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【Gladiator024】プレ・フライ級Wars。チェ・ドンフン&イ・スンチョルが来日。じゅんが復活

【写真】自らのイケメンと言ってしまうチェ・ドンフン。3戦目でチャンピオンになった実力の程は──(C) MMAPLANET

23日(木)、GLADIATORより12月19日(土)に豊中市176BOXで開催されるGladiator024の追加カード10試合が発表されている。
Text by Manabu Takashima

3回戦2試合、2回戦8試合が新たに明らかとなったが、まず目につくのがDouble GFCフライ級チャンピオンのチェ・ドンフンの来日&久保健太との対戦だ。

チェ・ドンフンは今年の3月大会で当時のGladiatorフライ級王者NavEと対戦予定だったが、足の小指を骨折して欠場に。彼の代役としてニャムジャルガル・トゥメンデムベレエルがベルトに挑戦することとなった。


そのニャムジャルガルが僅か7秒でNavEをKOし、新チャンピオンに。直後にRoad to UFCと契約したためタイトルを返上し、グラジのフライ級王座は空位となっている。

チェ・ドンフンも狙いは来年のRoad to UFC出場であることを公言して憚らない。その過程で韓国国内でなく、日本=グラジで試合をこなし、ベルトも視野に入れている模様だ。柔道出身のチェ・ドンフンは泣く子も黙るどころか、凍り付く厳しさの韓国海軍に徴兵後も身を置き筋金入りの気持ちの強さを身に着けている。

除隊後にMMAファイターを目指しTeam MAD浦項に入門すると、瞬く間に頭角を表し3戦目でDouble GFCの王座に就き、初防衛後に上にあるようにグラジ出場を決めていた。ムエタイでもプロとして1勝を挙げ、コンバットサンボの国家選抜戦でも優勝しているチェ・ドンフンは、パワーとスピード溢れるウェルラウンダーだ。

対してベテランの久保は今年の1月以来のグラジ出場となる。下のコメントにあるようにコロナ明けで練習ができない状態で挑んだ宮城友一戦でRNCに敗れた。DEEP名古屋大会での再起戦を飾った久保もまた、グラジのフライ級王座を視野に入れて韓国の新鋭と対戦することとなった。

チェ・ドンフンと同じくK-MMAのフライ級からイ・スンチョルの来日も決まった。キャリア5勝1敗、10月にはBIFCでONEストロー級タイトルコンテンダーのルネ・カタランを僅か71秒でKOで破っているイ・スンチョル。キックベースだが、徴兵期間中にMMAファイターを目指すこと決めたイ・スンチョルの憧れのファイターは、日本の若松佑弥だという。その影響かイ・スンチョルもスタイル的にもアグレッシブなストライカーである一方で、しっかりとテイクダウンもできるタイプだ。

このイ・スンチョルの対戦相手に抜擢されたのが、キャリア2戦目の澤田政輝だ。グラジからステップアップを図る溝口司と同門の澤田は柔道ベースながら、思い切った打撃が武器で──倒して極めるスタイルでデビュー戦を飾っている。

2戦目の国際戦、臆することなく気合満々でオファーを受けた澤田がどのようなファイトをやってのけるか、興味深い。

さらにフェザー級でグラジ元バンタム級王者じゅんの4年8カ月振りの実戦復帰=高橋孝徳戦も決まった。今大会には実弟・田中有と中川皓貴が揃って国際戦に挑むこととなっているが、リライアブル神戸を引っ張るボスとして、じゅんがその背中で何を見せるのか。

対戦相手の高橋は昨年Grachanのフェザー級王座決定Tで惜しくも準優勝に終わり、心機一転グラジを戦場に選んだ。高橋といえばケージに押し込み、じっくり戦うという印象が強く──「魅せてナンボ」のじゅんとは対極にある「勝ってこそ」のMMAを戦う。じゅん✖高橋はある意味、MMAイデオロギー闘争的なマッチアップといえる。

また竹中大地&上久保周哉というJ-MMAのトップファイターが参入してきたグラジのバンタム級戦線で、空手ベースで注目を集める吉田開威と南友之輔の連続出場も決まった。

吉田はグラップラーのフェルナンドと対戦するが、ここでの組み対策と攻撃的な打を披露できれば、トップ戦線が一気に近くなる。

一発の強さが魅力的な南は、健太エスペランサとのマッチアップとなる。既に2月のGrachan大阪大会出場も決まっているという話もある南だが、デビュー前から2024年中にグラジ・バンタム級王座に就くと宣言しており、有言実行への期待感を抱かせるファイトができるのか──要注目だ。

以下、今回のプレスリリースから過去最長と言っても過言でない──じゅん&久保山、そして高橋、澤田、韓国勢の次戦への意気込みを完コピでお届けしたい。

じゅん
「いつも選手の事を1番に考えてくれている凄く良い大会です。Gladiatorがインディ団体と言うてる人がいるなら、アホかと言うてやりたいですね(笑)。弱い外国の選手では無く、強い外国の選手を使っている所にも惹かれます。ここに勝てないと世界で勝負出来ない事を明確にさせているので、世界を目指す選手にはめちゃくちゃいい刺激だと思います。余談ですが、凄い金額がかかっている団体だと思っていますが、一体いくらくらいかかっているんですか?(笑)相手選手のことは組みの展開が得意で、そこから判定で勝ちに行くって感じの印象です。でもキックパンツで試合しているのを見ると打撃を本当は試合でしたいんじゃないんですかね? 僕は約5年ぶりの試合でもともと1階級下でやっていたのでパンチもキックも弱いはずです!

日本でトップの選手でもないので、相手の方からすると打撃の試合をやるのにお手頃の相手なんじゃないですか? 僕は盛り上がる試合しかする気がありません。組みでも寝かされても、盛り上がる事したります!勝ちにこした事はありませんが、お客様や興行主様が喜ぶ試合にしたいです。なんで打ち合ってくれれば嬉しいです。こんな事言うたらダメですが、ここで僕を倒してくれれば、また僕のジム生が相手選手を倒しに行くと言うストーリーが出来るので、面白いんじゃ無いんですかね?

僕は倒れないですけどね。

僕はもう選手活動はする気が無かったんですが、色々と考える事があり、その結果また試合をする事にしました。櫻井代表への恩返しになるか分かりませんが、そうなれればいいです」

高橋孝徳
「関西のみならず、アジアの各国から強豪選手が参戦するGladiatorに初めて出場する機会をいただき光栄に思います。私個人としては、前戦でGRACHANのタイトル獲得に失敗してからの再起戦となります。もう一度頂点を目指す上で、しっかりレベルアップした姿をお見せいたします。これまでよりも攻撃的なファイトにご期待ください」

久保健太
「今大会であるGladiator024大会の出場オファーを頂きありがとうございます。前回出場させて頂きました020大会で宮城友一選手との試合では不甲斐にも敗退してしまいとても悔しい思いをしました。宮城選手との試合は偉大な選手なだけに、それなりに懸けていた思いがありました。しかし試合直前の5日前まで初のコロナにかかり寝込んでしまい一時は試合欠場となる状況まで陥っていたこともあったことから、僕自身にとっては不完全な試合となってしまいました。

