【写真】初の国際戦。コリアン・フィジカルを熊崎は突破できるか(C)MMAPLANET&BREAKTHROUGH COMBAT
30日(木)、Progress実行委員会より2月26日(水)に無観客&配信大会として開催されるBreakthrough Combat03でMMA国際戦3試合が組まれることが発表された。
Text Manabu Takashima
MMAとグラップリング=Progressの混成マッチメイクとなるBreakthrough Combatだが、今大会は既にMMAで上田将年と元Black Combat フライ級王者イ・ジュンヨン戦、Progressフェザー級王座決定戦=竹内稔×須藤拓真戦が発表されている。
今日、明らかとなった3試合とはバンタム級トレント・ガーダム×竹本啓直戦、同じくバンタム級でチェ・ハンギ×熊崎夏暉戦、そしてフライ級のペ・ジュンウ×山崎蒼空戦だ。
ガーダムはアビラル・ヒマラヤンチーターのセコンドとして来日した際にHEATの志村民雄館長の誘い受け、HEATジム所属に。既に名古屋に拠点を移して2カ月弱だという。ムエタイ、キック、MMAにプロボクシングと様々なコンバットスポーツを経験、RIZINでもMMAとキックを戦い、あのロシアのACBや中東のUAEW、さらにはインドのSFL、中国のWLF、S-Cupまでガーダムは参戦経験を持つ。
そのガーダム、来日後は春日井たけし率いるNTT練の常連メンバーで、実際に竹本とスパーリングで肌を合わせたこともあるという。バックキープの強さを知っているが、竹本と同様に試合に飢えており、今回の対戦に合意した。そして竹本はNTTの練習参加を控えるようになったという。
所属ジム選手同士の対戦は禁断でも、プロ練で顔を合わせて1カ月余りで、練習仲間だから試合を受けないという判断をしていれば、自らの活動にリミットを設けることになる。
ガーダムには「RIZINで本来の力を見せたい」という想いがあり、竹本も35歳を機に「ベルトより、強い相手。未知強と戦いたい」というステージに入ったとリリースには明記されている、そんな両者の強さを追求する姿勢の表れともいえる、ナギャー対決だ。
他の2試合は、若き無敗のファイターが初の国際戦に挑むという図式が成り立つ。熊崎は2022年に全日本サンボ選手権でスポーツサンボとコンバットサンボ両部門で64キロ級を制し、MMAデビュー後も去年のコンバットサンボで全日本を制している。戦績は4勝0敗、力強い組みがサブミッションに直結しているファイトは、大学時代の柔道部の恩師がサンボの古豪・松本秀彦氏の影響を強く受けているからだという。
Angel’s FCバンタム級王座挑戦経験のあるチェ・ハンギ戦に向けて、絶対の自信を持つ熊崎。ただし、チェ・ハンギは彼が過去に戦ってきた相手と比較して、明らかにMMAファイターとして完成度が高い。そのチェ・ハンギに対して、熊崎がどのように突き抜けたファイトを魅せることができるか。要注目だ。
フライ級でペ・ジュンウと戦う山崎は昨年のネオブラを制した5勝0敗のファイターで、Breakthrough Combatが前回大会でチェ・スングクの対戦相手をXで募集した際に、対戦表明をした2人目の選手だったという。「日本人でも外国人でも強い選手と戦いたい」とProgress実行委員の長谷川賢に訴え、その時点で第2回大会への投入が決まったそうだ。
リリースにあったように山崎は本来イ・ミンジョンと対戦予定だったが、負傷しエクストリームコンバットのチームメイトであるペ・ジュンウンが対戦に名乗りを挙げた。が、実のところ山崎本人が知っているか不明だがイ・ミンジョン以前に他の対戦候補がもともといた模様だ。
イ・ジュンヨンと対戦する上田は、チェ・スングクと戦うことに合意していた。そしてチェ・スングクが負傷欠場となった際に、彼が所属するKTTの総帥ジョン・チャンソンは代替選手の名を主催者に伝えていた。
Breakthrough Combatサイドはその選手の戦績を考え、大切に育ててほしいと固辞。イ・ジュンヨンが上田の相手を務めることとなった。と同時にコリアンゾンビには、その選手が山崎と戦わないかと打診していた。これに対し、ジョン・チャンソンは「荷が重い」と断ったというのだ。
上田とは戦わせても、山崎とは戦わせない。もちろん、イベントの核となる上田の試合に穴を開けさせてはいけないという配慮があったかもしれないが、ジョン・チャンソンがそれだけ山崎の力を警戒したことは事実だ。
日本と同様に韓国にも、世界を目指すヤングブラッドは存在している。Breakthrough Combatとコリアンゾンビの共通点は選手のキャリアアップ。そこを真剣に考えた場合、プロモーターと指導者という立場の違いが、山崎の相手が二転三転した要因となっている。山崎のポテンシャルを引き出すことになるのか。あるいは潰すことになるのか。非常に興味深い、ペ・ジュンウン戦といえる。
なおリリースに寄せられた、6選手の意気込みは以下の通りだ。
トレント・ガーダム
「2月26日に東京で開催されるBreakthrough Combatの第3回大会に出場できることを非常に嬉しく思っています。私の目標は、対戦相手の竹本選手を破り、激しいフィニッシュを決め、2025年のキャンペーンのスタートに素晴らしい勝利を収めることです」
竹本啓哉
「UAEW、RIZINと大きな舞台で戦ってきたトレント選手と試合できて光栄です。そんなトレント選手に勝って今年は飛躍の1年にします」
チェ・ハンギ
「自分にとって日本の大会はUFCと共に、いつか戦いたいと思っていた場所です。貴重なチャンスを下さったBreakthrough Combatの皆さんに感謝致します。相手は試合経験こそ少ないですが、無敗の選手なので抜かりなく準備をしていきます」
熊崎夏暉
「全局面で圧倒して、フィニッシュします!」
ペ・ジュンウ
「挑戦する事が好きなのでBreakthrough Combatという新しい舞台から呼ばれて本当に嬉しいです。以前は上久保選手と試合をしましたが、今回の相手の山崎選手も負けなしの強者と聞きました。傷だらけになる覚悟で試合するので応援宜しくお願い致します」
山崎蒼空
「今回Breakthrough Combatに参戦させていただきありがとうございます。世界を見据えてここで戦えることを光栄に思います。この先を見据えたパフォーマンスをするので楽しみにしていてください」
■視聴方法(予定)
2月26日(水)
午後6時30分~THE 1 TV YouTubeチャンネル