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ケラモフ 朝倉未来戦のステロイド使用疑惑について【超RIZIN.2】

日本のファンからステロイド使用疑惑をかけられていたことに触れるヴガールケラモフ。

▼【RIZIN REWIND】ケラモフ&ムサエフ 試合振り返り解説 / 朝倉未来 vs. ヴガール・ケラモフ/元動画

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【Special】月刊、大沢ケンジのこの一番:9月 ストリックランド✖アデサニャ。ケイプ、金原&牛久

【写真】接近戦で戦え、相手の得意なところでもやりあえる。それが世界的ウェルラウンダーという大沢ケンジの弁、ご堪能ほほどを(C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。
Text by Shojiro Kameike

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は大沢ケンジが選んだ2023年9月の一番、9月10日(日・現地時間)にUFC293で行われたショーン・ストリックランド×イスラエル・アデサニャマネイル・ケイプ×フィリッピ・ドスサントス、さらには9月24日のRIZIN44でも見られた現在のMMAのトレンドについて語らおう。


――大沢さんが選んだ2023年9月の一番を教えてください。

「UFC293のショーン・ストリックランド×イスラエル・アデサニャと、マネイル・ケイプ×フィリッピ・ドスサントスです。9月は国内外で面白い試合が多かったので、いろいろ語りたいことも多いんですよ」

――ではまず、ストリックランド×アデサニャとケイプ×ドスサントスを選んだ理由からお願いします。

「まずアデサニャは、長い距離で戦いながらカウンターを狙うタイプじゃないですか。でも最近は――特にアレックス・ペレイラとの試合でも、距離を詰められるとアタフタするような場面が増えていましたよね。ストリックランドはアデサニャ戦の前にペレイラと一緒に練習していて、そのあたりはペレイラから聞いていたんでしょう。

ストリックランドが距離を詰めつつ、それほど自分からガンガン行くわけではなく様子を見ていた。

アデサニャは、あれだけ近い距離に入ってこられるのは苦手だと思います。

(C)Zuffa/UFC

それでアデサニャは距離を取る。でもストリックランドが積極的に打ってくるわけでもなく――様子を見ていたらアデサニャのほうが疲れてしまって」

――確かに、ズルズルとスリックランドのペースになっていきましたね。

「パンチが当たったことに対するポイントでいえば、アデサニャが取っている可能性もあるかもしれない、と思いました。『これは自分がポイントを取っていると考えているから、アデサニャは前に出ないのかな?』と。この試合は何度か見直しました。でも、やっぱりアデサニャは短い距離を嫌がっている。その結果、大番狂わせとも言える結果になりました。

だから、これまでMMAPLANETの企画で言ってきたことに繋がりますけど――まず近い距離に自分から入っていく。そしてコンタクトを多くして相手を疲れさせていく。それが最近のMMA、特にトップ選手のトレンドになりつつあると思いますよね」

――世界で勝つためには、近い距離でも戦えるようになること。それが大沢さんの一貫した主張ですよね。

「あの距離で戦うには技術が必要だけど、それだけではなく前に出続けるためのフィジカルとタフさ、そして気持ちも必要になります。前に出ると、どうしてもカウンターをもらってしまいますから。最初は被弾覚悟で距離を詰めて、カウンターをもらいながらもプレッシャーをかけ続ける。そうして相手がフィニッシュブローを打つスタミナを奪っていく。ストリックランドは、まさにそういう試合をしていたと思います。

(C)Zuffa/UFC

そこで比較対象として良いのが、ケイプとドスサントスの試合で」

――ストリックランド×アデサニャとは対照的に、手を出し続けるドスサントスをケイプが捌いて判定勝利を収めるという試合内容でした。

「ケイプもカウンターパンチャーだけど、近い距離になっても嫌がることはないですよね。でも基本的には『待ちのファイター』だから、プレッシャーをかけられたくはない。ドスサントスは手数が多くて距離を詰めてくるので、後半はケイプも疲れていました。

ストリックランド×アデサニャのような中量級の試合とは違って、軽量級はあの距離になると打撃だけではなく、どんどんテイクダウンも狙ってくる。フライ級のアレッシャンドリ・パントージャ、ブランドン・モレノ、デイヴィソン・フィゲイレドあたりは、まさにそんな試合をしていて。……なんかね、今のUFC軽量級は凄いことになっていますよ(笑)」

――確かに。オクタゴンの中は常に進化し続けていますが、ここ最近はより一層、進化のスピードが速いように思います。試合の中で出される技術が増える一方で。

(C)RIZIN FF

「でもそれはUFCや海外だけではないんですよね。

国内でもRIZIN44で、金ちゃん(金原正徳)がクレベル・コイケ戦で見せたのは、そういう試合でした。もともと金ちゃんって、どちらかというと近い距離が好きというわけではないと思うんです。でも、まず自分から打って中に入り、相手が打ち気になってきたら、自分からテイクダウンを狙ったりとか。

(C)RIZIN FF

RIZIN44だと牛久✖萩原戦もそうです。

前半は萩原(京平)君が、牛久(絢太郎)君に打撃でプレッシャーをかけていった。牛久君もテイクダウンに行っても切られている――これは萩原君のペースになるかと思いました。でも牛久君が下がりながらパンチを振るうと、萩原君は警戒したんじゃないですか。牛久君はカウンターを恐れずにパンチを出していくと、2R以降は牛久君のペースになりましたよね」

――牛久選手がテイクダウンに成功してポジションを奪い、3-0の判定勝ちを収めました。

「こうした試合を見ていて、『オールラウンダーとは何か?』と考えたんです。日本のオールラウンダーって、相手の苦手なところで勝負しようとしますよね。相手がグラップラーならストライカーになり、相手がストライカーなら自分はグラップラーになる。いくつもの要素を混ぜ合わせるというよりは、相手の得意なところで勝負しないというイメージが強くて。それって、本当の意味でオールラウンダーではない気がするんですよ」

