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【UFC ESPN31】計量終了 もはや怖いモノ見たさのフォント✖アルド。目に焼き付けたいグイダ✖レオ

【写真】この計量台での表情……ジョゼ・アルドは大丈夫なのか(C)Zuffa/UFC

3日(金・現地時間)、4日(土・同)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC on ESPN31「Font vs Aldo」の計量が行われた。

メインで対戦するロブ・フォントとジョゼ・アルドは前者が134ポンド、後者が136ポンドでパスしている。とはいってもフォントがラッシュガードを着て余裕で計量を終えたのに対し、アルドは頬がこけ、目が窪んでおり厳しい減量だったことを伺える。

ここからリカバリーするのがアルド流とはいえ、元UFC世界フェザー級王者も既に35歳。このダイエット&リカバリーがアドバンテージなのか疑問に思われる──ほどのギリギリに見える体躯だった。


それでなくとも今回のフォント戦は、アルドにとって分が悪い一戦として見られている。

マルロン・ヴェラ、ペドロ・ムニョスという群雄割拠のバンタム級戦線における曲者クラスを連破しているアルドだが、フォントは今回の計量当日に堀口恭司をKOしBellator世界バンタム級王座の防衛に成功したセルジオ・ペティスを敵地ミルウォーキーで破って以来、リッキー・シモン、マルロン・モラレス、コディ・ガーブラントと4連勝中で、試合内容も完勝といって良い。

フォントの強さはズバリ、ボクシングに尽きる。しかもMMAグローブに合った──振り抜くより、止める系のパンチで対戦相手に確実にダメージを蓄積させ、精神的にも削ってきた。

オーソ同士でジャブを叩くことなく、右ストレートをパーリングしてジャブを次々と打ち込む。この真っ直ぐと、外から入る右フックの打ち出しが同じで、対戦相手がストレートを予測していると横からグローブごと持っていかれそうな拳が飛んでくることになる。

削った相手の心を折るのが、右アッパーだ。プレッシャーを掛けておいて、追い込まれた相手の踏み込みを待ち受けるように放たれる右アッパーがクリーンに決まれば、KO云々以上に試合をフォントが支配している証だ。

そんなフォントに対し、アルドの勝機はやはりローキックか。ジャブや右ストレートにしても、左足はしっかりと前方に置くフォントだけに、ここを蹴られると持ち味である体重移動に影響が出ることは間違いないだろう。

とはいえ、アルドのローの距離はフォントのジャブの距離でもあり、両者にとって命綱の攻撃も下がって打てる分フォントに分がありそうだ。

前述したペティスが、過去最強の相手のいの一番名前を挙げたフォントですら、ランク4位──恐るべきUFCバンタム級の頂きを目指し、アルドを相手にどのような戦いを見せるのか。堀口のKO負けを引きづったままでは、怖いモノ見たさと表現してもおかしくない一戦だ。

コメインのライト級のラファエル・フィジエフとブラッド・リデルも見逃せないマッチアップだ。

共に戦績は10勝1敗、トップ15入りという第一の壁を崩した彼らが、第二の壁トップ10越えを果たすための試金石となる潰し合いといえる。

同じライト級でも、もはや望郷の念を持って試合を眺めたくなるのがクレイ・グイダとレオ・サントスという大人の顔合わせだ。フェイスオフを終えて、何とも言えない笑みを浮かべた2人。

グイダは前回マーク・マドセンに、レオはグラント・ドーソンに敗れている。デビューから18年、39歳のグイダとMMAキャリアが20年を越え、41歳となったレオ──人生の半分でMMAを戦ってきた両者が拳を合わせる。目にその雄姿を焼き付けたい、そんな対戦だ。

飛躍のためのステッピングボード=ザルガス・ズマグロフ戦に向け、余裕の笑みを浮かべたマネル・ケイプは額をぶつける勢いでフェイスオフを行った。

■視聴方法(予定)
12月4日(日・日本時間)
午前9時00分~UFC FIGHT PASS

■ UFC EPSN31計量結果

<フェザー級/5分5R>
ロブ・フォント: 134ポンド(60.78キロ)
ジョセ・アルド: 136ポンド(61.69キロ)

<ライト級/5分3R>
ラファエル・フィジエフ: 155.5ポンド(70.53キロ)
ブラッド・リデル: 155.5ポンド(70.53キロ)

