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ABEMA MMA VTJ VTJ2021   修斗 原口伸 大搗汰晟 宇佐美正パトリック 宇野薫 岡澤弘太 野村駿太

【VTJ2021】VTJ2021はBRAVE INVASION?! 原口伸がMMA2戦目で、佐山道場の岡澤弘太と対戦

【写真】2戦目がVTJとなった原口伸(C)MMAPLANET

28日(木)、Sustainより11月6日(土)に東京都江東区のUSENスタジオコーストで開催されるVTJ2021で原口伸✖岡澤弘太のライト級5分✖2R戦が組まれることが発表されている。

2019年フリースタイルレスリング全日本王者からMMAへ転身、9月のグラチャンで大搗汰晟をパウンドアウトして初陣を飾った原口のVTJ参戦が決まった。


今大会では兄・央が宇野薫と対戦し、早くも兄弟揃い踏みが実現するだけでなく所属するBRAVEからは野村駿太も宇佐美正パトリック戦が決まっており、VTJ2021はBRAVE Invasionの様相を呈している。

そんな原口伸と対戦するのは、佐山道場所属の岡澤だ。グランドスラム所属時代から組み技の強さは評判だった岡澤はZST、パンクラスなどで経験を積み、佐山道場に移籍し修斗初陣でエドモンド金子にエドモンド金子に判定勝ちを収めている。

原口にとって岡澤戦はジムの先輩のリベンジ戦という意味合いも含まれるプロMMA2戦目となった。

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ABEMA MMA ONE SASUKE Shooto Shooto2021#07 VTJ VTJ2021   エンセン井上 中村倫也 佐藤ルミナ 修斗 原口央 坂本一弘 堀口恭司 宇野薫 海外 石原夜叉坊 西川大和

【VTJ2021&Shooto2021#07】坂本一弘代表に訊く、VTJ─02─「VTJはずっと続けるモノではない」

【写真】今や伝説、Vale Tudo Japan99のTeam Japan登場シーン(C)SUSUMU NAGAO

11月6日(土)に東京都江東区のUSENスタジオコーストでVTJ2021とShooto2021#07を主催するSustainの坂本一弘氏インタビューPart.02。

歴史の節目に修斗に表れる裏歴史=VTJを1997年から指揮し、その前年の10月よりワールド修斗~サステインを母体に修斗公式戦を開いてきた坂本氏にVale Tudoとのパーセプションから、日本最弱を経て修斗のレコンキスタ、そして世界と遭遇する大航時代の象徴となったVTJを振り返ってもらい、11月のVTJ2021が果たす役割について話してもらった。

<坂本一弘インタビューPart.01はコチラから>


──カーロス・ニュートン!!  今も中村倫也選手と親交があるそうですよね。

「カーロスは倫也のお父さんの晃三社長にお世話になっていましたからね。あの時、カーロスは初来日で修斗ライトヘビー級王者だったエリック・パーソンに腕十字で一本勝ちしたんですよね。トム・エリクソンもフリーウェイトでエド・デ・クライフに勝っていますね」

──日本勢ではプロデビュー2年目で桜井マッハ速人選手も出場している。凄い面子ですね。

「凄いですねぇ、そう考えたら。今、誰に通じるんかいって話ですけど(笑)、エェ選手が集まっていますよね。まぁ、この年はやっぱりルミナがジョン・ルイスにリベンジを果たしたってことですかね。試合結果でいえば、ドローから一本勝ちなので決着をつけたということになるのですが、97年の公式戦からVJTと結果を残せたのも、ルミナだけは96年に仕留められずに引き分けたから。そういう違いは大きかったんだと思います。

そうですね……94年、95年から96年の日本最弱と呼ばれた大会を経て、VTJもグレイシー柔術への挑戦から、97年と次の年の98年では対世界という部分が色濃くなりましたね」

──なんといっても1998年は……。

(C)SUSUMU NAGAO

「エンセン井上✖ランディ・クートゥアーですね。

90年代のVTJと、その後のVTJ──性格も時代背景も違いますが、ベストバウトという見方をすると1位も2位もなくエンセン井上✖ランディ・クートゥアー、それと堀口恭司✖石渡伸太郎──この2試合しか出てこないです。3位以下はもう皆頑張った、エェ試合で選べない。でも、この2試合は別格。デカいです」

──とはいえ90年代VTJの集大成、1999年のVTJはイベント自体として印象に強く残っているモノではないでしょうか。

「あの年は原点回帰というか、世界を知った修斗が打倒バーリトゥードの母国に挑む。そういうコンセプトでしたね。試合前のセレモニーのチームJAPANの入場シーンは、未だに『格好良かった』と言われますね」

3分間流れたブラジル国歌、この日の第1試合で佐藤ルミナと戦ったのは、今やKINGS MMAの総帥ハファエル・コルデイロだ

──あれは語り継がれるべき、登場シーンだったと思います。

「そしてブラジル国歌がフルバージョンで流れ、ブラジル勢をブックしてくれたエリオ・グレイシーの愛弟子ジョアン・アルベルト・バヘットさんの挨拶が延々と終わらない。それに友情の印で木刀のプレゼントですよ(笑)」