――試合ごとにストライカーになるか、グラップラーになるかではなく、1つの試合の中で全ての要素を出さないといけない。

「そう。相手が強いストライカーだと、打撃の距離に入らずテイクダウンを狙う――牛久君は朝倉未来戦まで、そういうファイターだったと思います。でも萩原戦では、違い距離で打撃を振りながらテイクダウンを狙えるという、もうワンランク上がった気がしますね」

――金原選手も、クレベルが寝技師だからスタンドだけで戦うというわけではない。打撃から入って、テイクダウンを奪い、グラウンドでも勝った末の勝利でした。

「試合前に金ちゃんが『先手を取る』と言っていて、まさにそんな試合展開になりました。軽量級のトレンドがそうなってくると、ケイプのようなタイプは今後――トップに行けば行くほど苦しくなってくるでしょう。ケイプは待ちのストライカーで、時おりテイクダウンを狙うこともありますよ。でもそれは近い距離を嫌がって組みに行っているような感じで。

ストリックランドとアデサニャの試合もそうですけど、最近の試合で5分3Rや5分5Rが短く感じられる時があります。視ている側がそう感じるということは、試合をしている選手は、もっと短く感じているかもしれないです。その試合中に少しでも様子を見ていると、すぐ相手にペースを持っていかれてしまう。じゃあペースを持っていかれないようにするためには――というと、コンタクトを多くすることだと思います」

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朝倉未来 金原正徳はめちゃくちゃ強い【RIZIN.31】

朝倉未来と所英男も絶賛「金原正徳は強い」

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BELLATOR GLORY MIKE MMA o PRIDE RIZIN UFC YouTube キック スダリオ剛 ボクシング 朝倉未来

【豪快KO集】ビロステニ🇷🇺11-2 (8KO) 1失格 186cm 112Kg MMA Heavyweight Prospect Sergey Bilostenniy

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【RIZIN】朝倉未来「けっこう革命的なことを考えています」

990: 実況厳禁@名無しの格闘家 2023/09/30(土) 19:38:26.02 ID:/Q3M1zc30
まーたみっくんがなんか言ってる

環境を変え新体制で取り組む
まもなく自身のYouTubeで発表
格闘技業界からしたら「おお、すごいね」と言われるような"革命的なこと"を考えてる


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Gladiator Gladiator023 MMA MMAPLANET o RIZIN キック ダギースレン・チャグナードルジ パン・ジェヒョク 朝倉未来

【Gladiator023】計量オーバーのダギースレンを、パン・ジェヒョクが絶妙な距離感で捌き判定勝ち

【写真】ファイトにもトークにもスマートさがうかがえる新王者パン・ジェヒョク(C)MMAPLANET

<65.77キロ契約/5分3R>
パン・ジェヒョク(韓国)
Def.3-0:30-25.30-25.30-25.
ダギースレン・チャグナードルジ(モンゴル)

ダギースレンが計量オーバーのため、イエローカード2枚でスタート。パン・ジェヒョクが勝った場合のみ試合が成立となる。また、フェザー級トーナメントはパン・ジェヒョクの優勝という内容が発表されたあと、2選手が入場してくる。

試合が始まると、パン・ジェヒョクが左インローを入れる。ダギースレンは強烈な右を2発放ったあと、跳び蹴りを見せた。パン・ジェヒョクのパンチを受けたダギースレンは、鼻から出血が見られる。ダギースレンが左ジャブに右を被せてくると、パン・ジェヒョクが離れた。ダギースレンが右スピニングバックキックを見せる。パン・ジェヒョクは右ミドルをキャッチされたが、すぐに離れた。

パンチをフェイトにシングルレッグで入ったダギースレンだが、これは切られてしまう。前に出て来るダギースレンの顔面に、パン・ジェヒョクが右ストレートを叩き込む。ダギースレンの右をよけながら右ショートを当てるパン・ジェヒョクに対し、ダギースレンはダブルレッグで組んだものの、ここもパン・ジェヒョクが差し返した。

2R、距離を取るパン・ジェヒョクが右ローを当てて回る。ダギースレンの右スピニングバックキックが、パン・ジェヒョクの顔面をかすめた。下がりながらパン・ジェヒョクが右ストレートを顔面に叩き込む。ダギースレンの右も当たるが、打ち終わりにパン・ジェヒョクが右ストレートを入れた。ダギースレンがパン・ジェヒョクにケージを背負わせてダブルレッグで組んだが、パン・ジェヒョクは切って離れる。ダギースレンが中に入ってくると左を合わせるパン・ジェヒョクは、このラウンドは捌ききった。

最終回、パン・ジェヒョクが刀で斬り落とすパフォーマンスを見せる。左ジャブを突き、ダギースレンの右をバックステップでかわすパン・ジェヒョク。互いに右スピニングバックキックを見せる。ダギースレンがダブルレッグで飛び込んでくると、パン・ジェヒョクがスプロールからバックに回った。ダギースレンはガードポジションへ。するとパン・ジェヒョクが立ち上がった。ケージ中央でパン・ジェヒョクの左インローがダギースレンの下腹部を捕らえ、試合が中断される。

再開後、ダギースレンは右フックを振るうも届かない。組んできたダギースレンを突き放しながら右ストレートを打ち込む。さらにダギースレンのテイクダウンをカットしたパン・ジェヒョクが、下がりながら左フックを直撃させる。残り40秒で弓引きポーズを見せたパン・ジェヒョクが、二段蹴りから左ミドルをボディに突き刺し、そのまま試合終了まで捌ききった。

ベルトを肩にかけて判定を聞くパン・ジェヒョク。採点はフルマークにイエローカードのマイナス2pが加わり、全ジャッジが5ポイント差でパン・ジェヒョクの勝利となった。マイクを握ったパン・ジェヒョクは、RIZINと朝倉未来の名前を挙げた――