それでも試合に出場し戦ったこと、宮城選手と試合をさせて頂いたことに何一つ後悔はしていません。そんな状況な中でも試合をした自分に誇りを持っています。その悔しい思いから、その後のDEEP名古屋大会でタイトルを持つ選手から勝利を納めては、Gladiatorでの挽回を待ち望みながらに日々トレーニングと練習の日々を重ねてきました。そしてようやくそのチャンスを頂き、対戦相手をお聞きしたところ海外の強豪選手、韓国のダブルGFCという団体の現王者であるチェ・ドンフン選手でした。戦歴等を確認したところ、MMA無敗の柔道ベース、コンバットサンボでは韓国国家選抜選手権優勝とかなりの実績がある強豪選手でした。

対戦相手に不足はありません。むしろ他団体の現王者相手に僕を指名して頂けたことに感謝と敬意の気持ちを持って全力で闘い勝利を手に入れます。韓国の選手とはRoad FCやCMAでこれまでに何度か戦ったことがあります。CMAカイザーでは僕もタイトルを獲りました。しかし、ここはGladiatorのリング、今ではGladiatorの顔の一人でもある僕だとそう自負しています。この対戦カード、試合で盛り上げるのも、勝利するのも僕じゃないといけないんです。僕も良い年齢になりました。格闘技人生長くはないと思います。

今大会に勝利し、Gladiatorフライ級トーナメントで選抜して頂きそこに宮城選手がいれば再戦はもちろんのこと、行けるところまで駆け上がり王者君臨を目指します。試合当日、楽しみにしていて下さい。注目していて下さい。宜しくお願い致します」

チェ・ドンフン
「自分はこんなイケメンですが、Gladiatorからチャンスを貰えたことで相手を半殺しにするぐらいの覚悟を持って戦います。応援よろしくお願いします。押忍」

澤田政輝
「オープニングファイトから出て。ここで有名になりたいって思ったのがGladiatorでした。Gladiatorで有名になりRIZINとか世界に行けるように頑張ります。今回強い相手選手を候補に挙げて交渉してくださり、自分にとって大事な試合を組んでくれたと思います。強い相手と戦える事が最高のチャンスだと思うので、一番面白い試合するので 皆様見ていてください」

イ・スンチョル
「日本のファンの皆さんは、自分のことを知らないと思いますが、Gladiatorのタイトルに通じる試合になるかもしれないので一生懸命戦い、自分のデキることをすべて駆使し日本のファンに満足してもらえる試合を見せたいと思います。頑張りますので、応援よろしくお願いします」


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【Pancrase338】西の実力者、韓国の猛者キム・サンウォン戦へ。名田英平「殺しに来てくれると思うので」

【写真】ココを取れば──そんな一戦が巡ってきた(C)MMAPLANET

明日12日(日)に東京都港区のニューピアホールでPancrase338&339が開催される。そしてダブルヘッダー第一部のコメインで、名田英平が韓国MMA界の猛者キム・サンウォンと対戦する。
Text by Manabu Takashima

いわゆる関西の地味強ファイター、取りこぼしがなければベルトを巻く位置にいてもおかしくない実力者は、アンダードッグ的な今回の国際戦を逆に大いになるチャンスと捉えていた。MMAPLANET初登場の名田にMMAを始めたきっかけなどを尋ね、そのコツコツMMAファイター人生のステッピングボードとなるファイトについて話してもらった。


――キム・サンウォン戦を約1カ月後に控えた名田選手です(※取材は10月9日に行われた)。名田選手とのマッチアップは彼をタイトル戦線に送り込むための一拍を置くファイトのような印象があります。

「あぁ、勿論です。そういう試合だと分かっています。それでも海外の選手をバンバン連れてきてくれた方が活気づきますし、日本人同士よりも海外の選手とやる方がファイターとして燃えます。オファーが来た瞬間、初めての国際戦だったのでテンションが上がりました」

──逆にチャンスだと。

「ハイ。Road to UFCで修斗のチャンピオンのSASUKE選手をしっかりと倒していますしね。しかも初回はSASUKE選手がゲームメイクしているなかで、2Rにワンツーで仕留める。凄く能力の高い選手ですね。当て勘も良くて、バックステップとかも見ても凄く良い選手で。きっと殺しに来てくれると思うので、どうなるか分からないですけど、やれる試合にはなるやろなと思います。踏み台にされるかもしれない試合ですけど、前回の試合に負けているのに僕を選んでくれて有難いです」

──フェザー級王座はISAO選手が返上、続いて透暉鷹選手もバンタム級に転向で返上。挑戦者決定トーナメントに関わっていた選手として、新居すぐる選手のフェザー級王座戴冠については、どのような想いでいますか。

「なんかこう面白いですよね。あの人、ずっと負け続けていたのに連勝して、RIZINでも結果を残して。練習環境を変えたのか、打撃も凄く良くなっていて。シンプルに強いです。前は極めの一発はあっても、打撃とかない選手やったのに亀井選手との試合を見て、フェザー級の選手は皆がビックリしたんじゃないですか」

──混沌としているフェザー級戦線で、名田選手ご自身では自分の位置をどのように捉えていますか。

「結果的にRYO選手に負けているし……あと2回ぐらい勝たないと挑戦は難しいと思っています」

──だからこそキム・サンウォン戦は印象として、勝てば大きいですね。

「韓国のトップ選手とやれるのは、僕のキャリアのなかで一番大きい肩書を持っている相手になります」

──では、先ほどから良い選手だと言われていたキム・サンウォンですが、改めて印象を教えてください。

「打たれ強いし、スタミナがあります。やられても圧を掛け続けることができる。粘り強いし、打たれ強い。パウンドも凄い強力で。そこも気を付けたいです」

──そのような相手に対して、どのような戦いを挑みたいでしょうか。

「今やっているレスリングもそうですし、打撃も良くなってきているので、そういうところを見せたいですね」

──今日はパラエストラ東大阪のプロ練習、竹中大地選手と瀧口脩生選手、健斗デリカット選手という実力がありながら、少し停滞気味のファイターたちとの力のこもったスパーリングが見られました。

「基本、このメンバーでやっていて。あとは林RISE選手、それと起一(ストラッサー)さんと月・金でやらせてもらっています」

──他の曜日の練習はどのようになっているのですか。

「火・木がカルペディウム芦屋で岩﨑(正寛)さんのところに行かせてもらって。ほんで水曜日は岸本(泰昭)のSISUでやらせてもらっています。あとは所属するコブラ会の夜のグラップリングクラスで、やってくる選手と練習して」

──つまり軸となるのは昼のプロ練習ということですね。

「そうですね。基本、昼に動かしてもらって。夜はコブラ会もそうだし、ボクシングジムとかで腕を磨くような練習をしています」

──そんな名田選手ですが、なぜMMAを始めコブラ会で練習するようになったのですか。

「MMAを始めたのは16歳ぐらいで、西成にあったチーム・クラッチという地下格、パワーゲートに出ているジムだったんです。友達が中三ぐらいの時からやっていて、僕は柔道をやっていたのですがMMAに凄く興味があったので、通うようになりました。その時からもうコブラ会でも練習していて。でも、じつはどっちのジムにも二カ所で練習していることは言い辛くて黙っていたんです」

──ハイ。

「でも試合に出る時にチーム・クラッチから出ることになって、まだ昔の慣わしがあった頃で二つの所属って無理だったんですよね。その試合で勝って──17歳の時だったんですけど、もっと強くなりたいと思ったのでコブラ会一本で練習するようになりました。もう12年とか前の話です」

──当時と比較すると、パンクラスのMMAもプロ練習もあり、交流もあって凄く変わりましたね。

「ハイ。組み技が凄く強くなりました。打撃は昔から強いジムはあったのですが、特に組み技……レスリングも身近になりました。岩崎さんが来てくれてから、凄く良い環境になっていますね」

──キャリア的にはDEEPからパンクラスで戦ってきましたが、久しく大阪大会が途絶えたパンクラスに拘っているのは?