<ライト級/5分3R>
クレイ・グィダ: 155ポンド(70.31キロ)
レオナルド・サントス: 156ポンド(70.76キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ジミー・クルート: 205.5ポンド(93.21キロ)
ジャマール・ヒル: 205ポンド(92.99キロ)

<ミドル級/5分3R>
ブレンダン・アレン: 185.5ポンド(84.14キロ)
クリス・カーティス: 185ポンド(83.91キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ブライアン・バルベレナ: 170.5ポンド(77.34キロ)
ダリアン・ウィークス: 170ポンド(77.11キロ)

<ミドル級/5分3R>
マキ・ピトロ: 184.5ポンド(83.68キロ)
ドゥスコ・トドロビッチ: 185.5ポンド(84.14キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ジェイク・マシューズ: 170ポンド(77.11キロ)
ジェレマイア・ウェルス: 170.5ポンド(77.34キロ)

<フライ級/5分3R>
ザルガス・ズマグロフ: 125.5ポンド(56.92キロ)
マネル・ケイプ: 125.5ポンド(56.92キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
マロリー・マーチン: 115ポンド(52.16キロ)
シャイアン・ヴリスマス: 115.5ポンド(52.38キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
アロンゾ・メニフィールド: 205.5ポンド(93.21キロ)
ウィリアム・ナイト: 206ポンド(93.44キロ)

<ライト級/5分3R>
クラウジオ・プエレス: 155ポンド(70.31キロ)
クリス・グラッツマーカー: 156ポンド(70.76キロ)

<ウェルター級/5分3R>
アレックス・モロノ: 170.5ポンド(77.34キロ)
ミッキー・ガル: 170.5ポンド(77.34キロ)

<バンタム級/5分3R>
ルイス・スモルカ: 135.5ポンド(61.46キロ)
ヴィンス・モラレス: 135.5ポンド(61.46キロ)

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BELLATOR ONE UFC ウィリアム・ナイト クレイ・グイダ ジョゼ・アルド ピョートル・ヤン ペドロ・ムニョス マネル・ケイプ マルロン・モラエス マルロン・ヴェラ ラファエル・フィジエフ ロブ・フォント ヴィンス・モラレス

UFC on ESPN31:オッズ/予想と展望

ロブ・フォント 1.71
ジョゼ・アルド 2.20
ブラッド・リデル 1.93
ラファエル・フィジエフ 1.89
クレイ・グイダ 2.58
レオナルド・サントス 1.56
ジム・クルート 1.63
ジャマール・ヒル 2.40
ブレンダ・アレン 1.29
クリス・カーティス 3.85
ブライアン・バーバリー1.80
ダリアン・ウィークス 2.05
マキ・ピトーロ 2.35
ドゥスコ・トドロヴィッチ 1.65
マネル・ケイプ 1.38
ジャルガス・ジュマグロフ 3.20
ジェイク・マシューズ 1.60
ジュレマイア・ウェルズ 2.47
シャイアン・ベイズ 1.56
マロリー・マーティン 2.58
アロンゾ・メニフィールド 1.71
ウィリアム・ナイト 2.20
クラウディオ・プエレス 1.91
クリス・グレッツェマーカー 1.91
ジャレッド・バンデラ 2.70
アザマト・ムルザカノフ 1.50
アレックス・モロノ 1.44
ミッキー・ガル 2.85
ルイス・スモルカ 1.68
ヴィンス・モラレス 2.27

メインはバンタム級戦。ロブ・フォントは前日に防衛戦を行うBellatorバンタム級王者セルジオ・ペティスを最後に破った選手だが、試合が決まったのはUFCの方が先なので、わざわざぶつけたわけではなさそう。2014年UFCデビューだが、7年で12試合と試合数は多くない。ペティスや元WSOF王者マルロン・モラエス、元王者のコーディ・ガーブラントにいずれも打撃で勝負して勝利。ムニョスには打撃で推していたもののギロチンで一本負け。アスンサオにはテイクダウンを混ぜられての完敗。しかし、その後の試合ではテイクダウンを奪われてもすぐに立ち上がれるようになり、戦績も上向いてきた。

アルドはピョートル・ヤンとのバンタム級王座決定戦でKO負けし完敗。その後2戦はマルロン・ヴェラとペドロ・ムニョスという強豪(だがタイトル戦線に絡むレベルではない)相手に連勝。いずれも最終的には差を見せたが、年齢や階級変更の影響か、打撃で圧倒はしてもフィニッシュはできていない。WEC時代から数えると、もう12年もタイトル戦線で戦っているアルド。年齢はアルドが1歳上なだけだが、蓄積したダメージは確実に上。

