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45 Breakthrough Combat02 J-CAGE JJ Globo Report ブログ 城戸泰介 椿飛鳥

【Breakthrough Combat02】城戸は引き込み&足関節を極められず。椿がトップを守り8-2で大差の勝利

【写真】引き込む城戸を、プッシュして立たせない椿。これもプログレス=MMAグラップリング、パウンドを打つことを考えたポジショニングか(C)MMAPLANET

<Progress71キロ契約/5分2R>
椿飛鳥(日本)
Def.8-2
城戸泰介(日本)

やや緊張の面持ちの城戸。互いに低い体勢で構えるが、椿がテイクダウンのフェイントから城戸の首を抱える。城戸が引き込むも椿はスタンドをキープした。立ち上がった城戸が椿にケージを背負わせてから足を取りに行くが、これも椿が下がる。さらに椿がシングルレッグから引き込み内ヒールを狙うも、ここでも椿が足を抜いてスタンドに戻って2Pをゲットした。スタンドの攻防では椿が城戸をケージに押し込む。中央に戻ると、やはり城戸が引き込み、椿に2Pが追加される。

ハーフガードから椿の左腕を抱える城戸。椿は左腕を抜いてパスを狙うも、城戸が下からフックガードでディフェンスする。椿は城戸を押して背中を着かせた。城戸が椿の左足を取って内ヒール、ヒザ十字と切り替えるが椿が立ち上がった。デラヒーバで左足を離さない城戸に対し、椿が足を抜いて離れた。下がる椿の右足にシングルレッグで組んだ城戸だが、やはりボトムになって足を抱えるも椿に潰されてしまった。

最終回、ここで1Rの最後に椿に対してスクランブルの1Pが認められたことがアナウンスされる。しかし城戸が開始直後に引き込み、椿に2Pが入った。ベースをつくってパスを狙う椿のリストを押さえる城戸。椿も城戸に足を取らせず、頭を着けてパスを狙った。城戸が足を狙いに行くと、一度スタンドに戻ってからガードの中には入る。

パスできないとみたか椿がスタンドに戻ると、城戸も立ち上がってスクランブルの1Pを得る。バックに着いた城戸だが、椿が正対してくると引き込んだ。これで椿に2Pが入る。椿のプレスをZハーフで凌ぐ椿は、残り15秒で椿の左腕を取りキムラを狙うか。しかし椿が立ち上がり、飛び込んできた城戸に背中を着かせて試合を終えた。

城戸の引き込み&ヒール狙いに対し、トップをキープし続けた椿が8-2で勝利。「特に作戦は決めていませんでした。修斗のタイトルマッチがなくなってモヤモヤしていましたが、これで少し気持ちが晴れました。今日はパウンドを打てるポジションを意識したりとか、今後につながると思います。来年は修斗のタイトルマッチ、検討します」と語った。


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45 AB Breakthrough Combat02 Interview J-CAGE JJ Globo ブログ 中原由貴 安楽龍馬

【Breakthrough Combat02】中原由貴とProgressライト級王座決定戦、安楽龍馬「ピュアレスリングは必要」

【写真】今回だけでなく、これからが楽しみ(C)MMAPLANET

25日(水)に会場非公開&配信大会として開催されるBreakthrough Combat02で、安楽龍馬が中原由貴とProgressライト級王座決定戦を戦う。
Text by Manabu Takashima

レスリングU23世界選手権3位、五輪を目指したレスラーのグラップリング転向。過去の日本のグラップリングシーンは柔術家が道着を脱いで戦うか、MMAファイターが打撃無しルールに挑むのか──その2つのスタイルで構成されてきた。レスラーがMMAでなくて、グラップリングへ本気で挑む。安楽のグラップリングへの想いと、レスリングの重要性について訊いた。


――五輪を目指すレスラーが、MMAPLANETの取材フィールドに転向してくる場合はほぼほぼMMAファイターへの転身です。安楽選手が競技者として食うことが難しいグラップリングに転じたのは、どういった理由からなのでしょうか。

「2023年にパリ五輪の1度前の予選があって。その前の年ぐらいから僕自身は、今はAACCでコーチをしている稲葉(洋人)という人間、もう一人は中村倫也さんの弟の剛士と3人で、レスリングの普及活動を始めるようになっていました。

その時に今では僕の師匠に当たる竹浦(正起)さんを紹介してもらい、グラップリングの人たちにレスリングの指導を始めたんです。初めてグラップリングに触れて。竹浦さんから指導だけでなく、スパーリングもしてみたらと誘われました。その最初の相手が世羅(智茂)さんでした」

──おお。

「僕は世良さんのことも知らなくて。テイクダウンを狙うと、どんどんギロチンを極められてしまって。それに対して、悔しいのと楽しいという感情が沸き上がってきたんです。強さを求めて、練習していたレスリング時代を思い出すような感じで。レスリングを辞めたら、グラップリングを始めようと思いました」

──新しい競技で、コンペティターとしての熱が戻ってきた?

「そうですね。残りの2人は仕事を持って、指導をしているんですけど、僕はプレイヤーでいたいと思ったんです」

──それまでにグラップリングという競技のことはご存知だったのでしょうか。

「U23世界大会に出た前日に、FILAの世界グラップリング選手権をやっていたトミー(矢野)とか出ていました。グラップリングで来ているんだなって感じで、名前ぐらいしか分かっていなかったです」

──テイクダウンをしてフォールをすると勝てる競技から、座って良くて背中をつける人だらけの競技への転身。もう、体の方はスムーズに動くのでしょうか。

「最初はいきなり座られると、リズムが狂いました。取りあえず触ると、すぐにひっくり返されて極められしまう。そこが悔しいけど、面白く感じました。ただポジションや足の位置もレスリングに似ているようで、全然違います。すぐにアジャストできたわけではないですけど、最近では自分も下から攻めるチャレンジをしています。

あとは上からパスをして、サブミッションを狙う動きができてきて。毎日が充実していて、学びがあります。今はレスリングの時はレスリング、そうでないときはグラップリングで対応するようにしています」

──転向とともに、ADCCを目指すように?