「単に強いヤツが多いからです。高木凌選手とか、こないだはRIZINで負けてしまったけど、あの選手のストレートとか凄くヤバいです。イケメンやし、そういう選手に勝ちたいんです」

──そういうイケメンの選手を倒して(笑)、ベルトを目指すと。

「ベルトもそうやし、やっぱり今回のように海外の選手とやっていきたいですね。ここに勝っての話ですけど、海外勢にとってパンクラスの門番のようになって──いずれは海外でも試合がしたいです。ONEとか、アジア圏で」

──そこに向けて、絶好のアピールになるのが今回のキム・サンウォン戦かと思います。

「そうですね。しっかりと戦って、倒す──相手よりしんどいことをやって、しっかりと勝ちたいです」

■Pancrase339視聴方法(予定)
2023年11月12日(日)
午後5時~ PANCRASE YouTube チャンネル、U-NEXT、TIGET/PPV(英語のみ)

■Pancrase339対戦カード

<ライト級/5分3R>
松本光史(日本)
西尾真輔(日本)

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
矢澤諒(日本)

<ライト級/5分3R>
平信一(日本)
丸山数馬(日本)

<ミドル級/5分3R>
佐藤龍汰朗(日本)
荒井勇二(日本)

<フェザー級/5分3R>
糸川義人(日本)
岡田拓真(日本)

<フライ級/5分3R>
濱田巧(日本)
大塚智貴(日本)

<バンタム級/5分3R>
平岡将英(日本)
谷内晴柾(日本)

<ストロー級/5分3R>
米山唯人(日本)
織部修也(日本)

■Pancrase338視聴方法(予定)
2023年11月12日(日)
午前11時45分~ PANCRASE YouTube チャンネル、U-NEXT、TIGET/PPV(英語のみ)

■Pancrase338対戦カード

<フェザー級/5分3R>
三宅輝砂(日本)
櫻井裕康(日本)

<フェザー級/5分3R>
名田英平(日本)
キム・サンウォン(韓国)

<女子フライ級/5分3R>
ライカ(日本)
重田ホノカ(日本)

<ストロー級/5分3R>
リトル(日本)
寺岡拓永(日本)

<バンタム級/5分3R>
高城光弘(日本)
平田丈二(日本)

<フライ級/5分3R>
萩原幸太郎(日本)
前田浩平(日本)

<ライト級/5分3R>
鈴木悠斗(日本)
上田智大(日本)

<フライ級/5分3R>
饒平名知靖(日本)
金澤臣人(日本)

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【Gladiator024】竹中大地に続き、上久保周哉がグラジに参戦。韓国のシン・ジェヨンと対戦決定!!

【写真】ボクシング歴5年、柔術は青帯だがエクストリーム・コンバット所属ということを考えると、シン・ジェヨンはしっかりとしたウェルラウンダーであることが考えられる(C) MMAPLANET

10日(土)、GLADIATORより12月19日(土)に豊中市176BOXで開催されるGladiator024に上久保周哉が出場し、韓国のシン・ジェヨンと戦うことが発表された。
Text by Manabu Takashima

同大会ではバンタム級に元修斗環太平洋バンタム級チャンピオンの竹中大地が出場し、前グラジ・バンタム級王者テムーレン・アルギルマーと対戦することが決まっているが、同じく元ONEファイターの上久保も実に6年2カ月ぶりの国内でのMMAを戦う舞台にグラジを選択した。


Road to UFC準決勝で無念の敗北を喫した上久保に対し、他の国内プロモーションも当然のようにアプローチをかけていた事実は存在する。その状況下で「なるべく強い相手と戦いたい」という上久保の要望に対し、グラジ・サイドでは韓国から3選手のリストアップ。結果的にその3者はそれぞれの事情があり対戦は実現しなかったが、下記の上久保のコメントにあるように「(上久保にとって)必要な試合を組む」という姿勢があったことが、今回の初出場に至った模様だ

そんななか第4候補だったシン・ジェヨンは、グラジからのオファーがあった時点では10月27日に行われたBusan International Fighting Championshipに出場が決まっていた。シン・ジェヨンは勝利&ケガがないことが参戦の条件となった試合で、フィリピンのマハー・ジョン・マナハンを112秒TKOで下し、来日及び上久保選手との対戦を実現させる。

9月大会でテムーレンを破った竹本啓哉がベルトを巻くグラジエイターのバンタム級戦線。MMAPLANETが行った竹本インタビューでは伏字としていたが、王者は上久保のグラジ出場の報を聞いており、今後のタフ過ぎるチャンピオン道を前に期待に胸を膨らませていた。

とはいえ竹中はRIZINを目指すことを明言しており、上久保がMMAを続ける理由はUFCで戦うためのみ。アジアのフィーダーショーを目指すと公言したグラジエイターに初出場を果たす日本トップクラスの新勢力は、ここをステップにするために戦う。対して竹元、神田T800周一らの現有勢力、溝口司や南友之輔、吉田開威という新鋭達、さらには韓国、モンゴル勢が如何に彼らと絡み合うのか。2023年最終大会を経て、2024年のグラジエイター・バンタム級戦線が楽しみでならない。

以下、プレスリリースに記載されていた上久保とシン・ジェヨンの今回の対戦に向けてのコメントだ。

上久保周哉
「MMAの試合がなかなか決まらない、試合が無い時期に気にかけてくれていたのがGLADIATORでした。今回も強い相手を候補に挙げて交渉してくださり、自分にとって必要な試合を組んでくれたと思っております。

格闘技が好きですし、楽しいです。文字通り身体が壊れて競技ができなくなるまで続けると思います。まだまだ知らない事や出来ない事もありますし、体験できていない事も数知れません。今回の試合を経て、より格闘技が好きな自分でいられるように、しっかりと自分と向き合っていこうと思います」

シン・ジェヨン
「以前から、心の中で戦いたいと思っていたプロモーションの1つがGLADIATORでした。GLADIATORに参戦することとなり、本当に嬉しく、またワクワクしています。しかも、相手がONEで見ていた日本バンタム級トップの1人である上久保選手ということは、自分にとって最高のチャンスだと思っています。日本のファンは自分が簡単に負けると思うかもですけど、最高のチャンスを頂いている分、一生懸命に準備して粘り強い、面白い試合しますのでご期待ください」


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Gladiator Gladiator023 MMA MMAPLANET o テムーレン・アルギルマー 佐藤将光 太田忍 河名マスト 竹中大地 竹本啓哉

【Gladiator023】竹本啓哉が振り返るテムーレン戦、竹中大地そして――「チャンピオンになって良かった!」

【写真】全てを出し尽くした末の戴冠--戦いは新章へ(C)MMAPLANET

9月30日(日)に大阪府豊中市の176boxで開催されたGLADIATOR023にて、テムーレン・アルギルマーを下し、再び同バンタム級のベルトを巻いた竹本啓哉のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