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Column News o ONE RIZIN YouTube   その他 チャンネル ヴガール・ケラモフ 朝倉未来

朝倉未来「来年の夢は今までで1番デカい格闘技の興行を開催すること。おれにしか出来ない」

路上伝説 朝倉未来列伝 1(ヒューコミックス)

投稿者: @mikuruasakura
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朝倉未来「おれにしか出来ない」来年の“夢”を明言!ファン「ワクワク!」「輝いてる姿を見たい」の声(スポニチ)
 格闘家の朝倉未来(31=トライフォース赤坂)が27日に自身のスレッズを更新。来年の夢を明言した。

 未来は、7月30日に開催された「超RIZIN2」でヴガール・ケラモフとRIZINフェザー級王座決定戦で対戦。しかしに何も出来ず、1R2分41秒リアネイキッドチョークでタップアウト負け。2度目のRIZINタイトルマッチでもベルトには届かなかった。

 その後、“10人ニキ”こと鈴木大輔のYouTubeチャンネルにゲスト出演した際には「次戦の対戦相手は全く決まってないよ。(前回の)試合終わってから1回しか格闘技の練習をしてない。全然格闘技欲がない」と吐露し、「対戦相手も決まってないし、今のところは格闘技の試合をするつもりもない」と語っていた。

 この日、未来は「世間に注目されてる人たちはいい時も悪い時もある。格闘家なんて特にね」とつづった。そして別の投稿で「来年の夢は今までで1番デカい格闘技の興行を開催すること。おれにしか出来ない」と来年の夢を明言した。

 ファンから「個人的には朝倉未来が格闘家であるうちはデカい興行を開催する側ではなく、出場者側でいて欲しい」というメッセージが届くと未来は「もちろんそこで試合するに決まってる」と自身が開催するビッグマッチに出場することを表明した。

 その他にも「未来にしか出来ない事…ワクワク!」「未来がTHE MATCH以上の大会を開催してくれ」「どんな舞台でも輝いてる姿を見ていたい」などの声が上がった。

 現状東京ドームをフルハウスにできるほどのカードでありますかね。続きを読む・・・
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RIZIN.44:感想

ただの感想です。

▼第1試合 フライ級(57.0kg)5分3R
征矢 貴(パラエストラ松戸)
ラマザン・テミロフ(ウズベキスタン/Muradov legion team)

テミロフの相変わらず荒いが重い打撃に征矢が付き合ってしまい、打ち合いでテミロフがパンチを効かせて1RKO勝ち。

テミロフ、まだ本当にどのレベルにあるのかはわからない部分もあるが、軽量級で倒せる打撃を持っている面白い選手なのは確かなので、相性が悪い相手と当てずに転がしたほうが良さそう。

▼第2試合 ヘビー級(120kg)5分3R
シビサイ頌真パラエストラ東京/巌流島)
ヤノス・チューカス(ハンガリー

チューカスのパンチが効いてしまってピンチに陥ったシビサイだが、引き込んでの外ヒールで一本勝ち。

あの形の外ヒールがあの体勢で極まるのは初めて見た。十分逃げられただろうと思うが、うっかり勝たれても困るのでこれで良かった。

▼第3試合 バンタム級(61.0kg)5分3R
中島太一(ロータス世田谷)
岡田 遼(パラエストラ千葉)

中島史上最強の中島だった。パンチが鋭い。ノーガードの舐めプはやめて欲しいと思ったが、結局最後まで被弾せず。組まれても1Rにテイクダウンを許した以外は隙がなかった。フィニッシュまで狙えたと思うが、終盤は安全運転。第3試合でマイクを持つなら、せめてフィニッシュを狙うそぶりは見せてほしい。

中島が強かった一方、岡田の力がやはり全盛期より落ちているのもあったのかなと。

▼第4試合 フライ級(57.0kg)5分3R
福田龍彌(MIBURO)
山本アーセン(KRAZY BEE/SPIKE22)

打撃で予想以上の成長を見せたアーセンだが、一方で前回無双を誇ったテイクダウンは福田に阻まれる。前回アーセンが勝った伊藤がヒロヤにもテイクダウンされてコントロールされる場面が多かったのを考えると、アーセンのレスリングを過大評価していただけにも思えたので、打撃の成長と差し引きプラマイゼロ。むしろ負けてもテイクダウンを取りまくる内容の方が今後の期待感は高かった気がした。

▼第5試合 フェザー級(66kg)5分3R
摩嶋一整(毛利道場)
横山武司(teamセラヴィー/スウェルズ柔術ジム)

テイクダウンから削った摩嶋が、終盤は横山の足を超えて再三ハーフにしての完勝。という攻防がまったく観客に伝わらず、やはりもったいない組み合わせだった。摩嶋が真っ向から横山のガードに入っていっての完勝だったが、それだと盛り上がる展開にならず。かといって、組み技が苦手なストライカーとやっても噛み合わない試合になるし、引き込むしか武器がない選手の試合は極めない限りは盛り上がる試合にならない。

本来は体重オーバーした摩嶋が勝ってもノーコンテストなのだが、横山の男気でキャッチウェイトの公式戦に。なんでも男気で処理するのはどうかと思う。2~300g程度の差では大きな影響はないだろうし、500g程度までならファイトマネーの何%を相手に渡して減点もなしでキャッチウェイトにするルールにしてはどうか。

▼第6試合 フェザー級(66kg)5分3R
中原由貴(マッハ道場)
白川陸斗(トライフォース赤坂)

RIZINでは2回連続で相手が直前で欠場して変わったり、鈴木千裕戦ではリードしていながら一発もらって逆転されたりと、持ってない印象のある中原。2Rに白川の打撃を効かされたときには、やはり持ってないのかと思ったが、組みでしのいで判定勝ち。しかし割りと互角の展開だったし、レベルの違いを見せたとまでは言えない。

