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【Shooto2021#03】内藤太尊戦へ、宇野薫─02─「ここまできたら、好きを究めたい」

【写真】年輪が刻まれてなお、透明度が上がっている……そんなMMAへの向き合い方だ (C)MMAPLANET

16日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#03で、内藤太尊と戦う宇野薫インタビュー後編。

プロデビューから25年、46歳の総合格闘技界のパイオニア──彼のいう宇野薫らしさとは、何なのだろうか。

<宇野薫インタビューPart.01はコチラから>


──前回、1年半前のマーカス・ヘルド戦で『もう最後でも良くないか。勝って有終の美じゃないか』とは思いました。でも青木真也、北岡悟、和田竜光、田中路教、上久保周哉、その他、誰の取材でロータスに行っても宇野薫がやってきてスパーリングをしている。

「アハハハ。練習にいつも、遅れちゃうんですよね」

──車移動だから、しょうがないです。でも……いや、だからこそ46歳とか枕詞にならない試合を期待しています。

「ハイ。やはりコンディションという部分でも、以前と比較すると慎重になりました。やりたいと思うと、やってしまう性分なので。今回も青木君が『これぐらいにしておきましょう』という風にストップを掛けてくれて。練習をしている時だけでなく、全体のスケジューリングにも進言してくれています。そういう部分で凄く有難いですし、チームとして良くなっているとは思います。

そこには話が戻ると、前回の試合で勝利という結果を残せたことが関係していると思います。だから『もうひと頑張りしたい』という気持ちでいます」

──ここでも、もうひと頑張りしたいという熱があるのですね。キャリアの総仕上げという風には、全く見えないですし。

「したいですからね(笑)。まぁ、仕上げに入るとかって言うのは考えたことがないですね。この25年間、『何、やってんだよ』とはいつも思ってきましたが」

──田中路教選手が米国に行く前に、宇野選手がロータスでは木曜日の元Krazybee練習にも参加し、ガンガン殴り合っていると聞きました。

「ノリピーもガンガンやっていましたよ(笑)。でも、ノリピーがアルファメールに行って練習している動画とか見ていると、嬉しいですね。頑張っていたから、良かったです」

──やはり頑張る者同士、分かり合えるというのか。いわばイってしまっている人生です。

「そうですね、昼間から殴り合って(笑)」

──やりたいことをやり抜いていますね。

「もう家族は止めないし、でも回りが気を遣って老害にならないようにはしたいです。アレ、こんな風に取れるか……って自分を疑うことがあるんです。本気で組んできていないんじゃないかって……。

だから、本気にさせないといけない。もっと頑張らないといけないと思います」

──変わらないというよりも、純度が高まっているような気がします。

「練習仲間……皆、年下になってしまったけど、皆の頑張りが刺激になっています。MMAでもグラップリングでも、真面目に取り組んでいる人たちに囲まれているので。20代、30代、40代も強い気持ちをもって練習しているので、そこは自分も負けられないという気持ちで常にいます」

──そういうメンバーと練習している宇野選手ですが、内藤太尊選手との試合でやらないとけない戦いはどういうものでしょうか。

「やらないといけないこと、いつも通りです。諦めないこと。一発貰って倒れるのは、もうしょうがないです。でも、最後まで諦めない姿勢を見せることです」

──今回の試合、最初は〇〇〇〇〇選手をリクエストしたと聞いています。

「アハハハ。そうですね……まぁ、怖いけど向き合ってみたいと思いました。だからって、内藤選手を軽視しているとかっていうことは全くないです。厳しい試合になる覚悟でいます」

──そういう姿勢で戦うことが、いつも口にしている『宇野薫らしい試合』ということになるのでしょうか。ただ、宇野薫の試合への向かい方も、相当変わったように感じます。厳しい戦いになろうが、色々なしがらみがなく戦える今の方が楽しめているのではないかと。

