カテゴリー
45 Grachan MMA MMAPLANET o ROAD FC Road FC68 YouTube アレクセイ・インデンコ キム・テイン キャプテン☆アフリカ ハン・サングォン パク・シウ パク・シウォン ロクク・ダリ 大宮優 小川道的 小谷 小谷直之 岸本篤史 林RICE陽太 海外 食事

【Road FC68】敵地でパク・シウォンと対戦、林RICE陽太「完全に自分がナメられている。俺は甘くないぞ」

【写真】取材は4月5日、林RICEが主宰するパラエストラ森ノ宮で行われた (C)SHOJIRO KAMEIKE

13日(土)、韓国はソウルのチャンチュン体育館で開催されるROAD FC68で、Grachanライト級暫定王者の林RICE陽太が、ROAD FC同級王者のパク・シウォンと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

もし日本のMMAに「1年で最も変化したファイター」という賞があれば、林RICEは受賞者の筆頭に挙げられるに違いない。3連敗からの5連勝――しかも今まで見せたことのない跳びヒザでKO勝ちし、さらにベテランの小谷直之も沈める快進撃の末、岸本篤史を下して暫定ながらGrachanのベルトを巻いた。果たして林RICEに何が起こったのか、その真相に迫る。※前日計量では林RICE、キャプテン☆アフリカは共に一発でパスした


――ROAD FCの試合に関するお話の前に、どうしてもお聞きしたいことがあります。

「え……、何でしょうか」

――昨年、林RICE選手の中で何がどのように変わったのかと。

「アハハハ! はい。まぁ、そうですよね」

――林選手のファイトスタイルとしては「MMAの中で柔術をやっている」というイメージでした。しかしその後は2連続KO勝ちを収めており、スタイルの変化に驚いています。

「自分の中では2連続KOの時に変わったのではなく、その後から変化していったという感じなんです」

――というと?

「僕は2022年に入ってから3連敗していました。その1敗目を喫した相手、木村俊也選手とは普段から一緒に練習したり、ご飯を食べに行ったりすることもある仲やったんです。でも僕の中でオファーを断る理由はない。それと『相手が断ってくれへんかな……』という気持ちがあったんですよ。でも木村選手も受けて試合が成立して、僕が負けました。

ただ、負けはしたけど自分の中では『それほど悪い内容ではない。次の試合は頑張ろう』という気持ちがあって。でも次の試合で大宮優選手に負けた時は、練習の時から調子が悪いし、試合でも何か違和感がありました」

――その違和感の原因は何だったのでしょうか。

「これは自分がダメな話で、試合前に新しい技を使い始めるとするじゃないですか。でも練習の時に自分よりキャリアが浅い選手や、ジムの会員さんを相手にその技が使えても、実際の試合でプロにそんな技が通用するはずがない。でも、その技をやってしまったりとか――大宮戦では何かが噛み合わないまま負けちゃって。

さらに3敗目のロクク・ダリ戦は、減量で最後の水抜きに失敗してしまいました。もう言い訳になっちゃうんですけど……。計量後に水分と食事を摂っても回復せず、試合前日の夜には『この調子やと明日の試合はボコボコにされて、殺されてしまうんじゃないか』と考えてしまうぐらいやったんです」

――……。

2023年2月、山下康一朗に3-0の判定勝ち(C)SHOJIRO KAMEIKE

「試合が始まったら、コンディションは少し回復していたけど、やっぱりイメージ通りには動くことができていない。結果、3連敗したあとが先ほど言われた山下康一朗戦で。『ここで負けたら終わりやな』と思っていました。正直、山下選手はまだキャリアが浅かったし、その相手に負けると『次は誰と試合するんや』ってなるじゃないですか。プロモーター側からしても。そんな状態で自分もプロとして続けるのは嫌で。だから山下戦は背水の陣みたいな気持ちで、とにかく黒帯を持っている柔術の技術に持ち込んで勝つことができました」

――山下戦の勝利によって、ご自身の中では3連敗からの流れを断ち切ることはできたのでしょうか。

「いえ。まだ3敗のあとに1勝しただけで、トータルの戦績でも負け越していたんですよ。まずは勝ち越したい。そうなると次の試合で負けてしまうと『たまたま1勝しただけで、今までと一緒や』と思われるじゃないですか。だから次の試合では絶対に勝たないといけない――という状態で、3連勝するぐらいまでは毎試合が背水の陣でした。

次の小川道的選手との試合はグラチャンの大阪大会で、メインで組んでもらいました。でも僕がメインというのは実力じゃなく大阪大会やからな、と自分でも思っていて。正直、小川選手を相手にあの勝ち方ができたのは、たまたまやったんです(苦笑)」

打撃で小川を下がらせ、狙いすました跳びヒザでKO(C)SHOJIRO KAMEIKE

――たまたま、であの跳びヒザが出ますか(笑)。

「自分としては毎試合が背水の陣やから、とにかく全力を出さなダメやと思っていました。すると相手のローに対して左ストレートを合わせた時、メチャクチャ手応えがあって。小川選手の顔を見ると明らかに効いているし、そうなるとテイクダウンに来るやろうと思って、跳びヒザを合わせたんですよ」

――それだけ相手の動きはしっかり見えていたわけですね。跳びヒザでのKO勝ちで、周囲の評価も変わったのではないですか。

「変わりましたね。特に自分が練習を見ている高校生の男の子がいて。小川戦の前までは『林さんって、そこそこ寝技ができるだけで、体格が大きいから自分より強いだけで。あとは、それなりにプロで試合しているだけでしょ』みたいな雰囲気があったんです。それが小川戦のあとは『林さん、凄いっす!』みたいな感じで『コイツ、ムチャクチャ単純やな』と思いました(笑)」

――アハハハ! さすがに林RICE選手の考えすぎという気もしますが、それだけ評価を変える一発だったとは思います。

「やっぱり良い試合して勝ったら、周りの印象も変わるんやなって思いました。その次が小谷直之選手との試合で」

――小谷戦は林RICE選手のキャリアの中で一番の山場だったと思います。ライト級王座を巡る戦いの中で組まれた試合で、しかも相手は実績で大きく上回る小谷選手ですし。

「ここで小谷選手と組まれるんか、と思いましたよ(苦笑)。キャリアでは下の山下選手、同世代の小川選手には勝てても、小谷選手に負けたら『やっぱり上には行けへんのやな』と思われるでしょうし。ここも気持ちとしては背水の陣で。

試合前はムチャクチャ緊張していました。計量の時も小谷選手はメチャクチャ体が大きいし。でも計量後のリカバリーで回復して、自分の中でも『今日は力が出ているわ』と感じるほどだったんです。試合でも四つとケージレスリングの展開になった時、『これはイケる!』と感じて。1Rが終わって『自分がやるべきことをやったら勝てる』と思いました」

――結果は2Rに左ストレートから返しの右フックでダウンを奪い、パウンドアウトしました。

小谷戦のKOで林RICEの変化は確かなものに(C)GRACHAN

「特に1Rから、左のオーバーハンドが当たる手応えを得ていました。フィニッシュは左が当たって、次の右はオマケみたいな感じで当たり小谷選手がダウンしました。あとはパウンドで――小谷戦のKO勝ちで初めて『自分は変わったんや!』と思うことができたんです。戦績もイーブンになったし、次の岸本篤史選手と暫定王者決定戦でも、しっかり前に行ける気持ちをつくることができました」

――ちなみに先ほど仰った高校生の選手は、小谷戦を視て……。

「もう『林さん、プロのファイターやん!』と。単純でカワイイなぁと思いました(笑)」

――アハハハ、確かに。岸本選手に勝利して遂に暫定ではありますがベルトを巻きました。しかし暫定という2文字は気になりませんか。

昨年12月、暫定Grachanライト級王者に(C)GRACHAN

「それはやっぱり正規のほうが良いです。『暫定って何やねん』と訊かれて、流れも含めて説明しないといけないし(苦笑)。ただ、やっぱりタイトルマッチをやれて、しかもベルトを巻くことができたのは嬉しいです。あの時はベルトだけでなく自分のキャリアの勝ち越しも懸かっていたので。正直、僕って結構チャンスをもらっているじゃないですか。大宮戦で負けているのに、次にダリ選手との試合を組んでもらったりとか。『ここでベルトを獲らないと、もう二度とチャンスは来ない』という気持ちで試合に臨みました」

――先の山下戦はMMAの中で柔術をやっていましたが、岸本戦はMMAのグラップリングで勝負したという印象が強いです。

「ありがとうございます。僕のほうから組みに行くという展開は、変わっていないと思うんです。でも相手に打撃で圧をかけられても、自分も打撃を捨てずに勝負して、そのうえで自信を持って組みに行く。ようやく総合力で勝てるようになったといいますか」