1R終了後、白川にロープつかみの警告が出され、2R終了後にはイエローカード(20%減点)が出されたが、そんなに掴んだ場面があるとは思わなかった。見直してみたら確かにちょくちょく掴もうとしている場面はあったが、今までこんなに厳しくなかったはず。リングMMAと一蓮托生するなら毎回これくらいの基準でなければ難しいか。すべての試合でこの基準でやってくれるなら言うことはない(他の試合で微妙な掴みが見逃されている気もしたが)。あと、ロープを掴むのはだいたい特定の選手なので、過去にイエローをもらっている選手は累積で次回から一発イエローカードでいいと思う。

RIZIN LANDMARK6変更カード発表

休憩前に井上直樹の欠場と佐藤将光が代役として太田忍と対戦することが発表。将光はONEから脱北か。ONEでレギュラーのMMAファイターの試合が組まれるのは月イチのFight Nightだけになって、契約選手が飼い殺しになっているので、辞めるなら早い方がいい。しかしバンタム級ではなく63kg契約ということは、将光は万一のバックアップのために待機していたわけではなく、準備期間不十分な中での戦いということになるので残念。

おそらくメインだったであろうカードが流れて、以前の沖縄大会のようにPPV無料にするのかと思ったが、穴埋めで朝倉海 vs. 皇治MMAデビュー戦を組みたい模様。選手のファンなら怪我を押して準備期間もないのに出ることを望まないだろう。こういうのを男気と言って持ち上げる風潮はなくなって欲しい。結果、公式戦ではなくMMAエキシになるなら、まだマシだと思う。

▼第9試合 ライト級(71.0kg)5分3R
スパイク・カーライル(米国)
堀江圭功(ALLIANCE)

タフなカーライルがしつこく押し込んでいって、3Rにはスタンドで背中に乗ったが、そこからのヒジが後頭部でブレイク&イエローカード。ダメージにもアグレッシブにも差はなく、ジェネラルシップではカーライルが上ではなかったか。そうなるとカーライル20-イエローの減点20%で0-0、マストで堀江?実際にどうジャッジが入れたのかが知りたいが、JMOCが判定結果を非公開にしてしまったので不明。

▼第10試合 フェザー級(66kg)5分3R
牛久絢太郎(K-Clann/ATT)
萩原京平(SMOKER GYM)

牛久が萩原にスタンドでプレッシャーを掛けられて下がる展開だったが、シングルレッグからのテイクダウンが簡単に取れることがバレてからは一方的に。セコンドの堀口のアドバイスどおりに動いていたらもっと楽に勝てたのではと思ったが。

▼第11試合 フェザー級(66kg)5分3R
クレベル・コイケ(ボンサイ柔術
金原正徳(リバーサルジム立川ALPHA)

序盤の打撃戦で明らかに金原が上。さらにテイクダウンすると脇差しパスで完パスこそできなかったものの圧倒。クレベルを全局面で上回った。ここまで完全に上を行くとは。予想以上の強さだった。しかしケラモフとだったらこうはいかなっただろうし、ケラモフが朝倉未来より先に金原と組まれて、金原が今回と同じように勝っていたとしても、ここまでのインパクトはなかったはず。結果的に最高の巡り合わせだった。

 

 

 

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【RIZIN44】「チョット早くね」=摩嶋一整戦前の横山武司。「ボコボコされる可能性は十分にあります」

【写真】言葉使いは現代風ですが、礼を欠かない。慇懃無礼の逆を行く横山武司(C)MMAPLANET

24日(日)、さいたまスーパーアリーナで開催されるRIZIN44で、横山武司がRIZIN二戦目で摩嶋一整と対戦する。
Text by Manabu Takashima

ブラジリアン柔術黒帯、新婚旅行もATOSで修行という横山は5月の山本琢也戦でRIZINデビューを腕十字&一本勝ちで飾ったが、今回の摩嶋戦のオファーに関しては「チョット早くね」という心境を吐露した。

社会からはぐれていそうで、しっかりと社会性もある。そのアンバランスさはMMAファイターとして組み特化のアンバランス性と相まって、横山の存在を既に際立たせている。


――7月の超RIZIN02の際、さいたま新都心駅の改札横で長蛇の列の先頭に横山選手がいて、ファンにサインを書き続けている場面に出くわしました。

「そうでしたね(笑)。めっちゃビックリしました。赤羽までバイクで行って、そこから電車に乗ったんですけど、なんかすごいジロジロと見られて。何かおかしいなって思っていると、改札を出た直後に『サインしてください』、『写真撮らせてください』っていう人が次から次へと出てきて(笑)。結局、1時間ぐらいサインをしていました」

――1時間も。あの炎天下でッ!!

「1人だったから、水を飲むタイミングがなくて……。でも、最後の最後に『これを』って水をくれた人までいたんです。気が利く人っているんですね」

――凄く良い笑顔で対応していました。

「凄く嬉しかったです。最初は(笑)。最後の方は、試合が始まっちゃうって焦り出して。でも、途中でやめるって嫌な気持ちをする人もいるのでできなかったです」

――そのファンの存在は、横山選手にとってやりがいになるのですか。

「なりますね。そんな、特別に有名になりたいという気持ちはないのですが、今のところファンのSNSでの反応は良いことしか書かれていないので、励みになるというか自信になります。応援してくれる人達のために頑張ろうということではないけど、自分のこのやり方は間違っていないんだって思えます。

まだ悪口とか、変なことは書かれていなので――そこは良かったなって。でも何かあったら悪口に変わるし、これでつけあがるようなことはないようにしたいです。良い感じで楽しんでいられるので、今の感じで良いかなって」

