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カテゴリー: 武尊
【写真】有終の美ではないかもしれないが、終わりを見て現役生活を全うしている (C)MMAPLANET
本日29日(日)、東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase347で、アトム級QOPのSARAMIがホン・イェリンとノンタイトル戦で戦う。
Text by Shojiro Kameike
3月に同王座決定トーナメント決勝で沙弥子を48秒で下したSARAMIにとって、あの右ストレートで一発の勝利は何を意味したのか。その後、パンクラスイズム横浜を離れ、毎日のように違う場所でトレーニングの日々を送る。
「この生活も長くは続けられない」というSARAMIに3月のKO劇と今、そして──これからについて尋ねた。
――もう次の日曜日にホン・イェリン戦を控えているSARAMI選手ですが、今一度3月のアトム級王座奪取について話をきかせてください。見事過ぎる右ストレート一発のKO劇。格闘技生活で、一番の喜びようだったのではないかと。
「あの瞬間は『嘘でしょ!!』っていう感じでした」──そこから笑顔の時間が、凄く長かったです。
「アハハハハハハ。北岡(悟)さんや、矢澤(諒)君は『パンチで倒す』と思っていたらしいです。いつか、パンチで倒すと。北岡さんにはずっと前から言われていました。でも、私はできないだろうって思っていたんです。女子で一発KOなんて、ないじゃないですか。まさか自分がするなんて思っていなくて(笑)。打撃に自信があるわけじゃないので」
──ただ、あのパンチです。練習をしてきて、成長しているという風に自分で感じることはなかったですか。
「自分の右のパンチが凄く強いという実感はありました。打ち方とかも、凄く考えてきたので。それは分かっていたけど、試合でソレを出せるとは思っていなかったです」
──あの勝ち方をこれからも続けたいという想いは?
「ないです」
──本当ですか。それを想って戦えないかもしれないですが、どこか少しでも残っていないですか。
「えぇぇ……。また、したい気持ちはありますけど。アレを狙うと、絶対にできないです。自分の攻めをしているなかで、ああいう偶然が起これば良いかなって。あのパンチを狙うと、自分のスタイルが崩れてしまいます。私の試合はドロドロで、勝つ時も負ける時も。殴り合いって誰でもできるので、それは余り格好良いとは思えないんです」
──練習仲間、女子選手たちの反応はどうでしたか。
「びっくりしていました。練習では私は打撃が上手くはないので。男子も女子も当てっこゲームが上手な人が、練習では打撃は上手です。思い切り打てないから、試合とは違うと思っています」
──ぶっちゃけてKO勝ちとタイトル奪取、どちらの方が嬉しかったですか。
「一発KOです」
──ずっと練習を続けてきて、あのKO劇があって良かったと本当に思います。
「私の人生にこんなことがあるんだって。本当に。私、格闘技の試合で勝って、お客さんが盛り上がる瞬間──あの気持ち良さって多分、結婚式をする時の気持ち良さよりも上だと思うんです。なのに、あんなKO勝ちしちゃうと、もう最高ですよ」
──そんなタイトル奪取後、所属先が整体北西に変わりました。
「もともとトーナメント中もパンクラスイズムで練習するのは1度か2度で。ジムの面子も変わっていく中で、私が格闘技をやる場所はイズムではなくなってきたように思えたんです」
──練習場所が所属名になったわけではないですよね。
「ハイ。私がずっと体を見てもらってきた整体です。北西(英司)さんはパンクラスができた頃から、選手の体を診ていて、格闘技の試合も物凄く見ている人で。フォースタンス理論に出会えたから、こっちに出てきて少し結果を残せたと思っています」
──イズムを離れる時、どこかジムの所属になろうと考えることはなかったですか。
「それは今も迷っています。決まった練習場所があることは大切だと思うので。ただ試合がもう決まっていたから、そこままという感じできました」
──今、練習場所はどういう風になっているのでしょうか。
「なかなか、色々なところに行っています。行動範囲は相当に広いですよ(笑)。女子選手がいるところに、練習に行かせてもらっていて」
──では万智選手ばりに1週間のルーティンをお願いします。
「月曜日は朝から仕事をして、夜は坂口道場に行きます。火曜日は昼ぐらいにKRAZY BEEに行き、夕方は元町にあるクロスフィットでパーソナルトレーニング。夜はカルペディウム三田のレスリングクラスに参加したり、しなかったり。水曜日は1日仕事をして、行けたらファイトベースに。木曜日も1日仕事して夜に東中野のトイカツ道場。金曜日は昼にマスタージャパンでグラップリング、夕方は国立に体の使い方のコンディショニング・トレーニングに行って、夜に整体をして帰って来ます。
土曜日は朝から仕事をして、夕方に千葉の市川市にあるトランセンド・ジムでロッキー川村さんにミットを持ってもらっています。で日曜日の朝にJTTに女子練習ですね(笑)」
──仕事をしながら……ですよね。1週間で7位置の練習を。
「やばいですよね(笑)」
──その原動力は何なのでしょうか。
「不安だから。やらないと不安なんです。もちろん毎週 、完璧にやっているわけじゃないですけど、この生活と練習を維持するには心もお金も、体力も大変です」
──そうですよね。
「だから、これをずっとやっていられないなって。引退も近いのかなって思っています」
