明日8日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP123で、宇佐美正パトリックが西川大和と対戦する。
Text by Takumi Nakamura
2022年からRIZINを主戦場に戦ってきたパトリックがDEEPに初参戦、しかも対戦相手はPFL参戦を経て約2年ぶりの日本での試合となる西川だ。今大会でも屈指の注目カードとなった一戦、パトリックは「血の気のヤバい、そういう試合がしたい」と語り、何度も「楽しみ」という言葉を繰り返した。
──試合直前のインタビューありがとうございます。今のコンディションや仕上がりはいかがですか。
「もうやることはやったので、あとは試合するだけかなって感じです」
──前回9月RIZIN48の矢地祐介戦は試合中に体調を崩していたそうですが、どういう状況だったのでしょうか。
「試合は試合で負けたんで言い訳はしたくないんですけど、色々と問題はありました。でもそれを含めて自己責任ですし、それを含めて試合なんで、いい経験にはなりました」
──逆にそういった経験もして、今後に活かせる部分はありましたか。
「試合運びもそうですし、試合への準備の部分でも学ぶことが出来たんで、前回と同じことを起こさないようにちゃんと対策してきました」
──さて今回はDEEP初参戦が決まりました。試合スケジュール的に年内に試合をしたいという考えだったのですか。
「それはもちろんありましたね。前回しっかり倒して勝っていたら、大晦日とか生意気なことも言えたんですけど、負けてしまっている以上、僕はどこでも試合は受けますと言っていて、それでDEEPさんから話があって、それを受けた感じです」
──今回の試合に向けてはどんな準備、どんなことを意識されて練習されてきましたか。
「グラップリングはもちろん、西川選手は変則的な寝技をするので、そういうタイプの選手とMMAスパーリングをめちゃくちゃやりました」
──今の主な練習場所はどこになるのですか。
「基本的には起一さんとコブラ会で、あとはパラエストラ森ノ宮や色々なジムに行っていて、フィジカルトレーニングもやっています」
──コブラ会は寝技が強い選手が多いイメージですし、かなり西川選手対策は練っていますか。
「やっぱり西川選手は下からの寝技が強くて、頑張って動いてくる選手なんで、そういう展開にならないようにちゃんと練習しています。西川選手は僕がデビューした時には、すでに修斗でチャンピオンやったんで、超えないといけない壁かなと思っています」
──その西川選手ですが、国内での試合は約2年ぶりとなります。自分の対戦相手としては想定外だったのではないですか。
「確かにそうですね。まさか日本に戻ってきて試合すると思ってなかったですし、最近はムエタイの試合にも出たりしてるじゃないですか。なんかよくわからんなと思いつつ……本人も色々な考えがあってやってることでしょうし、打撃対策・強化のためにムエタイをやっているのかもしれないし。とにかく今回は試合が楽しみです」
──その楽しみな部分は対戦相手が西川選手だから、ですか。
「やっぱり日本では西川選手のことは知られているし、みんな彼が強いことも知っている。そういう相手とやれることに嬉しい気持ちはありますし、そこでしっかり勝つ・結果として勝ちをあげるというのは絶対なんで、試合そのものが楽しみです。今回は練習でも自分がやることにこだわってきて、寝技・組技が強い選手ともたくさんスパーリングをやって、自分に自信をつけるために毎日反復練習して、今まで嫌だと思うようなことでも最後まで楽しく調整できたので、今はめちゃくちゃエンジョイしてますね」
──お話を聞いていると凄く充実した準備期間を過ごせたようですね。
「そうですね。グラップリングやレスリングも、結構自分から進んでやっていて、結構楽しく練習できました」
──西川選手は元修斗王者であり、PFLにも参戦しています。そういったキャリアがある相手との対戦は燃えますか。
「やっぱりそういうのもあるし、選手として強さがあるから、僕の気持ちを上げてくれてるっていうのもありますね。まあでも、どの選手に対しても失礼のないようにしっかり仕上げるのが僕の仕事なんで、今回しっかり自分のいい部分を出していけたらいいなと思います」
──パトリック選手自身はどんな試合、どんな姿を見せたいと思っていますか。
「最近はずっとRIZINで試合させてもらっていて、結構待ちのスタイルでカウンター狙いのファイターだと思われがちなんですけど、西川選手と殴り合って血の気のヤバい、そういう試合がしたいです。僕がデビューして3戦目で野村駿太選手とやったんですけど、めちゃくちゃ殴り合ったんですよ。ああいう試合ができたら凄く楽しいなと思います。別に殴り合いじゃなくても、MMAとして組みやスクランブル中でもそういう面白い攻防、5分3R最後までしんどい、どちらが倒れてもおかしくない、めちゃくちゃ面白い試合をしたいですね。それぐらい練習したんで、ぶっ飛んだ試合をしたいです」
──RIZINに出たばかりの頃は手堅く勝つ・自分の弱みを出さずに勝つことにシフトしていたのでしょうか。
「シフトしていたというより、慎重になり過ぎていた自分がいました。昔を思い出したら、もっと野性味があったし、感情も剥き出しでやってたなと思うので、デビュー当初に修斗のケージでやっていた頃の初心を忘れず。そういう意味では、またケージで試合ができるタイミングもできましたし、しっかり全部を出したいなと思います」
──久々にケージに入ると昔の自分を思い出したり、闘争本能にも火がつきそうですね。
「檻に入った人間が逃げ場なしで戦うって、あれでこそ“戦い”って感じじゃないですか。西川くんがDEEPの事前映像で言っていたように結果が全てやと思うし、あっちも死ぬ気でやってくると思うので、俺もそれは楽しみで仕方ないですね」
──パトリック選手がそれだけ野生味や本能を解放するんだったら、間違いなく見る方も熱くなると思います。
「やっぱり自分も解放する方が、自分らしさが出るし、内に秘めていても本領発揮できない、いいものを見せられないと思うんで、一皮剥けようと思いますね」
──もしかしたら今回の試合はパトリック選手が覚醒するきっかけになる試合かもしれませんね。
「ほんまに一瞬一瞬がポイントになると思いますし、何回も言っちゃいますけど、楽しみです」
──今回の試合もきっちりクリアして、来年はどんなことを目標に戦っていきたいと思っていますか。
「しっかり勝って、日本のみんなにパトリックできるやん、強いやんってところを証明して、来年はトップ戦線のヤツらに絡んでいきたいです」
──そういった期待感を背負う選手になりたいですか。
「ほんまにそうですね。他のライト級を見ても、自分ほど打撃スキルを持っているヤツはいないと思っているんで、そこでもしっかり勝って、全般的にもMMAとしてもトップに行けるように。周りからは『パトリックは世界に通用するから、もっと自信を持ってやった方がいいよ』って言われて、そこには自分も自信を持ってやっているんで、全部剥き出しにして行こうと思っています」
──それでは最後にこの試合を楽しみにしているファンの皆さまにメッセージをいただけますか。
「自分はDEEP初参戦になるんですけど、本当にみんなが見に来て後悔しない試合、大晦日にRIZINでライト級のタイトルマッチがありますけど、それよりも熱いと思ってもらえるような試合をします」
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