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45 Black Combat Black Combat13 MMA MMAPLANET o キム・ソンウン ユン・ホヨン 駒杵嵩大

【Black Combat13】駒杵嵩大が多彩な足技でTDを仕掛け、3Rに腕十字で一本勝ち。BCフライ級王座に就く

【写真】果敢にテイクダウンを仕掛けた駒杵。最後はホヨンのテイクダウン際を狙って腕十字を極めた(C)MMAPLANET

<Black Combatフライ級王座決定戦/5分3R>
駒杵嵩大(日本)
Def.3R2分21秒 by 腕十字
ユン・ホヨン(韓国)

サウスポーのホヨンがジャブとインロー、駒杵も前手を伸ばして組みつくと、そのままホヨンをケージまで押し込む。駒杵はそのまま首を抱えて首投げでテイクダウンする。駒杵は袈裟固めではなく、ホヨンに足を一本戻させるようにハーフガードでトップキープする。ここでホヨンはフルガードに戻し、駒杵の体を蹴り離して立つ。そのまま組みついた駒杵は再びテイクダウンするが、ここはホヨンが駒杵の脇をくぐるように体を起こして立ち上がる。ホヨンをケージに押し込む駒杵はホヨンの足を払ってテイクダウンしてマウントへ。

ここはホヨンも足を一本ずつ戻してフックガードから駒杵を蹴り離して立ち上がる。駒杵は四つ組みホヨンをケージに押し込んで、ここでも投げてテイクダウン。サイドにつくが、ホヨンが両足を入れてガードに戻し、フックガードで駒杵を蹴り離してスペースを作って立つ。駒杵はケージに体を預けるホヨンの足をかけてテイクダウン。ホヨンがケージを背にして立ち上がると、駒杵はホヨンの首を左手で抱えてホヨンの足を払ってテイクダウンを狙う。ホヨンが頭を抜くようにバックを狙うと、駒杵も正対してそれを許さない。

2R、オーソドックスにスイッチしたホヨン。細かい前後のステップからジャブを突いて足を使う。駒杵はダブルレッグで組みつくと、左腕を差してホヨンをケージに押し込む。ここから足をかけてテイクダウンを仕掛ける駒杵だが、トップキープする前にホヨンに立たれてしまう。ブレイク後、駒杵がインローと飛び込んでの左フック。ホヨンの左腕を差してケージまで押し込み、足技でテイクダウンを仕掛けていく。

ここでホヨンが駒杵の足をかけてテイクダウンを狙い、駒杵は亀になりながらら立ち上がって大外刈りへ。ホヨンがその投げ潰してトップキープする。駒杵が左手を首に巻いてギロチンへ。頭を抜いたソヨンはジャンプしての踏みつけを見せ、駒杵はそれに合わせて立ち上がる。終了間際、四つ組みから駒杵が足をかけてテイクダウンし、ホヨンの立ち際にヒザ蹴りを入れた。

3R、ここもホヨンがオーソドックスに構えてインロー。駒杵はダブルレッグに入って左腕を差してケージに押し込み、駒杵はホヨンが押し戻してきたタイミングでホヨンの足をかけてテイクダウンする。ここはホヨンも立ち上がり、逆に駒杵を四つからテイクダウンする。駒杵は倒されながらもホヨンの左腕をキムラにとって腕十字へ。

ホヨンは駒杵の体をつぶして腕を抜くと、逆に駒杵の左腕を取って腕十字を仕掛ける。駒杵は左腕を抜いて立ち上がり、ホヨンを四つでケージに押し込む。ホヨンが両差しに組んで駒杵をテイクダウンすると、駒杵はホヨンの左腕を小手に巻いてホヨンの頭をまたぐようにして腕十字へ。裏十字の形から最後はホヨンの体をひっくり返して腕十字を極めた。

1月のタイトルマッチでは王座獲得に失敗した駒杵だが、1年を締める大会でフライ級王座を戴冠。試合後は「1月に負けちゃって(※正しくはノーコンテスト)、その時の忘れ物を取りに来ました。プレッシャーはあったけど(ベルトを)獲れてよかったです。嫁にベルトを獲れなかったら帰ってくんなと言われていたのでよかったです(笑)。相手は僕のことを研究していて、今までやってきた相手よりもワンランク強かったと思います。(キム・ソンウンとの再戦について)タイミングがあればやり返したいので準備しておいてください。もっと強い選手をやりたいので、色んな選手が僕の首を狙ってくれれば僕も強くなるので楽しみです。今SNSでも盛り上がっていますし、まだ会場にいるので一緒に写真撮りましょう」と喜びを語った。


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【Black Combat13】駒杵嵩大とフライ級王座決定戦、消防士戦士ユン・ホヨン「毎日練習よりメリハリ」

【写真】MMAファイター、Black Combatファイター・バージョンのユン・ホヨン。下のリモート取材時とは、相当に感じが違う(C)MMAPLANET

28日(土・現地時間)に韓国はソウルのソンブク区にある高麗大学校(コリョ・テハッキョ)ファジョン体育館(チェユックァン)で開催されるBlack Combat13で、駒杵嵩大とフライ級王座決定戦を戦うユン・ホヨン。
Text by Manabu Takashima

かつてZSTに来日経験のあるユン・ホユンは「日本のMMAを尊敬している」と言いつつ、駒杵はその日本のトップ中のトップではないと言い切った。普段は消防士として生きるファイアーファイターMMAファイターに話を訊いた。


――5日後に駒杵選手とフライ級王座決定戦で戦うユン・ホヨン選手です(※インタビューは23日に行われた)。日本人選手とは他の韓国人選手との対戦のようにBlack Combat特有のYouTube等でのストーリー創りは難しい面があるかと思いますが、どのような背景があって駒杵選手とのタイトル戦が決まったのでしょうか。

「自分がランク1位なのですが、ランキング2位は以前に勝っている選手で、3位はチームメイト。なので4位の駒杵選手と戦うことになりました。やはり日本人選手なので言葉の壁はあります。それでもBlack Combatは映像などで盛り上げることに長けているので、それほど難しくなく盛り上げることはできていると思います。

日本でも撮影をしたのですが、駒杵選手は仕事があると撮影に来ませんでした。その時に『Black Combatに愛がないのか』と挑発しました」

――ハハハ。ところでユン・ホヨン選手は7,8年前にZSTで試合をしていますね。

「日本のMMAのことは、すっと尊敬しています。特にフライ級はワールドクラスの選手が多いですし。ZSTでは伊藤盛一郎選手に負けました。伊藤選手と比べると、駒杵選手はそこまで強くはないと思っています。今は駒杵選手に勝ってBlack Combatのチャンピオンになることに集中していますが、その先には強い日本人選手と戦ってみたいという気持ちもあります」

――そのような中で駒杵選手の実力をどのように考えていますか。

「テイクダウンが特に強くて、寝技も巧いです。日本の頂点ではないですけど、経験値の高い選手だと思います。ただ組み技のディフェンス面には自信があるので、しっかりとテイクダウンを防いで打撃で勝負したいと思っています」

――入場の際、消防士の恰好をしていますが、本職が消防士ということですか。K-MMA界の消防士ファイターといえば。Road FCのシン・ドングク選手の印象が強いです。

「MMAのプロデビューが2015年で、4年後に消防士の試験に受かりました。そしてRoad FCの最後の試合の時は消防士になっていたので、シン・ドングク選手とプロモーション活動をしたこともあります」

