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【Pancrase335】必殺の右で中田の顔面を打ち抜いた高木が、パウンドの追撃で初回TKO勝利

<フェザー級/5分3R>
高木凌(日本)
Def.1R2分03秒 by TKO
中田大貴(日本)

高木が左ジャブを突く。中田の左前蹴りが高木の顔面を捉えた。前蹴りで攻める中田に対し、高木がローブローをアピールする。再開後、高木の右クロスで中田がグラついた。体勢を立て直した中田は距離を詰め、ガードを固めて左右ローを伸ばす。組みついた中田が左腕を差し上げて高木をケージに押し込む。体格で上回る高木が右腕を中田の首に回して凌ぐ。

離れた高木が左ジャブから右ストレートを伸ばす。ガードを固めて前に出る中田に対し、高木は下がりながらパンチを見せる。中田はワンツーを当て、左前蹴りを見せたところでガードが開いた。その刹那、高木が右ストレート一閃。このパンチが中田のアゴを捉えてダウンを奪う。立ち上がる中田に高木がパウンドを浴びせてレフェリーストップを呼び込んだ。


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【Pancrase335&336】計量終了 中村優作滑りまくり──パンクラス計量会場で見聞きした、よもやま話

【写真】名田が計量を無事パスした時には、約開始から2時間──午後1時58分になっていた (C)MMAPLANET

明日9日(日)に東京都港区のニューピアホールで開催されるPancrase335&336の計量が8日(土)、新宿区の新宿サンエービル会議室で行われた。

昼夜2本立ての明日のイベントの計量は335大会が正午から、336大会は12時50分から始まったが、共に1度目の計量で体重をオーバーする選手が現れた。

それでも336大会で川北晏生と対戦する高城光弘と、335 大会でRyoと戦う名田英平は時間内の再計量でパス。しかし、前田浩平の相手ジョセフ・カマチョは「僕もグアムに行った時は減量が大変でした。落とせること信じています」という前田のエールも届かず、時間内にパスできずに契約体重マッチとなった。


■計量パス後、それぞれマイクで意気込みを語るというなかで段取りとして「直接、対戦相手にマイクを渡すのが嫌な場合は、こちらに変えてしてもらってそれを渡します」という説明がなされていたが、336大会のメインの田中路教がシンディレ・マネンゲラにしたように、殆どの選手が直接マイクを対戦相手に手渡していた。

■その田中のセコンドとして、計量会場を訪れた盟友・中村優作は「やっぱり南アフリカの人は蛍光灯に弱くて、部屋の中ではサングラスをしてるんですかね」とボケなのか、本気なのか分からない一言を吐く。

さらに「選手はマイクを自分から要求することはできません」という審判団の説明を受けて、計量終了後に「セコンドはマイクを要求して良いんですか」と質問し、またもスベる。それでも慈悲深い梅木良則氏より「退場してもらいます」と返答を貰っていた。

そんな男どアホウ中村は大阪市阿倍野区にある洪游會本部道場で、日本拳法家をMMAファイターに育てるべくチーム・ファウストを結成し、7月30日のDEEP大阪大会に角野晃平がプロ2戦目に挑むなど、団体の枠を超えた若い選手の育成に乗り出している。

■今やメディアの前にすっかりと姿を見せなくなった平田樹も、立川大会の計量と同様に兄・直樹の共に計量会場に。再び海外での練習が予定されているなか、現状はトライフォースでトレーニングをしているという。

■ライカと戦うプロレスラーのNAGIは、計量をマスク着用で無事終えた。

明日の試合では当然のように素顔で戦うことが、審判団より確認されている。

■パンクラス2戦目=大塚智貴戦を控えた松井斗輝は「この試合で勝って、次、タイトルに」と宣言。その松井は明らかに体が大きくなり、より組み技有りのMMAファイター・ボディとなっていた。「サポートを受けフィジカル・トレーニングを取り入れた効果」と鶴屋浩パラエストラ千葉ネット代表の弁。松井が狙うタイトルは鶴屋怜が保持しているが、パラ千葉ネットのベストストーリーは鶴屋がRoad to UFCで優勝してベルトを返上、そのベルトを松井が取る獲るというものだ。

■Pancrase335視聴方法(予定)
2023年7月9日(日)
午後12時30分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ、TIGET, ABEMA プレミアム、U-NEXT

■Pancrase336視聴方法(予定)
2023年7月9日(日)
午後5時15分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ、TIGET, ABEMA プレミアム、U-NEXT

