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DEEP DEEP114 MMA MMAPLANET o Road to UFC UFC   キック 劉獅 岩﨑達也 松嶋こよみ

【DEEP114】イベント終了後の共同取材で、松嶋こよみが話していたこと「フックでなく、背中を使った突き」

【写真】フィニッシュの右の突き(C)MMAPLANET

2日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されたDEEP114 IMPACTで劉獅を1分54秒でKOした松嶋こよみ。

大会終了後の共同取材の場で、最後のサッカーボールキックに関して他媒体の記者から質問があり、「相手が無理だろうと思ったので追撃に行こうと思わなかったのですが、レフェリーが止めてくれなかったので蹴らないといけないのかと思って。ちゃんと区切ってから蹴ったので良いかなという感じです」と松嶋は返答した。

その一言から続いた松嶋とMMAPLANETの問答をお届けしたい。


──レフェリー批判を導くような質問がありましたが(笑)。

「アハハハ。あれ、どうなんですかね。止めないのか?」

──審判団の1人に話を聞きました。その人の個人的な見解としては「勝敗を司る立場としては、あの状況ではなかなか止めづらいです。選手を守ることもレフェリーの役割なので、松嶋選手がサッカーボールキックの大勢に入れば止めるべきかと思います。そこで止めても劉獅選手陣営から抗議はされないかと思います」とのことでした。

「あぁ、なるほど。そうですね」

──最後の蹴りはチョコッと当てた感じですか。

「いや、結構当たってしまいました」

──それでも一発で止めて欲しかったというのはありますか。

2発目の蹴り

「えっ? 2発蹴っていました?」

──ハイ。いえば3発目も蹴りそうな空気でした。そのままヒザまで出して、反則負けになるかと。

「やりかねないですけど(笑)、そこだけはちょっと……」

──しっかり、ひと呼吸を置いて改めてサッカーボールキックを複数回蹴る。個人的に試合中に求めていた、人でなしの部分が出たと思いました(笑)。

「勝った人間に、そんなこと言いますか(笑)。でも、ああは言ったけど、それこそ劉獅選手が受けてくれて、この試合ができたので。『ありがとう』と本人には伝えました。だから、最後はちょっと可哀そうなことをしてしまいました」

──冷静に喧嘩ができたということではないでしょうか。

「そうですね。5分3R使って色々と試しつつ相手を効かせていこうと思っていたので、本当は1Rで終わらせるつもりもなかったです。正直、アレで倒れるか……。入った時は『まぁ、倒れるな』という感じで入ったのですが、もうちょっと色々とやりたかったという部分はあります」

──そのフィニッシュになったパンチですが……。左に体を傾けながら、腰を捻る反動で得る力を使って打つというのではないパンチでした。

「そこは前から変わっていないと思います。背中を使って打つイメージを持って、フックでなく──それこそストレートのなかで回転のある打ち方で」

──記者がフックと書くと「フックじゃないっ!!」と岩﨑達也氏が、声高に指摘するパンチですね。

「ハイ(笑)。ストレート──突き。突き、です。あれは突きだと思います。ヒジが膨らむというか、そういう軌道で打っている真っ直ぐの突きです。変わらずにやってきていることが出ました」

──他の色々と試したいというのは、あの突きで倒れない選手と戦っていく準備をしているということだと思います。そうなると次ですか。

「ちょっと色々と考えて……これでRoad to UFCに引っ掛かると言ったら、多分引っ掛からないと思うし。ちゃんと色々と考えて、色々と固めつつ動いていかないといけないなと思ってやります」

──まずは勝利の美酒を味わっていただければと。

「今日と明日ぐらいはそうします(笑)」

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DEEP DEEP114 MMA MMAPLANET o ブラック 水野竜也 酒井リョウ

【DEEP114】酒井が水野をパンチ連打でKOし、ベルト防衛でブラックコンバットとの対抗戦第2弾に出陣

【写真】ブラックコンバットの対抗戦でメガトン(ヘビー)級代表に(C)MMAPLANET

<DEEPメガトン級選手権試合/5分3R>
酒井リョウ(日本)
Def.1R0分45秒 by KO
水野竜也(日本)

サウスポーの水野に対し、酒井が右ローを繰り出す。水野もローを返した。互いに左右フックを当て、酒井が水野にケージを背負わせる。水野が首相撲で捕えようと手を伸ばすと、酒井が左右フックを浴びせた。グラついた水野に追撃のパンチを当てた酒井が、そのまま倒れて亀になった水野にパンチを連打してレフェリーストップを呼び込んだ。

暫定王座の防衛に成功した酒井は、「2つだけ言いたいことがあります。韓国(ブラックコンバット)との対抗戦、メガトン級は空いていますか? DEEPに出るのは、あと2回です。一番強いヤツを呼んでください。ジョシュ・バーネットかな? 対抗戦は必ず僕がブッ飛ばします」と宣言した。

ブラックコンバットとの対抗戦は9月18日のDEEP後楽園ホール大会で開催される。DEEP側は各階級の王者を投入することを発表した。


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DEEP DEEP114 MMA MMAPLANET o キック 五明宏人 海飛

【DEEP114】フェザー級転向の海飛が左カーフキックで優位に。五明のパンチをかわしてスプリット判定勝利

【写真】左右ロー&カーフ、海飛が空手らしさも見せた(C)MMAPLANET

<フェザー級/5分2R>
海飛(日本)
Def.2-1:20-18.19-19.19-19
五明宏人(日本)
ドローのジャッジはマスト判定で1名が海飛、1名は五明

ともにサウスポー。五明が左ストレートから右フックを返す。海飛が左ローを連打で当てた。五明がパンチを振るい、左ストレートを当てる。海飛は右ジャブを突くが、五明の左ストレートが何度も海飛の顔面を捉える。しかし海飛のパンチも当たり、五明にケージを背負わせた。ケージ際を脱した五明だが、左ストレートは届かず海飛の右フックをもらって顔を跳ね上げられる。

左から右フックに繋げる五明に対し、海飛の右フックが当たる。さらに海飛がプレスをかけたところで、五明がボディロックで組みついた。五明はバックを狙うも、海飛が背中をケージに着けた。差し返した海飛に対し、五明は左右フックを浴びせる。ケージ中央に戻り、海飛の左カーフキックがヒット。五明の左ストレートも海飛の顔面を捉えるが、海飛の右フックもクリーンヒットしている。

海飛が左カーフキックを繰り出す。五明の左ストレートから右フックが当たった。海飛は右フックや右インローを合わせている。残り10秒で海飛が右ハイから左カーフキックを当てていった。