「そうかもしれないです。あまり業界のことを気にすることもないですし。自分がやりたいからやっている。そのなかで如何に良いパフォーマンスを出せることができるのか。良い試合ができるのかっていうところが大切で。そのために練習している感じですね」

──そんなキャリア25年となった、今の宇野薫らしさって何なのでしょうか。

「う~ん、何でしょうね……。好きを究めたい。そこだと思います。25年もやり続けても、飽きない。ずっとやっていたい。年を重ねていくにつれて、この環境で練習できていることに周囲、家族、修斗関係者に感謝しています。たくさんの方が応援してくれるから、できるものだと思っているので。

ここまできたら、好きを究めたい──というのはあります」

■視聴方法(予定)
5月16日(日)
午後5時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ Shooto2021#03対戦カード
             
<フェザー級/5分3R>
内藤太尊(日本)
宇野薫(日本)

<ライト級/5分3R>
大尊伸光(日本)
西川大和(日本)

<フライ級/5分3R>
清水清隆(日本)
宇田悠斗(日本)

<バンタム級/5分3R>
加藤ケンジ(日本)
坂巻魁斗(日本)

<インフィニティリーグ2020バンタム級/5分2R>
石井逸人(日本)
野尻定由(日本)

<インフィニティリーグ2020バンタム級/5分2R>
小野島恒太(日本)
一條貴洋(日本)

<女子スーパーアトム級/5分2R>
杉本恵(日本)
檜山美樹子(日本)

<女子スーパーアトム級/5分2R>
中村未来(日本)
北野きゅう(日本)

<女子スーパーアトム級/5分2R>
小生由紀(日本)
澤田千優(日本)

<女子ストロー級/5分2R>
村山大介(日本)
柳仙香(日本)

<トライアルルール・フェザー級/3分2R>
宝珠山桃花(日本)
平沼ヤマト(日本)

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【Shooto2021#03】内藤太尊戦へ、宇野薫─01─「頑張っていても、勝たないとダメ」

【写真】練習の撮影は「集中したい」ということでNGに。これも宇野薫らしさだ(C)MMAPLANET

16日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#03で、宇野薫が内藤太尊と戦う。

5月8日に46歳になった宇野にとって、2019年11月以来のMMAマッチになる。この歳になりコロナ時代を迎え、実戦から遠ざかっていた。それでも彼の姿は常に練習場にあり続ける。

嘘偽りなく書き記すなら、ここ数年は常に最後かもしれないという心境で試合をしているに違いない。それなのに……緊急事態宣言下でイベント自体がどうなるか分からない状況で、宇野薫が考えてきたとは「次」であり、「これから」だった。


──1年半ぶりのMMAですが、緊急事態宣言の延長とその内容が確定するまで、正直なところ大会があるのかどうも宙ぶらりんの状況だったと思います。

「緊急事態宣言が延長されると、大会自体がどうなるのかという心配はしていました。無観客になるのか、延期になるのか、中止になるのか。そのどれになっても、できることは練習だけなので、とにかく練習を続けてきました」

──そうなるしかないですよね。サステインもどういう風に事態が進むのか分からないので、なかなか決断もできなかったでしょうし。

「緊急事態宣言が延長されると、お客さんを入れて開催されるのは厳しいという風には僕も感じていましたし……。ただ、修斗はコロナ禍でも去年の5月の時点で、会場を変更して無観客で大会を行い、僕も解説として参加させてもらっていたので──どういう形でも、試合はあるんじゃないかと思っていました」

──とはいえ、このコロナ禍で20代や30代……特に独身の選手が練習仲間でも多いではないですか。そこで46歳、3人のお子さんの父親である宇野選手は、特にこの1年は色々と考えることがあったのではないでしょうか。

「そこはずっと考えていることです。感染するリスクというのは常にありますから、自分が感染源になってしまわないようにと。それはプロの練習仲間に対してもそうだし、UNO DOJOで練習している一般の会員さんについても、その恐れがあることに心配は続いています。

