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45 MMA MMAPLANET o WNO22 岩本健汰

【WNO22】岩本健汰、サブミッションをエスケープし続けるもRNCで一本負け。ミカに完敗─から学べること

<WNOウェルター級選手権試合/15分1R>
ミカ・ガルバォン(ブラジル)
Def.11分05秒by RNC
岩本健汰(日本)

立ちの展開から岩本が左腕を差す。離れたミカは喧嘩四つのなかでツーオンワンの岩本が右腕をも差し、左腕を差しあげてテイクダウンを狙ったところで腕十字を合わせる。右腕を取られた岩本だが、体を跨いで防御しスタンドに戻る。

スナップダウンのミカは岩本のシングルに三角絞めをセットする。腰を上げた岩本は腕十字に移行されても、体を伸ばして並行の位置を取り腕を引き抜く。ここが場外際だったため、マット中央で試合が再開されると岩本がシングルでテイクダウンする。ミカはギロチンを合わせてロールすると、マウントへ。岩本がハーフに戻すが、ワキ差しパスガードでサイドを譲ると、即マウントに戻される。

肩固め狙いのミカだが、岩本は足を戻して立ち上がる。ミカの小外を防いだ岩本がスナップダウンからダブルレッグへ。これは場外となり、試合は中央でリスタート。組み勝つ岩本のシングルレッグ、足を抜いたミカは足払いでテイクダウンを奪ってしまう。下にされた岩本は腰を畳まれ、ここからZハーフに戻す。頭を抱えに掛かるミカのアームインギロチンパスを防いだ岩本。またも場外となり、スタンドで再開に。シングルレッグでテイクダウンを決めた岩本は、即腕狙いのミカの試みを遮断してトップを取る。

ミカはここでクローズドガード、オープンになると蹴りあげていく。岩本はハーフでトップを維持。足を戻したミカの三角、オモプラッタを察知してスクランブルからスタンドに戻る。

逆転にはポジションを取ってのサブミッションが必要な岩本がローダブルレッグでテイクダウンを決めると、ミカに手首を取らせず左腕を差しにいく。ミカはオモプラッタ、スクランブルで頭を抱えてバックに回る。足をフックさせたくない岩本だが、同時にミカは首を狙う。と、RNCをセットしたミカが、観念したような岩本からタップを奪った。

「ブラジルではケンタのことはそれほど知られていないけど、戦ってみて試合前以上に彼のことを尊敬している」とミカは勝利者インタビューで話した。「良い試合で終わらせたくない」と言っていた岩本だが、良い試合という部分もサブミッションからのエスケープで完敗に。とはいえ、ここでミカに触れた経験は大きい。ADCCルールになれば、この日の経験から組み立てもできるはず。それが世界を相対した者だけが手にできる学びだ。


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【WNO22】ミカ・ガルバォンに挑戦、岩本健汰─02─「これからのことは一切考えていない。どうでも良い」

【写真】この試合後のことは考えていない。ルックスもどうでも良い。そんな岩本健汰でした(C)MMAPLANET

9日(金・現地時間)、カリフォルニア州コスタメサはOCフェアー&イベントセンター内ザ・ハンガーで開催されるWNO22「Rodriguez vs Hugo」で、ミカ・ガルバォンの持つWNOウェルター級王者に挑戦する岩本健汰インタビュー後編。
Text by Manabu Takashima

柔術の神の子への挑戦が降ってわいたように巡ってきた岩本は、この完全無欠のグラップラーを相手に勝つには「どうすれば良いんだ」と笑う。が、インタビューを進めていくと笑顔の裏にADCC世界大会イヤーでありながら、全てを賭ける気持ちがヒシヒシと伝わってきた。

ワールドステージで戦う岩本、その覚悟のほどを知って欲しい。

<岩本健汰インタビューPart.01はコチラから>


──とはいえウィリアム・タケットをパスしまくったという状況も、WNOだとパスもポイントにならないので極めを防げる選手は、IBJJFルールのように絶対にパスを許さないという姿勢では望んでいないかもしれないです。

「そこもあるかもしれないですね」

──グラップリングといってもサブオンリーのWNO、ポイントがありスクランブルが欠かせないADCC、ポイント制のIBJJFノーギとルールの違いが戦いをまるで変えるものかと、と。いくら技術は共通でも。

「WNOルールだと確かにミカは強いなって。どうやったら勝てるのか。まぁ全力でやるしかないですね(笑)」

──結果、ベストを尽くすと。とはいえ、どのルールでも防御力が絶対かと思うのですか。

「サブミッションエスケープは、僕は得意な方だと思います。なので、そこは気にせずに戦うことができるのですが、エスケープは印象点を悪くするので。だから入らせない。入られたら、すぐにカウンターでいくというマインドで行くしかないですね」

──ドロドロになってきたら、チャンスが増えるのか。

「う~ん、ドロドロ……そうっすね。ミカってヨーロピアンに出ていますよね」

──ハイ。ミドル級決勝でアンディ・ムラサキを腕十字で破り優勝しています。

「ヨーロピアンって、ドーピング検査ないんですかね?」

──あっ、そこですか。

「そうなんですよ。WNOはチェックはないですけど、ヨーロピアンに出ていたら抜けている可能性がある」

──そうしたら、使い続けている岩本選手の方が有利だと。

「ハイ(笑)」

──アハハハハハ。勘弁してください。

「でも本当にミカには、以前のようなパワーがない可能性はあります」

──なるほどです。そこは当日の楽しみとして、岩本選手は今回もB-Teamで調整をしてきました。

「ハイ、香港でのセミナーが終わってそのまま来ました。ニッキーやクレイグが不在だったのですが、まだ名前がないB-Teamのメンバーがめちゃくちゃ強いです。めっちゃ強い。ここでやっていることが、自分のバロメーターになります。初めて来た時から比べると、強くなっていると思います。でも回りも強くなっているし、紫帯でもメチャクチャ強い人もいて。ほぼ無名で強い人が、結構います。ここで練習をしていると、力がつきます」

──これはまるで別件なのですが、ケイド・ルオトロとトミー・ランガカーの日本での試合は視聴されましたか。

「ハイ。ケイドが圧勝しましたね、凄い試合でした。ケイドは凄いです。本当に世界一だと思います」

──実はこの試合が決まるまで、岩本選手の位置関係としてアンドリュー・タケットやジョセフ・チェンとのライバルストーリーが綴られていくことが楽しみでした。ただミカと戦うことで、岩本選手の存在がケイド、ミカというところにやってきたのかと。

