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【DEEP119】ユ・スヨンが王座返上→元谷友貴×福田龍彌で、DEEPバンタム級王座決定戦

【写真】ユ・スヨンが見られないのは、残念。だが国内屈指の実力者対決組まれた(C)MMAPLANET

30日(土)、DEEPより5月3日(金・祝)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP119 Impactでバンタム級王座決定戦=元谷友貴×福田龍彌が組まれることが発表された。
Text by Manabu Takashima

福田は昨日29日(金)にフライ級暫定王者から、神龍誠の王座返上を経て正規王者になったばかりだ。


その神龍と同様にバンタム級王座もユ・スヨンが防衛戦のスケジュールの目途が立たないためにベルトが返上されることとなった。

今回の後楽園ホール大会、実のところ元谷がユ・スヨンに挑戦するという形を第一に話が進められていたが、福田が3月大会で雅駿介に勝利したことで対抗馬に浮上していた。

ユ・スヨンは昨年9月に石司晃一を下し、DEEPとBlackcombatのバンタム級王座を獲得。12月にはNAIZAバンタム級王座をダスタン・アマンゲルジに明け渡した。さらに今年1月にフェザー級シングルマッチでキム・ミンウと対戦し、延長4Rに急所蹴りを受けて試合続行不可能となり、NCという結果に終わっている。

半年間でこのハードなスケジュールをこなしてきたユ・スヨンの防衛戦を行われない場合、元谷と福田の間で暫定王座決定戦が組まれるのではないかという憶測もあった。が、ここにきての王座返上、その理由は推して知るべしといったところか。

元谷は大晦日のヴィンス・モラレス戦における敗北からの再起戦となるが、ATTでどれだけアップデートができているのか。また福田もこの試合に向けて、来週より3週間の予定でファイター福田龍彌生誕の地ともいえる──タイで出稽古を敢行することが決まっているという。

なお同大会では既にメガトン級の水野竜也×ANIMAL☆KOJI、ライト級で北岡悟×倉本大悟という3回戦、関原翔の復帰戦となるマサト・ナカムラ戦=フライ級、バンタム級の窪田泰斗×橋本ユウタ&日比野エビ中純也×木下尚祐戦と2回戦3試合が実施されることが発表されている。

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【DEEP118】福田龍彌と暫定フライ級王座決定戦へ、雅駿介「寝技でも首相撲が活きる」

【写真】2023年の3連勝で一気にベルト挑戦まで駆け上がった雅が、MMA&ムエタイ談義をじっくりと話してくれた (C)TAKUMI NAKAMURA

9日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP118 Impactにて、雅駿介が福田龍彌と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

これまでの相手の中で最も完成度が高いMMAができる福田との一戦を「格闘技の能力で競うだけではなく、スタミナや体力面のキツさだけではなく頭も使う試合」と予想している。またABEMA時代のONE Championshipの解説では高い分析力を見せていた雅がMMAにおけるムエタイ論、そしてDEEPという団体への想いも語った。


――今大会ではDEEPフライ級暫定王者&DEEPフライ級グランプリ優勝の福田龍彌選手と試合が決まりました。

「もしかしたユ・スヨンとタイトルマッチをやる可能性もあると思っていたのですが、自分的には福田選手とやりたかったんです。福田選手は日本での知名度があるし、いきなりチャンピオンとやるより福田選手に勝って、挑戦者は雅しかいないだろうという状態でタイトルマッチをやりたかったので。だから福田選手と試合が決まって、よかったなというのが最初の感想でしたね」

──選手によっては早くタイトルに挑戦したい選手もいると思いますが、雅選手はちゃんと段階を踏んで挑戦したかった、と。

「そうですね。だから結果的には自分が望む形になりました」

──福田選手は元々フライ級の選手ですが、いつ頃から対戦を意識していたのですか。

「ビクター・ヘンリーが王座を返上して石司晃一選手が正規王者になるという発表があった時、福田選手が『来年はこっちのベルトも狙ってもいいでしょうか』みたいなことをTwitter(X)に書いていたんですよ。自分が出ている団体の、自分の階級のベルトのことだったので、自分も何か言った方がいいかなと思っていたら、DEEPバンタム級の他の選手は誰もそれに触れていなくて。

なんで他の選手は自分の団体の自分の階級のことを盛り上げないんだろう?という気持ちもあり『(福田が)階級を上げてくるなら一発目の相手に立候補します』と絡んだことがあったんです。その時、いずれやるかもしれないなというのはなんとなく思っていました」

──ファイターとしての福田選手の評価はいかがでしょうか。

「強いと思います。自分の強さを分かっていて、それを活かすための戦いを徹底している選手という印象です」

──以前、MMAPLANETで取材した時、福田選手本人はその場の即興でどう戦うかを考えると話していましたが、相手に合わせて戦い方を変えて自分の強さをぶつけるスタイルだと思います。

「ですよね。自分もそういったクレバーなイメージがあります」

――短い時間で試合を終わらせるのではなく、しっかり時間をかけて相手を攻略するというか。

「そこはキャリア豊富なベテランらしいというか、焦って攻めないというか。色んな餌を撒いておいて、自分の強いところに相手が喰いついてきたら勝負する。そういう部分はあるかもしれないです」

──戦う身としては試合のシミュレーションが難しいタイプでもあると思うのですが、雅選手はどんな試合をイメージしていますか。

「逆に言うと相手によって戦い方を変えるというよりは、自分の得意な戦い方があって、そこに相手がハマっていくように戦っているように見えるんです。だからゲームプランそのものは難しくないのかなって思いましたね」

──技術戦になることはもちろん、戦術的にお互いどういうカードを切っていくかという試合にもなると思います。

「単純に格闘技の能力だけで競うだけじゃなく、スタミナや体力面のキツさだけじゃなく頭も使う試合というか。今回は5分3Rたっぷりと戦えるので、総力戦になると思います。相手もクレバーに戦ってくると思いますが、そこは自分もムエタイで散々やってきたところなんで自信はあります」

──雅選手のなかで勝つイメージはできていますか。

「そうですね。あとは石渡(伸太郎)さん、今はロータス世田谷にも行っているので八隅(孝平)さん。そういったセコンドに入ってもらうチーム陣の考えも僕は信頼しているので、対策は自信持ってできているっていう感じです」

──今の主な練習場所はどこになるのですか。

「CAVE、ロータス世田谷、石渡さんが最近出したALMA FIGHT GYM PUGNUS、打撃と朝練はPOWER OF DREAM。基本的にこの4つでやっていますね」

──雅選手自身は最近の試合を振り返って、どこが伸びていると思いますか。

「もともとMMAでの自分の戦い方の方向性はある程度見えていたんですけど、練習で出来ることをいざ試合でやってみると出来ないことがあったんです。それが試合でもしっかり出来るようになってきたっていうところですね」

──雅選手はムエタイからMMAに転向する際、それまでのムエタイを活かしつつMMAをやろうとしたのか。それともムエタイをリセットして一からMMAをやろうとしたのか。どちらだったのですか。

「僕は本当にゼロからやるイメージでした。やっぱりムエタイとMMAは距離感が全然違うし、むしろ自分をリセットしてゼロからやりたい気持ちがありました。僕が最初に指導をお願いしたのが石渡さんで、石渡さんも同じ思考というか、MMAはゼロからやるという考えの人なので、それが上手くマッチして。もちろん自分の強みを活かそうとは思いましたけど、最初は本当にそれがなく、まっさらなところから作り上げた感じです」

──組み技は一からのスタートだったと思うのですが、打撃もリセットしたのですか。

「はい。打撃も立ち方・構えから始めました。それがある程度形になってきてから、こういうこともできるよねと自分の(ムエタイの)強みを足していくイメージでしたね」

──ムエタイからMMAに転向するうえで、雅選手はどこが一番難しかったですか。

「デビューして最初の3戦は1勝2敗と負け越して、上手く行かない部分が出ちゃったのかなと思います。で、それがだんだん良くなってはいくんですけど、今度は逆に小さくまとまっていた部分もあるんです。MMAファイターとしてムエタイが活きていない、普通のMMAをやる選手になっちゃっているなって。最初はゼロからMMAをやるイメージでしたが、逆に今はムエタイの強みを取り入れて、自分らしさを出していく方向にシフトしています。これからは自分らしさを出していくことが大事なので」