最終回、五明が左ストレートを伸ばす。海飛は左カーフと右ローを当てた。距離が近くなると五明の左右ショートが海飛の顔面を捉える。海飛は右ハイキック。五明がダブルレッグで組みつくも海飛が切った。海飛は左カーフキックを当て、五明が距離を詰めると右フックをカウンターで合わせる。右ミドルハイを繰り出した海飛は、五明のパンチをブロックして右インローを繰り出す。

五明が組みついたが、海飛が離れる。ケージ中央で左右のカーフキックを当て続ける海飛が、五明にケージを背負わせた。海飛が左を打ち込み、五明の左をかわす。ローから左右フックを繰り出す海飛に対し、五明がワンツーを伸ばしたが届かず。スイッチしながら蹴りを上下に散らす海飛は、五明が中に入ってくると右フックを合わせていく。

海飛の跳びヒザに右フックを合わせた五明。海飛は距離を戻し、ケージ中央で右ハイをクリーンヒットさせた。五明は押し戻すもパンチが届かず。海飛は組みついてから離れ、最後は右フックを当てていった。

この試合からフェザー級に転向した海飛がスプリット判定で勝利し、連敗から脱した。


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BELLATOR Bu et Sports de combat MMA MMAPLANET o UFC キック クレベル・コイケ セルジオ・ペティス パトリシオ・フレイレ ボクシング マイケル・チャンドラー 剛毅會 岩﨑達也 武術空手

【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。セルジオ・ペティス✖パトリシオ・フレイレ

【写真】 この圧力が、攻撃に繋がっていなかったパトリシオ(C)BELLATOR

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑師範とともに見てみたい。

武術的観点に立って見たセルジオ・ペティス✖パトシリオ・フレイレ戦とは。


──セルジオ・ペティス✖パトリシオ・フレイレ、この試合を見てパトリシオは倒す気持ちはあったのか。なぜ、前に出ても打たないのか──そこが気になりました。

「結論から申し上げますと、ペティスとフレイレの試合MMAというプロ興行の看板を背負っている──数字が取れるから、登用されている選手の試合でした。

加えて技術的な面でいえば、ペティスは蹴り主体で、後ろに回りながら距離を取っていました。これに対してフレイレは左足前の送り足で動いているので、距離が遠い時には追い切れないというのはあります。だから手が出しづらい」

──仮に空手の技術でそこを解決するには、どのような手段がありますか。

「基本的な移動稽古で既に距離を詰める稽古をしています。踏み足といい──後ろ足を出して、追い突きを繰り出す」

──それこそ三本移動ではないですか。

「そのままですね。出て距離を詰めると同時に、突きが出ている。とはいえ、送り足でも距離を詰めることはできますし、殴れます。ボクシングでも当然ありますし、フルコンタクト空手でもキックボクシングでもやります。倒すこともできます。

つまりフレイレは送り足でワンツーを繰り返していますが、どういうつもりで打っているのかということですね」

──と言いますと?

「あのマイケル・チャンドラーを一発でKOした時と、今回のフレイレが同じ状態だったとは思えないです」

──それはバンタム級に落とし、体調が完璧でないということでしょうか。

「いえ、そういうこともあるかもしれないですが、主に精神面──気持ちです。なぜ、KOパンチが打てたのか。引き続き、打つにはどうすれば良いのか。そこに着目して練習しているのか。何を追い求めているのか、ですね。

フレイレにパンチ力があるなんて、一目瞭然です。でも、そのパンチの強さを毎回のように再現できるのか。パンチ力を発揮して勝てるのか。そこを追求していないと、できないです。申し訳ないですが、無難にやっていこうとしたんだと思います。

思い切りいくのは、リスクがありますから。でも、本当は思い切りいった方が上手いく。ステップで詰めるのではなくて、エネルギーで詰めている時は。距離は同じでも質量が5のステップインと、質量が10のステップインではパンチを食らった側の感覚は変わってきます。フレイレにも、そういう頃がありました。

でも、今回の試合はペティスも含め、最初から5Rを持たせるようなファイトでした。そして、あのワンツーでは追い詰めることはできない。ジャブ、ワンツーから10で行かないとペティスを追い詰めることはできないです。

ただし、そういうギラギラしたファイトは、そう長くはできないです。あのマイケル・チャンドラーにKO勝ちした時と、今のフレイレは『倒すんだ』、『トップになるんだ』というギラつき度合は絶対に違います」

──確かに目標やモチベーションはペティスを倒すことでなく、3階級制覇の名誉だったかもしれないです。

「年齢、キャリア、生活環境が変わると、選手も変わります。UFCでもコンテンダーシリーズやプレリミに出ているファイターの方が、ギラギラしているように。この試合、Bellatorの世界バンタム級王者にフェザー級王者が挑戦するということで注目を集めていましたが、大晦日のクレベル・コイケ戦にしてもフレイレには。ギラギラしている部分は一切なかったです。

フレイレも大人になり、ピットブルでなくなっているんです──私生活で。でも、ファイトになれば切り替えることはできる。ピットブルに戻る練習を指導者がさせないといけない。それは、この送り足でのワンツーをやることではないです。そういう気持ちで稽古をするのではなく、MMAのパッケージで稽古をしてきたんでしょう」

──それで結果を残しているから、変えることもないかと。

「そう。その通りなんです。だから最近は勝っても、こういう試合が続いていた。ペティスも前蹴りとか、ああいう攻撃で。あの手数で、ラウンドマストで常にラウンドを取ったに過ぎない。戦いとして、優勢ということではなかったです。それに質量はフレイレが上でした。でも、いくら排気量が大きなエンジンでも、そのエンジンがかかっていなければ何も起こらない。キーすら入っていないという見方もできます。そうなると質量は関係ない試合になります。

どれだけのレジェンドでも、ここで負けるとUFCをリリースされるという状況ではあのような試合にはならないでしょう。倒されない試合にはならず、倒すファイトをするんじゃないかと。あの日の2人と比べると、そりゃあ若い選手の方がギラついた試合をするでしょう。でも、この試合のように注目を集めることはないから、ここまでの興行の看板にはならない。数字が欲しいから出て欲しいという立場になった選手は、やっぱり『でてやっている』という感覚にもなるでしょう。

五輪のように4年に1回のようなところで戦う人は『出してもらっている』という感覚だと思います。それがやはり興行に出る看板選手と、骨の髄まで競技というところで戦っている選手の精神状況は違う。違って当然なんだと思います」

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DEEP DEEP114 MMA MMAPLANET o YouTube   チャンネル 上田幹雄 原口伸 原口央 小谷 小谷直之 極真会館 武田光司 江藤公洋 海外 野村駿太

