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【Gladiator027】目標はRIZIN──も、竹中大地「今は竹本選手に勝つことだけに意識を集中させています」

【写真】理路整然としている。そこが竹中のMMAにも通じている (C)SHOJIRO KAMEIKE

7日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGladiator027で、竹中大地が同バンタム級王者の竹本啓哉に挑む。
Text by Shojiro Kameike

ONEとの契約を終え、2023年に国内復帰を果たした竹中。7月に古巣の修斗で藤井伸樹を下すと、続いて12月にはグラジエイターでテムーレン・アギルマーに勝利した。その後RIZIN出場の噂もあった竹中が、ここで再びグラジのケージに足を踏み入れる理由とは?


――昨年12月にテムーレンを下して以来、7カ月振りの試合を迎えます。もともとRIZIN出場を掲げていましたが、この期間はRIZINと交渉していたのでしょうか。

「まず3月のRIZIN神戸大会の出場を目指して、オファーを待っている状態でした。実際、間に人を介して、RIZINに対してアクションを起こしていました。2人ぐらい対戦相手も上がったのですが、結局は決まらなかったです」

――現在、竹中選手が最も希望するのはRIZIN出場なのですね。

「今の自分が一番見ている先はRIZINです。それは決して思いつきではなく――今、国内のバンタム級はRIZINに選手が集まっていますし、自分がパフォーマンスを出せる間にRIZINで勝負させてほしいと思っています」

――そこで今回、どのような経緯でグラジに出場することになったのですか。

「まずRIZINも3月の神戸大会は試合が決まりませんでした。そのあと6月と7月も難しく、もし組まれるとしても秋ごろじゃないか、と……。自分としては、そこまで試合間隔を空けたくないので、7月には試合をしたいと思っていたんです。ちょうどその時にグラジエイターから『7月大会に出てほしい』というオファーがあり、こちらもお願いしました。

正直言って、本当にRIZINで試合が組まれるのであれば、それまで待ってもいいという気持ちでした。でも『秋ごろじゃないか』というのも、確実な話ではなくて。待った結果、もし秋にも試合が組まれなかったら、どんどん試合間隔が空いてしまいますからね。やっぱり僕もファイターなので、とにかく試合をしないと。いろいろ考えた結果、『7月に試合せななぁ』と思ったんです。それでグラジから『出てほしい』と言われたのは嬉しかったですね」

――昨年9月、グラジのケージに入り参戦発表を行いました。あの時点でグラジに継続参戦することは考えていましたか。

「半々、ですね。12月にグラジで戦い、RIZINに出られたら――と。2024年の動きは、12月の試合次第やと思っていました」

――今回対戦する竹本選手は竹中選手の参戦が決まり、続いて上久保周哉選手もグラジに出る話を耳にした時、仕事を辞めたことをご存じですか。

「えっ!? どういうことですか」

――「この2人がグラジに来るなら、もっと格闘技に集中しないといけない」と思ったそうです。

「僕のテムーレン戦を観て、そう思ったということですか?」

――いえ、参戦発表で竹中選手が入場してきた瞬間に、そう思ったとインタビューで話していました。

「すみません、そのインタビューを読んでいなくて……。でもそれは本当に嬉しいです。竹本選手が僕のことを、そんなに評価してくれているなんて」

――「2024年の動きは、12月の試合次第やと思っていた」ということですが、では12月のテムーレン戦の内容については、どう考えていますか。

「結果はフィニッシュでしたけど、テムーレンのポテンシャルをケージの中で感じた試合でした。テムーレンは攻撃の一つひとつに力があると感じましたね。僕としては内容的にもっと圧倒したかったです。見ている人も一瞬『竹中、大丈夫か?』と思ったでしょうし。自分としては、本当はもっと圧倒できたなと思います」

――昨年7月の藤井戦も、予想以上に竹中選手が苦戦しているような場面もありました。藤井戦とテムーレン戦は、何かまだギアが上がっていないような……。

「あぁ、それはあります。特に藤井戦は試合自体が、だいぶ久々で。しかも藤井選手が相手というのも急に決まったので、仕上がりという面では不安定な部分もありました。この2戦を経て、今はだいぶ良い感じになってきていますね。試合感覚はバッチリ取り戻せています」

――藤井戦とテムーレン戦を経て、何か新しく取り組んでいることはありますか。

「新しいことというか、竹本戦が決まってからはチアゴ・ハタダさんとマンツーマンで柔術の練習をさせてもらっています。チアゴさんは堺市でアルティメット柔術というジムを開いている方で、メチャクチャ強いんですよ」

――それはギの練習をしているということですか。

「グラップリングですね。チアゴさんもMMAをやりたいということで、MMAグローブを着けたスパーリングもやっています」

――改めて柔術家とグラップリングの練習をして気づいたことはありますか。

「気づいたこと……、難しいですね。でもMMAでしっかりやってきたおかげで、寝技専門の人と寝技の練習をしていても対応できる部分がある。もちろん自分がやられることもあるけど、自信になることも多くて。

細かいことは言えないけど、練習の中ではできることも増えています。それと精度が高まっていますね。足の位置、クラッチの位置とか自分の中で技術が整理されていて、今が一番良い状態なんですよ。ずっとMMAグラップリングの練習をしてきて、竹本選手との試合が決まってから寝技の部分を改めて確認しているような感じです」

――それだけ竹本選手の印象=グラップリングということになりますか。

「グラップリングも強いけど、打撃の距離のコントロールも巧いですよね。それとテムーレン戦を見ると、ガッツある試合ができる選手で。あの試合は僕も会場で観ていて『あの展開で最後まで諦めず、攻め切った!』と思いました」

――竹本選手はテムーレンとギリギリの勝負を展開して判定勝ち。対して竹中選手はテムーレンをフィニッシュしているという点は、次の試合に向けて自信になりますか。

「どうですかね? 僕と竹本選手ではタイプも違うので――MMAを長くやっていたら、そこは関係ないって分かると思いますよ」

――やはりそうなのですね。竹本選手も今回の試合に向けたインタビューで、「格闘技で三段論法は通用しない」と言っていました。

「まさに、僕もそう思います」

――今回は竹本選手が持つベルトに竹中選手が挑む形となります。グラジのベルトを巻くことに対する意識はいかがですか。

「グラジに限らず、今は特にベルトは意識していないです。最初に今回のオファーを頂いた時も、ベルトが賭かっているかどうかも気にしていなくて。タイトルマッチであろうと、そうでなかろうと、竹本選手とは戦う。強い選手に勝てば、ベルトは後から付いてくるものだと考えています。

今は自分の中に『ベルトのために試合をする』という気持ちはないです。やっぱりファイターであるかぎり、強い相手や条件のほうが重要で。RIZINを目指す中で、グラジを軸に戦いたいと思っています。テムーレン戦も良い条件のオファーを貰いましたし、これからはRIZINとグラジで良いキャリアを積んでいけるんちゃうかな、と思っています」

――竹中選手としてはここで竹本選手に勝ち、年内にはRIZINに出場するのがベストなスケジュールでしょうか。

「いえ、竹本選手との試合が決まってからは、今後のことは考えていないようにしています。自分の中で『今後のことは喋りたくない』と言い聞かせているんですよ。今はただ7月7日、竹本選手に勝つことだけに意識を集中させています」

■視聴方法(予定)
7月7日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■GLADIATOR027対戦カード

<Gladiatorバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] 竹本啓哉(日本)
[挑戦者] 竹中大地(日本)

<Gladiatorフェザー級挑戦者決定T準々決勝/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
中川晧貴(日本)

<Gladiatorフェザー級王座決定T準々決勝/5分3R>
ダギースレン・チャグナードルジ(モンゴル)
アドニス・セビジェーノ(フィリピン)

<Gladiatorフェザー級挑戦者決定Tリザーブ戦/5分3R>
ハンセン玲雄(日本)
パク・サンヒョン(韓国)

<Gladiatorフェザー級挑戦者決定Tリザーブ戦/5分3R>
水野翔(日本)
田口翔太(日本)

<フライ級/5分3R>
オトゴンバートル・ボルドバートル(モンゴル)
和田教良(日本)

<バンタム級/5分2R>
藤原克也(日本)
土本暉弘(日本)

<81キロ契約/5分2R>
森井翼(日本)
織田ジュラシック(日本)

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠(日本)
澤田政輝(日本)

<バンタム級/5分2R>
上田祐起(日本)
福井竜郎(日本)

<フライ級/5分2R>
しゅんすけ(日本)
カーヴィ(日本)