「ここで勝てば、そうです」

──それがまさに今大会でのタイトル挑戦に表れているのかと。メインがニッキー・ロッド✖ヴィクトー・ウゴ。他にダンテ・リオン✖ディエゴ・パト、タイナン・ダルプラ✖オリヴィエ・タザ、ジェイコブ・カウチ✖セブ・ロッドという面々の中に日本人グラップラーが出場する。それこそUFC300で日本人ファイターがタイトルに挑戦する……NBAやMLBのオールスターに日本人プレイヤーが出場するようなもので、グラップリング界での快挙かと。

「まぁ……それは難しいことじゃないと思います。勝たないと意味がないので」

──ただし一部のグラップラーしか出場できないイベントです。それだけケンタ・イワモトは世界で評価されていることかと。

「そうですね。知名度的に僕が高いから、選ばれたというのはあるかもしれないです」

──ここでインパクトを残せば、今後のレギュラー参戦もあるのかと期待が膨らみます。

「きっと僕は良い試合ができることを期待されているんだと思います。攻防が多い、スクランブルが多い試合。ミカと相性が良い試合になると思われているのかと。でも、この試合に限らず……ですけど、一つひとつの試合が一つの終わりと心得ているので」

──というと?

「むしろ、この試合が僕にとって最後の戦いだという感覚です。もう後のことは考えていない」

──つまり今回の試合はRoad to ADCC世界大会ではないと。

「ハイ。キャリアとかこれからのことは一切考えていないです。これが最後だと思ってやっています。帰りのチケットも買っていないです。試合までのことしか、考えていないので。そこしか見ていない。カリフォルニアから戻ることは今、頭にないです。とにかくミカとの試合に集中しています。終わってからのことは、どうでも良い。米国から帰国するチケットもキャンセルできるやつを買って、こっちに来ているので」

──凄まじい覚悟のうえでのミカへの挑戦ですね。

「もう、この試合で終わりです。それからのことは一切、考えていないです」

──押忍。そんな岩本選手を応援している人々に一言お願いします。

「うん……えぇと……。勝つことしか考えていないです」

──痺れる想いを持つ岩本選手ですが、最後に一つスミマセン。気になったことがあります。

「えっ、何ですか」

──岩本選手、インタビューの受け答えは英語の方が上手くないですか。あのFLOに挙がっているインタビューとか、凄く流暢で。

「アハハハハ、そんなことないですよ。英語より日本語の方が……多分、大丈夫です。今日は……最近、日本語を使っていないので。もうカタコトになって、表現力がないなって自分でも思っていました(笑)。本当に日本語をしゃべったのが、久しぶりだったので申し訳ないなって(笑)。言葉が上手く回らなかったです」

──それだけ動きは上がっていると、期待しています。

「ハイ。ありがとうございます。口はこうでも、体は動くので。そして日本語、勉強しなおします(笑)」

■視聴方法(予定)
2月10日(日・日本時間)
午前11時00分~Flo Grappling

■ WNO22対戦カード

<ヘビー級/15分1R>
ニック・ロドリゲス(米国)
ヴィクトー・ウゴ(ブラジル)

<WNOウェルター級選手権試合/15分1R>
[王者]ミカ・ガルバォン(ブラジル)
[挑戦者]岩本健汰(日本)

<WNO級ライト選手権試合/15分1R>
[王者]ダンテ・リオン(カナダ)
[挑戦者]ジエゴ・パト・オリヴェイラ(ブラジル)※フェザー級王者

<女子フライ級/15分1R>
アマンダ・アレキン(米国)
アデーレ・フォーナリノ(豪州)

<ミドル級/15分1R>
タイナン・デルプラ(ブラジル)
オリヴィエ・タザ(カナダ)

<ミドル級/15分1R>
ジェイコブ・カウチ(米国)
セバスチャン・ロドリゲス(米国)

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45 AB MMA MMAPLANET o ONE Special WNO22 YouTube デミアン・マイア ブラック マーシオ・クロマド レアンドロ・ロ 岩本健汰

【Special】岩本健汰が挑戦するミカ・ガルバォンを知ってもらうため、Fight&Lifeインタビューを再掲載

【写真】このところ話題性でルオトロ兄弟の遅れをとっているが、実力的には遜色ない──はず(C)SATOSHI NARITA

9日(金・現地時間)、カリフォルニア州コスタメサで開催されるWNO22「Rodriguez vs Hugo」で自らの持つウェルター級王座の防衛戦で岩本健汰と対戦するミカ・ガルバォン。
Text by Manabu Takashima

ここでは、ミカ・ガルバォンが何者かを知ってもらうために、2022年4月に発売されたFIGHT & LIFE#90から、彼が柔術を始めた時からムンジアル優勝→陽性で王座剥奪までの柔術家&グラップラー人生を振り返り、また彼の柔術&グラップリング観を話してもらったインタビューを再掲載する。

岩本が挑む世界最強のグラップラー=ミカ・ガルバォンとは?


――柔術の神の子ミカ・ガルバォンに初インタビュー。嬉しい限りです。

「こちらこそ、日本のマガジンでインタビューされる機会を貰えて感謝しているよ。マナウスと日本なんて、本当に別世界だと感じていたから。僕のことを注目してくれるなんて思いもしなかったんだ」

――パンデミック後、IBJJF軸の柔術界は動きを止め、代わってプロ・グラップリングとプロ柔術が台頭しました。茶帯から黒帯を巻くようになったミカはこの間、ノーギと道着で大活躍しています。

「コロナ・パンデミックが起ったとき、多くの柔術家がトレーニングをストップした。でも、僕は逆転の発想でこの期間にしっかりと練習して、差をつけようと思ったんだ。9人か10人、アカデミーから出ることなく、練習に集中し、外の世界と接触しないようにしていた。そうすることで、僕らは練習できる環境を維持し続けたんだ」

――強くなるためにそこまで貪欲だったのですね。

「気が狂ったように練習に集中していたよ(笑)」

――だからこそ、コンディションという面でもミカは他の選手をリードできたのですね。そんなミカは柔術とルタリーブリという2つのブラジル産格闘技の黒帯です。それにしても柔術とルタリーブリが犬猿の仲だった頃を知っている身とすれば、隔世の感があります。

「父は柔術三段の黒帯で、ルタリーブリでもブラックベルトを巻いている。僕からすると柔術とルタリーブリの抗争をしていた時代を知らないんだ。ただ、ここマナウスでの両者の関係はリオデジャネイロと比較にならないぐらい険悪だったと聞いている。何しろ、死人に出るほどだったんだ」