──例えば打撃の間合いやプレッシャーのかけ方など、試合をやるごとに少しずつ変わってきた印象があるのですが、雅選手自身もそこは意識していましたか。

「やっぱり距離感が一番難しかったですね。ムエタイでは何かしら手を出せば攻撃が当たる位置で戦うのが基本で、首相撲もあるからより距離が近づくこともあるんですけど、MMAでその距離で戦うと被弾するリスクが増えて、簡単に組まれてしまう。僕はMMAは踏み込んで打撃を当てる競技だと思っているので、そのMMAの距離感の設定に一番苦しみましたね。石渡さんにも口酸っぱく言われ続けました」

――距離設定がムエタイからMMAに変わってきた、と。

「しかもその距離設定が打撃の一手であり、組みの一手だと思うんですよ。打撃でも組みでも自分が有利な状態でスタートさせるという意味で距離設定は重要なので、そこが上手くなってきたから、試合が上手く回るようになったというのはありますね。だからMMAの距離感を守れるようになった感じです。昔はどうしても相手に触れる距離=ジャブやローキックを出せば当たる距離で戦いたくて、そこまで勝手に行きがちだったのですが、そこの距離設定がちゃんと合うようになってきました」

――攻防の受け返しができる位置で戦うのがキック・ムエタイで、攻防しなくていい位置で戦うのがMMAでもありますよね。

「そうですね。受け返しがあるキック・ムエタイと、受け返しがない&自分の戦いを押し付ければいいMMA。そこの競技性は確かに違うかもしれないです。あと言い方は難しいですけど、いい意味で臆病になるというか、打撃に自信を持っているけど打撃を怖がる。その感覚も大事だと思っています。やっぱりMMAグローブはガードの隙間を抜けてくるし、ボクシンググローブで出来ていたディフェンスが出来ないうえに、一発で効かされてしまう。今はより相手の攻撃に対して敏感に戦っています。ONEのムエタイルールの試合を見ていると、MMAグローブでよくあの近距離で打ち合うなと思うし、今は感覚的にそっちになっていますね」

──一度過去のキャリアをリセットしてMMAにチャレンジした今だからこそ、MMAに活かせるムエタイの技術もあるのではないですか。

「むちゃくちゃありますね。最初は手探り状態だったんですけど、自分のMMAの基礎が出来るようになってくると『こういうことが出来るな』とか『MMAグローブだったらこういうことが出来るな』とか、寝技・組技でも首相撲が活きてくることもあるので、今はいろんなことが活かせるようになってきました」

──寝技での首相撲とは具体的にどういうものですか。

「結局組む競技において、どの局面でも基礎的なこと・一番大事なことは一緒だと思うんですよ。内側をとりましょうとか。だから寝技でも首相撲が活きるところがあるんですよね」

──首相撲が使えればパウンドやグラウンドのヒジも出しやすくなるのですか。

「そうですね。組み手の作り方で殴りやすいポジションやヒジを当てやすいポイントがあって、そこはムエタイの首相撲でさんざん組んできたんで、活きてくることばかりですね。ただヒジのアイデアや打ち方は色々と浮かぶんですけど、練習だと本気で打ち込めないじゃないですか。試合でどう出すかがポイントだと思うんですけど、それもだんだんと試合で使えるようになってきたので、もっとその部分を出していこうと思います」

──そういった意味では雅選手のMMAがどう進化していくのか、非常に楽しみです。

「そうだと思います。やっぱりそこ(ムエタイの技術)で勝負を決めることだったり、それが試合で出てきたらいいなと思いますね。“出てきたらいいな”で終わらせず、それを目指す練習を意識してやっています」

──去年の大晦日は立ち技から多くの選手がMMAに挑戦しました。雅選手はこのことをどう感じていますか。

「いいことだと思いますね。PRIDE時代もそうだったと思うんですけど、ミルコ・クロコップがK-1でめちゃくちゃ強くてMMAに流れてきたように、考え方は人それぞれあると思うんですけど、一番を目指していたら何でも出来て強い、MMAにくると思うので。ただ、自分もMMAの壁にはぶつかったかなと思うこともあったし、鈴木千裕くんとか怪物くん(鈴木博昭)のように立ち技の技術を生かす戦い方ができるようになるとMMAでも強さを見せられますよね。平本(蓮)君も色んなチャレンジをして失敗して、自分の強さを出せるようになってきている。選手それぞれ色んな形があっていいですよね」

──まさにMMAを経験することで、どう自分のスタイルを創っていくかですよね。

「ただ自分と同じにしてほしくない気持ちはあります。自分はちゃんとDEEPでキャリアと実績を積んでベルトを獲ってから、大きな舞台に出ていこうと思っているので。僕は立ち技の選手がMMAに挑戦するのではなく、MMA選手として完成した状態で色んな舞台に出ていきたいです」

──今回の福田戦はベルトにつながる試合だと思いますが、先ほどは「DEEPバンタム級の他の選手の反応を見たら、福田選手以外は誰もそれに触れていなくて。なんで他の選手は自分の団体の自分の階級のことを盛り上げないんだろう?という気持ちもあった」という言葉もありました。雅選手は自分が強くなることはもちろん、自分が戦う団体を盛り上げたいという気持ちもあるのですか。

「僕の感覚的にMMAよりキックボクサーの方がSNSで色々と発信して、大会を盛り上げようとする選手が多いのかなと思います。いざ自分がKNOCKOUTからDEEPに出た時に、DEEPの選手たちは自分の試合のことは書くけど、あまり団体やイベントのことは書かないんだなと思ったんです。特に自分の階級のベルトの行方に対しても誰も何も言わないのはビックリしましたね」

──それと同時に「自分たちが目指しているものに興味がないの?」という想いもありますよね。

「そうですね。もちろんSNSで発信しなくても、ベルトに強い想いを持っている選手はたくさんいて、俺がベルトを獲ってやると思っている選手はいると思います。でも自分はその部分でも負けたくないと思ったから発信したし、今でこそ自分は連勝してタイトルにも絡めるようになってきましたが、DEEPに出始めた頃は誰も自分がそうなるとは思っていないから、自分で勝手に『1年以内にタイトルマッチをやります』とか言っていたんですよ。

周りから『大きく出たね』と言われるくらい(苦笑)。でもそういう状況から自分の想いは言い続けてきたし、言った以上は有言実行しなきゃいけないじゃないですか。だから僕は言うこと・発信することも大事だと思います」

――雅選手はDEEPに対する愛着も強いのですか。

「デビュー当初は結構負けちゃったんですけど、2022年には5試合も組んでもらいましたし、DEEPに自分を強くしてもらったと思っているので、愛着は湧きますよね。DEEPでこれだけキャリアを積ませてもらって、そのDEEPに対する想いが凄く出てきているし、元谷(友貴)さんがDEEP最高傑作と呼ばれているのもカッコいいなと思いますし、自分もDEEPの顔になっていけたらいいなと思います」

──そんな雅選手がDEEPのベルトを獲れば、さらにDEEPが面白くなるでしょうね。

「それと同時に今年こそベルトを獲らないとな、という焦りもあります。僕は2024年に上がっていかなきゃいけないと思っているので。その1発目で本当にいい相手を持ってきてもらえたので、ここをクリアして、今年は勢いに乗って上にいきたいと思います」

■視聴方法(予定)
3月9日(土)
午後5時45分~YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、U-NEXT、サムライTV

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【Special】K-MMA、2023年・秋。DEEPバンタム級王者ユ・スヨン「勝ち続ければ自ずとUFCと契約できる」

【写真】もう10日もすれば、NAIZA FCでタイトル防衛戦が控えている。現地の関係者が明言するジュースフリーで、どのような戦いを見せることができるか (C)MMAPLANET