<フェザー級/5分2R>
野口蒼太(日本)
鶴屋健人(日本)

<バンタム級/5分2R>
ルキヤ(日本)
上野滉太(日本)

<ライト級/5分2R>
磯嶋祥蔵(日本)
友實竜也(日本)

<フライ級/5分1R>
藤原浩太(日本)
小早川大地(日本)

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【Shooto2024#05】後楽園でW王座決定戦、世界バンタム級=藤井×齋藤、環太平洋フェザー級=竹原×上原

【写真】1月に環太平洋王座を防衛した藤井と約1年2カ月ぶりの復帰戦・齋藤が世界王座を争う(C)MMAPLANET

7月21日(日)東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2024#05では世界バンタム級王座決定戦=藤井伸樹×齋藤奨司、環太平洋フェザー級王座決定戦=竹原魁晟×上原平を含む全11試合が決定している。
Text by Takumi Nakamura

7.21後楽園、7.28阿部野、8.3新宿=COLORSと2週間で3大会が続く“サステイン真夏の3連戦”。3連戦の口火を切る後楽園大会ではダブルタイトルマッチが組まれた。安藤達也の王座返上により、空位になった世界バンタム級王座を争うのは同級1位・環太平洋同級王者の藤井と同級3位の齋藤だ。


ランキング的に受けて立つ側の藤井は、2022年11月に石井逸人を下して環太平洋王座を獲得すると、2023年7月に竹中大地とノンタイトル戦で対戦。3Rに猛反撃を見せるも、1・2Rで失ったポイントを挽回できずに判定負けを喫した。2024年は1月に須藤拓真の挑戦を退け、今回の世界戦に駒を進めた。

一方の齋藤はRISEで立ち技の試合も経験しているストライカーで、2021年6月から修斗に参戦。初戦こそ落としたものの、その後はPound Stormでの試合を含め7戦6勝1分と無敗の快進撃を続け、昨年は野尻定由と須藤からも勝利を収めた。怪我の影響で長期欠場を余儀なくされ、約1年2カ月ぶりの復帰戦が世界戦という形になった。

王座戴冠後もコンスタントに試合を続けてきた藤井に対し、コンディションを上げるために試合間隔を空けた齋藤。この試合に臨む状況が対照的な両者だが、ファイトスタイルとしてもスクランブル主体のスタミナ勝負で最終的に競り勝つ藤井×スタンドの時間を長くして打撃で倒す齋藤と対照的だ。藤井がスクランブルの強さを発揮する前に斎藤が打撃を効かせてペースを掴むか。組みの攻防ではなく、どう組みの攻防がスタートするかに注目したい世界戦だ。

そして空位の環太平洋フェザー級王座は竹原と上原によって争われる。この試合は昨年のインフィニティリーグの1位(竹原)×2位(上原)として3月の後楽園大会で行われる予定だったが、竹原の負傷欠場により中止。今大会にスライドしての実施となる。

両者のリーグ戦での対戦結果は5分2Rフル戦ってのドロー。1Rに上原がサウスポーの竹原に対して右ミドルからの右ストレートでフラッシュダウンを奪うも、2Rは竹原がテイクダウンのアプローチからバックコントロールの時間を長くし、各ラウンドを取り合う形で勝ち点を分け合った。

遠い距離にいてスタンドの打撃で戦い上原と近距離でのパンチ&テイクダウンで攻めたい竹原。上原が3R通じて明確に打撃でダメージを与えるか、竹原がコントロールで終わらずにクリーンテイクダウンとトップキープまでつなげられるか。前回と近い試合展開が予想される中、両者ともにどこで試合の山場を作るかが求められる一戦だ。

そのほか3回戦では世界フェザー級王者SASUKEのベルトを狙う椿飛鳥と飯田健夫改めたておによる一戦が決定。2回戦では5月の日中対抗戦で勝利した中池武寛が新人王決定トーナメント2回戦で蓮池勇太と対戦する。

<修斗世界バンタム級王座決定戦/5分5R>
藤井伸樹(日本)
齋藤奨司(日本)

<修斗環太平洋フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹原魁晟(日本)
上原平(日本)

<フェザー級/5分3R>
椿飛鳥(日本)
たてお(日本)

<インフィニティリーグ2024 フライ級/5分2R>
大竹陽(日本/勝ち点3)
須藤晃大(日本/勝ち点7)

<バンタム級/5分2R>
加藤ケンジ(日本)
人見礼王(日本)

<フェザー級/5分2R>
児山佳宏(日本)
島村 裕(日本)

<フライ級/5分2R>
シモン・スズキ(日本)
岡田嵐士(日本)

<バンタム級/5分2R>
中野剛貴(日本)
瀬戸口怜久(日本)

<ストロー級/5分2R>
牧ヶ谷 篤(日本)
友利琉偉(日本)

<2024年度新人王決定トーナメント2回戦 フライ級/5分2R>
中池武寛(日本)
蓮池勇太(日本)

<2024年度新人王決定トーナメント2回戦 フェザー級/5分2R>
松岡 拓(日本)
井上翔太(日本)

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45 Gladiator Gladiator027 MMA MMAPLANET ブログ 竹中大地 竹本啓哉

【Gladiator027】「何ともならんことはない。やりようはある」。竹中大地の挑戦を受ける竹本啓哉

【写真】飄飄と、MMAのことは考え尽くすチャンピオン (C)SHOJIRO KAMEIKE

7月7日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGladiator027で、同バンタム級王者の竹本啓哉が竹中大地を相手にベルトの初防衛戦を行う。
Text by Shojiro Kameike

昨年9月にGladiatorバンタム級王座を奪回した竹本は、今年に入り竹内稔とのPROGRESS戦、デッチプールとのノンタイトル戦を経て、今回の初防衛戦に臨む。竹中は昨年12月、グラジ初戦で竹本にベルトを奪われたテムーレン・アルギマーをRNCで仕留めている。竹中がグラジ出場を発表した時、「このままではいけない」と感じ、仕事も辞め格闘技に集中するようになったという竹本。今回のインタビューでは、いつものように回答をはぐらかしながらも、遂に迎える竹中戦への気概が感じられた。


幻想は相当大きかった

――遂に竹中大地選手との試合が決定しました。オファーがあったのはいつ頃ですか。

「デッチプール戦が終わってすぐですね。竹中選手がグラジ参戦を発表してから、いつか試合をするだろうとは思っていました。でも竹中選手が一度『RIZINに出たい』という発言をしてからは『対戦することはないのかな……』って。それがグラジでベルトに挑んでくるということで、嬉しいです。観ている人にとっても面白い試合になると思います」

――昨年12月、竹中選手はテムーレンに勝利しています。あの試合について、どのような印象を持っていますか。

「もともと竹中選手が勝つとは思っていました。でも想像していたよりワンサイドにならなかったというか、テムーレン選手が頑張っていたという印象ですね」

――というと?

「もっとテムーレン選手がボコボコにされると想像していたんですよ。だけどテムーレン選手って、竹中選手とそれほどフィジカル差はなかったですね。竹中選手が左ミドルを効かせたのは流石だなって思います。ただ、思ったより差は離れていなくて」

――竹中選手がフィニッシュした印象が強いものの、序盤はテムーレンが攻め込む場面もありました。「思ったより差が離れていない」というのは、言い換えれば「もっと竹中選手が強いと思っていた」ということですか。

「はい、幻想は相当大きかったです」

――言い切りますね。

「まぁ……、何ともならんことはない。やりようはあるなと思いました」

――それまでは「どうすれば竹中選手に勝てるんだろう?」と考えることのほうが大きかったのでしょうか。

「そうですね。とにかく自分の得意な部分をぶつけていくしかないと思っていました。それは今も変わらないけど、やっぱりテムーレン選手との試合を見ることができたのは大きいですよね。自分もテムーレン選手と対戦していたので」

――おかげで竹中選手の力量も測りやすかったと。

「どんなもんなのかな、ということぐらいは分かりますよね。自分が対戦したことのある選手と試合してくれたので、そこは分かりやすかったです。

たとえば試合結果だけでいうと、同じテムーレン戦でも僕は判定勝ちで、竹中選手は一本勝ちじゃないですか。

しかも僕のほうは結構ギリギリで。対して竹中選手が左ミドルを効かせてからRNCを極めている。そのことだけを考えると『竹本と竹中では差が歴然としているんじゃないか』と思われる人もいますよね。でも、必ずしもそうじゃない」

