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【Gladiator018】笹晋久を迎え撃つ元バンタム級王者の竹本啓哉「ストライカーに使う道具は決めている」

【写真】計量後に並ぶ両雄。グラップラーの竹本とストライカーの笹、好対照の勝負は果たして……(C)SHOJIRO KAMEIKE

26日(日)に大阪府豊中市の176Boxで開催されるGladiator018のセミファイナルで、元バンタム級王者の竹本啓哉が、初参戦の笹晋久を迎え撃つ。
Text by Shojiro Kameike

竹本啓哉は25日に行われた計量で、1回目は50グラムオーバー。計量失敗で王座を手放したこともあるだけに不穏な空気も漂ったが、2回目にしっかりとリミットをパスしている。ここ数年はグラジエーターを中心に戦い、一度はベルトを巻いている竹本にとって、これまで修斗やDEEPで試合を行ってきた笹はどのような存在なのだろうか。計量直後、笹戦への意気込みを訊いた。


――先ほど計量が行われ、2回目でクリアしました。今回は減量がキツかったのでしょうか。

「いえっ、そんなことはないです(汗)。体重に関しては前にやらかしてしまっていたので、ずっと気を付けています。今回はたまたま、というか……」

――試合前にお聞きすることではないかもしれませんが、コンディション面も含めてバンタム級ではなくフェザー級で戦うという選択肢はないのですか。

「はい、バンタム級でやりたい相手がいます。僕は結構、一度負けた相手に対して根に持つタイプなので(苦笑)」

――一度負けた相手というと……。

「具体的に言うと渡部修斗君や土肥“聖帝”潤選手、手塚基伸選手は機会があれば、もう一回やりたいと思っています」

――今回の減量を通じてコンディションには何か影響はありますか。

「コンディションはいつもと変わらないですね。最終的に計量をクリアできれば、それほど影響はないです」

――ここ2試合の内容については、いかがですか。

「出力しきれていなかったように思います。前回の江田戦は、想定より江田選手のグラップリング力が高くて。あとは調子に乗ったスイープを仕掛けて失敗したとか、戦略的なミスがありました。

ケージ際で潜りスイープを狙いまして、完全にいらんことしたなと思いました(苦笑)。途中までは完全に優位に進めていたのですが、潜りスイープ失敗からの江田選手のトップコントロールが巧くて。僕は二重絡みで動きを止めてしまって、そこから試合が止まってしまったのは良くなかったです」

――最近は竹本選手スタイルも研究されているのでしょうか。

「あぁ、そうかもしれないです。だからケージ際で余計なことしちゃったのかな……」

――竹本選手が目指す試合とは、どんなスタイルなのですか。

「組み勝つ試合ですね。ドミネイトしつつ。コントロールしながら最後は一本を取りたい。リスクを冒して取りにいくよりは、詰めて詰めて取りにいくという試合です」

――では今回の対戦相手、笹選手の印象を教えてください。

「力が強いですね。試合映像を見ると、だいぶ力が強い相手だと思いました。僕もあれだけ打撃でガツガツやってくる選手と試合をしたかったんです。打撃が強い相手を組み伏せる試合をやりたくて。組みが強い選手同士が戦ったら、それは組みが強いほうが勝つんですよ。組みが強い選手と打撃が強い選手でどっちが勝つのか、っていう。PRIDE世代なので(笑)」

――江田選手のようなグラップラーと、笹選手のようなストライカーとでは、試合プランも変わってきますか。

「ストライカー対策も準備してきています。もともとストライカーとは、こう戦うというプランを持っているんです。使う道具を決めているというか、その中で相手のスタイルによって使う道具を決めます」

――一方、笹選手は打撃中心のファイターではありますが、組みの強さもあります。

「組みの強さはどうなのか、それは気になっています。正直それが分からないし、楽しみですね。笹選手はこれまで、いかにもグラップラーっていう選手とは対戦していないじゃないですか。僕のように偏っているグラップラーとは試合していないので、どうなるのか僕自身も楽しみです」

――これまで竹本選手は首都圏以外、特にここ数年はグラジエーターを中心に戦い、一度はベルトも巻きました。対する笹選手は修斗とDEEPで戦ってきた選手ですが、ここで竹本選手に勝てば、いきなりベルト挑戦もありうるカードだと思います。

「そうですよね。僕もこの試合に勝ったら、次はタイトルマッチをやりたいです。もう一度ベルトを巻きたい。前回は不手際でベルトを失ってしまい、悲しい気持ちになりました。神田(T-800周一)君も、僕とまた試合がしたいと言ってくれていて……」

――MMAPLANETのインタビューでも、神田選手から竹本選手へのメッセージが続いています。

「アハハハ、本当に嬉しいです。僕も神田選手のことは戦友だと思っているので」

――では今回、どんな試合をしたいですか。

「Fist or Twist(拳か関節技か)です! よろしくお願いいたします」


■Gladiator018計量結果

<フェザー級/5分2R>
原口央(日本):65.65キロ
中川皓貴(日本):65.85キロ → 65.80キロ

<バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本):63.55キロ → 63.50キロ
笹晋久(日本):63.10キロ

<フォークスタイルグラップリング72キロ契約/5分2R>
森戸新士(日本):71.30キロ
河名マスト(日本):71.15キロ

<コンバット柔術バンタム級/10分1R>
松本一郎(日本):59.75キロ
江木伸成(日本):60.00キロ

<フェザー級/5分2R>
天草ストロンガー四郎(日本):66.60キロ → 66.05キロ(250グラムオーバー)
島村裕(日本):65.55キロ

<フェザー級/5分2R>
左海清之(日本):65.60キロ
TATUMI(日本):65.65キロ

<バンタム級/5分2R>
ゆうと(日本):59.80キロ
丸山幹太(日本):60.15キロ

<フライ級/5分2R>
坪内一将(日本):56.00キロ
御代川敏志(日本):56.65キロ

<ライト級/5分2R>
八木敬志(日本):69.50キロ
中園優太(日本):69.35キロ

<バンタム級/5分2R>
フェルナンド(ブラジル):61.15キロ
秋田良隆(日本):61.10キロ

<ウェルター級/5分2R>
森井翼(日本):76.80キロ
成田佑希(日本):75.65キロ

<フェザー級/5分2R>
桑本征希(日本):65.95キロ → 65.40キロ
入江一輝(日本):65.20キロ

<フライ級/5分2R>
宮川日向(日本):56.40キロ
秋元強真(日本):56.65キロ

<ライト級/5分2R>
後藤丈季(日本):69.85キロ
前田啓伍(日本):69.40キロ

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【Gladiator018】計量終了。コンバット柔術戦は「掌底によるKO率が高まる」(森戸)