――そして9日後に摩嶋選手との試合が控えています(※取材は15日に行われた)。前回の山本琢也戦ですが、あの状況では横山選手の実力は測ることができない。計量失敗で、山本選手は力を出す精神状況になかったと素直に思いました。それでも一本勝ちができた。あの勝利をどのように振り返ることができますか。

「アレは相手がミスってくれればできることですけど、一瞬で終わっちゃったんで。試合勘が全く掴めていない。ただでさえ、RIZINに出るまで4試合しかしていなくて、あの試合も自分の経験値にはあまりなっていない。疲れることもなく、汗を掻く前に終わってしまったし。勝った時はもちろん嬉しかったけど、経験値を高めることができていない。そういう焦りもあります」

──そこで決った摩嶋選手との一戦です。オファーを貰った時は、どのような気持ちでしたか。

「『チョット早くね』っていうのが、本音です。本当にトップの選手なので。斎藤(裕)選手、朝倉未来選手、摩嶋選手──その辺の選手たちはもうチョット後、次はRIZINで1、2回出たぐらいの下の選手になるかなって。自分もまだ無名だし、北海道大会とかに余り知らない人達が出ていた。あの辺の人たち。DEEPからRIZINにきて1試合目じゃ2試合目の選手。それか、この前の僕みたいにどっかの団体のチャンピオンでRIZINデビュー戦になる人。知らない選手で、決まってから調べて『こういう選手なんだ』ってなるような相手と戦うのかなと思っていました。

それが摩嶋選手だったから、あぁもうそういう選手とやるんだって。同じ日に試合をして、普段普通に練習していて摩嶋選手の名前はよく聞いていました。他の選手に比べて、かなり業界のことを知らない僕でも摩嶋選手のことは知っていました。ただ、ここで相手を選ぶことはできないので。『うわぁ、マジか』って思ったけど、『やります』と返答しました」

──戦績的に摩嶋選手はRIZINでは1勝3敗です。それでも横山選手からすればフェザー級のトップだと。

「相当に強いと思います。3敗したといっても斎藤選手、クレベル(コイケ)、金原(正徳)さんが相手です。この3人でないと5連勝していたかもしれない。マジで結構連勝していたと思います。RIZINに出る前は14勝1敗だし、相当に強い」

──それでも対戦を受けたのは?

「相手を選ぶのって恰好悪いじゃないですか。戦えない理由が『知り合いだから』とかっていうモノなら分かるけど、『ちょっとまだ勝てないから』って断ることはできない。試合に向けて練習していくしかないから。なんで、オファーを受けた時には『練習しないとな』となりました」

──摩嶋選手は昨年の4月に金原選手に激闘の末敗れました。対して横山選手は昨年の11月に山本空良選手にNEXUSで競り勝った。そして金原選手は4月に山本選手と戦い圧勝しています。現状、横山選手と摩嶋選手の間には金原選手と山本選手のような差があるかもしれない。そのような見方も成り立ちます。

「ホント、その可能性はあると思っています。金原さんと山本選手は、先輩が先輩らしくボコボコにした試合でした。僕がそうされる可能性は十分にあります。7割、8割、9割の局面をコントロールされて、フィジカルも気持ちも摩嶋選手の方が全部格上だなって負ける。その可能性は結構高い。それか僕が一本を取る。僕が疲れすぎて肩固めでタップという可能性もあるけど、スッと一本を取られることはない。一本決着なら、僕が隙をついて取ります」

──スッと入るということであれば汗を掻く前、初回が勝負かと。

「でも摩嶋選手は1Rが元気なので、そこで掴めるのは難しいと思います。取るなら疲れてきたところなので、気持ちで負けないように……スタミナが切れないようにずっと攻撃し続けてないといけないです」

──それは簡単ではないですね。

「そこッスね。気持ちの保ち方、フィジカルで自分が先に疲れると勝ち目はないです。攻め続けて、相手を疲れさせないと一本は取れない試合になるんじゃないかと」

──勝負だから負けることもあると承知の上で今、冷静に話しているのか。もしくは謙遜して話している風で、心の内は凄く自信があるのか。どちらなのか、判断がしづらいです(笑)。

「両方ッスね(笑)。自信もしっかりあるけど、全てをシミュレーションしています。だから、どうなると負けるのかっていうことも考えていて。ただ謙遜していても、適当なことを言っているということはないです。本当のことしか言っていないです。今回は本当に相手は強いだろうなって」

──それでも自信が伝わってくることが、横山選手の面白いところです。大口を叩いても、やはりそれが大口にしか聞こえない選手もいます。

「真面目に練習していないと、そうなりますよ。やっぱり練習あるのみだから。勢いだけでやっていると、なんか若い子はMMAはやることが多すぎて喧嘩みたいな方にいってしまいますよね」

──若い子はって……。

「僕はデビューしたのが25歳で、もう27歳なので(笑)」

──MMAだけでなく、そこまでの全ての経験値も関係してくるような気もします。特に横山選手は柔術家という括りでいえば、黒帯のコンペティションを経験していることは大きくないでしょうか。

「柔術でいえば黒帯になってからが、本当の勝負なので。そこで戦っている人間と、やっていない人間の違いはあると思います。それとグラップラーだとMMAも柔術もグラップリングもやっていて、負けたら終わりという状況にないことがあります。負けたら終わりという試合をすると、選手は成長できるかと」

──なるほど。では今回の試合に向けて、練習内容に変化はありましたか。

「余り変えていないです。今は仕事として柔術のクラスがありますが、選手練習はMMAだけです」

──その練習場所というのは?