前編に続き、テムーレン戦の2R中盤から振り返っていくと、そこには竹本のファイターとしての成長が見える。さらにグラジ出場が決定した竹中と、参戦が噂される選手の話まで――チャンピオンとしての今後を語る。

<竹本啓哉インタビューPart.01はコチラから>


――2Rにバックマウントを奪い、テムーレンの右腕を取りに行きました。この展開での判断はポジションキープではなく、極めることだったのですか。

カカト蹴りブームが来るかもしれない(C)MMAPLANET

「残り30秒で極めに行こうと考えていました。バックから削ることができていると思ったし、内モモをカカトで蹴っているのは嫌だったはずです」

――佐藤将光選手も太田忍戦で見せていたカカト蹴りですね。

「そうです、そうです。このカカト蹴りは昔から使われていて、なぜか時々思い出されるんですよね(笑)。バックの話に戻ると、テムーレン選手も僕が極めに行くタイミングを待っていたんだと思います。それは相手の呼吸からも感じて。僕が腕十字に行こうとした時に反転したので、極めることはできませんでした」

――ただ、バックマウントから四の字フックでコントロールしている時間が長かったので、このラウンドは抑えていると見るべきでしょう。

「はい。1Rがテムーレン選手で、2Rは僕――だから3Rは取りに行かないかんと思いました。もうやれることは全てやろう、と。……僕らしくないかもしれませんが(苦笑)」

――自分らしくない、とは何ですか(笑)。

ボトムからのコントロールをどう考えるか(C)MMAPLANET

「アハハハ。ただ、やることは同じです。2Rに自分がやりたいことは通用すると思って、それをやり続けようと思っていました。でも3Rの最初に、下になってしまって。『キムラで抱えているけどボトムになっているのは、どう判断されるのか』とは考えました」

――ではここでボトムからキムラを極めに行くのか。あるいはスイープするのか。

「両方考えていました。スイープか、キムラで抱えながら横三角を狙うか。テムーレン選手も警戒しているのか、左腕で腰を抱えてきているんです。もちろん時間稼ぎにしかならないけど、ちゃんと対策してきていることは分かります」

――竹本選手の仰るとおり、この状態をどう考えるかが判定のポイントになると思います。果たしてテムーレンのトップコントロールなのか、竹本選手がアタックしているのか……。

「微妙ですよね。その両方とも可能性がある。だから僕も試合後は、どちらが勝っているかは分かりませんでした。横三角から立ち上がったあと、ここでセコンドの鈴木社長が『ドローだと思え!』って声をかけてくれたんです。あの一言は、本当にありがたかったです。もうちょっと頑張ろう、もうちょっと頑張らないかんと思うことができて」

――以降はテイクダウンを狙うも倒すことはできず、それでも竹本選手が右フックと左ストレートを当てています。

今回は竹本の左ストレートが目立った。その要因は「距離のつくり方」だという(C)MMAPLANET

「距離のつくり方には自信があるんです。あとは、とにかく自分ができることをやる。その時できる最善を尽くす。ただそれだけを考えていました。たとえば採点上、有利に働くことは何かを考えて――最後はテイクダウンできなくてもコヨーテガードには自信があるので。残り30秒でコヨーテに持ち込めば、自分がKOすることはない」

――そして残り数秒でもコヨーテからバックテイクを狙った。この瞬間に、竹本選手の意志が表れていると思います。ここで自分が勝っていると思ったら、バックテイクには行かずにハーフで耐えるかもしれない。しかし最後まで竹本選手まで攻め切った……。

最後はコヨーテハーフガードからバックテイクへ(C)MMAPLANET

「ありがとうございます。本当に――どちらが勝っているか分からなかったので。そして最後までやり切ることができました。試合終了のゴングが鳴ったあと、たとえどんな判定が出ても誰も恨まない。それだけお互いに出し切った勝負だったと思うんです」

――結果、スプリットで判定勝ちを収めました。

「本当に良かったです。今回は最後の最後まで考え抜いて戦うことができました。……それだけ過去最高の集中力だったと思います」

――竹本選手は一度、グラジのバンタム級王座を獲得しながら計量失敗で手放しました。以前のインタビューでも、計量失敗のことがずっと心のどこかにあったと仰っています。今回テムーレンに勝って再びベルトを巻いたことで、ようやく贖罪が終わったのかと……。

「そうですね……うん、そうですね。ようやく櫻井(雄一郎グラジエイター代表)さんと、ちゃんと話をすることができました」

――それまで櫻井代表と話はできなかったのですか。

「別に櫻井さんから何か言われたわけじゃないです。でもやっぱり計量失敗があり、申し訳なくて……僕のほうからは話しかけづらかったです(苦笑)。今回はベルトを巻いたし、もう良いかなって。アハハハ」

――ひとつ気になったのは試合後の挨拶です。ここで神田T-800周一選手とベルトを賭けた3度目の対戦を掲げるのかと思っていました。

「どうもすいません」ではなく感謝を述べる竹本。実は竹本のカッコ良さが隠れていた(C)MMAPLANET

「あぁ、なるほど。でも、それって嫌じゃないですか? 僕だったら嫌です」

――というと?

「神田君はテムーレンに2連敗していて――『敗者には何もやるな』と言いますよね。もちろん神田君との3度目の対戦はあったほうが嬉しいし、神田君が強い相手を倒して上がってきてほしい。でも自分がベルトを巻いたあとに、わざわざそんなことを言うのも気持ち悪くないですか。ファイターは勝った、負けたが全てですから。そんな情けはいらないですよ」

――カッコ良い! 神田選手も同じことを思っていそうな気がしてきました。では今後については、どのように考えていますか。

竹中大地がグラジ参戦を発表。その後、12月9日にテムーレンと戦うことが決定している(C)MMAPLANET

「これからも強い選手と対戦したいです。竹中大地選手の参戦が決まりましたし(インタビュー後にテムーレン戦が決定)、河名マスト選手もバンタム級転向を口にしていて。あとは●●選手が出ると聞いています。強い選手たちばかりなので、しっかり準備していきたいですね。ベルトは強い人間が巻くものであって、強い人たちが勝ち上がってくれたら良いし、最後のベルトを巻いた人間が強いんです」

――今日は続々と名言が飛び出していますね。

「もうやるしかないですよ。仕事も辞めましたから」

――グラジのベルトを獲得したら格闘技に専念するつもりだったのですか。

「いえ、試合前には何も考えていなかったです。でも大会当日――自分の試合前に、竹中選手が出て来た時に『仕事は辞めよう』と思いました。『いやぁ、とんでもないのが来た』と。別に他の仕事は、格闘技を辞めた後でもできるじゃないですか。でも竹中大地というファイターに対して本気で練習し、試合をするのは今しかできんと思って。さらに●●選手も出るという噂を聞いて、自分も何とかしなきゃいけないと考えました」

――すでに●●選手出場の噂も耳に入っているのですね。

「テムーレン戦後に、●●選手がグラジに出たいと言っているという噂を聞きました。それを聞いた時は自分がチャンピオンであることも忘れて、『すごいことが起きている――これは良いものを見ることができるなぁ』と(笑)」

