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【Special】河名マスト「強くなる……試合の準備をしておくだけ」&中村倫也「治癒を待つ」─03─

【写真】取材をした時──1カ月以上前の右拳と、今の拳の状態は相当に違っています (C)MMAPLANET

2月16日のGLADIATOR CHALLENGER SERIES01でパン・ジェヒョクを破ってGLADIATORフェザー級のベルトを巻いた河名マストと、同17日(土・現地時間)のUFC298でオクタゴン2戦目=カルロス・ヴェラを下した中村倫也の対談、最終回。
Text by Manabu Takashima

お蔵入り厳禁。カルロス・ヴェラ戦で思うように戦えない時、中村倫也は何を思っていたのか。そして右拳の骨折からの復帰と、河名マストの今後とは? ファイターの凄まじさを改めて思い知ることとなった言葉が続いた。

<中村倫也&河名マスト対談Part.02はコチラから>


──確かにギロチンのセットアップをじっくりするのもヴェラの特徴でした。

中村 自分がレスラーなので、テイクダウンを誘っておいてギロチンを仕掛けてくる。足関よりも、そっちを気にしていました。

──それにしてもディープハーフへの対応など、しっかりとできていました。倫也選手は自分が使わない技も動画などを見て研究するのでしょうか。

中村 そうですね、試合映像もチェックしますし。足を抜く時にカーフスライサーを取られないようにするとか。外掛けの対処は頭にありました。でもヴェラも要所で、足を金網に引っかけていて細かい反則をしているんですよ。アレには腹が立っていました(笑)。

──ところで今もギブスが見られますが、拳のケガをしたのはどのタイミングだったのでしょうか。

中村 3Rの初っ端ですね。なので、パウンドに関するとそれまではケガは関係ないです。当たらなかった時に、どういうリアクションがあるのかとか考えていました。そうですね、今回のパウンドのイメージは……パウンドは上体を剥がさないと打てないので、相手を放す。

──そうすると、スクランブルに持ち込まれないですか。

中村 ハイ。放す……離れるのですが、相手と自分の距離がS極とN極が反響しあっているぐらいのイメージで。引っ付いていると殴れないけど、反響しあっているぐらいの距離でないと立たれるので。殴られた相手が嫌がって動いてできるスペースは、自分のモノ。そのイメージをずっと刷り込んでいました。刷り込んでいたんですけど……。

河名 フフフフフ。

──マスト選手が笑っていますが。思ったようにいかなかった、と。

中村 原因の一つはカフェインの摂り過ぎもあると疑っています。

──えっ?

中村 とにかく頭に血が上りやすかったです。フワッと1テンションを上げようとすると、3、4、5と上がってしまうような感覚がありました。加えて、アリーナにあるエネルギーが影響してしまって自分の感情をコントロールすることが難しかったです。

──少しワイルドになっていました。試合中は上手くいかないことで、粗くなっていたのかと思っていたのですが……カフェインですか。

中村 上手くいかなかったから雑になったというのもあります。でも、テンションが上がってしまっていた方がずっと大きな原因ですね。その状態でブーイングが聞こえるようになってきて……。

河名 (笑)。

中村 「うわぁ。皆、お金を払って観に来てくれているのに。時間を無駄にしちゃっている。皆の時間を無駄にしている。俺は悪者だ」みたいな意識が、表面に出てきてしまって。

──そんなに皆のことを考えてくれるなら、MMAファイターでなく政治家になって欲しいです(笑)。驚きました。そこでファンのことを考えているなんて。

中村 そうなると「どうにかしなきゃ」みたいになって。その結果、行ったらダメなのに頭から行ってしまったり……そんな瞬間もありました。でも、やっぱり観に来てくれた人のことは想ってしまいますよ。

──マスト選手は?

河名 想わないです。

中村 いや、それはない。絶対に食らうから(笑)。

──いや、マスト選手は森戸新士選手とグラップリングの試合をした時に、「5分2R、空調の音が聞こえるような試合をする」と宣言していますから。

河名 そうです。お客さんの時間を無駄にしているとか、それは考えないです。

中村 それが考えちゃうんだって(笑)。「この時間をどうにかしないと」ってなっていると、拳が折れた。もう「もっとつまらない試合になること確定!! 皆、本当にゴメン」みたいになりました。「確定だけど、俺、勝たないといけないから。もっとつまらない選択をし続けないといけない」という自分を受け入れることが、本当にしんどくて……。

──久しぶりに使わせて頂きますが、「モノが違います」ね。中村倫也は──。

中村 そんな風になっていると、三角がきて。「おい、おい、おい。こんなこと、考えている場合じゃない」って(笑)。

──「ファンのために」という発言はいくらでも聞かれますが、プロモーターへの配慮でなくお客さんのことをそこまで考える選手が果たして存在しているのか。逆に中村倫也が理解不能です。

河名 そのギリギリのところで、皆のことを考えられる……今回はアクシデントもあったけど、それができる倫也だから皆が応援したくなる。そこはあります。求めているモノが高いから。

──自分が指導者なら、ファンなんて芋だと思ってとか言ってしまうはずです。いやぁ、理想が高いです。高過ぎる。

中村 本来は戦う理由は自分にあるべきです。今回は外に、自分の心が動かされ過ぎました。会場がAPEXだと、ああいう風になっていないのと思うので。ちょっと勉強になりました。髙谷さんは『岡見(勇信)はあのブーイングが続いても、シカトできるんだからスゲェよなぁ』と言っていました。でも、それで乱れないのは凄い。考えさせられましたね、髙谷さんは笑っていましてけど。

──アハハハ。でも、それだけ自分に集中できる岡見選手の凄さの一端ですね。ともあれ2人揃って勝利しましたが、倫也選手はしばらく休まないといけないですね。

中村 ハイ。経過は良いのですが、折れた面が揃わないとダメで。中指を引っ張って、面を合わせているんです。

完全に拳が折れていた状態で、勝ち名乗りを受ける。左腕で良かった(C)Zuffa/UFC

──折れた瞬間の感覚は?

中村 バキっと折れて、拳を握ろうとすると凹ッと拳頭と甲の間にもう一つ関節ができたのかって思うぐらい膨らんでいて。「あぁ、これか!」と。そしたら折れたところから血が流れてきたのか、生温かくてヌルとってしてきて。そうしたら、感覚が無くなりました。ただ痛いとかではなくて、「これは折れているな」と。

──ダウンしても自分の形まで持って行けばと挽回したり、拳がそんな風になってもファンのことまで気に掛けてしまうとか。凄まじいです。

河名 いえ、そんな凄いことでは(苦笑)。

中村 傷もこのまま我慢して、ひっつけばまた離れることは0パーセントになると言われていますし。それまで本当にちょっとした衝撃も与えてはダメなので、何もできない状況ですけど。

──一人遊びもできない?(笑)

中村 ダメですね(笑)。

河名 いや……そこはサウスポーなので、大丈夫なはずです(笑)。

中村 ハハハハハハ。ハイ、そうですね。厳密にいえば利き手ではないので、大丈夫です。

──中学の時に小指を脱臼して、薬指と束ねて固定されていたのでOKマークみたいな形で中指、人差し指、親指でやっているヤツもいました。

中村 それ、高島さん自身じゃないですか(笑)。

──アハハハハ、妙にディティールがハッキリしていましたか(笑)。ただ、利き腕でないとしても本当に不便ですよね。

中村 この状態で、腕を振るだけでもポキッとずれるかもしれないです。だからコップの水をこぼさないで歩くぐらいのイメージで生活をしています。今は全然体は動かせないです。でも、焦りもない。これまでの自分なら焦っていただろうけど、今はできることをやろうと。瞑想や呼吸トレーニング、ゆっくりと四股を踏んだり──ですね。

──でもボルトを入れたりしないということですね。

中村 ハイ、自然治癒にしました。だから、『そんことできるのか』って拳をやったことがある選手たちから、注目されています(笑)。

河名 この治癒の仕方はどうなるのか。画期的なんじゃないかと思います。

中村 だから、次は……今年の9月か10月にはできる……できると思っています。「今年は厳しい」という人もいますが、しっかりと揃っているので骨ができれば──。1カ月間固定し、1カ月間リハビリをする。そこから練習を徐々に始めると、4カ月ぐらいすれば試合はできる。それまでは本当に慎重に生活をします。

──とはいえ倫也選手は9月、10月の話ができる状況にあります。一方で、マスト選手の方は……。

河名 見えない未来です(笑)。

中村 Road to UFCがあれば、5月に試合だよね。一発目が。

──いつ頃に出場の有無は分かるのでしょうか。

河名 全く分からないです。4月には決まるとはなっているようなのですが。

中村 そうなるとタイトですね。

河名 引っ掛かれば、試合期間とかもう全てを受け入れるので──それで、良しです。引っ掛からなければGLADIATORからLFAのルートができたので(※LFAフェザー級王者で、2022年8月に敗れた)アライジャ・ジョンズの首を獲りに行こうかと思います。

中村 そうなったとしたら、アライジャ・ジョンズは2年間でこんなに変わるのかっていうことを味わうと思いますよ。

──基準がハッキリしていないですし、本当にUFCは大変です。そのような状態だから、言ってみれば「Road to UFCに出られるよ」詐欺も横行していますし、『話してみるよ』レベルの話に皆がすがってしまうような感じで。

これからの──これからも専大レスリング部同期コンビに期待大

中村 それ、聞きます!!