【写真】プログレスのコンバット柔術ルール戦に出場する江木伸成。レオスでの掌底特訓の成果や、いかに(C)SHOJIRO KAMEIKE

25日(土)、翌26日に大阪府豊中市の176Boxで開催されるGladiator018の計量が、同市内のSMOKER GYMで行われた。

Text by Shojiro Kameike

5月7日HEAT50の生田誠戦に続き、江木伸成がコンバット柔術ルールで松本一郎と対戦する。
ここでは江木のチームメイトである森戸新士がインタビュー時に触れていた、江木とのコンバット柔術対策に関するコメントを紹介したい。

「コンバット柔術の試合は今回から判定が無くなったので(時間切れドローとなる)、一本かKOによる決着のみになります。さらに自分が立っていても相手が寝ていて、レフェリーがグラウンド状態とみなせば掌底もOKになり、KO率も高まると思います。ジムではグラジエーターのミドル級王者である藤井章太選手が、グラップリングをやりながら掌底のミットを持つ形で練習しています。相手の松木選手は下からグルグル動くと思いますが、そこに掌底を入れたいですね」

この他、WARDORGウェルター級王者の格闘DREAMERSにも参加していた八木敬志が、中園 優太とライト級で戦う。計量はともに一発でクリアした。
一方、この日は一回目の計量でクリアできなかった選手が続出。そのうち中川皓貴と竹本啓哉、桑本征希は2回目で契約体重をクリアしたが、天草ストロンガー四郎は250オーバーに。
第10試合の天草ストロンガー四郎と島村裕のフェザー級戦は実施されるものの、

  • 天草にイエローカード1枚
  • 島村が勝った時のみ公式記録となり、ドローあるいは天草が勝利した場合はノーコンテスト扱い

という形式で行われることとなった。


■Gladiator018計量結果

<フェザー級/5分2R>
原口央(日本):65.65キロ
中川皓貴(日本):65.85キロ → 65.80キロ

<バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本):63.55キロ → 63.50キロ
笹晋久(日本):63.10キロ

<フォークスタイルグラップリング72キロ契約/5分2R>
森戸新士(日本):71.30キロ
河名マスト(日本):71.15キロ

<コンバット柔術バンタム級/10分1R>
松本一郎(日本):59.75キロ
江木伸成(日本):60.00キロ

<フェザー級/5分2R>
天草ストロンガー四郎(日本):66.60キロ → 66.05キロ(250グラムオーバー)
島村裕(日本):65.55キロ

<フェザー級/5分2R>
左海清之(日本):65.60キロ
TATUMI(日本):65.65キロ

<バンタム級/5分2R>
ゆうと(日本):59.80キロ
丸山幹太(日本):60.15キロ

<フライ級/5分2R>
坪内一将(日本):56.00キロ
御代川敏志(日本):56.65キロ

<ライト級/5分2R>
八木敬志(日本):69.50キロ
中園優太(日本):69.35キロ

<バンタム級/5分2R>
フェルナンド(ブラジル):61.15キロ
秋田良隆(日本):61.10キロ

<ウェルター級/5分2R>
森井翼(日本):76.80キロ
成田佑希(日本):75.65キロ

<フェザー級/5分2R>
桑本征希(日本):65.95キロ → 65.40キロ
入江一輝(日本):65.20キロ

<フライ級/5分2R>
宮川日向(日本):56.40キロ
秋元強真(日本):56.65キロ

<ライト級/5分2R>
後藤丈季(日本):69.85キロ
前田啓伍(日本):69.40キロ

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【Gladiator018】森戸新士とグラップリング戦、河名マスト「5分✖2R、空調の音が聞こえるような試合に」

【写真】こんな攻防も見られないかもしれない……かも (C)SHOJIRO KAMEIKE

26日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGladiator018で、河名マストが森戸新士とPROGRESS提供フォークスタイルグラップリング戦で激突する。

グレコのU23世界王者から、MMAに転向し9カ月で5勝1敗の戦績を残し、グラップリングでも1勝を挙げている河名は、海外でのキャリアアップを模索しており、ひょっとすると国内で彼の雄姿を見る機会は今後、あまりないかもしれない。

MMAでなく、グラップリングだから受けたという森戸との一戦だが、グレコ✖柔術の手に汗握る攻防を期待しているファンは肩透かしを食らうかもしれない。だからこそ、一瞬・一瞬が見逃せない試合になる──かも。そんな森戸との試合について、河名に尋ねた。


──3日後にGladiator内Progress提供のフォークスタイルグラップリング戦で森戸新士選手と戦います(※取材は6月23日に行われた)。72キロという契約体重に関しては?

「前日計量ですけど、ほぼ通常体重で減量もなく試合に出ることができます」

──4月のPOUNDSTORMではキャリア6戦目、まだデビューから9カ月ですが、修斗のランク1位である山本健斗デリカット選手に勝利しました。その後、MMAでの照準はどこに当てていたのでしょうか。

「国内である程度の選手は倒せたので、可能であれば海外で試合をしたいという方向性でいました。いましたというか……います」

──では国内でベルトを狙うとかではなく、日本での活動は一区切りすると?

「ハイ。それぐらいの気持ちでいます。できることなら、早く海外で試合をしたいです。簡単ではないのですが、最終的にはUFCでやりたいと思っているので、LFAとかこよみさんと話してBRAVE CFなどで戦ってみたいです。先につながる場所で試合ができればと」

──となると、国内で河名選手の試合を見ることがデキたのはデビュー初年度だけだったのいかもしれないです。

「あぁ……そうかもしれないです」

──先日、Road to UFCが開催され、その松嶋選手や盟友の中村倫也選手が初戦を勝ち抜いています。倫也選手はデビューの日が同じで戦績は倍ありますが。

「さすがに、まだ僕に機会が巡っているタイミングではないと思っているので、自分ごととしては捉えていなかったです。まだ早い、やるべきことはあります」

──ではそのタイミングで組み技の試合のオファーがきて、受けたというのは?