――あってはならないことですね。いくら自分たちのスタイルが大切でも柔術もルタリーブリも世間から認められない集団になってしまう。

「その通りだよ。でも僕が生まれる少し前、ルタリーブリはウゴ・デュアルチやエウジェニオ・タデウからアレッシャンドリ・ペケーニョやマーシオ・クロマド達に世代交代があり、彼らが柔術に歩み寄ったことで時代は変わったんだ。そしてマナウスでは2010年代に入り、柔術とルタリーブリは協力関係を組織として構築した。それ以来、柔術家がルタリーブリ、ルタリーブリの選手が柔術のトーナメントに出場するようになった。マーシャルアーツの根底にある尊敬、名誉、友情、情熱を浸透させるのに競技間のライバル心なんて全く必要ないからね」

――19歳のミカの言葉を当時の柔術家、ルタリーブリ選手に教えてあげたいですね。

「アハハハハ。アカデミーを襲って、路上で乱闘をする。それが何を生むんだって思うよ」

――ミカは柔術とルタリーブリ、どちらから練習を始めたのですか。

「柔術だよ。2歳の時に初めて道着の袖に腕を通した。ずっと柔術を戦っていて、10歳ぐらいの時からルタリーブリを始めたんだ。17歳でルタリーブリの黒帯になり、18歳で柔術でも黒帯になれた」

――ルタリーブリを練習した利点はどこにあると考えていますか。

「米国に比べると、ブラジルは今でもノーギ・グラップリングのトーナメントは少ない。米国では日常的になっているけど、やはりブラジルは道着へのこだわりは強い。そんな間に米国のグラップリングはどんどん進化している。ブラジルから米国に行くと、本当に驚かされた。でも、僕にはルタリーブリの経験があったから、今のサブオンリーの潮流に乗り遅れることがなかったんだ。なんせ僕はルタリーブリ・ファイターでもあるからね(笑)」

――その通りですね(笑)。

「柔術だけをやっていると、ほとんどトップを取ることがないという選手もいる。でもノーギでは上になることが大切だ。と同時にノーギを経験すると、道着での動きが本当に良くなるんだ。道着とノーギを経験することは、どちらの競技にも役立つよ。ノーギを経験すると、動きがシャープになるよ」

――柔術界ではノーギも柔術という意見が聞かれます。

「イエス」

――ではノーギ柔術とルタリーブリの違い何なのでしょうか。

「違いはないよ。今、柔術家のなかでもレッグロックは常識になった。でも、ルタリーブリには20年前から存在していた。今、グラップリングが盛んになっているけど、僕らはルタリーブリがずっとあったからね(笑)。そうだね、違いは――ルタリーブリは道着のズボンを履くこと。ノーギ柔術はショーツで戦う。それだけかな」

――セルフディフェンスが柔術の根幹だという意見もありますし、今も柔術のトップファイターは、MMAに転向する傾向はあります。

「スポーツとして見ても、いくつかストリートで有効な点は見られるよ。それにファイターだったら、それがスポーツであっても、自分の身は自分で守れないといけないと思っている。セルフディフェンスの基本ぐらいは知っておかないと。マーシャルアーチストとして、自分を守れないなんて恥ずべきことだから」

――そういう想いはあると。

「そうだね。使わないに限る。でも、その術は知っておくべきだよ。あとMMAに柔術を生かすなら、それ用の練習が必要だ。どういう状況で柔術の技術が有効なのか、しっかりと把握しなければならない。ただ柔術の練習をしていても、MMAには使えない。殴られるのがオチだ。デミアン・マイアが良い例だよ。しっかりとアジャストして、柔術をMMAに落とし込んでいた。逆にIBJJFのワールドのような最高のトーナメントで優勝を目指すなら、競技柔術に集中しないと。他のことをしながら勝てるほど甘くないよ」

――では競技柔術内でもオールドスクール柔術とモダン柔術が存在します。これだけ試合展開、技術が変化したスポーツは我々の年代も柔術とMMAだけではないでしょうか。

「ベーシックとファンダメンタル、この2つは柔術に欠かせない。だから柔術を始めた時には基礎、土台を習うんだ。腕十字、ベリンボロでなく道着を掴んだ時から、どういう風にプレッシャーを与え、どこが正しいポジションなのかを覚える必要がある。黒帯になって勝てない、上手くいかないという時に基本に立ち返ることができる。そのために基礎、土台を学ぶ必要があるんだ。僕自身、オールドスクールの柔術から学び始めた。どこのポジションにいても、シンプルかつ使いやすい動きを選択しているよ。それにどのスタイルだろうが、どんな考えを持っていようが、しっかりと練習をしないと技術は使いこなせない。とにかくトレーニングすることだよ」

──これまた至極、真っ当かつシンプルな真実ですね。

「以前、マイキー(ムスメシ)とも基本が大切、打ち込みをどれくらい練習しているのかという話題になったんだ。僕は1時間だと答えた。マイキーは『おお、良いね。僕はファイブだ』って言うんだ。つまり5時間だよ(笑)。4度の世界王者が、これだけ基本を大切にしている。多くの人が強い相手とのスパーリングをすれば良い練習だと思い込んでいるけど、決してそうじゃない」

──ミカは凄い頻度で試合に出ていますが、試合前と試合のないときでは練習内容は違ってきますか。

「確かに僕は試合数が多いよね(笑)。ただし試合前も自分が強くなることに重点を置いて、試合に勝つという練習はしていない。試合がない時の方がペースは緩やかになるけど、練習内容は変わらないかな」

──なるほど。ミカは道着柔術、サブオンリー、ノーギのポイント戦とあらゆるルールの試合に出ていますが、一番重視しているのはどのルールの試合になるのでしょうか。

「それが可能かどうか分からないけど、道着でもノーギでも世界の頂点に立ちたい。でも僕はルールを理解し、試合タイムも頭に入れて自分の動きができるにしている。そうだね──今年の目標はIBJJFのムンジアルでの優勝とADCC世界大会の優勝だよ。簡単じゃないことは分かっているけど、これまで通り道着もノーギも並行して2つの世界を狙いたい」

──それを口にデキて、周囲も期待できる。まさに柔術の神の子です。ではムンジアルとアブダビのトーナメントで、それぞれ最大のライバルは誰になるでしょうか。

「誰か特定の選手の名前は思い当たらない。ムンジアルとADCCはタフな相手しかいないから(笑)。ADCCは特にトライアルの優勝者を中心に16人の選手しか出場できない。タフでない相手を見つけることが難しいよ」