――ベルトを巻き、ノンタイトル戦で大道翔貴選手を下したあと、次にROAD FCのチャンピオンと対戦する。これは良い流れなのか、あるいは苦行が続くのか……。

「アハハハ、そうですよね。毎試合、前回の試合よりキツくなる。今回もオファーが来て相手の情報を見たら『メッチャ強い選手やん』ってビックリしましたけど(笑)。ただ、自分もベルトを巻いて海外のチャンピオンと試合ができるのは、『認められたんやなぁ』と嬉しいです。一つひとつ勝って、ようやくココまで来たんや、と。

でも今回は相手が長期欠場からの復帰戦で、トーナメントに出るための前哨戦なんですよね。それはもう完全に自分がナメられているんだなって思います。でも僕にとっては怒りというより、YouTubeとかを視ていても『そんなに大きなこと言うて大丈夫か?』と心配になっています。いやいや――2023年は一度も試合をしていないくせに、俺はそんなに甘くないぞって。その間に自分は伸びてきた。変わってきたんです」

――パク・シウォンに対しては、どのような印象を持っていますか。

「正直、強いかどうか分からないです。過去の試合を視ても、相手が無抵抗でやられすぎていて。対戦相手のレベルが分からないので、彼の強さも分からないというのが正直な印象ですね。だから『俺は今まで対戦した相手とは違うぞ』と思うんです」

――なるほど。そして今回は練習仲間であるキャプテン☆アフリカ選手と同じ舞台で試合をすることになりました。

「ずっと一緒に練習させてもらっていて、去年のトーナメントで出花さん(出花崇太郎=キャプテン☆アフリカ)が負けた時は『出花さんが負けるんや。どんだけ強いヤツが出てんねん』と思いました。自分にとって出花さんは憧れの選手なんです。初めてプロ練で出花さんにボッコボコにされた時、『これがホンマのプロ練なんや……』と感じて。僕にとっては出花さんは目標であり、いつか倒さなアカンという選手です。

だから出花さんはどう考えているか分からないけど、僕は対戦したいし、それが韓国で実現するなら嬉しいです。とりあえず今回は、僕のことをナメているであろうまずは今回パク・シウォンに勝って、トーナメントにも出させせてもらいたいですね。韓国でキッチリと自分の仕事をしてきます」

■視聴方法(予定)
4月13日(日・日本時間)
午後2時00分~KAKAO TV、AFREECA TV

■ROAD FC68メインカード計量結果

<Road FC ヘビー級王座決定戦/5分3R>
キム・テイン:106.2キロ
関野大成:110.9キロ

<ライト級/5分3R>
パク・シウォン:70.4キロ
林RICE陽太:70.1キロ

<74キロ契約/5分3R>
ユン・テユン:74.3キロ
キム・サン:74.1キロ

<ライト級/5分3R>
キャプテン☆アフリカ:70.5キロ
ハン・サングォン:70.4キロ

<バンタム級/5分3R>
アレクセイ・インデンコ:63.1キロ
ハン・ユンス:63.4キロ

<Figth100ルール69キロ契約/3分3R>
ピョン・イェジュン:67.4.キロ
醤油ニキ:68.9キロ

The post 【Road FC68】敵地でパク・シウォンと対戦、林RICE陽太「完全に自分がナメられている。俺は甘くないぞ」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
Grachan Grachan60 MMA MMAPLANET o ONE RIZIN ハシモト・ブランドン 大宮優 岩崎正寛 海外 清水俊一 荒東英貴 藤沢彰博

【Grachan60】ハシモト・ブランドンと無差別級T決勝、荒東英貴─02─「『負けたらもっと悔やめ』って」

【写真】まずはトーナメント決勝。その後も気になる怪獣キラーだ (C)GRACHAN

26日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGRACHAN60で、ハシモト・ブランドンと無差別級トーナメント決勝を争う荒東‟怪獣キラー“英貴のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

タイから帰国してからはパラエストラ大阪を拠点に、チーム吉鷹やカルペディエム芦屋などでも練習を行っているという荒東。その大きな体に秘められたMMAへの熱い想いと、無差別級トーナメントから将来の目標を語ってくれた。

<荒東‟怪獣キラー“英貴インタビューPart.01はコチラから>


――ヨーキーMMAということは、ONEに出場している藤沢彰博選手とも一緒に練習していたのですか。

「そうです。先日タイに行ったのも、彼の試合を見に行ったんですよ。セコンドにも就かせてもらうことになって。その時にプーケットで練習してきました」

――おぉ、そうだったのですね。タイでMMAを始めて、そのままタイでやっていこうとは思っていなかったのでしょうか。

「当時はタイでやっていきたかったです。実はタイにいる時、フルメタル・ドージョーでウィル・チョープと試合が決まったんですよ」

――えっ、それはMMAですか? ウィル・チョープとは体重差がありすぎでは……。

「大会の新鋭とベテランをぶつけるっていうノリだったと思います。するとニックが『ウィル・チョープに勝ったら次はRIZINに出られるよ』と言い始めて。いま考えると、ニックにそんなツテがあるわけもないのに(笑)。その言葉を信じて、僕はタイで仕事も辞めました。すると試合が発表された直後に、コロナ禍になったんですよね。試合もないし、仕事を辞めたためにビザの関係で一時帰国して。その時、MMAをやるなら日本のほうが環境は良いんじゃないかと思いました」

――そこで清水俊一選手に相談して、パラエストラ大阪で練習し始めたわけですね。

「はい。最初は一時帰国だったので『3週間ぐらいしか日本にいないと思うんですけど……』と言って行き始めたのに、もう2年いますね(笑)。そこから格闘技専業でやらせてもらっています」

――コロナ禍のなかで帰国し、格闘技専業でやっていくことに不安はなかったのですか。

「タイにいて専業でやるよりは――と思いました。もともと現地ではビザの規定がコロコロ変わるし、ビザも無くなったので日本でやっていくほうが良かったです」

――なるほど。もう1点、ヘビー級の体でMMAをやっていくうえで、日本以外は選択肢になかったのでしょうか。日本国内では練習相手を探すのも難しいかと思います。

「その点は、なくはないです。でも結果が出ているから良いかなと思っています。大阪にも強い選手はたくさんいるし、僕が力を使って勝負するタイプではないですからね。僕は自分自身について、体が強いほうではないことが分かっています。だから体や力でぶつからないように戦っていることも、結果につながっているんじゃないですか。それに力の強さでいえば、岩崎さんほど力の強い人はいないですよ」

――カルペディエム芦屋の岩崎正寛代表ですか。

「あの人、バケモンですよ! 僕がヘビー級で戦っていくために、もっと筋力が必要だと言う人もいます。でも僕自身としては、必要なのは岩崎さんのようにフレームや骨格を使う攻撃やと思っています。それは吉鷹先生が教えていただいている、体重移動で打撃の力を生むのも同じですよね。確かにヘビー級やから、ヘビー級の人と練習しないといけないっていう考えも分かります。でも結果が出ているし、『これからも自分が勝つから見といて』っていう気持ちです。アハハハ。

僕が一番気にしているのは、身長差があるために自分のパンチが相手の顔面に届くかで。吉鷹先生は現役の時、身長差のある外国人選手にアッパーを突き上げていましたよね。結局はそういうことで――結局は自分が踏み込むかどうかの話じゃないですか。今のところ困ってはいないし、これからも自分のパンチは当たると思います。

岩崎さんも、そうなんですよね。柔術で海外の強い選手と対戦してきた経験があるから、僕の質問に対してバシッと的確な答えをくれる。僕は今、最高の環境で練習できています」

――同じグラチャンに出ている大宮優選手にインタビューした時、「ライト級では体格が小さいのでフェザー級やバンタム級に転向するつもりはないか」と聞きました。すると「その階級に自分より体格の大きな相手しかいないことが分かっていれば、そのほうがやりやすい」という答えが返ってきました。

「あぁ、その考えはすごく分かります。今回の無差別級トーナメントもそうですけど、自分より背が高い相手がいて、自分より背が低い相手もいたりするほうが困るんですよ(苦笑)。僕はデブのわりには動けるし、バテないほうやと思うので大丈夫です!」

――いわゆる「動けるデブ」というわけですね(笑)。一方、次の試合で対戦するハシモト・ブランドン選手は、身長もリーチもあるヘビー級体型の選手です。

「体格差については、向き合ってみないと分からないところも多いです。でも僕は、ここで足踏みしているわけにはいかないので、持っているものを全部――丁寧に出していきます。丁寧に試合をしながら、行けるところで行きます。いっぱい蹴って、削ったところで相手が組んで来たら潰して、上を取ってから殴ります。それが理想です。ちゃんとMMAをやりますよ。あの……コレは言っていいですかね?」