「そうですね。ADCCが自分の長所であるレスリングを出せるので、まずはADCCを目指そうと思いました」

──ところで道着の柔術の稽古を行うことはあるのですか。

「道着はまだないですね。やってみたいんですけど、まだ手を出していないです。選択肢を増やすために、柔術は大切だとはよく言われます。レスリングも最初は技術を頭の中にインプットして、それを試合で出せるようにしていたので、そこは凄く分かります。それでもグラップリングの技術を覚えるのは難しいです。

最初に道着をやった方が良いと言ってくれたのが岩崎(正寛)さんで。『安楽君、技が少ないから』と。30分、40分と電話で話して、今も連絡を取り合っているのでカルペディエム芦屋に行って習いたいですね」

──つまり現状ではグラップラーとして、持っているモノは少ないという認識でいると。

「ハイ。そういうなかでProgressのタイトル戦を戦って良いモノかという想いもありましたが、オファーを頂くこと自体が有難くて。評価していただいていることなので、頑張りたいと思います」

──Level-Gでのグラップリング初陣で内田タケル選手に勝利。あの試合は今持っているモノで判定勝ちできる。レスリングで勝てるという確認ができた形でしょうか。

「実は4月に股関節を脱臼し、10月に練習に復帰したばかりで。その1週間後ぐらいにオファーがあったんです。竹浦さんと相談して出ることにして。強い相手と聞かされていたのですが、五輪を目指していた時の練習量とか考えると一緒だし。まぁ、やるしかない。あの時は何もなかったので、レスリングで勝とうと思いました」

──グラップリングに対して消極的でもなく、積極的でもない。良い塩梅でやり切ったように見えました。

「ありがとうございます(笑)。いい具合に見せることができました」

──そして中原戦。同じMMAファイターでも内田選手は柔術家の一面もあり、タイプが違います。実際、MMAファイター同士のProgress戦で中原選手は中川晧貴選手をケージに押し込んで、テイクダウンしています。

「ケージレスリングはレスリングとは別の競技なので。青木選手とか、練習させてもらうと最強で。最近、ようやく慣れてきた感じです。ただ一つひとつ試していると、ここは力が使える。ここは休めるとか、レスリングが応用できてきています。そういう意味でもピュアレスリングは必要です。

グラップリングのトップにいてもレスリングのトップの動きができるところと、そうでないところがあります。それが分かることで、やはりレスリングは重要だと想えるようになりました。それにMMAではないので。MMAなら殴れるというケージレスリングもできますし。いやぁ、僕にMMAは無理ですね(苦笑)」

──それはなぜ?

「痛いのは嫌です。さっき(新居)すぐるさんにカーフを蹴られて、たまったもんじゃないですよ(笑)」

──ハハハハ。と同時に打撃の無いMMAと形容されるProgressだけにレスリング・グラップラーの安楽選手の最も得意とするルールセットのようにも感じられます。

「そこはサブオンリーも変わらないです。有利不利とか考えず、自分は変わらず……不安があるなかで、どこまでできるのか。トップを取れば、動いてサブミッション。逃げようとすると抑える。下になるとスイープをしたりだとか、どんな風に攻めようとかと考えています」

──安楽選手が下になることもあると?

「そこは考えていますね。中原選手は柔道ベースで、足掛けとかも凄く上手いので。フィジカルも強そうですし、内田選手と違って硬い系です。胸を合わせることがあれば壁とか関係なしに、技術で対応したいです」

──この試合を通して、見て欲しいところはどこになりますか。

「ハンドファイトは長けている方なので組手や、テイクダウンの距離というところを見て欲しいです」

──この試合を終えて、2025年のグラップラーとしてどのようにステップアップを果たしたい?

「今後もBreakthrough Combatに引き続きオファーを貰いたいですし、まだまだ経験が少ないのでできるだけ多くの大会に出てどんどんチャレンジしたいです。全日本ノーギ、海外も修行しに行きたいですね。1月にADCCオープンが東京にあるので、まずはそこを向けてまずは調整しようと思っています」


■視聴方法(予定)
12月25日(水)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■Breakthrough Combat02対戦カード

<Progress暫定ウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]森戸新士(日本)
[挑戦者]北岡悟(日本)

<Progressライト級王座決定戦/5分3R>
中原由貴(日本)
安楽龍馬(日本

<バンタム級/5分3R>
吉野光(日本)
川北晏生(日本)

<ミドル級/5分3R>
イ・イサク(韓国)
アギラン・タニ(マレーシア)

<Progress68キロ契約/5分2R>
須藤拓真(日本)
中島太一(日本)

<Progress71キロ契約/5分2R>
城戸泰介(日本)
椿飛鳥(日本)

<フライ級/5分3R>
チェ・スングク(韓国)
古賀優兵(日本)

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Breakthrough Combat02 Interview J-CAGE JJ Globo ブログ 中原由貴 安楽龍馬

【Breakthrough Combat02】安楽龍馬戦、Progressの伝道師=中原由貴「右腕を遊ばせている時間もあった」

【写真】MMAサイドから、ここまでProgress論が語られるのは初めて。今回に限らず、MMAと並行活動&継続参戦で、この世界観を広めていってほしい(C)MMAPLANET

25日(水)に会場非公開&配信大会として開催されるBreakthrough Combat02で、中原由貴が安楽龍馬とのProgressライト級王座決定戦に臨む。
Text by Shojiro Kameike

Progress初戦となった10月の中川晧貴戦で勝利しただけでなく、このルールで戦うことの楽しさが試合中から溢れ出ていた。さらに試合後のインタビューでも、その楽しさを爆発させる中原。今回の取材で彼が語ったのは、まさにプログレスのコンセプトであり、MMAグラップリングに必要な考えでもある。「プログレスのルールって分かりづらいよね」と思っている方たち、ぜひ彼の言葉に耳を傾けてほしい。きっとMMAグラップリングの面白さと必要性が理解できるはずだ。


――試合前のインタビューから試合中、さらに試合後の解説席でもプログレスで戦うことの楽しさが伝わってきた中原選手です。まずは10月の中川戦で初めてプログレスルールを経験した感想を教えてください。

「最近のMMAで必要なスキル――単純な柔術でもなければ、単純なレスリングでもない。俗に言うMMAグラップリングという言葉で表されるような技術であり、ルールに則ってやらなきゃいけない。それが競技者にとって面白かったですね」

――その面白さは試合の中で、どのような場面に表れていましたか。

「プログレスも一本を取ることで試合が終わります。でもサブミッションオンリーと違って、上から殴れる位置にいるのであれば動かなくていい、というか(苦笑)。何より試合に出る競技者自身がコンセプトを理解していないと、試合はつまらなくなると感じましたね」

――おぉっ!

