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Brave CF BRAVE CF57 F1 MMA MMA Super Cup MMAPLANET o Special アリーサ・ベルトソ エルダル・エルダロフ ビア・バジリオ ラマザン・ギチノフ 水垣偉弥

【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:3月:MMA SUPER CUP「彼らはアマチュアなんですよね?」

【写真】元日本のエースを驚かせた──アマチュアファイターたち (C) MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。3人の論客から、水垣偉弥氏が選んだ2022 年3月の一番……は、9・10&12日に開催されたMMA SUPERCUPについて語らおう。


──水垣さんが選ぶ2022年3月の一番をお願いします。

「今回、1試合というのではなく大会単位になるのですが、MMA SUPER CUPでも構わないでしょうか」

──もちろんです。逆にそこを語ってくれますか!! バーレーンで行われたIMMAF上位国によるチーム対抗戦、アマチュアMMAになります。

「ハイ、高島さんがバーレーンに行くってSNSで書かれていて……F1のバーレーンテスト云々と」

──はい、4月1日でもないのにカマしていました(笑)。実際は今、水垣さんが言われたMMA SUPER CUPとBRAVE CF57からなるBRAVE International Combat Weekの取材のためにバーレーンを訪れました。同じ週にF1のバーレーンテストが行われていて、翌週がバーレーンGPだったのでふざけてSNSに書くと、信じてしまう人がままいて……猛省しています。

「アハハハ。でも僕なら絶対に足を伸ばしちゃいますよね。F1のシーズン前のテストを見ることができるチャンスなんて、滅多にないですから(笑)」

──確かに滞在していたマナーマ市内から車で30分ほどの距離にバーレーン・インターナショナル・サーキットがあり、自分が空港に到着した時もF2やF3のボードを持って客待ちしているグループがありました。

「えぇ、そうなんですか。凄いですね。F1は盛り上がっていましたか」

──砂漠の国なので昼に人が外を歩くということが風習としてあまりないようで。ただ空港や街中はF1のビルボードとかもよく見られました。ただ自分が滞在したホテルや近くのモールはBICW一色でした。

「ところでバーレーンは、コロナの方はどうだったのですか」

──グリーン指定の国なので、屋内ではマスク着用。もう、それ以外の規制はなかったです。入国に陰性証明も要らないですし、SUPER CUPもBRAVE CF57も揃って選手、運営陣、メディアのテストもありませんでした。

「えぇ、でもF1ではアストンマーチンのセバスチャン・ベッテルが陽性で欠場になり、ニコ・ニュルケンベルグが代役出場していたじゃないですか」

──ハイ。コントロールできていると判断されている国だから入国に検査もなく、入国できます。そこでプロ&アマ4日間の大会ですし、食事はビュッフェ・スタイル。『これはいつ感染してもおかしくない』って思っていました(苦笑)。

「ですよね。いやぁ、それは怖いですよね」

──そうですね。症状以上に帰国できない。帰国後1週してシンガポールに行くので、隔離になりたくないという気持ちでした。取材以外はスーパーへの買い出しと、最後の晩にお世話になった関係者と食事をした以外はホテルの部屋から出なかったです。そういえばバーレーン入りした便に、メキシコ人がたくさんいて凄く盛り上がっているから、チェコ(セルジオ・ペレス)の応援団かと思っていたら、SUPER CUPの出場選手でした。

「アハハハハ。僕はIMMAFのことは名前程度しか知らなくて、SUPER CUPのことも知らなかったです。で、MMAPLANETに旅日記調で触れられていて、どういうものかIMMAFのサイトにマンスリー会員になって映像を視てみたんです」

──スバリ、どうでしたか。

「正直、驚かされました。色々と驚かされたことはあるのですが、彼らはアマチュアなんですよね?」

──ハイ。

「いやぁ、バーレーンやカザフスタンの中心選手はプロレベルというだけでなく、既に相当なレベルにあるように感じました。レスリング、ケージ・スクランブルも慣れたモノで。それだけでなくアイルランドやチーム・オセアニア勢もしっかりとMMAが出来ている。ウェルラウンディットという意味ではアイルランドとオセニアは、バーレーンやカザフスタンよりも現代MMAでした」

──実は現地入りしてからもBRAVE CFの取材がメインで、SUPER CUPはついで。そういう意識でいたのですが、アイルランド✖チーム・オセアニアの準々決勝を見て、認識が変わりました。SUPER CUPも可能な限り取材をしようと。

「分かります。僕もあの試合から映像を確認したのですが、アイルランドの選手達って、普通にスイッチを使いこなしていて。

組んでもMMAとして形になっている。アイルランドだから、それだけ地盤があるのでしょうけど、レベル的にはもう相当でしたね。レガースを着けていることに、違和感がある。それが第一印象です。プロじゃないのか……というのが。

それとトーナメントなのでケガをせずに戦うということなのか、テクニック優先でラフなことがない。ただ激しくないということではないです。あと、気になった選手は名前など覚えますけど、これだけ選手が出ていた名前と顔が一致しないなかでチームが統一のユニファームで戦うのは分かりやすくて良かったです。

あれは日本人チームとか誕生すると、見ている人も感情が搔き立てられると思います。

まぁバーレーンはダゲスタンとブラジルの連合チームじゃないかって思いますけど(笑)」

──そこはバーレーン流と言いますか(笑)。以前、サッカーのW杯アジア予選で日本と戦ったバーレーン代表はナイジェリアから2人、モロッコ、チャドとアフリカからの帰化選手がいました。これは中東全般でも見られ、バーレーンだけでなくオマーン、バーレーンの陸上選手はケニア、エチオピア、ウガンダ、タンザニアからの帰化選手が目立っています。ブラジル人はともかく、ダゲスタンの選手はイスラム教徒でしょうし。まだ共通点があるのかって感じですね(笑)。