──色々な意味で伝説です。

「1999年のVTJはVale Tudoからの卒業、集大成であるのと当時に僕らがやることも修斗に舵取りをするという時期にきていたんだと思います。VTJはずっと続けるモノではない。だから10年後に再開したり、今回も5年2カ月振りになりますしね。99年のVTJを終えて、修斗という競技をしっかりと確立していく……あの前後で米国、豪州、欧州、ブラジルでアマ修斗があり、プロ公式戦が開かれるようになった。VTJというモノがあり続けると、そういう活動に支障が出ていたかもしれないです。

それは言い方を変えると、それだけのテンションを持って続けられなかったということにもなります。99年のVTJは、やはりイベント全体として最高でした」

──修斗、MMAが確立する以前の決闘の雰囲気が残っていた大会です。

「2000年からNKホール大会が公式戦に変り、あの時代における一つの役割を終えたということですよね」

──それから22年を経て、世界、世界、海外、海外と口にはできますが、全くもって国内の情勢は厳しくなっています。

「あの頃とMMAが行われている国の数が全く違います。選手も世界中で生まれ、育っている。とはいえ日本のレベルも上がっています。絶対論でいえば日本も世界も上がっている。そして後発でMMAが始まった国の選手たちの力の伸び様や、MMAの市場規模の成長という部分で日本と海外を相対的に比較すれば、海外の方が力をつけているということで。

やはり次のステップ、ネクストステージに進むときに、何か楔となるモノが必要です。平良(達郎)、SASUKEも西川大和もそうです。次のステップに行くまでに経験しておくべきことってあると思うんです。それが修斗でできることもあれば、VJTでなければできないこともあります。そういうことを踏まえた上で、結論として『やっていた方が良くない?』という試合、場を提供したいということです。先輩風を吹かせると、ですね(笑)。

もっと華やかな世界はあります。海外で戦うという場合にしても、これはやっていた方が良い、コイツは越えておいた方がエェというのは常にありますよ」

──とはいえ現状、コロナ禍において外国人の招聘が難しく、スポーツ庁などに働きかけてもそれこそ90年代のVTJのような海外勢が半分出てくるというイベントは開けないです。今後ということも含め、どのような国から海外勢を招聘したいと考えていますか。

「まずお隣の韓国は外せないです。強い選手が多いのは当然ですし、地理的にも招聘しやすい。ただ、ワクチン接種が選手の世代にはなかなか回ってこないという事情があるようで。今回のVTJに関しては、韓国勢の招聘は見送ることにしました。そうなってくると北米になりますね。ワクチン接種が進んでいますし」

──対して日本勢というのは?

「僕が出てほしいのは平良、西川、SASUKE。彼らにはやはり出てほしいと思っています。『お前らが何か変えろよ』と、彼らには変える力がありますからね。そういう選手に海外から選手を招聘できるようなら、外国勢を当てたいですね。もしくは海外を経験してきた選手を。そういう選手と戦うというのも、現状のVJTの一つの要素ですね」

──ただし現在の修斗で海外を知る選手というのは、思い当たるのは宇野選手を筆頭にして、夜叉坊選手ですか。それとONEと契約している選手ですかね。

「ONEと契約している選手は、ONEとまず話をしてクリアーにならないといけないですが、そのパターンも視野にはいれています。あと石原夜叉坊はVTJ前に米国で試合があるようで(※10月17日にFury FCに出場しドローだった)。『決めてまいましたわぇ。このままじゃ、帰られまへんねん』ということでしたね」

──『帰られまへん』とは言わないでしょう(笑)。

「アハハハ。まぁ、夜叉坊も意地があるでしょうしね。そういうことで夜叉坊の出場はないですが、宇野薫(インタビュー後に原口央との対戦が決定)以外にも、ここはVTJですし修斗に出場経験のない選手の試合というのも考えています」

──VTJと修斗の昼夜興行というのも興味深いです。

「以前は一つのイベントで公式戦とVTJルールの試合を前後にわけて組んだことがありますが、イベントを並べるのは初めてですね」

<この項、続く>

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ARAMI MIKE MMA News SARAMI Shooto VTJ2021   修斗 原口央 宇野薫 岩本健汰 猿丸ジュンジ 結城大樹 黒澤亮平 黒部三奈

11.6『VTJ 2021』で宇野薫と原口央が対戦


VTJ 11.6 USEN STUDIO COAST:デビュー25周年・宇野薫が出場。GLADIATORフェザー級新王者・原口央と対戦(バウトレビュー)

 11月6日に新木場のUSEN STUDIO COASTで開催する『VTJ 2021』で宇野薫 vs. 原口央が行われるとのこと。

 宇野は5月16日の『PROFESSIONAL SHOOTO 2021 Vol.3』で内藤太尊に2R KO負けして以来の試合。原口は9月26日の『GLADIATOR 15』でMIKEに2R TKO勝ちしフェザー級王座を戴冠して以来の試合。

11.6 プロフェッショナル修斗・USEN STUDIO COAST大会決定カード 今、トレンドはグラップリング?! 国内屈指のグラップラー岩本健汰が連続参戦! に続き高橋SUBMISSIONも参戦決定! 世界ランカー・結城、ハードストライカー・山内と激突!(日本修斗協会公認サイト)
◎フェザー級5分2R
結城大樹(同級世界9位/マスタージャパン福岡)
vs
岩本健汰(ロータス世田谷)

◎フライ級5分2R
高橋SUBMISSION雄己(和術慧舟會HEARTS)
vs
山内 渉(FIGHT FARM)

