カテゴリー
AB ABEMA DEEP DEEPフライ級GP MMA MMAPLANET o ONE ONE FF43 チャンネル デヴィッド・バンギギ ルンピニー 本田良介 海外

【ONE FF43】バンギギ戦へ、タイガームエタイ所属=本田良介「取ろうとしているのは分かると思います」

【写真】タイガームエタイ、そしてプーケットの空気に溶け込んでいる本田(C)MMAPLANET

12月1日(金・現地時間)にタイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE FF43で本田良介がデヴィッド・バンギギと戦う。

日本を離れ、タイガームエタイ所属となった本田にとっての初戦。その心境をプーケットのタイガームエタイで尋ねた。


──今週金曜日のONE FFでのバンギギ戦、この試合が決まったのはいつごろでしょうか。

「1カ月ぐらい前ですね」

――ONE FFで戦う。本田選手自身は、どのように捉えていますか。

「まぁ、試合をするということですよね(笑)。どうなんですかね……(笑)。ONEという大きな団体のなかの一つの舞台で戦えること。それとルンピニーという舞台で戦えること。僕もルンピニーで試合を観戦したことがあるのですが、あの闘技場っていう感じがする場所でできるということは本当に良い意味でモチベーションになっています。あそこで試合をするんだっていう部分で」

――タイガームエタイの所属なった時、ONE FF――いずれはONEで戦うということを目指していたのですか。

「それは、たまたまです。タイミング的に5月にDEEPフライ級GPの決勝が終わって、タイガームエタイのトライアウトが6月。ちょっと空いたなった感じですけど、単にオファーが来て戦うということです」

――このところ北米階級のフライ級で戦っていた本田選手ですが、今回はONE階級でのストロー級で戦います。多くの選手が北米階級でフライ級の場合、ONEでは61.2キロのフライ級の水抜き減量なしで臨みます。対して本田選手は原則ドライアウト禁止で56.7 キロのままで戦うことになります。

「日本でもストロー級でも戦っていましたし……まぁ、やってみようと。ストロー級は試合の機会が少なくて、タイトルマッチとかも戦っていないですけど、こっちでちゃんと試合ができれば良いのなかなっていう感じで。できそうだからやってみようと思って――でも、調子も良いんですよ(笑)」

――本田選手は正直、減量が厳しそうだった印象があります。

「コロナの時にストロー級で、水抜き減量なしの56.7キロを経験しました。タイに来てからは通常体重が落ちているので、ストロー級で戦えるかなっていうのはありました。言われた体重で戦ってきたので、フライ級で減量が厳しいのかといえば、それは水抜きをして良いから、あの方法で落としていたわけで。そういう体創りをして良いから減量の期間も、練習の仕方も違っていました。だから、今回も水抜き減量なしの56.7キロになっても何も問題ないです」

――プーケットからバンコクに移動しての試合となりますが、その辺りというのは?

「プーケットからバンコクは、福岡から東京と変わりないです。だから、特に変わりはないです」

――日本の時は計量前日に東京に来られることが多かったかと。

「そうですね。1日余分にある形ですけど、どっちもきついから東京への移動もそんなにネガティブな方で考えていなかったです。ONEは水抜きはダメでも、ホテルで試合の準備ができるのでリラックスできる。それで代謝が上がることもあるし、そこはもう人それぞれですよね」

――では対戦相手バンギギの印象を教えてください。

「タフな選手です。どんどんしっかりと組んできて、最後までそうやって勝ち切っている。レコードも9勝2敗で……でも、そういう選手と戦うつもりでタイに来ているので」

――タイガームエタイに移籍して初戦、それだけ注目もされるかと思います。まだ短期間ですが、変化を見せることが期待されます。

「やっぱりフィニッシュ、一本……を取るつもりだし、取ろうとしているのは分かると思います。そこを意識して練習してきました。殴ることができるポジショニングを意識してきたので体の動かし方、ポジションを取る時の優先順位が以前と変わっている。そういうところが終わらせようとしていることにつながると思います」

――では最後に改めて日本のファンに決意のほどをお願いします。

「所属も変わって海外での初めての試合、本当にフレッシュになった僕を応援してください」

■放送予定
12月1日(金・日本時間)
午後9時30分~ABEMA格闘チャンネル

The post 【ONE FF43】バンギギ戦へ、タイガームエタイ所属=本田良介「取ろうとしているのは分かると思います」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
Bloom FC01 DEEP DEEPフライ級GP MMA MMAPLANET o ONE Progress RIZIN YouTube ツェルマー・オトゴンバヤル パク・サンヒョン ムクロック 上田将年 上田祐起 中村勇太 修斗 原田惟紘 国内MMA 堺龍平 本田良介 海外 深見弦汰 清水洸志 米倉大貴 荒木凌 野瀬翔平

【Bloom FC01】一足早く―福岡発、世界へ。本田良介「勝ちさえすれば生活できる環境を手にできた」

【写真】溌溂としていた本田良介(C)MMAPLANET

19日(日)に福岡市中央区の西鉄ホールで旗揚げ戦が開催されるBloom FCの旗揚げ戦が行われる。地方在住の選手に定期的に試合機会を与え、文字通りBloom FCで開花し直接世界を目指す。そんな目標を掲げるBloom FCの旗揚げ戦を前に、福岡からタイのプーケットに生活拠点を移すのが、本田良介だ。

修斗からDEEPで活躍し、フライ級GPでは準優勝に終わったものの実力者ぶりを国内MMAに浸透させた。そんな本田がMMAで食っていくために、本当の意味でプロとして生きていく基盤を築くためにタイガームエタイのトライアウトを受け、合格。ビザ取得と引っ越しのために帰郷していた――一足先に福岡から世界に飛び出る本田をインタビューした。


――Bloom FCは「首都圏を経由せず、世界へ」というスローガンを掲げていますが、タイガームエタイでの本格的な練習が控えている(※取材は9月13日に行われた)本田選手は、この活動をどのように捉えていますか。

「嬉しいです。ちゃんと認知されていってほしいです。MMAの底上げになると思うので。地元にプロモーションがあるというのは、やはり違っています。僕も東京にいた時は距離感も近くて、試合に出ることを現実的に捉えることができていました。Bloom FCが定着すれば選手が経験を積めますし、熱がある選手が多いので九州の選手には絶対にプラスだと思います」

――福岡から遠征する場合、海外の大会のように4日、5日というファイトウィークがあるわけではなくてほとんどのケースが計量当日に現地入りというのが日本の通常のプロモーションのスケジュールです。最小限の移動で計量&ファイトがこなせる首都圏在住者と比較して絶対的なハンデです。

「前日の宿泊は自費だったりしますしね。減量&計量を家族がいる場所で行えるのと、地方から出ていくのとは違います。プロ1、2戦目の選手なんかが福岡で手厚いサポートがあるなかで減量、計量、リカバリーから試合に臨めて経験を積む。そこを経て違う場所に遠征をするのが、本来は普通の流れですしね」

――若手に試合機会が与えられると同時に、盟友・上田選手が地元で国際戦を戦います。

「九州の大会に上田選手が出る。味が出て、良いなと思います」

――タイガームエタイ所属になった本田選手ですが、いつの日か福岡で、グラップリングでも良いので上田選手と揃い踏みなど期待したいです。

「そうですね。色々な可能性が出てくると思います。そういう意味でも僕自身、タイガームエタイ所属選手なれて良かったです」

――そもそも本田選手がタイガームエタイのトライアウトを狙おうと思ったのは、いつ頃なのでしょうか。

「DEEPフライ級GPで優勝できなくて、悔しくて。これからどうしようかと考えていた時に、何かに挑戦しないとやっていられないという気持ちになって。もともと練習で3、4回と行っていて良い練習環境だと思っていたタイガームエタイとコンタクトを取ると、トライアウトがあることを知り、『やるしかない』と挑戦することにしました」

――GP直後はどのようなキャリアの再構築を考えていましたか。

「次はRIZINとか言われたりもしましたが基本、思った通りにならない。だから何も考えていなかったです。RIZINからオファーをいただけるとしたら、それは周囲も関係していることですし。待っていて何もしないのではなくて自分は自分で、常に行動していないといけない。動いてこそ、チャンスが広がる。次はどこで戦うとかよりも、とにかく練習をして強くならないといけない。そのなかでトライアウトに挑戦する――チャレンジをすること自体が良いなと思いました」

――どのような境遇を手に入れるためにトライアウトを受けたのでしょうか。

「最初に聞いたのは練習ができて住む場所と食事が保障されるということです。そしてタイガームエタイのマネージメントを受けることができる」

――サラリーがあるということではない?

「給与を手にできる――それはファイトの機会を創ってくれることだと理解しています(笑)。戦わないと給料はもらえない。それが僕らの仕事なので」

――実際にトライアウト期間というのは?