「K-Clannでは……今はATTに行っているけど、牛久(絢太郎)先輩やCOROさん。大尊伸光選手、中原由貴選手とか。あとK-ClannのDEEPに出ている選手なんかと」

──中原選手など、RIZINで同じ階級ですね。

「まぁ、打撃はボッコボコにされています(笑)。メッチャ、強いです。あの人と試合をするとなると、怖いッスね。だからこそ、そういう練習が必要で。あとはFIGHT BASEで(佐藤)将光先生のところに行っているのと、ここS/weelsでもグラップリングの練習をハードにしたり。それとパラエストラ東京を借りてイゴール・タナベ、シビサイ(頌真)さんとかめっちゃデカいですけど(笑)、マネージメントが同じ3人でミットを持ってくれる人やレスリングのコーチが来てくれて一緒にやっています」

──レスリングの指導はどなたが?

「なんか日体大の強い人……凄く強いって言われている人が来てくれます」

──アハハハハ。名前を覚えていないのは失礼かと思うのですが、なぜか許されてしまう得なキャラをしていますよね。

「ハハハハ。MMAの練習は色々な人が誘ってやっているけど、レスラーはやっぱ凄いですね」

──今回の試合に関しては、組んで倒されても自分の庭で戦えるということなりますね。

「向うのやりたい試合が、僕のやりたい形になってくるので、やりたい戦いになると思っています。自分の得意なところを潰されないこと。そこは絶対に潰されない自信はあります」

──トップのプレッシャーに対して、下からのコントロールというところでしょうか。

「そうですね。意外と簡単にスイープできちゃうのか。全然、できないのか。サブミッションのディフェンスはどうなのか。メッチャ緊張しているのですが、凄く楽しみです」

──寝技に付き合わない、突き放す戦いをされる方が嫌かと思うのですが。

「何もしてこないってやつですね。そこはマジで想定しています。突き放してくる分には別に構わないです。立って殴り合いをして、自分からも組むので。でも上から何もしない。パウンドも打たない。取られないことだけを意識して、動いてこないと本当につまらない試合になる可能性はあります。

摩嶋選手は強い選手です。だから……弱い選手が上から何もしてこなくても、動かす方法は意外となくて。それを摩嶋選手が動かないでつまらない戦いをやってきたら、本当につまらない試合になる。そうならないことを願っています。そうならないよう勝つ時も、負ける時も良い試合をしたいですね」

──MMAでの戦い方は、どのように組み立てているのですか。

「自分でやっています。色々なところで練習しているので、細かいところは自分で考えて。そのなかでも、たくさんアドバイスをくれるのは将光先生です。実際にスパーリングをしても、圧倒的に知識とテクニックがありますし。まず将光先生から聞いて、自分でできることをやる。分からないことは将光先生に尋ねて、また試す。そうやって最後は自分で選ぶんですが、将光先生は本当にお世話になっています」

──ここ越えて、この先というのは考えますか。

「これが自分にとってRIZIN公式デビュー戦です。この前の試合はRIZIN体験入門で。今回はこの前の体験で皆から認められて、ファンの人も求めてくれた試合──RIZINの中心メンバーと組まれた。どこまで自分ができるのか。勝っちゃったら、もっと強い人というのはあんまり考えていなくて。いうても、まだ7戦目で。この人と戦いたいというのはあまりないです」

──ここからは横山選手本人の試合ではないのですが、クレベル・コイケ✖金原正徳の一戦の勝利者予想を。

「(きっぱりと)クレベルの一本勝ち」

──おお。

「高校生や青帯の時から見ている業界の大先輩がRIZINに出て、バンバン一本勝ちしているのを視て、俺にもできると思ったところもあるし。クレベルが負けるところを見たくないです。自分の信じた柔術が一番強いという想いが凄くあって、僕はクレベルとサトシが勝ってくれると勝手に誇らしく思っていたし。だから金原選手も凄く強くて、金原選手が勝つパターンも色々と想像できるけど、願い──望みということもあってクレベルが一本取るんじゃないかと思います」

──横山選手は今、柔術ベースのMMAファイターなのかMMAを戦う柔術家なのか。どちらなのでしょうか。

「MMAファイターらしくはなってきちゃってはいます。なぜかというと、今年の収入は柔術よりMMAファイターの方が全然高いので。だからMMAファイターになってきてはしまっているけど、まだ柔術家のノリがあるかな。

ただ柔術の黒帯全日本チャンピオンがMMAをやっているというのはあったけど、RIZINに出てそれなりに注目されているなら、MMAファイターだと言わないとRIZINに失礼かという気持ちもあります。この舞台で戦って注目されているからにはMMAファイターだと思って、やることをやらないといけないです」

■視聴方法(予定)
9月24日(日)
午後2時00分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,RIZIN LIVE,スカパー!

■ RIZIN44対戦カード

<フェザー級/5分3R>
クレベル・コイケ(ブラジル)
金原正徳(日本)

<フェザー級/5分3R>
牛久絢太郎(日本)
萩原京平(日本)

<ライト級/5分3R>
スパイク・カーライル(米国)
堀江圭功(日本)

<フェザー級/5分3R>
中原由貴(日本)
白川陸斗(日本)

<フェザー級/5分3R>
摩嶋一整(日本)
横山武司(日本)

<バンタム級/5分3R>
中島太一(日本)
岡田遼(日本)

<ヘビー級/5分3R>
シビサイ頌真(日本)
ヤノス・チューカス(ハンガリーム)

<ヘビー級/5分3R>
スダリオ剛(日本)
トッド・ダフィー(米国)

<フライ級/5分3R>
福田龍彌(日本)
山本アーセン(日本)

<フライ級/5分3R>
征矢貴(日本)
ラマザン・テミロフ(ウズベキスタン)

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【RIZIN44】ついにクレベル・コイケと対戦、金原正徳「一緒にするなよ!という気持ちはありますよ」

【写真】RIZIN LANDMARK05で山本空良に勝利した時の会見での金原。RIZINで戦うことで、これだけのメディアの質問を試合後に受ける。彼の言葉が、一般メディアに少しでも届くことはMMA界のためになる(C)MMAPLANET