◎女子世界スーパーアトム級チャンピオンシップ5分5R
黒部三奈(王者・初防衛戦/マスタージャパン東京)
vs
SARAMI(挑戦者・同級1位/パンクラスイズム横浜)

◎世界ストロー級暫定チャンピオン決定戦5分5R
猿丸ジュンジ(同級1位/修斗GYM東京)
vs
黒澤亮平(同級5位/パラエストラ松戸)

 この日は同会場で昼に『PROFESSIONAL SHOOTO 2021 Vol.7』が開催され、以上のカードが決定しています。続きを読む・・・
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ABEMA DEEP MMA UFC VTJ2021 ボクシング 修斗 原口央 宇野薫

【VTJ2021】キャリア26年目突入の宇野薫。7度目のVJT出場でGladiator王者の原口央と対戦

【写真】日本最弱と形容された1996年のVJTから3週間後のアマ修斗で準優勝、3カ月後にプロデビューした宇野(C)MMAPLANET

10日(日)、11月6日(土)に東京都江東区のUSENスタジオコーストで開催されるVTJ2021で、宇野薫✖原口央戦が組まれることがSustainから発表されている。

2016年9月以来、5年2カ月振りに行われるVTJは『世界を目指す者』と『世界を知る者』の競演となる模様だが、後者から世界を知り抜く宇野の出場が決まった。


1996年10月デビューの宇野、ついにプロMMAファイター人生も四半世紀を過ぎ、26年目に突入した。この長いMMAファイター人生のなかで、宇野は2度に渡りUFCを主戦場としている。

2001年2月から2003年9月の第一次参戦期にはUFC世界王座挑戦が2度、6年後の2009年6月から2010年3月にかけて2度目のUFC参戦し、オクタゴンで通算3勝5敗2分という戦績を残している。

VTJは1998年に初出場を果たし、その後は1999年、2013年✖2、2014年✖2──今回で7度目の参戦となる。今年の5月で46歳となった宇野と戦う原口は9月26日にGladiatorフェザー級のベルトを巻いたばかりの26歳。

2019年5月にZSTでデビューし、BRAVE FIGHT、DEEP、そしてGLADIAOTRで戦績を積み現在5勝2敗だ。

原口のデビュー後、宇野のMMA戦績は1勝2敗で今や経験値がアドバンテージとも言い切れない状態といえる。反応、瞬発力でいえば原口が宇野をリードしているといっても過言でなく、特に正面、バックコントロール状態でのダーティーボクシングには気をつけたい。

対して、宇野の強みは一瞬の切り返しか。この辺りはもう判断でも閃きでもない。体が覚えている危機察知能力だ。その宇野は、この日の修斗&VJTダブルヘッダーに向け修斗フェザー級でのランキングアップを視野に入れ、公式戦出場を要望したという話も伝わってくる。

いつまでも貪欲、それこそ宇野が戦い続ける原動力となっているが、原口としては既に現役を退いた師・宮田和幸が10年11カ月前に破っている総合格闘技界のパイオアニアに対しても、老兵はそろそろ席を譲れという意気込みでいることは間違いない。

ケージの中は過去の栄光も、日々の意気込みも……そして貪欲な姿勢も関係ない。問われるのは当日の強さのみ。当然ながら宇野にとってはラストファイトとなる可能性がある、原口戦だ。

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Column ブログ 宇野薫

【 Column】2009年1月の宇野薫

【写真】色々なことを知ることができた──KJ・ヌーンのボディ打ち

「僕、続けられるか……自信がなくなりました」

宇野薫にそんな風に話しかけられたのはカルバーシティの前田桂さん宅。その寝室だったか。あの時の表情は忘れることはない。

2009年1月、宇野薫と11日間の出稽古の旅を敢行した。その前年、確かディファ有明で行われたケージフォースの取材を終えて車に向かってパーキングを歩いている時だったと思う。宇野がやっていて『今度、アメリカで取材する時、同行させてもらって向うで練習できないでしょうか』と話しかけられた。

正直、戸惑った。それまでも植松直哉や中山巧、礒野元さんとLA近辺の柔術道場を回ったことがあったが、宇野薫の表情があまりにも切羽詰まっていたからだ。

そして、当時の自分は今よりずっと粗暴で、人の気持ちなど斟酌せず、心根にあることなら何でも口にして、文字に認め、一部の人間を除きちょっとした壁を持っていた。

だから宇野の申し出に戸惑った。ただし、日本のトップファイターが頭を下げ、真っ直ぐな目で申し出てきたのだから断ることはできなかった。

にしても、まだまだ自分も青かった。ただひたすら、可能か限りに自分が取材をしたいジムを車で移動し、そのスケジュールで1日2部練は当然で、ブラジリアン柔術、ボクシング、MMA、なんでもかんでも詰め込み、宇野はひたすら体を動かし続けた。

そこに大会取材も折り込んだものだから、今から振り返るとすさまじい日々を宇野が送っていたことに震えすら感じる。

1月22日にLAに到着し、その足でリムーアへPFCを観戦するために北上した。翌日はすぐに南下しアナハイムでアフリクションの計量に寄り、ハンディントンビーチへ。クレバー・ルシアーノの下で道着柔術とシュートボクセUSAでハファエル・コルデイロと首相撲とスパーリングを行った。

