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【ONE116】いよいよ明日、ジェイムス・ナカシマ戦へ。青木真也─02─「失点の少ない、1-0の試合に」

【写真】この日々の積み重ねが、明日見られる(C)MMAPLANET

22日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE116「Unbreakable」でジェイムス・ナカシマと対戦する青木真也インタビュー後編。

ジェイムス・ナカシマとの対戦が合意していた青木の1月1日の練習をABEMA TVのTHE WONDERが追った。

自身の価値を守り、UFCという道こそ選択しなかった青木だが、J-MMAの住民としてStrikeforceやBellatorで北米を体感し、そのトップレベルと相対してきた。

青木がONEと契約しアジアを主戦場してから、日本と北米の間にある太平洋は広くなる一方だ。そのなかでLFA王者であったナカシマは北米MMAが体感できる実力者だ。

ナカシマの欠点の少ないレスリング主体のグラップリングに対し、青木はどのような想いでいたのか。

<青木真也インタビューPart.01はコチラから>


『コントロールして、ギロチンを引っかける。そういう意味での真っ向勝負になる。面白いと思います』

──この間、それだけ好きなMMAに関して他の試合をチェックするという部分で、ONEに関しては感心が薄れていたようにも感じました。

「そうっスね。いや、視たいと思わなかった。ACAとかグラップリング、UFCは結構チェックしていました。ONEの試合は気になったモノをいくつか視たぐらい、正直をいえば。だって別に……格闘技の研究とかって言うことで見ると、UFCとACAとグラップリング、いくつかのトップレベルを見ていればコトが足りるじゃないですか。コト足りるんですよ。

Super Seriesとか視なくて、コト足りんです。だから、その世界観のなかでどう創ろうとか思わなくなると、視なくなっちゃったかな(笑)」

──いまACAとUFCという言葉が出ました。そこを見ているとコト足りると。そういう意味で、ジェイムス・ナカシマ戦は楽しみです。

「面白いですよね。そういう意味でもやりたいっていうのがありました。北米の世界観とやるのは、久しぶりです。キャリアの終盤といわれる時期に、こういう試合があるというのは有難いことですし、やりがいがありますよね」

──以前と違い日本にいては、なかなか北米文脈の選手と戦えなくなりましたし、ONEもONEの世界が成熟してきたので、こういう相手はいなかったです。

「日本にいては北米的世界観とはもう交われない。UFCみたいなモノに交われなくても、良くも悪くも内需で回るようになりましたね。ぶっちゃけ内需で回るようになると、北米的世界観をもう見なくて良いよいうのも当然、答として存在していて。

K-1のようにまさに内需、鎖国して創っていくコンテンツであった方が豊かだったり、幸せな人がいるっていう意味では正しい。

でもファイトする上で僕はずっと何だかんだといって見てきたし、技術的にも置いて行かれていない。まぁ、組み技ですけど。やっぱり僕は繋がっているというか、共通している世界観──グローバルなモノを見ていきたいし、やっているつもりです。北米から背を向けた人のように見られていますけど、やっていますからね」

──青木選手がよく話すように、ONEの面白さは確実に存在している。そのONEにUFCから戦場を移してきたビッグネームではなくて、LFAからONEで戦うようになったナカシマのリアルな北米MMA観が楽しみであり、怖いです。

「頑張るしかない。やるしかないです。北米の世界観って簡単にいうとUFCに入るか、入らないか。ナカシマはUFCで戦う実力を持っている。その選手に勝てるか、勝てないか。昔はランカークラスの選手とやって、『どうだ!』と言える時代もあったけど、まぁまぁ年もとって皆が上がってきた。そのなかで、今ココとやったらどうなるんだっていうのは持っているから、それは興味深い試合です」

──技術的に見れば、ジェイムス・ナカシマの北米的な技術はONEの選手とどういう部分が違いますか。

「信頼がありますよね。LFAのチャンピオンで、勝っているわけだから。ポイントメイクが上手い。コントロールして、ギロチンを引っかける。そういう意味での真っ向勝負になる。面白いと思います」

──グラップリングの真っ向勝負って、なかなかなかったですね。

「なり得なかったですよね、試合では。グラップリングでファイトしてきたヤツいないもん。

55戦やってきて、相手から組んできたのはStrikeforceでやったライル・ビアホームだけです。アイツが組んできたのを受けて、返して取ったんですけど。アイツ以外、誰一人組んでこなかったです。

でもアイツってキマっているヤツで。捕まっていたヤツですからね。だから2パーセント以下の確率なんです。シャオリンですら、スタンド勝負になったし」

──北米流を消化しているといえばクリスチャン・リーがいました。

「はいはいはい。クリスチャンは派手で見栄えが良い。でもナカシマは平均点が高くて、取りこぼしがない。だから面白みがないかもしれないけど、遣り甲斐がある。クリスチャンは試合が跳ねる──加点してくるから。

でもナカシマと僕は失点の少ない試合。1-0、2-1という試合になると思います」

──そのなかで気を付けないといけない攻撃は?

「ないです。それは誰とやってもなくて。自分自身が良いコンディションで戦って、ちゃんとできれば大丈夫だと思います。勝負ってみずもの、勝つときも負ける時もある。とにかく100パーセントの過程を創って、納得して悔いのないモノを残したいです。

勝敗はその次の段階の話ですよね。日々の良い取り組み、そしてメンタル、良い体、技術。話はまずそれからです。やることやって、『これ以上ない。あとは運に任せる』っていうところまで持って行けるように頑張りたいですよね」

──マルセロチンとか怖くないですか。

「ガッツだと思います。そこは……気持ち。気圧す。どこの局面でもゲームじゃないから、最後はそこだと思います。ファイトです。最後はファイト。最後はファイトだよ、武道じゃない(笑)」

──アハハハハ。

■ONE Unbreakable視聴方法(予定)
1月22日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable対戦カード

<キックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
[挑戦者] カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
ジェイムス・ナカシマ(米国)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチチッチ(セルビア)
パトリック・シミッド(スイス)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ザキムラッド・アブデュラエフ (ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
モン・ボー(中国)
サマラ・サントス(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
川原波輝(日本)

■ONE Unbreakable II視聴方法(予定)
1月29日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable II対戦カード

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
アブドゥルバシール・ヴァガボフ(ロシア)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
ウマウ・ケニ(セネガル)

■ONE Unbreakable III視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable III対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

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Interview ONE ONE Unbreakable ONE116 ブログ リト・アディワン 川原波輝 石原夜叉坊

【ONE116】アディワン戦へ、川原波輝─02─「ステップを踏んで、動き続ける。ヨガと水泳で養ってきた」

【写真】取材の途中から同席していた──31日に祖根寿麻戦が決まっている石原夜叉坊と(C)MMAPLANET

22日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE116「Unbreakable」でリト・アディワンと対戦する川原波輝インタビュー後編。