【DEEP114】「テイクダウンされた後? 楽しみにしてください」。江藤公洋戦へ、野村駿太─02─

【写真】5試合連続で、その手を挙げられることとなるのか。今後のキャリアアップに大きく影響する江藤との一戦だ(C)MMAPLANET

7月2日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP114で、江藤公洋と対戦する野村駿太のインタビュー後編。

連勝中の野村と江藤が激突するという、まさに次期ライト級挑戦者決定戦の意味合いも持つマッチメイク。野村は小金戦川名戦を経て、どのように成長してきたのか。自身のMMAにとって大きなベースとなる空手と、BRAVEで鍛え上げられた組みの力について語る。

<野村駿太インタビューPart.01はコチラから>


――小金戦では対格差とキャリアの差がある元ZST王者を相手に見せた、最初に効かせてからフィニッシュに持ち込むまでのラッシュは、とても印象深いです。

「正直なことを言うと、あの試合は『なんで小金選手は自分との試合を受けてくれたんやろうなぁ?』と思っていたんです。それだけキャリアが違っていたので。だから僕も、自分が負けることなんてイメージせずに、思いっきり戦うことができました」

――小金戦は伝統派空手らしい出入りの激しい打撃で仕留めました。続く川名戦は、一つの課題と思われたテイクダウンディフェンスやケージレスリングに対する成長も見せることができたのではないですか。

「川名選手との試合は、危なげなく勝てたという面は良かったです。でも途中で僕のほうが『これはテイクダウンされないな』『相手の打撃も大丈夫だ』という気持ちが生まれちゃったんですよ。それで自分から動いて打撃を当てる、っていう試合にできなくて。僕の中では課題が残る試合内容でしたね」

――なるほど。野村選手にとっては安全に試合を運びすぎたのでしょうか。

「それもありますし、逆に狙いすぎちゃった部分もありました。倒されない、打撃も大丈夫——で、タイミングを見て打撃を合わせようとしすぎて行けなかったというか(苦笑)。力みすぎたんですね。いつもなら自分から展開を創ることができた場面でも、相手に合わせすぎちゃいました」

――次の試合も江藤選手はそれだけ組みのプレッシャーが強いので、野村選手のほうから打撃を狙いに行けるかどうかが重要になりますね。

「自分が打撃で、江藤選手がどれだけテイクダウンを取りに来るか、というのが一般的な見方だと思います。でも、それってお互いの得意なところだけを見た結果なんですよ。得意じゃない展開の対応力が、お互い勝つために重要になります。それが自分にとっては、テイクダウンディフェンスが一つですね」

――さらに言えば、江藤選手が相手の場合はテイクダウンされた後の考えなければいけないように思います。なにせテイクダウンとトップキープが強い。その状態から野村選手がどうエスケープするのか。

「江藤選手はパワーもありますからね。ぜひそこも楽しみにしていてください。作戦のこともあるので、細かくは言えないですけど(笑)」

――何よりBRAVEというジムが、レスリング出身選手ばかりですからね。

「それは本当に――試合で抑え込まれたところからエスケープできるのは、『BRAVEにいて良かったなぁ』って思います。BRAVEで打撃系競技からMMAを始めたのは、僕と上田幹雄さんぐらいですかね。実は上田さんとはBRAVEに入る前に、一緒に練習したことがあるんですよ」

――それは空手時代に上田選手と練習していたということですか。

「はい。東京オリンピックの前に全日本空手道連盟と極真会館が友好団体化したじゃないですか。その時、僕と(五明)宏人先輩がいた帝京大学の空手部に、上田さんが練習に来ていたことがあって。まさかBRAVEで一緒に練習することになるとは思いませんでした」

――今大会で野村選手と揃い踏みとなる五明選手と、現在も交流はあるのですか。

「連絡を取り合うことはあります。やっぱり身近に同じ空手出身のMMAファイターがすくいし、意見を交換することはありますね」

――なるほど。では江藤選手の印象を教えてください。

「組みが強いし、その組みの強さを支えるフィジカルが日本のライト級の中でも強いんだろうなっていう印象です。とにかく練習で強いという話を聞きます」

――フィジカル面でいえば、野村選手はライト級でも体格が大きくないと思います。同じBRAVEの原口央選手がフェザー級からバンタム級へ転向したように、野村選手はフェザー級に落とそうとは思いませんか。それともライト級が適正階級なのでしょうか。

「昔の体だったらフェザー級が適正だったと思います。でもMMAに転向して、少しずつ体が大きくなっているんですよ。今まで組みをやっていなかった分、レスリングや寝技の練習をしていると体が大きくなっていて。これから海外で戦うことになったらフェザー級で……と考えていたんですけど、今の体だとフェザー級に落とせるかどうか(苦笑)」

――それだけレスリングや寝技をやる体になり、その体をベースに技術が向上している証でもありますね。

「そうですね。僕はBRAVEに入った時から武田光司さんと原口伸にレスリングで揉まれている状態です。その2人を基準として、組みの練習をやってきました。だから打撃系競技から転向したなかでも、他の選手よりも組みに対応するのは早かったと思います」

――武田選手と原口伸選手と練習していたら、他の選手に組みで負けるわけがないと思いますか。

「いやいや(苦笑)。僕が武田さんと原口伸に組みで勝てるようになったら、そう言えると思います。だけど2人と一緒に練習できている僕は、本当に運が良いですね」

――原口伸選手は小谷直之戦とRTUでもパウンドの強さを見せました。野村選手も小金戦は相手の気持ちを折るようなパンチ力でしたし、拳を見てもナックルの硬さが分かります。

「これはMMAに転向してからですよ。伝統派の場合は練習でも拳で打ち込むことは少ないので。実はMMAの練習を始めてから負傷して、治ってくると同時に拳も強くなってきたと思います。『骨折すると骨が強くなる』って聞くじゃないですか。それに近いんじゃないですか」

――分かりました。最後に次の試合への意気込みをお願いします。

「江藤選手は今、MMAという競技のなかで完成されてきていると思うんですよ。自分はまだまだ発展途上だし、粗削りな部分も多いです。でも、その分だけ伸びしろがある。今の状態で江藤選手を倒して、もっともっとMMAとしての完成度を高めていきたいです」

■視聴方法(予定)
7月2日(日)
午後5時50分~DEEP チャンネル-YouTube、U-NEXT、サムライTV

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DEEP DEEP114 MMA MMAPLANET o PRIDE RYO TOP FC UFC YouTube キック ジョン・ジョーンズ チャンネル チョン・ダウン プロレス ボクシング 水野竜也 誠悟 酒井リョウ 鈴木淑徳