――はい。

「三段論法でいえば、『竹中が相手で竹本は無理っしょ』となるかもしれない。でも、格闘技で三段論法は通用しないので」

――一方、竹本選手はデッチプール戦の出来はいかがでしたか。

「どうなんでしょうね? 自分はやりたいことをやって、相手が強いかどうか分からないまま勝ちました(苦笑)。たまたま良い形にハメることができたんじゃないですか」

――デッチブール戦では、竹本選手が相手の蹴り足をキャッチして、グラウンドに持ち込みました。今まで竹本選手の蹴り足キャッチを見たことがなく、テムーレン戦を経てよりアグレッシブになったのかと。

「あぁ、なるほど。これは今、言おうかどうか迷いましたけど――蹴り足をキャッチしてテイクダウンする練習は、メチャクチャやっているんですよ。試合でもまだグラジに出る前は取りに行っていて。だから竹中戦が終わるまでは、全く蹴り足をキャッチできないことにしておこうかと思っていました(笑)」

――ここで言えるということは、竹中選手の蹴りもキャッチする自信があるということでしょう。

「いや、全然取れないです! デッチプール戦は、たまたま取れただけで。試合でも蹴り足は取りに行きません」

――アハハハ、もう遅いです。

「まぁ、いろんなテイクダウンの形がありますからね。蹴り足を取れるというのは、相手に対して強いプレッシャーにもなると思うので。もしかしたら本当に、全く取りに行かない可能性もありますし」

次の試合は、そんな自分のキャリアの集大成になる

――対して、竹中選手の一番怖いところを教えてください。

「細かく言うと試合の作戦に関わっちゃうので……一番はフィジカルが強いと思います。だから、あれだけ打撃にもブレがないんだろうなと」

――竹中選手はサウスポーです。竹本選手は、サウスポーは得意ですか。

「苦手ですね。でもサウスポーは全員、サウスポーが苦手だと思いますよ。練習でもオーソドックスの選手が多くて、自分は練習仲間のサウスポー対策の相手になれるけど、自分のサウスポー対策は誰がやるんだと(笑)。まぁ、普段からサウスポー対策をやるわけではないので、試合が決まったらサウスポーの練習相手を探すぐらいですけど」

――では普段は何をやっているのですか。

「普段は自分がやらなそうなことを練習しています」

――……自分がやらなそうなこと、とは?

「二段蹴りやスピニングバックフィストとか。僕、そういうのを試合で出しているイメージはないですよね?」

――スピニングバックフィストは見た記憶があるかどうか、という程度ですね。ただ、多用しているイメージはありません。

「自分のスタイルを固めたくはないんですよ。だから自分に向いている何か新しいものはないかな、って探していますね。練習で試して、ハマッたら試合でも使ってみます」

――最近の試合で、そういった経緯で使った技はありますか。

「それは内緒です(笑)」

――ということは、あるのですね。

「あります、あります。逆に練習ではハマッたのに試合ではミスることも多いですけど。うまくいったら自分の名前をつけたい技とかも、たくさんありますよ。だから僕の試合を見続けてくれるなかで、新しい技を出していたら『最近これを練習し始めたたんだな』と思ってください。そういう楽しみ方もあります」

――それは楽しみです。ただ、自分の武器の精度を上げていく一方で、新しいことを取り入れすぎると量は増えても質が落ちるかもしれません。いかにして質と量を両立させていくかが重要になります。

「それは時期にもよりますね。僕の場合、試合が決まったら前者です。というよりキャリアの序盤は、前者のほうが良いと思うんですよ。『これをやったら絶対に勝てる』という武器をひとつ磨いておくこと。それが今ぐらいのキャリアになると、試合前はその武器を確認する。試合がない時期は新しく使えそうな武器を探しておく、という感じです」

――今回の試合に向けて、すでに新しいものを見つけているのですか。

「ありますけど、まだ採用するかどうかは分からない状態ですね。ただ、竹中選手が相手なので、新しいことをメチャクチャ増やしているところです。今はまだボンヤリとしていますけど、新しいものを見つけて練習の中で試して……。『これはうまく行かないな』と思うものもあります。それは切り捨てて、使えるものだけを厳選していきます」

――以前にも「考えるのは楽しい」と仰っていましたが、試合前にそういった新しいことを考えるのも楽しいですか。

「メッチャ楽しいです。考えたものが全て失敗したら悲しいですけど(笑)。だから自分の試合はいつも、少しずつ変わってきています。基本は組んで勝ちたい。組む方法が毎試合、少しずつ変わっているようなイメージで。次の試合は、そんな自分のキャリアの集大成になると思います」

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午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

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【Gladiator027】竹竹決戦of MMA。竹本啓哉に竹中大地が挑戦。漢気=和田教良は、オトゴンバートルと

【写真】これは──燃えているのは、竹本だろう(C)MMAPLANET

11日(火)、GLADIATORより7月7日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGladiator027で、竹中大地が竹本啓哉の持つGladiatorバンタム級王座に挑戦する選手権試合とオトゴンバートル・ボルドバートル×和田教良のフライ級戦が組まれることを発表した。

竹中大地は2018年に修斗からONEに戦いの舞台を移し、アジアを舞台に戦ってきたが、昨年よりRIZINを目指し日本で戦うようになっていた。7月に修斗で藤井伸樹に勝利し、12月にグラジに初参戦し前バンタム級王者テムーレン・アルギルマーと対戦すると、左ミドルを効かせてから組みついて──1R4分27秒にRNCで一本勝ちしている。


試合後にケージのなかで宣言していたようにRIZINとの交渉を続けていたが、3月のLandmark=神戸大会で正式発表こそなかったが、ジャパン・メジャーでの試合が決まっていたものの対戦相手の負傷で幻のRIZIN参戦となっていた。その後、RIZINが東京でビッグショーが続き、試合機会は巡ってこないという判断をした竹中陣営はグラジ再出場を決め、バンタム級王座に挑むこととなった。

チャンピオン竹本は昨年9月にテムーレンとの接戦を制し、自らの減量失敗で手放したベルトを2年振りに奪回。今年の2月にはGladiator Challenger Series01で竹内稔との竹竹対決でProgressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦を戦うもアナコンダチョークで一本負けを喫していた。

前回の5月大会でタイのデッチプールを横三角絞めで仕留めた竹本は、「RIZINや海外大会へのステップアップ」を宣言していた。この言葉こそ、竹本が強い選手との対戦を求めている表れとリリースに記されていたが、関係者に確認を取るとまさに二つ返事で、MMAのベルトを賭けた竹竹決戦を了承したという。

10年以上前のデビューから間もないころにパンクラス出場があったが、その後はGrandslam~HEAT~TTF Challenge~GLADIATOR~NEXUS~GRACHANで戦ってきた竹本にとって、修斗・パンクラス・DEEPでベルトを巻いた選手との対戦こそ、自らの存在を証明するために求めてきた一戦に違いない。また竹中としても、ポスト超RIZINというべき秋からのRIZIN参戦に向け、ベルトを巻く以上に勝ち方でインパクトを残す必要性がある──勝負論と強者論が掛ったタイトル戦となる。

また5月大会から今大会に延期されていたGLADIATORフライ級王座決定トーナメント決勝=フライ級王座決定戦はNavEのヒザの負傷の経過が予定通りでなく、さらに延期されることが決まった。

グラジではオトコンバートルが2大会連続で試合機会を失うことを阻止すべき、ノンタイル戦での対戦相手を探し各方面に打診をしていたところ、和田が参戦を決めたという。和田はオトコンバートルやNavEと共に同トーナメントにエントリーしていたが、2月にチェ・ドンフンに三日月蹴りからパウンドアウトされ初戦敗退していた。その後チェ・ドンフンはRoad to UFCと契約し、1回戦で前回大会の準優勝であるチーニョーシーユエに勝利。オトゴンバートルは3月の準々決勝で久保健太を破った一戦で、そのチェ・ドンフンと共に同トーナメントで本命視されるようになっていた。

和田はチェ・ドンフンに続き、アジアを代表する若き実力者との対戦に向け、一度は「気持ちを創れない」と対戦を断ったという話も実は伝わっている。しかし、翌日には「断ったことを後悔しています。オトコンバートル選手の相手が確定していないようでしたら、対戦させて頂きたいです」と申し入れしたという。

和田の気持ちが揺らぐのは十分に理解できる。そんな自分を恥じるかのような決意こそ、下馬評を覆す要因になるだけでなく、その結果に如何なく彼の人生を構築していく決断となるだろう。そんな「負ける覚悟を持って勝ちに行く」和田の覚悟の言葉を含め、上記2試合に出場する選手がプレスリリースの寄せた言葉は、以下の通りだ。