──それでも結婚式よりも嬉しいモノがMMAでの勝利なわけですよね。
「結婚式をしたことないんですけどね(笑)。私は結婚して子供も欲しい。だからずっとできない」
──そうなると限られた試合のなかで、今回はタイトルマッチでないですが、その辺りはどのように思っているのですか。
「ホン・イェリン戦が用意されたことに、全く不満はないです。ちゃんと強い相手ですし、国際戦が戦いたかったので。用意してもらった相手に、今の全てをぶつけます。対戦相手の格とか関係なく、準備したことを全て出します」
──それは右ストレートですね(笑)。
「違います(笑)。塩漬けです。もう、ああいう勝ち方はないし、一度したから思い切り漬けにいけます(笑)」
──女子は比較的行き来ができていますが、これからのキャリアをどのように考えていますか。
「目標がなんなのかよくわからない状況ではあるんですけど、海外でやりたいです。もう日本人は皆やったし、今さら新しい子とやる必要はないかなって。めちゃくちゃ強い外国人にメチャクチャにやられたら、辞めることができるかなって」
──刹那的ですね。
「もう私、敵わないんだっていう経験をしたら辞められるかなって」
──その将来を望むとしても、メチャクチャ強い外国人を戦うためには次の試合でしっかりと勝つ必要があるかと思います。どのような試合にしたいですか。
「…………(じっくりと考えて)、攻め続ける。とにかく攻め続けます」
■視聴方法(予定)
9月29日(日)
午後12時40分~U-NEXT
■Pancrase347 計量結果
<ライト級KOP選手権試合/5分5R>
[王者] 雑賀ヤン坊達也:70.15キロ
[挑戦者] 久米鷹介:70.3キロ
<ストロー級QOP選手権試合/5分5R>
[王者] ソルト:51.95キロ
[挑戦者] 藤野恵実:52.1キロ
<ウェルター級KOP選手権試合/5分5R>
[王者] 押忍マン洸太:76.95キロ
[挑戦者] 佐藤生虎:77.1キロ
<ライト級次期挑戦者決定/5分3ラウンド
葛西和希:70.55キロ
天弥:70.65キロ
<女子アトム級/5分3R>
SARAMI:48.05キロ
ホン・イェリン:47.75キロ
<バンタム級/5分3R>
井村塁:61.4キロ
カリベク・アルジクル・ウルル:61.65キロ
<ライト級/5分3R>
粕谷優介:70.7キロ
ホン・ソンチャン:70.5キロ
<女子フライ級/5分3R>
端貴代:56.65キロ
渡邉史佳:56.8キロ
<女子ストロー級/5分3R>
KAREN:52.1キロ
エジナ・トラキナス:51.9キロ
<フェザー級/5分3R>
糸川義人:65.9キロ
栁川唯人:65.95キロ
<ストロー級/5分3R>
野田遼介:52.5キロ
船田侃志:52.55キロ
<バンタム級/5分3R>
安藤武尊:61.45キロ
ギレルメ・ナカガワ:61.55キロ
<2024年ネオブラッドTフライ級決勝/5分3R>
岸田宙大:56.7キロ
山﨑蒼空:57.1キロ
<フライ級/5分3R>
時田隆成:56.95キロ
齋藤楼貴:56.95キロ
<バンタム級/5分3R>
友寄龍太:61.1キロ
渡邉泰斗:61.5キロ
【ONE FF】(全試合写真を追加)武尊がダウン喫するも逆転KO!ロッタンとバチバチのフェイスオフ、秋元皓貴がダウンを奪われ追い上げならず判定負け、小笠原瑛作が痛恨のダウン喫し判定負け、陽勇が判定勝ち、メインはスーパーボンが103秒ヒジ打ちKO、スアキムがダウン応酬https://t.co/dr6CFsOyYl
— ゴング格闘技 (@GONG_KAKUTOGI) September 27, 2024
▼メインイベント(第12試合)フェザー級(-70kg)ムエタイ 3分3R
〇スーパーボン(タイ/暫定フェザー級キックボクシング世界王者)
[1R 1分43秒 KO]※右縦ヒジ
דスモーキン”ジョー・ナタウット(タイ)
▼コー・メイン(第11試合)バンタム級 ムエタイ 3分3R
×ノンオ―・ハマ(タイ)
[判定0-3]
〇カムラン・ナバティ(ロシア)
▼第10試合 バンタム級ムエタイ 3分3R
〇ナビル・アナン(アルジェリア/タイ)
[判定3-0]
×ソー・リン・ウー(ミャンマー)
▼第9試合 バンタム級ムエタイ 3分3R
×スーブラック・トー・プラン49(タイ)
[3R 0分55秒 KO]※左フック
〇クラップダム・ソー・チョー・ピャッウータイ(タイ)
▼第8試合 ストロー級ムエタイ 3分3R
〇サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
[1R 1分22秒 KO]
×アクラム・ハミディ(アルジェリア)
▼第7試合 フェザー級ムエタイ 3分3R
〇シャドウ・シンハ・マウイン(タイ)
[判定3-0]
×モハメド・シアサラニ(イラン)
▼第6試合 キャッチウェイト(-63.5kg契約)ムエタイ 3分3R
〇スアキム・ソー・ジョー・トンプラジン(タイ)
[判定2-1]
×オーティス・ワグホーン(英国)
▼第5試合 キャッチウェイト(-60.32kg)ムエタイ 3分3R
〇ジャオスアヤイ・モー・クルンテープトンブリー(タイ)
[判定3-0]
×スリヤンレック・ポー・イェンイン(タイ)
▼第4試合 フライ級(-61.2kg)キックボクシング 3分3R
〇武尊(team VASILEUS/K-1三階級制覇)
[2R 2分47秒 KO]※左フック
×タン・ジン(ミャンマー)
▼第3試合 バンタム級(-65.8kg)キックボクシング 3分3R
×秋元皓貴(EVOLVE MMA/元ONEバンタム級世界王者)
