と。

「そうです。国内でも海外に関しても、『やりきったな』と思える競技生活にしたいと思っていて」

――そう考えると、敗れはしましたがNAIZA FC出場から繋がった契約ではあるのですね。

「どうなんやろう……。自分の中では『NAIZAの試合は負けて自分自身の価値を落としただけ』と思っていますけどね。仕方ないです。それが僕の今の実力なので」

――もちろんファイターとして、試合の結果と内容に満足はいかないでしょう。一方、海外で試合をしてみないと分からないこともあるわけで。

「あぁ、そうかもしれないですね。カザフスタンで試合するぐらいやから、フットワークが軽い選手やとは思ってもらえたかもしれない(笑)」

――アハハハ。NAIZA FCのお話でいえば、当初はターゲットとしていたユ・スヨンが、グスタン・アマンゲルティに敗れてNAIZA FCバンタム級王座から陥落しました。

「あの試合を視たら、ホンマにNAIZAって魔界やなって感じでしょう。ユ・スヨンってメチャクチャ強いと思いますよ。でも1Rで、いきなり吹っ飛ばされていて」

――福田選手はNAIZA FCで戦ったあと、ダメージは残っていなかったのですか。

「ダメージはありました。試合後も帰国してから、いろんなことがあって……。まず風邪をひいていたじゃないですか(苦笑)。あとはどこか体が痛いとか、ちょっと酔った感じがあるとか、そういう不調の時期は長かったですね」

――ジアス・エレンガイポフのカクテル疑惑はあるとしても、やはりフライ級では減量の影響もあったのではないでしょうか。水抜きを含めた過酷な減量の翌日に試合をすれば、余計にダメージが溜まるのではないかと思います。

「キツイですよ。試合後は飛行機に乗って長時間移動やし、帰国してから風邪を引くし。そんなんが重なって、しばらくダメージというか不調の状態は続きましたね」

――その状態から体を動かすことができるようになったのは、沖縄へ行く直前ですか。

「そうかもしれないですね。一応、体は動かしてはいたけど、ガッツリとした練習はできていなかったので」

――では、その状態で沖縄での練習と試合のオファーが届いた時、「今の状態でやれるかな……」という不安はなかったのでしょうか。

「不安はありましたよ。でも、しょうがないんで。試合は3月やけど、達郎との練習は超ハードでした(笑)。あれは達郎のチーム内で、『練習相手として誰か沖縄に来てもらうなら、誰を呼びたいか』という話になり、僕にお呼びが掛かったんです。僕としても『ぜひ!』という感じで、9日間つきっきりで達郎と練習させてもらいました」

――最初に平良選手と練習していると聞き、次の相手が福田選手に近いタイプなのかと思いました。ただ、海外に福田選手と同じタイプの選手がいるのかどうか。

「アハハハ、俺の試合って独特ですからね。なかなかMMAファイターにはいないタイプじゃないですか」

――ムエタイをベースとしたMMAファイターは多いです。しかし福田選手の場合はムエタイがベースにあっても、いわゆるムエタイMMAではなくて。

「どっちかといえば殴り屋やと思います。相手の嫌なことをしながら、しっかりと効かせる。隙があれば仕留める――ということに特化してMMAをやってきましたから。MMAやとコントロールに重点を置く選手もいるじゃないですか。なるべく試合時間をフルに使って自分が有利に試合を進める=コントロールする、と」

――ユニファイドルールでは、支配率が採点に影響を及ぼしますからね。

「そうそう。でも自分のMMAは、そこに重きを置いていない。そんな自分を練習相手として沖縄に呼んだことが、達郎にとって良かったのかどうかは分からなくて。ただ、達郎も関東が苦手なんじゃないかと」

――……えっ!?

「よくパラエストラ千葉ネットワークでも練習しているじゃないですか。でも――関東が苦手というか、やっぱり沖縄が好きなんやろうと思います。地元が好きで、家族も近くにいる。僕自身も今は京都市内から離れたところで生活をしていて、都会に行くと疲れる時もあったりするんですよ。那覇も都会やけど、やっぱり東京とは違う。それこそ東京に関しては、僕は高校生ぐらいの時に初めて行って『ここで生活するのは無理や』って思いました(苦笑)。

あの街で暮らすことが標準になっている人は、本当に凄いと思います。これは悪い意味ではなく。それって性格の問題みたいなものやから。沖縄では、そんな達郎の人間性にも触れることができて良かったですよ。朝からずっと一緒に練習して、オフの日には二人きりでデートもしましたから」

――デートですか!