■Pancrase336計量結果

<バンタム級/5分3R>
田中路教:61.55キロ
シンディレ・マネンゲラ:61.3キロ

<ウェルター級/5分3R>
住村竜市朗:77.5キロ
草MAX:77.45キロ

<ストロー級/5分3R>
野田遼介:52.55キロ
植松洋貴:52.6キロ

<フェザー級/5分3R>
糸川義人:65.8キロ
平田直樹:66.15キロ

<フライ級/5分3R>
大塚智貴:56.7キロ
松井斗輝:57.1キロ

<バンタム級/5分3R>
高城光弘:61.7キロ→61.65キロ
川北晏生:61.1キロ

<女子フライ級/5分3R>
ライカ:57.1キロ
NAGI:55.45キロ

<ウェルター級/5分3R>
佐藤生虎:76.75キロ
伊藤丈皓:77.45キロ

■Pancrase335計量結果

<フェザー級/5分3R>
中田大貴:65.9キロ
高木凌:66.05キロ

<ストロー級/5分3R>
黒澤亮平:52.6キロ
小林了平:52.15キロ

<ウェルター級/5分3R>
近藤有己:72.5キロ
佐藤豪則:72.6キロ

<フェザー級/5分3R>
名田英平:67・25キロ→66.15キロ
Ryo:66.15キロ

<57.8キロ契約/5分3R>
前田浩平:57.05キロ
ジョセフ・カマチョ:58.05キロ→57.85キロ

<ライト級/5分3R>
余勇利:70.65キロ
貞永大輔:70.15キロ

<女子アトム級/5分3R>
沙弥子:47.7キロ
MIYU:46.6キロ

<ライト級/5分3R>
水杉泰誠:70.7キロ
鈴木悠斗:70.45キロ

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【Pancrase335】高木凌と対戦、中田大貴─02─「観ている人だけでなく自分自身も熱くなれるような試合を」

【写真】ファンを納得させて、勝利を掴む。大沢ケンジ門下生がやろうとしていることは困難だけに、尊い(C)SHOJIRO KAMEIKE

9日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるPancrase335(昼興行)で、高木凌と対戦する中田大貴インタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

「令和の激闘王」中田大貴にとって今大会の対戦相手である高木は、かつて自身が敗れた亀井晨佑と同じパラエストラ八王子所属であり、同じく右ストレートを軸としたファイトスタイルだ。ただ激闘になるだけでなく、何よりも勝つこと。激闘の末に勝つ。そんな中田の高木対策を訊いた。

<中田大貴インタビューPart.01はコチラから>


――前回の三宅戦のフィニッシュは、中田選手がギロチンの体勢に入った状態でラウンドが終了しました。その直後、三宅選手が落ちていたことが判明するという珍しいケースだったと思います。中田選手は相手が落ちていることは分かっていたのでしょうか。

「体勢に入った瞬間、『入っているな』とは思いました。でもラウンドが終了したので自分もコーナーに戻ろうと、相手をトントンって叩いたら落ちていたんですよ。僕も驚きました。あのギロチン自体は狙っていわけでもなく、そこに首があったから取ったという感じで。ラッキーですよ(笑)。よく『寝技にラッキーはない』みたいに言うじゃないですか。でも本当に、あの試合はラッキーだと思います。アハハハ」

――ラッキーというか、偶然は少ないと思います。全ては何かしら積み重ねられたものの結果ですので。それは打撃も寝技も同じではないかと。そして中田選手の場合、打撃でも寝技でも積み重ねられたものが本能で出て来るのでしょう。

「あぁ、なるほど。やっぱり自分の形をどう創っていくかだと思います。まずは自分の得意な形があり、それがハマりだすと、その形まで持って行くパターンも増えていく感じですよね。自分も他の選手の試合を観ていて、『この選手はこの形が得意だから、こう試合を進めているんだな』と考えたりします。

あとはフィニッシュの感覚じゃないですか。ジムで技を習ってから、最初はできないことが多いですよね。でも練習していて、フィニッシュの形が感覚で身についてくると、ある日ポッと取れるようになってくることがあったりします」

――以前から仰っているUFCを目指すうえでは、レコードも重要な要素にはなってきます。ここ2年で敗戦も増えていることについては、どのように考えていますか。

「そうなんですよね。だんだんレコードも汚くなってきちゃって(苦笑)。金原さんにも『お前は型にハマッた時は強いけど、そうじゃない時はダメだな』って言われます。もっと自分の穴を埋めて、勝ち星を増やしていかないといけないです」

――そんななか、パンクラスでまたも厳しいランカー対決が組まれました。

「今のポジションであれば、誰とやっても厳しい試合になりますよ。パンクラスの中でも特にフェザー級は層が厚くて。もともと自分は早く出世しすぎたんだと思います」

――というと?