[判定0-3]
〇イリアス・エナッシ(モロッコ/オランダ/元ONEフライ級世界王者)
▼第2試合 キャッチウェイト(59.87kg)ムエタイ 3分3R
×小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-REDフェザー級王者)
[判定0-3]
〇リッティデット・ソー・ソンマイ(タイ)
▼第1試合 フライ級キックボクシング 3分3R
〇陽勇(=ひゅう/TEAM3K/VENUM TRAINING CAMP)
[判定3-0]
×ユセフ・エサード(アルジェリア)
9月27日にタイ・ルンピニースタジアムで開催された『ONE Friday Fights 81』の試合結果。武尊がタン・ジンにダウンを奪われながらも2R逆転のKO勝ち。秋元皓貴と小笠原瑛作は判定負け。陽勇は判定勝ちしています。続きを読む・・・
<キック・フライ級/3分3R>
武尊(日本)
Def.2R2分47秒by KO
タン・ジン(ミャンマー)
まず右ローを蹴ったタン・ジン。武尊も右ローを返す。タン・ジンは左インロー、左を伸ばして右ローを蹴る。左フックで前に出たタン・ジンが、続いて右を当てる。さらに左をヒットさせるなど、序盤で精度の高いパンチを繰り出すタン・ジは低いガードから、素早いパンチを伸ばす。その動きに慣れたか、武尊もローから右を効かせ、ワンツーをかわす。しかし、ワンツーから左を被弾した武尊がダウン。立ち上がった武尊は反撃といえる反撃は見せられず、初回を落とした。
2R、初回と同様に低いガードからパンチを繰り出すタン・ジン。ローの直後に左ジャブを当てる。武尊は右ローから組み立てるが、舌を出して挑発したタン・ジンのワンツーに、真っ向から打ち合い右、左を入れてヒザを効かせる。コーナーに詰まったタン・ジンもパンチを振るうが、武尊はローから右を打ち込み、右フックをクリーンヒットさせる。動きが落ちたタン・ジンは、前蹴りでダウン。立ち上がったが腹をかばう構えのタン・ジンの顔面にヒザを突き上げた武尊は、左フックを被弾した直後に左右のフックを纏め逆転KO勝ちを決めた。
「応援ありがとうございました。 1R、フラッシュ気味でそれほどダメージはなかったです。負傷あとで、足を少し気にし過ぎました。これから修正していきます。思ったよりパンチがあったので、2Rより作戦を変えました」と武尊は勝利者インタビューでは話すと、ガッツポーズから拳を突き上げた。
と、ここでロッタンがリング上へ。「ロッタン、アイム・レディ。レッツファイト」と額を突きあせた武尊。「今日は簡単だったけど、俺と向き合うとこうはいかないぞ」と話したロッタンとハグをして別れた。
【写真】武尊と対戦するタン・ジンが顔に塗っているのは“タナカ”と呼ばれるミャンマーの伝統的な化粧だ(C)ONE
明日27日(金・現地時間)タイはバンコクのルンピニースタジアムにて開催されるONE Friday Fights 81の公式計量が行われた。
Text by Takumi Nakamura
通常よりも豪華なマッチメイクが並ぶ、通称テントポール大会となる今大会。日本からはONE2戦目となる武尊を筆頭に、元ONEキックボクシング世界バンタム級王者の秋元皓貴、ONEムエタイのベルトを目指す小笠原瑛作、ONE初参戦となる陽勇の日本人4選手が登場する。
4選手は無事に計量とハイドレーションテストをクリアし、対戦相手とのフェイスオフに参加。対戦相手がブランク・パンサーからミャンマーラウェイ出身のタン・ジンに変更となった武尊はタン・ジンと互いの前腕をかけ、睨み合った。ONEの公式リリースを通して、日本人4選手は以下の意気込みコメントを発表している。
武尊
「(対戦相手のタン・ジンは)すごく良い雰囲気を持っている選手だなと思ったし、強い男のオーラを感じたので明日は最高の試合になると思います。必ずKOで倒して勝つので応援よろしくお願いします」
秋元皓貴
「フェイスオフも終わって、相手のエナッシもすごく気合いが入っていた顔をしていたので、明日がすごい楽しみです」
小笠原瑛作
「相手も気持ちが入っていると思うので、良い試合になると思います。しっかりと来年までにONEのベルトにつなげるところ、その試合を明日見て欲しいなと思います」
陽勇
「(フェイスオフで)結構上から睨みつけられて、闘争心が湧きました。自分の攻撃をしっかり出して、相手を出させない、自分の攻撃だけ、やりたい試合をやります。明日、ONE1試合目、しっかり勝ってきます」
なお明日の大会では日本・タイでの中継スケジュールに合わせ、前半戦=第1試合~第4試合で日本人選手が戦い、後半戦=第5試合~第12試合にはタイ人選手の試合が並んでいる。
この後半戦もジャオスアヤイ・モー・クルンテープトンブリー×スリヤンレック・ポー・イェンインのONE FF激闘派対決に始まり、第6試合には元ルンピニー3階級王者のスアキム・ソー・ジョー・トンプラジンが登場。元ONEキックボクシング&ムエタイ世界ストロー級王者サムエー・ガイヤーンハーダオと欧州軽量級トップのアクラム・ハミディの第8試合に続き、第11試合には元ONEムエタイ世界バンタム級王者ノンオー・ハマがリングに立ち、大トリにはONEキックボクシング暫定世界フェザー級王者スーパーボン・シンハ・マウインとジョー・ナタウットの意外にも初対決、ムエタイルールの一戦が組まれた。日本人の試合でONE FFに興味を持ったファンの方には、是非継続して後半戦を見てもらい、ONEムエタイの現在を知っていただきたいラインナップだ。
■放送予定
9月27日(金・日本時間)
午後9時30分~U-NEXT