「断る理由はなかったです。これまでハイペースで試合をしてきて、やっぱり試合がある方が練習にも身が入ります。生活も滾るので。MMAは海外で戦いたいのですが、グラップリングだったので即、受けました。試合を受けるのは当然の感覚のようになっていますし」

──ではクラップリングで森戸選手と戦うことに関して、どのように思っていますか。

「本当に戦う機会がある選手とは思っていなかったです。試合を受けてからプログレスの同じルールの試合をチェックすると……、ケージレスリングもちゃんとできて引き込むとしっかりと極める。強い……完成度の高い良い選手ですね」

──ケージで戦うポイント制のグラップリングルール。引き込みはテイクダウンと同様の2Pで、ひっくり返すと2P。立ち上がって離れると、1P挽回というルールに関してはどのように思いますか。

「ケージだと逃げ場がないですよね。危ないシーンで、注意を受けようが場外に出るという手段がとれないので、ケージの存在は僕にとってアドバンテージではないです。ポイントに関しては森戸選手もインタビューで言っていましたけど、レスリングに付き合うことはないでしょうね。付き合っても森戸選手に得はなくて、自分にとってはその方が得だけになるので。

だから引き込んでくることは間違いないでしょうね。そういうことを考えると、引き込まれた時に自分がどう捌くことができるか。言ってみると、そこだけが勝負だと思います」

──プログレスのフォークスタイルグラップリングは、MMAファイター同士だと打撃のないMMA、フォークスタイルレスリングにサブミッションが加わったモノになるかと思います。ただし、レスリング出身のMMAファイターと柔術家が戦うと、まさに接点は河名選手が言われたその一点になるかと。

「ハイ。上を取って優位になるのはMMAだからであって。グラップリングではそうではないです。森戸選手からすれば上を取られていても、関係なくて心理的な余裕があるはずです」

──では河名選手の勝ち方とは?

「僕が勝つとすると、言い方は悪いですけどつまらない試合。森戸選手に何もさせないことです。何か起こると負けだと思っています。如何に極めに入れる状況を創らせないで、捌ききってガードの中に入らない。それが僕の勝利への道です」

──河名選手、ぶっちゃけて言ってしまいます。この試合、グレコMMAファイター✖柔術家の試合として注目を集めていますが、世間一般に言われている良い試合どころか、グラップリングに理解がある人が見ても面白いモノにならない。しょうもない試合を楽しめる人しか、楽しめない。そういうしょうもない試合になると自分は思っています。

「……。そこは自分もめっちゃ思っています(苦笑)。やっぱり、Unrivaledの時もそうなのですが、寝ころがっている相手に対して何もしないでいると、何もしない方が勝ってしまう。そういうルールです。噛み合うようで、噛み合わないです」

──おっしゃる通りかと。この試合が面白くなるのは、少しでも深く森戸選手が密着できるか。付き合わない河名選手にひっつき、ポジションやサブミッションの仕掛けをセットできるのか、その一点のみかと。そうでないと2-0が続くか、森戸選手が立ち上がって2-1に挽回。それからまた、引き込んで2点献上。さらに起き上って1点挽回という悪夢のループに陥る勝負になりそうです。

「そうなんです。2-1をずっと積みかさねていく。そうでないと2-0が続く(笑)」

──やはり、めっちゃしょうもない試合になる(爆)。

「アハハハハハ。如何に仕掛けさせないか。過去2試合で森戸選手は三角絞めと腕十字を極めて勝っています。やはりMMAファイターのサブミッションの防御力って、パウンドがあることが加味されています。打撃なしで下になって押し込まれるのと、殴られる状態になるのでは心理状態が全然に違います。打撃がないから濱村(健)選手も、長田(拓也)選手も極められたと思います。だから、ガードの中に入らないように戦います」

──結果、面白くない試合になると(笑)。

「僕がすべきことはいかに跳ねない試合をするか、です」

──アハハハハ。指導者によっては「プロだから、リスクをおかしても取りに行こう。お客さんを納得させよう」という指示を出すかもしれないです。ただし、八隅さんは全くそんなことはないでしょうね。勝てば良い、と。

「そこも2人で『5分✖2R、空調の音が聞こえるような試合にしよう』と言っています(笑)」

──やはり(笑)。

「同時に僕としてはMMAだったら、森戸選手という日本最強の柔術家の技を体感できることはなかったと思っています。特に練習でなく、試合という緊張感があるなかで触れあうのは違いますし。今後あるかどうかも分からない。森戸選手と肌を合わすことができるのは凄く良い経験、貴重な経験になると思っています」

──ハイ。だからこそ、一瞬でも河名選手の頭が下がったり、おかしなところに手をつく。引き込まれた瞬間に河名選手の足がどの位置にあるのか。そういうポイントが、実はもの凄く楽しみです。

「そうなんです。さっきも言いましたが、危ない場面を創ると、そこはもう手遅れになるので。際の動きが大切で。本当にガードの中に入ると、僕はもう詰んだ状態です。だから、その状態に絶対に入られないよう気を強く持つ必要があります。ヤバくなる前に逃げる。どれだけ5分2Rの間にそうできるか。この試合に向けての練習も、練習相手のことを考えないで自分のことを考えると、近づかないという動きに終始します。練習相手の人に申し訳ないなって思いながらやっています」

──ケージで良かったです。河名選手が最初に言われたように、マットよりも逃げる場所がないので。と同時にUnrivaledの村山大介選手との試合では、強烈なウィザー……オーバーフックで動きを制していました。あそこも実は不思議で。グレコはアンダーフックを取らせない争いが続くレスリングだと思うのですが、あの試合では言うと簡単に取らせていました。

「スタンドだと差されると、互いが立っているのでマット際に押し込まれる危険性が出てきます。だから、差させないように戦います。でもグラップリングで、背中をつけた相手が差してきても自分の後ろは天井まで空間が広がっているので危なくないです。天井まで押し込まれることは絶対にないですから」

──あっ、ではケージがあるからスタンドでは差させないということですね。一つ、楽しみが増えました。そんな森戸選手との一戦、見てくれるファンにどこを楽しんで欲しいでしょうか(笑)。

「う~ん、多分レスリングの場面、寝技の場面というより際ですね。レスリングは完全に僕が有利で、寝技は完全に森戸選手が有利です。その完全に有利なゾーンに入る際──倒れ際、立ち上がり際の一瞬、一瞬を見逃さないで見て欲しいです」

──そして、この試合が終わると海外のMMAへ舵を切ると。

「ハイ。早く良い話が発表できるようになりたいです」


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【Gladiator018】河名マスト戦へ、森戸新士─02─「倒されても2ポイント、引き込んでも2ポイント」

【写真】このように頭に触れることができるか。触れたら何が起こるか。そこからが楽しみな一戦だ(C)MMAPLANET

26日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGladiator018で、河名マストとPROGRESSフォークスタイルグラップリングルールで対戦する、森戸新士のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

ここでは河名マスト戦について語っているが、その中で意外な(?)事実が発覚! 何より本人が最も対戦を楽しみにしているような、森戸の河名マスト対策を訊いた。

<森戸新士インタビューPart.01はコチラから>


――河名マスト戦についてお聞きします。今回の試合順がセミ前となりました。

「知った時は驚きました。嬉しかったですね。グラップリングの試合で、セミ前にもってきていただけるなんて……。江木さんの試合(松木一郎とのコンバット柔術ルール戦)も、僕の試合の前に行われると聞いています」

――まず対戦相手が河名選手に決まった時は?