──確かにその通りですね。それにしてもADCCブラジル予選では5試合連続で一本勝ちでした。

「ノーギの試合では過去最高のキャンプができて、人生で一番状態が良かったんだ(笑)。自分のなかでも、ちょっと違うミカ・ガルバォンがいたような感じだった(笑)」

──それでいて昨年のEUGの道着77キロ級Tでは2021年のムンジアル・ミドル級世界王者となるタイナン・ダルプラをまだ茶帯だったミカは破っています。去年から今年にかけてタイナンが喫した唯一の黒星です。両者の再戦があるのか。とても楽しみです。

「タイナンはノーギはやらないから、あるとすればムンジアルかな。僕らは右も左も攻めることができて、どちらが得意ということがない。だから凄くエキサイティングな試合になるんだよね」

──道着柔術では4月30日に予定さているBJJ STARSの8人制トーナメントではレジェンド=レアンドロ・ロとの対戦が実現することも期待されています。

「子供の頃、シセロ・コスタのところで一緒だったことがあるんだ。当時からロは僕にとって憧れの存在だった。8年、9年が過ぎて彼と戦うことができる場所から辿り着くことができた。トーナメントの山が別だから、僕ができることは一生懸命に練習して、まずはファイナルまで勝ち上がることだよ」

──ところでONEがトップグラップラーと契約し、ワンマッチ形式で得られる対価が上がってきています。その一方でトーナメントに彼らが出場し続けることはあるのか。現状、プロとしてプロモーションと契約することをどのように捉えていますか。

「たしか僕のマネージャーも彼らからの接触があったんだ。でも、僕はまだその時期じゃないと思っている。ONEのようなビッグプロモーションでMMAと一緒に試合が組まれるのはグラップリングが一段階ステップが上がった表れだと思う。ノーギは道着よりも一般の人に理解されやすいだろうし。そんな試合を視るのは僕も楽しみだよ。僕らの世代は幸運にも他の仕事をしなくても柔術で生活ができるようになった。練習と指導をして生きていける。だから、まだMMAイベントのなかで、ワンマッチで戦うよりも、あらゆるルールのトーナメントに出場して、強くなりたいと思っている」

──柔術の神の子が、柔術の神と呼ばれる日がやってくるのは、そう遠くなさそうです。最後に日本のファンに一言お願いします。

「とにかく日本の雑誌にインタビューしてもらい、僕の人生を日本の人とシェアすることがデキて感激しているよ。皆がこれから僕の試合を見てくれると嬉しいね」


■視聴方法(予定)
2月10日(土・日本時間)
午前11時00分~Flo Grappling

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【WNO22】世界の頂=神童ミカ・ガルバォンに挑戦、岩本健汰─01─「じゃあ、どうするんだって(笑)」

【写真】B-Teamで練習中の岩本。世界に挑む、日本の格闘家(C)MMAPLANET

9日(金・現地時間)、カリフォルニア州コスタメサで開催されるWNO22「Rodriguez vs Hugo」に岩本健汰が出場し、ミカ・ガルバォンの持つWNOウェルター級王者に挑戦する。この一戦はある意味、タケルがスーパーレックと戦う、あるいは日本人がショーン・オマリーと戦うのに等しい──ただ単に世界と戦うということでなく、世界の頂点と戦う一戦となる。
Text by Manabu Takashima

神童ミカ・ガルバォンは2003年10月生まれの20歳。父マルキの指導の下、柔術とルタリーブリで黒帯を巻く。キッズ時代から輝かしい成績を残し、2019年のムンジアルではジュベニウで階級別と無差別を制覇し、アダルトへ。時代はコロナ禍を迎え柔術トーナメントが動きを止めるなか、ミカは配信大会で頭角をグングンと表し、一気に黒帯のトップ選手として認知されるようになった。

2022年のムンジアル制覇はドラッグテストで黒となり抹消され、その年のADCCでは77キロ級決勝でケイド・ルオトロにヒールフックで敗れるも、今や時代の寵児となったルオトロ兄弟よりも前評判は高かった。その後、BJJスターでイザッキ・バイエンセとフィリップ・アンドリューに敗れてはいるが、目下のところ24連勝中だ。

WNOは2021年の第9回大会から出場し、アンドリュー・タケット、オリヴィエ・タザに勝利すると、チャンピオンシップトーナメントでウィリアム・タケット、ジェイコブ・カウチを破り、決勝でタイ・ルオトロに敗れた。その後もダンテ・リオン、アラン・サンチェスに勝利し、昨年10月に王座決定トーナメントでジェイ・ロドリゲス、PJ・バーチを下し、ウェルター級のベルトを巻いた。

さらに12月にコディ・スチールをRNCで倒して王座初防衛に成功、今回は岩本と2度目の防衛戦を戦うことに。そのうえで1月の最終週にはヨーロピアンにミドル級出場したミカは、3試合連続で一本勝ちし決勝でアンディ・ムラサキと相対した。結果スイープを許し、パスのプレッシャーを受けるなか、左足でムラサキの左足を制し、右足で肩と頭をロックしつつ腕十字を極めるという神童の名にふさわしいフィニッシュで優勝を果たしている。

岩本にとって間違いなく過去最強の相手。ミカが持つベルトに挑む岩本──テキサス州オースチンのB-Teamで最後の仕上げを行うところでリモート取材を試みた。


──当初の予定ではニッキー・ライアンが挑戦するという話だったのですが、いつの間にか岩本選手が挑戦者になっていました。いつ頃、この試合が決まったのでしょうか。

「12月末ぐらいだったと思います。年末ですね、『どうか?』っていう連絡が来たのが。1度OKを出したのですが、それが無しになって。正月をゆっくりと過ごしていたら、またオファーがきてやることになったんです」

──それはニッキー・ライアンの出場がなくなったから、オファーがあったということですか。

「ハイ。最初の時はそうでした。ただ1度なくなった理由は分からないです(笑)。交渉の段階でなくなって、『やっぱりどうか?』という連絡があってからお金の話など、契約交渉の段階に入りました」

──とはいえADCCアジア&オセアニア予選で優勝した直後には、ADCC世界大会のトーナメント枠を良くするためにPJ・バーチなどと戦って結果を残すと言っていました。そしてミカへの挑戦、余りに言動が不一致です(笑)。

「アハハハハハ。最初はADCC世界大会でいきなりケイド・ルオトロやミカ・ガルバォンと当たらないためにもうちょい下の人を倒したいというプランでした。なので、まさかその本人が出てくるとは思わなかったです」

──ADCC世界大会に向けて、プランが変わる試合のオファーに躊躇はなかったですか。

「最初は『ミカか……』という感じはありました。2月の9日だと、準備期間も少ないですし。1月の15、16日に香港でセミナーがあり、その間はあまり練習ができない。ミカが相手なら、もうチョイ準備したいという気持ちがあったのですが、迷った末にやることにしました」

──目の前にミカというオファーがあれば、無視することはできない?