日本と韓国、MMAにおいても永遠のライバルである両国。Road FCを頂点とするK-MMAは規模的には日本のRIZINのようなビッグステージを持たない。対してUFCファイターの評価は引退したコリアンゾンビに代表されるように、韓国勢の方が高い。9月のDEEP vs BLACK COMBATで後者が日本の老舗を圧倒した。日韓関係に少し変化が見られるようにもなった10月最終週に訪韓、K-MMAの今を歩いた。
Text by Manabu Takashima

特集「K-MMA、2023年・秋」。第五弾はDEEP✖BLAC COMBAT対抗戦で、恐るべき強さを見せつけたユ・スヨンをソウル郊外プチョンのBlack Combatジムに訪れた。

石司晃一をワンテイク、コントロールからTKOで下したZEUS FCフェザー級、Black Combatライト&フェザー級、NAIZA FCバンタム級、そしてDEEPバンタム級チャンピオン──韓国柔術界最年少で黒帯を巻いたユ・スヨンはMMAにおける柔術の重要性と、UFCへの道について話した。


──このジムはBlack Combatのオフィシャルジムなのでしょうか。

「ハイ、Black Combatの本館です。この間デジョンにもジムができて、今ブラック代表はソウルにもジムを創ろうと計画しているようです」

──昼過ぎのこの時間で、ここで練習しているのはどういう人達なのですか。

「Black Combatチームの選手で、プロだけでなくアマやセミプロの選手たちもいます。彼らは他のジムに所属しているのではなく、ここだけで練習しています。午後2時からは選手練習で、他の時間帯は一般の人が通うジムなんです。指導もBlack Combatのファイターがやっています」

──ではユ・スヨン選手はどういった関わり方を、このBlack Combat本館としているのでしょうか。

「もともと所属しているボン柔術の監督が、ここの館長になったので自分もチームメイトと一緒に選手練習に参加している形です。他のチームの選手も自由に参加できるクラスになっています」

──プロモーションが所有するジムで、自由に練習できる。対戦する可能性がある選手とも顔を合わせるのでしょうか。

「そのケースはこれまでなかったですね。過去の対戦相手は所属するジムで練習をしていました。自分はここで練習だけでなく、パーソナルで指導をしていますMMAの練習は殆どここでやっている状態ですね。夜も練習していて、ボン柔術でトレーニングをするのは週に1度ぐらいになっています」

──いうともうBlack Combatの専属で、給料が出るような契約形態なのですか。

「給料はありませんが、パーソナル・レッスンの指導料は貰っています。ファイトマネーと指導料ですね。マネージャーも別にいますし、自分の試合のことも自分達で決めています」

──それは良かったです。

「もちろんブラック代表とも相談はしますが、自分は他の団体にも自由に出ることができます」

──とはいっても韓国国内において、Black Combat以上に勢いのあるプロモーションはないですよね。

「自分はUFCが目標ですし、Black Combat以外の国内の大会に出ることはないと思います」

──押忍。では、改めて9月の石司戦について尋ねさせてください。あの石司選手を一方的な展開でTKOした衝撃的な試合でしたが、どのようなゲームプランを立てていたのでしょうか。

「石司選手は強いと聞いていたので、自分のグラップリングがどれだけ通用するのかを確認しようと思っていました。初回に組みを試して無理なら他の手段で戦う予定でしたが、グラップリングでいけたのでそのまま戦いました」

──グラップリングの展開に持ち込む。狙い通り、最初のトライでテイクダウンを奪うことができました。

「石司選手は序盤から自分の動きができるというよりも、粘って最終的に判定をモノにするファイターだと理解していました。スタンスが広くて、ステップを多用することはない。なのでパンチのフェイントで距離を詰めることができれば、テイクダウンができる自信はありました。テイクダウン後もコントロールできる。その通りの試合展開になりました」

──昨年の大晦日、Black Combatでのイ・ジンセ戦でケージレスリングの強さは十分に見せてもらっていたのですが、日本ではケージを使うことなくシングルレッグを決めきりました。

「ハイ。倒せないとケージを使うつもりでした。実際、シングルレッグに入る時まで打撃の鋭さは伝わって来ていて。だからこそ、クリンチに持ち込んでもテイクダウンしないといけないと思って戦いました。

半面、テイクダウンに成功してから寝技の展開になると、石塚選手にはそれほどでもない。だからプレッシャーをかけて、テイクダウンを奪うことができればポジションをキープできるという考えでした。実際、倒して上を取ると『予想通りだ』と勝利を確信できました」

──テイクダウン以上に、寝技のコントロールに驚かされました。パウンドがあるなかで、あの頭の位置でコントロールできる選手はそうはいない。頭を押し付けるわけでなく、上体を起こして殴るでもない。その中間の動きで、パウンドのある柔術をしていたので。

「もともと自分は柔術を使って、MMAを戦っていました。でもMMAにはレスリングが欠かせないので練習に取り入れ、去年まではレスリングが7割で、柔術には3割程度しか時間を割かなくなっていました。ただし、レスリングが上達することでMMAにおける柔術の重要性に気付いたんです。

やはり柔術には力をセーブして、相手を抑え込める技術が多いです。だから最近では柔術が6割、レスリングが4割というバランスで練習するようになっていました。柔術の本来の目的はパスをして、相手を仕留めることです。

ただし、そこに拘り過ぎると自分の方が削られます。なので相手の動きに合わせて殴れるスペースができれば殴り、必要になれば力を使ってレスリングの技術で抑える。パウンドとレスリングの間で柔術を使う。あるいは柔術の技術で、パウンドとレスリングをサンドウィッチするような感じです」

──なるほどぉ!!石司選手が足を効かせよう、腰を切ろうという方向とは別の方にあっさりと回り抑えていたのも見事でした。

「実際に、頭をつけてコントロールする方が多いです。でも、以前にあの頭の位置でも上手くコントロールできたことがあり、9月の試合でも石司選手の反応に合わせて、頭をあそこに置いて戦うことができたということもあります。相手の動きを読むことができるのは、これまで柔術をやってきた成果だと思います」

──キックボクシング+レスリング。柔術の時間になかなか練習を避けない。日本のMMAは、そのような状況が長かったです。

「柔術をすることは、絶対的にアドバンテージになります。スクランブルの対処にしても、柔術を理解している方が有利になれます。組み技のなかでカウンターのカウンターという攻撃も可能になるので。そこが自分のMMAでも、長所になっています」

──今も道着の練習をしているのですか。

「ハイ。ボン柔術でIBJJFのスタイルで練習している一般の人たちと、やっています。今、柔術はリバースデラヒーバからのバック狙いなど、MMAとして使うことが難しい技術も多いです。ただし柔術の強いベース、レッグドラッグやトレアンドパスという風にしっかりと手順を踏んで、圧力をかけてパスをする──MMAに絶対に生かせる動きも残っています。一気に動くのではなく、じわじわと動くことができる柔術は自分のMMAに欠かせないですね。

MMAですから、どのスタイルでもMMAに生きない技術はないと思います。実際、自分もMMAに集中し過ぎて柔術をやらなかった時期がありました。その間、グラップリングがどんどん大雑把になってしまったんです。結果、動きの多い選手を抑えきれないことが増えました。そこで柔術に回帰できました」

──押忍。その上であの試合があるので、説得力抜群でした。ところで先ほど目標はUFCだと言われていましたが、そこに向けて今後のキャリアの積み方をどのように考えていますか。

「12月21日にNAIZA FCでバンタム級王座の防衛戦があります。来年はBLACK COMBATフェザー級のタイトル防衛戦、そして日本でDEEPバンタム級の王座防衛戦も戦うことになります。Road to UFCも視野に入れていましたが、ダイレクトにUFCと契約する道もあるとはずです。今、自分を必要としてくれるプロモーションで試合をして勝ち続けると、自ずとUFCと契約できるはずです」


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【RIZIN44 & NAIZA FC55】福田龍彌が振り返るアーセン戦&NAIZA─02─「二冠になり、バンタム級で…」

【写真】いかなる終了の仕方でも、ルールに則り福田の勝利は動かない。それでいて、絶対に再戦が見たい激闘だった(C)RIZIN FF

9月24日(日)、さいたまスーパーアリーナにて開催されたRIZIN44で、山本アーセンに3R TKOで勝利した福田龍彌のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