<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
スーパーボン・シンハ・マウイン:69.67キロ
ジョー・ナタウット:69.49キロ
<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ノンオー・ハマ:65.59キロ
カムラン・ナバティ:65.77キロ
<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ナビル・アナン:65.68キロ
ソー・リン・ウー:65.22キロ
<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
スーブラック・トー・プラン49:65.68キロ
クラップダム・ソー・チョー・ピャッウータイ:65.59キロ
<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
サムエー・ガイヤーンハーダオ:56.25キロ
アクラム・ハミディ:56.06キロ
<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
シャドウ・シンハ・マウイン:70.13キロ
モハメド・シアサラニ:69.49キロ
<ムエタイ・140ポンド契約/3分3R>
スアキム・ソー・ジョー・トンプラジン:63.41キロ
オーティス・ワグホーン:63.50キロ
<ムエタイ・133ポンド契約/3分3R>
ジャオスアヤイ・モー・クルンテープトンブリー:60.24キロ
スリヤンレック・ポー・イェンイン:60.15キロ
<キック・フライ級/3分3R>
武尊:60.96キロ
タン・ジン:61.05キロ
<キック・バンタム級/3分3R>
秋元皓貴:65.14キロ
イリアス・エナッシ:65.32キロ
<ムエタイ・132ポンド契約/3分3R>
小笠原瑛作:59.24キロ
リッティデット・ソー・ソンマイ:59.60キロ
<キック・フライ級/3分3R>
陽勇:60.69キロ
ユセフ・サード:60.87キロ
27日(金・現地時間)タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催される「ONE Friday Fights 81」にて小笠原瑛作がリッティデット・ソー・ソンマイと対戦する。
text by Takumi Nakamura
昨年8月のONE初参戦から約1年、小笠原はONE Friday Fights(ONE FF)で3試合を戦い、2勝(1KO)1敗と勝ち越している。また日本で主戦場になっているKNOCKOUTでもMMAグローブでのムエタイルールで2戦1勝1敗の成績を残しており、MMAグローブで戦うムエタイルール=ONEムエタイの先駆者と言ってもいいキャリアを積んでいる。
今回は武尊、秋元皓貴、陽勇の日本人3選手がキックルールで参戦する中、小笠原はムエタイルールで結果を残し、ONE王座への道を切り拓こうとしている。
――試合まで6日となりましたが、タイに入るのはいつですか。(取材日は9月22日)
「24日、火曜日の夜に入る予定です。ONE FF(ONE Friday Fights)は自分の試合で3回、仲間のセコンドで1回、合計4回行っているので、どういう流れで試合を迎えるかは分かっているし、試合までの調整にも慣れてきました」
――小笠原選手は昨年8月からONEに参戦していますが、大会の盛り上がりは感じていますか。
「そうですね。試合では負けてしまったんですけど、昨年末の大会(12.22ONE FF46)はテントポールと呼ばれるビッグマッチで、かなり盛り上がっているなと思いました」
――今回も昨年12月と同じテントポール大会ですが、こういった大会で試合できることはうれしいですか。
「他の時期・大会のオファーもあったんですけど、自分としては注目度の高い大会で目立って、最短距離でベルトに近づくことがベストだと思っていたので、この大会で試合が決まってうれしいですね」
――小笠原選手は昨年11月・12月と連敗していて、そこから今年4月・6月と連勝しています。連敗脱出となった4月ONE FF60でのソーンスックノーイ・FAグループ戦はプレッシャーもありましたか。
「正直、去年後半に連敗した時は、もう格闘技をやめようかなぐらい落ち込んでいました。そこから今年一発目の試合、4月のソーンスックノーイ戦は本当にプレッシャーもありました。でもそこをまた乗り越えられることが出来て、自分の中ではすごく大きな経験になったし、今は自分のために格闘技をやれているというか、今までキックボクシングやムエタイをやってきて、今が1番『この競技が楽しい!』と思ってできている時期かもしれないです」
――経験を積むという意味では3分3Rフルラウンド戦って勝ち切ったこともよかったのではないですか。
「やっぱりトップファイター同士の試合になると、倒しきるということが難しくなるんですけど、そのなかでもしっかり勝つことは大事で、倒すだけじゃなくて勝つために頭を切り替えることも必要です。そういう部分は今までの自分になかった部分で、成長できたかなと思います」
――6月のKNOCKOUT代々木大会ではONEの常連ファイターでもあるデーングリアングライ・シンマーウィンとの対戦でした。(小笠原の判定勝利)