――日本では消防士は交代制勤務で24時働いて、48時間非番という形態らしいですが、韓国も同じように交代制なのでしょうか。

「日本と同じですね。24時間働いて、非番は48時間です。その48時間を使って練習をしています。勤務の日も現場への出動がない日は、体を鍛えることができています」

――試合前でもまる1日練習ができない時もあるということですか。

「ハイ。でも今の自分は、この生活サイクルが馴染んでいます。毎日練習できるよりも、この方がメリハリがあり集中して練習できるんです」

――消防の仕事は、それこそ命がけで身の危険に直面することもあるかと思いますが、そういう部分でMMAに役立つことはありますか。

「現場ではケージに入っている時と同じように緊張します。そういう部分ではどちらの経験も、互いに生きる。マインドコントロールができるようになったように感じます。ただ、命を落とすかもしれないという現場は何年も消防士をやっていて、滅多にあるものではないです」

――その時のための日頃の訓練が必要という部分では、MMAも良く似たモノかもしれないですね。そんな日々を送るユン・ホヨン選手ですが、土曜日のタイトル戦ではどのような試合をしたいと思っていますか。

「駒杵選手はアグレッシブな選手だと思います。打撃なら打撃、グラップリングならグラップリング。駒杵選手の出方に合わせて、積極的に対応して動きのある試合にしたいと思います」

■視聴方法(予定)
12月28日(土・日本時間)
午後6時30分~メインカードBlack Combat YouTubeメンバーシップ
午後2時00分~アンダーカードBlack Combat YouTubeメンバーシップ

■Black Combat13対戦カード

<フェザー級/5分3R>
キム・ミンウ(韓国)
木下カラテ(日本)

<Black Combatミドル級選手権試合/5分3R>
[王者]チェン・ウォンジュン(韓国)
[挑戦者] オ・イルハク(韓国)

<Black Combatライト級選手権試合/5分3R>
[王者]大原樹理(日本)
[挑戦者] ムン・ギボム(韓国)

<Black Combatバンタム級王座決定戦/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
山本聖悟(日本)

<Black Combatフライ級王座決定戦/5分3R>
ユン・ホヨン(韓国)
駒杵嵩大(日本)

<ウェルター級/5分3R>
ジン・テホ(韓国)
チェ・ジュンソ(韓国)

<ライト級/5分3R>
パク・オジン(韓国)
ジョン・ハングク(韓国)

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【RIZIN LANDMARK10】BK離脱。ヤマニハと対戦、7勝11敗=山本聖悟「以前の僕は感謝が足らなかったです」

【写真】コレを言葉にするのは、勇気がいることだ。それをやってしまうのも、山本聖悟 (C)MMAPLANET

明日17日(日)に名古屋市港区のポートメッセなごやで開催されるRIZIN LANDMARK10に山本聖悟が出場し、アラン・ヒロ・ヤマニハと対戦する。
Text by Manabu Takashima

2年3カ月振りの国内でのファイト。3年8カ月振りのRIZIN。そして戦績は7勝11敗1分け。最後に日本で戦った時のレコードは4勝10敗1分けだった。つまり、この間は3勝1敗と勝ち越している。その舞台となったBlack Combatではバンタム級ランク2位まで上り詰めた。

それでいて今回のLANDMARK出場。存在感が確実に増していた韓国の新興プロモーションを離れ、日本に戻ってきた真意とBlack Combatでつけた自信について山本に尋ねた。とはいえ、この間の活躍をほぼ知らない日本のファンにとって彼が言っていることは信憑性と根拠に欠けるかもしれない。それだけに絶対的な結果を欲する山本の言葉は、非常に力がこもっていた。

MMAファイター人生の巻き返しが、ここから始まる──のか。山本聖悟の言葉をまずは記憶に留めて欲しい。


Black Combatと決裂。『僕の性格では無理です』

──Black Combatでキャリアを積み、タイトル挑戦も見えてきたというなかでRIZIN LANDMARK出場。正直なところ唐突な感じは否めませんでした。韓国でのキャリアアップという部分はどのようになったのでしょうか。

「頑張って来たんですけどね(苦笑)。12月28日にBlack Combatが大きな大会を開くことが決まっています」

──ハイ、日本から駒杵嵩大選手や大原樹理選手がタイトル戦を戦うという話が入って来るイベントですね。

「ハイ。僕は7月大会で、当時6連勝中でバンタム級2位だったパク・ソンジュンという選手をKOして2位になったんです。そして年末の大会に1位の選手とのオファーが来たので、戦うつもりでした」

──チャンピオンはユ・スヨンですね。

「ハイ。チャンピオンのユ・スヨンがタイトルを持ったままでRoad to UFCに出ているのですが、それも納得はいっていなかったですが……」

──とはいえRoad to UFCやコンテンダーシリーズだと、ベルトを持ったまま出場というが普通かと。UFCと契約すれば返上というのが、プロモーションも望んでいる路線だと思います。

「それはまだ良いんです。納得はできないけど、理解はできるので。ただ年末にはRoad to UFCの決勝が終わっているので、ユ・スヨンがUFCと契約して空位になれば1位と2位の対戦だから王座決定戦になりますよね、普通は」

──ハイ。

「そこを確認したら、『ならない』という返答だったんですよ。ONEからキム・ジェウンとキム・デファンが韓国に戻って来るからと」

──実績では上の選手が2人契約を果たしたわけですね。キム・ジェウンは9月大会でパク・ソンジュンをパウンドアウトし、観客席からキム・デファンが挑発するというBlack Combatらしい寸劇が見られました。

「ハイ。実績は上でもキム・ジェウンはBlack Combatでは1勝で。キム・デファンも次に勝っても1勝です。僕は3勝していて、相手も2勝をしている。団体のなかで勝ってきた数が違うし、それならランキングの意味がなくなるじゃないですか。Black Combatとは、そういう話をしたのですが僕らの試合はタイトル戦にはならないと言われました。僕は『ならランキングの意味がないので、納得いかない。ランキングから外してくれ』と決裂しました」

──えっ、12月に試合をしないだけでなくBlack Combatには出場しなくなるのですか。

「ハイ」

──それは勿体ない……。

「勿体ないですよね。でも、僕の性格では無理です。韓国の記者の人たちも、それはおかしいという風に言ってくれていますし」

──う~ん……。

「だって、ランキングの意味がなくないですか。だったらDEEPみたいにランキングがなくてキム・ジェウンが来たから、キム・ジェウンにやらせるっていうなら分かりますよ。でもランキングがるのに、そんな1位と2位の対決って何だって思いませんか。えっ? 高島さん。これ、どう思います?」

──繰り返し、勿体ないです。せっかく、ここまで積み上げてきたモノがゼロになってしまうのは。「高島さん、どう思いますか」と自分の名前を下に尋ねられると、自分の考えは韓国で上がった知名度を使って韓国の他の大会で戦うのが良いだろうと思います。それなのにRIZINなんだなと。筋を通せといっているなら、DEEPでやり直してからRIZINではないのかと思います(苦笑)。

「確かに……。いやDEEPでも全然、戦いますよ。今回はRIZINから話をもらったので、RIZINで戦わせてもらうことにしたので。オイシイことをやろうとは思っていないですよ。2位までなって、1位とやるのにタイトル戦じゃないのはおかしくないですか」