「5月7日の試合後……17日にトライアウトを受けることにして、合格したのが6月24日でした。やはり日本とは気候が違うので、慣らすために早く入って18日から6日間のトライアウトを受けました」

――どのような点をチェックされたのですか。

「全部です。寝技、打撃、レスリング、フィジカル。トライアウトに参加する選手やジムの選手と練習して。後半はトライアウト中のメンバーだけになっていました」

――何人でトライアウトを?

「書類選考で選ばれて現地でトライアウトを受けたのが、32人で。ムエタイとMMAで5人が合格しました」

――国籍的には?

「ダゲスタンを始めロシア系、イラン、UAEやサウジアラビア、中東の国の選手も多かったです。それとカザフスタン、キルギス――モンゴルや中国、韓国はいなかったです。日本人は山口(怜臣)選手も受けていました。でも、何をチェックされて合否があったかは僕も不明です(苦笑)」

――そしてマネージメントもタイガームエタイとなったと。

「だからといって、日本で試合をしないということはないです。DEEPの佐伯さんも『試合が決まったら教えて』と言ってくれていて。佐伯代表と直接やりとりができるのも、タイガームエタイ所属になった利点かなって思います」

――意中のプロモーションはありますか。

「シンプルに言えばお金を稼げるところ……です。そうなると国外が最初にくるかと思っています。ファイトマネーがないと生活ができない状況になったので(笑)。日本にいると海外で戦う機会は、今よりずっと少なかったので視野も狭くなっていたと、今は思えます。日本では海外からのオファーは普通ではないので、それだけのビジョンを描くことができないですよね。だから、今はそういう海外の試合から引っかかればなって思っています」

――思い通りにならないと明言していましたが、希望は持ってほしいです。

「ハイ。タイガームエタイはONEともしっかりと話ができますし、フライデーファイトでも出られるところに出たい。そこで知名度を上げて、しっかりと稼げるような選手になる。やんわりやっていこうかなっていうのではなくて、タイガームエタイでちゃんと練習してMMAで食っていく。そう明確に考えるようになりました」

――契約期間はどれぐらいですか。

「最初は1年契約、そこからは希望更新です」

――タイガームエタイで強くなれる手ごたえの方は?

「なれます。それはどこにいても、そう思ってやってきました。福岡では自分で練習時間を創ってもパートナーがなかなか揃わないので、思い通りの練習ができていたとは言い難いです。皆、生活があるので。そのなかで僕はもっと練習したいと思っていたので、常にトレーニングパートナーが存在するだけで違ってきます。

一つのジムにレスリングの先生、寝技の先生、打撃の先生、MMAの先生が揃っていて、色々な体格、色々な国の選手がいる。強くなるかどうかでいえば、向うは強くなりやすい環境じゃないのかなって思います。トライアウトで合格したメンバーはロシア人、カザフスタン人、キルギス人、ウクライナ人、そして日本――僕らはチームとしてやっていきます」

――ロシア人選手とウクライナ人選手が……。

「ウクライナの選手は英語が分かって、ロシア人選手に通訳してあげて。凄く仲良くやっています。バンタム級以下が4人で。あっ、僕は小さいから選ばれたのかも。ライト級やウェルター級がたくさんいたけど、合格者は小さい選手が多かったので」

――いやぁ、強くなれそうですね(笑)。

「ハイ(笑)。最高の練習場所、格闘技をやりたい場所をチャレンジし、試されて手にすることができました。これでやっとプロらしくなれた。勝ちさえすれば生活できる。そのためだけの環境を手にできたと思います。皆が見て、楽しいなと思ってもらえる試合を世界でやりたいです」

■ Bloom FC01対戦カード

■第2部

<フライ級/5分2R>
市川剛希(日本)
荒木凌(日本)

<バンタム級/5分2R>
河野慶樹(日本)
荒木雄登(日本)

<バンタム級/5分2R>※
NAO(日本)
後藤優弥(日本)

<フェザー級/5分2R>
出田貴大(日本)
RAGO(日本)

<フライ級/5分3R>
上田将年(日本)
ツェルマー・オトゴンバヤル(モンゴル)

<バンタム級/5分3R>
原田惟紘(日本)
上田祐起(日本)

<フェザー級/5分2R>
盛坪チャッピー大樹(日本)
柿原”RR”昇汰(日本)

<フライ級/5分2R>
柴山鷹成(日本)
真生(日本)

<フライ級/5分2R>
平賢二郎(日本)
陸虎(日本)

■第1部

<フェザー級/5分2R>※
林大輝(日本)
森本健介(日本)

<ライト級/5分2R>
平川杏平(日本)
髙橋惺哉(日本)

<63キロ契約/5分3R>
持田哲兵(日本)
パク・サンヒョン(韓国)

<ライト級/5分2R>
深見弦汰(日本)
清水洸志(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級/5分2R>
野瀬翔平(日本)
米倉大貴(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング無差級/5分2R>
中村勇太(日本)
小次郎(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級/5分2R>
スターリング・ベアー・ミーチャム(米国)
ムクロック(日本)

<フライ級/5分2R>
koki(日本)
下田洋介(日本)

<フライ級/5分2R>
堺龍平(日本)
田上健太(日本)

<フライ級/5分2R>※
林大輝(日本)
森本健介(日本)

※はヒジ無し

The post 【Bloom FC01】一足早く―福岡発、世界へ。本田良介「勝ちさえすれば生活できる環境を手にできた」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
AB ABEMA Black Combat DEEP DEEPフライ級GP MMA MMAPLANET NAIZA FC55 o RIZIN RIZIN44 ジアス・エレンガイポス ユ・スヨン 修斗 山本アーセン 海外 石司晃一 福田龍彌

【RIZIN44 & NAIZA FC55】福田龍彌が振り返るアーセン戦&NAIZA─02─「二冠になり、バンタム級で…」

【写真】いかなる終了の仕方でも、ルールに則り福田の勝利は動かない。それでいて、絶対に再戦が見たい激闘だった(C)RIZIN FF

9月24日(日)、さいたまスーパーアリーナにて開催されたRIZIN44で、山本アーセンに3R TKOで勝利した福田龍彌のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

1Rと2Rで仕留めるための準備が終わった。「さぁ、これから――」と3Rに臨む福田に対し、ドクターチェックからアーセンの逆襲が始まる。驚きながらも基本通りのジャブを突き続け、レフェリーストップを呼び込んだ福田。その激闘を振り返るとともに、2023年を締めるカザフスタンでの戦いについて訊いた。

<福田龍彌インタビューPart.01はコチラから>


――ここから仕留めに行く……、その前にドクターチェックが入りました。

「絶対に試合が終わってほしくないって思いましたね。ドクターチェックのあと、アーセン君が『ごめんなさい、待たせちゃって』と言うから、『何分でも待つよ』って。するとアーセン君も『ありがとうございます!』と返してくるんです。すんごいナイスガイでした。

それで3Rが始まって、ボディを打とうとしたところに左フックをもらってヒザを着いてしまうけど、ここは効いていないんです。ビックリして引くタイミングでコケちゃった、みたいな。見栄えは悪いけどダメージはなくて」

(C)RIZIN FF

――その後、アーセン選手が左跳びヒザから組んできました。

「僕としてはコレがビックリして。

(C)RIZIN FF

跳びヒザから着地際の右フック――周りにこういうことをしてくる人はいませんでしたから。

でもテイクダウンを切ったあとに僕が、起き上がり際にヒザ、左ストレートと打つんですけど、ここでアーセン君の顔をカットしたんですよ。

相手も見えてへんから『思いっきり行ったろう』と思っていたらドクターチェックが入って。僕のほうが『マジかぁ!』と言っているんです(笑)」

――福田選手のほうが悔しかったわけですか。

(C)RIZIN FF

「やっぱり白黒つけたいから。

レフェリーストップはエェけどカット系のドクターストップは、試合後に『あのままやっていれば……』という『たら・れば』論が出てきちゃうじゃないですか。それが嫌だし、たぶん彼も嫌だったと思います。最後までやりたかったから、僕のほうが『アーセン! アーセン!』と音頭を取りました。ホンマにアーセン君に対する歓声が凄くて、『アーセン!』という音が会場からリングに降ってきていましたからね。

ドクターストップになったあと、僕から『またやろう。今回はしゃあないわ。戦ってくれてありがとう』と伝えました。アーセン君も『俺まだやれるから』と言っていたけど、レフェリーやドクター、ルールあっての場所やからね。仕方ないです」

――試合前と試合後では、アーセン選手に対する印象も変わったのではないですか。

(C)RIZIN FF

「アーセン君の評価は爆上がりしているでしょう。

ホンマに強かったし、良い試合やったと思います。僕も楽しくて、もっと試合を続けたかった。あの内容なら5分5Rやりたかったな、と思えるぐらいの良い時間でした。

でも一番良かったのは、お客さんが喜んでくれたことです。試合をしている二人だけが楽しいだけなら、この試合よりもクオリティの高い殴り合いは日常的にジムでやっているから。これで喜んでくれるなら、練習を見てくれたらもっと面白い動きを見せられるで、と思います。それが僕らの日常なんですよ」