「あの試合は4月からの継続という意味ではないですけど、 4月・6月と繋がって出来たところはすごい良かったですね。過去に自分が勝ったり負けたりしているムエタイ選手たちがONEでいい試合をしてボーナスをもらったり、チャンピオンレベルの選手と絡んでいる姿を見ると、自分の実力がどういうレベルなのかも分かりますし、6月に対戦したデーングリアングライはONEで名前がある選手でしたけど、そこと比べて自分のレベルが劣っているとは思わなかったし、そこで勝ち切れたことも自信になりました」
――また小笠原選手はONE参戦以降、MMAグローブでしか試合をしていないんですよね。
「そうなんですよね。最初は何がなんだか分からない感じMMAグローブで試合をやっていた部分もあったんですけど、試合と練習を繰り返すうちに、小さいグローブの特徴、戦い方の変化、気を付けなければいけないポイント……自分の中でしっくり来るようになりましたね」
――普段の練習でもMMAグローブがメインなのですか。
「その時々で使い分けていますね。MMAグローブは拳の負担が大きいので、例えば試合で拳を痛めてしまったら、拳を守るために通常のボクシンググローブでミット打ちをやって、対人練習で軽くMMAグローブを使って試合をイメージして…ですね」
――今回対戦するリッティデットにはどんな印象を持っていますか。
「身長は僕よりちょっと大きくて、パンチも伸びてくるし、蹴りも伸びてくる。上手い選手だけど気持ちが強いファイターなんで、打ち合って倒すこともあれば倒されることもあるみたいな。そういう強引さもあるファイターだなと思います。決して楽な相手ではないし、思っている以上に強い選手だと思っています」
――試合映像を見ても勝っても負けても面白い試合をする、いわゆるONEらしい選手だなと思いました。
「そうですよね。盛り上がるファイトをするなという感じがあります」
――ONE FFにはリッティデットクラスの選手がゴロゴロいるわけで、ここを勝ち抜いていかなければいけません。どんな試合で勝ちたいと思っていますか。
「相手の長い距離の攻撃をしっかりディフェンスして、自分がもらわないことを第一に考えて、その中で攻撃を合わせて、どこかのタイミングでいい攻撃を当てて倒せればいいなと思っています」
――例えば一か八かの打ち合いではなく、ちゃんと攻防して勝ちたいですか。
「言い方は難しいですけど、パンチをブンブン振り回して当たったらラッキーみたいな試合をしていたら、自分が目指すところにはいけないと思います。僕はもっと高いレベルの試合をして、ONEのベルトを巻くことが目標なので、そこに繋げる道筋を作るのであれば一発狙いみたいな戦い方は考えてないです」
――6月のデーングリアングライ戦の際にはKNOCKOUTの山口元気代表が「(小笠原)本人がONE王者になりたいと希望している。KNOCKOUTとしてもONEに快く送り出したい」と小笠原選手のONE王座への挑戦をバックアップする姿勢を見せていました。そこは小笠原選手にとっても大きかったのではないですか。
「そこは本当に大きいですね。僕はずっとKNOCKOUTを主戦場にしていて、KNOCKOUTを大きくしたいという気持ちを持って戦ってきました。その一方で心の片隅のどこかには、世界最強の選手たちがゴロゴロいる場所でベルトを獲りたい気持ちもあったと思います。そういう気持ちもあったなかで山口さんから『ONEのベルトを獲りに行ってこい』と背中を押していただいて、そこで自分の目標や目指すものがはっきりして、自分がやりたいことをやらせてもらっている感じがあります」
――小笠原選手も50戦以上やってきて、どこに目標を置くかを悩んでいた部分もあったかと思います。
「KNOCKOUTを大きくするという目標を作って、実際にKNOCKOUTは大きくなっているし、盛り上がってはいるんだけど、じゃあどこがゴールなのかと言われると、明確に見えない部分があるわけじゃないですか。もしかしたら武尊選手もそうだったのかなと思うことがあって、武尊選手もK-1を大きくしようと思って試合をしていて、その目標は徐々に叶っていったと思うんですけど、一格闘家としてのゴールというか、目的地が定まっていないと、どうしてもモヤモヤしてしまう部分はあると思うんです。そこで武尊選手はONEのベルトという目標があって、僕自身も今そこを目指して戦っている。やっぱりそこがはっきりしたことは本当に大きいです」
――昨年8月にONEに初参戦&MMAグローブの試合に初挑戦した時はここまで広がるとは思っていなかったですよね。
「本当にそうですね。去年連敗した時に辞めなくて良かったなと思います」
――ONEに参戦する選手も増えていますが、ムエタイルールでは小笠原選手が第一人者と言ってもいい位置にいると思います。
「ONE FFは毎週大会があって、日本人選手が出るチャンスも増えていますけど、ONEのスタッフはすごく格闘技のことを知っていて、僕のことも評価してくれているんだなと思います。僕はずっとタイ人と試合が組まれていて、タイ以外の外国人選手を当てられるのとは意味合いが違うと思っているし、求められているものも違うと思っています。これからもしっかりベルトに向かって、確実に勝ち続けていくことが大事かなと思います。自分がONEでベルトを目指せる選手だというところを見せていきたいです」
The post 【ONE FF81】ムエタイルール4戦目へ、小笠原瑛作「ベルトを目指せる選手だというところを見せたい」 first appeared on MMAPLANET.【写真】元キックボクシング王者対決を制して、連敗脱出を目指す秋元(C)TAKUMI NAKAMURA
9月27日(金・現地時間)タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催される「ONE Friday Fights 81」にて秋元皓貴がイリアス・エナッシと対戦する。