河名 でも待つだけです。ここは本当に自分のコントロールできる部分ではないので。強くなる……試合の準備をしておくだけです。

──人事を尽くして天命を待つ、マスト選手。そして……。

中村 治癒を待つ、自分です(笑)。

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【Special】河名マスト&中村倫也、2/16 GCS01&2/17 UFC298を振り返る─02─「7の集中力」(マスト)

【写真】取材はまだ冬の装いが必要な下北で行われたものです (C)MMAPLANET

2月16日のGLADIATOR CHALLENGER SERIES01でパン・ジェヒョクを破ってGLADIATORフェザー級のベルトを巻いた河名マストと、同17日(土・現地時間)のUFC298でオクタゴン2戦目=カルロス・ヴェラを下した中村倫也の対談、第2弾。
Text by Manabu Takashima

お蔵入り厳禁。技術と精神の交差点──That’s MMAというファイトを自ら、そして盟友の考察を踏まえて振り返りたい。

<中村倫也&河名マスト対談Part.01はコチラから>


──河名ポジション(笑)。和製マッド・リンドランドかランディ・クートゥアーか。いずれにせよ、グレコローマンレスラーの強味が出るポジションですね。

河名 そこがオアシスなんです。

中村 オアシス(笑)。MMAは砂漠の中でいかにオアシスを見つけることができるのか。自分にとって良い場所を如何に創るのかという勝負ですからね(笑)。

──初回はピンチを脱し、自分のペースに持って来ることもできました。ただ、そこからどうなるかは分からない。2Rはどのように戦おうと思っていましたか。

河名 初回は取られたとは思いました。でも、前の試合では創ることができなかった自分の形……オアシスに辿り着けたので、自分としては行けるという気持ちでした。ポジティブな気持ちで臨めました。

中村 まだ10分あるなかで貰う怖さと比較すると、あの短時間でフィニッシュが近いというところまで創り直すことができたことによるパン・ジェヒョクへのプレッシャーの方が上回ったんじゃないかと。僕も「良しッ!!」となりました。

──結果的に2R以降、パン・ジェヒョクの質量が下がりました。

河名 これは僕の想像ですけど、フィニッシュできる選手ではないので初回にフィニッシュができそうだったのに反撃された。そこに不安を感じてしまうようになったんだと思います。彼がフィニッシュをしてきた選手なら、その感覚があるのであんな風になっていなかったんじゃないかと。彼の戦略にもKOがなかった。でも、初回に倒せるかもというシーンが訪れたことでパン・ジェヒョクが自分のペースを乱したんじゃないかと。

──なるほぉ。本当に勝負の綾とはどこにあるのか、分からないものですね。そして2Rは河名選手が圧倒しました。

河名 クリンチの攻防が続かず、ボディロックテイクダウンで倒せたことが大きかったです。前回の試合ではケージを上手く使われたので八隅さんからも「頭を中に入れて、ケージから離れろ」と言われてきた組手がハマりました。ちゃんとフォールが取れる、背中をつけさせて殴る。動いてきたら自分も動いて、常に安全な場所にいるということが徹底できました。

──3Rはボディロック以前に、ダブルレッグでクリーンテイクダウンを奪うことができました。

中村 僕は3Rばかりか、2Rの中盤でもう勝利を確信できました。

──そうなのですね!! さすがの信頼感です。私は勝つならテイクダウン後、フィニッシュとか狙われなくて抑え込み続けろ──と思っていました(笑)。スタンドに戻されるな、と。

河名 入りの時点ではとにかく何としても、もう1回倒す。そういうつもりでテイクダウンに入りました。2Rの攻撃が効いていたので、パン・ジェヒョクは手首を掴むだとか身を守る動きしかしてこなかったです。スクランブルに来る動作がなかったので、そこは安心して戦えました。あとは「時間よ、過ぎろっ!!」と。

中村 アハハハ。僕的にはサイドバックで削って、最後は仕留めたいのかなっていう感じで視ていました。

河名 仕留められるというプランは僕にはなかったのですが、3Rに入る前に八隅さんから「取るなら肩固めかバックチョーク」という指示はありました。パウンドでTKOできるとは思っていなかったです。

──あれだけ殴っていても!!

河名 そこは自分への不安よりも、パン・ジェヒョクの頑丈さへの不安が上回っていた感じです。

──最後はアレクサンドル・カレリンかという俵返しも見られました。

中村 アレはもう印象付けですよね。あれで背中を見せたパン・ジェヒョクは、心が折れてしまっていましたね。

──そんな河名選手の激勝を見終え、水抜きに入ったであろう中村選手。気持ちは上がりましたか。

中村 12月の試合で打撃は大丈夫だという風に覚悟を持てたとはいえ、その怖さを乗り越えて自分を出す……。格闘家の誰もが目指していて、一番難しいことをやってのけましたよね。マストもマイクで言っていたように「自分を信じてやりきることができた」という姿に力を貰えました。

──良い話ですが、中村倫也には「そんなもん気にせず、寝ていてくれ。他人のことを気にする余裕があって良いのか」という気持ちもあります(笑)。

中村 アハハハハハ。それはそうなんです。試合の1カ月前の自分が、試合直前の自分がこうなっていると分かれば怒っていたと思います。でも、あの時の自分って……なんだろう、自分の選択を信じるだけで。そこに不安を感じると、試合にモロにでてしまうんです。

──凄くリアルです。

中村 もう起きている自分を認める。ここで「寝ないといけない」という風に自分の行動にネガティブになると、試合の動きに影響を与えます。もう自分のやることは全肯定しないといけない時間帯ですね。だからセコンドの中村京一郎と2人で大騒ぎして、喜んでいました。

ただ最初にライブ配信を視始めた瞬間、ヘンリー(三上大智)の相手が急所を抑えているところだったんです。解説が「3度目は……」とか言っていて、「えっ、3回目なの? どんな試合」って(笑)。

──ハハハハハ。では改めて河名選手、パン・ジェヒョクに勝ってどのような気持ちでしたか。

河名 素直に安心、ですね。通過点という認識ではいたのですが、そのチェックポイントを通らないと次には向かえないので。ただ、あの晩は眠れなかったです。勝った興奮とかではなくて、本当に疲れて体が強張ってしまって……。まだスタートラインにすら立っていないのに、こんなにしんどいのって(苦笑)。

──難敵でした。個人的に中村選手がデビュー3戦目でアリアンドロ・カエタノと戦ったような。ただUFCばかりかRoad to UFCも出る権利を得ることは非常に大切ですが、しっかりと力をつけておかないと……上手く立ち回っても、ここから上手く生き残れるのですかという想いもあるので、本当に素晴らしい勝利でした。

河名 ありがとうございます。倫也もそうですけど、UFCで戦っている連中ってどんな想いでやっているのかとか色々と勝ってからも考えました。それで1日空けて倫也の試合があって。試合の時には一晩寝て、友人3人と勝利を祈りながら視ていました(笑)。

──ピンチがあったわけではなく、ほぼ一方的に攻めているようで仕留めきれない面倒な相手でした。結果、マスト選手とパン・ジェヒョク戦のようにディティールが覚えきれていないです。

中村 アハハハハ。

──MMAとグラップリングは違います。ただし、グラップリングにパンチがなくてもグラップリングで有効な技は、グラップリングでの対処方法を知っておかないとMMAは戦えない。同時にカルロス・ヴェラの足関節のエントリーは、グラップリングのように絶対にカカトを抱えに行くのではなくて、やはり殴られないようにという頭がある入りだったかと。上も下も思い切ることができない。そんな歯がゆさを勝手ながら感じてしまって。

中村 ハハハハハ。

──でも倫也選手のカカトが浮くと、ハッとなる。

中村 戦っていて……自分のテーマとしては、とにかく上になったらキープして殴り続ける。8月の試合は隙間を埋めて、そこからゲームを創ろうとしたのですが。やっぱりダメージを与えないとフィニッシュに繋がらないので、そこを見直して──。自分は空間ができても重心をコントロールするのはデキる方なので、その隙間から殴ってダメージを蓄積させる。そして隙間を増やして、どんどん殴る。そういうプランでした。でも……う~ん、体の分厚さという面で体力差がありました。