――MMAファンの意識になりつつありますが、戦うのはチャンピオンである竹本選手です(笑)。どちらと戦いたい、という希望はありますか。

「希望はないですね。次の試合は来年になると思いますが、2024年一発めでどちらかと対戦するつもりでいます。ようやく自分がチャンピオンなんだ、という実感が湧いてきました。チャンピオンだからこそ自分が、この輪に加わることができるわけで。いやぁ、チャンピオンになって良かったです」

――竹中選手と●●選手の名前を聞いて、とても嬉しそうですね。

「それはもう……2試合連続で竹中選手と●●選手に勝てば、自分が日本のバンタム級でトップだと言っても良いと思うんです。ここで勝ったら、さらに上を目指していくこともできるでしょうし、2024年はバンタム級トップを目指して頑張ります!」

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AB Gladiator Gladiator024 MMA MMAPLANET o ONE テムーレン・アルギルマー 修斗 神田T800周一 竹中大地

【Gladiator024】竹中大地のグラジ初戦の相手は、前バンタム級王者テムーレン・アルギルマーに!

【写真】竹中の左ミドル、バックテイク、バックグラブという真正面MMAがモンゴル勢に通じるのか──非常に楽しみな一戦(C) MMAPLANET

1日(水)、GLADIATORより12月19日(土)に豊中市176BOXで開催されるGladiator024に出場が決まっていた竹中大地がモンゴルのテムーレン・アルギルマーと戦うことが発表された。
Text by Manabu Takashima

9月30日大会でケージインし、「次回大会に出場させてもらいますけど、あと2カ月あるのでしっかり仕上げて、過去最高の自分でこのケージに立ちたいと思います」と話していた竹中の対戦相手が前バンタム級王者のテムーレンに決まった。


ONEバンタム級で活躍した元修斗環太平洋バンタム級チャンピオンの竹中は、フリーエージェントとなった最初の試合は7月の古巣修斗公式戦の藤井伸樹戦だった。この試合で判定勝ちを収めた竹中は、国内復帰戦に関してONEで戦う以前に契約を消化せずに送り出してくれた修斗で戦うことを念頭に置いて出場していた。

同時に、国内復帰が明らかなった時点でアプローチのあったグラジが今年に入ってからは韓国、モンゴル、フィリピン勢を招聘していることと、地元・大阪で戦うことに興味を持っていた模様だ。

修斗/サステインもグラジ出場を認め、今後はグラジと修斗で戦っていくことも有り得る竹中だが、狙いは国内最高峰のリングであることは間違いない。そういう意味で、自身のキャリアアップを果たすために必要な実戦&強化と、グラジのアジア路線は合致したといえる。

そして決まったテムーレン戦。テムーレンは竹中がケージの中で挨拶を行った前回大会のメインで竹本啓哉にスプリット判定で敗れ、今年の6月に神田T800周一を下して巻いたバンタム級のベルトを失っている。

とはいえ今年3度のグラジ出場で、粗削りながら打と特に強い組みを見せていたテムーレンとの一戦は、日本人選手を相手に真っ向勝負で勝利を手にしてきたもののONEでの国際戦でポテンシャルを発揮しきれなかった竹中が、自らのスタイルを貫き通し、強化してきた成果が発揮できるのか──という点で、非常に興味深いマッチアップとなる。

以下、今回のリリースに寄せられていた竹中とテムーレンの今回の対戦に向けて抱負となる。

竹中大地
「33歳になりましたが、自分のキャリアに全然満足していないです。体も気持ちもダメージもなくメッチャ元気です。傍から見たら、『そろそろ引退?』とか。知らない人からは『まだ格闘技やっているんですか』なんて言われるようになってきました。『昔、格闘技をやっていたんですか』と、初めて会った人にも言われます。世間から見たら、辞めて行っている人間なんやという歯がゆさ、悔しさがあります。自分の実力を証明する舞台へ進むための足掛かりではないですが、そういうフィーダーショー的な立ち位置にあるGLADIATORでしっかりと勝って、世の中に認められるような試合をどんどんしていきたいと思っています」

テムーレン・アルギルマー
「今年、日本で3度試合をして自分でも凄く成長していると感じているので、竹中選手にはしっかりと練習をしてきて欲しい。自分はもの凄く練習しているので面白い試合になると思うので、互いに頑張ろう。日本のファンに皆は、いつも応援してくれて感謝している。今回も激しい試合をするので試合を見て、ぜひとも自分のことを応援してほしい」

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Eternal MMA78 MMA MMAPLANET o ONE Road to UFC UFC アラン・フィルポット イーサン・トーマス オク・レユン ショーン・エッチェル ジャック・ベッカー スティーブ・アーセグ ダヴィッド・ドヴォルザーク デヴィッド・マルチネス パク・ジェヒョン 原口伸 平井総一朗 竹中大地

【Eternal MMA78】2月に続き、UFCウィークに大会開催。猫の目タイトル戦線、ライト級のベッカーに注目

【写真】豪州トップ・フィーダーショーのタイトルラインにあるファイターたちの実力は? (C)ETERNAL MMA

8日(金・現地時間)、これから30後に豪州はシドニーのリバティ・ホールでEternal MMA78が開催される。
Text by Manabu Takashima

Eternal MMAといえばHex FC、BRACEと並び豪州MMA界の登竜門といえるイベントで、今日のイベントも2月の73回大会に続きUFCファイトウィークの金曜日に行われるわけだ。

2月のパース大会では日本の平井総一朗を破ったスティーブ・アーセグがUFCとサインし、6月のオクタゴン初陣でフライ級10位のダヴィッド・ドヴォルザークを破っているが、今大会でもアーセグと同じ青写真を選手だけでなくプロモーションも描いていた。


それがメインのミドル級選手権試合=マット・マイヤース✖ブローガン・アンダーソンの一戦だ。しかし、王者マイヤースがファイトウィークになって負傷欠場が決まり、ブローガンの対戦相手は見つからずメインは消滅──代替ヘッドライナーはバンタム級のジャック・ベッカー✖デヴィッド・マルチネスが務めることに。

ベッカーはかつてHEATに来日し、2勝1敗。5年前の2018年5月にはオク・レユンの持つライト級王座に挑戦も判定負けを喫した過去がある。

ベッカーにとって、この試合は昨年5月にエイデン・アギレラの持つEternal MMAライト級王座に挑むも開始直後にカーフで足を折り、TKO負けを喫して以来の再起戦となる。

そのアギレラを破って、ライト級に王者になったのが今大会でベッカーと対戦するマルチネスだが、マルチネスも既にブレイク・ドネリーにベルトを譲り渡しており無冠だ。

さらにはドネリーも今年の6月にクイラン・サルキルドに敗れ王座陥落──サルキルドは8月のRoad to UFCワンマッチで、パク・ジェヒョンと対戦予定だったが、トーナメント繰り上がりで原口伸と戦ったために、シンガポールで戦う機会は失してしまったファイターだ。

とにかく王座が猫の目のように変わり、王者はUFCを目指すというEternalのライト級戦線だが、日本を知るベッカーがどのようなファイトを見せるのか。実はベッカーは再起戦を日本で戦いたいという意向を持っていたが、Eternalのオファーを受けて母国でのファイトを選択したという話も伝わってくる。

