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【DEEP123】西川大和戦へ。宇佐美正パトリック「血の気のヤバい、ぶっ飛んだ試合をしたい」

明日8日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP123で、宇佐美正パトリックが西川大和と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

2022年からRIZINを主戦場に戦ってきたパトリックがDEEPに初参戦、しかも対戦相手はPFL参戦を経て約2年ぶりの日本での試合となる西川だ。今大会でも屈指の注目カードとなった一戦、パトリックは「血の気のヤバい、そういう試合がしたい」と語り、何度も「楽しみ」という言葉を繰り返した。

──試合直前のインタビューありがとうございます。今のコンディションや仕上がりはいかがですか。

「もうやることはやったので、あとは試合するだけかなって感じです」

──前回9月RIZIN48の矢地祐介戦は試合中に体調を崩していたそうですが、どういう状況だったのでしょうか。

「試合は試合で負けたんで言い訳はしたくないんですけど、色々と問題はありました。でもそれを含めて自己責任ですし、それを含めて試合なんで、いい経験にはなりました」

──逆にそういった経験もして、今後に活かせる部分はありましたか。

「試合運びもそうですし、試合への準備の部分でも学ぶことが出来たんで、前回と同じことを起こさないようにちゃんと対策してきました」

──さて今回はDEEP初参戦が決まりました。試合スケジュール的に年内に試合をしたいという考えだったのですか。

「それはもちろんありましたね。前回しっかり倒して勝っていたら、大晦日とか生意気なことも言えたんですけど、負けてしまっている以上、僕はどこでも試合は受けますと言っていて、それでDEEPさんから話があって、それを受けた感じです」

──今回の試合に向けてはどんな準備、どんなことを意識されて練習されてきましたか。

「グラップリングはもちろん、西川選手は変則的な寝技をするので、そういうタイプの選手とMMAスパーリングをめちゃくちゃやりました」

──今の主な練習場所はどこになるのですか。

「基本的には起一さんとコブラ会で、あとはパラエストラ森ノ宮や色々なジムに行っていて、フィジカルトレーニングもやっています」

──コブラ会は寝技が強い選手が多いイメージですし、かなり西川選手対策は練っていますか。

「やっぱり西川選手は下からの寝技が強くて、頑張って動いてくる選手なんで、そういう展開にならないようにちゃんと練習しています。西川選手は僕がデビューした時には、すでに修斗でチャンピオンやったんで、超えないといけない壁かなと思っています」

──その西川選手ですが、国内での試合は約2年ぶりとなります。自分の対戦相手としては想定外だったのではないですか。

「確かにそうですね。まさか日本に戻ってきて試合すると思ってなかったですし、最近はムエタイの試合にも出たりしてるじゃないですか。なんかよくわからんなと思いつつ……本人も色々な考えがあってやってることでしょうし、打撃対策・強化のためにムエタイをやっているのかもしれないし。とにかく今回は試合が楽しみです」

──その楽しみな部分は対戦相手が西川選手だから、ですか。

「やっぱり日本では西川選手のことは知られているし、みんな彼が強いことも知っている。そういう相手とやれることに嬉しい気持ちはありますし、そこでしっかり勝つ・結果として勝ちをあげるというのは絶対なんで、試合そのものが楽しみです。今回は練習でも自分がやることにこだわってきて、寝技・組技が強い選手ともたくさんスパーリングをやって、自分に自信をつけるために毎日反復練習して、今まで嫌だと思うようなことでも最後まで楽しく調整できたので、今はめちゃくちゃエンジョイしてますね」

──お話を聞いていると凄く充実した準備期間を過ごせたようですね。

「そうですね。グラップリングやレスリングも、結構自分から進んでやっていて、結構楽しく練習できました」

──西川選手は元修斗王者であり、PFLにも参戦しています。そういったキャリアがある相手との対戦は燃えますか。

「やっぱりそういうのもあるし、選手として強さがあるから、僕の気持ちを上げてくれてるっていうのもありますね。まあでも、どの選手に対しても失礼のないようにしっかり仕上げるのが僕の仕事なんで、今回しっかり自分のいい部分を出していけたらいいなと思います」

──パトリック選手自身はどんな試合、どんな姿を見せたいと思っていますか。

「最近はずっとRIZINで試合させてもらっていて、結構待ちのスタイルでカウンター狙いのファイターだと思われがちなんですけど、西川選手と殴り合って血の気のヤバい、そういう試合がしたいです。僕がデビューして3戦目で野村駿太選手とやったんですけど、めちゃくちゃ殴り合ったんですよ。ああいう試合ができたら凄く楽しいなと思います。別に殴り合いじゃなくても、MMAとして組みやスクランブル中でもそういう面白い攻防、5分3R最後までしんどい、どちらが倒れてもおかしくない、めちゃくちゃ面白い試合をしたいですね。それぐらい練習したんで、ぶっ飛んだ試合をしたいです」