河名 手足が太いわけじゃないのに、胴骨だけ異常に太い(笑)。力が強いんですよね、そういう選手は。

中村 髙谷(裕之)さんも「あの胸毛は力が強いぞ」って、鼻をクンクンして(笑)。

河名 アハハハハハ。匂いで判別する(笑)。

中村 案の定、強かったです。ATTに行った時に思ったのですが、僕らが知らなくても強いヤツはゴロゴロいる。レスリングの世界でもそうですけど……。だからヴェラのような相手は、練習では思い切りパウンドが打てないので極められてしまいます。そういう感じの相手でした。同時にチームの雰囲気として勝って当たり前、次のために1Rから2Rに終わらせるという雰囲気もありました。そんな雰囲気で迎えてしまったのも、良くなかったです。

──それは取材をさせてもらっている我々の方にも、「今回は勝つでしょう」という空気を纏っていることがあるかと思います。

中村 そこも含めて、打撃の展開になるという予想が偏っていたので、終わらせられるチャンスでピッと体が反応するところまで持って行けなかったです。反省して、改善していきたいと思っています。

河名 もっと打撃の交換があると思っていたのですが、あっさりと寝技の展開になりましたね。相手が寝技にそれだけ自信があったのか。こうなると、ちょっと違う集中力……8や9とかの集中力ではなくて、どこで来るか分からない相手の仕掛けをカットし続けないといけない7ぐらいの集中力をずっと保つ必要がある。そういう集中力が必要な試合でした。

(C)Zuffa/UFC

7の集中力を持続する。

それには、そのポジション……組手に集中力を使う必要があって、バンバン殴れるモノではないですし。パウンドを打つために9、10の集中力を使うと、4に落ちる時間ができるので。

中村 結果として、確かにそういうこともあったかもしれないです。やりにくいというのはMMAPLANETのインタビューで、ヴェラのチームメイトであるタン・リーが言っていた通りです(笑)。

ただ本当にボトムから足関節の展開になるとは思っていなかったです。そこに対する準備は相手が代わったことを差し引いてもなかった。

──逆にそれであれだけ対応できたのですね。

中村 そこは体が覚えていました。野瀬(翔平)選手、風間(敏臣)選手と戦う時に練習してきたことが、たまたま生きました。

──テコンドーと50/50柔術の選手なので、足関節も十分にあり得たかと。

中村 それよりもギロチンでくるかと思っていました。

<この項、続く>


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【Gladiator026】スンチョル負傷&ドンフンは……。フライ級王座決定T決勝でNavE×オトゴンバートル

【写真】それぞれの理由で韓国勢が離脱し、モンゴル×日本の決勝となったフライ級王座決定戦 (C)MMAPLANET

26日(火)、GLADIATORより5月5日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR026でフライ級王座決定トーナメント決勝=フライ級王座決定戦が、NavEとオトゴンバートル・ボルドバートルの間で組まれることが発表された。
Text by Manabu Takashima

2月のGLADIATOR CHALLENGER SERIES01でチェ・ドンフンが和田教良を三日月蹴りからパウンドアウト。今月3日のGLADIATOR025でイ・スンチョルがツェルマー・オトゴンバヤルを、オトゴンバートルが久保健太を、NavEが藤沢彰博を下していた。


当初、準決勝2試合はイ・スンチョル×オトゴンバートル、チェ・ドンフン×NavEを組む方向であったがGLADIATORの発表によると、まずイ・スンチョルが大会終了直後に肩を負傷し5月大会出場は無理だという話があったそうだ。

ここで準々決勝出場選手から、もしくは新たにオトゴンバートルと準決勝で戦う選手を選ぶことにしたところで、チェ・ドンフンから「他のプロモーションからオファーがあり、そこで戦ってきたいという申し出があり、快く送り出すことになった」ことがリリースで記されている。

同リリースではチェ・ドンフンが戦うことになるプロモーションに関しては、他団体で正式発表がないことから、イベント名等の明言は避けられている。とはいえ、ここはRoad to UFCであることは間違いないだろう。GLADIATOR025前にイ・スンチョルはRoad to UFCからオファーを受けていたが、自らのフィジカル面を鑑みて――絶対に優勝するために――今年の参戦を見送っていたという話も聞かれていた。

この時点でチェ・ドンフンにリストに入っていないことも関係者の話から明らかだったが、イ・スンチョルとチェ・ドンフンはともにイリディウムのマネージメントを受けているファイターだ。イ・スンチョルの辞退を受け、彼らがチェ・ドンフンにその枠を与えたことは想像に難くない。

いずれにせよ、チェ・ドンフンはGLADIATORから離脱し、イ・スンチョルは負傷が癒えると戻ってくることになる。王座決定トーナメントで旋風を巻き起こしていたといっても過言でく本命=チェ・ドンフン、対抗=イ・スンチョルと見られていただけに両者の欠場は残念だ。

しかし、両者が抜けることで決勝をNavEと戦うこととなったオトゴンバートルは3日の久保戦のパフォーマンスで、一気にチェ・ドンフンの対抗馬と見られるようになっていたファイターだ。

準々決勝ではレスリング出身ながら、ほぼ打撃一辺の試合で久保を下したオトゴンバートル。右ミドル、右ローを蹴っておいて――その右を見せての左ハイの二段蹴りでダウンを奪ったシーンは、彼の非凡さを象徴していたシーンだ。師ジャダンバ・ナラントンガラグの「モンゴルに相手がいない」と言葉も頷けるキャリア2戦の新鋭といえるだろう。

対してNavEは、オトゴンバートルの練習仲間であるニャムジャルガル・トゥメンデムベレルに7秒で敗れ、同王座から陥落した過去があるだけに、このモンゴルの新鋭を相手に落とし前をつけたいことは絶対だろう。そのNavEと戦うことで、オトゴンバートルの未知数の部分か可視化できるという楽しみな王座決定トーナメントとなる。

以下、同リリースに寄せられた王座決定戦出場2選手と、トーナメント離脱となった2選手のコメントだ。

NavE
「次戦は、間接的にモンゴル人へのリベンジマッチと聞き心が燃えました! この燃えている熱い気持ちをグッと抑えて、今回もGLADIATORのケージ、そして強豪モンゴル人とのファイトを全力で楽しみたいと思います! 勝敗はどうでもいいです! 楽しんだ先に素晴らしい景色が待っていると思います! 自分のキャリアも終盤が見えてきていると思うので、この試合が決まった瞬間のワクワク感…計量日までの減量や試合へ向けたトレーニング…そして試合当日の熱いファイト! 試合直前におこるアクシデント…(笑)。今回もこれら全て全力で楽しむ事に注力します! ただの田舎のサラリーマンだった自分の人生を変えてくれた「格闘技」に感謝!  格闘技ライフ最高です! 押忍!!」

オトゴンバートル・ボルドバートル
「今回、GLADIATORフライ級王座決定トーナメントの準決勝が無くなってしまい、いきなり決勝戦で戦うことになりましたが、素直にとても嬉しいです。相手のNavE選手は元フライ級チャンピオンで、経験豊富な、組みの強い選手という印象を持っています。NavE選手、お互いに頑張りましょう。5月5日、ケージでお会いしましょう」

チェ・ドンフン
「チームMAD浦項所属、チェ・ドンフンです。今回、GLADIATORフライ級王座決定トーナメントの途中ですが、私の試合を見た他の団体から良いオファーがあり、受ける事を決意致しました。よって、非常に申し訳ございませんが、フライ級のトーナメントには出場が出来なくなりました。素晴らしい機会を下さったGLADIATORの関係者の皆さまとファンの方々には申し訳ないと当時に感謝の気持ちを伝えたいと思います。他の団体に行ってもGLADIATORでの貴重な経験を活かして、頑張る自分をお見せ致しますのでますので応援宜しくお願い致します。向こうでも暴れてきます。本当にありがとうございました! 」

イ・スンチョル
「こんにちは、DKジム所属イ・スンチョルです。3月3日のGLADIATORの試合で肩を負傷してしまいました。現在、肩の回旋筋腱板を少し損傷した状態です。この負傷で5月に予定されていたフライ級トーナメント準決勝に向けて練習ができない状況になってしまいました。5月には戦うことが難しいです。今回、自分の試合に期待して下さった方々も多く、GLADIATORから素晴らしいチャンスを頂いたにも関わらず、怪我で試合ができない状態になってしまい本当に申し訳無い限りです。しっかりと回復して、次の試合はもっと華のあるファイトをしますので、その時まで少し時間を頂けると幸いです。もっと良い試合ができるよう頑張ります」


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【Special】河名マスト&中村倫也、2/16 GCS01&2/17 UFC298を振り返る─01─「あっ、ヤバい」(倫也)