スクランブル発進、それができる練習への取り組み方。そして、その練習の選択肢の多さが川原の最大の特徴だ。開かれた目と心が、彼を特別な存在にしようとしている。

<川原波輝インタビューPart.01はコチラから>


──股関節が柔軟になったことで、寝技で下になった時や壁に詰められた時の足の動きが違っていると感じることがあります。

「それに股関節が柔らかいと、パウンドも打ちやすいですよ。ガードの中でも良い姿勢で打てます」

──ところで2日間の東京滞在、体を動かすことはできましたか。

「あまりできていないですけど、水泳とランはしました。打ち込みがしたかったんですけど、それは大阪に戻って明日、モンキー(柴田モンキー有哉)とやります」

──えっ、明日の便ですよね? シンガポールへ向かうのは。

「ハイ。夜なんで午前中に大阪に戻って、モンキーと打ち込みをしてから向かいます。ホント、やってくることはワンパターンなんで対策練習をしておきます」

──対策、打ち込み、シンガポールに行ってもセコンドと肌を合わせることができる時間は非常に限られているかと思います。

「2日間隔離があるので、打ち込みはそのあとですね。アハハハ、チャレンジです」

──だからこそ、この間培ったところが重要になるかと。

「そうですね」

──では、8月の試合以降で何を培ってきましたか。

「とにかく自分のMMAは、足を動かして攻撃することなので動けなかったから話にならないです。ステップを踏んで、動き続けることができればどうにかなります。それをヨガと水泳で、養ってきました」

──またここでも水泳ですか!! つまり水泳でスタミナを養ってきたということでしょうか。

「ハイ。それとインターバルで呼吸を整えることを水泳でやってきました。というのもアルファメールで、プールでのMMAファイターメニューっていうのがあって」

──!!

「それを持ち帰ってきて、夜叉坊と一緒にやってきたんです」

──夜叉坊選手がしんどい練習を一緒に続けているのですか。

「いや、やっていますよ。水泳は好きなんじゃないでしょうか」

(実はインタビューの途中から、取材場所にやってきていた)石原夜叉坊「好きではない。やってはいるけど(笑)」

──ついに話に入ってきましたね(笑)。でも夜叉坊選手にイニチアチブを握られると、川原波輝インタビューにならないので……。

夜叉坊「でも水泳の練習、イイっすよ。だから、また見に来た方がエェですよ。めっちゃエェ画も撮れるし」

──是非、お願いします、しかし、MMAファイター用のプールトレーニングまで存在しているのですね。

「僕思うんですけど、バレーボールでもバスケットボールでもMMAに生きると思うんですよ。バレーボールやバスケットにしかない動きで、打ち方とかジャンプとか。得られるモノはどこからでもあるはずです」

──素晴らしいオープンマインドですね。MMAのためにヨガをする選手も、ほぼほぼ日本にはいないでしょうし。MMAを強くなるためのふり幅が大きいです。

「やっぱり選手によって、その選手独特の動きがあるじゃないですか。それが柔道やレスリングだけでなく、バスケットボールでもあると思うんです。バスケットボールのステップとか、ジャンプ。サッカーやったら蹴りが強いんちゃうん?って。MMAは全ての競技から学べるものがあるやろうし、むしろスポーツ以外の日常生活での会話からでも、MMAに必要な心技体の心の部分を補えると僕は思っています。

技と体はスポーツから。どんなスポーツからでも学べるモノはあります。そのなかで自分が好きになったのは水泳であるということだけで。ヨガもやっていて強くなれるから、続けています。ホント、バスケで何か感じることがあったらバスケもやりますよ」

──ではぜひカポエイラを。以前、金沢に拠点があるGuetoカポエイラで子供たちの練習を見せてもらったのですが、あの動きを子供の頃からしていると、その後はどんな運動にも生きると思いました。格闘技でも体操でも、ダンスでも。

夜叉坊「カポエイラ良いっスね。ちょうど今日、カポイエラの話をしていたんですよ。馬込にカポエイラのジムがあって。カポエイラあるやん? これえぇんちゃうんって2人で話していて。カポエイラは路上でいきなり回りだしたり、アレ凄いですよね」

──カポエイラこそ、ブラジルですよね。自分にとってブラジルとは柔術ではなくて、カポエイラなんです。上層階級でないところに存在してきたので。いや、夜叉坊選手のペースに巻き込まれてかポイエラに話題が移りそうだったので、話を戻します。今回の対戦相手、リト・アディワンは本当に強いです。ただし、川原選手はここから先を見ているはずです。

「勿論です。そしてリト・アディワンは内藤のび太や猿田とやるより嫌な相手やと思っています。ソイツが一発目で来るというのは、運命やと思うので。思い切りやるだけです」

──リト、ボカン・マスンヤネ。フィジカル・モンスターのなかで、日本人がどう戦っていくのか。川原波輝が何を魅せてくれるのか。相当に楽しみです。

「対応力ですよね。ホンマに対応力やと思っています。同じ動きをすることはないですね。それやったらハメられることがあるんで。UFCを見ていて分かったことなんですけど、強い選手は毎試合スタイルが変わります。

ただヌルマゴメドフとかっていう領域は分からないですけど。でものレベルでも変えているところは変えていると思います。コイツにはこういう動き、そういう風に対応していくことやと」

──ONEで戦うなら、海外の選手という日本人選手の意見は理解できますか。

「やはり違う国のチャンピオンのヤツをブッ飛ばしたいですね。でも、そこにいくまでに日本人対決が必要ならやりますよ。ただただ全く負ける気がしないんで。

日本人対決には自信しかないですね。どこで負けるのって。日本人の方が考え方が分かるから攻略できるのかな。外国人の方が何を考えているか、分からないですしね」

──言語、文法が違うと思考って変わりますよね。

「ひたすら組んでくるっ相手より、ワンパンがある方が怖いですからね。でも、凄いヤツいっぱいおるから。ホンマに半端ないヤツいっぱいおるんで。そう考えたら、そこまで……アディワンやったら打ち合える。

同じ階級やったら、行けるんちゃう? ラグビーもやってきたし、同じ階級っていうのはホンマに有難いです」

──では、最後に22日のアディワン戦で『ここを見てほしい』という一言をファンにお願いします。

「ここを見てほしい……? そうですね、海外でもフィニッシュできるところ。誰が来ても、コイツを倒すんやって……とにかくフィニッシュ力を見てほしいです。何でも決めることができるので」

■ONE Unbreakable視聴方法(予定)
1月22日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable対戦カード

<キックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
[挑戦者] カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
ジェイムス・ナカシマ(米国)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチチッチ(セルビア)
パトリック・シミッド(スイス)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ザキムラッド・アブデュラエフ (ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
モン・ボー(中国)
サマラ・サントス(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
川原波輝(日本)

■ONE Unbreakable II視聴方法(予定)
1月29日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable II対戦カード

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
アブドゥルバシール・ヴァガボフ(ロシア)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
ウマウ・ケニ(セネガル)

■ONE Unbreakable III視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable III対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