──それはおかしいですよ。でも、RIZINで戦いたくてしょうがないのにチャンスが巡ってこない選手がいます。事実、同じバンタム級でも竹中大地選手のように実績で山本選手を上回るファイターが出場できていない。つまりは、RIZINもそういう場ではないですか。

「でも僕はタイトル戦線に入っていないですから。いや、ナンボでもDEEPで戦いますよ。痛いところをつかれてしまっていますけど(笑)、でも本当においしい話としてRIZINに出るわけじゃないです。そこは本当です」

生まれ変わったところを見てもらいます。生まれ変わったス。マジで

──とはいえヒロ・ヤマニハ選手は、日本のファンからすれば山本選手が最も苦手とする選手だと思われているはずです。

「そうなんですかね?  別にそんなことないですよ。もちろん軽い相手だなんて思わないです。でも、そんなに厳しい相手だとは全然思っていないです。これまで練習でやってきたことが、なかなか試合では出せなかった。それがBlack Combatでの試合でハマって来たんです」

──つまりは日本のファンが知らない間に、山本選手が成長しているということになります。

「だから、日本では僕が不利だと思われているんですよね。それはメチャクチャ感じています。でも、次の試合で生まれ変わったところを見てもらいます。生まれ変わったス。マジで」

──どう生まれ変わったのでしょうか。

「心のなかです。メンタルが変わりましたね。スーパーポジティブです。周囲に感謝し始めると、メンタルが変わってきました。以前の僕は感謝が足らなかったです」

──感謝するようになると、MMAは強くなれるのですか。

「なれます」

──……。

「これは言葉で表すことができるモノじゃないんですよ。それは、試合をみてもらって『これが感謝か』と」

──……。

「辰年になって運気が変わりました。凄く当たることで有名な占い師さんに見てもらって『2021年から2023年は何をやっても上手くいなかったはず』と言われて、確かに2021年から6連敗が始ったんですよね。おお、当たったって。で、その占い師さんって姉の生まれた年とか、甥っ子の漢字とか全部当てるんですよ。お祖母ちゃんは、僕のことは心配していないとか」

──……。

「伊勢神宮に行ったことも当てて。地元の神社とか知っているし、今の僕には凄く良い神様が付いていると。でも、ヤマニハにも付いているそうです(笑)。だから大激戦になるって」

──……。

「アイツ、ヤバいヤツで終わるかもしれないですけど、僕は信じています。マインドアップしているんですよ」

──何か信じるモノがあれば人は強くなれるのですか。

「それは、なれますね。高島さん、何か信じるモノってありますか」

──また名指しですか。それなら答えますが、あります。

「何を信じていますか」

──嫁さんです。

「そう、嫁さんだったり。信じていると、強くなれますよね」

──まぁ、なるしかないですから。ただ、人様の伴侶を嫁さん呼ばわりですか(笑)。

「あぁ、スミマセンでした(笑)。奥様を信じていると、強くなれますよね」

シェイドゥラエフがバンタム級で来ても、今の僕なら行ける

──強くなれます。でも、結果が目で見えるモノではないかもしれないです。山本選手はMMAを戦うわけですから。記事を書く身として、信じるモノがそういう迷信的なモノだと強くなっているという言葉の根拠にはしづらいです。

「だから戦いって、肉体の戦いではなくなるんです。これはリアルな話です。あと、瞑想をするようになってからマインドが変わりました。冷静さ、落ち着きが備わってきました」

──う~ん……。

「本当に僕は変わったんですよ。白川(裕規)さんとの練習、大塚(隆史)さんにレスリングを教わるようになって本当に技術的にも上がっていますし。白川さんと大塚さんのことを信じて、感謝しているから凄く体に入って来ます」

白川トレーナー 去年何回かミットを持ったことがあったんですけど、1月のBlack Combatの試合(イ・ソンウォン戦)のあとに「ミットを持ってもらえますか」ってお願いされて、本格的に一緒に練習するようになったんです。作戦を考えて、セコンドも就くようになって。聖悟君は性格がまっすぐで、言ったことを全部実行するんですよ。一緒に組み立てていったことを、まんま試合で使う。長い間セコンドに就いていますけど、まんま動く人ってあまりいないです。それって、さっき聖悟君が言った信じる力やと。それは僕に対してもあるだろうし。そこの入り方がちょっと違うかと思います。

「このインタビュー中に、そういう風に言ってくれる人が僕にできた。本当にマインドだと思います。これまで試合中に焦って博打を仕掛けていたのが、前回の試合でインローを効かされても『我慢をしていれば、チャンスがくる』と言い聞かせて賭けのような仕掛けはしなかったです。そして、KOできた。そこがメンタルの成長できた部分で、強くなれたところだと思います」

白川 あの時は試合の1カ月前に、足を折って。動けない状態だったんですよ。

「これまでだと1人で悩んで、一か八かで戦っていたはずです。でも白川さんと話をして、相手のヒザをすかしてスピニングバックフィストという動きを創って。それが試合に出て、ストレートで倒すことができました」

──打撃は元から良いモノがあった。寝技はもう、伸びしろだけ。そしてフライ級でなく、バンタム級で戦うことでコンディションも良い。そこに心が加わった。

白川トレーナーとのミット打ちは、瞬時にして吉野との組みのスパーリングに。以前とは違う動きは、絶対的に見られている

「だからこそ、結果を残したいです。

ヤマニハのように振って、組んでくる。その選手は今の僕には本当に戦いやすいです。以前は、そこで強引に殴りにいっていたので殴られたし、倒されました。今の僕には、その動きが見えます。冷静になると、あのパンチは見える。かわすか、カウンタ―を入れる。1月の試合では焦って、力んでいたけど。今はリラックスして、力を使わずに戦うので15分動くことも問題ないです」

──言葉通りの戦いができ、結果を残した後のキャリアアップはどのように考えていますか。

「それはRIZINでチャンスがもらえれば、もちろん参戦し続けます。そうすると応援してくれる人も喜んでくれますし。シェイドゥラエフがバンタム級で来ても、今の僕なら行けると思います。それに海外から話があれば、海外でもやっていきたいですし。(吉野)光に勝ったシンバートルなら、もう絶対です。セコンドの時の声、聞いてもらっていないですか? テイクダウン狙いに完璧なタイミングで指示ができています。絶対にヒザを合わせることができますよ」

──相当に自信を深めていることは理解できます。なので、しっかりと17日には試合を見させていただきます。

吉野、白川トレーナーと。信じられるメンバーと、勝負論しかない勝負に挑む

「メッチャクチャ自信があるので、楽しみにしていてください。

このインタビューを読んでもらっても『何を言っているんだ』って思われるのは仕方ないです。それは僕がこれまで、日本で結果を残せていないからで。でも、その評価がこの試合でひっくり返ることに、ワクワクしています。

それにマルキーニョスが欠場になって、サトシもクレベルも皆がヤマニハのサポートに回るわけですよね。その状況も嬉しいです。秋元(強真)戦は調子が悪かったとか聞くので、ボンサイ柔術の力が結集したような絶好調の状態で17日を迎えて欲しいですね。ベストのヤマニハに絶対に勝ちます」

■視聴方法(予定)
11月17日(日)
午後1時00分~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE

■ 対戦カード

<フェザー級/5分3R>
ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)
摩嶋一整(日本)

<女子スーパーアトム級/5分3R>
浜崎朱加(日本)
シン・ユリ(韓国)

<バンタム級/5分3R>
昇侍(日本)
芦澤竜誠(日本)