【写真】遠近法です(C)MMAPLANET

2月16日、会場非公開で開催されたGLADIATOR CHALLENGER SERIES01でパン・ジェヒョクを破ってGLADIATORフェザー級のベルトを巻いた河名マスト。同17日(土・現地時間)、カリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターで行われたUFC298でオクタゴン2戦目=カルロス・ヴェラを下した中村倫也。
Text by Manabu Takashima

それぞれのレスリング人生を歩み、それぞれのMMA道を生きる両者。専修大学同期レスラーコンビが互いの──そして自身の試合を振り返った。


──個人的に倫也選手とマスト選手を同時に取材というのは、2022年1月のFight&Lifeの対談以来になります。

中村 あぁEXFIGHTでやったインタビューですよね。

──そのEXFIGHTという固有名詞を倫也選手の記事で使うことが許されるようになり感無量です(笑)。

河名 アハハハハハ。

中村 本当に皆さんのご理解があって。ご迷惑をお掛けしてばかりなのに、本当にありがとうございます。

──ハハハハ。今回は日本時間で2月16日にマスト選手の試合があり、18日に倫也選手の試合がカリフォルニアであった。計量前日だったと思いますが、倫也選手はマスト選手の試合の方はチェックされたのでしょうか。

中村 夜中にライブで視ていました。結構、時差ボケが酷くて……午前1時半ぐらいから「今日も眠れねぇな」っていう風になっていて。そのまま3時ぐらいになって、あと3時間もすれば水抜きが始まるかっていう時だったんですけど、「もう寝れないんだからしょうがない」っていう気持ちでYouTubeの配信を視ることにしました(笑)。

──本来はしっかりと睡眠をとっている時間だったと。

倫也 ハイ。起きて水抜きをしながら、ディレイでチェックしようと思っていました。で3時ぐらいになっても眠れないのと同時に、『マスト、これから試合か』ってなるとソワソワしてしまって(笑)。なら、もう良いやと思って起きてチェックしました。そうしたらヘンリー(三上大智)の急所蹴りがいきなり映って(笑)。

マスト アハハハハハ。

──戦前の予想はどのようなモノだったのでしょうか。

倫也 勝つ。前回の試合と違って初見ではないので、何度もぶつかるなかでマストが上回っていくというのは、何となく分かっていました。ポイント、ポイントを押さえて勝つことができるとは思っていましたね。

──マスト選手も9月、12月の試合を経て自信は深めているようでした。

河名 ハイ。戦略でいうと前回は足を触ってテイクダウンを狙うとディフェンスされたので、今回は触ったらドライブする。そして背中から落として倒すということでした。レスリングでいえば4Pのテイクダウンを取るという算段です。パン・ジェヒョクにKOパンチはないと踏んで、勇気をもって選択した戦略でした(笑)。

──すると……。

中村 ストレートを打ち抜かれた時、ハッとしました。正面からドンと打たれるシーンはあったのですが、あそこは横から抜かれていたので『あっ、ヤバい』ってなり、凄く怖かったです。

──あの後のGLADIATORの3月3日大会のストップを見ていると、あの試合も止められていても致し方ないかと思いました。

河名 負けた選手が試合後に不満顔を浮かべている時って、あれで止められた時なんでしょうね。一応、意識があるけど殴られ続けているっていう。

──立ち上がった時に、背中を向けたまま殴られた。あそこもストップがあるのかというシーンでした。

中村 色々なことが頭をよぎりました。頑張ってくれるんだろうけど、このまま殴られる試合は視たくないとか。ここから行くんだったら、1分間マジで貰わずに組みつけとか。同時に思いましたね。

河名 あの前に同じ形でワンツーを貰っていて。アレと同じで、入ってつこうとしたら『エッ?』ってなりました。

中村 あぁ、なるほど。

河名 ただ追い打ちがパンチでなく、浴びせ倒しのように倒されたのは助かりました。あそこでもう一発、スコンと貰っていたら本当に終わっていたと思います。背中を向けたのは、相手の片手をワキの下にもってきたかったかたです。

──ウィザーにとろうと。

河名 ハイ。触って、ケージの近くでオーバーフックの態勢に持ち込む。本能的にそう動いていました。片手で殴られるのは仕方ないと。僕は向き合う方が怖かったです。

──結果、正対してオーバーでなくアンダーフックでパン・ジェヒョクの動きを止めることができたかと。

河名 ハイ。とにかくケージに救いを求めていました。あのまま殴られ続けていたので。ただ触っていれば組みには戻せる。力は出ないけど、意識はあったので何とかなる──そんな心理状態でした。

──その言葉通り、シングルレッグで組み直してボディロックでテイクダウンを奪いました。

河名 櫓投げを仕掛けて、投げられまいと戻ってきたところを投げる。相撲でいうと呼び戻し、仏壇返しですね。

──あそこで流れが変わりました。

中村 あの時、真っ直ぐに地面を押すことができていて……パン・ジェヒョクをケージに運ぶときに、ヒザがブレることなく力を真っ直ぐに伝えることができていた。そこで大丈夫だとは思ったんです。にしても、あそこまで反撃するのかって(笑)。あれで『おお、良し良し』と(笑)。

──その後のパウンドから肩固め、マウントへ。パン・ジェヒョクがスクランブルに持ち込もうとすると、オーバーフックで浴びせてからのクリンチアッパー。あのオーバーフックのダーティーボクシングが強力で。会場内では凄い音が響き渡っていました。

河名 これまでクラッチを組んで固めるということに徹底していたのを、パン・ジェヒョクが僕の手を一本取ってくるという組手だったので──顔が空くと殴ろうと思っていました。あえて胸と胸の間に空間を創っていつでも動けるようにして、尚且つ殴れるように。そこはずっと練習をしていて、あの形になると八隅(孝平)さんは『河名ポジション』って叫んでいます(笑)。

中村 アハハハハ。

<この項、続く>



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【Gladiator025】草原のモカエフ、モンゴルのフューチャー=オトゴンバートル「久保選手は父親世代」

【写真】百戦錬磨の久保健太に対して、どのようなMMAを見せることができるか (C)MGL-1FC

3日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR025では、2月16日のGLADIATOR CHALLENGER SERIES01に続き、フライ級王座決定トーナメント準々決勝が3試合組まれている。
Text by Manabu Takashima

元王者NavE。タイ在住で初めての凱旋試合となる藤沢彰博。チェ・ドンフンと並ぶ韓国の新鋭イ・スンチョル。そしてモンゴルからツェルマー・オトゴンバヤル、久保健太と対戦するオトゴンバートル・ボルドバートルの2選手が出場する。

昨年5月にモンゴルを訪れた中村倫也が「めちゃ負けず嫌いで、レスリングが強い。キャリア序盤に無理をして変なダメージを溜めることがないと、かなり上に行きそうです」とポテンシャルを認めるのが、プロ2戦目のオトゴンバートルだ。

IMMAFアジア大会2位、レスリングをベースに1年半に渡りジャダンバ・ナラントンガラグの下でMMAを学び、1月にプロデビューを果たしたばかり。草原のモカエフ──そしてモンゴルのフューチャーこと、オトゴンバートルに話を訊いた。


──昨年の5月にシャンダスMMAで練習を見させていただいた時と比べると、髪の毛が伸びましたね。

「切ろうかと思っていたのですが、練習に集中しすぎで散髪に行くことができなかったんです(笑)」

──なるほどです(笑)。1月にMGL-1FCのおけるプロデビュー戦で勝利しました。プロデビュー戦を終えて、どのような気持ちでしたか。

「1月のMGL-1FCで試合をしたのは、イレギュラー的でした。本来はIMMAFの世界大会で戦うつもりだったのですが、ビザが間に合わず出場できなくなりました。今度はどうしようかとナラントンガラグ先生と相談したところ、『世界大会にいけないのであれば、プロデビューをしたらどうか』とアドバイスをもらい出場を決めたんです。

MGL-1FC20が12月初旬から1月に延期されたのですが、対戦相手(ツォグトゲレル・ニャムゲレル)は予選から勝ち上がってきた選手で気合いが入っていました。得意の組み技で勝負するという作戦でしたが、一発貰ってしまいドタバタと組むような試合になってしまいました。結果的に勝つことができて良かったですが……」

──IMMAFはトーナメント戦ですが、1試合に集中して戦うことで何か違いはありましたか。

「やはりアマチュアとプロの大会は違いました。アマのトーナメント戦は1回戦の相手は、全くどういう選手が分からないです。だから対策の立てようがなく、探りながら戦う必要があって凄く難しいです。勝ち上がると、戦う相手の試合もチェックはできるのですが、やはり分からない相手と戦う難しさはあります。

プロの試合は1、2カ月前に相手が決まっているので、作戦を立て対策練習をして準備ができます。そこはまた違う難しさはあるとは感じていました」

──レスリングからMMAに転向したのは、どのような理由があったのでしょうか。

「自分は小さな時からUFCの試合を視てきて、いつかMMAをやりたいと思っていました。実はレスリングをする前に、ボクシングを少しだけ齧っていました。そこからレスリングに転向しましたが、ある程度の成功を手にしたらMMAをやろうという気持ちでいました。なのでMMAファイターになったのは、自然な流れです」

──正式にはいつ頃からMMAを?