打撃勝負になればフォントのペースか。フォント判定勝ち。

プレリムではマネル・ケイプがUFC4戦目を行う。UFCデビューから2連敗後、前回はオデー・オズボーン相手に1R飛び膝でKO勝ちしたが、体重オーバーしたこともあってか、ここで負けて1勝3敗となったらリリースもあり得るか…と思ったものの、試合前に早くも契約更新が決まった模様。

今回は相手も1勝2敗だが、2連敗中はいいところがなく、前回は0勝3敗の相手にスタンディングギロチンで勝利し生き残った。しかし打撃でプレッシャーをかけられると引いてしまい攻められ続けてしまうという欠点がある。

ケイプはリリースの心配がないだけに、思い切った攻めでの快勝を期待したい。

第1試合開始は5日朝9時から。プレリムは、開始時間の変更がなければ、3時間で9試合も詰め込まれている。速報します。

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MMA News UFC   その他 アンソニー・スミス クレイ・グイダ ジョゼ・アルド ボビー・グリーン マーク・マドセン ロブ・フォント

ブラッド・リデル vs. ハファエル・フィジエフ、クレイ・グイダ vs. レオ・サントス等『UFC on ESPN 31: Font vs. Aldo』の対戦カードを紹介

12.4『UFC Fight Night』のメインイベントはロブ・フォント vs. ジョゼ・アルド(2021年09月28日)

 こちらの続報。

 12月4日にラスベガスのUFC APEXで開催する『UFC on ESPN 31: Font vs. Aldo』で行われるその他の試合を紹介します。


UFC adds Rafael Fiziev vs. Brad Riddell for Dec. 4 Fight Night event(MMAJunkie)

 ブラッド・リデル vs. ハファエル・フィジエフのライト級マッチが行われるとのこと。

 リデルは6月の『UFC 263: Adesanya vs. Vettori 2』でドリュー・ドバーに判定勝ちして以来の試合で現在7連勝中(UFC戦績4勝0敗)。フィジエフは8月の『UFC 265: Lewis vs. Gane』でボビー・グリーンに判定勝ちして以来の試合で現在4連勝中。


Clay Guida vs. Leonardo Santos added to UFC on ESPN 31 on Dec. 4(MMAJunkie)

 クレイ・グイダ vs. レオ・サントスのライト級マッチが行われるとのこと。

 グイダは8月の『UFC on ESPN 29: Cannonier vs. Gastelum』でマーク・マドセンに判定負けして以来の試合。サントスは3月の『UFC on ESPN 21: Brunson vs. Holland』でグラント・ドーソンに3R KO負けして以来の試合。『UFC Fight Night 193: Santos vs. Walker』でアレクサンダー・ヘルナンデスと対戦予定でしたが負傷欠場していました。


Jimmy Crute vs. Jamahal Hill targeted for UFC event on December 4(MMAFighting)

 ジミー・クルート vs. ジャマール・ヒルのライトヘビー級マッチが行われるとのこと。

 クルートは4月の『UFC 261: Usman vs. Masvidal 2』でアンソニー・スミスに1R TKO負けして以来の試合。ヒルは6月の『UFC 263: Adesanya vs. Vettori 2』でポール・クレイグに1R TKO負けして以来の試合。

 両者は『UFC Fight Night 193: Santos vs. Walker』で対戦予定でしたが今大会に延期されています。


With Brad Tavares out, Roman Dolidze steps in to face Brendan Allen at UFC on ESPN 31(MMAJunkie)

With Roman Dolidze out, Chris Curtis steps in to face Brendan Allen at UFC on ESPN 31(MMAJunkie)

 ブレンダン・アーレン vs. クリス・カーティスのミドル級マッチが行われるとのこと。元々アーレンはブラッド・タヴァレスと対戦予定でしたがタヴァレスが欠場、代わりにロマン・ドリゼがアーレンと対戦することになりましたがドリゼも欠場したことからカーティスは代打の代打になります。

 アーレンは7月の『UFC on ESPN 27: Sandhagen vs. Dillashaw』でプナヘレ・ソリアーノに判定勝ちして以来の試合で現在2連勝中。カーティスは11月の『UFC 268: Usman vs. Covington 2』で行われたUFCデビュー戦でフィル・ホーズに1R TKO勝ちして以来の試合。