――はい、もう何でも仰ってください。

「最近、薄い試合をする選手が多くないですか」

――薄い!? どういうことでしょうか。

「僕のプロとしての考え方で、『もっと一つの勝利や一つの敗北に一喜一憂してくれよ』って思います。特に『負けたらもっと悔やめ』って。負けても良い勝負なんて絶対にない。試合に負けてペラペラ言い訳するぐらいやったら、最初から薄い試合するなって思います。

強いか弱いかは結果として、まず試合に対して頑張れよって言いたい。僕はそんな薄い試合はしません。まだそこまで強くないかもしれないけど、ファイターとしての気持ちは誰にも負けていないので。このトーナメントで優勝して、ゆくゆくはONEで試合したいです」

――昨年8月のグラチャン大阪大会で勝利したあと、RIZIN出場をアピールしていましたが、現在の目標はONEなのですか。

「RIZINに出たくない、というわけじゃないんですよ。これは完全に願望ですけど、アジアで日本人の強さを見せたいなと思っています。藤沢の試合で帯同して雰囲気も分かりましたし、何より自分にとって身近なタイやアジアで開催されている大会に出たいです。

やっぱりグラチャンの大阪大会で試合をすると、ずっと応援してくれている人たちが多く見に来てくれるんですよ。その人たちに僕の試合を見せられることが嬉しいです。同じように、ONEタイ大会でバケモノのような選手と戦っている姿を――タイで僕にMMAを始める機会を与えてくれた人たちに見せたいです」

The post 【Grachan60】ハシモト・ブランドンと無差別級T決勝、荒東英貴─02─「『負けたらもっと悔やめ』って」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
DEEP DEEP Osaka Impact2022#05 DEEPフライ級GP MMA MMAPLANET NavE o RIZIN ニュース フェルナンド 中本龍平 中村大介 八尋大輝 堀口恭司 大宮優 岩本達彦 杉山廣平 柴田MONKEY有哉 泰斗 海外 福田龍彌 藤田健吾

【DEEP Osaka Impact2022#05】杉山廣平戦へ、柴田MONKEY有哉─02─「今の自分ができることを続ける」

【写真】相当にできることが増えているようなので、期待が高まる (C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(日)、大阪市福島区のコレガスタジオで開催される2022年のDEEP最終戦=DEEP Osaka Impact2022#05で杉山廣平と対戦する、柴田MONKEY有哉のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

今年4月に約3年ぶりのケージ復帰を果たしたものの、その試合で右ヒジを負傷して手術をするまでに至った。あれか8カ月――DEEPフライ級GP1回戦で福田龍彌に敗れたものの成長著しい杉山を相手に、柴田はどのような試合を見せるのか。その答えは、強い相手を倒すこと。ファイターとしてあるべき姿を、柴田が地元大阪で見せつける。

<柴田MONKEY有哉インタビューPart.01はコチラから>


――柴田選手から「一番強い相手」を希望したということですか。

「佐伯さんと『年内にもう1試合したい』という話をしていて、僕から『いま試合ができるなかで、佐伯さんの中で一番評価の高い選手は誰ですか』と聞いたんです。佐伯さんも検討してくれて、杉山選手ではどうかという連絡を頂きました」

――そこで一番強い相手を希望した理由は何だったのでしょうか。

「え、理由ですか……。う~ん……」

――……どうしましたか。

「ファイターやから、もう単純な理由ですよ。強い選手に勝たないと、次につながらないので」

――確かに単純すぎる理由ですし、ファイターとしてあるべき姿かもしれません。ただ、手術してからの復帰戦として、もっと実力差のある選手とのチューンナップファイトを選ぶこともできたかと思います。

「怪我からの復帰戦だから軽い相手を――なんてつもりは全くないです。別に怪我をしようとしていまいと、見ている先は変わらないので」

――まずこれだけの怪我と手術があり、復帰できるかどうかの不安はなかったのですか。

「僕より重い怪我をしても復帰して活躍している選手って、たくさんいますからね。僕は靭帯の損傷ですけど、格闘技以外でも前十字靭帯断裂したスポーツ選手のニュースを見たりしますし。堀口恭司選手も確か、前十字靭帯断裂から復帰していて。それに、これで復帰できなければ、僕もそこまでの選手やったということですよ。あとは僕自身がどうするか――結果、復帰して試合ができることに感謝しかないです」

――それでも昨年4月に復帰戦を行い、その後さらに負傷によって試合間隔が空いてしまいました。そこで自身のキャリアについて考え直すことはなかったですか。

「相手が誰であろうと、自分がインパクトある勝ち方をして、勝ち進んでいくことが大事ですからね。だから負傷があってもキャリアの積み方を変える必要がないし、より強い相手に勝つことのほうが大切です。

もちろん先のことも考えています。でも……DEEPフライ級GPについて『自分が上に行くために戦う必要のない選手と』っていう言い方をしましたけど、何よりファイターとして強い相手と対戦する。その気持ちのほうが強いですね」

――柴田選手もプロデビューから11年、ベテランらしい落ち着きぶりです。

「いやぁ、なんだかんだで僕も年くっちゃいました(笑)」

――アハハハ。グランプリに参加していなくても、杉山選手に勝てば次の相手もGP参戦選手になるかもしれません。そうしていくうちに、気づけばGPで優勝したのと同じようなことに……。

「アハハハ、それはそれでオモロイですね」

――柴田選手と他のフライ級ファイターの絡みは、とても楽しみです。先ほど柴田選手が言われた「キャリアの先に見ているもの」とは何なのでしょうか。

「DEEPのベルトと、RIZINのフライ級です。海外とかは考えていないですね。DEEPのベルトに挑戦するのが先なのか、RIZINで試合をするのが先なのかは分からないけど、まずその2つしか考えていません。だから対戦相手がどうこう、というのはないですね。

まだRIZINでフライ級の試合があるのかどうか、トーナメントをやったりするかどうかも分からないです。大阪で龍ちゃん(福田龍彌)とNavE選手が戦った大会はフライ級の試合も多かったし、今後もフライ級をやるのかなって少し期待したんですけど(苦笑)」

――……。

「ただ、今後どうなろうとも僕が弱い選手やったら、どこも呼んでくれないので。プロモーターからすれば、試合が面白くなくて、しかも弱い選手やったら呼ばないじゃないですか。もし急にオファーがあったとしても呼ばれるように、今の自分ができることをやり続ける。それしかないです」

――その通りですね。では対戦する杉山選手の印象を教えてください。

「気持ちが強い選手ですよね。最後まで気持ちが折れない。打撃でダウンを奪ったりもするし、気をつけないといけないことも多くて、絶対に油断できない相手です」

――前回の福田戦については、どのような感想をお持ちですか。

「龍ちゃんは、しっかり相手のことが見えていましたよね。杉山選手も良い場面をつくることができないながらも、最後までやりきることができるメンタルが凄かったです。これは凄くしぶとい選手なんやろうなって。あとは最近、打撃とテイクダウンも強くなって、どんどんトータルファイターになってきていると思います。自分も良い緊張感を持って、ここまで練習することができています」

――その杉山選手との試合は、どのような内容になると思いますか。

「どのラウンドになるかは分からないけど、フィニッシュしたいです」

――杉山選手はトータルファイターとして成長しているぶん、ディフェンスも固くなっています。それでもフィニッシュできる自信がありますか。

「それでもフィニッシュできると思います。ぜひ楽しみにしていてください」

■視聴方法(予定)
12月18日
午後4時00分~Twit Casting LIVE

■ 対戦カード

<フライ級/5分3R>
柴田“MONKEY”有哉(日本)
杉山廣平(日本)

<バンタム級/5分3R>
中本龍平(日本)
牧野滉風(日本)

<ライト級/5分2R>
田中壱季(日本)
大宮優(日本)

<ライト級/5分2R>
大野“虎眼”賢良(日本)
ディーシー”オーバーマン”クラー(カナダ)

<バンタム級/5分2R>
上荷大夢(日本)
関本龍翔(日本)

<ウェルター級/5分2R>
森井翼(日本)
角野晃平(日本)

<ストロー級/5分2R>
亮馬(日本)
石井涼馬(日本)

<フェザー級/5分2R>
フェルナンド(ブラジル)
松本レイ(日本)

■DEEP Osaka Impact2022#04 視聴方法(予定)
12月18日
午前11時30分~Twit Casting LIVE

■ DEEP Osaka Impact2022#04 対戦カード

<68キロ契約/5分3R>
中村大介(日本)
岩本達彦(日本)

<バンタム級/5分3R>
増田拓真(日本)
上田直毅(日本)

<バンタム級/5分2R>
谷岡祐樹(日本)
八尋大輝(日本)

<フェザー級/5分2R>
瀧口脩生(日本)
ムテカツ(日本)

<フライ級/5分2R>
藤田健吾(日本)
井上暉也(日本)

<フェザー級/5分2R>
堂園悠(日本)
桑本征希(日本)