──RIZINに出たばかりの頃は手堅く勝つ・自分の弱みを出さずに勝つことにシフトしていたのでしょうか。

「シフトしていたというより、慎重になり過ぎていた自分がいました。昔を思い出したら、もっと野性味があったし、感情も剥き出しでやってたなと思うので、デビュー当初に修斗のケージでやっていた頃の初心を忘れず。そういう意味では、またケージで試合ができるタイミングもできましたし、しっかり全部を出したいなと思います」

──久々にケージに入ると昔の自分を思い出したり、闘争本能にも火がつきそうですね。

「檻に入った人間が逃げ場なしで戦うって、あれでこそ“戦い”って感じじゃないですか。西川くんがDEEPの事前映像で言っていたように結果が全てやと思うし、あっちも死ぬ気でやってくると思うので、俺もそれは楽しみで仕方ないですね」

──パトリック選手がそれだけ野生味や本能を解放するんだったら、間違いなく見る方も熱くなると思います。

「やっぱり自分も解放する方が、自分らしさが出るし、内に秘めていても本領発揮できない、いいものを見せられないと思うんで、一皮剥けようと思いますね」

──もしかしたら今回の試合はパトリック選手が覚醒するきっかけになる試合かもしれませんね。

「ほんまに一瞬一瞬がポイントになると思いますし、何回も言っちゃいますけど、楽しみです」

──今回の試合もきっちりクリアして、来年はどんなことを目標に戦っていきたいと思っていますか。

「しっかり勝って、日本のみんなにパトリックできるやん、強いやんってところを証明して、来年はトップ戦線のヤツらに絡んでいきたいです」

──そういった期待感を背負う選手になりたいですか。

「ほんまにそうですね。他のライト級を見ても、自分ほど打撃スキルを持っているヤツはいないと思っているんで、そこでもしっかり勝って、全般的にもMMAとしてもトップに行けるように。周りからは『パトリックは世界に通用するから、もっと自信を持ってやった方がいいよ』って言われて、そこには自分も自信を持ってやっているんで、全部剥き出しにして行こうと思っています」

──それでは最後にこの試合を楽しみにしているファンの皆さまにメッセージをいただけますか。

「自分はDEEP初参戦になるんですけど、本当にみんなが見に来て後悔しない試合、大晦日にRIZINでライト級のタイトルマッチがありますけど、それよりも熱いと思ってもらえるような試合をします」

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45 MMA MMAPLANET o PFL PFL2024#10 キック チムール・カイズリエフ ブレンダン・ラウネーン

【PFL2024#10】フェザー級もロシア勢が制す! 大流血のラウネーンを完封したカイズリエフが100万ドル獲得

<フェザー級決勝/5分5R>
チムール・カイズリエフ(ロシア)
Def.3-0:50-45.49-46.49-46.
ブレンダン・ラウネーン(英国)

開始早々、ラウネーンが距離を詰めたが、カイズリエフが左ジャブで下がらせる。さらに右カーフを当てるカイズリエフ。右三日月蹴りを突いてから一旦ステップバックし、前に出ていく。ケージ中央では右の蹴り上げ、右ローからスイッチも見せた。ラウネーンはカイズリエフの左ジャブをダッキングでかわす。しかしカイズリエフが左フックから右ボディへと繋げ、右スピニングバックキックを放つ。ラウネーンの右スピニングバックキックをダッキングでかわしたカイズリエフが、そのままシングルレッグでグラウンドに持ち込んだ。

クローズドガードのラウネーンに対し、カイズリエフが相手の肩と腕を押さえつつ、パウンドとヒジで削っていく。背中を着けたまま下がるラウネーンの両足を引き、バックに回るカイズリエフ。シングルバックからパンチを入れる。正対して立ち上がるラウネーンを再びグラウンドに引きずりこんだ。尻もちを着かされたラウネーンは、ケージに背中を着けながらセコンドに笑顔を見せる。しかしカイズリエフがマットに背中を着かせ、パウンドで削り続けて初回を終えた。

2R、ラウネーンの左ジャブがカイズリエフの顔面を捉える。カイズリエフの前進は止まらず、左ジャブから右ストレートをボディに伸ばした。右に回るラウネーンのボディに、カイズリエフの右スピニングバックキックが突き刺さる。さらに右ボディが打ち込まれると、ラウネーンの動きが止まった。手数が減ったラウネーンを、カイズリエフがパンチで攻め立てる。左ジャブから左ボディ、そして右クロスと当てるカイズリエフは、ラウネーンのパンチをバックステップでかわした。