<ヘビー級/5分3R>
スダリオ剛(日本)
加藤久輝(日本)

<フェザー級/5分3R>
鈴木博昭(日本)
秋元強真(日本)

<ライト級/3分3R>
キム・ギョンピョ(韓国)
倉本大悟(日本)

<フライ級/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
イ・ジョンヒョン(韓国)

<フライ級/5分3R>
柴田“MONKEY”有哉(日本)
ヒロヤ(日本)

<フライ級/5分3R>
村元友太郎(日本)
トニー・ララミー(カナダ)

<バンタム級/5分3R>
白川ダーク陸斗(日本)
マゲラム・ガサンザデ(アゼルバイジャン)

<バンタム/5分3R>
アラン“ヒロ”ヤマニハ(ブラジル)
山本聖悟(日本)

<フライ級/5分3R>
北方大地(日本)
アリベク・ガジャマトフ(ロシア)

<バンタム級/5分2R>
窪田泰斗(日本)
日比野“エビ中”純也(日本)

<ヘビー級/5分2R>
稲田将(日本)
佐々木克義(日本)

<フェザー級/5分2R>
TATSUMI(日本)
平松翔(日本)

<キックボクシング55キロ契約/3分3R>
としぞう(日本)
JIN(日本)

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【Black Combat10】日本勢1勝4敗。しかめっ面の裏にある佐伯さんの本音「プロモーターとして僕の勝ち」

【写真】インタビュー開始直後の表情と、終了時の違い。これぞプロモーター!!(C)MMAPLANET

20日(土・現地時間)に韓国はソウル・ソンブク区にある高麗大学校(コリョ・テハッキョ)ファジョン体育館(チェユックァン)でBlack Combat10「Night in Seoul」が開催された。
Text by Manabu Takashima

K-MMA界で日の出の勢いを見せるBlack Combatの2024年スタートの一戦は、会場を訪れたファンは20代と10代が占め、明らかに他のK-MMAイベントは違う空気のなかで実施された。日本人選手に対しても、ブラックダイヤモンド=須田萌里、アイアンスパイダー=大原樹理などBlack Combat特有のリングネームをファンは叫び、イベントを彩る一人のキャストとして完全に認識している。

1年間の交流で対抗戦を名乗る必要がないほど、協力体制が整ったDEEPとBlack Combatだが日韓対決になると、圧倒的に日本勢の分が悪い。今大会も5試合が組まれた日韓戦は1勝4敗という散々な結果に終わった。とはいえ、この数字には表れない課題がBlack Combatにも感じられるのも事実──。

ケージの中とケージの外。同大会の閉会式が行われている最中、視察に訪れていたDEEP佐伯繁代表に話を訊いた。

■Black Combat10における、日韓対決結果

<Black Combatフライ級選手権試合/5分3R>キム・ソンウン(韓国)Def.1R1分31秒 by KO駒杵嵩大(日本)

<ライト級/5分3R>ファン・ドユン(韓国)Def.1R2分03秒 by KO大原樹理(日本)

<Black Combat女子級選手権試合/5分3R>パク・シユン(韓国)Def.3-0:30-26.30-27.29-28須田萌里(日本)

<フェザー級/5分3R>パク・チャンス(韓国)Def.3-0:29-27.29-28.29-28中村大介(日本)

<バンタム級/5分3R>山本聖悟(日本)Def.3-0:29-27.29-28.29-28.イ・ソンウォン(韓国)


──対抗戦ではないですけど、事実上DEEP勢の惨敗という形に終わってしまった感があるのですが……。

「頭が痛いねぇ(苦笑)。Xでも色々と書かれていますけど、言われたように今回は対抗戦ではないです。もうBlack Combatの興行の一部として、DEEPの選手が出場しています。だから自分の意識としては、DEEPの負けとかっていうことは余りないんです。でも、まぁそういう風に思われますよね」

──佐伯さん的には今回の日本勢の星取りはどのように予想していましたか。

「う~ん……駒杵(嵩大)選手はぶっちゃけて言うと、普通に勝つと思っていました。大原(樹理)選手もまぁ大丈夫。中村(大介)選手は厳しい。対して須田(萌里)選手は五分五分、山本(聖悟)は勝つと思っていたので、まぁ悪くても3勝2敗は行けるかと」

──結果的に駒杵選手は相手の体重オーバーがありましたが、変則タイトルマッチでありながら敗北した時にはノーコンテストとはならないというルールでTKO負け。日本人選手の勝利は山本選手だけでした。

「ただ須田選手と大原選手に関しては、現状は物言いがついている状況です。須田選手の試合はグローブ掴みの反則。大原選手の試合はストップが早いというところで。

大原選手は、そこまでは良い流れでしたし。ここで1勝4敗になるのか、Black Combatの主催者がどういう判断をするのか──ですね」

──K-MMA界で破竹の勢いがあると見られていたBlack Combatですが、競技運営面という部分で思わぬ落とし穴がありました。メインが3Rで決着がつかず、延長ラウンドに突入して急所蹴りでノーコンテスト。力技が裏目に出たような気もしました。

「まだ2年ですしね。ウチも活動開始当初は、ホントに色々とありましたから。今ではJ-MOCさんがいるけど、ここに来るまでルールを変えたりして。今日も僕だったら『こうするな』というのは持っていても、彼らもまだ経験がないから。

僕は選手を送り出している反面、自分が主催者でもあるから、その側面も見てしまうんですよ。抗議をしましたが、それは選手のためであって。同時に競技運営陣が残念だったという話になると、その残念な状況の団体に選手を出している自分の責任になります」

──そこまで、責任を感じますか。

「まぁ、実際はそうなっちゃう。経験が信用を生むのは絶対で。まだ2年のBlack Combatでこんなことが起こると、アウェイだからっていう話になってしまう。でも、僕らがやっていても外国人選手がアウェイ判定で負けたというけど、J-MOCさんとやっていて、そんなことは絶対にないですからね」

──MMAは判定が割れる競技ですが、近年の日本のMMA大会で力技のホーム判定など皆無です。

「アウェイ判定で負けたというのは、失礼な話ですよ。そういうことができない競技運営陣とやっていますからね。だから、彼らがそういうつもりがなくても経験不足で、このようなことが起こると、韓国ではホーム&アウェイがあって一本で勝たないとダメだとかっていう風になってしまうんですよ」

──そこは避けたいです。

「だからこそBlack Combatも今日のようなことを経験して、成長していってもらわないと。日本人選手の試合でこのようなことを起こった時、『分かっていて、出ているだろう』なんて言われてしまうじゃないですか」

──そうなってしまいますね。なら、出るなという空気ができると本当に台無しで、勿体ないですし。

「そういうことなんですよ」

──と同時に日本勢が挑戦する立場になる流れは止められないのかという気もしました。

「それはですね……僕らも今日、負けるつもりで選手は出していない。ただDEEPのトップはご存知のようにRIZINに行っているので。ファイトマネーに合わせて、選手を出している。それはDEEPもBlack Combatも同じで。団体のトップ全てが出ているわけじゃない。

牛久(絢太郎)選手、元谷(友貴)選手、武田(光司)選手にRIZIN級のファイトマネーを支払うことができれば、皆、出しますよ。でも、それはできない。RIZINとかメジャー団体とは予算が違うから。Black Combat側がどう思っているのかは知らないですけど、僕はやれる範囲でやっているという認識でいます」