竹本啓哉
「いつも応援・協力してくださる皆様、試合を組んでくださるGLADIATOR関係者の皆様、そして、竹中選手ありがとうございます。誇張抜きで今までで最高の対戦相手です。自分史上最高の状態で臨めるよう備えていきます」

竹中大地
「今凄く格闘技が楽しくてしょうがないです。心も体も調子が良いので、試合当日は最高のパフォーマンスができると思います。7月7日楽しみにしていてください」

オトゴンバートル・ボルドバートル
「3月大会が終わった直後から次の試合に向けて練習を重ねてきていますが、決勝戦が10月大会まで延期されたことは残念に思っています。しかし、GLADIATORが7月大会でワンマッチを組んでくれたのでとても感謝しています。また和田選手も試合を受けてくれてありがとうございます。7月7日は良い試合になるよう頑張ります」

和田教良
「かなり強い相手。下馬評を覆せるよう負ける覚悟を持って勝ちに行きます!! 応援よろしくお願いします!」

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【DEEP Osaka Impact2024#02】レスリングの先輩後輩、前薗渓&濱口奏流「泉州の格闘技を盛り上げたい」

2日(日)、大阪市住吉区の錦秀会 住吉区民センター大ホールで開催されるDEEP Osaka Impact2024#02で、濱口奏流が安谷屋智弘と、前薗渓がペレイラ・ユウジ・ラファエルと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

前薗と濱口は大阪体育大学レスリング部の先輩・後輩という関係だ。現在、所属ジムは違うものの、同じ泉州地域(大阪府西南部)に住む2人は対策練習などを一緒に行うことがあるという。今大会では濱口がメインに、前薗がコメインに出場することとなった。そこで2人の対策練習と、部活の先輩・後輩を超えた両者の関係について訊いた。


柔道の先生から「MMAのためにはレスリング」と(濱口)

――今日は濱口選手が指導員を務める極真会館中村道場泉大津道場で、前薗選手と2人で行っている練習を拝見しました。2人だけの対策練習はいつ頃から、どれくらいのペースで行っているのでしょうか。

練習はシャドーのあとにスパーリングへ。ラウンドごとに強度を高めていった(C)SHOJIRO KAMEIKE

濱口 去年、同じ大会(昨年7月のDEEP大阪大会)に出ることになってからですかね。

前薗 同じ大会で試合をすることになったので、2人で対策練習や打ち込みをしようと、1週間に一度のペースで集まるようになりました。

濱口 自分が怪我をしていたので間が空いていましたけど、最近復活したんですよ。

――濱口選手は昨年11月に決まっていた試合を負傷により欠場しています。公式リリースには「負傷」と書かれていたのですが、具体的にはどのような状態だったのですか。

濱口 最初はレスリングの練習で投げられた時、マットに手を着いて脱臼してしまったんです。それで11月の試合は流れて。そのあと3月は大阪大会に出る予定やったんですけど、練習中にアゴが折れてしまい……。でも早く復帰したかったし、幸い回復も早かったので、今回の大阪大会で復帰することを決めました。

――なるほど。前薗選手と濱口選手はレスリング時代の先輩、後輩ということですが、お互いにレスリングの前に別競技を経験しているのですね。

濱口 僕は4歳から空手をやっています。MMAをやりたかったので高校から空手と並行してレスリングを始め、大学のレスリング部で渓さんと一緒だったんです。

前薗 僕が大学4回生(※関東の大学は「×年生」、関西では「×回生」と呼ぶことが多い)の時に奏琉が1回生で入ってきて。当時から奏琉がMMAをやりたいというのは、うっすらと聞いていました。もともと奏琉が中学時代に柔道をやっていた時から知っていたんですよ。高校でレスリングを始めてからも、大学に出稽古で来ていましたし。

濱口 空手をやっていくうちにK-1を見て、キックボクシングをやりたいという時期もありました。でも高校の進学先を選ぶ時に、コナー・マクレガーがUFCで凄い試合をしていて。マクレガーを見てMMAをやりたくなったので、柔道の先生に相談したんです。すると先生から「MMAのためにはレスリングをやっておいたほうが良いよ」と教わって、高校からレスリングを始めることにしました。

――柔道の先生がMMAのためにレスリングを薦めるとは、なかなか自由な環境だったのですね。

前薗 自由かもしれないですね(笑)。もし僕たちが柔道の強豪校に入っていたら、ずっと柔道をやるように教わっていたかもしれないですけど。

濱口 MMAを始めるのは僕のほうが少しだけ先だったかもしれないですけど、プロデビューは同じ時期でした(※濱口は2022年7月、前薗は同年8月にデビューしている)。渓さんがMMAでプロデビューした時は驚きましたよ。

前薗 大学時代は「MMAをやる」とか、そういう話はしたことなかったもんな。

濱口 最初はボンヤリとMMAやると聞いていたぐらいで。お互いにプロデビューしたあと、2人でMMAの話をするようになって一緒に練習し始めましたよね。

前薗 これも部活の延長線上みたいなもんやったな(笑)。

スパーに続きミット打ち~サーキット~パウンド打ちの連続でお互いに追い込んでいく(C)SHOJIRO KAMEIKE

濱口 もともと僕が高校1年の時に渓さんが大学の1回生、その頃から一緒にレスリングの練習をしていました。高校当時の自分からすれば、大学生のお兄ちゃんみたいな感じで。

――濱口選手にとって、前薗選手は面倒見の良い先輩だったのですか。

濱口 はい。

前薗 嘘つけ(笑)。

濱口 アハハハ。

前薗 高校生には高校生の空気ってあるじゃないですか。大学生の僕が、奏琉たち高校生の空気を壊さないようにとは考えていました。だから当時は僕たちも、今のような距離感ではなかったです。でも奏琉もグレコで強かったので、よく一緒に練習していましたね。

――濱口選手高校時代、レスリングと並行して空手の試合にも出ていたそうですね。

濱口 高校の時は空手の大会に出ながらレスリングもやっていて、今はMMAをやりながらレスリングの試合にも出ています。

――えっ!? 今もレスリングの試合に出ているのですか。

濱口 はい。僕は大学の4回生で、レスリング部にも所属しています。ホンマは関東に行って、しっかりとレスリングをやってMMAデビューするつもりやったんですよ。でも大阪体育大学やと地元に残って、レスリングもやりながらMMAもできるということで。今は並行してやっていますね。

前薗 奏琉がこんなに早くMMAでプロになるとは、誰も考えていなかったんですよ。

濱口 僕も驚いています(笑)。MMAを始めて、DEEPのフューチャーキングトーナメントにエントリーしてみたものの、まさか自分でも優勝できるとは思っていなくて。

前薗 自分が4回生でレスリングを引退したあと、奏琉がレスリング部にいながらMMAでプロデビューしていたので、ビックリしましたよ(笑)。

グラップラーを相手に自分の打撃を試す(前薗)

――空手道場とレスリングの大会で、濱口選手のドレッドヘアが許されているのも驚きです。その前はアフロヘアでしたし。

濱口 地方やからこそ、いろいろ自由にやらせてもらっている面もあるとは思うんですよ。

前薗 そんなことないって(苦笑)。自分が3回生の冬休みに金髪にしたら、「すぐに戻せ」って怒られたから。

――アハハハ。レスリングからMMAに至る前で、お互いの良いところなど印象を教えてください。

濱口 僕にとって渓さんは、常に自分より上を行っている存在です。レスリングでも勝たれへんし、MMAをやっても勝たれへん。戦績も渓さんのほうが上で、そこは先輩やなって感じですね。

――その前薗選手は前回のインタビューで、濱口選手のほうがメイン扱いされることに文句を言っていましたよ。

前薗 そんな言い方はしていないじゃないですか(笑)。試合順は別に……ポスターの写真はもっと大きくしてほしいとは思いますけど。

濱口 アハハハ!