【DEEP114】暫定メガトン王座防衛戦=水野竜也戦へ、酒井リョウ「僕、水野選手のことは大っ嫌いなので」

【写真】それぞれのMMA感があるなかで、水野と共に自分の信じたMMAを戦う(C)SHOJIRO KAMEIKE

7月2日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP114で、暫定メガトン級王者の酒井リョウが水野竜也を挑戦者に迎え、ベルトの初防衛戦を行う。
Text by Shojiro Kameike

両者の初対戦は2019年10月、グラウンド状態にある水野の頭部に酒井のヒザ蹴りが入り、結果は水野の反則勝ちとなった。しかし水野にインターバルが与えられている中で、酒井が「試合を続けよう」とばかりに両手を挙げて観客を煽る姿が問題になり、酒井の悪びれない発言も炎上の要因になったという。

果たして、あの時に何が起こっていたのか。酒井の言い分を記すことで、あとは読者の判断に委ねたい。一つ言えるのは、彼が格闘技を大好きで、永遠のMMAファンとしてベルトを巻いているということだ。


――昨年11月にDEEP暫定メガトン級王座を獲得し、今回が初防衛戦となります。ベルトを巻いてから何か変化はありましたか。

「チャンピオンになってから、いろんな選手に声をかけてもらうようになりました。ファンだけじゃなく、プロのファイターの人たちに認められたことが何よりも嬉しいです」

――プロデビューから10年を経ての戴冠でした。ここまでの10年は短く感じますか。それとも長かったでしょうか。

「最初はあっという間だなぁと思っていましたけど、改めて考えると長いというより濃かったですね。勝ったり負けたりのキャリアで、『この試合で負けたら辞めよう』と思ったこともありました。でも勝つことでMMAを続けられて、濃いキャリアになっています」

――赤沢戦は、わずか33秒のKO劇でした。最初から短期決戦を狙っていたのですか。

「いえ、最近は5分3R戦うつもりで試合をしています。それが前回は、たまたま1Rで決着したというだけですね。最初は1Rに削られたあと、2Rから巻き返そうと考えていました。相手が疲れたところで勝負するために、レフェリーは自分が上を取られて、殴られていても止めないでくれ――と」

――開始早々、酒井選手がスイッチを繰り返しながら赤沢選手の様子を見て、距離が近くなったところで左フックを当ててKOしています。意外にも――といったら失礼かもしれませんが、器用なタイプという印象を受けました。

「それね、よく言われるんです。『意外と器用なタイプだよね』って(笑)。僕としては、赤沢選手が近づいてこないなと思っていました。10年前、僕にKOされた記憶が赤沢選手の中には鮮明に残っていたかもしれないです。でも赤沢選手のセコンドが『見すぎるな! 行け!』と言ったのが聞こえて。そこで赤沢選手が近づいてきたところに左を合わせました」

――相手のセコンドの声がハッキリ聞こえるほど、冷静に戦うことができていたのですか。

「とにかく練習がキツかったんですよ。『ここまでやって負けたら、それでいいや』と吹っ切れていました」

――なるほど。ではベルトを巻くまでのキャリアについてお聞きしたいのですが、MMAを始める前は何をされていたのでしょうか。

「バックボーンは何もないです(笑)。まず小学4年から中学3年までサッカーで、ゴールキーパーをやっていました。自分で言うのも何なんですけど、結構上手くて中3の時はサッカー部のキャプテンをやっていましたね。地元の栃木県では県の選抜になるぐらいで。

でも高校はアイスホッケー部に入りました。進学した高校はサッカー部よりもアイスホッケー部のほうが厳しそうだったので、あえて厳しそうな部を選んだんです。だけど喧嘩みたいなことをしてしまって、1年も経たずに高校を自主退学することになりました」

――喧嘩ということは、ヤンチャな時期があったと。

「これも自分で言うようなことじゃないけど、地元では不良というか番長みたいな存在でした。でも身体が大きくて、ただ腕っぷしが強い真面目な学生という感じですよ。しかも栃木の地元っていう、狭い地域の話でしかないです」

――高校を自主退学してからは……。

「そこから定時制と通信制の高校に行きました。高校卒業は数カ月、航空自衛隊に入っていて。その自衛隊で、偉い方に『なぜ大学に行かなかったんだ?』と聞かれたんですよ。それで親と相談して、大学に行かせてもらいました」

――大学を卒業するまで格闘技経験はゼロだったのですか。

「高校時代に少しキックボクシングジムに通っていた時期がありました。魔裟斗さんに勝ちたいと思って。ただ地元で喧嘩に勝っていただけで『オレって魔裟斗に勝てるんじゃね?』と。とにかく勘違いクソ野郎だったんですよ(苦笑)」

――アハハハ、まさに若気の至りですね。

「大学に入ってからパラエストラ松戸に入会しました。とにかく格闘技は大好きだったんです。大学の卒業論文はPRIDEと日本の総合格闘技について書いたぐらいですから」

――卒論がPRIDE!

「その論文を大学の先生に見せたら、『もっと歴史を掘り下げたほうが良いね』と言われて、プロレスの力道山の時代から調べましたよ。とにかく格闘技が好きで、DERAM、戦極は毎回会場に観に行っていました。ただ、プロとしてやっていくつもりはなかったんです。でも大学を卒業して、就職した会社をすぐに辞めるような――社会不適合者で(苦笑)。それをキッカケに大好きな格闘技を、プロとしてやっていこうと決めました」

――パラエストラ松戸に入会してからプロデビューに至るまでの期間が長かったのですね。

「大学に入ると、いろんな誘惑があるじゃないですか。そういう誘惑に負けてしまいました。本格的にMMAをやろうと思ったのも、大学を卒業してからです」

――当時からすでにヘビー級の体だったのでしょうか。

「パラエストラ松戸に入った頃、96~97キロぐらいでしたね。それで102キロぐらいから減量して、赤沢秀典選手との初戦はミドル級でやりました。でも91キロぐらいまで落としたところで一度挫折してしまって、以降はヘビー級で試合をするようになりました。当時ジムの先輩だった鈴木淑徳さんから、『お前はそのままの体重で試合をしたほうが強いよ』と言ってもらえたことも大きかったです。

それで次の試合はシュレック(関根秀樹)さんと対戦しました。負けましたけど、根性があると思ってもらえたみたいで。すぐ次の試合を組んでもらってKO勝ちしたあと、今度は誠悟さんに負けちゃいました。そんな感じで、山あり谷ありのキャリアです」

――PRIDEに憧れた世代からすると、特に日本のヘビー級は規模が縮小していった時期だと思います。その状況はMMAを続けるモチベーションに影響を及ぼさなかったですか。