「田村一聖さんに勝って一気に上がっていったんですよ。だけど、もっと経験を積むための試合も必要だったかもしれないですね。それがキャリアに対して厳しいカードばかりになって、レコードがふるわなくなっているのかなと」

――……。

「記事でも『韓国式育成方法』みたいに書かれていて。格上ばかりと対戦していることを考えたら、確かにそうだなって思いました(笑)。だから今回は久々ですよ。相手より僕のほうがプロデビューは先で、今までとは違う感覚があります。ずっと若い立場でいたのに、自分はもう若くないんだなって。下から来る選手に追われる立場になってきたんですね。パンンクラスのフェザー級は、ランキング下位でも上位陣と良い試合ができる選手ばかりで。ネオブラで優勝したばかりの選手も強いし、フェザー級は充実してきていますよ」

――そのランキングで中田選手が2位、高木選手は5位につけています。両者の対戦で勝ったほうが次にベルトへ挑戦できる可能性も高いでしょう。

「はい、ここで勝って次はベルトに挑戦したいです。それが今の目標です」

――では高木選手の印象を教えてください。

「ワンパンマンですよね。ストライカーで散らしやフェイントが巧いし、パンチに伸びとキレがあって一発で倒せる。パンチだけじゃなくて、跳びヒザは跳ぶ距離も長くて。かといって一発だけじゃなく、打ち合いもやるじゃないですか。ただ、線が細いっていう印象はありますね。今まで対戦してきたなかで、僕みたいなタイプはいないと思うから、どういうリアクションをするのかは楽しみです」

――中田選手は相手との体格差を苦にしないタイプですか。

「やることは変わらないですからね。中に入って殴り合うだけなので(笑)。むしろ相手のほうが、僕みたいなタイプは嫌だと思うんですよ。それも自分が中に入れるかどうかが重要で。高木選手は前回対戦した遠藤来生選手は中に入れなくて、ずっと見合ったり高木選手の距離になっていました。中に入れば背が低い選手の距離と時間になります。自分が中に入るか、相手が突き放すかの展開が勝負になってくるので、それをシチュエーション・ドリルなどで練習してきました。何より、僕には恐怖心がないですから。カウンターをもらうことだけ注意していれば、中に入ることに対して恐怖心はありませんね。あとは、やることは変わらない――殴るだけで(笑)」

――中田選手にとっては、以前に高木選手と同じパラエストラ八王子所属でファイトスタイルも近い亀井晨佑選手と対戦した経験は大きいでしょうか。

「お互いじゃないですか。高木選手もパラエストラ八王子のGOZO先生や亀井選手と一緒に、僕のパターンを研究してくると思うんですよ。そんな相手の予想を上回る圧力で、クシャッと潰したい。自分のパターンとかは関係なく、圧力だけで相手を潰せるような」

――中田選手と亀井選手の試合も、打撃だけでなくテイクダウンの攻防もあり、大激闘になりました。次の高木戦も――やはり大激闘になりそうですね。

「そうなるでしょうね。亀井戦は、僕のほうが様子を見ちゃったんです。本当はもっと中に入らなきゃいけなかったのに、相手のジャブの距離で戦ってしまいました。だから今回は、もっと中に入ることを意識しています。相手の懐の中にい続ける――それは打撃でも寝技でも。全てを出し尽くして、観ている人だけじゃなくて、自分自身も熱くなれるような試合をします。そして最後は僕が相手を倒して、次はベルトを獲りに行きます」

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【Pancrase335】高木凌戦へ、中田大貴─01─「ボクサーやキックボクサーと比べたらダメージは溜まらない」

【写真】ボクサーやキックボクサーと比較しないと、ダメージは溜まらないのか。そこは尋ねてみたいです(C)SHOJIRO KAMEIKE

7月9日(日)、東京都港区のニューピアホールでパンクラスが昼夜興行を開催する。昼の部Pancrase335のメインでは、中田大貴と高木凌のフェザー級ランカー対決が組まれた。
Text by Shojiro Kameike

中田といえば、常に試合が大激闘になるというイメージが強い。しかし大激闘になるがゆえ、星を落とすことも増えてきた。そんな自分のスタイルに対して、中田自身はどのように考えているのか。今年3月の三宅輝砂戦を経て見つかった課題と対策について訊いた。


――いきなりですが、なぜ毎試合が激闘になるのでしょうか。

「アハハハ。自分も意図しているわけではないですけどね」

――もう試合速報でも、記事タイトルに最初から「激闘」の文字を入れておこうかと思うほど、激闘になる頻度は高いです。

「激闘になりがちな星の下に生まれたのかもしれないですね(苦笑)。相手を削って削って勝負していくタイプなので。自分は他の選手と比べて、MMAを長い間やってきたわけでもないです。そういう人間が、長く格闘技をやってきた相手と戦うためには、身を削るような戦い方をするしかない。そうすると自分の勝率も高くなります」

――相手を削っていくために、自分の身を削る。以前のインタビューでも、戦うことへの覚悟を話されていました。

「自分でもよく分からないけど、こういう生き方を選んじゃったので続けていくしかない。そう自分で思い込んでしまっているような気はします」

――それだけの覚悟を持った生き方を選んだのは、格闘技を始める前か後か。どちらなのでしょうか。

「もちろん格闘技を始めてから、命を懸けて戦うという意識を持ちました。でも自分は生まれ持って――小さい頃から『ここで行っちゃうか!』というところでも突っ走っちゃう傾向はありましたね(笑)。小学生ぐらいまでは大人しい子供だったらしいんですけど、中学生になってからタガが外れたというか」

――アハハハ。前回の三宅戦についてはいかがですか。まず1Rはジャッジ2名が中田選手につけ、もう1名は相手につけていた。オープンスコアリングで採点を聞いた時、ご自身やセコンド陣の認識と合っていましたか。