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Interview ONE ONE Unbreakable ONE116 ブログ リト・アディワン 川原波輝

【ONE116】「思考も自信も100 パーセントの状態にある」リト・アディワン、川原波輝戦へ─02─

【写真】心身ともに絶好調──かつ、川原波輝を認めてケージへ。やはりリト・アディワンは怖い(C)MMAPLANET

22日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE116「Unbreakable」で、川原波輝と対戦するリト・アディワン・インタビュー後編。

試合の9日前に出場の意志を示し、全ての準備が整った1週間前にアディワンが川原と戦うことを知った。

「試合がなくなるより、良い」と断言してしまう強心臓、シンガポール入りしてからの彼は箕輪ひろば戦で犯したミスを消化し、自信に満ち溢れた状態で試合開始の刻を待つ。

<リト・アディワン インタビューPart.01はコチラから>


──箕輪戦の敗戦から、何を学ぶことができましたか。

「色々と学ぶことができた。だからこそ、今回の試合に関してはしっかりと準備をしてきたんだ。あの試合で一番の間違いは、ヒロバ・ミノワの力を軽視していたことだ。油断があった。試合ができる状態を作っていなかった。

ただ試合場で相手を破壊する。それしか考えていなくて、しっかりと仕上げる時間がないことに気付いた時は手遅れだったんだ。それこそが僕が犯した間違いさ」

──調整不足はCOVID19の影響がありましたか。

「確かにコロナウィルスは一つの原因だよ。調整期間はチーム・ラカイのあるラ・トリニダードの街に、僕が住んでいるバギオから入るには書類の提出が必要で、ジムで練習することができなかったんだ。

ミノワとの試合はケージのなかではなく、準備段階に敗因がある。それに加えて減量の失敗があったからね。減量の方が影響は大きかったかな」

──10月30日に試合をしたチーム・ラカイのメンバーは、ジェヘ(ユースタキオ)こそ勝利したもののエドゥアルド・フォラヤン、ケビン・ベリンゴンと明らかに動きが重く、ラカイ勢は調整不足だという風に見えました。

「そうだよね。皆、調子は悪かったよ」

──あのショーのあと、今回の試合に向けて練習状況は改善されましたか。

「もちろん。改善が必要だった。ジムで練習ができないなら、山に登って練習してきた。だから今回の試合に関してはずっと良い準備ができているよ」

──ところで10月末に敗れ、2021年最初のショーで試合機会が与えられると思っていましたか。

「う~ん……そうだね、前回の試合はスプリットで負けた。そして、少しジャッジの裁定に関して色々な意見も出ていた。だからリベンジの機会がないかとは期待していたよ。それが無理なら、他の相手でも良いから試合がしたいってね」

──ところでZoomの画面からも肌艶が良いですね。減量も順調ですか。

「絶対的に前回より上手くいっているよ。あの時は練習のことだけを考えて、体重のことを忘れてしまっていた。今回は練習も体調も両方を考えてきたからね」

──計量前にホテルから配られる食事で、大丈夫ですか。

「実はシンガポールに住んでいるフィリピン人の友人が、食事を用意して届けてくれているんだ。今日もほら、野菜とチキンのスープを届けてくれた。こうやって問題なく、食事は摂ることができているよ」

──それは最高ですね。対戦相手が変わったとはいえ良い準備ができたことで、今回の試合はどれほどの自信を持っていますか。

「ナミキ・カワハラのことは本当に尊敬しているよ。彼のファイティングスピリットには感服するしかない。日本の選手は常にそうだ。タフで勝利を目指し、心が折れない。

ナミキはしっかりと戦える状態にあるだろう。そして彼を倒すためにラカイでは、ちゃんとシナリオを揃えてくれた。最高のゲームプランが用意されているんだ。ナミキがいくら素晴らしい選手でも、僕は思考も自信も100 パーセントの状態にある。この試合に勝って、再びランキング入りする。勝つためにベストを尽くすよ」

──では最後に川原選手に一言、お願いします。

「ナミキ、金曜日は良い試合をしよう。幸運を、そして神の御加護があらんことを」

■ONE Unbreakable視聴方法(予定)
1月22日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable対戦カード

<キックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
[挑戦者] カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
ジェイムス・ナカシマ(米国)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチチッチ(セルビア)
パトリック・シミッド(スイス)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ザキムラッド・アブデュラエフ (ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
モン・ボー(中国)
サマラ・サントス(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
川原波輝(日本)

■ONE Unbreakable II視聴方法(予定)
1月29日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable II対戦カード

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
アブドゥルバシール・ヴァガボフ(ロシア)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
ウマウ・ケニ(セネガル)

■ONE Unbreakable III視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable III対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

The post 【ONE116】「思考も自信も100 パーセントの状態にある」リト・アディワン、川原波輝戦へ─02─ first appeared on MMAPLANET.

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【ONE116】青木真也─01─ジェイムス・ナカシマ戦までの日々「格闘技ってことだけを日々考えていく」

【写真】青木にとっては1月1日の練習は、金曜日の練習に過ぎなかった (C)MMAPLANET

22日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE116「Unbreakable」でジェイムス・ナカシマと対戦する青木真也をABEMA TVのTHE WONDERが元旦から追った。

2021年1月1日、午後1時から大道塾吉祥寺支部で飯村健一氏とミット打ちを行い、2時半からはロータス世田谷で北岡悟、八隅孝平、松本光史らとグラップリングのスパーリングを行った。

MMAを戦い、練習する。その日々を送ることが、格闘家としての幸せだという青木に10月のONE活動再開から、ジェイムス・ナカシマ戦が決まるまでの日々、そしてこの強豪との対戦について尋ねた。


──1月1日、1年の始まりということで青木選手の二部練習を追わせてもらいました。

「まぁ金曜日ですね(笑)。金曜日。今年、暦が良くて。元日が金曜日で2、3日が土日なんですよ。ここからがキックオフじゃないですか。スケジュールが創りやすかったですね」

────大道塾吉祥寺支部からロータス世田谷とルーティで練習すると。

「本当は逆なんですけど、ロータスから飯村さんのところだけど。今日は午後1時に飯村さんにお願いして、ホント申し訳ない感じです。飯村さんには本当に助けてもらっています。1カ月前に試合があるかもしれないって話をしたときに、『あぁOK。元日も。正月の間に1回、2回練習するの付き合うよ』って言ってくれて。

ロータスもそうだし、試合をするとなると助けてくれる人もいてくれて、助かっています」

──つまりは正月云々ではなく、日常が続いているということですか。

「そうですね。結局、この仕事をフリーでやっていると仕事納めっていう文脈がないんだなって思います。12月27日に一応、DDTのプロレスが終わった時に仕事納めだと思って『今年もありがとうございました』みたいのをずっとしたんだけど、全然終わってねぇよ。どんどん湧き出てい来るよ──みたいな(笑)。湧き出てくるのが、自分の名前でやっているフリーという仕事だと思うので。