1Rと2Rで仕留めるための準備が終わった。「さぁ、これから――」と3Rに臨む福田に対し、ドクターチェックからアーセンの逆襲が始まる。驚きながらも基本通りのジャブを突き続け、レフェリーストップを呼び込んだ福田。その激闘を振り返るとともに、2023年を締めるカザフスタンでの戦いについて訊いた。

<福田龍彌インタビューPart.01はコチラから>


――ここから仕留めに行く……、その前にドクターチェックが入りました。

「絶対に試合が終わってほしくないって思いましたね。ドクターチェックのあと、アーセン君が『ごめんなさい、待たせちゃって』と言うから、『何分でも待つよ』って。するとアーセン君も『ありがとうございます!』と返してくるんです。すんごいナイスガイでした。

それで3Rが始まって、ボディを打とうとしたところに左フックをもらってヒザを着いてしまうけど、ここは効いていないんです。ビックリして引くタイミングでコケちゃった、みたいな。見栄えは悪いけどダメージはなくて」

(C)RIZIN FF

――その後、アーセン選手が左跳びヒザから組んできました。

「僕としてはコレがビックリして。

(C)RIZIN FF

跳びヒザから着地際の右フック――周りにこういうことをしてくる人はいませんでしたから。

でもテイクダウンを切ったあとに僕が、起き上がり際にヒザ、左ストレートと打つんですけど、ここでアーセン君の顔をカットしたんですよ。

相手も見えてへんから『思いっきり行ったろう』と思っていたらドクターチェックが入って。僕のほうが『マジかぁ!』と言っているんです(笑)」

――福田選手のほうが悔しかったわけですか。

(C)RIZIN FF

「やっぱり白黒つけたいから。

レフェリーストップはエェけどカット系のドクターストップは、試合後に『あのままやっていれば……』という『たら・れば』論が出てきちゃうじゃないですか。それが嫌だし、たぶん彼も嫌だったと思います。最後までやりたかったから、僕のほうが『アーセン! アーセン!』と音頭を取りました。ホンマにアーセン君に対する歓声が凄くて、『アーセン!』という音が会場からリングに降ってきていましたからね。

ドクターストップになったあと、僕から『またやろう。今回はしゃあないわ。戦ってくれてありがとう』と伝えました。アーセン君も『俺まだやれるから』と言っていたけど、レフェリーやドクター、ルールあっての場所やからね。仕方ないです」

――試合前と試合後では、アーセン選手に対する印象も変わったのではないですか。

(C)RIZIN FF

「アーセン君の評価は爆上がりしているでしょう。

ホンマに強かったし、良い試合やったと思います。僕も楽しくて、もっと試合を続けたかった。あの内容なら5分5Rやりたかったな、と思えるぐらいの良い時間でした。

でも一番良かったのは、お客さんが喜んでくれたことです。試合をしている二人だけが楽しいだけなら、この試合よりもクオリティの高い殴り合いは日常的にジムでやっているから。これで喜んでくれるなら、練習を見てくれたらもっと面白い動きを見せられるで、と思います。それが僕らの日常なんですよ」

――確かにトップファイターの練習を見ているだけでも面白いと思う瞬間があります。

「そうでしょう? そんな日常から、さいたまスーパーアリーナのお客さんが喜んでくれるようなモノを提供できるようになったんやなと感じました。さいたまスーパーアリーナという格闘技の聖地で、当日の試合の中ではお客さんが沸いたほうやし、RIZINさんに対しても良い試合ができたかなと思っています」

――なるほど。次は早速、12月2日にカザフスタンで開催されるNAIZA FC55で、同フライ級王者のジアス・エレンガイポスに挑むことが発表されました。これまで海外の試合を希望していた福田選手としては、その希望どおりという試合ですか。

「あぁ、それはハッキリと書いておいてほしいんですけど――僕としては『国内より海外』という気持ちはないです。僕は職業=戦士であって。誰と何キロで、ファイトマネーいくらで戦うか。それで年間、何試合できるか。そういう仕事として試合をしています。だから国内、海外どっちでやりたいというのもなくて」

――あくまで海外から仕事のオファーが来た、ということですね。そう考えると今年はDEEPフライ級GPで優勝し、さいたまスーパーアリーナの観客を沸かせて、海外大会の王座挑戦で締めるという……。

「おかげさまで仕事がうまく行っています。本来は9月18日のDEEP×Black Combat対抗戦にも出たかったんですよ。対抗戦に出なかったら、何のためにフライ級GPで優勝したんやっていう感じやないですか。せっかく韓国から選手が来てくれるのに、チャンピオンが出ないのは相手に失礼やと思って。でもフライ級は駒杵選手が一本で勝ってくれて良かったです。僕としては対抗戦に出ていたバンタム級の選手に興味があります。彼はNAIZA FCのバンタム級チャンピオンなんですよね」

――石司晃一選手を下したユ・スヨンですね。Black Combat、DEEP、そしてNAIZA FCのバンタム級王者でもあります。

「僕が次の試合でNAIZA FCフライ級のベルトを獲ったら、DEEPとNAIZA FCのフライ級2冠王になりますよね。そしてユ・スヨンがNAIZA FCとDEEPのバンタム級2冠王――そこで僕がバンタム級に転向できればエェかなと思っています」

――日本とカザフスタン、DEEP & NAIZA FCの2冠王者同士の対決に!

「僕を応援してくれている人って、僕が修斗時代から殴り合っているのを観てくれている人たちばかりなんです。そうした人たちのおかげで、ここまで来られているわけやから。平野区民センター、阿倍野区民センター、高松シンボルタワーから、さいたまスーパーアリーナへ。そしてカザフスタンまで――感慨深いですよ。

だから『国内より海外』っていう気持ちもないし、大きな会場だけで試合をするというつもりもないです。もちろん今後も後楽園ホールで試合がしたい。僕の中にあるのは、『お金を払って試合を観てくれている人たちに楽しんでもらいたい』という大前提だけで」

――それはNAIZA FCをはじめ、海外で試合をする時も気持ちは同じですか。

「同じですよ。言葉が分からない人たちを、試合で沸かせるのって最高じゃないですか。RIZINに出ても8割ぐらいは、アーセン君のことは知っていても僕のことは知らない人たちだったでしょう。それはもう海外と環境は変わらないですよ。僕のパンチが当たってもシーンとなっているのに、アーセン君のパンチがかすっただけで『ウォーッ!!』と沸いていて。こんなに違うんやって思いました。でも2Rあたりから、僕のパンチが当たっても沸くようになりました。ちゃんとヤバいものを提供できたら沸くし、みんなが見入ってくれる。それだけヒリヒリしてくれるわけですよね。

勝負事やから、置きに行く選手もいるじゃないですか。僕は今までたくさん負けてきているので、そういう意味では『負けても構わない』という気持ちで臨んでいます。と同時に、『絶対にコイツを仕留めたろ』という気持ちで戦っています。相手を仕留めるために5分3Rをどう使うか。仕留めるための過程も楽しんでもらう場所、それが試合なんですよ。次はカザフスタンのお客さんに、僕の試合を楽しんでもらいたいし、会場を沸かせたいです」

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【DEEP116】雅駿介戦へ、山梨に戻って三連勝=窪田泰斗「韓国に流出したベルトを僕たちが取り返さないと」

【写真】溢れんばかりのDEEP愛を持つ窪田(C)TAKUMI NAKAMURA

11日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP116 IMPACTにて、雅駿介と対戦する窪田泰斗。
Text by Takumi Nakamura

2019年12月の試合を最後に活動の拠点を東京から山梨に移し、2022年12月の復帰後は3連勝と勢いに乗っている。パーソナルトレーナーの経験を活かし「いかにスパーリング以外でMMAを強くするのか?」を考えて練習メニューを整備したことが試合結果につながっている。そしてDEEP愛を熱く語る窪田はBLACK COMBATに流出したバンタム級王座奪還を誓った。