Bryan Barberena draws late replacement Darian Weeks at UFC on ESPN 31(MMAJunkie)

Darian Weeks(Sherdog)

 ブライアン・バルベリーナ vs. ダリアン・ウィークスのウェルター級マッチが行われるとのこと。バルベリーナは当初マット・ブラウンと対戦予定でしたがブラウンに新型コロナウイルスの陽性反応が出たことから欠場、代わりにウィークスが対戦します。

 バルベリーナは7月の『UFC on ESPN 28: Hall vs. Strickland』でジェイソン・ウィットに判定負けして以来の試合。ウィークスは現在28歳のアメリカ人でMMA戦績5勝0敗。今回がUFCデビュー戦。続きを読む・・・
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Bu et Sports de combat GLORY K-1 LFA MMA UFC アレックス・ポアタン・ペレイラ アンドレアス・メケイリディス イスラエル・アデサニャ キック ギガ・チカゼ ジョゼ・アルド ボクシング 剛毅會 岩﨑達也 武術空手

【Bu et Sports de combat】武術的観点で見るMMA。ポアタン✖メケイリディス「二段跳びヒザは当たる」

【写真】右から左の跳び二段ヒザ蹴り、見事なKO勝ちを収めたペレイラ (C)Zuffa/UFC

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑師範とともに見てみたい。

武術的観点に立って見たアレックス・ポアタン・ペレイラ✖アンドレアス・メケイリディスとは?!


──アレックス・ポアタン・ペレイラ✖アンドレアス・メケイリディス。ペレイラはGLORYで世界ライトヘビー級とミドル級の2階級を制した正真正銘、世界の頂点に立ったキックボクサーからMMAへ転向を果たした選手です。キックの道を究めた人にとって、MMAはなかなか難しいと思うのですが、この試合を見てその辺りを武術的に探っていただきたいと思います。

「GLORYの重量級で世界チャンピオンということは、本当に世界のトップですね。MMAはいつからやっていますか?」

──もともとは2015年や2016年に3試合戦い、2勝1敗でした。その後はキックに専念して、イスラエル・アデサニャにも勝っています。GLORYの了解を得て、世界王者でありながら昨年11月にLFAでMMAを戦い、今年の3月にライトヘビー級王座を失いました。そしてUFCにデビューしています。

「ペレイラのキック時代の映像を見たことがないので、なんとも言えないのですが、立ち技格闘家は倒す……効かすタイプとマネージメントするタイプに分かれます。魔裟斗選手とか、RENA選手はマネージメントタイプです。ムエタイも5Rを通して戦うマネージャーで、古くはK-1だとピーター・アーツがマネージャーでした。アーネスト・ホースとはどっちでも戦えます」

──さすがミスター・パーフェクトです。

「ハイ。そしてミルコ・クロコップはマネージメントが下手でした。だからMMAにミルコを送り込んだ石井館長は素晴らしいです。当時、MMAの打撃系の選手のなかで、立ち技競技で成功していたのは……モーリス・スミスを例外にいなかったです。

まぁ15年や20年も前の話ですし、今ではMMAの情報が氾濫していて、技術体系も整っているので無防備にMMAを戦うことはないですから、ギガ・チカゼのような選手もいますよね。しかし、ペレイラに関してはブラジルですし、ブラジルのキックがテクニカルだとか、強いというイメージはなかったですね。

いずれにせよ、ペレイラは試合開始早々から先を取っていました。メケイリディスは物凄くペレイラの蹴りをビビっていたからです。重心も後ろに下がってしまって。もうMMAというより、異種格闘技戦になっていました」

──メケイリディスは組んで倒して勝つ、それしかなかったと思います。

「ところがメケイリディスは、1Rはテイクダウンからバックコントロールして終えたのに、2Rになるとキックボクシングを始めてしまうんです。なぜ、1Rと同じようにしないのか。初回に組んでコントロールして、疲れてしまったんでしょうね。それでガムシャラにテイクダウンに行けなくなり、タイミングを見てなんて思い……キックをした。

しかし……なぜ、相手の嫌なことをしないのか。MMAだからって、キックの世界王者に対して打撃をする必要はないです。MMAの前に、まずは闘争であれ。つまり、相手の嫌がることをするわけですよ。そこをちょっと見落としているんじゃないかなって感じます。メケイリディスは打撃が苦手だから論外ですけど、自分の得意技で勝負するといっても相手が平気だったら、そこで勝負して勝つ確率は上がるのかということです。