そういう意味では日常というか、ずっと続いて切れ目がなく仕事が出てくる。それを仕事納めで納めることができちゃうなら、やっぱ負けますよね。格闘技でも他のことでも。で、湧き出てきて納められないモノがドンドンあるなら、負けねぇよってなるのかもしれないですね。

まぁフリーと会社員っていう区分ではなくて、自分達で創っていく人はどんどんどんどん納められず、湧き上がってきます」

──ようやくジェイムス・ナカシマ戦が正式決定したのですが、試合が決まると練習は変わってきますか。

「試合が決まる、決らないで単純に変わってきますね。それだけでなく、コロナ禍といわれる状態がもうすぐ1年になるじゃないですか。そのなかで今までって試合に向けて怖いモノに向かって立ち向かう、勇気を出して戦うというメッセージ性を持っていたと思うんですけど、自分自身の感じ方もこのコロナ禍で試合をするということで少し違ってきますね。

潤いみたいな、自分の練習、自分の好きなことをして試合をする場がある──幸せというか(笑)。幸福なことだ、みたいな感じかなって。『皆さん、スミマセン。一足先に楽しんできます』みたいな感じじゃないかなって」

──ただし、4月と9月にRoad to ONEに出場してONE再開を盛り上げようとしてきた。ただし2カ月もの間、お呼びが掛からなかったです。

「お呼びが掛かんなかったですね。なんだろう……でも、その間に試合をした方々いますけど、消費されていっただけじゃないですか。

言い方悪いけど、じゃあ誰が試合をしたかって覚えていないし(笑)。まぁ、皆、消費されてYouTubeの一つになっていったような話に近いと思います。僕は」

──10月30日のライブ枠に出られた選手だけでしょうか。消費されただけでないのは。

「それすらも焚けたかといえば、焚けずにただ唐突に試合がある。なんかソレに僕自身は、アレのなかで試合ができるからラッキーと思えるほど強くはないです。大量消費、どんどん使い捨てていく。それが豊かな社会かもしれないけど、それに耐えられるほど僕は強くはなかったな」

──その一方で試合がないことにイライラは隠せなかったと思います。

「イライラはします。でも仕方ないでしょ。真面目にあんまり期待していなかったかもしれないです」

──それはいつ頃からですか。

「やっぱり10月の試合に入らなかった時点からで。9月が終わってポンポンと10月にやるつもりだったけど、入らなかった時点で『あぁ、そういうことね。分かった、分かった』みたいに。だから僕、忠義心みたいなモノ今はないですよ。申し訳ないけど、ない。

青木真也が創るモノ。青木真也の物語、自分と関係性のあるなかで一生懸命やっていきたい。自分に与えられた物語にフォーカスしてやっていきたいけど、前のように盛り上げていこうぜ──みたいな、団体を盛り上げていこうというのはないな」

──ファンを巻き込むとう部分では?

「ファンを巻き込むよりも、そこは違った話になるんですけど……今って、数だと思うんです。朝倉未来さんだと一番分かりやすいんですけど、フォロワー数。数で語るわけです。でも、数で語ることじゃない。要はPV数に近いかな。PV数でなくて、合致した客と単価を取りたい」

──ファイター、戦う人間に特化して質問をさせてもらいますが、この取材をしている時点でファイトアグリーメントは存在しても正式発表もない。オファーを了承してから、ファイトアグリーメントが届くまでも時間が掛った。この間の想いというのは?

「ストレスですね。なんか人も減って、体制も変わって以前ほど上手くいってない。ギクシャクした感じはありました。でも、そういうものですよ。途中で試合がなくなることも、あるだろうって思っていたので。

なら1年ぐらい試合がなくても、違うことをやっていきましょうかっていうぐらいのテンションではありましたけどね。でもなんか、もう好きじゃないですか。格闘技が好きで毎日やっている。

色々な人がいて。家族と幸せに生きることが目標の人がいる。お金を稼ぐことが目的の人もいる。そこでいうと僕はファイターとして生きる、レスラーとして生きる。ファイターなのか、レスラーなのか、プロ格闘家なのか。

カール・ゴッチ的なレスラーっていうところでいうと、ファイトして生きていく。この練習していく日々、格闘技ってことだけを日々考えていくことが目的と化しているから。いつの間にやら。

それが目的だから。昔、ジェイク・シールズが『1000ドル、2000ドルになっても試合をしていく』って言っていたように──そうするだろうし、極論を言うと。とにかく、ひたすらこの日々を。良い日々を過ごしたいなと」

<この項、続く>

■ONE Unbreakable視聴方法(予定)
1月22日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable対戦カード

<キックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
[挑戦者] カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
ジェイムス・ナカシマ(米国)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチチッチ(セルビア)
パトリック・シミッド(スイス)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ザキムラッド・アブデュラエフ (ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
モン・ボー(中国)
サマラ・サントス(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
川原波輝(日本)

■ONE Unbreakable II視聴方法(予定)
1月29日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable II対戦カード

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
アブドゥルバシール・ヴァガボフ(ロシア)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
ウマウ・ケニ(セネガル)

■ONE Unbreakable III視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable III対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

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Interview ONE ONE Unbreakable ONE116 ジェイムス・ナカシマ ブログ 青木真也

【ONE116】青木真也と対戦、ジェイムス・ナカシマ─02─「フィジカルではなく、テクニックとメンタル」

【写真】岡見をコントロールし、ヒジを落とすナカシマ──青木はいかに戦うのか(C)KEISUKE TAKAZAWA

22日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE116「Unbreakable」で青木真也と対戦するジェイムス・ナカシマ・インタビュー後編。

青木と違うタイプのグラップラーだというナカシマは、自らの武器を我慢強さだと言い切った。冷静に口数も少なく、自らの強味を語るナカシマ──今更ながら岡見勇信に勝利しているファイターの言葉だと思うと、空恐ろしくなってきた。

<ジェイムス・ナカシマ インタビューPart.01はコチラから>


──我慢強く戦う。まさにジェイムスの真骨頂ですね。

「アオキとの試合だけでなく、どの試合でも言える事だよ。根気強さ、我慢してポジションを取り、圧力を掛ける。心の強さと、動き続けることが僕の最大の強みだからね。そこを崩さずに戦えた試合は、大体良い結果になる。ポジション取りをしっかりして、プレッシャーをかける。自分のペースを崩さず動ければ大丈夫だろう」

──青木戦で自身のアドバンテージはどこになると思いますか。

「アドバンテージ……、今言ったように一つは心の強さ。そして、動き続けることと相手へのプレッシャーだね。アオキとの試合に関しては、ストライキングもアドバンテージになるだろう。

僕はウェルラウンダーなファイターだ。そしてアメリカン・レスラーであり、柔術も真剣に練習している。グラップリングのポジション取りにも自信があるよ。ただ、アドバンテージと言っても何か一つということではなく、それらの要素が合わせ重なっているモノだし。どこが優位になるかは、実際に試合にならないと分からないね」