「サブオンリーはお互い取り合うコンセプトだと思うけど、ケージがあったりすると下になったほうも『極められなきゃいいや』って考えじゃダメですよね。立って取りに行くからこそ、上になったほうが動くシーンも出来る。パスしても得点に繋がらないところにも意味があるというか。プログレスは下が立つ前提でつくられているルールなのかな、と思います」

――プログレスのルールは、全てにおいてMMAを想定していると腑に落ちる部分はありますよね。

「はい。立ち上がって離れたら1ポイント――この1ポイントを、ないがしろにしてはいけないルールで」

――試合中も「MMAだったら、こう」と考えながら動いていたのでしょうか。

「そうです。もっとサブオンリーみたいな動きをしたかったけど、まずサイドに行ってもブリッジでも何でも返されたら相手にポイントが入ってしまいますよね。何か仕掛けられて、それを自分が防ぐために下になっても、相手にポイントが入ると考えたら……。

パスに行くメリットとリスクを天秤にかけた時、『これがMMAであれば俺は殴れるポジションだから、相手のリアクション待ちで良い』という場面はありました。相手が背中を見せたりして立ってきたところで、バックを取ったら自分にポイントが入る。だから『ちょっと動いてくれ』、『MMAだったら殴れるな』という意味も込めて、右腕を遊ばせている時間もあったんですよ」

――えっ!? どういうことですか。

「それが相手には伝わらなかったみたいで、ずっと背中を着けたままだったんですよね。向こうも展開をつくられるのが嫌だから、ずっと止まっていて」

――右手を遊ばせていた……中川選手だけでなく、視ているコチラにも伝わっていませんでした(苦笑)。

「アハハハ。ぜひ試合の映像を視返してください。2Rにトップを取った時、ハーフに行く手前で相手の足を押さえた状態で、右手を遊ばせているシーンがありますから」

――なるほど!  総じていえば、中川選手はグラップリングとして戦った。対して中原選手はMMAのグラップリングとして戦ったという印象を受けました。

「そう思います。僕自身もサブオンリーのような動きをしたかったけど、ポイントや壁レスの展開について考えると、思っている以上にサブオンリーに近い動きができなくて。だから自分がポイントを取ってから切り替えたんです。よりMMAのことを考えた動きに『あぁ、そういうことか』、『MMAに近い動きをしないと負けちゃうな』って思いました。それは、試合の途中から」

――ブラジリアン柔術は護身や、バーリトゥードで勝つための手順にポイントが与えられ、UFCを経て発展してきました。現代MMAにおいてはプログレスが、その意味を持っているとも思います。

「たとえばプログレスでは自分が足関節を取りに行って、足を抜かれて下になってしまうと相手に2ポイントが入りますよね。サブオンリーだと、そこでポイントは発生しない。MMAなら自分が仕掛けて下になると、今度は自分が殴られてしまう。試合をしているなかで、そういうプログレスのルールやコンセプトが、どんどん自分の中で消化されてきました。『あぁ、そういうことか』って、試合をしていて楽しかったです」

――その楽しさは試合中からも伝わってきました。おかげで視ている側も楽しくなるぐらいで。テイクダウンひとつとっても、それがレスリングのテイクダウンでも、柔術のテイクダウンでもなく。

「相手がケージ中央での組手を嫌がっている感じがあったんですよ。自分としては、あそこで潜ってバックに回るとか、そういう動きも練習もしています。でも自分の思ったような動きができていないし、相手は腰が重い。

そう考えていたなかで1Rの終わりに、ポイントには繋がらなかったけど、ダブルレッグで押し込んで引っこ抜くことができたんですよ。だから次は方向を変えたら、キッチリ倒すことはできそうだなと思って。壁で戦えば、しかも下に行けば行けるんじゃないかと思って。その点についてはラウンド間に修正しました」

――ケージ際のダブルレッグでは、押し込んでいる時に低く攻めすぎることもなかったですね。

「あぁ、それはMMAならではというか。やっぱり頭を下げすぎると殴られるし、自分がジリ貧になることも見えているので。それは意識していたというか、壁レスをやる時のクセかもしれないです」

――次の相手はMMAを経験していないレスラー、安楽選手です。レスリングをやってくることはもちろん、柔術の技術も持っているでしょう。そんな安楽選手との試合で、MMAグラップリング以外の動きをすることもありますか。

「僕もその点に行き着きました。前回はグラップリングの試合だからと、練習仲間の中でも寝技が強い人のところに行っていたんですよ。普段の練習スケジュールを変えて、寝技を毎日やっていたんですね。でも実際の試合では、平場での上下の攻防は全くなく、ずっとケージ際にいたじゃないですか。

今回もオファーを貰った時、『じゃあレスリングの練習に行くか』みたいなことも言われました。でも今さら1カ月半、レスリングを頑張ったところで相手との差は埋まらないですよね(笑)。相手はずっとレスリングをやってきて、そんななかでも他とはモノが違う選手だから」

――はい。

「だから今回は練習スケジュールを変えることなく、MMAを戦う時のスケジュールで練習しています。MMAの試合をするつもりで」

――安楽選手はMMAを想定してプログレスの試合に臨むことはないでしょう。しかしテイクダウンを奪いに来る。グラップリングであれば、中原選手が下から足を取りに行くという選択肢もあります。

「それは僕の中で葛藤があって――たとえば相手はMMAファイターほど壁際のキープが強くない、と想定した場合の話ですけど。テイクダウンを取られる度に僕が立ちに行っても4-2、6-2とポイント差が開いていきますよね」

――加えて、どんどん削られてしまいますし。

「そうなんですよ。そこで自分は得点を捨てて、極めに行くのか。でも相手がガードの中に入ってきてくれなければ、そういうゲームにならない。『極めに行くなら、このシーンで』とか、僕の中でも何パターンかは意識しています。MMAとして極めるチャンスをつくりたいですね」

――MMAでは中央アジア勢をはじめ、レスリングが強すぎるファイターも多いですし。

「MMAを戦ううえでレスリングというのは絶対に、できなきゃいけない。できて当たり前みたいな選手がいるなかで、安楽選手みたいな実績のあるレスラーと、このルールで戦えるのは良い経験になります」

――MMAファイターの中原選手にとって、プログレスで戦う意義とは?