「全然、影響はなかったです。だって一度、人生で挫折しているじゃないですか。自分は社会不適合者で、一般企業に就職できるわけがない。それで『格闘技をやる!』と腹を括って始めているわけだから、逃げ場所がないんですよ。あと誰かのインタビュー記事で『これから格闘技を始めるなら、まず5年はやってみろ』という言葉があって、僕も5年は腹を括ってやってみようと思いました。何より格闘技が好きっていう気持ちだけは、誰にも負けない。だからブレずに続けることができたんだと思います」

――その後は3連敗も経験するなかで、酒井選手ご自身の中で「MMAでやっていける」という確信を得たのは、いつ頃ですか。

「確信? ないですよ。僕も36歳になって、いつまで続けられるか分からないじゃないですか。年齢や戦績的にもUFCに行けるかといえば、それは諦めています。10年以上前からUFCも好きで。でもジョン・ジョーンズやGSPを見ていると、働きながらこのレベルまで行くのは無理だなと思いました。1日3部練とか、格闘技に集中しないと無理だなって。ただ正直、それだと生活していくのは厳しいからって気持ちを切り替えたところはあります。だから今は1試合1試合、後悔しないように戦いたいと思っているだけですね」

――そのように気持ちを切り替えたのは何年ぐらい前のことですか。

「今レンジャージム赤坂店の店長をやらせてもらっていて、このレンジャージムでアルバイトを始めた2017年ぐらいです」

――2017年といえば、TOP FCで敗れたあとDEEPで3連勝を収めた時期ですね。

「その頃が自分にとってキャリアの分岐点だったと思います。TOP FCに出た頃、奥さんと知り合ったんですよ。奥さんは智野真央といって――今は結婚して酒井真央というんですけど、自転車ロードレースのアスリートでした。MMAに転向して、2戦2勝です。その奥さんの練習を見ていると、自分の取り組み方は甘いってことに気づいたんですよね。TOP FCでチョン・ダウンに負けた頃から体のケアとかも考えるようになって。若い選手がどんどん出て来るなかで、自分が勝つためには取り組み方から変えないといけない。だから奥さんと出会ったことも、自分の中では凄く大きかったです」

――そしてDEEPのベルトを巻き、水野選手との初防衛戦に臨みます。試合に関するお話の前にお聞きしておきたいのが、前戦の反則決着に関して悪びれない発言です。あれが酒井選手の本心なのか、あるいは煽るための発言なのか。

「あぁ、よく聞かれますよ。『煽るために演技しているの?』って。あれは本心です。僕、水野選手のことは大っ嫌いなので」

――本心だったのですか……。

「水野選手が嫌いというか、水野選手の考え方ですね。反則については、やってしまった僕が悪いです。それは間違いなくて。一つ言いたいことがあるとすれば、あれは反則をしたあとに僕が『試合を続けよう』と観客を煽ったという感じになっていますよね。

実は反則決着になるかどうかの前に、僕が観客に煽られてしまったんですよ。会場から『酒井! 酒井!』という声が聞こえてきて、それに僕が乗ってしまったというか。そこだけ切り取られると……。でも反則を冒したのは僕なので、それについては何も言うことはないです」

――では『水野選手の考え方が嫌い』というのは、どういうことでしょうか。

「前回の計量の時、僕が『明日はバンバン打ち合って盛り上げましょう』と言ったんですよ。そうしたら水野選手からは『それはひと昔前の格闘技であって、今は重量級でもスピードとテクニックとパワーを見せたい』みたいな答えで。いやいや、水野選手のほうが僕より先輩で、その時代に戦っていた人じゃないですか。だから自分もそう言ったのにって、試合前日にムカついちゃいました」

<この項、続く

■視聴方法(予定)
7月2日(日)
午後5時50分~DEEP チャンネル-YouTube、U-NEXT、サムライTV

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DEEP DEEP114 K-1 MMA MMAPLANET o RIZIN Road to UFC UFC YouTube イー・チャア ガブリエル・シウバ キック チャンネル 剛毅會 松嶋こよみ

【DEEP114】ガブリエル・シウバと対戦、松嶋こよみ「見返してやりたい気持ちです。来年でも再来年でも」

【写真】ある意味、退路を断った松嶋がDEEPでどのような戦いを見せるのか(C)MMAPLANET

7月2日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP114 IMPACTでガブリエル・シウバと対戦する松嶋こよみ。昨年10月にRoad to UFCフェザー級T準決勝で、イー・チャアに敗れ、UFCとの契約を逃した。

本気で引退も考えた松嶋が下した決断は、剛毅會を離れ現役続行&UFCを目指すというものだった。そしてRoad to UFCの選考にも漏れた松嶋は、5年3カ月振りの国内での試合をDEEPのケージで行うこととなった。ここに至るまでの松嶋の心境を尋ねた。


──DEEP初参戦、8カ月振りの試合となり練習環境も大きく変えました。嫌な質問になりますが、Road to UFCの敗因を練習環境に求め、そこに変化が必要だと思ったのでしょうか。

「敗因は自分にあります。MMAとして、詰めないといけないことができていなかった。それが嫌だったので、練習環境を変えました。あのままだと、自分の器が決まっていくような気がして。それなら、一度壊そうと。これまでも僕のキャリアは色々なモノを拾い集めて創ってきました。それが溢れ出てきて整理しようとしていたのが、ここ数年の練習でした。今はまた、もう一度色々なモノを拾い集め、溢れるようにしたいと思ったんです」

──剛毅會の空手の稽古を優先すると、他に必要なことができないということだったのでしょうか。

「僕は空手も好きだし、空手をやっていくことに対しては変わらない想いでいます。ただし、MMAファイターとして試合に勝たないといけない。勝たないといけないという時に、どこに重きを置いてやっていくのか。空手をやることに重きを置くのか、MMAの試合で勝つことに置くのか。それこそ30歳になって、あと10年もできることじゃないですし。

あと何年、突っ走ることができるのか。そこを考えた時、空手を中心にMMAを戦っていくよりも、色々と吸収したいという欲の方が上回ったんです。空手をやるためにMMAを戦っているのではなくて、MMAで勝つために空手をやっている。その自分の気持ちを大切にしようと」

──Road to UFC準決勝で敗れ、それでもMMAを戦い続けるなら、剛毅會を離れるぐらい覚悟を決めないといけない──ぐらいの気持ちだったのすか。

「そうですね。Road to UFCが終わった時、本音をいえば辞めたいと思いました。周りは『辞めないで、頑張ろう』と言ってくれる人が多かったです。でも、自分のなかでは燃え尽きたというか……ここでダメならダメ、辞めたい。これ以上頑張れないという気持ちもありました(苦笑)」