24日(日)さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで開催されるRIZIN44にて、金原正徳がクレベル・コイケと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

ビクター・ヘンリー戦後の引退表明を撤回し、RIZINで芦田崇宏,摩嶋一整 、山本空良と日本人相手に3連勝している金原。今大会でいよいよRIZINフェザー級トップ戦線の一角、元王者のクレベルとの一戦に臨む。金原はクレベル戦を己の格闘技人生を貫く試合と位置づけ、自分がやってきたことを証明したいと話した。


――RIZIN44でのクレベル戦が迫ってきました(取材日は9月15日)。クレベルは元RIZIN王者であり、RIZINフェザー級トップの一角です。日本人相手に3連勝して、そろそろこのクラスの相手と戦いたいという希望があったのですか。

「本音で言ってもいいですか?」

――ぜひ本音を聞かせてもらいたいです。

「自分の中でUFCへの挑戦が終わった時点で、気持ちが続いてなかったというか。トップを目指すという意味では、やっぱりUFCが一番であって、UFC以外はどの山を目指すにしても富士山だと思うんですよ。自分が格闘家としての終着点として、どこを目指すかを考えたときに、富士山を目指すという気持ちにはなれなくて。

もちろん簡単に富士山の頂上まで登れる=日本一になれるわけではないし、そのためにやらなければいけないことはあります。でもそこにモチベーションを向けたり、パワーを注ぐことができなかったというのが正直なところでした」

――RIZIN参戦当初は、こういったキャリアは考えてなかったんですね。

「僕がRIZINに出始めた時期はちょうどコロナ禍と重なっていて、外国人を招聘できないから、日本人同士の試合が増えている状況だったんです。自分の実力的に、コンディションを100パーセントに近い状態まで持っていければ、日本人には負ける気はしなかったし、自分の立ち位置が分かったうえで試合をしていました。だからRIZINで3連勝したからといって、自分の実力が上がっているとか、そういう勘違いはしていないつもりです」

――では僕も本音で質問させてもらうと、日本人選手のマッチメイクが中心とはいえ、金原選手からすると実績・キャリアに差がある、もしRIZINにランキングがあれば下位の選手を迎え撃つという試合が続いたことに対して「なぜ?」という気持ちはなかったですか。

「それはありましたよ、特に前回4月の山本空良戦の時は。今まで自分が積み重ねてきたものを全て否定されたような気持ちになった部分はあります。でも年齢を重ねて若い選手と戦って、踏み台にされることも自分の宿命なのかなとも思ったし。そんな気持ちがあった上で、いざ蓋を開けてみたら、自分が思った通り実力差があることを見せることができたと思うんです。だったら、これからは自分が強いと思える相手とやりたいと思って、その時はヴガール・ケラモフを指名させてもらいました」

――山本戦が王者クラスとやりたいと思うきっかけだったんですね。

「きっかけというか、どうしても選手って試合が近づいてくるとメンタル的に不安になってくるんですよ。僕が山本選手とやった大会は同じ階級のダブルメインイベント(斎藤裕×平本蓮・牛久絢太郎×朝倉未来))の注目度が高かった。自分ではその4人のなかでも俺が一番強いと思っているのに、この4人が注目されるのが日本のMMAの現状だなと思って。フラストレーションやイライラは溜まっていました。

はっきり言えば実力以上に人気がある選手がフューチャーされてしまうこの時代に、俺の格闘家としての存在価値はなんなんだろうって。だったら僕は注目されなくてもいいから、自分が強いと思う相手と戦って、自分が満足してキャリアを終えたいと思いました。僕はずっとそういう道を通ってきた格闘技人生だったから、最後もそれで終わるのがいいんじゃないかなと思います」

――自分が歩んできた道を全うする、金原正徳の道を貫く試合をやる、と。

「僕らの世代は器用じゃないし、SNSを使って上手いことやるとかできないですよ。でも人生をかけて一生懸命、格闘技をやってきた。だったらそれを少しでも多くの人に見てもらいたいという気持ちが強くなってきていますね」

――一方でここ3試合を見て、金原選手の戦い方がより洗練されてきたと感じています。

「外国人選手に勝つためにやってきたことを日本人相手にやっているだけで、もともとの地力に差があるというのは感じます。そこも含めて自分のなかで余裕やゆとりを持って戦えているとは思います」

――摩嶋一整戦のバックステージ映像では、かなり冷静に試合を振り返っていましたよね。試合展開としては逆転勝ちだったにも関わらず、一切慌てていなかったことが印象的でした。

「そこはRIZINルールとユニファイドルールの違いはありますよね。RIZINルールは仮に1・2Rをとられても、3Rに逆転できるルールで、僕はファイトスタイル的に1・2Rとることもできるし、3Rに逆転することもできるので(RIZINルールに)噛み合うと思っています。実際に練習でもRIZINルールを意識したものはやっているので、そこは大きいかなと思います」

――今回のクレベル戦、カード発表会見で「心機一転」という言葉を使っていましたが、そう感じた理由は教えてください。

「クレベルは本当に強い選手だと思うし、今までの感覚でやっていたら絶対に勝てない相手だと思います。20代、30代前半の頃の挑戦者の気持ちを思い出して、身体を作っていこうという意味での心機一転ですね」

――直近3試合のように実力&地力に差がある中で、コンディションを100パーセントに近づけて勝つという試合ではない、と。

「今回は試合に向けた考えが全く違います。ここ3試合は、正直80パーセントくらいのコンディションでも何とか勝てる相手だっと思うんですよ。でもクレベルは120パーセントまで持って行かないと勝てる相手じゃない。だから怪我を恐れず練習量を増やしました。若い頃のように2部練、3部練とやって『疲れた』とか『どこどこが痛い』は関係ない。それで怪我したらそれまでだと思って、厳しく自分を追い込んできました。それがいい方向に出るか、悪い方向に出るかは試合にならないと分からないです。でも最後はやらないよりはやった方がいいと決断して、タイ(タイガ―ムエタイ)にも行きました」