――DEEP116 IMPACTでの雅駿介戦まで一週間となりました。試合に向けた仕上がりはいかがですか。

「練習もしっかりできて、体重も順調に落ちているので、あとはインフルエンザや体調不良に気をつけて準備したいと思います」

――DEEP114での力也戦はアームロックで勝利し、約5年ぶりの一本勝ちでしたね。

「思いっきりいけたことが良かったです。いつも上手く戦おうというか、負けないように戦おうとしていたんですけど、前回は自分から勝ちに行くことが出来た試合でした。今回も前回と同じ5分2Rなので、アグレッシブに行って、見ている人にも伝わる試合をしたいと思います」

――力也戦の前のSNSでは「狂気じみた練習が必要」とコメントしていましたが、その真意を聞かせてもらえますか。

「いつも試合が終わったときに思うのが、ケージに入ったら普通のメンタルではダメなんだなと。確かに結果は出ているんですけど、もっと上を目指すためには、普通の試合をしてちゃいけない。それを実践するには他の選手がやらないような強度の練習だったり、他の選手がやらないような練習をしなければいけないと思って、ああいった投稿をしました」

――そのために具体的にはどのような練習をしているのですか。

「常に本気を出すという意味で、バイク系のトレーニングを週3~4回やるようになりました。全力でバイクを漕いで、メニューが一通り終わったら立てなくなるような練習ですね。単純に心肺機能も向上しますし、何よりもメンタルが鍛えられます。僕はそのメンタルが試合では大事だと思うので、前回に続いて今回もこういったトレーニングは多めに取り入れています」

――窪田選手の他の投稿を見てもトレーニングに関するものが多く、かなりトレーニングや練習メニューへの意識の高さを感じます。

「僕自身、普段はパーソナルトレーナーの仕事をしているので、トップ選手たちがどんな練習をしているのか、一週間どんなルーティンでやっているのか、インタビューを読んでどんなメンタルで練習に取り組んでいるのか。そういったことを調べるのが好きなんですね。僕自身、まだトップ選手とは言えないと思うので、実際にトップ選手たちがやっていることを参考にしながら、自分がやるべきことを考えています」

――MMAはまだ練習メニューが確立されていない部分もあると思いますが、窪田選手はどのようなことを意識して練習しているのですか。

「月から土まで基本的に1日2部練で、疲労の度合いで1部練にしています。今僕が意識しているのは『追い込む』ことと『怪我をしない』ことなんです」

――一件その二つを両立させるのは矛盾しているようにも見えますが、どうバランスを取っているのですか。

「僕も格闘技歴が長くなってきて、いかにスパーリング以外でMMAを強くするかを考えているんです。それが先ほどのバイクトレーニングだったり、走り込みだったり、サンドバックやミットだったり、スパーリングやるにしてもシチュエーションスパーだったり…。昔はスパーリングを5分10~12R回して出来るだけ参加するとか、そういった練習もしていましたが、今はスパーリングの本数を絞って、それ以外のことに時間を当てるようにしています。似たような練習ではあるんですけど、おそらく他の選手がやらないようなことをやっています」

――窪田選手は2019年12月から2022年12月まで約3年間のブランクがありますが、何が理由だったのですか。

「当時はトレーナーの仕事が忙しくて、最低限の練習はしているけど、試合のための練習ができていない状況だったんですね。それでいつか仕事が落ち着いたら試合に出ようと思っていて、約3年ほど試合間隔が空きました」

――現在は山梨に活動の拠点を移しているんですよね?

「はい。もともと山梨で格闘技を始めて、18歳まで山梨にいました。それから上京して東京で格闘技をやっていて、山梨時代にお世話になった人が山梨にジム=フォーランバスを出すことになったので、今は山梨に戻ってフォーランバスでトレーナーをやりながら練習をしています」

――山梨に戻ってから3連勝していますが、その要因はなんでしょうか。

「格闘技に向き合える時間が増えて、単純に練習量が増えましたね。東京に比べてスパーリングパートナーは少ないですが、自分のやりたいことをコツコツやれるので、それが僕には合っているのかなと思います」

――練習環境をガラリと変えて、試合への不安はなかったですか。

「山梨に戻って半年ほど経っての試合だったので、逆に『これだったらしっかり勝っていける』という自信はありました」

――今大会で対戦相手の雅選手にはどんな印象を持っていますか。

「ムエタイのチャンピオンからMMAに転向した選手ですが、僕は組み技やグラップリングも得意なんじゃないかなと思いました。自分の強い部分で戦うのではなく、相手の弱いところを見つけて戦うことが出来る選手だと思います。MMAファイターとしてバランスがいいですよね」

――その雅選手相手にどのような試合をしたいですか。

「雅選手の対策もしていますが、自分の得意なところで相手を倒そうと思っていて、相手は打撃出身の選手ですが、パンチ、蹴り、ヒジ、ヒザで倒したいです」

――あえてそこは打撃で勝ちたい、と。

「同じ日にバンタム級の試合が多いので、見ている人にとって分かりやすい試合をしたいんですよね。ここから上を目指すうえで、ムエタイチャンピオンになって寝技で勝ってもアピールにならないというか。僕は強い選手の強いところを上回って勝つことを目標にしているので、今回は僕の打撃を見て欲しいです」

――この試合をクリアすれば復帰後4連勝となります。今の窪田選手にとっての目標は何ですか。

「僕はDEEPが本当に好きで、DEEPで戦えていることを誇りに思っているので、DEEPのチャンピオンになりたいです」

――今のコメントも含めて、窪田選手はすごくDEEP愛を持っていますよね。

「人として社長、佐伯(繁)さんが好きなんですよ。佐伯さんは本当に格闘技が好きだし、そんな人が代表を務めている団体で戦っていることがうれしいです。あとはDEEP出身の選手は単純に強いじゃないですか。僕はDEEP=強い団体だと思っているから、そこで戦っていることが誇らしいです」

――そんな窪田選手にとってDEEP115のDEEP vs BLACK COMBATの対抗戦でDEEP勢が敗れたことをどう捉えていますか。

「せつないですね。韓国に流出したベルトを僕たちが取り返さないといけないと思います」

――特に窪田選手と同じバンタム級で石司晃一選手にTKO勝利したユ・スヨン選手はかなりレベルが高い選手でした。

「僕は石司選手と何度か練習したことがあって、石司選手の強さを知っていて。その石司選手に何もさせずに勝ったので、スヨン選手はかなり強いと思います。スヨン選手に勝つことは難しいと思いますが、僕がDEEPを代表して彼と戦って、日本にベルトを獲り返すことができたら最高ですね」

――同じ大会には元DEEP王者で、RIZINでも活躍する元谷友貴選手もDEEPに凱旋します。

「すごくうれしいですね。ずっと昔から知っている選手ですし、RIZINを主戦場に戦っている選手がDEEPに凱旋してくれて、そういうのも含めて…ますますDEEPが好きになります(笑)。元谷選手は元DEEP王者ですし、DEEP愛がある選手だと思うので、元谷選手も戦いたい相手の一人です」

――それでは最後にファンのみなさんへのメッセージをいただけますか。

「気持ちが見える分かりやすい試合をするので応援よろしくお願いします」

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【DEEP115】北岡悟が振り返るDEEP X BC対抗戦─02─「負けた人が考えていない感が出ちゃいました」

【写真】ユ・スヨン。この選手と交わることができることを北岡は、良いことだと言い切った(C)DEEP

9月18日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されたDEEP vs BLACK COMBATの対抗戦を北岡悟が振り返るインタビュー第2弾。
Text by Manabu Takashima

大島沙織の意外な敗北に続く、石司晃一と大原樹理のベルト流出劇に関して、北岡はどのような気持ちでいたのか。

<北岡悟のDEEP vs BLACK COMBAT対抗戦振り返り、Part.01はコチラから>


――それでも最後は足関節をパク・シユンに切り返されました。

「それは相手も組み技の技量を上げてきたということだと思います。大会が終わって青木真也さんから『韓国は柔術が盛んで、柔術のレベルは上がっている』という連絡があったんです。ちゃんと組み技も修練していて、その部分は次の試合にも表れていましたね」