道着の練習は予定していなかったので、自分が持参したマチャド・キモノを宇野は着ていたはずだ。

LAでは前田桂さんの家に寄せてもらった。24日はダウンタウンLAでフィットネスエキスポを覗き、アフリクションへ。翌25日にサンディエゴへ向かい、WECを観戦。宇野はレンタカーの運転も進んでしてくれた。

26日、本格的にジム巡り──彼が心身ともに削られる旅が始まった。シティボクシングでKJ・ヌーンとシュートボックスのスパーリング──宇野は組みつくこともできず、ボディで倒された。ガードの上からとはいえ顔面にも容赦なくパンチを被弾した。

シティボクシングを後にし、40分後には柔術ユニバーシティでサウロ・ヒベイロのパーソナルを受ける。宇野逃げが、技術的には穴がなり彼の感覚で可能になっていたことを知った。その後、道着を着てクラスに合流──ホイラー・グレイシーとのスパーリングが実現した。

宇野の顔にも満面の笑みが見られた極上の時間を終え、カルバーシティに戻った。その日の深夜だったと思う、冒頭の宇野の言葉を聞いたのは。

それだけKJとのスパーリングが、トラウマになっていた。宇野が出稽古の旅を欲したのはJZ・カバウカンチの高い打撃力からのテイクダウン&寝技を体感し、MMAが急速に進歩していることを感じとったからだった。

加えてDREAMライト級GPで青木真也に敗れた。戦極では北岡悟が象徴的な活躍をしている。新しい世代の台頭に、焦りもあった。それでもライト級のパイオニアは、自負もあったに違いない。修斗を制し、UFCの世界戦に挑んだ。自分の力に自信がなければ、出稽古なんてできない。

多くを語らない宇野だが、きっとその自信が木っ端みじんに吹き飛んだのがKJとのスパーだったのだろう。

自分が彼にどんな風に答えたのか、本当に覚えていない。ただ、優しい言葉を口にしたとは思えない。それでも彼は黙々と出稽古の旅を続けた。

27日、ガーデングローブでナム・ファンと練習、マチャド柔術の黒帯パウロ・ギベラルなど日本では無名の猛者の組み技力の強さを体感した。ここからランチョクカモンガへ移動し、ミレニアMMAでハビエル・バスケスやジョージ―・カラキャニャンとロールした。

KJとのシュートボックスのようにエゲツナイ攻撃はされないが、実際のところ我々がまだ気づいていない時代から米国のグラップリングはずっと日本の先を行っており、宇野は攻められ続けながらも、サウロに習ったエスケープ方法を試す姿が見られた。

出稽古先のジムは誰もが宇野にフレンドリーで、リスペクトをもって接してくれた。練習後は多くの会員やジム関係者が、彼と一緒に写真に収まろうとした。宇野も笑顔だった。

今からすれば、何て酷だったのかと思う。尊敬され、友好的。でもスパーでは歯が立たない。彼はどんな気持ちで、車の助手席に座っていたんだろうか。宇野の言葉数が減っても、自分は『疲れているな』というぐらいの感覚だった。

28日、エルセグンドでウラジミール・マティシェンコにレスリングと打撃が融合したテクニックを教わり、アントニー・ホーイドンクにダッチ・キックボクシングの気構えも指導してもらった。

その2時間後にワイルドカードで、フレディ・ローチとマイケル・モーラーからボクシングのプレイベート・レッスンを受ける。フレディは凄く優しかったが、モーラーはガチで鬼軍曹のような指導方法だった。

29日、空路LAへ。この日は洗濯やショッピング、体を休めた。30日午前、エクストリーム・クートゥアーで予定していた練習時間に変更があったようで、プロ練習はなくマイク・パイルにマンツーマンでギロチンの入り方などレッスンを受けた。

午後4時からプロ練に合流、ロブ・マックロー、マック・ダンジグ、グレイ・メイナード、同じく出稽古に来ていた水垣偉弥とMMAトレーニング──まだ宇野が経験していないドリル、壁レスのシチュエーションスパー、パウンドのバッグと今や常識となった練習を経験、これ以上ないほど追い込んだ。

にもかかわらず、自分はコブラカイで取材があるということで、疲弊しまくっている宇野を連れて──今度は最先端のノーギグラプリングのスパーに向かった。

この時、彼は心の中で「道に迷って、着くな」と思っていたことを後日、話してくれた……。

31日、UFCを観戦。2月1日に帰国の途に就いた。

本当に宇野には申し訳ないと思っている。当時、北米がどんなものが知った気になり、ただそれを体感してほしいと彼の心身のダメージを考えず、ムチャな行程での練習にった一人放り込んでしまった。

どの練習でもCAOL UNOはギラギラとした向上心の塊のような20代のファイターの格好の標的になっていた。

体のケアもできないし、技術練習の反復相手もいない。そんな時間を彼に過ごさせたことは、帰国して幾人かの選手のと会話のなかで気付かされた。

以降、自分が選手と行った出稽古の旅は、基本は複数で行い、可能な限り休息を設ける。時には旧知の選手にガードマンの役割を頼み、防波堤になってもらうようにもなった。

それが宇野薫と1600キロのドライブした、日々で学んだことだ。体はともかく、心はスーパーマンじゃない。心が強いから、コレができているのではない。

強い心を持たないと、続けられない。自己弁明になるが、4年後に再び宇野と出稽古の旅を同じくサンディエゴ、そしてシカゴやインディアナで行った時は、この反省が生きていたと思う。