「2022年の9月からMMAの練習を始めました。レスリングはきっぱり辞めて、MMA一本でやっていこうと思って。それでナラントンガラグ先生に習いたいと思って、2022年の6月にメッセンジャーで『先生の下で練習をしたいので、私を受けいれてもらえないでしょうか』と尋ねたのですが、全く返事が来なかったです(笑)」

──アハハハ。それで9月から練習を始めたということなのですね。返事が届かなかった間、他のジムで始めようとは?

「やっぱりナラントンガラグ先生の指導を受けたかったので、待っていました。もう1度メッセージを書こうか、直接ジムに尋ねようかと考えていた時に返答がありました。あとから聞いたのですが、先生にはものすごい数のメッセージが届くので、その中に埋もれてしまっていたそうです。で9月になって、自分が送ったメッセージに気付いて返信をくれたという流れです」

──3カ月も待つことができる。オトゴンバートルは気が長いのですね(笑)。

「自分はバヤンホンゴルという地方都市の出身なんですが、レスリングの練習ができたので返事を待っていました。あのまま返事がなければウランバートルに行って、直談判しようということも考えていました」

──詳しくは分かっていないのですが、モンゴルでは他の街とウランバートルは全然違うという話をよく聞きました。シャンダスMMAで練習をするということは、ウランバートルでの生活がスタートすることになるわけですが、戸惑いはなかったですか。

「最初は大変でした。地元で生活している時は、レスリングの練習をするのも歩いて数分の距離でした。それに家族もいて、何も不自由なことはなかったです。でもウランバートルに来ると、とにかく渋滞だらけで移動をするのが大変で。1人暮らしの環境創り、そして生活のリズムを掴むことにも苦労しました」

──現状は働きながら、練習をしているような形なのでしょうか。

「MMAの練習を始めた時は、仕事もしていました。今は幸運なことなのですが、スポンサー企業がついてくれて練習に専念し、仕事は免除されて給料を支払ってもらっています」

──フルタイムのプロMMAファイターなのですね。

「そうですね(笑)」

──そのなかでプロ2戦目にして王座決定トーナメント出場という現実、どのように考えていますか。

「こんな大きなチャンスが巡って来るとは、全く想像していなかったです。1月の試合後にすぐにオファーをもらった時は、ビックリしました。信じられなくて、ナラントンガラグ先生に相談したのですが、『挑戦したいなら、止めない。しっかりと自分で考えて結論を出しなさい』と言ってもらえました。結果的に、このオファーを受けることにしたのですが、全く想定していなかったです。ただし、今はこのチャンスをモノにして絶対にチャンピオンになれる。そう信じて、練習をしています。トライしたいのではなくて、結果を残すために戦います」

──では対戦相手の久保選手の印象を教えてください。

「試合映像は見ました。打撃が強い割に、判定勝ちが多いです。自分としてはレスリングがベースなので組みには自信があるのですが、打撃でも勝負したいと思っています。MMAファイターとして完成度をあげたいですし、打撃にも自信を持っているので」

──このベルトは同じチームのニャムジャルガル・トゥメンデムベレルが巻き、それをステップにRoad to UFCと契約。先日、UFCとサインに至りました。そのベルトを賭けて戦うことについてどのような気持ちですか。

「ニャムジャルガルさんとは当然のように、一緒に練習をする間柄です。そして『次のチャンピオンはお前だ』と言われています。もちろん、そのつもりです。次のチャンピオンは自分になると確信しています」

──ニャムジャルガルはグラジ初戦で7秒KO勝ちという衝撃を残しましたが、オトゴンバートルはどのような試合を日本でしたいと思っていますか。

「久保選手は自分のキャリアからも、組んでくると思っているはずです。でも自分は打撃でも勝負するつもりです。立ち技の激しい試合を日本の人達に見て欲しいです。こういうと失礼かもしれないですが、久保選手は自分の父親の世代、そういう年齢です。自分は久保選手より遥かに若いです。若い人間のスピードと勢いを見せつけたいです。なので久保選手にはしっかりと練習してきて欲しいです。激しく、興味深い試合をしましょう」

■視聴方法(予定)
3月3日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■Gladiator025対戦カード

<GLADIATOR暫定ライト級王座決定戦/5分3R>
田中有(日本)
ジョン・ハングク(韓国)

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
NavE(日本)
藤沢彰博(日本)

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
久保健太(日本)
オトゴンバートル・ボルドバートル(モンゴル)

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
イ・スンチョル(韓国)
ツェルマー・オトゴンバヤル(モンゴル)

<フェザー級/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
石田拓穂(日本)

<フェザー級/5分3R>
ハンセン玲雄(日本)
桑本征希(日本)

<バンタム級/5分3R>
藤原克也(日本)
上荷大夢(日本)

<フェザー級/5分2R>
水野翔(日本)
福田泰暉(日本)

<バンタム級/5分2R>
吉田開威(日本)
土本暉弘(日本)

<フライ級/5分2R>
宮川日向(日本)
八木祐輔(日本)

<フライ級/5分2R>
澤田政輝(日本)
田中義基(日本)

<ライト級/5分2R>
八木敬志(日本)
磯嶋祥蔵(日本)

<フェザー級/5分2R>
田口翔太(日本)
髙橋惺哉(日本)

<フェザー級/5分1R>
向井琉綺弥(日本)
岩田虎之助(日本)

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【Gladiator025】フライ級王座決定T出場、イ・スンチョル「和田選手を一番警戒していた……」

【写真】試合中の方が、明らかに堂々としているイ・スンチョルです (C)MMAPLANET

3月3日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR025。同大会ではフライ級王座決定トーナメント準々決勝が3試合組まれている。
Text by Takashima Manabu

既に16日(金)のGLADIATOR CHALLENGER SERIES01でチェ・ドンフンが、和田教良を三日月蹴りからパウンドアウトに準決勝進出を決めている。そのチェ・ドンフンと同じ韓国からベルトを狙って参戦するのが、イ・スンチョルだ。

モンゴルのツェルマー・オトゴンバヤルとの一戦を前に、イ・スンチョルに自信のほどを尋ねると「自分が一番弱いという気持ちで戦う」という言葉とは裏腹に、決勝戦について言及する一幕が見られた。


──3月3日、GLADIATORフライ級王座決定トーナメント準決勝でツェルマー・オトゴンバヤルと戦います。このオファーを受けた時、どのように思いましたか。

「タイトルが掛かったトーナメントなので、少しナーバスになりました。でも、ここで勝てばタイトルに近づけるトーナメントを戦うことができ誇りに思います。同時にコンディション的に自分は減量を余りしないので問題はないのですが、モンゴルの選手は生まれながらパワフルで体力があるので、そこに不安を感じないことはないのです。でも、しっかりと対策をしています」

──昨年12月にGLADIATOR初戦で澤田政輝選手をKO、日本での戦いは如何でしたか。

「初めて海外の試合だったので、緊張していました。でもホテルも綺麗で、朝食が凄く美味しくて良い思い出になっています(笑)。試合当日の流れは韓国と変わらなく、運よく、ケガをすることもなく楽勝できたので良かったです。とにかく選手への待遇が良かったので、有名選手になったような気持ちになりました。

次の試合は2度目のGLADIATORでの試合になりますし、本当に良くしてもらったので日本で戦うことへの不安は一切ないです。ただ先ほども言いましたが、相手の選手は大きいのでそこはしっかりと準備しないといけないです」

──その大きなオトゴンバヤル選手の印象を改めて、お願いします。

「フィジカルの強さを利用して、テイクダウンからコントロールするタイプですね。打撃は力づくで粗いです。そこに隙はあるかと思います」

──オトゴンバヤル選手は「イ・スンチョル選手は打撃でガンガン来る選手なので、戦いやすい」と言っていました。

「自分も打撃には自信があります。作戦も、打撃中心で戦うというものです。打撃戦を戦いやすいというなら、こっちのモノです。負けないです。これまで6試合全てフィニッシュしているので、次の試合もそうですが、このトーナメントの3試合全てでフィニッシュ勝利します」

──今回のトーナメント、既にチェ・ドンフンが初戦を突破していますが、一番の強敵は誰になると考えていますか。

「一番気にしていたのは、和田選手でした。彼のようなファイトスタイルは、自分には合わないので警戒をしていました。その和田選手をチェ・ドンフン選手が倒してくれて、助かりました。ただもう一人のモンゴル人選手(オトゴンバートル・ボルドバートル)はレスリングのモンゴル代表としても活躍していたようですし、気を付けないといけないですね。他に経験値の高い日本人選手もいるし、このトーナメントでは自分が一番弱いという気持ちで臨みます。