――確かにトップファイターの練習を見ているだけでも面白いと思う瞬間があります。

「そうでしょう? そんな日常から、さいたまスーパーアリーナのお客さんが喜んでくれるようなモノを提供できるようになったんやなと感じました。さいたまスーパーアリーナという格闘技の聖地で、当日の試合の中ではお客さんが沸いたほうやし、RIZINさんに対しても良い試合ができたかなと思っています」

――なるほど。次は早速、12月2日にカザフスタンで開催されるNAIZA FC55で、同フライ級王者のジアス・エレンガイポスに挑むことが発表されました。これまで海外の試合を希望していた福田選手としては、その希望どおりという試合ですか。

「あぁ、それはハッキリと書いておいてほしいんですけど――僕としては『国内より海外』という気持ちはないです。僕は職業=戦士であって。誰と何キロで、ファイトマネーいくらで戦うか。それで年間、何試合できるか。そういう仕事として試合をしています。だから国内、海外どっちでやりたいというのもなくて」

――あくまで海外から仕事のオファーが来た、ということですね。そう考えると今年はDEEPフライ級GPで優勝し、さいたまスーパーアリーナの観客を沸かせて、海外大会の王座挑戦で締めるという……。

「おかげさまで仕事がうまく行っています。本来は9月18日のDEEP×Black Combat対抗戦にも出たかったんですよ。対抗戦に出なかったら、何のためにフライ級GPで優勝したんやっていう感じやないですか。せっかく韓国から選手が来てくれるのに、チャンピオンが出ないのは相手に失礼やと思って。でもフライ級は駒杵選手が一本で勝ってくれて良かったです。僕としては対抗戦に出ていたバンタム級の選手に興味があります。彼はNAIZA FCのバンタム級チャンピオンなんですよね」

――石司晃一選手を下したユ・スヨンですね。Black Combat、DEEP、そしてNAIZA FCのバンタム級王者でもあります。

「僕が次の試合でNAIZA FCフライ級のベルトを獲ったら、DEEPとNAIZA FCのフライ級2冠王になりますよね。そしてユ・スヨンがNAIZA FCとDEEPのバンタム級2冠王――そこで僕がバンタム級に転向できればエェかなと思っています」

――日本とカザフスタン、DEEP & NAIZA FCの2冠王者同士の対決に!

「僕を応援してくれている人って、僕が修斗時代から殴り合っているのを観てくれている人たちばかりなんです。そうした人たちのおかげで、ここまで来られているわけやから。平野区民センター、阿倍野区民センター、高松シンボルタワーから、さいたまスーパーアリーナへ。そしてカザフスタンまで――感慨深いですよ。

だから『国内より海外』っていう気持ちもないし、大きな会場だけで試合をするというつもりもないです。もちろん今後も後楽園ホールで試合がしたい。僕の中にあるのは、『お金を払って試合を観てくれている人たちに楽しんでもらいたい』という大前提だけで」

――それはNAIZA FCをはじめ、海外で試合をする時も気持ちは同じですか。

「同じですよ。言葉が分からない人たちを、試合で沸かせるのって最高じゃないですか。RIZINに出ても8割ぐらいは、アーセン君のことは知っていても僕のことは知らない人たちだったでしょう。それはもう海外と環境は変わらないですよ。僕のパンチが当たってもシーンとなっているのに、アーセン君のパンチがかすっただけで『ウォーッ!!』と沸いていて。こんなに違うんやって思いました。でも2Rあたりから、僕のパンチが当たっても沸くようになりました。ちゃんとヤバいものを提供できたら沸くし、みんなが見入ってくれる。それだけヒリヒリしてくれるわけですよね。

勝負事やから、置きに行く選手もいるじゃないですか。僕は今までたくさん負けてきているので、そういう意味では『負けても構わない』という気持ちで臨んでいます。と同時に、『絶対にコイツを仕留めたろ』という気持ちで戦っています。相手を仕留めるために5分3Rをどう使うか。仕留めるための過程も楽しんでもらう場所、それが試合なんですよ。次はカザフスタンのお客さんに、僕の試合を楽しんでもらいたいし、会場を沸かせたいです」

The post 【RIZIN44 & NAIZA FC55】福田龍彌が振り返るアーセン戦&NAIZA─02─「二冠になり、バンタム級で…」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
AB ABEMA Black Combat DEEP DEEP Tokyo Impact DEEP Tokyo Impact2023 #07 DEEP117 DEEPフライ級GP MMA MMAPLANET o ONE RIZIN TOP FC ソ・ドンヒョン 上迫博仁 佑勢乃花 倉本拓也 原虎徹 大原樹理 小川徹 川原波輝 杉山廣平 越智晴雄

【DEEP117&DEEP Tokyo Impact2023 #07】越智×佑勢乃花のストロー級暫定王座戦、上迫は国際戦で復帰

【写真】ベテラン同士の暫定王者決定戦(C)MMAPLANET

2日(木)、12月2日(日)東京都港区にあるニューピアホールで開催される「DEEP117」と「DEEP Tokyo Impact2023 #07」の対戦カードが発表された。
Text by Shojiro Kameike

夜の部となるDEEP117では同ストロー級暫定王者決定戦として、越智晴雄と佑勢乃花が対戦する。今年5月に大原樹理の持つライト級王座に挑み、ベルト獲得に失敗した上迫博仁は、フェザー級での再起戦で韓国のソ・ドンヒョンを迎え撃つこととなった。


越智にとってはかつて自身が保持していたストロー級王座を、暫定という形ながら取り戻すチャンスがやってきた。2020年8月に越智を下して同ベルトを巻いた川原波輝は、現在ONEに参戦中だ。越智はベルトを奪われたあとにフライ級へ転向するも、DEEPフライ級GPで敗れてストロー級に戻って2連勝中だ。いずれも得意のギロチンで勝利しているが、何よりフライ級での試合と比べ、越智にとって最大の武器である踏み込みの速さで相手を圧倒している。

対する佑勢乃花はMMA戦績19勝14敗3分うち、13の一本勝ちを挙げているサブミッションファイターだ。2022年9月からDEEPに参戦し、これまで2戦を経験しているが、いずれも一本勝ち。テイクダウンを奪われても下からのサブミッションやリバーサル、トップを奪ってからのコントロールも強い。2010年にZSTでプロデビューしてから13年の大ベテランだ。過去の実績では越智が大きく上回るものの、そんな越智の踏み込みの速さを佑勢乃花がいかに捌くのかも注目したい。

”ピナクル”ソ・ドンヒョン×上迫博仁(C)DOUBLE GFC & MMAPLANET

上迫と対戦するソ・ドンヒョンは「ピナクル」(Pinaccle=頂点、所属ジムの名称でもある)のニックネームを持ち、MMA戦績は5勝2敗1分。これまでTop FC、Angel’s FC、さらにDoubleG FCと韓国MMA団体を渡り歩き、今年4月にはAngel’s FCの代表としてHEATとの対抗戦に出場した。倉本拓也を相手に前蹴りとローで距離を制し、パンチのカウンターとテイクダウンで優位に立ち判定勝利を収めた。

しかし距離とテイクダウンの勝負となれば、上迫が有利となることは間違いない。さらにこの試合からフェザー級に戻す上迫の動きにも注目が集まる。一方のソ・ドンヒョン――というよりも今の韓国勢は、DEEP×Black Combat対抗戦の内容でも明らかなように、相手の研究と実行、そして自身の成長具合が計り知れない。過去の試合映像と全くファイトを見せるのが、今の韓国勢の強さだ。

また、昼の部となるDEEP Tokyo Impact2023 #07では原虎徹が三ツ塚勇介と対戦する。2022年は元KOPの小川徹をKOしてブレイクかと思われた原だが、続く杉山廣平戦では一本負け。ここが踏ん張りどころだ。また、プロデビューから2連勝中の中務太陽が諏訪部哲平と対戦する

11月から12月にかけて、大阪大会も含めて6大会――現在のDEEPの勢いを見せつけるかのような大会数と内容が、来年の展開にのどのような影響を及ぼすのか見逃せない。

The post 【DEEP117&DEEP Tokyo Impact2023 #07】越智×佑勢乃花のストロー級暫定王座戦、上迫は国際戦で復帰 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
Black Combat DEEP DEEP JEWELS DEEP115 DEEPフライ級GP KOMA MMA MMAPLANET NEXUS o RYO RYOGA YouTube   イ・ソンハ キム・ソンウン シン・スンミン チャンネル デメトリウス・ジョンソン パク・シユン マサト・ナカムラ ユ・スヨン 伊藤裕樹 佐藤将光 力也 大原樹理 大島沙緒里 木下尚祐 本田良介 杉山廣平 松場貴志 石司晃一 酒井リョウ 鈴木槙吾 青井人 風我 駒杵嵩大