「そのダゲスタン勢が強かったです。みな、レスリングがデキる。いえ、デキる以上ですね。準々決勝を終えて、そういう印象を持ったのですが、最初に出てきた女子選手にも驚かされました」

──アリーサ・ベルトソですね。

「立ち上がりを見て、ジャブが伸びてワンツー、ローや前蹴りを繰り出す選手。ブラジルのMMAファイターだし、下もそこそこできる打撃&柔術という風に勝手に予想を立てていました。でも──あの打撃から前に出ると、バシッとダブルレッグでテイクダウンを決めていましたね。あれは意外でした。

あの打撃スタイルの選手は、普通は遠くからの打撃戦で削って、相手のテイクダウンを切る。テイクダウンされても、下で戦える。そういう選手が多いじゃないですか。でも、彼女は打撃で勝っていてもテイクダウンに行きました。

後から出てきた男子選手の戦い方を見ていると、あの女子選手も同じジムで練習しているんですよね?」

──ハイ。KHKジムで練習をしています。ダゲスタン出身、BRAVE CFスーパーライト級王者エルダル・エルダロフがヘッドコーチです。エルダロフはキャリア13勝1敗、18歳の時にキャリア6戦目のカビブ・ヌルマゴメドフに唯一の黒星を喫した現役ファイターでもあります。

「なるほどぉ。そういうコーチがいるから、テイクダウンの仕掛けが強いんですね。そこがないと、あの打撃があってテイクダウンにいくという戦い方にはならないと思います。そこが印象的でしたね。

しかもこのベルトソは下になった場面でも、どんどん極めを仕掛けて。下からも強かったです。打撃と下かと思うと、テイクダウンができた。だから寝技は上攻めかと思ったら、下からもキレキレで──結局、全部できるのかと」

──それでもアマチュアです。

「もう、日本のアマチュアとは比較にならないです。正直、レベルは日本だとプロのベルトを争えるレベルだと。その次に出てきたビア・バジリオも、強烈な極めの強さでサクッと腕十字で勝ちました」

──彼女は2019年のADCCの女子60キロ級で優勝している選手です。

「えぇ、そうなんですか。寝技が強くて当たり前じゃないですか。もちろん、彼女もブラジル人ですよね。いやぁ……そこから出てきた男子はハジ・モハメド・アリ、ラマザン・ギチノフとか本当にレスリングが強かったです。特にラマザンはエグイですね。相手も強かったですけど、アナコンダでしっかりと勝って。

このブラジル&ダゲスタン連合のバーレーンがぶっちぎりだと思ったら、準決勝で彼らと戦ったカザフスタンが……また強かったです」

<この項、続く>

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Brave CF BRAVE CF57 MMA MMAPLANET o ハマザ・コヘジ ブラッド・カトーナ

【BRAVE CF57】ブラッド・カトーナが地元コヘジにTDで競り勝ち、バンタム級王座を奪取

<BRAVE CFバンタム級王座決定戦/5分5R>
ブラッド・カトーナ(カナダ)
Def.3-0:48-47.48-47.47-48.
ハマザ・コヘジ(バーレーン)

サウスポーのコヘジに対し、カトーナは左ジャブとローでけん制。コヘジは右ジャブから距離を詰める。カトーナが右のインローを当てると、コヘジも左ストレートを返す。カトーナの右ストレートに、コヘジが左ストレートをかぶせる。カトーナの右ストレートと左ジャブが、コヘジの顔面を捉える。しかしコヘジも左ストレートでカトーナのアゴを上げた。カトーナは細かく左右のロー、コヘジが前に出て来るとサークリングする。カトーナはコヘジの左ハイをブロックした。

2R、カトーナの右ハイをかわしたコヘジ。左ストレートを当てるが、カトーナも右を返す。距離を詰めたコヘジが左を当てる。細かい打撃で探り合うなか、カトーナがシングルレッグで組み付き、ダブルレッグに切り替えてテイクダウンを奪った。ケージに背中をつけて起き上がるコヘジ。ボディロックからバックを狙うカトーナ。スイッチからコヘジをケージに押し込んでいく。しかしダブル、シングルと切り替えるも、もう一度コヘジを倒すことができない。両腕を差し上げて小外刈りを仕掛けるも、コヘジは倒れず。ならばとボディロックで背中を着かせた。コヘジはすぐに立ち上がり、ケージに押し込まれながらも会場から声援を浴びた。

3R、コヘジが距離を詰める。右ジャブを伸ばしたコヘジは、左ストレートをカトーナの顔面に突き刺す。カトーナもジャブとローを返すが、コヘジは構わず距離をつめていく。コヘジが前に出てきたところにカウンターで組み付いたカトーナは、ケージ際でシングルレッグを狙う。コヘジがスイッチ、しかしカトーナ尻もちを着かせる。スクランブルの展開をコヘジが制したかに見えたが、カトーナが離れて再びダブルレッグでテイクダウンを奪った。ハーフガードのコヘジはスクランブルに持ち込む。カトーナはコヘジのダブルレッグをスプロールし、ガブってコントロールしながら隅返しのような形でスイープした。それですぐに立ち上がったコヘジを、シングルレッグでケージ押し込み、このラウンドを終えた。

4R、カトーナの左ローでコヘジの右足が流れる。足を使うカトーナの顔面をコヘジの左ストレートが捉えた。さらに左ハイから左ストレートで攻め立てるコヘジだったが、またもカトーナがシングルを仕掛け、コヘジはケージに押し込まれる。ここでコヘジに尻もちをつかせたカトーナ、立ち上がるコヘジに右腕を差し上げてケージに押し込む。残り2分でシングルを仕掛けたカトーナに対し、コヘジはスイッチから体勢を入れ替えた。ところがカトーナがまたもコヘジからテイクダウンを奪い、そしてコヘジが立ち上がるという展開が続く。残り40秒で離れた両者はパンチの打ちあいを展開。コヘジの左ストレートを食らったカトーナも下がるが、前に出て来るコヘジに組み付き、シングルでケージに押し込んでいった。