それにしても、良く宇野薫は自分なんかと長時間のドライブをして、モーテルやホテルでも部屋をシェアするという日々を行えたと感心しています。今思えば、それこそが彼が如何に格闘技が好きなのかという表れなのだろう。

最初の出稽古の旅から帰国した宇野とは、練習の日々を総括する取材で何度か会った。そして──また、真っすぐな視線の彼が「ロータス世田谷のYBTで練習したいです」と口にした。

青木と北岡と練習することは怖い。ただし、そこにダイブしないとサバイブすることはできない。そんな覚悟が感じ取られた。

2009年2月27日、旧ロータス世田谷で宇野薫は青木真也に壁や金網に押し込まれ、テイクダウンされ、バックチョークを取られた。ここから、新たな宇野薫のMMAストーリーが紡がれていった。


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J-CAGE Report Shooto2021#03 ブログ 内藤太尊 宇野薫

【Shooto2021#03】TD&バックを狙い続ける宇野薫を、内藤太尊が右カウンターでマットに沈める

<フェザー級/5分3R>
内藤太尊(日本)
Def.2R4分59秒 by KO
宇野薫(日本)

サウスポーの宇野が左ロー。内藤はプレッシャーをかけてパンチを放つが、それをかいくぐってダブルを仕掛けた宇野が、バックに回りながらグラウンドに引きづりこむ。ケージ際でバックマウントを奪った宇野は、たすき掛けのまま、動く内藤のバックをキープ。内藤が亀になるとシングルバックで制する。内藤は立ち上がり、宇野を振り落とす。宇野は下から蹴りを打ちながら立ち上がる。

離れると内藤が右ショートをヒット。宇野はダブルを狙うが、内藤はこれをカットしてパンチを落としていく。ブレイクが掛かり、再開後も内藤は宇野が入ってくるところにショートのパンチを合わせる。宇野はシングルで入り、しつこく食らいついてテイクダウンに成功。内藤は下から足を利かせ、体を反転させるが、宇野はそのまま上をキープした。

2R、内藤が前に出たところに右フックを合わせた宇野。さらに内藤がパンチを放ってくると、宇野は組み付いて内藤をケージに押し込む。離れ際に右ヒジを狙う内藤。もみあいの中で尻もちをつくる場面も多い宇野は、テイクダウンをカットされ、そこに内藤がパンチを落とす。宇野がダブルを仕掛け、内藤をケージに押し込む。内藤が切り返して宇野にヒザを着かせるが、戻した宇野がボディロックから反対にテイクダウンを奪った。

ハーフガードを取る内藤がスイープ。立ち上がって宇野のバックに回り、パンチとヒジを連打する。宇野は右フックを返しながら、距離が近くなったところで右ショートをヒット。組み付いてバックに回り、グラウンドに持ち込もうとする。踏ん張る内藤のバックも狙いながら、内藤にヒザを着かせた宇野が、バックマウントを狙う。起き上がった内藤を再びグラウンドに引きこもうとするが、内藤がトップを奪う。

これを凌いだ宇野は離れ、その宇野を捕まえた内藤はダーティボクシングからのアッパーを連続ヒット。宇野のダブルレッグをカットした内藤は、立ち上がり際に右ヒザを突き上げる。ラウンド残り15秒でパンチの打ち合いを始めた両者。そして内藤の右クロスをもらって動きが止まった宇野。内藤が宇野の右に右ストレートをカウンターで追撃すると、宇野は崩れ落ち、レフェリーが試合を止めた。


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J-CAGE News Shooto2021#03 ブログ 内藤太尊 大尊伸光 宇田悠斗 宇野薫 小野島恒太 清水清隆 石井逸人 西川大和 野尻定由

【Shooto2021#03】計量終了 14カ月振りに全試合で正式階級&前日計量が実施され──全選手パス

【写真】セレモニアルでもなく、当日の1階級上でもない引き締まった空気感のある前日計量(C) THE 1

明日16日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#03 の計量が、本日15日(土)に品川区の修斗ジム東京で行われた。

昨年3月のFight & Mosh以来、初めて全試合が従来の階級&前日計量が──非公開ながら実施された。トライアルルール戦も含め、全11試合。一人も体重オーバーはなく、明日の試合に臨むことになった。

全選手の計量結果は以下の通りだ。

<ライト級/5分3R>
大尊伸光:70.3キロ
西川大和:69.7キロ

<フェザー級/5分3R>
内藤太尊:65.8キロ
宇野薫:65.7キロ

<フライ級/5分3R>
清水清隆:56.7キロ
宇田悠斗:56.7キロ

<バンタム級/5分3R>
加藤ケンジ:61.2キロ
坂巻魁斗:60.8キロ

<インフィニティリーグ2020バンタム級/5分2R>
石井逸人:61.2キロ
野尻定由:61.1キロ

<インフィニティリーグ2020バンタム級/5分2R>
小野島恒太:61.1キロ
一條貴洋:61.2キロ

<トライアルルール・フェザー級/3分2R>
村山大介:65.5キロ
平沼ヤマト:65.7キロ

<女子スーパーアトム級/5分2R>
杉本恵:49.9キロ
檜山美樹子:50.0キロ

<女子スーパーアトム級/5分2R>
中村未来:49.9キロ
北野きゅう:49.9キロ

<女子スーパーアトム級/5分2R>
小生由紀:50.0キロ
澤田千優:49.3キロ

<女子ストロー級/5分2R>
宝珠山桃花:51.8キロ
柳仙香:51.9キロ

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Interview J-CAGE Shooto2021#03  グラチアン・サジンスキ ブログ 内藤太尊 宇野薫