前薗のパウンド連打で濱口は腰の位置を修正しながら追い込んでいく。先輩・後輩という以上にお互いを補い合うことができる関係だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

前薗 レスリングの時は勝つことができていたけど、MMAでは自分のほうが劣っている部分が見えてきました。僕は柔道からレスリングを始めた時も、別に年齢は関係なく誰彼構わず聞けることは聞くようにしていて。奏琉に対しても、レスリングの時は自分のほうが上やったけど、MMAをやっていると自分のほうが劣っている部分も見えてきました。今ではMMAについて気軽に、いろんなことを聞ける存在になっていますね。試合の

――反対に、「これはやめてほしい」と思うことはありますか。

濱口 え、何やろう……。

前薗 すぐ怪我をしてしまうところと、酔ったら調子に乗るところですかね。酔うとテキーラを何杯も飲むんです。

濱口 試合が終わると二人で祝勝会をやったりするんですよ。どちらかが試合終わりで、片方がまだ減量時期からだいぶ前やったりすると、もう……。次の試合の話をしながら、次の日に何も覚えていないぐらい飲んでいますね(苦笑)。

前薗 格闘技の話をしながら熱くなってしまい……「泉州を盛り上げるぞ! マスター、テキーラ!!」って。

濱口 それで次の日は何も覚えていないんです(笑)。飲みに行くお店のマスターも、泉州色が強い人だから、頼んだら「ヨシッ!」って。

――泉州色、というのは?

濱口 だんじり祭りは有名ですよね。

前薗 今ならレゲエとか。

濱口 そんな地元が好きやから、僕たち2人とも「泉州を格闘技界で盛り上げたい」という気持ちが強いです。今回の試合も2人でバチッと勝ちたい。大阪でも北のほうは有名な選手も多いと思うんですよ。泉州ではパラエストライズムの先輩の竹中大地さんがONEに出場されていたけど、僕たちのような若手が全然なんで。もっと頑張っていきたい、という話をしながら飲んでいて――記憶がなくなるという(苦笑)。

――試合のない時期でも、お酒はほどほどに……。では次の試合について、対戦相手の印象を教えてください。

前薗 ペレイラ選手については「あまり打撃はやっていないなぁ」という感じですね。でも柔術をやっている人に聞いたら「柔術は強いよ」と言っていて。そんなグラップラーを相手に自分の打撃を試すことができるかな、という感じです。

濱口 僕はもう自信満々です。相手はベテランで、しっかり組みができる相手やと思います。相手に得意なことはさせず、自分の得意なところで攻めたいですね。何で攻めるかは言わないですけど(笑)。かつ「魅せる」ことができたら良いな、って。過去5戦は魅せることができていないけど、今はそういう余裕もできてきました。

前薗 今日見ていただいた練習だけじゃなく、それぞれの道場でもいろんな人と話をしながら、できるかぎりの対策をやってきました。最近いろんなものが身についてきている実感はあるので、次の試合が楽しみです。

■DEEP Osaka Impact2024#04視聴方法(予定)
6月2日(日)
12時30分~YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、ツイキャスPPV

■対戦カード
<バンタム級/5分2R>
カーレッジユウキ(日本)
亀井修真(日本)

<バンタム級/5分2R>
大空斗(日本)
木下竜馬(日本)

<フェザー級/5分2R>
田中壱季(日本)
三井俊希(日本)

<フェザー級/5分2R>
延命そら(日本)
今村豊(日本)

<フライ級/5分2R>
宮川日向(日本)
久保田洸平(日本)

<フライ級/5分2R>
飴山聖也(日本)
前田太輝(日本)

<ライト級/5分2R>
紀州(日本)
真野亜三瑠(日本)

<バンタム級/5分2R>
山﨑鼓大(日本)
堂園悠(日本)

<60キロ契約/5分3R>
安谷屋智弘(日本)
濱口奏琉(日本)

<フェザー級/5分2R>
前薗渓(日本)
ペレイラ・ユウジ・ラファエル(ブラジル)

<バンタム級/5分2R>
谷岡祐樹(日本)
切嶋龍輝(日本)

<ウェルター級/5分2R>
BORZ(ウズベキスタン)
姜信一(日本)

<フェザー級/5分2R>
古根川充(日本)
森俊樹(日本)

<女子50キロ契約/5分2R>
青野ひかる(日本)
SAAYA(日本)

<女子フライ級/5分2R>
MANA(日本)
山口恵(日本)

<フライ級/5分2R>
八尋大輝(日本)
藤田健吾(日本)

<フェザー級/5分2R>
桑本征希(日本)
秋山怜冬(日本)

<メガトン級/5分2R>
土井淳(日本)
竹内龍吾(日本)

<アマチュアSルール フライ級/3分2R>
砂田華杜(日本)
朝井啓太(日本)

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45 AB Gladiator Gladiator026 MMA MMAPLANET o ONE UFC アンドレ・リマ キック シネバートル・バットエルデネ ジャダンバ・ナラントンガラグ テムーレン・アルギルマー ボクシング 南友之輔 竹中大地 竹本啓哉

【Falcons FC01】モンゴル相撲のメッカで新大会。南友之輔にコールアウトされたテムーレンが緊急発進

【写真】また、あの思い切りの良いファイトが見たいテムーレンが母国で半年ぶりの実戦に挑む(C)MMAPLANET

15日(水・現地時間)、モンゴルの首都ウランバートルにあるブヒーンウルゴー(相撲宮殿)でFalcons Fight Nightの旗揚げ戦が開催され、昨年グラジエイターにモンゴル旋風を巻き起こしたテムーレン・アルギルマーが出場する。
Text by Manabu Takashima

Falcon FN01は昨年、モンゴルでMMAリアリティーショーを行ったFlacons Fighting Seriesが主宰する新イベントで、ムエタイとMMAの混合イベントを開き、目玉はモンゴルとロシアの7×7対抗戦だ。


ロシア勢に著名な選手はなく、モンゴル勢にしてもキャリアの浅い選手が多く、日本では名の知れた選手の出場はない。それでもモンゴル国内においてトラッシュトーカー的に名を馳せたファイターが出場しており、現地ではなかなか話題になっているという。

それゆえにモンゴル相撲の国技館というべき、ブヒーンウルゴー(相撲宮殿)が使用され、モンゴル格闘技界では2022年のRoad to ONE Mongolia決勝大会に次ぐ大箱でのイベントとなる。

昨年3月にグラジに来日し、2連連続で神田T800を下してバンタム級王座に就き、9月大会で竹本啓哉に惜敗しベルトを失ったテムーレン。12月大会では竹中大地に完敗を喫して以来、日本での試合は巡っていない。

この間、タイで武者修行も行なったテムーレンは今大会のコメインでシネバートル・バットエルデネと対戦予定だったロシア人ファイターの欠場を受け、急遽出場が決まった。

シネバートルはキャリア3戦3勝、モンゴル国内でシュートボクシングのチャンピオンで、キックボクシングやコンバットサンボの国内大会で優勝した実績を持つ。コメインに登用されたことでも分かるように、将来性を買われている選手だ。

今ではジャダンバ・ナラントンガラグ率いるシャンダスMMA在籍のシネバートルだが、もとはテムーレンと練習仲間だった。

現地の見方ではシネバートルはテクニカルな選手ではないが、荒々しいパワーファイターで、旧友テムーレンに気後れしなければ面白い試合になるとののこと。加えて、テムーレンは2週間を切ってのスクランブル出場だけにまずは減量の行方も気になるところだ。

そのテムーレン、5日のGladiator026 における南友之輔のコールアウトにSNSで「カモン・ベイビー」とすぐに反応したが、まずは15日のシネバートル戦に集中しようと周囲に諫められているそうだ。6月1日にはUFC302でニャムジャルガル・トゥメンデムベレルがアンドレ・リマ戦でUFCデビューを控え、国内で話題となる大会のスタート、さらにテムーレンの再来日はあるのか──チンギスハンの末裔達の動向が楽しみなってきた。

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45 Gladiator Gladiator Challenger Series01 MMA MMAPLANET o Progress YouTube アン・ジェヨン グラント・ボクダノフ コンバット柔術 チェ・ドンフン チャンネル パン・ジェヒョク 三上ヘンリー大智 上久保周哉 和田教良 大嶋聡承 江木伸成 河名マスト 白木アマゾン大輔 竹中大地 竹内稔 竹本啓哉 竹浦正起

【Gladiator CS01】竹内稔戦で二冠を目指す竹本啓哉─02─「プログレスに強い選手が出て来るキッカケに」

>【写真】グラジのベルトを奪還して以降、竹本の意識は確実に変化している(C)SHOJIRO KAMEIKE

16日(金)、配信に特化して開催されるGLADIATOR CHALLENGER SERIES01「Bang vs Kawana Ⅱ」で、竹内稔とPROGRESSフェザー級王座を賭けて戦う竹本啓哉のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

紆余曲折を経て、当初の発表どおり「ミスター・アナコンダ」竹内稔とのフォークスタイルグラップリング戦に臨むこととなった竹本。グラジエイター王座との二冠を賭けた一戦への意気込みを語る。