──ただし、忍耐強さが武器であることは間違いないです。多くの人がガムシャラに打ち合えることが男らしいという風に見ますが、精根尽きるまでレスリング・コントロールを続けることができるのも、男の中の男だと思います。

「そうだね……100ポーセント同意させてもらうよ」

──つまりジェイムスは自分の冷静さと忍耐強さ、そしてファイティング・スピリットを信じているわけですね。

「もちろん 冷静である事といかなる時もリラックスする事は……そういう精神状態でいられることはファイトだけでなく、生きる上でも最も重要だと考えている。集中力を高める時でも、回復する時でも、冷静にリラックスしている事が何よりも大切だよ」

──前回の試合でも冷静さを失わずに戦っていたかと思いますが、残念ながらキャリア初黒星を喫しました。あの初黒星から何を学びましたか。

「初めての敗北は精神的に厳しかった。僕自身は、試合をコントロールできていたと思っている。もちろん、ヒザを当てられるなどいくつかのミスをしたことも理解しているよ。どれほど強いファイターでもミスは犯す。あの試合では僕はミスをして、そこを衝かれて初黒星を喫した

でもあの敗北を乗り越えるのに、長い時間は掛からなかった。以前より強くなっている自覚もある。これまで自分の積み重ねてきたことを見直す機会にもなった。それは試合をするという点だけでなく、これから生きていくうえでもね。今はとても良い感じだよ」

──青木選手は一方的に試合を支配する選手で、勝ち方も一方的かつ圧倒的です。そこが崩れた場合、逆転されアップダウンのある試合が実は少ないです。ジリジリとした勢力争いの凌ぎ合いはしてきましたが。

「その見解は興味深いね。アオキの試合をたくさん見たけど言う通りだ。試合の流れが変わると、そのまま押し切られる試合があったね。申し訳ないね、アオキが本当にそういうタイプなら僕との試合はきっとタフになるよ。

僕と戦うなら少しは忍耐力も見せてもらわないとね。アバソフ戦でもそうだけど、僕は粘り強い戦いをする。忍耐強さ 冷静さ 心の強さは、上のレベルでチャンピオンになるには欠かせない要素だよ」

──なのでポジション争い、スクランブルで青木選手も真価が問われる試合になるかと思います。そんなせめぎ合いになった時の自信のほどは?

「110パーセントの自信がある。それは相手が誰だとかは関係ないんだ。アオキが本物だということは分かっているし、準備もできている」

──青木選手との戦いで、技術的に最も重要視する点はどこですか。

「テイクダウン・ディフェンス……かな。シングルもそうだし、ボディロック・テイクダウンのディフェンスが重要だ。ユーシン・オカミとの試合に似ているね。

アオキはしっかりと両ワキを差して、ガッチリとクラッチを組んでくるだろうし。そこから右だろうが、左だろうが、両方の足を払ってくる。

このテイクダウンに対する防御、それ以前にクリンチされないコト。この2つが今回の試合のディフェンス面で最重要視される」

──ウェルター級から落としてくることで、フィジカル的には有利だと思いますか。

「どうだろう? 僕のフィジカルが優れているのかは分からない。ただライト級では体力はある方だし、少しはフィジカルも上だろうけど……でも、この試合で大切なのはフィジカルではなく、テクニックとメンタルだよ。そうだね、スマートさも重要になるだろ」

──スクランブルとグラップリング・バトルを楽しみにしている日本のファンも多くいます。彼らにどのような試合を見せたいですか。

「圧倒したい。今もアバゾフとのタイトルマッチでの負けが、納得できていないんだ。でも完全復活して、より強い自分になっている。アオキとの試合では僕のグラップリングの強さを見せたい。そしてコンプリートファイターであるところもね。

僕はグラウンドでもスタンドでも戦える。そのことをライト級でもアピールしたい」

──この試合に勝ってタイトルマッチ、すなわちクリスチャン・リーとの試合に一歩近づきたいと?

「クリスチャン・リーが大好きなんだ。是非対戦したいと思っているよ」

──では最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

「応援ありがとう。アオキとの試合を楽しんでもらえたら嬉しい。全力で戦うよ」

■ONE Unbreakable視聴方法(予定)
1月22日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable対戦カード

<キックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
[挑戦者] カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
ジェイムス・ナカシマ(米国)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチチッチ(セルビア)
パトリック・シミッド(スイス)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ザキムラッド・アブデュラエフ (ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
モン・ボー(中国)
サマラ・サントス(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
川原波輝(日本)

■ONE Unbreakable II視聴方法(予定)
1月29日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable II対戦カード

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
アブドゥルバシール・ヴァガボフ(ロシア)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
ウマウ・ケニ(セネガル)

■ONE Unbreakable III視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable III対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

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Interview ONE ONE Unbreakable ONE116 ブログ リト・アディワン 川原波輝

【ONE116】川原波輝を迎え撃つ、リト・アディワン─01─「殴り合いたいなら受けて立つよ。レッツゴー」

【写真】当然のように自信満々で川原波輝との一戦を迎えるリト・アディワン(C)MMAPLANET

22日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE116「Unbreakable」で、川原波輝と急遽戦うことが決まったリト・アディワン。

中国のハシガトゥと対戦予定だったが、都市封鎖でシンガポール入りが叶わなくなったため、9日前に川原が出場を決め、アディワンがその事実を知ったのはシンガポール入りした試合の1週間前だった。

「試合がなくなるより、対戦相手が代わるほうがずっと良い(笑)」。10月の箕輪ひろば戦で判定負けを喫したアディワンは、その敗北を糧に対戦相手が急遽変更されようが、まるで動揺が見られないほど心身ともに絶好調だ。


──急なインタビューの依頼に応えてもらってありがとうございます。

「こちらこそありがとう」

──調子はどうですか。

「グッド!!(笑)」

──シンガポールでの隔離期間は?