最終回、左ジャブを突いてサークリングするカトーナ。カトーナのローでコヘジの足も流れる。カトーナの右ストレートがヒット。さらに左フックで相手を捌く。一気に距離を詰めて、左ストレートを当てるコヘジ。左ストレートを上下に打ち分けると、コヘジのヒット数が高まる。組んだ両者、カトーナが首相撲でコントロールを試みるがコヘジが離れる。カトーナは再びシングルレッグへ。コヘジが右ヒジを打ち込んだとことで相手をリフトアップするカトーナ。テイクダウン後のスクランブルから、再びシングルでコヘジをケージに押し込む。さらにダブルに切り替えて、コヘジをケージに押し込み続けた。

判定は割れたがカトーナが勝利し、BRAVE CFバンタム級王座に就いた。


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Brave CF BRAVE CF57 MMA MMAPLANET o アブディサラム・クバチニエフ クレイトン・シウバ

【BRAVE CF57】後頭部への加撃によるNC裁定――に納得のいかないクバチニエフがケージでベルトを巻く

【写真】NC裁定に納得のいかないクバチニエフが、ファヒド社長からベルトを与えられた(C)MMAPLANET

<BRAVE CF暫定ライト級王座決定戦/5分5R>
アブディサラム・クバチニエフ(キルギス)
クレイトン・シウバ(ブラジル)

シウバが右ローからパンチを狙う。身長で下回るクバチニエフは左ボディストレート、さらに相手の左ローに右ストレートを合わせた。シウバはグラつき、足を使い始める。ケージ中央でクバチニエフの右クロスが当たる。距離が近くなるとシウバは組み付き、右ヒジを繰り出すが当たらず。クバチニエフがプレッシャーを強め、顔面に右を伸ばす。しかしディアズの右がクバチニエフのアゴを捉えると、形勢は逆転。シウバが打撃で攻め込む。しかしクバチニエフが組み付き、ボディロックからグラウンドに持ち込んだ。

ハーフガードのディアズに鉄槌を落とすクバチニエフ。ディアズは立ち上がるも、クバチニエフがバックコントロールからバックマウントを奪いRNCへ。これを凌いだシウバがバックに回るも、クバチニエフが切り返してバックを奪った。ここからスクランブルを展開する両者、制したのはルジボエフだ。バックコントロールからバックマウント、そしてパンチを落としながら相手の体を伸ばす。そして強烈な右のパンチを落としていくが、これがシウバの後頭部に当たったとみなされたか、レフェリーが試合を中断してシウバに休憩を与える。

シウバがダメージを訴える一方、クバチニエフは国旗を背負って勝利をアピールするが……。
裁定はクバチニエフの後頭部への加撃によりシウバが試合続行不可能となり、ノーコンテストに。
しかし納得のいかないクバチニエフは抗議かケージに留まる。さらにケージサイドからベルトを受け取り、ケージ中央でそのベルトを巻いた。

ファヒド社長は「計量も済まし、ずっとこの試合のために準備をしてきて、体重オーバーの相手と戦ったのでベルトをあげた。次に正規王者と戦わせる」としている。


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Brave CF BRAVE CF57 F1 MMA MMAPLANET o ONE モハマド・ファフレディン モハメド・サイード・マレム

【BRAVE CF57】因縁に決着!? ミドル級王者ファフレディンがマレムをKOして2階級制覇

【写真】ド派手な打ち合いの末、ファフレディンが2階級制覇を果たした(C)MMAPLANET

<BRAVE CFライトヘビー級王座決定戦/5分5R>
モハマド・ファフレディン(レバノン)
Def.2R by TKO
モハメド・サイード・マレム(スイス)

マレムが左右のロー、ファフレディンは相手のパンチを下がりながらブロックする。マレムの左ジャブに右ストレートをかぶせるファフレディン。さらにパンチを振りながら前に出るが、マレムは足を使ってかわした。マレムが右スイング、ファフレディンは左右のフックで相手を下がらせて、右ローを当てる。しかしマレムが飛び込みながら右ストレート。これがクリーンヒットしてファフレディンはダウンする。マレムはすかさずサイドバックからパンチを連打していくが、これを耐えたファフレディンが立ち上がる。

打撃戦のなかでマレムがシングルレッグを仕掛ける。ヒザをついたファフレディンは立ち上がるも、ケージ際でマレムのヒザ蹴りをもらってしまう。ところがファフレディンの左フックが当たり、動きが止まるマレム。ここファフレディンは距離を詰めてきたマレムの首を取ってギロチンを仕掛けるが、これはマレムが耐えた。スタンドに戻り、両者のパンチが交錯する。ここでファフレディンは右ローで相手を下がらせ、パンチで攻める。そして右フックでダウンを奪い、パウンドの連打を浴びせていったところでファーストラウンドが終わった。

2R、下がるマレムに対してファフレディンは右ローを伸ばす。手が出ないマレムはケージを背にしてサークリングを続ける。そこにファフレディンの左フックが当たる。ダウンしたマレムはシングルを狙うが、それを抑え込んだファフレディンがパンチの連打でレフェリーストップを呼び込んだ。

試合後、マレムのセコンドがケージに飛び込んでこようとしたことをキッカケに、ケージ内は乱闘に発展する。乱闘はすぐに収まったが、両陣営ともに興奮が収まらない。
とにもかくにもミドル級に続き2階級制覇を果たしたファフレディンは、「BRAVEが指名した相手と、いつでも戦う。家族を愛している。次に向かう準備はできている」と語った。