ペレイラからすると、メケイリディスが組んでも背中をつけずにバックを譲る形で凌いだ。そして、2Rにチャンスが到来して倒しきった。大したものです。フィニッシュは二段跳びヒザ蹴りでしたが、普通のヒザ蹴りと違い時間差攻撃になるので、とても受けづらいです」

──WEC時代のジョゼ・アルドのカブ・スワンソン戦が思い出されます。あの時、ジョゼ・アルドは左から右と両方を当ててKOしました。

「二段蹴りは本当にMMA向きのヒザ蹴りです。でも、それは決して最初の足がフェイントになって、後ろが当たるということではないんです」

──そうなのですかっ!!

「ハイ。左で誘って右で蹴るということではなくて、両足で蹴ることができる。まさにジョゼ・アルドが決めたモノですね。左足で蹴るとなると、右足を軸にして左で蹴ります。ということは、右足は居着いてしまっているんです」

──なるほどぉ!!

「それが左、右と蹴ると両足で蹴ることになるので、居着いていない。つまり体の連動が止まらないんです。空手には夫婦手という原理原則がありますが、そこと同じです。特にMMAにおいては、遠間から蹴るイメージがありますが、短い距離でも十分に使えます。左足で蹴っても、右足が居着いていたら──そこに残っていて、キャッチされ倒されやすいです」

──一見、両足だと空中で姿勢を変えることができず危なそうなのですが、違うのですね。

「二段のヒザ蹴りをしている選手のことは、実はキャッチできないです。そして、不思議なことに二段蹴りは距離が合いやすい。軸足を作って片足で蹴る場合は距離が合わないと、パンチを合わされたり、組み倒されたりします。絶対とは言えないですが、ほぼほぼ二段蹴りは相手が反応します。つまり受けに回っているので、距離が合うんです。

なぜか……それは明確には分からないです。ただし、二段蹴りの先を取ることが大変なんだとは思います。二段蹴りが始まった時点で、先を取られています。1本目を抑えていないと、先は取れない。これが左ミドルであれば初動、起こりが分かりますよね。

ただし二段蹴りの1本目は、なかなか先が取れない。そういう意味では時間差攻撃としても二段蹴りは有効で、跳ばなくてもレパートリーにしておきたい技です。当たらなくても、反撃を食らう可能性は一つのヒザ蹴りよりも少ないですから」

──いやぁ、興味深いです。

「攻撃には内面の攻撃と外面の攻撃があります。例えばこの試合でも、ペレイラは蹴りを出していないけど、蹴りを出している。メケイリディスは出ていない蹴りに反応していまいた。それは無防備と同じことなんです。もう受けに回っているので、ペレイラからすれば何でもできます。

だからペレイラがUFCという途轍もない世界で今後も活躍できるのかといえば、今回はあまり見せなかったパンチがどうなのか……ですね。キックボクサーがボクシンググローブで培ってきたパンチを、MMAグローブの攻防にアジャストするのは時間が掛かる場合があります。MMAグローブは既に近いので。それをペレイラが、いかに埋めてくるのか。

加えてペレイラが組みに対応しても、それは対応した時点で相手が先をとっていることになるので、自分の戦いをするには組ませないことです。MMAの選手は、現時点では蹴りにまだハマりやすいですし、これからペレイラがどうなるのか。打撃でなく、組みに対するストライカーの戦い方をどうモノにするのか。そこは見ものです」

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キック ジョゼ・アルド ペドロ・ムニョス

UFC268:第12試合・フランク・エドガー vs. マルロン・ヴェラ

バンタム級エドガー8位、ヴェラ13位。

元ライト級王者エドガー。フェザー級では3度タイトルに挑戦したが、いずれも判定負けでタイトル獲得ならず。最後の挑戦としてバンタム級に落とすと、初戦でいきなりランキング5位のペドロ・ムニョスにスプリット判定勝ち(ただし、メディアのジャッジはほとんどがムニョスを支持)。2月の2戦目はキック世界王者のサンドヘイゲンで、飛び膝をもらって秒殺KO負けした。バンタム級ランカー最年長で唯一の40代。

エクアドルのヴェラは元フェザー級王者のジョゼ・アルドにはスタンドでバックを取られる展開で判定負け。前戦は5年前に対戦し敗れているデイビー・グラントとの再戦で、判定となったが3Rにチョークを決めかけて判定勝ち。オッズはヴェラがフェイバリット。