<竹本啓哉インタビューPart.01はコチラから>


――GLADIATOR CSは配信に特化したイベントで、無観客で行われます。その点についてはいかがですか。

「嬉しいです。僕も今まで経験がないことに挑戦したくて。無観客の中で試合をすると、どうなるのか――これって選手の性格も出ると思うんですよね。僕自身はどうなるか分かりませんが、最初に竹内戦が決まってから、すごく楽しみにしています。自分でチケットを売ることがないのも楽ですし。もちろん配信を視てほしいので、その案内はしますけど」

――では竹内戦に関するお話の前に、改めて2023年は竹本選手にとってどのような1年でしたか。

「自分にとっては『立て直すことができた1年』だったと思います。初めて1年に2試合も国際戦をやりましたし、初めてのコンバット柔術も楽しかったです。新しい刺激が多くて、かつベルトを巻きなおしたことで、自分を立て直すことができた1年だったと思います」

――ベルトがあると無いとでは、新年を迎えた時の気持ちも違うかと思います。

「もちろん気持ち良く新年を迎えられた部分もありますが、せっかくベルトを獲得したのに――12月の大会で勝った竹中大地選手と上久保周哉選手には見向きもされていませんでした。『眼中にないじゃん……』って、ちょっと心に引っかかっています。だから今年は、竹中選手と上久保選手だけじゃなく、多くの人たちに『グラジのベルトは、これだけの価値があるんだよ』と知らしめていきたいです」

――竹中選手と上久保選手がグラジのケージで、グラジ王者との対戦を希望しなかった点については気になりますか。

「少し傷つきましたね(笑)。僕は強さには興味があるけど、それほど有名になりたいという気持ちはなくて。でもあんなに見向きもされないと、『そうじゃない。このベルトはもっと価値があるんだ』と言いたくなります。僕のことよりも、もっとグラジという大会とベルトに対する認識を高めるために、僕自身も実績を上げる必要があるなって思いました。

さっきも言ったとおり、現役の間にもっともっと強い相手と試合がしたいです。次の相手、竹内選手もグラップリング界では本当に強い相手で。それにしても、最近は竹が絡む選手が多いですね」

――竹中選手、竹内選手と同じカルペディエム三田の竹浦正起選手、そして竹本選手と。

「ここまで竹が多いと、もう竹林ですね(笑)」

――……。

「すみません、余計なことを言いました(苦笑)」

――アハハハ。話を戻すと、これまで竹内選手との絡みはないですよね。

「ないです。自分の周りでいえば去年、アマゾン先生(白木アマゾン大輔)にアナコンダを極めていましたよね。今までの試合について調べたら、本当にギロチンやアナコンダで勝っている試合が多いじゃないですか。ADCC予選も6試合中4回アナコンダを極めていて――とんでもない選手ですよ。その竹内選手とグラップリングで試合をするのは、MMAとは違う緊張感があります」

――MMA以外の試合としては、昨年1月にプログレスのコンバット柔術ルールで江木伸成選手を下しています。打撃のないグラップリングルールの試合は、いつ以来でしょうか。

「一昨年の11月、TOKKUMI(3対3のグラップリング団体戦)ですね。チームカルペディエム名古屋で出場して、2試合がドローで1試合はヒザ十字で勝ちました。グラップリングマッチは自分にとって里帰りみたいな気持ちもあって。何より竹内選手との試合って、異次元対決のような感じなんですよ」

――異次元、ですか。

「自分でも、どんな試合になるか分からないです。えぇ、どうなるんだろう? 自分が普通に勝っちゃう気もしますし、反対にあっさりとアナコンダを極められてしまうかもしれないし……展開が予想しにくい試合ですね。

だって、ADCC予選で準優勝ですから。今のADCCはスタンドレスリングが強い選手が勝つと聞いていたのに、そんななかでアナコンダをバンバン極めていて。完全に我が道を往く『アナコンダ・モンスター』じゃないですか」

――テムーレン戦はシングルレッグで組むことができました。しかし、それは竹本選手がジャブで崩してから入るというMMAならではのお話で。ではフォークスタイルグラップリングだと、どう崩していくのか。

「インサイドで組むシングルレッグだと、相手もアナコンダは極めにくいと思いますけど……、どうなるんでしょうね。安易に組むとアナコンダが待っているので怖いです(苦笑)」

――どうなるのか、それはご自身で試してみるのが一番です。

「自分から極められに行きませんよ! あのアナコンダがあるので、否が応でも慎重になりますよね。きっと形に入られたら一発で極まっちゃいますから。かといって失点もしたくないので、自分から下になるのも嫌ですし。

いずれにしても、どちらが早く自分の得意な形に持ち込むかっていう勝負になりますよね。僕が竹内選手のアナコンダを警戒しすぎて、ただ時間が過ぎていく展開も嫌じゃないですか。アナコンダを食らわないためには、まず自分がテイクダウンに行かなければ良いわけですけど、今までテイクダウンを狙わなかったことがなくて(笑)。

せっかく竹内選手とグラップリングで戦う良い機会だから――という気持ちは、なくはないです。竹内選手のアナコンダって、どれくらい凄いんだろうって楽しみでもありますし。自分も一本を狙いたい。でも試合だから、勝ちに徹したい気持ちもあって。とにかく対策だけはしっかりして、あとは試合展開次第というところですね」

――この試合に勝てば、グラジとプログレスの二冠王者となります。

「二冠王者になったら、防衛戦が大変そうですよね(笑)。でも竹内選手と対戦できるのも、グラジのベルトを巻いたおかげです。今回は自分がチャンピオンになることで、プログレスにも強い選手がどんどん出て来るキッカケになるよう、必ず勝ちます!」

■視聴方法(予定)
2月16日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS01対戦カード

<Gladiatorフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パン・ジェヒョク(韓国)
[挑戦者]河名マスト(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹本啓哉(日本)
竹内稔(日本)

<ミドル級/5分3R>
三上ヘンリー大智(日本)
アン・ジェヨン(韓国)

<Progressフォークスタイルグラップリング88キロ契約/5分2R>
グラント・ボクダノフ(日本)
大嶋聡承(日本)

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
和田教良(日本)
チェ・ドンフン(韓国)

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45 AB Gladiator KTT MMA MMAPLANET o ONE Road to UFC UFC YouTube アラン・フィルポット アンソニー・ドリリッチ ウェズ・キャッパー クイラン・サーキルド ドン・マール・ファン パン・ジェヒョク ホン・ソンチャン ロッド・コスタ ロン・チュウ 河名マスト 猿飛流 竹中大地

【Eternal MMA82】タイトル戦は4→2階級のみ。KTTのRoad to UFCファイター=ホン・ソンチャンが出場

【写真】16日に河名マストを相手にGLADIATORフェザー級初防衛戦臨むパン・ジェヒョクと、激しいスパーリングを繰り広げていたホン・ソンチャン(C)MMAPLANET

10日(土・現地時間)、豪州・西オーストラリア州パースのHBFスタジアムでEternal MMA82が開催される。
Text by Manabu Takashima

豪州トップ・フィーダーショーのEternal MMAでは、次回3月大会に日本から猿飛流が出場することも決まっている。本来、猿飛流の挑戦を受けるアンソニー・ドリリッチも今大会に出場予定だったが、挑戦者及び代役挑戦者が負傷欠場となり、3月大会で猿飛流を迎えて防衛戦を行うことになった。


またウェルター級王座決定戦=アルディン・ベイツ✖ケイレブ・ライドアウトも中止となり、ベイツは3月2日(土・同)に同じく豪州フィーダーショーのツートップの一角HEX Fight Seriesに出場し、ジョナサン・ミカレフと同プロモーションのウェルター級王座決定戦(!!)を戦うことが決まっている。

(C)ETERNAL MNA

つまり4つのタイトル中2試合がなくなり、メインでライト級選手権試合=王者クイラン・サーキルド✖ドン・マール・ファンが組まれている。

コメインではバンタム級選手権試合=王者ロッド・コスタ✖ 挑戦者アラン・フィルポットの2つのタイトルマッチだけが実現することに。

(C)ETERNAL MMA

この4名のなかでフィルポットは来日経験があり、日本のファンの目に届く場所で戦ってきた選手だ。

そのフィルポット、2016年のVJT大阪大会に来日し竹中大地のRNCで敗れており、ONE Warrior Seriesで2勝2敗、さらにはEternalで1勝3敗ながら挑戦権が与えられた。