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Brave CF BRAVE CF57 MMA MMAPLANET o ヌルスルタン・ルジボエフ ルイス・フィリッピ・ディアズ

【BRAVE CF57】後頭部への加撃によるNC裁定――に納得のいかないルジボエフがケージでベルトを巻く

【写真】NC裁定に納得のいかないルジボエフが、ファヒド社長からベルトを与えられた(C)MMAPLANET

<スーパーウェルター級/5分3R>
ヌルスルタン・ルジボエフ(ウズベキスタン)
1R by NC
ルイス・フィリッピ・ディアズ(ブラジル)

ディアズが右ローからパンチを狙う。身長で下回るルジボエフは左ボディストレート、さらに相手の左ローに右ストレートを合わせた。ディアズはグラつき、足を使い始める。ケージ中央でルジボエフの右クロスが当たる。距離が近くなるとディアズは組み付き、右ヒジを繰り出すが当たらず。ルジボエフがプレッシャーを強め、顔面に右を伸ばす。しかしディアズの右がルジボエフのアゴを捉えると、形勢は逆転。ディアズが打撃で攻め込む。しかしルジボエフが組み付き、ボディロックからグラウンドに持ち込んだ。

ハーフガードのディアズに鉄槌を落とすルジボエフ。ディアズは立ち上がるも、ルジボエフがバックコントロールからバックマウントを奪いRNCへ。これを凌いだディアズがバックに回るも、ルジボエフが切り返してバックを奪った。ここからスクランブルを展開する両者、制したのはルジボエフだ。バックコントロールからバックマウント、そしてパンチを落としながら相手の体を伸ばす。そして強烈な右のパンチを落としていくが、これがディアズの後頭部に当たったとみなされたか、レフェリーが試合を中断してディアズに休憩を与える。

ディアズがダメージを訴える一方、WBA世界スーパーフェザー級王者はウズベキスタンの国旗を背負って勝利をアピールするが……。
裁定はルジボエフの後頭部への加撃によりディアズが試合続行不可能となり、ノーコンテストに。
しかし納得のいかないルジボエフは抗議かケージに留まる。さらにケージサイドからベルトを受け取り、ケージ中央でそのベルトを巻いた。

ファヒド社長は「計量も済まし、ずっとこの試合のために準備をしてきて、体重オーバーの相手と戦ったのでベルトをあげた。次に正規王者と戦わせる」としている。


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Brave CF BRAVE CF57 MMA MMAPLANET o アス・アルマバエフ イムラム・マガラモフ キック

【BRAVE CF57】バックスピンからのTD&トップキープで、アス・アルマバエフがマガラモフに完封勝利

【写真】グラウンドは展開が少なかったものの、アルマバエフのバックスピンキックからのダブルレッグは流れるような動きだった(C)MMAPLANET

<フライ級/5分3R>
アス・アルマバエフ(カザフスタン)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27.
イムラム・マガラモフ(アゼルバイジャン)

アルマバエフが右ローで先制。サークリングするマガラモフに対し、ダブルレッグでグラウンドに持ち込んだが、これはマガラモフがギロチンの形で引き込んだか。両脇を差し上げて抑え込むアルマバエフ、下から抱え込むマガラモフへ上下にパンチを打ち分ける。次第に足を上げていくマガラモフだったが、アルマバエフがパスを狙ったところでフルガードに戻す。マガラモフがアルマバエフの右腕を取ってアームバーの形に入りかけるも、アルマバエフが腕を抜きパウンドを落とす。マガラモフはアルマバエフのパウンドに合わせて、下からサブミッションを狙うかのような動きも見せる。アルマバエフはトップをキープしながら、時おり強いパンチを振り落としていった。

2R、距離を詰めるアルマバエフに対して、マガラモフは右バックスピンキックでけん制した。反対にアルマバエフの右バックスピンキックの打ち終わりに右の打ち下ろしを合わせたマガラモフ。しかしアルマバエフは、またも右バックスピンキックを見せながら、今度はダブルレッグにつなげて相手に背中を着かせた。ケージ際で抑え込むアルマバエフ。マガラモフは足を利かせながら、ケージ際へ向かい立ち上がろうと試みる。アルマバエフはマガラモフの頭をケージ中央に向けて、立ち上がらせない。マガラモフの右腕を抑えるアルマバエフに対して、足を上げていくマガラモフだったが、やはりアルマバエフが抑え込んでいく。会場からはブーイングが聞こえるも、展開が少ないままラウンドが終わった。

最終回、開始早々アルマバエフが右バックスピンキックから、またもテイクダウンを奪う。下からオーバーフックで相手を抱えるマガラモフだが、展開を作ることはできない。アルマバエフがパンチを細かく上下に打ち終わる。両者に展開がなく、レフェリーがブレイクをかけた。再開後、アルマバエフがプレッシャーをかけ、マガラモフにケージを背負わせる。右バックスピンキックを見せたマガラモフをキャッチして、ボディロックからグラウンドに引きづりこんだアルマバエフはパスガード。マガラモフは潜るもアルマバエフがマウントを奪取した。サイドに戻りパンチを落としていくアルマバエフ、マガラモフはハーフガードに戻す。マガラモフはフルガードから相手を蹴り離そうと試みるが、アルマバエフが再びガードの中に戻り、そのままトップをキープして試合終了のホーンを聞いた。

判定はジャッジ3者ともフルマークでアルマバエフとなった。


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Brave CF BRAVE CF57 MMA MMAPLANET o キック メイサラ・ムハメッド モハメッド・ファハッド