「オファーを頂いたのは5月でした。最初のお話では『東京からレスリングが強い選手を連れて来る』と聞いていたんです。そうしたら、本当にレスリングが強すぎる選手になって……まさか世界レベルの選手が来るとは(苦笑)」

――河名選手はU-23世界選手権王者ですからね。

「長谷川(賢)さんが、わざわざそう言ってくるということは、本当にレスリングが強い選手が来るんだろうなとは思っていました。前回対戦した長田(拓也)選手も強かったですし。河名選手の名前を聞いて、おっ来たなという感じです」

――対戦相手として河名選手の名前が挙がった時点で、河名選手の試合を見たことはありましたか。

「いえ、なかったです。それこそMMAPLANETのインタビューを読んだことがあるぐらいで。僕、そんなに格闘技業界について詳しくなくて……。最近の試合もMMAなので、どこまで参考になるか分からないですけど、オーバーフックが強い選手だと思います」

――ここまで世界的な実績を誇るレスリング出身選手と対戦した経験はありますか。

「いや、対戦経験はないですね。ただ、今は広島の藤田柔術に河名選手の元師匠のような方がいまして」

――そうなのですか! 考えてみると河名選手は広島県出身ですし、幼少期から河名選手のことを知っている関係者の方がいても不思議ではないですね。

「それが……シドニー・オリンピックの代表で、そのあと全日本チームのコーチを務めていた元木康年さん(注)なんです。元木さんがコーチだった時に、河名選手が世界ジュニアで3位になっています。元木さんは自衛隊にお勤めで、転勤で広島にいらっしゃったんですよ」

注)元木康年……シドニー五輪 グレコローマン63キロ級の日本代表。1996年と1998年に全日本選手権で優勝している。MMAファイターでは倉本一真が2014年、世界選手権レコローマン59キロ級に出場した際の全日本コーチだった。

――えっ!? 森戸選手が河名選手の元コーチと一緒に練習しているのですか。

「残念ながら一緒に練習したことはないんです。僕が広島で指導する日には来られておらず……しかも、もう広島から離れることも決まっていて。河名選手とは、実はそういう縁がある、というだけのお話でした(笑)」

――アハハハ、それでも不思議な縁には間違いないですね。

「元木さんに河名選手のウィークポイントを聞けないし、聞いてもさすがに教えてくれないでしょうし。もともとレスリングはどこかで教わりたいと思っていて、練習できるところを探していました。元木さんに教わっていればよかったですね。もう転勤されるそうなので。

もし試合当日、元木さんが僕のセコンドに就いていたら、河名選手もビックリするかもしれないですけど」

――その光景は見たかったです!

「レオスに通っている岩国の米軍の方にも、レスリングをやっていた方はいますが、さすがに河名選手レベルは……なにせ世界1位ですからね。でも、そういう人と試合で組むことができるのは楽しみです。ケージでのグラップリング、つまり相手の練習環境が一番強みとして出るルールで、如何にして柔術として切り抜けるか。

河名選手はレスリング出身で、グラップリングの経験がありますからね。ロータスで八隅(孝平)さんたちと練習していて、周囲に極めの強い選手もたくさんいますし。岩本(健汰)君とも練習しているじゃないですか。だから足関節に対応できるうえで、スタンドレスリングが世界レベル……。相手の戦場に乗り込んでいく気持ちです(苦笑)」

――その河名戦ですが、対策はできていますか。

「そこはもう試合の1週間前なので(※取材は6月17日に行われた)。こちらでもケージレスリングが強い摩嶋一整さんと組んで練習しているので、大丈夫です。もともと柔術をやっている人間として、グラップリングのポイントの駆け引きも自分のほうが経験は上だと思いますし。ただ、今回のようにスタンドレスリングの差がありすぎると、選択肢は引き込みに寄ってしまうのは仕方ないです。それでも極めて勝ちたいので」

――これまでの試合は、森戸選手がポイントで先行している状態で、引き込んで極めていました。それは引き込みにより相手へポイントが与えられ、さらに自身が極めることができなくてもポイントで勝てるからだったと思います。今回はスタンドレスリングから河名選手にポイントを先行されていても引き込むこともありますか。

「あります。相手はガッツリと組んで、ケージ際で固めてくるのが得意ですよね、僕がサブミッションを狙うのを、ケージ際で止めてくると思うんです。そこで僕が組みにこだわっても……レスリング世界一の組みを味わいたいですけどね。倒されても2ポイント、引き込んでも2ポイントと同じなので(笑)」

――違う意味でチャンスであると。

「アハハハ、そうですね。実際には5分2R――1回仕切り直しになるので、戦略的には早く引き込むこともありえます。残り2分もない状態で引き込んでから、ポジションをつくって極めまで持っていくのは、あのレベルの選手が相手では難しいと思いますし。むしろ早く自分のポジションを組み立てにいかないといけないですね。

どちらにしても、もともと戦略を立てるタイプではないし、組んでみないと分からないところはあります。でも今から楽しみにしています。そして、極めて勝ちます」


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【Gladiator018】プログレスFSGで河名マスト対戦、森戸新士が語る日本グラップリング界の分岐点

【写真】森戸新士の言には、信頼感が存在する(C)SHOJIRO KAMEIKE

26日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGladiator018で、森戸新士と河名マストがPROGRESSフォークスタイルグラップリング戦で激突する。

森戸はこれまで、Gladiatorで組まれるPROGRESSフォークスタイルグラップリングで2連続一本勝ちを収めている。今回のインタビュー前編では、柔術で全日本選手権を制する一方でグラップリングを研究するようになったきっかけ――2019年ADCCオセアニア&アジア予選と、その舞台で感じた世界のグラップリングについて語ってくれた。


――プログレスの試合に関するお話の前に、19日に豪州で開催されるADCCオセアニア&アジア予選にエントリーしなかったのは、何か理由があるのでしょうか。

「タイミングが合えば出たかったです。エントリーしていないのは、日本開催ではなかったことが大きいですね。豪州へ行こうと思ったら、自分の道場を1週間ぐらい空けなければいけないのですが、そのための人繰りがつかず……。

それと予選の開催延期が続いていて、シンガポールで開催されると発表されてからチェックしていたんですけど、いつの間にか6月19日に豪州開催が決定していました。僕がそれに気づくのが遅くて、準備が間に合わないと思いました。岩国と広島で道場を運営していて、すぐに身動きが取れる状態ではないので」

――なるほど。

「正式決定も、それほど話題になっていなかったですよね。僕もチェックしていたつもりではあったのですが、ちょうど同じ日に自分の道場で、女性とキッズ向けの柔術大会を開催することになっているんです」