この2つのタイトル以上に日本のコアMMAファンにとってはライト級のレギュラーファイトの方が気になるかもしれない。それがウェズ・キャッパーXホン・ソンチャンだ。パースのご当地ファイターのキャッパーは勝つ時にフィニッシュ、負ける時は判定という4勝2敗の選手で、対するホン・ソンチャンはKTT所属でRoad to UFCライト級に出場も、初戦で優勝したロン・チュウに敗れている。

ホン・ソンチャンの再起戦が豪州=Eternalが組まれた。日本だけなく韓国と東アジアに急接近のEternal MMA、要注意が必要だろう。

■視聴方法(予定)
2月10日(土・日本時間)、
午後7時00分~UFC Fight Pass

■Eternal MMA82 対戦カード

<Eternal MMAライト級選手権試合/5分5R>
[王者]クイラン・サーキルド(豪州)
[挑戦者]ドン・マール・ファン(豪州)

<Eternal MMAバンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] ロッド・コスタ(豪州)
[挑戦者]アラン・フィルポット(英国)

<女子フライ級/5分3R>
コートニー・マーチン(豪州)
アミナ・ハダヤ(豪州)

<バンタム級/5分3R>
トビー・ミーチ(英国)
ダニエル・ミッチェル(豪州)

<ライト級/5分3R>
ウェズ・キャッパー(豪州)
ホン・ソンチャン(韓国)

<ミドル級/5分3R>
カーン・ディアタ(豪州)
イ・ジョンファン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
ジュリアン・ジュスティアーノ(豪州)
マーワン・ラヒキ(豪州)

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45 Gladiator Gladiator Challenger Series01 Level-G LFA MMA MMAPLANET o Progress UFC YouTube アン・ジェヨン ガブリエル・シウバ グラント・ボクダノフ チェ・ドンフン チャンネル テムーレン・アルギルマー パン・ジェヒョク 三上ヘンリー大智 上久保周哉 和田教良 大嶋聡承 河名マスト 竹中大地 竹内稔 竹本啓哉

【Gladiator CS01】組み技=竹内~MMA=元UFC~組み技=竹内。竹本啓哉─01─「ずっとドキドキワクワク」

【写真】尊い。格闘家として、その言葉が一番今回の竹本に合っていると思う(C)SHOJIRO KAMEIKE

16日(金)、配信に特化して開催されるGLADIATOR CHALLENGER SERIES01「Bang vs Kawana Ⅱ」で、竹本啓哉が竹内稔とPROGRESSフェザー級王座を賭けて戦う。
Text by Shojiro Kameike

昨年9月、竹本はテムーレン・アルギルマーを下し、GLADIATORバンタム級のベルトを奪還した。2024年初戦はMMAではなくPROGRESSフォークスタイルグラップリングの試合となることが1月25日に発表されている。しかし発表直後、竹本の試合については二転三転した経緯があった。

事の顛末はこうだ。同大会ではチケット発売がない関係で対戦カードの発表に時間をおくという形が用いられていたが、実は元UFCファイターで今回LFAから派遣されるガブリエル・シウバと、上久保周哉がバンタム級で対戦することが決まっていた。

ところが発表前に上久保が負傷し、シウバと戦えない状況に。そこでPROGRESS実行委員会が竹本にシウバとの対戦を打診したところ、竹本は『バンタム級契約ではなくキャッチウェイトなら』と、即快諾。64キロ契約マッチが組まれることが決まったものの──これも発表直前に、今度はなんとシウバが練習中の負傷により来日が不可能となってしまった。その結果、当初の予定どおり竹本×竹内というマッチアップで確定した。グラップリング~MMA~グラップリングという試合変更にも関わらず、竹本は全て合意したのだ。

MMAPLANETでは最初に竹内戦決定の情報を得たあと、1月中旬に名古屋で竹本のインタビューを行っていた。その後、試合が二転三転しながら竹内戦に落ち着いた2月上旬、竹本に再インタビューを依頼。このジェットコースターのような数時間を過ごした竹本からは、まさに誰とでも戦うという格闘技観が見えた。


――対戦カードは当初の発表どおり、竹内稔選手とのPROGRESS王座決定戦に落ちつきました。ただ、そこまでには紆余曲折がありました。まずガブリエル・シウバとの試合について聞いたのが、いつ頃だったのでしょうか(※取材は3日に行われた)。

「今から1週間前——最初の竹内戦の発表直後ですね。ずっとドキドキワクワクしていた1週間でした(笑)」

――対戦相手どころか試合のルール、競技そのものが変わる。にも関わらず「ドキドキワクワクしていた」と笑顔で語ることができるのですか。

「確かに、全部が変わってしまいましたからね(苦笑)。でも僕は今33歳で、どれだけ現役生活を続けられるか分かりません。そのなかで、『今後も元UFCファイターと対戦できる機会があるんだろうか?』と思って。だから契約体重など条件が多少厳しくても、僕は対戦したかったです。MMAを戦う者にとって日本国内で元UFCファイターと対戦できるというのは、それだけの価値がありますから」

――とはいえ、シウバとの対戦に至るまでは、ずっとPROGRESS用の練習をしていたわけですよね。つまり、打撃の練習をしていない。

「はい。逆にグラップリングの練習はしていましたから、急きょ鈴木社長とワタナベ(関羽マサノリ)と打撃の練習について話を詰めたんですよ」

――ちなみにグラップリングの試合前は、一切打撃の練習はしないのでしょうか。

「全く練習しないわけではないですが、考える比重は変わってきますよね。練習するとしても自分が指導しているクラスだったり、練習仲間が参加しているクラスには一緒に参加したりとか。でも自分のための打撃練習はしなくなります。選手練習でも、グラップリング重視の時しか参加していなくて。……だから試合用の打撃練習はゼロ、ということですね」

――そこで急きょ試合用の打撃練習について話を詰めたあと、今度はシウバが欠場という話を聞いた時は……。

「ひっくり返りました。気持ちだけではなく、物理的にひっくり返ったんですよ。そこから1~2分は立ち上がれませんでした」

――……。

「でも、ひとつ安心したことがあるんです。僕がシウバと対戦することになったら、竹内選手の試合はどうなるんだろうかと思っていました。『代わりに誰かとの試合が組まれるのかな?』とか」

――えっ、竹内選手の試合がなくなることを心配していたのですか。

「はい。シウバとの試合に切り替えたのは、僕が直談判したわけではないです。だから竹内選手の試合がなくなっても、僕のせいではないけど――心の中で引っかかっていて。竹内選手は試合がなくなることに対してOKだったのかなぁ、と考えていました」

――優しいのですね。

「いやいや、そういうことじゃないです(苦笑)」

――照れなくてもいいではないですか。

「というより、昔から『相手がどう考えているのだろうか』と気になるタイプでした。『グラップラー刃牙』に天内悠という、人の気持ちを読むことに長けている登場人物がいるんですよ。たとえば相手が薬を欲しいと思ったタイミングで、その薬を出してあげたりとか。

その天内悠のセリフに『格闘技も相手の心を読むことが重要だ』というニュアンスの言葉があって。僕の中で、そのセリフが心に残っていました。だから僕は試合中も相手の表情を読んで、相手が嫌がることをやるようにしています。逆にプライベートでも、『こう言ったほうが相手は喜ぶだろうな』と考えたり。それが完璧にできているわけではないですけど」

――とても大切なことだと思います。すると、もう一度自分が竹内選手と戦うことになった……つまり竹内選手の試合があると分かってホッとしたのではないでしょうか。

「ホッとした――のかなぁ。先日、3月3日にLevel-Gで峯岸零也選手と対戦することが発表されたじゃないですか。『もし2月16日の試合がなくなっても、3月3日に試合ができていたんだろうな。それは良かった』とは思いました」

――一方で竹本選手にとっては、このタイミングであればシウバとの対戦を断ることもあると思います。どれだけ自分自身が調整できるのか。たとえ憧れの試合であったとしても、負けては意味がないと躊躇して当然です。

「そこに躊躇はなかったです。何て言うのかな——最初に言ったように、あとどれくらい現役を続けられるか分からないです。引退する時は必ず来る。自分は引退する時に後悔したくないんですよ。

もし今後、勝ち続けて引退するとしますよね。でも、それでは自分がどれだけ強いのか分からない。なるべく負ける可能性がある相手と対戦して、自分の強さがどんなものか分かって辞めたいです。だから、できるだけ強い選手と、できる時に試合をしておきたい。今回のシウバとの試合を受けたのも、自分の強さを知りたいという理由からでした」