【Shooto2021#03】内藤太尊戦へ、宇野薫─02─「ここまできたら、好きを究めたい」

【写真】年輪が刻まれてなお、透明度が上がっている……そんなMMAへの向き合い方だ (C)MMAPLANET

16日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#03で、内藤太尊と戦う宇野薫インタビュー後編。

プロデビューから25年、46歳の総合格闘技界のパイオニア──彼のいう宇野薫らしさとは、何なのだろうか。

<宇野薫インタビューPart.01はコチラから>


──前回、1年半前のマーカス・ヘルド戦で『もう最後でも良くないか。勝って有終の美じゃないか』とは思いました。でも青木真也、北岡悟、和田竜光、田中路教、上久保周哉、その他、誰の取材でロータスに行っても宇野薫がやってきてスパーリングをしている。

「アハハハ。練習にいつも、遅れちゃうんですよね」

──車移動だから、しょうがないです。でも……いや、だからこそ46歳とか枕詞にならない試合を期待しています。

「ハイ。やはりコンディションという部分でも、以前と比較すると慎重になりました。やりたいと思うと、やってしまう性分なので。今回も青木君が『これぐらいにしておきましょう』という風にストップを掛けてくれて。練習をしている時だけでなく、全体のスケジューリングにも進言してくれています。そういう部分で凄く有難いですし、チームとして良くなっているとは思います。

そこには話が戻ると、前回の試合で勝利という結果を残せたことが関係していると思います。だから『もうひと頑張りしたい』という気持ちでいます」

──ここでも、もうひと頑張りしたいという熱があるのですね。キャリアの総仕上げという風には、全く見えないですし。

「したいですからね(笑)。まぁ、仕上げに入るとかって言うのは考えたことがないですね。この25年間、『何、やってんだよ』とはいつも思ってきましたが」

──田中路教選手が米国に行く前に、宇野選手がロータスでは木曜日の元Krazybee練習にも参加し、ガンガン殴り合っていると聞きました。

「ノリピーもガンガンやっていましたよ(笑)。でも、ノリピーがアルファメールに行って練習している動画とか見ていると、嬉しいですね。頑張っていたから、良かったです」

──やはり頑張る者同士、分かり合えるというのか。いわばイってしまっている人生です。

「そうですね、昼間から殴り合って(笑)」

──やりたいことをやり抜いていますね。

「もう家族は止めないし、でも回りが気を遣って老害にならないようにはしたいです。アレ、こんな風に取れるか……って自分を疑うことがあるんです。本気で組んできていないんじゃないかって……。

だから、本気にさせないといけない。もっと頑張らないといけないと思います」

──変わらないというよりも、純度が高まっているような気がします。

「練習仲間……皆、年下になってしまったけど、皆の頑張りが刺激になっています。MMAでもグラップリングでも、真面目に取り組んでいる人たちに囲まれているので。20代、30代、40代も強い気持ちをもって練習しているので、そこは自分も負けられないという気持ちで常にいます」

──そういうメンバーと練習している宇野選手ですが、内藤太尊選手との試合でやらないとけない戦いはどういうものでしょうか。

「やらないといけないこと、いつも通りです。諦めないこと。一発貰って倒れるのは、もうしょうがないです。でも、最後まで諦めない姿勢を見せることです」

──今回の試合、最初は〇〇〇〇〇選手をリクエストしたと聞いています。

「アハハハ。そうですね……まぁ、怖いけど向き合ってみたいと思いました。だからって、内藤選手を軽視しているとかっていうことは全くないです。厳しい試合になる覚悟でいます」

──そういう姿勢で戦うことが、いつも口にしている『宇野薫らしい試合』ということになるのでしょうか。ただ、宇野薫の試合への向かい方も、相当変わったように感じます。厳しい戦いになろうが、色々なしがらみがなく戦える今の方が楽しめているのではないかと。

「そうかもしれないです。あまり業界のことを気にすることもないですし。自分がやりたいからやっている。そのなかで如何に良いパフォーマンスを出せることができるのか。良い試合ができるのかっていうところが大切で。そのために練習している感じですね」

──そんなキャリア25年となった、今の宇野薫らしさって何なのでしょうか。

「う~ん、何でしょうね……。好きを究めたい。そこだと思います。25年もやり続けても、飽きない。ずっとやっていたい。年を重ねていくにつれて、この環境で練習できていることに周囲、家族、修斗関係者に感謝しています。たくさんの方が応援してくれるから、できるものだと思っているので。

ここまできたら、好きを究めたい──というのはあります」

■視聴方法(予定)
5月16日(日)
午後5時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ Shooto2021#03対戦カード
             
<フェザー級/5分3R>
内藤太尊(日本)
宇野薫(日本)

<ライト級/5分3R>
大尊伸光(日本)
西川大和(日本)

<フライ級/5分3R>
清水清隆(日本)
宇田悠斗(日本)