【DEEP115】Black Combatとの対抗戦、フライ級DEEP代表=駒杵嵩大─01─「まず自分から組んでいく」

【写真】柔道だけで勝てなくなった時、柔道が生きる(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP115 Impact 「DEEP vs BLACK COMBAT」。DEEPとBLACK COMBATの対抗戦で、駒杵嵩大がフライ級代表としてキム・ソンウンと対戦することとなった。
Text by Shojiro Kameike

2019年にNEXUSフライ級王座を獲得した駒杵は、ZSTで1試合行ったあと2021年よりDEEPに参戦する。新天地で2連敗を喫してから、3連勝と盛り返し今回の対抗戦を迎えた。ただ、その間に開催されたDEEPフライ級GPにエントリーしたものの、減量失敗で1回戦は欠場となってしまう。厳しい体験の中で駒杵が見つけ、さらに克服してきた課題とは。


――現在DEEPで3連勝を収めて、今回の対抗戦にフライ級代表として臨みます。ただ、次の試合に関する話の前に訊いておきたいのが……DEEPフライ級トーナメントに関して。トーナメント1回戦は松場貴志選手との対戦が予定されていましたが、駒杵選手は減量失敗で病院に搬送され、欠場となりました。それ以降、盛り上がるトーナメント戦をどのように見ていましたか。

「あのトーナメントで優勝できれば、MMAファイターとして何かしら形にできたと思います。だからこそ欠場になってしまったのは悔しくて。何より、いろんな方にご迷惑をおかけしてしまいました」

――1回戦から決勝までトーナメントの勝敗は予想していたものでしたか。

「正直、本田良介選手が伊藤裕樹選手に勝って、決勝に進んだのは意外でした。本田選手とは僕も一度対戦していて、負けましたけど――跳びヒザ蹴りで逆転KO負けという内容でした。僕は伊藤裕樹選手に注目してGPを視ていたんですよ。伊藤選手と本田選手の試合は『伊藤選手が捌いて勝つのかな』と予想していて。伊藤選手はグラップリングも強いじゃないですか。その伊藤選手に本田選手がグラップリングで勝ちましたよね。

とにかくMMAは柔道と違って、相手との相性という部分も大きいんだなと感じています。分かりやすく言えば、パンチを食らったら負ける。食らわなければ勝てる――という想いが強くなりました」

――本田選手のファイトスタイルは、相手が打撃を出してくる前に潰していくというものでした。柔道ベースの駒杵選手にとっても参考になったわけですね。

「そうなんです。相手のパンチを食らわないように、食らわないようにしながら組むよりも、まず自分から組んで行ったほうが良い。自分の中でもそういう意識が高まっていたなかで、本田選手の試合を視て改めて意識するようになっています」

――DEEPフライ級GP欠場からの復帰戦であった、昨年5月のRYOGA戦は速攻で腕十字を極めました。あの試合は『相手が何かしてくる前に自分から潰していこう』という気持ちが強かったのでしょうか。

「あの試合は少し違いますね。もともと風我選手と対戦する予定で、いろいろ対策を立てていたんです。でも風我選手が怪我で欠場になり、急きょRYOGA選手と試合することが決まったので対策は関係なくなりました。試合ではRYOGA選手から距離を詰めてきて。僕としては組んだら倒せる自信はありましたし、結果的にすぐ極めることができました」

――対して今年3月に風我選手とフルラウンド戦った試合内容はいかがでしたか。

「フィニッシュしたかったけど、まず完封することができました。GPの時から風我選手の評価も上がってきていて、その相手に何もさせずに勝てたので良かったと思います」

――その風我戦から6カ月、試合間隔が空いたのは何か理由があったのでしょうか。

「特に何もないです。体で不調なところもありましたし、技術的にも伸ばしたいところがあって、試合間隔が空いたのも調整期間になって良かったですね。僕は特に打撃に関して課題がありました。距離感や、しっかりと相手の動きを見ることとか――もっともっと丁寧に戦わないといけない。以前からずっと、そう思っていました。でも試合が続くと対策練習をすることが多くなるし、かといって新しいことをいきなり試合で試すことも難しいじゃないですか。

僕としても試合では勝つことを重視しているので、どうしてもグラップリングに重点を置きがちになります。そこで今回は試合間隔を空けさせてもらって、打撃面も含めて伸ばしてきました。そんな時に今回のBLACK COMBATとの対抗戦が、タイミング良く入ってきたような感じですね。僕としては、いつもと同じように日本人選手との試合でも良かったですが、対抗戦という良い話を頂けたなぁと思います」

――打撃面も含めた課題に取り組み始めたのは最近のことですか。

「ずっと課題ではありました。一番やらないといけないと思ったのは、DEEPに参戦して2連敗した時ですね。それまでは柔道時代の貯金で勝っていたような気がします。連敗してから課題に取り組みつつ、試合の準備もしながら――という状態でした。今回は試合間隔を空けて、しっかりと課題に取り組むことができて良かったです」

――駒杵選手は柔道の国際大会で優勝し、全日本強化指定選手になっています。それだけのベースがあれば、MMAという他競技でも柔道時代の貯金で、ある一定のレベルまでは勝ち進むことができますよね。しかし、必ずどこかで壁がやってくる。そういう柔道やレスリング出身のMMA選手が多いのも事実です。

「はい、勝てちゃうんです(苦笑)。MMAを始めた頃にアマチュアの試合を見ていても、レスリングや柔道出身の選手が勝つことのほうが多かったんですよ。打撃の経験が少なくても、ヘッドギアをしているのでパンチを食らっても耐えることができる。プロでも序盤は、相手の打撃がそれほど強くないから勝てる。

そこからワンランク上がると、打撃の壁に阻まれてしまいます。それに気づかせてもらったのは、佐藤将光さんと練習し始めてからです。将光さんと練習していたら、自分のボロしか出てこなくて(笑)。もちろん打撃以外も……全部できないといけない。今の僕の理想は、デメトリウス・ジョンソンです」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
9月18日(日)
午後5時40分~DEEP チャンネル-YouTube、U-NEXT、サムライTV

■ DEEP115対戦カード

<ヘビー級/5分3R>
酒井リョウ(日本)
ヤン・へジュン(韓国)

<DEEP & Black Combatライト級選手権試合/5分3R>
大原樹理(日本)
イ・ソンハ(韓国)

<DEEP & Black Combatバンタム級選手権試合/5分3R>
石司晃一(日本)
ユ・スヨン(韓国)

<DEEP JEWELS & Black Combat女子級アトム級選手権試合/5分3R>
大島沙緒里(日本)
パク・シユン(韓国)

<ミドル級/5分3R>
鈴木槙吾(日本)
チェ・ジュンソ(韓国)

<フェザー級/5分3R>
青井人(日本)
シン・スンミン(韓国)

<フライ級/5分3R>
駒杵嵩大(日本)
キム・ソンウン(韓国)

<バンタム級/5分2R>
力也(日本)
木下尚祐(日本)

<フライ級/5分2R>
杉山廣平(日本)
KENTA(日本)

<ライト級/5分2R>
涌井忍(日本)
倉本大悟(日本)

<フライ級/5分2R>
マサト・ナカムラ(日本)
亀田一鶴(日本)

<アマ68キロ契約/3分2R>
安井飛馬(日本)
菅涼星(日本)

The post 【DEEP115】Black Combatとの対抗戦、フライ級DEEP代表=駒杵嵩大─01─「まず自分から組んでいく」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
DEEP DEEPフライ級GP MMA MMAPLANET o ONE RIZIN Road to UFC UAEW UAEW44 UFC アムル・マゴメドフ サビア・アラウイ サラマット・オロザクノフ フィルカドベク・ヤクボフ ボクシング 倉本一真 吉野光 岩本健汰 海外 神龍誠 藤田大 藤田大和

【UAEW44】砂漠のUFCへの道。藤田大和 in アブダビ―01―「ギリギリのタイミングで試合が決まりました」

【写真】アブダビは人工的な緑と水の豊か街だが、砂漠の熱風だけでなくペルシア湾の湿った空気もあり本当に暑さを感じる街だ(C)TAKESHI YAMAZAKI

26日(土・現地時間)にUAEはアブダビのエディハド・アリーナで開催されるUAEW44で、藤田大和がウズベキスタンのフィルカドベク・ヤクボフと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

メインで予定されていたUAEWライト級王座決定戦=アムル・マゴメドフ×アレックス・ダ・シウバの一戦が、前者の欠場で163ポンド契約マッチ=シウバ×バジシュ・サルママトフに変更された今大会、藤田は日本人として2人目のUAEW出場となる。

その藤田は昨年7月にRIZIN沖縄大会で曹竜也を下したあと、翌8月からスタートしたDEEPフライ級GPは欠場に。以降は海外での試合を希望しているという話が伝わってきていた。そして曹戦から1年の時を経て、UAEW出場が決定。MMAでは初となる海外での試合に向け、アブダビ入りした藤田をキャッチした。