――えっ、レオス主催の大会ですか。

「レオスと藤田柔術、それから江木(一郎、NR柔術)さん主催という形です。大人の男性も含めると人数も多すぎるので、今回は女性とキッズの大会にしています。外部の方も参加していただくオープンの形で、60名ほど参加してくれることになりました。うち30名ほどはレオス柔術の会員さんたちですが、広島、岡山、福岡からも参加者があります」

――それだけの規模の大会を開催するとなれば、なかなか動きづらいのは確かですね。

「そうですね(苦笑)。ただ、急きょ開催を決めたので、ずっとこの日にやろうと思っていたわけではないです。あとは7月24日に岩国市内の体育館を借りて、大人の男性も含めた柔術大会を行います。

選手にとっても大会が行われれば目指すものがあって、成長できると思います。JBJJFも今年は広島で大会を開催するのかどうか分からない状態で。キッズの大会に至っては全然なく、ドゥマウやSBJJFの九州大会や大阪大会に遠征していました。そこは協力できるよう、エジソン籠原さんと話をしていますが、それ以外に自分たちでも大会を開催しようと。他の大会よりも参加費の面では敷居を低くして、それでも利益は出るように設定して大会を継続できるようにと考えています」

――練習会だけでなく、大会も中国地方では岩国が中心になっていきそうですね。ADCCの話に戻すと、2019年の予選で森戸選手は77キロ級で初戦敗退という結果でした。いま振り返って、当時はグラップリングに対してどのような印象を抱いていたのでしょうか。

「ラクラン・ジャイルスと対戦して、インサイド・ヒールフックを極められて負けました。そのままラクラン・ジャイルスは世界大会の無差別級でヒールフックを極めまくって、一気に有名になったじゃないですか。そのヒールフックを体感できたことは、良い経験になったと思っています。

あの時はラクラン・ジャイルスが豪州から強い選手をたくさん連れてきていて、世羅(智茂)選手も66キロ級で負けていましたよね(準々決勝でジェレミー・スキナーに一本負け)。でも同じ階級では岩本健汰選手が足関節をバンバン極めていて……。そうした足関節の流れを初めて感じたのが、前回のオセアニア&アジア予選でした。その最先端の流れが日本ではあまり見られていなくて、世界大会を目指す強い選手が集まり、最先端の攻防を繰り広げてくれたという印象です。

僕も当時はギばかりやっていて、グラップリングについては最先端の技術を研究しきれていませんでした。そこから僕も足関節とか、グラップリングを研究するようになりましたね」

――当時は森戸選手の中で、ギの練習をしていればグラップリングでも通用するという考えがあったのですか。

「通用するというか、グラップリングの大会自体が少なかったんですよね。そのあとに勝村(周一朗)さんがZSTのグラップリング大会を開催したり、グラップリングの大会も増えていったじゃないですか。その前に行われたのが前回のオセアニア&アジア予選で、僕もメインの練習はギでしたし、大会がないとグラップリングの練習も行わなくて。もちろん予選前はグラップリングの練習をしましたけど、それもギのクラスの後に藤田(善弘)先生と二人でやったり……というレベルだったので。力を入れた練習はできていなかったです。

そう考えると、2019年のADCCオセアニア&アジア予選が、日本グラップリング界にとっての分岐点になったのかもしれないですね。あの時点で岩本選手は体現していたと思います。もうグラップリングで行くと。日本にそういう選手が出始めて、高橋SUBMISSION雄己君のようなグラップリングに専念する選手もいたり。その前にグラップリング専門の選手はいなかったですし」

――その岩本選手も、MMAPLANETのインタビューで「もうサドルからエントリーする戦い方をしても勝てない」という発言をしています。

「カウンターのディフェンスの技術が上がっていますからね。サドルを取ったら裏に回ってベリンボロ、みたいなことをATOSの選手がやり始めて。今では、みんなその技術が高まっていて……。確かに足関節だけでバンバン極めるのは難しいでしょう」

――そのなかで、森戸選手はグラップリングの技術に関して、どのようにアップデートしているのでしょうか。

「やっぱり教材と試合動画ですね。今はWho’s Number Oneとか。ADCCは前回の世帯会を見たとしても、そこから結構変わっていると思います。それだけ技術の進化が速いです」

――教材とは、オンラインで視ることができるものですか。

「はい。ジョン・ダナハーやゴードン・ライアン、ラクラン・ジャイルスとかですね。試合だと、ミカ・ガウヴァオンはどんな動きをしているんだろうか、と思って見たり。

ただ、そういった動画を見ていると世界との差は感じます。しかも自分がその技術を身につけた時点で、教材を出している選手はその先に行っていて……難しいですよね。一番手っ取り早いのは、その現場に行くことなんですよ。だから今回、高橋君が米国に行っているのは良いなと思いました。僕も道場で大きな利益を出して、定期的に米国へ練習に行けるよう頑張ります(苦笑)」

<この項、続く>


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DEEP MMA MMAPLANET o RIZIN Road to UFC Shooto Shooto2022#04 Torao UFC ウリジブレン キック キャプテン☆アフリカ ダイキ・ライトイヤー パンクラス 中村倫也 修斗 加藤ケンジ 和田教良 奇天烈 小野島恒太 山本健斗デリカット 平川智也 森戸新士 石井逸人 野尻定由 野瀬翔平 長田拓也 飯田建夫

【Shooto2022#04】夏の大阪大会、追加カード。闘裸男で痛み分けの野尻と奇天烈が、青柳&和田と対戦

【写真】5月の闘裸男でドローだった野尻と奇天烈が、それぞれ青柳&和田と対戦する (C)TORAO

16日(木)、Sustainより7月3日(日)に大阪市淀川区のメルパルクホールOSAKAで開催されるShooto2022#04の追加カードが発表された。

RIZINからの帰還組対決=ダイキ・ライトイヤー✖加藤ケンジ、環太平洋ライト級王者キャプテン☆アフリカとGladiatorのプログレス提供試合で森戸新士の極めを体感した長田拓也との一戦、さらにPOUNDSTORMで河名のマストのコントロールに封じ込まれた山本健斗デリカットが、フェザー級世界1位ながら2回戦で飯田建夫と仕切り直しの戦いに挑む。

そんな上位カードと新人王トーナメント、そして夏の大阪大会恒例になりつつあるCKC2022=キックのワンデートーナメントなどが既に発表されていた大阪大会に7試合が加わった。


うち唯一の3回戦が野尻定由✖青柳洸志のバンタム級戦だ。昨年のインフィニティリーグで準優勝。リーグ戦に出場した小野島恒太と石井逸人が環太平洋に絡み、それぞれがベルトを手にしたのとは対照的に、野尻は1月にUFCに向かってまっしぐら──の中村倫也に秒殺される。