右クロスのヒット数が増えるカイズリエフーーこれが狙っているフィニッシュブローなのか。ラウネーンは鼻のあたりから大量の出血が見られるように。またもカイズリエフの右を受けて、ラウネーンが下がる。カイズリエフは無理にフィニッシュを狙わず、ジリジリとダメージを与える。しかしラウネーンの左の一撃で、カイズリエフも腰を落としかけた。

3R、カイズリエフが左ジャブを突き、下がるラウネーンを追い立てる。ダブルレッグからバックに回ったカイズリエフが、崩しながら顔面にヒザを連打するとラウネーンの動きが止まる。シングルバックから前方に回ってヒザを突き上げるカイズリエフ。その瞬間、ラウネーンが突き放したが、右目尻からもおびたたしい出血が……。左ジャブの突き合いで勝るカイズリエフ。左ジャブ、左フックから右カーフを打ち込むカイズリエフに、ラウネーンも右を突き刺すが止められない。

またもラウネーンの右スピニングバックキックをかわしたカイズリエフがテイクダウンを奪う。2Rと同様、ケージに背中を着けたラウネーンだが、ここでセコンドに向けた表情は明らかに2Rと異なる。そのラウネーンの背中をしっかりマットに着けたカイズリエフ。ラウネーンも体を起こして右ヒジを落とし、立ち上がった。ラウネーンは何度もマウスピースを吐き出すようになっている。左ジャブを突くカイズリエフは、ラウネーンの右を鮮やかにかわした。

4R、カイズリエフのワンツーがクリーンヒットする。ラウネーンの左をかわしたカイズリエフが、ニータップでクリーンテイクダウンを奪取した。カイズリエフがバックに回ると、ラウネーンが立ち上がりながら正対したため、カイズリエフが離れる。右スピニングバックキックを織り交ぜながらパンチとカーフで削り続けるカイズリエフ。左ジャブの突き合いが続く中、カイズリエフはペースを落としたか。それでも左フックでラウネーンを下がらせる。ボディ攻撃のフェイントも見せつつ、カイズリエフがラウネーンにクリーンヒットを許さなかった。

最終回、カイズリエフの左ジャブに対し、ラウネーンがインから右を当てる。カイズリエフがラウネーンの足をキャッチするも、すぐにラウネーンが離れる。ラウネーンの左をかわし、自身の左を当てるカイズリエフ。右ストレート、右アッパーも効かせる。残り2分でカイズリエフがニータップからアンクルピックで倒した。下がるラウネーンの足を押さえ、ケージに押し込む。これまでと同様、バックを見せて立ち上げて離れるラウネーン。左ジャブからテンカオもかわされる。カイズリエフはパンチをかいくぐってバックに回る場面も。ラウネーンがローから左を伸ばすが、体勢が崩れている。残り10秒でカイズリエフが距離を取り、試合終了のゴングを聞いた。

裁定は文句なくカイズリエフのユナニマス判定勝ち。2022年ウィナーのラウネーンを完封し、カイズリエフが優勝賞金100万ドルを獲得した。各階級優勝者の中に米国勢はおらず、ロシア、タゲスタン、中央アジア勢が猛威を振るい続けるPFLだ。


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45 AB PFL ブログ

PFL2024#10:メインイベント・ブレンダン・ラウネーン vs. ティムール・シズリエフ

フェザー級勝戦5分5R。

ラウネーンは2022年のPFLウィナー。昨年は予選リーグで優勝したヘスス・ピネドにKO負けして敗退している。12年前の2012年にTUF Smashesに出場したが、準決勝で優勝したノーマン・パークに敗れてUFC参戦はならず。今年は予選リーグではBellator6位のペドロ・カルバーリョ、8位ジャスティン・ゴンザレスにフィニッシュ勝利。トーナメント準決勝は9位のカイ・カマカ3世との対戦で、接戦となったが打撃でプレッシャーを欠ける展開で判定勝ち。34歳。

シズリエフはBellator5位。Bellatorには2022年から出場し、昨年のBellator最終戦までに3戦してすべて判定勝ち。今年のPFL予選も同じBellator勢との対戦でいずれも判定勝ち。ポイント制のPFL予選リーグでは判定のみでは勝ち上がりが微妙だったが、他の試合もフィニッシュが少なく、3位で決勝トーナメント進出。準決勝では昨年準優勝のガブリエル・ブラガと対戦し、打撃のヒット数で上回り判定勝ち。ここまで17戦全勝だが、うち判定勝ちが13回ある手堅いスタイル。29歳。