「達郎と二人で沖縄そばを食べて、観光地を巡りました(笑)」

――では平良選手との練習の感想を教えてください。

「やっぱり達郎は強いですよ。組みも進化しているし、いろんなことを考えて練習していて。これからも負けてほしくないって思える選手です。まだまだ絶賛成長しているやろうから、どんどん上に行ってほしい」

――対して、ご自身についてはいかがですか。

「もちろん僕も成長しているし、達郎との練習で自分の武器を再確認できたなって思います。やっぱり殴り合いは強いんやな、って」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
3月9日(土)
午後5時45分~YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、U-NEXT、サムライTV

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【DEEP118&DEEP JEWELS44】バンタム級転向の福田龍彌に、雅駿介のムエタイが爆発か! そして、伊澤降臨!!

【写真】福田が階級を変えることで予測できない局面が多く、非常に楽しみな一戦だ(C)MMAPLANET

24日(水)、DEEPより3月9日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP118 Impactの追加カードを発表されている。
Text by Manabu Takashima

既にメガトン王座統一戦=ロッキー・マルチスネス✖酒井リョウ、フェザー級選手権試合=神田コウヤ✖青井人、フェザー級王者イ・ソンハ✖江藤公洋という3つタイトル戦を含む7試合が明らかになっていた同大会に、さらに3つのマッチアップが加わった。

その一つが、福田龍彌がバンタム級に階級を上げて雅駿介と相対するバンタム級3回戦だ。


福田は9カ月をかけて行われたフライ級GPを制し、昨年9月にはRIZINで山本アーセンにTKO勝ちを収めると、12月にはNAIZA FCでフライ級王座に挑戦。結果はジュースパワー全開のジアス・エレンガイポフのテイクダウンの猛威に判定負けを喫した。

それでも「お前なら、ステロイドを打つとUFCでチャンピオンになれるぞ」というカザフスタンのMMA関係者から声を掛けられたという話が伝わってくるほど、強さという面でも中央アジアに足跡を残していた福田。帰国後インタビューでバンタム級転向も示唆していたが、早くも実現することとなった。

対する雅は、2023年は3連勝と右肩上がりの勢いがある。国内ムエタイ三冠王はテイクダウンに圧倒的な強さを見せるようになり、TD&コントロールで3試合連続の判定勝ち──つまりドミネイト力を見せてきた。

とはいっても福田は過去に雅が戦ってきた相手と比較すると、MMAファイターとしての完成度の高さはピカ一だ。テクニシャンながら乱打戦もできる打撃、テイクダウンから寝技に関しても攻防どちらも無難以上にこなす総合力は。GPの各試合を見れば明らかだろう。

気になるフィジカルの差だが、福田の水抜き減量は過酷そのもので、バンタム級の方が無理がないという見方も成り立つ。そんな福田に対してだからこそ、雅の持つ首相撲&ヒジ、ヒザ──そして崩しというムエタイ力が生きるのではないだろうか。ムエタイに頼ることなく、MMAで勝ち続けた1年を経たからこそ、雅のムエタイがMMAで最大限に生きる。そんな時を迎えた──という期待感が確実に持てるのが、今の雅だ。

現在、ユ・スヨンが持つDEEPバンタム級のベルト、国内の情勢を見てもこの一戦の勝者が次期挑戦権を獲得することは間違いないだろう。

この他、17歳の超新星=秋元強真が鹿志村仁之介に挑む一戦と日比野”エビ中”純也✖木下尚祐戦というバンタム級2回戦も決定している。

また3月24日(日)に港区のニューピアホールで行われるDEEP JEWELS44では20日のBlack Combat10で物言いがつく内容ながら須田萌里を破り、Black Combat女子アトム級王座の防衛に成功したパク・シユンが、ついにDEEP JEWELSアトム級王座の防衛戦で伊澤星花の挑戦を受けることが決まっている。

指導者とともにレスリングが強いことで、絶対的に伊澤越えに自信をうかがわせるパク・シユンだが、伊澤のテイクダウンと即・極めサブミッションへの防御力はいかほどのものか──ビッグマウスの真価が問われるタイトル戦だ。

同大会では同じ韓国からパク・ジョンウンも参戦し、HIMEと49キロ契約3回戦で戦う。日韓ストライカー対決という見方もできるが、それだけにパク・ジョンウンのグラップリングに対するHIMEの受けの強さと、ストライカーと対した時の打撃の強さが問われる一戦となろう。