5月には地元福岡の闘裸男で再起を目指し奇天烈と対戦もドローに終わった。福岡出身で同世代として注目を集めた野瀬翔平が、Road to UFCでは元UFCファイターのウリジブレンを倒して準決勝進出を決めたのとは対照的に、野尻は足踏み状態にある。

そんな野尻と対戦する青柳は2020年の連敗から、2021年は連勝で持ち直した。通算戦績7勝4敗1分もやはり昨年12月の大阪大会で平川智也を下した白星は大きく、勢いがついているはず。野尻としても、中村倫也戦で外れたボタンを掛け直すには、持ち味の組みとコントロールに通じる総合力をフル回転させたいところだ。

また野尻と福岡でドロー、2020年1月に青柳に勝利している奇天烈はパンクラス~DEEP、GLADIATORなど経て4月の四国FORCE大会で修斗初参戦&初勝利を挙げた和田教良と戦うことも決まっている。

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HEAT50 MMA MMAPLANET NavE o Progress コンバット柔術 中川皓貴 原口央 松本一郎 森戸新士 江木伸成 河名マスト 生田誠 竹本啓哉 笹晋久

【Gladitor018】充実のラインナップに、プログレス提供コンバット柔術→松本一郎×江木伸成が加わる

【写真】掌底でダメージを与えるのか。掌底を掻い潜って極めを狙うのか――(C)MMAPLANET

10日(金)、PROGRESS事務局より26日(日)に大阪府豊中市の176boxで開催されるGladiattor018で、コンバット柔術バンタム級10分1Rマッチ=松本一郎×江木伸成が組まれることが発表されている。

原口央×中川皓貴、笹晋久×竹本啓哉、フォークスタイルグラップリングでは森戸新士×河名マストなど興味深いカードが揃う同大会に、味のある一戦が加わった。


松本は2019年JBJJF全日本の黒帯ルースター級で3位で、全日本マスターでは紫から茶で3連覇をしており、今年1月にはグラジ内プログレスのフォークスタイルグラップリングに出場し、グラジ・フライ級王者NavEに2-6で敗れている。

とはいえなれないMMAグローブ着用下においても、ポイント献上覚悟で引き込み自らの柔術を貫いた。

対して森戸新士率いるLEOS柔術アカデミー所属の江木は紫帯で全日本優勝、茶帯でアジア3位入賞経験がある。5月7日のHEAT50で生田誠とコンバット柔術で戦い、レフェリー判定勝ちを収めている。

なお今回よりプログレス提供のコンバット柔術は10分1R制、時間切れはドローにレギュレーションが変更されている。初めて掌底ありに挑む松本、前回は足関節のエントリー中の掌底など、果敢かつポーカーフェイスで掌を振るっていた江木、両者がコンバット柔術ルールにおいて、どのような柔術を体現するのか楽しみだ。


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Gladiator018 MMA MMAPLANET o Progress UNRIVALED   コンバット柔術 ジェイク・ウィルキンス パンクラス 中川皓貴 修斗 原口央 天草ストロンガー四郎 山本健斗デリカット 島村裕 森戸新士 河名マスト 濱村健 狩野優 長田拓也

【Gladiator018】来たぁ!! グラジで森戸新士×河名マストのフォースタイルグラップリング戦決定!!

【写真】一体どのような攻防が見られるのか!!(C)MMAPLANET

1日(木)、PROGRESS事務局より6月26日(日)に大阪府豊中市の176boxで開催されるGladiattor018で、フォークスタイルグラップリング72キロ契約5分2Rで、森戸新士×河名マストが組まれることを発表した。

今年の1月からグラジエイター、そしてHEATでスクランブルを考慮したポイント制のフォークスタイルグラップリング戦、掌底有りのコンバット柔術戦、サブオンリーグラップリング戦を行ってきたプログレスが、大注目の組み技戦をグラジに提供した。


昨年のIBJJF全日本黒帯ライト級優勝、自ら主宰する岩国のレオス柔術アカデミーではMMAファイターとの技術交流も盛んな森戸は、これまでフォークスタイルグラップリングマッチでは1月にグラジエイター016で組まれた濱村健戦、4月のグラジ017では長田拓也と対戦し、それぞれ三角絞めと腕十字で一本勝ちを手にしている。

下になると2Pを献上するルールのなかでも、森戸はケージ際でオーバーハンドから跳びつくという動きを見出し、柔術家らしくガードからMMAファイターをフィニッシュしてきた。

対して同ルールに初めて挑む河名はU23世界を制したグレコローマンレスラーで、昨年7月にMMA初戦を戦った。ジェイク・ウィルキンスのハイでTKO負けを喫したが、その後はハイペースで試合を続け5連勝中、2月のEX FIGHTでは狩野優、4月のPOUNDSTROMでは山本健斗デリカットとパンクラスと修斗のランカーを連破している。

とはいえ今回の森戸と河名のマッチアップでは、河名はMMAファイターというよりもグレコローマンレスラーとして注目したい。柔術後グレコ、両競技とも密着が前提で如何に自分の形で組めるかが試合の優勢を決定づける。

河名は昨年11月にこれもポイント有りのグラップリング大会=Unrivaledに出場し、最強のアマMMAファイターで柔術でも活躍してきた村山大介を相手に、強烈なオーバーフックの強さを見せている。

ワキの差し合が圧倒的に強いグレコレスラーの河名が、オーバーフックでの頑強さも見せて下になることがなかった。

が、プログレスのフォークスタイルグラップリングは、米国カレッジレスリングと同様に、グラウンド状態では腕を組んでのクラッチは絞め技を仕掛ける際は認められない。

果たして河名は胸や大腿部を駆使し、リストコントロールやアンダーフックで得意のバックコントロールができるのか。この状態になると、森戸は引き込み上等──背中を見せるのではなく、背中をつけて勝負をかけてくるに違いない。

そうなるとハーフやディープハーフから仕掛けに対し、河名にどれだけの耐久性があるのか。MMAでは見られない局面も出てきそうだ。

グレコのボディコントロールは、体の幹を支配すること。対して柔術のコントロールとは、先端を利用して相手をひっくり返す、もしくはサブミッションに入る術だ。幹と枝の制圧合戦、森戸×河名がどのようなコントロールを見せるのか。そこにケージというファクターが影響を与えることがあるのか。楽しみでならない広島✖広島の組み技マッチだ。

なお同大会では、メインでグラジエイター・フェザー級チャンピオン原口央✖中川皓貴、コメインで天草ストロンガー四郎×島村裕というパンチがあるなかで組み比重の高い、MMAマッチが組まれている。