じわじわ詰めるラウネーンにシズリエフがジャブ、カーフキックで先手を取る。ジャブの連打で出るとラウネーンはバックステップでかわす。関節蹴りを見せるシズリエフ。ラウネーンの蹴りにワンツーを返す。バックスピンキック。腹にヒット。ラウネーンもバックスピンキックを見せたが、押し倒して上になったシズリエフ。ラウネーンのガード。クローズドガードで下からヒジを入れていく。シズリエフがパウンドを入れると足で距離を作り立ちに行く。立ち際にバックを取ったシズリエフ。片膝をついたラウネーンにハーフバックから殴る。立ったラウネーン。正対したがすぐに大内刈りでテイクダウンしたシズリエフ。両足を束ねてまた寝かせた。ヒジ。インサイドから垂直ヒジを落としていく。ディフェンスに徹するラウネーン。ゴング。

1Rシズリエフ。

2R。シズリエフがパンチ・蹴りで出ていく。ラウネーンは受け身の展開。右ボディを入れたシズリエフ。シズリエフのバックスピンキックがボディにヒット。シズリエフ飛び込んでアッパー。ヒットし動きが止まったラウネーン。効いているように見えるが、シズリエフは無理に攻めない。タックルに行くが切ったラウネーン。シズリエフ飛び込んで左ボディ。さらに右フック。また右。ワンツー。ジャブ。全部もらっているラウネーン。鼻のブリッジからの出血で顔面が真っ赤に染まっている。パンチで出るシズリエフにラウネーンのジャブがヒット。一瞬ヒザを着いたシズリエフ。しかし効いてないとアピールするシズリエフ。シズリエフがパンチを打つと距離を取る。ゴング。

2Rシズリエフ。ラウネーンは終盤のジャブのヒット以外、いい場面がなかった。

3R。プレスするシズリエフ。ケージを背負ったラウネーンにタックル。バックに回ったシズリエフ。顔面にヒザ。離れた。ラウネーンはジャブを出すが、シズリエフのカーフ、ジャブがヒット。ジャブ、カーフで手堅く攻めるシズリエフ。飛び込んでのアッパー。もらってマウスピースが飛んだラウネーン。バックスピンキックを放ったがシズリエフがかいくぐってタックルに入りテイクダウン。ラウネーンがケージを使って立つとシズリエフ離れた。ラウネーン手が出ない。ゴング。

3Rシズリエフ。

勝戦6試合目で初の4R。シズリエフタックル。簡単にテイクダウンを許したラウネーン。ケージで立とうとするラウネーンのバックに回るシズリエフ。立って離れたラウネーン。ジャブを出すがシズリエフが打ち返したジャブをもらった。バックスピンキックをレバーに入れるシズリエフ。飛び込んでのパンチを貰ったラウネーン。打ち返していくが、ヒット数に大きな差がある。ジャブ、ワンツーを出すラウネーン。ようやく手数が増えてきた。シズリエフは無理に倒しに行かない。ゴング。

4Rシズリエフ。

5R。観客を煽るラウネーン。カーフを蹴るとキャッチしようとしたシズリエフ。距離を取ったラウネーン。シズリエフの右がヒット。またアッパー。直撃。しかし畳み掛けないシズリエフ。飛びヒザもヒット。前蹴りからジャブ。シズリエフのローに右を返したラウネーン。アッパーがヒットしたラウネーン。しかしシズリエフタックル。テイクダウン。下から蹴って離そうとしたラウネーンだがシズリエフ離れない。ケージ際に移動したラウネーンは背中を向けて立つ。クラッチを切って離れた。タックルからバックに回ったシズリエフだが、ラウネーン振りほどいた。ラウネーンが打撃を出していくが、打ち返すシズリエフの打撃をもらっている。残りわずかで距離を取るシズリエフ。タイムアップ。

50-45、49-46×2の3-0でシズリエフが無敗のまま100万ドル獲得。

6階級のうち4階級をロシア人が制した。

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45 MMA MMAPLANET o PFL PFL2024#10 UFC タイラ・サントス ダコタ・ディチェバ

【PFL2024#10】PFL期待——以上の存在に。ディチェバがサントスをボディ攻撃でKO=女子フライ級優勝

<女子フライ級決勝/5分5R>
ダコタ・ディチェバ(英国)
Def.2R4分41秒 by TKO
タイラ・サントス(ブラジル)