――この取材は8月21日に行っています。アブダビは今、朝10時ですよね。昨夜現地に入ったそうですが、暑さはいかがですか。

「外に出たのは昨夜、空港に着いた時だけで、今日はまだホテルから出ていないんですよ。でも昨夜の時点で蒸し暑さを感じました」

――天気予報によると、今日のアブダビは最高気温が40度で、湿度が46パーセントとのことです。日本のほうが湿度は高いですが、日本とは異なる暑さを感じませんか。

「すごく湿度が高く感じますよね。日本とは違うなって思います」

――そのアブダビに、すでに体を絞った状態で入っているのですね。顔つきも細く見えます。

「はい。水抜き前までの状態まで落として日本を出発しました。こちらで体を動かして体重を落とすようなことはないですね」

――アマチュアボクシング時代も含めて、海外での試合経験はありますか。

「実はボクシングで初めての海外遠征先がイランだったんですよ。だから中東は初めてじゃないんです」

――えっ、そうだったのですか。

「高校時代のユース・アジア選手権ですね(2010年3月)。その翌月にはアゼルバイジャンでも試合をしています。もう15年も前の話なので、あまり当時のことは覚えていませんが(苦笑)。ただ、またイスラム圏で試合をすることになるとは不思議な気持ちです」

――藤田選手は昨年7月の曹竜也戦以来、1年1カ月ぶりの試合を迎えます。この間、海外で戦うことを目標にしているという話を聞いていました。

「そうですね。いろんな方に出られる大会を探していただいてUAEWに出られることになり、ホッとしています。」

――様々な団体と交渉しているなか、このUAEWは最初から視野に入っていたのですか。

「いえ。全く――というわけではないですけど、あまり大会について知らなかったです(苦笑)。日本から吉野光選手が出場していたので、UAEWという大会があることは知っていました。でも自分がアブダビで戦うとは想像していなかったですね」

――他にはどの大会と交渉していましたか。

「Road to UFC、ONE、あとは神龍誠君がベルトを獲ったCFFCといったところも考えていました。あとは豪州の団体も」

――結果、1年を経てUAEW出場が決定しました。この1年間は海外の試合が決まらなければ国内で試合をするという選択肢はなかったのでしょうか。

「ギリギリのところでしたね。UAEWの試合が決まったのが、ちょうど前の試合から1年経ったところで。これ以上、試合間隔が空くようなら国内の試合も考えようと山﨑(剛Me,We代表)さんと話をしていました」

――その間、主戦場としていたDEEPではフライ級GPが開催されていました。ご自身のいないDEEPフライ級GPはどのように見ていましたか。

「フライ級GP、すごく面白かったです。僕が対戦したことのある選手も出場していましたし、ずっと見ていました。そのなかで福田選手が優勝して――自分も福田選手と対戦したいっていう気持ちになりました。前から福田選手の存在は気になっていたんですよ。GPの試合を視て、以前よりも戦いたい気持ちが強くなっています」

――一方で福田選手としては、1年間も試合がないことに対して焦りはなかったですか。

「焦りがないというわけではなかったです。1年間は長かったですよ。でも練習へのモチベーションが下がることはなかったですね。試合がないから、試合が決まらなそうだから――というのは関係なくて。逆に日本国内でフライ級が盛り上がることで、すごく良い刺激をもらいました。さらにギリギリのタイミングでUAEWの試合が決まりました」

――では練習をしながら試合決定を待っていた1年で新しく取り組んだり、伸ばしてきた部分はありますか。

「いろんな面を伸ばしてきました。たとえば倉本一真先輩が米国のファイトレディで教わったことを、僕が日本でドリル練習に取り入れたりしました。グラップリング面でも岩本健汰君が週1回、Me,Weに来て技術を教えてくれていたんですよ。グラップリングの立ちから寝から――いろいろと。この1年、試合はしていなくても全体的に成長してきたなって感じます」

――1年前の自分と比べて、今は何パーセント増しになっていると思いますか。

「そうですね……。20パーセントから30パーセント、と言っておきます(笑)」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
8月26日(土・日本時間)
午後11時00分~ UFC Fight Pass

■ UAEW44対戦カード

<163ポンド契約/5分3R>
アレックス・ダ・シウバ(ブラジル)
バジシュ・サルママトフ(キルギスタン)

<バンタム級/5分3R>
サビア・アラウイ(カナダ)
チィルイイースー・バールカン(中国)

<フライ級/5分3R>
サンスハル・アジロフ(カザフスタン)
キリンベク・アルティミシュ・ウルル(キルギス)

<ウェルター級/5分3R>
サマンダル・ムラドフ(タジキスタン)
ルーカス・サンパイオ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
ラシッド・ヴァガボフ(ロシア)
チュウ・ルン(中国)

<ミドル級/5分3R>
イスラム・アブドゥル・バシット(エジプト)
ロビン・ルース(スウェーデン)

<フライ級/5分3R>
フィルカドベク・ヤクボフ(ウズベキスタン)
藤田大和(日本)

<ウェルター級/5分3R>
シェフバン・アルハソフ(ロシア)
サラマット・オロザクノフ(キルギス)

<フライ級/5分3R>
ジョーヴィンセント・ソー(フィリピン)
アーロン・アビー(英国)

<176ポンド契約/5分3R>
エルキン・ダルメノフ(カザフスタン)
マルク・ハルム(南アフリカ)

<160ポンド契約/5分3R>
ルスタン・セルビエフ(ベルギー)
アナル・フシイノフ(アゼルバイジャン)

<150ポンド契約/5分3R>
イスラム・レダ(エジプト)
アーニー・ブラカ(フィリピン)

<女子フライ級/5分3R>
マリア・エウヘニア・ズブルン(アルゼンチン)
バクチブグル・クルマンベコワ(キルギス)

<ウェルター級/5分3R>
コホタム・ボイナザロフ(ウズベキスタン)
ミキャイル・バイハム(フランス)

The post 【UAEW44】砂漠のUFCへの道。藤田大和 in アブダビ―01―「ギリギリのタイミングで試合が決まりました」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
DEEP DEEPフライ級GP MMA MMAPLANET o ONE Torao TORAO29 デメトリウス・ジョンソン 修斗 本田良介 泰斗 田上こゆる 田中半蔵 筋トレ

【TORAO29】福岡大会で畠山隆称戦、泰斗─02─「打撃もグラップリングもやる気満々です」

【写真】本田良介のスタイルで、打撃を織り交ぜることができれば──それはも北米スタイル(C)MMAPLANET

28日(日)、アクロス福岡で開催されるTORAO29で、畠山隆称と対戦する泰斗のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

プロデビューから3連勝。順調にキャリアを重ねていたと思われたが、昨年12月、田上こゆるに敗れた泰斗は敗戦から何を感じたのか。畠山との福岡×ルーキー対決、泰斗は「フルラウンド動き続ける」と断言した。

<泰斗インタビューPart.01はコチラから>


――目標である本田選手がDEEPフライ級GPの決勝まで進んだことは、どのように捉えていますか。

「本当に凄かったし、嬉しかったです。決勝は残念な結果に終わって、良介君も少し落ち込んでいました。でも僕も含めて練習仲間の試合が続々と決まっているので、今は前を向いて一緒に練習していますね。良介君だけでなく、僕たち全員が」

――その本田選手と同じようにフルラウンド動き続けることができるようになったのは、レンジャーズジムに入ってどれくらい時間が掛かりましたか。

「まずレンジャーズジムに入って1年で、修斗でプロデビューすることができました。ジムに入る前から、同じ階級の中ではフィジカルが強かったほうだと思います。あとは技術を覚えることを意識していて。その結果、自分の得意な形が見えてきました。自分の得意なところを見つけることができたというのが一番良かったですね」

――現在のスタイルを考えると、ジムにフルケージが設置されている環境も影響したのではないでしょうか。

「僕がジムに入った頃は、まだケージがなくて。プロデビューする頃にはケージが入ったので、それは大きいです。ケージがあることについては皆さんから言われるし、本当に良い環境で練習させてもらっています」

――レンジャーズジムでは田中半蔵選手も練習しているのですよね。

「はい。階級が違うのでスパーとかで絡むことは少ないんですけど、福岡にある宝満山という山で一緒に走ったりしています。結構高い山(※標高約830メートル)で、傾斜もキツイですけど道がしっかりしているので、良いトレーニング場所なんですよ。

そういったトレーニングのおかげで、プロデビューしてからもフィジカルでは相手より上だと感じていました。体つきは、もともと筋肉質だと思いますけど――あまり筋トレをしなくても筋肉が付きやすいですね」

――今回はZOOMのインタビューですが、画面で見える姿が試合時のゴツい体とは違っていて、別人かと思いました(笑)。

「アハハハ、着痩せするタイプなんですよ」

――なるほど。その結果プロデビューから3連勝を収めましたが、昨年12月に田上こゆる戦で初黒星を喫しました。田上戦の感想を教えてください。

「試合が決まった時は嬉しかったです。田上選手はずっと有名で、僕も試合を見ていた選手でしたから。こんなに早いタイミングで試合できるのか、と思いました。正直、自分のスタイルとハマるんじゃないかと考えていて。打撃についても、田上選手とやり合えたら自分にとっても自信になる。ここで勝ったらランキング入りできる。強敵やけど、やるしかない。そう覚悟を決めて挑みました。