──とはいえ、予算内の人選でも勝てるという認識でいたことはなかったですか。

「そういう部分でいえばBlack Combatの方がハングリーな選手が多いですね。それと対抗戦に向けて予選まで開いていて、そこから上がってきた選手は強いです。加えて、韓国の選手は自分の国で戦うとさらに強くなる。日本で戦う時とは違っていますね。

だから僕の意識は協力して、色々なモノが創れているのかなっていうことで。大体、Black CombatにDEEPのチャンピオンが3人いるわけで。今回の大会にもDEEPに出たことがある選手が何人もいて、どっちがどっちというのはなくなって来ていますよね、もう。

3月9日のDEEPでイ・ソンハに江藤(公洋)選手が挑戦して、24日のDEEP JEWELSではパク・シユンで伊澤(星花)選手が挑戦するじゃないですか」

──ハイ。

「今の伊澤選手に勝つようなことがあったら、パク・シユンが世界一ですよ。それは大変なことですよ。

Black Combatでなくても、シン・ユリがRIZINに出る。韓国の皆だって出たいと思っているし、その架け橋になれれば良いですね。韓国の良い選手をRIZINに繋げるというのも。とはいってもBlack Combatも独特な世界観を持っているので」

──それが価値観でもあって。

「そこです。僕らはRIZINがあって、自分らがいるって弁えているじゃないですか。それがRoad FCにしてもBlack Combatにしても自分達がナンバーワンというメンタルでいるから(笑)。そういう時には、彼らは僕らのようにできるのか。

例えば福田(龍彌)選手が3月大会に出場するけど、その次はRIZINかもしれない。色々なところから声が掛かるでしょうし、Road to UFCに出たい選手だっている。だから僕はRoad to UFCを目指す選手は、3月大会に出るのはやめた方が良いという言い方もしています。Road to UFCに出られないなら、5月大会でオファーを出すからと」

──その柔軟性がBlack Combatにあるのか、ということですね。と同時にBlack Combatと今の関係が続くと、日本では難しくてもここで輝く選手が生まれる可能性もあります。

「だからこそ、一緒にやっているわけです。ビジネス面だけでいえば、別に僕に儲けはない。選手として、海外で試合経験を積めるのは良い経験だし、ウチとしても選手を多く抱えているので、こっちでチャンスを得ることができる選手が生まれるのは良いことです。それが僕にとっての利点ですよね。

Black Combatも育成大会を増やしてくプランがあるようで、そこに日本から経験の少ない選手なんかを送り込むことができるよう話しています。ファイトマネーもBlack Combatの予算に合わせて。海外で経験を積みたい選手が、2時間や3時間で来ることができる韓国で試合をすることは凄く良いことだから。そこが僕にとってのメリットですね。だから自腹でここまでくるわけです(笑)。

ぶっちゃけて言うと、ここでまた『DEEPが負けたぁ』とファンが思ってくれるのは、プロモーターとして僕の勝ちなんです。そうやって一つのムーブメントを創っている。9月の対抗戦の負けも、僕からすると『しめしめ』でした(笑)」

──押忍(笑)。大会視察終了直後にありがとうございました。

「これから須田選手と大原選手の件で、色々と話し合わないといけないので。ここからも本番です」

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45 Black Combat Black Combat10 KOMA MMA MMAPLANET o キック キム・ソンウン 駒杵嵩大

【Black Combat10】駒杵がTD奪うもキム・ソンウンのペダラーダで沈み、フライ級王座は空位に

【写真】(C)MMAPLANET

<Black Combatフライ級選手権試合/5分3R>
キム・ソンウン(韓国)
Def.1R1分31秒 by KO
駒杵嵩大(日本)

計量オーバーのキム・ソンウンに対し、会場から一斉にブーイングが浴びせられる。駒杵には日本語で「がんばれ!」という声援が送られた。試合が始まると、キム・ソンウンが右サイトキックを繰り出す。一度距離を取った駒杵は、ジリジリと距離を詰め、ダブルレッグからボディロックに切り替えてキム・ソンウンをケージに押し込む。そしてボディロックでテイクダウンした駒杵は、右足を絡めるキム・ソンウンを鉄槌で削る。キム・ソンウンは下から腕十字を仕掛けるも、駒杵は上体を起こして潰しにかかる――その時、キム・ソンウンの右足が駒杵のアゴを捉えた。この一撃で駒杵はダウンし、レフェリーが試合をストップした。

悔しい表情を浮かべる駒杵の横で、キム・ソンウンが笑顔でインタビューに答える。試合結果はキム・ソンウンのKO勝ち。Black Combatフライ級は空位となっている――。


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【Black Combat10】王者の計量オーバーも――駒杵嵩大「僕は何も気にせず、いつもどおり戦う」

【写真】王者キム・ソンウンがまさかの計量オーバー。しかし駒杵は油断など一切なく、佐藤将光とともに細かく判定基準を確認していた(C)MMAPLANET

20日(土・現地時間)に韓国はソウルのソンブク区にある高麗大学校ファジョン体育館で開催される Black Combat10「Night in Seol」にて、駒杵嵩大がキム・ソンウンの持つ同フライ級王座に挑む――はずだった。
Text by Shojiro Kameike

キム・ソンウンが計量オーバーにより王座剥奪、駒杵が勝った時のみ新王者誕生という変則タイトルマッチとなった。駒杵にしてみれば昨年9月に腕十字で仕留めている相手——だが、今回の試合に油断は一切ない。計量直後の駒杵の意気込みをお伝えしたい。


――計量では駒杵選手が56.6キロで一発クリアしたものの、対戦相手のキム・ソンウォンが計量オーバーとなりました。

「相手は計量会場に入ってきた時から、雰囲気が暗くて(苦笑)。仮計量で体重計に乗って、セコンドの人といろいろ話をしていたんですよ。だから『体重を落とすことができていないんだろうな』と思いました。ただ、そこで椅子に座って動かなかったんです。普通、体重を落とせていなかったら体を動かしますよね?」

――確かに……。ただ、本計量から再計量まで時間が30分しかないことも影響しているかもしれません。800グラムオーバーで、30分で落とすことは難しいでしょう。

「どう考えても無理ですよね。自分としては『どうなるのかな……』と心配ではありましたけど、僕はそれぐらいのオーバーであれば試合すると考えていました。一度試合していますし、前回の感触だと『体重オーバーしても、力はあまり変わらないかな』と思って」

――昨年9月、DEEP×Black Combatの対抗戦で行われた初戦では、駒杵選手がテイクダウンを奪ったあと、リバーサルを許しました。あの時に相手のパワーは感じましたか。

「いえ、あれはパワーではなく――まず相手の手足が長かったんですよ。あの時は長い足を巧く引っかけられて、コロンと返されてしまいました。相手が足を入れてきているのは自分も気づかなくて。相手もまだまだ手足の長さを生かした寝技の強さを持っているかもしれないです」

――駒杵選手返されてすぐキム・ソンウォンの腕を狙い、腕十字を極めました。

「返された時に腕十字か三角を狙うことは想定していたので、そこはスムーズに動いて極めることができました」

――結果、キム・ソンウォンの実力はどのように感じましたか。

「前回はすぐに極めてしまったので、対峙した時間が短かったじゃないですか。それでもレベルの差はあるのかな、って思いました」

――それだけレベルの差があったことは予想外でしたか。

「試合に向けて佐藤将光さんと映像をチェックして、それほどレベルが高い選手ではないと思っていました。ただ、実際に試合をしてみると――とにかくフライ級にしては体格が大きいんです。だから、やりにくさはありますし、過去の試合では逆転勝ちも多いですよね。昨日も将光さんと『ストロングポイントはないけど、逆転勝ちできる何か強さはあるよね』という話をしていました」