ディチェバが右ローからサウスポーにスイッチ。スイッチを繰り返しながらジャブ&ローで詰めていく。サントスも左ジャブ、左をーを返すが、左ジャブで下がらされてしまう。組んだサントスがボディロックでケージに惜しむ。左右に揺さぶるサントス。耐えたディチェバが足払いで逆に背中を着かせた。グラウンドで深追いしないディチェバは、スタンドに戻ってワンツーを決める。サントスもダブルレッグでドライブした。ボディロックに切り替え、頭をおっつけたサントスが小外刈りで倒すも、ディチェバがすぐに立ち上がる。離れた両者、ディチェバが前蹴り&ジャブを突く。サウスポーにスイッチして左ストレートを伸ばすディチェバ。オーソドックスに戻して右カーフを当て、左ジャブをボディに伸ばした。右前蹴りがサントスの顔面に直撃させると、ワンツーを効かせて、さらに右ヒジを追加する。首相撲からボディにヒザを突き刺すが、PFL本戦では初めて1Rフィニッシュを逃がした。

2R、ディチェバがスイッチしながら距離を詰める。しかし前蹴り&ヒザを受けつつもサントスが強引に組みに行く。ケージに押し込まれたディチェバは、背中を見せて回転し、ケージ際から脱する。ジャブを上下に散らし、右カーフを当てるディチェバ。フェイントからスイッチして、サントスに的を絞らせない。左テンカオをもらったサントスが下がる。ディチェバは左ミドル、右前蹴り、そして左ジャブからサークリングと、サントスを寄せ付けない。

残り2分でサントスがダブルレッグからドライブする。ディチェバは右オーバーフックから左腕を差し上げ、切り返すとヒジ&ボディ攻撃でサントスの動きを止める。ダメージを受けながら右に回るサントスが、ダブルレッグで組んだ。しかし体勢を入れ替えたディチェバが右ヒジからボディへヒザを突き刺し、左ボディを打ち込む。この一撃で背中を見せたサントスに対し、ディチェバがボディブローを追撃するとレフェリーが試合をストップした。

ここまでPFLでは全試合フィニッシュしているディチェバ。昨年は欧州トーナメントを制し、今年は本戦で優勝——しかも決勝は元UFCファイターで、KOされた経験のないサントスを仕留めるという、新たな女子スターが誕生した瞬間だった。PFLの大きな期待も、本人にとってはプレッシャーになった部分もあっただろう。ディチェバも優勝が決まった瞬間、マットに座り込みホッとした表情で涙を流した。


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45 MMA MMAPLANET o PFL PFL2024#10 インパ・カサンガネイ ドブレジャン・ヤギュシュムラドフ

【PFL2024#10】カサンガネイを秒殺。ライトヘビー級世界王者はトルクメニスタンのヤギュシュムラドフ

<ライトヘビー級決勝/5分5R>
ドブレジャン・ヤギュシュムラドフ(トルクメニスタン)
Def.1R0分58秒by KO
インパ・カサンガネイ(米国)

右カーフを蹴ったヤギュシュムラドフ。距離を詰めたカサンガネイが素早い左右のフックを繰り出す。ジャブに奥足を蹴られたカサンガネイが姿勢を乱す。右ストレートで飛び込んだカサンガネイだったが、ケージを背負ったヤギュシュムラドフの前進に右を合わせる。ここから左フックを決めたヤギュシュムラドフは、懸命にフックを返すカサンガネイに右アッパーを打ち込む。ここからパンチをまとめたヤギュシュムラドフが最後は右アッパーの連打でカサンガネイにPFL初黒星を与え、ライトヘビー級を制した。


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AB BELLATOR MMA o PFL UFC エリン・ブランチフィールド キック ジェナ・ビショップ

PFL2024#10:セミファイナル・ダコタ・ディチェバ vs. タイラ・サントス

女子フライ級決勝戦5分5R。

今年から始まったPFLフライ級で、昨年のPFLヨーロッパで優勝したディチェバはPFL側の最推し選手。予選リーグは実力差がある相手に2試合連続1RKOで勝ち上がり。準決勝では、トップグラップラーで35歳でMMAデビュー、予選リーグでサントスに敗れたが、3Rには得意のグラウンドに引きずり込み、スプリット判定まで持ち込んだジェナ・ビショップと対戦。2度テイクダウンを許したものの、すぐに立ち上がって脱出し、ヒザと前蹴りで腹を効かせて、3試合連続の1RKOで決勝まで上がってきた。26歳。

サントスは2022年6月にヴァレンチーナ・シェフチェンコの持つUFCフライ級王座に挑戦し、四つからテイクダウンを奪ってシェフチェンコを苦しめ、スプリット判定負け。続くエリン・ブランチフィールド戦は、ブランチフィールドのテイクダウンを切って打撃を入れて攻めたものの、後半は組みでスタミナを削られる展開で判定負け。トップランカーだったものの連敗でリリースされた。試合ぶりが地味なことも関係していると思われる。PFLではビショップには苦戦したものの、準決勝のBellator王者カモーシェ戦では(カモーシェの体重オーバーによる体調不良もあったものの)タックルを切って打撃を入れる展開で判定勝ちしている。31歳。