「う~ん、僕から求めていたわけじゃないですけど、舞い降りてきたチャンスを逃すことはできなかったです。頑張ってきたらチャンスは巡ってくる──そう思って、受けることにしたんです。僕的には勝ちたい。でもミカって一番強いから、他の選手と比べると勝つのは難しい。でも『良い試合をしたな』っていうことで終わってしまうのが、一番嫌なんです」

──ONE165でのケイド・ルオトロへの挑戦も断った。でもミカとは戦いたいというのは?

「それは契約の縛りの話があったからです。ONEは縛りがあって、縛りがなければやっていました」

──しかし、どうすればミカ・ガルバォンに勝てる見込みがあるのか。それは正直なところ思うところではあります。

「確かにWNOのルールはサブミッションの仕掛けを重視しています。以前、ミカとダンテが試合をしたときにダンテが何回もテイクダウンを奪ったのに、最終的にミカが一度腕十字の態勢に入ったことで勝てたんですよね。サブミッションが凄く重視されるので、ミカをWNOのルールで倒すというのは──勝ち筋を見つけるは難しいところがあります。

かといって何も見えない相手ではないです。僕が勝てる部分があるので、そこを利用して勝ち筋を見出すしかないです」

──勝てる部分というのは、どこになると考えていますか。

「立ち技とかだったら、行けるかなと」

──とはいえサブオンリーなので、ミカは立ちで敵わないとみると引き込んでくるのではないでしょうか。

「引き込んでくる可能性はありますね。印象を悪くしないために」

──テイクダウンされるより、引き込みの方が自分の形で組手を創れるような気もしますし。そうなると、引き込んでも攻撃になる。

「ハイ。そこはADCCとは違いますよね。ADCCルールの方が今の僕には合っていることは合っています。でも……う~ん、そうっすね。まぁ、う~ん。ミカをパスできないですもんね。ヘヘヘヘヘヘヘ」

──いや、笑いごとではないかと。

「じゃあ、どうするんだっていう話になるんですけど(笑)」

──ハイ……。

「だから、まあ……そのう……だから、まぁ……なるべく遠い距離で立っても良い感じでやるのか。それだとネガティブになっちゃいますよね」

──逆に岩本選手が引き込むということは?

「それはチョットきついです。プランにはないです。冗談ではあるかもしれないですけど。ミカはパスが強いですからね(笑)。ウィリアム・タケットを結構パスしていたので。ハハハハ」

──笑っている場合ですか!!

<この項、続く>


■視聴方法(予定)
2月10日(土・日本時間)
午前11時00分~Flo Grappling

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【Gladiator CS01】ボグダノフ✖オーシマキーのフォークスタイルグラップリング戦で、全5試合決定!!

【写真】中量級特有のテクニカル&ちょっとした重厚感が感じられる一戦になるか(C)MMAPLANET

5日(月)、GLADIATORより16日(金)に会場非公開で開催されるGLADIATOR CHALLENGER SERIES01「Bang vs Kawana II」でPROGRESSフォークスタイルグラップリング88キロ契約戦=グラント・ボクダノフ✖大嶋聡承が組まれることが発表された。
Text by Manabu Takashima

配信に特化した新機軸大会は、このグラップリングマッチで全5試合が出そろったこととなる。


先のONE日本大会の通訳の印象が強いボクダノフは、昨年のJBJJF全日本ブラジリアン柔術選手権アダルト黒帯ミドル級で優勝し、無差別でも準優勝している。ノーギでも2019年に全日本ノーギ選手権でアダルト・エキスパート・ミドル級優勝、2021年&2022年全日本ノーギ柔術選手権のアダルト黒帯ミドル級を連覇、MMAでもその組み技の強さを如何なく発揮している。

対してオーシマキーこと大嶋は、この試合の5日後に17歳を迎える紫帯の柔術家──いや、グラップラーだ。小学1年生で空手を始め、3年生になるとパンクラス大阪稲垣組でレスリングを学ぶようになり、中学1年で東京に引っ越してくると近所のフィジカルスペースで柔術を始める。

しかし直後にコロナ禍を迎え、大嶋はABEMAで青木真也✖世羅智茂、さらに岩本健汰✖世羅を視聴して足関競に興味を持つようになる。分散登校だったこともあり朝の7時からトイカツグラップリング東中野に通い、ノーギ柔術の先駆者といえる寒河江寿泰から、しっかりとその技術を学ぶと、師の師匠といえる今成正和の下でも練習を始めた。

グラップリングを究めるために通信制の高校に進学し、グラップリング三昧の生活を過ごしている。中学生──緑帯の時にコンバット柔術や、ヒール有りを既に経験し、大人顔負けの活躍をするようになった。

昨年11月のADCCアジア&オセニア予選88キロ級では2試合で勝利を収めるも、アイザック・ミッチェルにRNCで敗れ上位進出はならなかった。とはいえミッチェルは同級を制しており、大嶋がボグダノフと戦う翌朝にタイでタイ・ルオトロの持つONE世界サブミッショングラップリング・ウェルター級王座に挑戦する強豪だ。いってみればトーナメント枠、大嶋は2番目に力があった可能性もあるわけだ。

当然、5月にタイで開催される第二次アジア&オセアニア予選をターゲットとしている大嶋は、聞くところによると今回の試合もウェルター級(※77キロ)でのオファーを88キロに拘り、ボクダノフも了承して実現したという。

以下、リリースに寄せられていた両者のコメントだ。

グラント・ボグダノフ
「以前から興味深々でしたが、今回はついにGLADIATOR初参戦が決まりました。とてもわくわくしています。あまり他にない特別なグラップリングルールなので、面白い攻防、予想できない展開が生まれそうで、試合を見てくれる皆さんも楽しみにしていて欲しいです。

対戦を受けてくださった大嶋選手は私が好きな選手ですが、試合している最中だけは相手としてみます」

大嶋聡承
「今回Gladiator Challenger Seriesで試合をする場を作って頂きありがとうございます。国内トップ選手のグラント選手と試合できることをとても光栄に思います。

グラント選手とケージの攻防できるのがとても楽しみです。
覚悟と感謝を持って一本を取りに行きます。是非期待して下さい」

■視聴方法(予定)
2月16日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS01対戦カード

<Gladiatorフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パン・ジェヒョク(韓国)
[挑戦者]河名マスト(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹本啓哉(日本)
竹内稔(日本)

<ミドル級/5分3R>
三上ヘンリー大智(日本)
アン・ジェヨン(韓国)

<Progressフォークスタイルグラップリング88キロ契約/5分2R>
グラント・ボクダノフ(日本)
大嶋聡承(日本)