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MMA MMAPLANET o RYO Torao TORAO27 ソーキ 修斗 森戸新士 海外 田村ヒビキ

【TORAO27】環太平洋ウェルター級ソーキにリベンジ戦、田村ヒビキ─02─「納得しないまま終わるのは嫌」

【写真】2019年6月16日に行われた前回の一戦。2年11月を経て、再び相対する(C)MMAPLANET

15日(日)、福岡市中央区のよしもと福岡大和証券 / CONNECT劇場で行われるTORAO27で、ソーキが持つ修斗環太平洋ウェルター級王座に挑む田村ヒビキのインタビュー後編。

ファイターにとって納得のいく試合とは、どのようなものだろうか? その答えを探してファイターは戦い続ける。2004年にプロデビューし、今年40歳になった田村に、そんなMMAファイターとしての練習環境とソーキ戦へのモチベーションを訊いた。

<田村ヒビキ・インタビューPart.01はコチラから>


――福岡に移ってから現在まで、MMAについてはどのような環境で練習されているのですか。

「今はウチのジムでもアマチュアとプロが育ってきたので、彼らとの練習があります。それと福岡では、T-REXアカデミーの中村(勇太)選手とか体格が大きい方と選手練習をやらせてもらっていますね。大阪からRYO選手も試合前は練習に付き合ってくれています。ここ1カ月ぐらいは北九州に帰ってきている田中半蔵選手と練習させてもらってきました。半蔵さんも同じ大会に出るんですけど、お互い次の対戦相手のタイプが近かったので」

――田中半蔵選手と練習されているのですか。

「はい。半蔵さんは昔、同じ修斗の大阪大会に出たことがあるんです。その時、半蔵さんは僕の練習仲間だったジャックナイフ・ツネオに、どえらいKO勝ちしていて。とんでもないパンチを出してくる選手やなぁって、その印象がすごく強かったです。でも練習してみると、組みも含めてしっかり総合的に強い選手で、フィジカルも強いし。同い年で、同じ時代に修斗で戦っていた選手なので、その半蔵さんと練習できるのは、すごくありがたいです」

――なるほど。最初に「前回の試合では納得のいくパフォーマンスができなかった」というお話がありましたが、田村選手にとって納得のいくパフォーマンスとは、何か明確な理想などがあるのでしょうか。

「理想の形というのは難しいと思うんです。僕もベテランと呼ばれる域に入りましたけど、これが完成形やっていうのは掴めていないんですよね。でも納得いく、納得いかないという部分でいえば、翌日のインタビューでも言った『試合で体が動かなかった』という原因が、試合間隔なのかモチベーションなのか分かりませんでした。

でも時間が経って、いろいろ考えてみると気持ちの面でフワフワしていたというか。それは後日、RYOさんと話した時に気づかされたんですよ。実際、試合で相手と向かい合ってもフワっとした感覚やったんですね。その状態で戦ってベストな動きができたかっていうと、全然できていなくて。これはイカンなぁと思いました」

――……。

「もう1回やって同じパフォーマンスしか出せないなら、それは自分の限界だと思います。でも練習したり考えているうちに、あれは自分のベストではないって、この何年間はずっとモヤモヤしていたんですよ。年齢のこともあるし、ジムのこと、コロナのこともあって、このまま選手を辞めてもいいんじゃないかという気持ちにもなりました。でも、そこをクリアしないとフワフワしたままやし、納得しないまま終わるのも嫌なので。これは言葉では言い表しづらいのですけど、自分のベストを出したうえで答え合わせをしたいんです。

そういう意味では、同じ相手とやったほうが答え合わせしやすいという考えもあると思います。前の試合から3年も経っているので、もちろんソーキ選手も強くなっているやろうし、もしかしたらファイトスタイルも変わっているかもしれない。だから前回と同じ試合になると思ってはいないんですけど……」

――前回の試合の気持ちについては、翌日のインタビューでは「落ち着いていた」という表現をしていました。そのあと考えた結果、落ち着いているというよりもフワフワしていたことに気づいたのですか。

「試合当日は緊張もなく、本当にフラットなメンタルだと、その時は思っていました。それは落ち着いているということなんだと。でも考えてみると、こんなこと今までになかった。相手と向かい合った時にスイッチが入りますし、気持ちは冷静には保ちますけど、そういう類の落ち着きではなかったなって。気持ちがフワフワしていた理由は、今もまだ分からないです。なので、どう表現したらいいのか微妙ですけど……」

――そうだったのですか。昨年12月にTORAOで森戸新士選手とグラップリングマッチで対戦した際は、完全にファイターの表情と試合内容だったので、そのお話を聞いて逆に意外でした。

「森戸君との試合は、楽しみのほうが大きかったです。MMAとグラップリングではルールが違いますし、特に打撃のあるルールでは気持ちの入り方も違います。でも久々にケージの中で試合をする、相手も森戸君という日本トップの柔術家と戦えるということで、楽しみのほうが上回っていました。あぁ戦えるって良いな、っていうメンタルで。気持ちは落ち着いていましたけど、フワフワしているようなこともなく。やってやる――そういう気持ちで試合をしていました」

――グラップリングのお話になりますが、森戸選手が足関節のエントリーに入った時、田村選手がヒザ固めで返したシーンは見応えがありました。

「そう言ってもらえるのは嬉しいです(笑)。試合前から、足を狙うことは考えていました。でも正直、まさか森戸君がいきなりヒールを狙うとは思っていなかったです。おかげで僕は一瞬テンパったんですけど、あのヒザ固めは練習でもやっている技だし、狙っていました」

――森戸戦の試合内容を考えると、MMAの試合がなくても気持ちをつくることはできているのだろうと思います。

「はい。前回の試合から3年、その間にクインテッドにも出ましたし、柔術の試合にも出て、森戸君との試合もありました。モチベーションも高く、気持ちをつくって試合に臨むことができます。だから前回のようなことはない、自分の中ではそう思っています」

――先ほど田村選手も仰ったとおり、次の試合については難しい面があります。この3年間、ソーキ選手もMMAの試合をしておらず、ソーキ選手がどんなファイターになっているか分からない。その点は不安ではないですか。

「データ的なものでいえば、前回自分が戦った感覚しかないですよね。そこから考えるしかないんですけど、3年も空いていれば大きく変わっているかもしれません。だからそこは相手どうこうよりも、自分が練習したこと――前回出し切れなかったものを出すしかないですね。データがないこと自体は、今まで海外で試合した時もそうでしたし。最後は自分がやってきたことを信じて、それを出すしかないので」