実質、非UFC女子フライ級最強決定戦。ここまでは優遇されたマッチメイクと言われることもあったディチェバだが、サントス相手に勝つようなら本物。オッズはサントスが苦戦したビショップ相手に1RKOし、無敗をキープしているディチェバがフェイバリットとなっている。

ローを蹴るディチェバ。スイッチしながらジャブ・前蹴りを出す。鋭いロー。インロー。右を打ち込んだ。組んだサントス。引き剥がそうとするディチェバだが、サントス組んでダブルアンダーフックでクラッチ。テイクダウンを狙う。ケージでこらえたディチェバが逆に上になる。離れて立つディチェバ。立ち際に左を入れた。首相撲に捕らえたディチェバがヒジを入れるが、サントスまたケージまでお仕込みボディロックでクラッチ。小手に巻いて凌ぐディチェバだが、サントス後方に倒してテイクダウン。すぐに立ったディチェバ。クラッチを切ってバックヒジを入れて離れたディチェバ。前蹴り。ケージまで下がるサントスに右を打ち込む。ジャブもヒット。左で飛び込むディチェバ。思い切りよく打撃を打ち込む。カーフキック。パンチ連打で出るサントスだがバックステップしてかわしたディチェバ。ボディブローを入れる。前蹴りが顔面にヒット。残り1分。パンチの連打を入れてケージまで下がらせると飛び込んでヒジ!離れた。詰めてヒザをボディに入れるディチェバ。パンチで出たサントスに右を合わせた。ゴング。

1Rディチェバ。テイクダウンを取られてもすぐに立ち上がった。

2R。すぐに中央を取るディチェバ。サウスポーから左ストレート。サントス詰める。ディチェバ首相撲に捕らえてヒザ!しかしサントス下がらず組み付いた。タックルへ。ヒジで抵抗するディチェバだがスタンドバックに回る。ディチェバクラッチを切って離れた。パンチ・前蹴りを入れるディチェバ。ボディストレート。ワンツー。サントスもスタンドで下がらない。しかし腹にヒザを入れたディチェバ。カーフキック。前蹴りを顔面に入れる。左ミドル。左ストレート。さらにヒザ。腹にもらったがそのままタックルに入るサントス。ケージに押し込むが、ディチェバ入れ替えてヒジ。ケージを背負って動きが止まったサントス。左右のパンチを貰い動きが止まったサントス。またヒザ。さらにヒジ。タックルで凌ぐサントス。ディチェバ入れ替えて右のヒジを顎に入れる。腹にヒザ。効いたサントスにまたヒジ。左ボディ!前かがみになったサントス。さらにボディを入れレフェリーストップ!

ディチェバ、フィニッシュされたことがなかったサントスをKOし100万ドルゲット。サントスの組みにも対応し、テイクダウンされてもすぐにリカバリーしていた。組みに対応できるだけに、打撃も思い切って打ち込んでいた。強さを見せての勝利。

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45 MMA MMAPLANET o PFL PFL2024#10 シャミル・ムサエフ

【PFL2024#10】手数が少ないウマラトフを左フックで倒したムサエフ。20勝0敗1分でウェルター級の頂点に

<ウェルター級決勝/5分5R>
シャミル・ムサエフ(ロシア)
Def.3R1分44秒by TKO
マゴメド・ウマラトフ(ロシア)

互いに様子見のなかシングルのフェイクを見せたウマラトフ。ムサエフは前蹴り、左インローを蹴る。両者、手数が少ない展開にリヤドのファンがブーイング。その直後に右を当てたムサエフが、ケージにウマラトフを追い込む。ウマラトフのシングルをスプロールした直後にヒザ蹴りを狙ったムサエフだが、これは空振りに。ここからクリンチの展開となり、ムサエフが小外刈りでテイクダウンを奪う。

ウマラトフは背中を譲って立ち上がり胸を合わせ、試合が打撃の間合いに。ウマラトフがジャブを伸ばす。左右に動くムサエフは左ロングで前に。圧を掛けるウマラトフが前蹴りも、ほぼ拳の交換がないラウンドとなりムサエフが取った。