<バンタム級/5分3R>
加藤ケンジ(日本)
坂巻魁斗(日本)

<インフィニティリーグ2020バンタム級/5分2R>
石井逸人(日本)
野尻定由(日本)

<インフィニティリーグ2020バンタム級/5分2R>
小野島恒太(日本)
一條貴洋(日本)

<女子スーパーアトム級/5分2R>
杉本恵(日本)
檜山美樹子(日本)

<女子スーパーアトム級/5分2R>
中村未来(日本)
北野きゅう(日本)

<女子スーパーアトム級/5分2R>
小生由紀(日本)
澤田千優(日本)

<女子ストロー級/5分2R>
村山大介(日本)
柳仙香(日本)

<トライアルルール・フェザー級/3分2R>
宝珠山桃花(日本)
平沼ヤマト(日本)

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Interview J-CAGE Shooto2021#03 ブログ 内藤太尊 宇野薫

【Shooto2021#03】内藤太尊戦へ、宇野薫─01─「頑張っていても、勝たないとダメ」

【写真】練習の撮影は「集中したい」ということでNGに。これも宇野薫らしさだ(C)MMAPLANET

16日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#03で、宇野薫が内藤太尊と戦う。

5月8日に46歳になった宇野にとって、2019年11月以来のMMAマッチになる。この歳になりコロナ時代を迎え、実戦から遠ざかっていた。それでも彼の姿は常に練習場にあり続ける。

嘘偽りなく書き記すなら、ここ数年は常に最後かもしれないという心境で試合をしているに違いない。それなのに……緊急事態宣言下でイベント自体がどうなるか分からない状況で、宇野薫が考えてきたとは「次」であり、「これから」だった。


──1年半ぶりのMMAですが、緊急事態宣言の延長とその内容が確定するまで、正直なところ大会があるのかどうも宙ぶらりんの状況だったと思います。

「緊急事態宣言が延長されると、大会自体がどうなるのかという心配はしていました。無観客になるのか、延期になるのか、中止になるのか。そのどれになっても、できることは練習だけなので、とにかく練習を続けてきました」

──そうなるしかないですよね。サステインもどういう風に事態が進むのか分からないので、なかなか決断もできなかったでしょうし。

「緊急事態宣言が延長されると、お客さんを入れて開催されるのは厳しいという風には僕も感じていましたし……。ただ、修斗はコロナ禍でも去年の5月の時点で、会場を変更して無観客で大会を行い、僕も解説として参加させてもらっていたので──どういう形でも、試合はあるんじゃないかと思っていました」

──とはいえ、このコロナ禍で20代や30代……特に独身の選手が練習仲間でも多いではないですか。そこで46歳、3人のお子さんの父親である宇野選手は、特にこの1年は色々と考えることがあったのではないでしょうか。

「そこはずっと考えていることです。感染するリスクというのは常にありますから、自分が感染源になってしまわないようにと。それはプロの練習仲間に対してもそうだし、UNO DOJOで練習している一般の会員さんについても、その恐れがあることに心配は続いています。

UNO DOJOはゴールドジムのなかで活動しているので、ゴールドジムの予防対策に則してやってきました。常にマスクをして練習をしていますし、感染リスクを避けて……フィットネス業界の決まりに従っている形ですね」

──予防対策に関しては、自分のなかで昨年4月にRoad to ONEを防護服着用で取材をして良かったと思えることがあります。あの時は、今からすると未知のウィルスに対して、もっと恐怖心があった。あの経験が今も生きているなと。宇野選手もあのイベントに青木選手のセコンドとして参加していましたが、そのようなことはないですか。

「あの時は……本当に怖かったですね。それ以前にセコンドに就いて良いモノなのかという問題もありました。それこそ家族もいますし、あそこで感染したらどうしようということは感じていました。

でも、青木君にとって大切な試合だし、サポートをしたかったです。

それだけにあの時の大会は、消毒とかも徹底していましたよね。試合が終われば、すぐに帰宅しましたし公共交通も使わない決まりでしたからね。5月の修斗の無観客大会も、密を避けるために厳戒態勢が敷かれていました」

──45歳をコロナ禍で過ごしたことになりますが、宇野選手としては試合に関してはどのような気持ちでいたのでしょうか。

「去年はあの状況だったので、後半にタイミングが合えばという風に考えていました。それでQUINTETは出たのですが、MMAに関しては無理して試合をする時期ではないですし、焦ることもなく自分のやるべきことをやって、その時が来るのを待っていました。

そのなかで青木君が常に試合をして、良いパフォーマンスを続けていた。その姿をサポートをしながら近くで見られたことは、凄く刺激になりました。そういうなかで段々とMMAの試合がしたいという風になってきました。

無観客になったとしても、それを経験することは自分のなかで凄く大切になってくる。だから、今回の試合に関しては結果として無事に試合が出来そうですけど、なくなったとしてもそれはそれでしょうがない──また次のため、今年中にデキるのかは分からないですけど、この経験は次に生きると思っていました」

──46歳になりましたが、次に生かせると思えるわけですね。

「僕は自分がやれるところまでやろうと思っていますし、続けたいと常に思っています。そのために日々の練習、トレーニングをやっています」

──数年前には自分が練習でできていることを試合に出したい、成長を確認したいと言われていました。この間も成長が感じられていますか。

「いやぁ、どうなんでしょうか……(笑)。そこは悩みどころです。回りの勢いの良さは、ここ1、2年は凄く感じています。若くて、強くて、上手い選手がどんどん出てきています。対して、自分には衰えてきている部分があると感じていて、そこはせめぎ合いです。