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
和田教良(日本)
チェ・ドンフン(韓国)

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45 AB ABEMA ADCC2022 MMA MMAPLANET o ONE ONE Championship ONE165 RIZIN ウアリ・クルジェフ キック グスタボ・バラルト ケイド・ルオトロ ゲイリー・トノン ダニー・キンガド トミー・ランガカー ボカン・マスンヤネ マイキー・ムスメシ マテウス・ガブリエル マーチン・ウェン 三浦彩佳 山北渓人 岩本健汰 平田樹 武尊 箕輪ひろば 若松佑弥 青木真也

【ONE165】ONE日本大会にグラップリング世界の頂点=ケイド・ルオトロが登場。ランガカーとリマッチ

【写真】ケイドをこの目で見られるだけで、嬉しい限りだ(C)RIZIN FF

4日(金・現地時間)、ONE Championshipが28日(日)に江東区有明の有明アリーナで開催されるONE 165「Rodtang vs Takeru」でONEサブミッショングラップリング世界ライト級選手権試合=王者ケイド・ルオトロ✖挑戦者トミー・ランガカーの一戦を組むことを発表している。
Text by Manabu Takashima

タイトル名にあるようにロッタン・ジットムアンノン✖武尊のキックを筆頭に青木真也✖セージ・ノースカット、ゲイリー・トノン✖マーチン・ウェン、さらに日本大会らしくダニー・キンガド×若松佑弥、ボカン・マスンヤネ×山北渓人、箕輪ひろば×グスタボ・バラルト、平田樹×三浦彩佳が行荒れる同大会で、組み技の世界戦が実現する。


ADCC2022で77キロを制し、ONEではライト級世界王者に君臨するケイドは双子の実兄でウェルター級王者タイ、そしてタフライ級王者マイキー・ムスメシと共に、ステロイドフリーのADCCという頂点を持つグラップリング界にあって、ナチュラル化のために動く──組み技ワールド新世代のリーダーだ。

そんなケイドはADCC世界大会の1カ月後、2022年10月にウアリ・クルジェフをヒールで下し同王座を獲得すると、12月にはマテウス・ガブリエルを相手に初防衛に成功。そして今年の6月に行われた2度目のタイトルディフェンディングマッチでは、ランガカーを判定で下している

一本決着でなかったにせよ、ここでダイレクトリマッチになった理由は何なのか。事実、今大会ではケイドでなく兄のタイがウェルター級世界王座を賭けて戦うという話もあった。一方、ケイドは日本大会が正式発表となる前からONE側では岩本健汰に声を掛けていた模様だ。

ただし岩本はADCC世界大会でのシード権獲得のために中堅に確実に勝つという2024年序盤に向けて明白なプランを持っており、ONEとの契約に縛られるとそのプランを実行できなくなることを危惧し、このオファーを固辞していた。

もちろん岩本✖ケイドは楽しみだが、岩本には全力でADCC世界大会に向かって行って欲しい。またケイドの試合は、対戦相手云々以上にケイドの動きを実際にこの目で見ることが一番の収穫となる。世界の頂点にあるグラップラーの登場は、4年振りのONE日本大会に一際、華を添えることになるだろう。

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Flash MMA MMAPLANET o イーサン・トーマス 岩本健汰 竹内稔

【Flash】ADCC Asia & Oseania Trial 岩本健汰が77キロ級2連覇。竹内稔は66キロ級準優勝

【写真】77キロ級表彰台。岩本が優勝、世羅が3位に(C)MMAPLANET



77キロ級決勝は岩本がアレンからバック奪取、3-0で勝ち2連覇。



66キロ級決勝。竹内がイーサン・トーマスにRNCで一本負けも見事準優勝!

※今大会の詳細は後日アップします。


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Flash MMA MMAPLANET o ONE   イーサン・トーマス 世羅智茂 寒河江寿泰 岩本健汰 森戸新士 米倉大貴 須藤拓真

【Flash】ADCC Asia & Oseania Trial 日本人選手試合結果①

【写真】77キロ級2回戦、シードの岩本健汰はジョーダン・ピゴットに貫禄の4分30秒RNCで一本勝ち(C)MMAPLANET


77キロ級、森戸新士は豪州の強豪フィス・アレンと本戦、延長とも0-0もレフェリー判定負け。


同じく77キロ級の世羅智茂は初戦の肩固め一本勝ちに続き、8-0で2回戦突破。


66キロ級の米倉大貴は2試合連続足関で一本勝ち。


66キロ級、須藤拓真は優勝候補のイーサン・トーマス(豪州)に延長R引き込みで1Pで敗れる。


66キロ級2回戦、寒河江寿泰も延長でテイクダウンを許し敗退。

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AB F1 MMA MMAPLANET o ONE Progress YouTube   イーサン・トーマス ジョセフ・チェン 岩本健汰 海外 米倉大貴 須藤拓真

【ADCC Asia & Oseania Trial】「自信はあるッス」岩本健汰&「自分を出しきれれば」米倉大貴

【写真】レベルが急上昇のアジア・オセアニア予選。今日もこの位置で笑顔を見せることができるか(C)MMAPLANET

本日25日(土・現地時間)にシンガポールはジュロンイースト・スポーツセンターで開催されるADCCアジア&オセニア予選。24日(金・同)には同所で計量も行われ、多くの日本人選手も無事計量をクリアした。

午後5時開始の計量は各国から集まったグラップラーが列をなし、日本からの遠征組も含まれていたが、1時間もすれば計量を終えて各々が帰路についた。

そんななか前回の77キロ級優勝の岩本健汰はしんがりといってよいほど最後に会場に到着し、計量へ。一瞬、ギョッとした表情を見せた岩本はステージ奥へ移動する。暗幕の向こうにはアンダーウェアを脱いだ選手用の体重計が用意されており、岩本もそこでクリアし安堵感を漂わせるなかIGLOOの盟友・米倉大貴とともにトーナメントへの意気込みを訊いた。

77キロと66キロで優勝候補に挙げられる2人の日本人組み技師の予選前日の心境とは。


──岩本選手、無事と言いますか奥の体重計を使いパスをしました。実は最初の体重計は重く出ると須藤拓真選手も言っていました。

岩本 ハイ、200グラム・オーバーで。ここで失格になったらヤバいなと思いました(笑)。でも裏で測ると、パンツをはいたままでも77キロジャストでした。パンツを脱いだら76.85キロで(苦笑)。