「やっぱり自分の成長を確かめることができるという点ですね。練習仲間とでも成長は感じますけど、向こうの手の内も分かっている。すると、ちょっと小細工すれば相手がやりたいことを潰せたりしますから。

プログレスはちゃんと勝ち負けがあるルールで、全く知らない相手に――普段からMMAファイターとして積み上げているものを、ぶつけてみる。自分は成長したいし、成長するための戦いだと思っています。ファイトマネーを貰っていて申し訳ないですけど(苦笑)」

――たとえば森戸選手のような柔術家と戦うことをイメージしたりしますか。

「もちろんです。普段からMMAのスパーリングでも柔術黒帯の方と練習させてもらったりするなかで、今までは相手が仰向けに寝技に誘ってきたら、自分は立っていました。でもここ1年半、2年ぐらいはガードの中に入っていくんです。最初は極められることもありましたけど、今は取られることも少なくなって。もしプログレスで、そういう柔術家と対戦することになったら、クソつまらないけど勝ちに行くゲームはできる気がします」

――今後は様々なタイプの選手との対戦を期待したいところです。その前に今回は、安楽選手とベルトを賭けて戦います。

「まぁ……ベルトは懸かっていますけど、今回は安楽選手に勝つっていうことのほうがデカいですよね。モノが違うので『次の試合、自分は何ポイント取られるんだろう?』と思っていますよ(笑)。安楽選手に勝って巻くからこそ、このベルトに価値があるんです」

■視聴方法(予定)
12月25日(水)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■Breakthrough Combat02対戦カード

<Progress暫定ウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]森戸新士(日本)
[挑戦者]北岡悟(日本)

<Progressライト級王座決定戦/5分3R>
中原由貴(日本)
安楽龍馬(日本

<バンタム級/5分3R>
吉野光(日本)
川北晏生(日本)

<ミドル級/5分3R>
イ・イサク(韓国)
アギラン・タニ(マレーシア)

<Progress68キロ契約/5分2R>
須藤拓真(日本)
中島太一(日本)

<Progress71キロ契約/5分2R>
城戸泰介(日本)
椿飛鳥(日本)

<フライ級/5分3R>
チェ・スングク(韓国)
古賀優兵(日本)

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JJ Globo ONE ONE FN26 Report コール・アバテ ブログ 青木真也

【ONE FN26】コール・アバテがヒールで青木から一本勝ち。「レッグロックで勝てて本当に嬉しい」

<サブミッショングラップリングライト級(※77.1キロ)/10分1R>
コール・アバテ(米国)
Def.2分25秒by ヒールフック
青木真也(日本)

立ちレスからコーナーにアバテを押し込みに行った青木。アバテは引き込んで、スイープを狙う。トップをキープした青木が、ロープにアバテを押し込む。アバテはハイガードへ。胸を張って、三角を許さない青木は、腰を切ったアバテに反応して足関節も落ち着いて対処する。ここで足関節から上を狙ったかと思われたアバテが、すぐに下になるや、このトップ狙いでスペースを潰しており、ヒザを深く入れて足を取っている。ここからアバテは腹ばいになりヒールフックへ。即座に青木はタップした。

「シンヤは凄く経験があって、戦う価値のある相手だった。タイトルを持っていなくても、柔術を代表してMMAを長年戦ってきた。チャレンジだったけど、僕も子供の頃からずっとやってきてここまでたどり着けたんだ。僕はこのゲームの生徒なんだ。いつも成長するために学習している。彼はそんな僕がずっと追い続けてきた人だ。特にサブミッションの部分でそうしてきた選手で。凄くシンヤのことを尊敬している。レッグロックで勝てたことは、本当に嬉しいよ」と話し、AOJのキッズプログラムからここに来たこと、その経験を次の世代に伝えたいと話したアバテに5万ドルのボーナスが贈られた。


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45 AB Gladiator CS02 J-CAGE JJ Globo News ブログ 上久保周哉 竹内稔

【Gladiator CS02】PROGRESS王座戦、ミスターアナコンダ竹内稔×ケージレスリング上久保周哉

【写真】竹内といえばアナコンダ。対する上久保もケージグラップリングマッチの出場経験が豊富だ(C)MMAPLANET

25日(火)、Progress実行委員会より7月12日(金)に会場非公開で開催される無観客&配信大会のGLADIATOR CHALLENGER SERIES02「Matsushima vs Sodnomdorj 」でPROGRESSフェザー級選手権試合=チャンピオン竹内稔×チャレンジャー上久保周哉が組まれることが明らかとなっている。
Text by Manabu Takashima

GLADIATORフェザー級挑戦者決定戦=松嶋こよみ×ソドノムドルジ・プレブドルジ戦に続き発表されたカードは、意外にも上久保がベルトに挑むという意外なグラップリング戦だった。

2011年にプロ修斗にデビューし、1年間のMMAファイター活動の後、仕事との関係で現状として組み技の専門下として戦い、当時からアナコンダチョークが代名詞だった。


その竹内、5月のADCCアジア&オセアニア予選02では2試合目=3回戦で敗退も、昨年11月の第一次予選では66キロ級で準優勝となり、シンガポールの地でもアナコンダチョークは猛威を振るっていた。

今年2月にはChallenger Series第1回大会でGLADIATORバンタム級チャンピオンの竹本啓哉を相手に、2分弱でこれもまたアナコンダチョークで下し、初代PROGERSSフェザー級チャンピオンに輝いた

対して上久保はケージレスリングをさせれば、右に出る者はいないと練習仲間が口を揃えるMMAグラップリングの実力者だ。とはいえ、彼にとってあくまでも本職はMMAでUFCを目指してグラップリングを強化してきた。

念願のRoad to UFCではヒザの負傷で思いもしない準決勝敗退。その後、12月にGLADIATORで再起し、Road to UFC再挑戦も諦めていなかった。そのためにインパクトのある勝利を挙げる必要があり2月のChallenger CSで元UFCファイター、現LFAのガブリエル・シウバと対戦予定だった。