【BRAVE CF57】メイサラ・ムハメッドが制空圏を制し、ファハッドを左ストレートで沈める

【写真】カウンターの取り合いから、一瞬のスキをついてムハメッドがKO勝ち(C)MMAPLANET

<バンタム級/5分3R>
メイサラ・ムハメッド(エジプト)
Def.2R by TKO
モハメッド・ファハッド(インド)

サウスポーのムハメッドが飛び出すとファハッドは下がるながらロー。ムハメッドは右サイドキックでファハッドの関節を狙う。さらに左ミドル、左ハイにつなげるムハメッド。左ミドルから左ストレート、そして右スピニングキックで相手を下がらせる。しかしファハッドも前に出て、ケージ中央で右ショートを当てた。ファハッドが右ストレートで距離を詰めると、カウンターで左ストレートを合わせたムハメッド。左ストレートをボディに伸ばしてから左ミドルハイにつなげる。

ハファッドも相手を蹴りをかわしながらパンチを放つも、ムハメッドが左右のショートで相手を中に入れさせない。互いにフェイントを見せ合うなか、ストレートが交錯したあと、ムハメッドが距離を取りながら回転計の技を繰り出して会場を沸かせた。

2R、ファハッドの左ローを捌いたムハメッドが、右サイドキック。ハファッドの右ストレートも当たる。ムハメッドが左ストレート、右バックスピンキックを見せるも、ファハッドに届かない。ムハメッドの左ストレートをかわしたファハッドが組み付き、ボディロックからテイクダウンを狙う。ファハッドがムハメッドを抱え上げ、マットに叩きつけるとレフェリーが試合を中断し、注意を与えた。再開後、ムハメッドが左ミドルを見せる。ファハッドは相手の左ストレートに右ショートのカウンターを合わせるが、クリーンヒットはない。

右ストレートのダブルで攻め込むファハッド。ムハメッドは足を使って距離を取り、左ストレートを打ち込む。ここでファハッドもサウスポーにスイッチするが、すぐにオーソドックスへ戻した。相手にケージを背負わせるファハッドだが、ムハメッドの右カウンターをもらってしまう。さらにムハメッドの左ストレートがファハッドの顔面を捉え、ハファッドはダウン。すぐさまムハメッドが、うずくまったファハッドの顔面にパンチを落としたところでレフェリーが試合を止めた。


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Brave CF BRAVE CF57 MMA MMAPLANET o マゴメド・イドリソフ ラフマトゥル・ユスフザイ

【BRAVE CF57】マゴメド・イドリソフがTD&サブミッションを仕掛け続けてユスフザイをドミネイト

【写真】キャリア4戦同士の一戦は、イドリソフがユスフザイをドミネイトした(C)MMAPLANET

<130ポンド契約/5分3R>
マゴメド・イドリソフ(ロシア)
Def 3-0:.30-27.30-27.30-26.
ラフマトゥル・ユスフザイ(アフガニスタン)

サウスポーのユスフザイに対し、イドリソフがフェイントをかけながら距離を詰める。ユスフザイは右ロー。それをバックステップでかわしたイドリソフが左ローで相手を下がらせるイドリソフの右ミドルに顔をゆがめるユスフザイ。相手の右ジャブをかわしてダブルレッグでテイクダウンを奪ったイドリソフは、そのままパスしてサイドへ。ユスフザイのオーバーフックを解き、右腕を差し上げて抑え込む。そして後ろ三角を狙う。レフェリーに対してサムアップを見せるユスフザイ。するとイドリソフは右腕を取ってキムラを仕掛けた。ここはユスフザイが腕を抜く。

サブミッションをしのがれたイドリソフはマウントを奪取。パウンドを連打するも、ユスフザイがTKシザースでリバーサルを狙う。イドリソフはトップを譲らず、再びサイドから抑え込んだ。左ヒジと左ヒザをたたきつけるイドリソフ。ユスフザイのエビをしのぎ、トップのままパンチを落とし続けてファーストラウンドを終えた。

2R、クラウチングスタイルで構えるイドリソフに対して、ユスフザイが距離を詰める。イドリソフは右ミドルハイから、相手の右スピニングバックフィストをもらいながらも組み付いてグラウンドに持ち込んだ。サイドから相手のブリッジを防ぎ、コツコツとパンチを落とす。ユスフザイはガードに戻すも、イドリソフがパンチを振るいながらパスを狙う。ケージ際でクローズドガードを取るユスフザイ。オーバーフックから腕を抜いたイドリソフが、相手の顔を抑えながらパンチを打ち込む。

しっかりとガードを固めるユスフザイ、時折イドリソフのパンチがユスフザイの顔面を捉える。イドリソフがパスした瞬間にエビで返そうとしたユスフザイだが、イドリソフはサイドバックへ。亀になったユスフザイに左の拳とヒザを突き刺す。ガードに戻ったユスフザイ、イドリソフはそのままトップをキープした。

最終回、ケージ中央で見合う両者。ユスフザイがローでけん制すると、イドリソフも左ローを返していく。ここでユスフザイがワンツーから組み付くが、脇を差し上げたイドリソフが反対にグラウンドでトップを奪った。パンチを落とすイドリソフ、ユスフザイはフックからスイープを狙うも失敗。イドリソフがトップをキープし、パスを狙う。ユスフザイは下から左腕で相手の頭を抱え、ギロチンで絞り上げるも、これはすぐにイドリソフが頭を抜いた。ケージ際でパスを狙い続けるイドリソフ。ユスフザイもハーフガードで耐える。

しかしパスしたイドリソフが右腕を取ってキムラへ。相手の頭に足をかけて極まるかに見えたが、ユスフザイも体を反転させて防ぐ。それでもイドリソフのトップキープは変わらず、マウントへ移行した。一度はユスフザイが返すも、再びマウントを奪ったイドリソフが左ヒジを連打する。ユスフザイもフィフティ・フィフティからイドリソフの足を取りにいくが、極めきれずに試合終了となった。