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【Special】J-MMA2023─2024、福田龍彌「ユーザー(ジューサー)というものの凄さを改めて知りました」

【写真】負けじ魂が、福田をどこまで成長させるか (C)SHOJIRO KAMEIKE

2023年も残り僅か、2024年という新たな1年を迎えるには当たり、MMAPLANETでは2023年に気になった選手をピックアップ──過行く1年を振り返り、これから始まる1年について話してもらった。
Text by Shojiro Kameike

J-MMA2023-2024、第四弾は12月6日(現地時間)にカザフスタンの首都アスタナで開催されたNAIZA FC55で、ジアス・エレンガイポフに敗れた福田龍彌に話を訊いた。DEEPフライ級GPで優勝し同級暫定王座も獲得、続いてRIZINで山本アーセンを下した2023年最後の試合で喫した敗北について、福田は何を想うのか。

■2023年福田龍彌戦績

2月11日 DEEP112
〇3-0 宇田悠斗(日本)

5月7日 DEEP113
〇3-0 本田良介(日本)

9月24日 RIZIN44
〇3R1分37秒 by TKO 山本アーセン(日本)

12月6日 NAIZA FC55
●0-3 ジアス・エレンガイポフ(カザフスタン)


――カザフスタンでの試合後、風邪をひいていたそうですが、それは帰国後ですか。

「試合の日の夜から前兆はありましたね。とにかく無事に帰国することが一つのミッションやったので、それは達成できました(笑)。今回はまずカザフスタンのアスタナという街まで行くのがメッチャ大変だったんですよ。

まず朝10時ぐらいの飛行機で日本を経ち、2回乗り換えて、現地に着いたのは夜中の2時ぐらいでしたから。それは現地時間なので、日本でいうたら朝5時ぐらいですか」

――大会前にはライブ中継に関して、当初は有料だったメインカードも無料視聴できるようになったなか、ひと悶着あったそうですね。

「もともと『オンラインで中継する』とは聞いていて。僕の周りでも視たいと言ってくれている人たちも多かったから、現地で視聴方法を確認したんですよ。でもNAIZA FCのYouTubeチャンネルは日本で登録しているクレジットカードでは決済できない、と。そうなると日本では誰も視られへんから、マネージャーさんがプロモーターと交渉してくれて、メインカードも無料で視られるようになったという流れです。

僕は『みんなに視てほしいから試合をしている』というわけではないんです。でも応援してくれている人には試合を視てもらいたくて。そういう意味では、無料中継を勝ち取ったのが今回唯一の功績じゃないですか(笑)」

――唯一……(苦笑)。現地に着いてからコンディション調整はいかがでしたか。

「それがまたホテルも凄くて。半身浴をしようと思ってバスタブにお湯を溜めたら、なぜか僕の部屋はどこからか漏水して、居住空間のカーペットまで水浸しになるという。ただ、部屋はずっと暖房がガンガン効いていて乾燥しているんですよ。だから部屋のカーペットがビチャビチャになったのが、ちょうど良いぐらいで」

――アハハハ。しかし、その状態だと現地での減量はうまく行うことができたのでしょうか。

「日本で体重を落とすよりもシンドイ状況でした。ホテルのサウナも使えるけど、日本のサウナとは違う感じで――結局、必死でエアロバイクをこいで落としましたね」

――試合結果はフルランドを戦い、判定負けを喫しました。まず率直な感想から聞かせてください。

「う~ん、なんか現実を感じてしまいましたね。まず1R、相手の馬力にビックリしたんですよ。今まで感じたことのない馬力で。テイクダウンに入られた時、原チャリで突撃されたんかと思いました。でも『こんなに強いヤツがおるんか』と僕のテンションは上がって」

――テイクダウンを奪われたあと、立ち上がらずボトムから三角絞めを狙いました。あの展開は、スクランブルでスタミナを消耗しないようにという作戦だったのですか。

「あの時は相手をバテさそうと思っていました。ジアスにとっては『行けそうで行けへん』という状態にして、スタミナだけ使わせてやろうと。現に1Rが終わったら口を開けて、メッチャ肩で息をしながらコーナーに帰っていくから『あぁ、良かった』と思ったんですよね。5Rあるし、次のラウンドでスタミナを使い切らせて3~5Rで倒そうと考えました。でも1分のインターバルで全回復してきよるんです」

――えっ!?