――それはよく言われる、韓国人選手の気持ちの強さも関係しているでしょう。そして今回はキム・ソンウォンの地元、韓国で行われる試合です。

「柔道時代から韓国人選手は気持ちが強いと思っていましたし、今回も敵地だから――と考えていましたが、計量の様子を見ると気持ちの強さも感じられなくなっていますね……」

――計量オーバーの結果、キム・ソンウォンはベルトが剥奪され、相手のファイトマネー30パーセントが駒杵選手に入ることになりました。

「そうですね。あとで幾ら入るのか知らされるようですけど……。いやぁ、それはもう大きいですし、嬉しいですね。ハイ(笑)。試合もラウンドごとに、相手がマイナス1ポイントとなりますしね」

――そうなると試合前から勝敗が決していることになりませんか。駒杵選手にとって、試合に対するモチベーションは……。

「それが以前、同じケースで計量失敗した選手が勝ったこともあるらしいんですよ」

――ユ・スヨンがキムイ・ドンギュとバンタム級王座を争った時ですね。

「そうです。毎ラウンドがマイナス1ポイントでスタートしても、圧倒され続けたらラウンドを失ってしまいますから」

――キム・ソンウォンも必死に計量オーバーを挽回しようとするでしょう。

駒杵自身は仕上がりの良さがうかがえる(C)SHOJIRO KAMEIKE

「はい。だから僕は何も気にせず、いつもどおり戦えば良いと思っています。ここ最近は『いかに相手の打撃をかわしながら組むか』ということを課題にしてきました。あとは倒してからパウンドやヒジで攻めていけるよう練習しているので、そういったところも見せたいです」

――なるほど。では明日の試合への意気込みをお願いします。

「ここでBlack Combatのベルトを獲得して、また日本のケージで活躍できるキッカケにしたいです。明日は応援よろしくお願いします!」


■Black Combat10計量結果

<フェザー級/5分3R>
キム・ミンウ:65.9キロ
ユ・スヨン:66.2キロ

<Black Combatフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]シン・スンミン:65.5キロ
[挑戦者] ソン・ユチャン:65.6キロ

<Black Combatフライ級選手権試合/5分3R>
キム・ソンウン:57.5キロ→57.3キロ
駒杵嵩大:56.6キロ

<ライト級/5分3R>
大原樹理:70.8キロ
ファン・ドユン:70.8キロ

<バンタム級/5分3R>
キム・ソンジェ:61.4キロ
パク・ソンジュン:61.8キロ

<Black Combat女子級選手権試合/5分3R>
[王者]パク・シユン:48.2キロ
[挑戦者] 須田萌里:47.74キロ

<フェザー級/5分3R>
パク・チャンス:65.8キロ
中村大介:65.8キロ

<フライ級/5分3R>
ジョン・ウォンヒ:57.0キロ
キム・ウジェ:57.1キロ

<バンタム級/5分3R>
山本聖悟:61.5キロ
イ・ソンウォン:61.5キロ

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【Black Combat10】敵地で王者パク・シユンに挑戦、須田萌里「私は自分のスタイルを貫く」

【写真】1月19日にBlack Combat10の計量が行われ、須田は47.74キロ一発クリアで笑顔を浮かべた(C)MMAPLANET

J-MMA 2023-2024、第七弾・須田萌里&雄律の姉妹インタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

後編では姉・萌里のBlack Combat女子アトム級王座挑戦について話を訊いた。萌里は1月20日(土・現地時間)にソウル・ソンブク区にある高麗大学校ファジョン体育館で開催されるBlack Combat10にて、パク・シユンが持つ同女子アトム級王座に挑む。パク・ジョンウン戦のKO負けを経て、現在に至る自身のファイトスタイルとパク・シユン戦について語ってくれた。

<須田萌里&雄律インタビュー Part.1はコチラ


――萌里選手にとって2023年は、どのような1年でしたか。

萌里 いろんなことを経験できましたね。負けも経験しましたし。

――敗戦といえば、5月にはパク・ジョンウンにKO負けを喫しています。それまで打撃を強化していたとはいえ、なぜ1Rから打撃のみの勝負に行ったのでしょうか。

萌里 エヘヘヘ。

――微妙な笑いですね。

萌里 何発か良いのが当たったので、イケるかなぁと思ったんです(苦笑)。

――このような敗戦の時、お父さんの智行さんはどのように見ているのですか。

智行 パク・ジョンウン戦にかんしては、娘が作戦を無視したんですよ。『あ~あ、打ち合いはアカンて言うたのになぁ』と思いながら……。

雄律 たまに思う時があるんですよね。パク・ジョンウン戦は特に、『なんで打撃でやるんかな?』って。すごく勿体ないなぁ、という試合でした。直接は言ってないけど(笑)。

萌里 ……(苦笑)。

――MMAと柔術を並行して戦っている場合、一方で敗戦を経験すると、もう一方の試合出場を抑えようとするケースもあります。萌里選手はMMAでパク・ジョンウンに、グラップリングでマユミ・グラップリングシュートボクサーズジムに敗れた時、何かしら方向転換などは考えなかったですか。

萌里 たとえば柔術をやらずにMMAだけ出るとか、そういうことは全く考えなかったですね。ただ、私はやっぱり組みの選手なので打撃にこだわらず、もっとしっかり組みに行くって考え方に変わりました。

智行 ウチの場合、柔術をやめるという考えはないです。MMAで勝つためにも柔術は大切な要素ですからね。

――なるほど。パク・ジョンウン戦までは、しっかりと打撃の攻防に対応しながら組みに行くスタイルを強化していたと思います。それが9月のケイト・ロータス戦からは、開始早々から組みに行きました。

萌里 あれも作戦です。ケイト戦は『最初から組みに行け』という指示が出ていました。11月の彩綺戦も、『打撃をやらんでも寝技だけで勝てるかな』って。さっきの話でいうと、打撃か寝技か――っていうより、もっと賢く戦わないといけないと思ったんですよ。

引き込むことについても、組んでからテイクダウンを奪うことができたら、それが良いです。でもテイクダウンを奪うまでには、すごく体力も必要じゃないですか。そこで削られて後半に影響が出るなら、引き込んだほうが良い時もあって。引き込みやったら自分の好きな形へ楽に持っていけるから、っていうのも大きいです。

――そして2024年初戦は、韓国Black Combatでのタイトルマッチが決定しました。今回、雄律選手も同行するのですか。

雄律 いえ、僕は行かないです。すごく寒そうですよね……。

萌里 今日はマイナス11度とかって出ていましたよね。とりあえず会場は暖かいから大丈夫だとは思うんですけど(笑)。

――萌里選手は昨年2月に韓国で開催された、DEEP×Black Combatの対抗戦の第一弾を現地でご覧になっていますよね。

萌里 映像や盛り上がり方が凄いですよね。日本のDEEPとも違う良さがあって、次は自分がそこで試合することになって楽しみです。

――Black Combat女子アトム級王者パク・シユンは、昨年9月に行われたDEEPとの対抗戦で大島沙緒里選手を下し、DEEPジュエルスのベルトも巻いています。