──松嶋選手にはダメージの蓄積がない。心の問題が一番かもしれないですが、あの負けだと「もう一回、チャレンジしよう」と周囲がなるのも理解できます。

「そうですね……そりゃあ、そうだろうなぁ……そう言われるよなとは思いました。ただ、自分の気持ちを大切にすると、辞めても良いのかなという微妙な時期はありました。だからこそ、やるなら空手でなくMMAを中心にやっていこうと」

──剛毅會を離れた直後、取材でないやりとりのなかで「次のRoad to UFCには出ない。(河名)マストとか、若い選手が戦えば良い」という発言がありました。あれには……正直、「えっ?」となりました。いやMMAを続けるなら、UFCに向けてどんなチャンスでも挑戦しないといけないだろうと。

「あの時、Road to UFCは2年連続では出られないとか、色々な情報が錯そうしていました。それに、あの試合内容では僕にチャンスが回ってくるとは思えなくて。そのなかで、どうしたら良いのか。もう自分自身が迷走して、何をやって、何を言葉にしているんだっていう状況でした。今から振り返ると」

──まぁ、でもそうなりますよね。本来は周囲も松嶋選手をそっとしてあげるべきだったけど、そうすると辞めてしまうからもしれないから、とにかく「続けて」ということだけ伝えてしまって……。

「次がどうなるのか、何も指針がない。正直、あの頃はまだ辞めたいという想いも抱えていました。色々と助言は貰えましたが、方向を示すようなことを言ってくれる人はいなかった……。自分のなかで辞めるかという気持ちがあり、どうすれば良いのか分からないなかで、素直に一番正直な気持ちが『練習したい』ということだったんです。

練習場所に関しても、もう自己責任で。今まで練習してもらっていた住村(竜市朗)さんもそうだし、K-1の小澤海斗選手もそうなんですけど、良い感じで練習できています」

──そこから一度、Road to UFCに出るという風になっていきました。

「ショーン・シェルビーから『今年も出られる』という言葉があったから、普通にあるんだと思って準備を進めていました。でも、呼ばれない。呼ばれないとなると、『そりゃあ試合をしていないから、呼ばれるわけがないだろう』みたいなことをいうクソ野郎がいて(笑)」

──クソ野郎……。

「クソ野郎まで、書いてもらって構わないので(笑)。結果、前回のRoad to UFCから試合をしていない選手や、前の試合で負けている選手も出ていますしね。とはいえ、前の試合から時間も空いて、それこそRoad to UFCの準決勝大会にワンマッチでも呼ばれるように試合をしないといけないと考えるようになり、『試合がしたい』と北岡さんに伝えました」

──Road to UFCに出場できなかったことで、現役生活云々を考えることは?

「いえ、もう吹っ切れていたので。今は見返してやりたい気持ちですし、むしろ来年でも再来年でもRoad to UFCに出られればと思っています。だからこそ、準決勝大会前に試合がしたかったです」

──そこでDEEPになったのは?

「北岡さんが『俺が一番話しやすいのはDEEPだから、佐伯さんにまず聞いてみる』ということでLINEをしてくれたら、即答で7月に試合を組むと言ってくれたので」

──DEEPでチャンピオンになり、来年のRoad to UFCを目指すという方法もあるかと思いますが。

「もちろん来年を目指すなら、それが良いと思います。同時にワンマッチでも声が掛るなら、組んでもらうという風に考えています。実際、もう日本のどこのベルトというのも関係ないじゃないですか」

──ハイ、確かに。

「だからベルトに関しては、DEEPがタイトルマッチを組んでくれればやるだろうし。でも今はそういうことは考えていないというか、とにかく次の試合に集中しています。そこからです」

──ところでDEEPはユニファイドルールではなく、サッカーボールキックが認められています。ダウンを奪った後、パウンドにいくよりも立ったまま蹴りを狙う展開が非常に多いです。これは明らかにユニファイドとは違う戦いになりますが、その辺りを気にすることはなかったですか。

「サッカーボールキックを狙うつもりはないので、あまり関係ないかと思っています。それにダメージを与えているのに、蹴りに行って立たせるような試合も多いし。テイクダウンを取っても蹴って立たれるとか、見ていて『何してんねん』って(笑)。それで倒そうと思っていないし、それ以外で倒したい武器がたくさんあるので。とはいえ、出して良いなら流れで出しますけどね。それが闘争本能だろうし。ただし、あの技術を伸ばそうとは考えていないです。あれをやっていると、MMAという競技をしたくなくなってしまうんじゃないかと思っています」

──そんなDEEP初戦、参戦が正式発表になる前から対戦相手が見つからないという話を、佐伯代表もこぼしていました。

「そこは正直、誤算でした。トントン拍子に決まって、シレっと試合をするつもりだったので。僕は試合ができれば誰でも良かった。強いも弱いもない。でも考えると僕とやっても、うま味はないですよね」

──勝てば最高にうま味のある相手ではないですか。

「勝てる自信のある選手がいなかったんじゃないですか。だからこそ、このタイミングでブラジル人と戦えるのはラッキーです。元UFCファイターなんて最高です。『コイツ、日本に戻って来てチョットやって、RIZINに出たいなんて言うんだろう』とか思われているなかで、こんなにちゃんとした選手と戦えるのは、自分の価値を示す最高の機会になります」

<この項、続く>


■視聴方法(予定)
7月2日(日)
午後5時50分~DEEP チャンネル-YouTube、U-NEXT、サムライTV

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【DEEP114】海飛と仕切り直しの一戦、五明宏人「相手が煽ってくるなら空手対決として受けて立ちます」

【写真】MMA歴は短くとも競技者として、成熟度合が高い五明(C)SHOJIRO KAMEIKE

7月2日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP114で、五明宏人が海飛と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

伝統派空手からMMAに転向し、3連勝を収めていた五明は今年2月、神田コウヤとのDEEP暫定フェザー級王座決定戦に敗れた。5月に青井人と対戦が一度は発表されたが、五明の負傷により試合は流れていた。初の敗戦から4カ月。そこには冷静で、かつ笑顔を浮かべながら語る――空手家ではない、MMAファイターの五明宏人がいた。


――今回の海飛選手と試合、「空手対決」という謳い文句があります。五明選手は伝統派空手で、海飛選手は極真空手出身ということですが、その空手対決というイメージは持っていますか。