「今回の隔離措置は凄く短かったんだ。PCRの検査が出るまでだったから。でも部屋に1人で誰も入ることができない状態が続いているし、隔離措置のようなモノだよ(笑)」

──ところで対戦相手が代わりました。川原選手は試合の9日前にリトとの対戦を受けました。いつ川原選手と戦うことになると知ったのですか。

「シンガポールに到着した15日(金・同)だったと思う。僕の記憶が間違っていなければ、試合の1週間前だよ」

──その話を聞いた時、どのような気持ちになりましたか。

「僕にとっては大した問題じゃない。しっかりと練習はしてきていたし、最低限対戦相手がいるってことだからね(笑)。試合がなくなるより、対戦相手がいる方が良いからね」

──では川原選手のことを研究する時間はありましたか。

「彼と戦うことを聞かされた直後にプロフィールをチェックして、スタイルを調べたよ」

──試合映像も視ましたか。

「いくつかね」

──では川原選手の印象を教えてください。

「ナミキは良い選手だ。ウェルラウンダーでエキサイティングな選手だよ」

──彼は立ち技に自信を持っています。インタビューでも『殴り合う』と宣言していました。

「ワクワクするねぇ(笑)。やろうぜ!! アハハハハ」

──望むところですか。

「向うがそう思っているならね。僕の方がナミキよりウェルラウンダーだけど、殴り合いたいなら受けて立つよ。レッツゴー(笑)。凄く楽しみだ」

──自分の方がウェルラウンダーでも、殴り合いたいものなのでしょうか。

「ストライカーと向き合う日を楽しみにしてきたんだ。これまでの相手はウェルラウダーとはいえ、サブミッション・ファイターやレスラーが多かったから。

僕のバックグランドは打撃だ。だから純粋な打撃戦を戦いたい。彼がそれを望むならね。なにより良い試合にしたいね。それが僕の望みだ」

──しかし、MMAはMMAです。組みや寝技の展開になることは十分にあり得ます。殴り合うといって、テイクダウンを決める選手は山ほどいました。

「もしナミキが寝技を仕掛けてくるなら……寝技は僕の方が上手いし、強い。寝技で戦いたいと彼が思うようなら、それは大きな間違いだよ。僕は過去の経験をいかし、課題を克服してきたからね。

寝技でも立ち技でも問題ない。だから、今回の試合のオファーを受けたんだ。どっちでも戦える。だから、とやかく言っていないでガンガンやり合おう(笑)」

──なるほど。ところで前回の試合ですが、圧倒的有利とみられていた箕輪ひろば選手との試合で判定負けを喫しました。

「あの試合は……準備段階を多くの失敗をしてしまった。特に減量でね。体重の調整を失敗したせいで、試合では力を出すことができなかった。まるでエネルギーがなかったし、全く体が想うように動かなくて焦ってしまった。自分がやろうと思っていたことは何一つできなかったんだよ。自分の状態の悪さにただ驚くばかりだった」

──それでも2度に渡りキムラで肩を破壊しかけました。あの局面で取り切れず、試合の流れも箕輪選手のモノになっていきました。

「逃げられたこと自体が、僕のミスだよ。最初の仕掛けは、かなりタイトに極まっていた。で、あの時に『折りたくない。タップを待とう』って思ってしまったんだ。そうしたらエスケープされ、僕はポジションを失った」

<この項、続く>

■ONE Unbreakable視聴方法(予定)
1月22日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable対戦カード

<キックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
[挑戦者] カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
ジェイムス・ナカシマ(米国)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチチッチ(セルビア)
パトリック・シミッド(スイス)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ザキムラッド・アブデュラエフ (ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
モン・ボー(中国)
サマラ・サントス(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
川原波輝(日本)

■ONE Unbreakable II視聴方法(予定)
1月29日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable II対戦カード

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
アブドゥルバシール・ヴァガボフ(ロシア)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
ウマウ・ケニ(セネガル)

■ONE Unbreakable III視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable III対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

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Interview ONE ONE Unbreakable ONE116 ジェイムス・ナカシマ ブログ 青木真也

【ONE116】「僕の組みは、コントロール・グラップリング」。青木真也と対戦、ジェイムス・ナカシマ─01─

【写真】常に穏やかなナカシマだが、タトゥーにアメリカン・レスラーの矜持が感じられる (C)ONE

22日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE116「Unbreakable」で青木真也と対戦するジェイムス・ナカシマ。

10月30日にキャムラン・アバソフの持つONE世界ウェルター級王者に挑戦し、TKO負けを喫した。キャリア13戦目の初黒星を経験したナカシマは、ライト級に階級を下げて青木と相対する。

両者ともグラップラー。ただし、その質は相当に違う。当事者の青木が北米MMAとの物差しとなる技量の持ち主だと認めるナカシマに青木戦への意気込みを訊いた。

Zoomで行った今回のインタビュー、画面で見られるナカシマは常に穏やな様子で、その静かな面持ちこそブレない気持ちの強さを表しているかのようだった。


──青木選手との試合を5日後に控えているジェイムスです(※インタビューは17日に行われた)。今の調子はいかがですか。

「隔離も終わったし、とても調子は良いよ。ヘルシーで、体が軽い」

──青木真也選手と戦うというビッグファイト、オファーはいつ頃だったのでしょうか。

「凄く短かったよ。5週間前のオファーだった。でも、体調には気を掛けてトップシェイプを維持していたから。新型コロナウイルスで制限されている中で、こんなにすぐに試合が決まり、アクティブに活動できることは嬉しいよ」

──もうライト級に落とすことは決めていたのでしょうか。

「以前から前回のタイトルショットの結果如何に関わらず、ライト級に落とそうと考えていたんだ」

──水抜き無しの170ポンドの試合に関しては、どのように思っていますか。

「体重を落とすことは極めて簡単だったよ。普段から176ポンドくらいだから問題はないよ」

──では青木戦が決まった時の気持ちを教えてください。

「とにかくワクワクした。タフな相手との最高のマッチアップだよ。シンヤ・アオキは最後のスペシャリストと言えるファイターだからね。

でも僕は自分のグラップリングを110パーセント信じている。この試合を乗り越えると、またすぐにタイトル争いに加わることができるだろう。凄くに意味のある試合で、とてもエキサイトしているよ。

アオキは素晴らしいサブミッション・グラップラーだ。
チョークやアームバーでフィニッシュできる、とても危険な相手だよ。絶対にいつもより、サブミッション・グラップリングに関して警戒が必要になる。

ただし、彼はサブミッション・グラップリングの専門家だから、必ず組技勝負を仕掛けてくる。打撃戦になることはないだろう。でも、僕は自分のグラップリングを信頼している。そして自分が想う完全な状態で戦えば良いと思っている。最高の試合になるよ」

──この試合はグラップリングの高度が攻防が期待されますが、打撃の重要度に関してはどのように捉えていますか。

「大切になってくるよ。青木を相手に離れてプレッシャーを掛けることは難しいとは思うけど……組みに専念している相手に打撃を当てることはね。でもテイクダウンやクリンチが来ることを常に頭に入れておけば、立ち技の展開も少しは戦いやすくなるはずだよ。

そうだね、僕が打撃で攻勢に出るような展開になれば、自分のペースで戦いやすくなる。そこが、この試合の鍵になるだろう」

──2人とも素晴らしいグラップラーですが、スタイルは違います。青木選手のグラップリングとジェイムスのグラップリングの違いはどこにあるでしょうか。

「アオキは技が多彩だし、フィニッシュする事に関しては彼の方が上だろう。僕の組みは、コントロール・グラップリングだ。打撃を使うことも含めて、僕のグラップリングはコントロール。アオキはサブミッション・グラップリング。

自分にとって優位にポジションを取る。スタンドではスタンドでは青木に組まれない距離を取り、彼に捕まらない位置にいれば問題ないだろう」

──青木選手は若い頃は完全なサブミッション・ファイターで跳び十字や足関節という失敗すればポジションを失う仕掛けも多かったですが、今ではバックを取ってRNC、トップから肩固めと手堅い攻撃が多いです。そのために重要な彼のレスリング技術をどう思いますか。