萌里 パク・シユン選手はまだDEEPジュエルスの試合が2回目だったのに、ベルトを持っていき――私はずっとDEEPジュエルスに出ているのに、「なんでソッチが先なん?」と思いました(苦笑)。

――萌里選手にしてみれば、列に割り込まれたようなものですか。結果、割り込んできた選手が勝利したことに対してはいかがですか。

萌里 結果は結果なので仕方ないけど……。その時に「今度は私が!」と思いました。

――ではパク・シユン選手の印象を教えてください。

萌里 まず赤林檎選手との試合は、私も同じ大会でアマチュアの試合に出ていたので、現地で見ていました。大島さんとの試合では赤林檎戦とも、その後に出ていたBlack Combatの試合ともスタイルが違っていて。試合ごとに違うスタイルで戦えるのでしょうし、とても難しいタイプだと思います。

――では今回、パク・シユン選手はどのようなタイプで戦ってくると思いますか。

萌里 大島戦と同じように、私との試合でも徹底して組まれないように戦うんじゃないかと思っています。相手がどう来ても、私は自分のスタイルを貫くだけですね。

――なるほど。最後に須田家の2024年の目標を教えていただけますか。

智行 今年のテーマは海外での挑戦ですね。まず萌里が韓国でベルトに挑戦します。雄律も海外で試合をさせたいと思います。今年でキッズの試合に出るのは最後になるんですよ。だから一番強い緑帯で優勝してからアダルトへ――と考えています。


■Black Combat10計量結果

<フェザー級/5分3R>
キム・ミンウ:65.9キロ
ユ・スヨン:66.2キロ

<Black Combatフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]シン・スンミン:65.5キロ
[挑戦者] ソン・ユチャン:65.6キロ

<Black Combatフライ級選手権試合/5分3R>
キム・ソンウン:57.5キロ→57.3キロ
駒杵嵩大:56.6キロ

<ライト級/5分3R>
大原樹理:70.8キロ
ファン・ドユン:70.8キロ

<バンタム級/5分3R>
キム・ソンジェ:61.4キロ
パク・ソンジュン:61.8キロ

<Black Combat女子級選手権試合/5分3R>
[王者]パク・シユン:48.2キロ
[挑戦者] 須田萌里:47.74キロ

<フェザー級/5分3R>
パク・チャンス:65.8キロ
中村大介:65.8キロ

<フライ級/5分3R>
ジョン・ウォンヒ:57.0キロ
キム・ウジェ:57.1キロ

<バンタム級/5分3R>
山本聖悟:61.5キロ
イ・ソンウォン:61.5キロ

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【Black Combat10】計量終了 フライ級王者キム・ソンウンが計量失敗。駒杵嵩大が変則タイトル戦へ

【写真】山本聖悟、中村大介、須田萌里、大原樹理は対戦相手も問題なくクリアしている(C)MMAPLANET

20日(土・現地時間)に韓国はソウルのソンブク区にある高麗大学校(コリョ・テハッキョ)ファジョン体育館(チェユックァン)で開催される Black Combat10「Night in Seol」の計量が行なわれた。
Text by Manabu Takashima

全9試合、18人のファイターが計量に臨み、Black Combatフライ級王座の初防衛戦を駒杵嵩大相手に行う予定だったキム・ソンウンが800グラムオーバーで再計量に。同プロモーション特有の再計量までの30分という猶予時間では規定の56.7 キロに対し、残り600グラムまでしか落とせずタイトル返上という事態に。


56.6キロでクリアした駒杵はキム・ソンウンのファイトマネーの30パーセントを得て彼が勝利した場合のみ王者誕生、敗れた場合はノーコンテストという変則王座決定戦を戦うこととなった。なおキム・ソンウンは毎ラウンド1Pの減点を課されている。

この他の8試合、メイン日本人ファイターは5人ともパスし、ルールミーティングをへて明日を迎えることとなった。

■Black Combat10減量結果

<フェザー級/5分3R>
キム・ミンウ:65.9キロ
ユ・スヨン:66.2キロ

<Black Combatフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]シン・スンミン:65.5キロ
[挑戦者] ソン・ユチャン:65.6キロ

<Black Combatフライ級選手権試合/5分3R>
キム・ソンウン:57.5キロ→57.3キロ
駒杵嵩大:56.6キロ

<ライト級/5分3R>
大原樹理:70.8キロ
ファン・ドユン:70.8キロ

<バンタム級/5分3R>
キム・ソンジェ:61.4キロ
パク・ソンジュン:61.8キロ

<Black Combat女子級選手権試合/5分3R>
[王者]パク・シユン:48.2キロ
[挑戦者] 須田萌里:47.74キロ

<フェザー級/5分3R>
パク・チャンス:65.8キロ
中村大介:65.8キロ

<フライ級/5分3R>
ジョン・ウォンヒ:57.0キロ
キム・ウジェ:57.1キロ

<バンタム級/5分3R>
山本聖悟:61.5キロ
イ・ソンウォン:61.5キロ

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【Black Combat10】中村大介と対戦、Double GFC王者パク・チャンス「腕十字でフィニッシュします」

【写真】 サッカーボールキック有り、中村大介というユニファイドMMAの常識に当てはまらない相手との試合でパク・チャンスがどのような戦いを見せるか(C)MMAPLANET

20日(土・現地時間)にソウル・ソンブク区にある高麗大学校(コリョ・テハッキョ)ファジョン体育館(チェユックァン)で開催される Black Combat10。山本聖悟、中村大介、大原樹理、そして須田萌里と駒杵嵩大が出場し、須田と駒杵はそれぞれがBlack Combatフライ級&女子アトム級王座に挑戦する。
Text by Manabu Takashima

そんなBlack Combat vs DEEPの対抗戦の様相を呈している同大会で、中村と戦うのがパク・チャンスだ。Double GFCフェザー級王座で昨年4月にシン・スンミンに敗れた――K-MMA界ユニファイドルールの強豪にとって、Black Combatで戦う意義とは。そして中村戦後に抱く日本での活躍について話を訊いた。


──パク・チャンス選手、Double GFCフェザー級王者のままBlack Combatに出場するようになりました。なぜ、Black Combatを次の戦場に選んだのでしょうか。

「Black Combatで戦いたいという選手が増え、Double GFCイ・チーフン代表に自分の方からBlack Combatで戦いたいと伝えました。ただ今もDouble GFCのチャンピオンのままですし、Double GFCがイベントを再開すると防衛戦を戦っていきます」

――そのようにプロモーション間を行き来できるのですね。素晴らしいことです。

「ハイ、両方の団体で試合をすることができます」

――ではDouble GFCの王者として、Black Combatのフェザー級王座決定戦でシン・スンミン選手に敗れた事実はどのように捉えていますか。

「やはり敗北後は落ち込みました。でも、すぐにリベンジをしたいという気持ちが強くなり持ち直しました。強い選手と戦いたいからBlack Combatで戦うことを選んだので。今はチャンピオン云々よりも、強い選手と多くの試合を積んでいきたい。そう思っています」

――あの試合はスリップ気味に倒れた後、シングルを取ろうとしサッカーボールキックを被弾してKO負けを喫しました。

「自分はUFCを目指していたので、北米ユニファイドルールに慣れ過ぎて、あの局面でサッカーボールキックがあることが頭に入っていなかったです。全くサッカーボールキックを意識せずにシングルレッグを本能的に仕掛けてしまいました。

練習仲間でBlack Combatで戦っている選手がいなくて、でもチームメイトが自分の練習に合わせてくれています。なので、練習としては問題ないです。今後はRIZINにも出てみたいので、サッカーボールキックにも慣れないといけないと思っていますし。もう少し時間がかかるかもしれないですが、試合を続けることで慣れていくはずです。このルールを消化して、勝っていきたいです」

――練習でサッカーボールキックをやることはできないですが、スタンドにしても打撃の含まれたスパーリングをするときに、何割ぐらい力を入れていますか。

「スパーリングの回数は週に1回で、決して多くないです。なのでスパーリングの時は試合ぐらいのモードでやっています。グローブは大きめのモノを使っていますが」

――ところで9月には豪州のEternal MMAでエリオット・コンプトンと対戦予定でした。結果、キャンセルとなったのですが豪州でUFCへの登竜門といえるプロモーションで試合をしようと思ったのは?