――やはり前の体重計は重く出ていたのですね(笑)。それにしても、あのパンツが、150グラムもあったとは(笑)。

岩本 いろいろ詰まっているんです(笑)。

――ともあれ無事、計量が終わりました。今の気持ちを教えてください。

岩本 結構落ち着いている感じです。感情的にはなっていないです。前と違うのは勝たないといけないという気持ちがあること。前は勝てれば凄いなという感じだったのですが、今回は勝たないといけないという気持ちでいて――良い意味でプレッシャーになっています。

――77キロ級でも水抜きが必要ということで、ちょっとした疑惑が頭を過ります(笑)。

米倉 ハハハハハ。

岩本 ここで話しておきます。完全にナチュラルです。摂っているのはコーヒーのカフェインぐらいです(笑)。

――これはもう鉄板ネタとして、定着させていこうと思います(笑)。

岩本 僕の周りの人も聞かれるようなので、ハッキリと話しておきます(笑)。

――アハハハ、そんな77キロ級の優勝候補に対し、米倉選手も66キロ級で優勝候補として、海外のサイトでも書かれています。

米倉 もちろん優勝を目指すのは当然なんですけど、自分がどこまでできるのか――ということで、凄く落ち着いています。AIGA(Champion League)で、世界のトップクラスと戦ってあげ過ぎて、試合は落ちたりもして。AIGA以降、自分の持って行き方が分かりました。(IBJJF No Gi)Pan Pacificも福岡のBloom FCも凄く凄く落ち着いて戦うことができました。上げ過ぎない方が良い戦いができるので。

――岩本選手はテキサスのB-Teamで準備し、一方の米倉選手は豪州の方で練習してきました。

岩本 ハイ。テキサスでジョセフ(チェン)と同居して練習してきました。

――そのジョセフ・チェンが欧州予選で優勝し、ここでの対戦を避けることができました。

岩本 ジョセフがいるといないのとでは、気持ちが違いますね。前から2人で話していて、ジョセフが欧州を取って、僕がアジア・オセアニアを取って世界に出ようと。2人がまた戦うなら世界大会、大きな舞台でやろうと。

――まずはジョセフがプランを実行したと。では、米倉選手が豪州で練習するようになったのは?

米倉 ADCC予選前に試合に出たいと決めていて、No Gi Pan Pacific選手権に出て。そこで優勝して帰国しようと思っていたんですけど、Absolute MMAのリーダーのケマルっていう人から『もう少しいたら』と話があって、3週間いました。日本に戻ったのは福岡の試合の直前です。

――豪州から日本、そしてシンガポール。大変でしたね。

米倉 豪州からシンガポールの方が楽なんですけど、福岡の試合が決まっていたので。ギリギリまで豪州で練習していたんです。

――1週間前の試し斬りに関して、岩本選手はどのように思いますか。

岩本 凄く良いと思います。試合慣れをすることは大切なので。僕もあればやりたかったです。ケージ? そこはあんまり関係ないです。

米倉 野瀬選手は立ちが強いので、ADCC予選もレスラーが多いから丁度良くて。もちろん、ファイトマネーも欲しかったですけど。あの試合は1Rで極めるって決めていたので。あれ、テイクダウンに見えたかもしれないですけど……近くで引き込んで足関節というのが作戦だったんです。アンクルピックは違います(笑)。まぁ、Progressはどっちにしても2Pが相手に入るので。でも、そこも気にしていなかったです。ADCC予選は前半の3分はポイントがないので、その戦い方をしておきたかったのもありました。

ジョセフ・チェン ハヤク、ハヤク。(※日本語で)

――おお、盟友から宿に戻るということで巻きが入ってしまいました(笑)。岩本選手が明日、米倉選手に期待するところは?

岩本 僕的にはデイヴィッド・ストイレスクとイーサン・トーマス、この2人が強いと思っていて。大貴が優勝するにはこの強豪に勝たないといけないのですが、可能性は全然あります。

米倉 その2人は逆ブロックなんですよ。

岩本 だから決勝でどっちかに勝てば良いですね。向こうは大貴のゲームを知らないと思うのでチャンスは十分にあります。

――そういう風に言ってもらった米倉選手ですが、岩本選手への期待は?

米倉 期待というか、むしろこの人をどうやって倒せば良いんのかってずっと思っているんで。それぐらいのトップ選手ですから、優勝は間違いない。そう期待しています。

――いよいよ、ジョセフのプレッシャーが強くなってきたので(苦笑)……最後に意気込みの方をお願いします。

岩本 今回は米国でトレーニングキャンプをして、1日3部練を続けてここまで持ってきました。厳しかったですが、ケガもなく過去一番の練習ができたので自信はあるッスね。あとはもう自分に任せるだけです。

米倉 明日のためにずっと練習してきたので、後悔ないよう出し切れればと思います。

――押忍。ジョセフが待ちくたびれているので、急いでください(笑)。

岩本 勝って、しっかりとインタビューで話すので。また明日、よろしくお願いします。

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Colors Colors02 F1 MMA MMAPLANET o YouTube 修斗 前澤智 山田海南江 岩本健汰 海外

【ADCC Asia & Oceania Trial / Colors02】勝負の1週間、山田海南江「練習相手との試合でも気にしない」

【写真】シンガポール入り翌日の山田海南江(C)SHOJIRO KAMEIKE

25日(土・現地時間)にシンガポールはジュロンイースト・スポーツセンターで開催されるADCCアジア&オセニア予選の女子55キロ級に、山田海南江が出場する。さらに1週間後の12月2日には、女子プロ修斗興行Colors02で前澤智とグラップリングマッチで戦うことも発表された。
Text by Shojiro Kameike

今大会は「ADCCアジア&オセアニア予選」ではあるものの、女子55キロ級トーナメントは本戦出場を賭けた予選ではない。そんななかで山田があえてシンガポールに渡り、しかも初となるADCCルールに挑む理由とは。シンガポール入り直後の山田が語ってくれたのは、日本グラップリング界の現状とレスリング出身であるがゆえの感覚——そして自身の夢だった。


――今大会の女子55キロ級は、世界大会の予選ではありません。なぜそのトーナメントに、あえて出場しようと思ったのでしょうか。

「まず今回から、柔術よりグラップリングに専念しようと考えています。グラップリングに専念するなかで、ADCCで女子55キロ級ができたことを知り、ADCCで一番になりたいと思いました。でも今まで一度もADCCルールの試合をしたことがなかったんです。女子55キロ級の予選は来年5月にタイで行われると聞いていますが、予選でADCCルール初挑戦だと厳しいですよね。まずはADCCルールを経験して、予選に向けた対策や戦略を考えるために、今大会にエントリーしました」