パンチからタックルにつなげたエドガーだが切られた。エドガーのワンツーがヒット。ヴェラのミドルをキャッチしたが振りほどかれる。ヴェラプレスしていく。また蹴りにカウンターのタックル。テイクダウン。ハーフ。ガードに戻した。エドガーインサイドからパウンド。ヴェラハイガードを仕掛けるが密着して防ぐエドガー。しかし立ち上がったエドガーに下から蹴り上げ。顔面を蹴られるが再びガドに入り、密着して肘。ヴェラも下から打ち返す。残りわずかで立ったエドガーだが、微妙にホーン後に蹴り上げたヴェラ。ホーン。

1Rエドガー。

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MMA UFC   ケイシー・ケニー ジョゼ・アルド ダスティン・ポイエー ブランドン・モレノ ペドロ・ムニョス

12.11『UFC 269』でペドロ・ムニョスとドミニク・クルーズが対戦


 UFCが12月11日に開催する『UFC 269』(会場未定)でペドロ・ムニョス vs. ドミニク・クルーズのバンタム級マッチが行われることをMMAFightingが確認したとのこと。まだ契約にサインはしてないものの口頭で同意しているそうです。

 ムニョスは『UFC 265: Lewis vs. Gane』でジョゼ・アルドに判定負けして以来の試合。クルーズは『UFC 259: Blachowicz vs. Adesanya』でケイシー・ケニーに判定勝ちして以来の試合。

 同大会はチャールズ・オリヴェイラ vs. ダスティン・ポイエーのライト級タイトルマッチ、アマンダ・ヌネス vs. ジュリアナ・ペーニャの女子バンタム級マッチ、ブランドン・モレノ vs. デイヴィソン・フィゲイレドのフライ級タイトルマッチの3大タイトルマッチが予定されています。続きを読む・・・
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MMA UFC   ジョゼ・アルド マルロン・モラエス

10.30『UFC 267』アルジャメイン・スターリング欠場を受けてピョートル・ヤンとコリー・サンドヘイゲンがバンタム級暫定王座決定戦

無念! アルジャメイン・スターリングが10.30『UFC 267』ピョートル・ヤンとのバンタム級王座防衛戦を欠場/ヤンは他の選手と暫定王座決定戦か(2021年09月26日)

 こちらの続報。


 UFCが10月30日にアブダビで開催する『UFC 267: Blachowicz vs. Teixeira』でピョートル・ヤンを相手にバンタム級王座防衛戦を行う予定だったアルジャメイン・スターリングが欠場することを受けてヤンはコリー・サンドヘイゲンと暫定王座決定戦を行うことをESPNのブレット・オカモト記者がデイナ・ホワイトから確認したとのこと。

 サンドヘイゲンは『UFC on ESPN 27: Sandhagen vs. Dillashaw』でT.J.ディラショーにスプリットデシジョンで敗れて以来の試合。

 前回敗れた選手がタイトルマッチをした例はいくつかありますが、最近もジョゼ・アルドがバンタム級転向初戦だった『UFC 245: Usman vs. Covington』でマルロン・モラエスにスプリットデシジョンで敗れたものの『UFC 251: Usman vs. Masvidal』でピョートル・ヤンと王座決定戦をしたことがあります。続きを読む・・・
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MMA UFC YouTube   ジョゼ・アルド

ジョゼ・アルド「ユーチューバーとのボクシングマッチなんて屈辱的なことはしたくない」「俺はお金よりもレガシーの方が大事だ」

Jose Aldo uninterested in ‘humiliating’ MMA vs. YouTubers matches: ‘I can’t wrap my head around that’(MMAFighting)

 ベン・アスクレン、タイロン・ウッドリーがユーチューバーのジェイク・ポールと対戦し大金を稼いでいる件についてジョゼ・アルドが以下のコメント。

「どの試合もリスペクトはしている。キャリアが終わりに近づいている選手なら尚更だ。結局のところ、キャリアを上手くマネージメントできなかったからそういう道に進まざるを得なかったわけで、運良くそういうドアが開いて彼らは良いお金を稼ぐことができた」

「だけど俺はノーだね。意味がないし考えられない。俺は常にレガシーのために戦ってきた。歴史を作り、自分の物語を10年後、20年後、30年後も語ってもらうために戦ってきた。今は『ジョゼ・アルドは最強のフェザー級チャンピオンだったし、バンタム級に転向してもチャンピオンになった』と言われるために戦っている。それはお金で買えるものじゃない。俺にとってレガシーはお金よりも遥かに価値があることだ」