text by Takumi Nakamura
Evolve MMAプロ部門の事実上の解散により、日本に活動拠点を移し、POWER OF DREAMで練習を続けている秋元。その初陣となった5.4ONE Fight Night22でのウェイ・ルイ戦はウェイ・ルイのアウトボクシングにポイントが入る形で敗北を喫したが、自身のパフォーマンスには手応えを感じた。
練習環境を変えて挑む2戦目の元ONEキックボクシング世界王者エナッシで、豪華対戦カードが並ぶ今大会のなかでも注目のマッチアップとなった。この一戦に向けて秋元は「エナッシが嫌なことをやって、エナッシの良さを消す」と2022年3月以来となる勝利への執念を口にした。
――前回5月のウェイ・ルイ戦は判定負けという結果でしたが、秋元選手が勝ったという声も多かった試合です。秋元選手も試合後に色んな想いがあったと思いますが、あの試合を振り返ってもらえますか。
「やっぱり自分の中では、もっともっとできたという気持ちはあるんですけど、しっかり仕事はできたのかなというか。自分がやることはできたと思っていたので、結果として判定で向こうに上がってしまったっていうのはすごく残念でした」
――試合後に判定や再戦についてSNSでも発言されていましたが、実際にONEのスタッフと話をする機会はあったのですか。
「ONEのスタッフを通じて、ONEに対して判定に対する抗議だったり、どうにかなりませんかという話はしました。どちらかと言うとリマッチに関してですね。正直、判定結果が変わるのは難しいと思っていたので、リマッチできないかということだったり、そうした動きをした方がいいのかなと思って、普段はやらないことなのですが、少しだけやりました」
――ご自身のパフォーマンスという部分ではどんな手応えがありましたか。
「POWER OF DREAM(POD)にきて最初の試合ということもあって、本当に一から作り直した部分もありました。それが一発目にしてはできたのかなとは思うし、出来としてはそんなに悪くはなかったと思います。ただもっともっと改善点だったり、やれることがあったかなと感じています」
――PODで練習→試合をやってみて、ご自身の中でのファイトスタイルの変化やどういった部分でレベルアップしたと感じていますか。
「本当に色々あるんですけど、また今回は前回とは違うスタイルで今はトレーニングしていますし、練習する相手によって色々と変えながら。PODに行ったから、PODのスタイルのなかで僕のスタイルを確立するというよりは、色んなことをやりながら、目の前の相手に対して何が一番いいのか?をやっていければなと思っています。そのうえでPODはパンチが強いジムなので、パンチ力は純粋にかなり上がったと思います」
――色んな選択肢があった中でPODを拠点にしようと決めたのは、学ぶものが多かったり、ここで強くなれるという実感があったからですか。
「そうですね。ここでならもう1回やれるんじゃないかと思ったのが、PODを選んだ理由です」
――秋元選手から見てPODの古川誠一会長の指導にはどんな特徴的があると思いますか。
「古川会長は格闘技だけでなく、色んな競技・スポーツのコーチやトレーナーの経験があって、格闘技でも相撲を教えられていたり、すごく頭が柔軟だなと思います。キックボクサーだからこうじゃなきゃいけないとか、そういう固定観念みたいなものが全然ないというか。そういう姿勢に学ぶことも多いですし、いろんな競技・スポーツのいいところを総取りするというか、そういったところが魅力だと思います」
――練習中に古川会長と話すことも多いのですか。
「もちろん自分から聞くこともしますが、どちらかというと僕の練習だったりマスだったり、スパーリングだったりを見て、こういう動きをしていこうよとか、そういうアドバイスをいただくことが多いです」
――今大会では元ONEキックボクシング世界フライ級王者のエナッシと対戦することになりました。エナッシにはどんな印象を持っていますか。
「印象はシンプルに”強い”というのがありますね。あとはスピードが速くて、手足の使い方が上手い。そういった小さな技術ももちろんありますし、階級上げてきてパワーがかなりついているだろうなと思います」
――お互いに穴が少ないタイプだと思うので、どう攻略するかを双方練っていると思います。秋元選手はかなり戦略やプランを作っていますか。
「かなりそこは作っています。自分の中では倒せる技や、タイミングが合えば倒せるだろうなっていうところが何カ所かあるので、そういったところをしっかりと狙って。あとは逆に自分がもらわないように意識してやりたいなと思います」
――以前インタビューさせてもらったときに、秋元選手はOFGのムエタイではなく、グローブでのキックボクシングルールにこだわりやプライドを持っていると感じました。エナッシとはハイレベルなキックボクシングの試合を見せられそうですか。
「そうですね。ただ自分がいい動きをすれば、相手も絶対いい動きをしてくるので、いかにそうさせないかというところを意識しています。今回は泥臭くというか、エナッシの嫌なこと嫌なことをどんどんやっていきたいです」
――今回はそれだけ勝つこと、結果を出すことにこだわっていますか。
「はい。エナッシにとって嫌なことをしていくことで、エナッシにフラストレーションが溜まって、動きが大雑把になると思うので、そういったところを狙っていきたいと思っています。今回はエナッシのいいところを消せるように頑張りたいです」