判定はジャッジ3者ともドミネイトしたイドリソフにフルマークをつけた。


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BICW2022 Brave CF BRAVE CF57 MMA MMA Super Cup MMAPLANET o UFC アス・アルマバエフ アブディサラム・クバチニエフ アリーサ・ベルトソ アルマン・オスパノフ サブリナ・ソウザ ヌルスルタン・ルジボエフ ハジ・モハメッド・アリ ビア・バジリオ ブラッド・カトーナ モハメッド・ファハッド モハメド・サイード・マレム ラマザン・ギチノフ レオ・サントス 海外

【BICW2022】BRAVE国際コンバットウィーク in バーレーン―04―『敗れてなお印象強し、カザフ勢』

【写真】バーレーンのヘッドコーチ、BRAVE CFスーパーウェルター級王者エルダル・エルダロフとラマザン・ギチノフ(C)MMAPLANET

バーレーン4日目、10日(木・現地時間)はMMA SUPER CUPの準決勝=アイルランド×アセアニア、バーレーン×カザフスタンが行われ、その直前にBRAVE CFのセレモニアル計量があるということで、計量とバーレーン×カザフを取材するという1日になりました。

記者会見と同じオアシス・モールで行われたセレモニアル計量ですが、ソファ形式のVIPシートが用意されるなど、そこの中東色の強い光景を見ることができました。そして、日本の常識は通じないという当然の事態――恐怖を伴う事態に遭遇しました。


計量の撮影は基本、スケールとフェイスオフの中央の位置の延長線上にある場所を確保するのが個人的な習慣です。そのために早めに計量会場を訪れます(海外の場合は。日本は他に、日本のファンに伝えるメディアがあるので基本気にしてないです)。

開始の30分前、ベストの位置を確保していたのですが、いざ計量が始まると目の前に目算で身長190センチ、体重100キロのロシア系の関係者が、モバイルを2つ手にして――完全に自分と計量を行う選手の前に立ちはだかりました。

これ、日本のマナーではありえないです。後から来た人間が、前で立ち上がるというのは。どうしても肩や携帯がフレームに入ってしまうので、「Stay low」と頼んでも、英語を理解しないのか――いや、何を言っているのかは仕草で分かるはずなのに完全に無視してきます。

ばかりか肩に触れ横に動くよう促すと、思いきり睨んでくる始末です。いや「俺の方が先に来たから」と英語で伝えても、さらに凄味を増して睨みつけてきます。後ろを振り向く余裕があるなら、よけろよと思いつつ窮屈な姿勢で、時にはそいつの携帯が見切るような感じで計量を終えました。

そうしたら、その巨漢のロシア人が「ドンタッチ・マイ・ショルダー」と言うや、たいそうな剣幕でロシア語でまくしたててきました。最後はなぜか、携帯でこっちの顔を撮りつつ捨て台詞を吐いて踵を返していきました。

こういうとアレですが、言葉も通じないし、自分の正義のためには暴力は厭わないんだろうなと……。

あの動画の自分の視線が「やるなら、やれ」という目力があることを願い、アイツとホテルのエレベーターで一緒になりたくないな――と思いつつ、ハリファ・スポーツシティ・アリーナへ向かいました。

ブラジル&ロシア連合=チーム・バーレーンは一番手アリーサ・ベルトソが、またもずば抜けた強さを見せ腕十字で一本勝ち。続いて二番手はADCC女子60キロ級世界王者ビア・バジリオではなく、チームメイトのサブリナ・ソウザが出場。

名門ノヴァウニオンからKHK MMA入りをし、ダゲスタンでレスリングの強化に励んできた21歳は、1月のIMMAFシニアトーナメント・フェザー級王座を獲得するなど、アマMMAで10連勝――現地ではUFC級といわれている猛者です。

サブリナはTDからマウンド奪取、僅か54秒で腕十字を極めてしまいました。既に女王の貫禄という雰囲気のサブリナでしたが、ホテルへ戻る際にチーム・バーレーンのバスに同乗させてもらい、ノヴァ総帥デデことアンドレ・ペデネイラス、レオ・サントスとは20年来の親交があると伝えると、まさに破顔一笑。一気にフレンドリーになり、「レオが私の先生なの」と少女のような表情を見せてくれました。やっぱり侵攻より、大切なのは親交だと再確認できた次第です。

ここから男子7階級、バーレーンが圧勝かと思いきや――続くバンタム級は負傷欠場で不戦敗。そしてフェザー級では昨日のレポートでトップ写真に持ってきたハジ・モハメッド・アリがテイクダウンを切られ、殴られ、蹴られ。最後は必死にトップを取るも三角絞めで落とされて一本負けに。

続くライト級も凄まじい打撃とスクランブルゲームの末、カザフのネイマット・アザドフがスプリット下かの攻撃で――スプリット判定勝ち。かなりの接近戦でしたが、IMMAFに中東の笛はないことに胸を撫でおろしました。

カザフ3勝、バーレーン2勝で迎えたウェルター級では準々決勝でずぬけた強さを見せたラマザン・ギチノフが、大内刈りでテイクダウンを奪われる展開に。それでも、この選手のコントロール力はやはり抜群でスクランブルからバックを制し、最後はRNCで一本勝ちを果たしました。

カザフ勢、アルマン・オスパノフのようなノーギ・コンバットサンボというべきトータルファイターが揃っており、「これはひょっとして……」という想いにもなりましたが、そこは現代MMA――打撃に臆することなければテイクダウン&コントロールの一点突破が可能で、バーレーン国籍を持つダゲスタン勢は、ミドル級以降も2つ勝利を重ねて勝利を決定すると、ヘビー級はカザフが辞退し勝負は決しました。