<フェザー級/5分2R>
前薗渓(日本)
斎土泰斗(日本)

The post 【DEEP Osaka Impact2022#05】杉山廣平戦へ、柴田MONKEY有哉─02─「今の自分ができることを続ける」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
Grachan56 MMA MMAPLANET o 大宮優 林RICE陽太

【Grachan56】林RICEの長い手足に苦しみながら、大宮優がTD&グラウンドコントロールで判定勝ち

【写真】トップコントロールで優位に立った大宮。本人がインタビューで言うとおり、今後の課題は体格差の克服か(C)SHOJIRO KAMEIKE

<ライト級/5分2R>
大宮優(日本)
Def.3-0
林RICE陽太(日本)

サウスポーの林が繰り出した左ミドルに合わせて、ニータップで組みついた大宮がシングルレッグに切り替えてドライブ。林はハイクラッチを取られるも、右腕を差し上げ、さらに左腕も差し込んで立ち上がる。ケージレスリングから大宮が林の左足へシングルレッグを仕掛け、右足へのハイクラッチに切り替え、そのままリフトアップする。ここは右腕を巻き付けていた林が耐えるも、大宮はすかさずバックコントロールへ。正対した林をボディロックから足に組み替えて背中を着かせた。

しかし林は下から大宮の右腕に足を絡みつけてコントロール。反転しようとする大宮の顔面にパンチを浴びせながら、ハーフネルソンでポジションをキープする。ここで体をねじった大宮が脱出し、サイドからバックへ。両足を差し入れるが、完全にバックマウントを奪取することはできない。

相手が前へ振り落とそうとしたところで、大宮は林の右腕を取って腕十字を狙う。腕を抜いた林が立ち上がり、背中を着けた大宮の足に蹴りを浴びせようとしたところで、大宮がスクランブルに持ち込み、トップを奪った。林もすぐに立ち上がったところで初回が終了している。

最終回、左右のパンチを振りながら組みついた大宮が、ダブルレッグからすくい上げて林に尻もちを着かせた。そのまま相手の左足を抑え、ボディロックで押し込んでいく大宮。林も立ち上がったが、大宮がしつこくシングルレッグで組みつき、林に背中を着かせた。

林は1Rと同様、両足で大宮の右腕に絡みつこうとしたが、ここは大宮がすぐに体をねじってトップへ。さらにハーフガードを取る相手にワキ差しでプレッシャーをかけながらパスしてマウントを奪った。

スクランブルに持ち込まれるも、立ち上がった林を再びシングルレッグからグラウンドに持ち込む大宮。ここでも林は同じ体勢からバックを狙うも、大宮がトップからバックを狙う。立ち上がる林。最後は相手のパンチをもらいながら、大宮が前に出て林にケージを背負わせた。

判定はトップを奪い続けた大宮へ。勝者は雄たけびを挙げ、大会終了後にも単独でラウンドガールと写真を撮影してもらっていた。


The post 【Grachan56】林RICEの長い手足に苦しみながら、大宮優がTD&グラウンドコントロールで判定勝ち first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
Grachan56 MMA MMAPLANET o UFC コナー・マクレガー ミランダ亜廉 中村倫也 大宮優 大搗汰晟 林RICE陽太 海外 鍵山雄介

【Grachan56】「100キロぐらいまでならバック投げも」。デビュー戦欠場、ミランダ亜廉が語っていたこと

【写真】非常に残念な欠場だが、このご時世では致し方ない。男前の仕切り直しの時を待ちたい(C)GRACHAN

7日(日)、大阪府豊中市の176BOXで開催されるGrachan56の第1試合に出場予定であったミランダ亜廉は、コロナウイルス感染のため欠場が発表された。
Text by Shojiro Kameike

MMAPLANETDではコロナウイルス感染が分かる前のミランダにインタビューを行っていた。試合はなくなってしまったが、幼少期からレスリングを学び、アマチュア時代に相手を投げまくったことで注目を浴びるミランダの、MMA英才教育ぶりを知ってほしい。


――プロデビュー戦を目前に控えた現在の心境はいかがですか。

「いつもと変わらずリラックスできています」

――MMAの前はレスリングをやっていたそうですね。

「幼稚園の頃からやっていました。自分自身では始めたレスリングを始めた頃の記憶はないのですが、親が言うには、いろんな習い事をやってみたなかでレスリングが一番楽しそうにやっていたそうです。自分の記憶としては小学校1年生の時ですね。スパリング中にヒザの靭帯を痛めてしまって……」

――それが最初の記憶ですか! ヒザの靭帯とはハードですね。

「それが最初に強く印象に残っていることです。すごく痛かった記憶があります(苦笑)」

――小1でヒザの靭帯を痛めると、その時はレスリングを辞めたくなりませんでしたか。

「メチャクチャ辞めたかったですね(笑)。小学校の時は何百回も、レスリングを辞めたいと親に言っていました。毎日練習漬けで、友達と遊びに行く暇もなくて。そういう周りの友達を見ていると、うらやましかったです。自分も自由になりたいなぁと」

――他のスポーツには興味はなかったのでしょうか。

「バスケには興味があったのですが、チームプレイには向いていないことが自分でも分かっていまして。親からも、もうちょっと続けなさいと。父は、僕がレスリングを辞めないように大きな夢を創ったんですよ。オリンピックに行くという夢ですね。まずそこまで頑張ろうかということで、なかなかレスリングを辞めさせてくれませんでした(笑)」

――ミランダ選手は今年20歳ということで、目指していたのは東京オリンピックではなく、2024年のパリ五輪だったのですか。

「そうです。でも現実的に考えると、レスリングでは無理だなと諦めてしまいました。高3年の時に、リオ五輪で活躍した選手や東京オリンピックに出場する選手と試合をして、あっさり負けてしまうことがあったんです。ここから自分が五輪レベルの選手になるのは、相当時間かかりそうやなと、メンタルが折れてしまいましたね」

――なるほど……。ミランダ亜廉という名前は、お父さんかお母さんが海外の方なのですか。

「父が米国で、母が日本人です。生まれも育ちも大阪ですけども」

――ご両親のどちらかがレスリングをやっていたわけではないのですよね。

「はい。でも父が、もともとUFCが大好きで。ハワイの出身の父が、昔から警察や海兵隊にいたこともあって、格闘技がメチャクチャ好きだったそうなんですね。それでUFCを見ていて、レスリングの重要性が分かっていたと……」

――ミランダ選手をUFCファイターにすべく、お父さんがレスリングを習わせていたのですか!

「父の真意は分からないんですけど、僕も小学校の頃から一緒にUFCを見ていました。今となっては、レスリングをやらせてくれたことを父に感謝しています」

――最初にUFCを見た時の印象はいかがでしたか。

「どの試合、どの選手とかは覚えていなくて……ただ、見るのが嫌やった記憶があります。自分はレスリング一途やったし、ケージの中で殴り合っているのが怖くて。もちろん、あの時は自分が将来MMAをやるなんて、想像もしていなかったです」

――レスリング時代の実績を教えていただけますか。

「小中の時は全然勝てなくて、中3で初めて全国大会で4位になりました。高校時代は3年生の最後の大会で、全国大会8位になっています。大学までレスリングをやりたいという気持ちもあったんですが、行きたい大学から推薦がもらえなかったのと、高3の時にMMAをやりたいという気持ちが強くなりました」

――子供心に嫌だったMMAをやりたくなった理由は何だったのでしょうか。

「あまりよろしくない話なんですけど――高1の時に、隣の地区の子と喧嘩したことがあって。そこでド突き合いも面白いんじゃないかと思ってしまいました」

――ということは、その喧嘩で勝ったのですね(笑)。

「……はい(苦笑)」

――実は高校時代、ストリートファイターだったということですか。

「いえ、そういうわけでは……。真面目に過ごしていたつもりですし、自分から喧嘩を売ったことはなかったです。街を歩いていると因縁をつけられたりして。

その頃から自分でもよくUFCを見るようになっていました。そうしたらレスリングをやっている選手のほうが有利で。正直、レスリングをやっていても社会人になって稼ぐことはできないんですよ。それならMMAをやろうようかなと思いましたね」