UNO DOJOはゴールドジムのなかで活動しているので、ゴールドジムの予防対策に則してやってきました。常にマスクをして練習をしていますし、感染リスクを避けて……フィットネス業界の決まりに従っている形ですね」

──予防対策に関しては、自分のなかで昨年4月にRoad to ONEを防護服着用で取材をして良かったと思えることがあります。あの時は、今からすると未知のウィルスに対して、もっと恐怖心があった。あの経験が今も生きているなと。宇野選手もあのイベントに青木選手のセコンドとして参加していましたが、そのようなことはないですか。

「あの時は……本当に怖かったですね。それ以前にセコンドに就いて良いモノなのかという問題もありました。それこそ家族もいますし、あそこで感染したらどうしようということは感じていました。

でも、青木君にとって大切な試合だし、サポートをしたかったです。

それだけにあの時の大会は、消毒とかも徹底していましたよね。試合が終われば、すぐに帰宅しましたし公共交通も使わない決まりでしたからね。5月の修斗の無観客大会も、密を避けるために厳戒態勢が敷かれていました」

──45歳をコロナ禍で過ごしたことになりますが、宇野選手としては試合に関してはどのような気持ちでいたのでしょうか。

「去年はあの状況だったので、後半にタイミングが合えばという風に考えていました。それでQUINTETは出たのですが、MMAに関しては無理して試合をする時期ではないですし、焦ることもなく自分のやるべきことをやって、その時が来るのを待っていました。

そのなかで青木君が常に試合をして、良いパフォーマンスを続けていた。その姿をサポートをしながら近くで見られたことは、凄く刺激になりました。そういうなかで段々とMMAの試合がしたいという風になってきました。

無観客になったとしても、それを経験することは自分のなかで凄く大切になってくる。だから、今回の試合に関しては結果として無事に試合が出来そうですけど、なくなったとしてもそれはそれでしょうがない──また次のため、今年中にデキるのかは分からないですけど、この経験は次に生きると思っていました」

──46歳になりましたが、次に生かせると思えるわけですね。

「僕は自分がやれるところまでやろうと思っていますし、続けたいと常に思っています。そのために日々の練習、トレーニングをやっています」

──数年前には自分が練習でできていることを試合に出したい、成長を確認したいと言われていました。この間も成長が感じられていますか。

「いやぁ、どうなんでしょうか……(笑)。そこは悩みどころです。回りの勢いの良さは、ここ1、2年は凄く感じています。若くて、強くて、上手い選手がどんどん出てきています。対して、自分には衰えてきている部分があると感じていて、そこはせめぎ合いです。

そういう気持ちでいながら、やれることをやる。自分が上手くなりたい、強くなりたいと思って指導してもらっていることを出したい……というのは変わらず持っています。

ただ試合は怖いですし、今回の試合も厳しい展開になることは必ずあります」

──グラップリング、柔術の試合に出ている宇野薫を見て……でも、やっぱり宇野薫はMMAの人だと。似合っているのはMMAだと個人的に腑に落ちた感がありました。

「ホントですか(笑)。ありがとうございます」

──纏っている空気感ですかね。

「グラップリングと柔術も難しく、だから面白いです。ただ怖さという部分で、打撃があるMMAがより怖いというのはあります。MMAは打撃があるなかで、恐怖心がある。その分、結果が出た時は嬉しいです」

──正直、いつまでやっとんのやというのは本当に思っています。どこまで自分のやりたいことを追求しているんだって。

「もう現役を続けることへの疑問は、高島さんに言われるようになって10年にはなりますよね(笑)。でもこないだ『俺はもう何も言わんから』って言われて。あぁ、もう言われないんだなって思ったんです(笑)。言ってくれる人がいなくなるなって。なんか、周囲はやはり僕には言いづらい空気はあるし」