――では反対に、田村選手はこの3年間で何が変わったと思いますか。

「ずっとMMAの試合をしたくてもできなかった期間がありました。それが今回、試合をすることができる。もちろん技術的な成長もありますけど、まだ戦える――いや、まだ戦いたい。その気持ちが以前よりも強くなりました。今のジム生にも、最近はMMAで良い試合を見せることができていないので、そういう試合を見せたいです」

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F1 Gladiator017 MMA MMAPLANET o カルリ・ギブレイン キック フェルナンド レンジャーハント 中西テツオ 久保健太 井上啓太 八木敬志 土肥潤 大番高明 森戸新士 清水俊一 田中智也 神田T800周一 福島啓太 竹本啓哉 赤澤智哉 長田拓也

【GRADIATOR017】6年5カ月ぶりの復帰戦=井上啓太戦、レンジャーハント「もう1回、現役生活を全力で」

【写真】39歳、鋼のようなボディを披露したハント (C)MMAPLANET

5月1日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR017で大宮ハントことデンジャーハントが、井上啓太と対戦する。

最後の試合は2015年12月、今やレンジャージムの代表として、アマチュア大会の開催も含め後進の指導に当たってきた。そのハントが、ジムの名前をリングネームとし6年5カ月ぶりに復帰戦を戦う。

対戦相手の井上は黒帯柔術家でありながら、キックの練習を続けてきた個性的なフィニッシャーだ。組みの強さは絶対的に定評のある井上を相手に、レンジャーハントはどのようなMMAを見せるか。肩の力が抜けた、大人の受け答えをお届けしたい。


――突然のMMA復帰といいますか、実戦への復帰。とにかく驚きました。なぜ、このタイミングで試合をしようと?

「復帰しようとはずっと思っていたんで、タイミングですね。毎年、毎年、そうやって思っていたのですが、腰が重くてなかなか立ち上がることができなかっただけなんです」

――2015年12月の時点で、引退という意識はあったのですか。

「いつか復帰しようとは思っていました。ただジムもやっているので、時間が無かったというのもあります。今は選手も育ってきて、自分も戦いたいという気持ちが強くなりました」

――教え子に背中で指導する、と?

「そういうのはないです(笑)。ただ、自分も試合に出ればジムも盛り上がるかとは思っています」

――3年前にレンジャージムの取材をさせたいただいたときより、ずいぶんと引き締まっているように見えます。

「ああ、あの時は大きくなっていましたね。あの頃より7キロほど削っています。ただ基本的にそれほど体が大きくなることはなくて。今、75キロなのでここからもう一削りです」

――グラジエイターで復帰戦。この大会について、どのような印象を持っていましたか。

「大阪で精力的に大会を開いていて、選手も育っているという感じで見ていました。ここきっかけに、しばらく現役生活を続けようかと思います」

――ジムの運営、指導とあるなかで試合に向けての練習は以前のようにできましたか。

「今、ジムの方は任せているので。もう練習しかしていないです(笑)。ジムもまわっていますし。5月ぐらいに復帰しようかと考えていたら、グラジエイターが選手を探していると聞いて。そこでちょっと出ようかなという感じですね」

――練習はレンジャージムで?

「そうですね。打撃は他のジムに行って、MMAの練習はけっこう選手が集まっているので、自分のジムでできます。生活も楽しいです。1日中、練習しかしてないので。アハハハ」

――ズバリ6年半前と比べて、仕上がり具合は?

「練習を再開して2カ月ほどなので……。もう少し準備期間が欲しいというのはあります」

――不安と楽しみ、どちらの気持ちが大きいですか。

「もうワクワクしかないです(笑)。もう1回、現役生活を全力でやってみたいと思っています」

―おお!! MMAも技術的にも試合展開も変わってきました。その当たりについては?

「選手がけっこう集まっているので、新しい技術を持ってきてくれて。そういう技術も身に着けてアップデートしているので、技術的にも上がっていると思います。なので、ガッツリやります」

――では対戦相手の井上選手について、どのような印象を持っていますか。

「柔術家がMMAをやっているような感じですね。柔術家ですね。ボディへのヒザ蹴りで勝っていましたけど……打撃の圧は実際に対峙してみないと分からないですね。

僕に試合勘がないかもしれないので、練習通り動けるのか。そこですね。ただ何もさせずに……理想は、何もさせずに倒したいです」

――剛腕勝負ですか。

「剛腕……いえ打撃、レスリング、寝技、どこでも戦えるので。なんでも大丈夫です」

――いきなりですが、勝てばベルトが見えてくる試合です。

「そうですね。そこはタイミングで」

――では、戦ってみたい大会はありますか。

「団体にこだわることはないです。とりあえず今の生活を楽しみながら、出られるときに出て行こうと思います」

――5月には闘裸男の博多大会もあります。

「そうなんです。そこに出たいと思って、練習をし始めたので。やっぱり地元では試合をしてみたいですね」

――では大宮ハント改め、レンジャーハントの意気込みをお願いします。

「まぁボチボチやろうかなと。アハハハハ。まだ、試合をしていないのでデカいことは言えないです。試合をしてから、です」


■ GLADIATOR017計量結果

<Gladiatorヘビー級選手権試合/5分3R>
[王者] 大番高明:113.3キロ
[挑戦者] カルリ・ギブレイン:105.7キロ

<バンタム級王座決定戦/5分3R>
神田T800周一:61.1キロ
福島啓太:61.2キロ

<バンタム級/5分2R>
竹本啓哉:61.2キロ
エダ塾長こうすけ:61.15キロ

<ライト級/5分2R>
井上啓太:70.05キロ
レンジャーハント:69.95キロ

<バンタム級/5分2R>
土肥潤:60.9キロ
清水俊一:60.95キロ

<フォークスタイル・グラップリング70キロ契約/5分2R>
フェルナンド:69.3キロ
田中智也:67.7キロ

<フォークスタイル・グラップリング73キロ契約/5分2R>
赤澤智哉:70.4キロ
ビリー・フーカー:72.35キロ

<フォークスタイル・グラップリング75キロ契約/5分2R>
森戸新士:74.25キロ
長田拓也:74.50キロ

<フライ級/5分2R>
中西テツオ:56.7キロ
久保健太:56.45キロ

<バンタム級/5分2R>
上荷大夢:61.55キロ
谷口武:60.75キロ

<ライト級/5分2R>
八木敬志:69.85キロ
後藤陽駆:69.95キロ

<バンタム級/5分2R>
佐々木陽太:60.95キロ
別所竜也:61.05キロ

<フェザー級/5分2R>
桑本征希:65.95キロ
伊賀GORI:65.55キロ

<フライ級/5分2R>
松原聖也:56.55キロ
尾崎聖太:56.55キロ

<バンタム級/5分2R>
大和:61.25キロ→61.2キロ
小川隼人:69.9キロ

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