――子供の頃に見た時と、レスリングを経験してから見るMMAでは印象も違ったのではないでしょうか。

「全然違いました。攻防が分かるし、あぁこういうことだったんだと気づくことも多かったです」

――特に印象に残っているのは、どの試合ですか。

「カビブ・ヌルマゴメドフとコナー・マクレガーの試合ですね。やっぱりレスリングと寝技って強いんだなぁと思いました」

――すると、好きなファイターはヌルマゴメドフなのですか。

「いえ、好きなのはマクレガーのほうです。ストライカーのほうが好きで(笑)」

――アハハハ、高校時代のド突き合いが影響していますね。そこから高校を卒業してパラエストラ大阪に入会したのですか。

「正確にはいつ入会したのか覚えていないんです。お母さんがパラエストラ大阪で柔術を習っていて、僕もよく一緒に練習させてもらっていました」

――そうだったのですか! 完全に英才教育ですね。UFCが好きだったお父さんは、ミランダ選手がMMAを始めたことに対して何と仰っていますか。

「僕が自分で決めたことなので、特に何も言ってはいないです。ただ、内心は喜んでいると思います」

――そうですよね(笑)。しかし格闘DREAMERSでは、アマチュアの試合で中村倫也選手と対戦し、敗れています。その時の心境は……。

「相手が中村倫也選手だと分かった瞬間、ビックリしました。負けたのはメチャクチャ悔しかったです。もちろん中村選手のことは尊敬しています。レスリングでもMMAでも結果を残しているので。いつか同じ舞台に立って、リベンジしたいと思っています」

――では中村戦以降、何か変わったところはありますか。

「あの時はまだMMAを始めて日が浅かったこともあって、まずちゃんとMMAをやろうと思いました。そのあとGRACHANのアマチュア大会でも、まだ投げるというかレスリングの動きしかできていなくて。ちゃんとMMAをやろうと考えていたのに、組んだら体が勝手に動いてしまいました」

――昨年8月の大阪大会で行われたAクラスマッチ、弘田颯志戦ですね。最後はマウントからパウンドアウトしましたが、その前に相手を投げまくっていました。特にバックを奪ってからの投げは、ブリッジが美しかったです。

「アハハハ、ありがとうございます。でも自然と反応してしまって、投げたあとにスラムで反則にならないか心配でした」

――それと相手をがぶりからリフトして投げたのは印象的でした。かつてのアレクサンダー・カレリンを思い出します。

「メチャクチャ古いですね(笑)。あれはレスリングの返し技で、ダメージを与えられるわけではないんですが、あの体勢になれば誰でも持ち上げられる自信があります。100キロぐらいまでなら、バック投げもいけると思います。高校からグレコの試合で使っていました」

――対して、以降のアマチュアマッチではテイクダウンからトップコントロールで勝利していましたね。自身の中で何か変化があったのでしょうか。

「その間に蹴りを出せるようになりました。打撃メインの練習が増えています。ただ、そのアマチュアの試合の時はコンディションが悪くて、スタミナを温存しながら試合をしていました。MMAを戦うために、あの経験も良かったと思っています」

――なるほど。では次の対戦相手、安倍路人選手の印象を教えてください。

「打撃の選手、という印象ですね。キャリアは長いですけど、途中にMMAはブランクがあるので、自分がしっかり勝たなければいけないと思っています。レスリング力でキープしながら勝ちたいです」

――まだプロデビュー戦を控えている状況ですが、目指すはUFCですか。

「はい。やるからには一番を目指したいし、MMAで世界一はUFCなので」

■視聴方法(予定)
8月7日(日)
午後12時30分~ GRACHAN放送局

■Grachan56計量結果

<Grachan無差別級T1回戦/5分2R>
荒東”怪獣キラー”英貴:―キロ
岡本純一朗:―キロ

<Grachan無差別級T1回戦/5分2R>
鍵山雄介:66.1キロ
大搗汰晟:65.85キロ

<ライト級/5分2R>
林RICE陽太:70.4キロ
大宮優:70.75キロ

<フライ級/5分2R>
永井美自戒:57.0キロ
小林大介:57.72キロ

<バンタム級/5分2R>
今村豊:61.5キロ
中嶋紳乃介:61.6キロ

<ウェルター級/5分2R>
青木忠秀:76.85キロ
遠塚浩希:77.5キロ

The post 【Grachan56】「100キロぐらいまでならバック投げも」。デビュー戦欠場、ミランダ亜廉が語っていたこと first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
DEEP Grachan56 MMA MMAPLANET o RIZIN UFC キック セルゲイ・ハリトーノフ ダナ・ホワイト パンクラス 原口伸 大宮優 木下憂朔 松場貴志 林RICE陽太 海外

【Grachan56】林RICE陽太と対戦、大宮優―02―「格闘技の怖さと面白さを体現していきたい」

【写真】松葉同様、イラっとさせるモノは持っている?!(C)SHOJIRO KAMEIKE

7日(日)、大阪府豊中市の176BOXで開催されるGrachan56で、林RICE陽太と対戦する大宮優のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

なかなか濃いめのキャラクターを発揮する大宮だが、プロデビュー以降の話は意外と真面目に――かと思えば、結局はかなり濃いめのファイターだった。果たして、原口戦でKO負けを喫してからの再起戦で、真価あるいは進化を見せることができるか。

<大宮優インタビューPart.01はコチラから>


――今、柔術は何帯なのですか。

「柔術は茶帯で、もっと柔術も強くなりたいです。今はMMAをやっていますが、もちろん柔術が好きなので。

あ、全然関係ないんですけど、僕は那須川天心君と同い年なんですよ。僕が高校の時に柔道で勝てなくて悩んでいる時、RIZINで那須川天心君の試合を見て『同い年でこんなに凄い子がいるんだな』って、すごく刺激になりました。こんな凄い選手が同い年で、自分は学校でヘラヘラ話をしていていいのか、と勝手に焦ったりして。

それでALIVEに入会してからアマチュアの試合に誘われて、すぐに出場を決めました。100回練習するより1回したほうが、絶対に良い経験になると思ったので。それで出てみたら、ポンポンポンッと勝ってしまったので、これは来たって勘違いしちゃいましたね(笑)」

――そのアマチュア時代には、木下憂朔選手にキムラで一本勝ちを収めています。しかも木下選手の階級である、ウェルター級の試合でした。

「あれは……柔術しかできない頃で、とにかく殴られても殴られても前に出るしかない、という試合でした。あの時は何とか勝てましたけど、今ならボッコボコにされます(笑)」

――その後、木下選手はパンクラスでランキング1位となり、先日ダナ・ホワイト・コンテンダーズ・シリーズ(DWCS)出場が決まりました。

「単純に凄いな、って思います。木下君が先行しているから自分は……っていう焦りは一切ないですね。むしろモチベーションになっています。だからDWCSでガンガン活躍してもらって、ぜひUFCと契約してもらいたいです。僕も木下君に続いて、UFCのライト級とウェルター級で格闘技を盛り上げていきたいですよね」

――なるほど。大宮選手は昨年11月にDEEP大阪大会でプロデビューし、キムラで勝利しました。2戦目は今年3月のGRACHANで、原口伸選手にKO負けを喫しています。

「実は、試合直後は記憶が飛んでしまっていて、自分がどんな感じで試合をしたのか全く覚えていなかったんです(苦笑)。でも負けたことは分かっていて、試合の翌日には『あぁ自分はもう選手として価値がないのかな』って思いました」

――……。

「そう思っていると、SNSで僕の試合を評価してくださる方が多くて。GRACHANの岩﨑(ヒロユキ)代表もそうですし。試合で一生懸命やったら、勝ち負け以外のところで評価してくれる人がいるんだなって、すごく嬉しかったです。だから負けた自分に、今回のオファーをくれた岩﨑代表には、とても感謝しています。その評価に恥じないよう、次も面白い試合ができたらって思いますね」

――その後、原口戦の映像はご覧になりましたか。

「試合映像は見ていなくて、でも内容は全部思い出しました。まず、あまり言葉はよろしくないでしょうけど――あの試合は、相手を撲殺してやろうと思っていました」

――それだけ気合いが入った状態で試合に挑んでいるのは、表情からも分かります。

「デビュー戦は打撃の展開が一切ないまま勝ってしまいました。そうしたら中学校の柔道の先生から『おめぇ、打撃ヘタだなぁ』と言われたんですよ。いやいや、自分がどんな気持ちでパンチやキックの練習をしているのか分かってんのか、と思いました(笑)。だから原口戦は、絶対にパンチでKOしてやろうと考えていて。負けましたけど、パンチで良いシーンもありましたよね」

――お互いのパンチが当たる、シーソーゲームの大激闘でした。

「今振り返ると、やっぱり自分のMMA人生には可能性しかないなと思っています。良い点もあるし、悪い点もあることは分かったので、今はそれを修正しています。だから前向きな気持ちしかないですよ」

――今回の試合に至るまでに、どのような点を修正してきたのでしょうか。

「前の試合の時点では、まだ打撃とテイクダウンが噛み合っていなかった、というのが一つです。自分が得意としているのはテイクダウンやグラウンドで、そこにつなげやすい打撃のコンビネーションは何だろうか、と考えるところから始めました。それで発さんや久米さん、いろんな方のアドバイスを聞きながら、それを修正して積み重ねているところですね。今ようやく、それが噛み合い始めたと思います。寝技については驕ることなく、ずっと技術を研ぎ続けています」

――体格としては日沖さんよりも久米選手のほうが近いですよね。

「そうです。久米さんのファイトスタイルは、とても参考になります。ただ、それを久米さんに言うと『オレとお前を一緒にするのか』って怒られそうですけど(笑)」

――キャラは松場貴志選手でファイトスタイルは久米選手に。では次の対戦相手、林RICE陽太選手の印象を教えてください。

「デカいし、核弾頭みたいなパンチを打ってきますよね。見た目もセルゲイ・ハリトーノフみたいで」

――……。体格面では林選手のほうが勝っています。しかし海外で戦うとなれば、それだけの体格差も当たり前になってくるでしょう。そこでライト級からフェザー級やバンタム級に落とす考えはないのでしょうか。

「今のところ落とす予定はないですね。もちろんライト級では、自分より体格が大きい選手ばかりです。でも、それが分かっていたらイメージしやすいですから」

――というと?