そして、そのベッカーの相手には平井のように日本人ファイターを招聘するプランをEternalも持っていたものの実現はせず、今回はマルチネスと事実上の次期挑戦者決定戦といえるマッチアップが決まった。

日本繋がりでいえばコメインでショーン・エッチェルと戦うアラン・フィルポットは、7年目にVJT大阪大会に来日し、竹中大地に敗れていたファイターだ。その後はONE Warrior Seriesを経て、Eternalに出場もそのONE WSから4連敗中でキャリアの崖っぷちにあるフィルポットだ。

■視聴方法(予定)
9月8日(金・日本時間)、
午後7時00分~UFC Fight Pass

■ Eternal MMA78対戦カード

<バンタム級/5分3R>
ジャック・ベッカー(豪州)
デヴィッド・マルチネス(豪州)

<バンタム級/5分3R>
アラン・フィルポット(英国)
ショーン・エッチェル(豪州)

<フェザー級/5分3R>
ロッド・コスタ(豪州)
イーサン・トーマス(豪州)

<フェザー級/5分3R>
ジョー・デイヴィス(豪州)
セバスチャン・ショーライ(豪州)

<150ポンド契約/5分3R>
ジョシュ・クーン(豪州)
ジェイムス・マクブライド(英国)

<フライ級/5分3R>
ジョセフ・ラーシニーズ(豪州)
トロイ・フーモ(豪州)

<ウェルター級/5分3R>
キム・ジュンギョ(韓国)
チョウ・ニエンラ(中国)

<バンタム級/5分3R>
クーパー・スミス(豪州)
ダニエル・ミッチェル(豪州)

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MMA MMAPLANET o Shooto Shooto2023#05 ボクシング 竹中大地 藤井伸樹

【Shooto2023#05】1~2Rをバックコントロールで制した竹中、藤井の猛攻を振り切り現環太平洋王者を下す

【写真】やはり--大激闘に(C)MMAPLANET

<バンタム級/5分3R>
竹中大地(日本)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28.
藤井伸樹(日本)

サウスポーの竹中に対し、藤井が左ジャブを繰り出す。竹中は左ミドルを当てる。さらに左ストレートを突き刺し、左ハイへ。藤井は竹中の左ハイをかわす。右フックを振るう竹中は、さらに蹴りを散らした。ここで藤井が組みつくも、竹中が両腕を差し上げて藤井をケージに押し込む。藤井はウィザーで耐える。藤井の右腿に手をかけた竹中が引き回すも、藤井は倒れない。

離れた両者、竹中が左ミドル、左ショートを当てる。藤井も右を返した。竹中の右ジャブが顔面を捉える。藤井の右ストレートも当たっている。距離を詰める藤井にボディロックで組みついた竹中がバックへ。藤井はキムラで竹中の右腕を抑えるも、竹中がそのクラッチを外してバックコントロールからグラウンドに持ち込み、バックマウントの状態で初回を終えた。

2R、藤井がワンツーから距離を詰めていく。竹中が右アッパーを突き上げた。サークリングする竹中に右を浴びせる藤井が、組みついてきた竹中をケージに押し込む。竹中は左腕で藤井の首を取り、ギロチンへ。藤井がサイドに動くと、首を抑えたまま顔面へ右ヒザを突き上げる。嫌がった藤井がヒザを着く。竹中の動きが止まると藤井が立ち上がった。

スタンドでは藤井が打撃で前に出ると、竹中が組みついてバックに回りリフトしてマットに叩きつける。起き上がる藤井のバックに回った竹中は、バックマウントに移行して藤井の体を伸ばしていく。立ち上がる藤井に絡みつく竹中は、藤井のキムラを切ってバックマウントからマウント→バックマウントへ。四の字フックで藤井の動きを止め、RNCを狙うも藤井もクラッチを許さない。凌いだ藤井がスタンドでゾンビ化。右ストレートでグラつかせて竹中をケージに追い込んだ。

最終回、竹中が左ミドルを当てるも、藤井の前進が止まらない。竹中のローを払った藤井が前に出る。パンチを効かせ、ダーティボクシングから右ハイを当てた。明らかに効いている竹中が下がる。藤井も竹中の右ジャブを食らいながら前に出ていく。完全に発動した藤井が、シングルレッグを切られるも右ストレートで竹中の顔面を跳ね上げる。

ケージ際での打ち合いで竹中のパンチを食らった藤井の動きが止まる。すかさず竹中が組んでグラウンドに持ち込む。バックに回る竹中。起き上がる藤井に尻もちを着かせてバックマウントを狙う。ここで藤井がトップを奪った。立ち上がる竹中のバックを奪った。竹中の右目が大きく腫れている。RNCは極められなかったが、立ち上がった竹中を藤井がケージに押し込んでいる。残り30秒で竹中がギロチンで引き込むも、藤井は背中にある竹中の顔面に右ヒジを浴びせ続けた。

裁定はジャッジ3者とも1ポイント差で竹中の勝利を支持。竹中が国内復帰戦を激闘の末に制した。


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ABEMA MMA MMAPLANET o ONE Shooto Shooto2023#05   エンゼル☆志穂 オーディン シンディレ・マネンゲラ スソン チャンネル パンクラス ヤックル真吾 上原平 修斗 内藤頌貴 吉成はるか 安芸柊斗 宝珠山桃花 山内渉 新井丈 浜松ヤマト 田中路教 磯部鉄心 竹中大地 結城大樹 藤井伸樹 藤野恵実 関口祐冬

【Shooto2023#05】計量終了 オーディン水抜き6キロ、山内渉は5.5キロ──修斗計量会場よもやま話

【写真】ストロー級頂上決戦。そしてライト級戦線にも影響をおよぼす一番──待ったなし(C)MMAPLANET

明日23日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2023#05の公式計量が港区のTHE10KOLで行われた。

メインの修斗世界ストロー級選手権試合=チャンピオン新井丈×安芸柊斗から、竹中大地のカムバックと藤井伸樹戦。山内渉、スソンという若い力、藤野恵実の初参戦とクリーンヒットの連打という印象が強い今大会。

新人王Tに出場の安芸のチームメイトのCHAN龍が計量会場に姿を見せず、上原平の不戦勝&3P獲得に。

加えて前回が体重超過し、今回は無断で計量を欠席したCHAN龍はインフィニティリールの出場権を剥奪された。


■EXFIGHTではウェルター級、POUNDSTORMではライト級で戦ってきたオーディンが、プロ修斗初参戦はフェザー級=結城大樹戦。計量は65.7キロでパスした。格闘DREAMERSの頃とは全く輪郭も体格も違っており、周囲のファイターや関係者も一見してオーディンと気付かないほど。通常体重から18キロもの減量で、水抜きは脅威の6キロというオーディンが、明日はどこまでリカバリーでき、ファイトする上でアドバンテージになっているのか、見ものだ。

■そのオーディンとDREAMERSの同僚だった山内渉は、オーディンが6キロ水抜きしたことに対して、「ヤバいですね」と言いつつ、彼自身のドライアウトは5.5キロ。いや、体重比でいえばあなたの方が危ないでしょ──という落ちに。