それにしても、バーレーンの強さを際立たせたカザフの強さ、土曜日の3決で勝利して最後の賞金を自国に持ち帰ろうとする貪欲さも伝わってき、中央アジアの怖さを敗れてなお印象づけたと思います。

金曜日はBRAVE CF57、土曜日のSuper Cupの決勝と3決でBICWはフィナーレを迎えますが、BRAVE CF57に関しては速報形式でレポートをお届けしたいと思います。

※スーパーウェルター級のヌルスルタン・ルジボエフとルイス・フィリッピ・ディアズは前者の計量失敗で中止になっています。

■BRAVE CF計量結果

<BRAVE CFバンタム級王座決定戦/5分5R>
ハマザ・コヘジ:61.2キロ
ブラッド・カトーナ:61.1キロ

<BRAVE CFライトヘビー級王座決定戦/5分5R>
モハマド・ファフレディン:92.7キロ
モハメド・サイード・マレム:91.9キロ

<BRAVE CF暫定ライト級王座決定戦/5分5R>
アブディサラム・クバチニエフ:70.3キロ
クレイトン・シウバ:70.3キロ

<ライト級/5分3R>
サム・パターソン:70.4キロ
クンカルパシャ・オスマエフ:70.4キロ

<ライト級/5分3R>
フセイン・カジマゴメアエフ:70.7キロ
アグシン・ババエフ:70.5キロ

<フライ級/5分3R>
アス・アルマバエフ:57.1キロ
イムラム・マガラモフ:57.1キロ

<ライト級/5分3R>
サイード・ムルタザ・サダット:67.3キロ
カミ・マゴメドフ:70.6キロ

<ライトヘビー級/5分3R>
ムルタザ・タルハ・アリ:93.0キロ
ミクヒル・サジニアニ:92.9キロ

<バンタム級/5分3R>
モハメッド・ファハッド:61.7キロ
メイサラ・ムハメッド:59.5キロ

<130ポンド契約/5分3R>
マゴメド・イドリソフ:61.2キロ
ラフマトゥル・ユスフザイ:61.6キロ

<バンタム級/5分3R>
アブドゥラ・アリヤコブ:60.4キロ
オマル・エマッド:63.6キロ

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【BRAVE CF57】二階級制覇に挑む、レバノン人王者ファフレディン「目には目を。反則攻撃には反則攻撃を」

【写真】反則が来るという気持ち、覚悟でケージに上がるBRAVEミドル級王者ファフレディン (C)MMAPLANET

11日(金・現地時間)、バーレーンはマナーマのハリファ・スポーツシティ・アリーナで開催されるBRAVE CF57。バンタム級、暫定ライト級王座決定戦とともに、ライトヘビー級王座決定が組まれミドル級王者モハメド・ファフレディンが、モハメド・サイード・マレムと対戦する。

昨年8月に同じくライトヘビー級のベルトを賭けて戦った両者。繰り返される反則の攻撃のなかで、TKO負けを喫したファフレディンの抗議が通り結果はノーコンテストに変更された。

レバノン人MMAファイター、中東MMAのパイオニアに初インタビューを試みた。


――BRAVE CF57でモハメド・サイード・マレムとの再戦、ライトヘビー級王座を賭けて戦います。まだ日本のMMAファンにはBRAVE CFと聞いてピンとくるモノがないのが事実です。中東におけるBRAVE CFの発展をレバノン人ミドル級王者として、どのように感じていますか。

「この6年でBRAVEの成長は目を見張るものがある。パンデミックが起ってからも、国際的なイベントを開いてきたようにね。選手にとっても素晴らしいプラットフォームを構築したと思うよ。このグローバル路線を続け、日本でもBRAVEが開かれることを願っているよ。もちろん、その時は僕も日本で戦いたいと思っている」

――いきなり締めコメのような言葉をありがとうございます。ところで今回のタイトル戦、前回8月の試合は急所へのヒザ蹴りが何度かあり、最後は後頭部へのパンチで動けなくなってパウンドアウト負け。一度はマレムの腰にベルトが巻かれましたが、後日ノーコンテストに試合結果が覆りました。

「正式に抗議を出した。あの試合は、ヤツの失格になるべき内容だった。レフェリーは目視できておらず、ビデオのリプレイも試合場で行われなかったからね。コミッションが後頭部への攻撃が複数あったと認め、結果がNCになったんだよ。

急所へのヒザは注意を受けていたから、形としては問題ない。ただ後頭部へのパンチは、試合の行方を決めてしまった。あのパンチを受けて、体が動かなくなったんだ。それなのにレフェリーが反則のパンチを見逃した、そこには納得がいなかったよ」

――NCで良かったですか。マレムの反則負けになるべきではないでしょうか。そしてチャンピオンベルトを巻くべきだったと。

「そうなって然りだろうね。それでも再戦にはなっていたと思うけど。あの場でビデオのチェックがあれば、僕がチャンピオンになっていたはずだ。でも、それはどうでも良いよ。アイツを叩きのめして、ベルトを巻きたいから。あんな風になって勝てても、ベルトは欲しくない。常に相手を仕留めるつもりで戦ってきた。それが僕のサムライ・スピリットなんだ。ケージに入れば斬るか、斬られるか。それが僕の戦い方だから」

――ところでマレムの反則攻撃ですが、故意でなくても自分の攻撃をコントロールする力が求められるかと思うのですが。

「もちろんだ。自分の攻撃がどこに当たるのか、それを考えて手や足を出さないと。それにしても、あの鉄槌攻撃は本当に効いた。自分も注意をしないといけなかったかもしれないけど、トップを取った人間があからさまに後頭部を殴るとは警戒していなかった。ヤツはクリアに後頭部を殴っていたよ。