2Rも初回のような目視戦が続き、ウマラトフが右を振ってテイクダウンを狙う。素早く反応したムサエフが右ストレート、ボディストレート、左インローを決める。ウマラトフも右カーフを返し、右を当てると左を続けてテイクダウンへ。ボディロックテイクダウンで倒されたムサエフは、スイッチでバックに回る。正対しつつダブルで尻もちをつかせたムサエフだが、ウマラトフがすぐ立ち上がり逆にケージに押し込まれる。

体を入れ替えつつ、ヒザを繰り出す両者。残り45秒で離れると、ウマラトフの前進に右を当てたムサエフが首相撲からヒザ蹴りへ。ウマラトフは離れて前蹴り&右カーフ、組んできたムサエフに小手投げを狙い、ヒジを打って時間となった。

3R、圧を掛けるウマラトフが、右を見せてシングルレッグ。続くクリンチからエルボーを打って離れる。ムサエフはワンツーで前に出てケージを背負ったウマラトフに右を見せて反応させると、左フックを振り抜く。この一発で倒れたウマラトフに後方からパンチを纏めてムサエフが、同朋対決でTKO勝ち──キャリア20勝0敗1分としてウェルター級のベルトと100万ドルの小切手を手にした。


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ACA BELLATOR o PFL RIZIN キック コーリー・アンダーソン ジョシュ・シルヴェイラ ジョニー・エブレン

PFL2024#10:メインカード第4試合・インパ・カサンガネイ vs. ドヴェルジャン・ヤグシムラドフ

ライトヘビー級決勝戦

カサンガネイは昨年のPFLウィナー。2月のBellatorとの対抗戦では、階級をミドルに落として無敗の王者ジョニー・エブレン相手に健闘し、ダウンも奪ってスプリット判定まで持ち込んでいる。今年は予選でBellator6位ポリッツィらに2戦ともフィニッシュ勝利し、準決勝は昨年決勝で対戦したジョシュ・シルヴェイラに判定勝ち。本来はPFLに存在しないミドル級がベストウェイトだが、ここまでPFLライトヘビー級では無敗。30歳。

トルクメニスタンのヤグシムラドフは元ACA王者で、2021年のライトヘビー級GPからBellatorに参戦。GPでは一回戦で現Bellator王者コーリー・アンダーソンにKO負け。さらに元RIZINカール・アルブレックソンにも判定負けしたが、そこから3連勝して最終ランキングでは5位に。PFLでも予選で2連勝。準決勝は2022年のウィナー・ロブ・ウィルキンソンと対戦し、PFLで無敗だったウィルキンソンに判定勝ちして決勝まで上がってきた。35歳。

オッズでは連覇を狙うカサンガネイがフェイバリット。

左右のパンチで出たカサンガネイ。左がヒット。ヤグシムラドフも右を合わせる。カーフキック。飛び込んでワンツー。しかしヤグシムラドフの右をもらい効いた!ヤグシムラドフが右を打ち込み効いている!アッパーの連打がヒットしカサンガネイダウン!KO!

カサンガネイ、PFL4連勝で100万ドル獲得。

アグレッシブに攻めたカサンガネイだったが裏目に。

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45 PFL PFL2024#10 Report ガジ・ラバダノフ ブレント・プリマス ブログ

【PFL2024#10】スタンドでプリマスを寄せつけず。ラバダノフが3度ダウンを奪いライト級を制す

<ライト級決勝/5分5R>
ガジ・ラバダノフ(ロシア)
Def.3R2分31秒by TKO
ブレント・プリマス(米国)

静かな立ち上がりのなかラバダノフがカーフを蹴る。プリマスは左右のフックで前へ。ラバダノフがもう1度カーフを蹴り、プリマスの前進にダブルレッグを合わせてテイクダウンを決める。ラバーガードのプリマスが下からパンチを入れる。一度はラバーを解かれたプリマスだが、ラバダノフが腰の後ろに手を回してくるので再度ラバーガードに入る。ラバダノフは腕を抜いてパンチを入れるが、プリマスのラバーガードの前に強いパウンドを打つことができない。

ハイガードから四角、さらに三角をプリマスが狙ったところで時間となり、ラバダノフがイライラを隠せないでいた。

2R、初回と同様にカーフを蹴るラバダノフ。プリマスが左フックを振って前に出る。ローにフックを合わせようとするプリマスは左を入れ、シングルレッグを切る。ラバダノフもワンツーを返し、構えを変える。プリマスのフック&ステップインに、左に続く右を打ち込んでダウンを奪ったラバダノフは再びハイガード、そしてラバーに中に収まる。

残り2分で左足を抜いてハーフとなったラバダノフが、ラバーガード狙いに立ちあがってローを連続で蹴る。飛び込んでパウンドを落とそうとしたラバダノフに対し、プリマスは足関狙いからZハーフガードに取ってエルボーを打つ。上のラバダノフも左エルボー、右のパウンドは空振りし時間となった。