そういう気持ちでいながら、やれることをやる。自分が上手くなりたい、強くなりたいと思って指導してもらっていることを出したい……というのは変わらず持っています。

ただ試合は怖いですし、今回の試合も厳しい展開になることは必ずあります」

──グラップリング、柔術の試合に出ている宇野薫を見て……でも、やっぱり宇野薫はMMAの人だと。似合っているのはMMAだと個人的に腑に落ちた感がありました。

「ホントですか(笑)。ありがとうございます」

──纏っている空気感ですかね。

「グラップリングと柔術も難しく、だから面白いです。ただ怖さという部分で、打撃があるMMAがより怖いというのはあります。MMAは打撃があるなかで、恐怖心がある。その分、結果が出た時は嬉しいです」

──正直、いつまでやっとんのやというのは本当に思っています。どこまで自分のやりたいことを追求しているんだって。

「もう現役を続けることへの疑問は、高島さんに言われるようになって10年にはなりますよね(笑)。でもこないだ『俺はもう何も言わんから』って言われて。あぁ、もう言われないんだなって思ったんです(笑)。言ってくれる人がいなくなるなって。なんか、周囲はやはり僕には言いづらい空気はあるし」

──それは40歳過ぎて、ここまで頑張っている人に同業者は言えないですよ。ただし、記者としてはそういう風に宇野薫を書くことは、自分はできないなと思ってきました。

「……」

──年齢に関係なく、一定の基準でダメならダメだと。

「その通りだと思います。頑張っていても、勝たないとダメだし。自分もそこを気にして来ました。ある程度、一線でできているのか。そこが僕にとって一番のテーマで、今回の試合に関しても同じです」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
5月16日(日)
午後5時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ Shooto2021#03対戦カード
             
<フェザー級/5分3R>
内藤太尊(日本)
宇野薫(日本)

<ライト級/5分3R>
大尊伸光(日本)
西川大和(日本)

<フライ級/5分3R>
清水清隆(日本)
宇田悠斗(日本)

<バンタム級/5分3R>
加藤ケンジ(日本)
坂巻魁斗(日本)

<インフィニティリーグ2020バンタム級/5分2R>
石井逸人(日本)
野尻定由(日本)

<インフィニティリーグ2020バンタム級/5分2R>
小野島恒太(日本)
一條貴洋(日本)

<女子スーパーアトム級/5分2R>
杉本恵(日本)
檜山美樹子(日本)

<女子スーパーアトム級/5分2R>
中村未来(日本)
北野きゅう(日本)

<女子スーパーアトム級/5分2R>
小生由紀(日本)
澤田千優(日本)

<女子ストロー級/5分2R>
村山大介(日本)
柳仙香(日本)

<トライアルルール・フェザー級/3分2R>
宝珠山桃花(日本)
平沼ヤマト(日本)

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J-CAGE News Shooto2021#03 ブログ 内藤太尊 加藤ケンジ 坂巻魁斗 宇野薫

【Shooto2021#03】昨年1月以来の後楽園ホールで10試合。宇野薫が1年半ぶりの実戦&坂巻魁斗は修斗初参戦

【写真】どのようなパフォーマンスを見せることができるか、1年半ぶり──25年目の宇野薫(C)KEISUKE TAKAZAWA

7日(水)、5月16日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#03に宇野薫が出場し、内藤太尊と対戦することが発表された。

1996年10月4日にプロ修斗デビューを果たし、四半世紀が過ぎようとするなか宇野が2019年11月のマーカス・ヘルド戦以来。1年半ぶりにケージに足を踏み入れる。


対戦相手の内藤は1月にSASUKEの持つ修斗環太平洋フェザー級王座に挑み、RNCで敗れている。宇野は今回の試合出場に際し、SASUKE戦を要望したとも伝わっており、現状で戦うことができる最強の選手と対戦を望むという姿勢を持ち続けている。

とはいえ、内藤戦の8日前に46歳を迎えており、どれだけのパフォーマンスをケージの中で見せることができるのか不安は付きまとう。宇野には年齢云々ではなくケージに足を踏み入れる限り、MMAファイターとして成長した姿、そして強さを維持しているところを見せてほしい。

また同大会にはBRAVEからパラエストラ柏に移籍し、修斗初参戦となる坂巻魁斗が加藤ケンジと戦うことも発表された。

ZSTからDEEP、Grachanでキャリを積んできた坂巻だが、過去5戦は1勝4敗で3連敗中と厳しい状況にあり、常勝・鶴屋浩軍団入りし心機一転キャリアの再出発に臨む。

この他、今大会では3回戦でライト級の大尊伸光×西川大和、フライ級=清水清隆✖宇田悠斗と女子は杉本恵✖檜山美樹子、中村未来✖北野きゅう、小生由紀✖澤田千優、宝珠山桃花✖柳仙香のストロー級が4試合。さらにインフィニティリーグ2020バンタム級の最終対戦=石井が逸人✖野尻定由、小野島恒太✖一条貴洋戦が組まれており、これで全10試合が決定。後楽園ホールで10試合以上が組まれるのは、コロナ以前の昨年1月大会以来となる。

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