でも試合をしてみると、田上選手もフィジカルが強くて。自分の中ではテイクダウンで背中を着けさせるイメージが出来上がっていたんですが、相手も対策ができていて、しっかり倒すことができませんでした。特に、組んでいる時のヒジがポイントだったと思います。相手がヒジを打ってくることを想定していなかったわけじゃないですけど、田上選手の良いところにハマッてしまったと思います。

ただ、良い経験をさせてもらいました。3Rフルで戦えたこと。最後にバックを奪った時も、体力は切れていなくて。しかも、そこまで力を使うこともなかったです。3Rでもスタミナが切れることなく、力を出せたことは良かったですね」

――まさに本田良介スタイルですね。

「それはもう――良介君がバテたところを見たことがないです(笑)」

――アハハハ。そんな田上戦から5カ月、この期間に新しく取り組んだことはありますか。

「何かコレといった、新しいものはないですね。日々、全面的にレベルアップさせていくことが大事だと思っています。もちろん対戦相手が決まったら対策は立てますけど、今回は普段から練習量をアップさせてきました。今後は良介君の真似をするだけじゃなく、どんどん自分の色も出していく。もっと自分なりの打撃を出したりしていきたいです」

――では次の対戦相手、畠山隆称選手の印象を教えてください。

「まだキャリアが浅い選手同士の潰し合いですよね。すごく楽しみです。畠山選手は何でもできるタイプで、際の部分もしっかりしているし、気が抜けない相手だと思います。僕も全面的に戦いたいですね。体格的には畠山選手のほうが大きいと思いますが、僕も大きな選手と試合するのは慣れています。試合でも常に相手のほうが大きいですし。自分にとっても大きな相手のほうが戦いやすいです」

――テイクダウンで動き続ける泰斗選手と、グラウンドで動き続ける畠山選手の対戦は、とてもタフな試合になると思います。そこで組みの展開以外、打撃面はどう考えますか。

「打撃もグラップリングもやる気満々です。畠山選手が相手なら、絶対にどちらの展開もあると思うので。良介君もそうだし、デメトリウス・ジョンソンのようにフルラウンド動き続けるスタイルが理想なんです。それがMMAだと考えています。そうなるためには、もっともっとキツい練習が待っていますけど(苦笑)」

――確かにそうですね。最後に、今後MMAを続けていくうえでの目標を教えてください。

「ベルトを獲りたいし、ONEなど世界で戦いたいです。そして将来は自分のジムを持ちたいと考えています。もともと格闘技でメシを食うつもりはなかったし、趣味でMMAを始めた人間です。でもレンジャーズジムに入って、気持ちが変わりました。『自分には格闘技しかない』と。外で遊ぶよりも練習や指導しているほうが楽しくて、もうMMAこそが自分の人生だと思っていますよ」

■視聴方法(予定)
5月28日(日)
午後2時55分~ Twit Casting LIVE

The post 【TORAO29】福岡大会で畠山隆称戦、泰斗─02─「打撃もグラップリングもやる気満々です」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
DEEP DEEP113 DEEPフライ級GP MMA MMAPLANET o UFC 修斗 宇田悠斗 安谷屋智弘 平良達郎 本田良介 杉山廣平 海外 神龍誠 福田龍彌

【DEEP113】フライGP決勝=本田良介戦へ。福田龍彌「京都在住の選手が到達したことのないところに行く」

【写真】相当に有言実行な選手、それが福田龍彌 (C)SHOJIRO KAMEIKE

7日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP113 IMPACTで、DEEPフライ級GP決勝戦として福田龍彌が本田良介と対戦する。
TEXT by Shojiro Kameike

2021年に平良達郎に敗れて修斗世界フライ級王座を手放した福田は、その3カ月後にDEEPへ戦いの場を移し、同フライ級王者の神龍誠と対戦した。神龍には僅差で敗れたものの、以降は6連勝だ。GPでは本田を下している杉山廣平、そして安谷屋智弘と宇田悠斗を下して決勝へ。ファイトスタイルこそ違えど、相手がどのようなタイプでも自身の世界観に持ち込む戦いは、本田と同じだといっていい。一方で「勝つためのスタイル」といわれる本田と異なる、福田の世界観とは――。


――10カ月に渡って行われたDEEPフライ級GPが、遂にフィナーレを迎えます。決勝戦の話の前に、まずは準決勝の宇田悠斗戦について聞かせてください。あの試合は福田選手にとってヒリヒリした試合でしたか。

「ヒリヒリしていました。楽しめたというか。生活の変化とか、いろんなものを乗り越えて迎えた試合でしたしね。今回のGPを通して人間としても成長できたと思うし、その集大成を戦うことで表現していきたいです。GP決勝だけじゃなくて、これからも」

――これからも……、決勝戦の前にお聞きすることではないかもしれませんが、DEEPフライ級GP後のことも考えているのでしょうか。

「海外でも戦ってみたいです。どうやったら海外から声が掛かりやすくなるんですかね。今の時点で6連勝中やし、GPもあって実績のある選手に勝っている。さらに本田君に勝ったら――日本の代表として、またタイプが違う海外の選手とヒリヒリしてみたいですね」

――それは海外で戦うのか、あるいはDEEPで海外ファイターと対戦するのか。

「契約上可能なら、どっちもやりたいです。試合間隔が短くても、僕はオファーを断らへんから。『海外の大会に出ているからDEEPには出ない』なんて言うわけがない。仮に僕がUFCと契約して、OKならUFC→DEEP→UFC→DEEP→DEEP→UFCみたいな戦い方もしたいんですよ。難しいというか、無理でしょうけど」

――それは無理ですよね(笑)。

「実は僕もRTUに応募したんですよ」

――えっ!? 応募した結果、落選したということですか。

「それが……僕から日本語でメールを送っちゃったんです。『こんにちは。お世話になっております』って(笑)。返事も来ていたんですけど、英語やからスパムメールかと勘違いして放置したんです。改めて見てみると、『戦績と試合映像をどうこう』とか。でも英語で準備しようと思ったら、もう申込期間が終わっていました(苦笑)。知り合いに法律関係のお仕事をしていて英語を話せる方がいるので、次からはその方に相談します」

――意外なエピソードから宇田戦の話に戻します(笑)。試合の中で福田選手が焦るようなシーンは見られませんでした。作戦通りに進められていたということでしょうか。

「宇田君のインローが痛かったぐらいかな(苦笑)。最後に宇田君が打ってきたのも、僕が誘っていたんですよ。僕が押されているように見た人もいるかもしれないけど、有効打を当てていたのは僕やったと思うんで。それも試合の流れであって、最初からそういう作戦を立てていたわけじゃないです。もともと作戦を立てるタイプじゃないですし。1Rに相手が入ってくるタイミングとかは分かったので、これは自分が誘ったほうが良いなと思いました」

――結果的に、1R序盤に右アッパーでダウンを奪ったことが試合の趨勢を決めたのかもしれません。DEEPに参戦して以降、あの右アッパーを多用していますね。

「いや、もともと持っていたものですよ。みんなが思っているより、僕は引き出しが多いですから(笑)」

――福田選手の引き出しが少ないと思っている人こそ少ないと思います(笑)。

「アハハハ、ありがとうございます。まだ見せてへん引き出しもたくさんあるし、それって大工さんの道具みたいなものなんですよ。いっぱい工具を携えて現場に行く。現場を見て、この工具がハマりそうやなって選んでいく。自分の戦い方は、そんな感じです。だから右アッパーも好きな工具の一つで、たまたま今回のGPでハマったというか。『当てたろう、倒したろう』と思って出しているパンチじゃなくて。どちらかというと、どんなパンチであっても精度が高く、綺麗に打てるように日頃から練習していることが大切ですよね」

――確かに福田選手はどんな状態でも軸がブレずに、しっかりとパンチを当てきることができる。それは体の使い方も含めて、徹底した基礎の強さがあると思います。

「やっぱり基礎が一番大事じゃないですか。ちゃんとジャブを打つ。しっかりワンツーを出す。ジャブとストレートがあるから、フックやアッパーがある。その基礎がないと、他のことをやっても意味がないですよ。宇田君との試合でいうと、たまたまダウンを奪ったのが右アッパーやったけど、その前に左ストレートが当たっているので。もしかしたら、左ストレートがジャストミートしていたら、それで倒れていたかもしれないですしね。それは打撃以外でも同じことやと思うんです。基礎を鍛えて、その質を上げるために日々を生きて、日々練習する。それが僕の理想の選手像であり、何より『戦うことを日常にする』ということで」