「前回の原口選手は僕と体格が近くて、それがイレギュラーだったと思うんですよね。でも、この階級で僕より身長が高い選手しかいなければ、その相手を倒す技を追求していけば可能性があると思っています。今回も自分より大きい選手を相手に、殴ったらKO。寝かせたら360度回転させるぐらいの勢いでやります!」

――えーっと、360度回転させるというのは……。

「相手の肩を360度回転させてキムラを極めます。グリン! って」

――人体の構造として……まぁ、いいです(笑)。

「アハハハ。でも僕は、勝つことに必死です。極めきれない、これ以上曲げたら危ないかなっていう優しさが命取りになることもある。それが格闘技だと思うんです」

――もちろん、そうですね。

「エンターテインメント色が濃いめかもしれないけど、そんな僕が格闘技の怖さと面白さを体現していきたいです。よろしくお願いします!」

The post 【Grachan56】林RICE陽太と対戦、大宮優―02―「格闘技の怖さと面白さを体現していきたい」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
DEEP Grachan56 MMA MMAPLANET o ブラジリアン柔術 久米鷹介 原口伸 大宮優 日沖発 村元友太郎 松場貴志 林RICE陽太 竹本啓哉

【Grachan56】林RICE陽太と対戦、ALIVEの少しヤバめ=大宮優「格闘技への入り口は、ほぼぼぼサブカル」

【写真】日沖発、久米鷹介、村元友太郎から竹本啓哉、松場貴志……どの先輩の跡を追うのか……、(C)SHOJIRO KAMEIKE

7日(日)、大阪府豊中市の176BOXで開催されるGrachan56で、名古屋ALIVEの大宮優がプロ3戦目を迎える。対戦相手は大阪のベテラン、林RICE陽太だ。
Text by Shojiro Kameike

昨年プロデビューした大搗は初戦こそ勝利したものの、続く原口伸戦でKO負けを喫した。しかし以降は2連続KO勝利を収めている。あの敗戦から何を得たのか。GRACHANの新しいフェザー級王者を決めるトーナメントを前に、MMAファイターとしての成長を訊いた。

昨年11月にDEEP大阪大会でプロデビューし、1Rにキムラで一本勝ち。今年3月にはGRACHAN/BRAVE合同興行で原口伸と対戦した。注目の若手同士の激突としてプロモーターが太鼓判を押した一戦は、期待に違わぬ大激闘となるも、大宮が1RにTKOで敗れている。あの試合から4カ月――再びGRACHANのケージに立つ大宮に、これまでのキャリアなどを訊いたところ、何やら強烈なキャラクターが見えてきた。


――本題の前に……写真の表情なども含めて、最近のALIVEにはキャラクターの濃い選手がいますね。竹本啓哉選手もそうですし、元ALIVEの松場貴志選手にしても(笑)。

「淡い中間の色が存在しないですね(苦笑)。松場さんの記者会見とかで物怖じしないところは凄いと思いますし、僕の今後の格闘技人生でも必要なのかなと思っています」

――いえ、そこはあまり真似しないほうが良いかと思いますが……。

「たとえスベったとしても、どんな状況でも冷静に対応できるという意味で、格闘技に向いているんじゃないでしょうか(笑)」

――アハハハ、そうかもしれないですね。大宮選手は宮城出身とのことですが、なぜ名古屋のALIVEに入会することになったのでしょうか。

「もともと高校で柔道をやっていて、卒業して自衛隊に入ったんです。でも自衛隊を離れる時に相談した高校の柔道部の顧問から、『知り合いが愛知県で柔術道場を開くので弟子を募集している』と声をかけていただいて。ずっと柔道以外の格闘技もやりたいと思っていたので、これはチャンスだと考えて二つ返事でOKしました。

そこから最初はALIVEとは別の道場で柔術を習っていたのですが、MMAをやりたいと思って、ALIVEを紹介していただいたんです」

――柔道を始めたのは高校からですか。

「いえ、中学からです。もともとは野球をやっていたんですが、中学からは何か格闘技をやりたいと思っていて。近くの中学校に柔道部があったので入って、僕の格闘技人生が始まりました。

とにかく道着の格闘技をやりたくて、空手部があれば空手を、少林寺拳法部があれば少林寺拳法をやっていたと思います。ただ、僕の中学校に武道は柔道と剣道しかなかったので、柔道を選びました」

――なぜ格闘技をやりたいと思ったのでしょうか。

「小学校の時に身内から漫画の『ジョジョの奇妙な冒険』や『グラップラー刃牙』を薦められたことがキッカケですね。ずっとバトル漫画が好きだったんです。『地獄先生ぬ~べ~』や『バオー来訪者』とか。最初は『ドラゴンボール』で、そこから『北斗の拳』や『聖闘士星矢』を見て、ジョジョや刃牙、『飢狼伝説』を知ってトキメキました。もう格闘技をやるしかないと」

――懐かしい漫画の名前が並ぶので、それについて語り合いたいところですが、話を戻します(笑)。その時点ではプロのファイターになりたいという意識はあったのですか。

「僕の家系は球技が得意で、僕も最初は必然的に野球をやっていたんですよ。でも僕だけ、うだつが上がらない状態で。他の家族は10のことを教わったら20できるようになるのに、僕だけは10のうち5ぐらいしかできなかったんですよね。

なのに柔道を始めたら、いきなり郡大会で優勝して。球技じゃなくて格闘技だ、格闘技で有名になるしかないと思いました。

そこから格闘技について調べていくと、ブラジリアン柔術、空手、MMAといろんな競技があることを知って。そのなかで当時流行っていた、ストリートファイターⅡのリュウとケンが着けていたグローブと似たようなものを使う競技はあるかな、と探したらMMAにたどり着きました」

――ストリートファイターⅡ、漫画の次はゲームですか。

「そうなんです。格闘技への入り口は、ほぼぼぼサブカルでした」

――ただ、ストⅡのリュウとケンは打撃系ですよね。打撃系競技をやりたいとは思わなかったのでしょうか。

「ストⅡの場合は、遠距離攻撃ができるダルシムが好きだったんですが、いろいろやっていくうちにブランカが好きになって。あとはガイルの肩の筋肉はどうやって出来上がるんだろうと思って、ひたすら腕立て伏せや綱登りをやっていました」

――なるほど……ゲームの話が続きそうなので、また話を戻していいですか(苦笑)。

「はい……(苦笑)。柔道でそれなりに結果が出た時に、今後は格闘技で食っていきたいという未来が見えました。それまで何をやってもダメだった自分に、一筋の光が差し込んできて、ようやく人生の希望が見えたんです。

そのまま柔道については、日本一を目指して練習していました。でも、なかなか勝てなくて。周りは僕より才能がある選手ばかりで、でも自分がそう思っている選手が全国では勝てない。だから高校を卒業する時に、自分が柔道で食べていくのは無理だと思いました」

――……。

「ただ、せっかく続けてきた柔道を生かせる仕事をしたいと思って、周りの人のアドバイスもあって自衛隊に入りました。でも、将来的にはMMAをやるつもりでいたんです。
もちろん自衛隊にいたら、安定した生活を送ることはできていたと思います。でも、それで安定しちゃったら自分はダメになると思って、すぐに辞めてしまいました。それで先ほど言った流れから、今はALIVEでMMAをやっています。

今となっては、早くに自衛隊を辞めていて良かったと思います。早いうちからALIVEで日沖発さん、久米鷹介さん、加藤久輝さんといった強い方たちに鍛えていただいているので」

<この項、続く>

The post 【Grachan56】林RICE陽太と対戦、ALIVEの少しヤバめ=大宮優「格闘技への入り口は、ほぼぼぼサブカル」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
Grachan56 MMA MMAPLANET o キック ボクシング 修斗 大宮優 大搗汰晟 岩﨑ヒロユキ 鍵山雄介