――いい意味でかみ合わせない、と。
「そうですね」
――そして今大会はONE Friday Fightsシリーズの中でもテントポール大会と呼ばれる通常よりも豪華なマッチメイクが並ぶ大会です。この日は日本はもちろん、タイでも大きく盛り上がりそうな興行ですよね。
「チケットもすぐ完売したみたいですし、かなり会場も盛り上がると思います」
――日本人からも秋元選手以外に武尊選手、小笠原瑛作選手と合計3選手が出場します。(※取材後に陽勇の参戦が決定)そういった形でONEでも日本人選手が増えています。秋元選手の中では仲間でもあり、いい意味で切磋琢磨するライバルという気持ちもありますか。
「そうですね。最終的には個人競技なんで、言い方は難しいですが、完全な仲間ではないと思うんですよ。おそらくないとは思いますが、もし武尊選手が階級を上げることになれば試合をする可能性もあるわけで、そういうことになれば、もちろん僕は戦いますし、僕が階級を上げる・下げることになったら、その階級の選手とは誰とでも戦う可能性があると思います。もちろん同じイベントに出るという意味で応援はしていますけど、もしかしたらいつか戦わなきゃいけないかもしれないというのは常に頭に入れています」
――日本でも多くの人がこの大会を見ると思うのですが、そういった中で秋元選手は自分のどんな姿を見せたいと思ってますか。
「ずっとONEを見てきた日本のファンの方ももちろんいると思いますし、もともと武尊選手やK-1を見ていてONEはあまり見ていないという方、小笠原選手やKNOCKOUTは見ていたけどONEは見てないという方もいると思います。今回のONEはどの試合もレベルが高いですし、エナッシも相当強いんで、かなりレベルの高い試合を見せられると思っています。その中で自分がいかに目立てるかが重要だと思っています」
The post 【ONE FF81】約2年半ぶりの勝利へ。秋元皓貴「今回は泥臭く、エナッシにいい動きをさせない」 first appeared on MMAPLANET.初代K-1 WORLD GP女子フライ級(52kg)王者KANAのONE Championship参戦が発表された。
text by Takumi Nakamura
KANAは新生K-1の女子部門をけん引し、2019年12月に初代女子フライ級王座決定トーナメントで優勝。新生K-1の女子王者として海外の強豪と戦い続けてきたが、2023年12月にアントニア・プリフティに敗れて王座陥落となり、それ以降は試合から遠ざかっていた。
KANAは「ONE168」の解説席にサプライズゲストとして登場し、ONE参戦に向けて「今日からONEアスリートのKANAです。新しい舞台で挑戦することになって、新鮮な気持ちですごく楽しみです。(参戦ビジュアルを見て)気分が上がりますね。ワクワクします」とコメント。「キック人生で戦いたい相手がONEにいて集大成としてどこまでいけるか挑戦したい。ベルトを巻けるように頑張っていきたい」と語っている。
解説席でKANAと並んだ野杁正明からも「武尊くんに続いてONE参戦することになって、KANAちゃんも一緒に戦えることになってうれしい。みんなでベルトを獲りたい」とメッセージを送った。
現時点ではKANAのONEデビュー戦の日時は発表されなかったが、KANAは新生K-1時代からONEに参戦中のアニッサ・メクセンとの対戦を熱望しており「キック人生で戦いたい相手」の一人はアニッサで間違いないだろう。KANAのONEでのキャリア、そして集大成ともいえる挑戦に注目したい。
The post 【ONE】元K-1王者KANAがONE参戦を発表、アニッサ・メクセン戦は実現なるか? first appeared on MMAPLANET.【写真】6月のゴントーラニー戦ではワイクルーを披露したスーパーレック。自身にとってはキックとムエタイの2冠をかけた、全米進出となる一戦だ (C)ONE
6日(金・現地時間)、コロラド州デンバーのボール・アリーナで開催される「ONE 168: Denver」にて、スーパーレック・キアトモー9がジョナサン・ハガティーの持つONEムエタイ世界バンタム王座に挑戦する。
Text by Takumi Nakamura
フライ級でキックボクシング王座を保持し、一階級上のバンタム級にチャレンジして階級をまたいでのキック・ムエタイの2冠達成に挑むスーパーレック。ハガティーとはONE参戦前のい2018年10月にムエタイイベントYOKKAOで対戦し、スーパーレックがカットによるドクターストップで勝利を呼び込んだ。
戦う舞台とお互いの立場を大きく変えての再戦を前に、スーパーレックはKO勝利を予告。前回の試合を踏まえて「判定になると色々と疑問を口にする人たちもいるから、そうさせないためにも明確に倒して勝つ」と完全決着を誓う。
――今回は試合会場がデンバー、いわゆる高地での試合となりますが、コンディションはいかがですか。
「フライトが長かったので、その疲れは多少あるけど基本的にフィジカルもメンタルも問題ない(※取材はデンバー到着後に実施)。デンバーが高地ということで、そのためのトレーニングもやってきたし、準備は万端だよ」
――スーパーレック選手はキックボクシングのタイトルを保持していて、今回はムエタイでのタイトル挑戦になります。6月のONE Friday Fightsで久々にムエタイでの試合を行ってゴントーラニー・ソー・ソンマイに判定勝利していますが、あの試合を振り返っていただけますか。