それとチェ・ドンフン選手はあまりフィニッシュができる選手だと思っていなかったので、すが、今回の試合を見て積極的になり倒し切っていたので彼に対する印象は変わりました。ステップも良いし、攻撃的な一面も見せるようになっています。戦うことがあれば、しっかりと対策を練らないと厳しい試合になるという気持ちに変わりました」

──なるほど。チェ・ドンフン選手は決勝に上がってくるのはイ・スンチョル選手。決勝で戦って韓国の強さを見せたいと話していました。

「お世辞でなく、監督とも決勝はチェ・ドンフン選手になると話していました。彼が言っているように、良い勝負を決勝でしたいです」

──ではその前にオトゴンバヤル戦に向けて、意気込みをお願いします。

「モンゴルの選手はフィジカルが強いという印象でした。それでも打撃戦を望んでいるということを聞いて、嬉しいです。血まみれの打撃戦で、ファンに盛り上がって欲しいです」

■視聴方法(予定)
3月3日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

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【Gladiator CS01】河名マストの挑戦を受けるパン・ジェヒョク「仮面を被っています。もっと危ないヤツ」

【写真】嫌われているのか──と思うほど、無口なパン・ジェヒョク。まさにKorean Quiet Warrior (C)MMAPLANET

本日16日(金)、GLADIATORの新しい試みGLADIATOR CHALLENGER SERIES01「Bang vs Kawana Ⅱ」が開催される。無観客&配信に特化した大会のメインでGLADIATORフライ級王者パン・ジェヒョクが、河名マストの挑戦を受ける。
Text by Manabu Takashima

昨年6月に一度は倒した相手の挑戦を受けるチャンピオンが、自身がどこで、どのような環境で戦うのかをしっかりと見極めていた。そこがパン・ジェヒョクというファイターのクレバーさ。直径7メートルから6.15メートルになる今回の戦いは、アウトストライカー&ディフェンシブレスラーの彼をどのように変えるのか。その言葉から探ってみたい。


──2月16日、河名選手の挑戦を受けて初防戦を行うことが決まりました。このオファーが届いた時は、どのような気持ちでしたか(※取材は1月18日に行われた)。

「9月にチャンピオンになった後、2カ月後から試合をしたいと思っていましたが、この時期に試合ができることはちょうど良いと思いました。個人的には同じ相手と戦うことは好きではないですが、GLADIATORは河名選手をプッシュしているんだなと思いました」

──つまり河名選手のための選手権試合だと?

「そこまでは思わないですけど、河名選手はGLADIATORでたくさん戦っていますし団体が彼を認めているんだなと」

──河名選手もそうですが、この時期にベルトが欲しいと思っている日本人選手の多くがRoad to UFCを狙っています。ベルトを巻いているパン・ジェヒョク選手は今後のキャリアをどのように考えているのでしょうか。

「RIZINで戦いたいと思っていますが、実現していません。当然Road to UFCやUFCという話があれば良いですし、GLADIATORのタイトルホルダーとして他の団体に挑戦したい気持ちです」

──そのためにも大切な初防衛戦となりますが、改めて河名選手の印象を教えていただけますか。

「前に戦った選手はワンディメンションなレスラーでしたが、それからどんどん打撃が上手くなってウェルラウンダーになっていると思います」

──河名選手はパン・ジェヒョク選手に対して、前回の試合後に腰が柔らかくてテイクダウン防御力が高い。苦手なタイプの選手だと言っていました。

「しっかりと自分のことを評価してもらって、感謝します。パンクラスでもワンディメンションな透暉鷹選手と戦った時も、自分をテイクダウンするのに苦労していました。あの時も圧を掛けて、彼を苦しめることができました。自分自身でも、レスリングはそこそこできると思っています」

──ところで河名選手の12月の試合もチェックされたと思いますが、どのような感想を持ちましたか。

「9月のユン・ダウォン戦を見ても、パンチにパワーを乗せることができるようになってきたと思います。12月のチハヤフル・ズッキーニョス戦は打撃を自信を持っているように感じました。ただ彼が打撃を怖がらなくなっているのであれば、打撃戦にも応じてくるでしょう。そうなると、カウンターを決める場面も増えますね」

──やはりパン・ジェヒョク戦の打撃は、カウンターが一番の武器だと。

「自分の打撃は2つの武器があります。カウンターと、プレッシャーをかけて攻め続けること。この2つの攻撃パターンで攻めようと思います」

──パン・ジェヒョク選手の打撃の圧。河名選手のレスリングの圧。そこが鍵を握りそうなファイトです。

「河名選手が打撃戦が構わなくなっているように、自分もレスリングになっても大丈夫だと思えるだけ練習をしています。次の試合では防御だけでなく、攻めるレスリングを見せることができると思います。それだけ練習してきましたし、だからこそ打撃、レスリングだけでなく柔術も含め全局面で戦えるので河名選手もしっかりと気を付けて戦うことをおススメします」

──今回、無観客での試合になりますが、そのような環境をどのように思っていますか。

「またパンクラスの時の話になってしまいますが、背が高い選手と戦った時(亀井晨介戦)に自分のヒットには会場は静かなままで、相手の拳が届いただけで大きな声援が挙がっていました。あの環境は審判の判断を誤らせると思います。だから無観客は自分にとって有利に働くと思います。

それにジムで練習している時のような楽な気持ちで戦えるんじゃないかと思って、楽しみにしています。ケージが少し小さくなることもポジティブに考えています。本来は広さを使ったファイトを得意としていますが、ケージが小さくなるなら、それだけ圧力がかけやすくなるのでインファイトもしやすくなりますね」

──ところで、自分が韓国人選手をインタビューした時には『男として──』という様な威勢の良い言葉が聞かれることが多いのですが、パン・ジェヒョク選手はいつも本当に落ち着いた返答ですね。

「まだ仮面を被っています(笑)。本当はもっと危ないヤツだと思いますが、試合前は冷静でいたいです。それに日本のファンの人達も、そういうキャラは望んでいないと思います。ファンの皆さんの志向に合わせています(微笑)」

■視聴方法(予定)
2月16日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS01計量結果

<Gladiatorフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パン・ジェヒョク:65.75キロ
[挑戦者]河名マスト:65.65キロ

<Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹本啓哉:65.8キロ
竹内稔:65.4キロ

<ミドル級/5分3R>
三上ヘンリー大智:84.2キロ
アン・ジェヨン:84.1キロ

<Progressフォークスタイルグラップリング88キロ契約/5分2R>
グラント・ボクダノフ:84.0キロ
大嶋聡承:86.0キロ

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
和田教良:57.0キロ
チェ・ドンフン:56.6キロ

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【Gladiator CS01】ラスト侍に訊く、剣道とMMA。三上ヘンリー大智─02─「打って勝つな、勝って打て」

【写真】計量台でポージング。剣道、武道について話してもらいましたが、ヘンリーはプロフェッショナルMMAファイターです (C)MMAPLANET

16日(金)、配信に特化して開催されるGLADIATOR CHALLENGER SERIES01「Bang vs Kawana Ⅱ」で、アン・ジェヨンと対戦する三上ヘンリー大智インタビュー後編。
Text by Manabu Takashima

高校、大学と剣道で活躍した三上は、その剣道家生活で体に摺り込まれた武の理が、MMAで生きると断言した。表面上の動き、そして内面。武道でありながら競技のある武器術と、無手のコンバットスポーツであるMMAの共通点とは──。

目の前の相手に勝つ競技を戦いながら、戦いの本質がその身にある三上ヘンリー大智──彼以外のMMAは決して口にできないであろう──数々の心理が聞かれた。

<三上ヘンリー大智インタビューPart.01はコチラから>


――個人的にヘンリー選手に以前から伺いたかったことなのですが、剣道がMMAに生きることはあるのでしょうか。

「メチャクチャあります」

――おお。ぜひとも詳しくお聞かせください。素手と武器術は間合いから違ってくると思いますし、どのようにMMAに落としこむことができるのか。同じ剣術でも、前後運動だけのフェンシングよりも、剣道の方がリンクするのではないかと。それぐらいの感覚でしかないので、とても興味深いです。

「色々な要素があり過ぎて、伝えることは難しいのですが……。重量級という立場で言わせてもらうと、剣道は無差別なので凄くすばしっこいヤツ、大きくて一発はあるけどノソソノしたヤツとやろうがルールは全て同じです。状況も全て同じです。そのなかで三本勝負なので、パワーで押せないというのがあります。

スピードに対応しないといけない。小さい人と稽古しているときも、その速さについていかないといけないんです。そうなると大きかろうが、小さかろうが足さばきは必然の要素になってきます。だからいわゆるキックボクサーのゆっさゆっさした動きにはならないんですよ。