「2Rに入っても全く出力が落ちなくて。だから3Rには相手のことが機械のように感じられましたよ。壁に押し込まれている時のプレッシャーも落ちない。今までの試合を視てもらったら分かると思うけど、僕もスタミナが切れるほうじゃないから。でもそれを凌駕するものを感じたというか――ユーザーというものの凄さを改めて知りました。負けた自分が、そんなことを口にするのも情けないけど」

――ユーザー、ですか。

「たとえば僕たちは5キロを走ることを考えて、ペース配分をするんですよ。でもジアスは100メートル走のペースで1キロ走っている。ペース配分して走っている僕に追いつく前に全回復して、また1キロ全力疾走していく。ジアスの力の使い方が、30秒一発勝負のシチュエーションスパーみたいなペースで。その力で25分間、攻めてくるんですから」

――福田選手がケージに押し込まれた際、しっかり腕を差し上げてバランスを取っていたにも関わらずテイクダウンされたことには驚きました。

「さらにジアスは巧さも持っているから大変なんですよ。技術的な面でも、レスリング力には差があったとは思います。でも抑え込まれても立つことはできたし、『今の自分がやっていることは通用するんやな』とは感じました。

ジアス戦では僕のほうが戦い方を変えていたら、もっと他のこともできたかもしれないです。ただ、それでは自分のほうが3~5Rもたへん。対してジアスは5Rまで同じペースで戦える。そういう状態で、どうやったら勝てたのか。一発カウンターを合わせるしかないけど、こちらの打撃にテイクダウンを合わせてくる巧さは持っていて。さらにインターバル中に全回復してくるから、徐々に崩して削っていくこともできませんでした」

――するとジアス戦に関しては悔しさというより、ユーザーに対して……。

「いや、メッチャ悔しいですよ。何年振りやろう? 平良達郎戦でも神龍誠戦でも、こんなに悔しくはなかったです。今回は言葉にするのが難しいぐらい悔しくて。試合はひたすら投げられて、立つけど投げられての繰り返しやったから、もう二度とそんな情けない姿は見せたくない。

僕はデビュー当初、負ける場合は漬けられることが多かったんですよ。それが悔しくて、どうやって漬けられんようになるかって考えながら、12年間やってきました。だからテイクダウンディフェンスには自信を持っていたし、倒されても立ち上がることに関しては血眼になって取り組んでいきた自信がある。実際に試合でも結果を出してきたと思います。

でも今回は自分がやってきたことを突破され、完膚なきまでに叩きのめされた。それがホンマに悔しいんです。今も毎晩のように思い出して、悔しくてジッとしてられへんぐらい――自分に対して悔しい」

――……。

「そういう意味では、今のモチベーションは過去イチ高いです。もっともっと強くなる。そのためにも、今後の取り組みも含めて考え直していきますよ。来年にはもう32歳で、きっと40歳まで現役を続けることはないと思います。だからこそ、こういう悔しい経験は今回で最後にしたい。自分の中では答えが出ているので、いろいろ修正しながら2024年はまた暴れようかなと思っています」

――2024年はどのような1年にしたいですか。

「早ければ2月には試合したいですね。個人的にはバンタム級でやりたいとは思っています。このままフライ級にこだわっていても――たとえばRIZINやと扇久保博正さんとは戦ってみたいです。でも扇久保戦に行くまで、あと何試合やらないかんのやろうと考えると……今すぐオファーが来たら戦いますけど(笑)。DEEPフライ級では、神龍君が統一戦をやってくれるなら試合したいです。それがDEEPフライ級で唯一やり残したことやから。

どうせ福田が勝つやろ、と思われるようなマッチメイクやと面白くない。僕自身も燃えへん。それやったらフライ級より、バンタム級のほうが新鮮で燃えるカードが組まれるんじゃないかと思っています」


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MMA MMAPLANET NAIZA FC55 o ジアス・エレンガイポフ 福田龍彌

【NAIZA FC55】エレンガイポフ、TD&組みとパンチの融合で福田に圧勝。水車落とし&ジャーマンまで決める

<NAIZA FCフライ級選手権試合/5分5R>
ジアス・エレンガイポフ(カザフスタン)
Def.3-0:50-45.50-45.50-45
福田龍彌(日本)

ワセリンを塗られている時も笑顔でカメラ目線の福田、しっかりとファイトを楽しめる精神状態にあるようだ。ジアス・チャントの館内で、福田がジャブを伸ばしボディを打つ。エレンガイポフは左を振るってダブルレッグへ。福田をケージに押し込み、肩に担いでスラムを決める。ハーフから足を戻し、一瞬ハイガードを取った福田はパンチのエレンガイポフを三角に捉える。しっかりと入ったように見えた三角絞めを担いでパスをしたエレンガイポフが、サイドで抑える。