――タイでの練習は今どう影響していますか。

「試合前は不安になることが多い中、『俺はこれだけやってきたから大丈夫だ』と思うことができますよね。まさに昔の僕はそうやって自分に言い聞かせてきた部分があって、今回はそれが出来ていると思います」

――先日公開練習の様子が動画や記事で各メディアにアップされていましたが、僕は試合前にも関わらず芯をついたコメントだったと思いました。

「あれはド正論ですよ」

――公開練習後の囲み取材で「スタンド」と「先手を取る」ことをポイントとして掲げていましたが、僕もこの2つが勝負の鍵だと思っていて。

「はい。そう思ってます」

――そこまで言い切ってしまうこと、それを相手が事前に目にすることは気にならないですか。

「全然気にならないです。僕もクレベルも今更何かを隠してやるようなタイプじゃないし、それがバレたところでお互いどうにかなる選手じゃないんで。自分が試合前にあれをやりたい、これをやりたいと考えるより、リングで実際に向かい合って組んで、そこでどう感じるかのほうが大事です」

――ではそこについても聞かせてください。クレベル選手はレスリングやテイクダウンのアプローチがそこまで積極的ではない分、逆にスタンドの打撃を思い切りやっている印象があります。その意味で金原選手もスタンドが重要という認識なのですか。

「それは少し違って、こちらがスタンドで行き過ぎると組まれるリスクもあるし、逆に間合いが遠くなってクレベルの距離になるのもよくない。だからこそ、そこは試合前の決め事ではなくて、向かい合ってどう感じるかなんですよ」

――なるほど。

「その時の自分の感覚とセコンドが客観的に見たときの距離感とリズム。そこをしっかり把握して戦うことが大事で、それはもう現場合わせでしかできないことですね。僕はそれだけのキャリアも積んできたし、ラウンドごとに修正する引き出しもあるので、あまり試合前に決めきらずにやろうと思います」

――あともう一点、クレベル選手はサブミッションが強い。それは対戦相手なら誰しも分かっていることで、みんな対策を立てて試合をしていると思います。ただそのせいで試合運びがクレベル選手の寝技対策ばかりになり、結果的に受け身になってクレベル選手のサブミッションに捕まるパターンが多い。だから金原選手は「先手を取る」という言葉を使ったのではないかと思いました。

「それはクレベルに限らず、ですね。僕は基本的に先手を取って戦うタイプで、後手にならずに自分からプレッシャーをかけていきたい。仮にテイクダウンされても自分からアクションを起こした結果ならしょうがないよね、と。そうすることで、そのあとの寝技の攻防でも先手がとれるし。最初から後手に回るとテイクダウンされる、背中をつけずにエスケープしようとする…と、どんどん後手後手になるんです。それよりも自分から相手に触りに行って、展開を作っていくことが自分の理想です」

――分かりました。とはいえ過去の戦績を振り返ると金原選手の一本負けは2試合だけなんですよね。

「デビューしてすぐの頃にZSTで佐東伸哉にアームロックを極められたのと、UFCでマイケル・マクドナルドにRNCを極められただけですね。だいぶ対戦相手のレベルが違いますけど(笑)」

――確かに(笑)。ただし金原選手がサブミッションを極められる印象がないのも事実です。

「でもクレベルの試合映像を見れば見るほど『コイツ強いなぁ…』と思いますよ。だからそう感じてからは一切映像は見てないです。クレベルの動きのイメージだけ頭に残しておいて、それ以外にネガティブになる要素には触れないようにしました。勝ちパターンと負けパターン、どちらもイメージしているので、自分の動きを勝ちパターンに近づけることが出来たらベストだと思います」

――これから外国人選手の参戦が増えてくれば、RIZINの見え方や世界観も変わってくると思います。ちょうどその過渡期において、金原選手は自分がやってきた格闘技が何なのかを試合で見せたいですか。

「はい。自分が今までやってきたことは、今のRIZINファイターがやってきたこととは違う。そこを一緒にするなよ!という気持ちはありますよ。で、今回は実際に強い選手とやってみろと言われて、まさに自分がやってきたことの答え合わせだと思うんです。ここであっさり負けるようだったら、お前がやってきたことは他の選手と変わらないじゃんとなるだろうし。クレベルといい試合をして勝つことで、自分がやってきたことの証明ができると思っています」

■視聴方法(予定)
9月24日(日)
午後2時00分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,RIZIN LIVE,スカパー!

■ RIZIN44対戦カード

<フェザー級/5分3R>
クレベル・コイケ(ブラジル)
金原正徳(日本)

<フェザー級/5分3R>
牛久絢太郎(日本)
萩原京平(日本)

<ライト級/5分3R>
スパイク・カーライル(米国)
堀江圭功(日本)

<ヘビー級/5分3R>
スダリオ剛(日本)
トッド・ダフィー(米国)

<キック70キロ契約/3分3R>
安保瑠輝也(日本)
宇佐美正パトリック(日本)

<フェザー級/5分3R>
中原由貴(日本)
白川陸斗(日本)

<フェザー級/5分3R>
摩嶋一整(日本)
横山武司(日本)

<フライ級/5分3R>
福田龍彌(日本)
山本アーセン(日本)

<バンタム級/5分3R>
中島太一(日本)
岡田遼(日本)

<ヘビー級/5分3R>
シビサイ頌真(日本)
ヤノス・チューカス(ハンガリーム)

<フライ級/5分3R>
征矢貴(日本)
ラマザン・テミロフ(ウズベキスタン)

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