しかし、カードの正式発表を前に股関節の負傷で戦える状態でなくなっていた。上久保はもともと大腿骨が常人より太く、股関節にこすれることで軟骨が削られ、以前から痛みを感じるようになっていたという。医師からは人工関節を勧められもしたが、MMAを続けることができなることもあり得るので、痛みと共生すること、つまり現役生活の続行を選択した。

上久保の狙いはGLADIATORが提携したLFA経由で、UFCを目指すということ。その前に股関節の状況を把握するために、ケージを使ったグラップリングに挑む。とはいえ、竹内はそんなに簡単な相手ではない。上久保の組みつくパターンを研究し、アナコンダを仕掛けるタイミングを計っているはず。しかも、「ケージの方が得意」と竹内も公言しているというのだから、組ぎわに要注目のタイトル戦となる。

以下、プレスリリースに寄せられた両者の意気込みだ。

竹内稔
「初の防衛戦の相手が”永久寝技地獄”の上久保選手ということで非常にタフな試合になると想定されますが、前回の試合と同じように一本勝ちで終わらせたいと思います。防衛を重ねてタイトルの価値を上げていきたいです。応援よろしくお願いいたします」

上久保周哉
「今回、PROGRESSフォースタイルグラップリングマッチに出場します。竹内さんは今まで試合してきた選手の中でも指折りの攻撃力を持った選手だと思います。ただ、僕はどうしても勝ちたい。ケージの中でアナコンダを喰い、選手として殻を破れるよう力を出し切ります」

■視聴方法(予定)
7月12日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

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45 Interview JJ Globo ONE ONE FN22 ビアンカ・バシリオ ブログ 市川奈々美

【ONE FN22】ビアンカ・バシリオと戦うタイ在住柔術家、市川奈々美「サブオンリーのほうが柔道に近い」

【写真】すでに計量とハイドレーションテストをクリアしている市川。決戦は明日だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

4日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE FN22で、市川奈々美がビアンカ・バシリオとのサブミッション・グラップリング戦に挑む。
Text by Shojiro Kameike

3歳から柔道を始めた市川は強化選手になり、2010年には東アジア選手権で優勝するほどの柔道家であった。しかし彼女は「柔道はそれほど好きではなかった。辞めた時にホッとした」と語る。そんな市川は柔術を始め、現在はタイで仕事を持ちながら、バンコクのアラテ柔術で柔術の練習や指導を行っている。知らないことだらけのタイ在住の日本人黒帯柔術家、市川奈々美のMMAPLANET初インタビューです。


――MMAPLANETでは初のインタビューとなりますが、他のメディアにも登場されていることは少ないですよね。

「まず拠点がタイで、柔術家としてそれほど試合にも出ていないこと。今回このような大会に出させていただくのですが、もともとプロ選手でもなく格闘技専業というわけではないので……。普段はフルタイムで仕事をしていて、仕事が終わったあとにジムでクラスを受け持っていたり、柔道をやっていたので柔道クラスでも指導しています」

――個人的なことを言えば、クインテットに出場された2019年頃は格闘技業界から離れており……失礼ながら市川選手のお名前を聞いたのが、彩綺選手のインタビュー時でした。

「彩綺ちゃんですね! 先日の試合は、たまたま日本に一時帰国していて、会場で観ました。彼女は全く何も知らない状態から――それこそ普通の女子という状態から柔術を始めたんです。もちろん本人の頑張りが一番ですし、今は日本でしっかりとMMAの寝技を習って練習していますが、ベースを教えたのが私なんだと思ったら、すごく嬉しいです」

――市川選手のベースは柔道で、強化選手でもあったそうですね。市川選手が1988年2月生まれということは、88年8月生まれの渡辺華奈選手とも強化選手として重なっていた時期があったのでしょうか。

「そうですね、彼女は1学年下で。私は同期で言うと松本薫(ロンドン五輪、女子57キロ級金メダリスト)がいて、いつも一緒に練習していました」

――市川選手は過去のインタビューで「柔道は好きではなかった。柔道を辞める時にホッとした」という旨の発言をされていたのが印象に残っています。

「アハハハ。そういうことを言うと、嫌な想いをする人もいるかもしれないけど――自分の正直な感想です。父が柔道の指導者で、私も3歳から柔道を始めました。今となってはジムで柔道を教えていて楽しいですし、柔道をやっていて良かったなと思っています。でも当時を振り返ると楽しくなかったし、早く柔道を辞めたいと毎日考えていましたね」

――柔道を辞めることになったキッカケは、勤務していた学校を退職された時ですよね。その前に柔道から離れようとは考えなかったのですか。

「正直言うと、辞められない環境でした(苦笑)。試合に出ることに対しても積極的ではなく、どちらかと言えば『出ざるをえない』という状況にいて。だから勝つとホッとしていたんです。『これで怒られない』って。そういう環境がプレッシャーにもなっていましたね」

――……。

「もう一つ、3歳の時から柔道だけをやってきたので『辞めても柔道以外に何があるんだろう?』という怖さもありました」

――柔道を辞めた自分を想像できなかったのでしょうか。

「まさに、そういうことです。かといって試合に出ても『勝って嬉しい』ではなくて。勝ってホッとする。そんな状況でしたから、勝負には向いていなかったと思います」

――同期の松本薫選手は「野獣」と呼ばれており、それほど勝負に賭けている気持ちはテレビの画面越しでも伝わってきました。だからこそ金メダルを獲得できたのでしょう。そんな松本選手を見ていた市川選手にとっては……。

「私にとって松本薫という選手は特別な存在です。遠征でも合宿でも松本選手と一緒になることが多くて……、彼女を見ていると『これほどまで柔道に賭けていないと上には行けないのか』と思いました。彼女ほど『絶対に勝ちたい』と思ったり、勝利に対するハングリー精神とか……『私とは違うんだな』って」

――柔道はナショナル競技で、競技人口も多く、上に行けば行くほど現実を突きつけられることも多いでしょう。

「結局、柔道を辞めても――3歳から23歳まで、20年間ずっと体を動かしていたわけじゃないですか。だから何も運動しない生活というものに慣れなくて(笑)。ダイエットも含めてスポーツジムに通ったり、たまに『柔道を教えてほしい』と言われて子供たちに柔道を指導することはありました。