【Grachan56】2度目の大阪単独開催、岩﨑ヒロユキ代表に訊く-01-「アマチュア大会が求められている」

【写真】GRACHANを継続するうえで様々な仕掛けを行っている岩﨑ヒロユキ代表。今回のテーマはアマチュアだ(C)SHOJIRO KAMEIKE

8月7日(日)、大阪府豊中市の176BOXでGrachan56が開催される。GRACHANにとっては、これが昨年に続き2度目の大阪での単独イベントとなる。
Text by Shojiro Kameike

GRACHANの興行では毎回、プロの試合の前にアマチュアマッチ=GRACHANチャレンジが実施されている。昨年の大阪大会では25試合が組まれていたのに対し、今年は36試合が発表された。昨年の大阪大会開催に関するインタビューでアマチュアの開催について発言していた岩﨑ヒロユキ代表に、GRACHANにとってのアマチュアとは何かを訊いた。


――2度目の大阪単独イベントの開催が近づいています(取材は7月27日に行われた)。

「今回はプロの試合だけでなく、アマチュアの試合についても考えていきたいんですよね。今、GRACHANでもアマチュアの試合が多くなっています。アマチュア大会がどれだけ大事かということを理解していただいたほうが、今後の日本MMAの明るい未来につながっていくと思っていて」

――GRACHANでアマチュアの試合を行っていくという考えは、GRACHAN創設当初からお持ちだったのですか。

「いえ、当初はなかったです。僕も格闘技の大会についてはド素人だったので……。でもプロ興行を続けていくうちに、今後どうあるべきかというものが見えてきますよね。目先のことではなく、数年後のことを見て動いていると。そこで、おそらく日本のアマチュアMMAでエルボーを解禁したのは、GRACHANが初めてだったと思います。
日本のアマチュアMMAは、まずパウンドが認められていなかったじゃないですか。それだと採点も含めてMMAの基準から遠くなってしまう。そこでパウンド有りのアマチュアMMAを始めて、さらにエルボーも認めるようになりました」

――MMA、つまり北米のユニファイドルールですよね。アマチュアMMAでパウンドはもちろん、エルボーを解禁した時の周囲の反応はいかがでしたか。

「GRACHANも最初は地下格闘技系の選手が多くて。どんなルールでもバンバン試合したい選手が多かったので、パウンドもエルボーも抵抗はなかったです。ただ、当時は『GRACHANのアマチュア大会って大丈夫なのかな?』と言われていましたよ(苦笑)。

そのアマチュア大会に、いろんなプロファイターを輩出しているジムさんが選手を出してくれるようになったのは、時代の変化なのかなと思います。やはり北米のユニファイドルールを目指すならパウンドもエルボーも経験が必要だよね、ということで」

――アマチュア競技は、プロの試合以上に安全性が問われるものです。エルボーパット有りとはいえ、まだディフェンス技術の経験が足りないアマチュアでグラウンドのエルボーが有ると、選手が怪我を負うことなどは多くなかったのでしょうか。

GRACHANチャレンジは全てケージで行われている (C)GRACHAN

「GRACHANチャレンジにはA、B、Cと3つのクラスがあります。まずCクラスは、スタンドもグラウンドも顔面への打撃攻撃は無し。Bクラスは顔面への打撃攻撃は認められていますが、エルボーは無しです。

そのBクラスで経験を積んだ選手が、Aクラスに出るというシステムになっています。そうやって段階を踏むことができるシステムのおかげで、Aクラスはほとんどセミプロの選手が多くて。レベルも高くなっているし、選手のレベルという部分では問題がないと思っています。

あとは競技運営側として、危険な状態になれば早くストップするということしかないですよね。レフェリーは梅木良則さんのチームにお任せしていて、そこは徹底されています」

――その点が重要ですよね。競技の安全性は競技運営側が司るものであり、ルールやシステム、さらにレフェリーの動きが大切になってきます。

「もともと格闘技の安全性というものに、矛盾した部分があるじゃないですか」

――はい。MMAでいえば殴る、蹴る、投げる、極めるといった行為が入る競技です。

「するとレフェリングも重要ですし、選手のレベルによってクラスを分けることも大切なんですよ」

――システム上は、Cクラスを経験しないとBクラスには出られないのでしょうか。あるいはBクラスやAクラスから出場可能なのですか。

「そこは選手を出すジム代表の基準にお任せしています。アマチュア修斗とか他のアマチュア大会で経験を積んでいる選手が、結構いますからね。すでにアマチュアで強い選手がCクラスやBクラスに出ると、レベルが合わない場合もありますし」

――キックボクシングではRISEをはじめ、しっかりとクラス分けを行っているアマチュア大会が多いです。しかしMMAではクラス分けに着手するも、出場者が集まりづらいという問題も含めて、なかなか浸透してこなかったという歴史があります。岩﨑代表がアマチュアMMAのクラス分けを考えたのは、いつ頃のことですか。

「2、3年前ですね。Cクラスは、高齢の方でも試合ができるルールになっています。フルコン空手+グラップリングのようなルールで。それだけMMAの試合をやりたい方がいたので、そういった方向けのルールも必要なのかなと思ったことがスタートですね。あと、ルールでいえば全クラスで判定なしにしています」

――判定なし、時間切れドローという決着ですよね。判定決着なしにした理由は何だったのでしょうか。

「アマチュアの試合でもスプリットの判定になることがありますよね。でも、その試合で何が良かったのか、何が悪かったのかは自分で気づかないといけないものであって、第三者が決めるものではないと思うんです。スプリットでも勝ったから良かった--必ずしも、そうとは限らないわけで。

一本やKO決着はあります。決着をつけたかったら自分で行きなさい、そういうルールにしています。これはGRACHANチャレンジがトーナメントではなく、ワンマッチをベースにしているからです。あくまでGRACHANチャレンジは経験の場なので。

ただ、これはワンマッチの考え方です。いずれAクラスで戦績上位の選手を集めてトーナメントを開催することも考えています。トーナメントの場合は、判定決着ありになりますね。ワンマッチとトーナメントは分けて考えていきます」

――なるほど。

「そうやってきたなかで、今回の大阪大会ではアマチュアの試合に85名の応募がありました。近い日程で西日本でも他のアマチュア大会が行われていていますし、今はアマチュア大会が求められているんだなって感じています。もっと多く……日本各地で開催できるようになればいいですよね」

<この項、続く>

■GRACHAN56視聴方法(予定)
8月7日(日)GRACHAN放送局

■ GRACHAN56対戦カード

<無差別級T1回戦/5分2R延長1R>
荒東 怪獣キラー 英貴(日本)
岡本純一朗(日本)

<フェザー級T1回戦/5分2R延長1R>
鍵山雄介(日本)
大搗汰晟(日本)

<ライト級/5分2R>
林 RICE 陽太(日本)
大宮優(日本)

<フライ級/5分2R>
永井美自戒(日本)
小林大介(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
中嶋紳乃介(日本)

<ウェルター級/5分2R>
青木忠秀(日本)
遠塚浩希(日本)

<バンタム/5分2R>
ミランダ亜廉(日本)
安部路人(日本)

The post 【Grachan56】2度目の大阪単独開催、岩﨑ヒロユキ代表に訊く-01-「アマチュア大会が求められている」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
Grachan54 MMA MMAPLANET o Road to UFC UFC アレアンドロ・カエタノ 中村倫也 修斗 原口伸 大宮優 植田豊

【Grachan54】プロ4戦目で暫定ライト級王座決定戦=植田豊戦へ、原口伸「喧嘩ができるスタイル」

【写真】喧嘩が強いスタイルという本人の弁。とにかく馬力がある (C)MMAPLANET

15 日(日)、東京都港区の品川インターシティホールで開催されるGrachan54&55。ダブルヘッダー第一部のGrachan54のメインで暫定ライト級王座を賭けて、プロMMA4戦目の原口伸が植田豊と対戦する。

2019年フリースタイルレスリング70キロ級全日本王者──鳴り物入りのBRAVEジム入門から、昨年9月にプロデビューを果たすと、現在まで2勝1NC。MMAファイターとして、余りにも荒々しい一方で限りない可能性を感じさせる原口に4戦目でタイトル挑戦について、そして今後を尋ねた。


──早くもベルトを賭けた試合を戦うことについて、どのように思っていますか。

「自分としては4戦目でこういったチャンスをいただけたことに、期待が入っています」

──3月に大宮優選手を初回TKOで下し、どのタイミングでタイトル戦のオファーがあったのでしょうか。

「2週間後ぐらいだったのです、割とすぐでした」

──その大宮戦ですが、4分39秒間は濃密な時間になったかと。

「そうですね、勉強になった試合です。ダウンを奪われたシーンは、嫌になるぐらい映像で見直しました。変に打撃戦をやろうとか、MMAをやろうという感覚で戦っていたことに気づきました。あの前にBRAVE勢が試合をしていて、絶対に勝ってやろうという気持ちも強すぎたようです」