前後移動、左右移動ともに重心を一定にして、上下させるのは相手の攻撃を避けるにしても、攻撃を当てるにしても、技の起こりがなかなか見えないので。僕に関して言うと『ここで当たる』という場所に留まらない。『ここには当たらないだろう』という時に当たる。そのような動きが可能になると思います。

あと……一番大きい所は間合いなのかと思います。剣道をやっている時に口を酸っぱくして言われたのが、『打って勝つな、勝って打て』ということなんです。その部分での間合いとか気構え、相手の起こりを捕らえることだとか。あるいはわざと起こりを見せて、相手を誘って打つとか。その辺りの心理的な駆け引きに関して言うと、他のスポーツ……例えばボクシングと違ってダメージを受けずに訓練ができるので、何度失敗してもその訓練ができるのが剣道の特徴ですね。

ボクシングだと打たれ、ディフェンス力がついてくるじゃないですか。でも、その時には打たれ弱くなってしまうかもしれない。でも剣道はそういうことなしで、模擬戦を何度でもできる。そこが違ってくるのかと」

――武道は競技化すると勝利を目的とした技術が発展し、結果スポーツとしてフィジカルの優れた者が有利になります。ただ竹刀があり、防具があることで剣術ではないですが、剣道として武道性は残りやすいのでしょうか。

「自分のなかでは……『これは、そうなんじゃないかな』ということがあります。対人競技で相手と、体の中心が近ければ近いほどパワーの勝負になる。それが離れれば離れるほど、技術の勝負になる。だから弓道は的を狙うものですけど、体格とか関係ないじゃないですか。弓を弾く力は必要でも、的の中心を射るという点においては体の大きさは関係ない。

剣道よりも槍の方が間合いが遠いから、より技術の勝負になる。剣道には鍔迫り合いという近距離での間合いでいなしたりとかするから。空手の場合は競技化すると、突きの距離になるので、竹刀がある剣道とは理屈が変わってくる。そうなってくると、空手は技術の側面が失われるのかもしれないですね。

最初から組んでいる武道、競技は話が違ってくるとは思いますけど。剣道は一つ棒を持つことで、武術の本質に触れられる。でも剣道をやっている時は、そんなことは全然考えていなかったです。振りのスピードとか、足を速く動かした方が勝てるだろうと思っていて」

――つまり西洋スポーツ化した思考だったのですね。

「ハイ。でも剣道を離れてMMAを始めると、『ヘンリーって、こういうところが凄いね』と指摘された動きは、剣道の動きで。意識をしていなかったのですが、そこで初めて『剣道のこういうところが生きるんだ』って気づいたんです。それこそ無意識に摺りこまれていたんでしょうね」

――剣道の動きよりも、剣道の理がMMAに生きる?

「その通りですね。だから組み技でも生きるんですよ。剣道は面を取りたかったら、小手を攻めろというのがあって。小手を取りたかったら、面を攻めろと。それは柔術も同じで。腕十字を取りたかったら、三角を見せて腕十字だとか。マウントを取りたかったら、腕を攻めに行くとか。

ボクシングもそうで。ジャブを見せて、ボディとか。虚実――そこらへんが全て、つながっているんじゃないですかね」

――虚実を織り交ぜた動きが、体に摺りこまれている。そこがMMAで有利に働く?

「それはあると思います。それは自分に剣道を指導してくれた先生のおかげです。高校の時(東海大学付属第四高等学校※現東海大学付属札幌高等学校)の古川和男先生が、その場で勝つための剣道を教えているような先生だったら、こういうような考え方には恐らくなっていなかったと思います。

『こういう風に打て』、『こうやれ』、『ああやれ』という指導だったら、こうやったら当たるというので終わってしまって表面上のことしか理解できていなかった。『勝って打て』──意味分かんねぇってなるんですけど、悩みながらやっていくなかで自分の心に刻まれたんじゃないかなって。それが先生の指導力の賜物だと思います」

──自分の間になっているから、勝っていると。

「ハイ。打つから勝つのではなくて。そういう内面的なこともありますし、さきほど話した足さばきや重心のこともあります。私はエレベーターがあるところは階段でなくエレベーターに乗るようにしています。坂道は重心移動として平気なのですが、階段は本来の重心移動ではないので気持ち悪くて。もう、そういう体になっているのだと思います。

表面的には他にも相手のスピードについてくために、足さばきは磨かれました。それと私は特殊で、中段から上段にスタイルを変えたんですよ。中段と上段って足の向きが逆なので、だからスイッチを使える側面もあって。そこは凄く大きかったかなって思います。

あと中段だと剣先が触れて、『ここなら攻められる』という風に勝負ができるのですが、上段の場合は竹刀同士の触れずに間合いを測らなければならなくて。本当に空間を目で見て、心で認識しないといけないんです。『今、勝っているのか』、『打って良いのか』ということを。そこもMMAに凄く生きています」

──実は以前からヘンリー選手の剣道の動画を見せてもらっていて。とにかく長身を生かして上段の構えから面を打って勝つ。その踏込みなどがMMAに生きるのかどうか、そこが気になっていたのですが……ここまで深い話を聞かせていただけるとは。

「勝つまでの行程が色々とあって、良いのを打ったなというのは相手の気を殺しているというか──間合いを盗んでいる。何よりも自分が攻めている状態で打っています。自分が攻められている状態で打っても一本にならないですし、相手に防がれます。MMAも同じなんじゃないかと」

──まさに武術的な重心の話ですね。

「ハイ、心のバランスです。同じことをしても、守っている時は全く通じないです」

──いや、参りました。それほどまで武の理を理解しているMMAファイターはいないかと。

「でも世界のトップレベルの選手って、スポーツをやっていてもそこに行き着いていると思います。メイウェザーとかも。海外の人達からは、日本の武術は凄いと思われがちですけどトップに行く人は押しなべて皆、同じようなエリア……ゾーンに足を踏みいれていると思います」

──押忍、本当に興味深い話をありがとうございます。今回の試合を終えると、ヘンリー選手はどのようなキャリアアップを考えているのでしょうか。

「そうですね、やるからにはトップを目指していきたいです。今はたまたま格闘技に心血を注いでいる状態なのですが、皆が『努力は実を結ばない』とか考えがちになります。でも私の中では……変な風に聞こえるかもしれないですけど、来世まで自分の努力や頑張ったことは引き継がれると思っています。現役選手生活が輝かしいキャリアにならなかったとしても、そこは諦めずに絶対に来世で花が咲くぐらいの勢いでMMAを頑張っていきたいと思っています。

目指すところは……名前を出して良いか分からないけど、UFCチャンピオンになること。でも、それが叶わなくても自分のやっていることに誇りを持ちたいと思うので、とにかく目の前の一戦・一戦を全力で戦うだけです」

──自分のやっていることに誇りを持つためには、ケージのなかから何を見せないといけないでしょうか。

「う~ん、そこはもう勝手に出てくるものだと思っていて。自分で表さないといけないと考えた時点で、なんか嘘になっちゃうかなって。自分が表現したいから、表現することって本当に自分の本質なのかなって思うんですよ。さっき、前回の試合で無意識になったと話したようにアレが自分を表せている。無意識の状態で、何も考えずに勝手に出てきたものが自分自身だし──。

一つ言えることは、相手に敬意を払うこと。勝っても負けても、相手に敬意を払うこと。多分、自分と同じだけ努力をしているだろうし、負けたくてケージの中に入っていく人はいないと思うから。勝っても負けての相手に敬意を払うこと。そこだけなのかと。勝った後の立ち振る舞い、負けた後の立ち振る舞いに自分のMMA道が出てくるのかなって思いますね」


■視聴方法(予定)
2月16日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS01計量結果

<Gladiatorフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パン・ジェヒョク:65.75キロ
[挑戦者]河名マスト:65.65キロ

<Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹本啓哉:65.8キロ
竹内稔:65.4キロ

<ミドル級/5分3R>
三上ヘンリー大智:84.2キロ
アン・ジェヨン:84.1キロ

<Progressフォークスタイルグラップリング88キロ契約/5分2R>
グラント・ボクダノフ:84.0キロ
大嶋聡承:86.0キロ

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
和田教良:57.0キロ
チェ・ドンフン:56.6キロ

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【Gladiator CS01】計量終了 河名マスト「最後の300グラムが……」。ヘンリーはLFA ソアレスCEOと談笑

【写真】エド・ソアレスCEOを見て、「あのダナ・ホワイトみたいな人は誰ですか?」と、和田。PROGRESS長谷川賢代表の「記事ぐらい読んでくださいよ」という返答に 「チェ・ドンフン以外、目に入っていないので」と目をギラギラさせていた(C)MMAPLANET