■SUSTAINの坂本一宏代表に「先日のパンクラスで田中路教選手と戦った南アフリカのシンディレ・マネンゲラっていうファイターが、坂本さんと激似で」と伝えると──「知りませんわ。南アフリカの人が、僕に似るなんてあるんですか?」と。ぜひ、その眼光鋭いのに二重のまなこ、そして〇〇ぎわの激似振りをご自身に確認してほしいところだ。

■オープニングファイトに出場する脅威の高校生=根井博登の計量の様子を携帯で撮影していたのが、第7試合のフライ級戦で関口祐冬と対戦する内藤頌貴。計量前、水のなかも体の中のカラカラの状態ながら、まるで我が子の記念写真を撮るような優し気な表情だった内藤は、自身が計量台に乗ると一転して、厳しい顔つきに。いやぁ、ファイターは凄い。

■同様にOPファイトの新人王Tに出場する木下皓介に付き添っていたのは、所属するグランドコアのOBで一昨年までONE JAPANに勤務していた山本龍之介氏。かつて関西&中部のグラップリングシーンで活躍してきた山本氏は、ONE JAPANを離れた後は貿易商となりインド方面で八面六臂の活躍を続けているという。今もMMAの普及に未練がありそうだが、しっかりと地に足をつけた生活をおススメします。

■視聴方法(予定)
7月23日(日)
午後5時30分~ ABEMA格闘チャンネル


         
■Shooto2023#05計量結果

<修斗世界ストロー級選手権試合/5分5R>
[王者] 新井丈:52.0キロ
[挑戦者] 安芸柊斗:52.0キロ

<バンタム級/5分3R>
藤井伸樹:60.8キロ
竹中大地:61.0キロ

<フライ級/5分3R>
山内渉:56.7キロ
ヤックル真吾:56.5キロ

<フライ級/5分3R>
関口祐冬:56.5キロ
内藤頌貴:56.6キロ

<ライト級/5分3R>
結城大樹:65.6キロ
オーディン:65.7キロ

<インフィニティリーグ2023女子ストロー級/5分2R>
藤野恵実:52.0キロ
エンゼル☆志穂:51.8キロ

<インフィニティリーグ2023女子ストロー級/5分2R>
宝珠山桃花:51.9キロ
吉成はるか:51.9キロ

<インフィニティリーグ2023フェザー級/5分2R>
浜松ヤマト:65.6キロ
磯部鉄心:65.8キロ

<インフィニティリーグ2023フェザー級/5分2R>
上原平:65.6キロ
CHAN-龍:──キロ

<ストロー級/5分2R>
根井博登:52.0キロ
里見拓磨:51.9キロ

<新人王決定T一回戦フライ級/5分2R>
大石航輔:56.6キロ
木下皓介:56.4キロ

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ABEMA MMA MMAPLANET o ONE RIZIN Shooto Shooto2023#05 チャンネル 修斗 石井逸人 竹中大地 藤井伸樹

【Shooto2023#05】1年9カ月振りの実戦=藤井伸樹戦へ、竹中大地─02─「藤井選手の強さを体感したい」

【写真】ONEのバンタム級では自身よりフィジカルで優れた選手ともしのぎを削って戦ってきた。いきなりとタイトルホルダーとの対戦、そしてノンタイトルというのが今の竹中の修斗での立ち位置。MMAファイターとしての完成度は国内バンタム級で間違いなくトップクラスだ (C)MMAPLANET

23日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2023#05で、藤井伸樹と対戦する竹中大地のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

2年近く試合から離れていた竹中にとって、藤井戦について具体的な内容はなかなか答えづらかったような。試合前であることはもちろん、それだけファイターにとって2年近いブランクは大きい。しかし、竹中からは試合ができることの喜びと、今後に関する大きな希望は十分に伝わってくる。新たな第一歩を踏めるかどうか重要となる藤井戦について語ってもらった。

<竹中大地インタビューPart.01はコチラから>


――2年近く試合から離れているなか、今回のオファーを受けた時の気持ちを教えてください。

「嬉しかったです。藤井選手との試合が決まったのは1カ月ぐらい前ですけど、もともと修斗で試合を組んでほしいという話をしていて。対戦相手について聞いた時は『藤井選手か!』と思いました」

――それはどういう印象だったのでしょうか。

「藤井選手は今の環太平洋チャンピオンですし、背中がピリッとしました。やっぱりファイターがぬるいことを考えていちゃアカンよなって(笑)」

――「ぬるいこと」とは、藤井選手ほどの強敵との試合になるとは考えていなかったということですか。

「アハハハ。全てサステインさんにお任せしていたので、そこでは考えていませんでした。自分でも『どういうマッチメイクになるんやろう?』と楽しみにしていて。それがいきなり熱い勝負のカードで――自分もそういう戦いをしていかなアカンなと、気持ちが引き締まりましたね」

――竹中選手からプロモーターサイドに希望を出していたわけではないのですね。

「自分からは『試合がしたい』と伝えていただけで、用意された相手と戦う。あとはプロモーターからの提示に『ハイッ』って答えるだけ、っていう状態でした」

――では、対戦相手の藤井選手について印象を教えてください。

「いつも激闘をしていることは知っていて、対戦が決まって改めて藤井選手の試合映像を視ました。視れば視るほど良い選手やなって思いますし、僕も藤井選手の強さを体感してみたいと思いましたね」

――特に昨年11月の石井逸人戦は、これまで以上の大激闘となりました。

「凄かったですよねぇ。自分がああいう展開になった時、どんな動きができるのか。どんな選択をするのかは自分でも楽しみです」

――竹中選手の対応がとても楽しみですね。あの激闘の展開に持ち込ませないのか。それとも激闘の展開になったうえで、藤井選手の上を行こうとするのか……。

「試合前に細かい作戦は言えませんが、まず勝つためにはスクランブルに持ち込ませないことが重要です。でも、そういう試合が成立するのかどうかといえば――難しいですよね。どうしても藤井選手の展開になってくると思います。そこで自分がどう対応するのか。しっかり対応できるように練習を重ねてきました」

――竹中選手も削り合い、競り合いの中で勝つことができ、そしてフィニッシュする選手という印象が強いです。

「もちろん今回も藤井選手を相手にフィニッシュする自信はあります。藤井選手だけでなく、自分の形に持ち込むことができれば誰が相手でもフィニッシュできる。その自信は常にあって。たとえどれだけ藤井選手がゾンビであろうと、打撃にしても寝技にしても自分の形に持ち込み、フィニッシュできる試合だと思っています」

――竹中選手は13勝中3つのKO勝ちと、5つの一本勝ちがあります。フィニッシュ率は高いですが、それだけ仕留めることへの意識が強いのでしょうか。

「難しいところですね。しっかりと手順を踏むからこそ、フィニッシュできるものだと思います。もちろんフィニッシュすることは重要ですけど、それは最初から仕留めに行っているのではなく、結果的にフィニッシュできていることが多くて」

――藤井選手と対戦する場合は、他の試合よりもフルラウンド常に動き続けることを想定しなければいけないと思います。対して竹中選手は2年近く実戦から遠ざかっている。スタミナや試合勘などに不安はないですか。