「ダメージは確実に自分のほうが与えていたと思います。だからジャッジが自分につけていておかしくないと思っていましたけど、テイクダウンされていましたね。前回の試合は結果が良かっただけで、内容は全然ダメでした」

――ここ最近、日本のMMAではテイクダウンとグラウンドコントロールよりも、抑え込まれている選手がパンチを出し続けているほうが評価される。そのような採点となっている試合がよく見られます。

「あぁ、そういうの結構多いですよね。ユニファイドではなく日本独自というか。ONEでもそういう試合がありますし」

――中田選手の場合は打撃の手数を増やすなど、そうしたジャッジの傾向を考えることはありますか。

「何ていうか……、ジャッジの傾向を知っているというぐらいです。だから自分の中でどう考えるか、というのはなくて。僕はただ自分のやるべきことやる。それが前回の試合はできていなかったから、相手にポイントがついていても仕方ないと思っていましたね」

――では「自分がやるべきこと」とは何だったのでしょうか。

「打撃でプレッシャーをかけることができていたのは良かったんですけど、その打撃に意識が行きすぎて、テイクダウンディフェンスが疎かになっていました。背中を着けられて、そのままにしてしまったりとか。テイクダウンされた瞬間にエスケープのために動かないといけないのに、動けていなかったです」

――それは技術的なものよりも、意識の問題ということですね。

「そうですね。ぶん殴ることに意識が行きすぎました(苦笑)。もともと自分が、ひとつのことに集中しすぎちゃう性格なんですよ。いろんなことを同時並行で進めることが苦手だったり。それはMMAをやっていくうえでも課題です。いろんな要素がMMAにはあるから、同時並行で進めていかないといけないことも多いじゃないですか。今までの試合もそうだし、これからも常に自分が意識していかないといけない問題です」

――とはいえ、それが中田選手の課題であり、強みでもあるわけですよね。弱点を克服すれば長所を失ってしまうこともあります。そのバランスを、どのように取っていくのか。

「それは大沢(ケンジHEARTS代表)さんにも言われるんですよ。『巧くなって、いろんなことができるようになってきた。でもお前の良いところは失うなよ』って。『前に出て勝負できるのが強みだから。巧くなってきたからって、それを試合で出さないのは良くない』と常日頃、言われています」

――とはいえダメージの心配はないですか。

「もちろん打撃のディフェンスは、もっと考えないといけない部分ではあります。ただ、自分の場合は、まだそれほどキャリアが長くないですからね。これもよく大沢さんに言われることで、ボクサーやキックボクサーと比べたらダメージは溜まらないと思うんです。打撃系競技の人は普段からガチスパーをやって、攻撃が頭部に集中するじゃないですか。MMAは、打撃のみの競技と練習メニューが違いますからね。だから言われるほど、自分の中ではダメージは溜まっていないって考えています」

――確かにMMAではパウンドもあって、より試合でダメージが溜まりやすい競技でもあります。だからこそ普段の練習内容が重要になってきますね。

「今回の試合に対しても、めちゃくちゃスパーをやっているわけではないです。金原(正徳)さんと強めのスパーをやるぐらいで。スパーをやる目的って、行くときに行ける感覚を掴むためだと言う人もいますよね。でも僕は常に、スイッチひとつ押すだけで前に出られますから(笑)。それよりも今回は形をつくる練習——シチュエーションのドリルに時間を割いてきました。この形になったら自分がどうするか、という動きを体に染み込ませるための練習ですね。次の相手のタイプを考えて」

<この項、続く>

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DEEP MMA o PFL RIZIN SASUKE クレベル・コイケ ソルト パンクラス ビクター・ヘンリー ボクシング 上田幹雄 修斗 大島沙緒里 後藤丈治 新居すぐる 昇侍 栗山葵 皇治 矢地祐介 遠藤来生 鈴木千裕 鈴木博昭 関鉄矢 青井人 飯田健夫 高木凌

RIZIN.43:オッズ/予想と展望

例によってMMAの試合のみ。また、12時半開始のオープニンマッチはPFLとバッティングするため割愛。

熊谷麻理奈 2.10
栗山葵 1.67

バンタムに落としてきた熊谷と上げてきた栗山。打撃では熊谷が上で、フィジカル差もあるので栗山はテイクダウンに苦労するだろう。

熊谷判定勝ち。

トレント・ガーダム 1.44
後藤丈治 2.63

RIZINMMAの試合では、ビクター・ヘンリーと井上直樹に負けているが、いずれも簡単に負けたわけではなく、打撃で苦しめる場面もあったガーダム。井上戦以降3年間はボクシングしかしておらず、MMAの技量がどれだけ向上しているのかは未知数。だが、打撃が武器の後藤にとっては相性が悪い相手。