「俺はこのスポーツを始めてからお金を稼いできたし、引退間近になっても屈辱的なことをしないで済むようにプランを立ててきた。自分が格闘技で学んだことや、やってきたこと全てを裏切りお金のために自分を売るなんてできない…俺はレガシーが欲しいんだ。戦うことを辞める時はUFCを辞める時だ。ホール・オブ・フェームになりたい。サーカスではなく世界最大の団体で自分のストーリーを語りたい。そういうマネーファイトをUFCがやるのならクールだしやってもいいけど、他の場所でやる気はない」
続きを読む・・・
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Report UFC UFC265 ジョゼ・アルド ブログ ペドロ・ムニョス

【UFC265】距離とコンビネーションで完璧なゲームメイク、ジョゼ・アルドがムニョスをフルマークで下す

<バンタム級/5分3R>
ジョゼ・アルド(ブラジル)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27.
ペドロ・ムニョス(ブラジル)

開始早々、ムニョスが右のバックスピンキック。正面で向かい合うと、ムニョスが右ローから左ジャブを突く。ムニョスの攻撃をアルドは、左のガードを高く上げながらバックステップでかわす。次第にプレッシャーを強めるアルドが左右のボディ、対するムニョスは右のカーフキックから距離を詰める。ムニョスが中に入ろうとすると、アルドは左フックで防ぐ。

アルドがムニョスに対して左ジャブ、さらに右ヒザをカウンターで当てる。そして左ボディがヒット。ムニョスは右クロスをカウンターで当てられてしまう。ワンツーで前に出るアルド。ムニョスはローを放つが、アルドの左ジャブが当たる。アルドがカウンターのパンチを当てるなか、ムニョスも左ジャブを繰り出すが、アルドの顔面には届かない。

残り1分を切ったところで、ムニョスの右がアルドの顔面を捉える。アルドは足を使って距離を取りながらパンチを返すが、ムニョスのパンチも当たる。残り30秒、ムニョスが連打で前に出ると、アルドもパンチを返すが、ケージを背負わされてしまった。

2R、ムニョスが前に出て、パンチを左右のカーフキックを放つ。アルドの左ジャブをもらったムニョスの左目が腫れている。アルドはここで右ロー、さらに対角線コンビネーションで左ボディを当てていく。アルドのパンチをもらいながら前に出るムニョス。ムニョスの右バックスピンキックを、バックステップでかわすアルド。距離を詰めるムニョスに左ジャブを突くアルドに対し、ムニョスは右ハイを繰り出すがブロックされる。

距離を詰めてアルドにケージを背負わせるムニョスに対し、アルドは左ボディへのコンビネーションを繰り出していく。そしてアルドの右ローがヒット。左ジャブの突き合いで勝るのはアルドだが、ムニョスの右もアルドの顔面をかすめる。アルドの左ジャブへ、ムニョスは左ローを返す。アルドは左ボディを狙うが届かない。

左のローと右のカーフで、ムニョスはアルドをケージ際へ追い詰めていく。アルドは距離を保ってカウンターを狙う作戦で、少し距離ができると右アッパーを放った。

最終R、距離を詰めたムニョスを、パンチの連打で迎え撃つアルド。ムニョスは脇を差してアルドをケージに押し込むが、すぐに離れる。中間距離で打撃を出し合う両者、距離が詰まるとアルドが押し返す。アルドは上下に左を散らし、次第にムニョスの顔面を捉えるようになる。ここでアルドのローをもらったムニョスは、少し体勢を崩す。

ムニョスの左ジャブを、足を使ってかわしたアルドは、右ローで相手にヒザをつかせる。立ち上がったムニョスは、右のバックスピンキックを放つが、これは空を切る。アルドはインサイドからの右、さらにパンチの連打から右ローを当てる。左目から出血しているムニョスは、明らかに手数が減る。そのムニョスに対して、アルドはコンビネーションを当てていった。

ジャッジ3者ともフルマークをつける裁定で、アルドがバンタム級転向後2連勝となった。


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【UFC265】計量終了 アルド✖ムニョス&ソン✖ケニー=バンタム級生き残り合戦。ケイプ……