――グラップリングにはサブオンリーやIBJJFのノーギなど、様々なルールの大会があります。そのなかでADCCを選んだ理由を教えてください。

「えっ、ADCCは魅力的じゃないですか(笑)」

――単純明快ですね。

「アハハハ。同じチームの岩本健汰がADCC本戦に出場した時、中継を視て『この会場で試合をしたい』と思ったんです。でも女子は60キロ未満と60キロ以上の2階級しかなくて。私が60キロ未満で試合をするのは、体重差はもちろん力の差もあるかなと感じました。でも今回から55キロ級ができたことで、私がやってきたレスリングと柔術の力が、どこまで通じるかが気になったんですよ」

――グラップリングでは他のルールと比べて、ADCCはスタンドレスリングの要素が強いでしょう。その点でもご自身に合っていると思いますか。

「はい。今まで自分がやってきたことを考えると、戦略次第ですが一番良いルールである可能性は高いですね。そのチャンスを生かしたいです」

――今大会の女子55キロ級出場者はシンガポール、タイ、インドなど各国のADCCルール大会に出場しています。豪州はADCCルールに限らずグラップリング大会が多数開催しており、試合経験は豊富な選手ばかりです。一方、日本は圧倒的にADCCルールで戦うことができる機会が少ない。

「そうなんです。出場メンバーの中で私が一番ADCCルールの経験値が少ないと思います。おそらく体格も私が一番小さいかもしれません。だからこそ今回の試合を踏まえて、予選に挑むことができれば——そう考えると、今大会で女子55キロ級トーナメントが開催されたのは、タイミング的にも私にとって良かったです」

――ADCCルールの試合経験がないなかで、今大会に向けてどのような練習や対策を行ってきたのでしょうか。

「もともとADCCルールで練習できる場所が少ないじゃないですか。まず女子選手がいるジムを探し、出稽古に行かせてもらって——ADCCルールについてはタイマーを見ながら前半と後半を意識して練習していました。練習中にタイマーを気にするのは相手にも失礼かと思うのですが、そこは私がやるべきことを貫くしかなくて」

――前半、後半というのはADCCルール特有のポイントの有無に関する練習ですか。

「そうです。ポイント無しの前半はどう攻めるか、ポイントが入るようになる後半はどう攻めるかと意識して練習していました」

――ADCCルールに挑む女子選手が圧倒的に少ない以上、自分が主体的に何とかするしかありませんね。どのジムで出稽古を行っていたのでしょうか。

「今回はもう一人、玉井侑未さんが同じ女子55キロ級に出るので、玉井さんが練習している東中野のトイカツ道場さんに行かせてもらいました(玉井の所属は今成柔術)。『トーナメントで当たる可能性のある選手と一緒に練習するの?』と思う人もいるかもしれないけど、私はあまり気にしないんですよ。トーナメントで当たるかどうかは分からないし、一緒に練習していようと、していまいと対戦したら勝つしかないので」

――それはレスリングを経験されているからではないですか。レスリングの強豪校なら、対戦する可能性のある選手が同じ部にいることも多いでしょうし。

「そう思います。もしかしたら相手の方は気にしているかもしれないし、そこで断られたら私も諦めます。ただ——柔術を始めてから『そういうのを嫌がる人もいるんだな』って知りました」

――練習相手と対戦したくない、という選手も多いですね。

「レスリングだと強化合宿は、絶対に戦う相手と練習することになるじゃないですか。だから私は気にしていなかったというか。結局は、その人たちに勝たないと日本一になれないし、日本一になれないと世界に挑戦できないので。

もともと私はレスリングの実績がなかったけど、オリンピックを目指して強くなるために安部学院という強豪校へ一般入試で進学しました。安部学院のレスリング部では、まず自分が一番弱いことは分かっていて、とにかく人の何倍も努力しないといけなかった。そうしないと強くなることはできなかったんです」

――そうしたレスリング時代の経験を鑑みると、海外で試合をすることにも躊躇はないでしょう。

「今回も『出る!』ってスパッと決めました(笑)。もちろん、いろんな方に相談しました。遠征費もそうですし、様々なスケジュールのこともあって。でも、せっかくのチャンスだから——おそらくADCCで女子55キロ級ができていなかったら、ギで来年のムンジアルを目指していたと思います。でも自分が出てみたいと思ったADCCに新しい階級ができ、ここでADCCルールを経験できるチャンスがある。そう思って、いろんな方に相談して今大会に出場することを決めたんです」

――ムンジアルとADCCの両方を目指そうとは思わなかったのですか。

「私、ギとノーギを並行できるほど器用じゃないんですよ(笑)。柔術やるなら柔術、グラップリングをやるならグラップリングに集中したくて。でもグラップリングをやるにしても、先ほど言われたとおり大会ごとにルールが違います。であれば、どこを目指すのか。やるからには中途半端なことはしたくないし、今回はADCCでしっかりやると決めました」

――では今大会の女子55キロ級で、チェックしている選手を教えてください。

「やはり一番は去年、アジア&オセアニア予選の女子60キロ級で優勝しているアデーレ・フォルナリーノですね。まだトーナメントの組み合わせが確定していないので、どこで誰と対戦するのか分かっていませんが……」

―他にも柔術茶帯やグラップリング戦の経験が法は選手が出場します。そのなかでご自身は、どれくらいの位置にいると思いますか。
「それは聞かれると思って、どう答えようかと思っていたんですよ(笑)。でもADCCルールの経験がないから、何とも言えないというか正直分からないです。今回のトーナメントで、その答えを見つけたいと思います」

――なるほど。さらADCCトーナメントの1週間後、12月2日にプロ修斗興行の中で前澤智選手とグラップリングマッチで戦うことが発表されました。

「実は結構前にグラップリングマッチのお話は頂いていて……、本当は良くないと思うんです。プロの大会に出ることが決まったあと、その1週間前に行われるトーナメントへ出ることを決めるなんて。トーナメントで怪我をしたら、プロ興行に穴を空けてしまうことになる。でも、私自身が目指しているものを目指し続けていきたいんです」

――ADCCは強豪が揃ったトーナメントであり、その1週間後に違うルールで、これまた強豪の前澤選手と対戦する。かなりハードな1週間になるでしょう。

「前澤選手はずっと練習も試合もし続けているファイターで——実は一緒に練習したこともあります。対戦が決まったあとも、お互いに何も言わず練習しました。だけど先ほども言ったとおり試合相手と練習することも、練習相手と試合することに対しても特に思うところはないです。ADCCトーナメントと前澤選手の試合で、どっちが上か下かという気持ちはなくて。どちらも勝ちたいし、試合ができるならガンガン出ていきたいですね。私としては、どんなルールであっても自分がやるべきことは変わらないと思うので」

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