――ファイターとしてのライフスタイルとファイトスタイルが繋がるのですね。

「自分の生き方がそのまま反映されるところが格闘技の魅力ですからね。僕は戦うことに特化した生き物になりたい。そのためには、戦うことが自然にならないといけなくて。無理なこと、不自然なことをしちゃダメなんですよ。歩くように戦うというか。街を歩いていると、歩き方が変な人って一目で分かるじゃないですか。

歩くっていう行為が自然なことやから、誰でも見れば分かるんです。食堂のオバチャンや、屋台でたこ焼きをつくっているオッチャンの手つきとかも、そうですよね。一つひとつの動きが洗練されていて、ずっと見ていられるものになっている。それは感性であり、本能になっているんですよ。『戦うことを日常にする』というのは、そういうことです」

――その境地を目指しているからこそ、格闘技以外の仕事からも、そして都会の喧騒からも離れて山の中へ引っ越したわけですか。

「練習が終わったあとに、明日は仕事でコレせなアカンとか考える毎日はキツいですよね。仕事やから考えるのも当然で。でもソレを考えるごとに、戦う生き物からは外れていく。そういう生活のほうが良い人もいるでしょう。バリバリのビジネスマンで、試合でもメチャクチャ強い人――営業で仕事を取るのと同じ流れで試合を戦える人もいてはると思います。

それは単に格闘技をどう見ているかの違いで、僕はそういうタイプじゃなかった。田舎暮らしを始めたおかげで、自分のスタイルを築き上げることができています。僕は試合も日常やと捉えているんですよ。試合することで自分も成長するから、今までの対戦相手にも感謝しかないです。ケージの中が日常やからこそ、その中でも自分の日常しか出ない。試合前だけ頑張っても日常を頑張っていないと、試合では付け焼き刃な部分が見えちゃいますよね。日々の取り組みがありつつ、いっぱい戦うことで刃が研ぎ澄まされていく。少なくとも僕はそういう日常を過ごし、試合を楽しみながら全力を出すことが好きで」

――ライフスタイルでいえば、福田選手は京都在住で、本田選手は福岡に住みながら東京で戦っています。今は首都圏以外に拠点を置きながら海外で戦う選手も増えています。

「ね、そうでしょ。GPの準決勝進出者を見てくださいよ。伊藤君は愛知やし、宇田君も今は東京で練習しているかもしれないけど、ずっと愛媛でやっていたわけじゃないですか。僕も東京へ移ろうかなって悩んだことはあります。でも東京や海外へ行ったからといって、強くなることが約束されているわけじゃない。それよりは練習でも試合でも、強い相手と手を合わせて、その雰囲気を肌で感じることのほうが重要なんです。

日々何を感じて、どう生きるかが大事であって、場所の問題ではない。そう考えていくうちに、東京へ移ろうという気持ちはなくなりました。京都在住のファイターでは誰も到達したことのないところに行く。それが所属しているMIBUROへの恩返しであり、その信念を持って生きていきたからこそ、2022年からここまでの結果に繋がったんじゃないですか」

――そこで迎えるGP決勝戦ですが、前回のインタビューでは決勝で伊藤選手との再戦を希望する発言がありました。準決勝でご自身が宇田悠斗選手を下したあと、本田選手が勝ち上がってきた時は、どのような気持ちだったのでしょうか。

「そうですね……、まぁ好みの問題ですよ(笑)。どっちかが終わってしまうっていうような試合展開のほうが良いじゃないですか。そう思いません?」

――好みの問題はともかく、伊藤選手との初戦(昨年2月に福田がTKO勝ち)は、まさにヒリヒリする試合内容でした。

「それが格闘技の醍醐味やと思うんで。だから本田君と伊藤君なら、伊藤君のほうがヒリヒリ感を味わえる。それが伊藤君の良さやし、彼が人気ある理由でしょうからね。でも本田君は、そんな伊藤君の弱い部分に対して一番強い部分を持っているじゃないですか」

――つまり、テイクダウンの攻防とグラウンドコントロールですね。

「そうです。伊藤君はアダニン(安谷屋智弘)との試合も、そんな感じで苦戦しましたよね。最後は打撃を効かせてRNCで勝てたけど、本田戦と同じような内容でした。伊藤君が、そこで強い本田君を乗り越えることができたら――前の試合よりも良いセッションができるんじゃないかと思って。さらに強くなった伊藤君と、ヒリヒリする時間を後楽園ホールで味わいたかった。それで伊藤君に頑張ってほしかったけど、彼は自分の苦手なタイプを乗り越えることができなかった。だから僕が、そのタイプを乗り越える方法をお見せしますよ」

<この項、続く

The post 【DEEP113】フライGP決勝=本田良介戦へ。福田龍彌「京都在住の選手が到達したことのないところに行く」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
DEEP DEEP113 DEEPフライ級GP Grachan MMA MMAPLANET o RYO   伊藤裕樹 修斗 本田良介 杉山廣平 松場貴志 福田龍彌

【DEEP113】フライGP決勝=福田龍彌戦へ。福岡発、本田良介「自分のやりたいことで人に認めてもらたい」

【写真】ケージの外では、常に柔和な表情の本田(C)SHOJIRO KAMEIKE

7日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP113 IMPACTで、本田良介×福田龍彌のDEEPフライ級GP決勝戦が行われる。
Text by Shojiro Kameike

昨年8月より実施されてきたフライ級GPで、本田は元DEEPストロー級王者の越智、現Grachanフライ級王者の松場貴志、そして元アウトサイダー王者の伊藤裕樹と、実績や知名度で上回る相手を下してきた。決勝の相手は、元修斗世界フライ級王者の福田だ。本田は今回のインタビューで、何度も「知名度」という言葉を口にした。強い者が勝つ。強い相手に勝つ。本田はこのGP決勝で、知名度を超えた格闘技の醍醐味を見せることができるか。


――昨年8月からDEEPフライ級GPが始まり、遂に決勝戦を迎えます。本田選手にとって、この9カ月はどのような期間でしたか。

「まずGPの話を聞いた時、勝てば次がある――ようやくプロらしい1年間を過ごすことができるんだなと思いました。『いつ試合があるかも分かっていない。それはプロと言えるのかどうか』とか、ずっと考えていたんです。別に専属の期間があったわけでもないので」

――本田選手が東京から故郷の福岡県に戻った頃、ちょうどコロナ禍が発生しました。そのなかで1年に1~2回試合のオファーがあるかどうかという生活は、ファイターとして不安が大きかったのでしょうか。

「そうですね。GPが始まる前は、『もっと試合がしたい』という気持ちでした。コロナ禍もありましたけど、もともとプロデビューしてから試合は年2回ぐらいのペースで。プロといっても、そんなものなのかな――と考えていましたね。ただ、他のチーム競技と比べて、コロナ禍でも自分なりの活動や練習はできていたと思うんです」

――コロナ禍に入った時、本田選手は30歳を迎えました。30歳といえば、自分の将来について考える時期でもあります。

「30歳になる前から、ずっと考えていましたよ。せっかちな性格なので(笑)。コロナ禍でも大会はあったわけじゃないですか。その中で試合に出られる選手と、出られない選手の線引きも分からなかったです。自分はどうなるのかな……、そう考えていた先に今回のGPがあって、僕もひと安心でした」

――コロナ禍の中でも試合に出られる選手と出られない選手の線引きについて、ご自身で考えたことはありますか。

「いやぁ、そこは深く考えませんでした。僕はそういう選手なんだろうな、って」

――……。

「呼ばれない選手っていうことですよね。この世界は結果が全てだから、その結果を受け入れないといけない。……うん、そういう感じです。ナメられている――というわけじゃないですけど、やっぱり東京との距離感はありますよね。地方にいると発言権もないというか」

――2021年からDEEPに出場して2連勝、しかし2022年に入って杉山廣平戦で敗れました。この時も『そこまでの選手なのかな……』と思ってしまったのではないですか。

「アハハハ、自分自身よりも周りにそう思わせちゃいました。僕自身は、あの試合で負けた要因を理解しています。だけど、やっぱり勝つしかないんですよね」

――その杉山戦の1カ月後にDEEPフライ級GPがスタートしました。わずか1カ月で立て直すことができていたのでしょうか。

「その要因以上に、越智(晴雄)さんとの試合前に大きな怪我しちゃって(苦笑)。正直、試合をキャンセルしても良かったと思います。でも負けたままでいるのが、すごく嫌で。相手は誰でも良い。とにかく勝ちたい。だから、やるしかないと思いました。福田選手もGPの途中で拳を骨折していたとインタビューで言っていましたよね。

『それでもやるしかない』という気持ちは、よく分かります。僕にとっては、何よりも勝ちたい。勝てば次がある。何だったら、負けた杉山選手とも再戦できる可能性が、GPにはあったじゃないですか。もともと『勝てば良い』というスタイルだったのが、その気持ちがより強くなりました」

――MMAがスポーツであるかぎり、勝利が最優先であることは当然です。だからこそ「勝たないと言えないこと」があるのも理解できます。

「もちろん試合ではフィニッシュを狙っていますよ。でも勝つために試合をするし、勝てば次があることで安心できますから。負けた選手はGPの途中で消えていく。勝った選手に注目度が集まる。フィニッシュはできなかったとしても、勝ちたいっていう自分の気持ちを乗せやすいスタイルで戦ってきたんじゃないかと思いますね」

――本田選手は自虐的に仰っていますが、そのスタイルで勝ち上がってきたことはインパクトが強いです。越智晴雄選手、松場貴志選手、そして伊藤裕樹選手を自分のスタイルにハメこんで勝利してきたわけですから。

「もちろん相手は全員スタイルが違うのでハメこむ方法も違いますけどね。ただ、同じ形に持って行って勝つというのは、まだ手を隠しているということなんですよ(笑)。もっと隠しているものがあるので」

――実は他のスタイルもあるのですか!