「それこそ彼のストロング・ポイントだろうね。誰もそうだけど、特に青木みたいな相手にバックを取られたらダメだ。もし、そんな状況になっても忍耐強く、冷静に判断して離れる必要がある。本当に危ない局面だからね」

<この項、続く>

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1月22日(金・日本時間)
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[王者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
[挑戦者] カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
ジェイムス・ナカシマ(米国)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチチッチ(セルビア)
パトリック・シミッド(スイス)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ザキムラッド・アブデュラエフ (ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
モン・ボー(中国)
サマラ・サントス(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
川原波輝(日本)

■ONE Unbreakable II視聴方法(予定)
1月29日(金・日本時間)
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<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
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アラン・ンガラニ(香港)
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2月5日(金・日本時間)
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■ONE Unbreakable III対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
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Interview ONE ONE Unbreakable ONE116 ブログ リト・アディワン 川原波輝

【ONE116】アディワン戦にスクランブル発進、川原波輝─01─「打ち合ってくる奴が日本にいなかった」

【写真】カンフーではない。ブドコン(武道魂)だ (C)MMAPLANET

22日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE116「Unbreakable」。同大会にDEEPストロー級チャンピオン川原波輝が9日前に出場を決め、リト・アディワンと対戦することを決めた。

試合決定から離日まで4日間、東京で2泊をしてメディカルやペーパーワークを済ませる必要があった。そんな多忙な川原がインタビューを試みた。アディワン戦=ONE初陣は、川原にとって世界進出への一歩であり、これまでやってきたことの集大成──全てを見せる場でもある。


──水曜日(13日)に来週22日にONEでリト・アディワンと戦うことに合意し、翌朝に東京に来てメディカルやPCR検査、そして共同会見と怒涛の2日間だったと思います。選手として弱気な言葉は吐きたくはないでしょうが、実際にこのドタバタを経験していかがですか。

「あんまりそういうことは言いたくないし、だから一言で済ませます。キツイっすね(笑)。でもMMAファイターだし、試練ですよね。戦うことを含めて全て自分がこなすこと。9日しかなくても、如何に対応するか。自分が試されていると思っています」

──コロナ禍だからこそ、生まれたスクランブル発進ですね。国内外でこのような機会をステップアップにつなげた選手がいます。米国ではブランドン・ロイヴァルやジミー・フリック、国内では西川大和選手のケースです。

「さっきは試練って言いましたけど、試練3割、チャンス7割です。とりあえず準備はしていました。夜叉坊の追い込みにも付き合っていたし。どこかでこういう話があるとしても、このタイミングや相手がリト・アディワンとは思っていなかったです。

ただ、試合が決まっていない時にどれだけ準備できるのか。自分を追い込むことができるのかということを意識してずっとやってきたので。自分がこうやってきたから、今回の話もあったんかと思います」

──そうでないとイエスと即答はできなったでしょうしね。

「ハイ。やってないと無理だし、相手も考えたりして……でも、受けてたかな(笑)。リト・アディワンは打ち合える相手だし、打ち合いには自信があるので」

──共同取材の際も『打ち合う』という発言が目立っていましたが、正直なところ川原選手の試合で打ち合いのイメージはないです。

「あぁ、打ち合ってくる奴が日本国内にいなかったですからね。そこを世界で試せるということで意識していたのが、リト・アディワンとかジョシュア・パシオだったんです。

猿田選手とか内藤選手、箕輪がやることを考えると、試合で打ち合えないですよね。テイクダウンを狙って、寝技で削ろうとする。でも、アディワンはそういう概念はないと思うので来ると思います」

──つまり実戦では打ち合ったことがないわけで……。

「なるほど、そうですよね。皆、組みに来ていましたからね。村元戦はチョロッと打ち合いましたけど、確かに人前で打ち合いを見せたことはないかもしんないですね」

──組んでくる相手と、打ってくる相手では川原波輝の打撃は変わって来るのではないでしょうか。

「そこが本来の僕の居場所や思っています。試合で見せたことがないから捉えようがない部分はあるかもしれないですけど、僕はそこをアルファメールでやってきました。そこで意地を見せてきたつもりです。誰とやっても。

何ていうんか……負けず嫌いなんですよ(笑)。アルファメールに行くんじゃなくて、アイツらに分からせたいっていうつもりで打ち合ってきたので、アディワン戦でもそこを見せたいですね」

──ストロー級の選手はアルファメールでも、なかなかいないですよね。

「正直、MMAの練習だったらバンタム級より上のUFCファイターが相手になると厳しいです……組みあると。でも、ボクシング、パンチだけやったらUFCの選手が相手でもガンガンいけました。そこは気落ちの勝負やと思っているんで。16オンスやし、コディー(ガーブラント)とかともガンガンやってきました。

僕、あのデカいグローブでコディーに、アバラ骨を折られて、銀歯をブッ飛ばされましたからね(笑)」

──銀歯……差し歯でなくて。

「銀歯ですねぇ(笑)。残り2週間あったのに、マジだるかったです。アハハハハ」

──ボクシングでそれができる。ただし、川原波輝の打撃は拳だけではないと思っています。

「ハイ。それは考えています。もちろん」

──アディワンはラカイといっても系統が違うのですが、ラカイは基本打ち合わない。距離を取って自分だけ当てる打撃です。

「そうですよね。そのなかでアディワンは相手を追いかけ回しています。そんなに考えていないでしょうし。一発で倒すパンチを振るってくる。アッパー、右フックを4発ぐらい打ってきて組む。で首投げからアメリカーナ。やってくる形があります。相手がバックに回ってくると、キムラ。パターンがありますよね。

それを信じてアイツは戦っています。やってくることは分かっているので、そういう相手をハメる戦い方を僕はアルファメールで身につけてきたので。それがUFCという最高峰でやっている連中の技術なんです。僕はそれをやってきたから、ここでアディワンにハメることができなければ、この先は無いと思っています」

──もう一つ、フィリピン勢のフィジカルの強さ。このフィジカルというものに対して、川原選手はヨガを採り入れて他とは違うアプローチで取り組んできました。いわゆるフィジカル・ストレングスではなく、体の使い方で伍するというか。

「真正面でぶつかるとやられます。力と力の勝負になると。でも、そこでやるつもりがないからヨガをやってきたわけですし。僕は軟体。柔らかくやっていきます。どう地面を掴み、どう体を使うのかでパワーが出ると思っています。

普段から『ここで、そんな返し方するん?』って。筋量があるから出るパワーじゃなくて、体の使い方で出せる力があると僕は思っています」

<この項、続く>

■ONE Unbreakable視聴方法(予定)
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<キック・ヘビー級/3分3R>
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<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
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モン・ボー(中国)
サマラ・サントス(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
川原波輝(日本)

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アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

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【ONE116】川原波輝が9日前のスクランブル発進で、ONEデビュー決定。リト・アディワン戦へ