「久しぶりのムエタイルールだったことは確かだけど、僕はずっとムエタイをやってきたし、何か難しいと思うようなことはなかった。むしろハガティー戦がすでに決まっていたから、この試合に向けてムエタイだけにフォーカスできたことは大きかったと思う」
――キックルール(ヒジ・ヒザがない)をやったことで、ムエタイをやるうえでプラスになったことはありますか。
「すごくフットワークが良くなったと思うし、キックル―ルをやる前の僕はほとんどパンチを使わないファイターだったんだ。でもキックルールをやるためにパンチをかなり練習して、よりパンチを使えるファイトスタイルになったことは大きな変化だと思う」
――今回はキックに続いてムエタイのベルトを狙うことになりました。いずれはONEのムエタイのベルトを巻きたいという気持ちはあったのですか。
「やっぱり僕はずっとムエタイをやってきた人間だから、ムエタイルールのベルトをかけて戦えることはうれしい。僕の一番のゴールはムエタイルールのチャンピオンになることだから、そのチャンスが来たことは本当にうれしいよ」
――今回はバンタム級での試合ですが、階級を上げるわけではなく、今後はフライ級でも試合は続けていく予定ですか。
「もちろん。僕はフライ級のキックボクシングのチャンピオンだから、この試合を終えたらフライ級でも戦っていくつもりだ。この試合に勝てば2階級、違うルールのチャンピオンとして、それぞれの階級とル―ルで戦っていこうと思っている」
――対戦相手のハガティーとは2018年10月にYOKKAOで対戦して、スーパーレック選手がTKO勝利しています。ファイターとしてどんな印象を持っていますか。
「ハガティーは本当にいい選手で素晴らしい選手だと思う。そして以前戦った時よりもかなりレベルが上がっていると思う」
――ハガティーはとてもテクニカルで穴がない選手ですが、ムエタイのトップのスーパーレック選手から見ても、彼はテクニカルで上手い選手ですか。
「おっしゃる通り、僕も同じ意見だね。ただスキルという部分で言えば、彼と同じレベルの選手はタイにはたくさんいるよ」
――オフィシャルの事前インタビューで「今回はKOを狙う」とコメントしていましが、特に今回そう思った理由はなんですか。
「やっぱりKOは分かりやすく自分の勝ちを証明できるものだからね。判定になると色々と疑問を口にする人たちもいるから、そうさせないためにも明確に倒して勝つ。今回はそこを目指しているよ」(※前回の対戦ではカットにTKO決着で、試合後に会場からはブーイングも起きていた)
――スーパーレック選手にとって米国での試合は今回が初めてです。米国のファン、全世界のファンに自分のことを知ってもらいたいですか。
「米国で試合することは前から夢に見ていたことで、ずっと米国で試合をしたいと思っていた。この試合を通して自分のムエタイのスキルを米国の人たちに見せたい。ベストを尽くすよ」
――スーパーレック選手は武尊選手と戦ったことで日本での人気や知名度も上がっています。ぜひ日本のファンにメッセージをいただけますか。
「いつも応援ありがとう!また必ず日本に行くし、次日本に行くときにはムエタイルールで試合をして、僕のムエタイをみなさんにお見せしたいと思います。(日本語で)アリガトウゴザイマス!」
■放送予定
9月7日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT
MMAからの引退を表明した朝倉未来がCEOを務めるBreakingDown。9月1日に開催されるBreakingDown 13のオーディション動画が朝倉のYouTubeチャンネルで公開されました。
その中で参加者の1人が「素手ルールで試合しに来ました。素手で本物の殴り合い、ど突き合い、出来たらいいなと思っています。応募する時点でそれが出来ないのであれば落としてくれて構わないと書いたから、運営もここに呼んでいる時点で出来るんでしょ、素手で。もしくはやって欲しいんでしょ」と発言。別の参加がそれに呼応すると朝倉CEOは「1回試験的にやってみますか、ベアナックル」と了承しました。
BreakingDown初のベアナックルファイト。いやいやいや、悪い事は言わないから止めておきなさいと。先日の超RIZIN.3で行われたベアナックルファイトルールでパンチ一発で鼻が折れた場面は戦慄が走りましたもん。鼻が折れたであろう「パキッ」という渇いた音は妙に耳に残っています。
プロ同士の対戦でもあれだけの衝撃。もし、アマチュア同士が素手で殴り合って大きな事故が起きても不思議ではありません。もし事故ったら格闘技業界全体がダメージを負うのは確実。それでBreakingDownが吹き飛ぶのは勝手ですが、既存の格闘技イベントが巻き添いを食らうのだけはまっぴらごめんです。
その過激さオラオラしたやりとりが生命線のBreakingDown。ベアナックルファイトに留まらず、再生回数を稼ぐため、PPVを売り上げるために、より過激な方向に傾倒し過ぎないかはどうしても不安が残ります。海外で注目を集めつつある2対1の格闘技戦など導入しないか本気で心配ですもん。
那須川天心×武尊を経て、朝倉未来×平本蓮ではさいたまスーパーアリーナのスタジアムバージョンを満員にするほどRIZINの人気が高まり、平良達郎のUFC王座挑戦が目前に迫っている現在。盛り上がりはピークと言っても過言ではありません。それだからこそ、守るべきものは守ってもらえたらなと。
PRIDEの人気が絶頂だった時でさえ、黒い噂が蔓延してから消滅に至るまではあっと言う間でしたもん。あの喪失感と言ったら。。。もう味わいたくはありません。せっかくここまで人気が盛り返した今だからこそ、一歩立ち止まって考える勇気を。