【写真】アルド、健在ぶりを引き続き見せることができるか──とはいっても、まだ34歳で老け込む年ではない(C)MMAPLANET

7日(土・現地時間)にテキサス州ヒューストンのトヨタ・センターで開催されるUFC265「Lewis vs Gane」の計量が6日(金・同)に行われている。

メインの暫定ヘビー級王座決定戦はデリック・ルイスとシリル・ガンヌの間で行われ、計量での体重差は約8キロだった。


今大会はコ・メインのジョゼ・アルド✖ペドロ・ムニョスを始め、ソン・ヤードン✖ケイシー・ケニー、マイルズ・ジョンズ✖アンデウソン・ドスサントス、ジョニー・ムニョスJr✖ジェイミー・シモンズとバンタム級が4試合組まれている。

なかでも注目はメインカードで組まれているアルド✖ムニョス、ソン✖ケニーだ。バンタム級転向後マルロン・モラエスと世界戦のピョートル・ヤンに敗れたものの、アルドはマルロン・ヴェラに勝利し健在ぶりを見せている。

対するムニョスもジミー・リベラとの実力者対戦を制して、バンタム級トップ戦線で生き残っている。34歳になったアルド、攻勢時の圧力と威力は健在だが、試合中の波が以前よりもはっきりしてきた。体の動きというよりも、心の勢いを15分、25分という時間中に維持することが難しくなっているかもしれない。

その心身共に動きが落ちた時が、ムニョスの勝機であることは間違いない。とはいえ下降し続けることはなく、再び動けるのがアルドの特徴だ。ムニョスとして勝機を逃さない爆発力、もしくは極め力が必要とされる。

ソンとケニーはそれぞれカイラー・フィリップス、ドミニク・クルーズ戦での敗北からの再起戦となる。

打撃単体ではソン、テイクダウンこみではケニーの打撃もイーブンまで持ち込める。ソンとしてはテイクダウンを切ることで、勝利に近づける戦いだけに、ケニーのレスリングだけでなく柔道技で倒されないことが必須となる。

このほか、ウェルター級のヴィセンチ・ルケ、ライト級のラファエル・フィジエフと並び、気になるのがマネル・ケイプのオクタゴン3戦目だ。しかし、ケイプはフライ級のリミットは4ポンドもオーバーしており、UFC初勝利は手堅いと思われていた一戦に、暗雲立ち込めることとなった。

■視聴方法(予定)
8月8日(日・日本時間)
午前7時00分~UFC FIGHT PASS
午前11時~PPV
午前11時~WOWOWライブ

■UFC265計量結果

<UFC暫定世界ヘビー級王座決定戦/5分5R>
デリック・ルイス: 264.5ポンド(119.97キロ)
シリル・ガンヌ: 247ポンド(112.03キロ)

<バンタム級/5分3R>
ジョゼ・アルド: 136ポンド(61.69キロ)
ペドロ・ムニョス: 135ポンド(61.24キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ヴィセンチ・ルケ: 170ポンド(77.11キロ)
マイケル・キエーサ: 170.5ポンド(77.34キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ティーシャ・トーレス: 115ポンド(52.16キロ)
アンジェラ・ヒル: 115ポンド(52.16キロ)

<バンタム級/5分3R>
ソン・ヤードン: 135.5ポンド(61.46キロ)
ケイシー・ケニー: 136ポンド(61.69キロ)

<ライト級/5分3R>
ラファエル・フィジエフ: 155.5ポンド(70.53キロ)
ボビー・グリーン: 156ポンド(70.76キロ)

<バンタム級/5分3R>
ダラコ・ロドリゲス: 136ポンド(61.69キロ)
ヴィンス・モラレス: 136ポンド(61.69キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
エド・ハーマン: 205.5ポンド(93.21キロ)
アロンゾ・メニフィールド: 204.5ポンド(92.76キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
カロリーナ・コバケビッチ: 115ポンド(52.16キロ)
ジェシカ・ペネ: 116ポンド(52.62キロ)

<フライ級/5分3R>
マネル・ケイプ: 129ポンド(58.51キロ)
オード・オズボーン: 125ポンド(56.7キロ)

<バンタム級/5分3R>
マイルズ・ジョンズ: 136ポンド(61.69キロ)
アンデウソン・ドスサントス: 135.5ポンド(61.46キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ヴィクトリア・レオナード: 125ポンド(56.7キロ)
メリッサ・ガート: 126ポンド(57.15キロ)

<バンタム級/5分3R>
ジョニー・ムニョスJr: 135.5ポンド(61.46キロ)
ジェイミー・シモンズ: 136ポンド(61.69キロ)

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