ガーダム判定勝ち。

関鉄矢 1.53
遠藤来生 2.40

関は前回直前の代役で中原由貴と対戦し判定負け。遠藤はパンクラス2勝3敗。3月には高木凌にパンチで完全に意識を飛ばされてKO負けしたばかり。地元ということで無理をしての参戦でなければ良いが。関判定勝ち。

新居すぐる 1.72
飯田健夫 2.05

ともに地元出身で、北海道時代からの盟友。フィジカルを利用したキムラが武器の新居。飯田は3月の修斗でSASUKEのバックブローで完全KOされている。得意の体勢に持ち込めれば新居にチャンスがありそうだが。

飯田判定勝ち。

大島沙緒里 1.29
ソルト 3.40

ベストはアトム級の大島が2階級上のストロー級での試合。テイクダウンからすぐに極められれば良いが、ソルトは懐が深いだけに、長期戦になってタックルを来られるようになると、グラウンド膝がありのRIZINでは一発効かされただけで判定を落とす危険がある。

大島一本勝ち。

久保優太 2.05
木下カラテ 1.72

キャリア1勝1敗の久保だが、1勝の相手は奥田なので実質ノーカン。修斗やDEEPで6勝6敗と前座~中堅クラスの木下とは実力的に釣り合いは取れているかもしれないが、釣り合いが取れているならRIZINではなくDEEPでキャリアを積むべきでは。ここで木下相手に負けるようなら、そう言われても仕方がない。

木下判定勝ち。

鈴木博昭 1.80
西谷大成 1.95

キャリア2勝3敗の鈴木だが、2勝の相手は奥田と、打撃で打ち合ってくれた昇侍だけなので実質ノーカン。前回はDEEPでもタイトル戦クラスではない青井人にタックルを切れず判定負け。DEEPで6勝5敗の西谷に負けるようなら、さすがにもうRIZINでは組めない。30過ぎてからMMAデビューしたストライカーが相次いで同じような境遇に陥っているが、先日MMA転向を表明した皇治も同じ目に遭わないかが心配。

西谷判定勝ち。

関根“シュレック”秀樹 1.91
上田幹雄 1.83

とりあえずヘビー級で豪快なKO決着を見せれば喜ぶだろうという、初参戦が多いであろう観客のリテラシーに期待して組まれた試合。上田はデビュー戦はKO負けだったが、もともとフィジカルはあるし、関根はテイクダウンに苦労しそうで、そうなると打撃をもらって一気に勝負がつきそう。

上田KO勝ち。

矢地祐介 1.36
ザック・ゼイン 3.00

とりあえずちょうどいい外国人を連れてきて、きっちり一本・KO決着すれば喜ぶだろうという、観客のリテラシーに期待して組まれた試合。矢地は前回判定でも勝てればOKという考えでボイド・アレンを塩漬けにした結果、年末には島流しにあっているので、今回はさすがにフィニッシュが必要なことは理解しているだろう。

矢地KO勝ち。

クレベル・コイケ 1.29
鈴木千裕 3.40

クレベルが序盤にパンチを不用意に貰わなければ、組んであっさりフィニッシュ。鈴木が組みを警戒して出ていけないようだと、逆にクレベルペースになるので、ファーストコンタクトにすべてを賭けるくらいの気持ちで攻めてもらいたい。

クレベル一本勝ち。

オープニングファイト開始は12時半、イベント開始は14時から。MMAの試合のみ速報します。

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【Pancrase335】元修斗世界ストロー級チャンプ黒澤亮平が初参戦。同じく初出場の小林了平と対戦

【写真】そのポテンシャルを発揮するのは、これからだ (C)SHOJIRO KAMEIKE

2日(金)に東京都港区のニューピアホールで開催されるPancrase335で黒澤亮平が初参戦を果たし、小林了平と対戦することが発表された。

元修斗世界ストロー級チャンピオン飛鳥拳こと黒澤がプチサブライズ=パンクラス初参戦が決った。


2016年7月に澤田龍人を破り、修斗ストロー級の頂点に立つも翌2017年10月に負傷が完治するまでに防衛期限を守れないという理由で王座返上、2019年1月の再起戦まで2年半のブランクがあった。

再び修斗最軽量の王座を狙うのを機に、リングネームを本名に変えるも戦績的には5勝3敗。大切な局面で星を落としてしまったが、4月の沖縄大会での一本勝ちから心機一転、パンクラスに戦場を移すこととなった。

現状、パンクラス・ストロー級王座は山北渓人がステップアップしたONEでの戦いに専念するために返上し、空位となっている。当然、黒澤のターゲットはそのベルトなるだろう。

対する小林了平はNEXUSを主戦場に5勝2敗のキャリアを残す19歳の若手で奇しくもRYOHEI対決となる。生真面目、真摯さがMMAの幅を狭めるようなきらいが見られた黒澤だが、パンクラス参戦という状況の変化で、よりMMAを楽しみ、ポテンシャルをフルに発揮できるよう心持ち変えられるか。