――その次、ユ・スヨンが石司晃一選手に圧勝した試合になります。

「石司選手と戦ったユ・スヨンは、パンクラスに来ていましたよね。大橋悠一選手という期待されていた選手、組みができるけど殴り勝てる選手と戦ってパンチを纏めて秒殺した。しかも、結構バリバリの柔術家で。あの選手は強いですね」

――BLACK COMBATの試合を見て、ユ・スヨンは強いという認識はあったのですが。石司選手にあのような形で勝つとは思っていなかったです。

「日本でトップ10に入る実力の持ち主、石司選手はトップ5を狙うことができるトップ10の選手です。身体能力も高く、体も強い。その彼が下になってニーシールドとプッシュだけで返そうとしていたけど、普通に纏められましたね」

――ユ・スヨンの寝技のコントロール……技術力で完全に上回っていたように見えました。

「柔術でいえば青・紫帯と、黒帯の差のような上と下の攻防になりました。悪くない青帯、紫帯の動きを良い黒帯が抑えた――ような。そもそも上を取ったテイクダウンも、ハイクロッチから入って。石司選手から、あんなイージーにナイス・テイクダウン……当たり前のMMAテイクダウンを取った。凄いですよね、良い選手です」

――一部でキム・スーチョルより強いのではないかという声も挙がっています。

「それはやってみないと分からないけど、普通にRIZINのレベルであることは確かです。RIZINレベルというか、RIZINで上の方と――ベスト5と戦っても良いじゃないかという選手ですよね」

――Road to UFCに出ている韓国人選手より強いようにも見える。そういう選手を抱えることができるのは、ファイトマネーが良いから。Road to UFCに行こうとせず、BLACK COMBATで知名度を上げて、UFCを狙っているファイターがユ・スヨンだと思います。

「それは成功しているということですよね。BLACK COMBATはMMAで、Breaking Downのやっていることをしている。そういう良い選手が、DEEPと絡んでくれる。これは日本のMMAにとっても良いことです。

DEEPのチャンピオンになったのだから、防衛戦をすることになると聞いていますし。でも、めっちゃ強いですよ。ユ・スヨンは色々な日本人選手との試合が見てみたいですね」

――続く大原選手は、イ・ソンハにスロエフストレッチで一本負け。この試合はどのように捉えられていますか。北岡選手は大原選手と戦った当人ですが。

「これが一番悔しいと言っちゃあ、悔しい気がしますけど……。まぁ、しょうがないですよね。しょうがないです」

――大原選手はストライカーですが、組み技&寝技対策をしっかりとやっている選手だと思います。

「絶対にやっていますね。絶対に」

――その大原選手が仕留められた。

「まぁ、ちょっと動き方にはクエスチョンが残るディフェンスはしていました。ただし、体格的なところでまかり通っていた部分はあると思うんです。ぶっちゃけて僕の時も、テイクダウンとサブミッション・アタックはできているので……いや、自分の話はいいや(苦笑)」

――小金翔選手の対戦ではバックグラブを許し、ブレイクでスタンドに戻ったことがありました。

「上迫戦も微妙な節はありました。解説でも話したのですが、あの相手選手は、バックに回ると包めますもんね。容易に包めることができる。打撃でそこまで押しきれなかったことも、あの結果にもちろん通じているでしょうし。そこは総合力だから。結果的に大原選手には相性が良くなかったのかと。う~ん、まぁまぁまぁ――しょうがないです」

――では最終戦のヘビー級、酒井リョウ選手が腕十字でヤン・へジュンに下りました

「酒井選手は最近の試合で、良い勝ち方をしてきました。でも、総合格闘技だからね――と。解説では『ヘビー級なんで、複雑なことを考えずに』とか言っていて。そうしたら酒井選手がグワァっていくと、ヤン・ヘジュンが『ナイス・テイクダウン!!』と(笑)。で、ここからヤン・ヘジュンの抑え込みがメッチャ上手くて。ちょっと上の方で抑えているけど、ヘビー級なんで酒井選手も潜るとかできないじゃないですか。

酒井選手は後ろを向こうとしたけどできなくて。ヤン・ヘジュンは柔術的にも茶・黒の力がある。最低でも紫帯でしょう。マウント、S字マウント、腕十字と流れるような動きで仕留めました」

――試合タイムは1分32秒。防がれると下になって殴られるリスクのある腕十字をこの時間帯で狙うというのは……力の差を感じたのか。

「とにかく綺麗でしたね。しっかりと動けていますよ。まぁ、もともとミドル級の選手だったというのもあるけれど――総合格闘技ですからね」

――結果、DEEP側は最初の2試合の勝利後はチャンピオンが5連敗で完敗を喫しました。試合内容的に大島選手と戦ったパク・シユンは、大島選手の投げを許さなかった。ユ・スヨンとイ・ソンハ、そしてヤン・ヘジュンらは逆に一発で自分の形で持ち込んでいました。結果論として、対戦相手のことをしっかりと研究して、今回の試合に臨んでいたように感じました。

「いや、それは……本当はそこをやるものですからね。とにかく最初のアプローチで、やるべき形に持ち込むと差があるように感じられますしね」

――スクランブルに持ち込ませないで、コントロールして仕留めた。彼らが自分の間で戦ったのに対し、逆にパク・シユンは大島選手の間にさせなかった。

「まぁ1Rがあんな風なら、2Rからは変えないといけない。もちろん、僕らには分からない何かがあったというのは考えられますけど、普通は流れを変える戦いをしないといけないですよね。逆にいえば自分たちがラウンドを取っていると判断しているのか――ぐらいに思いました」

――韓国勢の取り組み方と、日本勢の取り組み方に差を感じた次第です。

「今回は特に、負けた人が考えていない感が出ちゃいましたね(苦笑)。負けた人たちの負け方はそうです。大島選手の敗北に関しては、韓国勢は個の力でなくて、チームの工夫で勝った。それが見えるから、パク・シユンを応援している人達からすると、熱いモノがこみあげてくる勝利ですよね。工夫や努力を感じられました」

<この項、続く>

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Black Combat DEEP DEEP115 MMA MMAPLANET o ユ・スヨン 石司晃一

【DEEP115】前評判以上の強さを発揮、スヨンが石司を圧倒してDEEP&BCの2冠達成

<DEEP & Black Combatバンタム級選手権試合/5分3R>
ユ・スヨン(韓国)
Def.1R4分28秒 by TKO
石司晃一(日本)

じりじりと前に出る石司。左を軽く見せつつ、左ミドル・右ローを蹴る。スヨンは石司のジャブの終わりにシングルレッグに入ってテイクダウンを奪う。

スヨンは腰を上げてパスガードを狙い、ヒジを落とす。石司はスヨンの身体を押して、パスガードを阻止。しかしスヨンはハーフガードでトップキープすると、石司の上体を固めてマウントへ。

ここからスヨンはパンチを連打。なんとかディフェンスする石司だったが、最後はガードの上からスヨンのパウンドを浴び続け、レフェリーが試合をストップした。スヨンが前評判以上の強さを見せつけ、DEEP&Black Combatの2冠王についた。

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【DEEP115】計量生配信を約3000人が視聴? 当日は映画館でも生中継!BCとの対抗戦は韓国でも大注目


明日18日(月・祝)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP115 Impact 「DEEP vs BLACK COMBAT」の公式計量が、後楽園ホールとなりの東京ドームホテルにて行われた。

対抗戦7試合のうち3試合がDEEP&BLACK COMBATのダブルタイトルマッチとして実施されるDEEP×BLACK COMBATの日本ラウンド。対抗戦出場全14選手は最初の計量でリミットをクリアし、7試合とも大きな変更なく予定通りに行われる。MMAPLANETでは日本入りしたBLACK COMBAT勢をサポートするスタッフから聞いた彼らの様子、そして韓国での反響をお届けしたい。


計量前日=16日に来日したBLACK COMBAT勢。ほぼ全選手減量の心配はなく、サウナにこもるような選手はおらず、半身浴での体重調整で計量をクリアしたという。来日歴のない選手もおり「緊張というよりも日本で試合できることにワクワクしている感じですね。あまりピリピリした様子はなかったです」という。