「そういう不安をかき消すことができるぐらいのトレーニングをしてきたつもりです」

――なるほど。これは先のお話になりますが、国内復帰にあたり、藤井選手に勝ったあとはどのような展開を考えていますか。

「今のところ細かいことは考えていませんが、とにかく国内でどんどん試合をしていきたいです。ONEで試合をしている間も、ずっと日本のバンタム級の試合も視ていました。僕がONEと契約する前と比べたら、大きく変わってきていますよね。特にバンタム級はRIZINでもトーナメントが開催されたりと、修斗だけでなく国内でも一番盛り上がっている階級の一つやと思います。そのなかで自分の力を証明したいです」

――その国内バンタム級で、現時点で竹中選手はどれぐらいの位置にいると思いますか。

「それを自分でも考えてみるんですよ。でも、最初に言ったとおり僕が試合をしていない期間が長すぎて、本当に自分でも分からないです。それが正直な気持ちで――ただ、自分は勝負できるっていう気持ちは持ち続けています。一つ言えるのは、藤井選手に勝てば一気に勝負をかけていきたいですね。今の自分の力がどんなものなのか。それを確かめることができる相手やと思うので」

――全ては藤井戦の内容と結果次第ということですね。

「もし勝負をかけるまでに至らない……もっと自分の力を証明しなければいけない内容だったら、どんどん試合をしていきたいです。いずれにしても、プロモーターが嫌でもオファーしなきゃいけなくなるような試合を見せたいですね」

――ご自身としては、藤井選手を相手にどのような試合を見せたいですか。

「僕はどんな試合になっても大丈夫なように準備しています。自分がコントロールしてフィニッシュする。あるいは、藤井選手が得意とするドロドロの展開になっても僕が競り勝つ。その両方をイメージしています。あとは当日になってみないと分からないので、ファンの方もどうなるか楽しみにしていてください」

■視聴方法(予定)
3月19日(日)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル

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MMA MMAPLANET o ONE Shooto2023#05 ブログ 竹中大地 藤井伸樹

【Shooto2023#05】7年4カ月振りの修斗公式戦出場、竹中大地─01─「俺はもっとできるのに――と」

【写真】日本での試合は2021年10月のRoad to ONE05以来、実戦もその時の和田竜光戦以来となる(C)SHOJIRO KAMEIKE

23日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2023#05で、竹中大地が藤井伸樹と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

竹中は2016年3月に修斗環太平洋フェザー級(現バンタム級)王座を獲得し、VTJ出場を経て2018年からONEに戦いの場を移していた。その竹中が国内戦線に復帰し、かつて自身が保持していたベルトを現在巻いている藤井と対戦することに。ONEとの契約と試合をしていない期間について訊いていくと、改めて藤井戦への気持ちの高さが見えてきた。


――試合を1週間後に控え(※取材は7月16日に行われた)、すでに追い込みの練習は終えている時期でしょうか。

「そうですね。対人練習は昨日で終えて、あと一週間は調整のみという感じです」

――2021年はONEでバンタム級からフライ級に落としました。ONEフライ級と修斗バンタム級は同じリミットですが、減量は大きく変わってきますか。

「同じリミットでも、今回のほうがメチャクチャ楽ですね。ONEは水抜き禁止なので、どうしても減量というよりダイエットに近くなってしまう部分があります。修斗では水抜きができるので、別モノだと感じています」

――国内復帰にあたって修斗のフライ級に落とそうとは思わなかったのですね(笑)。

「アハハハ、それは難しいです。良いパフォーマンスを出すためには、しっかり食べて、しっかり練習する。バンタム級だと、それができる。もちろんオファーがあれば、フライ級で戦う可能性はゼロじゃないです。それがメリットのある試合というか――やっぱり自分にとって良いパフォーマンスができるバンタム級で、藤井伸樹選手と戦えるのは一番大きいですね」

――直近の試合は2021年10月に行われた、Road to ONEの和田竜光戦です。あれから1年半以上、試合を行っていなかった理由は何だったのでしょうか。

「マッチメイクがうまく嚙み合わなかった――という表現が、一番合っている気がします。僕は試合がしたかったし、ONEからも『試合があるかも』という連絡をもらいながら、結局は実現しなかった。そういう状態が続いてしまっていました」

――コロナ禍の影響もあったかとは思いますが、ONEからオファーがなかったわけではないのですね。

「はい。その間に僕もチョコチョコと怪我をしてしまったりして、うまく噛み合いませんでした。いま考えると、MMAの試合がない時にグラップリングや柔術の試合に出ていても良かったのかな、とは思います。でもそれは結果論であって。

ひとつ言えるのは、よくONEの契約解除期間がどうとか聞きますけど――そういう契約の縛りで試合ができていなかったわけではないです。実際、あと1試合の契約が残っていて、ONEも試合を組んでくれようとしていましたから」

――結果、1試合を残して円満リリースとなったと。ONEではONE Friday Fights(以下、ONE FF)という新ブランド大会が開催されています。試合が組まれるのならば、ルンピニースタジアムのリングでも試合はしたかったですか。

「話を頂ければ、僕はやりたかったです。でもONE FFのオファーはなかったですね。いずれにしても、とにかく僕は2年近く試合をしていないという事実があるだけで」

――その期間は、海外あるいは国内の試合をどのように見ていたのでしょうか。

「俺はもっとできるのに――という気持ちは大きかったです。そもそも2019年11月のユーサップ・サーディラエフ戦(判定負け)から、次のイヴァニウド・デルフィーノ戦(2021年1月、RNCで一本勝ち)まで1年以上空いていて。2020年からここまで2試合しか戦うことができていないんですよね」

――確かにトータルで考えると、3年半で2試合というのは……。

「僕の中でも焦りがありました。選手は試合をしてナンボであって。試合をしないと強くもなれない。試合をしないと、自分の強さや存在を証明できない。そういう焦りはずっと感じています」

――ちょうどその期間に30歳を過ぎました。

「今年で33歳になりましたけど、おかげさまで体は元気です。ダメージが溜まっているわけではないので。めっちゃ心もフレッシュですし、チャンスがもらえるなら――自分より若い選手とも、どんどん戦っていきたいですね」

――試合がなかった期間は、どのように過ごしていたのでしょうか。試合に向けての練習と、普段行う練習は違うものではないかと思います。

「そこが一番難しかったです。どれだけ普段から意識を高く持っていたとしても、普段の練習と、『試合が決まった!』と始める練習は違いますし。今回、藤井選手との試合が決まってから試合に向けた練習を始めると、やっぱり集中力も違いますね。何て言うんやろう……『俺、格闘技やっているな』っていう充実感があります」

――一方、普段の練習で新しく取り組んだことはありますか。

「たくさんあります。この期間に引き出しは増えたと思いますよ。増えた引き出しを、試合で使えるかどうかは、まだ実際にやってみないと分からないです。でも新しいことを試してみるチャンスは多くて。試合前に具体的にどんな技かは言えないですが、それは次の試合を楽しみにしてもらいたいですね」

――繰り返しになってしまうかもしれないですが、それだけ引き出しが増えているからこそ、試合がない期間はモヤモヤしていたのでしょうね。

「モヤモヤしていましたよ。何より現在の自分の実力がどれぐらいなのかが分からなくて。それが今回試合をすることで、今の自分の力がハッキリします。ただ、以前の自分が100やとしたら、今は120や130になっていると思います。2021年の僕と比べても、練習では確実に良くなってきていますから。実戦でどれくらい出せるのか、自分でも楽しみです」

<この項、続く>

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