「いえ、それほど……(苦笑)。もちろん空手あっての僕ですが、今回が空手対決だとは思っていないです。ただ相手が空手出身で、MMAの試合を行うっていうだけで。でも、空手対決っていうほうが盛り上がるなら、それで構いませんよ」

――空手対決というよりも、伝統派×極真という見方のほうが面白いかもしれません。

「そうですよね。相手も煽り映像で、僕の空手のほうが軽い――軟派な空手だというふうに言っていたので」

――フルコンタクトの極真空手から見て、ポイント制の伝統派空手のほうが軽いと。

「自分としてはどちらでも良いんですけど、相手がそう煽ってくるなら僕も空手対決として受けて立ちますよ」

――一方で、海飛選手も空手家というよりはMMAファイターになってきていますよね。グラウンドで勝負することも多いですし。

「キックっぽい動きもありますしね。勝ち負けが激しいけど、若くて勢いのある選手なので、僕も噛み合うんじゃないかと思います。空手対決といっても、お互いに打撃でいくかどうかは分からないですよ。それは試合が始まってみないと」

――MMAとして打撃をやりたいですか。それとも寝技で勝負したいですか。

「打撃をやりたいです。僕自身も打撃で勝っている試合のほうが面白く感じる部分はあるので。やっぱり打撃で倒したいですね。前回、僕が先手を取られてしまったので、今回は自分が先手を取りたいです。そして全ての試合で、圧倒して勝つ。短距離よりは中距離の戦い方で、しっかり勝ちます」

──押忍。もともとは今年5月に青井人選手との復帰戦が予定されていましたが、五明選手が怪我で欠場となりました。欠場に至るのは、どのような状況だったのでしょうか。

「僕が試合の1カ月前に、椎間板ヘルニアになってしまったんです」

――えっ!? それは厳しい状況ですね。

「これが初めての発症で。左手が痺れて動かず、練習もできない状況でした。試合の1カ月前で試合を飛ばすことはしたくなかったのですが、前回のタイトルマッチで負けていたこともあり、欠場させていただくことになりました。練習の強度が上がっていたことも要因だったと思います」

――空手時代には、それほどの状況になることはなかったのですか。

「椎間板ヘルニアに関していえば、やはり打撃の競技なので、この状態になることはなかったです。相手を倒して突くという動作もありますけど、レスリングほど激しい組み合いではないですからね」

――ということは、それだけレスリング面を強化してきたというわけですね。ただ、初めての経験ということで「今後MMAを続けられるかどうか」など不安にならなかったのでしょうか。

「それはありました。でもジムの先輩に椎間板ヘルニアになった方が多くて。その先輩方からいろんな話を聞いて、まずは治療に専念することになりました」

――確かに初めての経験である以上、その状態で1カ月後の試合に臨むことができるかどうかは分からないですよね。

「はい。それでもプロとして試合を飛ばしてしまったことは、良くなかったと思います」

――いや、たとえ試合に出たとしても、良いパフォーマンスは発揮できないでしょう。まず練習ができない状態になっているわけですから。

「もちろん良いパフォーマンスは出せないと思います。でもジムの先輩には、常に万全の状態で試合をしている人がいないんですよ」

――……。

「みんな何かしらの怪我はしているわけです。まだプロ5戦目の僕なんかが怪我で欠場してしまったのは、プロ失格だったという気持ちがあって……」

――ジム仲間の選手たちが、それだけの負傷を抱えながら練習して、試合に出ているのは傍で見ていて分かりますか。

「見て分かるというか、実際に先輩方のお話を聞くんですよね。誰も万全の状態で試合に臨むことはできていなくて。それと『僕ももう若くないんだなぁ』って思いました」

――……。

「昔は練習で無理しても全然大丈夫だったんですけど、20代後半になって『もう若くないんだな』って感じるようになりました(笑)。だから、しっかりケアするようにしています。特にウォーミングアップとアフターケアは大事ですね」

――確かに五明選手の場合はプロMMA5戦目ですが、これまでの空手キャリアがありますし。20代後半でプロ5戦目というMMAキャリアは、焦りの要因になりますか。

「いや、焦りはないですね。逆に20代後半だからこそ、若さゆえに勝ち急ぐような気持ちはなくなっているので。4戦目でタイトル挑戦というチャンスを頂けたことは本当に嬉しいけど、そこで負けたからといって焦ることはないです。一つひとつ、絶対に良くなってきているはずですから」

――そのタイトルマッチですが、神田コウヤ選手に判定で敗れました。いま振り返ると、神田戦の内容と結果は、どのように捉えていますか。

「相手がキャリアは上なのにシンドイ試合に持ち込んできた時点で、先手を取られてしまったと思います。相手が余裕を持って戦ってくるのかなと思っていたんですけど、試合が始まった時点でテイクダウンに来た。そこで先手を取られたことが一番良くなかったですね」

――試合前は神田選手が、もっとスタンドで戦ってくると考えていたということですか。

「テイクダウンに来ることは想定していました。でも――やられちゃいましたね(苦笑)」

――神田選手にとってテイクダウンは一つの重要な要素であるとはいえ、あそこまでテイクダウンからしつこく組んでくるとは思いませんでした。

「そうなんですよね……。前の試合(※昨年11月、中村大介に判定勝ち)でも、打撃で行っている場面が多かったじゃないですか。僕との試合でも打撃で来るかなとは思っていました。そこで相手のほうがシンドイ試合に持ち込んでくるとは考えていなかったです」

――試合内容から、五明選手ご自身のテイクダウンディフェンスやケージレスリングについては、どのように考えますか。

「僕としてはソッチよりも、試合中のローブローのほうが重要だったと思います。2Rに故意ではないけどヒザ蹴りが当たってしまい、それで相手を休ませてしまうことになりました。組んだ状態から相手を突き放すという選択肢もありました。でも結果的に、ヒザ蹴りを打ったことで相手に休むチャンスを与えてしまいましたよね。あれは反省点です」

――なるほど。試合中も試合後も、それだけ冷静に見ているのですね。

「そこはもう客観的に――もちろん周りの人から教えてもらうことも多いです。特にジムの先輩方が分析してくださることが多いので、自分でも冷静に見て、客観的な意見を聞いて考えることができています」

――しかしながら、試合中にペースを奪い返すことは難しかったのでしょうか。

「いつもどおりケージの中心を取って戦おうとしていました。でも前半に削られてしまったことが大きかったですね。相手も後半は疲れてきていたので、自分からもう一歩攻められたら良かったんですけど」

――結果、ベルトを巻くことができなかった点については、どのように考えていますか。

「う~ん……ベルト、欲しかったんですよねぇ(苦笑)。でも獲れなかったので、もう一度ベルトを狙いに行く。それしか考えていなかったです。悔しいというよりは、すぐに前を向いて次を考えることはできました」

――プロ4戦目でタイトルマッチの機会を得たことは、それだけ五明選手に対する期待も高かったのだと思います。そのような期待をプレッシャーには感じませんでしたか。

「正直、僕もベルトを獲れると思っていたんですよ(笑)。それでベルトを巻けなかったことよりも、自分にガッカリしました。もっと自分はできると思っていて……。MMAファイターとしての五明宏人にガッカリしましたよね」

<この項、続く

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MMA o RIZIN   ボクシング 伊藤空也 芦田崇宏 銀・グラップリングシュートボクサーズジム

【SB】速報中!SHOOT BOXING 2023 act.3 芦田崇宏・伊藤空也参戦!