DEEPの公式YouTubeチャンネルにて生配信された計量の模様は、韓国からも約2000~3000人のユーザーが視聴していたという情報があり、事実チャット欄にはハングルによるコメントで埋め尽くされることに。

明日の大会を見るために来日して後楽園ホールまで足を運ぶ韓国人のファンも多く、大会の模様は現地の映画館CGVで生中継されるなど、BLACK COMBATは日本人の想像を遥かに上回る反響と注目度があるようだ。

なお計量を終えたBLACK COMBAT勢は夕方から全選手がKRAZY BEEに移動してジムで最終調整を行い、明日の決戦に備える。

■視聴方法(予定)
9月18日(日)
午後5時40分~DEEP チャンネル-YouTube、U-NEXT、サムライTV

■ DEEP115対戦カード

<ヘビー級/5分3R>
酒井リョウ:108.40kg
ヤン・へジュン:108.10kg

<DEEP & Black Combatライト級選手権試合/5分3R>
大原樹理:70.10kg
イ・ソンハ:70.15kg

<DEEP & Black Combatバンタム級選手権試合/5分3R>
石司晃一:61.05kg
ユ・スヨン:61.10kg

<DEEP JEWELS & Black Combat女子級アトム級選手権試合/5分3R>
大島沙緒里:47.45kg
パク・シユン:46.95kg

<ミドル級/5分3R>
鈴木槙吾:83.80kg
チェ・ジュンソ:84.00kg

<フェザー級/5分3R>
青井人:65.80kg
シン・スンミン:65.90kg

<フライ級/5分3R>
駒杵嵩大:57.10kg
キム・ソンウン:57.15kg

<バンタム級/5分2R>
力也:61.55kg
木下尚祐:61.60kg

<フライ級/5分2R>
杉山廣平:57.00kg
KENTA:57.05kg

<ライト級/5分2R>
涌井忍:70.7kg
倉本大悟:70.70kg

<フライ級/5分2R>
マサト・ナカムラ:57.10kg
亀田一鶴:57.20kg

<アマ68キロ契約/3分2R>
安井飛馬:67.90kg
菅涼星:67.60kg

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【DEEP115】BCフェザー級王者シン・スンミン「蒼井そらは知っていても、青井人なんて知らなかったです」

【写真】9勝4敗、パン・ジェヒョクやパク・チョンスに勝利しているBlack Combatフェザー級王者(C)MMAPLANET

明日18日(月・祝)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP115 Impact 「DEEP vs BLACK COMBAT」。ダブルタイトル戦が3試合揃った同大会でBlack Combatフェザー級チャンピオンのシン・スンミンはノンタイトルで青井人と戦う。
Text by Manabu Takashima

コリアンソンビに憧れてMMAを始め、トルネード・ソンにMMAを習った。アグレッシブかつ、戦術を用いる冷静なファイト、削り合いもできるシン・スンミンに話を訊いた。


――去年の大みそかにシン・スンミン選手に話を伺った時、本当に日本で戦いたいという風に言われていましたが、ついに実現しますね(※取材は4日に行われた)。

「実は自分のプロデビュー戦は日本で、DEEP浜松大会だったんです(※2015年。×柴ちゃん)。5日前のオファーで、日本に旅行に行こうというぐらいの気持ちで戦いRNCで負けてしまいました。今回はしっかりと練習できているので、あの時よりもずっと楽しみです」

――いきなりのファイトに観光気分になれるのですね。ある意味、凄いです。

「まだMMAの練習を始めて8カ月ぐらいだったので。どうなるっていうものでもなかったので、旅行に行こうという気持ちでいたんです。あの時は、そうでした。ただあの負けがあったので、また日本で試合をしたいという気持ちは心のどこかにありました。去年、日本から来た記者さんに話をきいてもらった時に、その気持ちは確実なモノになりました」

――2018年8月にArzaletソウル大会に出場しています。日本のREALの海外版という位置づけだった同大会で戦った時も日本を意識していたのでしょうか。

「あの時はキム・ジョンホン選手と戦ったのですが、本当は日本人選手と戦いたかったですし、日本で戦いたいと思っていました」

――では今回はBlack Combatフェザー級王者としての来日です。Double GFC王者のパク・チョンス選手との王座決定戦ではサッカーボールキックを決めて勝ちました。あの試合の勝利をどのように捉えていますか。

「チャンス選手が良い選手だと言われるのは分かりますが、自分はパンクラスやグラジエイターで活躍しているバン・ジェヒョク選手にも勝っているので彼に勝ったことで、自分の株が上がったとは思っていないです。絶対に自分が勝つと自信を持って戦っていました。自分のキャリアは、今回の試合から始まります」

――そんなシン・スンミン選手ですが、MMAを始めるきっかけは何だったのですか。

「2013年の兵役中に、テレビでジョン・チャンソン選手とジョゼ・アルドの試合を視ました。凄く格好良くて、兵役を終えた2015年に始めました。それまで遊びで体を動かすぐらいしか、格闘技の経験はなかったですが、Ssenジムに入門してトルネード・ソン館長にMMAを学ぶようになりました」

――コリアンゾンビに憧れ、トルネード・ソンにMMAを学ぶ。なんだか良い話ですね。

「たまたま家の近所に道場があったんです。自分はテグに住んでいるので、ソウルのジョン・チャンソン選手のジムは遠すぎました。ただ、チャンス選手との試合前からコリアンゾンビMMAでも練習をしていて、今後は正式にジムを移籍するかどうか。今回の試合を終えて、決断したいと思っています」

――では、先日のコリアンゾンビ×マックス・ホロウェイ戦など胸に来るものがあったのではないですか。

「ジョン・チャンソン選手を見て、MMAを始めました。最後までMMAファイターとして、見ている人に感動を与えることができる素晴らしいファイターです。自分も引退する時には、ジョン・チャンソン選手のようになっていたいです。凄く感動的な引退試合でした」

――韓国のファンも第2のコリアンゾンビを求めているでしょうね。

「自分がどこまで昇り詰めることができるのか。それがMMAを戦う理由であり、凄く楽しみにしています。なので第2のコリアンゾンビを目指すのではなく、シン・スンミンとして世界でどれだけ通用するのか。そう思っています」

――承知しました。そのためにも今回の対抗戦、凄く大切だと思います。

「今回、自分はチャンピオンとして日本に行きます。なので相手がチャンピオンでないことは残念です。試合が決まってから、青井人選手がRIZINでも活躍していることを知りました。それまで蒼井そらは知っていても、青井人なんて知らなかったです」

――アハハハハ。

「ただDEEPには牛久絢太郎選手というチャンピオンがいるのに、青井選手が出てきたということは彼が逃げたと思っていました」

――まぁ、牛久選手はRIZINでの試合があるので――と話しを続けたいのですが、蒼井そらという名前の方に読者の皆さんも反応してしまうかと思います(笑)。ベルト奪取の際に彼女と抱き合っていましたが、問題ないですか。

「ハハハ。蒼井そらの名前が自然に出てきました(笑)。ただ蒼井そらが好きとは言っていないので大丈夫です(笑)。何も問題ありません(笑)」

――押忍。シン・スンミン選手はアグレッシブかつ、冷静に戦えるファイターです。今回の試合で、日本のファンにどのようなファイトを見せたいと思っていますか。

「蒼井そら……いや青井人選手を相手にして、自分のスタイルが変わることは一切ないです。自分は自分のスタイルで戦います。青井選手は1Rを戦い切ることができないでしょう。まずは目の前にいる青井選手を倒して、Road to UFCかRIZINで戦いたいと思います」

■視聴方法(予定)
9月18日(日)
午後5時40分~DEEP チャンネル-YouTube、U-NEXT、サムライTV

■ DEEP115対戦カード

<ヘビー級/5分3R>
酒井リョウ(日本)
ヤン・へジュン(韓国)

<DEEP & Black Combatライト級選手権試合/5分3R>
大原樹理(日本)
イ・ソンハ(韓国)