三十路となった黒澤のMMAファイター人生第3章──今回の試合のように挑戦が下の世代の突き上げを食らうことも増えるであろう、これからが楽しみだ。

なおPancrase336と昼夜興行となる同日の大会、335大会では中田大貴✖高木凌、近藤有己✖佐藤豪則、名田英平✖Ryo、前田浩平✖ジョセフ・カマチョ、余勇✖貞永大輔、沙弥子✖MIYUが振り分けられている。

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Level-G MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase335 RYO パンクラス 中田大貴 住村竜市朗 名田英平 平田直樹 田中路教 笹晋久 草MAX 須藤拓真 高木凌

【Pancrase335/336】7月昼夜興行、攻めるパンクラス。田中路教、平田直樹、住村竜市朗出場

【写真】それぞれの決意の下、楽しみなファイターの出場発表が続く (C)MMAPLANET

7月9日(土)に東京都港区のニューピアホールで開催されるPancrase335及び336で組まれたカードの発表が続いており、ここでは現状を纏めておきたい。

まず9日に出場選手として早々にその名がリリースされたのが田中路教。田中は4月30日の立川大会の限定出場という形のパンクラス参戦だったが、米国のビザの更新を待つ間も、戦いたいという意思とパンクラスのオファーが合致し、継続参戦となった。前回はパンクラス初陣の笹晋久を完封した田中だが、この特別出場感のある参戦でパンクラス側がどのような相手を用意するのか気になるところだ。

そして最新カードとしては立川大会でプレリミ出場だった平田直樹が18(木)未明にあり、対戦相手は2022年ネオブラ優勝で、現在フェザー級ランク2位の糸川義人に決まった。


6月11日には須藤拓真らと共にLevel-Gのライト級8人トーナメントを戦うことが決まっている平田が、足踏みを踏んだ分エンジン全開でグラップリングとMMAに挑む2023年初夏となる。

また昨日17日(水)には住村竜市朗の参戦もいよいよ公となった。昨年来、パンクラスを最後の場として現役生活を送ることを内々には話していた住村は、最短距離でベルトを獲る位置――を得るために、草MAXと相対する。

この他、中田大貴×高木凌、名田英平×Ryoのフェザー級マッチなどが7試合が確定している2部興行、他の対戦カードとともに振り分けも気になるところだ。

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o PANCRASE RIZIN パンクラス 三宅輝砂 中田大貴 大沢ケンジ 林優作 遠藤来生 高木凌

【パンクラス】中田大貴×高木凌 ストライカー対決決定!

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7月9日にニューピアホールで開催されるPANCRASE 335/336の追加対戦カードとして、中田大貴(和術慧舟會HEARTS)×高木凌(パラエストラ八王子)のフェザー級ワンマッチが決定しました。

パンチをもらっても前に出続けるゾンビスタイルの中田は師匠・大沢ケンジの掲げる「ミエテイレバキカナイ」を体現する選手。打っても打っても間合いを詰めてくる姿は相手にとっては脅威でしょう。

RIZINで連敗を喫したものの、3月のパンクラスでは月には、三宅輝砂に押されながらも、最後は下からのフロントチョークを極めて逆転の一本勝ち。打撃だげではない奥行きを見せて復調を印象付けています。

対する高木は中田とは対照的に1発で相手を仕留めるシャープな右ストレートが持ち味。私が見てきた試合でも林優作、遠藤来生など打撃をもらった相手の倒れ方のヤバい事。右を武器にブレイクする可能性を秘めています。

そうなると楽しみなのは被弾上等、打たれ強さが身上のザリッチ中田を右ストレートでダウンさせる事が出来るかどうか。1発の短時間決着なら高木優位、長時間の削り合いならザリッチ中田優位か。パンクラスのタイトル戦線はもちろん、RIZINフェザー級にも直結し得る一戦。注目です。
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DEEP KINGレイナ MMA o RIZIN SASUKE カルリ・ギブレイン キック ソルト パンクラス ビクター・ヘンリー 上田幹雄 中井りん 中村大介 佐々木憂流迦 修斗 原口央 大島沙緒里 山本空良 巌流島 後藤丈治 新居すぐる 昇侍 栗山葵 武田光司 浅倉カンナ 矢地祐介 神田コウヤ 遠藤来生 鈴木博昭 関鉄矢 須藤拓真 飯田健夫 高木凌 高野優樹

RIZIN.43:矢地 vs. ザック・ゼイン等、追加カード発表

ライト級・矢地祐介 vs. ザック・ゼイン

ハワイで行われたトライアウトで合格し、昨年10月の武田光司戦でRIZINデビューしたが、1Rキムラで一本負けしたゼイン。もう一回呼ぶレベルとは思えなかっただけに、矢地は今度こそフィニッシュが必要であるということを理解した上で戦う必要がある。

フェザー級・鈴木博昭 vs. 西谷大成

鈴木はMMAデビュー戦の奥田は明らかにRIZINレベルではなく、2戦目は昇侍が打撃に付き合ってくれてのKO勝ちで2連勝としたが、そこから平本・青井に連続判定負け中。