「別にUFC云々があってEternalに出ようと思ったわけではないです。試合のオファーがあり、戦いたいと思っただけで。ただフェザー級のオファーだったのが、1カ月を切って70キロにしてほしいと言われ。それも了承しました。それなのに72キロ、最終的に75キロと言われて、もう無理だと判断して試合は成立しなかったです」

――それはひどい話です。では、20日に戦う中村大介選手の印象を教えてください。

「素晴らしい選手です。戦い方がユニークで、難しく感じるかと思います。過去一番で戦い辛い相手になるはずですが、その分しっかりと練習をしてきました。問題ないです。腕十字でフィニッシュします(笑)」

――おお、掟破りの逆腕十字ですね(笑)。次回大会はDEEP勢も多く出場します。ここで戦うことで、日本のことを意識するでしょうか。

「自分にDouble GFC暫定フェザー級王座決定戦で負けたパク・ジェヒョク選手がGLADIATORでフェザー級チャンピオンになり、強い日本人選手と試合をしています。彼から凄く刺激を受ける一方で、自分も全然できると思っています。日本で戦いたいです」

――では日本のファンに一言メッセージをお願いします。

「いつも日本で戦いたいと思ってきました。今回、中村大介選手にしっかり勝って、日本で戦いたいと思っているので。応援よろしくお願いします」


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【Black Combat10】パク・シユン×須田萌里& 駒杵もフライ級王座挑戦。キム・ミンウ×ユ・スヨン決行!!

【写真】パク・シユンの二冠が続くのか、DEEP×Black Combatがさらなる混迷に向かうのか――要注目だ(C)MMAPLANET & DEEP

1日(月・現地時間)、Black CombatがオフィシャルYouTubeチャンネルで20日(土・同)にソウル・ソンブク区にある高麗大学校(コリョ・テハッキョ)ファジョン体育館(チェユックァン)で開催される Black Combat10の対戦カードを発表した。
Text by Manabu Takashima

昨年2月の韓国における対抗戦、9月の東京での対抗戦を経て通常興行でもDEEPとの交流が続くBlack Combatだが、今大会では日本から山本聖悟、中村大介、大原樹理、そして須田萌里と駒杵嵩大が出場し、須田と駒杵はタイトル挑戦となる。


(C)DEEP

駒杵は9月の対抗戦で対戦したキム・ソンウンに挑戦することとなった。

キム・ソンウンは11月大会でイ・カンナムとの王座決定戦で勝利しベルトを巻いたが、9月の一戦を見る限り両者の間には力の差が感じられた。とはいえ母国で8000人の観客が入る舞台での初防衛戦だ。キム・ソンウンがあの時と同じファイターとは捉えない方が良いかもしれない。

一方、須田は対抗戦で大島沙緒理を破りBlack CombatとDEEPの二冠王となったパク・シユンの持つBlack Combat女子アトム級王座にチャレンジする。MMAPLANETのインタビューでパク・シユン……というよりも指導者のパク・テヒョク氏が伊澤星花に対して絶対の自信を持っていたが、今回はホームで須田の挑戦を受けることに。

関節技にずば抜けた強さを見せる大島に対し、直接対決という部分でなく――×パク・シユン戦を念頭に比較すると、須田は打撃の成長が顕著で、よりウェルラウンダーとして戦える。寝技にしても思考、動きともにフレキシブルな須田だけに、パク・テヒョク氏が言うところの戦略に振り幅が持てる。

日本人選手がBlack Combatのベルトを手にし、韓国人選手がDEEPのベルトを腰に巻くという逆転現象も起こるかもしれないBlack Combat女子アトム級選手権試合だ。

今やDEEPよりもBlack Combatを主戦場にしようかという熱の大原は公言通り11月に続き、連続出場を果たす。対戦相手もイ・ファンスン戦での勝利後、ケージの中で挑発してきたキム・ジュンギュンでなく希望通りパク・ジョンホンと相対する――予定だったが、ヒザの負傷で欠場しファン・ドユンと戦うことが決まった。。

本来ランキング1位の大原と2位のパク・ジョンホンのマッチアップは事実上の次期挑戦者決定戦と思われたが、リアリティ番組で注目されているとはいえファン・ドユンは格下の相手だ。今回の試合結果いかんで大原は、対抗戦で完敗を喫したイ・ソンハの持つBlack Combatライト級王座に大きく近づくことができるのか――。

山本はバンタム級でイ・ソンウォンと、中村はフェザー級でパク・チャンスとの対戦も決まった。この2カード、注目は中村の相手パク・チャンスだ。4月のフェザー級王座決定戦で、パク・チャンスは姿勢を乱して倒れたところにシン・スンミンのサッカーボールキックからパウンドアウトで敗れた。

しかしDouble GFC暫定フェザー級王座決定戦で現Gladiatorフェザー級王者パン・ジェヒョクに勝っているパク・チャンスは、MMAの王道的なスタイルを貫けばシン・スンミンを上回る実力者とも考えられる。

中村×パク・チャンスなど、タイトル戦線で鍵を握る選手が日本勢の相手を務める、完全ガチのマッチメイクはBlack CombatではDEEP勢はワンオフでなく、レギュラーという認識があるようだ。そのフェザー級戦線、同大会ではたシン・スンミンはソン・ユチャンとの初防衛戦が控えている。キム・ソンウンと同様に対抗戦で青井人に遅れを取り、DEEP勢に2つ目の白星を献上しているだけに再起戦でチャンピオンの意地を見せたいところだろう。

そんなフェザー級選手権試合を第7試合に追いやり、キム・ミンウ×ユ・スヨンのフェザー級戦がメインで組まれている。元Road FCバンタム級王者で韓国一の猛者と目されながらRoad to UFCでは計量失敗で敗退。階級を上げてBlack Combatで戦うキム・ミンウと、Black Combatでライト級&フェザー級、さらにバンタム級と3階級を制したユ・スヨンの一戦は、PPV級のスーパーファイトといえる。

(C)DEEP

気になるのはユ・スヨンのコンディションだ。

ユ・スヨンは昨年12月21日のNAIZA FC56でダスタン・アマンゲルジにTKO負けを喫してから、インターバルは僅か1カ月でキム・ミンウという実力差と対峙することになる。ボディを効かされての負けではあったが、メンタル面と肉体の消耗度を考えるとキム・ミンウ有利と見るのが妥当か。

いずれにせよ、アジアを代表するファイター同士の対戦はDEEP勢が絡まなくても日本のMMAファンにとっても必見といえる。

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