――それは竹中大地選手と上久保周哉選手がグラジに出場した時と同じ気持ちですか。

「そうですね。強い選手が出て来るのは楽しみですし、不安も心配もありません。そこは勝ち負けじゃないから。自分の強さを確認するために――強い人と試合するために、僕はグラジのベルトを取り戻したので。不安があるとすれば、体重のことぐらいですね。引退するまで計量オーバーしないかどうか心配し続けると思います」

――実は、その心配がありました。竹本選手は一度、タイトルマッチで計量オーバーからベルトを剥奪されています。そのベルトを奪還した時に、計量オーバーとベルト剥奪に対する負い目は晴れたとの発言をしていました。しかしこれだけ急な試合変更を受けたのは、竹本選手の中にまだ負い目が残っているのか、と。

「それはないです。単に自分の中で、もう二度と同じ目には遭いたくないと思っているだけで。計量オーバーって、オーバーしたほうも結構シンドイんですよ。試合前から、試合中も、試合が終わった後も……。

僕が試合変更を受け入れたのは、強い選手と対戦したいからです。チャンピオンとして、せっかくグラジが新しいことをやる、その第一弾大会で穴を空けるわけにもいかないですしね」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
2月16日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS01対戦カード

<Gladiatorフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パン・ジェヒョク(韓国)
[挑戦者]河名マスト(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹本啓哉(日本)
竹内稔(日本)

<ミドル級/5分3R>
三上ヘンリー大智(日本)
アン・ジェヨン(韓国)

<Progressフォークスタイルグラップリング88キロ契約/5分2R>
グラント・ボクダノフ(日本)
大嶋聡承(日本)

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
和田教良(日本)
チェ・ドンフン(韓国)

The post 【Gladiator CS01】組み技=竹内~MMA=元UFC~組み技=竹内。竹本啓哉─01─「ずっとドキドキワクワク」 first appeared on MMAPLANET.
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【Shooto2024#01】須藤拓真相手に王座防衛戦。藤井伸樹「ONEがあっても修斗を見てくれる人たちが」

【写真】攻められるのではなく、凌げば気迫を追い込む展開に持ち込める。そんな15分になるのか(C)MMAPLANET

28日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるShooto2024#01-2で、環太平洋バンタム級王者の藤井伸樹が初防衛戦で須藤拓真と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

環太平洋王者として2023年を迎えた藤井だったが怪我などもあり、竹中大地とのノンタイトル戦=1試合のみ。その竹中戦も判定負けという結果に終わった。須藤との防衛戦は捲土重来をかけた、そして自分の殻を破るための一戦になる。


――大会まで一週間を切りましたが、対人練習はどのくらいまでやる予定ですか(※取材は25日に行われた)。

「金曜日までは軽く対人練習をやって、計量に臨もうと思います。身体の状態はいいので、試合のための練習はしっかりできたと思います」

――前回の試合は昨年7月の竹中大地戦(判定0-3で負け)でした。あの試合を振り返ってもらえますか。

「自分のやりたいことよりも相手にやりたいことをやらせてしまった試合だったなと。自分のペースに持っていけなかったです」

――試合中のどこでそれを感じましたか。

「1・2Rに組まれて倒されたあとに後ろにつかれて、抑え込まれた時間が長くて。その前の対処もできていなかったし、そうなった時の対応も良くなかったです。あの展開になる前に自分から攻めていくというか展開を作ることが出来ていなかったように思います」

――試合を見ていて藤井選手が後手に回らされている印象がありました。

「もっと攻めなきゃと思って自分からいこうとすると、その前に相手に先に先に持っていかれて。向こうの方が1Rから最後までペースを握っている展開の試合だったと思います」

――3Rは藤井選手がポイントを取る形でしたが、1・2Rを竹中選手が取っていたので、ある意味、竹中選手はフィニッシュされなければいいという余裕もあったかもしれません。

「それもあったと思います。僕的にも1・2Rは確実に取られていて、倒さない限りは勝てない状態だったので、相手はその前提で戦うことが出来たと思います」

――そういったゲームメイクという部分でやられたという意識はありましたか。

「竹中選手と話したわけではないですが、竹中選手は事前の作戦通りに戦っていたような気がします。そのなかでも僕は勝つためにやるべきことをやらなきゃいけなくて、3Rにやっと自分の展開に持っていくことができたのですが、それを1・2Rにできなかったんだと思います」

――そこを改善するための練習を続けてきましたか。

「いつも先に自分から攻めるというか、前に出ていくというか。そこをもっと強く意識しないといけない。焦っちゃいけないんだけど、しっかり集中して自分の戦いを最初から最後までやることを強く意識しないと…と感じました」

――対戦相手の須藤選手に対して、その印象を聞かせてください。組みの攻防になったら躊躇なく引き込んでサブミッションを狙ってくる。今のMMAには少ないタイプの選手です。

「全体的にレベルアップするための練習をしてきましたが、どちらかというと組みの部分を多くやってきました」

――強みと弱みがどちらもはっきりしているスタイルですが、試合展開はイメージできていますか。

「お互い相手の展開に持ち込ませないように戦う試合になると思います」

――今回は2024年最初の試合であると同時に環太平洋王座の防衛戦です。今年はどのような1年にしていきたいですか。

「まずしっかりこの試合に勝って防衛したいです。去年は1試合しかできなかったので、今年はコンスタントに試合をやっていけたらと思っています」

――試合数も含めて今年は逆襲の1年にしたいですか。

「はい。そのためにも今は目の前の試合に集中してしっかり勝ちたいです。僕もキャリアを重ねて一戦一戦がより大事になると思っているので」

――2019年以降の藤井選手は2連勝して3戦目で敗れるという繰り返しでした。。もう一歩突き抜けきれていない状況ですが、やはりそこを突破したいですか。

「それはもちろんあります。ここ数年は上手く結果が出ていない形になっているので、そこを自分の中で超える1年にしたいです」

――例えばそこを突き抜けられていないのは何が原因なのか。竹中さんの反省点にもつながる部分はあるのでしょうか。

「そうかなと感じることもありますし、技術的に足りないこともあると思います。ざっくりしたことになってしまうのですが、全体的にスキルアップしないと…ということですね。今は何が何でも勝ちたいです」

――同日にONEの日本大会が開催されます。そのうえで藤井選手がファンに見せたい試合とは?

「ONEがあっても修斗を見てくれる人たちがいて、また修斗を見に行きたい、藤井伸樹の試合を見たいと思われる試合をしたいですし、そのなかでしっかり勝って大会を盛り上げたいと思います」

■視聴方法(予定)
1月28日(日)
第1部 午後12時30分~ ABEMA格闘チャンネル
第2部 午後17時30分~ ABEMA格闘チャンネル             

■第2部対戦カード

<修斗環太平洋バンタム級選手権試合/5分3R>
[王者]藤井伸樹(日本)
[挑戦者]須藤拓真(日本)

<インフィニティリーグ2023女子ストロー級/5分2R>
藤野恵実(日本)
吉成はるか(日本)

<インフィニティリーグ2023女子ストロー級/5分2R>
宝珠山桃花(日本)
杉本恵(日本)

<バンタム級/5分2R>
人見礼王(日本)
榎本明(日本)

<バンタム級/5分2R>
伊集龍皇(日本)
藤田ムネノリ(日本)

<ストロー級/5分2R>
黒部和沙(日本)
大田ノヒロ(日本)

<フェザー級/5分2R>
岡田逹磨(日本)
椿馨(日本)

<フェザー級/5分2R>
加藤裕彦(日本)
歩生(日本)

■第1部対戦カード

<フェザー級/5分3R>
TOMA(日本)
齋藤翼(日本)

<フライ級/5分3R>
関口祐冬(日本)
ヤックル真吾(日本)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
鈴木崇矢(日本)

<バンタム級/5分2R>
永井奏多(日本)
HAMMER KATU(日本)

<2023年度新人王Tストロー級決勝/5分2R>
根井博登(日本)
麻生Leg Lock祐弘(日本)

<2023年度新人王Tフライ級決勝/5分2R>
亮我(日本)
永留惇平(日本)

<2023年度新人王Tバンタム級決勝/5分2R>
JAM(日本)
磯城嶋一真(日本)

<2023年度新人王Tフェザー級決勝/5分2R>
松浦真実也(日本)
ネイン・ディネッシュ(日本)

<2023年度新人王Tライト級決勝/5分2R>
グ・ジユン(日本)
嵯峨“ゴーレム”健史(日本)

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