3R、ワンツーでステップインのラバダノフが、続く右で2度目のダウンを奪う。ここはガードの中に入らず、スタンドで待ち受けたラバダノフにプリマスが右ハイを狙う。誘うラバダノフにワンツーを決めたプリマスが、スピニングバックフィストに。構わずラバダノフで前に出るラバダノフが右アッパーを決める。さらにワンツー左フックをテンプルに決めるとプリマスの動きが止まる。ここで追い打ちの右を打ち抜いたラバダノフが2024年PFLライト級を制した。


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BELLATOR MMA o ONE PFL UFC ブレナン・ワード ローガン・ストーリー

PFL2024#10:メインカード第3試合・マゴメド・ウマラトフ vs. シャミル・ムサエフ

ウェルター級決勝戦5分5R。

ウマラトフはキャリア17戦全勝。PFLでは初参戦した2021年はワンマッチで2勝。2022年は予選2試合目から本戦に出場し、1RKOで4位に入ったものの、イギリス入国のビザが降りず欠場。昨年は予選1試合目から出場し、やはり4位で勝ち上がったが、またも決勝トーナメントを棄権。4年目で初めて決勝トーナメントを戦っている。今年はアンドレイ・コレシュコフ、ブレナン・ワード、ネイマン・グレイシーのBellator軍に3連勝して決勝まで進出した。コンバットサンボがバックボーンの32歳。

ムサエフはダゲスタン出身で、こちらは19戦18勝0敗1分。今年の新規契約選手では数少ない、メジャーでの戦績がない選手。リーグ戦初戦で元Bellator暫定王者ローガン・ストーリーに2RKO。2戦目は元ONEで手塚に勝利しているムラッド・ラマザノフとの無敗対決で2RKO勝ち。トーナメント準決勝はラマザノフとのダイレクトリマッチとなり、判定となったが前回の対戦以上に差を見せる内容で連勝し、決勝に上がってきた。バックボーンは散打で世界王者。30歳。

ともにロシア出身で無敗。

お互い間合いに入らず警戒。ムサエフがローで牽制。ウマラトフも間合いに入らない。見合いが続いて2分。パンチを見せたがムサエフの左がヒット。後退するウマラトフ。ムサエフパンチで詰める。ウマラトフのタックルを切ると飛びヒザ。組んで凌ぐウマラトフ。四つの体勢からヒザの打ち合い。ムサエフがヒザを打ちながら外掛けでテイクダウン。ウマラトフすぐに背中を向けて立ち正対。離れた。残り1分。じわじわと出るウマラトフ。ムサエフは距離を取る。ジャブを突くウマラトフ。ムサエフ飛び込んでワンツーをヒット。ウマラトフまたプレスしていくが時間がない。ケージを背負ったムサエフだがゴング。

1Rムサエフ。

2R。フェイントを見せつつ詰めていくウマラトフ。距離を取りケージを背負うムサエフ。ウマラトフがパンチからタックルにつなげたがムサエフ切った。ムサエフインロー。詰めてくるウマラトフにジャブを入れる。ウマラトフパンチで出た。ジャブをヒットさせるとタックル。ボディロックからテイクダウン。しかし倒され際にスイッチで切り替えしたムサエフが逆にバックに回った。スタンドバック。正対しようとしたウマラトフの両足を束ねて尻もちを着かせる。背中を向けて立ったウマラトフ。ムサエフはボディロックしてヒザを入れる。正対したウマラトフ。引き剥がそうとするムサエフについていきケージに押し込んだ。ヒザを入れるウマラトフだが入れ替えたムサエフ。ムサエフもボディにヒザを入れる。差し返して引き剥がしたムサエフ。出るウマラトフに右フックからクリンチアッパー。また出るウマラトフ。ケージを背負ったムサエフに前蹴り。残りわずかでタックルに入ったムサエフだがウマラトフは小手投げでしのいだ。ゴング。

2Rムサエフ。

3R。ムサエフワンツー。ウマラトフが詰めていく。ケージを背負ったムサエフにタックル。受け止めたムサエフ。押し込むウマラトフだが押し返し引き剥がす。飛び込んだムサエフの左がヒットしウマラトフダウン!バックから強烈な右のパウンドを打ち込むムサエフ。KO!

初参戦のムサエフが100万ドルを獲得。無敗対決を制した。後は非UFCでは同じく無敗のロシアンであるBellator王者のクラマドメゴフとの対戦が見てみたい。

無敗ながら4年目で初の決勝進出となったウマラトフだったが、MMA初黒星。