【写真】盟友、石原夜叉坊は31日に修斗出場。そして川原はONEデビューが決まった (C)KEISUKE TAKAZAWA

15日(金・現地時間)、ONE Championshipより22日(金・同)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE116「Unbreakable」にDEEPストロー級チャンピオン川原波輝が出場することが発表された。

今大会でリト・アディワンと対戦予定だったハシガトゥ春節(旧正月)を前にした中国共産党政府が河北省などを対象に2800万人規模の封鎖政策を取ったため国外に出ることが不可能となった。急遽、代役が必要となったONEから13日(水)にこの知らせが川原の耳に入り、僅か9日前のオファーを承諾しスクランブル発進を決めた。


昨年8月に越智晴雄をRNCで下し、伝統派空手ベースの打撃だけでなく組み技での成長を見せつけた川原。ベルトを巻いた時点でONEストロー級戦線への殴り込みをアピールし、翌月に行われたRoad to One03では猿田洋祐✖内藤のび太という修斗系ONEストロー級世界王者経験者対決をケージサイドで観戦し、静かに存在感を示していた。

とはいえ現状、ONEストロー級戦線には上記の2人以外にも仙三、箕輪ひろば、澤田龍人が在籍している。世界に広がりを見せつつあるストロー級戦線といえども6人目の日本人がロースターに加わるのは簡単ではない。川原も十分に理解しているからこそ、このスクランブル発進を受けたに違いない。

川原はメディカルチェックや書類作成のために東京を訪れ、都内で練習をしながら取材もこなし、一旦大阪に戻って明日にも離日する予定だ。

世界で戦うためにコロナ禍より、肉体改造を図ってきた川原はエアリアル・ヨガやブドコンを採り入れ──足の裏で地面を掴む感覚を掴むなど、独自の強化策を続けてきた。

打撃、組み技、寝技にしても体の使い方が変わったことで、より自身の効果的に動かせるMMAには欠かせないセルフ・コーディネイトがより進んでいる川原のサークルケイジ挑戦は非常に楽しみた。

アディワンは仙三に勝ち、箕輪ひろばの腕を折る寸前まで追い込んだチーム・ラカイの強豪──この一戦で、将来が左右されるといっても過言でない一番に川原は挑む。

MMAPLANETでは同意書がONEから届いた時点で、川原に今回のONE参戦に掛ける気持ちを訊いた。

──急遽、ONE出場が決まりました。

「来たぁ!! でも、このタイミングかって思いました。でも、ずっと準備してきたので。僕が今、ONEで戦えるとしたら誰かの代役で、急なオファーに応じること。そのために正月も休みなく調整していて……ずっと体重も60キロを超えることはなかったです。正直9日前かってのは、ありました(笑)。ただ、ここで断るヤツは多いと思うけど、僕は断るとチャンスがなくなりますからね。それにこのために練習してきたんやんって」

──アディワンが対戦相手です。

「超フィニッシャーですね。僕とタイプは同じ。えぇマッチアップやと思います。どっちかがフィニッシュする試合になるでしょうね。自分の番が来たので、やります。リト・アディワンは強いですけど、箕輪選手に負けているし。とりあえずはフィニッシュすることですね。レベルの違いを見せたいッスね」

■ONE Unbreakable視聴方法(予定)
1月22日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable対戦カード

<キックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
[挑戦者] カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
ジェイムス・ナカシマ(米国)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチチッチ(セルビア)
パトリック・シミッド(スイス)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ザキムラッド・アブデュラエフ (ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
モン・ボー(中国)
サマラ・サントス(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
川原波輝(日本)

■ONE Unbreakable II視聴方法(予定)
1月29日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable II対戦カード

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
アブドゥルバシール・ヴァガボフ(ロシア)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
ウマウ・ケニ(セネガル)

■ONE Unbreakable III視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable III対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

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【ONE Unbreakable 02】ルッ・セネガル=パンチ有り相撲のスーパースター=ログログがONEデビュー

【写真】この豪快な投げがサークルケイジに発揮されるのか。それともンガラニの蹴りに反応できないということもあるのか(C)ARES FC

12日(火・現地時間)、ONE Championshipより22日(金・同)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE116「Unbreakable」の中継枠=Dark Seriesのカードが発表され、2月5日(金・同)の放送分で佐藤将光✖ファブリシオ・アンドラジ戦と同様に、1月29日(金・同)の中継分としてヘビー級の2試合が明らかとなっている。

マウロ・チリリ✖アブドゥルバシール・ヴァガボフと同時に発表されたとアラン・ンガラニ✖ウマウ・ケニ戦、ケニのONE初陣は必見だ。


ケニはパンチ有りのレスリング=ルッ・セネガル(セネガル相撲)出身で、ログログのニックネームで親しまれている同国のスーパースターだ。そのルッ・セネガルでは殴ってくる相手を組んで投げ、耐えられたところでパンチを入れるという組み有りきパンチを披露してきた。

ログログのMMA転向は2019年12月で、いってみれば大銀杏を切り落とした横綱が第2の人生でMMAを選択するのではなく、27歳というこれからピークを迎えるチャンピオンが新たなるチャンレジに踏み出したというモノだ。

おひざ元セネガルのダカールで開催されたARES FC01でMMAデビューを果たしたログログは、キムラを取られた状態で対戦相手を持ち上げてスラムするなど豪快なファイトでTKO勝ちを収めている。

ログログは2月大会でマーカス・ブシェシャ・アルメイダのデビュー戦の相手でONE初陣を戦うという話もあったが、一足先にンガラニでサークルケイジ初陣を戦うこととなった。

対戦相手のンガラニは超マッチョなキックボクサー、スタミナとともかくスピードと爆発力があり、組み前提でない倒すことを前提として打撃にログログが如何に反応できるか。特に後ろ回し蹴りやローを見ることができるかがカギを握りそうだ。

昨年来、女子アトム級とともにヘビー級のGPの開催に伴い、重量級の人材を集めると公言していたチャトリ・シットヨートンCEOだが、ブラジリアン柔術からブシェシャ、グレコローマンレスリングからアミル・アリアックバリ、フリースタイルレスリング及びクシュティからアルジャン・ブラーに加え、セネガル相撲からログログが参戦。ヘビー級の異種格闘技MMAが展開されそうだ。

■ONE Unbreakable視聴方法(予定)
1月22日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable対戦カード

<キックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
[挑戦者] カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)

<キックボクシング世界ライト級選手権試合/3分5R>
[王者]レギン・アーセル(オランダ)
[挑戦者] ムスタファ・ハイダ(イタリア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
ジェイムス・ナカシマ(米国)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ザキムラッド・アブデュラエフ (ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
モン・ボー(中国)
サマラ・サントス(ブラジル)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
チェン・ルイ(中国)
クォン・ウォンイル(韓国)

■ONE Unbreakable II視聴方法(予定)
1月29日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable II対戦カード

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
アブドゥルバシール・ヴァガボフ(ロシア)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
ウマウ・ケニ・ログログ(セネガル)

■ONE Unbreakable III視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable III対戦カード

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

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