15日(木)、明日16日(金)に会場非公開&配信に特化して実施されるGLADIATOR CHALLENGER SERIES01「Bang vs Kawana Ⅱ」の計量が港区の10kolで行われた。
Text by Manabu Takashima

いわゆるアンダーカード無し、MMAとグラップリングが5試合凝縮された新しい試みは全5試合出場10選手全員が計量をクリアした。


ギリギリ度合いが伺える和田教良と9キロの減量を完成させたチェ・ドンフンは、3試合勝利を手にした後に腰に巻かれるベルトを挟んでフェイスオフ。

88キロ級契約で大嶋聡承との組み技マッチに臨むグラント・ボクダノフは、ウェルター級のMMAで戦う時よりも明らかに大きなフレームを維持していた。

その両者、フェイスオフでも笑顔で言葉を交わしていた。

また第3試合のミドル級でアン・ジェヨンと戦う三上ヘンリー大智は、今大会の視察に訪れたLFAエド・ソアレスCEOとポルトガル語で話し「LFAでブラジル大会へ」という魅力的な誘いにも、「今は明日の試合に集中します」と返答。

ソアレスCEOは「これこそ、私が求めるファイター像だ」と感心しきりだった。

Gladiatorの減量といえば、苦戦がいつも伝わってくるのが竹本啓哉だ。

その竹本はコメインでProgressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座を賭けて竹内稔と相対するが、MMAより1階級上の体重リミットにも「設定をそこにして落としてきた」ということで、やはり減量は苦し気であった。

メインでパン・ジェヒョクの持つGLADIATORフェザー級王座に挑む河名マストは、本来は最初に体重を測る予定だったが、全5試合とルールミーティングが終わった頃に会場に姿を現して、パス。

「残り300グラムを落とすのにチョット苦労しました」と苦笑いを見せていた。

■視聴方法(予定)
2月16日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS01計量結果

<Gladiatorフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パン・ジェヒョク:65.75キロ
[挑戦者]河名マスト:65.65キロ

<Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹本啓哉:65.8キロ
竹内稔:65.4キロ

<ミドル級/5分3R>
三上ヘンリー大智:84.2キロ
アン・ジェヨン:84.1キロ

<Progressフォークスタイルグラップリング88キロ契約/5分2R>
グラント・ボクダノフ:84.0キロ
大嶋聡承:86.0キロ

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
和田教良:57.0キロ
チェ・ドンフン:56.6キロ

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【Gladiator CS01】フライ級王座決定T準々決で和田戦へ、チェ・ドンフン「韓国では面白くない、退屈だと」

【写真】試合のときほど、決めていないですが──インタビュー中のチェ・ドンフンはよく笑う青年で。なんとなく、部屋の様子が格好良かったです (C)MMAPLANET

16日(金)、配信に特化して開催されるGLADIATOR CHALLENGER SERIES01「Bang vs Kawana Ⅱ」の第一試合でチェ・ドンフンが和田教良と、GLADIATORフライ級王座トーナメント準々決勝で戦う。
Text by Manabu Takashima

昨年12月に初来日を果たし、久保健太にKO勝ちを収めたDouble GFCフライ級王者は──訊くところによると、そのDouble GFCでの防衛戦よりも同トーナメントを選択したとも伝わってくる。

しっかりと相手を見る目と洞察力を持ち、危険を回避できる力があるが故に韓国のでは受けが良くないと話したイケメン王者は、二本目のベルトを狙いつつ、日本から世界に飛び立とうとしている。


──来週の金曜日に日本で2度目の試合が控えています(※取材は10日に行われた)。今の調子を教えてください。

「今、減量中で9キロほど体重を落としている際中です。もう残り2キロほどなので、良い状況です」

──自他ともに認めるイケメンファイターも、減量中は無精ひげが残っているようですね(笑)。

「ハハハハ。試合の日にはしっかりと髭も剃って、きれいな頭にして臨むつもりです。ただ、計量まではこのままでいて相手にタフな印象を与えようかと思っています」

──押忍。フライ級王座決定トーナメント準々決勝を戦うことになりましたが、12月9日の試合はしっかりとKO勝ち。同時に勝負を急がず、堅く戦ったという意見も聞かれました。

「そうですね、コンディションがそれほど芳しくないというのはありました。それでも初回からコンスタントにパンチを入れることができていたのですが、久保選手はずっと目が死んでいなかったです。

自分の理想のファイトスタイルは、確実に倒せるときに仕留めに行くというモノです。無暗やたら倒しに行かなかったのは、久保選手の頑張りがあったからです。なので手堅く戦ったという印象を与えたのかもしれないです」

──逆にだからこそ、チェ・ドンフンという選手は強いという声もありました。

「そのように評価をしてもらえると、凄く嬉しいです。韓国では面白くない、退屈だ、気持ちが入っていないファイターだと言われることもあるので。だから、そんな風な反応があるというのは意外だし、嬉しくもあります」

──それはきっと日本のファンの方が、韓国のファンより目が肥えているんだと思います(笑)。

「アハハハハハ。でも、確かにそんな雰囲気があるとは感じました。GLADIATORで戦う前から思っていたことですが、実際に日本で戦ってみて格闘技に対する文化、リスペクトがあると日本のファンから感じました」

──久保選手との試合、個人的に印象に残っているのは3Rに必死の思いで前に出た久保選手のパンチを被弾したら、そこから逆に前に出て攻勢に転じた点です。ここ一番の気の強さが見えました。

「久保選手が反撃に出た時、自分ではそれほど攻撃を受けたつもりはなかったです。ただ、あの久保選手の戦う姿勢と向き合って、ここは退いてはいけないと強く思ったんです。でも、本当に気合の入ったベテラン選手……意地を感じました。そこについても、前に出た自分のことを認めてもらえるのは本当に嬉しいことです」

──今回も年齢的にはベテランの和田選手が相手ですが、どのような印象を持っていますか。

「前回、和田選手の試合はアップのために余り見ていなかったです。今回の対戦が決まって動画をチェックした印象は、特別に何かが強いという印象は余りなかったです。和田選手のように完全なグラップラーと戦うのは初めてなので、自分の組み技がどれだけ通用するのか、テストのような試合になるので楽しみです」

──切って殴る。組みにつき合う、どちらでしょうか。

「まだ作戦は立てていないのですが、一応XXXXXXXXXを狙おうと思っています。そして、自分のグラップリングを披露できればと思います」

──いや、それは試合前に公言されても書けないですよ(笑)。

「あぁ、そうですね。アリガトウゴザイマス」

──一方で和田選手は「強い相手だからやりたい。ただそれだけです」と言っていました。

「その気持ちに応えるように、フルパワーで立ち向かいます」

──3月3日に残りの準々決勝3試合が行われます。メンバーは把握していますか。

「ハイ、SNSをチェックしました。元チャンピオン、久保選手、モンゴル人選手、ONEチャンピオンシップで戦っていた選手、そしてイ・スンチョル選手がいましたね。彼らを見て、ビビるようなことはありません。まずは初戦を勝って、残りの試合で勝ち上がってきた選手たちと良い試合をするようにします」

──決勝は韓国人対決になるかもしれないという予想も既にされています。

「イ・スンチョル選手が決勝に残って欲しいですね。彼は当然のように決勝に残るでしょう。体格は決して大きくないですが、ウェルラウンダーで簡単に倒せる選手ではないです。韓国人の強さをイ・スンチョル選手との決勝で見せたいです」

──では今回の大会は配信専門大会で韓国でもYouTubeでも視聴されますが、どのような試合をしたいと思っていますか。

「お客さんがいないイベントだとは聞いています。でもお客さんの有無に関係なく、戦うべき相手が目の前にいるのでそこに集中します。それとこんなに素晴らしいイベントを無料で配信してくれるTHE1TVに感謝しています。絶対とはいえないですが、面白い試合をするつもりです。

第1試合。自分と和田選手の試合が大会を盛り上げるオープニングに相応しいファイトになると期待されているからだと聞きました。そのように言われると、張り切りるのみです。それとボーナスを取りに行きます!!(そゆ)」

──では最後に日本のファンに一言お願いします。

「久保選手との試合以降、日本のファンからたくさん応援を貰えるようになりました。熱い試合をして日本のファンに喜んでもらえる──そして世界的なファイターになるので、応援よろしくお願いします。試合を見て良かったと思ってもらえる戦いをします!!」

■視聴方法(予定)
2月16日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS01対戦カード

<Gladiatorフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パン・ジェヒョク(韓国)
[挑戦者]河名マスト(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹本啓哉(日本)
竹内稔(日本)

<ミドル級/5分3R>
三上ヘンリー大智(日本)
アン・ジェヨン(韓国)

<Progressフォークスタイルグラップリング88キロ契約/5分2R>
グラント・ボクダノフ(日本)
大嶋聡承(日本)

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
和田教良(日本)
チェ・ドンフン(韓国)

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