トライフォース赤坂所属の西谷は先週行われたDEEPで初めて3Rマッチに出場し、ベテランの高野優樹に判定勝ち。MMA6勝5敗。

ヘビー級・関根"シュレック"秀樹 vs. 上田幹雄

昨年7月にスダリオに秒殺KO負けしたシュレック。その後、GLEATのグラップリングマッチで判定勝ち、巌流島では押し出しで勝利で、MMAはスダリオ戦以来。今年8月に50歳になる。

昨年4月のMMAデビュー戦で引退試合の高阪に秒殺KO負けした元極真の上田。12月にはプロデビュー戦の韓国人ファイターに秒殺KO勝ち。4月にカルリ・ギブレイン戦が組まれていたが、ギブレインがブラジルを出国できず中止となっていた。

フェザー級・新居すぐる vs. 飯田健夫 

新居はRIZIN中村大介・山本空良に2試合連続1R負けしたが、昨年はパンクラスで2試合連続得意のアームロックで勝利。

飯田は3月に修斗でSASUKEのフェザー級世界王座に挑戦するも、2RバックブローでKO負け。

ともに北海道出身のジモMMA

52.5kg契約・大島沙緒里 vs. ソルト

JEWELSアトム級(47.6kg)・DEEPミクロ級(44kg)王者の大島が、階級を上げて4月にパンクラス女子ストロー級王者となった地元のソルトと対戦。RIZINでは浅倉カンナ山本美憂に勝っているのにこんな理不尽なマッチメイクを受けるしかなかったのか?

バンタム級トレント・ガーダム vs. 後藤丈治

MMAでビクター・ヘンリーに一本負け、2020年の井上直樹のデビュー戦では敗れたが判定まで持ち込んだガーダムだが、その後はMMAの試合には出ておらず、昨年10月肘ありキックルールで出場した梅野戦ではロー一発で足を負傷しKO負け。3年ぶりMMAの相手は地元出身でパンクラスでプロデビュー、現在は修斗ランカーの後藤。

後藤は昨年11月、RIZINにも出場した須藤拓真にヒールで足を破壊され一本負けして以来の試合。

フェザー級・関鉄矢 vs. 遠藤来生

ZST王者関はRIZINでは神田コウヤにKO勝ち・堀江にKO負け、原口央に判定勝ち。昨年7月には佐々木憂流迦の代役で中原由貴戦が直前で決まったが、明らかにコンディション不十分で判定負け。

地元北海道在住の遠藤は最近はパンクラスを主戦場とし2勝3敗。直近は3月の高木凌戦で2RKO負け。

女子バンタム級・熊谷麻理奈 vs. 栗山葵

地元の熊谷はDEEPでKINGレイナとキックルールで対戦するも、謎の判定負け。翌月組まれたダイレクトリマッチでは判定勝ちでリベンジ。その後はMMAに主軸を置き、4連敗していたが、そこから3連勝中。ただし、相手のレベルはいずれも0勝か1勝クラス。

栗山は本来階級下のフライ級の選手だが、昨年のJEWELSフライ級トーナメントでは体重オーバーで失格。ワンデートーナメントだったため、中井りんが1日2試合のハンデキャップマッチをすることになった。今年2月に中井りんと対戦したが2R一本負け。

オープニングファイトMMA特別ルール55kg契約5分2R・丸山大輝 vs. 早坂優瑠

オープニングファイトMMA特別ルールライト級5分2R・渡辺トシキ vs. 安海健人

他、オープニングファイトでジモキック。

上の3カード以外は地元勢が絡むカード。まあ地方大会あるあるだが。出場予定選手に入っていた山本空良の名前がないが、4月の試合も負傷を押しての出場だったとのことなので、無理をしないでほしい。

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【Grachan61】フェザー級王座に王手、小島勝志─02─「どちらかというと、自分にはやりやすいタイプ」

【写真】力みがなく、非常に柔らかい印象の小島。特に打撃でジワッと圧を掛けることがデキ、相手にとっては嫌だろう (C)MMAPLANET

14日(日)、東京都の大田区産業プラザPIOで開催されるGrachan61にて、高橋孝徳とフェザー級王座決定トーナメント決勝を争う小島勝志のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

小島といえば、テイクダウンディフェンスからカーフキック、そして右ストレートを主体としたパンチで倒すというスタイルで、トーナメント決勝まで進んできた。そのスタイルはいかにして構築されてきたのか尋ねた。

<小島勝志インタビューPart.01はコチラから>


――なかなか勝てない時期……。2017年から2018年までパンクラスを主戦場としていましたが、戦績は2勝3敗でした。その期間は何を目標としてMMAを戦っていたのですか。

「目標ですか……。正直、当時はMMAをやっていて将来が見えることはなかったです。山梨には自分以外プロのMMA選手がいなかったと思いますし、僕は僕で昼間の仕事もしていて。そんななかでパンクラスから試合のオファーを頂いたのですが、地下格闘技から始まった僕がパンクラスに出るというのは想像していない世界でした。その変化に対して自分の気持ちが追いついていなかったかもしれません」