「それは次の試合を楽しみにしていてください。でも、ここに来ても僕はまだ知名度がないですよね。GPでも伏兵って呼ばれていたり(笑)。そんな僕が勝つことができて、『やったぁ!』という気持ちがあります。みんなは知名度ばかり求めているけど、僕は別に有名になりたいからMMAを始めたわけじゃなくて」

――では、何を目指してMMAを続けてきたのでしょうか。

「……そう言われると難しいですね(苦笑)。何を目指してきたんだろう? とにかく『やればできるんだぞ』というところを見せたかったです。証明というか、意地ですかね。

ずっと格闘技をやりたかった。でも『格闘技をやりたい』と口で言うだけのまま、年を食っちゃって。プロになっても試合数は少ないけど、だからといって格闘技を辞めるつもりはなかったです。ただ、知名度は……。勝つことで知名度が上がればいいと思っていました。勝って知名度も上がり、収入が増えれば良くて。

勝つことよりも先に知名度を求めるのではなく、自分のやりたいことで人に認められる。それを目指しているのかもしれないです。認められるためには、勝つしかないです。GPの試合も、勝ったことでは満足しています。『もっと、もっと』という気持ちは常に持っていますけど、1試合1試合『俺は頑張ったな』と自分で自分を褒めて――そういうセルフケアも大切です(笑)」

――アハハハ。『もっと、もっと』と考えるのは、どんな点ですか。

「試合が終わって『まだ体力が残っているなぁ』と感じた時に、だったらもっとラッシュの数を増やせばよかったなとは思いますね」

――えっ!? フルマラソンを走り切ったあとに、なおも体力が残っていることが驚きです。

「いやいや、全然です(苦笑)。でも相手にしてみれば嫌だとは思います。僕は知名度もなくて、GP前に負けているし、見た目も強そうではないじゃないですか。なのに試合では一つのミスを突かれて、そのまま持って行かれてしまうとか」

――ある意味、ギャップ萌えですね。

「ダハハハ! きっと相手も、試合が進んでいくにつれて『このままだとヤバイ』と焦っていくんですよね。たとえば越智さんは一緒に練習していたこともあって、焦っている時が分かります。松場戦ではスクランブルの時に、相手が嫌がることをしたんですよ。それに返してこなかったので『これは休みたくなっているんだな』と思いました。

僕は試合の時、常に0.5ポイントぐらいリードしていれば良いと考えていて。相手がミスをした時に削っていくと、0.5ポイントが貯まる。そのポイントが貯まっていくと、気づけば10ポイントぐらいに膨らんでいて、その結果勝つことができる。今は、一回削ると0.5ポイント貯まるところを、1ポイント以上に増やせるように練習しています。そうすれば、もっと明確に差をつけられるし、それだけ早く勝ちに繋がるので」

――なるほど。伊藤戦では、どのようなシーンで相手が嫌がったと感じましたか。

「最初に右ジャブを当てた時ですね。たぶん僕が打撃で行くとは思っていなかったんじゃないですか。右ジャブが当たって、そのあとは動きが固くなったので。僕としては『これはジャブが当たるんじゃないか』と考えていました。あんなに早く当たるとは予想していなかったけど、おかげで伊藤選手は組む前に焦っているように感じましたね。組んでポジションを取っていくと、さらに焦ってきて。

松場戦と伊藤戦で良かったのは、相手の得意なところで0.5ポイントの貯金を創ることができた点ですね。すると『ここで逆に自分が取られてしまうのか……』という焦りが生まれて、もっともっとポイントが貯まっていくという」

――次の福田戦では、同じ戦法が通用するでしょうか。

「そこを見てほしいです。福田選手の場合は、あのファイトスタイルにどんなテクニックを乗せて来るのか。それ次第で、僕が出すものも変わりますよね」

――それは本田選手も同じかと思います。本田選手も福田選手も、GPを通して毎回違うものを見せてきました。

「福田選手も試合のたびにスタンスや体の高さとか、いろいろ変えているじゃないですか。福田選手はパンチで削ってくるかもしれないけど、僕は全部を使って削りに行く。福田選手って、試合中に焦ることはない選手だと思うんですよ。今までいろんな試合をしてきて、どんな展開に対しても免疫を持っている。そこでお互い、どう削るのか。その幅が勝負を分けるような気がしています」

<この項、続く

The post 【DEEP113】フライGP決勝=福田龍彌戦へ。福岡発、本田良介「自分のやりたいことで人に認めてもらたい」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
DEEP DEEP Osaka Impact2023#01 DEEPフライ級GP MMA MMAPLANET o ONE   サダエ☆マヌーフ ハンセン玲雄 パンクラス 中本龍平 山﨑鼓大 岩本達彦 平松翔 村上彩 松場貴志 松田亜莉紗 牧野滉風 谷岡祐樹

【DEEP OSAKA IMPACT2023#01】計量終了 ケツバット・パウンド=松田。再起の岩本& 松場も注目!!

【写真】この2回戦、2試合も要注目(C)DEEP

本日2日(日)、大阪市住吉区の住吉区民センターで開催されるDEEP OSAKA IMPACT2023#01の計量が、1日(土)に大阪市浪速区のパンクラス大阪で行われている。

メインで対戦する平松翔✖谷岡祐樹を始め、14試合=28選手が計量に臨み──多湖力翔が遅れて&木村総一郎が再計量となったが、全員が無事パスしている。


2022年はパンクラス・フェザー級挑戦者決定トーナメント決勝戦で敗れ、新天地DEEPでも一本負けと試練の1年だった岩本達彦。再起をかけて戦う相手は、活動停止したZSTから3年3カ月振りの実戦復帰の古根川充だ。

増田拓真✖牧野滉風が、後者の体調不良で中止となり、両者の一戦はコメインに昇格した。

DEEPフライ級GP準々決勝敗退、今や地元と言っても良い関西で再起戦を迎える松場貴志は、2回戦で早坂優瑠と対戦する。

同じく2回戦ではサダエ☆マヌーフ✖村上彩と共に組まれた女子マッチ=松田亜莉紗✖純玲──決して層が厚くないストロー級で、プロ3戦目ながら国内トップ級のパウンドを持つ松田とデビュー戦の純玲も要注目だ。

そんなDEEP大阪、春の陣は2時間後にスタートする。

■視聴方法(予定)
4月1日(日)
午後2時00分~ツイキャス

■ DEEP Osaka Impact2023#01計量結果

<バンタム級/5分3R>
平松翔:61.65キロ
谷岡祐樹:61.5キロ

<フェザー級/5分3R>
岩本達彦:66.2キロ
古根川充:66.05キロ

<バンタム級/5分3R>
中本龍平:61.4キロ
上荷大夢:61.4キロ

<フライ級/5分2R>
松場貴志:57.2キロ
早坂優瑠:56.8キロ

<バンタム級/5分2R>
MG 眞介:61.0キロ
山本哲也:61.7キロ

<女子アトム級/5分2R>
サダエ☆マヌーフ:48.1キロ
村上彩:47.9キロ

<女子ストロー級/5分2R>
松田亜莉紗:52.4キロ
純玲:51.6キロ

<バンタム級/5分2R>
瀧口脩生:66.2キロ
ハンセン玲雄:66.2キロ

<フェザー級/5分3R>
前薗渓:66.0キロ
佐藤勇駿:65.0キロ

<バンタム級/5分2R>
山﨑鼓大:61.5キロ
田中壱季:60.85キロ

<ストロー級/5分2R>
多湖力翔:52.55キロ
亮馬:52.55キロ

<バンタム級/5分2R>
キャプテン禎:61.25キロ
木村総一郎:62.25キロ→61.7キロ

<バンタム級/5分2R>
関本龍翔:61.15キロ
千種純平:60.9キロ

<フェザー級/5分2R>
森田敢流:65.5キロ
入江一輝:66.0キロ

The post 【DEEP OSAKA IMPACT2023#01】計量終了 ケツバット・パウンド=松田。再起の岩本& 松場も注目!! first appeared on MMAPLANET.