でも、驚くことじゃなかったかもしれないね。アイツはクリーンなファイターじゃない。ダーティーな奴だから、それぐらいのことをしてくるだろうと準備しておくべきだったかもね。急所への攻撃も含めて」

――ルールを破ってくることを前提に戦うのは、もう競技として成り立たないですし……。それはディスアドバンテージになってしまいます。

荒れそうだ……

「また同じようなことをやってきたら、今度は黙っていない。目には目を、歯には歯を――だよ。

ダーティーショットにはダーティーショットでやり返してやる。ナイフにはナイフ、反則には反則だよ」

――その覚悟が必要だということですね。ところでモハメド、我々はレバノンのMMAに関してはほぼ情報がありません。そもそもなぜMMAを始めたのですか。

「2011年にボクシングをするために、米国に移り住んで。そこでMMAに出会った」

――もともとはボクサーだったのですね。

「そうなんだ。サンディエゴに行き、1年で3試合ほどアマの試合を戦い、プロとして活動できないか模索していたんだけど、そのチャンスはなかなか訪れなかった。そうしたらアマのMMAの試合を戦う機会があり戦ったんだ。ボクシングじゃないし、結果は負けてしまったけどそれでも構わなかったよ。

ボクシングでも、MMAでも、ムエタイでも良いから戦いたかった。サンディエゴではオールド・ボクシングスクールジムのアニス・ジョンソンにボクシング教えを受けてね。彼に学んだことは、今も多く生きているよ。アニスは僕の師匠だ。

米国滞在は結局1年で、その後レバノンに戻り、ベイルートでRevolution FCというアマMMAがあり合計12試合戦った。その後はDesert Forceでプロデビューし、9試合戦い8勝1敗の時点でBRAVEとサインしたんだ」

――Desert Force時代にはジャラ・フセイン・アルシラウィに勝利し、暫定ウェルター級チャンピオンになっています。

「ジャラとは1勝1敗、タイトル戦の前に戦った時は負けているんだ。でも、彼に勝って巻いたベルトのおかげでBRAVEから声が掛かった。本当は第1回大会のメインで戦うことが決まっていたけど、ケガをして出られなくなったんだ。BRAVEとは第4回大会から、専属契約を結んで戦ってきた。BRAVEこそ、僕のホームさ。

BRAVEが定期的にイベントを開き、レベルの高い相手と戦う機会を与えてくれた。彼らの発展をともに歩めてきて幸せだよ」

――普段からずっとレバノンで練習しているのですか。

「今はレバノンでの生活っていうのが、なかなかハードで4カ月前に友人を頼ってドバイに拠点を移したんだ。キャンプはチャンプスというジムで行い、レバノンとクウェートからトレーニングパートナーに来てもらって調整してきた」

――まさにチーム・ミドルイーストですね。

「ボーイズが背中を押してくれた。彼らのやる気が、僕の気持ちを駆り立ててくれた。過去最高のキャンプになったよ。ジムには英国や他のヨーロッパの選手もいて、UFCのアブダビ大会に出る選手たちもいたよ」

――ところでアルシラウィがPFL CSで素晴らしい勝利を挙げ、中東の成長を世界に証明したかと思います。

「素晴らしいよ。ジャラとは1勝1敗のライバルで、彼のことを本当に尊敬している。タフなシーズンになると思うけど、ジャラはしっかりと我々の強さを見せてくれるはずだ。ただ僕は米国で戦うことは、今は考えてない。とにかく、ここでやるべきことをやらないとね。二階級制覇をして、どちらの階級でも防衛したいと思っているんだ」

――モハメド、今日はありがとうございました。では、まだまだミドルイーストのMMAを知らない日本のファンにメッセージをお願いします。

「できればBRAVE CF57を日本のMMAファンの皆にも視てほしい。僕の試合もそうだけど、今大会は本当に良い選手が集まっているから、彼らの試合を見て楽しんでほしいと思っている。そして――これからも中東、そしてレバノンのMMAファイターを気にかけてもらえると嬉しいよ。

僕がMMAを始めた頃はレバノンには、全くMMAのジムはなかった。でも今はジムも増え、レバノンでキャンプを張れるぐらいの設備も整っている。アマからプロへと、レバノン人ファイターはこれから飛躍していくはずだから、日本の人たちにも注目してほしい」

■視聴方法(予定)
3月12日(土・日本時間)
午前1時00分~ BRAVE TV

■BRAVE CF57対戦カード

<BRAVE CFバンタム級王座決定戦/5分5R>
ハマザ・コヘジ(バーレーン)
ブラッド・カトーナ(カナダ)

<BRAVE CFライトヘビー級王座決定戦/5分5R>
モハマド・ファフレディン(レバノン)
モハメド・サイード・マレム(スイス)

<BRAVE CF暫定ライト級王座決定戦/5分5R>
アブディサラム・クバチニエフ(キルギス)
クレイトン・シウバ(ブラジル)

<スーパーウェルター級/5分3R>
ヌルスルタン・ルジボエフ(ウズベキスタン)
ルイス・フィリッピ・ディアズ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
サム・パターソン(英国)
クンカルパシャ・オスマエフ(ロシア)

<フライ級/5分3R>
アス・アルマバエフ(カザフスタン)
イムラム・マガラモフ(アゼルバイジャン)

<ライト級/5分3R>
フセイン・カジマゴメアエフ(スイス)
アグシン・ババエフ(アゼルバイジャン)

<ライトヘビー級/5分3R>
ムルタザ・タルハ・アリ(バーレーン)
ミクヒル・サジニアニ(ジョージア)

<バンタム級/5分3R>
モハメッド・ファハッド(インド)
メイサラ・ムハメッド(エジプト)

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