──それは40歳過ぎて、ここまで頑張っている人に同業者は言えないですよ。ただし、記者としてはそういう風に宇野薫を書くことは、自分はできないなと思ってきました。

「……」

──年齢に関係なく、一定の基準でダメならダメだと。

「その通りだと思います。頑張っていても、勝たないとダメだし。自分もそこを気にして来ました。ある程度、一線でできているのか。そこが僕にとって一番のテーマで、今回の試合に関しても同じです」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
5月16日(日)
午後5時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ Shooto2021#03対戦カード
             
<フェザー級/5分3R>
内藤太尊(日本)
宇野薫(日本)

<ライト級/5分3R>
大尊伸光(日本)
西川大和(日本)

<フライ級/5分3R>
清水清隆(日本)
宇田悠斗(日本)

<バンタム級/5分3R>
加藤ケンジ(日本)
坂巻魁斗(日本)

<インフィニティリーグ2020バンタム級/5分2R>
石井逸人(日本)
野尻定由(日本)

<インフィニティリーグ2020バンタム級/5分2R>
小野島恒太(日本)
一條貴洋(日本)

<女子スーパーアトム級/5分2R>
杉本恵(日本)
檜山美樹子(日本)

<女子スーパーアトム級/5分2R>
中村未来(日本)
北野きゅう(日本)

<女子スーパーアトム級/5分2R>
小生由紀(日本)
澤田千優(日本)

<女子ストロー級/5分2R>
村山大介(日本)
柳仙香(日本)

<トライアルルール・フェザー級/3分2R>
宝珠山桃花(日本)
平沼ヤマト(日本)

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J-CAGE News Shooto2021#03 ブログ 内藤太尊 加藤ケンジ 坂巻魁斗 宇野薫

【Shooto2021#03】昨年1月以来の後楽園ホールで10試合。宇野薫が1年半ぶりの実戦&坂巻魁斗は修斗初参戦

【写真】どのようなパフォーマンスを見せることができるか、1年半ぶり──25年目の宇野薫(C)KEISUKE TAKAZAWA

7日(水)、5月16日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#03に宇野薫が出場し、内藤太尊と対戦することが発表された。

1996年10月4日にプロ修斗デビューを果たし、四半世紀が過ぎようとするなか宇野が2019年11月のマーカス・ヘルド戦以来。1年半ぶりにケージに足を踏み入れる。


対戦相手の内藤は1月にSASUKEの持つ修斗環太平洋フェザー級王座に挑み、RNCで敗れている。宇野は今回の試合出場に際し、SASUKE戦を要望したとも伝わっており、現状で戦うことができる最強の選手と対戦を望むという姿勢を持ち続けている。

とはいえ、内藤戦の8日前に46歳を迎えており、どれだけのパフォーマンスをケージの中で見せることができるのか不安は付きまとう。宇野には年齢云々ではなくケージに足を踏み入れる限り、MMAファイターとして成長した姿、そして強さを維持しているところを見せてほしい。

また同大会にはBRAVEからパラエストラ柏に移籍し、修斗初参戦となる坂巻魁斗が加藤ケンジと戦うことも発表された。

ZSTからDEEP、Grachanでキャリを積んできた坂巻だが、過去5戦は1勝4敗で3連敗中と厳しい状況にあり、常勝・鶴屋浩軍団入りし心機一転キャリアの再出発に臨む。

この他、今大会では3回戦でライト級の大尊伸光×西川大和、フライ級=清水清隆✖宇田悠斗と女子は杉本恵✖檜山美樹子、中村未来✖北野きゅう、小生由紀✖澤田千優、宝珠山桃花✖柳仙香のストロー級が4試合。さらにインフィニティリーグ2020バンタム級の最終対戦=石井が逸人✖野尻定由、小野島恒太✖一条貴洋戦が組まれており、これで全10試合が決定。後楽園ホールで10試合以上が組まれるのは、コロナ以前の昨年1月大会以来となる。

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