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【Shooto2021#04】新世代対決=田上こゆる戦へ、安芸柊斗─01─「悔し涙も出なかった。もう辞めようと」

【写真】 2月のRoad to ONE04、パンクラシスト山北渓人戦後にMMAを辞めることも考えたという安芸(C)MMAPLANET

7月4日(日)、大阪市淀川区のメルパルクホール大阪で、昼夜2部構成で開催されるShooto2021#04。その第2部では、安芸柊斗と田上こゆるによるストロー級新世代ファイター対決が行われる。
Text by Shojiro Kameike

プロシューターの安芸佳孝を父にもつ柊斗は、幼少期からMMAを始め、高校生の時にプロデビューした。そんな安芸柊斗にとっての父、キッズ修斗、そして前回の敗戦とは……。今回の田上こゆる戦に至るまでの道のりを尋ねた。


――安芸柊斗選手は、父・安芸佳孝さんが元プロシューターで、所属ジムの代表でもあります。今、安芸選手は一人暮らしなのですか。それとも家族と一緒に生活をしているのでしょうか。

「今も家族と一緒に暮らしています」

――他のスポーツでも見られる光景だと思うのですが、お父さんのことを家でもジムの代表であり、MMAの師と思う時はありますか。

「ジムや練習の時とは違って、家ではお父さんですね。もともと僕が小さい頃から、家には格闘技のことを持ち込まないようにしていたので」

――なるほど。お父さんの現役時代については?

「まだ小さかったので、あんまり覚えていないんですよ。徳島で試合をした時に、リングに上がって父に花束を渡した、っていう記憶はあるんですけど」

――2009年11月のプロ修斗徳島大会で豊島孝尚選手にギロチンで勝利した時、2000年生まれの安芸選手はまだ9歳だったのですね。

「はい。試合で印象に残っているのは、大きくなってから見た猿丸ジュンジさんとの試合ですね。すごい打ち合いをしていて、会場も盛り上がっていたし」

――するとリアルタイムでの記憶は、あまりないわけですね。ちなみに、自身の名前の由来を聞いたのは?

「しゅうと、そのまんまですよね(笑)。由来はずっと知らなかったんですけど、小学生の時に授業で『お父さんからの手紙』というのがあって、その時に父が名前の由来について書いていました」

――それを聞いた時は、どう思いましたか。

「あぁそうなんや、っていうぐらいですね(苦笑)。まだ修斗のこととか、よく分かっていなくて。自分がプロで試合するとも思っていなかったし」

――実は、安芸選手とは以前にお会いしたことがあります。2016年夏に、大阪・直心会で行われたアマチュア修斗に伺った際、お父さんから安芸選手を紹介されました。

「えっ、そうなんですか。すみません、覚えていなくて……(苦笑)」

――いえいえ(笑)。あの時、安芸選手はまだ中学生だったのですね。その大会ではキッズ修斗時代から一緒に練習していた同世代の選手が試合に出ていて、安芸選手は試合ではなく同行だったと聞きました。

「あの大会やったら、そうですね。キッズ修斗の頃から一緒にやっている選手が試合に出ていて。今もうプロになっている選手も多いですよ」

――安芸選手は現在21歳ですが、MMAを始めたのは小学生に入る前ですよね。

「もう10年以上やっていますね。MMAって、高校卒業してから始めたっていう選手が多いじゃないですか。それまではレスリングや柔道をやっていたとか」

――そうですね。

「でも僕は、他の格闘技じゃなくて、最初からMMAをやってきたから。そこは他の選手と違う、という気持ちもあります」

――子供の頃から格闘技をやっていてMMAファイターになる例は多数あっても、最初からMMAをやっている選手がプロデビューするという例は、まだ少ないでしょう。

「僕が始めた頃って、まだ徳島には常設のジムってウチぐらいしかなかったと思うんです。そこで僕以外にもキッズ修斗から始めた子がたくさんいて。全国でも珍しいでしょうね」

――まず子供がMMAの試合をやるという環境が少なかったですね。

「それは当時、関西でキッズ修斗の大会をやってくださっていた北川さん(北川純、ゴンズ・ジム代表)とか、関係者の皆さんに感謝しています。こういうインタビューでも、試合でも、みんなに恩返ししたいっていう気持ちが強いです」

――そんな安芸選手のプロキャリアも、順風満帆なものではなかったと思います。特に今年2月、Road to ONEで山北渓人選手にTKO負けを喫したのは……。

「あれは試合後、もうMMAから離れようと思いました。自分に失望して」

――失望……安芸選手は過去に修斗で2敗していますが、その2敗と山北戦の敗北は、何かが違っていたのでしょうか。

「もう十何年もMMAやってきているのに、こんな負け方するんや、って。それまでの2敗も、試合内容に納得いっているわけやないけど、KOや一本決着のほうが面白いと思っていたのもあったから。でも山北選手に負けた時は、悔し涙も出なかったです。だからもう、辞めようと。試合が終わってすぐ、父にそう言いました」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
7月4日(日)
第1部:午後1時~ ABEMA格闘チャンネル
第2部:午後4時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■第2部対戦カード