<DEEP & Black Combatバンタム級選手権試合/5分3R>
石司晃一(日本)
ユ・スヨン(韓国)

<DEEP JEWELS & Black Combat女子級アトム級選手権試合/5分3R>
大島沙緒里(日本)
パク・シユン(韓国)

<ミドル級/5分3R>
鈴木槙吾(日本)
チェ・ジュンソ(韓国)

<フェザー級/5分3R>
青井人(日本)
シン・スンミン(韓国)

<フライ級/5分3R>
駒杵嵩大(日本)
キム・ソンウン(韓国)

<バンタム級/5分2R>
力也(日本)
木下尚祐(日本)

<フライ級/5分2R>
杉山廣平(日本)
KENTA(日本)

<ライト級/5分2R>
涌井忍(日本)
倉本大悟(日本)

<フライ級/5分2R>
マサト・ナカムラ(日本)
亀田一鶴(日本)

<アマ68キロ契約/3分2R>
安井飛馬(日本)
菅涼星(日本)

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【DEEP115】対抗戦、先鋒戦出場の駒杵嵩大─02─「技術どうこうでなく、韓国は見ている先が違う」

【写真】フッと詰めて寄る。打撃の交換なくして、上手くハマった時は達人級(C)MMAPLANET

18日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP115 Impact 「DEEP vs BLACK COMBAT」。DEEPとBLACK COMBATの対抗戦では、駒杵嵩大がフライ級代表としてキム・ソンウンと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

インタビュー前編では、自身の課題と理想について語ってくれた駒杵。打撃主体のキム・ソンウンとの対戦は、その課題を克服した姿を見せられるマッチアップかもしれない。対抗戦の第1試合に出場することとなった駒杵が、DEEP軍に1勝ち目をもたらすことができるか。

<駒杵嵩大インタビューPart.01はコチラから>


――理想はDJですか!

「DJのように、打撃も組みも全部混ぜることができるようになりたいですよね。殴りながら入ったり、入りながら殴ったりとか――相手からすれば、僕が何をやってくるか分からなくなるぐらいまで(笑)。そういうDJのスタイルが理想です」

――現状、その理想まで何パーセントまで辿り着いていますか。

「まだまだです。自分の理想まで、半分も辿り着いていないと思います。でもそれって、まだまだ自分には伸びしろがあるっていうことなんですよ」

――そんななかでBLACK COMBATとの対抗戦を迎えます。まず今年2月に対抗戦第一弾が行われた時、ご自身がその輪に加わるとは思っていましたか。

「試合映像は見ましたが、『自分には関係ないのかなぁ』と思っていました。第一弾の時はフライ級がなかったので。ただ、いつか海外勢と対戦したいという気持ちはありましたね」

――駒杵選手はMMAでは国際戦の経験がありません。柔道時代を含めると、最後の国際戦はいつまで遡りますか。

「大学2年生の時なので、ちょうど10年ぐらい前です。ずっと海外勢との練習はやっていたんですよ。いろんな国のナショナルチームが大学(駒杵は東海大学出身)に来ますから」

――どういった国々が出稽古に来ていたのでしょうか。

「カザフスタン、フランス、韓国のチームとも練習していました。東海大学の柔道部には強いヤツが集まっているので、それだけ海外からも出稽古に来るんですよ」

――最初にMMAにおける相性の話がありました。駒杵選手は柔道時代、海外勢との相性は良かったのですか。

「国際大会でも優勝していますし、相性は良かったと思います。柔道の場合は、日本人と比べたら海外勢のほうが雑なので、やりやすいんですよ。時間が経つにつれて、試合が雑になってくるんです。昔は『海外の選手は体力がない』と言われることもありました。後半になってくるとスタミナが切れてくるから、こちらも後半に勝負できるわけですね。今はそんなこともないと思いますけど」

――MMAでいえば逆に、韓国勢と中央アジア勢の体力と削り合いのタフさは強みの一つですよね。

「あと韓国人選手は気持ちが強いです。柔道でも『絶対に勝つ!』という気持ちで向かってくるし、気持ちの面では日本人よりも上だと思いますよ」

――韓国人選手の気持ちの強さに対し、駒杵選手はどのように対抗していたのですか。

「僕の場合は、技術で対抗していました。それは韓国人選手だけでなく、特に中央アジア勢は体の強さもレベルが違っていて。密着してしまうと勝てない、すぐに投げられてしまう。旧ソ連圏の選手は特に、レスリングのように抱き着いて倒しに来ることが多いんです。だから腕でうまく距離をつくりながら、道着を使っていなしながら技に入ることが必要になります。そういう作戦は必須でした」

――柔道時代に培ったその技術は、MMAでも韓国人選手との試合で生きてきますか。

「いえ、もう全然別モノですからね。韓国からUFCに出ている選手って多いじゃないですか。歌手とかエンターテインメントの世界でも、米国に進出している人が多いですよね。日本よりも韓国のほうが技術的に上かどうかではなく、まず見ている先が違うと思います。だから韓国ではUFCをはじめ、MMAが人気になっているのかもしれないです」

――なるほど。柔道という国際舞台で戦ってきた駒杵選手の意見だけに、納得できます。では試合の話に戻りますが、次の対戦相手であるキム・ソンウンの印象を教えてください。

「試合映像を視ましたが、逆転勝ちをする選手ですよね。でもテイクダウンディフェンスは、まだまだなのかな……。対抗戦の中で、まずフライ級の僕がしっかり勝ちたいですね(※取材後、駒杵×キム・ソンウンのフライ級戦が、対抗戦の第1試合になることが発表された)。相手の打撃をもらわずに倒していけば、問題ない相手だと思っています」

――危険視するとすれば、あの打撃ですよね。とにかくガンガン前に出て、打撃を繰り出してくる選手です。

「僕としてガンガン前に出てきてくれたほうが、やりやすいです。パンチを出してくれたほうが、空いているところに組みやすくもなるので。そこは今練習していることが出せるし、練習の成果を見せるという部分でも、良い相手だと思います」

――今回はDEEPフライ級代表として対抗戦に出場します。ここで勝てば、その後にタイトルマッチなどのチャンスも得られるかもしれません。

「そこは分からないですよね。タイミング次第じゃないですか。今フライ級は神龍誠選手が正規王者で、福田龍彌選手が暫定王者ですから。まずは統一戦があるのかどうか――でも僕としてはオファーがあれば、いつでもやります。もちろんベルトを獲る自信もあります」

――それは楽しみです。では最後に、次の試合に向けて意気込みをお願いします。

「まずはテイクダウンして、サブミッションを極めたりパウンドでKOする姿をお見せしたいです。勝ち負けがハッキリ分かる試合をします。僕自身まだまだ伸びしろを感じているので、この試合だけでなく今後も応援よろしくお願いします」

■視聴方法(予定)
9月18日(日)
午後5時40分~DEEP チャンネル-YouTube、U-NEXT、サムライTV

■ DEEP115対戦カード

<ヘビー級/5分3R>
酒井リョウ(日本)
ヤン・へジュン(韓国)

<DEEP & Black Combatライト級選手権試合/5分3R>
大原樹理(日本)
イ・ソンハ(韓国)

<DEEP & Black Combatバンタム級選手権試合/5分3R>
石司晃一(日本)
ユ・スヨン(韓国)

<DEEP JEWELS & Black Combat女子級アトム級選手権試合/5分3R>
大島沙緒里(日本)
パク・シユン(韓国)

<ミドル級/5分3R>
鈴木槙吾(日本)
チェ・ジュンソ(韓国)

<フェザー級/5分3R>
青井人(日本)
シン・スンミン(韓国)

<フライ級/5分3R>
駒杵嵩大(日本)
キム・ソンウン(韓国)

<バンタム級/5分2R>
力也(日本)
木下尚祐(日本)

<フライ級/5分2R>
杉山廣平(日本)
KENTA(日本)

<ライト級/5分2R>
涌井忍(日本)
倉本大悟(日本)

<フライ級/5分2R>
マサト・ナカムラ(日本)
亀田一鶴(日本)

<アマ68キロ契約/3分2R>
安井飛馬(日本)
菅涼星(日本)

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