そんな頃に柔術もやっている格闘技ジムに行く機会があって。最初は『絶対に道衣は着たくない』と思い、頑なにキックボクシングをやっていたんですけど(笑)。するとギは着ないけどグラップリングはやってみようかと思って。すると自然とギもやるようになりました」

――道衣にはトラウマのようなものを抱えていたものの、本格的に柔術を始めることになったのですか。

「なぜ本格的に柔術をやるようになったか――柔道の時って怒られてばかりだったんですよ。『ダメだ、お前は弱い』とか。強化選手になっても下っ端で、ずっと怒られていました。だけど柔術を始めたら、いきなり『君、すごく強いね』って。褒められたんですね。20年間、柔道ではそんな経験なかったです。『こんなに褒めてくれるなんて楽しい!』と思って。

あと私は柔道時代も寝技が得意だったんです。そんなに立ち技がキレるわけではなくて。だから柔術にも入りやすかったですね」

――柔道時代の試合映像も拝見しましたが、投げというよりも崩してバックを狙いに行く動きでした。全ての試合がそうではないと思いますが。

「私としても、投げたいのは投げたいんですよ。でも上のレベルに行くと、そんなに投げることができなくなる。すると自分の最善策として『寝技を強化したほうが良いな』と思って、寝技を強化していました」

――柔道時代に寝技が得意であれば、最初のうちは圧倒的に強いと思います。

「まず体が出来上がっている選手は多いですからね。たとえば柔術初日の私と、柔術を2~3年やっている方が組んでも、私のほうが体の使い方は分かっていますし。さらに力もスピードも私のほうが上で」

――MMA、グラップリング、そして柔術でもどこかの段階までは柔道時代の貯金で勝てる。しかしその競技で上を目指すかぎり、どこかの段階で壁にぶつかり勝てなくなる時があります。市川選手の場合、その壁にはぶつかりましたか。

「これも言ったら怒られるかもしれないけど、私は『柔道の人と思われたくない』という気持ちが強かったんですよ」

――というと?

「柔術では、なるべく柔道らしさを出さないように練習していました。白帯から始めて、もちろん白帯のなかでは強いです。でもそのなかで柔道の技は出さないようにしていて(笑)。できるだけ立ち技はやらずに、寝技もできるだけ柔術の技をやろうと練習していましたね。

たとえば柔道だと、いきなり引き込んでボトムになるのは反則になります。でも寝技になってからボトムに入るのはOKなんです。私は柔道時代からその動きが好きで。当時から柔道と柔術の中間のようなことをやっていたとは思います」

――そうなると、よほど詳しくなければ「この寝技の入り方は柔道だ!」とは気づかないでしょうね(笑)。

「アハハハ、そうなんですよ」

――そこからご結婚された方と一緒にタイへ移住されたのですね。

「はい。……ただ、もう離婚していまして(苦笑)。タイへ移住後に相手は仕事の都合で日本に帰りたい、私はタイで仕事を始めていてビザも取って。私としては、ようやくタイでの仕事に慣れて来たし、契約もあって。相手は日本、私はタイと別々の生活を始めましたが、ちょうどコロナ禍で行き来もできなくなり――という感じですね」

――その際に「柔術をやるなら日本で」とは思わなかったのですか。

「私はタイで柔術をやるほうが好きですね。やはり日本て、良い意味でも悪い意味でもキッチリしているし、真面目だなと思います。タイは良い意味で緩いんですよ」

――いわゆる「マイペンライ」の気質ですね。

市川が所属するアラテBJJ。高層ビルの上層階にある(C)MMAPLANET

「そうです(笑)。あとは、いろんな国の人たちがいることは大きいですね。今のジムでも日本人もいえばタイ人もいるし、ヨーロッパの方々もいる。さらに様々な国の方が仕事でタイに来て、ビジターで練習して帰国するとか。

あとは私も一緒に練習している人たちを沸かせるために、柔道の投げ技を見せたりするんですよ。日本では、それを見ると『危ない!』と思う方もいます。でもタイだとウォーッ! ナナミすごいな!!』と喜んでくれる人も多くて。

日本は静かに自分の技術を磨くという雰囲気もあって、それはそれで良いことだと思います。一方でタイは、みんなで楽しみながら強くなるという感覚が強い。私にとっては、そういう雰囲気の中にいるほうが楽しいだろうなって思います」

――そんななか、ONEでビアンカ・バシリオと対戦することが決定しました。

「最初に聞いた時は、『私が出て良いのかな?』と思いました。それほどギの試合に出ているわけではないし、ノーギの練習もそれほど多いわけではないので……。それと試合をするからには、それだけの覚悟が必要だと思うんです。試合が決まってから当日まで、死に物狂いで練習しないといけない。でも『大丈夫かなぁ』と悩んでいたら、チームメイトから『なぜ出ないの?』と言われました。私も『一生に一度の経験かもしれない』と思って」

――とはいえ、プロ初戦の相手がビアンカとは……。今年3月に山田海南江選手と対戦したマイッサ・バストスと共に、現在の柔術界で随一の実績を誇る世界王者です。

「ビアンカの場合、ADCC世界大会でも優勝しているじゃないですか。ノーギでも抜け目がなさそうですよね。私自身も相手どうこうより、ノーギに切り替える必要がありました」

――市川選手もノーギの試合には出ていながら、多くはIBJJFルールかADCCルールだと思います。ONEグラップリングのようなサブオンリーの経験というと……。

「クインテットだけですね。でも、これは矛盾するかもしれませんが――サブオンリーのほうが柔道に近い。柔術でもポイントを意識して試合をしているわけではなく、サブオンリーでも問題はないのかなと思っています。ONEの判定基準もサブミッションを取りかけたほうが勝っているので、そこは意識して練習していますね」

――「好きではなかった」と言えども、ご自身のルーツである柔道と繋がっていくのも不思議ですね。

「そう思います。『やっぱり私から柔道が抜けることはないんだな』って。あの頃は柔道が好きじゃなかったけど、今は柔道にも――柔道を始めさせてくれた父にも感謝しています。柔術でもグラップリングでも、柔道の技術が生きる部分は多くて。チームメイトにも『柔道を生かしていけ』と言われていますし」