下手にスクランブルに行くよりも、サイドで抑えられる方が良いと思われる福田は、骨盤にヒザを受けるが、左腕を差して足を戻しハーフに。福田はケージ際に移動し、頭を起こしたエレンガイポフが左エルボーを打っていく。ケージを背負って立ち上がった福田に対し、エレンガイポフは体を沈めてダブルからバック。さらにスナップバックでいなして、サイドで抑える。ニーインベリーでパンチ、エルボーのエレンガイポフが立ち上がろうとする福田をバックコントロールに捕え強烈な左を打って時間となった。

2R、やや遠目の距離に立つエレンガイポフが左を当てる。福田は左ロー、そこから左へ。見たエレンガイポフのロングをかわした福田が、ジャブを連続で打ち込む。エレンガイポフは左オーバーハンドを入れ、左右に動きつつ右ハイへ。ブロックした福田は左にダブルレッグを合わされる。倒された福田はクローズドガードに取り、下からエルボーを打っていく。巧みに腰を押し、左足を抜いたエレンガイポフは足を戻されると左エルボー。オープン、腰を蹴る福田に対し、エレンガイポフが大きな踏込みからパウンド──その勢いでパスを決めた。

ここも骨盤にヒザを入れるエレンガイポフは右ヒジを落とし、マウントへ。即座に反応した福田はハーフに取る。構わずヒザのパンチを入れるエレンガイポフが、上体を起こしてエルボーを打ちつける。福田は背中をつけたまま2Rも落とした。

3R、やや近めの距離から離れたエレンガイポフが左。福田も右を被せていく。エレンガイポフは左オーバーハンド、さらに右を当てる。前に出る福田が右ボディ、ジャブを伸ばす。エレンガイポフは左をヒットさせると、距離を取り直して再び左を振りながら組んでいく。ここはケージを背負って耐えた福田は、切って流れを掴みたいところだ。

左を差しレベルチェンジからダブルレッグでバックに回ったエレンガイポフは、正対した福田をボディロロックで抱え上げてスラムを決める。直ぐに立った福田が懸命にクラッチを剥がして正対しようとするが、小外で尻もちをつかされる。ケージを背負う福田の左足を取って立たせない王者は、ボディにヒザを入れる。小技もきかせるエレンガイポフは、立ち上がった福田を担いで何と後方にフリップ。そのまま後方回転して上を取ったエレンガイポフが、この回も取った。

4R、ジャブの相打ちからボディを伸ばす福田。続いて左を顔面に入れる。さらに右ロングアッパーの福田だが、エレンガイポフもパンチを返すと左フックにダブルレッグを決める。福田はケージを背負って立ち上がり肩パンチ、ヒザをボディに入れる。直後に離れたエレンガイポフに左を伸ばした福田が、ダブルを切る。距離を詰めて左、ジャブを打った福田がケージにエレンガイポフを追い込む。ここでエレンガイポフはシングルレッグからバックに回り、スナップバックでテイクダウンを奪う。サイドで抑えられた福田に肩固めの圧を掛けるエレンガイポフ。福田は鉄槌、エルボーを受けてマウントを取られる。懸命に暴れる福田は直後に時間のホーンを聞いた。

最終回、福田がジャブを伸ばし、右アッパーを狙う。ワンツーで前に出た福田が左を伸ばす。しかし、右フックに組んだエレンガイポフがボディロックで福田を抱え、櫓投げようにテイクダウンを決める。福田の右足を腿の上に乗せて立たせなかったエレンガイポフがバックへ。正面を向いたところで、ボディロック&パンチのエレンガイポフが盤石の試合運びを見せる。

立ち上がって離れた両者、シングルを切り切れない福田が担がれ尻もちをつかされる。続いて後ろに回ったエレンガイポフがヒザを腿に入れ、正対した福田に思い切り肩を押し込みシングルからバックへ。残り30秒、エレンガイポフは自ら祝砲を挙げるように後方に豪快なバックスープレックスを決め、25分の戦いを締めた。

結果は当然のようにフルマークでエレンガイポフに凱歌が挙がり、日本のトップと中央アジアのトップの間には組み技と打の融合という部分で差があることが明白となった。そして「完全に実力不足です。ジアス選手、強かった。ちょっとちゃんと自分の実力不足に向き合って。強くなって戻って来たいと思います」と話した福田にカザフスタンのファンは拍手を送った。


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