──ダウンを奪われた感覚は覚えていますか。

「ハイ。人生、初のノックダウンなので。倒れていく景色も覚えています。痛みとかではなくて、『あぁ、俺倒れてるな』って。試合中は記憶が途切れることなく、直後は『こうなって負けるんだ。止めてほしくない』と思いました。『絶対に負けたくない』って思って、必死に動いたのも覚えています。ただ試合後の記憶がないんです」

──そうなのですか。やはり怖いですね。ただダウンをしてマウントを取られながら、スクランブルで立ち上がった馬力には驚かされました。

「とにかく止めてほしくなくて、動き回ると立てました(笑)」

──テイクダウン、スクランブルが繰り返され、その間もパンチを打ち合い、最後は右でTKO勝ちででした。

「大宮選手ももの凄い覚悟が決まった顔をしていて。殴り合っている時も、もうブレーキが効かなくなっていたんだと思います(笑)」

──笑って振り返っていますね。

「アハハハ。僕はレスリングの時から技術とか関係なく、気持ちのぶつかり合いになった時は絶対に負ける気がしないんです。殴り合いをしている時も、『これ打ち勝てるな』っていう感覚がありました。

ただガードも下がっていて、足も使えていなかったです。最初にフックを貰ってダウンをしたのですが、ああいう風にパンチを打って来る人が練習ではいなかったので勉強になりました。無暗に打ちあったことは反省しています。勝ったことが唯一の救いになる試合でした」

──そんななか原口選手が意識しているかどうか分からないのですが、奇しくも2022年のプロデビュー同期となった中村倫也選手はプロ3戦目で修斗ブラジル王者のアレアンドロ・カエタノを4月のPOUNDSTORMで破りました。

「最初の頃は負けたくないと思っていましたけど、階級が違うのでそういうことは思わなくなりました。ただ凄く良い刺激を貰っています。同じサウスポーで、レスリングベースだから勉強させてもらっています。倫也選手に関しては、レスリングを生かしたMMAというよりもMMA選手になり切っている。そこはMMAに関する知識や、子供の頃から持っていた熱量が僕とは違いが出ていると思います。ただし、MMAを実際に始めた時期はそれほど変わらないので、倫也選手が短期間であれだけのMMAファイターになれていることは、本当に刺激になっています」

──グレコからの転向組の河名マスト選手も、修斗のトップランカーに勝っています。

「中村倫也選手とは違って、レスリングの強味を生かしたMMAで。やるべきことを着実にこなす強さが感じられます。デキることをこなすって難しいのですが、河名選手はそれがデキていて、倫也選手とは違う種類の強さを感じます」

──対して原口伸のMMAとは?

「倫也選手とも河名選手とも違い、経験が少ないというのもあって僕のMMAは野性的です。レスリングの実績は2人に劣りますが、泥臭さとか喧嘩ができるファイトスタイルだと思います。それがMMAにも生きています」

──では、対戦相手の植田豊選手の印象は?

「絵にかいたようなベテラン選手で、落ち着いて慌てず。チャンスが来るまで我慢して戦う。でも、僕もレスリング時代の終盤は相手のミスを待つというか、そういう戦いをしているので植田選手の考えていることは意外と理解できると思います」

──では日曜日、どのような試合をしたいと思っていますか。

「前回の試合は動きが悪かったです。突っ立って戦って。それでああいう試合になったのですが、僕が今持っている技術を使い、力を出すことができれば、もうあんな試合にはならないです。

ただフィニッシュ方法とか深く考えていなくて、取りあえずどういう形でも良いから決着をつける。そういう戦いができればと思います」

──ではこの試合を経てなおプロ2年目でありますが、どこを目標にMMAを戦っていきたいと考えていますか。

「デカいこと言うなって怒られるかもしれないですが、喧嘩ができるスタイルで外国人選手と戦った場合、相手を喰うことがデキると思っています。自分のそういう部分があれば、日本人選手が余りできていない──外国人選手との戦い方ができるという自信もあります。最終目標はUFCですし、そのためにどこで戦っていくとか分からないですけど……Road to UFCには間に合わなかったので、ちょっと待っとけよと思っています」

──押忍。最後にMMAPLANETの読者に一言アピールお願いします。

「キャリアはまだ少ないですけど、上に行こうとしている若者がいるっていうことを試合でアグレッシブに戦って──自分の存在感を示していきたいと思っているのでよろしくお願いします」

■視聴方法(予定)
5月15日(日・日本時間)
Grachan54午後1時30分~Grachan放送局
Grachan55午後5時00分~Grachan放送局

The post 【Grachan54】プロ4戦目で暫定ライト級王座決定戦=植田豊戦へ、原口伸「喧嘩ができるスタイル」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA Grachan54 MMA MMAPLANET o RIZIN ボクシング 中村倫也 原口伸 大宮優 宇佐美正パトリック 岩本健汰 植田豊 河名マスト 長野将大 鶴屋怜

【Grachan54】原口伸が植田豊と暫定ライト級王座決定戦へ。超ルーキーは足し算を間違えないMMAが必要

【写真】2021年デビュー組、初の王座戴冠となるか。それとも植田が意地を見せるか(C)MMAPLANET

1日(金)、GRACHANより5月15日(日)に東京都港区の品川インターシティホールでGRACHAN54が開催され、メインで植田豊✖原口伸の暫定ライト級王座決定戦が組まれることが発表された。

この日は昼夜2興行制となり、Grachan54が昼の部、Grachan55が夜の部として実施され本日のプレスリリースでは昼の部のカードが明らかとなった。


2019年フリースタイルレスリング70キロ級全日本王者、昨年9月のMMAデビューから2勝1NC、原口が4戦目で王座挑戦の機会を得た。

J-MMA界の未来──2021年デビュー組は、中村倫也&宇佐美正パトリック、鶴屋怜、河名マスト、岩本健汰、原口の同門である野村瞬太とレスリング、ボクシング、空手、グラップリングの全日本クラスがズラリと揃っており、デビューイヤーからキャリアで上回る相手を引きずり下ろし、急激に存在感を増している。

そんななか早くも、原口がタイトル挑戦の機会を得ることになった。対する植田は過去にグラチャンだけでなくGladiatorでもライト級王座挑戦経験があるベテランだ。

前回の大宮優戦を見る限り、原口はがぶってのパンチや首相撲からのヒザ蹴り、勝負を決めた最後の接近戦でのフックの連打とMMAへの対応力はつきつつある。

その一方で打撃を使おうとするあまり、パンチを被弾する数も決して少なくない。特にまだコンビネーションは見えておらず、右でステップインしてきた大宮の左フックを浴びてダウンを経験している。

ここから大宮がマウントに移行し、スクランブルに持ち込んだことで、レスリング力でピンチから脱したものの、老獪な植田とその頭脳=山崎剛Me,We代表であれば優勢のままスタンド戦に戻るという選択をしていたかもしれない。

世界レベルのレスリングがベースだけにテイクダウン&スクランブルの強さはある原口だが、パンチを被弾して組まれることも少なくなかった。気になったのは組みの攻防のなかで、フィジカルに任せた強引な小手投げを見せていた点だ。金網の位置を考慮しないあの手の荒い攻撃を植田相手に繰り出すと、バックを許し致命傷となる可能性もある。

サウスポー、リーチのある植田は抑え、極めの強さは10勝8敗という戦績以上のモノがある。今回の対戦の肝は、組む前の間──だ。3月のままの原口だとサウスポーの植田のジャブをより多く被弾する可能性も十分にある。

と同時に、組んでからの打撃の強さを前段階で原口が使えるようになっていれば、一方的な展開になる可能性すらある。それは最後に打ち勝ったパンチではなく、対戦相手の大宮が見せていた組むためのパンチが使えるかどうかに掛かって来る。

同様に削り合いになった時に、原口が5分✖3Rの戦い方ができるか否か。この暫定王座決定戦、原口がMMAをやり過ぎれば勝機は植田に。レスリング時々パンチという打撃を駆使できるようになっていれば原口……という見方もできる。

そのポテンシャルの高さを十分に理解した上で、足し算を間違えることがないMMAが原口には必要となってくるだろう。

また今大会のセミではEXFIGHTで地に落ちた自信をグラチャンで取り戻しつつある長野将大が、加マーク納に挑む。柔道ベースの組み力の強さを持つ加マーク納に対し、長野はスピードと手数の多さで切り崩すことがデキるのか。

王者がRIZINに戦場を求めているライト級とフライ級にあって、暫定王座の制定はもちろん、波風を起こす興味深い2つのマッチアップだ。

The post 【Grachan54】原口伸が植田豊と暫定ライト級王座決定戦へ。超ルーキーは足し算を間違えないMMAが必要 first appeared on MMAPLANET.