<修斗世界フライ級選手権試合/5分5R>
[王者]福田龍彌(日本)
[挑戦者]平良達朗(日本)

<ストロー級/5分3R>
田上こゆる(日本)
安芸柊斗(日本)

<ストロー級/5分3R>
マッチョ・ザ・バタフライ(日本)
旭那拳(日本)

<フェザー級/5分2R>
ムテカツ(日本)
神武羅☆ヒカル(日本)

<バンタム級/5分3R>
エダ塾長こうすけ(日本)
左海清之(日本)

■第1部対戦カード

<72キロ契約/5分3R>
キャプテン☆アフリカ(日本)
マックス・ザ・ボディ(カメルーン)

<フェザー級/5分3R>
山本ケントデリカット(日本)
高橋孝徳(日本)

<バンタム級/5分2R>
ダイキライトイヤー(日本)
高岡宏気(日本)

<バンタム級/5分2R>
青柳洸志(日本)
キシシ(日本)

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【Shooto2021#04】マックス・ザ・ボディ戦へ、キャプテン☆アフリカ─01─「点と点が線で繋がって」

【写真】王者になって初めての試合は、キャッチウェイトのノンタイトル戦となったキャプテン☆アフリカ (C)MMAPLANET

7月4日(日)、大阪市淀川区のメルパルクホール大阪で、昼夜2部構成で開催されるShooto2021#04。その第1部のメインイベントで、環太平洋ライト級王者キャプテン☆アフリカがマックス・ザ・ボディと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

昨年は7月に川名雄生の持つ世界ライト級王座に挑み、KO負けしたキャプテン☆アフリカは5カ月後、田中有をストレートレートアームロックで下し、環太平洋のベルトを巻いた。

環太平洋王者として初めてケージに上がる一戦は、当初6月20日に行われる予定だった。しかし緊急事態宣言の発令とその延長により、7月4日に延期された。

改めて今回、地元で迎えるマックス・ザ・ボディ戦に向けて、キャプテン☆アフリカに、昨年の2試合とコロナ禍での練習について聞いた。


――キャプテン☆アフリカ選手は昨年12月、田中佑選手に1R KO勝ちし、修斗環太平洋ライト級のベルトを獲得しました。今回のマックス・ザ・ボディ戦は、そのチャンピオンシップ以来……約半年ぶりの試合となります。

「はい。今年に入っていつ試合があるかなぁと思っていたんですが、コロナ禍もあって、なかなか難しかったですね。特に緊急事態宣言が出ては、仕方ないと思っています」

――その間は、どのように過ごされていたのですか。

「もちろん試合がなくても、ずっと練習していました。6月に大阪大会を行うということだったので、その6月に向けて練習していましたね」

――当初は6月20日に開催予定であった大阪大会が、5月に緊急事態宣言が発令され、さらに6月20日まで延長されました。その結果、試合が7月4日に延期された時の気持ちは……。

「緊急事態宣言が、ちょうど試合の日まで延長ですからね(苦笑)。でも、逆に6月20日までの延長やったから、良かったと思っています」

――というのは?

「たとえば、緊急事態宣言が6月19日までやったら、大会が行われるかどうか分からない状態で、ずっと待っていないといけなかったと思うんです。でも6月20日なら、もう大会はできない。早い段階で延期が決まったから、良かったですよ」

――ただ、練習のスケジュールは6月20日に照準を合わせていたと思います。そのような時、ファイターとしてはどのように思うのでしょうか。

「ちょうど延期が決まったのが、試合の2~3週間前ですかね。最後の追い込みの時期やったんですよ。もちろん『えっ……』とはなりますけど、仕方ないことやし、そこで一旦休憩を挟むことができた、と考えています。それよりも……」

――それよりも、何でしょう?

「無観客じゃなく、有観客で行われることになって、本当に良かったです」

――地元・大阪での試合、応援団も多く来るでしょう。

「大阪で試合ができるのは、本当にありがたいです。いつも応援してくれる人たちが、たくさん来てくれるので。大会があることは分かっていたんですけど、コロナ禍の状況次第では、無観客開催の可能性もあるじゃないですか。そこが心配でしたけど、有観客開催で、みなさんに試合を見せられることが嬉しいですね」

――なるほど。ではここ最近の試合についてお聞きしたいのですが、2020年は7月に川名雄生選手の世界王座に挑み、KO負け。その次の試合で環太平洋王者となりました。

「世界戦で負けたのに、次の試合で環太平洋チャンピオンシップをやらせてもらって、嬉しかったです。でも、嬉しい反面、プレッシャーはありました。世界戦で負けて、これで環太平洋も獲れなかったら……って」