――2019年からグラチャンに参戦して以降も、2020年までは2勝1敗1分という戦績でした。それが2021年以降は現在まで5勝1敗、唯一の敗北がRIZIN TRIGGERの中川皓貴戦。この間に小島選手の中で技術面などの変化があったのでしょうか。

「初期は相手の寝技に付き合ったりすることが多かったけど、そういうことは一切やめました。今の戦い方になって、試合で倒せるようになってきたのかなって思います。特にテイクダウンディフェンスの練習をするようになったことは大きいです。それまでは昔の名残り――というわけではないけど、『下になっても極めれば良い』なんて中途半端な形で打撃を出していて。そのために、際の甘さが出ていたと思いますね」

――なるほど。最近の試合ではカーフキックも多用しています。あのカーフキックがあるからこそ、より打撃も当たりやすくなったのではないでしょうか。

「カーフを蹴ることでパンチも当たりやすくなるし、相手も組みづらくなってきますよね。いつも試合では、そういうプランでカーフを蹴っています。でも最初はカーフを蹴るつもりではなかったんです。最初は足払いのような形で蹴り始めて。その後にカーフキックの存在を知って、『これは自分も得意かもしれない』と練習し始めました」

――その足払いローキックもカーフキックも、誰かに教わったわけではないのですか。

「教わってはいないです。自分たちの練習の中で試しながら、『ココはもうちょっと変えたほうが良いなぁ』とかチームで話をして。誰か指導者がいるという環境でもなかったので。昔から一緒に練習してきた仲間たちや、新しく育ってきた子たちと練習しています」

――そのような環境の中で3連勝の後、2022年2月にRIZIN TRIGGERで中川選手に判定負けを喫しています。あの試合内容と結果については、いかがですか。

「うーん……正直言うと、僕としてはグラチャン王者になってからRIZINに出たいという気持ちがありました。でも岩﨑さんからお話を頂いて、地元に近い静岡大会でもあったので出ることにしました。モチベーションも高かったし、良い練習はできていたと思いますけど、うまくいかなかったですね」

――そのRIZINの後に、遂にグラチャン王者になるためのトーナメントが始まりました。

「トーナメントに出ることになってからは、1回戦からKO勝ちか一本勝ちすることを自分の中のテーマにしていました。気持ちとして焦っているわけじゃないけど、ここでしっかり倒して勝てないと、チャンピオンになって以降もどうなんだろう――と思っていて。今しっかり倒して勝てていることは自信というか、安心できます」

――そして迎えるトーナメント決勝戦。目指していたベルトが目の前に来ていますが、現在の心境を教えてください。

「実は、そういう感覚がないんです。よく『タイトルマッチでも普段と何も変わらない』って言う選手がいるじゃないですか。今の僕も同じで。感情が揺さぶられていることもないし、これまでの試合と同じ感覚でいます」

――対戦相手である高橋選手の印象はいかがですか。和田戦、鍵山戦に続き、組みが強い選手との3連戦です。

「そういう試合が続くだろうなとは、出場選手が発表された時に思いました。『組みが強いタイプの選手がトーナメントで勝ち上がってくるだろうな』って。僕もグラップリングに付き合いたくないわけじゃないし、寝技なら寝技で仕留めてやろうという気持ちはあります。ただ、最初から試合の組み立てとして考えていないといいますか……。

でも組みのタイプも、それぞれ違いますよね。高橋選手は四つが強くて、首相撲とか四つからの崩しが多い選手で。どちらかというと、自分にはやりやすいタイプだと思います」

――小島選手の場合は、ケージに押し込まれたほうが得意ですか。

「はい。RIZINに出る前から、ケージに押し込まれてからの展開は練習していました。今はパラエストラ八王子のプロ練に行かせてもらっていて、練習でも四つからテイクダウンされることは少ないです」

――パラエストラ八王子には小島選手と同じタイプの選手が多いですね。そのパラエストラ八王子まで山梨から通っているのですか。

「でも高速を使って、車で1時間ぐらいですよ。多い時は週2回ぐらい行かせてもらっています。亀井晨佑選手とはパンクラスのネオブラで対戦していて(2018年5月に亀井が判定勝ち)、その試合があったから塩田GOZO代表も僕のことを知っていてくれたと思います。だから行きやすくて、亀井選手とも『おぉ、久しぶり~』みたいな感じでした(笑)。亀井晨佑選手、高木凌選手、梶本保希選手と同じ階級の良い選手が多くて。鈴木千裕選手も来ていますし、良い練習ができています」

――それは試合が楽しみです。では最後に、次の試合への意気込みをお願いします。

「いつも応援ありがとうございます。KOか一本勝ちでトーナメントを締めくくり、チャンピオンになります。そして、さらに皆さんが喜んでくれるような舞台へ連れていきたいと思います。まずは今回のトーナメント決勝戦、応援よろしくお願いします!」

■視聴方法(予定)
5月14日(日)
午後1時~Grachan放送局

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