――なるほど。5月11日にタイで開催されるADCC予選には出ないのでしょうか。

「チームメイトからは『出たほうが良い』と言われています。ADCCはスタンドレスリングが重要なルールですし、私の柔道も生かすことができるからと言われて。とにかく今は目の前の試合に集中しているので、そのあとに考えます。この1カ月でノーギの技術も伸びてきました。ビアンカ戦でどこまでできるか――全ては次の試合次第だと思っています」

■放送予定
5月4日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

■ ONE FN22対戦カード

<ONEムエタイ女子世界ストロー級王座統一戦/3分5R>
[王者]スミラ・サンデル(スウェーデン)
[暫定王者] ナタリア・ディアチコワ(ロシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アクバル・アブデュラエフ(キルギス)
ハリル・アミール(トルコ)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
シンサムット・クリンミー(タイ)
ドミトリー・メンシコフ(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
モーリス・アベビ(スイス)
ジャン・リーポン(中国)

<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
秋元皓貴(日本)
ウェイ・ルイ(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
リース・マクラーレン(豪州)
フー・ヤン(中国)

<キック・ライト級/3分3R>
ルンラーウィー・シッソンピーノン(タイ)
ボグダン・シュマロフ(ブルガリア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
澤田千優(日本)
ノエル・グランジャン(タイ)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
トンプーンPK・センチャイ(タイ)
ザガリア・ジャマリ(モロッコ)

<サブミッショングラップリング132ポンド契約/10分1R>
市川奈々美(日本)
ビアンカ・バシリオ(タイ)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ショーン・クリマコ(米国)
ホシュエ・クルス(メキシコ)

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Flash JJ Globo ブログ 鈴木真

【ADCC Asia&Oceania Trial】日本勢、ADCC予選の軌跡―03―66キロ級。鈴木真、ベスト8

【写真】男子勝ち名乗り&ベスト8入り、一番乗りだった鈴木選手。試合タイムにかかわらず攻防のある濃密な試合が多かったです(C)MMAPLANET

<男子65キロ級1回戦/6分1R>
鈴木真(日本)
Def.2分22秒by RNC
キム・ジンス(豪州)


<男子65キロ級2回戦/6分1R>
鈴木真(日本)
Def.4分33秒by RNC
サンジー・ナンビアル(インド)



<男子65キロ級3回戦/6分1R>
鈴木真(日本)
Def.4-0
ハ・ユンド(韓国)



<男子65キロ級準々決勝/6分1R>
竹内稔(日本)
Def.0分53秒 by アナコンダ
鈴木真(日本)



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JJ Globo Report UFC FPI04 フィリッピ・アンドリュー ブログ ヴァグネウ・ホシャ

【UFC FPI04】ヴァグネウ・ホシャ、見事なカウンターのインサイドヒールでアンドリューからタップ取る

<無差別級T1回戦/8分1R>
ヴァグネウ・ホシャ(ブラジル)
Def.6分18秒by ヒールフック
フィリッピ・アンドリュー(ブラジル)

211ポンドだったホシャ。アンドリューより6ポンド軽いだけで、イメージ以上に大きい。直ぐに座ったアンドリューがデラヒーバ、足首をコントロールして防ぐホシャが上という状態が続く。ホシャが立ったままトーホールドを狙い、体を捻って防いだアンドリューはハーフガードに。ホシャはアンドリューの外掛けヒールに、スタンドでトーホールドを仕掛ける。アンドリューはサドルを取り、ロールしたホシャは股間を蹴りつつ下がってスタンドに戻った。

仕切り直しでデラヒーバ、Kガードから足を取りに行く。残り5分を切り、ホシャが立ち上がり座ってデラヒーバから足を差し込み、足関節狙いのアンドリューの仕掛けを捌くという展開のなかで、リバーサルを許す。すぐに立ち上がったホシャは、アンドリューのシングルレッグで場外に転落しそうになり、レフェリーが懸命に止めに懸かった。

マット中央で再開となり、デラヒーバから左足を絡まれたホシャは右足で思い切りアンドリューの胸を蹴っていく。試合はスタンドに流れ、アンドリューのテイクダウン狙いをホシャが切っていく。残り2分、座ったアンドリューがデラヒーバから足をスイッチして50/50も右足を開いた刹那、ホシャが残っている左足をサドルから内ヒールに捕え──瞬息、見事なカウンターアタックでタップを奪った。


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FINISH10 JJ Globo Report ブログ 土屋大喜 山内慎人 日沖発

【Finish10】元修斗世界フェザー級王者・日沖発が、元環太平洋王者・土屋大喜を立ちヒールで斬って落とす

【写真】現在進行形のグラップリングとは意味合いが違う一戦だろう。ただし、現在進行形の人生で掛け替えないの48秒だったはず(C)MMAPLANET

<ライト級/5分2R>
日沖発(日本)
Def.1R0分48秒 by ヒールフック
土屋大喜(日本)

FINISHを主催する山内慎人氏の想いが詰まった──修斗世界フェザー級選手権試合として実現しなかった顔合わせ。まずダブルレッグでテイクダウンを奪った日沖が先制すると、土屋はクローズドを切られ、右足を抱えて圧関節をエントリーしていく。

50/50から内ヒールの狙いの土屋に対し、日沖はクロスした足をヒールに捕えて捻る。腹ばいから立ち上がった日沖は、腰の前に残っている右足をヒールで抱えたまらず土屋がタップした。

試合後、並んでマイクで話す両者を見て山内氏が感極まるシーンも。

この試合を実現させたい──立派な大会のトリを務めてほしいという氏の想いの強さが、FINISH10の熱を生んだといっても過言でないだろう。


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Gladiator020 Interview J-CAGE JJ Globo ジェセフ・チェン ブログ 森戸新士

【Gladiator020】超新星ジェセフ・チェン戦、ベルト獲りへ。森戸新士─01─「足を壊しに来るはず」

【写真】プロ競技者としては、常に微妙なグラップラーや柔術家達。森戸にとって、ここは力の入った大一番になるはずだ(C)SHOJIRO KAMEIKE

22日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGladiator020では、PROGRESS初代フォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座を、森戸新士とジョセフ・チェンが争う。
Text by Shojiro Kameike