2023.act3_
昨日はRIZINに武尊の復帰戦と大いにも盛り上がりましたが、今日も今日とて格闘技。後楽園ホールではシュートボクシング「SHOOT BOXING 2023 act.3」が開催されます。MMAファンのお目当てはオープンフィンガーグローブマッチ。元々、投げ技やスタンディング状態でのサブミッションが許されているSBはオープンフィンガーグローブとの親和性は高いと言っていいでしょう。さらに今回はRIZINにも参戦中の芦田崇宏、伊藤空也、奥田啓介が参戦。見逃せない大会となりました。今回もU-NEXT様様。観戦しつつ、オープンフィンガーグローブマッチを電波と充電の続く限り速報します。乱筆乱文にはご容赦くださいませ。


【第4試合 63.0kg契約 オープンフィンガーグローブマッチ エキスパートクラス特別ルール】
×奥田啓介(ANIMAL☆PLANET/BLUE DOG GYM)
(2R TKO)
○銀・グラップリングシュートボクサーズジム(GSB大須MACS)
1R、開始直後から至近距離での打ち合い。イケイケの奥田が前に出てパンチを出していくと、銀はカウンターでパンチを当てると奥田はダウン。立ち上がった奥田は取り返すべく間合いを詰めてパンチを出す。捌いた銀は左右の連打を入れると奥田が2度目のダウン。ここも立ち上がるがダメージがある様子。ちょっとしたパンチの交差でもバランスを崩して転倒する場面が目立つ。なんとかラウンドを終えた。
2R、やはり前に出る奥田だが銀は冷静に対処。前に出てくる奥田に対してカウンターの左のパンチを当てると奥田はダウン。ここも立ち上がるがドクターチェック。奥田は顔面から出血もあり、レフェリーが試合を止めて。ダメージ的にも止めて正解。


【第5試合 -63.0kg契約 オープンフィンガーグローブマッチ エキスパートクラス特別ルール】
○基山幹太(BELLWOOD FIGHT TEAM/)
(判定2-0)
×伊藤空也(BRAVE)
1R、開始直後から蹴りとパンチのコンビネーションを見せる伊藤。SBルールにアジャストしている印象。基山はカウンターで左ストレートが切れる。さらにハイ、ミドルを放つが伊藤は無難にガード。一進一退の攻防の末ラウンドを終えた。
2R、やはり基山は左ストレートが的確。対する伊藤はパンチの交差から組み付いて投げを狙うが基山はしっかりとディフェンス。思うように攻められないままラウンド終了。
3R、開始直後は伊藤が至近距離から左右のフックを当てる。しかし基山は膝で迎撃。これが鋭角に何度もヒット。さらに左ストレートを的確にヒット。伊藤はミドルを掴んで投げを狙うが不発。結局最後まで基山もペースを崩す事が出来ずに試合終了。判定は基山に軍配。
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MGL-1FN06 MMA MMAPLANET o キック ダギースレン・チャグナードルジ ナムナンバヤル・トール ナモーンゲレル・アムガランバートル

【MGL-1FN06】ナラントンガラグの愛弟子ナモーンゲレルが、キムラでヒヤリもナムナンバヤルに判定勝ち

<MGL-1 FCライト級挑戦者決定戦/5分3R>
ナモーンゲレル・アムガランバートル(モンゴル)
Def.2-1
ナムナンバヤル・トール(モンゴル)

ダギースレン・チャグナードルジをセコンドに帯同したナモーンゲレルが、体重オーバーでイエロースタートのナムナンバヤルに左フックを打っていく。ナムナンバヤルは右ロー、サウスポーのナモーンゲレルに右ハイを繰り出す。インローで前足を削られたナモーンゲレルは、左のクロスも右ストレートを先に届かされてしまう。

ナムナンバヤルのハイキックをがードして、テイクダウンを奪ったナモーンゲレルはスクランブルからクリンチになると、ボディロックテイクダウンを決める。ハーフで上を取ったナモーンゲレルは頭を押し付けて抑えて、細かいパンチを落とす。ナムナンバヤルが立ち上がるのに任せて、スタンドに戻ったナモーンゲレルは右インローを蹴られる。そのローにナモーンゲレルがフックを合わせて、姿勢を乱したナモーンゲレルからトップを奪取したところで初回が終わった。

2R、右に左を合わせたナモーンゲレルは、打ち出しが分かりやすいナムナンバヤルの右をかわし、蹴りを掴んでテイクダウンを決める。三角狙いを担いでパスしたナモーンゲレルは、サイドからマウントへ。ナムナンバヤルが暴れ、ブリッジをすかされて背中を取られる。ナモーンゲレルはRNC狙いも乗り過ぎて、抑えが甘くなって立ち上がられると、キムラに取られ寝技に持ち込まれる。

タップをしておかしくないほど腕を捩じられたナモーンゲレルだが、タップしない。ナムナンバヤルは、上四方で頭を跨がないような形でアメリカーナに移行したが極め切ること──いやタップを奪うことはできなかった。

最終回、肩が状態が心配なナモーンゲレルは左ストレートから、続いて右のパンチも見せる。ナモーンゲレルは左のロングが空振りするが、ナムナンバヤルも手数が少ない。ナムナンバヤルは前に出てロングフック、間合い取りなおしてジャブを伸ばす。ナモーンゲレルは左フックから左ストレート、さらにカウンターやフックと左一本の攻撃になっているか。

ナムナンバヤルは、その後も目立った攻撃がないままボディロックテイクダウンを許してしまう。ハーフで抑えたナモーンゲレル、ここはキムラを警戒してスペースを与えない。ボディロックでクラッチを組むなど、徹底して腕を取らせないで抑えるナモーンゲレルは、その分パンチもなく時間が進んだ。残り10秒を切っても、抑えたナモーンゲレルが判定勝ちを手にした──が、両者とも経験不足を露呈した試合内容だった。


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