――まず川名戦での敗因は、どのように考えていますか。

「今思えば、自分自身で自分のスタイルを分かっていなかったんだと思います」

――それは、打ち合ってしまったことについて、でしょうか。

「あの時は、自分のスタイルって打撃は打撃、寝技は寝技という感じでしたよね」

――キャプテン☆アフリカ選手といえば、もともと柔道ベースの寝技の強さはもちろん、長いリーチからのパンチや蹴りなども強い印象です。

「その打撃と寝技が、MMAとしてうまく繋がっていなかったんです」

――結果、世界戦では川名選手と打ち合い、パンチの連打をもらってKO負けを喫しました。これまで、打撃の練習は所属するコブラ会で行っていたのでしょうか。

「コブラ会でもやっていましたし、僕の妻がボクサーなんですね」

――元WBO女子世界ミニフライ級王者の、池原シーサー久美子さんですね。

「彼女が所属していたジムで練習させてもらったり、あとABCボクシングジムや吉鷹(弘)先生のところにも行かせていただいていました。それと最近、及川先生にパーソナルで指導していただいているんです」

――元シュートボクシング日本スーパーフェザー級王者の及川知浩さんですか。

「はい。それとフィジカルは、及川道場の近くにある『パーソナルトレーニングスポットエレス』というジムで、篠原茂清さんというトレーナーさんに見てもらっています」

――及川道場でのパーソナルトレーニングでは、どのような練習を?

「さっき『打撃と寝技が繋がっていない』って言いましたけど、及川先生からは最初に、『すごく良いところもあれば、ダメなところもある。点と点を線で繋いでいこう』と言われました。それで打撃の練習をしながら、篠原先生のフィジカルトレーニングも受けて、最近ようやく体の使い方も分かってきて、点と点が線で繋がって……MMAとして打撃と寝技が繋がってきているところなんです」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
7月4日(日)
第1部:午後1時~ ABEMA格闘チャンネル
第2部:午後4時30分~ ABEMA格闘チャンネル

             
■第2部対戦カード

<修斗世界フライ級選手権試合/5分5R>
[王者]福田龍彌(日本)
[挑戦者]平良達朗(日本)

<ストロー級/5分3R>
田上こゆる(日本)
安芸柊斗(日本)

<ストロー級/5分3R>
マッチョ・ザ・バタフライ(日本)
旭那拳(日本)

<フェザー級/5分2R>
ムテカツ(日本)
神武羅☆ヒカル(日本)

<バンタム級/5分3R>
エダ塾長こうすけ(日本)
左海清之(日本)

■第1部対戦カード

<72キロ契約/5分3R>
キャプテン☆アフリカ(日本)
マックス・ザ・ボディ(カメルーン)

<フェザー級/5分3R>
山本ケントデリカット(日本)
高橋孝徳(日本)

<バンタム級/5分2R>
ダイキ・ライトイヤー(日本)
高岡宏気(日本)

<バンタム級/5分2R>
青柳洸志(日本)
キシシ(日本)

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【Shooto2021#04】キャプテン☆アフリカ出場。福田龍彌withエダ塾長&キシシ✖平良達郎with旭那拳

【写真】3大会連続のメルパルクホール大会の出場、世界戦、環太平洋戦、そしてノンタイトル戦となるキャプテン☆アフリカ(C) MMAPLANET

22 日(土)にSustainより、修斗6月の恒例となっている大阪大会の追加カードが発表されている。

6月20日(日)に大阪市淀川区のメルパルクホールOSAKAで開催されるShooto2021#04は、既に修斗世界フライ級選手権試合=チャンピオン福田龍彌✖チャレンジャー平良達郎戦が発表されていた。

今回の追加カードは7試合でうち3試合が3回戦だ。


まず修斗環太平洋ライト級王者キャプテン☆アフリカが、正真正銘のアフリカン=カメルーン人ファイターのマックス・ザ・ボディと対戦する。昨年12月にベルトを巻いたアフリカは、72キロ契約マッチでマックス・ザ・ボディと戦う。

この他、フェザー級では山本ケントデリカットが仕切り直しの高橋孝徳戦、さらに平良の同門・旭那拳がマッチョ・ザ・バタフライと戦うストロー級マッチが3回戦となっている。キックの8人制トーナメントも併催される今大会は、2部制に開かれ、試合の振り分けは決定次第発表されるとのことだ。

上記にあるように平良陣営から旭那の出場があるが、福田が所属するMIBUROからはエダ塾長こうすけ、キシシが参戦。それぞれ左海清之、青柳洸志という神戸勢とのマッチアップでチャンピンの露払いが果たせるか注目だ。

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