昨年1月23月のGladiator013からスタートしたプログレス提供マッチ。MMAのためのグラップリング――フォークスタイル・グラップリングという新機軸のなか、その主役となったのは柔術家の森戸だった。そんなプログレスも、遂に王座を制定することに。

しかもアジア発要注目のB-teamグラップラー=ジョセフ・チェンを招聘してのタイトルマッチだ。今回の一戦に向けて、森戸は何を思うのか。プログラップラーとしての意気込み、そして対戦相手であるジョセフ・チェンとは何者かを訊いた。


――プログレス初のタイトルマッチを11日後に控えてのインタビューとなります(※取材は1月11日に行われた)。グラジエーターのプログレス提供マッチがスタートしてからちょうど1年が経ちます。スタート当初は外国人選手を相手にタイトルマッチが行われることは、想定していたでしょうか。

「強豪外国人選手との対戦になるかどうかはともかく、当初からタイトルマッチもやっていきたいと聞いていました。自分もプログレスに出始めてから、いずれタイトルに絡めるように勝ち続けていきたいと思っていました。それが1年経って実現するのは嬉しいです。ただ、ひとつ気になることがあって」

――気になること……何でしょうか。

「今回勝ったら、チャンピオンベルトはあるのでしょうか?」

――それは主催者に確認してください(笑)。

「アハハハ。やっぱりチャンピオンになったら、ベルトを巻いてみたいです。柔術の世界にはチャンピオンベルトがないので。グラップリングだと、高橋サブミッション(雄己)君がNAGAのアマチュアトーナメントで優勝してベルトを巻いています。でもプロでワンマッチを勝ち抜いて、MMAのようにチャンピオンベルトを巻けるのは画期的だと思いますから。今回勝って、ちゃんとベルトを巻きたいです。しかも初代王者として」

バトルハザードでは、GTFタッグ王座への挑戦者決定戦まで進んだんです。あの時は宇野薫さんと植松直哉さんがベルトを持っていて、挑戦権を懸けて僕と高橋サブミッション君がタッグと組み、岩本健汰&山中健太チームと対戦してドローでした。あのあとZSTが活動休止になってしまいましたし、クインテットも大会が行われなくなってしまいましたから。グラップラーからすると、何を目指してプロ興行に出るのか分からない感じもありました。

それが今回プログレスがタイトルを創ってくれたので、出る側も見る側も分かりやすいと思います。みんながチャンピオンを目指して頑張ることができます。しかも海外から、メチャクチャ強い選手を呼んでくれて」

――森戸選手が外国人選手と試合をするのは、いつ以来になるのでしょうか。

「ノーギだと2019年のADCC予選で、ラクラン・ジャイルスと対戦(77キロ級1回戦、ヒールフックで一本負け)して以来ですね。そのあとコロナ禍になりましたから……。コロナ禍になる前は、ギだとIBJJFのアジア選手権に、海外から強豪選手が来ていましたよね。アブダビ・グランドスラム柔術大会にも強豪が来て、僕もジェイク・マッケンジーやリーヴァイ・ジョーンズレアリーと対戦することができました。

日本で海外の強豪と試合をすることができていたんです。コロナ禍以降、その機会がなくなってしまい、日本から海外へ行くしかない。他の選手が海外の大会に出て実績を残している姿を見て、僕もずっとチャレンジしたいと思っていました。そのチャンスが日本国内で訪れたのは嬉しいです。海外の強豪に勝ってチャンピオンになるのは、やはり箔が違いますから気合も入ります」

――では、対戦相手となるジェフ・チェンの印象を聞かせていただけますか。実際に試合をする森戸選手にお聞きするのも恐縮ですが、ジョセフ・チェンに関して教えていただけると、読者の方も分かりやすいかと思います。

「ジョセフ・チェンはB-teamという、米国のトップ・グラップリング・チームで練習している選手です。B-teamは、米国のトップ選手が集まってグラップリングの練習しかしていないチームですよね。そのなかでも、ジョセフ・チェンが最有望株の選手だと言われています。まだ19歳か20歳ぐらいで、ここ最近伸びてきた選手なので、試合映像も少ないですよね。

タイプとしては、ヒールフックが禁止のIBJJFノーギルールでも、パン選手権のアダルト紫帯で優勝できるぐらい、オールラウンダーな選手といえます。足関節ばかりではなく、テイクダウンもバックテイクも狙い、パスも仕掛けるなど攻撃の幅が広い選手です。だから前回のADCCオセアニア&アジア予選も、グラップリングマニアの間ではジョセフ・チェンが優勝候補に挙げられていました。

結果は岩本選手が準決勝でジョセフ・チェンを下して優勝しましたが、それだけ注目されていた選手なんです。最近ではWNOで、いま流行りのZロックで勝っていましたし」

――それは若い頃からクレイグ・ジョーンズらと練習しているというアドバンテージもあるのでしょうか。

「それは大きいと思います。最先端の技術を、ずっと現場で学ぶことができる環境にありますから。自分も知らない技術をたくさん知っているでしょう。僕としても、その技術を味わえることにワクワクしています。相手は僕の足を壊しに来るはずです。今までの試合とは違うワクワク感というか、ゾクゾクしますよね」

<この項、続く>

■ Gladiator019対戦カード

<フライ級/5分2R>
坪内一将(日本)
陸虎(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
秋田良隆(日本)

<ウェルター級/5分2R>
藤田大(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<Gladiatorフェザー級王座決定戦/5分3R>
中川皓貴(日本)
チョ・ソンビン(韓国)

<Gladiatorライト級選手権試合/5分3R>
[王者]キ・ウォンビン(韓国)
[挑戦者]グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦/5分3R>
森戸新士(日本)
ジョセフ・チェン(台湾)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
久保健太(日本)

<キック・ウェルター級/3分3R>
璃久(日本)
イゴール・シルバ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
笹晋久(日本)
ジョン・オリニド(フィリピン)

<バンタム級/5分2R>
溝口司(日本)
ガッツ天斗(日本)

<ヘビー級/5分2R>
大場慎之助(日本)
チョン・ホチョル(韓国)

<Progressフォークスタイル・グラップリング79キロ契約/5分2R>
山田崇太郎(日本)
井上啓太(日本)

<Progressコンバット柔術バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本)
江木伸成(日本)

<アマMMA女子アトム級/3分2R>
住村斉明里(日本)
MIYU(日本)

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